JP5918580B2 - 微粒子の精製方法、及び該微粒子の精製方法を含む遷移金属化合物担持酸化チタン微粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明における微粒子は、1nm〜50000nm程度の粒径を有し、極めて広い比表面積(例えば10〜200m2/g程度、好ましくは10〜100m2/g)を有することを特徴とし、例えば、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化亜鉛、酸化ビスマス、酸化カルシウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化クロミウム、酸化鉄、酸化インジウム、酸化マグネシウム、酸化ニッケル、酸化ジルコニウム等の金属酸化物や、金、銀、銅、パラジウム、白金、硫化亜鉛、セレン化カドミウム、モリブデン、ニッケル、シリコン、ダイヤモンド、シリカ、タンタル等の金属単体等の微粒子を挙げることができる。
Ti(OR)tX4-t (1)
(式中、Rは炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示す。tは0〜3の整数を示す)
本発明におけるイオン性不純物について、酸化チタン微粒子に含まれるイオン性不純物としては、例えば、原料となるチタン化合物に由来するチタンイオン、鉄イオン、ハロゲンイオン(例えば、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン)、装置材料から混入するイオン(例えば、タンタルイオン、ジルコニウムイオン、モリブデンイオン、ニッケルイオン、鉄イオン、クロムイオン、ケイ素イオン、アルミニウムイオン等)である。
濾過膜としては、例えば、限外濾過膜、精密濾過膜、ナノフィルター、逆浸透膜等を挙げることができる。本発明においては、なかでも、分画分子量の点で限外濾過膜を使用することが好ましい。
クロスフロー方式とは、濾過膜面に平行に被処理水を流し、濾滓の沈着による濾過膜汚染を防ぎながら被処理水の一部を、被処理水の流れの側方で濾過する方式である。
本発明に係る微粒子の精製方法では、濾過膜面への付着物質の堆積を防止して濾過膜への負担を軽減し、長期間膜濾過運転を行うため、濾過膜に対し洗浄水により間欠的な逆洗浄を施すことが好ましい。逆洗浄は圧力及び流速を制御しつつ予め定められた周期で行うのが好ましい。
本発明の遷移金属化合物担持酸化チタン微粒子の製造方法は、上記微粒子の精製方法により酸化チタン微粒子を精製する工程、及び、前記工程で得られた精製された酸化チタン微粒子に遷移金属化合物を担持させる工程を有することを特徴とする。遷移金属化合物を担持することにより、酸化チタン微粒子に、紫外線域から可視光線域までの広い波長範囲の光に対する応答性を付与し、太陽光や白熱灯、蛍光灯等の通常の生活空間における光を吸収して、高い触媒活性を発揮させることができる。遷移金属化合物は、例えば、遷移金属イオン、遷移金属単体、遷移金属塩、遷移金属酸化物、遷移金属水酸化物又は遷移金属錯体の状態で担持される。
遷移金属化合物担持酸化チタン微粒子 200mgをガラス製皿に広げて反応容器(テドラーバッグ、材質:フッ化ビニル樹脂)の中に入れ、100ppmのトルエンガス 125mLを反応容器内に吹き込む。トルエンガスの遷移金属化合物担持酸化チタン微粒子への吸着が平衡に達した後、室温(25℃)で光照射(LED、光強度:2.5W/cm2、光の波長:455nm)を行い、光照射開始から24時間後のCO2の生成量を測定する。
遷移金属化合物担持酸化チタン微粒子 200mgをガラス製皿に広げて反応容器(テドラーバッグ、材質:フッ化ビニル樹脂)の中に入れ、800ppmのメタノールガス125mLを反応容器内に吹き込む。メタノールガスの遷移金属化合物担持酸化チタンへの吸着が平衡に達した後、室温(25℃)で光照射(LED、光強度:2.5W/m2、光の波長:455nm)を行い、光照射開始から24時間後のCO2の生成量を測定する。
(酸化チタン微粒子水懸濁液(スラリー液)の調製)
室温(25℃)にて、四塩化チタン水溶液(Ti濃度:16.5重量%±0.5重量%、塩素イオン濃度:31重量%±2重量%、東邦チタニウム(株)製)をTi濃度が5.6重量%になるように純水で希釈した。希釈後の四塩化チタン水溶液 560gを容量1Lのタンタルライニングのオートクレーブに入れ密閉した。熱媒を用い、2時間かけて上記オートクレーブ内温度を140℃まで昇温した。その後、温度:140℃、圧力:その温度における蒸気圧の条件下で10時間保持した後、熱媒を冷却することによりオートクレーブを冷却した。オートクレーブ内温度が40℃以下になったことを確認して、酸化チタン微粒子含有スラリー液(1)560gを取り出した。
得られた酸化チタン微粒子含有スラリー液(1)を純水で10倍に希釈して、限外濾過膜(商品名「FS03−FC−FUS03C1」、材質:PES、公称分画分子量:3万、ダイセン・メンブレン・システムズ(株)製)を用い、室温(25℃)、濾過圧力0.05MPaにて、透過液量と同量の純水を加えながらクロスフロー方式による濾過処理を行った。濾過処理を経て得られた濃縮液は再度仕込みタンクに循環し、透過液のpHが2.9になるまで繰り返し濾過処理に付した。これにより、精製された酸化チタン微粒子含有スラリー液(1-1) 560gを得た。この間、1時間に1回の割合で0.15MPaの圧力、0.1kg/minの流速で1分間逆洗浄を実施した。この逆洗浄により膜通過した洗浄水は仕込みタンクに循環した。精製された酸化チタン微粒子含有スラリー液(1-1)を減圧下、60℃で15時間乾燥したところ、(110)面及び(111)面を有するロッド状ルチル型酸化チタン微粒子と、(110)面(111)面及び(001)面を有するロッド状ルチル型酸化チタン微粒子の混合物(1)を得た(図3参照)。得られたロッド状ルチル型酸化チタン微粒子(1)の下記紫外線によるトルエン酸化法により評価した光触媒能は617ppm(CO2発生率:93%)であった。
上記で得られた酸化チタン微粒子含有スラリー液(1-1)に塩化鉄水溶液(35重量%)0.3gを添加し、室温(25℃)にて30分撹拌した。その後、メタノール 9.6gを添加し、100Wの高圧水銀ランプを用いて紫外線(UV)を3時間照射して(UV照射量:0.9mW/cm2)、鉄担持酸化チタン微粒子含有スラリー液(1-1-1)を得た。
鉄担持酸化チタン微粒子含有スラリー液(1-1-1)を純水で10倍に希釈して、限外濾過膜(商品名「FS03−FC−FUS03C1」、材質:PES、公称分画分子量:3万、ダイセン・メンブレン・システムズ(株)製)を用い、室温(25℃)、濾過圧力0.05MPaにて、透過液量と同量の純水を加えながらクロスフロー方式による濾過処理を行った。濾過処理を経て得られた濃縮液は再度仕込みタンクに循環し、透過液の電気伝導度が21μS/cmになるまで繰り返し濾過処理に付し、精製された鉄担持酸化チタン微粒子含有スラリー液(1-1-1)を得た。この間、1時間に1回の割合で0.15MPaの圧力、0.1kg/minの流速で1分間逆洗浄を実施した。この逆洗浄により膜通過した洗浄水は仕込みタンクに循環した。
(酸化チタン微粒子水懸濁液(スラリー液)の調製)
室温(25℃)にて、四塩化チタン水溶液(Ti濃度:16.5重量%±0.5重量%、塩素イオン濃度:31重量%±2重量%、東邦チタニウム(株)製)をTi濃度が5.6重量%になるように純水で希釈した。希釈後の四塩化チタン水溶液 5650gを容量10Lのタンタルライニングのオートクレーブに入れ密閉した。熱媒を用い、2時間かけて上記オートクレーブ内温度を140℃まで昇温した。その後、温度:140℃、圧力:その温度における蒸気圧の条件下で5時間保持した後、熱媒を冷却することによりオートクレーブを40℃以下まで冷却した。その後、更に、温度:140℃、圧力:その温度における蒸気圧の条件下で5時間保持した後、熱媒を冷却することによりオートクレーブを冷却した。オートクレーブ内温度が40℃以下になったことを確認して、酸化チタン微粒子含有スラリー液(2)5650gを取り出した。
得られた酸化チタン微粒子含有スラリー液(2)を純水で3倍に希釈して、限外濾過膜(商品名「FS03−FC−FUS03C1」、材質:PES、公称分画分子量:3万、ダイセン・メンブレン・システムズ(株)製)を用い、室温(25℃)、濾過圧力0.02MPaにて、透過液量と同量の純水を加えながらクロスフロー方式による濾過処理を行った。濾過処理を経て得られた濃縮液は再度仕込みタンクに循環し、透過液のpHが4.0になるまで繰り返し濾過処理に付した。これにより、精製された酸化チタン微粒子含有スラリー液(2-1)を得た。この間、1時間に1回の割合で0.1MPaの圧力、2kg/minの流速で1分間逆洗浄を実施した。この逆洗浄により膜通過した洗浄水は仕込みタンクに循環した。精製された酸化チタン微粒子含有スラリー液(2-1)を常圧下、105℃で1時間乾燥したところ、(110)面及び(111)面を有するロッド状ルチル型酸化チタン微粒子と、(110)面(111)面及び(001)面を有するロッド状ルチル型酸化チタン微粒子の混合物(1) 525gを得た。得られたロッド状ルチル型酸化チタン微粒子(1)の下記紫外線によるトルエン酸化法で評価した光触媒能は625ppm(分解率:94%)であった。
上記で得られた酸化チタン微粒子含有スラリー液(2-1)に塩化鉄水溶液(35重量%)7.5gを添加し、室温(25℃)にて30分撹拌した。その後、メタノール 95gを添加し、100Wの高圧水銀ランプを用いて紫外線(UV)を3時間照射して(UV照射量:5mW/cm2)、鉄担持酸化チタン微粒子含有スラリー液(2-1-1)を得た。
鉄担持酸化チタン微粒子含有スラリー液(2-1-1)を純水で3倍に希釈して、限外濾過膜(商品名「FS03−FC−FUS03C1」、材質:PES、公称分画分子量:3万、ダイセン・メンブレン・システムズ(株)製)を用い、室温(25℃)、濾過圧力0.02MPaにて、透過液量と同量の純水を加えながらクロスフロー方式による濾過処理を行った。濾過処理を経て得られた濃縮液は再度仕込みタンクに循環し、透過液の電気伝導度が200μS/cmになるまで繰り返し濾過処理に付し、精製された鉄担持酸化チタン微粒子含有スラリー液(2-1-1)を得た。この間、1時間に1回の割合で0.1MPaの圧力、2kg/minの流速で1分間逆洗浄を実施した。この逆洗浄により膜通過した洗浄水は仕込みタンクに循環した。
(酸化チタン微粒子水懸濁液(スラリー液)の調製)
室温(25℃)にて、四塩化チタン水溶液(Ti濃度:16.5重量%±0.5重量%、塩素イオン濃度:31重量%±2重量%、東邦チタニウム(株)製)をTi濃度が5.6重量%になるように純水で希釈した。希釈後の四塩化チタン水溶液 5650gを容量10Lのタンタルライニングのオートクレーブに入れ密閉した。熱媒を用い、2時間かけて上記オートクレーブ内温度を140℃まで昇温した。その後、温度:140℃、圧力:その温度における蒸気圧の条件下で10時間保持した後、熱媒を冷却することによりオートクレーブを冷却した。オートクレーブ内温度が40℃以下になったことを確認して、酸化チタン微粒子含有スラリー液(3)5650gを取り出した。
得られた酸化チタン微粒子含有スラリー液(3)を純水で3倍に希釈して、限外濾過膜(商品名「FS03−FC−FUS03C1」、材質:PES、公称分画分子量:3万、ダイセン・メンブレン・システムズ(株)製)を用い、室温(25℃)、濾過圧力0.02MPaにて、透過液量と同量の純水を加えながらクロスフロー方式による濾過処理を行った。濾過処理を経て得られた濃縮液は再度仕込みタンクに循環し、透過液のpHが4.0になるまで繰り返し濾過処理に付した。これにより、精製された酸化チタン微粒子含有スラリー液(3-1)5590gを得た。この間、1時間に1回の割合で0.1MPaの圧力、2kg/minの流速で1分間逆洗浄を実施した。この逆洗浄により膜通過した洗浄水は仕込みタンクに循環した。精製された酸化チタン微粒子含有スラリー液(3-1)を常圧下、105℃で1時間乾燥したところ、(110)面及び(111)面を有するロッド状ルチル型酸化チタン微粒子と、(110)面(111)面及び(001)面を有するロッド状ルチル型酸化チタン微粒子の混合物(3)533gを得た。得られたロッド状ルチル型酸化チタン微粒子(3)の下記紫外線によるトルエン酸化法により評価した光触媒能は647ppm(分解率:95%)であった。
上記で得られた酸化チタン微粒子含有スラリー液(3-1)に塩化鉄水溶液(35重量%)7.5gを添加し、室温(25℃)にて30分撹拌した。その後、メタノール 95gを添加し、100Wの高圧水銀ランプを用いて紫外線(UV)を3時間照射して(UV照射量:5mW/cm2)、鉄担持酸化チタン微粒子含有スラリー液(3-1-1)を得た。
鉄担持酸化チタン微粒子含有スラリー液(3-1-1)を純水で3倍に希釈して、限外濾過膜(商品名「FS03−FC−FUS03C1」、材質:PES、公称分画分子量:3万、ダイセン・メンブレン・システムズ(株)製)を用い、室温(25℃)、濾過圧力0.02MPaにて、透過液量と同量の純水を加えながらクロスフロー方式による濾過処理を行った。濾過処理を経て得られた濃縮液は再度仕込みタンクに循環し、透過液の電気伝導度が200μS/cmになるまで繰り返し濾過処理に付し、精製された鉄担持酸化チタン微粒子含有スラリー液(3-1-1)を得た。この間、1時間に1回の割合で0.1MPaの圧力、2kg/minの流速で1分間逆洗浄を実施した。この逆洗浄により膜通過した洗浄水は仕込みタンクに循環した。
上記(クロスフロー方式による濾過処理(2))において、透過液の電気伝導度が150μS/cmになるまで繰り返した以外は実施例3と同様にして、鉄担持酸化チタン微粒子(4)530gを得た。得られた鉄担持酸化チタン微粒子(4)の鉄の含有量は890ppmであった。また、下記可視光によるメタノール酸化法により評価した光触媒能は795ppmであった。
上記(クロスフロー方式による濾過処理(2))において、透過液の電気伝導度が100μS/cmになるまで繰り返した以外は実施例3と同様にして、鉄担持酸化チタン微粒子(5)530gを得た。得られた鉄担持酸化チタン微粒子(5)の鉄の含有量は950ppmであった。また、下記可視光によるメタノール酸化法により評価した光触媒能は800ppmであった。
上記(クロスフロー方式による濾過処理(2))において、透過液の電気伝導度が50μS/cmになるまで繰り返した以外は実施例3と同様にして、鉄担持酸化チタン微粒子(6)530gを得た。得られた鉄担持酸化チタン微粒子(6)の鉄の含有量は1200ppmであった。また、下記可視光によるメタノール酸化法により評価した光触媒能は800ppmであった。
上記(鉄担持処理)において、塩化鉄水溶液(35重量%)の使用量を7.5gから6.5gに変更した以外は実施例3と同様にして、鉄担持酸化チタン微粒子含有スラリー液(3-1-2)を得、鉄担持酸化チタン微粒子(7)530gを得た。得られた鉄担持酸化チタン微粒子(7)の鉄の含有量は700ppmであった。また、下記可視光によるメタノール酸化法により評価した光触媒能は780ppmであった。
上記(鉄担持処理)において、塩化鉄水溶液(35重量%)の使用量を7.5gから15.0gに変更した以外は実施例3と同様にして、鉄担持酸化チタン微粒子含有スラリー液(3-1-3)を得、鉄担持酸化チタン微粒子(8)530gを得た。得られた鉄担持酸化チタン微粒子(8)の鉄の含有量は2000ppmであった。また、下記可視光によるメタノール酸化法により評価した光触媒能は753ppmであった。
上記(酸化チタン微粒子水懸濁液(スラリー液)の調製)において、反応温度(オートクレーブ内温度)を140℃から120℃に変更した以外は実施例3と同様にして、酸化チタン微粒子含有スラリー液(4)を得、得られた酸化チタン微粒子含有スラリー液(4)について、実施例3と同様に上記(クロスフロー方式による膜濾過処理(1))を施したところ、(110)面及び(111)面を有するロッド状ルチル型酸化チタン微粒子と、(110)面(111)面及び(001)面を有するロッド状ルチル型酸化チタン微粒子の混合物(9)530gを得た。得られたロッド状ルチル型酸化チタン微粒子(9)の下記紫外線によるトルエン酸化法により評価した光触媒能は600ppm(CO2発生率:90%)であった。
上記(酸化チタン微粒子水懸濁液(スラリー液)の調製)において、反応温度(オートクレーブ内温度)を140℃から160℃に変更した以外は実施例3と同様にして、酸化チタン微粒子含有スラリー液(5)を得、得られた酸化チタン微粒子含有スラリー液(5)について、実施例3と同様に上記(クロスフロー方式による膜濾過処理(1))を施したところ、(110)面及び(111)面を有するロッド状ルチル型酸化チタン微粒子と、(110)面(111)面及び(001)面を有するロッド状ルチル型酸化チタン微粒子の混合物(10)530gを得た。得られたロッド状ルチル型酸化チタン微粒子(10)の下記紫外線によるトルエン酸化法により評価した光触媒能は645ppm(分解率:95%)であった。
(酸化チタン微粒子水懸濁液(スラリー液)の調製)
室温(25℃)にて、四塩化チタン水溶液(Ti濃度:16.5重量%±0.5重量%、塩素イオン濃度:31重量%±2重量%、東邦チタニウム(株)製)をTi濃度が5.6重量%になるように純水で希釈した。希釈後の四塩化チタン水溶液 5650gを容量10Lのタンタルライニングのオートクレーブに入れ密閉した。熱媒を用い、2時間かけて上記オートクレーブ内温度を140℃まで昇温した。その後、温度:140℃、圧力:その温度における蒸気圧の条件下で10時間保持した後、熱媒を冷却することによりオートクレーブを冷却した。オートクレーブ内温度が40℃以下になったことを確認して、酸化チタン微粒子含有スラリー液(6)5650gを取り出した。
得られた酸化チタン微粒子含有スラリー液(6)を純水で希釈することなく、限外濾過膜(商品名「FS03−FC−FUS03C1」、材質:PES、公称分画分子量:3万、ダイセン・メンブレン・システムズ(株)製)を用い、室温(25℃)、濾過圧力0.02MPaにて、透過液量と同量の純水を加えながらクロスフロー方式による濾過処理を行った。濾過処理を経て得られた濃縮液は再度仕込みタンクに循環し、透過液のpHが4.0になるまで繰り返し濾過処理に付した。これにより、精製された酸化チタン微粒子含有スラリー液(6-1)5650gを得た。この間、1時間に1回の割合で0.1MPaの圧力、2kg/minの流速で1分間逆洗浄を実施した。この逆洗浄により膜通過した洗浄水は仕込みタンクに循環した。精製された酸化チタン微粒子含有スラリー液(6-1)を常圧下、105℃で1時間乾燥したところ、(110)面及び(111)面を有するロッド状ルチル型酸化チタン微粒子と、(110)面(111)面及び(001)面を有するロッド状ルチル型酸化チタン微粒子の混合物(11)を得た。得られたロッド状ルチル型酸化チタン微粒子(11)の下記紫外線によるトルエン酸化法により評価した光触媒能は647ppm(分解率:95%)であった。
上記で得られた酸化チタン微粒子含有スラリー液(6-1)に塩化鉄水溶液(35重量%)7.5gを添加し、室温(25℃)にて30分撹拌した。その後、メタノール 95gを添加し、100Wの高圧水銀ランプを用いて紫外線(UV)を3時間照射して(UV照射量:5mW/cm2)、鉄担持酸化チタン微粒子含有スラリー液(6-1-1)を得た。
鉄担持酸化チタン微粒子含有スラリー液(6-1-1)を純水で希釈することなく、限外濾過膜(商品名「FS03−FC−FUS03C1」、材質:PES、公称分画分子量:3万、ダイセン・メンブレン・システムズ(株)製)を用い、室温(25℃)、濾過圧力0.02MPaにて、透過液量と同量の純水を加えながらクロスフロー方式による濾過処理を行った。濾過処理を経て得られた濃縮液は再度仕込みタンクに循環し、透過液の電気伝導度が200μS/cmになるまで繰り返し濾過処理に付し、精製された鉄担持酸化チタン微粒子含有スラリー液(6-1-1)を得た。この間、1時間に1回の割合で0.1MPaの圧力、2kg/minの流速で1分間逆洗浄を実施した。この逆洗浄により膜通過した洗浄水は仕込みタンクに循環した。
実施例1の(酸化チタン微粒子懸濁液(スラリー液)の調製)で得られた酸化チタン微粒子含有スラリー液(1)560gを遠心分離(20000G×60分間)し、得られた固体を水に分散して上澄み液のpHが3になるまで水洗処理を施した。その後、全量濾過方式で濾過して濾滓(1)を得た。得られた濾滓(1)を水で希釈して10重量%の酸化チタン微粒子含有スラリー液(1-2)を得た。スラリーを得るのに48時間の撹拌を要した。
その後、減圧下、60℃で15時間乾燥して、鉄担持酸化チタン微粒子(12)40gを得た。得られた鉄担持酸化チタン微粒子(12)の鉄の含有量は88ppmであった。また、下記可視光によるトルエン酸化法により評価した光触媒能は459ppmであり、下記可視光によるメタノール酸化法により評価した光触媒能は491ppmであった。
比較例1で得られた鉄担持酸化チタン微粒子(12)は、調製に時間がかかりすぎ、工業的に行うには不適な方法であった。
(可視光によるトルエン酸化法)
実施例及び比較例で得られた鉄担持酸化チタン微粒子を光触媒として使用し、気相にてトルエンを酸化し、生成するCO2量を測定することにより光触媒能を評価した。
鉄担持酸化チタン微粒子 200mgをガラス製皿に広げて反応容器(テドラーバッグ、材質:フッ化ビニル樹脂)の中に入れ、100ppmのトルエンガス 125mLを反応容器内に吹き込んだ。トルエンガスの鉄担持酸化チタンへの吸着が平衡に達した後、室温(25℃)で光照射(LED、光強度:2.5mW/cm2、光の波長:455nm)を行った。光照射開始から24時間後のCO2の生成量(反応容器内のCO2濃度)をメタナイザー(商品名「MT221」、GLサイエンス(株)製)に付属した水素炎イオン化検出器付きガスクロマトグラフ(商品名「GC−14B」、島津製作所製)を使用して測定した。
実施例及び比較例で得られた鉄担持酸化チタン微粒子を光触媒として使用し、気相メタノールを酸化し、生成するCO2量を測定することにより光触媒能を評価した。
鉄担持酸化チタン微粒子 200mgをガラス製皿に広げて反応容器(テドラーバッグ、材質:フッ化ビニル樹脂)の中に入れ、800ppmのメタノールガス125mLを反応容器内に吹き込んだ。メタノールガスの鉄担持酸化チタンへの吸着が平衡に達した後、室温(25℃)で光照射(LED、光強度:2.5W/m2、光の波長:455nm)を行った。光照射開始から24時間後のCO2の生成量(反応容器内のCO2濃度)をメタナイザー(商品名「MT221」、GLサイエンス(株)製)を付属した水素炎イオン化検出器付きガスクロマトグラフ(商品名「GC−14B」、島津製作所製)を使用して測定した。
実施例で得られた酸化チタン粒子を光触媒として使用し、気相トルエンを酸化し、生成するCO2量を測定することにより光触媒能を評価した。
酸化チタン粒子 200mgをガラス製皿に広げて反応容器(テドラーバッグ、材質:フッ化ビニル樹脂)の中に入れ、100ppmのトルエンガス125mLを反応容器内に吹き込んだ。トルエンガスの酸化チタンへの吸着が平衡に達した後、室温(25℃)で光照射(LED、光強度:0.1mW/cm2、光の波長:365nm)を行った。光照射開始から24時間後のCO2の生成量(反応容器内のCO2濃度)をメタナイザー(商品名「MT221」、GLサイエンス(株)製)を付属した水素炎イオン化検出器付きガスクロマトグラフ(商品名「GC−14B」、島津製作所製)を使用して測定した。
実施例で得られた酸化チタン粒子を光触媒として使用し、気相メタノールを酸化し、生成するCO2量を測定することにより光触媒能を評価した。
酸化チタン微粒子 200mgをガラス製皿に広げて反応容器(テドラーバッグ、材質:フッ化ビニル樹脂)の中に入れ、800ppmのメタノールガス125mLを反応容器内に吹き込んだ。メタノールガスの酸化チタンへの吸着が平衡に達した後、室温(25℃)で光照射(LED、光強度:2.5W/m2、光の波長:365nm)を行った。光照射開始から24時間後のCO2の生成量(反応容器内のCO2濃度)をメタナイザー(商品名「MT221」、GLサイエンス(株)製)を付属した水素炎イオン化検出器付きガスクロマトグラフ(商品名「GC−14B」、島津製作所製)を使用して測定した。
Claims (13)
- 微粒子中に含まれるイオン性不純物を分離除去する微粒子の精製方法であって、イオン性不純物としてハロゲンイオンを含む、金属酸化物、金属単体、硫化亜鉛、セレン化カドミウム、シリコン、ダイヤモンド、又はシリカの微粒子について、微粒子濃度が0.1〜40重量%の微粒子水分散液をクロスフロー方式により膜濾過し、前記イオン性不純物を透過液と共に分離除去して濃縮された微粒子水分散液を得、該濃縮された微粒子水分散液に水を加えて、微粒子濃度が上記範囲となるように希釈し、再びクロスフロー方式により膜濾過する操作を、透過液のpHが2〜7となるまで繰り返す循環膜濾過方式により微粒子を精製すると共に、定期的に濾過膜を逆洗浄することを特徴とする微粒子の精製方法。
- 濾過膜として、限外濾過膜(分画分子量:1000〜300000)を使用する請求項1に記載の微粒子の精製方法。
- クロスフロー方式による膜濾過における濃縮倍率が1倍を超え400倍以下である請求項1又は2に記載の微粒子の精製方法。
- 逆洗浄により膜通過した洗浄水を濃縮された微粒子水分散液の希釈用の水として再利用する請求項1〜3の何れか一項に記載の微粒子の精製方法。
- 微粒子が酸化チタン微粒子又はダイヤモンド微粒子である請求項1〜4の何れか一項に記載の微粒子の精製方法。
- 酸化チタン微粒子が、チタン化合物を水性媒体中で水熱処理して得られるルチル型酸化チタン微粒子である請求項5に記載の微粒子の精製方法。
- 酸化チタン微粒子がロッド状ルチル型酸化チタン微粒子である請求項5又は6に記載の微粒子の精製方法。
- 請求項5〜7の何れか一項に記載の微粒子の精製方法により酸化チタン微粒子を精製する工程、及び、前記工程で得られた精製された酸化チタン微粒子に遷移金属化合物を担持させる工程を有する遷移金属化合物担持酸化チタン微粒子の製造方法。
- 遷移金属化合物を担持させる工程の後、更に、透過液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまでクロスフロー方式により膜濾過する操作を繰り返す工程を有する請求項8に記載の遷移金属化合物担持酸化チタン微粒子の製造方法。
- 励起光照射下で、酸化チタン微粒子に遷移金属化合物を担持させる請求項8又は9に記載の遷移金属化合物担持酸化チタン微粒子の製造方法。
- 遷移金属化合物が鉄化合物又は白金化合物である請求項8〜10の何れか一項に記載の遷移金属化合物担持酸化チタン微粒子の製造方法。
- 遷移金属化合物が鉄化合物である請求項8〜10の何れか一項に記載の遷移金属化合物担持酸化チタン微粒子の製造方法。
- 遷移金属化合物が、酸化チタン微粒子の酸化反応面に選択的に担持されている請求項8〜12の何れか一項に記載の遷移金属化合物担持酸化チタン微粒子の製造方法。
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