JP3166287B2 - アセタールの製造法 - Google Patents

アセタールの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】アセトアルデヒドジメチルアセタ
ール、ジエチルアセタール、ジプロピルアセタール、ジ
ブチルアセタールなどのジ低級アルキルアセタール類
は、各種の工業原料、特に、有機溶媒や合成香料、合成
樹脂及び接着剤などとして使用されるアルキルビニルエ
ーテル、親水性モノマーであるN−ビニルカルボン酸ア
ミドなどの合成中間体等として工業的に有用な化合物で
ある。
【0002】
【従来の技術】これらジ低級アルキルアセタールを製造
するには、一般にはアセトアルデヒドと低級アルコール
を酸触媒の存在下に反応させることが知られているが、
単位反応としての低級アルコールの種類による反応の間
には、格別顕著な差異は無いとされている。しかし、当
然の事乍らこれらの反応に於ける生成物及び副生成物の
種類は個々の出発原料によって異なり、また、蒸留特性
や晶析、溶媒との相溶性や分配率などの生成物の分離精
製手段に及ぼす影響の大きな物性等も、出発原料に何を
用いるかによって大きく左右される。特に、実際の工業
的生産においては出発原料の反応性以外に、原料コスト
や入手及び取扱いの容易性、分離精製後の目的物の最終
的な収得率、分離精製系を含めた全生産工程のシンプル
さ、製造設備の建設費、運転操作及び管理の容易性、ユ
ーティリティーコストなども極めて重要な要因となり、
従って、これら全てを総合的に見て原料ソースを含めて
プロセスを決定する必要がある。
【0003】アルデヒドと低級アルコールよりジ低級ア
ルキルアセタールを製造する方法自体は従来より種々報
告されている。例えば、特開平3−246247号明細
書によれば、アリルアルコールを用いたアセタールの製
造法が開示されているが、この反応が平衡反応である為
に開示された方法ではその平衡転化率以上の結果は得ら
れていない。また、特開昭62−116534号明細書
によれば、炭素数4のアルコールを原料にしたアセター
ルの製造方法について記されているが、満足しうる反応
成績を得るには触媒及び脱水剤として多量の塩化カルシ
ウムを必要とし、しかも反応後触媒除去、反応液の水洗
等の余分な工程が必要であり、満足できる製造方法とは
言えない。
【0004】アセトアルデヒドとメタノールからのジメ
チルアセタールの製造についても同様に種々検討がなさ
れており、一般に塩酸、硫酸、有機スルホン酸やゼオラ
イトなどの無機固体酸、イオン交換樹脂などの酸触媒の
存在下に反応させる方法が知られているが、この反応は
他の低級アルコールによるアセタール化反応と同様に平
衡反応であるため、その侭では転化率には限界がある。
従って、目的物の収得率を高めるには、例えば、反応原
料の一方を大過剰に用いたり、反応生成物を素早く反応
系外に取出す等の処置が必要となる。この反応終了液に
は通常、副生した水と未反応のアセトアルデヒドを含有
しており、触媒の中和又は除去後に反応液を蒸留精製し
ようとすると、目的化合物であるジメチルアセタールの
分解や望ましくない不純物の副生を引き起こすなどの問
題があった。
【0005】また、ジメチルアセタールの場合も反応で
生成した水を除去し、転化率を上げるため触媒兼脱水剤
として塩化カルシウムなども用いられるが、大量の塩化
カルシウムが必要であり、排水処理のための余分なコス
トや取扱上の煩雑さなどの欠点がある。また、ノルマル
ヘプタンやトルエンなどの不活性溶媒を用いて反応で生
成した水を共沸蒸留により除去する方法もあるが、溶媒
を分離回収する工程が増え有益な方法とは言えない。更
に、これらの方法を適当に組み合わせたものも提案され
ているが本質的に問題を解決していない。
【0006】一方、一般に平衡反応に伴う転化率の限界
などの欠点を補う反応操作方法として、反応を行いなが
ら蒸留による分離操作を行い、平衡転化率の向上を図る
反応蒸留法或いはその装置が用いられることがあり、例
えば、酸触媒を用いた平衡反応についても、エステル化
反応(特開昭63−277645号明細書など)、エー
テル化反応(特開平1−316337号明細書など)、
アセタール化反応(特公昭62−29419号、特開平
3−56134号)など多くの例が知られている。この
反応蒸留法は蒸留操作を伴いながら反応を行う為、反応
上の諸問題に加えて反応原料、生成物、副生物等からな
る原料系、生成系の各種物質の蒸留特性に大きく影響さ
れる。従って、いかなる原料を用いてどのような触媒、
反応条件、反応操作、分離工程で行うかを総合的に選定
することが特に重要となる。
【0007】例えば、特公平62−29419号明細書
によれば、触媒として比較的沸点の低い硝酸を用いて炭
素数3以上の不飽和アルコールのアセタールを反応蒸留
によって製造する方法が開示されている。しかし、この
方法を最も安価なアルコールとアルデヒドであるメタノ
ールとアセトアルデヒドから得られるアセトアルデヒド
ジメチルアセタールの合成に用いた場合、目的物である
アセタールと硝酸が共に塔の頂部から流出し、この混合
物に好ましくない高沸点副生物を生成してしまい実質的
に殆ど実用性はない。
【0008】また、特開平3−56134号明細書によ
れば、固体酸又は固体塩基を触媒に用いる平衡反応にお
いて、反応液を反応器に強制循環することを特徴とする
反応蒸留装置が提案されている。この装置は触媒劣化の
主原因となる水を多く含むホルマリン水溶液を原料に用
いる場合、即ち、メタノールとホルマリン水溶液からメ
チラールを製造する場合には頻繁に起こる触媒の再生、
交換が容易であるため有用な装置であるが、通常の反応
蒸留装置と比べ、余分なポンプ等付帯設備が必要とな
り、その分の建設費用と運転費用の負担が増加する欠点
は免れない。
【0009】更に、上記の他に、反応により生成したア
セトアルデヒドジメチルアセタールとメタノールとから
なる混合物を蒸留により分離する場合、アセタールとメ
タノールが共沸混合物を形成することから、その共沸組
成に近い混合物を分離することは極めて困難であるとい
う問題点がある。
【0010】このアセタールとメタノールの分離につい
ても、従来いくつかの提案がなされている。例えば、特
開昭58−103331号明細書では、メタノール−メ
チラール混合物の系に於いて共沸蒸留する際に、操作圧
力を変えることで共沸組成中の両者の割合が異なること
を利用して、加圧蒸留と常圧又は減圧蒸留を組み合わせ
る方法が提案されている。しかし、これらの圧力条件を
変化させても、互いに沸点が近いために各蒸留塔の段数
及び還流比を非常に大きいものとしなければならず、多
くの蒸留塔の運転費用と高い設備費用が必要となる。
【0011】また、ドイツ特許第1007311号で
は、メタノール−ジメチルアセタールの系に於ける水に
よる抽出蒸留が提案されている。しかし、この方法では
メタノールを完全に除去するのが困難であることを別と
しても、得られたアセタール中には水が含まれており、
これから更に水を共沸蒸留によるか又は乾燥剤等により
除去しなければならない為、面倒な手数を要し且つその
操作によるロスを伴う。
【0012】更に、特公昭38−19707号ではアル
コール又はアミノ化合物を用いた抽出蒸留でアセタール
−アルコール系の分離を提案しているが、このような反
応性の化合物を系に加えて加熱した場合、目的物質の分
解や不純物の生成などの好ましくない副反応が起こり、
純度や収率の低下をもたらす。
【0013】一般に、このように共沸組成に近い混合物
を分離する場合には、第三成分として共沸溶剤を添加し
て蒸留することが知られており、その共沸溶剤の選定基
準として(1)共沸温度がメタノールとアセタールの共
沸温度より低く、且つアセタールの分離をよくするため
にその温度差を大きいこと、(2)エネルギー的な観点
より共沸物中のメタノール含量が多いこと、(3)アセ
タールに対して不活性であることなどが挙げられる。し
かし、従来これらの選定条件を満足する共沸溶媒につい
ては提案されていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題はジ低級
アルキルアセタールを簡単且つ良好な最後収得率で工業
的有利に製造する方法を開発することであり、従って、
原料の選択、生成物の分離精製方法を含めて従来提案さ
れているような高価な設備を必要とせず、プロセス的に
シンプルであって効率の良い方法を開発することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる状況
に鑑み、反応原料、触媒、反応条件、反応操作、分離工
程など、製造プロセス全体について総合的に鋭意検討し
た結果、その最適な組合せを見出し本発明を完成した。
即ち、本発明はa)先ずアセトアルデヒドとメタノール
を原料に選び、蒸留塔が直結した反応器を用いてアセト
アルデヒド及びメタノールを連続的に供給し、酸触媒の
存在下にアセタール化反応を行いながら精留操作を行
い、塔の下部から副生した水を除去し、上部から生成し
たアセトアルデヒドジメチルアセタールを含む成分を得
る工程を開発し;
【0016】また、b)生成物中の互いに沸点が極めて
近似したアセトアルデヒドジメチルアセタールとメタノ
−ルを蒸留により効率良く分離する為の方法として、ノ
ルマルヘキサン又はシクロヘキサンが共沸溶剤としてそ
の共沸温度がメタノールとアセタールの共沸温度よりも
低く、且つその温度差が大であり、また、共沸物中のメ
タノール含量が多く、しかもアセタールに対して不活性
である等の多くの優れた特性を有するものであることを
見出し、この知見に基づきノルマルヘキサン又はシクロ
ヘキサンを共沸溶剤として使用して、混合液中のメタノ
ールをノルマルヘキサン又はシクロヘキサン及び少量の
アセトアルデヒドジメチルアセタールとの共沸混合物と
して蒸留塔上部から分離し、アセトアルデヒドジメチル
アセタールを蒸留塔下部より取得する工程を開発し;
【0017】更に、c)分離した共沸混合物よりノルマ
ルヘキサン又はシクロヘキサンを効果的に分離する方法
として、該混合物を抽出塔にて水と向流接触せしめ、塔
下部よりメタノールを水溶液として抽出分離し、塔上部
からノルマルヘキサン又はシクロヘキサンを主成分とす
る留分を取得しする工程を開発し;d)この工程で得ら
れた留分を共沸溶剤として前工程に、また、メタノール
に富む水溶液をアセタ−ル化工程に夫々循環再使用する
ことを含めて、これらの工程を効果的に組合わせてなる
アセトアルデヒドジメチルアセタールの製造方法を提供
せんとするものである。
【0018】以下に本発明の方法について更に詳細に説
明する。先ず、第一工程はアセトアルデヒドとメタノー
ルを原料に選び、酸触媒の存在下に精留条件下に反応さ
せ、その際原料及び酸触媒が精留塔の一部に存在するよ
うに塔の下部から水を除去し、塔の上部から生成したジ
メチルアセタール成分を取り出すように操作することか
らなる。
【0019】酸触媒としては原則的には特に制限はな
く、例えば、塩酸、硫酸、りん酸、硝酸などの鉱酸、リ
ンタングステン酸などのヘテロポリ酸、パラトルエンス
ルホン酸などの有機酸、アンバーリスト(登録商標)、
アンバーライト(登録商標)、ダウエックス(登録商
標)などのスルホン酸型強酸性イオン交換樹脂、スルホ
ン化テトラフルオロエチレン樹脂などのスルホン酸型フ
ッ素化アルキレン樹脂、モルデナイト、ゼオライトなど
無機固体酸等、従来知られている各種のものを用いるこ
とが出来るが、本発明の方法に於いては硫酸、りん酸、
パラトルエンスルホン酸のような非揮発性又は高沸点の
液状強酸や樹脂若しくは固体酸などの不均一系酸触媒を
使用することがプロセス上特に望ましい。これらの使用
は生成物との分離が容易であり、また、留出したアセタ
ールに対して中和処理が不要となる。
【0020】酸触媒の使用量については必ずしも厳密な
制限はないが、均一系触媒の場合通常は、アセトアルデ
ヒドとメタノールの重量和に対して0.01〜2重量
%、好ましくは0.05〜1重量%程度用いるのが適当
である。
【0021】本発明の方法に於いて用いられる反応蒸留
装置としては、反応器と精留塔の直結した塔式のもので
あれば特に制限はなく、その構造様式に厳密な条件はな
い。通常は精留塔部分として1〜100段、好ましくは
5〜50段の理論段数を有するものが用いられる。精留
塔の構造は任意のものが用いられ、例えば、棚段塔とし
ては、泡鐘トレー、ユニフラックストレー、フレキシト
レー、ナッターフロートトレー、バラストトレー、多孔
板トレー、カスケードトレー、ベンチュリートレー、キ
ッテルトレー、リサイクリングトレー、チムニートレ
ー、ジェットトレー、ターボグリッドトレー、リップル
トレー、デュアルフロートレー、バッフルトレーなどを
用いた棚段塔が挙げられる。また、充填塔としてはリン
グ型充填物、サドル型充填物、スプレーパック、パナパ
ック、グッドロイパッキング、ステッドマンパッキン
グ、ディクソンリング、マクマホンパッキング、スルー
ザーパッキング、ヘリクス、垂直平板充填物などを用い
た充填塔が挙げられる。固体酸触媒を用いる場合は触媒
を充填した層とその他の精留層、即ち、充填層、棚段
層、或いはこれらを組み合わせたものを精留塔として用
いることが望ましい。
【0022】本発明は連続的にも非連続的にも実施でき
るが、連続的操作の方が生産性、運転安定性などの点で
好ましい。本発明の方法の1実施の態様として硫酸など
の非揮発性の液状の酸触媒を用いて連続的に操作する場
合、例えば、アセトアルデヒド、メタノール及び液状酸
触媒を夫々又は混合物にして塔の任意の場所に導入し、
常圧の場合加熱釜の内温が約100℃となるように加熱
を調節する。原料及び触媒の塔への導入位置は必ずしも
限定されないが、メタノールとアセトアルデヒドを向流
接触させることが望ましく、その為触媒及びメタノール
はアセトアルデヒドの導入位置より高い位置から供給す
ることが望ましい。尚、アセトアルデヒドをメタノール
の不存在下に酸と接触させると反応液の着色等の好まし
くない副反応が起こるので、液状の強酸を用いる場合そ
の添加方法は、先ずメタノールに酸を希釈してそれとア
セトアルデヒドを接触させるようにすることが望まし
い。
【0023】上側の触媒及びメタノールの導入位置と塔
頂のジメチルアセタール流出口との間には生成物から水
を分離するに必要な理論段数を有する精留部分を設け、
下側のアセトアルデヒド導入位置と塔底部の水の抜き出
し口の間には水からメタノールなどを分離するのに必要
な理論段数を有する精留部分を設けるのが望ましい。ま
た別に、精留塔の一部に固体酸触媒の充填層を設ける場
合は触媒層の上端にメタノール導入口、下端にアセトア
ルデヒド導入口を設けるのが好ましい。精留塔部分の還
流比は特に制限はないが、0.2〜8が好ましい。これ
らの操作を行うことにより精留塔部分の塔頂より実質的
にアセトアルデヒドや水を含まないアセタールと当量よ
り過剰に用いたメタノールの混合物が得られ、塔底から
は実質的に水のみが得られる。硫酸などの均一系の触媒
を用いた場合はその酸の水溶液が塔底から得られる。
【0024】反応に供するアセトアルデヒドとメタノー
ルのモル比については特に制限はないが、平衡をずらす
ためいずれか一方を化学量論量より過剰に用いるのが望
ましく、殊にアセトアルデヒド1モルに対してメタノー
ルを2〜4モルの割合で用いた場合最も効果的であると
言える。即ち、アセトアルデヒドに対するメタノールの
モル比が2以下であると未反応アセトアルデヒドが塔頂
から留出し、アセトアルデヒド転化率が低下する恐れを
生じ、一方、4以上であれば、留出成分中のメタノール
含量が増し、生産性が低下して経済的に不利となる。
【0025】反応原料として用いるアセトアルデヒドや
メタノールにジメチルアセタール、水やノルマルヘキサ
ンなどの不活性溶媒が少量含まれていても本発明を実施
するのに本質的に問題ないが、水が多量に含まれている
と反応蒸留塔の負荷が高くなり好ましくない。逆に、ジ
メチルアセタールを含む共沸組成物をつくる不活性溶
媒、例えば、ノルマルヘキサンの場合には留出成分と水
との沸点差が広がり、分離が容易となって好ましい。ま
た、これらの原料は液体で導入してもよいし、あらかじ
め気化後、気体で供給してもよい。
【0026】反応温度はその反応圧力での反応液の沸点
で行われる。例えば、常圧の場合、反応液の沸点は50
℃〜70℃となり、従って、反応温度をこの範囲に保っ
て反応を行うことが望ましい。反応時間は触媒の使用
量、反応温度等の条件次第であるが、通常は接触時間と
して0.2〜30分程度が適当である。塔内の圧力は減
圧、常圧、加圧のいづれの場合も差し支えないが、常圧
が望ましい。減圧では塔内温(反応温度)が下がり、反
応速度が低下するためと還流凝縮器の冷却媒の温度をよ
り低温にする必要があるため好ましくない。加圧の場合
はより高価な装置が必要となるため好ましくない。
【0027】次に第二工程については、ノルマルヘキサ
ン又はシクロヘキサンはメタノール及び少量のアセター
ルと夫々共沸混合物を形成し、その共沸温度は前者では
48℃、後者では56℃、また、共沸物の組成は前者で
はノルマルヘキサン/メタノール/アセタール重量比:
凡そ70/25/5、後者ではシクロヘキサン/メタノ
ール/アセタールの重量比:凡そ53/30/17であ
るとの知見に基づき、第一工程で得られるメタノールと
アセトアルデヒドジメチルアセタールを主成分とする混
合溶液を蒸留分離する方法であり、その際に共沸溶剤と
してノルマルヘキサンを使用し、メタノールをノルマル
ヘキサン又はシクロヘキサンとジメチルアセタールの共
沸混合物として留去し、メタノールを殆ど含まない高純
度のジメチルアセタールを得る。
【0028】本発明で扱う化合物及びその共沸物の常圧
での沸点及び組成は、文献によればメタノール64.7
℃、ジメチルアセタール64.3℃、ノルマルヘキサン
69℃、ノルマルヘキサン−メタノール50℃(メタノ
ール28重量%)、メタノール−アセタール57.5℃
(メタノール24重量%)、ノルマルヘキサン−アセタ
ール64℃(ノルマルヘキサン30重量%)であり、ま
た、シクロヘキサン81℃、シクロヘキサン−メタノー
ル54℃(メタノール38重量%)である。
【0029】分離系に添加されるノルマルヘキサン又は
シクロヘキサンの量は、処理すべきジメチルアセタール
−メタノール混合物に含まれるメタノールが全量ノルマ
ルヘキサン又はシクロヘキサンとの共沸系を形成するに
足る量であり、余り過剰に加えることは蒸留系の負荷が
増加し、好ましくない。尚、本来の目的からすればジメ
チルアセタールを出来るだけ多く取得することであり、
かかる観点からは3成分共沸組成としてシクロヘキサン
の系よりジメチルアセタールの含まれる割合の少ないノ
ルマルヘキサンを用いることが好適と言える。
【0030】本発明の方法に置いて用いられる蒸留装置
としては特に制限はないが、通常、約1〜100段、好
ましくは5〜50段のいわゆる理論段数を有する精留塔
が用いられる。精留塔の構造は任意のものが用いられ、
その構造様式に厳密な条件はなく、前記の反応蒸留の場
合と同様である。塔内の圧力は減圧、常圧、加圧のいづ
れの場合も差し支えないが、通常は常圧が望ましい。本
発明は連続的にも非連続的にも実施できるが、連続的操
作の方が生産性、運転安定性などの点で好ましい。還流
比は特に制限はなく精留塔の性能と分離するジメチルア
セタールのスペックにもよるが、1〜10程度で充分で
ある。
【0031】第三工程は、第二工程で得られたノルマル
ヘキサン又はシクロヘキサン/メタノール/ジメチルア
セタールの共沸混合物(以下油層と呼ぶ)に水を加えて
油層にある略全量のメタノールとアセタールの一部を抽
出し、ノルマルヘキサン又はシクロヘキサンの回収を行
う工程である。ここで抽出分離したノルマルヘキサン又
はシクロヘキサンは再び共沸溶剤として第二工程で使用
し、メタノールに富む水層は第一工程で反応原料として
用いる。
【0032】尚、ジメチルアセタールは酸に対して極め
て不安定であるので抽出に用いる水に少量の塩基性物
質、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、燐
酸ナトリウムなどを加えて水のPHを7より下がらない
ようにしてもよい。但し、塩化ナトリウムなど中性無機
塩を含めてこれらの無機塩を多量に用いることは塩析効
果により水層へのメタノールなどの溶解度が低下するの
で好ましくない。
【0033】抽出温度は10〜50℃、好ましくは15
〜45℃であることが望ましい。抽出温度を10℃以下
にすると原料の油層が二層に分離し、一方、50℃以上
では油層成分の蒸気圧が高くなる為いずれも好ましくな
い。圧力は減圧、常圧、加圧いずれも用いられるが、通
常は常圧で差し支えない。水と油層との接触方法は回分
式であっても連続式であってもよく、このうち連続方式
を採用することが生産性、運転安定性の面から望まし
い。このような抽出操作は、具体的には、抽出塔を用い
て行うことが好ましく、油層を該抽出塔の下部から供給
し、水を該抽出塔の上部から供給して向流接触方式で行
うことが望ましい。この抽出塔の理論段数は2〜10段
程度であることが望ましい。
【0034】尚、水と油層との単位時間当りの抽出塔へ
の供給量は抽出塔の容積、抽出能力などに応じて決定さ
れるが、水と油層の供給量の重量比率は1:1〜50、
好ましくは1:5〜30が望ましい。水の供給比率が低
すぎるとメタノールを充分に抽出することができず、油
層への残留メタノール量が多くなってしまう。また、高
すぎると抽出後の水層よりメタノールを回収或はは第一
工程で原料として反応する際、ユーティリティーの負荷
が高くなり経済的に好ましくない。
【0035】抽出後の油層は微量のジメチルアセタール
を含んだノルマルヘキサン又はシクロヘキサンであり、
実質的に水、メタノールを含まないのでこのまま第二工
程の共沸溶剤として用いることができる。この抽出後の
油層に水が多量に混入していると第二工程の蒸留塔の塔
底から得られるアセタールの含水率が上がり、アセター
ルの加水分解が徐々に進行して、アセタール収量の低下
をもたらす。また、この抽出後の油層にメタノールが多
量に混入しているとプロセス内を循環するメタノール量
が増大し、第二工程の蒸留塔などの装置の負荷がいたず
らに増し、経済的に好ましくない。抽出後の水層はメタ
ノールが主成分であるのでそのまま第一工程の原料とし
て用いてもよいが、これを一旦蒸留して水を除去し、更
にメタノール濃度を上げてから第一工程の原料として用
いてもよい。
【0036】次に本発明の方法について代表例として、
触媒として非揮発性の強酸である硫酸を、また、共沸溶
剤としてノルマルヘキサンを用いて高純度のジメチルセ
タールを連続的に合成、生成物の分離を行い、更にこの
ジメチルアセタールを親水性ポリマーの原料であるN−
ビニルアセトアミドの製造に用いる場合をフロ−ダイア
グラムとして示す図面に基いて更に具体的に説明する。
図1に於いてAは反応蒸留塔、Bは蒸留塔、Cは抽出
塔、Dはエーテルアミド化反応器、Eはアセタール回収
塔、Fはメタノール回収塔、Gはエーテルアミド分解反
応器、HはN−ビニルアセトアミド蒸留塔を示し、実線
及び数字1〜17は物質の流れを表す。
【0037】第一工程(アセタール化反応);反応蒸留
塔Aの下部に必要量の原料アセトアルデヒド1を、上部
からは抽出塔Cから回収される少量のアセタールと水を
含むメタノール2にN−ビニルアセトアミド蒸留塔Hか
ら回収されるメタノール3を加えたものが連続的に導入
される。このメタノールには必要量の酸触媒を溶解混合
する。予め原料に含まれていた水と反応で生成した水5
は塔底部より排出される。この水には触媒量の酸が溶解
しており、必要に応じて回収或は適当な中和、排水処理
を行って廃棄する。
【0038】第二工程(高純度アセタールの分離);メ
タノールとジメチルアセタールからなる反応液4とメタ
ノール回収塔Fから回収されるメタノール−ジメチルア
セタール共沸混合物15は微量のジメチルアセタールを
含むノルマルヘキサンからなる抽出塔Cの軽液6と共に
蒸留塔Bに導入され、常圧下で蒸留分離され、塔底部よ
り高純度アセタール8が得られる。メタノールは少量の
ジメチルアセタールを含むノルマルヘキサン−メタノー
ル−ジメチルアセタール3成分共沸物7として塔頂より
留出される。ノルマルヘキサンは該3成分共沸を作るの
に必要な量となるように供給する。
【0039】第三工程(ノルマルヘキサンの回収);蒸
留塔Bの塔頂部より抜出した3成分共沸物7を抽出塔C
で少量の水9と向流接触させる。略全量のメタノールと
大部分のジメチルアセタールを軽液より抽出してなる重
液2は塔底部より抜き出されて、第一工程の反応蒸留の
原料の一部として回収される。実質的にノルマルヘキサ
ンからなる軽液6は塔頂部より回収され、第二工程のエ
ントレーナーとして再使用される。
【0040】α−メトキシエチルアセトアミド(以下、
MEAと呼ぶ)合成工程;MEAは公知の方法(例え
ば、米国特許4554377号)によりジメチルアセタ
ールとアセトアミドの交換反応により合成する。この
際、MEAと等モルのメタノールが副生する。アセトア
ミドとMEAの蒸気圧は極めて近く、種々の溶媒に対す
る溶解性も似ているため蒸留や再結晶による分離は困難
である。そこで、アセトアミドの転化率は出来るだけ高
く、例えば、95%以上が望ましく、その為、アセトア
ミドに対してジメチルアセタールの使用量はモル比で凡
そ15〜25倍、好ましくは18〜22倍程度が望まし
い。因みに15倍以下ではアセトアミド転化率が充分に
上らず、また、25倍以上にしても生産性が低下する割
に大きなアセトアミド転化率の向上が得られず好ましく
ない。
【0041】尚、この反応系に少量のメタノールを加え
ることは以下の理由で好ましい。即ち、ジメチルアセタ
ールとアセトアミドの交換反応は平衡反応であるので、
常識的にはメタノールの添加は好ましくないのである
が、しかし、生成したMEAが更にアセトアミドと反応
すると、ジメチルアセタールに対する溶解性が極めて低
いエチリデンビスアセトアミド(EBA)を副生する
が、このEBAが生成する反応も平衡反応であり、メタ
ノールが存在しないとこのEBAが系から析出してこの
平衡反応に関与しなくなり、平衡反応が右に傾いてME
A収率は低下してしまうという問題がある。従って、微
量に副生したEBAを溶解させ、平衡反応に関与させる
にはアセトアミドに対してメタノールをモル比で凡そ
1.2〜5倍程度加えることが望ましい。一般に、アセ
トアミド/ジメチルアセタール/メタノールのモル比は
凡そ1/15〜25/1.2〜5程度、好ましくは1/
18〜22/2〜4の割合にして反応原料液とすること
が適当である。
【0042】アンバーリスト15など強酸性イオン交換
樹脂を充填したエーテルアミド化反応器Dに蒸留塔Bの
塔底部より得られた高純度アセタール8とメタノール回
収塔Fの塔底部より得られた少量のメタノールを含むジ
メチルアセタール14及びアセトアミド10を供給して
MEA合成反応を行う。エーテルアミド化反応器Dの出
口からはMEA、未反応のジメチルアセタール、反応に
よって生成したメタノールと微量の未反応アセトアミド
からなる反応液11が得られる。
【0043】アセタール回収工程;エーテルアミド化反
応器Dの出口から得られた反応液11はアセタール回収
蒸留塔Eに導入され、単蒸留により軽沸分として塔頂部
より少量のメタノールを含むジメチルアセタール留分1
2と重沸分として塔底部より得られるMEA留分13に
分けられる。
【0044】メタノール回収工程;アセタール回収蒸留
塔Eの塔頂部より得られる少量のメタノールを含むジメ
チルアセタール留分12をメタノール回収塔Fに供給
し、塔頂部からはメタノール−ジメチルアセタール共沸
留分15を得、第二工程(高純度アセタールの分離)へ
送り、高純度ジメチルアセタールに精製する。メタノー
ル回収蒸留塔Fの塔底部より得られる、より少量のメタ
ノールを含むジメチルアセタール留分14はエーテルア
ミド化反応器Dへ送られ、エーテルアミド化反応の原料
として再使用される。
【0045】N−ビニルアセトアミド合成工程;アセタ
ール回収蒸留塔Eの塔底部より得られたMEA留分13
は、エーテルアミド分解反応器Gで熱分解或いは酸触媒
を用いた接触分解によりN−ビニルアセトアミドとメタ
ノールに分解され、エーテルアミド分解反応器Gの出口
よりN−ビニルアセトアミドのメタノール溶液16が得
られる。
【0046】N−ビニルアセトアミド精製工程;エーテ
ルアミド分解反応器Gの出口より得られたN−ビニルア
セトアミドのメタノール溶液16は、N−ビニルアセト
アミド蒸留塔Hで減圧蒸留によりメタノール3とN−ビ
ニルアセトアミド17に分離される。塔頂部より得られ
るメタノールは第一工程(アセタール化反応)の反応蒸
留塔Aで再使用される。
【0047】
【実施例】以下、本発明の方法について実施例を挙げて
更に具体的に説明するが、これらは説明の為の例示であ
り、従って、本発明は下記の例によって何ら限定される
ものではない。 実施例1 〔第一工程〕;25段のガラス製オルダーショウ型精留
塔に上から5段目に0.5重量%の硫酸を含むメタノー
ルを毎時180gで導入し、上から15段目にアセトア
ルデヒドを毎時72gで導入した。精留塔の下部には水
100gを入れた500mlフラスコを設けて100℃
に加熱し、フラスコ内容物を毎時29gで抜出した。フ
ラスコ抜出し液は実際上有機物が含まれていなかった。
塔頂からは還流比2で221g/hのジメチルアセター
ル−メタノール混合物を抜出した。留出液には実質的に
水、アセトアルデヒドが含れていなかった。アセトアル
デヒド転化率100%、ジメチルアセタール収率100
%であった。
【0048】〔第二工程〕;25段のガラス製オルダー
ショー型精留塔に上から1段目にノルマルヘキサンを毎
時56gで導入し、上から10段目に28重量%のメタ
ノールを含むジメチルアセタールを毎時71gで導入し
た。還流比6で塔頂の温度が50℃を維持するように加
熱を行った。精留塔の下部にはジメチルアセタールを1
00gを入れた500mlフラスコを設けて110℃の
油浴に浸して加熱し、フラスコ内容物を毎時47gで抜
出した。フラスコ抜き出し液は実質的にノルマルヘキサ
ンを含まず、メタノールを0.3%含むジメチルアセタ
ールであった。塔頂からは80g/hのジメチルアセタ
ール−メタノール−ノルマルヘキサン混合物を抜出し
た。留出液、缶出液共に実質的に水、アセトアルデヒド
が含まれていなかった。
【0049】〔第三工程〕;バッフル板30枚を25m
m間隔で取り付けたカラム内径50mmの上下動式液−
液向流抽出装置に、軽液として第二工程の留出液を抽出
塔の下部から毎時2370g、重液として水を抽出塔の
上部から毎時153g供給し、向流抽出を行った。バッ
フル板は12.5mmのストロークで150サイクル上
下往復運動を行った。抽出後の軽液には水、メタノール
がほとんど含まれず、ジメチルアセタールを3重量%含
んだノルマルヘキサンであった。重液はメタノール80
重量%、ジメチルアセタール5重量%、ノルマルヘキサ
ン1重量%でその他は水であった。
【0050】〔MEA合成工程〕;第二工程で得られた
高純度ジメチルアセタールとメタノール回収工程で得ら
れたメタノールを含むジメチルアセタールを混合し、こ
れに乾燥したアセトアミドを溶解してアセトアミド/ジ
メチルアセタール/メタノールのモル比1/20/3の
反応原料液を調整した。強酸性イオン交換樹脂アンバー
リスト15を60ml充填した内径40mmの反応管下
部からこの液を毎時5mlで導入した。反応管のジャケ
ットには55℃の温水を流し、反応温度を55℃に制御
した。反応器上部の出口から得られた反応液を定量分析
すると反応液のモル組成は凡そジメチルアセタール/メ
タノール/MEA:19/4/0.9であり、アセトア
ミド転化率98%、MEA収率90%であった。
【0051】〔アセタール回収工程〕;MEA合成工程
で得られら反応液を100mmHgに減圧した伝熱面積
0.04m2 のジャケット付き薄膜式連続フラッシュエ
バポレーターに毎時600gで供給した。ジャケットに
は90℃の熱媒を循環させた。実質的にMEAからなる
蒸発残分が毎時17gで得られた。メタノール7重量%
を含むジメチルアセタールからなる揮発成分を凝縮した
液は毎時583g得られた。
【0052】〔メタノール回収工程〕;25段のガラス
製オルダーショー型精留塔に上から10段目にアセター
ル回収工程で得られる7重量%のメタノールを含むジメ
チルアセタール留分を毎時200gで導入した。還流比
6で塔頂の温度が58℃を維持するように加熱を行っ
た。精留塔の下部に500mlフラスコを設けて110
℃の油浴に浸して加熱し、フラスコ内容物を毎時185
gで抜出した。フラスコ抜出液はメタノールを5.6重
量%含むジメチルアセタールであった。塔頂からは毎時
15gのジメチルアセタール−メタノール共沸混合物
(メタノール24重量%)を抜出した。
【0053】〔N−ビニルアセトアミド合成工程〕;ア
セタール回収工程で得られた実質的にMEAからなる液
を毎分20mlで450℃に加熱し、40mmHgに減
圧した内径25mm、全長2mのステンレス反応管に供
給した。反応管出口に設けられた冷却器で熱分解反応で
生成したN−ビニルアセトアミドとメタノールの混合物
を凝縮し、回収した。MEAの転化率は95%であっ
た。
【0054】〔N−ビニルアセトアミド精製工程〕;1
0段のガラス製オルダーショー型精留塔に上から10段
目にN−ビニルアセトアミド合成工程で得られた反応液
を毎時200gで導入した。減圧度は200mmHg、
還流比2で塔頂の温度が40℃を維持するように加熱を
行った。精留塔の下部に500mlフラスコを設けて8
0℃の油浴に浸して加熱し、フラスコ内容物を毎時15
5gで抜出した。フラスコ抜出液はN−ビニルアセトア
ミドを94重量%含むメタノール溶液であった。塔頂か
らは毎時45gのメタノールを抜出した。 更に理論段
数20段を有する5mmスルーザー型充填材を充填した
精留塔に上から10段目に先のフラスコ抜出液(N−ビ
ニルアセトアミドを94重量%含むメタノール溶液)を
毎時155gで導入した。減圧度は2mmHg、還流比
3で精留塔の下部に500mlフラスコを設けて105
℃の油浴に浸して加熱を行った。フラスコ内容物を毎時
140gで抜出した。フラスコ抜出液はN−ビニルアセ
トアミドであった。塔頂からは毎時15gの少量のアセ
トアミドを含むメタノールを抜出した。
【0055】実施例2 実施例1と同様に各工程を行い、N−ビニルアセトアル
デヒドを得た。但し、第二工程と第三工程で用いたノル
マルヘキサンの代わりにシクロヘキサンを用いた。
【0056】
【発明の効果】本発明は、a)先ず反応原料としてメタ
ノールの選択は、単に最も入手が容易で安価なアルコ−
ルであるという事の他に、むしろ反応後の生成物の分離
の効率に多大の寄与をし、b)反応自体は反応蒸留方式
の採用により、平衡反応による限界を破り、c)共沸溶
剤としてノルマルヘキサン又はシクロヘキサンの使用に
より、互いに沸点が極めて近似した未反応原料及び生成
系の分離を効率良く行い、d)水との向流接触により共
沸混合物中のノルマルヘキサン又はシクロヘキサンとメ
タノールとを効果的に分離し、e)分離,回収した成分
を共沸溶剤及び反応原料として夫々循環再使用すること
を含めて、反応原料、反応操作、分離回収工程など製造
プロセス全体について総合的にその最適な組合せを確立
し、その結果、N−ビニルアセトアミドの中間原料など
として有用なジメチルアセタールを工業的に簡単に且つ
良好な最後収得率で製造することが出来る方法を提供す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法について代表例として、触媒とし
て非揮発性の強酸である硫酸を、また、共沸溶剤として
ノルマルヘキサンを用いて高純度のジメチルセタールを
連続的に合成、生成物の分離を行い、更にこのジメチル
アセタールを親水性ポリマーの原料であるN−ビニルア
セトアミドの製造に用いる場合をフロ−ダイアグラムと
して示すものである。
【符号の説明】
A 反応蒸留塔 B 蒸留塔 C 抽出塔 D エーテルアミド化反応器 E アセタール回収塔 F メタノール回収塔 G エーテルアミド分解反応器 H N−ビニルアセトアミド蒸留塔
フロントページの続き (72)発明者 工藤 哲雄 大分県大分市大字中の洲2番地 昭和電 工株式会社 大分研究所内 (72)発明者 長谷川 裕之 大分県大分市大字中の洲2番地 昭和電 工株式会社 大分工場内 (56)参考文献 特開 昭58−32838(JP,A) 特開 平3−56134(JP,A) 特開 昭56−36425(JP,A) 特公 昭62−29419(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 43/00 - 43/32 C07C 41/00 - 41/60

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセトアルデヒドとメタノールからアセ
    トアルデヒドジメチルアセタールを製造するにあたり、
    (a)蒸留塔が直結した反応器にアセトアルデヒド及び
    メタノールを連続的に供給して、酸触媒の共存下にアセ
    タール化反応と共に精留操作を行い、塔の下部から副生
    した水を除去し、塔の上部から生成したアセトアルデヒ
    ドジメチルアセタールを含む成分を得る第一工程、
    (b)第一工程にて得られる反応生成物を共沸溶剤とし
    てノルマルヘキサン又はシクロヘキサンの共存下に蒸留
    して、反応液中のメタノールをノルマルヘキサン又はシ
    クロヘキサン及びジメチルアセタールの共沸混合物とし
    て蒸留塔上部より留去し、塔底よりアセトアルデヒドジ
    メチルアセタールを得る第二工程、(c)第二工程の蒸
    留塔上部よりの留出物を水と接触せしめてその中のメタ
    ノ−ルを抽出し、ノルマルヘキサン又はシクロヘキサン
    の回収を行う第三工程、(d)第三工程で分離したノル
    マルヘキサン又はシクロヘキサンを再び共沸溶剤として
    第二工程で、メタノールに富む水層を第一工程で夫々用
    いることからなるアセトアルデヒドジメチルアセタール
    の製造方法。
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