JP6804602B1 - 1,3−ブチレングリコール製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】無臭であって、水を含む状態においても経時による酸濃度の上昇を生じにくい、高純度の1,3−ブチレングリコール製品を提供する。【解決手段】特定条件のガスクロマトグラフィー分析において、1,3−ブチレングリコールのピークの相対保持時間を1.0としたとき、相対保持時間が1.35〜1.45の範囲に現れるピークの面積率が100ppm以下である1,3−ブチレングリコール製品。【選択図】図1

Description

本発明は1,3−ブチレングリコール製品に関する。
1,3−ブチレングリコールは無色透明、無臭の液体であり、低揮発性、低毒性、高吸湿性等の性質を備え、化学的安定性に優れる。このため、1,3−ブチレングリコールの用途は各種の合成樹脂、界面活性剤の原料をはじめ、化粧品、吸湿剤、高沸点溶剤、不凍液の素材等の多岐にわたっている。特に近年では、1,3−ブチレングリコールは保湿剤として優れた性質を有することが注目されており、化粧品業界での需要が拡大している。
従来の製造方法で得られる1,3−ブチレングリコールは、水を含有した状態に長期間置くと酸濃度(酸性度)が上昇するという問題があった。酸濃度が上昇する原因は定かではなかったが、粗1,3−ブチレングリコールに含まれる副産物に関係すると考えられていた。
化粧品は水を含むことが一般的であり、製造から一般消費者が実際に使用するまでに長い期間を要する。また、化粧品は保存安定性等の観点から液性が厳密に調整されている。従来の方法で得られた1,3−ブチレングリコールを化粧品に使用する場合、酸濃度の上昇により化粧品の液性バランスが崩れ、本来発揮されるべき効果が失われる可能性がある。また、化粧品の酸濃度の上昇により、使用者の肌荒れ等が発生する可能性もある。また、水を含まない化粧品であっても、使用時や保管時に吸湿することにより、その酸濃度が上昇することもあった。このため、粗1,3−ブチレングリコールから副産物を除去し、1,3−ブチレングリコールを高純度化することが求められていた。
純度の高い1,3−ブチレングリコールを得る方法として、アセトアルドール類の水素還元により得られた粗1,3−ブチレングリコールに対し、苛性ソーダを添加して蒸留を行う方法が提案されている。また、高沸点物を除いた粗1,3−ブチレングリコールにアルカリ金属塩基を添加して加熱処理した後、1,3−ブチレングリコールを留出させアルカリ金属化合物及び高沸点物を残渣として分離し、続いて1,3−ブチレングリコール留分から低沸点物を留去する方法等が提案されている(特許文献1〜6)。この様に、純度の高い1,3−ブチレングリコールを得るために様々な1,3−ブチレングリコールの精製方法が提案されてきた。
特開平7−258129号公報 国際公開第00/07969号 特開2001−213822号公報 特開2001−213824号公報 特開2001−213825号公報 特開2001−213828号公報
しかしながら、これらの精製方法から得られる1,3−ブチレングリコール製品も依然として副産物が含まれており、臭気を有するという問題や、水を含むと経時により酸濃度が上昇するという問題があった。
従って、本発明の目的は、無臭であって、水を含む状態においても経時による酸濃度の上昇を生じにくい、高純度の1,3−ブチレングリコール製品を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、従来の製造方法で得られる1,3−ブチレングリコール製品の酸濃度が上昇する原因の一つが、1,3−ブチレングリコール製品に含まれる副産物が水の存在下において加水分解され、有機酸(例えば酢酸)が生じることであることを突き止めた。そして、粗1,3−ブチレングリコールの製造方法を改良することにより、無臭であって、水を含む状態においても経時による酸濃度の上昇が生じにくい、高純度の1,3−ブチレングリコール製品が得られることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明では、下記条件のガスクロマトグラフィー分析において、
1,3−ブチレングリコールのピークの相対保持時間を1.0としたとき、相対保持時間が1.35〜1.45の範囲に現れるピークの面積率が100ppm以下である1,3−ブチレングリコール製品を提供する。
(ガスクロマトグラフィー分析の条件)
分析カラム:固定相がジメチルポリシロキサンであるカラム(膜厚1.0μm×長さ30m×内径0.25mm)
昇温条件:5℃/分で80℃から120℃まで昇温した後、2℃/分で160℃まで昇温し2分保持する。さらに、10℃/分で230℃まで昇温し、230℃で18分保持する。
試料導入温度:250℃
キャリアガス:ヘリウム
カラムのガス流量:1mL/分
検出器及び検出温度:水素炎イオン化検出器(FID)、280℃
上記1,3−ブチレングリコール製品は、90重量%水溶液を100℃で1週間保持した後の酸濃度(酢酸換算)が0.002重量%以下であることが好ましい。
上記1,3−ブチレングリコール製品における1,3−ブチレングリコールは、アセトアルドール、パラアルドール、及びアルドキサンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物の還元体であることが好ましい。
本発明の1,3−ブチレングリコール製品は、無臭であって、水を含む状態においても経時による酸濃度の上昇がないため、化粧品や保湿剤等の用途に好適に使用される。
本発明の1,3−ブチレングリコール製品に関する製造方法(精製方法)のフローチャートである。 実施例1における1,3−ブチレングリコール製品のガスクロマトグラフィー分析のチャートである。 比較例1における1,3−ブチレングリコール製品のガスクロマトグラフィー分析のチャートである。
本発明の1,3−ブチレングリコール製品は、下記条件のガスクロマトグラフィー分析において、1,3−ブチレングリコールのピークの相対保持時間を1.0としたとき、相対保持時間が1.35〜1.45の範囲に現れるピークの面積率が100ppm以下であることを特徴とする。
(ガスクロマトグラフィー分析の条件)
分析カラム:固定相がジメチルポリシロキサンであるカラム(膜厚1.0μm×長さ30m×内径0.25mm)
昇温条件:5℃/分で80℃から120℃まで昇温した後、2℃/分で160℃まで昇温し2分保持する。さらに、10℃/分で230℃まで昇温し、230℃で18分保持する。
試料導入温度:250℃
キャリアガス:ヘリウム
カラムのガス流量:1mL/分
検出器及び検出温度:水素炎イオン化検出器(FID)、280℃
上記ピークの面積率は、例えば、100ppm以下が好ましく、より好ましくは50ppm以下、さらに好ましくは20ppm以下、特に好ましくは10ppm以下である。なお、本発明において、ピークの「面積率」とは、チャートに現れる全てのピークの面積の和に対する特定のピークの面積の割合を意味するものである。また、全てのピークとは、例えば、1,3−ブチレングリコールのピークの相対保持時間を1.0としたとき、相対保持時間が7.8まで分析を継続して停止した場合に現れるピークの全てを意味する。上記ピークの面積率が上記範囲にあることにより、臭気の発生や、水を含む状態における経時による酸濃度の上昇が低減される傾向がある。
上記条件のガスクロマトグラフィー分析において、1,3−ブチレングリコールのピークの相対保持時間を1.0としたときの相対保持時間が1.35〜1.45の範囲に現れるピークに該当する成分としては、例えば、酢酸と1,3−ブチレングリコールとのエステル体が挙げられる。すなわち、本発明の1,3−ブチレングリコール製品は、副産物としての前記エステル体の含有量が少ないことが好ましい。
本発明の1,3−ブチレングリコール製品において、上記条件のガスクロマトグラフィー分析における1,3−ブチレングリコールのピークの面積率は、例えば、99.5%以上であることが好ましく、より好ましくは99.7%以上、さらに好ましくは99.8%以上、特に好ましくは99.9%以上である。上記ピークの面積率が上記範囲にあることにより、臭気の発生や、水を含む状態における経時による酸濃度の上昇が低減される傾向がある。
本発明の1,3−ブチレングリコール製品では、上記条件のガスクロマトグラフィー分析における1,3−ブチレングリコールのピークの相対保持時間を1.0としたときの、相対保持時間が1.6〜1.8の範囲に現れるピークの面積率が、例えば、2000ppm以下であることが好ましく、より好ましくは1000ppm以下、さらに好ましくは600ppm以下、特に好ましくは200ppm以下である。上記ピークの面積率が上記範囲にあることにより、臭気の発生や経時による着色が低減される傾向がある。上記面積率の下限は、例えば、10ppm、20ppm、50ppm、又は100ppmであってもよい。
上記条件のガスクロマトグラフィー分析において、1,3−ブチレングリコールのピークの相対保持時間を1.0としたときの相対保持時間が1.6〜1.8の範囲に現れるピークに該当する成分としては、例えば、原料(アセトアルデヒド)の三量体の水素化物が挙げられる。すなわち、本発明の1,3−ブチレングリコール製品は、副産物としての前記水素化物の含有量が少ないことが好ましい。
本発明の1,3−ブチレングリコール製品において、90重量%水溶液を100℃で1週間保持した後の酸濃度(酢酸換算)は特に限定されないが、例えば、0.002重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.0015重量%以下、さらに好ましくは0.001重量%以下、特に好ましくは0.0005重量%以下である。上記酸濃度の上限は、例えば、0.00005重量%、0.0001重量%であってもよい。なお、90重量%水溶液とは、1,3−ブチレングリコール製品と水(例えば純水)とを混合し、1,3−ブチレングリコール製品が90重量%となる様に調整した水溶液を意味する。また、本発明の1,3−ブチレングリコール製品(100℃で1週間保持する前)において、90重量%水溶液の酸濃度(酢酸換算)は、上記範囲内であることが好ましい。
本発明の1,3−ブチレングリコール製品の90重量%水溶液の酸濃度(酢酸換算)について、100℃で1週間保持した後の酸濃度の保持前の酸濃度に対する比率[(100℃1週間保持後の酸濃度)/(保持前の酸濃度)×100(%)]は、特に限定されないが、200%以下が好ましく、より好ましくは150%以下、さらに好ましくは120%以下である。
本発明の1,3−ブチレングリコール製品における1,3−ブチレングリコールは、例えば、(1)アセトアルドール類の還元体、(2)1,3−ブチレンオキサイドの加水分解物、(3)エリスリトールの選択的水素化分解物、(4)ブタジエンへの選択的水付加物、(5)n−ブタナール−3−オンの水素化物、(6)1−ブタノール−3−オンの水素化物、(7)3−ヒドロキシ−1−ブタン酸の水素化物、(8)β−ブチロラクトンの水素化物、及び(9)ジケテンの水素化物が挙げられる。なお、本発明の1,3−ブチレングリコールは上記(1)〜(9)のうちの一種又は二種以上の混合物であってもよい。
本発明の1,3−ブチレングリコール製品における1,3−ブチレングリコールは(1)アセトアルドール類の還元体であることが好ましい。また、アセトアルドール類の還元体としては、1,3−ブチレングリコールの収率の観点からは、アセトアルドール類の液相還元体であることが好ましい。その理由は、アセトアルドール類が高沸点であることと、アセトアルドール類が熱に不安定であって、高温では容易に脱水反応を起こしてクロトンアルデヒド等になること、さらに、高温における脱水反応と還元反応(水添反応)は前者の反応速度が速いこと、にある。すなわち、アセトアルドール類を気相還元する場合には反応系内を高温とする必要があるが、アセトアルドール類を高温に付すと脱水反応を起こしてクロトンアルデヒド等が生じ、その後の還元反応によりブタノール等の副産物が生じる。このため、目的とする1,3−ブチレングリコールの収率が相対的に低下することとなる。したがって、高純度の1,3−ブチレングリコール製品を得るためには、気相還元よりも液相還元を行うことが好ましい。ここで、アセトアルドール類の還元体としての1,3−ブチレングリコールとは、アセトアルドール類を水素還元する方法により得られる1,3−ブチレングリコールと言い換えることができる。同様に、アセトアルドール類の液相還元体としての1,3−ブチレングリコールとは、アセトアルドール類を液相にて水素還元する方法により得られる1,3−ブチレングリコールと言い換えることができる。また、1,3−ブチレンオキサイドの加水分解物としての1,3−ブチレングリコールとは、1,3−ブチレンオキサイドを加水分解することにより得られる1,3−ブチレングリコールと言い換えることができる。
一般的に、1,3−ブチレングリコールを製造する場合、その製造過程において副産物が産生する。例えば、アセトアルドール類の水素還元により1,3−ブチレングリコールを製造する場合、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、アセトン、メチルビニルケトン等の不飽和結合を有する低沸点物(低沸点化合物)や、これらの縮合物、1,3−ブチレングリコールと上記低沸点物との縮合物(例えば、1,3−ブチレングリコールとアセトアルドールとのアセタール体)等が副生する。また、原料となるアセトアルドール類に不純物として含まれる酢酸や、アセトアルドール類の製造において使用した苛性ソーダを中和するために使用される酢酸と、1,3−ブチレングリコールの縮合物(酢酸と1,3−ブチレングリコールとのエステル体)が副生する。
そして、これらの副産物は臭気原因物質や酸性原因物質としての性質を有し得る。特に、上記エステル体は臭気原因物質と酸性原因物質としての両方の性質を有するものであると考えられる。これは、上記エステル体が水により加水分解されると、酢酸が発生するためである。また、上記アセタール体は臭気原因物質としての性質を色濃く有するものであると考えられる。なお、1,3−ブチレングリコールには、上記アセタール体やエステル体以外にも、臭気原因物質や酸性原因物質に相当する副産物が含まれると考えられる。ここで、臭気原因物質とは、それ自身が現に臭気を発している物質だけでなく、経時的に臭気を発するものに変化する物質も含むものとして定義される。また、酸性原因物質とは、水を含むと経時により酸濃度が上昇する物質と定義される。
これらの副産物、特に、上記のアセタール体やエステル体は、従来の蒸留等の精製手段を用いても完全に取り除くことは難しい。これは、精製段階において、粗1,3−ブチレングリコールが高温条件に付されることや、アルカリ処理に付されることにより、新たな副産物が産生するためであると考えられる。このため、上述の通り、特許文献1〜6の1,3−ブチレングリコール製品が多くの副産物を含むことから臭気を有し、さらに水を含む状態において経時による酸濃度の上昇が生じる。したがって、純度の高い1,3−ブチレングリコール製品を得るためには粗1,3−ブチレングリコールを精製する方法を改良するだけでは充分でなく、粗1,3−ブチレングリコールの製造方法そのものを改良することが必要であるといえる。
1,3−ブチレングリコールの製造にはアセトアルドール類を含む水添原料が使用される。アセトアルドール類は水素還元により1,3−ブチレングリコールとなる化合物であれば特に限定されないが、例えば、アセトアルドール、その環化二量体であるパラアルドール、アセトアルデヒドの一種の環状3量体であるアルドキサン、及びこれらの混合物等が挙げられる。
アセトアルドール類(例えばアセトアルドールやパラアルドール)の製造方法は特に限定されないが、例えば、塩基性触媒の存在下におけるアセトアルデヒドのアルドール縮合反応により得られたものでも、アルドキサンの熱分解等で得られたものであってもよい。上記の反応により得られたアセトアルドール類を含む反応粗液を酸により中和して、1,3−ブチレングリコールの製造に使用してもよい。この様な反応粗液は、アセトアルドール類以外にも、アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、他のアルデヒド成分、低沸点物、アルデヒドダイマーやトリマー等の高沸点物、水、塩等が含まれ得る。なお、本明細書において、1,3−ブチレングリコールよりも沸点の低い化合物を「低沸点物」、1,3−ブチレングリコールよりも沸点の高い化合物を「高沸点物」とそれぞれ称する場合がある。
上記反応粗液は、必要に応じて、脱アルコール蒸留、脱水蒸留、脱塩、脱不純物等の前処理に付し、未反応アセトアルデヒドやクロトンアルデヒド等の副産物を除去したものを使用してもよい。前処理の方法としては、蒸留、吸着、イオン交換、加熱高沸点物化、分解等が挙げられる。蒸留は、減圧、常圧、加圧、共沸、抽出、反応等の種々の蒸留方法が使用できる。
水添原料におけるアセトアルドール類の含有量は特に限定されないが、例えば、50重量%以上(例えば50〜99重量%)であることが好ましく、より好ましくは60重量%以上(例えば60〜98重量%)、さらに好ましくは65〜98重量%、特に好ましくは80〜95重量%、最も好ましくは85〜95重量%である。アセトアルドール類の含有量が上記範囲内であることにより、粗1,3−ブチレングリコールに含まれる不純物が低減される傾向がある。
水添原料は水を含んでいてもよいし、含まなくてもよいが、1,3−ブチレングリコールの純度の観点からは含んでいることが好ましい。水添原料における水の含有量は特に限定されないが、例えば、2重量%以上が好ましく、より好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上、特に好ましくは15重量%以上である。なお、その上限値は、例えば、50重量%、40重量%、又は35重量%であってもよい。水の含有量が上記範囲内である場合、得られる粗1,3−ブチレングリコールに含まれる酢酸と1,3−ブチレングリコールとのエステル体が低減されるため、最終的に得られる1,3−ブチレングリコール製品の純度が高くなる傾向がある。これは、水添原料に水がある程度含まれていることにより、上記エステル体が加水分解されて1,3−ブチレングリコールとなることに起因する。
以下、粗1,3−ブチレングリコールの製造方法について説明する。本製造方法では、アセトアルドール類を含む水添原料を水添触媒の存在下で還元することにより粗1,3−ブチレングリコールを得ることを特徴とする。
水添触媒としては、例えば、ラネーニッケル等が挙げられる。水添触媒は、鹸濁又は充填して使用することができるが、鹸濁させて使用することが好ましい。使用する水添触媒の量は特に限定されないが、水添原料100重量部に対して、例えば、1〜30重量部が好ましく、より好ましくは4〜25重量部、さらに好ましくは8〜20重量部、特に好ましくは12〜18重量部である。還元反応に使用する水素量は特に限定されないが、水添原料100重量部に対して、例えば、0.5〜40重量部が好ましく、より好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは4〜20重量部、特に好ましくは8〜12重量部である。還元反応における反応系内の圧力(全圧)は特に限定されないが、例えば、150〜500atmが好ましく、より好ましくは180〜450atm、さらに好ましくは200〜400atm、特に好ましくは250〜350atmである。反応系内の全圧に対する水素圧(水素の分圧)の割合は特に限定されないが、例えば、全圧の80%以上(80〜100%)であることが好ましく、より好ましくは85〜99.9%、さらに好ましくは90〜99.5%、特に好ましくは95〜99%である。反応系内の水素圧(水素の分圧)は特に限定されないが、例えば、100〜500atmが好ましく、より好ましくは150〜450atm、さらに好ましくは150〜400atm、特に好ましくは200〜350atmである。還元反応における反応温度は特に限定されないが、例えば、110〜140℃が好ましく、より好ましくは120〜140℃である。還元反応における反応時間(滞留時間)は特に限定されないが、例えば、30〜300分間が好ましく、より好ましくは80〜280分間、さらに好ましくは120〜250分間である。
還元反応に使用する水添触媒の量、水素量、還元反応における水素圧、反応温度、反応時間(滞留時間)が上記範囲内にあることにより、エステル体のカルボン酸部分の水素化が急速に進行してアルコールとなる。その結果、酢酸と1,3−ブチレングリコールのエステル体が低減され、高い純度である本発明の1,3−ブチレングリコール製品が得られることになる。本反応は、回分式、半回分式、又は連続式のいずれでも行うことができる。
上記水添原料の水素還元により得られた粗1,3−ブチレングリコールは、例えば、脱水工程、脱塩工程、脱高沸点物蒸留工程、アルカリ反応工程、脱アルカリ工程、蒸留工程を経ることにより、1,3−ブチレングリコール製品として得ることができる。
上記粗1,3−ブチレングリコールの高沸点物の含有率は特に限定されないが、例えば、0.1〜20重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15重量%、さらに好ましくは2〜10重量%である。粗1,3−ブチレングリコール中の高沸点物の含有率が上記範囲内にあることにより、最終的に得られる1,3−ブチレングリコール製品に含まれる副産物の量が低減される傾向がある。
脱高沸点物蒸留工程後の粗1,3−ブチレングリコール中の高沸点物の含有率は、1.0重量%以下、好ましくは0.5重量%以下である。高沸点物の含有率が少ない粗1,3−ブチレングリコールを使用することにより、アルカリ反応工程において、塩基と共に加熱処理されても高沸点物の分解反応による低沸点物の生成が無いか、あるいは極めて少なくなる。その結果、臭気がなく、さらに水を含む状態において経時による酸濃度の上昇が生じにくい、高品質の1,3−ブチレングリコール製品が得られる傾向がある。
図1は本発明の1,3−ブチレングリコール製品を得るための実施態様の一例を示した装置のフローシートである。Aは脱水塔であり、脱水工程に関連する。Bは脱塩塔であり脱塩工程に関連する。Cは脱高沸点物蒸留塔であり脱高沸点物蒸留工程に関連する。Dはアルカリ反応器でありアルカリ反応工程に関連する。Eは脱アルカリ塔であり脱アルカリ工程に関連する。Fは製品蒸留塔であり蒸留工程に関連する。A−1、B−1、C−1、E−1、F−1はコンデンサーである。A−2、C−2、F−2はリボイラーである。以下、本フローシートを用いて本発明の1,3−ブチレングリコール製品を得るための実施態様の一例を説明する。
水添原料の水素還元により得られた粗1,3−ブチレングリコール(「X−1」に相当)は、脱水塔Aに供給される。脱水塔Aでは蒸留により塔頂部から水が留出され、塔底部より1,3−ブチレングリコールを含む粗1,3−ブチレングリコール流が得られる。上記粗1,3−ブチレングリコール流は脱塩塔Bに供給される。脱塩塔Bでは蒸留により塔頂部から脱塩後の粗1,3−ブチレングリコール流が得られ、塔底部から塩や高沸点物等が排出される。
上記の脱塩後の粗1,3−ブチレングリコール流は脱高沸点物蒸留塔Cに供給される。脱高沸点物蒸留塔Cでは、塔底部から高沸点物が排出される。一方、塔頂部からは脱高沸点物後の粗1,3−ブチレングリコール流が得られる。脱高沸点物蒸留塔Cにより蒸留された粗1,3−ブチレングリコールは、アルカリ反応器(例えば流通式管型反応器)Dに供給され、塩基処理される。アルカリ反応器D又はその上流では、塩基が脱高沸点物後の粗1,3−ブチレングリコール流に対して0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜1.0重量%添加される。塩基の添加量が10重量%を超えると、蒸留塔、配管等で塩基が析出し、閉塞の原因となる傾向がある。また、高沸点化合物の分解反応が起こることもあり、かえって副産物が発生する傾向がある。0.05重量%未満の場合は、副産物を分解する効果が小さいため、いずれも好ましくない。
アルカリ反応器D又はその上流で添加される塩基は特に限定されないが、例えば、アルカリ金属化合物が好ましい。アルカリ金属化合物としては、例えば、苛性ソーダ、苛性カリ、(重)炭酸ソーダ、(重)炭酸カリが挙げられるが、最終的に得られる1,3−ブチレングリコール製品に含まれる副産物を低減する観点からは、苛性ソーダ、苛性カリが好ましい。塩基は固体状のものをそのまま加えてもよいが、操作上及び対象液との接触を促進するため水溶液で添加することが好ましい。なお、上記の塩基は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を同時に使用してもよい。
アルカリ反応器Dでの反応温度は特に限定されないが、例えば、90〜140℃が好ましく、より好ましくは110〜130℃である。反応温度が90℃未満である場合は長い反応滞留時間が必要になるため、反応器容量が大きくなり不経済であること、反応温度が140℃を超えると最終的に得られる1,3−ブチレングリコール製品の着色が増加することにある。反応滞留時間は、例えば、5〜120分が好ましく、より好ましくは10〜30分である。反応滞留時間が5分未満である場合は反応が不十分となり、最終的に得られる1,3−ブチレングリコール製品の品質が悪化すること、反応滞留時間が120分を超えると大きな反応器が必要になり設備費が高くなるため、経済性の観点から不利であることにある。
アルカリ反応器Dを出た後、反応粗液流は脱アルカリ塔(薄膜蒸発器)Eに供給され、蒸発により塩基等が塔底部から除去される。一方、脱アルカリ塔Eの塔頂部からは脱塩基後の粗1,3−ブチレングリコール流が得られる。脱アルカリ塔Eに用いられる蒸発器は、プロセス流体への熱履歴を抑制する目的で、滞留時間の短い自然流下型薄膜蒸器、強制攪拌型薄膜蒸発器が適当である。
脱アルカリ塔Eに用いられる蒸発器において、例えば、塔頂部は100torr以下、好ましくは5〜20torrの減圧下で蒸発が行われる。蒸発器の温度は、例えば、90〜120℃が好ましい。塔頂部から留出した低沸点物を含む粗1,3−ブチレングリコール流が製品蒸留塔Fへ供給される。
製品蒸留塔Fは、例えば、多孔板塔、泡鐘塔等が挙げられるが、スルーザー・パッキング、メラパック(共に住友重機械工業(株)の商品名)等を充填した圧損失の低い充填塔がより好ましい。これは、1,3−ブチレングリコールは高温(例えば150℃以上)で熱分解し、低沸点物が生成することから、蒸留温度を低くするためである。また、1,3−ブチレングリコールにかかる熱履歴(滞留時間)が長い場合も同様に影響が出るためである。従って、採用されるリボイラーはプロセス側流体の滞留時間が短いもの、例えば、自然流下型薄膜蒸発器、強制攪拌型薄膜蒸発器等の薄膜蒸発器が好ましい。
製品蒸留塔Fは、仕込み液中の低沸点物濃度が5重量%以下である場合、その理論段数は、例えば、10〜20段であることが好ましい。仕込み液は塔頂部から塔の高さの20〜70%の位置に供給されることが好ましい。製品蒸留塔Fでの蒸留は、塔頂部の圧力が、例えば、100torr以下であることが好ましく、より好ましくは5〜20torrである。還流比は、例えば、0.5〜2.0であることが好ましい。
図1では、製品蒸留塔Fへの仕込みは、脱アルカリ塔Eの塔頂ベーパーをコンデンサーE−1で凝縮した液をフィードしているが、脱アルカリ塔Eからの塔頂ベーパーを直接製品蒸留塔Fへフィードしてもよい。製品蒸留塔Fでは、塔頂部から低沸点物等の不純物が留出され、製品としての1,3−ブチレングリコールは製品蒸留塔Fの塔底部から得られる(「Y」に相当する)。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものでない。なお、実施例で用いている「部」は、特別の説明が無い限り「重量部」を意味する。
[実施例1]
図1を用いて1,3−ブチレングリコールの製造方法を説明する。
原料として30重量%の水を含むアセトアルドール溶液100部(アセトアルドール70部と水30部の混合溶液)に対し、水素10部を液相水素還元用反応器に仕込み、触媒としてラネーニッケルを15部加え、該反応器を135℃、300atmに保持して液相水素還元を行った。反応後の液は触媒を分離した後、苛性ソーダで中和し、アルコール類を除去して粗1,3−ブチレングリコール(1)を得た。
粗1,3−ブチレングリコール(1)(図1中における「X−1」に相当)を脱水塔Aに仕込んだ。脱水塔Aでは仕込み液量100部に対して塔頂部より水を抜き出し、還流水として真水15部を加え、圧力を50torrとして、塔底部より水が0.5重量%以下の粗1,3−ブチレングリコール(2)が得られた。なお、塔頂部より抜き出された水は排出された(図1中における「X−2」に相当)。
次に、粗1,3−ブチレングリコール(2)を脱塩塔Bに仕込んだ。脱塩塔Bでは、塔底部より、塩、高沸点物、及び1,3−ブチレングリコールの一部が蒸発残分として排出された(図1中における「X−3」に相当)。蒸発残分の排出量は、仕込み液量100部に対して5部であった。一方、塔頂部からは、1,3−ブチレングリコール、低沸点物、及び高沸点物の一部を含む粗1,3−ブチレングリコール(3)が得られた。
次に、粗1,3−ブチレングリコール(3)を脱高沸点物蒸留塔Cに仕込んだ。脱高沸点物蒸留塔Cでは、塔底部から、高沸点物及び1,3−ブチレングリコールの一部が排出された(図1中における「X−4」に相当)。排出量は、仕込み液量100部に対して20部であった。一方、塔頂部からは、低沸点物を含む粗1,3−ブチレングリコール(4)が80部得られた。次に、粗1,3−ブチレングリコール(4)をアルカリ反応器Dに仕込んだ。この際、仕込み液に対する苛性ソーダの濃度が0.2重量%となるように、10重量%苛性ソーダ水溶液を添加した。アルカリ反応器Dでの反応温度を120℃に維持し、滞留時間20分で反応を行った。
次に、アルカリ反応器Dから出た反応粗液を脱アルカリ塔Eに仕込んだ。脱アルカリ塔Eでは、塔底部から、苛性ソーダ、高沸点物、及び1,3−ブチレングリコールの一部が排出された(図1中における「X−5」に相当)。排出量は、仕込み液量100部に対して10部であった。一方、塔頂部からは、1,3−ブチレングリコール及び低沸点物を含む粗1,3−ブチレングリコール(5)が90部得られた。
次に、粗1,3−ブチレングリコール(5)を製品蒸留塔Fへ仕込んだ。製品蒸留塔Fでは、仕込み液量100部に対して、塔頂部から低沸点物及び1,3−ブチレングリコールの一部が10部留出され(図1中における「X−6」に相当)、塔底部からは1,3−ブチレングリコール製品が90部得られた(図1中における「Y」に相当)。
上述の1,3−ブチレングリコール製品について、後述の条件にてガスクロマトグラフィー分析を行った結果、相対保持時間が1.35〜1.45の範囲のピークは検出限界以下(10ppm以下)であった。後述の水分添加加熱試験を行ったところ、酸濃度は0.0005重量%であり、加熱前の酸濃度の0.0005重量%から変化がないことがわかった。さらに、臭気試験の点数は1であった。
[比較例1]
株式会社ダイセル製13ブチレングリコール(品番:13BGO)について、後述の条件にてガスクロマトグラフィー分析を行った結果、相対保持時間が1.35〜1.45の範囲に現れるピークの面積率は135ppmであった。後述の水分添加加熱試験を行ったところ、酸濃度は0.0024重量%であり、加熱前の酸濃度の0.0005重量%から大幅に増加したことがわかった。さらに、臭気試験の点数は2であった。
[ガスクロマトグラフィー分析]
以下の条件で、対象となる1,3−ブチレングリコール製品のガスクロマトグラフィー分析を行った。実施例1における1,3−ブチレングリコールのガスクロマトグラフィー分析のチャートを図2に示す。また、比較例1における1,3−ブチレングリコールのガスクロマトグラフィー分析のチャートを図3に示す。
(ガスクロマトグラフィー分析の条件)
分析装置:島津 GC2010
分析カラム:Agilent J&W GC カラム − DB−1(固定相がジメチルポリシロキサンであるカラム、膜厚1.0μm×長さ30m×内径0.25mm、アジレント・テクノロジー株式会社製)
昇温条件:5℃/分で80℃から120℃まで昇温した後、2℃/分で160℃まで昇温し2分保持する。さらに、10℃/分で230℃まで昇温し、230℃で18分保持する。
試料導入及び温度:スプリット試料導入法、250℃
スプリットのガス流量及びキャリアガス:23mL/分、ヘリウム
カラムのガス流量及びキャリアガス:1mL/分、ヘリウム
検出器及び温度:水素炎イオン化検出器(FID)、280℃
注入試料:0.2μLの80重量%1,3−ブチレングリコール製品水溶液
[水分添加加熱試験(酸濃度分析)]
対象となる1,3−ブチレングリコール製品を90重量%の水溶液に調整し、100℃で1週間保持した後のものをサンプルとして、以下の手法により酸濃度分析を行った。なお、保持前の酸濃度分析は、100℃で1週間保持する前の1,3−ブチレングリコール製品を対象としたこと以外は同様にして行った。
(酸濃度分析)
電位差自動滴定装置(京都電子工業製AT−510)を用いて電位差滴定法によって測定した。サンプル50gを蒸留水50gで希釈し、撹拌しながら0.01Nの水酸化ナトリウム水溶液を自動終点停止するまでビュレットから滴定した。次いで、下記式に基づいて酢酸換算の酸濃度を算出した。
酸濃度(重量%)=滴定量(ml)×F×A×(100/サンプル量(g))
F:1.0(0.01N水酸化ナトリウム水溶液のファクター)
A:0.0006(1mlの水酸化ナトリウム水溶液に相当する酢酸のグラム数)
[臭気試験]
対象となる1,3−ブチレングリコール製品を広口試薬瓶に入れ、密栓し室温に静置した後、大気中で速やかに臭いを嗅ぎ、以下の1,3−ブチレングリコール製品との相対評価にて点数を付けた。
1:臭いを感じない
2:僅かに臭気がある
A:脱水塔
B:脱塩塔
C:脱高沸点物蒸留塔
D:アルカリ反応器
E:脱アルカリ塔
F:製品蒸留塔
A−1、B−1、C−1、E−1、F−1:コンデンサー
A−2、C−2、F−2:リボイラー
X−1:粗1,3−ブチレングリコール
X−2:水(排水)
X−3:塩、高沸点物、及び1,3−ブチレングリコールの一部
X−4:高沸点物及び1,3−ブチレングリコールの一部
X−5:苛性ソーダ、高沸点物、及び1,3−ブチレングリコールの一部
X−6:低沸点物及び1,3−ブチレングリコールの一部
Y:1,3−ブチレングリコール製品

Claims (4)

  1. 下記条件のガスクロマトグラフィー分析において、
    1,3−ブチレングリコールのピークの面積率が99.5%以上であり、
    1,3−ブチレングリコールのピークの相対保持時間を1.0としたとき、相対保持時間が1.35〜1.45の範囲に現れるピークの面積率が0ppmを超え、100ppm以下であり、
    前記の相対保持時間が1.35〜1.45の範囲に現れるピークに該当する成分として、酢酸と1,3−ブチレングリコールとのエステル体を含む、1,3−ブチレングリコール製品。
    (ガスクロマトグラフィー分析の条件)
    分析カラム:固定相がジメチルポリシロキサンであるカラム(膜厚1.0μm×長さ30m×内径0.25mm)
    昇温条件:5℃/分で80℃から120℃まで昇温した後、2℃/分で160℃まで昇温し2分保持する。さらに、10℃/分で230℃まで昇温し、230℃で18分保持する。
    試料導入温度:250℃
    キャリアガス:ヘリウム
    カラムのガス流量:1mL/分
    検出器及び検出温度:水素炎イオン化検出器(FID)、280℃
  2. 90重量%水溶液を100℃で1週間保持した後の酸濃度(酢酸換算)が0.002重量%以下である請求項1に記載の1,3−ブチレングリコール製品。
  3. 1,3−ブチレングリコール製品における1,3−ブチレングリコールが、アセトアルドール、パラアルドール、及びアルドキサンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物の還元体である請求項1又は2に記載の1,3−ブチレングリコール製品。
  4. 1,3−ブチレングリコールのピークの相対保持時間を1.0としたとき、相対保持時間が1.35〜1.45の範囲に現れるピークの面積率が0ppmを超え、20ppm以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の1,3−ブチレングリコール製品。
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