JP2754216B2 - アセトアルデヒドジメチルアセタールの製造法 - Google Patents

アセトアルデヒドジメチルアセタールの製造法

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JP2754216B2 JP63190344A JP19034488A JP2754216B2 JP 2754216 B2 JP2754216 B2 JP 2754216B2 JP 63190344 A JP63190344 A JP 63190344A JP 19034488 A JP19034488 A JP 19034488A JP 2754216 B2 JP2754216 B2 JP 2754216B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、アセトアルデヒドジメチルアセタールの製
造方法に係る。
さらに詳しくは、高選択率が得られるアセトアルデヒ
ドジメチルアセタールの製造方法に係る。
アセトアルデヒドジメチルアセタールは、メチルビニ
ルエーテルの原料として使用され、メチルビニルエーテ
ルは、合成樹脂および接着剤として使用される他、グル
タルアルデヒド等の有機合成原料として利用される工業
的に極めて有用な化合物である。
[従来技術] アセトアルデヒドとメタノールからアセトアルデヒド
ジメチルアセタールを製造する方法は、従来より酸触媒
の存在下、アセトアルデヒドとメタノールを反応せしめ
る方法が知られている。
たとえば、転化率を上げるために塩化カルシウムなど
の脱水剤を使用している例や不活性溶剤を使用して生成
した水を分離している例(フランス特許第868,182号、
アメリカ特許第2,566,559号)などがある。
しかしながら,塩化カルシウムなどの脱水剤を使用す
る方法では、大量の塩化カルシウムを必要とするため、
公害問題は不可避であり、排水処理のための余分のコス
トを要する。
また多量の塩化カルシウムを取扱うことの煩雑性など
の欠点を有する。
またトルエン等の不活性溶剤を使用する方法は溶剤と
の分離工程がさらに増加するため有益な方法とは言えな
い。
そこで、本出願人は先に「アセトアルデヒドジメチル
アセタールを合成する工程」と「反応粗液中から出発原
料であるアセトアルデヒドおよびメタノールと生成物で
あるメチルビニルエーテルを分離する複数の工程」を組
み合わせた技術(特公昭62−16937号=発明の名称:メ
チルビニルエーテルの連続的製造法)を開示した。
なお、特公昭62−16937号に開示した技術は一連の工
程の中の最初の工程において、わざわざ原料の転化率を
高めないようにするため平衡反応における平衡状態を利
用したものである。
第一図に、アセトアルデヒドとメタノールからアセト
アルデヒドジメチルアセタールを製造する場合の工程の
概略ブロック図を示す。
導管1−1よりアセトアルデヒドを、導管2−2より
メタノールをそれぞれ酸触媒の存在する反応器3−3に
導入し、酸触媒の存在下でアセタール反応を行なわせ
る。
その反応は次式で表わされる。
CH3CHO + 2CH3OH (アセトアルデヒド)(メタノール) →←CH3CH(OCH3+H2O (アセトアルデヒドジメチルアセタール) 本反応は、平衡反応であり、添加率は平衡組成以上に
ならない。
反応器3−3で反応により生成したアセトアルデヒド
ジメチルアセタールおよび水、未反応のアセトアルデヒ
ド、未反応のメタノール等を含んだ反応粗液は精製塔4
−4に送られ、塔底において水が除去される。
精製塔4−4の塔頂からの留出液は精製塔5−5に送
られ,アセトアルデヒド等が留出分離される。
精製塔5−5の塔底からの缶出液を精製塔6−6に送
りアセトアルデヒドジメチルアセタールとメタノールの
共沸混合物として、留出分離し、さらに、高沸点不純物
を缶出除去するために未反応メタノールを留出分離す
る。
[発明が解決しようとする課題] 以上の製造プロセスで問題となるのは、精製塔4−4
での留出液中の水分含有量が多いと、精製塔4−4およ
び5−5で高沸点不純物が生成し、選択率が低下する。
さらに、精製塔6−6で未反応メタノールを留出分離
する際に、余分のエネルギーが必要となることである。
以上のような状況に鑑み、本発明者は、鋭意検討した
結果、以下のような発明を完成させた。
[発明の構成] すなわち、本発明は、 「触媒の存在下、アセトアルデヒドとメタノールからア
セトアルデヒドジメチルアセタールを製造する方法であ
って、平衡組成まで反応せしめて得られるアセトアルデ
ヒドジメチルアセタール、水、未反応のアセトアルデヒ
ド、未反応のメタノールなどを含んだ反応粗液を以下の
順序、即ち、 《第一工程》 反応粗液を連続的に蒸留塔に供給し、蒸留により、塔
底から、反応で生成した水を連続的に除去し、残りの反
応液を、連続的に塔頂から留出させ、 《第二工程》 第一工程で留出した反応液を蒸留塔に供給し、塔頂か
ら、未反応のアセトアルデヒドを留出除去し、残りの反
応液を塔底から缶出し、留出した未反応アセトアルデヒ
ドは、回収し、反応器へリサイクルし、 《第三工程》 第二工程で缶出した反応液を、必要に応じて連続また
はバッチ蒸留にて、アセトアルデヒドジメチルアセター
ルとメタノールを共沸混合物として塔頂より留出分離
し、塔底より、未反応メタノールなどを缶出し、該未反
応メタノールは、回収し、反応器へリサイクルする ことにより分離する一連の工程において、 第一工程で塔頂から連続的に留出する反応液中の水含
有量を1重量%以内にすることにより高沸点不純物の生
成を抑制することを特徴とするアセトアルデヒドジメチ
ルアセタールの連続的製造法」 である。
以下に第一図を用いて、本発明を詳細に説明する。導
管1−1よりアセトアルデヒドが、導管2−2よりメタ
ノールが同時に酸触媒の存在する反応器3−3に導入さ
れ、アセタール反応に供される。酸触媒としては特に制
限されるものでなく、たとえば塩酸、りん酸、硫酸、ト
ルエンスルホン酸および陽イオン交換樹脂等を公知の方
法で使用することができる。
この際,前者の酸濃度は0.1〜0.5重量%程度、後者の
イオン交換樹脂濃度は1〜5重量%程度が適当である。
原料の導入量をアセトアルデヒド/メタノールの仕込
比率(モル比)で表わすと,以下の通りである。
反応式上,すなわち,理論的には1/2であるが、平衡
反応を考慮すると任意の比率で仕込むことは差支えな
い。
しかし、適当な空時収率を得、且つ,全工程を考慮し
た回収原料の循環量を少なくするためには一般に1/1〜1
/3の範囲が好ましい。
さらに好ましくは,0.6〜0.4のモル比が適当である。
しかし、モル比が1/3未満であると、アセトアルデヒ
ドの縮合反応が生じるため収率が低下し、逆にモル比が
1以上であると、精製系での負荷が大きくなるため、エ
ネルギー的損失か大きくなる。
反応温度は任意で良く、好ましくは0〜60℃,さらに
好ましくは,20〜45℃である。
反応温度が0℃より低いと、転化率が低下し、60℃を
超えると、アセトアルデヒドの縮合反応が起こり、収率
が低下すると共に、反応液の蒸発が起こるため、凝縮器
を取りつける必要があり,設備費の増加等経済的に不利
である。
反応器3−3で反応により生成したアセトアルデヒド
ジメチルアセタールおよび水、未反応のアセトアルデヒ
ドおよび未反応のメタノール等を含んだ反応粗液は以下
の《第一工程》から《第三工程》で順次精製する。
《第一工程》 反応粗液を精製塔4−4で塔底より水等を缶出除去
し、水濃度が1重量%以下の留出液は 《第二工程》 次の精製塔5−5で、塔頂よりアセトアルデヒド等を
留出分離し、缶出液は 《第三工程》 精製塔6−6で、アセトアルデヒドジメチルアセター
ルとメタノールの共沸混合物として、留出分離し、メタ
ノール等は缶出液として分離し、高選択率にて、アセト
アルデヒドジメチルアセタールをメタノールの共沸混合
物として製造する。
ここで、精製塔4−4の留出液中の水濃度を1重量%
以下にするのは以下の理由による。
留出液の水濃度が1重量%以上となれば、精製塔4−
4、5−5、6−6にて、高沸点不純物が生成し、選択
率が低下する。
さらに,精製塔6−6にて、メタノールを缶出液とし
て分離する際に、高沸点不純物の影響によりメタノール
の純度が低下する。
メタノールの純度を上げるためには精製塔にてメタノ
ールを精製する必要があり、反応収率的、経済的に非常
に不利である。
以下に留出液中の水濃度を1重量%以下にコントロー
ルする具体的手段を述べる。
第一工程の精製塔の操作条件として、反応粗液濃度が
ほぼ一定のため、缶温を100〜104℃還流比を約1にする
ことで、留出液中の水濃度を1重量%以下にすることが
できる。
以上のように、反応で生成した水を脱水塔にてほぼ完
全に除去することにより、高選択率でアセトアルデヒド
ジメチルアセタールを製造し、かつ、エネルギー的にも
ロスを省くことができる。
以下に本発明の効果を説明するために実施例および比
較例を挙げる。
《実施例1》 酸触媒として濃硫酸がアセトアルデヒドに対して0.2
%になる割合で存在する反応器にアセトアルデヒドを6
7.2kg/H、メタノールを103.6kg/Hで連続的に仕込み、反
応温度35℃で反応させたところ、表−1におけるAの組
成の反応粗液を得た。
この反応粗液を精製塔にて塔底より脱水したところ表
−1におけるBの組成の留出液を得た。
さらに、この留出液を精留塔にて塔頂よりアセトアル
デヒドを留出分離し、塔底より表−1におけるCの組成
の缶出液を得た。
この缶出液を精留塔にてメタノールを缶出分離し、塔
頂よりジメチルアセタールとメタノールを共沸混合物の
製品として留出することにより留出液、缶出液それぞれ
表−1におけるDおよびEの組成の液を得た。
《比較例1》 アセトアルデヒドの仕込速度を66.9kg/時間,メタノ
ールの仕込速度を103.0kg/時間に変更した以外は実施例
と同様に行ない、表−2に示すような結果を得た。
各液の組成は以下の通りである。
表−1、3および4におけるA=表−2および5にお
けるF 表−1、3および4におけるB=表−2および5にお
けるG 表−1、3および4におけるC=表−2および5にお
けるH 表−1、3および4におけるD=表−2および5にお
けるI 表−1、3および4におけるE=表−2および5にお
けるJ 《実施例2および3》 反応粗液、各ステップの溜出液および缶出液の組成を
表−3および4中に記載された数値になるように条件を
設定して反応および精製を行なった。
《比較例2》 反応粗液、各ステップの溜出液および缶出液の組成を
表−5中に記載された数値になるように条件を設定して
反応および精製を行なった。
表−3〜5における物質名の略号は以下の通りであ
る。
AD:アセトアルデヒド DMACT:アセトアルデヒドジメチルアセタール MEOH:メタノール H2O:水 表−1および表−2における物質名の略号は以下の通
りである。
AD:アセトアルデヒド DMACT:アセトアルデヒドジメチルアセタール MEOH:メタノール H2O:水
【図面の簡単な説明】
第一図は、本発明の方法を適用する反応装置、精製塔等
のフローシートであり、3−3が反応装置,4−4が脱水
塔である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒の存在下、アセトアルデヒドとメタノ
    ールからアセトアルデヒドジメチルアセタールを製造す
    る方法であって、平衡組成まで反応せしめて得られるア
    セトアルデヒドジメチルアセタール、水、未反応のアセ
    トアルデヒド、未反応のメタノールなどを含んだ反応粗
    液を以下の順序、即ち、 《第一工程》 反応粗液を連続的に蒸留塔に供給し、蒸留により、塔底
    から、反応で生成した水を連続的に除去し、残りの反応
    液を、連続的に塔頂から留出させ、 《第二工程》 第一工程で留出した反応液を蒸留塔に供給し、塔頂か
    ら、未反応のアセトアルデヒドを留出除去し、残りの反
    応液を塔底から缶出し、留出した未反応アセトアルデヒ
    ドは、回収し、反応器へリサイクルし、 《第三工程》 第二工程で缶出した反応液を、必要に応じて連続または
    バッチ蒸留にて、アセトアルデヒドジメチルアセタール
    とメタノールを共沸混合物として塔頂より留出分離し、
    塔底より、未反応メタノールなどを缶出し、該未反応メ
    タノールは、回収し、反応器へリサイクルする ことにより分離する一連の工程において、 第一工程で塔頂から連続的に留出する反応液中の水含有
    量を1重量%以内にすることにより高沸点不純物の生成
    を抑制することを特徴とするアセトアルデヒドジメチル
    アセタールの連続的製造法。
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