JP2011178611A - シリコン生成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】SiHCl3からSiを生成する際の反応効率を向上させる。
【解決手段】H2とAr等のキャリアガスをパルス熱プラズマ発生装置であるプラズマ発生部に導入して水素ラジカルを含むプラズマを発生させ、当該プラズマをSiHCl3と反応させる。H2をSiHCl3と反応させる従来技術で優先的に起こるSiCl4生成反応が抑止され、Siを効率よく生成することができる。
【選択図】図2
【解決手段】H2とAr等のキャリアガスをパルス熱プラズマ発生装置であるプラズマ発生部に導入して水素ラジカルを含むプラズマを発生させ、当該プラズマをSiHCl3と反応させる。H2をSiHCl3と反応させる従来技術で優先的に起こるSiCl4生成反応が抑止され、Siを効率よく生成することができる。
【選択図】図2
Description
本発明はクロロシラン系物質(SiHxCl4−x、0<x<4)からシリコン(Si)を生成する方法に関し、特にその反応効率を高める方法に関する。
エレクトロニクスや太陽電池などのSi半導体デバイスを作製するには、その原料として高純度のSiを使用する必要がある。従来このような高純度のSiを生成する方法としてトリクロロシラン(SiHCl3)と水素(H2)との還元反応を利用してきた。この還元反応を利用してSiを生成する工業的に確立された方法としては、Siロッドを加熱してその表面にSiを生成するシーメンス法、および反応表面積を稼ぐためにSi粒子を対流させながらSi粒を大きく成長させる流動床法がある。
しかしながら、いずれの方法においても原料にSiHCl3とH2を用いるために、副生成物であるテトラクロロシラン(SiCl4)が優先的に生成される。その結果、Si生成反応としてのこれら反応の反応効率は25%と低くなってしまう。今後特に太陽電池用としてSiを大量にしかも低価格で提供する必要性がますます強くなることが予測されている現在、その原料のSiの生成がこのような低効率であることは、生産量、生産コストのいずれの面においても深刻な問題となる。
本発明は、SiHCl3などのクロロシラン系物質からSiを生成する際の反応効率を向上させることを課題とする。効率を向上させたSi生成反応を大気圧付近で行うことができるようにすることも本発明の他の課題である。
本発明の一側面によれば、クロロシラン系物質(SiHxCl4−x、0<x<4)に水素ラジカルを反応させてシリコンを生成するシリコン生成方法が与えられる。
前記水素ラジカルはパルス熱プラズマ発生装置により発生させてよい。
また、前記パルス熱プラズマ発生装置にArとH2の混合ガスを供給して熱プラズマを発生させてよい。
また、前記パルス熱プラズマ発生装置にArとH2の混合ガスを供給して熱プラズマを発生させてよい。
また、前記パルス熱プラズマ発生装置から供給される水素ラジカルを含んだプラズマとクロロシラン系物質を基板上で混合して反応させ、生成したSiを前記基板に堆積させてよい。
また、前記クロロシラン系物質はトリクロロシラン(SiHCl3)またはテトラクロロシラン(SiCl4)であってよい。
本発明によれば、水素ラジカルをクロロシラン系物質と反応させることによって、従来の方法よりも高収率かつ低温でSiを生成することができる。また、水素ラジカルの発生源としてパルス熱プラズマ発生装置を使用することにより、大気圧付近の圧力下でこの反応を進めることができるので、プロセスの管理上も有利である。
本願発明者は鋭意研究の結果、熱力学的計算によれば、H2の代わりに水素ラジカルをSiHCl3と反応させることにより、Si生成反応としての反応効率が格段に向上するとともに、従来よりも低温でこの生成反応を行うことが可能であることを見いだした。本発明はこの知見に基づいて為されたものである。
従来のSi生成方法で使用されていたH2をSiHCl3と反応させる際の反応は以下のように行われる。
SiHCl3+H2→Si+3HCl ・・・ (1)
4SiHCl3+H2→3SiCl4+H2 ・・・ (2)
4SiHCl3(熱分解)→3SiCl4+H2 ・・・ (3)
4SiHCl3+H2→3SiCl4+H2 ・・・ (2)
4SiHCl3(熱分解)→3SiCl4+H2 ・・・ (3)
これに対して本発明の水素ラジカルを使用した反応は以下の通りである。
SiHCl3+2H→Si+3HCl ・・・ (4)
図1にこれらの反応の熱力学計算の結果を示す。この図はギブスの自由エネルギーΔGがゼロ以下であれば反応が進むことを示唆している。Hラジカルを用いた反応(4)では計算した温度領域においてΔG<0となり、Hラジカルの有用性とSi生成の低温化が期待される。
なお、上ではSiHCl3を例に挙げて説明したが、本発明のSi生成方法の原料物質はこれに限定されるものではない。上と同様な熱力学計算により、たとえばSiCl4なども同様にSiを生成できることもわかっているので、本発明の方法によれば、一般にクロロシラン系物質を原料としてSiを生成することができる。
本願発明者はまた、原料としてSiHCl3などのクロロシラン系物質と水素ラジカルを使用した反応を行う際の具体的な水素ラジカル発生源として、パルス熱プラズマ発生装置を利用するという着想を得た。パルス熱プラズマ発生装置は大気圧付近(200Torr−760Torr)の圧力のプラズマを発生・供給することができる(パルス熱プラズマ発生装置の構成、動作などについては非特許文献2を参照されたい)。従って、H2を含むガスをパルス熱プラズマ発生装置に与えることで発生する水素ラジカルを含むプラズマをSiHCl3との反応用に供給することで、この反応室内を真空に近い状態(従来の方法では通常は数Torrの低圧下で反応させる)まで減圧する必要がなくなる。これにより、反応装置の運用の負担を軽減することができるようになる。もちろん、状況に応じて他の手段によって水素ラジカルを発生してこのSi生成反応の原料として供給することもできる。
図2は本発明のSi生成方法の反応を実験するために使用した反応装置の構成を示す概念図である。図2の概念図にはその右側にCCD分光装置が図示されているが、これは反応を行うためのものではなく、以下で説明するパルス熱プラズマからの発光スペクトルを測定するために必要な構成である。
図2の上部にはパルス熱プラズマ発生装置であるプラズマ発生部が示されている。プラズマ発生部の上部から導入されるArとH2の混合ガス(ArとH2の流量はそれぞれ98L/m、6L/m)はこのプラズマ発生部に巻回された高周波コイルに流れる高周波電流により、プラズマとなり、その下にあるホルダー(縦長の黒い長方形で示す)頂部に載置された基板に供給される。なお、図3、図4などに示す結果を得た実験では、その際の圧力を200torrとした。また、基板の左側からはプラズマ発生部を経由せずにSiHCl3が供給される。これら2つが基板上で混合されて反応し、基板上にSiが堆積する。
図3(a)はプラズマ発生部で発生したパルス熱プラズマからの発光スペクトルである。これにより、上述のようにして発生したパルス熱プラズマ中に水素ラジカルのピークが存在していることから、確かにパルス熱プラズマ中に水素ラジカルが存在していることが確認できた。
図3(b)のグラフの実線はSiHCl3を75sscmで図1に示すように導入した際の発光スペクトル、波線は比較対照用にSiHCl3を導入していない場合に測定した発光スペクトルである。これにより、SiHCl3を導入するとSiを生成する反応が起こったことが確認できた。
図4は上記反応によって基板上に堆積した物質のラマン分光測定結果のピーク位置(黒丸でプロット、値は左側の縦軸に表示)及びピークの半値幅(黒い正方形でプロット、値は右側の縦軸に表示)を示す。またその差し込み図は当該ラマン分光測定結果のグラフである。これにより、この堆積物からはSiに起因する520cm−1でのピークを確認し、従ってこの堆積物は反応によって生成されたSiであることが確認できた。
環境・エネルギー問題を解決する有力な方法として太陽電池の活用があげられ、将来的にも積極的な導入が求められているが、その原料となる太陽電池グレードSiの供給が不足する懸念がある。新にエネルギー問題に寄与する太陽電池原料はSi以外になく、Si生成の高効率化は経済的にも大いに期待される。
High rate epitaxy of silicon thick films by medium pressure plasma chemical vapor deposition, J. Appl. Phys. 99, 074901 (2006);
T.Ishigaki et al., Appl. Phys. Lett., 71, 3787 (1997).M. Kambara, H. Yagi, M. Sawayanagi, and T. Yoshida
Claims (5)
- クロロシラン系物質(SiHxCl4−x、0<x<4)に水素ラジカルを反応させてシリコンを生成するシリコン生成方法。
- 前記水素ラジカルはパルス熱プラズマ発生装置により発生させる、請求項1に記載の方法。
- 前記パルス熱プラズマ発生装置にArとH2の混合ガスを供給してパルス熱プラズマを発生させる、請求項2に記載の方法。
- 前記パルス熱プラズマ発生装置から供給される水素ラジカルを含んだプラズマとクロロシラン系物質を基板上で混合して反応させ、生成したSiを前記基板に堆積させる、請求項1から3の何れかに記載の方法。
- 前記クロロシラン系物質はトリクロロシラン(SiHCl3)またはテトラクロロシラン(SiCl4)である、請求項1から4の何れかに記載の方法。
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JP2010044982A JP2011178611A (ja) | 2010-03-02 | 2010-03-02 | シリコン生成方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9297765B2 (en) | 2013-03-14 | 2016-03-29 | Sunedison, Inc. | Gas decomposition reactor feedback control using Raman spectrometry |
JP2018135603A (ja) * | 2018-03-22 | 2018-08-30 | プラサド ナーハー ガジル | セラミック薄膜の低温堆積方法 |
CN114694760A (zh) * | 2022-04-08 | 2022-07-01 | 中国恩菲工程技术有限公司 | 化学产物的确定方法、装置、存储介质以及电子装置 |
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2010
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