JP4530461B2 - 1,3−ブチレングリコールの精製方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アセトアルドール類を、触媒の存在下に水素添加して得られた反応粗液を塩基性にしてアルコールを留去する1,3−ブチレングリコールの精製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
1,3−ブチレングリコールは沸点208℃の粘調な無色透明、無臭の液体で、すぐれた溶解性を有し、化学的安定性にすぐれた誘導体を生成する。
その用途は各種の合成樹脂、界面活性剤の原料として、また、そのすぐれた吸湿特性、低揮発性、低毒性を利用して化粧品、吸湿剤、高沸点溶剤、不凍液の素材としても利用されている。特に近年、化粧品業界では無毒、無刺激の1,3−ブチレングリコールが保湿剤として優れた性質を有するため、その需要を大きく伸ばしており、無臭のブチレングリコールは化粧品グレードとして有用である。
しかしながら、従来の方法で得られた1,3−ブチレングリコールはタンクでの保存時に経時変化を起こして微臭が発生してくることから、長期間貯蔵することが困難であった。
このため、臭気が無く、長期の貯蔵後でも微臭のない1,3−ブチレングリコールの供給が望まれている。
従来、1,3−ブチレングリコールの製造方法としては次の3方法が知られている。(I)アセトアルデヒドをアルドール縮合させてアセトアルドール類を得、接触還元することによって、1,3−ブチレングリコールを得る方法(英国特許第853266号記載)。(II)1,3−ブチレンオキサイドの加水反応により1,3−ブチレングリコールを得る方法。(III)プリンス反応を利用してプロピレンとホルムアルデヒドから1,3−ブチレングリコールを得る方法。
しかしながら(II)の方法は、工業的製造方法が未だ確立していないので、実際的でない。又、(III)の方法は収率が低いので実用的ではない。
工業的には(I)の方法で1,3−ブチレングリコールが製造されているが、アセトアルドールは構造的に不安定な物質であり、脱水してクロトンアルデヒドを生成したりするため、水素添加(以下、水添と略す。)工程で種々の不純物、例えばブタノールや2−ブタノン等が副生する他に、アセトアルデヒド回収リサイクル工程に混入してアセトアルデヒド等と反応し種々の不純物を生成する。これらの不純物は、蒸留などによる1,3−ブチレングリコールの精製工程において分離が困難であり、製品、特に化粧品向けなどの製品の品質、特に臭気に悪影響を及ぼす。
特開昭62−212384号公報には、アルカリ触媒の存在下でアセトアルデヒドをアルドール縮合させて、アルドキサン(2,4−ジメチル−1,3−ジオキサン−6−オールの慣用名)を含む反応粗液を得、アセトアルデヒドを留出させながらアルドキサンを熱分解することにより、実質上パラアルドール(2−(2−ヒドロキシプロピル)−4−メチル−1,3−ジオキサン−6−オールの慣用名)を得る方法が開示されている。
特開昭62−246529号公報には、実質上の有効成分として、パラアルドールを含有する出発原料を接触還元せしめる1,3−ブチレングリコールの製造方法が開示されている。
特開昭61−65834号公報には、純度98%以上の1,3−ブチレングリコールに対し、減圧下で薄膜蒸発器を用い、水を加えて連続的に蒸留精製する1,3−ブチレングリコールの精製方法が開示されている。
特開昭63−156738号公報には、1,3−ブチレングリコールを蒸留精製するプロセスにおいて、脱高沸蒸留に続いて脱低沸蒸留を行い1,3−ブチレングリコールを缶出製品として得るに当たり、前もってアセトアルドールの水素添加反応混合物を減圧下において速やかにフラッシュ蒸発させる方法が開示されている。
特開平6−329664号公報には、アセトアルデヒドをアルカリ触媒の存在下アルドール縮合させて、主にアルドキサン、アセトアルデヒド、水および少量のクロトンアルデヒドを含む反応粗液を製造し、次いで該アルドキサンを熱分解することによりアルドキサンおよびパラアルドールを主成分とする反応粗液を製造する際、アルドキサンの熱分解工程において熱分解塔の塔頂から留出するアセトアルデヒドを、デカンターを具備したサイドカットラインを有する蒸留塔を使用してアセトアルデヒドを精製して、実質的にクロトンアルデヒドが存在しないアセトアルデヒドをアルドール縮合工程にリサイクルするアルドキサンおよびパラアルドールを主成分とする反応粗液の製造法、及び該反応粗液からの1,3−ブチレングリコールの製造法が開示されている。
特開平7−258129号公報には、アセトアルドールの液相水素還元法によって得られた反応混合物から、1,3−ブチレングリコールを蒸留精製するプロセスに於て、脱高沸物蒸留を行う際に、苛性ソーダ、苛性カリ、水素化硼素ナトリウム及び水素化硼素カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を添加する方法が開示されている。
USP3489655には、加熱1,3−ブチレングリコールがステンレス又はガラス製の非触媒性の材質とのみ接触させる特定の蒸留方法による、1,3−ブチレングリコールの臭気の改善方法が開示されている。
しかしながら上記技術は、純度の高い1,3−ブチレングリコールを収率よく、経済的に製造するには、不充分である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、純度の高い1,3−ブチレングリコールの収率の良い、経済的な精製方法を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、アルデヒドを含むアセトアルドール類の水添反応により得られた粗液(水素添加反応粗液または水添粗液ともいう。)を、塩基性にして蒸留することにより、上記課題を解決できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち本発明の第1は、アセトアルデヒドの縮合により得られたアセトアルドール類を、触媒の存在下に水素添加して1,3−ブチレングリコールを合成し、蒸留により1,3−ブチレングリコールを製造する方法において、水素添加反応粗液を塩基性にしてアルコールを留去した後、蒸留することを特徴とする1,3−ブチレングリコールの精製方法を提供する。当該方法は、アセトアルドール類が、アセトアルドール、パラアルドール、アルドキサン、及びそれらの混合物からなる群より選択され、アルコール類が、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールからなる群より選択され、そして塩基性がpH9〜12のアルカリ性であることを特徴とする。本発明の第2は、アルコールを留去し、さらに蒸発させて中和塩、触媒や熱分解生高沸点物を除去した後、蒸留することを特徴とする本発明の第1に記載の精製1,3−ブチレングリコールの製造方法を提供する。本発明の第は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムにより塩基性にすることを特徴とする本発明の第1または第2のいずれかに記載の1,3−ブチレングリコールの精製方法を提供する。本発明の第は、水素添加反応を中性ないし酸性で行った後、水素添加反応粗液を塩基性にすることを特徴とする本発明の第1〜のいずれかに記載の1,3−ブチレングリコールの精製方法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明では、塩基性触媒の存在下にアセトアルデヒドの縮合により得られたアセトアルドール類を、触媒の存在下に水添して1,3−ブチレングリコールを合成し、水素添加反応粗液を塩基性の状態でアルコールを留去して、1,3−ブチレングリコールを蒸留精製することを特徴とする。
【0007】
アセトアルドール類
アセトアルデヒドは、例えば水酸化ナトリウム等の塩基の存在下に縮合されて、主成分のアセトアルドール類や、アセトアルドールが脱水されて副生分のクロトンアルデヒドやその他の不純物が生じる。
本発明において、アセトアルドール類とは水素添加により1,3−ブチレングリコールを生成するもののことであり、具体的には、アセトアルドール、その環化二量体であるパラアルドール、アセトアルデヒドの一種の環状3量体であるアルドキサン等、又はこれらの混合物である。
アセトアルドールやパラアルドールは、塩基性触媒の存在下にアセトアルデヒドのアルドール縮合により直接得られたものでも、アルドキサンの熱分解などで得られたものであってもよい。
本発明においては、水添原料としてはアセトアルドール、パラアルドール、アルドキサン及びそれらの混合物が使用できる。
アセトアルデヒド縮合工程で得られた生成液(反応粗液ともいう。)は、中和工程で、通常酸により中和され、水添原料として使用する。水添工程における反応粗液は、中性でもよいが、酢酸で酸性、例えば酸性度1〜30、好ましくは2〜10にすることにより、水添工程でのポリマーの発生による触媒の劣化やクロトンアルデヒド等の副生に起因するブタノール等の副生を抑えることができる。
上記水添原料は、通常未反応アセトアルデヒドを縮合工程にリサイクルするため、アセトアルデヒドの少なくとも一部を留去したものであるが、残存アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、他の少量のアルデヒド成分、低沸点物、アルデヒドダイマーやトリマー等の高沸点物、水分等を含有していてもよい。水添原料は、10〜20重量%の水分を含んでいるものが使用できる。水分を除く、アセトアルドール分換算純度95〜98重量%のものが好ましく使用される。
【0008】
アセトアルデヒド縮合工程で得られた生成液(反応粗液ともいう。)は、酸を加えて中性ないし酸性にして、水添原料として使用される。
酸性化は、アセトアルデヒド縮合反応後の中和に続いて行われても、アルドキサンの熱分解を行った後に行われてもよい。これにより、酸性状態での脱水によるクロトンアルデヒドの副生を減少させることができる。
上記酸としては、有機酸、無機酸が挙げられ、有機酸、好ましくは酢酸である。
酢酸は、100%酢酸でもよいが、例えば5〜20容量%酢酸水溶液を使用するのが、中和及び酸性化操作上便利である。
水添原料の酸性の程度は、酸性度が1〜30、好ましくは2〜10である。
上記酸性度とは、試料100mlを、1/10N水酸化ナトリウム水溶液により、フェノールフタレンを指示薬に用いて、中和するに要する1/10N水酸化ナトリウム水溶液のml数のことである。
【0009】
水添反応に供給する液の酸性度を上記範囲にすることにより、水添反応工程における触媒のポリマー発生などによる劣化が防げる。酸性度が上記範囲より低すぎると、触媒の劣化防止が不充分であり、上記範囲より高すぎると、クロトンアルデヒドの副生に基づくブタノールの副生率の増加や水添反応工程の装置の腐食原因となる。
【0010】
水素添加前の工程
水添反応前の原料としては、必要により、脱アルコール蒸留、脱水蒸留、脱塩、脱不純物等の前処理工程により処理して、未反応アセトアルデヒドやクロトンアルデヒド等の副生物を除去したものを使用することができる。
前処理方法としては、蒸留、吸着、イオン交換、加熱高沸点物化、分解などが挙げられる。蒸留は、減圧、常圧、加圧、共沸、抽出、反応などの種々の蒸留方法が使用できる。
【0011】
水素
本発明で水添に使用する水素は、特に限定されるものではなく、通常、化学合成の水素添加に使用されるものであり、例えば純度99重量%以上、好ましくは純度99.5重量%以上のものである。
【0012】
触媒
本発明で水添に使用する触媒(水添触媒ともいう。)は、特に限定されるものではないが、例えばラネーニッケル等が使用できる。
【0013】
水素添加工程
水素添加は、回分式、半回分式、又は連続式のいずれでも行うことができる。
触媒は、鹸濁又は充填して使用することができるが、鹸濁させて使用することが好ましい。
例えば、水添原料100重量部に、触媒2〜20重量部、好ましくは5〜10重量部を添加し、水素圧力80〜200kg/cm2、好ましくは120〜150kg/cm2の下で、110〜140℃、好ましくは120〜135℃で、40〜100分間、好ましくは70〜90分間、混合ないし撹拌下に鹸濁させて反応させる。
水素添加は、水添反応粗液中のアルデヒド基含有量が200重量ppm以下、好ましくは50重量ppm以下、さらに好ましくは20重量ppm以下、特に好ましくは10重量ppm以下になるように行われる。
【0014】
水素添加反応後の製造工程
水添反応粗液は、脱アルコール蒸留、脱水蒸留、蒸発、脱不純物、残存二重結合の化学的処理、又はこれらの組み合わせ等の工程により処理される。
脱アルコール蒸留は、発生したエタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコールを留去するものである。
脱水蒸留は、発生した水分や、不純物を共沸させるために加えた水を除去するものである。
蒸発は、中和塩、触媒や熱分解性高沸点物を除去するものであり、単蒸留、フラッシュ等の加熱滞留時間の短かい操作により、速やかに行われる。
残存二重結合の化学的処理は、二重結合、特にカメレオン試験(JIS K1351の3.10)により反応する二重結合に水酸化アルカリなどを付加したり、切断したり、ソジウムボロハイドライドなどにより還元したりする操作により行われる。
脱不純物は、その他のブタノン等の低沸点物や高沸点物等を分離するものであり、蒸留、吸着、イオン交換等の操作により行われる。
蒸留は、沸点の差を利用して得られた1,3−ブチレングリコールから低沸点物、高沸点物、塩分等を分離できる蒸留方法であれば、特に制限はなく、減圧、常圧、加圧、共沸、抽出、反応などの種々の蒸留方法が使用できる。
【0015】
本発明では、水添反応粗液からアルコール等の低沸点成分を留去した後、必要であれば脱水蒸留さらには蒸発操作を行って、1,3−ブチレングリコールから中和塩、触媒や熱分解性高沸点物を除去した上で、蒸留により1,3−ブチレングリコールを留出させる。
しかし、水添反応粗液が酸性のまま、アルコール等を留去すると、加熱によりアルコールや1,3−ブチレングリコールからエーテル類が生成するために、1,3−ブチレングリコールの収率を低下させたり、エーテル類の混入による精製1,3−ブチレングリコールの品質低下が生じる。
このため、本発明では、水添反応粗液を塩基性にして、アルコール等の蒸留による除去や、蒸発を行う。塩基性にする水添反応粗液は、水添直後の粗液や、脱エタノール後の液、脱ブタノール後の液、脱水蒸留後の液であってもよいが、好ましくは水添直後の粗液である。
【0016】
塩基性の程度としては、pH9〜12、好ましくはpH10以上、特に好ましくはpH11.0〜11.5のアルカリ性である。水添反応粗液が酸性では、エーテル類が生成するし、中性ないしpH9未満では収率や臭気の改善効果が小さく、一方pHが12よりも大きすぎると熱分解性高沸点物等が分解して臭気や着色成分を発生し、精製1,3−ブチレングリコールの品質低下が生じる。
水添反応粗液を塩基性にするには、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、アミン等が挙げられるが、好ましくは水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムであり、特に好ましくは水酸化ナトリウムである。
水酸化ナトリウムは水溶液として加えるのが便利であり、5〜50重量%の水溶液が使用される。
【0017】
蒸留して得られた1,3−ブチレングリコール留出分は、そのまま製品として使用できるが、用途によっては、さらに蒸留して、残存する低沸点成分を分離する。
【0018】
本発明により得られた1,3−ブチレングリコールは、塗料用溶剤、各種化合物を製造するための中間原料のみならず、特に純度が高く、臭気や味の問題がないグレードのものが得られるので、保湿剤等の化粧品原料や動物用餌の添加剤として使用可能である。
【0019】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
臭気の評価方法:評価試料として、臭いを感じない1,3−ブチレングリコールを1、ほとんど臭いを感じない1,3−ブチレングリコールを5、僅かに臭いの感じられる1,3−ブチレングリコールを10として、その相対評価で点数を付ける。
1,3−ブチレングリコールは、水と1:1容量比で混合し、共栓広口試薬瓶に入れ、密栓し室温に放置した後、大気中で速やかに臭いを嗅ぎ、比較する方法で行った。
臭気不合格の1,3−ブチレングリコールは、上記点数が10以上のものである。
【0020】
(実施例1)
1リットルのジャケット付アルドール縮合反応器に、予め調合したアセトアルデヒド水溶液(アセトアルデヒド/水=90/10重量比)500重量部を仕込み、温度15〜20℃に冷却した。ついで、強力に攪拌しながら、0.5%水酸化ナトリウム水溶液10重量部を少しずつ滴下し、反応温度20℃に維持して7時間反応させた。次いで、中和槽において、10容量%の希酢酸水溶液で中和し、2時間熟成させた後、アルドキサン分解塔に連続的に供給し熱分解を行った。
アルドキサン分解塔の頂部からはアセトアルデヒド、クロトンアルデヒド及び水を含む留分を排出し、塔底部からは、アルドキサン及びパラアルドールを含むパラアセトアルドール類を主成分とし、残部のクロトンアルデヒド、その他を副成分とし、水を含む缶出液を連続的に排出した。缶出液は、中継槽において同希酢酸で酸性度を10に調整して、水添用原料とした。
なお、酸性度とは、試料100mlを、1/10N水酸化ナトリウム水溶液により、フェノールフタレンを指示薬に用いて、中和するに要する1/10N水酸化ナトリウム水溶液のml数のことである。
得られた水添用原料を、水添触媒であるラネーニッケルの鹸濁した連続懸濁気泡塔に連続的に供給し、下記反応条件で水添反応を行い、ラネーニッケルを濾別して、水添反応粗液を得た。
反応条件は、水添用原料中のアセトアルドール類100重量部に対して、触媒10重量部、水素6重量部、滞留時間80分、反応温度135℃、反応圧力140気圧である。
水添直後の粗液の組成は、エタノール8重量%、ブタノール1.6重量%、1.3−ブチレングリコール85重量%であった。
【0021】
水添直後の粗液に濃度10重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを11に調整した後、エタノール、ブタノールを留去し、脱水蒸留し、薄膜蒸発器を使用して、中和塩、水酸化ナトリウム、触媒および熱分解性高沸点物を分離した後、20段の連続蒸留塔に供給し、缶液温度150℃、塔頂圧力20torrで、供給液量100重量%として、高沸点物15重量%を缶出させ、純度99.2重量%の1,3−ブチレングリコール留出分を得た。
水添粗液からの1,3−ブチレングリコールの回収率は90重量%であった。また、1,3−ブチレングリコール留出分は着色もなく、臭気評価5であった。
【0022】
(実施例2)
水添直後の粗液を、pHを11.5に調整した以外は、実施例1と同様に行った。
水添粗液からの1,3−ブチレングリコールの回収率は88重量%であった。また、1,3−ブチレングリコール留出分は着色もなく、臭気評価3であった。
【0023】
(比較例1)
実施例1で得られた水添直後の粗液を、そのまま酸性状態で、実施例1と同様に脱アルコール処理してエタノール、ブタノール、酢酸等を除き、薄膜蒸発器を使用して、中和塩、触媒および熱分解性高沸点物を分離した後、20段の連続蒸留塔に供給し、缶液温度150℃、塔頂圧力20torrで、供給液量100重量%として、高沸点物20重量%を缶出させ、純度98重量%の1,3−ブチレングリコール留出分を得た。
水添粗液からの1,3−ブチレングリコールの回収率は83重量%であった。
得られた1,3−ブチレングリコールは、実施例1に比較して純度が低く、収率も低かった。
【0024】
(比較例2)
水添直後の粗液を、pHを13に調整した以外は、実施例1と同様に行った。
得られた1,3−ブチレングリコールは、実施例1に比較して臭気評価約15であり、着色もあり、製品として不合格であった。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、純度が高い1,3−ブチレングリコールが収率良く、経済的に製造され、合成樹脂、界面活性剤、吸湿剤、高沸点溶剤、不凍液や、特に吸湿性、低揮発性、低毒性を利用して化粧品の素材としても利用される。

Claims (4)

  1. アセトアルデヒドの縮合により得られたアセトアルドール類を、触媒の存在下に水素添加して1,3−ブチレングリコールを合成し、蒸留により1,3−ブチレングリコールを製造する方法において、水素添加反応粗液を塩基性にしてアルコールを留去した後、蒸留することを特徴とする1,3−ブチレングリコールの精製方法であって、
    該アセトアルドール類が、アセトアルドール、パラアルドール、アルドキサン、及びそれらの混合物からなる群より選択され、
    該アルコール類が、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールからなる群より選択され、そして
    該塩基性がpH9〜12のアルカリ性であることを特徴とする、
    1,3−ブチレングリコールの精製方法。
  2. アルコールを留去し、さらに蒸発させて中和塩、触媒や熱分解性高沸点物を除去した後、蒸留することを特徴とする請求項1に記載の精製1,3−ブチレングリコールの製造方法。
  3. 水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムにより塩基性にすることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の1,3−ブチレングリコールの精製方法。
  4. 水素添加反応を中性ないし酸性で行った後、水素添加反応粗液を塩基性にすることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の1,3−ブチレングリコールの精製方法。
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