JP6178006B2 - 流動床反応器を操作する方法 - Google Patents

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Description

本発明は流動床反応器を操作する方法に関する。
流動床反応器は、例えば、350から400℃で金属シリコンとHClとの反応によってトリクロロシラン(TCS)を製造するのに使用される。同様に、流動床反応器で金属シリコンとSTC/H(STC=四塩化ケイ素)からTCSを製造することもできる。
流動床反応器は多結晶シリコン顆粒を製造するためにも使用される。これは、加熱装置によって高温に加熱される流動床におけるガスの流れによるシリコン粒子の流動化によって達成される。シリコン含有反応ガスを添加することにより、熱分解反応が高温の粒子表面で進む。これにより、元素シリコンがシリコン粒子上に堆積され、個々の粒子の直径が成長する。成長粒子の定期的除去、およびより小さいシリコン粒子のシード粒子(本明細書で後に「シード」と呼ばれる)を通じて、この方法はすべての関連する利点を持って連続的に操作することができる。記載されたシリコン含有反応物ガスはシリコン−ハロゲン化合物(例えば、クロロシランまたはブロモシラン)、モノシラン(SiH)、およびこれらのガスと水素との混合物である。この種の蒸着方法およびそのための装置は、例えば、US4786477Aから知られている。
流動床反応器の分解および再組み立てにおいて、酸素および空気の湿度が、周囲雰囲気を介して、反応器内部および必ずオープンパイプラインに入る。
US8017024B2は、流動床反応器内で多結晶シリコン顆粒を製造する方法を開示する。蒸着が完了した後、例えば、H、N、Ar、Heまたはこれらのガスの混合物のような不活性ガスでパージしつつ、反応器の内部が冷却される。その後、冷却されたシリコン粒子を抜き出し、反応器を分解し、反応器管を新しいものに置き換え、反応器を再組立てし、シリコン粒子を反応器管に導入する。続いて、シリコン粒子を加熱し、新たな蒸着操作が開始する。
US6827786B2も流動床反応器を記載する。その目的は、顆粒を低いレベルの炭素および酸素不純物を含有するガスと接触させることによってエネルギーを回収することである。
米国特許第4786477号明細書 米国特許第8017024号明細書 米国特許第6827786号明細書
以上のような問題によって、本発明の目的が生じる。
この目的は、不活性ガスによる反応器および流入ガスラインのパージa;Hによる反応器および流入ガスラインのパージb;ハロシランまたはハロシランを含む混合物による反応器および流入ガスラインのパージcとを含む、流動床反応器を操作する方法によって達成される。
開始の過程で、時間に対する不活性ガス、H、およびクロロシラン流の比率のプロファイルを示す。 停止の過程で、時間に対する不活性ガス、H、およびクロロシラン流の比率のプロファイルを示す。
によるパージングは、好ましくは、100から1000℃の温度までの加熱と同時に起こる。
好ましくは、a−b−cの順のパージ操作、即ち、不活性ガスによる第1のパージング、次いでHによるパージング、次いでハロシランまたはハロシランを含む混合物によるパージングの後、ハロシランを含む反応ガスによる、シード粒子上への多結晶シリコンの蒸着が続く。
本発明の高純度多結晶シリコン顆粒は、好ましくは、流動床内のシリコンのシード結晶上への反応ガスの蒸着によって製造される。
反応ガスは、好ましくは水素およびハロシランの混合物からなり、より好ましくは水素およびトリクロロシランの混合物からなる。
蒸着は、好ましくは700℃から1200℃の反応域における流動床の温度で行われる。
流動床に初期充填されたシード結晶は、好ましくはシリコンを含まない流動化ガス、好ましくは水素の助けで流動化され、熱放射によって加熱される。
熱エネルギーは、好ましくは、二次元ラジエーターによって流動床の周囲にわたって均一に導入される。
反応ゾーンにおいて、シリコン含有反応ガスがCVD反応のためにシリコン粒子上に元素状シリコンとして蒸着される。
未反応ガス、流動化ガスおよびガス状反応副産物が反応器から除去される。
蒸着されたシリコンが与えられた粒子を流動床から定期的に除去し、シード結晶を添加することにより、この方法は連続的に操作することができる。
反応域内の流動床の温度は、より好ましくは850℃から1100℃、最も好ましくは900℃から1050℃である。
反応ガスは、好ましくは、1つ以上のノズルを介して流動床に注入される。
流動床内の絶対圧は、好ましくは0.1MPaから1.1MPaの間、より好ましくは0.15MPaから0.7MPaの間、最も好ましくは0.2MPaから0.5MPaの間である。
シリコン含有反応ガスの濃度は、流動床により運ばれる総ガス体積に基づいて、好ましくは10モル%から50モル%、より好ましくは15モル%から40モル%である。
反応ガスノズル内のシリコン含有反応ガスの濃度は、反応ガスノズルにより運ばれる総ガス体積に基づいて、好ましくは20モル%から50モル%である。
流動床内の反応ガスの平均滞留時間は、好ましくは100ミリ秒から10秒、より好ましくは150ミリ秒から5秒、特に好ましくは200ミリ秒から2秒である。
流動床は、好ましくは気泡形成流動床として操作される。操作のスラッギングモードは、流動床の気泡が流動床の直径まで成長し、気泡が崩壊するまで、圧縮された流動床材料を固体のスラッグとして上方に押し出すものであるが、これは、例えば、床直径に対する床高さの最小比(フラットベッド)の選択のような措置によって、または流動床に機械的な気泡破壊装置を配置することによって回避することが好ましい。
好ましくは、反応ガスがハロシランを含む、シード粒子上の多結晶シリコンの蒸着の後、ハロシランを含む反応ガスの供給の停止、次いでパージ操作b−a、即ち、Hによる最初のパージングに続いて不活性ガスによるパージングが続き、続いて反応器が開放され、分解される。
好ましくは、不活性ガスによる反応器および流入ガスラインのさらなるパージが反応器の分解および再組立ての間に行われる。
好ましくは、パージa、b、およびcの1つ以上が圧力スイングパージングによって強化される。
不活性ガスは、好ましくは、窒素、または希ガス、例えば、ヘリウムまたはアルゴンである。
本発明は、反応器がハロシラン/水素の混合物で開始される前に、反応器の不活性化を提供する。これは、第一に、水素/酸素ガスの爆発を回避するのに役立ち、第二に水分または水分により誘発される不純物(例えば、鋼からリン等)で多結晶シリコン顆粒製品が汚染されることが回避される。本発明のパージ操作は従来技術から知られている手順よりもはるかに有効であることが見出された。
また、反応器を停止する場合も、ハロシラン/水素の混合物が供給される相を不活性化によって第1の開口から分離することは有利である。何故ならば、そうでなければ反応ガスが周囲に入り込む可能性があるからである。
(開始時に)不活性ガス、次いで水素で、または(停止時に)水素、次いで不活性ガスでパージングすると、蒸着の前後に反応条件から周囲条件を分離するのに役立つ。
ハロシランは、好ましくは、クロロシランである。トリクロロシランを使用することが特に好ましい。
不活性化は、規定された体積流量で規定された時間、適切な相間で、不活性ガスでパージ操作することにより行われる。
開始時に、パージングが不活性ガスで最初に行われ、次いで、反応器にトリクロロシラン/水素の混合物が充填される。
停止には、トリクロロシラン/水素のフィードを閉じた後、パージングが不活性ガスで最初に行われ、次いで反応器が開かれる。
本発明の具体的な利点は次のとおりである。
−不活性状態が制御された走行曲線で確立される。
−あらゆる爆発性混合物が防止される。
−水分の侵入による製品の汚染が低減される。
具体的な利点は、不活性ガスによるパージング方法によりシード粒子と共に導入される水分による汚染がさらに低減されることである。
パージ操作において、パイプラインおよび反応器の体積は、パージ時間およびパージガス体積の両方にとって重要である。また、後の蒸着方法により製造されたシリコン顆粒の製品品質の所望のレベルがパージ時間およびパージガス体積に影響する。従って、半導体産業用の高純度の製品の場合には、ソーラ用途よりも長くパージする必要がある。
好適な開始手順:
1.パージ操作a:Oおよび水分を除去するための規定された期間、反応器および流入ガスラインを不活性ガス(N、Ar、He)でパージング。
パージ操作aは0.5から10時間の期間行われる。流動化ガスおよび反応ガスのガスヒーターは、ここで、室温で駆動される。パージングは、10から500m(STP)/時間のパージガス速度で行われ、パージガスは、100%の不活性ガス、例えば、窒素からなる。
2.パージ操作b:不活性ガスを除去するための規定された期間、反応器および流入ガスラインをHでパージング。
パージ操作bは2から100時間の期間行われる。ガスヒーターは、ここで100から1000℃の温度で駆動される。パージングは、200から1000m(STP)/時間のパージガス速度で行われ、パージガスは、100%の水素からなる。
3.パージ操作c:一定の表面ガス速度で、向かい合った斜面で、Hをクロロシランまたはクロロシランの混合物で交換。
パージ操作cは2から50時間の期間行われる。次の基準が満たされるように、パージガス速度が設定される。
シリコン含有反応ガスの濃度は、流動床によって運ばれる総ガス体積に基づいて、好ましくは10モル%から50モル%、より好ましくは15モル%から40モル%である。
反応ガスノズル内のシリコン含有反応ガスの濃度は、反応ガスノズルによって運ばれる総ガス体積に基づいて、好ましくは20モル%から50モル%である。
結果的に、パージングは蒸着にも使用される同じガス体積で行われる。この期間に蒸着される顆粒は等級外材料へ降級される。ガスヒーターはここで100から1000℃の温度で駆動される。反応器ヒータのスイッチが入れられる。
パージングは連続的でもよいし、または圧力スイングパージングによって強化されてもよい。
好適な停止操作:
1.クロロシランフィードを閉じる。
2.パージ操作b:反応器および流入ガスラインをHでパージング。パージ操作bは1から20時間の期間行われる。ガスヒーターは、ここで100から1000℃の温度で駆動される。パージングは、50から800m(STP)/時間のパージガス速度で行われる。
3.反応器および流入ガスラインを不活性ガス(N、Ar、He)で不活性化。パージ操作aは1から20時間の期間行われる。ガスヒーターは、室温で駆動される。パージングは、10から500m(STP)/時間のパージガス速度で行われる。
4.プラントを開き、および分解
パージングは圧力スイングパージングによって強化することもできる。
バッチ変更時に、不活性ガスを用いてさらにダウンタイムパージングを行うことができる。
この目的のために、反応器に至るすべてのパイプラインおよび反応器から離れるすべてのパイプラインが不活性ガスでパージされる。パージガス速度は室温で1から500m(STP)/時間の間に及ぶ。
反応器が再組立て直後に開始されない場合には、組み立てられた状態でダウンタイムパージングが行われる。これは、反応器に至るすべてのパイプラインおよび反応器から離れるすべてのパイプラインならびに反応器自身を1から500m(STP)/時間のパージガス速度で不活性ガスによりパージすることを含む。この措置は、運転停止時間に汚れが生じることを防ぐ。汚れは、例えば、デッドスペースまたはパイプアームからの残留化合物が抜ける際の腐食の結果起こり得る。これらは製品品質に悪影響を与える。
以下、図1および図2により本発明を詳細に説明する。
図1は、パージングがもっぱら不活性ガスで数時間、最初に実行されることを示す。次いで、パージングは同様にH2のみで数時間実行される。その後、前述の濃度がもたらされるように、クロロシランがH2ガス流に添加される。
図2はクロロシランフィードが最初に停止され、H2フィードが増加され、パージングがもっぱらH2で数時間行われることを示す。その後、パージングは不活性ガスのみでも、同様に数時間行われる。
400mmの内径の反応器を2時間にわたりパージ操作bでパージする。ガス速度は600m(STP)/時であり、反応ガスおよび流動化ガスのガスヒーターは、500℃の温度に設定される。
リンおよびホウ素ドーパントの開始カーブは比較的低調で、<800pptaというリン汚染および<50pptaというホウ素汚染を有する最高品質の材料をたった2週間という反応器の実行時間後に製造することができる。この材料は半導体の用途ではなく、ソーラ用途のために適切である。
400mmの内径の反応器を30時間にわたりパージ操作bでパージする。ガス速度は600m(STP)/時であり、反応ガスおよび流動化ガスのガスヒーターは、100℃の温度に設定される。
リンおよびホウ素ドーパントの開始カーブは低調であり、<800pptaというリン汚染および<50pptaというホウ素汚染を有する最高品質の材料をたった1.5週間という反応器の実行時間後に製造することができる。この材料は半導体の用途ではなく、ソーラ用途のために適切である。
400mmの内径の反応器を30時間にわたりパージ操作bでパージする。ガス速度は200m(STP)/時であり、反応ガスおよび流動化ガスのガスヒーターは、500℃の温度に設定される。
リンおよびホウ素ドーパントの開始カーブは低調で、<800pptaというリン汚染および<50pptaというホウ素汚染を有する最高品質の材料をたった2週間という反応器の実行時間後に製造することができる。この材料は半導体の用途ではなく、ソーラ用途のために適切である。
400mmの内径の反応器を30時間にわたりパージ操作bでパージする。ガス速度は600m(STP)/時であり、反応ガスおよび流動化ガスのガスヒーターは、500℃の温度に設定される。
たった2日の実行時間後に、半導体産業用の最高品質の材料が得られ、これは<200pptaというリン汚染および<30pptaというホウ素汚染を有する。

Claims (8)

  1. 室温にて、10から500m(STP)/時間のガス速度で0.5から10時間、不活性ガスによ反応器および流入ガスラインをパージするパージ(a);
    ガスヒーターにて100から1000℃の温度まで加熱されたによ反応器および流入ガスラインをパージするパージ(b)、ここで、該H によるパージングは、200から1000m(STP)/時間のガス速度で2から100時間行われ;ならびに
    流動床により運ばれる総ガス速度に基づくトリクロロシランまたはトリクロロシラン混合物の濃度が10モル%から50モル%であり、反応ガスノズルにより運ばれる総ガス速度に基づくトリクロロシランまたはトリクロロシラン混合物の濃度が20モル%から50モル%であるパージガスの量で、2から50時間、ガスヒーターにて100から1000℃の温度まで加熱されたトリクロロシランまたはトリクロロシランを含む混合物によ反応器および流入ガスラインをパージするパージ(c)を含む、
    シリコンおよびHClから、またはシリコンおよびH/テトラクロロシランからトリクロロシランを製造するため、あるいはトリクロロシランからシリコンを製造するための、流動床反応器を操作する方法。
  2. −(cの順のパージ操作の後、トリクロロシランを含む反応ガスによる、シード粒子上への多結晶シリコンの蒸着が続く、請求項1に記載の方法。
  3. 反応ガスが、水素およびトリクロロシランを含む、請求項2に記載の方法。
  4. トリクロロシランを含む反応ガスによる、シード粒子上の多結晶シリコンの蒸着の後、トリクロロシランを含む反応ガスの供給停止パージ(b)にて、ガスヒーターにて100から1000℃の温度まで加熱されたにより、反応器および流入ガスラインパージ、ここで、該水素によるパージングは50から800m(STP)/時間のガス速度で1から20時間行われ、次いで不活性ガスによる反応器および流入ガスラインのパージが、室温にて、10から500m(STP)/時間のガス速度で1から20時間行われ、続いて反応器が開放され、分解される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 続いて反応器が再組立てされ、シード粒子が添加される、請求項4に記載の方法。
  6. 不活性ガスによる反応器および流入ガスラインのさらなるパージが反応器の分解および再組立ての間に行われる、請求項5に記載の方法。
  7. パージ、およびの1つ以上が圧力スイングパージングによって強化される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 不活性ガスが、窒素または希ガスである、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
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