JP5744993B2 - 四塩化ケイ素をトリクロロシランに水素化する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、四塩化ケイ素(STC)をトリクロロシラン(TCS)に水素化する方法に関する。
トリクロロシランは、典型的には流動床製法で金属級シリコン及び塩化水素から製造される。高純度トリクロロシランを得るために、これに続いて蒸留を行う。これによって、四塩化ケイ素が副生物として形成される。
四塩化ケイ素の大部分は、多結晶質シリコンを堆積させる途中で得られる。多結晶質シリコンは、例えばシーメンス法により得られる。シーメンス法では、反応器中で加熱されたシンロッド上にシリコンを堆積させる。ケイ素含有成分として使用するプロセスガスは、水素の存在下におけるハロシラン、例えばトリクロロシランである。トリクロロシランの、堆積したシリコンへの転化(不均化)は、大量の四塩化ケイ素を与える。
四塩化ケイ素は、例えば燃焼チャンバー中で高温で、水素及び酸素との反応により、細かく分割されたシリカの製造に使用される。
しかし、四塩化ケイ素の最大の経済的な関心事は、トリクロロシランへの水素化である。これは、四塩化ケイ素を水素と反応させ、トリクロロシラン及び塩化水素を形成することにより達成される。これによって、堆積で形成される四塩化ケイ素副生物からトリクロロシランを得ることができ、トリクロロシランを堆積プロセスに戻して供給し、元素状ケイ素を得ることができる。
四塩化ケイ素を水素で水素化し、トリクロロシランを形成することは、典型的には、反応器で、少なくとも600℃、理想的には少なくとも850℃、の高温で行われる(高温転化)。
該高温を得るために、極めて耐熱性の材料から製造された加熱素子が必要である。この目的のために、炭素質材料、例えばグラファイト、が使用される。以下に示すように、炭素質加熱素子を使用して加熱された水素含有ガスの高温処理の場合、特別な問題が起こり、この問題がすでに先行技術において関心を集めている。
すでに述べた先行技術における問題に加えて、新しい問題が生じ、特に反応器を比較的長期間稼働させる場合、この問題が特に明らかになる。例えば、加熱素子の電気的抵抗が時間と共に連続して増加することが観察されている。一定電力を供給することが望ましいので、この抵抗増加は、加熱素子の電源に新たな技術的要求を課すことになる。従って、加熱素子の抵抗増加を阻止するか、又は少なくとも減少させることがより望ましい。
米国特許第4,536,642A号は、ガス入口及びガス出口オリフィスを有する断熱ハウジング、および電流を直接通すことにより加熱する、これらのオリフィス間に配置した不活性抵抗加熱素子からなる、ガスを高温処理する装置を開示している。加熱素子は、グラファイトからなる。さらに、炉から出る高温オフガスを利用して反応の反応物を加熱することがエネルギー節約の理由から推奨されるので、加熱されていないガスの出口からなる熱交換装置をハウジング中に取り付けることができる。高温のオフガスは、生成物及び未転化の反応物を包含する。
そのような装置は、STCをTCSに水素化することにも特に好適である。
高い熱的安定性が必要とされるので、使用する加熱素子は好適な材料から製造される。熱的安定性の理由から、グラファイトは理論的に良好な適性を有するが、存在する炭素が流入する水素とその温度で反応し、メタンを形成する。
米国特許第7,442,824B2号は、例えばクロロシランを水素化する前に、加熱素子の表面区域を炭化ケイ素でその場でコーティングし、それによってこれらの部品のメタン化を減少させることを提案している。この炭化ケイ素によるコーティング工程は、少なくとも1000℃の温度で行われる。
それにも関わらず、グラファイト部品をコーティングする場合にも、メタン化及び関連する腐食が、常に観察される。H/STC混合物が、加熱素子中に存在する炭素と反応して他の炭素含有化合物、例えばメチルトリクロロシラン及びメチルジクロロシラン、を形成することは、加熱素子における構造欠陥も引き起こし、これが反応器のシャットダウンにつながり、従って、反応器の耐用寿命を減少させる。
欠陥部品は交換しなければならないので、交換が必要な部品を新規に調達し、それを取り付けるための作業に掛かる経費は膨大である。
メタン化は、水素とSTCが直接接触する加熱素子で特に起こる。
これは、フレーク及び破片が多く生じることから明らかであり、これらが反応器底部に落下し、最悪の場合には、例えばアースと短絡を引き起こし、これによって加熱素子が破損する場合がある。
米国特許第7,998,428B2号は、四塩化ケイ素及び水素反応ガスを反応空間に供給し、トリクロロシラン及び塩化水素を含む生成ガスを得る装置を開示している。この装置は、アルゴンを供給する容器中の、反応空間及び加熱素子の位置決めを行う。従って、反応空間及び加熱素子は、アルゴンを装填した加圧された外側容器内にある。これによって、プロセスガスの漏れを防止することができる。従って、加熱素子が水素の攻撃を受けないという効果も達成できる。
しかし、反応空間及び加熱素子が互いに分離しており、従って、高温の加熱素子が必要になるのが欠点である。また、これは、電気的ブッシングに損傷を引き起こすことがある。
その上、加熱空間は、外側に対する絶縁性を増加しなければならず、これは設備の直径を増加する。
水素が加熱空間中に浸透し得ないように、複雑な圧力調整も同様に必要である。
独国特許出願公開第19949936A1号は、温度400℃を超える水素雰囲気で使用する、グラファイト材料及び炭素材料から製造された部品を保護する方法であって、あたりを支配する温度及び圧力の関数で、水素とメタンの間の化学量論的平衡の比で水素雰囲気にメタンを添加することを特徴とする、方法を記載している。
原理的には加熱素子及び熱交換器の保護には好適であるが、この追加メタンの導入は、STCからTCSへの水素化における好ましくない反応生成物(メチルクロロシラン及び炭化水素)の形成を増加させ、これらの生成物が、クロロシランから除去するための著しいレベルの蒸留の複雑さを引き起こす。
米国特許出願公開第2011/0110839A1号は、STC、金属級シリコン及びHから塩化水素化によりTCSを製造するための、TCS、STC、H、Si及び金属塩を含んでなる生成物ガス混合物を、幾つかの工程で、TCS及びSTCを他の成分、特に固体、から分離するために処理する方法に関する。
加熱素子から反応器へのガス流は、塩化水素、ジクロロシラン、TCS、STC及び不純物、例えば塩化リン、三塩化リン及び三塩化ホウ素、ジボラン、メタン、ホスフィン及び水、を含むことができる。ガスの温度は、約580℃で、圧力は22.5barである。
これらの反応条件下で、加熱素子の、あるにしても、僅かなメタン化だけが起こる。高温及び低圧でのみ、この効果は起こる。しかし、それにも関わらず、全体的な製法は、例えば堆積から得られる、すでに非常に清浄なSTCのTCSへの塩化水素化には不適当である。というのは、これは、精製のための著しい、避けられるコスト及び不都合に関連しているためである。
米国特許第6,932,954B2号は、TCS及びHからポリシリコンを堆積させることを含んでなる方法を開示しているが、TCSは、堆積から来るオフガスを粗製ケイ素と接触させることにより製造し、その製法の際、ケイ素はオフガス中に存在するHClと反応し、TCS製造から来るオフガスを処理してTCSを除去し、続いてTCSを堆積工程に供給する。STCは、処理操作からの残留物中に存在し、HでTCSに水素化する。水素は、冷却によりクロロシランから分離することができる。除去した水素は、大量のホウ素化合物を含んでなる。これらのホウ素化合物は、水素を、官能基−NR(Rは、1〜10個の炭素原子を有するアルキルである)、−SOH、−COOH又は−OHの一つを含む物質と接触させることにより、除去することができる。クロロシラン中のホウ素化合物(ハロゲン化ホウ素)は、蒸留により除去し、ケイ素中のホウ素含有量を下げ、これによって必要な品質特性を有するケイ素を得る。
米国特許出願公開第2011/0110839A1号と同様に、TCS形成工程は、粗製ケイ素を使用し、塩化水素化として行われる。これらの条件下で、あるにしても、ほんの僅かな加熱素子のメタン化が起こる。加熱素子を通過し、TCS形成工程に入る材料流(H及びSTC)は、不純物、例えばホウ素、で汚染されない。
この製法には、最初は汚染されていない水素を、TCS形成工程の後に、堆積に使用できる前に、複雑な様式で再度精製しなければならない。
米国特許出願公開第2009/060819A1号は、例えばポリ堆積及び蒸留から来る、STC及び他の高沸点化合物を含んでなる副生物流を、特に汚れたSTCの精製により、処理する方法を開示しており、その結果、高沸点化合物が除去され、TCSに水素化される。汚れたSTCは、TCSの精製(蒸留、吸着)で得られる。
TCS合成における粗製材料は金属級シリコンであるので、副生物は、不純物、例えば炭素化合物、ホウ素化合物及びリン化合物、も有する。
米国特許出願公開第2009/060819A1号は、STC水素化用の特に清浄なSTC(HP−STC)を意図しており、このSTCは、別個の副生物塩素化及びそれに続く精製から生じる。STC水素化用の水素は、堆積用の供給源と同じ供給源から生じ、従って、シリコン中の不純物は生成物の高品質を損なうので、特に清浄である。
この製法は、加熱素子のメタン化の形態にある、STC水素化で生じる問題を解決していない。
米国特許第3,455,745A号は、酸化に対する耐性が極めて高いことが知られているケイ化四ホウ素(TBS)による物体のコーティングに関する。ケイ素から製造された物体の場合、水素及び三塩化ホウ素又はジボランが、反応器中に存在する物体に供給され、その結果、TBS層が物体上に形成される。ホウ素から形成された物体をTBSでコーティングすることもでき、この目的には、例えば、STC又は他のハロシラン及び水素(又はTCS及びH)が供給される。どちらの場合も、請求項によれば組み合わされ、ガス、すなわち水素、STC/TCS及び三塩化ホウ素/ジボラン、が温度1000〜1200℃に加熱される。ケイ素又はホウ素から構成されない物体もTBSでコーティングすることができる。この目的には、物体を最初にホウ素又はケイ素でコーティングしておく。これは、ホウ素又はケイ素化合物の熱分解により行われる。例えば、ケイ素層は、水素によるTCSの還元により、グラファイトロッドに塗布されている。TBS層は、このケイ素層に、水素及び三塩化ホウ素又はジボランを使用することにより、施される。
米国特許第3,455,745A号によれば、TBSでコーティングするには、ケイ素の少なくとも一つの層が、物体の表面上にコーティングされることが必要である。従って、グラファイトからなる物体の場合、TBSによるコーティングの開始前に、コーティング操作が最初にトリクロロシランの温度1150℃における熱分解により行われる。
しかし、このようにコーティングされた加熱素子は、すでに上で観察された時間による抵抗の変動を有し、その影響は、電源に対する要求を増加し、これが、製法の経済的な実行可能性に好ましくない影響を及ぼす。
本発明の目的は、STCからTCSへ水素化するための、使用する加熱素子が、経時的に抵抗の大きな上昇を示さず、同時に、先行技術の欠点を回避する方法を提供することである。
この目的は、水素及び四塩化ケイ素を含んでなる反応物ガスが、圧力4〜15barで900℃を超える温度に加熱され、先ず、グラファイトから製造された少なくとも一つの熱交換器を用いて、次いでSiCコーティングしたグラファイトから製造された、温度が1150℃〜1250℃である少なくとも一つの加熱素子を用いて、四塩化ケイ素を反応器中で水素化する方法であって、反応ガスが、ジボラン、高級ボラン、ホウ素−ハロゲン化合物及びホウ素−シリル化合物からなる群から選択された少なくとも一種のホウ素化合物を包含し、全てのホウ素化合物の濃度の合計が、反応ガス流に対して1ppmvより大きい、方法により達成される。
本方法の好ましい変形は、従属請求項に記載されている。
本発明の方法は、驚くべきことに、まだ十分には理解されていないが、それにも関わらず、再現性がある2つの効果を生じる。
第一に、加熱素子のフレーキングにより引き起こされる加熱素子の故障及びそのために生じる反応器の故障が劇的に減少する。第二に、加熱素子の経時的な抵抗増加が同時に減少し、その結果は、反応器の稼働時間が長い場合に、電源に対する大きな要求を行うことが最早必要なくなる。これによって、かなりの資本コストが低減される。
先行技術から知られているように、好適な方法を使用して、物体を原則的にTBSでコーティングし、それによって酸化に対する抵抗を増加することができる。本発明者らが行った実験では、加熱素子上にどのようなTBS層も検出することはできなかった。
米国特許第3,455,745A号と同様に、TBS層が形成されたと仮定しても、加熱素子の経時的な抵抗特性を説明することはできなかった。実験でホウ素供給源スイッチを時間的にオン及びオフにしても、時間に対する抵抗プロファイルは、ホウ素供給源をスイッチオンにした時の方が、ホウ素供給源を続いてスイッチオフにした時よりも、はるかに平らであることが観察されることを明らかに示している。この効果は、非常に再現性がよく、ホウ素供給源を数回スイッチオン及びオフにした時、時間に対する抵抗プロファイルに明らかに単調な上昇を示し、平らな及び急な抵抗プロファイルが交互に現れた。従って、酸化可能性が乏しく、従って除去可能性も乏しいことが分かっているTBS層の、可能性がある形成は、ホウ素供給源をスイッチオフにした直後の抵抗の急な増加を、どの場合にも、説明できていない。
STCの水素化の場合、水素は、一般的に過剰(H:STC=2:1〜10:1)に使用し、縮合可能なクロロシラン及びHClを除去した後、STC水素化用の反応物として、循環流中に再使用する。
循環工程からの水素と同様に、スチームリホーマから来る純粋な水素又はポリ堆積から来る純粋水素を使用することもできる。
これらの水素タイプは、高純度を有し、例えばメタンが<10ppmv又は<ホウ素化合物が100pptaである。
STC水素化から来る水素を循環使用する工程では、メタン及び他の炭化水素が集積する(5000ppmvまで)のに対して、ホウ素化合物の集積は観察されていない。
各種Hタイプ中の様々なメタン含有量(<10ppmv又は<5000ppmv)は、グラファイト部品及び加熱素子のメタン化に対して測定可能な影響を明らかに及ぼさないことが分かっている。部品に対する損傷は、比較できる程度で起きている。加熱素子の経時的抵抗プロファイルは、様々な水素タイプに対して類似のプロファイルを示している。
高CH含有量(ただし、平衡組成物未満)の場合でも、部品を水素によるさらなる攻撃から保護する、又は抵抗プロファイルを持続的に変えるだけの、十分に緻密又は密着性のSiC層が部品上に形成されることは不可能であると推定できる。
しかし、驚くべきことに、約1ppmvの少量のジボラン(B)を水素に加えただけで、加熱素子の抵抗−時間曲線により好ましいプロファイルが得られることが分かった。同時に、これによって、加熱素子に対する損傷が著しく少なくなった。
STCからTCSへ水素化する通常の方法では、純粋反応物(ポリ堆積から得られるSTC及びH又は循環工程からのSTC及びH)を使用して、ホウ素の混入を回避する。ポリ堆積から得られるSTC又はHは、例えばホウ素化合物がポリシリコン全体にわたって使い果たされているので、本来不純物の量が低い。
今日まで、STC水素化の反応物を経由してホウ素を追加的に導入すると、目標とする生成物にホウ素濃度が高くなり、従って、生成物の精製蒸留するための複雑さのレベルが著しく高くなることが疑われている。
しかし、全く驚くべきことに、追加的に加えられたホウ素は、液体(濃縮された)反応生成物中にも処理する水素中にも蓄積しないことが分かった。
このことは、ホウ素供給源を一時的にスイッチオフにすることによっても、加熱素子の抵抗プロファイルに対する好ましい効果が短時間の後に減少するので、確認されている。
システム中でホウ素が蓄積する場合、長期間持続する効果が予想された。
従って、実験で追加的に供給されたホウ素は、例えば形成されたSiC層中に取り込まれることにより、反応器内で吸収されるか、又はH循環工程を経由して得られる塩化水素と共に排出されなければならない。この定量的証拠は、不可能である。ケイ化四ホウ素層ではなく、SiCが加熱素子上に形成される。
本発明による本方法の実施では、ホウ素化合物を水素反応物流に供給することができる。
これは、例えば限定された量のB又は他の気体状ホウ素化合物を供給することにより、行うことができる。
本発明の他の好ましい変形は、ホウ素化合物をSTC反応物流の中に供給することである。
選択されたプロセス条件下(温度及び圧力)で液体又は可溶のホウ素化合物をSTC流に供給し、次いでこれをクロロシランと一緒に蒸気化するのが好ましい。
供給するホウ素化合物がSTCよりも多かれ少なかれ揮発性であることは、本発明の成功にとって重要ではない。
B−ハロゲン及びB−シリル化合物、および高級ボランも、600℃を超える温度で分解し、ジボランと同じ効果を発揮する。
加熱素子に対する損傷は、電気抵抗の変化を測定することにより、定量できる。メタン化反応は、典型的にはグラファイトを含む加熱素子の比電気抵抗を明らかに増加し、従って、加熱素子の総抵抗も増加する。個々の調整/制御可能な加熱素子及び電流及び電圧から計算できるこれらの加熱素子の個々の電気抵抗を備えた加熱素子配置が、特に有利であることが分かった。
この配置により、通常は多くの個別加熱素子抵抗の計算及び観察を行うことができる。これらの抵抗を観察することにより、メタン化反応による加熱素子の損傷を間接的に観察することが可能である。
諸例
この例は、米国特許第4,536,642A号による装置中で行った。33mol%の四塩化ケイ素及び67mol%の水素からなる反応物流中のガス混合物を使用した。反応物ガス流の入口温度は約175℃である。反応器空間中のガスの圧力は6barに、温度は1000℃に調節した。
実験中、ホウ素化合物のジボランを調整された様式で水素中に計量供給し、同時に、抵抗の変化を基準と比較して測定した。
図1は、結果を図式的に示す。横軸に時間tをプロットし、縦軸には相対抵抗R/Rを百分率で示す。時間tから、ケースB、C及びDに対して、ジボランを追加的に計量供給した。ケースAは、基準ケース(先行技術)として、全体積流中の不純物として0.5ppmv未満の総ホウ素濃度を包含する。実験B(全体積流中のジボラン1ppmv)、C(全体積流中のジボラン4ppmv)、およびD(全体積流中のジボラン5ppmv)で、驚くべきことに、ジボランが追加的に計量供給された直後に、経時的抵抗変化に減少が観察することができた。この効果は、ケースBですでに認められるが、ケースDでは特に著しい。
驚くべきことに、ホウ素汚染物レベルが1ppmvを超える水素を全体積流中に使用した直後に、経時的な抵抗の上昇が減少したことを観察した。
さらなる実験で、ジボラン(全体積流に対して4ppmv)の計量添加を、数回スイッチオン及びオフした。結果を図2に図式的に示す。横軸に時間tをプロットし、縦軸は相対抵抗R/Rを示す。時間幅Eの間ではジボランの計量添加は行わなかった。予想した通り、抵抗プロファイルは、明らかに単調様式で上昇する。時間幅Fから、ジボランを計量供給し、抵抗プロファイルの傾斜は、計量添加とほとんど同時に減少する。時間幅Gでは、計量添加をスイッチオフし、その結果、抵抗は前と同様に再び上昇する。この状況下では、待ち時間は認められない。効果は瞬時に現れる。計量添加を再度スイッチオン(幅H)した場合、抵抗の傾斜は、再度ほとんど直ちに減少した。
計量添加と非計量添加の間のスイッチは、明らかに、加熱素子の相対抵抗における異なった傾斜の形態で、このシステムの瞬間的な反応をもたらす。追加の層(例えばTBS)が抵抗プロファイルの変化を起こしているのであれば、明瞭な待ち時間が測定できるはずであり、その間に対応する層が構築されるか、又は分解されるであろう。
さらなる実験で、同じホウ素濃度(全体積流に対して4ppmv)で、加熱素子の表面温度を時間と共に増加させた。
この実験の結果は、図3に図式的に示す。
横軸に時間tをプロットし、左側の縦軸に相対抵抗R/Rを百分率で示す。右側の縦軸は、高温計により測定できる、加熱素子の温度変化を時間と共に示す。抵抗曲線(破線)の傾斜が1150℃〜1250℃の間で最小値を有することが分かる。
一実験例の結果を示すグラフである。 他の実験例の結果を示すグラフである。 他の実験例の結果を示すグラフである。

Claims (7)

  1. 水素及び四塩化ケイ素を含む反応ガスが、圧力4〜15barで900℃を超える温度に加熱され、先ず、グラファイトから製造された少なくとも一つの熱交換器を用いて、次いでSiCコーティングしたグラファイトから製造された、温度が1150℃〜1250℃である少なくとも一つの加熱素子を用いて、四塩化ケイ素を反応器中で水素化する方法であって、前記反応ガスが、ジボラン、高級ボラン、ホウ素−ハロゲン化合物及びホウ素−シリル化合物からなる群から選択された少なくとも一種のホウ素化合物を含み、全てのホウ素化合物の濃度の合計が、前記反応ガス流に対して1ppmvより大きい、方法。
  2. 前記反応器中で使用されるグラファイトから製造された向流熱交換器が、トリクロロシラン、HCl及び未転化反応ガスを含む高温生成ガスにより前記反応ガスを加熱する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ホウ素化合物が、水素と共に前記反応器中に導入される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記ホウ素化合物が、四塩化ケイ素と共に前記反応器中に導入される、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 前記ホウ素化合物が、水素および四塩化ケイ素の両方と共に前記反応器中に導入される、請求項1又は2に記載の方法。
  6. 前記水素中の全てのホウ素化合物の濃度が少なくとも4ppmvである、請求項3又は5に記載の方法。
  7. 前記四塩化ケイ素中の全てのホウ素化合物の濃度が少なくとも4ppmvである、請求項4又は5に記載の方法。
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