JP2018172246A - 水素混合ガスの製造方法 - Google Patents

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【課題】化学プロセスから排出される水素ガスと不活性ガスを含む排出ガスの組成を一定にする。【解決手段】化学プロセスから排出される水素ガスと不活性ガスを含む排出ガスの密度を測定する工程(b)と、排出ガスの密度に応じて排出ガスに不活性ガスと同一の不活性ガスを所定流量添加することにより混合ガスにして、この混合ガスの密度を一定に調整する工程(c)とを含む水素混合ガスの製造方法である。工程(b)の前に、排出ガスを精製する工程(a)を更に有し、工程(a)で精製される排出ガスが、水素ガスと不活性ガスの他に、極性分子を含み、工程(a)で精製した工程(b)の排出ガスは極性分子を除去したガスであることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、工業的な化学プロセスから排出される不純物を含む水素ガスから不純物を除去して利用設備における混合ガス組成を一定にする水素混合ガスの製造方法に関する。
工業的に反応を伴うプロセスでは、反応の際に水素を生成する場合があり、有効利用の観点より、この水素ガスを利用することが多い。また、生成する水素ガスは反応に伴い他の物質を含む場合も多く、一般的には使用に支障をきたすような物質は取り除かれて使用される。半導体産業分野でも各プロセスから生成される水素ガスを再利用することが行われており、例えば、多結晶シリコン製造プロセスにおいては、クロロシランと水素の混合ガスはシリコンを析出反応するための原料などとして使用されている。このプロセスでは、シリコン析出後において水素とクロロシランの他に塩化水素が含まれる排出ガスが発生するため、通常、この排出ガスは、排出ガス中に含まれるクロロシランや塩化水素を活性炭により吸着して分離することにより、精製されて、それぞれ再利用される。また、水素は四塩化ケイ素からトリクロロシランを生成する反応やトリクロロシランから多結晶シリコンを生成する反応にて再利用される(例えば、特許文献1参照。)。
一方、複数のガスの質量流量を制御する方法として、予め設定した所望のガス混合比と、混合ガス濃度測定値から得られるガス混合比の差分を求め、各ガスの流量制御装置に流量指令を出力して所望のガス混合比を得る混合ガスシステムが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2014−43389号公報 特開2007−244946号公報
特許文献1に示されるような多結晶シリコン製造プロセスにて発生する排出ガス中には、設備の操業上又は保安上の管理や維持のために窒素やアルゴンなどの不活性ガスが系内に導入される場合がある。このような場合、不活性ガスも排出ガス中に含まれることになるが、不活性ガスは前述のような活性炭などでは分離し難く、水素ガス中に含有される。また、この不活性ガス導入が間欠的に行われることにより、その度にプロセスガス中に含まれる不活性ガスが活性炭設備を通過することにもなるため、プロセスガス中の不活性ガス量は変動する。これにより、利用設備へ送る水素と不活性ガスを含む排出ガスの組成を制御することが難しい問題があった。
また特許文献2に記載の混合ガスシステムでは、混合ガスの組成を制御しているが、ガス混合後の濃度を計測して各ガスの流量制御値を決定しているため、ガス混合前の工程負荷変動への追従が遅れ、ガス組成の変動が残る問題があった。また、各ガスの濃度を把握するために、ガスクロマトグラフ、フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)等を用いて個々のガス濃度を測定する必要があり、設備が大規模となり、コストが大きくなる問題もあった。
本発明は、このような従来の事情を考慮してなされたものであって、その目的は、不活性ガス量が間欠的に変動する状況において、工業的な化学プロセスから排出される水素ガスと不活性ガスを含む排出ガスの密度を一定にすることで、利用設備における混合ガス組成を一定にする水素混合ガスの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、水素と不活性ガスを含む排出ガスの密度が変動する系において、前記不活性ガスと同一の不活性ガスを排出ガスに添加することにより混合ガスにし、この混合ガスの密度を一定に調整した上で、水素消費設備に送ることにより、上記課題を解決することを見出し、本発明に到達した。なお、本明細書では、不活性ガスが添加される前の化学プロセスから排出されるガスを排出ガスといい、この排出ガスに不活性ガスが添加された後のガスを混合ガスという。
本発明の第1の観点は、化学プロセスから排出される水素ガスと不活性ガスを含む排出ガスの密度を測定する工程(b)と、前記排出ガスの密度に応じて前記排出ガスに前記不活性ガスと同一の不活性ガスを所定流量添加することにより混合ガスにして、この混合ガスの密度を一定に調整する工程(c)とを含む水素混合ガスの製造方法である。
本発明の第2の観点は、第1の観点に係る発明であって、前記工程(b)で前記排出ガスの密度に加えて前記排出ガスの流量を測定し、前記工程(b)とは別に、前記混合ガスの密度目標値を予め設定しておく工程(d)を更に有し、前記工程(b)で排出ガスの密度と流量を測定した結果を前記工程(d)で予め設定した密度目標値と比較して前記工程(c)における不活性ガスの所定流量とする水素混合ガスの製造方法である。
本発明の第3の観点は、第1又は第2の観点に係る発明であって、前記工程(b)の前に、排出ガスを精製する工程(a)を更に有し、前記工程(a)で精製される排出ガスが、水素ガスと不活性ガスの他に、極性分子を含み、前記工程(a)で精製した前記工程(b)の排出ガスは前記極性分子を除去したガスである水素混合ガスの製造方法である。
本発明の第4の観点は、第1ないし第3の観点のいずれかの観点に係る発明であって、前記化学プロセスがトリクロロシラン製造プロセスである水素混合ガスの製造方法である。
本発明の第5の観点は、第3又は第4の観点に係る発明であって、前記不活性ガスが窒素ガス及び/又はアルゴンガスであり、前記極性分子が塩化水素又はトリクロロシラン製造工程で発生するクロロシランのいずれか1種以上である水素混合ガスの製造方法である。
本発明の第6の観点は、第1ないし第5の観点のいずれかの観点に係る発明であって、前記化学プロセスから排出される水素ガスと不活性ガスを含む排出ガスがトリクロロシラン製造プロセスで発生する排出ガスである水素混合ガスの製造方法である。
本発明の第1の観点の方法では、排出ガスの密度に応じて排出ガスに、この排出ガスに含まれる不活性ガスと同一の不活性ガスを所定流量添加することにより混合ガスにして、この混合ガスの密度を一定に調整する。混合ガスの密度から組成を計算して把握でき、その密度を一定に調整することで、混合ガスの組成も一定となる。
本発明の第2の観点の方法では、混合ガスの密度目標値を予め設定しておき、排出ガスの密度と流量を測定した結果を予め設定した密度目標値と比較して、添加する不活性ガスの所定流量とすることにより、水素と不活性ガスとの混合ガスの密度及び組成の変動をより一層抑制することができる。
本発明の第3の観点の方法では、工程(b)の前の極性分子を含む排出ガスを精製する工程(a)で極性分子を除去するため、精製後の窒素及び/又はアルゴンを含む排出ガスに窒素及び/又はアルゴンのような不活性ガスを添加することにより混合ガスにし、この混合ガスの密度を一定に制御することで、混合ガスの組成をより一層容易に制御することができる。
本発明の第4の観点の方法では、化学プロセスがトリクロロシラン製造プロセスである場合には、トリクロロシラン製造プロセスで生じる排出ガスに不活性ガスを添加することにより混合ガスにし、この混合ガスの組成を一定にすることができる。
本発明の第5の観点の方法では、不活性ガスが窒素ガス及び/又はアルゴンガスであり、極性分子が塩化水素又はトリクロロシラン製造工程で発生するクロロシランのいずれか1種以上である場合には、上記工程(a)で排出ガスを精製するときに、塩化水素又はクロロシランは比較的容易に除去でき、精製後の窒素及び/又はアルゴンを含む排出ガスに窒素及び/又はアルゴンのような不活性ガスを添加することにより混合ガスにし、この混合ガスの密度を一定に制御すれば、混合ガスの組成をより一層容易に制御することができる。
本発明の第6の観点の方法では、化学プロセスから排出される水素ガスと不活性ガスを含む排出ガスがトリクロロシラン製造プロセスで発生するガスである場合には、トリクロロシラン製造プロセスで生じる排出ガスに不活性ガスを添加することにより混合ガスにし、この混合ガスの組成を一定にすることができる。
本発明実施形態の水素混合ガスの製造システムの工程図である。 本発明実施形態の水素混合ガスの製造システムの概略構成を示すブロック図である。
次に本発明の実施形態を説明する。本実施形態の水素混合ガスの製造工程は、図1に示すように、排出ガスの精製工程(a)と、排出ガスの密度測定工程(b)と、混合ガスの密度調整工程(c)とを含む。排出ガスの精製工程(a)では、化学プロセスで発生する水素ガスと不活性ガスを含む排出ガスを精製する。また別の本実施形態の水素混合ガスの製造工程は、上記工程(b)で精製した排出ガスの密度に加えて精製した排出ガスの流量を測定するように構成され、上記工程(a)と上記工程(b)とは別に、排出ガスに不活性ガスを加えた混合ガスの密度目標値を予め設定しておく工程(d)を更に有する。
排出ガスの精製工程(a)における化学プロセスとしては、トリクロロシランと水素とを混合して原料とし、この原料ガスを反応炉に導入して赤熱したシリコン棒に接触させ、高温下でトリクロロシランの水素還元や熱分解の反応によってシリコン棒表面に多結晶シリコンを析出させるプロセスや、金属シリコンと塩化水素ガスを反応炉に導入して所定温度条件にてトリクロロシランを生成させるプロセスが例示される。前者のプロセスでは、反応炉から排出されるガス中に、未反応のトリクロロシラン及び水素、副生成物のテトラクロロシラン、塩化水素などが含まれている。後者のプロセスでは、反応炉から排出されるガス中に、水素、ジクロロシラン、未反応の塩化水素などが含まれている。
また排出ガスの精製工程(a)における不純物としては、塩化水素やトリクロロシラン製造工程で発生するクロロシランのような極性分子、窒素ガス及び/又はアルゴンガスの不活性ガスが例示される。また工程(a)における排出ガスの精製は、活性炭を用いて混合ガスに含まれる上記不純物を活性炭で吸着して分離することで行われる。本実施形態の精製した排出ガスに含まれる全ての不活性ガスを吸着除去するには、精製工程(a)における活性炭装置の大型化が必要となり、大がかりな設備投資が必要となる。一方、不活性ガスが精製した排出ガスに含まれていても、ガス組成を安定させることができれば、排出ガスに不活性ガスを加えた後工程における混合ガスの利用に支障はなく、設備投資コストを低く抑えられるため、本実施形態の排出ガスには水素の他に不活性ガスが含まれる。
次に、排出ガスの密度測定工程(b)及び混合ガスの密度調整工程(c)について、図2に示す水素混合ガスの製造システムの概略構成図に基づいて説明する。工程(a)で精製した水素ガスと不活性ガスを含む排出ガス、例えば水素ガスと不活性ガスを含む排出ガス10は、水素消費設備11にガス導入管12及びガス供給管13を介して供給される。水素消費設備11としては、上述した多結晶シリコンを析出させる反応炉が例示されるが、これに限らずに、四塩化ケイ素からトリクロロシランを生成する転化反応炉でもよい。ガス導入管12とガス供給管13の間には、排出ガスの流量を計測する第1流量計14が介装される。第1流量計14は、ガス導入管12から導入されかつガス供給管13に流れるガスの流量を測定する。またガス供給管13には、ガス供給管13に流れる排出ガスに、不活性ガスを添加するための不活性ガス供給管15及び不活性ガス導入管16が接続される。
ガス導入管12には、排出ガスの密度を測定する第1密度計17、排出ガスの圧力を測定する第1圧力計18及び排出ガスの温度を測定する第1温度計19が配設される。第1密度計17はガス導入管12に分岐管21を介して接続され、第1密度計17で密度測定された排出ガスは排出管22により排ガスとなって排出される。排出ガスの密度測定工程(b)では、第1密度計17により精製した排出ガスの密度を測定し、流量を測定する場合には、第1流量計14により排出ガスの流量を測定する。
不活性ガス供給管15と不活性ガス導入管16の間には、添加する不活性ガスの流量を計測する第2流量計24が介装される。また不活性ガス供給管15の途中には流量制御弁26が設置される。不活性ガス導入管16には、不活性ガス供給源27が接続される。また不活性ガス導入管16には、不活性ガスの圧力を測定する第2圧力計28及び不活性ガスの温度を測定する第2温度計29が配設される。
またガス供給管13には、混合ガスの密度を測定する第2密度計37、混合ガスの圧力を測定する第3圧力計38及び混合ガスの温度を測定する第3温度計39が配設される。第2密度計37はガス供給管13に分岐管34を介して接続され、第2密度計37で密度測定された混合ガスは排出管35により排ガスとなって排出される。上述した第1流量計14、第1密度計17、第1圧力計18、第1温度計19、第2流量計24、第2圧力計28、第2温度計29、第2密度計37、第3圧力計38及び第3温度計39において、ガス流量、ガス密度、ガス圧力又はガス温度のいずれかを測定した測定値は、制御室のモニター40に表示されるように構成される。
これらの電気的な測定値は、指示値となって、図2の破線に示すように、第1コントローラ41、第2コントローラ42、第4コントローラ44及び第6コントローラ46に入力するように構成される。具体的には、第1密度計17、第1圧力計18及び第1温度計19の各指示値は第1コントローラ41に、第1流量計14、第1圧力計18及び第1温度計19の各指示値は第2コントローラ42に、第2流量計24、第2圧力計28及び第2温度計29の各指示値は第4コントローラ44に、第2密度計37、第3圧力計38及び第3温度計39の各指示値は第6コントローラ46に、それぞれ入力するように構成される。
第1コントローラ41及び第2コントローラ42の制御出力は第3コントローラ43の制御入力に接続される。第3コントローラ43には密度目標値と不活性ガス密度が図示しないメモリに記憶されている。第5コントローラ45には、第3コントローラ43で流量計算された計算値と、第4コントローラ44の制御出力とが接続される。第5コントローラ45の制御出力は流量制御弁26に接続される。第3コントローラ43に記憶される密度目標値は、作業者の手入力により適宜変更することができるようになっている。第6コントローラ46は、第2密度計37の換算値をモニター40に出力する。この出力結果から作業者は密度測定値が密度目標値に合致していることを確認する。
混合ガスの密度調整工程(c)では、工程(b)で測定した精製した排出ガスの密度又は密度と流量に応じて、ガス供給管13に流れる精製した排出ガスに、不活性ガス供給管15より、所定流量の不活性ガスを添加することにより混合ガスにし、この混合ガスの密度を一定に調整する。混合ガスの密度目標値を予め設定しておく工程(d)では、上述したように第3コントローラ43のメモリ(図示せず)に、水素消費設備11に供給される混合ガスの密度目標値が記憶される。第5コントローラ45は、第1コントローラ41、第2コントローラ42、第3コントローラ43及び第4コントローラ44の制御結果から第3コントローラ43に記憶された密度目標値に基づいて計算された流量計算値と第2流量計24で測定された流量とを比較し、第2流量計24の測定値が不活性ガスの流量計算値に近づくように、流量制御弁26の開度を決定する。この開度に応じて、不活性ガスの添加量が調整される。不活性ガスが添加された排出ガス、即ち混合ガスの圧力と温度と密度が第3圧力計38、第3温度計39及び第2密度計37で測定され、第6コントローラ46に入力され、その結果がモニター40に出力される。
第1〜第6コントローラ41〜46の具体的な制御内容をまとめると次のようになる。
(1) 第1コントローラ41は、第1圧力計18及び第1温度計19の各指示値に基づいて第1密度計17の指示値(単位kg/m3)を単位kg/Nm3に換算する。
(2) 第2コントローラ42は、第1圧力計18及び第1温度計19の各指示値に基づいて第1流量計14の指示値(単位m3/hr)を単位Nm3/hrに換算する。
(3) 第3コントローラ43は、不活性ガスを添加した後の密度目標値(単位kg/Nm3)と第1密度計17の換算値(単位kg/Nm3)と第1流量計14の換算値(単位Nm3/hr)と不活性ガス密度(単位kg/Nm3)から不活性ガス流量(単位Nm3/hr)を計算により求める。
(4) 第4コントローラ44は、第2圧力計28及び第2温度計29の各指示値に基づいて第2流量計24の指示値(単位m3/hr)を単位Nm3/hrに換算する。
(5) 第5コントローラ45は、不活性ガスの流量計算値(単位Nm3/hr)と第2流量計24の換算値(単位Nm3/hr)を比較し、第2流量計24の換算値(単位Nm3/hr)が不活性ガスの流量計算値(単位Nm3/hr)に近づくように流量制御弁26の開度(単位%)を変更する。
(6) 第6コントローラ46は、第3圧力計38と第3温度計39の各指示値に基づいて第2密度計37の指示値(単位kg/m3)を単位kg/Nm3に換算して、モニター40に出力する。
また第1〜第3温度計19、29、39の各指示値(単位℃)と、第1〜第3圧力計18、28、38の各指示値(単位MPa)と、第1及び第2流量計14、24の各換算値(単位Nm3/hr)と、第1及び第2密度計17、37の各換算値(単位kg/Nm3)と、流量制御弁26の開度(単位%)とは、各計器並びに制御室のモニター40に表示され、第1、第2、第4及び第6コントローラ41、42、44、46にそれぞれ記録される。
こうして、第1〜第5コントローラ41〜45は、所定の時間間隔で間欠的に、第3コントローラ43からの出力である流量計算値と、第4コントローラ44からの出力である不活性ガス流量換算値とを比較し、流量制御弁26の開度を決定する。この結果、この水素混合ガスの製造システムにより、プロセスの負荷変動に追従して、水素ガスと不活性ガスとを混合した混合ガスの密度を一定に制御することができる。本実施形態において密度を制御することで、組成も制御できる。この水素ガスと不活性ガスとを混合した混合ガスの密度の安定性は、第2密度計37の測定値(指示値)により確認できる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
この実施例1では、化学プロセスをトリクロロシラン製造プロセスとし、当該プロセスがら排出される水素混合ガスについて、予め、本発明の水素混合ガスであるプロセスガスの密度目標値を0.20kg/Nm3として、図2に示す水素混合ガスの製造システムの第3コントローラ43に入力し、メモリに記憶させた。水素ガス、窒素ガス、塩化水素及びジクロロシランを含むプロセスガスを図示しない活性炭塔を経由して図2に示すガス導入管12に導入した。活性炭塔では塩化水素、及びジクロロシランが吸着されてプロセスガスが精製された。窒素ガスは活性炭塔前のプロセスにおける設備の操業ために間欠的に系内に導入された。
こうして精製された窒素ガスと水素ガスの混合ガス(プロセスガス)がガス導入管12に導入されると、第1〜第5コントローラ41〜45は、第1密度計17、第1圧力計18、第1温度計19、第1流量計14、第2圧力計28、第2温度計29及び密度目標値0.20kg/Nm3から添加すべき窒素ガス流量を計算して、添加すべき窒素ガス流量に近づくように、流量制御弁26の開度を決定した。不活性ガスが添加された混合ガスの圧力と温度と密度が第3圧力計38、第3温度計39及び第2密度計37で測定され、第6コントローラ46に入力され、その結果がモニター40に表示された。30日間プロセスガスを図2に示す水素混合ガスの製造システムに流通させて上記制御を実施し、第2密度計37の0.5時間毎のデータを取得した。その結果、第2密度計37が測定した値の最大値は0.207kg/Nm3、最小値は0.191kg/Nm3、標準偏差は0.0018kg/Nm3であった。
<比較例1>
本発明の、効果を確認するために、プロセス側の操業も実施例1とほぼ同等の操業条件とし、実施例1と同一の水素ガス、窒素ガス、塩化水素及びジクロロシランを含むプロセスガスを用いた。水素混合ガスの製造システムは、図2のものとは異なり、上記プロセスガスは活性炭塔を経て配管により水素消費設備に供給するように構成した水素混合ガスの製造システムを用いた。この活性炭塔と水素消費設備との間には、配管から分岐した分岐管を設け、この分岐管にプロセスガスの密度を測定する密度計を設置した。実施例1と同様に、30日間プロセスガスを流通させ、0.5時間毎に密度計のデータを取得した。その結果、密度計が測定した値の最大値は0.190kg/Nm3、最小値は0.090kg/Nm3、標準偏差は0.0140kg/Nm3であった。
<比較例2>
比較例1とほぼ同等の操業条件下、実施例1と同一の水素ガス、窒素ガス、塩化水素及びジクロロシランを含むプロセスガスを用い、図2に示す水素混合ガスの製造システムについて、第3コントローラ43、第5コントローラ45、密度目標値を入力してメモリに入力する手順をなくし、第6コントローラ46に密度目標値を入力できるようにし、第6コントローラ46の出力が流量制御弁26に入力されるよう変更したシステムを用いた。予め、本発明の水素混合ガスであるプロセスガスの密度目標値0.20kg/Nm3を図2に示す水素混合ガスの製造システムの第6コントローラ46に入力し、メモリに記憶させた。第6コントローラ46にて密度目標値と第2密度計換算値を比較して、第2密度計換算値が目標値に近づくよう流量制御弁26の開度を変更することで、窒素ガス流量が変化するよう制御した。具体的には、第2密度計換算値が目標値より小さい場合、流量制御弁26の開度を大きく制御し、目標値より大きい場合、流量制御弁26の開度を小さく制御した。30日間プロセスガスを図2に示す水素混合ガスの製造システムに流通させて上記制御を実施し、第2密度計37の0.5時間毎のデータを取得した。その結果、第2密度計37が測定した値の最大値は0.313kg/Nm3、最小値は0.290kg/Nm3、標準偏差は0.0023kg/Nm3であった。
以上の実施例1及び比較例1、2の結果より、実施例1記載の制御方法が標準偏差で比較例1よりも7倍程度、比較例2の制御方法よりも1.6倍程度の窒素ガスと水素ガスの混合ガス(プロセスガス)の密度を最も安定化させること、即ち、実施例1記載の制御方法が窒素ガスと水素ガスの混合ガスの組成を最も安定化できることが確認された。
本発明の水素混合ガスの製造方法は、使用する水素ガスと不活性ガスを含む混合ガスの組成が一定であることを求められる化学プロセスに利用することができる。

Claims (6)

  1. 化学プロセスから排出される水素ガスと不活性ガスを含む排出ガスの密度を測定する工程(b)と、前記排出ガスの密度に応じて前記排出ガスに前記不活性ガスと同一の不活性ガスを所定流量添加することにより混合ガスにして、この混合ガスの密度を一定に調整する工程(c)とを含む水素混合ガスの製造方法。
  2. 前記工程(b)で前記排出ガスの密度に加えて前記排出ガスの流量を測定し、前記工程(b)とは別に、前記混合ガスの密度目標値を予め設定しておく工程(d)を更に有し、前記工程(b)で排出ガスの密度と流量を測定した結果を前記工程(d)で予め設定した密度目標値と比較して前記工程(c)における不活性ガスの所定流量とする請求項1記載の水素混合ガスの製造方法。
  3. 前記工程(b)の前に、排出ガスを精製する工程(a)を更に有し、前記工程(a)で精製される排出ガスが、水素ガスと不活性ガスの他に、極性分子を含み、前記工程(a)で精製した前記工程(b)の排出ガスは前記極性分子を除去したガスである請求項1又は2記載の水素混合ガスの製造方法。
  4. 前記化学プロセスがトリクロロシラン製造プロセスである請求項1ないし3いずれか1項に記載の水素混合ガスの製造方法。
  5. 前記不活性ガスが窒素ガス及び/又はアルゴンガスであり、前記極性分子が塩化水素又はトリクロロシラン製造工程で発生するクロロシランのいずれか1種以上である請求項3又は4記載の水素混合ガスの製造方法。
  6. 前記化学プロセスから排出される水素ガスと不活性ガスを含む排出ガスがトリクロロシラン製造プロセスで発生する排出ガスである請求項1ないし5いずれか1項に記載の水素混合ガスの製造方法。
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