JPWO2016031362A1 - トリクロロシランの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
テトラクロロシランは、トリクロロシランを用いてシリコンを製造する際や、流動床反応器を用いてシリコンと塩化水素とを反応させた際に副生することが知られている。そのため、テトラクロロシランを有効活用することが大きな意味を持つものとなっている。
特許文献1には、テトラクロロシランと水素とを反応させる際に、600〜1200℃の範囲内の温度でトリクロロシラン及び塩化水素と反応平衡にあるモル組成1:1〜1:50のテトラクロロシラン/H2の混合物を取り出し、この混合物を急激に300℃以下に急冷する工程を備える方法が開示されている。
特許文献2には、テトラクロロシラン及び水素の混合物を、1100〜1600℃の発熱体に吹き付ける工程を備える方法が開示されている。
特許文献3には、テトラクロロシランと水素とを、1100〜1600℃の発熱体に吹き付ける工程を備え、テトラクロロシランを発熱体の近傍に供給し、水素をそれより離れた位置に供給する方法が開示されている。
特許文献4には、珪素粒子、テトラクロロシラン及び水素を、添加した銅シリサイドを含む触媒の存在下、400〜700℃の温度下に流動層で反応させる方法が開示されている。
また、特許文献5には、シリコン粒子の流動床を備える反応容器にマイクロ波放射線をかけてシリコン粒子を300〜1100℃に加熱し、テトラクロロシラン及び水素を含む反応ガスを、流動床を通過させて、シリコン粒子と反応させる工程を備える方法が開示されている。
特許文献4における具体的な製造方法は、流動層反応器を使用するものであり、装置の構成が複雑で、珪素粒子による閉塞、穴あき等を生じ得る。また、銅触媒を用いているものの、反応性が十分ではなく、銅触媒の揮発性も高いため、最終製品に不純物として含有されてしまうという問題があった。また、反応器内は、通常、加圧系であるため、設備及び運転コストが高くなる傾向がある。
特許文献5の製造方法は、マイクロ波加熱を用いることから、加熱効率は良好である。しかしながら、シリコン粒子を備える流動床を用いる欠点は、解消されない。
以上より、エネルギー効率が良好であり、設備・運転コストが低く、製造装置の汚染の懸念がなく、高収率で安定にトリクロロシランを製造する方法が望まれている。
1.マイクロ波の照射により600〜1000℃に加熱された発熱体を含む系に、テトラクロロシラン及び水素ガスを供給し、トリクロロシランを生成させる工程を備えることを特徴とするトリクロロシランの製造方法。
2.上記発熱体が活性炭を含む上記1に記載のトリクロロシランの製造方法。
3.上記テトラクロロシラン及び上記水素ガスの使用量が、モル比で、1:1〜1:10である上記1又は2に記載のトリクロロシランの製造方法。
4.上記発熱体の温度が700〜900℃である上記1乃至3のいずれか一項に記載のトリクロロシランの製造方法。
5.筒型反応器と、該筒型反応器の内部に配設された発熱体と、該筒型反応器の外側に配設されたマイクロ波照射手段とを備える流通型製造装置を用いるトリクロロシランの製造方法であって、
上記テトラクロロシラン及び上記水素ガスを、上記筒型反応器の一端側開口部から上記筒型反応器の内部に導入し、上記マイクロ波照射手段により加熱された上記発熱体の近傍においてトリクロロシランを生成させ、該トリクロロシランを、上記筒型反応器の他端側開口部から排出する上記1乃至4のいずれか一項に記載のトリクロロシランの製造方法。
発熱体の温度が700〜900℃である場合には、シリコンの析出が抑制されるので、製造装置の閉塞等による構成部材の交換が不要であり、トリクロロシランを低コストで製造することができる。
筒型反応器と、発熱体と、マイクロ波照射手段とを備える流通型製造装置を用いる場合には、反応系(筒型反応器内)では、マイクロ波が照射された発熱体のみが所定の温度に加熱されるので、発熱体の周辺でテトラクロロシランが還元されて生成したトリクロロシランは、発熱体から離れた位置では、自然に冷却されることとなるので、別途、冷却手段を備える必要がなく、単純な設備で効率よく製造を進めることができる。
SiCl4 + H2 → HSiCl3 + HCl
上記式によるトリクロロシランの製造は、反応効率の観点から、テトラクロロシラン及び水素ガスの使用量を、モル比で、好ましくは1:1〜1:30、より好ましくは1:1〜1:10として、600℃以上の高い温度で行われる。本発明では、発熱体を含む系で反応させることから、600〜1000℃の範囲の温度で、発熱体等へのシリコンの析出を抑制しつつ、又は、低減させつつ、円滑に還元反応を進めることができる。尚、発熱体の好ましい温度は、トリクロロシランの収率が高く、確実にシリコンの析出が抑制されることから、700〜900℃である。
上記発熱体の構成材料は、マイクロ波を吸収して発熱する誘電体等であり、発熱中に、分解、変質、脱ガス等を引き起こさないものであれば、特に限定されない。好ましい材料は、炭素系材料、金属、セラミックス等である。これらのうち、炭素系材料がより好ましく、操作性、経済性等の観点から、活性炭が特に好ましい。活性炭は、多孔質の粒状成形物であり、発熱体として用いる場合には、通常、その集合体とされる。活性炭のような粒状成形物の大きさは、特に限定されないが、平均粒径は、好ましくは100〜5000μm、より好ましくは500〜3000μmである。
マイクロ波発振器に、富士電波工機社製共振型シングルモードアプリケータ(マイクロ波出力:200W)を取り付けた装置を用いた。
また、図1に示すように、内径8mm、外径10mm及び長さ300mmの石英管の中央部において、0.2gの活性炭(0.9〜1.1mm破砕状)を石英ウールで保持させ(充填された活性炭の合計長さ:約20mm)、上方側の開口部から、原料ガスを供給し、下方側の開口部から生成ガスを排出するような反応系を作製した。放射装置と石英管とを、加熱される活性炭がシングルモードアプリケータ内の磁場の最大位置に対応するように配置した。
まず、水素ガスのみを、毎分50mlの速度で石英管に導入し、その後、周波数2450MHzのマイクロ波を照射した。加熱された活性炭の温度を、赤外線放射温度計にて測定し、800℃で安定したことを確認したところで、テトラクロロシランガスの導入を開始した(水素:テトラクロロシランのモル比=3:1)。このときの石英管内における原料ガスの空間速度は、4000/hrである。石英管の下方側から排出されるトリクロロシラン含有ガスを、注射器にて、1mlサンプリングし、ガスクロマトグラフにより分析したところ、トリクロロシラン濃度は23.6%であった。また、この工程を1時間行った後、活性炭を目視観察したところ、使用前と同じ黒色でシリコンの堆積は見られなかった。以上の結果を表1に示す。
マイクロ波により加熱した活性炭の温度を、600℃、700℃、900℃及び1000℃とした以外は、実施例1と同様にして、トリクロロシランを製造した(表1参照)。
マイクロ波により加熱した活性炭の温度を、1100℃及び1200℃とした以外は、実施例1と同様にして、トリクロロシランを製造した(表1参照)。
石英管内に活性炭を保持せず、原料ガスのみが流れるようにし、また、マイクロ波の照射に代えて、ニクロム線により石英管を900℃に加熱した以外は、実施例1と同様にして、トリクロロシランを製造した(表1参照)。
マイクロ波の照射に代えて、ニクロム線により石英管内の活性炭を800℃(熱電対温度計により測温)に加熱した以外は、実施例1と同様にして、トリクロロシランを製造した(表1参照)。
活性炭を700℃に加熱した以外は、比較例4と同様にして、トリクロロシランを製造した(表1参照)。
Claims (5)
- マイクロ波の照射により600〜1000℃に加熱された発熱体を含む系に、テトラクロロシラン及び水素ガスを供給し、トリクロロシランを生成させる工程を備えることを特徴とするトリクロロシランの製造方法。
- 前記発熱体が活性炭を含む請求項1に記載のトリクロロシランの製造方法。
- 前記テトラクロロシラン及び前記水素ガスの使用量が、モル比で、1:1〜1:10である請求項1又は2に記載のトリクロロシランの製造方法。
- 前記発熱体の温度が700〜900℃である請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトリクロロシランの製造方法。
- 筒型反応器と、該筒型反応器の内部に配設された発熱体と、該筒型反応器の外側に配設されたマイクロ波照射手段とを備える流通型製造装置を用いるトリクロロシランの製造方法であって、
前記テトラクロロシラン及び上記水素ガスを、前記筒型反応器の一端側開口部から前記筒型反応器の内部に導入し、前記マイクロ波照射手段により加熱された前記発熱体の近傍においてトリクロロシランを生成させ、該トリクロロシランを、前記筒型反応器の他端側開口部から排出する請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトリクロロシランの製造方法。
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