JP2004115349A - 水素発生方法 - Google Patents

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岩本 淳
Masayoshi Kitada
北田 正吉
Masahiro Hirota
廣田 雅洋
Yutaka Mochizuki
望月 裕
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Abstract

【課題】副産物の除去に対する特別の対策を講じることなしに、簡単な構成で水からクリーンなエネルギとして選択的に水素を安定して長期間に亘って製造する方法を提供する。
【解決手段】シリコン(Si)と水(HO)とを酸化反応させて水素を発生させる。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素の製造方法に関する。より詳しくは、長期間に亘って安定して水素を製造することが可能な水素の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、石油等の既存の資源の枯渇化や二酸化炭素の放出等の観点から、石油に代わる代替燃料として水素が注目されている。
従来、このようなエネルギ源として水素を製造するには一般に水、メタノール等の電気分解が一般的であった。
例えば、水を電気分解する場合、下記式(1)の反応に従って水素を発生させる。
O → H +1/2O (1)
この場合、水の電気分解により水素を得るには、理論上、標準状態で1.23Vの電位差が必要とされるが、水は高い電気抵抗を有するため、実際にはこれ以上の電位差が水の電気分解に必要とされる。そこで、電力コストを下げるべく、例えば、水にアルカリ等の電解質を溶解させることにより比較的低い電位差で水を電気分解させて水素を製造することが可能である。しかし、このような水溶液の電気分解では、水溶液のpH調整や電気抵抗の設定等の作業負荷が増えるうえ、電極に適用する触媒の調製によりコストアップを招くという問題がある。さらに、このようにアルカリ等の電解質を水に溶解させて水の電気分解を行う場合でも、なお2.0V程度という比較的高い電位差が要求される。
【0003】
水素を発生させる他の方法として、水の熱分解が考えられる。しかしながら、水を熱分解させて水素を得るためには4300℃程度の高温下で行う必要があり、さらに大きなエネルギが必要となり、実用的でない。
一方、外部からエネルギを加えることなく、化学反応により水素を発生させる方法として、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属類を水に添加してこれらの金属と水とを化学反応させる方法が挙げられる。しかし、これらの金属は比較的高い純度が要求されることから高価なものとなり、またこれらの化学反応は急激に進行するので反応の制御が難しく、このような点が化学反応による水素製造の実機での障害となっている。
また、メタノールやガソリン等の炭化水素を改質して水素を製造する手法もあるが、反応時のCO、CO等の副産物の生成を伴うため、そのままではクリーンなエネルギとして使用するのが困難であり、この手法を実用化するには、これらの副産物を除去する対策を別途講じる必要がある。
【0004】
更に別の水素の製造として、ナトリウムやマグネシウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属を水と反応させる方法や水蒸気を鉄と接触させて水素を得る方法がある(非特許文献1)。
前者の方法では、反応が爆発的に進行するために制御が困難である点と反応後に生じる物質をリサイクルしにくい点等の欠点を有している。
また、非特許文献1に記載の方法では、継続的に鉄から水素を得るために鉄に微量元素を添加しなければならず、また作用温度および作用圧力が高いという欠点がある。さらにこの方法では、水を水蒸気として鉄と反応させる必要がある。
【0005】
一方、特許文献1には、平均粒径2μm以下のケイ素微粉末と水を接触させることによって、水素を製造させる方法が記載されている。しかしながら、この方法では長期間に亘って安定に水素を発生することができないという欠点を有している。
【0006】
【非特許文献1】
大塚潔著、“鉄と水で走る環境にやさしい自動車も近い”[online] 平成14年8月220日、東京工業大学、インターネット<URL:http://www.titech.ac.jp/tokyo−tech−iin−the−news/j/archives/2002/08/1029974400.html>
【特許文献1】
特開平4第59601号公報(第1〜2頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
また、このような水からクリーンなエネルギとして安定して水素を製造する技術は確立されたものではなく、新たなアプローチに対する要求がある。
本発明の別の課題は、副産物の除去に対する特別の対策を講じることなしに、簡単な構成で水からクリーンなエネルギとして水素を安定して長期間に亘って製造する方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明の請求項1に係る水素の製造方法は、シリコン(Si)と水(HO)とを酸化反応させて水素を発生させることを特徴とするものである。
このように構成すると、電力等の外部エネルギを使用することなしに副産物の対策なしに実質的にクリーンなエネルギとしての水素を長期間に亘って発生させることが可能となる。
【0009】
また、反応に使用するのは水道水等の水とシリコンであるので低コストで水素を製造可能である。更に、水は液体の状態で反応させるので(常圧下で100℃以下)、簡単な構成で水素を発生することができる。また、本発明の水素発生方法は、酸化反応を使用するので、簡単な構成で水素を発生することができる。更に、本発明の水素発生反応は、水温および反応系の圧力の少なくとも一方を調整することによって制御可能である。
【0010】
本発明の請求項2に係る水素の製造方法は、請求項1に記載の水素の製造方法において、使用するシリコンは、平均粒径5〜100μmを有する粉末であることを特徴とするものである。
このように構成することによって、水素の発生量を増加させ、かつ安定して水素を得ることが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明は、シリコン(Si)と水(HO)との酸化反応により水素を発生させる方法である。このようなシリコンと水との酸化反応は特許文献1に記載されていない。
Si + 2HO → SiO +2H (2)
【0012】
この際に使用するシリコンは、特に限定されるものではないが、好ましくは平均粒径2μm超、より好ましくは平均粒径5〜100μm、更に好ましくは平均粒径10〜40μmを有する粒状のシリコンである。シリコンの平均粒径が2μm以下であるとシリコン粒子間の空隙が小さく水がその空隙内に浸透しにくくなるため、反応が進行しにくい傾向になる。逆にシリコンの平均粒径が大きすぎると比表面積、すなわち水との接触面積が小さくなるので反応が進行しにくい傾向になる。
【0013】
本発明に使用するのに特に好ましいシリコンは、例えばシフタ、シービング等により所定の粒度分布に整粒したシリコン粒子である。
なお、本発明においては、このような平均粒径を有するシリコン粒子を、所定の空隙を有する状態で板状等の所定形状に成形したものも反応に使用できる。
本発明において使用するシリコンは、純度が高い方が好ましく、特に95質量%以上の純度のシリコンを使用することが好ましい。
【0014】
一方、本発明においてシリコンと反応させる水は、水道水、工業用水、海水等の種々の水を使用することができ、純粋に限定されるものではない。また、本発明において使用する水は、反応系において液体である必要がある。また、本発明において反応に供する水は、pH調整等を行う必要もない。
すなわち、常圧において0℃以上でありかつ100℃以下の水を本発明の反応に使用する。
本発明の水素製造方法において使用する水の水温は、特に制限はないが、本発明者等の実験により高いほど反応が進行することが判った。すなわち、シリコンと反応させる水の温度は、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃超過、更に好ましくは85℃以上である。
【0015】
また、本発明者等の実験によると、水温が低下して水素の発生量が少なくなった場合、加温することによって、再び水素の発生量を増加させることができることを見出した。
従って、水温を調節することによって、本発明の反応による水素の発生量を制御できるものと考えられる。水温を変化させるのに加えて、あるいは水温を変化させるのに代えて、反応系の圧力を変化させても同様に、本発明の反応による水素の発生量を制御できるものと考えられる。
【0016】
更に、所定時間が経過して反応が進行し、酸化シリコンが水中に析出した場合に水素の発生量は減少するが、この際に水を新しいものに交換すると水素の発生量を増加させることが可能であることも判った。
また、本発明の水素発生方法は、水とシリコンとを所定条件で反応させるだけの簡単な方法で水素を発生することができるので、電力等の外部エネルギを使用することなしに副産物の対策なしに実質的にクリーンなエネルギとしての水素を得ることが可能となる。
更に、反応の際に副生した酸化ケイ素は、シリカゲル等の資源として有効活用することが可能である。反応後のシリコンは、酸化シリコン(シリカゲル)として水中に浮遊した状態であり、遠心分離装置やフィルタリングや乾燥により水分を蒸発させる等の簡単な方法で分離回収できる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の水素の製造方法を実施例に基づいて説明する。
なお、以下の実施例において、図1(a)および図1(b)に示す実験装置aおよび実験装置bを用いた。
図1(a)および(b)は、本発明による水素の製造を確認するための装置である。
【0018】
実験装置(a)は、反応により発生する気体を目視により観察するための簡易装置であって、反応容器1、前記反応容器1を加熱するための加熱手段2、前記反応器と気密に接続された配管Pから主として構成されている。配管Pは、気体と液体を分離するための気液分離トラップ3を介して、水槽4へと延長している。そして、水槽4で、反応器1で発生した気体を、捕集器5により捕集する。
【0019】
実験装置(b)は、反応により発生する気体の成分と量の推移をリアルタイムで観察するための装置であって、実験装置(a)と同様に前記反応容器1を加熱するための加熱手段2、前記反応器と気密に接続された配管Pから主として構成されている。しかしながら、配管Pは、上流から下流に向かって、冷却器11、気液分離トラップ3、エア導入口12、流量を測定するためのフローメータ13、圧力計14が接続され、圧力計から真空ポンプ側配管P1と分析系側配管P2とに分離されている。分析系側配管は、十方バルブ15を介して気体成分を分析するためのガスクロマトグラフィ分析器16と、フローメータ17、エアバルブAVを介して水槽4中で気体を回収する捕集器5側へと延びる気体捕集側へと分岐されている。なお、本発明において、ガスクロマトグラフィ分析器16による分析は、カラムとしてモレキュラーシーブ13Aを使用し、水分をポラパックにより除去して行った。
【0020】
(実施例1)
〔実施例1a〕
平均粒径2μm、10μm、40μmおよび1000μmを有するシリコン粒子を、図1(a)に示す実験装置(a)の反応器1に各々1.0g投入し、次いで反応容器1に水30mlを入れて、加熱手段2により水温85℃〜95℃に保持した所、捕集器6で気体の発生が観察された。
〔実施例1b〕
次いで、これらの平均粒径2μm、10μm、40μmおよび1000μmを有するシリコン粒子を、図1(b)に示す実験装置(b)を用いて、同様な実験を繰返して発生した気体を分析した所、水素が発生していることが判った。さらに、実験装置(b)を用いて、時間と水素との発生量を調べた。結果を表1および図2に示す。
【0021】
【表1】
Figure 2004115349
【0022】
表1および図2から判るように、全てのシリコンは、経過時間ととも水素の発生量が減少していく。平均粒径が4μmおよび10μmのシリコンの場合、約1000分後に水素の発生速度が安定して所定量の水素が継続的に得られることが判る。これに対して平均粒径が小さい2μmのシリコンを用いた場合、6214分経過すると、水素の発生が終了した。一方、平均粒径の大きい1000μmを使用した場合、水素の発生速度は非常に小さいことが判る。
【0023】
(比較例2)
実施例1(a)において、シリコン粒子に代えて、シリコンウェファ切り出し片(30mmx30mmx30mm:<100><010><001><111>方位)およびシリコンウェア破砕片(50mmx20mmx200mm程度)を用いて同様の実験を行った結果、水素の発生は観察されなかった。
【0024】
(実施例3)
実施例1bにおいて、純度99.9%の水および純度95.0%の水(不純物SiO)を使用して2000分経過後の水素の発生量を調べた。結果を表2および図3に示す。
【0025】
【表2】
Figure 2004115349
【0026】
表2および図3に示す通り、平均粒径が2μmのシリコンおよび平均粒径が100μmのシリコンにおける水素の発生量は、平均粒径10μmおよび40μmを有するものと比較して水素の発生量が著しく低いことが判る。また、水の純度と、水素の発生量に相関性があることが判る。
【0027】
(実施例4)
実施例1aにおいて、使用する水温と水素の発生量について調べた。その結果、水温を下げると水素の発生量が減少することが判った。また、いったん水温を下げた後に加温すると、再び水素の発生量が上昇した。
【0028】
(実施例5)
実施例1aにおいて、水素の発生量が減少した際に、水を新たなものと代えたところ、水素の発生量の増加が観察された。
【0029】
(実施例6)
実験装置1bを使用して、反応容器の圧力(気体部分)を変化させて、水素の発生量の変化を観察した。その結果、圧力を増加させると水素の発生量が抑制し、逆に圧力を減少させると水素の発生量が増加することが判った。
【0030】
(参考例:シリコン酸化物の製造)
本発明の水素の発生方法がシリコンと水との酸化反応であることを実証するために、以下の実験を行った。
原料のシリコンとして、平均粒径が1μm、5μm、10μm、25μm、40μmおよび45μmのものを用い、原料の水としては蒸留水を用いて、前記シリコンと水とを接触させて反応を行い、それぞれ参考例1〜6とした。前記シリコンは、いずれも純度が99%以上の市販品を使用した。
【0031】
これらの参考例で、シリコン28.0g(1.0mol)を、冷却管及び水素ガス排気用配管を備えた、容量が300mlの三口フラスコの反応容器内にそれぞれ投入し、これらに蒸留水(pH6.5)を180ml(10.0mol)加えて、磁気回転子により撹拌を行いながらマントルヒータで100℃に加熱してリフラックスさせた。やがて、前記シリコン粉体から水素ガスの気泡が発生して水が白濁し、経時とともに白濁の濃度が高まった。前記リフラクッスを約1時間行った。
【0032】
次に、これらの参考例で、それぞれの反応容器内の白濁溶液を遠心分離器にセットして遠心分離を行い、得られた沈殿物内の黒色物質を掻き取って白色物質のみを取り出した。この白色物質の赤外吸収スペクトル測定を行ったところ、波数1100cm−1付近にSi−Oの伸縮振動、及び波数3430cm−1付近にOHの伸縮振動のピークが観測されたことから、この含水シリコン酸化物は、一般式SiO・nHO(n=1、2、…)で表されることが確認された。また、前記黒色の物質の赤外吸収スペクトルを測定したところ、波数870cm−1付近にSi−H変角のピークが観測されたことから、この物質はシリコンであり、未反応のシリコンであることが確認された。
【0033】
続いて、このようにして得られた各含水シリコン酸化物を減圧下で100℃に加熱(昇温速度:5℃/min)し、1時間、乾燥を行った。その後この含水シリコン酸化物を窒素気流中で室温に戻して示差熱分析を行ったところ、いずれも7.0%程度の吸着水が除去されたことが明らかとなった。
【0034】
引き続き、前記各含水シリコン酸化物を減圧下で、300℃に加熱(昇温速度:5℃/min)し、30分間、乾燥を行った。そして、この含水シリコン酸化物を窒素気流中で室温に戻して示差熱分析を行ったところ、吸着水がほぼ完全に除去され、無水シリコン酸化物が形成されたことが明らかとなった。この示差熱分析の結果を、図4に示す。また、このようにして得られた無水シリコン酸化物の質量は、57〜59g(0.97〜0.98mol)であり、その収率は95〜98%であった。参考例1〜6の収率の結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
Figure 2004115349
【0036】
表3に示すとおり、参考例1〜3はいずれも収率が96〜98%と良好であり、しかも平均粒径が10〜40μmである原料のシリコンは比較的価格が低いので無水シリコン酸化物をより低コストで製造することができる。一方、参考例4および5では収率が98%程度とより高くなっているものの、このようなより微細な平均粒径を有するシリコンは価格が顕著に高いため無水シリコン酸化物のコストが高くなる。また、参考例6は、平均粒径が比較的大きいため無水シリコン酸化物のコストはより低くなるが、収率が一段と悪化するのでトータルコストは高くなる。
【0037】
さらに、前記の各無水シリコン酸化物を、窒素気流中、大気圧で、1400℃に昇温(昇温速度:5℃/min)して1時間加熱した後、室温に戻してX線回折測定を行った。その結果、クリスタルバライトの結晶構造を有する無水シリコン酸化物が形成されたことが明らかとなった。このX線回折測定の結果を、SiOクリスタルバライトのピークデータと対照させて図5に示す。
【0038】
このような熱処理条件で前記クリスタルバライトが得られることは、シリコン酸化物系の平衡状態図からも示唆される。以上の結果より、シリコン酸化物系の平衡状態図に基づいて、前記無水シリコン酸化物に種々の熱処理を施すことにより、各種のシリコン酸化物の結晶を作製することが可能である。
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の水素発生方法は、以下の優れた効果を奏する。
請求項1に記載の発明によると、電力等の外部エネルギを使用することなしに副産物の対策なしに実質的にクリーンなエネルギとしての水素を得ることが可能となる。
また、反応に使用するのは水道水等の水とシリコンであるので低コストで水素を製造可能である。更に、水は液体の状態で反応させるので(常圧下で100℃以下)、簡単な構成で水素を発生することができる。また、本発明の水素発生方法は、酸化反応を使用するので、簡単な構成で水素を発生することができる。更に、本発明の水素発生反応は、水温および反応系の圧力の少なくとも一方を調整することによって制御可能である。
請求項2に記載の発明によると、水素の発生量を増加させ、かつ安定して水素を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)および(b)は、本発明による水素の製造を確認するための装置である。
【図2】図1(b)に示す実験装置を用いて、時間と水素との発生量を調べた結果を示すグラフである。
【図3】図1(b)に示す実験装置を用いて、水素の純度と水素の発生量の関係を調べた結果を示すグラフである。
【図4】本発明の参考例の無水シリコン酸化物で測定した示差熱分析の結果を示すグラフである。
【図5】本発明の参考例の無水シリコン酸化物で測定したX線回折測定の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1     反応容器
2     加熱手段
3     気液分離トラップ
4     水槽
5     捕集器

Claims (2)

  1. シリコン(Si)と水(HO)とを酸化反応させて水素を発生させることを特徴とする水素の製造方法。
  2. 使用するシリコンは、平均粒径5〜100μmを有する粉末であることを特徴とする請求項1に記載の水素の製造方法。
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