JP5206185B2 - 高純度クロロポリシランの製造方法 - Google Patents

高純度クロロポリシランの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5206185B2
JP5206185B2 JP2008182977A JP2008182977A JP5206185B2 JP 5206185 B2 JP5206185 B2 JP 5206185B2 JP 2008182977 A JP2008182977 A JP 2008182977A JP 2008182977 A JP2008182977 A JP 2008182977A JP 5206185 B2 JP5206185 B2 JP 5206185B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chloropolysilane
filter
fine particles
solid fine
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008182977A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010018508A (ja
Inventor
亙 矢後
幸二 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP2008182977A priority Critical patent/JP5206185B2/ja
Publication of JP2010018508A publication Critical patent/JP2010018508A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5206185B2 publication Critical patent/JP5206185B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Silicon Compounds (AREA)

Description

本発明は<式1> SinCl2n+2 (但しnは2以上の整数である) で表わされる高純度クロロポリシランの製造方法に関する。
近年のエレクトロニクス技術の発達により、アモルファスシリコン等の半導体用シリコンの需要が増加してきた。そのような中で、シリコンソースとしてのSi26(ジシラン)は、化学気相蒸着(CVD)法によるシリコン膜の成長速度がSiH4(モノシラン)と比較して非常に大きく、得られた膜の電気特性も優れていることが確認されている。六塩化二珪素(Si2Cl6)を代表例とするクロロポリシランはこのジシランの原料として有用であり、その製造方法について多くの研究がなされてきた。
半導体製造原料としてのジシランには、半導体の物性に影響を与える金属不純分を極端に減らすことが求められるが、その方法はジシラン自体を蒸留精製することが一般的であり、原料としてのクロロポリシランにはそれほどの高純度は求められてはいなかった。ところが、最近になってクロロポリシラン自体をCVD原料として使用する半導体の製造方法が実施されるようになり、クロロポリシランの金属不純分を減らす製造方法への要求がにわかに高まっている。
特許文献1には、反応生成物が四塩化珪素を主成分として、六塩化二珪素、八塩化三珪素などの混合物であるものを、蒸留によって各成分に分離する方法が開示されているが、アルミニウムやチタンといった金属不純分の精製については記載がない。蒸気圧を有する化学物質を蒸留によって精製することは、化学工学の基本的な手段であるが、例えば四塩化チタンの沸点は136.4°であって、代表的なクロロポリシランである六塩化二珪素の沸点144℃と非常に近い値であり、蒸留によって分離することは効率的ではない。また、塩化アルミは六塩化二珪素の沸点である144℃においては、高い蒸気圧を持つことが特許文献2の[図1]に示されているから、やはり蒸留によって六塩化二珪素から分離することは困難であり、半導体用途で求められるような、金属不純分の少ない高純度なクロロポリシランを蒸留によって精製することははなはだ難しかった。
一方、特許文献3には、クロロポリシランの製造において、塩化カルシウムや塩化マグネシウム、塩化鉄等の副生塩粒子が液中に含まれる可能性が示唆されているが、該塩粒子が配管の閉塞原因となる可能性に対してクロロポリシランを含む生成液で該塩粒子を洗い流す方法が開示されているのみであり、該塩粒子を分離する方法や、塩粒子が金属不純分濃度を減少させることの可能性については開示も示唆もなかった。
特開昭59−184720号公報 特開2007−42847号公報 特開昭59−182222号公報
半導体用途で用いるためにクロロポリシラン中の金属不純分を除去して高純度化することが求められているが、蒸留では塩化アルミや塩化チタン等のクロロポリシランと蒸気圧の近い金属不純分を除くことは困難であった。本発明はクロロポリシラン中のアルミニウムやチタンに代表される金属不純分を工業的に簡便、安全に除去して高純度のポリクロロシランを製造することを課題とするものである。
本発明者等は、鋭意検討の結果、金属不純分を含むクロロポリシランを非イオン性の固体微粒子と接触させた後に分離することによって、安全簡便に高純度なクロロポリシランを製造することができることを見出し、さらに非イオン性の固体微粒子の分離はフィルターによってろ別することで実施でき、使用後のフィルターをアルカリ性液体で処理することにより再生使用することができることを見出して本発明を完成した。
本発明の製造方法によれば、金属不純分の少ない高純度のクロロポリシランを安価、安全に製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で製造できるクロロポリシランは、<式1>SinCl2n+2(但しnは2以上の整数)で表されるものである。クロロポリシランの具体例としてはSi2Cl6、Si3Cl8、Si4Cl10、Si5Cl12、Si6Cl14の中から一つ以上を選択するものであり、これらの成分の中で1つ以上のCl基をH、Br、IなどのCl以外の1価の基と置換したものも含まれる。これらの内で好ましいのは、クロロポリシランの主成分がSi2Cl6、Si3Cl8、Si4Cl10のいずれかであるものであり、より好ましくは主成分がSi2Cl6であるものである。
クロロポリシランを含む液には四塩化珪素又は四塩化珪素の1つ以上のCl基をH、Br、IなどのCl以外の1価の基と置換してもよい塩化珪素が共存していても良く、液組成中の四塩化珪素が主成分であっても差し支えない。四塩化珪素の沸点は59℃であり、クロロポリシランは例えばSi2Cl6の沸点が144℃であって四塩化珪素とはかけ離れているので、四塩化珪素を多く含む混合物に本発明の方法を適用して金属不純分を減少させた後で、蒸留によってクロロポリシランを分離することは容易である。
本発明においては、クロロポリシランを含む液体と非イオン性固体微粒子とを接触させる方法について、まず該非イオン性固体微粒子の材質と粒度とに特徴がある。非イオン性固体微粒子の材質は、水中で電離するイオン性の塩ではないことを必須として、クロロポリシランと化学反応したり溶解したりしないものが好ましく、好ましい材質の具体例としては単結晶シリコン、多結晶シリコン、非晶質シリコン、金属珪素等の固体珪素、金属チタン、ダイヤモンド、グラファイト、結晶質シリカ、非晶質シリカ等を挙げることができ、好ましいのは化学的に安定な固体珪素、より好ましいのは微粒子が得易く化学的に安定である多結晶シリコンである。また、いずれの固体微粒子についても化学的純度は高いほうが良く、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上である。また、水分は少ないほうが好ましい。
好ましい固体微粒子の一例としては、例えば高温の熱化学気相反応(CVD)プロセスで生成させた多結晶シリコンや非晶質シリコンの微粒子を、直接クロロポリシランを含む液体に導入することによって、途中で外気や水分に触れさせることなくクロロポリシランを含む液体と性固体微粒子とを接触させることができる。
なお、非イオン性と呼べるのは主骨格にイオン結合を含まず、共有結合または金属結合からなる物質である。この意味で活性炭は非イオン性固体微粒子となりうるが、例えばJIS−K1474に活性炭抽出水のpHの測定方法が記載されていることからも明らかなように、水中で電離する成分を多く含んでいるのが普通であるから、本発明では活性炭は非イオン性固体微粒子として好ましいものではない。
非イオン性固体微粒子(以下、固体微粒子と呼ぶ)の粒径は、体積基準の平均粒径で代表させる方法が一般的であり、レーザー拡散式粒度分布計や沈降式粒度分布計、コールターカウンター等の測定方法があっていずれも好ましく用いることができるが、測定方法によって平均粒径には若干の差が生じることは良く知られており、本発明において好ましくは電子顕微鏡写真による一次粒子の測長を基に体積基準の平均粒径を算出した数字を平均粒径として用いる。また、他の公知の測定方法を利用し、測定結果の代表値を電子顕微鏡による測定値で規格化する事によって代用することもできる。
固体微粒子の粒子形状は真球状、楕円状、繭型、破砕状など様々な形状がありうるが、いずれも好ましく用いることができる。粒子形状が真球状以外の場合の粒径は、例えば粒子の測長の際に画面上で縦と横の2方向で測長してその平均値を真球の直径とみなして計算すれば、本発明を好ましく実施することができる。
本発明で用いる固体微粒子の粒径は、小さい方が粒子の比表面積が大きくなるので不純分を除去する力が高まり、一方で粒径が大きい方がクロロポリシランを含む液体から固体微粒子を分離する時に分離し易いので好ましい。本発明で用いる固体微粒子の1次粒径は体積基準平均粒径で10nm〜10μmであり、好ましくは30nm〜5μmであり、より好ましくは50nm〜1μmである。
本発明で用いる固体微粒子の量は、クロロポリシランを含む液体の量に対して多い方が不純分を除去する力が高まるが、該液体から固体微粒子を分離する場合には少ない方が経済的である。本発明で用いる固体微粒子の量は、クロロポリシランを含む液体と固体微粒子の合計質量に対して、0.1質量ppm以上5質量%以下が好ましく、より好ましくは0.1質量ppm以上1質量%以下、さらに好ましくは0.1質量ppm以上0.1質量%以下である。
なお、これらの固体微粒子は異なる平均粒径をもつ粒子を混合して用いてもよく、粒子間隙での液体の流通を良くするための「骨材」と呼ばれる巨大粒径の粒子を併用してもよい。骨材として好ましいものの材質は上記の固体微粒子と重複するが、活性炭を用いることもできる。骨材の平均粒径は10μmより大きいものであり、好ましくは10μmより大きく1000μm以下、さらに好ましくは50μm以上500μ以下である。骨材を加えると、該液体と固体微粒子の接触および分離のいずれもが良好になるため好ましい。
この程度の巨大な粒子はその質量に対する比表面積が小さく、金属不純分の除去作用は本発明の非イオン性固体微粒子に比べて無視できる程度であるから固体微粒子とは作用が異なる。従って非イオン性固体微粒子と同じ材質のものを骨材に使用する場合でも固体微粒子の平均粒径や質量の算出の基準に骨材の粒径や質量は含めない。
本発明においては、クロロポリシランを含む液体と固体微粒子を接触させる第一工程が必須であるが、接触の方法について特に限定はなく、例えば、該液体中に固体微粒子を投入して攪拌したり、固体微粒子を予め高濃度に分散した液体を添加したり、液体中で固体微粒子を析出させたりといった液体中に固体微粒子を分散させる方法や、フィルター状の担体に固体微粒子を載せておいて該液体を通過させる方法、器壁に固体微粒子を固定しておいて該液体を接触させる方法などを用いることができる。このうち好ましい方法は該液体と固体微粒子との接触時間を長くし易い点で、液体中に固体微粒子を分散させる方法である。
クロロポリシランを含む液体と固体微粒子とを接触させた後の分離方法としては、ろ過、遠心分離、蒸留などがある。蒸留では塩化アルミニウムや塩化チタンが気化して製品に混入する可能性が高いので、本発明の効果が十分に奏されない場合があるから、好ましいのはろ過、遠心分離等の機械的分離方法であり、より好ましいのは簡便に実施できるろ過である。
ろ過方法としては、デプスプロファイルフィルター、メンブランフィルター、サーフェスフィルター等のタイプがあり、サーフェスフィルターとしては、焼結金属フィルター、金網フィルター、非焼結金網フィルターなどのフィルターを用いることができる。フィルター材質としてはテフロン(登録商標)で代表されるフッ素系の樹脂製のものや、比較的安価なポリエステル樹脂製、ポリエチレン樹脂製、金属製などがあるが、樹脂製の中には塩化珪素によって膨潤してしまうものがあり、また、微粒子からなるケーキが厚く付着したフィルターは大きな圧損を生じるので、これらの中でも特に好ましいのは耐圧性が高い金属製フィルターである。金属製フィルターにはろ材が不織布状の焼結金属フィルターと金網状の金網フィルターがあっていずれも好ましく用いられるが、より好ましいのは化学的な耐久性の高い非焼結金網型である。
非焼結金網の金属材質には白金、ニッケル、ハステロイ、C−22、インコネル、SUSなどがあるが、好ましいのは安価な上に強度が高くてポリクロロシランに対して化学的に安定であるSUS材であり、より好ましくはSUS316またはSUS316L製である。フィルターのろ過精度としては、対象粒径が小さいものの方がより小さな粒子を捕捉できる一方、大きいほうが目詰まりの恐れが少ない。好ましいのは、JIS−B8356に従う公称ろ過精度表示で2μm以上150μm以下、より好ましくは2μm以上50μm以下である。
フィルターにはかき取り装置や逆洗装置など工業的に用いられるメンテナンス手段を追加して用いることができる。また、固体微粒子が化学的に溶解できるものの場合は、目詰まりしたフィルターを化学的に洗浄することによって目詰まりを取り除いて再生することもでき、好ましい。固体微粒子が多結晶シリコン等の固体珪素の場合やシリカゲル等のアルカリ可溶の珪素化合物の場合、アルカリ性液体によって固体微粒子を溶解することができるので、フィルターに無理な機械力を加えることなく洗浄再生をすることができ好ましい。アルカリ性液体には水酸化ナトリウム等の塩基性無機塩の水溶液や水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAHと略す)等の塩基性有機物質の溶液を用いることができる。塩基性無機塩水溶液は安価であり、またTMAHは金属を含まないことから再生したフィルターに金属汚染が生じない点が優れている。
アルカリ性液体に塩基性無機塩を用いるとき、好ましい塩基性無機塩はアルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物であり、より好ましいのは水酸化カリウムである。溶液中の塩濃度は高いほうが固体微粒子の溶解能力が高くなるが、あまり高いとアルカリ金属による金属汚染を起こす可能性があり、好ましいのは0.1〜10%、より好ましくは0.5〜5%である。アルカリ金属汚染の心配がない点で、塩基性物質としてTMAHを用いるほうがより好ましい。TMAHを用いる場合は水またはメタノール等のアルコールで溶解してアルカリ性液体として用いることができ、好ましい濃度は0.3〜15%であり、より好ましくは1〜8%である。
アルカリ性液体によってフィルターの再生処理を行なう場合、フィルターはハウジングにセットしたままアルカリ性液体に接触させる方法や、フィルターを取り外してアルカリ性液体に接触させる方法がある。工業的に好ましいのは、フィルターはセットしたまま流路の切り替え等によってアルカリ性液体に接触させる方法である。フィルターの再生処理の後処理としてフィルターやハウジング内の洗浄や乾燥も適宜行うことができる。このとき、フィルターハウジングにスチームジャケット等の加熱装置を付属させたり、ヒーターを内蔵させたり、あるいはフィルター内部にヒーターを仕込んだりして、フィルターの温度を上げてやることは再生や乾燥の工程を迅速化するのに効果的である。
フィルターをハウジングにセットしたままフィルターの再生処理を行なう場合は、フィルターに付着したクロロポリシランを含む液を減少させてから洗浄工程に入るほうが好ましい。フィルターに付着した液を減少させる方法としては、他の液で置換したり、強い気流で吹き飛ばしたりといった方法が使用できるが、好ましいのは乾燥させる方法であり、減圧下あるいは乾燥気体気流下で、さらに好ましくは加温しながら乾燥させることができる。すなわち、好ましいフィルターの再生方法の一例としては、フィルターに付着した液を加温しながら乾燥した後、アルカリ性液体と接触させる方法である。
本発明の方法によって、金属不純分を減少したクロロポリシランを含む液体は、蒸留することにより、さらに高純度に精製することができる。この場合の蒸留の方法としては、充填塔式、棚段式、薄膜蒸発式など従来知られている蒸留方法ならいずれでも用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、部は質量部を示し、ppmは質量ppmを示す。%については面積%として示したもの以外は質量%である。
<クロロポリシランのガスクロマトグラフ分析方法>
分析装置 :ガスクロマトグラフ(型式「5890」)、ヒューレットパッカード社製
検出器 :TCD
検出器温度:300℃
カラム :「TC−5」(長さ25m、内径0.53mm)、GLサイエンス社製
キャリアーガス:ヘリウム
試料注入口温度:270℃
カラム昇温条件:50℃〜300℃(昇温速度:毎分10℃)
チャートに現れた成分ピークの面積の全ピーク面積に対する比を、各成分の質量組成比の推定値として用いた。全ピーク面積の合計に対する成分ピーク面積の百分率を面積%と呼ぶ。
<クロロポリシランの金属分析方法>
クロロポリシランに含まれる金属不純分の量は、クロロポリシランをフレームレス型原子吸光分析装置に直接注入して測定サンプル中の金属成分の濃度を測定した。
<フィルターケーキの分析方法>
ろ過後にフィルター上に残ったろ過残渣(ケーキ)は、フィルターがメンブランフィルターの場合はかき取りによって、フィルターが焼結フィルターや非焼結金網フィルターなどの凹凸のあるもので、ケーキのかきとりが難しい場合は逆方向から窒素ガスを吹きつけたりしてケーキを取り外して分析した。ケーキは粉状であるので、粘着テープの粘着面に粉を載せて試料台上にセットし、蛍光X線分析法によって元素分析を行った。
蛍光X線分析は株式会社リガク製のZSX−100e型蛍光X線分析装置を用い、ファンダメンタルパラメータ法による解析を行なって原子番号が9番(フッ素)以上の元素についての定量計算を行なった。
<実施例1>
図1の概略図で示される処理装置(材質:SUS316)でクロロポリシランを含む液(以下、原料クロロポリシランと呼ぶ)の処理を行なった。図1の2で示す処理前クロロポリシラン加圧槽に、表1に示す組成の原料ポリクロロシラン100kgと、四塩化珪素を原料とする熱CVD装置で発生した多結晶シリコン微粒子のうち、電子顕微鏡で計測した体積基準の平均粒径が0.08μmである多結晶シリコン微粒子10gを入れ、液温20℃で図1の1で示す窒素を毎分1リットルの速度でバブリングさせることによって30分間攪拌した。その後、1の窒素によって加圧槽内を0.5MPaに加圧し、4の非焼結金網フィルター(SUS−316L製、公称ろ過精度2μm,製品名CUNOマイクロスクリーンESM 20インチカートリッジ型)を経て5の受器に毎分3kgの速度でろ液がたまるように流量調節バルブ6を調節しながら全量をろ過した。
Figure 0005206185
表1のガスクロ成分で「その他」とは、主にガスクロ分析でSi3Cl8よりもリテンションタイムが長く、時間的に後で検出された成分ピークの合計であり、この分析条件ではより分子量の大きな成分と考えてよい。
ろ過終了後、フィルターハウジングのジャケットをスチーム加熱で80℃に加温し、1m3/分の窒素ガスを24時間焼結フィルターに流通させてフィルターを乾燥し、バルブ6とフィルターハウジング3の間を開放して目開き0.2μのメンブランフィルターをあてがい、受器5側から1MPaの高圧窒素を流通させて4のフィルターのケーキを逆洗してケーキをメンブランフィルターに捕集した。メンブランフィルターには6.2gの茶色い微粉末が捕集されたので、その粉を蛍光X線分析法で分析した。分析結果を表2に示す。
Figure 0005206185
受器5にはほぼ100kg全量のろ過後クロロポリシランが貯まったので、一部を取り出してガスクロマトグラフ分析と金属分析を行った。その結果を表1と表3に示す。また、受器に貯まったろ過後のクロロポリシラン100kgを、内径100mm高さ2mのSUS316L製充填塔にSUS−316L製20mmヘリパックを充填した蒸留装置で蒸留し、主留分として10kgを採取した。この主留分を分析した結果を表1と表3の蒸留後として示した。
Figure 0005206185
<実施例2>
実施例1と同じ方法で多結晶シリコン微粒子を加えた原料クロロポリシラン500kgを、実施例1と同じろ過装置でろ過したところ、400kgをろ過した時点で流量調節バルブ6を全開にしても、毎分3kgの流出量が得られなくなったので、いったんろ過を中止した。フィルターハウジングのジャケットをスチーム加熱で80℃に加温し、乾燥された窒素を24時間流してろ過装置内を乾燥させた後、5%TMAH水溶液を2時間フィルターに流通させた。次に、イオン交換水を流通させ、フィルターハウジングのジャケットをスチーム加熱で80℃に加温して、乾燥窒素気流で十分に乾燥し、フィルターを再生した。ここで、フィルターハウジングの温度を25℃に戻し実施例1と同じようにバルブ6とフィルターハウジング3の間を開放して目開き0.2μのメンブランフィルターをあてがい、受器5側から1MPaの高圧窒素を流通させて4のフィルターのケーキを逆洗してメンブランフィルターに捕集したが、メンブランフィルターには何も付着しなかった。
そして、未ろ過で100kg残っていた原料クロロポリシランをろ過した。ろ過の際の流量調節バルブ6の開度は実施例1のろ過と全く同じであり、フィルター目詰まりは完全に解消されたことが確認された。この100kgのろ過後の液を実施例1と同じ方法で蒸留して10kgのクロロポリシランを得た。その分析結果を表4,5に示す。
Figure 0005206185
表4のガスクロ成分で「その他」とは、主にガスクロ分析でSi3Cl8よりもリテンションタイムが長く、時間的に後で検出された成分ピークの合計であり、この分析条件ではより分子量の大きな成分と考えてよい。
Figure 0005206185
<比較例1>
比較例1では実施例1と同じ、金属不純分を含む原料クロロポリシランに、非イオン性固体微粒子を接触させることなく、ろ過と蒸留のみを行って高純度化を試みた。
実施例1と同じ装置を用いて、非イオン性固体微粒子を接触させない原料クロロポリシランをろ過した。ろ過終了後、フィルターハウジングのジャケットをスチーム加熱で80℃に加温し、1m3/分の窒素ガスを24時間焼結フィルターに流通させてフィルターを乾燥した。その後、バルブ6とフィルターハウジング3の間を開放して目開き0.2μのメンブランフィルターをあてがい、受器5側から1MPaの高圧窒素を流通させて4のフィルターのケーキを逆洗してケーキをメンブランフィルターに捕集した。メンブランフィルターには何も付着していなかった。また、表6、表7に示すろ過後の液の分析値はろ過前の原料クロロポリシランとほとんど差がなく、本発明の固体微粒子を用いない単なるろ過だけでは金属不純分を減らす効果は現れないことがわかった。
Figure 0005206185
Figure 0005206185
次に、ろ過後のクロロポリシラン液を実施例1と同じ条件で蒸留し、主留分10kgを得た。この主留分を分析した結果を表6と表7の蒸留後として示した。蒸留後のガスクロ純度は実施例1と同じだったが、金属不純分は実施例に比べて多く、本発明の固体微粒子を用いないでろ過と蒸留を組み合わせても金属不純分は十分に減らず、高純度のクロロポリシランは得られないことがわかった。なお、表7の蒸留後の結果は、従来の蒸留による精製でもある程度金属不純分が減ることを示すものでもあるので、比較例1の蒸留で主留分として得られた10kgのクロロポリシランを再度蒸留して1kgの再蒸留クロロポリシランを得て金属分析を行った。
金属分析の結果は、Alの分析値が1.6ppm、Tiが3.7ppmと、AlとTiに関しては再蒸留の前に比べてほとんど減っていなかった。原料クロロポリシランに含まれていた金属不純分には、揮発性の低い酸化物等も多く含まれていたため、ろ過後最初の蒸留では金属分がある程度減少したが、揮発性のある金属塩化物は、蒸留を重ねても十分に減らすことができなかったものと思われる。すなわち、従来の精製方法を組み合わせても、本発明に拠るような高純度のクロロポリシランを製造することは難しいことがわかった。
本発明は、半導体製造用の原料として用いられるクロロポリシランに含まれる金属不純分を取り除き、安価で簡便に高純度のクロロポリシランを製造できる方法である。
本発明のフィルターろ過装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
1:窒素ガス
2:処理前クロロポリシラン加圧槽
3:フィルターハウジング
4:フィルターカートリッジ
5:ろ過後クロロポリシラン受器
6:流量調節バルブ

Claims (4)

  1. <式1> SinCl2n+2 (但しnは2以上の整数である) で表わされるクロロポリシランを含む液体中の金属不純分を、該液体と、電子顕微鏡観察による平均1次粒径が10nm以上10μm以下の固体珪素を含む、非イオン性固体微粒子とを接触させる第一工程と、該固体微粒子を分離する第二工程とを含むことによって除去する、高純度クロロポリシランの製造方法
  2. 固体微粒子を分離する第二工程が、フィルターによるろ別であることを特徴とする請求項1の高純度クロロポリシランの製造方法。
  3. 固体微粒子を分離する第二工程で使用したフィルターをアルカリ性液体によって洗浄し、再生使用することを特徴とする請求項1または2の高純度クロロポリシランの製造方法。
  4. アルカリ性液体が水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を含むことを特徴とする請求項の高純度クロロポリシランの製造方法。
JP2008182977A 2008-07-14 2008-07-14 高純度クロロポリシランの製造方法 Active JP5206185B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008182977A JP5206185B2 (ja) 2008-07-14 2008-07-14 高純度クロロポリシランの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008182977A JP5206185B2 (ja) 2008-07-14 2008-07-14 高純度クロロポリシランの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010018508A JP2010018508A (ja) 2010-01-28
JP5206185B2 true JP5206185B2 (ja) 2013-06-12

Family

ID=41703784

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008182977A Active JP5206185B2 (ja) 2008-07-14 2008-07-14 高純度クロロポリシランの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5206185B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102008054537A1 (de) * 2008-12-11 2010-06-17 Evonik Degussa Gmbh Entfernung von Fremdmetallen aus Siliciumverbindungen durch Adsorption und/oder Filtration
KR101959592B1 (ko) * 2011-10-18 2019-07-02 도아고세이가부시키가이샤 클로로폴리실란 제조방법 및 유동층 반응 장치
EP2792640B1 (en) 2011-12-16 2016-11-16 Toagosei Co., Ltd. Method for producing high-purity chloropolysilane
DE102013207447A1 (de) * 2013-04-24 2014-10-30 Evonik Degussa Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Herstellung von Octachlortrisilan
JP6266914B2 (ja) * 2013-08-01 2018-01-24 田中貴金属工業株式会社 蛍光x線分析装置を用いた貴金属製品の分析方法、及び、貴金属製品分析用のコンピュータプログラム
KR102246599B1 (ko) * 2019-04-17 2021-04-30 (주)원익머트리얼즈 고수율의 클로로폴리실란의 제조방법

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2570409B2 (ja) * 1988-12-06 1997-01-08 三菱マテリアル株式会社 クロロポリシランの精製方法
WO2005092790A2 (en) * 2004-03-19 2005-10-06 Entegris, Inc. Method and apparatus for purifying inorganic halides and oxyhalides using zeolites
EP1867604B1 (en) * 2005-04-07 2013-05-15 Toagosei Co., Ltd. Method for purification of disilicon hexachloride and high purity disilicon hexachloride
DE102007050199A1 (de) * 2007-10-20 2009-04-23 Evonik Degussa Gmbh Entfernung von Fremdmetallen aus anorganischen Silanen

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010018508A (ja) 2010-01-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5206185B2 (ja) 高純度クロロポリシランの製造方法
JP4896108B2 (ja) 高純度炭酸リチウムの製造方法
JP4162366B2 (ja) Cvd薄膜形成プロセス及びcvd薄膜製造装置
Khodadoust et al. Photocatalytic degradation of monoethanolamine in wastewater using nanosized TiO2 loaded on clinoptilolite
JP2012062300A (ja) 超高純度電子級化学試薬生産方法
JP5918580B2 (ja) 微粒子の精製方法、及び該微粒子の精製方法を含む遷移金属化合物担持酸化チタン微粒子の製造方法
CN100522814C (zh) 碱性水溶液的精制方法
KR101402604B1 (ko) 금속착물형 탄소기공막 공기정화용 필터 및 그의 제조방법
WO2010059165A1 (en) Porous block nanofiber composite filters
JP6867581B2 (ja) フッ素ガスの精製方法
CN102398898A (zh) 高纯磷烷的净化和分析
WO2018131500A1 (ja) 多結晶シリコンの製造方法
JP2004115349A (ja) 水素発生方法
Majdinasab et al. Microwave synthesis of zeolites from waste glass cullet using landfill leachate as a novel alternative solvent
Haluska et al. Plant-based nanostructured silicon carbide modified with bisphosphonates for metal adsorption
JP2007223877A (ja) 高純度四塩化チタンの製造方法およびそれから得られうる高純度四塩化チタン
Vorotyntsev et al. Fine purification of silane for removal of chlorosilanes by membrane gas separation
JPWO2020145081A1 (ja) 含フッ素ポリ塩化アルミニウムを含む薬剤
KR102045062B1 (ko) 디실란 합성 및 여과 정제 시스템
JP5235140B2 (ja) 白金族ナノ粒子担持材料とその製造方法、白金族ナノ粒子の析出方法、触媒材料
CN104857742A (zh) 一种二氯甲烷的除水方法
JP2007063259A (ja) シリル化したシリカライト膜を用いた浸透気化分離法による高濃度バイオエタノールの製造方法
CN110655081B (zh) 三氯氢硅的除杂方法、多晶硅材料和三氯氢硅除杂系统
TW592787B (en) Process for the purification of corrosive gases
JP5847104B2 (ja) 多結晶シリコンの製造方法及び該製造方法に還元剤として用いる水素ガスの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120723

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120808

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120913

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130204

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160301

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5206185

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250