JP3209447B2 - アセタールの製造方法 - Google Patents
アセタールの製造方法Info
- Publication number
- JP3209447B2 JP3209447B2 JP10669692A JP10669692A JP3209447B2 JP 3209447 B2 JP3209447 B2 JP 3209447B2 JP 10669692 A JP10669692 A JP 10669692A JP 10669692 A JP10669692 A JP 10669692A JP 3209447 B2 JP3209447 B2 JP 3209447B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acetaldehyde
- column
- reaction
- methanol
- dimethyl acetal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】アセトアルデヒドジメチルアセタ
ール、ジエチルアセタール、ジプロピルアセタール、ジ
ブチルアセタールなどのジ低級アルキルアセタール類
は、各種の工業原料、特に、有機溶媒や合成香料、合成
樹脂及び接着剤などとして使用されるアルキルビニルエ
ーテル、親水性モノマーであるN−ビニルカルボン酸ア
ミドなどの合成中間体等として工業的に有用な化合物で
ある。
ール、ジエチルアセタール、ジプロピルアセタール、ジ
ブチルアセタールなどのジ低級アルキルアセタール類
は、各種の工業原料、特に、有機溶媒や合成香料、合成
樹脂及び接着剤などとして使用されるアルキルビニルエ
ーテル、親水性モノマーであるN−ビニルカルボン酸ア
ミドなどの合成中間体等として工業的に有用な化合物で
ある。
【0002】
【従来の技術】これらジ低級アルキルアセタールを製造
するには、一般にはアセトアルデヒドと低級アルコール
を酸触媒の存在下に反応させることが知られているが、
単位反応としての低級アルコールの種類による反応の間
には、格別顕著な差異は無いとされている。しかし、当
然の事乍らこれらの反応に於ける生成物及び副生成物の
種類は個々の出発原料によって異なり、また、蒸留特性
や晶析、溶媒との相溶性や分配率などの生成物の分離精
製手段に及ぼす影響の大きな物性等も、出発原料に何を
用いるかによって大きく左右される。特に、実際の工業
的生産においては出発原料の反応性以外に、原料コスト
や入手及び取扱いの容易性、分離精製後の目的物の最終
的な収得率、分離精製系を含めた全生産工程のシンプル
さ、製造設備の建設費、運転操作及び管理の容易性、ユ
ーティリティーコストなども極めて重要な要因となり、
従って、これら全てを総合的に見て原料ソースを含めて
プロセスを決定する必要がある。
するには、一般にはアセトアルデヒドと低級アルコール
を酸触媒の存在下に反応させることが知られているが、
単位反応としての低級アルコールの種類による反応の間
には、格別顕著な差異は無いとされている。しかし、当
然の事乍らこれらの反応に於ける生成物及び副生成物の
種類は個々の出発原料によって異なり、また、蒸留特性
や晶析、溶媒との相溶性や分配率などの生成物の分離精
製手段に及ぼす影響の大きな物性等も、出発原料に何を
用いるかによって大きく左右される。特に、実際の工業
的生産においては出発原料の反応性以外に、原料コスト
や入手及び取扱いの容易性、分離精製後の目的物の最終
的な収得率、分離精製系を含めた全生産工程のシンプル
さ、製造設備の建設費、運転操作及び管理の容易性、ユ
ーティリティーコストなども極めて重要な要因となり、
従って、これら全てを総合的に見て原料ソースを含めて
プロセスを決定する必要がある。
【0003】アルデヒドと低級アルコールよりジ低級ア
ルキルアセタールを製造する方法自体は従来より種々報
告されている。例えば、特開平3−246247号明細
書によれば、アリルアルコールを用いたアセタールの製
造法が開示されているが、この反応が平衡反応である為
に開示された方法ではその平衡転化率以上の結果は得ら
れていない。また、特開昭62−116534号明細書
によれば、炭素数4のアルコールを原料にしたアセター
ルの製造方法について記されているが、満足しうる反応
成績を得るには触媒及び脱水剤として多量の塩化カルシ
ウムを必要とし、しかも反応後触媒除去、反応液の水洗
等の余分な工程が必要であり、満足できる製造方法とは
言えない。
ルキルアセタールを製造する方法自体は従来より種々報
告されている。例えば、特開平3−246247号明細
書によれば、アリルアルコールを用いたアセタールの製
造法が開示されているが、この反応が平衡反応である為
に開示された方法ではその平衡転化率以上の結果は得ら
れていない。また、特開昭62−116534号明細書
によれば、炭素数4のアルコールを原料にしたアセター
ルの製造方法について記されているが、満足しうる反応
成績を得るには触媒及び脱水剤として多量の塩化カルシ
ウムを必要とし、しかも反応後触媒除去、反応液の水洗
等の余分な工程が必要であり、満足できる製造方法とは
言えない。
【0004】アセトアルデヒドとメタノールからのジメ
チルアセタールの製造についても同様に種々検討がなさ
れており、一般に塩酸、硫酸、有機スルホン酸やゼオラ
イトなどの無機固体酸、イオン交換樹脂などの酸触媒の
存在下に反応させる方法が知られているが、この反応は
他の低級アルコールによるアセタール化反応と同様に平
衡反応であるため、その侭では転化率には限界がある。
従って、目的物の収得率を高めるには、例えば、反応原
料の一方を大過剰に用いたり、反応生成物を素早く反応
系外に取出す等の処置が必要となる。この反応終了液に
は通常、副生した水と未反応のアセトアルデヒドを含有
しており、触媒の中和又は除去後に反応液を蒸留精製し
ようとすると、目的化合物であるジメチルアセタールの
分解や望ましくない不純物の副生を引き起こすなどの問
題があった。
チルアセタールの製造についても同様に種々検討がなさ
れており、一般に塩酸、硫酸、有機スルホン酸やゼオラ
イトなどの無機固体酸、イオン交換樹脂などの酸触媒の
存在下に反応させる方法が知られているが、この反応は
他の低級アルコールによるアセタール化反応と同様に平
衡反応であるため、その侭では転化率には限界がある。
従って、目的物の収得率を高めるには、例えば、反応原
料の一方を大過剰に用いたり、反応生成物を素早く反応
系外に取出す等の処置が必要となる。この反応終了液に
は通常、副生した水と未反応のアセトアルデヒドを含有
しており、触媒の中和又は除去後に反応液を蒸留精製し
ようとすると、目的化合物であるジメチルアセタールの
分解や望ましくない不純物の副生を引き起こすなどの問
題があった。
【0005】また、ジメチルアセタールの場合も反応で
生成した水を除去し、転化率を上げるため触媒兼脱水剤
として塩化カルシウムなども用いられるが、大量の塩化
カルシウムが必要であり、排水処理のための余分なコス
トや取扱上の煩雑さなどの欠点がある。また、ノルマル
ヘプタンやトルエンなどの不活性溶媒を用いて反応で生
成した水を共沸蒸留により除去する方法もあるが、溶媒
を分離回収する工程が増え有益な方法とは言えない。更
に、これらの方法を適当に組み合わせたものも提案され
ているが本質的に問題を解決していない。
生成した水を除去し、転化率を上げるため触媒兼脱水剤
として塩化カルシウムなども用いられるが、大量の塩化
カルシウムが必要であり、排水処理のための余分なコス
トや取扱上の煩雑さなどの欠点がある。また、ノルマル
ヘプタンやトルエンなどの不活性溶媒を用いて反応で生
成した水を共沸蒸留により除去する方法もあるが、溶媒
を分離回収する工程が増え有益な方法とは言えない。更
に、これらの方法を適当に組み合わせたものも提案され
ているが本質的に問題を解決していない。
【0006】一方、一般に平衡反応に伴う転化率の限界
などの欠点を補う反応操作方法として、反応を行いなが
ら蒸留による分離操作を行い、平衡転化率の向上を図る
反応蒸留法或いはその装置が用いられることがあり、例
えば、酸触媒を用いた平衡反応についても、エステル化
反応(特開昭63−277645号明細書など)、エー
テル化反応(特開平1−316337号明細書など)、
アセタール化反応(特公昭62−29419号、特開平
3−56134号)など多くの例が知られている。この
反応蒸留法は蒸留操作を伴いながら反応を行う為、反応
上の諸問題に加えて反応原料、生成物、副生物等からな
る原料系、生成系の各種物質の蒸留特性に大きく影響さ
れる。従って、いかなる原料を用いてどのような触媒、
反応条件、反応操作、分離工程で行うかを総合的に選定
することが特に重要となる。
などの欠点を補う反応操作方法として、反応を行いなが
ら蒸留による分離操作を行い、平衡転化率の向上を図る
反応蒸留法或いはその装置が用いられることがあり、例
えば、酸触媒を用いた平衡反応についても、エステル化
反応(特開昭63−277645号明細書など)、エー
テル化反応(特開平1−316337号明細書など)、
アセタール化反応(特公昭62−29419号、特開平
3−56134号)など多くの例が知られている。この
反応蒸留法は蒸留操作を伴いながら反応を行う為、反応
上の諸問題に加えて反応原料、生成物、副生物等からな
る原料系、生成系の各種物質の蒸留特性に大きく影響さ
れる。従って、いかなる原料を用いてどのような触媒、
反応条件、反応操作、分離工程で行うかを総合的に選定
することが特に重要となる。
【0007】例えば、特公平62−29419号明細書
によれば、触媒として比較的沸点の低い硝酸を用いて炭
素数3以上の不飽和アルコールのアセタールを反応蒸留
によって製造する方法が開示されている。しかし、この
方法を最も安価なアルコールとアルデヒドであるメタノ
ールとアセトアルデヒドから得られるアセトアルデヒド
ジメチルアセタールの合成に用いた場合、目的物である
アセタールと硝酸が共に塔の頂部から流出し、この混合
物に好ましくない高沸点副生物を生成してしまい実質的
に殆ど実用性はない。
によれば、触媒として比較的沸点の低い硝酸を用いて炭
素数3以上の不飽和アルコールのアセタールを反応蒸留
によって製造する方法が開示されている。しかし、この
方法を最も安価なアルコールとアルデヒドであるメタノ
ールとアセトアルデヒドから得られるアセトアルデヒド
ジメチルアセタールの合成に用いた場合、目的物である
アセタールと硝酸が共に塔の頂部から流出し、この混合
物に好ましくない高沸点副生物を生成してしまい実質的
に殆ど実用性はない。
【0008】また、特開平3−56134号明細書によ
れば、固体酸又は固体塩基を触媒に用いる平衡反応にお
いて、反応液を反応器に強制循環することを特徴とする
反応蒸留装置が提案されている。この装置は触媒劣化の
主原因となる水を多く含むホルマリン水溶液を原料に用
いる場合、即ち、メタノールとホルマリン水溶液からメ
チラールを製造する場合には頻繁に起こる触媒の再生、
交換が容易であるため有用な装置であるが、通常の反応
蒸留装置と比べ、余分なポンプ等付帯設備が必要とな
り、その分の建設費用と運転費用の負担が増加する欠点
は免れない。
れば、固体酸又は固体塩基を触媒に用いる平衡反応にお
いて、反応液を反応器に強制循環することを特徴とする
反応蒸留装置が提案されている。この装置は触媒劣化の
主原因となる水を多く含むホルマリン水溶液を原料に用
いる場合、即ち、メタノールとホルマリン水溶液からメ
チラールを製造する場合には頻繁に起こる触媒の再生、
交換が容易であるため有用な装置であるが、通常の反応
蒸留装置と比べ、余分なポンプ等付帯設備が必要とな
り、その分の建設費用と運転費用の負担が増加する欠点
は免れない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題はジ低級
アルキルアセタールを簡単且つ良好な最後収得率で工業
的有利に製造する方法を開発することであり、従って、
原料の選択を含めて従来提案されているような高価な設
備を必要とせず、プロセス的にシンプルであって効率の
良い方法を開発することにある。
アルキルアセタールを簡単且つ良好な最後収得率で工業
的有利に製造する方法を開発することであり、従って、
原料の選択を含めて従来提案されているような高価な設
備を必要とせず、プロセス的にシンプルであって効率の
良い方法を開発することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる状況
に鑑み、反応原料、触媒、反応条件、反応操作、分離工
程など、製造プロセス全体について総合的に鋭意検討し
た結果、その最適な組合せを見出し本発明を完成した。
即ち、本発明は反応と生成物の分離を一体とし、アセト
アルデヒドとメタノールを原料に選び、アセタール化反
応を行いながら精留操作を行い、塔の下部から副生した
水を除去し、塔の頂部から生成したアセトアルデヒドジ
メチルアセタールを含む成分を留出せしめることを特徴
とするアセトアルデヒドジメチルアセタールの製造方法
を提供せんとするものである。
に鑑み、反応原料、触媒、反応条件、反応操作、分離工
程など、製造プロセス全体について総合的に鋭意検討し
た結果、その最適な組合せを見出し本発明を完成した。
即ち、本発明は反応と生成物の分離を一体とし、アセト
アルデヒドとメタノールを原料に選び、アセタール化反
応を行いながら精留操作を行い、塔の下部から副生した
水を除去し、塔の頂部から生成したアセトアルデヒドジ
メチルアセタールを含む成分を留出せしめることを特徴
とするアセトアルデヒドジメチルアセタールの製造方法
を提供せんとするものである。
【0011】以下に本発明の方法について更に詳細に説
明する。酸触媒としては原則的には特に制限はなく、例
えば、塩酸、硫酸、りん酸、硝酸などの鉱酸、リンタン
グステン酸などのヘテロポリ酸、パラトルエンスルホン
酸などの有機酸、アンバーリスト(登録商標)、アンバ
ーライト(登録商標)、ダウエックス(登録商標)など
のスルホン酸型強酸性イオン交換樹脂、スルホン化テト
ラフルオロエチレン樹脂などのスルホン酸型フッ素化ア
ルキレン樹脂、モルデナイト、ゼオライトなど無機固体
酸等、従来知られている各種のものを用いることが出来
るが、本発明の方法に於いては硫酸、りん酸、パラトル
エンスルホン酸のような非揮発性又は高沸点の液状強酸
や樹脂若しくは固体酸などの不均一系酸触媒を使用する
ことがプロセス上特に望ましい。これらの使用は生成物
との分離が容易であり、また、留出したアセタールに対
して中和処理が不要となる。
明する。酸触媒としては原則的には特に制限はなく、例
えば、塩酸、硫酸、りん酸、硝酸などの鉱酸、リンタン
グステン酸などのヘテロポリ酸、パラトルエンスルホン
酸などの有機酸、アンバーリスト(登録商標)、アンバ
ーライト(登録商標)、ダウエックス(登録商標)など
のスルホン酸型強酸性イオン交換樹脂、スルホン化テト
ラフルオロエチレン樹脂などのスルホン酸型フッ素化ア
ルキレン樹脂、モルデナイト、ゼオライトなど無機固体
酸等、従来知られている各種のものを用いることが出来
るが、本発明の方法に於いては硫酸、りん酸、パラトル
エンスルホン酸のような非揮発性又は高沸点の液状強酸
や樹脂若しくは固体酸などの不均一系酸触媒を使用する
ことがプロセス上特に望ましい。これらの使用は生成物
との分離が容易であり、また、留出したアセタールに対
して中和処理が不要となる。
【0012】酸触媒の使用量については必ずしも厳密な
制限はないが、均一系触媒の場合通常は、アセトアルデ
ヒドとメタノールの重量和に対して0.01〜2重量
%、好ましくは0.05〜1重量%程度用いるのが適当
である。
制限はないが、均一系触媒の場合通常は、アセトアルデ
ヒドとメタノールの重量和に対して0.01〜2重量
%、好ましくは0.05〜1重量%程度用いるのが適当
である。
【0013】本発明の方法に於いて用いられる反応蒸留
装置としては、反応器と精留塔の直結した塔式のもので
あれば特に制限はなく、その構造様式に厳密な条件はな
い。通常は精留塔部分として1〜100段、好ましくは
5〜50段の理論段数を有するものが用いられる。精留
塔の構造は任意のものが用いられ、例えば、棚段塔とし
ては、泡鐘トレー、ユニフラックストレー、フレキシト
レー、ナッターフロートトレー、バラストトレー、多孔
板トレー、カスケードトレー、ベンチュリートレー、キ
ッテルトレー、リサイクリングトレー、チムニートレ
ー、ジェットトレー、ターボグリッドトレー、リップル
トレー、デュアルフロートレー、バッフルトレーなどを
用いた棚段塔が挙げられる。また、充填塔としてはリン
グ型充填物、サドル型充填物、スプレーパック、パナパ
ック、グッドロイパッキング、ステッドマンパッキン
グ、ディクソンリング、マクマホンパッキング、スルー
ザーパッキング、ヘリクス、垂直平板充填物などを用い
た充填塔が挙げられる。固体酸触媒を用いる場合は触媒
を充填した層とその他の精留層、即ち、充填層、棚段
層、或いはこれらを組み合わせたものを精留塔として用
いることが望ましい。
装置としては、反応器と精留塔の直結した塔式のもので
あれば特に制限はなく、その構造様式に厳密な条件はな
い。通常は精留塔部分として1〜100段、好ましくは
5〜50段の理論段数を有するものが用いられる。精留
塔の構造は任意のものが用いられ、例えば、棚段塔とし
ては、泡鐘トレー、ユニフラックストレー、フレキシト
レー、ナッターフロートトレー、バラストトレー、多孔
板トレー、カスケードトレー、ベンチュリートレー、キ
ッテルトレー、リサイクリングトレー、チムニートレ
ー、ジェットトレー、ターボグリッドトレー、リップル
トレー、デュアルフロートレー、バッフルトレーなどを
用いた棚段塔が挙げられる。また、充填塔としてはリン
グ型充填物、サドル型充填物、スプレーパック、パナパ
ック、グッドロイパッキング、ステッドマンパッキン
グ、ディクソンリング、マクマホンパッキング、スルー
ザーパッキング、ヘリクス、垂直平板充填物などを用い
た充填塔が挙げられる。固体酸触媒を用いる場合は触媒
を充填した層とその他の精留層、即ち、充填層、棚段
層、或いはこれらを組み合わせたものを精留塔として用
いることが望ましい。
【0014】本発明は連続的にも非連続的にも実施でき
るが、連続的操作の方が生産性、運転安定性などの点で
好ましい。本発明の方法の1実施の態様として硫酸など
の非揮発性の液状の酸触媒を用いて連続的に操作する場
合、例えば、アセトアルデヒド、メタノール及び液状酸
触媒を夫々又は混合物にして塔の任意の場所に導入し、
常圧の場合加熱釜の内温が約100℃となるように加熱
を調節する。原料及び触媒の塔への導入位置は必ずしも
限定されないが、メタノールとアセトアルデヒドを向流
接触させることが望ましく、その為触媒及びメタノール
はアセトアルデヒドの導入位置より高い位置から供給す
ることが望ましい。尚、アセトアルデヒドをメタノール
の不存在下に酸と接触させると反応液の着色等の好まし
くない副反応が起こるので、液状の強酸を用いる場合そ
の添加方法は、先ずメタノールに酸を希釈してそれとア
セトアルデヒドを接触させるようにすることが望まし
い。
るが、連続的操作の方が生産性、運転安定性などの点で
好ましい。本発明の方法の1実施の態様として硫酸など
の非揮発性の液状の酸触媒を用いて連続的に操作する場
合、例えば、アセトアルデヒド、メタノール及び液状酸
触媒を夫々又は混合物にして塔の任意の場所に導入し、
常圧の場合加熱釜の内温が約100℃となるように加熱
を調節する。原料及び触媒の塔への導入位置は必ずしも
限定されないが、メタノールとアセトアルデヒドを向流
接触させることが望ましく、その為触媒及びメタノール
はアセトアルデヒドの導入位置より高い位置から供給す
ることが望ましい。尚、アセトアルデヒドをメタノール
の不存在下に酸と接触させると反応液の着色等の好まし
くない副反応が起こるので、液状の強酸を用いる場合そ
の添加方法は、先ずメタノールに酸を希釈してそれとア
セトアルデヒドを接触させるようにすることが望まし
い。
【0015】上側の触媒及びメタノールの導入位置と塔
頂のジメチルアセタール流出口との間には生成物から水
を分離するに必要な理論段数を有する精留部分を設け、
下側のアセトアルデヒド導入位置と塔底部の水の抜き出
し口の間には水からメタノールなどを分離するのに必要
な理論段数を有する精留部分を設けるのが望ましい。ま
た別に、精留塔の一部に固体酸触媒の充填層を設ける場
合は触媒層の上端にメタノール導入口、下端にアセトア
ルデヒド導入口を設けるのが好ましい。精留塔部分の還
流比は特に制限はないが、0.2〜8が好ましい。これ
らの操作を行うことにより精留塔部分の塔頂より実質的
にアセトアルデヒドや水を含まないアセタールと当量よ
り過剰に用いたメタノールの混合物が得られ、塔底から
は実質的に水のみが得られる。硫酸などの均一系の触媒
を用いた場合はその酸の水溶液が塔底から得られる。
頂のジメチルアセタール流出口との間には生成物から水
を分離するに必要な理論段数を有する精留部分を設け、
下側のアセトアルデヒド導入位置と塔底部の水の抜き出
し口の間には水からメタノールなどを分離するのに必要
な理論段数を有する精留部分を設けるのが望ましい。ま
た別に、精留塔の一部に固体酸触媒の充填層を設ける場
合は触媒層の上端にメタノール導入口、下端にアセトア
ルデヒド導入口を設けるのが好ましい。精留塔部分の還
流比は特に制限はないが、0.2〜8が好ましい。これ
らの操作を行うことにより精留塔部分の塔頂より実質的
にアセトアルデヒドや水を含まないアセタールと当量よ
り過剰に用いたメタノールの混合物が得られ、塔底から
は実質的に水のみが得られる。硫酸などの均一系の触媒
を用いた場合はその酸の水溶液が塔底から得られる。
【0016】反応に供するアセトアルデヒドとメタノー
ルのモル比については特に制限はないが、平衡をずらす
ためいずれか一方を化学量論量より過剰に用いるのが望
ましく、殊にアセトアルデヒド1モルに対してメタノー
ルを2〜4モルの割合で用いた場合最も効果的であると
言える。即ち、アセトアルデヒドに対するメタノールの
モル比が2以下であると未反応アセトアルデヒドが塔頂
から留出し、アセトアルデヒド転化率が低下する恐れを
生じ、一方、4以上であれば、留出成分中のメタノール
含量が増し、生産性が低下して経済的に不利となる。
ルのモル比については特に制限はないが、平衡をずらす
ためいずれか一方を化学量論量より過剰に用いるのが望
ましく、殊にアセトアルデヒド1モルに対してメタノー
ルを2〜4モルの割合で用いた場合最も効果的であると
言える。即ち、アセトアルデヒドに対するメタノールの
モル比が2以下であると未反応アセトアルデヒドが塔頂
から留出し、アセトアルデヒド転化率が低下する恐れを
生じ、一方、4以上であれば、留出成分中のメタノール
含量が増し、生産性が低下して経済的に不利となる。
【0017】反応原料として用いるアセトアルデヒドや
メタノールにジメチルアセタール、水やノルマルヘキサ
ンなどの不活性溶媒が少量含まれていても本発明を実施
するのに本質的に問題ないが、水が多量に含まれている
と反応蒸留塔の負荷が高くなり好ましくない。逆に、ジ
メチルアセタールを含む共沸組成物をつくる不活性溶
媒、例えば、ノルマルヘキサンの場合には留出成分と水
との沸点差が広がり、分離が容易となって好ましい。ま
た、これらの原料は液体で導入してもよいし、あらかじ
め気化後、気体で供給してもよい。
メタノールにジメチルアセタール、水やノルマルヘキサ
ンなどの不活性溶媒が少量含まれていても本発明を実施
するのに本質的に問題ないが、水が多量に含まれている
と反応蒸留塔の負荷が高くなり好ましくない。逆に、ジ
メチルアセタールを含む共沸組成物をつくる不活性溶
媒、例えば、ノルマルヘキサンの場合には留出成分と水
との沸点差が広がり、分離が容易となって好ましい。ま
た、これらの原料は液体で導入してもよいし、あらかじ
め気化後、気体で供給してもよい。
【0018】反応温度はその反応圧力での反応液の沸点
で行われる。例えば、常圧の場合、反応液の沸点は50
℃〜70℃となり、従って、反応温度をこの範囲に保っ
て反応を行うことが望ましい。反応時間は触媒の使用
量、反応温度等の条件次第であるが、通常は接触時間と
して0.2〜30分程度が適当である。塔内の圧力は減
圧、常圧、加圧のいづれの場合も差し支えないが、常圧
が望ましい。減圧では塔内温(反応温度)が下がり、反
応速度が低下するためと還流凝縮器の冷却媒の温度をよ
り低温にする必要があるため好ましくない。加圧の場合
はより高価な装置が必要となるため好ましくない。
で行われる。例えば、常圧の場合、反応液の沸点は50
℃〜70℃となり、従って、反応温度をこの範囲に保っ
て反応を行うことが望ましい。反応時間は触媒の使用
量、反応温度等の条件次第であるが、通常は接触時間と
して0.2〜30分程度が適当である。塔内の圧力は減
圧、常圧、加圧のいづれの場合も差し支えないが、常圧
が望ましい。減圧では塔内温(反応温度)が下がり、反
応速度が低下するためと還流凝縮器の冷却媒の温度をよ
り低温にする必要があるため好ましくない。加圧の場合
はより高価な装置が必要となるため好ましくない。
【0019】次に本発明の方法について、高純度のジメ
チルセタールの製造についての代表的な例をフロ−ダイ
アグラムに示し、これに基いて更に具体的に説明する。
図1においてAは反応蒸留塔、Bは蒸留塔、Cは向流抽
出塔を示し、実線及び数字1〜9は物質の流れを表す。
チルセタールの製造についての代表的な例をフロ−ダイ
アグラムに示し、これに基いて更に具体的に説明する。
図1においてAは反応蒸留塔、Bは蒸留塔、Cは向流抽
出塔を示し、実線及び数字1〜9は物質の流れを表す。
【0020】ダイアグラムに基いて更に具体的に説明す
る。図1においてAは反応蒸留塔、Bは蒸留塔、Cは抽
出塔を示し、実線及び数字1〜9は物質の流れを表す。
第一工程(アセタール化反応);必要量の原料アセトア
ルデヒド2と向流抽出塔Cから回収される少量のアセタ
ールと水を含むメタノール9に、新たに必要とされるメ
タノール1が補給され反応蒸留塔Aに連続的に導入され
る。このメタノールには必要量の酸触媒、例えば硫酸、
を溶解混合する。予め原料に含まれていた水と反応で生
成した水5は塔底部より排出される。この水には触媒の
硫酸が溶解しており、必要に応じて適当な中和、排水処
理を行って廃棄する。
る。図1においてAは反応蒸留塔、Bは蒸留塔、Cは抽
出塔を示し、実線及び数字1〜9は物質の流れを表す。
第一工程(アセタール化反応);必要量の原料アセトア
ルデヒド2と向流抽出塔Cから回収される少量のアセタ
ールと水を含むメタノール9に、新たに必要とされるメ
タノール1が補給され反応蒸留塔Aに連続的に導入され
る。このメタノールには必要量の酸触媒、例えば硫酸、
を溶解混合する。予め原料に含まれていた水と反応で生
成した水5は塔底部より排出される。この水には触媒の
硫酸が溶解しており、必要に応じて適当な中和、排水処
理を行って廃棄する。
【0021】第二工程(高純度アセタールの分離);メ
タノールとジメチルアセタールからなる反応液4は微量
のジメチルアセタールを含むノルマルヘキサンである向
流抽出塔Cの軽液と共に蒸留塔Bに導入され、常圧下で
蒸留分離され、塔底部より高純度アセタール5が得られ
る。ノルマルヘキサンはノルマルヘキサン−メタノール
−ジメチルアセタールの3成分共沸物6として塔頂より
留出される。ノルマルヘキサンはノルマルヘキサン−メ
タノール−ジメチルアセタールの3成分共沸を作るのに
必要な量となるように供給する。
タノールとジメチルアセタールからなる反応液4は微量
のジメチルアセタールを含むノルマルヘキサンである向
流抽出塔Cの軽液と共に蒸留塔Bに導入され、常圧下で
蒸留分離され、塔底部より高純度アセタール5が得られ
る。ノルマルヘキサンはノルマルヘキサン−メタノール
−ジメチルアセタールの3成分共沸物6として塔頂より
留出される。ノルマルヘキサンはノルマルヘキサン−メ
タノール−ジメチルアセタールの3成分共沸を作るのに
必要な量となるように供給する。
【0022】第三工程(ノルマルヘキサンの回収);蒸
留塔Bの塔頂部より抜きだしたノルマルヘキサン−メタ
ノール−ジメチルアセタールの3成分共沸物6を向流抽
出塔Cで少量の水7と向流接触させる。ほぼ全量のメタ
ノールと大部分のジメチルアセタールを軽液より抽出し
てなる重液9は塔底部より抜き出されて第一工程の反応
蒸留の原料の一部として回収される。実際上ノルマルヘ
キサンからなる軽液8は塔頂部より回収され、第二工程
のエントレーナーとして再使用される。
留塔Bの塔頂部より抜きだしたノルマルヘキサン−メタ
ノール−ジメチルアセタールの3成分共沸物6を向流抽
出塔Cで少量の水7と向流接触させる。ほぼ全量のメタ
ノールと大部分のジメチルアセタールを軽液より抽出し
てなる重液9は塔底部より抜き出されて第一工程の反応
蒸留の原料の一部として回収される。実際上ノルマルヘ
キサンからなる軽液8は塔頂部より回収され、第二工程
のエントレーナーとして再使用される。
【0023】
【実施例】以下、本発明の方法について、代表的な例を
実施例に示し比較例と共に更に具体的に説明する。但
し、これらは説明の為の例示であり、従って、本発明は
下記の例によって何ら限定されるものではない。
実施例に示し比較例と共に更に具体的に説明する。但
し、これらは説明の為の例示であり、従って、本発明は
下記の例によって何ら限定されるものではない。
【0024】実施例1 25段のオルダーショウ型精留塔の上から5段目に0.
5重量%の硫酸を含むメタノールを毎時180gで導入
し、上から15段目にアセトアルデヒドを毎時72gで
導入した。精留塔の下部には始めに水100gを入れた
500mlフラスコを設けて100℃に加熱し、フラス
コ内容物を毎時29gで抜出した。定常状態に於いてフ
ラスコ抜出液中には実質的に有機物は含まれていなかっ
た。塔頂からは還流比2で221g/hのジメチルアセ
タール/メタノール混合物を抜出した。留出液には実質
的に水及びアセトアルデヒドは含まれていなかった。こ
の反応に於けるアセトアルデヒドの転化率は100%、
ジメチルアセタールの収率は100%であった。
5重量%の硫酸を含むメタノールを毎時180gで導入
し、上から15段目にアセトアルデヒドを毎時72gで
導入した。精留塔の下部には始めに水100gを入れた
500mlフラスコを設けて100℃に加熱し、フラス
コ内容物を毎時29gで抜出した。定常状態に於いてフ
ラスコ抜出液中には実質的に有機物は含まれていなかっ
た。塔頂からは還流比2で221g/hのジメチルアセ
タール/メタノール混合物を抜出した。留出液には実質
的に水及びアセトアルデヒドは含まれていなかった。こ
の反応に於けるアセトアルデヒドの転化率は100%、
ジメチルアセタールの収率は100%であった。
【0025】実施例2 実施例1と同じ精留塔を用いて同様の操作を行った。但
し、上から5段目に0.5重量%の硫酸を含むメタノー
ルを毎時112gで導入し、上から15段目にアセトア
ルデヒドを毎時72g及びメタノールを毎時52gで導
入した。塔頂からは定量的にジメチルアセタールが得ら
れた。
し、上から5段目に0.5重量%の硫酸を含むメタノー
ルを毎時112gで導入し、上から15段目にアセトア
ルデヒドを毎時72g及びメタノールを毎時52gで導
入した。塔頂からは定量的にジメチルアセタールが得ら
れた。
【0026】実施例3 理論段数30段を有する5mmラシッヒ環を充填した精
留塔に上から理論段数で10段目の位置に0.3重量%
の硫酸を含むメタノールを毎時112gで導入し、上か
ら理論段数で20段目の位置にアセトアルデヒドを毎時
72g及びメタノールを毎時52gで導入した。塔頂か
らは定量的にジメチルアセタールが得られた。
留塔に上から理論段数で10段目の位置に0.3重量%
の硫酸を含むメタノールを毎時112gで導入し、上か
ら理論段数で20段目の位置にアセトアルデヒドを毎時
72g及びメタノールを毎時52gで導入した。塔頂か
らは定量的にジメチルアセタールが得られた。
【0027】実施例4 10段のオルダーショウ型精留塔、理論段数10段のア
ンバーリスト15(登録商標)触媒充填塔及び10段の
オルダーショウ型精留塔からなる反応器の10段目にア
セトアルデヒド毎時71.7g及び20段目にメタノ−
ル毎時180gを導入し、還流比2で連続的に反応させ
た結果、アセトアルデヒド転化率100%で、塔頂から
は定量的にジメチルアセタールが得られた。 実施例5 アンバーリスト15(登録商標)に代えて、触媒として
ナフィオンH(登録商標)を用いた以外は、全て実施例
4と同様の反応させた結果、アセトアルデヒド転化率1
00%で、塔頂からは定量的にジメチルアセタールが得
られた。
ンバーリスト15(登録商標)触媒充填塔及び10段の
オルダーショウ型精留塔からなる反応器の10段目にア
セトアルデヒド毎時71.7g及び20段目にメタノ−
ル毎時180gを導入し、還流比2で連続的に反応させ
た結果、アセトアルデヒド転化率100%で、塔頂から
は定量的にジメチルアセタールが得られた。 実施例5 アンバーリスト15(登録商標)に代えて、触媒として
ナフィオンH(登録商標)を用いた以外は、全て実施例
4と同様の反応させた結果、アセトアルデヒド転化率1
00%で、塔頂からは定量的にジメチルアセタールが得
られた。
【0028】実施例6 オルダーショウ型精留塔に代えて、理論段数10段の5
mmラシッヒ環充填精留塔を用いた以外は、全て実施例
4と同様に反応させた結果、アセトアルデヒド転化率1
00%で、塔頂からは定量的にジメチルアセタールが得
られた。 実施例7 理論段数25段の5mm円柱状の結晶性アルミノシリケ
−ト充填塔を用いた以外は、全て実施例4と同様に反応
させた結果、アセトアルデヒド転化率100%で、塔頂
からは定量的にジメチルアセタールが得られた。
mmラシッヒ環充填精留塔を用いた以外は、全て実施例
4と同様に反応させた結果、アセトアルデヒド転化率1
00%で、塔頂からは定量的にジメチルアセタールが得
られた。 実施例7 理論段数25段の5mm円柱状の結晶性アルミノシリケ
−ト充填塔を用いた以外は、全て実施例4と同様に反応
させた結果、アセトアルデヒド転化率100%で、塔頂
からは定量的にジメチルアセタールが得られた。
【0029】3口フラスコにメタノ−ル128g、硫酸
0.86gを仕込んだ後、55℃に調整し、アセトアル
デヒド44gを30分間で滴下した。更に1時間反応さ
せた結果、アセトアルデヒド転化率78%、ジメチルア
セタール選択率98%、縮合副生物1%であった。この
液を更に3時間反応させた結果、アセトアルデヒド転化
率75%、ジメチルアセタール選択率95%、縮合副生
物3%となった。この反応結果はアセトアルデヒド、メ
タノ−ル、水、ジメチルアセタール間の平衡反応定数か
ら求めたものとほぼ一致しており、反応が平衡に達して
いることを示していた。
0.86gを仕込んだ後、55℃に調整し、アセトアル
デヒド44gを30分間で滴下した。更に1時間反応さ
せた結果、アセトアルデヒド転化率78%、ジメチルア
セタール選択率98%、縮合副生物1%であった。この
液を更に3時間反応させた結果、アセトアルデヒド転化
率75%、ジメチルアセタール選択率95%、縮合副生
物3%となった。この反応結果はアセトアルデヒド、メ
タノ−ル、水、ジメチルアセタール間の平衡反応定数か
ら求めたものとほぼ一致しており、反応が平衡に達して
いることを示していた。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、アセトアルデヒドとメ
タノールを原料に選び、酸触媒の存在下に精留条件下に
反応させ、その際原料および酸触媒が精留塔の一部に存
在するように塔の下端から水を除去し、塔の頂部から生
成したジメチルアセタール成分を取り出すように操作す
ることにより、ジメチルアセタールを工業的に簡単にか
つ良好な最後収得率で製造することができる。すなわ
ち、高価な及びまたは工業的処理に費用を要する助剤た
とえば塩化カルシウムなどを添加することなく、しかも
既知の方法に比べて本質的に短い時間で、工業的にきわ
めて有用な化合物であるジ低級アルキルアセタールを工
業的に簡単にかつ良好な最後収得率で製造することがで
きる。
タノールを原料に選び、酸触媒の存在下に精留条件下に
反応させ、その際原料および酸触媒が精留塔の一部に存
在するように塔の下端から水を除去し、塔の頂部から生
成したジメチルアセタール成分を取り出すように操作す
ることにより、ジメチルアセタールを工業的に簡単にか
つ良好な最後収得率で製造することができる。すなわ
ち、高価な及びまたは工業的処理に費用を要する助剤た
とえば塩化カルシウムなどを添加することなく、しかも
既知の方法に比べて本質的に短い時間で、工業的にきわ
めて有用な化合物であるジ低級アルキルアセタールを工
業的に簡単にかつ良好な最後収得率で製造することがで
きる。
【図1】本発明の方法による高純度のジメチルセタール
の製造についての代表的な例を示すフロ−ダイアグラム
である。
の製造についての代表的な例を示すフロ−ダイアグラム
である。
A 反応蒸留塔 B 蒸留塔 C 向流抽出塔
フロントページの続き (72)発明者 長谷川 裕之 大分県大分市大字中の洲2番地 昭和電 工株式会社 大分工場内 (56)参考文献 特開 昭58−32838(JP,A) 特開 平3−56134(JP,A) 特開 昭62−29419(JP,A) 特開 昭56−36425(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 1/00 - 409/44
Claims (3)
- 【請求項1】 アセトアルデヒド、アセトアルデヒドに
対して2〜4倍モルのメタノール及び酸触媒を5〜50
段の精留塔の一部に存在させ、アセタール化反応を行い
ながら精留操作を行い、塔の下部から副生した水を除去
し、塔の頂部から生成したアセトアルデヒドジメチルア
セタール及びメタノールを含む成分を留出せしめること
を特徴とするアセトアルデヒドジメチルアセタールの製
造方法。 - 【請求項2】 5〜50段の精留塔の一部にアセトアル
デヒド、アセトアルデヒドに対して2〜4倍モルのメタ
ノール及び非揮発性の液状の酸触媒を連続的に供給し
て、アセタール化反応と共に精留操作を行い、塔の下部
から副生した水を除去し、塔の頂部から生成したアセト
アルデヒドジメチルアセタール及びメタノールを含む成
分を留出せしめることを特徴とする請求項1のアセトア
ルデヒドジメチルアセタールの製造方法。 - 【請求項3】 5〜50段の精留搭の一部に固体酸触媒
を充填し、これにアセトアルデヒド及びアセトアルデヒ
ドに対して2〜4倍モルのメタノールを連続的に供給し
てアセタール化反応と共に精留操作を行い、搭の下部か
ら副生した水を抜き出し、塔の頂部から生成したアセト
アルデヒドジメチルアセタール及びメタノールを含む成
分を留出せしめることを特徴とする請求項1のアセトア
ルデヒドジメチルアセタールの製造方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10669692A JP3209447B2 (ja) | 1992-04-24 | 1992-04-24 | アセタールの製造方法 |
EP97105153A EP0786444B1 (en) | 1992-04-24 | 1993-04-23 | Process for producing acetaldehyde dimethylacetal |
DE69314846T DE69314846T2 (de) | 1992-04-24 | 1993-04-23 | Verfahren zur Herstellung von Acetaldehyddimethylacetal |
DE69327411T DE69327411T2 (de) | 1992-04-24 | 1993-04-23 | Verfahren zur Herstellung von Acetaldehyddimethylacetal |
US08/051,280 US5362918A (en) | 1992-04-24 | 1993-04-23 | Process for producing acetaldehyde dimethylacetal |
EP93106668A EP0570719B1 (en) | 1992-04-24 | 1993-04-23 | Process for producing acetaldehyde dimethylacetal |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10669692A JP3209447B2 (ja) | 1992-04-24 | 1992-04-24 | アセタールの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05306249A JPH05306249A (ja) | 1993-11-19 |
JP3209447B2 true JP3209447B2 (ja) | 2001-09-17 |
Family
ID=14440195
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10669692A Expired - Fee Related JP3209447B2 (ja) | 1992-04-24 | 1992-04-24 | アセタールの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3209447B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4744708B2 (ja) * | 2001-03-15 | 2011-08-10 | 大日本住友製薬株式会社 | テトラヒドロナフタレン誘導体の製造方法 |
JP2006289158A (ja) * | 2005-04-05 | 2006-10-26 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | アセタール合成触媒及びアセタール製造方法 |
-
1992
- 1992-04-24 JP JP10669692A patent/JP3209447B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05306249A (ja) | 1993-11-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0786444B1 (en) | Process for producing acetaldehyde dimethylacetal | |
US8686181B2 (en) | Method for producing ethylene glycol dimethacrylate | |
JPH0840974A (ja) | アクリル酸精製法 | |
US6713649B1 (en) | Method for production of formic acid | |
WO2012177417A1 (en) | Production of cyclic acetals or ketals using solid acid catalysts | |
JP5479333B2 (ja) | アリルメタクリレートの製造法 | |
JPH05246941A (ja) | アクリル酸製造においてアクリル酸を高純度に精製する方法 | |
JP3209447B2 (ja) | アセタールの製造方法 | |
JP2884433B2 (ja) | 4―ヒドロキシブチルアクリレート又はメタクリレートの製造法 | |
US4736062A (en) | Process for preparing methacrylic acid | |
US20120271029A1 (en) | Process for preparing neopentyl glycol | |
JPS61238745A (ja) | アリルアルコ−ルの製造法 | |
JP3166295B2 (ja) | アセタールの分離法 | |
JP3166286B2 (ja) | アセタールの分離方法 | |
JP3166287B2 (ja) | アセタールの製造法 | |
JPH05271217A (ja) | 1,3ジオキソランの製造方法 | |
JP2754216B2 (ja) | アセトアルデヒドジメチルアセタールの製造法 | |
JP3150909B2 (ja) | グリオキシル酸エステル類の精製方法 | |
RU2152920C2 (ru) | Способ получения метилхлорида | |
US5567838A (en) | Transesterification reaction of alkoxylated bisphenol-a and methyl methacrylate | |
JPH0813779B2 (ja) | メタクリル酸のメタクリル酸メチルとしての回収方法 | |
JP3175334B2 (ja) | N−(α−アルコキシエチル)−カルボン酸アミドの製造法 | |
US3957730A (en) | Recovery of pure 2-methyl-2-hydroxy-heptanone-6 | |
CN117043132A (zh) | 通过甲基丙烯酸甲酯的催化水解连续制备甲基丙烯酸的新方法 | |
JP4240771B2 (ja) | (メタ)アクリル酸エステルの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100713 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110713 Year of fee payment: 10 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |