JP2006131491A - シリコンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】クロロシランと水素とからシリコンを析出させるに際して、副生する塩化水素ガスが、析出反応排ガス中に高濃度で含まれていても、塩化水素を効率よく除去・回収可能し、設備の省コスト、省スペース化を可能にするシリコンの製造方法を提供する。
【解決手段】下記(a)から(e)の工程を含むシリコンの製造方法;(a)クロロシランと水
素とを加熱基材上で反応させてシリコンを生成せしめる工程、(b)反応排ガスを、-10℃以下に冷却してクロロシランの一部を凝縮除去する工程、(c)クロロシランと水素と塩化水
素を含有する水素を1×10-9m〜3×10-9mの平均細孔半径をもつ活性炭の充填層に通過させ、該水素中のクロロシランを0.01体積%以下まで吸着除去する工程、(d)ついで5×10-10
m〜1×10-9mの平均細孔半径をもつ活性炭の充填層に通過させ、水素中の塩化水素を0.01体積%以下まで吸着除去する工程、(e)前記(b)工程〜(d)工程を経て精製された水素を、前記(a)のシリコン析出工程に循環させる工程。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコンの新規な製造方法に関する。詳しくは、クロロシランと水素との反応によるシリコンの製造方法において、シリコン析出反応によって副生する塩化水素ガスが、析出反応排ガス中に高濃度で含まれていても、塩化水素を効率よく除去・回収可能し、設備の省コスト、省スペース化を可能にするシリコンの製造方法を提供するものである。
クロロシランと水素とを反応させてシリコンを析出させる高純度シリコン製造反応においては、その反応排ガスには、水素を主成分として、ジクロロシラン(以下、DCSとも言う)、トリクロロシラン(以下、TCSとも言う)、四塩化ケイ素(以下、STCとも言う)、および塩化水素等が含有されている。
また、四塩化ケイ素と水素とを高温で反応させてトリクロロシランを合成する、四塩化ケイ素の還元反応においても、その反応排ガスには前記のシリコン製造反応の反応排ガスと同様な成分が含有される。
上記のいずれの反応においても、工業的には析出反応排ガス中のクロロシランと塩化水素は水素から除去され、精製された水素は反応に再循環される。以下、シリコン製造反応を代表例として述べる。
高純度シリコンの工業的な製造方法としては、シーメンス法が代表的であり、従来から広く実施されている。シーメンス法は、通電加熱されたフィラメントにTCSと水素の混合ガスを供給することにより、フィラメント上にシリコンを析出させて多結晶シリコンロッドを得る方法である。
上記析出反応は、小規模な実験室レベルのシリコン析出反応装置で実施する場合、フィラメントとなるシリコンロッドも小口径であり、析出温度を高く設定できるため、析出反応排ガス中の塩化水素濃度はやや高くなる傾向にある。
ところが、工業的規模のシーメンス法シリコン析出反応装置では、ロッドが大口径になるにつれてロッドの表面温度と内部の温度の差が大きくなり、ロッドが内部からメルトダウンするおそれがあるため、析出温度、すなわちロッドの表面温度は、通常900〜1250℃、実質的には900〜1100℃で実施されている。この低い析出温度に加えて、生産量を稼ぐための複雑な析出反応器構造の影響もあり、結果的に工業規模のシーメンス法シリコン析出反応の排ガス組成は、実験室規模のそれと比較して、STCが多く、塩化水素は極めて少ない。ちなみに、従来の工業的規模のシーメンス法におけるシリコン析出反応排ガス中の塩化水素の濃度は、おおむね0.1体積%以下であった。
塩化水素副生量の多い実験室レベルのシーメンス法シリコン析出反応装置においては、析出反応排ガス中の塩化水素を除去する方法としては、特開昭55−149114号公報(特許文献1)や特開昭56−73617号公報(特許文献2)に開示されているように、ガスを極低温に冷却して凝結除去する方法が一般的であるが、この塩化水素除去方法は工業的には経済的でなく、また前述したように工業的規模の析出反応装置では塩化水素濃度も極めて小さいこともあり、実際の工業プロセスでは採用されていない。
一方、工業的に行われてきたシーメンス法では、塩化水素の濃度は極めて低いものの、
塩化水素が十分に除去されていない水素を析出反応に再循環させると、シリコンの純度が悪化する原因となることも知られている(特許文献3)。
特開平11−49509号公報(特許文献4)は、シリコン析出反応排ガス中のメタン濃度を管理してカーボン濃度の低い高純度多結晶シリコンを製造する方法に関する出願であるが、該出願中には、クロロシランを吸着除去した後に塩化水素専用の活性炭吸着塔を設置する方法についても開示している。すなわちここで、塩化水素を除去する必要性を暗に示しているものの、塩化水素を除去する活性炭はクロロシラン除去用の活性炭と同様なものを用いていることからも、塩化水素の除去のために特別な技術が必要であることについてまで言及しているとはいえない。
特開2001−58118号公報(特許文献5)は、主吸着容器とそれより小さい副吸着容器を用い、それぞれ塩化物と塩化物以外の汚染物質を除去する方法を開示している。特許文献5における副吸着容器は、汚染物質だけでなく、ごくまれに主吸着容器から破過する微量の塩化水素も一緒に吸着し、析出反応への塩化物の流入を防ぐ役割を持つことも考慮されている。このように特許文献5は汚染物質と塩化物の挙動、およびそれらの除去方法については考慮しているが、他方、主吸着容器で吸着される塩化物については特別な考慮はなされていない。すなわち、クロロシランと塩化水素の区別について明示しておらず、したがってそれぞれどのように除去すべきかを明確に示していない。この背景には、従来の工業的規模のシーメンス法では塩化水素の副生が極めて少ないことがあり、塩化水素を特別な技術で除去しなければならないという事態に至っていないことを暗に示唆しているといえる。
上記特許文献4および特許文献5のように、従来のシーメンス法においては、塩化水素の除去そのものについては注意が払われているものの、塩化水素を効率よく除去するために必要な活性炭の細孔特性や吸着システムの操作条件について、特別な配慮も認識もなされていないと言える。これはすなわち、従来の工業的規模のシーメンス法は、塩化水素の副生量が極めて少ないため、塩化水素を効果的に除去する特別な技術が必要で無かったためである。
ところが、近年、工業的規模のシーメンス法シリコン析出反応においても、析出反応の効率を向上させる種々の技術改良が行われた結果、従来よりもSTCが減少して塩化水素副生量が増大するなど、副生成物のバランスも変化してきた。結果的に、析出反応排ガス中には従来よりも高濃度(高濃度=0.2体積%以上とする)で塩化水素が含有されるようになり、従来行われてきた塩化水素の除去方法では不十分となる場合が出てきた。
さらなる析出反応効率の向上を目標として、本出願人は、VLD法と呼ばれるシリコンの析出方法を提案した。この方法はシリコンの融点以上に加熱しうるカーボン製の反応筒内にシリコン析出用原料ガス、例えば水素とTCSの混合ガスを供給してシリコンを析出させ、連続的または断続的にシリコンを溶融しながら落下・回収するシリコンの製造方法であるが、このVLD法では析出温度が高く、前記シーメンス法よりも10倍以上の濃度で塩化水素が副生するため、高濃度の塩化水素を効果的に除去しうる技術が必須となった。
改良されたシーメンス法における塩化水素濃度増大に対する対策として、本出願人は特開平9−263405号公報(特許文献6)において触媒特性を持つ特別な活性炭を用いて塩化水素とDCSやTCSを反応させ、塩化水素濃度を減少させた後に塩化水素を吸着除去する方法を提案した。この方法によって当面の課題は解決されたが、その後のシリコン析出反応の更なる技術改善によって、塩化水素を十分に除去できない場合が見られるようになってきた。
一方、VLD法による析出反応排ガス中の高濃度の塩化水素を効果的に除去する方法としては、本出願人は特許文献7において、高濃度の塩化水素を原料シリコンと280℃以上で接触させることによって、塩化水素の除去とトリクロロシランの合成を同時に行うプロセスを提案している。該プロセスを採用することによって、シリコン製造設備としてトータルの装置機器数を大幅に少なくし、設備コスト削減に貢献したが、塩化水素とシリコンとの反応の際に、反応に関与しない塩化水素以外の97〜99体積%のガス(水素およびクロロシラン)も同時に280℃以上に加熱する必要があるため、エネルギーの消費が比較的多いという課題があった。
特開昭55−149114号公報 特開昭56−73617号公報 特開昭63−144110号公報 特開平11−49509号公報 特開2001−58118号公報 特開平9−263405号公報 特開2004−2138号公報
析出反応効率の向上したシーメンス法において、高濃度の塩化水素を含有するシリコン析出反応排ガスから効果的に塩化水素を除去する技術を提案するとともに、さらに高濃度の塩化水素が含有される、例えばVLD法によるシリコン析出反応排ガスにおいても、少ないエネルギー消費量で効率よく塩化水素を除去し、さらに除去した塩化水素を効率よく回収して再利用する方法を提案することが課題である。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の一連の工程でシリコンを製造すれば、高濃度の塩化水素を効率的に除去し、再利用可能であることを見出した。
すなわち、本発明に係るシリコンの製造方法は、以下の態様である。
[1] 下記(a)〜(e)工程を含むことを特徴とするクロロシランと水素との反応によるシリコンの製造方法;
(a)クロロシランと水素とを加熱基材上で反応させてシリコンを生成せしめるシリコン析出工程、
(b)上記シリコン析出工程での反応排ガスを、−10℃以下に冷却してクロロシランの一部を凝縮除去するクロロシラン凝縮工程、
(c)前記(b)工程を通過したクロロシランと水素と塩化水素を含有する水素を、1×10-9m〜3×10-9mの平均細孔半径(R)をもつ活性炭の充填層に通過させ、該水素中のクロロシランを少なくとも0.01体積%以下まで吸着除去するクロロシラン吸着除去工程、
(d)前記(c)工程でクロロシランが低減された水素を、5×10-10m〜1×10-9mの平均細孔半径(R)をもつ活性炭の充填層に通過させ、該水素中の塩化水素を平均
濃度で0.01体積%以下まで吸着除去する塩化水素吸着除去工程、および、
(e)前記(b)工程〜(d)工程を経て精製された水素を、前記(a)のシリコン析出工程に循環させる水素循環工程。
[2](c)工程と(d)工程の各工程について、それぞれ吸着塔を複数設けて吸着工程と脱着再生工程を循環させるとともに、少なくとも(c)工程のある吸着塔を脱着再生工程から吸着工程に切り替える際には、これと同時に、(d)工程のある吸着塔も脱着再生工程から吸着工程に切り替える。
[3](c)工程に流入する塩化水素の最大濃度が、0.2体積%以上である。
[4](d)工程で活性炭に吸着した塩化水素を脱着再生する際、
該脱着した塩化水素ガスを、原料シリコンからトリクロロシランを合成するトリクロロシラン合成工程に供給してトリクロロシランを合成し、該トリクロロシランを精製してシリコン析出工程(a)に循環させる。
[5](d)工程で活性炭に吸着した塩化水素を脱着再生する際、
該脱着ガス中の塩化水素を酸性水に吸収させたのち、該酸性水を放散・乾燥させて塩化水素を回収し、該塩化水素を原料シリコンからトリクロロシランを合成するトリクロロシラン合成工程に供給してトリクロロシランを合成し、該トリクロロシランを精製してシリコン析出工程(a)に循環させる。
従来のシリコン製造方法においては、塩化水素が多量に副生する場合に、これを有効かつ経済的に分離除去しうる技術について提案されていなかった。これに対し、本発明者らは、あらかじめクロロシランの大部分を除去した後、特定の活性炭を用いながら、特定の操作条件で塩化水素の除去を実施することによって、小規模吸着塔であっても確実に塩化水素を分離除去できることを見出した。またこうして吸着塔で吸着された塩化水素は、クロロシランをほとんど含まず、極めて高度に濃縮された状態であるため、これを脱着して回収する方法では非常に効率的な回収が可能となる。さらに多量に回収された塩化水素を原料合成反応に再利用するため、廃棄量も少なく、エネルギー・環境負荷のきわめて低いプロセスである。
以下、本発明のシリコンの製造方法について説明する。
(a)シリコン析出工程
シリコン析出工程では、クロロシランと水素との反応によってシリコンを析出できる方法であれば、その反応装置の構造や反応条件は制限されるものではない。ここでクロロシランとは、Si−Cl結合を持つ分子であり、ジクロロシラン、トリクロロシラン、四塩化ケイ素などが代表的な例として挙げられる。
シリコンの析出反応においては、クロロシランとして最も典型的には、トリクロロシランが用いられている。
シリコン析出方法としては、代表的なものとして、加熱基材としてシリコンフィラメントを用いてこれを通電加熱し、ここにトリクロロシランを水素と共に供給することにより、フィラメント上にシリコンを析出させて成長した多結晶シリコンロッドを得る、いわゆるシーメンス法を採用することができる。シーメンス法に関する析出反応は、前記背景技術の項でその概要を説明している。
また本発明では、シーメンス法の他に、シリコンの融点以上に加熱可能な反応容器(加熱基材)に、シリコン析出用原料ガスを供給するとともに、該反応容器を1300℃以上1700℃以下に加熱してシリコンを析出させ、析出したシリコンを筒状容器の下端より連続的または逐次的に溶融して落下させて回収する多結晶シリコン製造方法(VLD法)も採用することができる。
これらの方法ではいずれも、シリコン析出時に塩化水素が副生物として生成する。
(b)排ガス中のクロロシランを凝縮除去する工程
前述したように、シリコン析出工程での反応排ガス中には、水素を主成分として、DCS、TCS、STC、塩化水素、および微量のクロロシラン多量体等が存在する。クロロ
シラン凝縮工程では、クロロシラン吸着工程の負荷を小さくするために、吸着工程に先立ってあらかじめクロロシランの一部を凝縮除去する。
クロロシラン凝縮工程では、シリコン析出反応排ガスを−10℃以下に冷却してクロロシランの一部を凝縮させて、排ガスから除去する。冷却温度はクロロシランが凝縮する温度以下であればよいが、塩化水素を凝縮させる必要はないので、−10℃以下、より好ましくは−30℃以下であることが望ましい。凝縮工程での圧力は、望ましくは、300kPaG以上、最も好ましくは500kPaG以上であることが望ましい。
ガスの圧力を上昇させるために、シリコン析出工程(a)とクロロシラン凝縮工程(b)の間には、加圧機を設置することができる。また、該加圧機の保護のため、予備的なクロロシラン凝縮工程やフィルターなども加圧機より上流側に設置してもよい。これらの点は、工業的なプロセス設計の常套手段として採用できる。
さらに、凝縮工程より上流側には、例えば本出願人が提案した塩化水素を減少させる手段(特許文献6)なども、好適に採用することができる。
凝縮を行うための冷却は公知の冷却手段を用いて行うことが可能である。凝縮操作としては、ガスを露点以下に冷却すればよいが、その方法としては、単に冷却された熱交換器を通過させるだけでもよいし、あるいは凝縮され冷却された凝縮物によってガスを冷却する方法も採用できる。これらの方法をそれぞれ単独でまたは併用して採用することができる。
凝縮して回収されたクロロシランは、通常、蒸留によって精製され、必要に応じてシリコン析出原料として再利用され、上記工程(a)に再循環してもよい。
通常(a)で排ガス中に含まれるクロロシランの量は、4〜20体積%程度であるが、(b)工程によって3体積%以下に、より好適な操作条件下では1体積%以下に減少させることができる。
(c)クロロシラン吸着除去工程
前記(b)工程を通過したクロロシランと水素と塩化水素を含有する水素を、1×10-9m〜3×10-9m、好ましくは1.2×10-9m〜1.6×10-9mの範囲にある平均細孔半径(R)をもつ活性炭が充填された吸着塔を通過させ、該水素中のクロロシランを少なくとも0.01体積%以下まで吸着除去する。なお、本発明で示す平均細孔半径(R)は、水蒸気吸着法によって得られる細孔分布曲線において最大ピークを示す細孔半径とする。
クロロシラン吸着除去工程(c)で使用する活性炭の平均細孔半径は、上記範囲にあれば、効率的にクロロシランを除去することができる。上記範囲を外れると吸着能力が低くなり、より大きな容量の吸着塔が必要になる。
また、他の特性、すなわち、形状、比表面積等も特に制限されるものではない。例えば、形状は、粒状、ハニカム状、繊維状であることができるが、粒状のものが単位体積当りの充填量を多くすることができるため、特に好ましい。
(c)工程に流入する塩化水素の最大濃度が、0.2体積%以上であることが望ましい。
なお塩化水素の濃度は(C)工程に含まれる水素、クロロシラン、塩化水素の合計に対する量である。通常、塩化水素の濃度は低い方が好ましいが、本発明ではこのような範囲のものを含んでいても効率的に除去できる。流入する塩化水素濃度の上限は10体積%以下である。
本工程(c)においてクロロシランを十分に除去しておくことが、次段に配置する塩化水素吸着除去を効果的に実施するためには重要である。すなわち、次段では塩化水素の吸着除去に最適な活性炭を用いるが、このときクロロシランが残存していると、塩化水素用の活性炭はクロロシランを強固に吸着してしまい、ひいては塩化水素除去能力が低下する場合があるためである。したがってクロロシラン吸着除去工程(c)において、クロロシランは0.01体積%以下、より好ましくは0.005体積%以下にすることが重要である。
通常の工業装置では、当初からある程度の余裕度を持って設計されるが、操作条件の変動や装置類の機能変化により、稼動時の余裕度は常に変動することが実情である。したがって、常時または定期的にクロロシランのリーク量をチェックすることが好ましい。クロロシランリーク量が多い場合には、クロロシラン凝縮工程(b)での凝縮温度を低下させたり、クロロシラン吸着除去工程(c)での吸着時間を短くしたり、脱着条件をさらに向上させて対応することができる。クロロシランのリーク量をモニターする方法としては、該吸着塔の出口ガスを、ガスクロマトグラフィーなどを用いて分析・監視する方法がある。
クロロシラン吸着除去工程(c)での吸着温度は−30〜50℃、好ましくは−10〜30℃、吸着圧力は300kPaG以上、好ましくは500kPaG以上であることが好ましい。
吸着されたクロロシランは、活性炭より脱着して回収することができる。脱着は、通常150℃〜300℃、200kPaG以下の操作条件下で水素を流通しながら行うことが望ましい。
本発明で開示する平均細孔半径を持つ活性炭を用い、さらに上記の温度および圧力で吸着および脱着再生操作を行えば、クロロシランを効率的に吸着除去でき、装置をコンパクトにすることができる。
クロロシラン吸着除去工程で脱着された脱着ガスは、(b)工程の凝縮工程よりも上流側に返送し、前記(b)凝縮工程および(c)工程によって、除去・回収することができる。回収されたクロロシランは各成分に精製分離されるが、TCSはシリコン析出工程(a)に再循環させて再利用することができ、またSTC(四塩化ケイ素)は必要に応じて公知の方法でTCSに還元処理して再利用したり、二酸化珪素を合成する原料として使用しても良い。
工業的に連続操業する場合には、吸着塔は複数設ける必要がある。たとえば、2塔設置して1塔で吸着を行い、その間に他塔で脱着再生を実施する。このとき、3塔以上を設置して1塔を吸着、2塔を脱着再生としてもよい。
シリコンの生産能力が大きく、活性炭量が多く必要な場合には、1塔当りの容量が大きい塔としてもよいが、複数の塔を並列に使用してもよい。
(d)塩化水素除去工程
前記(a)〜(c)工程で、クロロシランが十分に除去された排ガスを、活性炭が充填された塩化水素吸着塔に通過させ、リークする塩化水素量を、平均0.01体積%以下となるまで、塩化水素を除去する。
塩化水素除去工程(d)で用いる活性炭としては、高濃度の塩化水素を効果的に除去するために、平均細孔半径が5×10-10m〜1×10-9m、好ましくは5×10-10m〜8×10-10mの範囲にあることが重要である。
一般的に言うと、塩化水素は活性炭には吸着されにくい物質であるが、本発明で開示する活性炭は、特に塩化水素の吸着に適している。
細孔半径以外の特性、すなわち、形状、比表面積等も特に制限されるものではない。例えば、形状は、粒状、ハニカム状、繊維状であることができるが、粒状のものが単位体積当りの充填量を多くすることができるため、特に好ましい。
この工程により塩化水素を十分に除去しておくことが、シリコン析出反応工程(a)でシリコンの純度を維持したり、あるいは反応阻害無く析出反応を実施するために重要である。したがって、塩化水素吸着除去工程(d)において、塩化水素は平均濃度で0.01体積%以下、より好ましくは0.005体積%以下にすることが重要である。ここで平均濃度は、塩化水素吸着除去工程からリークする塩化水素の総体積量を、塩化水素吸着除去工程から排出される全ガスの体積量で除したものと定義する。
塩化水素吸着除去工程(d)の吸着塔も、クロロシラン吸着塔と同様に当初からある程度の余裕度を持って設計されるが、クロロシラン吸着除去工程の項で述べた理由と同様な理由により、常時または定期的に塩化水素のリーク量をチェックすることが好ましい。塩化水素リーク量が多い場合には、クロロシラン吸着除去工程(c)と同時に吸着時間を短くしたり、塩化水素吸着塔の脱着条件をさらに向上させて対応することができる。塩化水素のリーク量をモニターする方法としては、該吸着塔の出口ガスを、ガスクロマトグラフィーなどを用いて分析・監視する方法がある。
塩化水素の吸着は、50℃以下、好ましくは30℃以下の範囲であることが好ましい。また圧力は300kPaG以上、好ましくは500kPaG以上であることが望ましい。
塩化水素の脱着は、通常150℃〜300℃、200kPaG以下の操作条件下で水素を流通しながら行うことが望ましい。脱着された塩化水素は、後述する工程(f)に例示する方法よって回収し、再利用することが好ましい。
塩化水素は活性炭に吸着しにくいが、本発明で開示する平均細孔半径を持つ活性炭を用い、さらに上記の温度および圧力で吸着および脱着再生操作を行えば、塩化水素を効率的に吸着除去でき、工業的に有利な規模の装置とすることができる。
工業的に連続操業する場合には、前記クロロシラン吸着除去工程(c)の項で述べたように、複数塔設けて吸着工程と脱着再生工程を循環させ、吸着工程が連続するように運用する必要がある。シリコンの生産能力が大きい場合には、1塔当りの容量が大きい塔としてもよいが、複数の塔を並列に使用してもよい。
ここで、少なくとも(c)工程のある吸着塔を脱着再生工程から吸着工程に切り替える際には、これと同時に、(d)工程のある吸着塔も脱着再生工程から吸着工程に切り替えることが特に重要である。
上述したように、(d)工程の吸着工程への切替タイミングを、(c)工程の吸着工程の切替タイミングに合わせることは重要であるが、脱着再生工程は、装置規模や脱着再生条件に応じて適宜決定すればよく、(c)工程と(d)工程で必ずしも同数の塔を循環させて、同一の制限時間内で脱着再生工程を完了させる必要は必ずしもない。例えば、(c)工程では吸着工程を6時間、脱着再生工程を12時間として3塔を循環させるサイクルで運用し、(d)工程では吸着工程を6時間、脱着再生工程を18時間として4塔を循環させるサイクルで運用する、といった運用形態も可能である。
また別の例として、(c)工程で吸着工程を6時間、脱着再生工程を12時間として3
塔を循環させるサイクルで運用し、(d)工程では吸着工程を3時間、脱着再生工程を12時間として5塔を循環させるサイクルで運用する形態も可能である。いずれにしても、(c)工程のある吸着塔を脱着再生工程から吸着工程に切り替える際には、これと同時に、(d)工程のある吸着塔も脱着再生工程から吸着工程に切り替えることが重要である。
前述した特許文献5では、クロロシラン吸着と塩化水素吸着に特別な区別を行っていない点、および、まれに塩化水素を吸着する可能性のある副吸着容器の切り替え操作については、破過を検知するたびあるいは特定回数の使用ごとに切り替えればよいという認識であることから、本発明で開示する技術は、特許文献5とは技術的に異なったものであるといえる。
本発明で開示するように、(d)工程の吸着工程への切替タイミングを、(c)工程の吸着工程の切替タイミングに合わせることにより、塩化水素吸着塔の吸着能力を最大限引き出せるばかりではなく、詳細なメカニズムは解明されていないものの、驚くべきことに、従来問題となっていた塩化水素のリークよるシリコン析出物の純度低下も緩和しうることが判明した。
(e)水素循環工程
以上のような処理によって、塩化水素が除去されたシリコン析出反応排ガス、すなわち水素は、塩化水素の含有量を平均で0.01体積%以下まで抑えることができ、シリコン析出反応に循環しても析出反応に悪影響を及ぼすことがない。
こうして生成された水素ガスはシリコン析出工程(a)に送られ、再利用される。なお、工程中で水素の減少が生じる場合、必要に応じて水素を補充してもよい。
(f)塩化水素回収工程
塩化水素吸着塔に吸着した塩化水素は、脱着されて再利用されることが好ましい。
脱着ガス中の塩化水素は、洗浄塔で酸性水に吸収させ、回収する方法が好適に採用できる。この吸収法によって塩化水素を回収すると、酸性水に吸収されにくい不純物、たとえば、例えばCH4やPH3などを効果的に除去できるだけでなく、脱着ガス中の塩化水素も塩酸の形で保有しうるため、放散・乾燥して再利用する塩化水素を断続的に使用したり、あるいは濃度を任意に調整してトリクロロシラン合成工程に供給することが容易となる。なお、酸性水とは、塩化水素を吸収した塩酸である。
回収された塩酸は、蒸発工程と冷却工程を用いる公知の方法を経て、放散・濃縮され、99%以上に濃縮された塩化水素は、たとえばモレキュラーシーブスなどの乾燥剤の充填層を通過させることによって乾燥される。このとき、極微量に残留する水分が装置の腐食の原因となる場合には、濃硫酸などに通過させて完全に水分を除去することもできる。
こうして得られた、実質的に濃度100%の塩化水素は、後述するトリクロロシラン合成工程(g)に例示する方法によってトリクロロシランを生成し、再利用することが好ましい。
なお、上記のように、塩化水素を吸収して回収させる他に、脱着ガス中の塩化水素を回収する方法としては、脱着ガスを容器に直接回収する方法もある。容器に回収された塩化水素を含有する脱着ガスは、塩化水素濃度にムラが生じる場合があるが、放散や乾燥の工程を経ることなく、トリクロロシラン合成工程に供給することができるため、設備コストを低減することができる。
(g)トリクロロシラン合成工程
トリクロロシランを合成する反応工程としては、純度90〜98%程度の冶金級シリコ
ンと回収した塩化水素含有ガスを、250〜400℃で反応させてトリクロロシランを合成する方法などが挙げられる。
トリクロロシラン合成工程で合成された粗トリクロロシランは、蒸留精製され、シリコン析出工程(a)に供給することができる。
また、上記反応に使用される反応器は、原料シリコンと塩化水素含有ガスとを接触させる装置であれば特に制限なく使用される。例えば、原料シリコン粉体をガスにより流動化させながらガスと粉体を反応させる流動層反応器が工業的実施において特に好適である。このとき、上記流動層反応器の温度を調節する方法は、公知の方法が制限無く使用できる。例えば、流動層の内部または外部に熱交換器を設置したり、あるいは予熱するガスの温度を調節したりする方法が挙げられる。
なお、シリコンと塩化水素との反応は発熱反応であるので、塩化水素の供給濃度次第で、一旦反応が開始すれば、必ずしも加熱を継続する必要がない場合がある。本発明で回収する塩化水素はその濃度が高いため、反応中に加熱を継続する必要がない反応条件を容易に実現し、エネルギー損失を抑制することができる。このとき、反応温度や流動状態の制御を容易にするために、回収された塩化水素は適宜水素などの希釈ガスと混合して原料シリコン粉体と接触させてもよい。
図1は、クローズドシステムによる本発明に係るシリコンの製造方法を示す工程図である。図1に示されるように、かかる方法は、
(a)クロロシランと水素とを加熱基材上で反応させてシリコンを生成せしめるシリコン析出工程、
(b)上記シリコン析出工程での反応後の排ガスを、−10℃以下に冷却してクロロシランの一部を凝縮除去するクロロシラン凝縮工程、
(c)前記(b)工程を通過したクロロシランと水素と塩化水素を含有する水素を、1×10-9m〜3×10-9mの平均細孔半径(R)をもつ活性炭の充填層に通過させ、該水素中のクロロシランを少なくとも0.01体積%以下まで吸着除去するクロロシラン吸着除去工程、
(d)前記(c)工程でクロロシランが低減された水素を、5×10-10m〜1×10-9mの平均細孔半径(R)をもつ活性炭の充填層に通過させ、該水素中の塩化水素を平均
濃度で0.01体積%以下まで吸着除去する塩化水素吸着除去工程、および、
(e)前記(b)工程〜(d)工程を経て精製された水素を、前記(a)のシリコン析出工程に循環させる水素循環工程からなり、さらに、
工程(d)を通過した排ガス中に含まれる塩化水素を分離し回収する(f)塩化水素回収工程、
塩化水素循環工程で分離された塩化水素を吸収、放散、および乾燥したのち、シリコンとの反応によりトリクロロシランを生成せしめ、精製し、工程(a)に循環する(g)トリクロロン合成工程を設けてもよい。
また、かかる反応に使用する反応装置は、反応温度条件を達成することができる装置であれば、その構造は特に制限されない。
[水素の精製方法]
本発明に係る水素の精製方法は、シリコン析出反応後の排ガスであって、0.2体積%以上の塩化水素を含有する水素を、5×10-10m〜1×10-9mの平均細孔半径(R)
をもつ活性炭の充填層に通過させて塩化水素を吸着除去することを特徴としている。
活性炭としては、前記工程(d)で記載されたものが例示される。
また、かかる方法で水素を精製する場合、クロロシランが含まれている場合、クロロシランの凝縮除去、活性炭による吸着除去を行っていてもよい。
かかる方法では、活性炭が充填された吸着塔に排ガスを通過させて、排ガス中に含まれる塩化水素を除去するが、このときの空間速度(SV)は、100〜500Hr-1の速度で処理することが望ましい。
以上のような処理によって、0.2体積%以上の塩化水素を含有する水素を、0.01体積%以下まで吸着除去することが可能となる。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示す工程に従って、下記の通りシリコンの製造を行った。
シリコン析出工程(a)
公知のシーメンス法のベルジャーを用いた。このとき、シリコンの析出表面積は平均で約1200cm2とし析出温度は1150℃とした。析出運転は代表的な排ガス組成が得
られる条件下、すなわち水素30Nm3/H、トリクロロシラン18kg/Hの混合ガス
を4時間供給することによって析出を行った。反応圧力は50kPaGであった。
クロロシラン凝縮工程(b)
析出工程(a)から排出されたシリコン析出反応排ガスは、熱交換器で冷却したのち、圧縮機で700kPaGまで加圧し、さらに冷却して−30℃に冷却してクロロシランの一部を凝縮分離した。本工程から排出されるガスは、本分離工程に供給するガスと熱交換して冷熱を回収し、最終的にガス温度を10℃として、次工程のクロロシラン吸着除去工程(c)に送付した。
クロロシラン吸着除去工程(c)および塩化水素吸着除去工程(d)
シリコン析出反応排ガスを、クロロシラン凝縮工程(b)を通した後に、クロロシランの吸着除去工程(c)でクロロシランを除去した後、さらに塩化水素除去工程(d)を通して塩化水素を除去した。
クロロシラン吸着除去工程(c)では、1.2×10-9mの平均細孔半径を有する直径3〜5mmの粒状活性炭を20L充填した充填塔を2塔用意した。活性炭はクロロシランを数度吸脱着させた後、本実施例に提供した。
また塩化水素吸着除去工程(d)では、8×10-10mの平均細孔半径を有する直径3
〜5mmの粒状活性炭を15L充填した充填塔を2塔用意した。活性炭は塩化水素を数度吸脱着させた後、本実施例に提供した。
吸着は、クロロシラン吸着塔1塔と塩化水素吸着塔1塔を直列につないで同時に開始し、また吸着開始2時間後に、それぞれ吸着塔を同じタイミングで予備の吸着塔に切り替えた。
上記の運転操作中、シリコン析出中のシリコンの生成速度は約0.25kg/Hrであり、析出工程(a)から排出されたシリコン析出反応排ガス中の塩化水素濃度は0.35体積%であった。
吸着操作時間の終始、クロロシラン吸着塔からのクロロシランのリークはガスクロマトグラフィーの検出下限(10ppm)以下であった。また塩化水素吸着塔からの塩化水素
のリークも検出下限(10ppm)以下であった。
[実施例2]
シリコン析出工程(a)
析出工程(a)では、図2に示す装置(析出表面積約400cm2)を使用した。
TCS9.1kg/Hを気化して水素30Nm3/Hと混合し、1300℃に加熱され
た筒状容器内部に供給してシリコンを生成させた。反応圧力は50kPaGとした。
該析出工程では、2時間析出するごとに30分間かけて析出したシリコンの溶融落下操作を実施した。なお溶融落下操作は、水素流量は維持しながらトリクロロシランの供給を停止し、加熱出力を上昇させて筒状用器の温度をシリコンの融点以上に上昇させた。
クロロシラン凝縮工程(b)
析出工程(a)から排出されたシリコン析出反応排ガスは、熱交換器で冷却されたのち、圧縮機で700kPaGまで加圧し、さらに冷却して−30℃に冷却してクロロシランの一部を凝縮分離した。本工程から排出されるガスは、本分離工程に供給するガスと熱交換して冷熱を回収し、最終的にガス温度を10℃として、次工程のクロロシラン吸着除去工程(c)に送付した。
クロロシラン吸着除去工程(c)および塩化水素吸着除去工程(d)
シリコン析出反応排ガスを、クロロシラン凝縮工程(b)を通した後に、クロロシランの吸着除去工程(c)でクロロシランを除去した後、さらに塩化水素除去工程(d)を通して塩化水素を除去した。
クロロシラン吸着除去工程(c)では、1.2×10-9mの平均細孔半径を持つ直径3〜5mmの粒状活性炭を20L充填した充填塔を3塔用意した。活性炭はクロロシランを数度吸脱着させた後、本実施例に提供した。
また塩化水素吸着除去工程(d)では、8×10-10mの平均細孔半径を持つ直径3〜
5mmの粒状活性炭を40L充填した充填塔を3塔用意した。活性炭は塩化水素を数度吸脱着させた後、本実施例に提供した。
クロロシラン吸着除去工程(c)、および塩化水素吸着除去工程(d)は、それぞれ3塔のうち1塔を用いて吸着操作を行った。なお、吸着工程に1塔を使用する間、残りの2塔は脱着再生工程(脱圧、水素流通昇温・降温、加圧、待機)を行い、3塔を順々に使用した。吸着塔の切り替えは、析出反応工程(a)の毎回の溶融落下操作の開始と同じタイミングで行い、この際クロロシラン吸着塔と塩化水素吸着塔を同時に、それぞれ脱着再生が完了した塔に切り替えた。
なお脱着操作は、クロロシラン吸着塔も塩化水素吸着塔も新鮮な水素を吸着塔上部から0.5Nm3/Hで流通させながら、圧力20kPaGで200℃まで上昇させて行った
水素循環工程(e)
塩化水素吸着除去工程(d)から排出される精製された水素は、シリコン析出工程(a)に返送された。またこの返送工程において、外部より新規な水素を加えることにより、循環系内の水素量を一定量に維持した。
塩化水素回収工程(f)
塩化水素吸着塔からの脱着ガスについては、バッファー容器に回収した。
上記の運転操作を100時間以上連続して行った。シリコン析出中のシリコンの生成速度は約0.5kg/Hであり、シリコン析出反応中に析出工程(a)からの排ガス中に含まれる塩化水素濃度は、約3.6体積%であった。
吸着操作時間の終始、クロロシラン吸着塔からのクロロシランのリークはガスクロマトグラフィーの検出下限(10ppm)以下であった。また塩化水素吸着塔からの塩化水素のリークも検出下限(10ppm)以下であった。
シリコン析出工程では安定的に析出反応を継続することができ、また製品純度も安定して高純度のものが得られた。
塩化水素回収工程から得られる脱着ガスは、脱着操作中に塩化水素濃度の変動があったが、濃度を平準化するバッファー容器にて平準化され、塩化水素濃度が約50体積%の水素/塩化水素混合ガスが得られた。このガスは加圧すればそのままクロロシラン合成反応に問題なく供給することができるものであった。
[比較例1]
実施例1において、塩化水素吸着除去工程(d)で使用した活性炭として、平均細孔半径が1.2×10-9mのもの(すなわち従来から使用されていたもの)に変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。
その結果、吸着1時間目前後から塩化水素吸着塔からの塩化水素がリークし始め、徐々にその濃度は高くなった。吸着塔を予備のものに切り替えると塩化水素リークはおさまったが、切り替え1時間目前後に再度塩化水素のリークが開始した。塩化水素のリーク濃度は平均で約0.05体積%に達した。
[参考例1]
比較例1においてシリコン析出温度を1000℃とした以外は、比較例1と同様にしてシリコンの析出を行った。その結果、析出反応排ガス中の塩化水素濃度は約0.1体積%であり、4時間の操作中、塩化水素吸着塔からの塩化水素のリークは、終始ガスクロマトグラフィーの検出下限(10ppm)以下であった。
実施例1、比較例1、および参考例を対比すると、塩化水素濃度が低い従来のシーメンス法においては、塩化水素のリークが無く問題なく使用していた活性炭(参考例)でも、塩化水濃度が高いシリコン析出反応にはそのまま使用できない場合がある(比較例1)ことがあることを示している。また塩化水素濃度が高い場合でも、本発明に開示する平均細孔半径を持つ活性炭を用いれば、塩化水素のリークを防止しうる(実施例1)。
[参考例2]
実施例2で用いたシリコン製造装置において、クロロシラン吸着除去工程(c)と塩化水素吸着除去工程(d)の吸着開始タイミングをいっしょにせず、工程(d)の吸着開始時間を、工程(c)の吸着開始時間より常に1時間遅らせる他は、実施例2の操作条件と同様にして運転を開始した。
その結果、運転開始後数時間から、塩化水素吸着除去工程の出口では、塩化水素が周期的に高濃度でリークしはじめ、シリコン析出反応が阻害されて析出速度が低下し、さらには生成したシリコンの純度も低下した。
上記の実施例および比較例から、高濃度の塩化水素を効率的に除去するには、塩化水素吸着除去塔において特定範囲の平均細孔半径を有する活性炭による処理を採用することが最も重要であり、またこれをより効果的に機能させるために、クロロシラン吸着除去塔の
切り替えタイミングも考慮した適切な運用も重要であることが明らかとなった。
本発明の代表的な態様を示す工程図 実施例2で使用されるシリコン析出のための装置の概略図

Claims (5)

  1. 下記(a)〜(e)の工程を含むことを特徴とするクロロシランと水素との反応によるシリコンの製造方法。
    (a)クロロシランと水素とを加熱基材上で反応させてシリコンを生成せしめるシリコン析出工程、
    (b)上記シリコン析出工程での反応排ガスを、−10℃以下に冷却してクロロシランの一部を凝縮除去するクロロシラン凝縮工程、
    (c)前記(b)工程を通過したクロロシランと水素と塩化水素を含有する水素を、1×10-9m〜3×10-9mの平均細孔半径(R)をもつ活性炭の充填層に通過させ、該水素中のクロロシランを少なくとも0.01体積%以下まで吸着除去するクロロシラン吸着除去工程、
    (d)前記(c)工程でクロロシランが低減された水素を、5×10-10m〜1×10-9mの平均細孔半径(R)をもつ活性炭の充填層に通過させ、該水素中の塩化水素を平均
    濃度で0.01体積%以下まで吸着除去する塩化水素吸着除去工程、および、(e)前記(b)工程〜(d)工程を経て精製された水素を、前記(a)のシリコン析出工程に循環させる水素循環工程。
  2. (c)工程と(d)工程の各工程について、それぞれ吸着塔を複数設けて吸着工程と脱着再生工程を循環させるとともに、少なくとも(c)工程のある吸着塔を脱着再生工程から吸着工程に切り替える際には、これと同時に、(d)工程のある吸着塔も脱着再生工程から吸着工程に切り替えることを特徴とする、請求項1に記載のシリコンの製造方法。
  3. (c)工程に流入する塩化水素の最大濃度が、0.2体積%以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載のシリコンの製造方法。
  4. (d)工程で活性炭に吸着した塩化水素を脱着再生する際、該脱着した塩化水素ガスを、原料シリコンからトリクロロシランを合成するトリクロロシラン合成工程に供給してトリクロロシランを合成し、該トリクロロシランを精製してシリコン析出工程(a)に循環させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のシリコンの製造方法。
  5. (d)工程で活性炭に吸着した塩化水素を脱着再生する際、該脱着ガス中の塩化水素を酸性水に吸収させたのち、該酸性水を放散し、さらに乾燥させて塩化水素を回収し、該塩化水素を原料シリコンからトリクロロシランを合成するトリクロロシラン合成工程に供給してトリクロロシランを合成し、該トリクロロシランを精製してシリコン析出工程(a)に循環させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のシリコンの製造方法。

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