JP2002363132A - 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレートの製造方法 - Google Patents

2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレートの製造方法

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JP2002363132A
JP2002363132A JP2001167543A JP2001167543A JP2002363132A JP 2002363132 A JP2002363132 A JP 2002363132A JP 2001167543 A JP2001167543 A JP 2001167543A JP 2001167543 A JP2001167543 A JP 2001167543A JP 2002363132 A JP2002363132 A JP 2002363132A
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trimethyl
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pentanediol
isobutyric acid
isobutyraldehyde
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Tomohisa Yano
智久 矢野
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JNC Corp
JNC Petrochemical Corp
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Chisso Petrochemical Corp
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジ
オールジイソブチレートの製造方法を提供する。 【解決方法】 本発明にかかる製造方法は、イソ酪酸
と、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオー
ル、及び/又は2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタ
ンジオールモノイソブチレートとの脱水縮合して2,2,
4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチ
レートを製造する方法において、前記イソ酪酸に対して
3〜30重量%のイソブチルアルデヒドを共沸剤として
使用することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2,2,4−トリメ
チル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレートの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタ
ンジオールジイソブチレートは塩化ビニル系樹脂用や接
着剤用の可塑剤、また感熱紙用インキ溶剤などに用いら
れる物質であり、従来、エステル化法により製造されて
きた。すなわち、酸成分としてのイソ酪酸と、アルコー
ル成分としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタ
ンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタン
ジオールモノイソブチレート、又はそれらの混合物とを
原料とし、適当な触媒の存在下で脱水縮合反応により製
造されている。
【0003】しかし、かかる従来のエステル化による製
造方法においては、反応中生成する水と原料であるイソ
酪酸が共沸し、さらに共沸環流液(以下「反応還流液」
ということもある)中の水に共沸イソ酪酸がほぼ飽和す
ることから、イソ酪酸の原単位が悪化し反応の収率が低
下する、また廃水の負荷が上昇するという問題があっ
た。このため従来のエステル化による製造方法において
は、反応還流液を低温冷却装置により冷却して水とイソ
酪酸を分離させたり、あるいはトルエンやキシレンなど
を共沸剤としてさらに添加することが行われてきたが、
これらは冷却装置や制御装置のさらなる設置や、トルエ
ンやキシレンなどの共沸剤の保管タンクの設置や維持管
理が必要なため2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタ
ンジオールジイソブチレートの製造コストを増大させる
という問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら従来
のエステル化方法に伴う問題点のない、高い収率(反応
性)を有し、反応還流液を冷却する必要がなく、かつ製
造コストも低い、2,2,4−トリメチル−1,3−ペン
タンジオールジイソブチレートの製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記エステ
ル化反応において生成する水との共沸剤としてイソブチ
ルアルデヒドを適当量使用することにより、2,2,4−
トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレー
トが、高収率(高反応性)で、しかも反応還流液を冷却
する必要もなく、従って低コストで製造できることを見
出し本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、酸成分(酸原料)と
してのイソ酪酸と、アルコール成分としての2,2,4−
トリメチル−1,3−ペンタンジオール、及び/又は2,
2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソ
ブチレートとを適当な触媒の存在下で脱水縮合反応によ
りエステル化して2,2,4−トリメチル−1,3−ペン
タンジオールジイソブチレートを製造する方法におい
て、反応の共沸剤としてイソブチルアルデヒドを適当量
使用することを特徴とする。さらに本発明は、かかる目
的のためイソブチルアルデヒドは酸成分のイソ酪酸に対
して、3〜30重量%使用することを特徴とする。
【0007】また本発明は、イソブチルアルデヒドを酸
化して、生成イソ酪酸に対して3〜30重量%の未反応
イソブチルアルデヒドを含むイソ酪酸を得るステップ
と、得られた未反応イソブチルアルデヒド含有イソ酪酸
を酸成分とし、アルコール成分としての2,2,4−トリ
メチル−1,3−ペンタンジオール、及び/又は2,2,
4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブ
チレートとを適当な触媒の存在下で脱水縮合反応により
エステル化するステップからなる、2,2,4−トリメチ
ル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレートを製造
する方法を含むものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明を実施の形態に即して
詳細に説明する。本発明の、2,2,4−トリメチル−
1,3−ペンタンジオールジイソブチレートを製造する
方法は、酸成分(酸原料)としてのイソ酪酸と、アルコ
ール成分としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペン
タンジオール、及び/又は2,2,4−トリメチル−1,
3−ペンタンジオールモノイソブチレートとの脱水縮合
反応によるエステル化であって、生成する水の共沸剤と
してイソブチルアルデヒドを使用することを特徴とす
る。イソブチルアルデヒドを使用することにより、酸成
分であるイソ酪酸との共沸を抑制し、反応環流液を冷却
することなく水と共沸剤とを十分に分離することが可能
となる。これにより高率的に生成水を除去でき、酸性成
分であるイソ酪酸がアルコール成分と十分に反応するこ
とが可能となる。これはイソブチルアルデヒドと水との
共沸温度がイソ酪酸の水との共沸温度よりも低いこと、
イソブチルアルデヒドの水への溶解度がイソ酪酸のそれ
より小さいことによると考えられる。
【0009】酸成分であるイソ酪酸の入手方法について
は特に制限されず、市販品、または公知の製造方法(例
えば、特開昭48−78116参照)に従い容易に製造
することができる。本発明においては以下説明するよう
に特にイソブチルアルデヒドの酸化により製造すること
が好ましい。
【0010】アルコール成分である、2,2,4−トリメ
チル−1,3−ペンタンジオールや2,2,4−トリメチ
ル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートの入
手方法についても特に制限されず、市販品、または公知
の製造方法(例えば、特開平8−299790参照)に
従い容易に製造することができる。本発明においては、
これらのアルコールはそれぞれ単独でも混合して用いて
もよい。酸成分をそれに応じて調整することは当業者で
あれば容易である。
【0011】共沸剤としてのイソブチルアルデヒドの入
手方法についても特に制限されず、市販品、または公知
の製造方法(例えば、特開昭50−53293参照)に
従い容易に製造することができる。その添加量は特に制
限はなく、上記の目的が達成できる量であればよいが、
イソ酪酸に対して3〜30重量%の範囲であることが好
ましい。かかる範囲より少ないときは生成する水との十
分な共沸には十分でなく、かかる範囲より多いときは反
応収量が低下する傾向がある。
【0012】共沸剤としてのイソブチルアルデヒドの使
用方法には特に制限はなく、反応液中に添加して使用す
る方法や、酸成分であるイソ酪酸に含有させて使用して
もよい。
【0013】特に本発明においては酸成分であるイソ酪
酸をイソブチルアルデヒドの酸化により製造する際に、
未反応イソブチルアルデヒドを所要量含有させてそれを
原料としてエステル化反応に使用することが好ましい。
イソ酪酸中のイソブチルアルデヒドの濃度は、反応系の
蒸留塔の段数やサイズ、及び反応還流液の油水分離器の
サイズにより3〜30重量%の範囲内で任意に設定する
ことが可能である。
【0014】本発明において使用される触媒についても
特に制限はなく通常公知の脱水縮合用触媒であればよ
く、硫酸やp−トルエンスルホン酸などの酸性触媒、S
nOなどの酸化物触媒が挙げられる。又その使用量にも
特に制限はなく、通常0.01〜3.0重量%の範囲であ
る。
【0015】また、反応温度にも特に制限はないが、触
媒の活性温度以上で、且つイソブチルアルデヒドと生成
水を穏やかに環流させる温度であることが好ましく、1
00〜250℃の範囲であればよい。
【0016】また、生成物の分離及び精製方法について
も特に制限はなく、反応終了後に水洗除去あるいは減圧
蒸留で単離することが可能である。
【0017】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明の効
果を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。以下の例では、1リットルスケールの反
応フラスコに理論段10段の蒸留塔を取り付け、更に蒸
留塔上部に油水分離器を取り付けた実験装置を使用し
た。
【0018】実施例1 イソ酪酸(イソ酪酸に対して7重量%のイソブチルアル
デヒドを含む)と、2,2,4−トリメチル−1,3−ペ
ンタンジオールモノイソブチレートとを、モル比1.2
になるように反応フラスコに仕込み、触媒としてSnO
を0.3重量%添加した。反応還流液用冷却水の温度は
20℃であった。常圧で180℃、7時間環流した結
果、反応液中の2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタ
ンジオールジイソブチレートの濃度は反応粗液重量に対
して91重量%であった。この反応の際、油水分離器内
の分離状態は良好であった。
【0019】比較例1 イソ酪酸に対して1重量%のイソブチルアルデヒドを使
用した以外は、実施例1と同様に反応を行った。反応開
始後8時間で反応液中の2,2,4−トリメチル−1,3
−ペンタンジオールジイソブチレート濃度は70重量%
であった。油水分離器内では分離面は確認されなかっ
た。
【0020】比較例2 イソ酪酸(イソ酪酸に対して1重量%未満のイソブチル
アルデヒドを含む)と、2,2,4−トリメチル−1,3
−ペンタンジオールモノイソブチレートをモル比1.2
になるよう反応フラスコに仕込み、触媒としてSnOを
0.3重量%添加した。反応還流液用冷却水の温度を−
20℃で保持した。常圧で180℃、8時間反応させた
結果、反応液中の2,2,4−トリメチル−1,3−ペン
タンジオールジイソブチレートの濃度は90重量%であ
った。この際油水分離器内の分離状態は良好であった。
【0021】
【発明の効果】本発明の製造法は、脱水縮合によるエス
テル化においてイソブチルアルデヒドを共沸剤として使
用することを特徴とする。従って、反応環流液の生成水
は十分に分離されることから高い反応率が得られ、また
反応環流液の冷却が必要でない。また、酸成分であるイ
ソ酪酸の製造において、適当量の共沸剤であるイソブチ
ルアルデヒドを同時に含有させることが可能となり、イ
ソ酪酸の精製設備、第三成分としての共沸剤用保存タン
クが必要でなく安価に製造が可能となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソ酪酸と、2,2,4−トリメチル−
    1,3−ペンタンジオール、及び/又は2,2,4−トリ
    メチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート
    とを脱水縮合して2,2,4−トリメチル−1,3−ペン
    タンジオールジイソブチレートを製造する方法におい
    て、前記イソ酪酸に対して3〜30重量%のイソブチル
    アルデヒドを共沸剤として使用することを特徴とする製
    造方法。
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