JP2800070B2 - 無色・無臭ジグリセリンの製造方法 - Google Patents

無色・無臭ジグリセリンの製造方法

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JP2800070B2
JP2800070B2 JP41774390A JP41774390A JP2800070B2 JP 2800070 B2 JP2800070 B2 JP 2800070B2 JP 41774390 A JP41774390 A JP 41774390A JP 41774390 A JP41774390 A JP 41774390A JP 2800070 B2 JP2800070 B2 JP 2800070B2
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憲治 岡
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無色・無臭のジグリセリ
ンの製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は化粧
品グレードとして合格する程度の高品位の無色・無臭の
ジグリセリンの製造方法に関する。
【0002】ジグリセリンは3価のアルコールであるグ
リセリンの2量体、即ち、4価のアルコールであり、そ
の4個の水酸基を利用して高級脂肪酸とのエステル化反
応、あるいはエーテル化反応など種々の反応を行なわせ
しめることにより各種誘導体を合成するための原料とな
る有用な化合物である。
【0003】これらジグリセリンのエステル化物やエー
テル化物はそのまま有機合成薬品、乳化剤、防曇剤、消
泡剤、可塑剤さらには保湿剤、皮膚に対する柔軟剤とし
て化粧品添加剤として用いられたり、塗料用樹脂、ポリ
ウレタン、ポリエステル等の原料として広く用いられて
いる。
【0004】
【従来の技術】ジグリセリンは合成グリセリン製造時の
副生物として、あるいはグリセリンの脱水縮合反応等に
より製造されている。なお、合成グリセリンの製造法は
アリルアルコールの過酢酸による酸化、エピクロルヒド
リンの加水分解による方法が代表的なものである。
【0005】例えば、特開昭57−203023(特公
昭61−21611)号公報に合成グリセリン製造時の
副生物として得られるジグリセリン粗液より精製グリセ
リンを得る方法が開示されている。上記公報に記載され
た実施例1によると、各液中の組成が以下の表1のよう
な組成が紹介されている。
【0006】
【表1】
【0007】なお、表1において各液は以下の
通りである(単位は%、分析はガスクロマトグラフィー
による)。合成グリセリン製造時の副生物として得ら
れるジグリセリン粗液(蒸溜塔仕込み液) 低沸液 精製ジグリセリン 塔底液
【0008】合成グリセリン製造時の副生物として製造
されるジグリセリン中には、グリセリンの合成過程およ
び、精製過程で生じる副反応や共存物質によって、グリ
セリンあるいは、ジグリセリン、トリグリセリン、さら
にそれ以上のポリグリセリン等のアセタール化物やエス
テル化物が含まれている。
【0009】これらがジグリセリン中に混入していると
その主な用途である脂肪酸エステル製造時に分解し、そ
の分解生成物が脂肪酸エステルに不溶であるため沈澱物
が生成するという問題を有していた。また、アクロレイ
ン類が異臭の原因物質と考えられている。
【0010】さらに、化粧品グレードのジグリセリンの
場合、着色度合いも重要な品質ファクターである。特
に、合成グリセリン製造時の副生物として得られるジグ
リセリン粗液より得られたの精製ジグリセリンでさ
え、これら臭気、着色度合いなどすべてを満たすことが
困難であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】特に化粧品などの原料
物質として用いる場合、ガスクロマトグラフィー分析に
よるアクロレイン類の分析値がたとえ表1のように0、
即ち、分析出来ない程度の臭気であっても問題となる。
なお、前記2つの合成グリセリンの製造法の中で過酢酸
を用いてアリルアルコールを酸化する方法の場合、反応
の性格上特に問題が大きい。
【0012】
【発明の目的】本発明者等は上記の問題点を克服すべく
鋭意検討を行なった結果、目的を達成しうる優れたジグ
リセリンの精製法の開発に成功し、本発明を完成させ
た。本発明者等は上記の問題点を克服すべく鋭意検討を
行なった結果、目的を達成しうる優れた無臭ジグリセリ
ンの製造方法の開発に成功し、本発明を完成させた。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、 「グリセリン製造時に副生するジグリセリンを含む着色
蒸溜残液を (a)連続的に蒸溜して塔頂液として粗ジグリセリン液
を取り出し、 (b)該粗ジグリセリン液を活性炭処理し、 次いで (c)蒸溜して塔頂から取り出す ことを特徴とする無色・無臭ジグリセリンの製造方法」
である。
【0014】本発明において無色のジグリセリンという
のはAPHAの値で20未満のものとする。また、無臭
のジグリセリンというのはガスクロマトグラフィーによ
る純度が95%以上のものとする。本発明において最初
の出発物質となるジグリセリンを含む着色蒸溜残液はA
PHAの値が測定できない位、すなわち、真っ黒に近い
程度に着色しており、グリセリンの脱高沸塔の塔底残液
として得られる。
【0015】前記表−1におけるの蒸溜塔仕込み液が
これに相当する。この液の概略組成は、グリセリン5
%、ジグリセリン55%、トリグリセリンおよびそれ以
上のポリグリセリン40%からなっている。この脱高沸
塔の塔底残液からまず連続フラッシュ蒸発によってグリ
セリンを回収し、さらにこの缶残液を連続フラッシュ蒸
発させることによって従来は製品とされていた精製ジグ
リセリンが得られる。
【0016】この精製ジグリセリン、即ち、前記特開昭
57−203023(特公昭61−21611)号公報
に記載されているの精製ジグリセリンが本発明の製造
方法の対象となる出発原液である。
【0017】この精製ジグリセリン中には前述したよう
に85〜95%程度のジグリセリンのほかにグリセリン
あるいはトリグリセリン、さらにそれ以上のポリグリセ
リン等のアセタール化物やエステル化物の一部が同伴さ
れて混入し、表−1に記載されているような組成の液と
なる。
【0018】この精製ジグリセリンをユーザーにおいて
ジグリセリンの脂肪酸エステルの合成反応の原料として
用いる場合、アセタールやエステルが分解して異臭が発
生するという化粧品などには致命的な問題があるばかり
でなく、水酸化ナトリウム等のアルカリ触媒が使用され
ているため、このアルカリ触媒によって、前述のアセタ
ール化物やエステル化物が加水分解され、ジグリセリン
の脂肪酸エステルに不溶の重合物や塩のようなものが生
成して沈澱物になって混入するような不都合も生じる。
【0019】本発明の製造方法の対象となる出発原液で
ある「グリセリン製造時に副生するジグリセリンを含む
着色蒸溜残液」というのは前記の精製ジグリセリンで
あるが、この液のAPHA値は200程度である。この
液を単に蒸溜装置で処理しただけではAPHA値は50
〜80程度迄しか低下しない。また、臭いはほとんど除
去されない。
【0020】一方、上記APHA値200程度の液を活
性炭処理した場合、APHA値は80〜150程度迄に
しか低下しない本発明のポイントは前記のような微量の
不純物を含有してはいるが、従来は製品として使用され
ていた精製ジグリセリンを活性炭処理した後、さらに蒸
溜して精製するところにある。
【0021】すなわち、このように活性炭処理と例えば
フラッシュ蒸発装置などを用いた蒸溜処理を組み合わせ
て処理すればそれらの相乗効果によりAPHA値は10
程度迄低下し、臭いはほとんど感じない程度まで精製す
ることができる。活性炭処理する場合、活性炭充填塔を
通過した後の液のAPHA値は処理速度との兼ね合いで
ある程度コントロールすることが可能であるが、APH
A値が150を越えないように管理するのが蒸溜処理と
の組み合わせによる相乗効果を得るという観点から好ま
しい。
【0022】フラッシュ蒸発装置の運転条件は熱媒温度
250℃未満、圧力0.1〜50Torrが好ましい。
熱媒温度が250℃を越えると系内で分解が起きやす
く、製品に着色や異臭を生じる。圧力が50Torrよ
り高いとフラッシュ温度が高くなるので好ましくない。
【0023】フラッシュ蒸発装置内の滞留時間は短い方
が好ましい。滞留時間が長くなると系内で分解が起きや
すく、製品に着色や異臭を生じる。フラッシュ蒸発処理
する際の分解しやすい高沸物のカット率は5〜20%が
好ましい。カット率が20%を越えると製品の収率が悪
くなり経済性の点で好ましくない。逆に5%未満では製
品の品質に影響がでるので好ましくない。
【0024】
【発明の効果】次に実施例をあげて本発明の効果を具体
的に説明する。
【0025】
【実施例1】グリセリンを回収した缶残液(すなわち、
前記に相当する)からフラッシュ蒸発することによっ
て得たAPHA値200を有する精製ジグリセリン(す
なわち、前記に相当する)を活性炭処理し、次いで薄
膜蒸発処理した。
【0026】(1)フラッシュ蒸発処理した際の条件は
以下の通りである。 フラッシュ蒸発器(薄膜式) 圧力:5Torr 熱媒温度:260℃ 液送液速度または仕込み量:200g/H 液回収率:40% 凝縮温度:150℃
【0027】(2)活性炭処理した際の条件は以下の通
りである。 使用活性炭:三菱ダイヤホープー008 活性炭充填量:120g 充填塔のサイズ:5cmφ×16cmH 送液速度:50g/H 活性炭処理温度:100℃ 活性炭処理液回収率:98% 活性炭処理後の液のAPHA値:60〜120
【0028】(3)薄膜蒸発処理した際の条件は以下の
通りである。 熱媒温度:240℃ 圧力:5Torr 送液速度:200g/H 凝縮温度:160℃ 液回収率:90%(低沸物1%カット、高沸物9%カッ
ト) 得られた液のAPHA:10未満 ガスクロ純度:99.5% 臭気官能テスト:無臭
【0029】
【比較例1】実施例における活性炭処理をしていないフ
ラッシュ蒸発処理液(APHA値120)を薄膜蒸発処
理した結果、液回収率90%で得られた液のAPHA値
は60であった。また、臭気官能テストの結果、誰にも
感じられるアクロレイン臭が残存していた。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリセリン製造時に副生するジグリセリ
    ンを含む着色蒸溜残液を (a)連続的に蒸溜して塔頂液として粗ジグリセリン液
    を取り出し、 (b)該粗ジグリセリン液を活性炭処理し、 次いで (c)蒸溜して塔頂から取り出す ことを特徴とする無色・無臭ジグリセリンの製造方法。
JP41774390A 1990-12-17 1990-12-17 無色・無臭ジグリセリンの製造方法 Expired - Lifetime JP2800070B2 (ja)

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WO2012041816A1 (en) 2010-09-30 2012-04-05 Solvay Sa Derivative of epichlorohydrin of natural origin
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