JP2009227514A - シリコン製造プロセス - Google Patents

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【課題】水素ガスを循環しながらトリクロロシランを反応器に供給して反応器内にシリコンを生成させるシリコン製造プロセスにおいて、排出される水素ガス中に含まれるトリクロロシランなどの凝縮による漏洩や、ガスの組成変動による温度上昇による不都合が有効に解消され、シリコンの製造を連続して安定に行う。
【解決手段】水素ガスを反応器に循環して連続供給すると同時にトリクロロシランを該反応器に供給し、該反応器内での反応によりシリコンを生成せしめるシリコン製造プロセスにおいて、水素ガスの循環供給を、コンプレッサーを用いて行い、循環される水素ガスに含まれる塩化水素ガスを吸着処理により除去すると共に、水素ガスに含まれる他のガス成分を、コンプレッサーの上流側での低圧深冷及びコンプレッサーの下流側での高圧深冷により除去する。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコン製造プロセスに関するものであり、より詳細には、水素ガスを反応器に循環供給しながら該反応器にトリクロロシランを供給し、トリクロロシランと水素との反応によりシリコンを製造するプロセスに関するものである。
従来から、半導体あるいは太陽光発電用ウェハーの原料として使用されるシリコンを製造する方法は種々知られており、そのうちのいくつかは既に工業的に実施されている。例えばその一つはシーメンス法と呼ばれる方法であり、通電によりシリコンの析出温度に加熱したシリコン棒をベルジャー内部に配置し、ここにトリクロロシラン(SiHCl)やモノシラン(SiH)を、水素等の還元性ガスと共に接触させてシリコンを析出させる方法である。この方法は高純度なシリコンが得られることが特徴であり、最も一般的な方法として実施されているが、析出がバッチ式であるため、種となるシリコン棒の設置、シリコン棒の通電加熱、析出、冷却、取り出し、ベルジャーの洗浄等、極めて煩雑な手順を行わなければならないという問題点がある。
また、このような問題点を解決した方法として、トリクロロシランと水素とを反応器に供給し、反応器の上部の壁面にシリコンを析出させ、析出したシリコンを溶融させて反応器の下部に落下させ、これを冷却固化して取り出す方法が提案されている(特許文献1)。この方法では、反応器内にシリコン棒を設置する必要が無く、反応器内をシンプルな構造とすることができるばかりか、シリコンが析出する反応器内の上部と、シリコンの取出しが行われる反応器内の下部とが適宜遮断される構造としておけば、反応を長期間にわたって連続して行うことができるため、その工業的利点は極めて大きい。
特許第3958092号
ところで、特許文献1の方法では、通常、反応に供する水素ガスは、往復式、回転式等のコンプレッサーにより反応器に循環供給され、水素ガスを循環供給しながら、トリクロロシランが反応器内に供給される。この場合、反応器から排出される水素ガスには、未反応のトリクロロシランとともに、反応により生成した塩化水素や副反応物が含まれるため、これらを、深冷により水素ガスから分離した後、再び、水素ガスを供給することとなる。
上記のようにして水素ガスを循環供給する場合、コンプレッサーとしては、回転式コンプレッサー、とりわけスクリューコンプレッサーを使用することが好適である。これは、圧縮比が高く、大量のガスを循環することができるばかりか、高圧下で深冷を行うことができ、未反応のトリクロロシランなどを容易に液化して分離することができるからである。
しかしながら、水素とトリクロロシランとの反応によりシリコンを析出させる反応系に前記コンプレッサーを使用する場合には、解決しなければならない問題がある。即ち、圧縮比が大きいため、反応器から排出される水素ガス中に含まれるクロロシラン等の成分の一部がコンプレッサー中で凝縮してしまい、ガスシールが機能せず、腐食性のトリクロロシランがコンプレッサーから外部に漏洩してしまい、外部の機器に損傷を与えるという問題がある。
また、生成したシリコンは、連続的に反応器から取り出されるのではなく、ある程度の量のシリコンが生成した段階で外部に取り出すというバッチ形式で装置の運転が行われるため、反応器から排出されるガス(水素ガスを主成分とする混合ガス)の組成が変動し易いが、昇圧機では同じ圧縮比で昇圧操作を行ったとしても、ガス組成(分子量)が変化してしまうと、コンプレッサーの吐出側温度の急激な上昇を生じるおそれがあるいう問題もある。この場合、この反応プロセス全体を停止し、例えばガスの供給を停止してしまうと、再稼動等に時間を要することとなり、工業的損失が極めて大きくなってしまう。
従って本発明の目的は、水素ガスを循環しながらトリクロロシランを反応器に供給して反応器内にシリコンを生成させるシリコン製造プロセスにおいて、コンプレッサーを用いて水素ガスの循環を行うととともに、コンプレッサーの使用に起因する種々の問題、例えば排出される水素ガス中に含まれるトリクロロシランなどの凝縮による漏洩や、ガスの組成変動による温度上昇による不都合が有効に解消され、シリコンの製造を連続して安定に行うことが可能なシリコン製造プロセスを提供することにある。
本発明によれば、水素ガスを反応器に循環して連続供給すると同時にトリクロロシランを該反応器に供給し、該反応器内での反応によりシリコンを生成せしめるシリコン製造プロセスにおいて、
前記水素ガスの循環供給を、コンプレッサーを用いて行い、循環される水素ガスに含まれる塩化水素ガスを吸着処理により除去すると共に、該水素ガスに含まれる他のガス成分を、前記コンプレッサーの上流側での低圧深冷及び前記コンプレッサーの下流側での高圧深冷により除去する工程を含み、前記コンプレッサーの下流側には、該コンプレッサーから吐出されるガス温度を検知するセンサが配置され、さらに、該センサに連動する開放バルブを備えた吐出ラインが接続されており、該センサで検知されたガス温度が所定の設定値を超えた場合、前記開放バルブが作動して、該コンプレッサーから吐出されるガスの一部が前記吐出ラインからパージされるように成したことを特徴とするシリコン製造プロセスが提供される。
本発明のシリコン製造プロセスにおいては、前記コンプレッサーの上流側での低圧深冷が、大気圧乃至100kPaGの圧力下で、−20乃至−40℃、好ましくは、−25乃至−35℃の冷却温度で行われ、前記コンプレッサーの下流側での高圧深冷が500乃至800kPaGの圧力下で、−30乃至−50℃、好ましくは、−35乃至−45℃の冷却温度で行われることが好ましく、また、吸着処理による前記塩化水素ガスの除去を、前記コンプレッサーの下流側且つ高圧深冷の上流側で行うことが好適である。
本発明のシリコン製造プロセスは、コンプレッサーを用いて水素ガスを反応器に循環して供給しながらトリクロロシランを反応器に供給してトリクロロシランと水素との反応によりシリコンを生成させるものであるが、この水素ガスの循環ラインにおいて、コンプレッサーの上流側で低圧深冷を行い、下流側で高圧深冷を行うことが重要な特徴である。即ち、反応器から排出される水素ガスには、未反応のトリクロロシラン及び反応によりシリコンと共に生成した塩化水素と共に、テトラクロロシラン(SiCl)などの副生物が含まれており、コンプレッサーでの圧縮により、一部の成分(特にテトラクロロシランやトリクロロシラン)がコンプレッサー内で凝縮することがある。しかるに、本発明では、コンプレッサーの上流側での低圧深冷により、テトラクロロシランやトリクロロシランなどの凝縮を生じやすい高分子量成分の一部が除去され、その分圧が低くなるため、コンプレッサー内で凝縮を有効に防止することができる。従って、コンプレッサー内からの一部の成分の漏洩を有効に回避し、特にテトラクロロシランやトリクロロシランなどの漏洩による装置の損傷等を有効に防止することができる。また、コンプレッサーに導入されるガス中のトリクロロシラン濃度もほぼ一定となるため、ガス吐出温度の上昇も有効に回避することができる。
また、本発明では、コンプレッサーから吐出されるガス温度を検知するセンサを配置し、さらに、該センサに連動する開放バルブを備えた吐出ラインを接続しておくことにより、反応器から排出されるガスの組成変動に由来してガス温度が所定の設定値を超えた場合においても、ガスの供給を停止することなく、緊急避難処置を講ずることができ、この処置の後、通常の運転を速やかに再開することができる。即ち、ガス温度が所定の設定温度を超えて異常に上昇した場合には、温度センサからの信号により吐出ラインの開放バルブが開放され、吐出ラインからガスがパージされる一部のコンプレッサーで循環するガス量が減少し、コンプレッサーから吐出されるガスの圧力と温度は低下し、再び、設定温度範囲内とすることができる。従って、ガス温度が低下した後は、開放バルブを閉じることにより、速やかに通常の運転を再開することができる。
本発明を、以下、添付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。
本発明のシリコン製造プロセスのライン全体を模式的に示す図1において、このプロセスラインには、水素循環ライン1に反応器3及びコンプレッサー5が配置された構造となっており、水素ガスが循環して反応器3に供給される構造となっている。かかるコンプレッサーとしては、往復式、回転式等のコンプレッサーが特に制限無く使用されるが、本発明においては、回転式のコンプレッサー、とりわけ、スクリューコンプレッサーを使用する場合に効果的である。また、コンプレッサー5の上流側で反応器3の下流側には、低圧深冷領域7が配置され、コンプレッサー5の下流側には高圧深冷領域9が配置され、さらに、コンプレッサー5と高圧深冷領域7との間には吸着塔10が設けられている。
このような製造プロセスラインにおいて、水素ガスを循環させながら、反応器3の上流側近傍で循環ライン1にトリクロロシランを供給し、水素ガスにトリクロロシランを混合して反応器3に供給するようになっている。即ち、反応器3内では、下記の還元反応:
SiHCl+H → Si+3HCl
が行われ、シリコン(Si)が生成する。本発明では、このシリコン製造プロセスを、コンプレッサー5を用いて水素ガスを循環させながら行い、反応器1から排出される水素ガスに混入している他の成分を、領域7での低圧深冷、領域9での高圧深冷、及び吸着塔10での吸着処理により分離し、水素ガスのみが循環して反応器3に供給される構造となっているわけである。
上記のような製造プロセスにおいて、このラインの立ち上げ時では、腐食性のトリクロロシランを最初から流すことができないため、コンプレッサー5を駆動させ、水素ガスを循環させながら圧を上昇させていき、所定の圧まで達した段階でトリクロロシランを供給するという手段を採用する。しかるに、スクリューコンベア等のコンプレッサー5では、水素ガスのみを供給して循環させるという手段では圧が上昇しないという問題があるため、本発明では、立ち上げ時において。水素ガスと共に窒素ガス(アルゴンガス等の不活性ガスでもよい)を供給し、この混合ガスを循環させ、適当な圧力まで上昇した時点で、窒素ガスをトリクロロシランに切り替えて反応を開始するという手段が採用される。
上記のようにしてコンプレッサー5により水素ガスを循環ライン1で循環させながらトリクロロシランを供給して反応器3内で反応が行われるが、この反応は、水素ガスを循環させながら行われるため、大過剰の水素の存在下で行われることとなる。また、反応の進行に伴って水素が消費されるため、図1に示されているように、反応器3の上流側近傍領域で、消費した水素を補うような流量で水素ガスが循環ライン1に補給される。一般に、反応器3内に供給される水素ガスとトリクロロシランとの量比は、体積比でH:SiHCl=8:1乃至20:1程度に設定されており、コンプレッサー5に導入されるガスの組成が変動しないように、一定の割合で反応器3内に供給するように設定される。
さらに、トリクロロシランが供給される反応器3の上流側近傍では、冷却管などにより管内温度が50℃以下に維持されるようにして反応器3外でのシリコンの生成を防止することが好適である。
反応器3は、特許第3958092号等に開示されているように、それ自体公知の構造を有するものであり、一般に筒状形態を有しており、上部の反応室と下部の捕集室とから形成されている。
上部の反応室は、壁面がグラファイトやダイヤモンドライクカーボンなどの炭素材料で形成されており、電熱器、高周波コイルなどの加熱機構を備え、ガスシールなどのシール機構により、反応室内に導入され或いは反応室内で生成したガスの外部への漏洩が防止されるような構造となっている。このような反応室は、一般にシリコンの融点(1410〜1430℃)よりも低い温度に加熱維持されて、上記のガスの導入により、反応が行われるようになっている。また、上部の反応室器内に導入されたガスは、反応器3外が連続的に排出されるが、ガスの反応器3(反応室)内での平均滞留時間は、反応室内温度や反応室の容積に応じて適当な範囲に設定され、反応室内温度が高いほど平均滞留時間は短く設定することができる。
反応室内での反応に伴って、壁面にシリコンが析出し、一定量のシリコンが析出した段階で、反応室の壁面をシリコンの融点以上に加熱し、析出したシリコンを溶融して下方の捕集室に落下して捕集する。析出したシリコンを落下させた後は、再び、反応室の壁面をシリコンの融点よりも低い温度に加熱維持することとなるが、析出したシリコンの溶融落下に際しては、反応器3内へのガスの供給をストップしてもよいし、また、連続して反応器3内にガスを供給しながら析出したシリコンを溶融落下せしめることもできる。
下方の捕集室には、耐熱性セラミックス等の材料で形成された受け器が配置されており、溶融して落下したシリコンが受け器で固化し、固体として回収されるようになっている。また、このような受け器で捕集された固体状態のシリコンは、外部に取り出される。この取り出しに際しては、一般に、反応器3内へのガスの供給はストップされ、反応が停止されるが、反応室と捕集室との間にシャッターなどの遮蔽部材を開閉自在に設けておき、取り出し時のみ、反応室と捕集室とを遮断しておくことにより、反応室3内へのガスの供給をストップせず、連続して反応を実施することも可能である。
反応器3から排出されたガスは、水素ガスを主体とするものであるが、水素ガスに加えて、未反応のトリクロロシラン、塩化水素を含み、さらに、他の副生成物を含んでいる。この副生成物には、テトラクロロシランが代表的であり、それ以外に、ジシランなどのポリシラン類や、ジクロロシランやモノクロロシランなどもある。一般に、このような排出ガスの組成は、水素ガス以外では、凡そトリクロロシラン4%、塩化水素2%、副生成物3%である。
ところで、上記のような排出ガスを、そのままコンプレッサー5に導入して圧縮を行うと、トリクロロシランの一部や高分子量のテトラクロロシラン、ジシランなどのポリシランがコンプレッサー5内での圧縮により凝縮してしまい、コンプレッサー5から漏洩し、装置を破損せしめてしまうこともある。本発明では、このような不都合を回避するため、反応器3から排出されたガスをコンプレッサー5に導入するに先立って低圧深冷(領域7)を行うわけである。
即ち、この低圧深冷は、コンプレッサー5内での圧縮により液化しやすい高分子量成分を予め凝縮して分離するものであり、格別に加圧せずに行われ、大気圧〜100kPaG程度の圧力下で行われる。また、熱交換器等による冷却温度は、−20〜−40℃程度である。このようにして、排出ガスから分離された凝縮液は、一般に、トリクロロシランを35〜45質量%程度の量で含み、トリクロロシランよりも高分子量のテトラクロロシランなどの副生成物成分の含有量が、55〜65質量%とかなりリッチになっている。
上記のようにして、液化しやすい一部の成分を低圧深冷により分離しておくことにより、コンプレッサー5内での凝縮を有効に防止することが可能となるばかりか、コンプレッサー5内に導入されるガス組成がほぼ一定となるため、ガス組成の変動に由来する温度上昇も有効に防止することが可能となる。
図において、低圧深冷後のガスが導入されるコンプレッサー5は、それ自体公知の構造を有するものであり、例えば一段スクリュー構造、ニ段スクリュー構造の何れの構造を有するものであってよい(図1では、ニ段スクリュー構造出示されている)。また、一般に、ここで使用するコンプレッサー5は、ガスの漏洩を確実に防止するために、それ自体公知の二段のノンコンタクトシール構造を有していることが好ましく、例えば一段目に水素ガスを供給し、ニ段目に窒素ガスを供給するノンコンタクトシール構造とするのがよい。
また、コンプレッサー5へ導入するガスのガス圧は、ほぼ大気圧に近い状態であるが、反応開始後の定常運転時では、一定の圧縮比とするために、絞り弁等によってガス圧を一定の範囲(150〜300kPaG程度)に調整することが好ましい。また、二段スクリュー構造のコンプレッサー5を用いた場合には、途中のガスを一部、導入側にフィードバックして、導入側のガス圧を一定に保持することが好適である。
上記のコンプレッサー5により、低圧深冷後の排ガスは加圧され、ライン1の全長や配管径などによっても異なるが、一般に、定常運転時においてコンプレッサー5の吐出側でのガス圧は、500乃至800kPaGとなるように設定される。
コンプレッサー5から吐出されたガスは、吸着塔10に導入される。この吸着塔10に、活性炭等の吸着剤が充填されており、吸着塔10にガスを通すことにより、ガス中の塩化水素ガスが吸着除去される。
吸着塔10での吸着処理が行われた後は、高圧下での深冷(領域9)が行われる。即ち、この領域9での深冷は、コンプレッサー5の吐出側で行われるものであり、先の領域7での低圧深冷に比して著しく高い圧力下で行われる。一般的には、500乃至800kPaG程度の圧力下で、熱交換器などにより−30乃至−50℃程度の冷却温度で深冷が行われる。このような高圧深冷により、前述した低圧深冷で凝縮分離されなかった残りの成分が凝縮して分離される。例えば、この凝縮液はトリクロロシランを主体とするものであり、通常、65乃至75質量%程度の高濃度でトリクロロシランを含み、さらに、ジクロロシラン、モノクロロシランなどの低分子量の副生成物や、さらには、テトラクロロシランなどの高分子量の副生成物を若干量含んでいる。
このようにして反応器3から排出された水素ガス中に含まれる他の成分が分離され、結局、水素ガスのみライン1を循環し、再び、トリクロロシランが混合され反応器3内に供給されることとなる。
上述したプロセスにおいて、低圧深冷及び高圧深冷で分離された凝縮液からは、それぞれ、蒸留等によってトリクロロシランが回収され、上記反応に再利用される。
また、図1に示されているように、本発明においては、コンプレッサー5の吐出側に温度センサ11を設け、高圧深冷が行われる領域9の下流側に吐出ライン13を設けることが好適である。具体的には、吐出ライン13には、温度センサ11に連動して動作する開放バルブ15が設けられており、コンプレッサー5の吐出側でのガス温が所定の設定値(例えば170℃程度)を超えた場合には、センサ11からの信号により開放バルブ15が開放され、吐出ライン13からガスの一部をパージすることが好適である。
即ち、コンプレッサー5の導入側での圧調整により、該コンプレッサー5の駆動条件を適宜設定することにより、コンプレッサー5による圧縮比は一定に保持することができる。しかしながら、反応器3内でシリコンが析出し、同時に副成分が生成するため、低圧深冷を行ったとしても、コンプレッサー5に導入されるガスの組成を一定に保持することは困難であり、ガス組成に大きな変動を生じることがある。このような場合、ガスの分子量が変化するため、圧縮比を一定に保持したとしても、ガスの圧縮によってコンプレッサー5の吐出側でのガス温度が急激に上昇することがある。このような場合、ガスの供給や循環をストップすることにより、ガスの急激な温度上昇による不都合を回避することは可能であるが、このような場合、再び、前述した立ち上げ操作(窒素ガスの供給等)などを行わなければならず、プロセスの再開に時間を要し、不経済となってしまう。しかるに、上記の態様によれば、コンプレッサー5の吐出側でのガス温度が急激に上昇したときには、吐出ライン13でガスの一部をパージすることにより、コンプレッサー5に導入されるガス量を低減させ、この結果、吐出側でのガス温度は降下する。従って、ガス温度が低下した後は、再び開放バルブ15を閉じ、プロセスを再開することができる。即ち、コンプレッサー5の駆動を停止せず、またコンプレッサー5に導入するガス量をゼロとせずに、プロセスを再開できるため、面倒なプロセスの立ち上げ作業を行う必要が無く、生産性の低下を有効に回避することができるのである。
尚、上記の態様において、原理的には、吐出ライン13は任意の位置に設けることができるが、一般的には、図1に示されているように高圧深冷の下流側に設けるのがよい。この位置に吐出ライン13が配置されている場合には、パージされたガスが、各種の成分を含まない水素ガスであるため、これを、そのまま反応器3に供給することができるからである。
上述した本発明によれば、コンプレッサー5を用い、大きな圧縮比で水素ガスの循環を行っているにもかかわらず、ガス中の一部成分の凝縮などによる漏洩やガス温度の上昇などの不都合を有効に回避し、長期間にわたって且つ安定に連続してシリコンの製造をおこなうことができる。
本発明のシリコン製造プロセスのライン全体を模式的に示す図。
符号の説明
1:循環ライン
3:反応器
5:コンプレッサー
7:低圧深冷領域
9:高圧深冷領域
10:吸着塔
11:温度センサ
13:吐出ライン
15:開放バルブ

Claims (2)

  1. 水素ガスを反応器に循環して連続供給すると同時にトリクロロシランを該反応器に供給し、該反応器内での反応によりシリコンを生成せしめるシリコン製造プロセスにおいて、
    前記水素ガスの循環供給を、コンプレッサーを用いて行い、循環される水素ガスに含まれる塩化水素ガスを吸着処理により除去すると共に、該水素ガスに含まれる他のガス成分を、前記コンプレッサーの上流側での低圧深冷及び前記コンプレッサーの下流側での高圧深冷により除去する工程を含み、前記コンプレッサーの下流側には、該コンプレッサーから吐出されるガス温度を検知するセンサが配置され、さらに、該センサに連動する開放バルブを備えた吐出ラインが接続されており、該センサで検知されたガス温度が所定の設定値を超えた場合、前記開放バルブが作動して、該コンプレッサーから吐出されるガスの一部が前記吐出ラインからパージされるように成したことを特徴とするシリコン製造プロセス。
  2. 前記コンプレッサーの上流側での低圧深冷が大気圧乃至100kPaGの圧力下で−20乃至−40℃の冷却温度で行われ、前記コンプレッサーの下流側での高圧深冷が500乃至800kPaGの圧力下で−30乃至−50℃の冷却温度で行われる請求項1に記載のシリコン製造プロセス。
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