JP6795798B2 - ジメチルスルホキシドの回収方法 - Google Patents

ジメチルスルホキシドの回収方法 Download PDF

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Description

本発明は、アクリロニトリルを含有するジメチルスルホキシド溶液から、高純度のジメチルスルホキシドを回収する方法に関するものである。
ジメチルスルホキシドは、アクリロニトリルの重合・紡糸溶剤として使用されており、一旦使用したジメチルスルホキシドを回収するには、蒸留して精製する方法が一般的である。
アクリロニトリルの重合・紡糸の廃液には、未反応のアクリロニトリルが含有されており、廃液からジメチルスルホキシドを蒸留する場合に、蒸留されたジメチルスルホキシドにアクリロニトリルが混入することは好ましくない。
アクリロニトリルの重合・紡糸の廃液から、ジメチルスルホキシドを回収する方法については、リン酸カリウム水溶液を添加して2層に分離し、その上層を分取してジメチルスルホキシドを回収する方法が知られている(特許文献1参照)。しかし、ジメチルスルホキシドに含有するアクリロニトリルの量は下がらず、水も含有しているので、回収したジメチルスルホキシドの純度は、低い。
また、水―アクリロニトリル−ジメチルスルホキシドの3成分混合液からジメチルスルホキシドを蒸留する方法が知られている(特許文献2参照)。しかし、−7℃まで冷却する冷却装置や、高理論段数を有する精留塔が2塔必要でありコストがかかる。
特公昭39−3810号公報 特公昭39−11618号公報
本発明の目的は、このような問題点を解決し、アクリロニトリルを含有するジメチルスルホキシド溶液に炭酸ナトリウムを添加して加熱して蒸留し、高純度のジメチルスルホキシドを回収する方法を提供することにある。
上記課題を解決するために検討した結果、アクリロニトリルを含有するジメチルスルホキシド溶液中のジメチルスルホキシド100重量部に対し、炭酸ナトリウムを0.001〜1.0重量部添加して加熱し蒸留することにより高純度のジメチルスルホキシドを回収する方法を見出した。
本発明では、アクリロニトリルを含有するジメチルスルホキシド溶液に炭酸ナトリウムを添加し、加熱して蒸留することにより、アクリロニトリルの含量が少ないジメチルスルホキシドを回収できる。本発明により得られたジメチルスルホキシドは純度が高いので、そのままアクリロニトリルの重合・紡糸工程の溶剤として再利用でき、低コストという利点がある。
本発明は、アクリロニトリルを含有するジメチルスルホキシド溶液から高純度のジメチルスルホキシドを回収する方法であり、炭酸ナトリウムを添加して加熱し蒸留する。
本発明において、アクリロニトリルを含有するジメチルスルホキシド溶液とは、アクリロニトリルを含有するジメチルスルホキシド溶液を意味し、ポリアクリロニトリルを含有しても良い。例えば、アクリロニトリルの重合・紡糸工程で使用したジメチルスルホキシドを含む廃液、アクリロニトリルとその他の共重合可能なモノマー(塩化ビニル、酢酸ビニル、イタコン酸、アクリル酸など)との共重合・紡糸工程で使用したジメチルスルホキシドを含む廃液などが挙げられる。
本発明においてアクリロニトリルを含有するジメチルスルホキシド溶液中のジメチルスルホキシドの濃度は、あまり低いと不純物を除去するコストが大きくなるので、10重量%以上が好ましく、20重量%以上がより好ましく、さらにより好ましくは、30重量%以上である。
本発明においてアクリロニトリルを含有するジメチルスルホキシド溶液中のアクリロニトリルの濃度は、ジメチルスルホキシドの量を100重量部とした時、アクリロニトリルを0.001〜10重量部含有することが好ましく、より好ましくは0.005〜5重量部含有する。
また、本発明では、アクリロニトリルを含有するジメチルスルホキシド溶液は、さらに、ポリアクリロニトリルを含有しても良い。ポリアクリロニトリルの分子量は特に限定されない。ジメチルスルホキシドの量を100重量部とした時、ポリアクリロニトリルを0.001〜10重量部含有することが好ましく、より好ましくは、0.005〜5重量部含有する。
本発明においてアクリロニトリルを含有するジメチルスルホキシド溶液は、水を含んでも良い。アクリロニトリルを含むジメチルスルホキシド溶液中の水の量は、ジメチルスルホキシド100重量部に対して、好ましくは、0.01〜900重量部含有しても良く、より好ましくは、0.1〜400重量部含有しても良く、さらに好ましくは、1〜250重量部含有しても良く、さらに、より好ましくは、5〜100重量部含有しても良い。
本発明において炭酸ナトリウムを添加する量は、アクリロニトリルを含有するジメチルスルホキシド溶液中のジメチルスルホキシド100重量部に対して、0.001〜1.0重量部である。炭酸ナトリウムを添加する量は、アクリロニトリルを含有するジメチルスルホキシド溶液中のジメチルスルホキシド100重量部に対して、0.01〜0.5重量部が好ましく、0.05〜0.5重量部がより好ましい。添加量が0.001重量部より少ないとアクリロニトリルの含有量を低くする効果が低い。
炭酸ナトリウムは、無水物でも水和物でも良く、水和物としては容易に入手可能な1水和物、10水和物が好ましい。
炭酸ナトリウムは、粉末、固体のまま添加しても良いし、水溶液として添加しても良い。水溶液として添加する場合、蒸留装置に自動で連続的に、均一濃度で投入できるので、安全上好ましい。炭酸ナトリウムを水溶液にする場合の濃度は、使用する温度で飽和する濃度まで上げることができる。炭酸ナトリウムを水溶液として添加する場合、炭酸ナトリウムの濃度は、水100gに対して、好ましくは、0.1〜35gであり、より好ましくは、1〜30gであり、さらにより好ましくは10〜25gである。
本発明において炭酸ナトリウムを添加するタイミングは、加熱を行う前から添加するのが好ましい。水を添加する場合、水を添加するタイミングは、加熱を行う前でも、蒸留を行う前でもどちらでも良い。
本発明では、好ましくは、不活性ガス雰囲気下でジメチルスルホキシドを加熱、蒸留する。不活性ガスとは、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、または、アルゴンを意味し、1種類の気体で構成されても、2種類以上の気体の混合物でも良く、窒素が好ましい。空気下で加熱、蒸留した場合は、ジメチルスルホキシドが分解しやすい。
本発明では、蒸留を行う前に加熱することが好ましい。加熱により、アクリロニトリルが高沸点の化合物に変換され、アクリロニトリルの含有量が低くなる。加熱時の温度は好ましくは、90〜196℃であり、より好ましくは、100〜180℃、さらにより好ましくは、110〜170℃である。加熱する時間は、1時間以上が好ましく、3時間以上がより好ましく、6時間以上が、更により好ましい。
本発明では、常圧から減圧で蒸留することが好ましい。減圧度を下げすぎるとアクリロニトリルや水とジメチルスルホキシドの沸点差が小さくなり、留出液中のアクリロニトリルの含有量が高くなり、高純度のジメチルスルホキシドを回収することができない場合がある。
本発明では、常圧で蒸留する場合、蒸留時の温度は、好ましくは、160〜200℃であり、より好ましくは、170〜195℃、さらにより好ましくは、180〜194℃である。
本発明では、減圧で蒸留する場合、蒸留時の圧力は、好ましくは10〜750Torr,より好ましくは、15〜730Torrで蒸留する。減圧で蒸留する場合、蒸留時の温度は、好ましくは、108〜180℃であり、より好ましくは、120〜170℃、さらにより好ましくは、131〜160℃である。
本発明において、アクリロニトリルを含有するジメチルスルホキシド溶液中の水は、好ましくは、蒸留時に前留として留去する。水を前留として留去する場合は、本留のジメチルスルホキシド中の水分が5%以下となるまで前留を留去することが好ましく、3%以下となるまで前留を留去することがより好ましく、1%以下となるまで前留を留去することが更により好ましい。
本発明では、ジメチルスルホキシドを蒸留するに従い、蒸留塔の底部に残存する、炭酸ナトリウムやポリアクリロニトリルの濃度が増加し、結晶が析出し、攪拌が困難になる場合がある。ジメチルスルホキシドの蒸留は、攪拌できる限り蒸留しても良い。
本発明では、ジメチルスルホシドの純度の分析は、キャピラリーカラムを使用したガスクロマトグラフィーを用いる。アクリロニトリルを含有するジメチルスルホキシド溶液を185℃で9時間加熱攪拌した、加熱後の液のジメチルスルホシドの純度は、99.5面積%以上が好ましく、99.7面積%以上がより好ましい。
ジメチルスルホキシドを蒸留して回収する場合、アクリロニトリルを含有するジメチルスルホキシド溶液の水分が1%以下の場合は単蒸留することが好ましい。単蒸留で得られた全留出液をガスクロマトグラフィーで分析した時に、全留出液のジメチルスルホキシドの純度は、99.91面積%以上が好ましく、99.92面積%以上がより好ましい。全留出液のアクリロニトリルの含有量は、0.05面積%以下が好ましく、0.03面積%以下がより好ましい。
ジメチルスルホキシドを蒸留して回収する場合、アクリロニトリルを含有するジメチルスルホキシド溶液の水分が1%を超える場合、アクリロニトリルと水を蒸留して前留として除去し、ジメチルスルホキシドを本留として得ることが好ましく、得られた本留をガスクロマトグラフィーで分析した時に、本留のジメチルスルホキシドの純度は、99.91面積%以上が好ましく、99.92面積%以上がより好ましい。本留のアクリロニトリルの含有量は、0.05面積%以下が好ましく、0.03面積%以下がより好ましい。
本発明は、バッチ式蒸留、連続式蒸留のいずれにも適応でき、蒸留塔は単一塔でも、複合塔でも、2塔以上の蒸留を組み合わせても良い。連続式蒸留を行う場合は、炭酸ナトリウム水溶液を蒸留塔の前に連続的に供給することが好ましい。
本発明では、蒸留塔の理論段数は、1〜50段の蒸留塔で行うことが好ましく、3〜40段の蒸留塔がより好ましい。
本発明のジメチルスルホキシドの回収方法により得られたジメチルスルホキシドは、高純度であり、アクリロニトリルの重合・紡糸工程の溶剤として再利用できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。実施例に使用する原料は試薬メーカーから購入した一般的な試薬を用いた。
本発明の実施例などで用いる各種の測定値は以下の測定法により測定した。
(1)ジメチルスルホキシドの純度(面積%)
以下の条件のガスクロマトグラフィー法により測定した。
・使用機器 島津製作所社製 GC−2010(FID)
・カラム DB−WAX 0.25mm×30m×0.25μm
・キャリアガス He 82.9kPa
・カラム昇温条件 35℃ → 7℃/分 → 140℃×10分 → 15℃/分 →
250℃×10分
・注入口温度 200℃
・検出器温度 250℃
・FID Air 400ml/min
H2 40ml/min
メークアップ 30ml/min
・スプリット比 14
・注入量 0.2μl 。
(2)水分
カール・フィッシャー水分計を用いた。
・使用機器 京都電子工業社製 MKS−510N 。
(実施例1)
単蒸留操作に必要な留出液用の受器を装着したジムロートコンデンサー、温度計を備えた100mlの3つ口フラスコに、攪拌子、アクリロニトリル0.5g、炭酸ナトリウム0.25g、ジメチルスルホキシド50.0gを仕込み、窒素でフラスコ内を置換した後、ジムロートコンデンサーの上部に窒素を充填した風船を取り付け密閉状態にした。オイルバスにつけ加熱し、フラスコ内温が185℃になってから9時間加熱攪拌を行った。加熱終了後、室温に冷却し、加熱後の液を得た。加熱後の液のガスクロマトグラフィーで測定したアクリロニトリルの純度、ジメチルスルホキシドの純度を表1に示した。
引き続き、オイルバスにつけ加熱し、フラスコ内温が192〜193℃の留分を全留出液として40.5g取った。全留出液をガスクロマトグラフィー分析した。留出液のガスクロマトグラフィーで測定したアクリロニトリルの純度、ジメチルスルホキシドの純度を表1に示した。表1に示すように、ジメチルスルホキシドの純度は99.93面積%であり、蒸留により純度が向上した。ジメチルスルホキシドの蒸留収率は81%であった。フラスコの残液の重量は10.0gであった。
(実施例2)
アクリロニトリルと炭酸ナトリウムの量、加熱温度、時間を表2のように変えた以外は実施例1と同様にして、加熱後の液を得た。実施例1と同様にして単蒸留し、フラスコ内温が193〜195℃の留分を全留出液として33.8g取った。全留出液をガスクロマトグラフィー分析したところ、表1に示すように、ジメチルスルホキシドの純度は99.95面積%であり、蒸留により純度が向上した。ジメチルスルホキシドの蒸留収率は68%であった。フラスコの残液の重量は15.6gであった。
(実施例3)
水を添加する以外は実施例1と同様にして加熱後の液を得た。実施例1と同様にして単蒸留し、フラスコ内温が190〜193℃の留分を全留出液として40.2g取った。全留出液をガスクロマトグラフィー分析したところ、表1に示すように、ジメチルスルホキシドの純度は99.93面積%であり、蒸留により純度が向上した。全留出液の水分を分析し、水分は0.4重量%であった。ジメチルスルホキシドの蒸留収率は80%であった。フラスコの残液の重量は11.0gであった。
(実施例4)
ポリアクリロニトリル(重量平均分子量:Mw=15万)を0.15g加える以外は実施例1と同様にして加熱し、加熱後の液を得た。実施例1と同様に単蒸留し、フラスコ内温が192〜195℃の留分を全留出液として37.8g取った。全留出液をガスクロマトグラフィー分析したところ、表1に示すように、ジメチルスルホキシドの純度は99.93面積%であり、蒸留により純度が向上した。ジメチルスルホキシドの蒸留収率は76%であった。フラスコの残液の重量は11.5gであった。
(実施例5)
ポリアクリロニトリル(重量平均分子量:Mw=15万)を0.15g加える以外は実施例3と同様にして加熱し、加熱後の液を得た。実施例3と同様に単蒸留し、フラスコ内温が190〜193℃の留分を全留出液として36.3g取った。全留出液をガスクロマトグラフィー分析したところ、表1に示すように、ジメチルスルホキシドの純度は99.92面積%であり、蒸留により純度が向上した。全留出液の水分を分析し、水分は0.5重量%であった。ジメチルスルホキシドの蒸留収率は72%であった。フラスコの残液の重量は13.7gであった。
(比較例1)
炭酸ナトリウムを添加しない以外は実施例1と同様にして加熱し、加熱後の液を得た。実施例1と同様にして単蒸留し、フラスコ内温が190〜194℃の留分を全留出液として40.2g取った。全留出液をガスクロマトグラフィー分析したところ、表1に示すように、アクリロニトリルの含有量は1.64面積%と高く、ジメチルスルホキシドの純度は98.34面積%と低かった。
(比較例2)
炭酸ナトリウムを添加しない以外は実施例2と同様にして加熱し、加熱後の液を得た。実施例2と同様に単蒸留し、フラスコ内温が192〜196℃の留分を全留出液として40.1g取った。全留出液をガスクロマトグラフィー分析したところ、表1に示すように、アクリロニトリルの含有量は0.57面積%と高く、ジメチルスルホキシドの純度は99.39面積%と低く、蒸留により純度が低下した。
(比較例3)
炭酸ナトリウムを添加しない以外は実施例4と同様にして加熱し、加熱後の液を得た。実施例4と同様に単蒸留し、フラスコ内温が190〜196℃の留分を全留出液として36.0g取った。全留出液をガスクロマトグラフィー分析したところ、表1に示すように、アクリロニトリルの含有量は1.76面積%と高く、ジメチルスルホキシドの純度は98.20面積%と低く、蒸留により純度が低下した。
Figure 0006795798
表1に示したように、炭酸ナトリウムを添加して加熱し、蒸留すると、単蒸留して得られた全留出液のジメチルスルホキシドの純度が高くなった。ポリアクリロニトリルを含有するジメチルスルホキシド溶液でも炭酸ナトリウムを添加して加熱し、蒸留すると、ジメチルスルホキシドの純度が高くなった。
(実施例6)
単蒸留操作に必要な留出液用の受器を装着したジムロートコンデンサー、温度計を備えた100mlの3つ口フラスコに攪拌子、アクリロニトリル0.4g、炭酸ナトリウム 0.2g、蒸留水8.0g、ジメチルスルホキシド40.0gを仕込み、窒素でフラスコ内を置換した後、ジムロートコンデンサーの上部に窒素を充填した風船を取り付け密閉状態にした。オイルバスにつけ加熱し、フラスコ内温が134℃になってから8時間加熱攪拌し、冷却し、加熱後の液を得た。
引き続き、オイルバスを加熱して191℃までの留分を前留として19.9g分取した。191〜192℃の留分を本留として21.8g取った。全留出液をガスクロマトグラフィー分析したところ、表2に示すように、ジメチルスルホキシドの純度は99.94面積%であり、蒸留により純度が向上した。本留の水分を分析し、水分は0.5重量%であった。ジメチルスルホキシドの蒸留収率は54%であった。フラスコの残液の重量は4.5gであった。
(実施例7)
単蒸留操作に必要な留出液用の受器を装着したジムロートコンデンサー、温度計を備えた100mlの3つ口フラスコに攪拌子、アクリロニトリル0.5g、炭酸ナトリウム0.25g、蒸留水0.5g、ジメチルスルホキシド50.0gを仕込み、窒素でフラスコ内を置換した後、ジムロートコンデンサーの上部に窒素を充填した風船を取り付け密閉状態にした。オイルバスにつけて、フラスコ内温を185℃にして9時間加熱攪拌を行った。加熱終了後、冷却し、加熱後の液を得た。
引き続き、蒸留水10.0gを仕込み、オイルバスにつけ加熱し、フラスコ内温が191℃になるまでを前留として22.3g分取した。オイルバスを昇温して、フラスコ内温が191〜193℃の留分を本留として26.2g取った。本留をガスクロマトグラフィー分析したところ、表2に示すように、ジメチルスルホキシドの純度は99.95面積%であり、蒸留により純度が向上した。本留の水分を分析し、水分は2.7重量%であった。ジメチルスルホキシドの蒸留収率は49%であった。フラスコの残液の重量は12.6gであった。
(実施例8)
単蒸留操作に必要な留出液用の受器を装着したジムロートコンデンサー、温度計を備えた100mlの3つ口フラスコに攪拌子、アクリロニトリル0.5g、炭酸ナトリウム0.25g、ポリアクリロニトリル(重量平均分子量:Mw=15万)0.15g、ジメチルスルホキシド50.0gを仕込み、窒素でフラスコ内を置換した後、ジムロートコンデンサーの上部に窒素を充填した風船を取り付け密閉状態にした。オイルバスにつけて、フラスコ内温を185℃にして9時間加熱攪拌を行った。加熱終了後、冷却し、加熱後の液を得た。
引き続き、蒸留水10.0gを仕込み、オイルバスにつけ加熱し、フラスコ内温が191℃になるまでを前留として21.5g分取した。オイルバスを昇温して、フラスコ内温が191〜192℃の留分を本留として26.4g取った。本留をガスクロマトグラフィー分析したところ、表2に示すように、ジメチルスルホキシドの純度は99.96面積%であり、蒸留により純度が向上した。本留の水分を分析し、水分は4.6重量%であった。ジメチルスルホキシドの蒸留収率は50%であった。フラスコの残液の重量は12.0gであった。
Figure 0006795798
表2に示したように、水存在下で炭酸ナトリウムを添加して加熱、蒸留し、アクリロニトリルと水を前留として除去してジメチルスルホキシドを本留として得た時に、得られた本留のジメチルスルホキシドの純度が高くなった。ポリアクリロニトリルを含有するジメチルスルホキシド溶液でも同様にして、炭酸ナトリウムを添加して加熱、蒸留すると、ジメチルスルホキシドの純度が高くなった。

Claims (5)

  1. アクリロニトリルを含有するジメチルスルホキシド溶液中のジメチルスルホキシド100重量部に対し、炭酸ナトリウムを0.001〜1.0重量部添加して加熱し蒸留するジメチルスルホキシドの回収方法。
  2. アクリロニトリルを含有するジメチルスルホキシド溶液中のアクリロニトリルの濃度が、ジメチルスルホキシド100重量部に対して、0.001〜10重量部である請求項1に記載のジメチルスルホキシドの回収方法。
  3. ジメチルスルホキシド100重量部に対して、さらに、ポリアクリロニトリルを0.001〜10重量部含有する請求項1または2に記載のジメチルスルホキシドの回収方法。
  4. ジメチルスルホキシド100重量部に対して、水を0.01〜900重量部する請求項1〜3のいずれか1項に記載のジメチルスルホキシドの回収方法。
  5. 蒸留されたジメチルスルホキシドの純度が99.91面積%以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載のジメチルスルホキシドの回収方法。
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