JP6609562B2 - グラフェンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、グラファイト電極の電気化学的剥離と、好ましくはその後、非酸化又は還元環境内で加熱することを含むプロセスによるグラフェンシート、例えばグラフェンナノシートの製造方法に関する。
用語「カーボンナノ構造体」は、フラーレン、カーボンナノチューブ(CNTs)、カーボンナノファイバー、カーボンナノ粒子、カーボンナノプレート及びグラフェン等の構造体を含む。カーボンナノ粒子、カーボンナノプレート及びグラフェン等の構造体を含む。グラフェンは特に、高い弾道(バリスティック)電子移動度、高い熱伝導率、高いヤング率、高い破壊強度、及び高い比表面積等の並外れた多数の特性を有している。近年、文献において、様々に称されるグラフェン、カーボンナノフレーク、カーボンナノフラワー、カーボンナノホーン、カーボンナノウォール、又はグラフェンナノシート(GNSs)であるグラフェンベースのナノ材料は、多くの用途に対する有望な候補とするそれらの独特の寸法、構造、及び電子特性に起因して化学的注意を引いている。それらの構造体を、本文書では、グラフェンシート又はグラフェンナノシートと称する。グラフェンナノシートの可能な用途としては、電界エミッター、電気化学キャパシタ、電気容量性脱イオン用の電極材料、リチウムイオン電池用のアノード材料、触媒担体、バイオセンサー、燃料電池用の電極、光触媒用途、透明導電膜及びナノコンタクターにおける使用が挙げられる。他の潜在的な用途としては、腐食防止、導電性インク、潤滑剤、より効率的な太陽電池、新規な抗生物質、及び新しい超高性能ポリマー−、セラミック−及び金属−ベースの複合材料中の充填材を挙げることができ、又はこれらを含むことができる。これらに加えて、グラフェン/半導体ナノ複合材料は、染料汚染物の光分解のための触媒の有望な、新たなクラスである。グラフェンはまた、塩水脱塩技術を進歩させる新たな機会を提供し、水性溶液からの低濃度汚染物質の除去に使用されている現存する吸着剤に挑戦する。また、グラフェンナノシートは、他のナノ構造体化材料の製作におけるテンプレートとして使用することができる。
グラフェンシートは、最初に、高配向性熱分解グラファイト(HOPG)のマイクロメカニカルクリーベッジの「上位から下位へ」の手法によって小量で製造された。その後、比較的大量の、化学修飾したグラフェンシートが多数の手法によって製造され、それらの手法の全部はHOPGを出発材料として使用し、労働集約的調製を含んでいた。より最近になって、カーボンナノチューブの製造に用いられる方法と類似した方法を用いた、グラフェンシートの調製が注目されている。例えば、グラフェンシートは、数ナノメートルの平均厚さを有する垂直配向カーボンシートとして、化学気相蒸着(CVD)法により基板上にて合成される。グラフェンシートは、プラズマ増強CVD(PECVD)、ホットワイヤーCVD、dc−プラズマ増強CVD(dc−PECVD)、高周波(rf)−PECVD、誘導結合PECVD、誘導結合rf−PECVD、グロー放電PECVD、マイクロ波放電CVD、電子ビーム励起PECVDによって、また熱分解ベースの方法によっても合成されている。
グラフェンシートのCVDベースの合成法は、32nm分−1という低速であり得る、低い生産速度の問題を有している。CVDプロセスに1mの表面積が使用された場合、グラフェン生産の速度は、典型的には1g/日未満である。更に、これらの方法は複雑な設備を必要とする。CVDプロセスの代替として、室温イオン液体による、カーボンナノ材料へのグラファイトの剥離が、多数の研究の対象となっている。グラファイト電極を用いた室温イオン液体の電気分解は、グラファイト電極材料を幾分か腐食又は剥離をもたらして、該材料をグラフェンシートを含むカーボンナノ構造体とすることが示されている。しかしながら、室温イオン液体中でのグラフェンの合成速度は低い。更に、室温イオン液体は、殆どが有毒であり、生物分解が不可能であり、また高価過ぎる。
現在のところ、大量のグラフェンシート又はグラフェンベースの材料を供給することが可能なグラフェンシート製造プロセスは存在しない。それ故、グラフェンを使用した用途及び材料の開発は困難である。
本発明は、以下に参照する添付の独立請求項に定義された、グラフェンシートと、グラフェンシートを含む炭素質粉末との製造方法を提供する。本発明の好ましい及び/又は有利な特徴は、従属請求項に提示されている。
従って、第1の態様において、グラフェンシートの製造方法は、(a)溶融塩中でのグラファイト電極の電気化学的腐食によって炭素質粉末を形成するステップであって、溶融塩が水素イオンを含む、ステップと、(b)得られた炭素質粉末を溶融塩から回収するステップと、(c)炭素質粉末を非酸化雰囲気又は還元雰囲気中で加熱することによって炭素質粉末を熱処理して、グラフェンシートを含む熱処理粉末を生成するステップと、を含んでもよい。
用語、グラフェンシート又はグラフェンは、炭素の2次元結晶性同素体を指す。グラフェンは、グラファイトの1原子層厚シートであると見なされ得る。本明細書で使用される用語、グラフェンシート又はグラフェンは、10原子層迄の厚さを有するシートも含む。シートの横寸法に応じて、グラフェンはグラフェンシート又はグラフェンナノシートと称され得る。グラフェンナノシートは、典型的には、横寸法、即ち、50ナノメートル〜500ナノメートルのx及びy方向における寸法を有する。グラフェンシートは、500ナノメートルを超える横寸法を有し得る。
溶融塩は、水素を遊離水素イオンとして又は溶解した種として含み、溶存種は、次いでイオン化して水素イオンを形成する。例えば、溶融塩は溶解した水、水酸化リチウム、及び/又は塩化水素を含んでもよく、これらの溶存種は、水素イオンの供給源であり得る。水素は低い濃度で存在し得る。例えば、溶融塩は、約400ppmもの少量の水素イオンを含んでもよい。
本明細書で使用される用語、炭素質粉末は、グラファイト電極の電気化学的腐食によって生成されたカーボンナノ構造体を含む粉末を指す。そのようなカーボンナノ構造体は、典型的には、1000ナノメートル未満、例えば500ナノメートル未満の最大寸法を有する。
特に好ましい溶融塩は、塩化リチウムを含み、これは、そのような塩が水に溶解することが可能であるためである。塩化リチウムは、約605℃の融点を有する。リチウムの他のハロゲン化物塩も特に有利であり得る。しかしながら、好適な溶融塩は、ナトリウム又はカリウム等の他の陽イオン種を含み得る。例えば、共晶組成の塩化リチウム−塩化カリウム混合物は、好適な溶融塩であり得る。そのような共晶混合物は約350℃の低い融点を有し、これは比較的低い温度でのグラファイト電極の電気化学的腐食を可能にするため有利であり得る。溶融塩は、水素イオンを含む。例えば、水素は、溶融塩中に水、塩化水素又は水素イオンとして存在し得る。水又は塩化水素等の水素含有種は、溶融塩中でイオン化して塩中の水素イオンを生成する。
グラファイト電極の電気化学的腐食は、グラファイト電極を第2の電極と共に溶融塩中に配置することを含む。第2の電極もグラファイト電極であり得る。電極間に電位が印加され、電流が流れる。電流は直流又は交流であり得る。グラファイト電極が他方の電極に対してカソードの場合、イオン液体からの陽イオンがグラファイト電極に移動し、該グラファイト電極にてイオンが放電する。電流が直流の場合、グラファイト電極はカソードであり、第2の電極はアノードであろう。交流の場合、グラファイト電極は、カソードとアノードとの間で交互に入れ替わるであろう。
電気分解中、リチウムイオン及び水素イオン等の、溶融塩からの陽イオンは放電され、かくして形成された原子又は分子は、グラファイト電極を形成しているグラファイト材料の層間に挿入されると考えられる。挿入された原子又は分子は組み合わされて化合物、例えば水素化リチウムを形成し得る。溶融塩由来の種のこの挿入は、グラファイト電極からの炭素質粒子の腐食又は剥離を引き起こすと考えられる。これらの粒子は、グラファイトのシート、ディスク、フレーク又はチューブの形態にあってもよい。剥離された材料は、単一のグラファイト層厚を有してもよく、又は、より高頻度には、多数のグラファイト層厚を有するスタックの形態にあってもよい。
電極の電気化学的腐食中の溶融塩の温度は、炭素質粉末の生成速度を増大させるために、比較的高いことが好ましい可能性がある。例えば、この温度は、グラファイト電極の電気化学的腐食中、800℃を超え、例えば約1000℃+/−100℃であることが有利であり得る。グラファイト電極の電気化学的腐食のステップは、水素イオンを含む塩化リチウムベースの溶融塩中で、800℃を超える温度で行われることが特に好ましい可能性がある。このような高温でのグラファイト電極の電気化学的腐食により生成された炭素質粉末は、より低い温度での電気化学的腐食により生成された粉末と比較して、より高い割合のシート、プレート、フレーク及びカーボンナノスクロールを有利に含み得、ここでナノスクロールの壁は、部分的にグラフェンナノシートに解かれており、またより低い割合のカーボンチューブを有利に含み得る。
グラファイト電極の電気化学的腐食中、グラファイト電極の電流密度は、0.5Amps/平方センチメートル(A/cm)以上であることが好ましい可能性がある。生成速度は、2A/cmプラス又はマイナス0.5A/cmの電流密度を使用して電気化学的腐食を行うことによって有利に増大し得る。電極を電位リード線に接続するのに直径0.6cm及び長さ70cmのステンレス鋼ロッドが使用された場合、約1.1A/cmのカソード電流密度に対応する、電極間の35Aの定電流を維持するために6.7Vの平均電圧が必要である。この条件では、溶融塩中に浸漬されたグラファイトカソードとMo基準電極との間の平均電位差は、約−3.0Vである。
グラファイト電極は、任意の好適なグラファイト材料から形成することができる。より大きい粒径(例えば、10マイクロメートルを超える粒径)及びより大きい結晶子径(例えば、30ナノメートルを超える結晶子径)を有するグラファイト材料は、より大きい平面サイズの粒子を有する炭素質粉末を有利に形成し得る。そのような炭素質粉末は、非酸化雰囲気中での熱処理後、大きい横寸法(例えば、500nmを超える横寸法)のグラフェンシートを形成し得る。
専門家等級のグラファイトを使用してもよいが、好ましい電極は、産業等級グラファイトから形成され得る。産業等級グラファイト電極は、理想的な低費用で大規模に容易に利用可能である。そのような電極は、主に、製鉄業における電気アーク及び取鍋炉の電極として使用され、従って長さ約3m及び直径0.7m迄の異なるサイズが容易に入手可能である。産業等級グラファイト電極は、石油コークスをコールタールバインダーと混合した後、押出し、焼成してバインダーを炭化することにより作製される。この電極は、カーボン原子がグラファイトに配列される温度である高温で加熱することによって最終的に黒鉛化される。使用される原料及び経済的な問題により、産業等級グラファイト電極は、将来、安価で環境保護的なグラフェン製造技術のための理想的な原料として見なされ得る。グラファイト電極の電気化学的腐食中、溶融塩を湿潤気体と接触させ得る。次いで、湿潤気体からの水が溶融塩と反応して、溶融塩中に水素イオンを導入し得る。例えば、グラファイト電極の電気化学的腐食は、例えば湿潤アルゴン又は湿潤窒素等の湿潤不活性ガスの湿潤気体の雰囲気下で、電解セル内で行われてもよい。溶融塩は、湿潤アルゴン又は湿潤窒素等の湿潤気体を散布されてもよい。
湿潤気体と溶融塩との間の接触は、電気化学的腐食プロセス中、連続的であってもよい。湿潤気体と溶融塩との間の接触は、電気化学的腐食プロセス中、断続的であってもよく、例えば溶融塩の上方の雰囲気中の湿潤気体の流れは、間隔を置いて切り替えられ、オフにされてもよい。湿潤気体と溶融塩との間の接触は、グラファイト電極の電気化学的腐食の前の所定の期間に行われて、水素種を溶融塩へ移動してもよい。
湿潤気体の好ましい生成方法は、湿潤気体を溶融塩と接触させる前に、水源の上部にて、又は水源を通して気体流を流すことである。当業者は、湿潤気体を生成するための好適な方法に気づくであろう。
好ましい実施形態において、グラフェンシートの製造方法は、(a)溶融塩中でのグラファイト電極の電気化学的腐食によって炭素質粉末を形成するステップであって、溶融塩が、電極の電気化学的腐食の前及び/又は間に湿潤気体と接触している、ステップと、(b)得られた炭素質粉末を溶融塩から回収するステップと、(c)回収された炭素質粉末を非酸化雰囲気又は還元雰囲気中で熱処理して、グラフェンシートを含む熱処理粉末を生成するステップと、を含む。湿潤気体は、好ましくは湿潤アルゴン又は湿潤窒素等の湿潤不活性ガスである。湿潤気体は、溶融塩と反応して、溶融塩中に水素イオンを導入する。湿潤気体は、グラファイト電極の電気化学的腐食の前若しくは間に溶融塩の表面の上部にて湿潤気体流を流すことによって、又は、グラファイト電極の電気化学的腐食の前若しくは間に溶融塩に湿潤気体を散布することによって、溶融塩と接触させることが好ましい。湿潤気体からの水は、溶融塩中に溶解した状態となり、次いでイオン化して水素イオンを形成し得る。湿潤気体からの水は、溶融塩の成分と反応して水素含有種、例えばHClを形成し、これは次いでイオン化して水素イオンを形成し得る。
溶融塩は、グラファイト電極の電気化学的腐食中、乾燥気体と接触していてもよい。即ち、溶融塩の上方の雰囲気は、湿潤気体でなくてもよく、アルゴン又は窒素等の不活性ガスと水素との混合物を含む乾燥気体であってもよい。水素は1〜10モルパーセント、例えば約3又は4又は5モルパーセントの濃度で存在し得ることが好ましい。水素は塩と反応して、溶融塩中に水素イオンを導入し得る。
好ましい方法において、グラファイト電極は、電気化学的腐食中、極性がカソードとなるよう作動される。グラファイト電極は、例えば、対電極又はアノードに関連して、極性がカソードとなり得る。対電極も溶融塩と接触して配置され、また対電極もグラファイト電極であってもよい。グラファイトのアノード酸化(例えば、グラファイト電極が、剥離中、アノードとされた場合に起こり得る)は、グラファイトの過酸化に起因して、有意な量の酸素含有基の形成がもたらされ得る。カソード条件下でのグラファイト電極の剥離は、酸化条件不在の利点を提供することによって、グラフェン生成物中の酸化欠陥の発生を防止し得る。
1つを超えるグラファイト電極が溶融塩と接触して配置されてもよく、この1つを超えるグラファイト電極のそれぞれが剥離されてもよい。2つ以上の電極の使用により、比較的小さいサイズの電極を使用することによる大規模でのグラフェンの製造が有利に可能となり得る。多数のより小さい電極は、グラフェンを生成するのに高電流を必要とし得ないため、このことは、結果として得られる技術的利点及び安全性の利点と共に、有益であり得る。例えば、例えば2A/cmの電流密度を使用して剥離プロセスを作動させることが有益であり得る。より高い剥離速度を達成するために、より大きいグラファイト電極を使用することが可能であり得る。しかしながら、電流密度を所望のレベル内に維持するためには、印加される総電流を増大させる必要があるであろう。より小さい多数の電極の剥離は、より高い電流を使用する必要なく、より高い生成速度を可能にすることができる。
一例として、本方法は、(a)水素イオンを含む溶融塩中での2つ以上のグラファイト電極の電気化学的腐食によって炭素質粉末を形成するステップであって、2つ以上のグラファイト電極のそれぞれが、ある時間に亘って対電極に関連してカソードとして機能して、電気化学的腐食を達成する、ステップを含んでもよい。本方法は、各グラファイト電極が、対電極に関連してカソードとして交互に適用されるように作動されることが好ましい。例えば、本方法が2つのグラファイト電極、第1のグラファイト電極及び第2のグラファイト電極を含む場合、第1の電極は、ある時間に亘って、対電極(アノード)に関連してカソードとして使用されてもよい。次いで、第2の電極がある時間に亘って対電極に関連してカソードとして使用されてもよい。次いで、このステップは、第1の電極が再度、対電極に関連してカソードとなるように反復されてもよい。第1の電極と第2の電極との交代は、剥離を達成するのに必要な期間、継続され得る。
炭素質粉末は、グラファイト電極の腐食により形成された炭素質粉末を含む溶融塩を冷却し及び凝固させ、凝固された塩を炭素質粉末から洗浄する、例えば大量の水を使用して洗浄するステップを含むプロセスによって、溶融塩から回収され得る。本方法は、洗浄した炭素質材料の真空濾過のステップを更に含んでもよい。
溶融塩から回収された炭素質粉末は、金属水素化物残留物を含み得る。例えば、炭素質粉末が塩化リチウム含有溶融塩中でのグラファイト電極の電気化学的腐食によって形成された場合、溶融塩はリチウム及び水素イオンを含み、回収された炭素質粉末は水素化リチウムを含み得る。副反応によって金属炭酸塩残留物、例えば炭酸リチウム残留物も形成され得る。任意の金属水素化物又は金属炭酸塩残留物は、熱処理ステップによって炭素質粉末から除去され得ることが好ましい。
好ましい実施形態において、炭素質粉末を熱処理するステップは、炭素質粉末を還元雰囲気中で1000℃を超える温度で加熱することを含む。例えば、炭素質粉末は還元雰囲気中で1100℃又は1200℃を超える温度で加熱されることにより熱処理されてもよい。マイクロ波を使用してもよい。
炭素質粉末は、還元雰囲気中で約1250℃、プラス又はマイナス50℃の温度で加熱することによって熱処理されることが好ましい。
還元雰囲気は、還元気体を含む雰囲気、例えば、窒素と水素との混合物を含む雰囲気であってもよい。
代替的な実施形態では、炭素質粉末は、低圧環境内で加熱することによって熱処理されてもよい。例えば、炭素質粉末は、真空下にある際に加熱することによって熱処理されてもよい。代替的に、炭素質粉末は、還元気体、例えば窒素と水素との混合物を含む、大気圧よりも低圧の雰囲気中で加熱することによって熱処理されてもよい。
グラフェンシートは、200ナノメートルを超える横寸法を有するグラフェンナノシートであることが好ましい。例えば、グラフェンシートは、200ナノメートル〜1000ナノメートルの横寸法を有するグラフェンナノシートであってもよい。
第2の態様において、本発明は、70重量%を超えるグラフェンシートを含む炭素質粉末を提供してもよく、ここでグラフェンシートは200ナノメートルを超える横寸法を有する。炭素質粉末は、80重量%を超えるグラフェンシート、例えば85重量%を超えるグラフェンシート、又は90重量%を超えるグラフェンシート、又は95重量%を超えるグラフェンシートを含むことが好ましい。
有利には、本明細書に定義した方法を用いたグラフェンシートの生成速度は、グラフェンを生成する現在の方法を超える大きさのオーダーであり得る。例えば、適切な腐食温度及び電気密度と、イオン液体と接触した表面積1mを有するグラファイト電極とを使用する方法を操作した際、グラフェンシートは、1.5kg/時間を超える速度で生成され得る。従って、グラフェンシートは、本明細書に記載した発明を用いて、イオン液体と接触しているグラファイト電極の1平方メートル当たり、一日当たり20kgを超える(>20kg/m日)グラフェンシートで生成され得る。有利には、グラフェンシートは、25kg/m日を超える、又は30kg/m日を超える、又は40kg/m日を超える速度で生成され得る。プロセスは、グラフェンシートが100kg/m日を超える、又は200kg/m日を超える速度で生成されるように操作され得ることが有利である。
更なる態様において、グラフェンシートの製造方法は、(a)イオン液体中でのグラファイト電極の電気化学的腐食によって炭素質粉末を形成するステップであって、イオン液体が水素イオンを含む、ステップと、(b)得られた炭素質粉末をイオン液体から回収するステップと、(c)炭素質粉末を非酸化雰囲気又は還元雰囲気で加熱することによって炭素質粉末を熱処理して、グラフェンシートを含む熱処理粉末を生成するステップと、を含んでもよい。イオン液体は溶融塩であってもよく、又は有機若しくは水性イオン液体であってもよい。本方法の好ましい又は有利な特徴は、第1の態様に関連して上記に示した通りであり得る。
更なる態様において、グラフェンシートの製造方法は、(a)電解液と接触して配置されたグラファイト電極中への金属種及び水素種の電気化学的インターカレーションによって炭素質粉末を形成するステップであって、電解液が金属イオン種及び水素イオン種を含む、ステップと、(b)得られた炭素質粉末を電解液から回収するステップと、(c)炭素質粉末を非酸化雰囲気又は還元雰囲気中で加熱することによって炭素質粉末を熱処理して、グラフェンシートを含む熱処理粉末を生成するステップと、を含んでもよい。電解液は、溶融塩であってもよく、又は有機若しくは水性イオン液体であってもよい。金属イオン種はリチウムが好ましいが、ナトリウム又はカリウムイオン等の他の金属であってもよい。電解液は、水素イオンを含む塩化リチウムベースの溶融塩が好ましい。本方法の好ましい又は有利な特徴は、第1の態様に関連して上記に示した通りであり得る。
更なる態様において、グラフェンシートの製造方法は、(a)電解液と接触して配置されたグラファイト電極中への水素の電気化学的インターカレーションによって炭素質粉末を形成するステップであって、電解液が水素イオンを含む、ステップと、(b)得られた炭素質粉末を電解液から回収するステップと、(c)炭素質粉末を非酸化雰囲気又は還元雰囲気中で加熱することによって炭素質粉末を熱処理して、グラフェンシートを含む熱処理粉末を生成するステップと、を含んでもよい。電解液は、溶融塩であってもよく、又は有機若しくは水性イオン液体であってもよい。電解液は、溶融塩、例えば水素イオンを含む塩化リチウムベースの溶融塩が好ましい。本方法の好ましい又は有利な特徴は、第1の態様に関連して上記に示した通りであり得る。いくつかの状況では、グラファイト電極の電気化学的腐食により生成されたグラフェンシートは十分に高い純度を有し得るため、熱処理のステップは省略されてもよい。それ故、更なる態様において、グラフェンシートの製造方法は、(a)溶融塩中でのグラファイト電極の電気化学的腐食によって炭素質粉末を形成するステップであって、溶融塩が水素イオンを含む、ステップと、(b)得られたグラフェンシートを含む炭素質粉末を溶融塩から回収するステップと、を含んでもよい。グラファイト電極は、電気化学的腐食中、負電極(カソード)として使用されることが特に好ましい可能性がある。電気化学的腐食が不活性ガスと水素との混合物、特に好ましくは乾燥不活性ガスと水素との混合物からなる雰囲気下で行われることが特に好ましい可能性がある。溶融塩が塩化リチウム又は塩化リチウムベースであることが特に好ましい可能性がある。本方法の好ましい又は有利な特徴は、第1の態様に関連して上記に示した通りであり得る。
更なる態様において、グラフェンシートの製造方法は、(a)溶融塩中でのグラファイト電極の電気化学的腐食によって炭素質粉末を形成するステップであって、グラファイト電極の電気化学的腐食が、不活性ガス及び水素を含む雰囲気下で行われる、ステップと、(b)得られたグラフェンシートを含む炭素質粉末を溶融塩から回収するステップと、を含んでもよい。雰囲気は水を含まないことが好ましい。溶融塩と接触している、水素を含む雰囲気を使用することによって、高収量のグラフェンの製造に熱処理ステップを必要としないように、グラフェンシートの製造を改良することができる。上記に開示した実施形態に従って湿潤雰囲気を使用して製造されたグラフェンは、炭酸リチウム等の不純物を含み得る。水素を含む乾燥気体雰囲気の使用により、高純度グラフェンの形成が可能となり得る。本方法は、(c)炭素質粉末を非酸化雰囲気中で加熱することによって炭素質粉末を熱処理して、グラフェンシートを含む熱処理粉末を生成するステップを更に含んでもよい。この雰囲気は、アルゴン及び窒素からなるリストから選択される不活性ガスと、水素とを含むことが好ましい。この雰囲気は、2〜10モルパーセントの水素、例えば約4モルパーセントの水素を含むことが好ましい。本方法の好ましい又は有利な特徴は、第1の態様に関連して上記に示した通りであり得る。
更なる態様において、グラフェンシートの製造方法は、(a)水素イオンを含む溶融塩中での2つ以上のグラファイト電極の電気化学的腐食によって炭素質粉末を形成するステップであって、グラファイト電極の電気化学的腐食が、不活性ガス及び水素を含む雰囲気下で行われる、ステップと、(b)得られたグラフェンシートを含む炭素質粉末を溶融塩から回収するステップと、を含んでもよい。本方法は、各グラファイト電極が、正の対電極に関連して負電極として交互に使用されるように操作されることが好ましい。例えば、本方法が2つのグラファイト電極、第1のグラファイト電極及び第2のグラファイト電極を含む場合、第1の電極は、ある時間に亘って、正の対電極(アノード)に関連して負電極(カソード)として使用されてもよい。次いで、第2の電極は、ある時間に亘って、対電極に関連してカソードとして使用されてもよい。次いで、このステップは、第1の電極が対電極に関連してカソードとして使用されるように反復されてもよい。第1の電極と第2の電極との交代は、剥離を達成するのに必要な期間、継続され得る。本方法の好ましい又は有利な特徴は、第1の態様に関連して上記に示した通りであり得る。
本発明の実施形態は、番号が付けられた以下の条項の1つ以上により定義される通りであり得る。
1.(a)水素イオンを含む溶融塩中でのグラファイト電極の電気化学的腐食によって炭素質粉末を形成するステップと、(b)得られた炭素質粉末を溶融塩液体から回収するステップと、を含むグラフェンシートの製造方法。
2.(a)水素イオンを含む溶融塩中でのグラファイト電極の電気化学的腐食によって炭素質粉末を形成するステップと、(b)得られた炭素質粉末を溶融塩液体から回収するステップと、(c)炭素質粉末を非酸化雰囲気中で加熱することによって炭素質粉末を熱処理して、グラフェンシートを含む熱処理粉末を生成するステップと、を含むグラフェンシートの製造方法。
3.(a)イオン液体中でのグラファイト電極の電気化学的腐食によって炭素質粉末を形成するステップであって、イオン液体が水素イオンを含む、ステップと、(b)得られた炭素質粉末をイオン液体から回収するステップと、(c)炭素質粉末を非酸化雰囲気又は還元雰囲気中で加熱することによって炭素質粉末を熱処理して、グラフェンシートを含む熱処理粉末を生成するステップと、を含むグラフェンシートの製造方法。
4.(a)グラファイト電極中への金属種及び水素種の電気化学的インターカレーションによって炭素質粉末を形成するステップであって、グラファイト電極が金属種及び水素種を含む電解液と接触して配置されている、ステップと、(b)得られた炭素質粉末を電解液から回収するステップと、(c)炭素質粉末を非酸化雰囲気又は還元雰囲気中で加熱することによって炭素質粉末を熱処理して、グラフェンシートを含む熱処理粉末を生成するステップと、を含むグラフェンシートの製造方法。
5.(a)電解液と接触して配置されたグラファイト電極中への水素の電気化学的インターカレーションによって炭素質粉末を形成するステップであって、電解液が水素イオンを含む、ステップと、(b)得られた炭素質粉末を電解液から回収するステップと、(c)炭素質粉末を非酸化雰囲気又は還元雰囲気中で加熱することによって炭素質粉末を熱処理して、グラフェンシートを含む熱処理粉末を生成するステップと、を含むグラフェンシートの製造方法。
6.(a)水素イオンを含む溶融塩中での2つ以上のグラファイト電極の電気化学的腐食によって炭素質粉末を形成するステップであって、グラファイト電極の電気化学的腐食が、不活性ガス及び水素を含む雰囲気下で行われる、ステップと、(b)得られたグラフェンシートを含む炭素質粉末を溶融塩から回収するステップと、を含むグラフェンシートの製造方法。
7.(a)溶融塩中でのグラファイト電極の電気化学的腐食によって炭素質粉末を形成するステップであって、グラファイト電極の電気化学的腐食が、不活性ガス及び水素を含む雰囲気下で行われる、ステップと、(b)得られたグラフェンシートを含む炭素質粉末を溶融塩から回収するステップと、を含むグラフェンシートの製造方法。
8.(c)炭素質粉末を非酸化雰囲気中で加熱することによって炭素質粉末を熱処理して、グラフェンシートを含む熱処理粉末を生成するステップを更に含む、条項6又は7に記載の方法。
9.雰囲気が、アルゴン及び窒素からなるリストから選択される不活性ガスと、水素、好ましくは2〜10モルパーセントの水素、例えば約4モルパーセントの水素とを含み、好ましくは雰囲気が乾燥雰囲気である、条項1〜8のいずれかに記載の方法。
10.溶融塩が塩化リチウムを含む、条項1〜9のいずれかに記載の方法。
11.溶融塩が、グラファイト電極の電気化学的腐食中、湿潤気体と接触しており、湿潤気体からの水が、溶融塩に溶解し、又は溶融塩と反応して溶融塩中に水素イオンを導入する、条項1〜10のいずれかに記載の方法。
12.グラファイト電極の電気化学的腐食が、例えば溶融塩が湿潤気体の流れの下で包み込まれる、湿潤気体の雰囲気下で行われる、条項1〜11のいずれかに記載の方法。
13.溶融塩が、グラファイト電極の電気化学的腐食中、湿潤気体を散布される、条項1〜12のいずれかに記載の方法。
14.湿潤気体が湿潤不活性ガス、例えば湿潤アルゴン又は湿潤窒素である、条項11〜13のいずれかに記載の方法。
15.湿潤気体が、水源の上部にて、又は水源を通して気体を流すことにより生成される、条項11〜14のいずれかに記載の方法。
16.グラファイト電極の電気化学的腐食中の溶融塩の温度が、800℃を超える、条項1〜15のいずれかに記載の方法。
17.溶融塩が、グラファイト電極の電気化学的腐食中、乾燥気体と接触しており、乾燥気体が、アルゴン又は窒素等の不活性ガスと水素とを含む、条項1〜10のいずれかに記載の方法。
18.溶融塩及び炭素質粉末が、溶融塩を冷却し及び凝固させ、凝固された塩を炭素質粉末から洗浄するステップを含むプロセスによって溶融塩から回収される、条項1〜17のいずれかに記載の方法。
19.洗浄された炭素質材料の真空濾過のステップを更に含む、条項18に記載の方法。
20.熱処理のステップに先だって、炭素質粉末が金属水素化物化合物、例えば水素化リチウムを含み、金属水素化物中の金属種が溶融塩に由来する、条項1〜19のいずれかに記載の方法。
21.炭素質粉末が、還元雰囲気中、例えば、還元気体雰囲気、例えば窒素と水素との混合物を含む雰囲気中で、1000℃を超える温度、例えば1250℃+/−50℃に加熱することによって熱処理される、条項1〜20のいずれかに記載の方法。
22.炭素質粉末が、低圧環境内で、例えば真空下、又は部分真空下で加熱することによって熱処理される、条項1〜21のいずれかに記載の方法。
23.グラフェンシートが、200ナノメートルを超える横寸法を有するグラフェンナノシートである、条項1〜22のいずれかに記載の方法。
24.電極の電気化学的腐食中のグラファイト電極における電流が、0.5A/cmを超え、好ましくは2A/cm+/−0.5A/cmである、条項1〜23のいずれかに記載の方法。
25.グラフェンシートが、イオン液体中に浸漬されたグラファイト電極の平方メートル当たり1kg/時間を超える、好ましく1.5kg/時間を超える速度で生成される、条項1〜24のいずれかに記載の方法。
26.グラファイト電極が、電気化学的腐食中、極性がカソードである、条項1〜25のいずれかに記載の方法。
27.(a)水素イオンを含む溶融塩中での2つ以上のグラファイト電極の電気化学的腐食によって炭素質粉末を形成するステップであって、前記2つ以上のグラファイト電極のそれぞれは、ある時間に亘って、正の対電極に関連して負電極として機能して、電気化学的腐食を達成する、ステップを含む、条項1〜26のいずれかに記載の方法。
28.80重量%を超える、条項1〜27のいずれかに定義された方法によって生成されたグラフェンシートを含む粉末。
29.80重量%を超えるグラフェンシートを含み、該グラフェンシートが200ナノメートルを超える横寸法を有する炭素質粉末。
発明の詳細な説明
上記に開示した1つ以上の態様による本発明の特定の実施形態を、図面を参照して以下に説明する;
図1aは、炭素質粉末を生成する、グラファイト電極の電気化学的腐食のための装置の概略図である。 図1bは、湿潤気体がどのように生成されるかを示す、図1の装置の一部分の詳細図である。 図2aは、大部分がカーボンフレーク及びカーボンプレートである構造を示す、グラファイト電極の電気化学的腐食によって形成された炭素質粉末の走査電子顕微鏡法(SEM)顕微鏡写真であり、図2aは、低倍率であり、グラフェンシートの塊を示す。 図2bは、大部分がカーボンフレーク及びカーボンプレートである構造を示す、グラファイト電極の電気化学的腐食によって形成された炭素質粉末の走査電子顕微鏡法(SEM)顕微鏡写真であり、図2bは、遙かに高い倍率にて、塊がグラフェンシートのセグメントから形成されている様子を示す。 図3aは、グラファイト電極の電気化学的腐食によって形成された炭素質粉末の熱処理の結果生成されたグラフェンシートの透過電子顕微鏡法(TEM)顕微鏡写真である。 図3bは、グラファイト電極の電気化学的腐食によって形成された炭素質粉末の熱処理の結果生成されたグラフェンシートの透過電子顕微鏡法(TEM)顕微鏡写真である。 図3cは、グラファイト電極の電気化学的腐食によって形成された炭素質粉末の熱処理の結果生成されたグラフェンシートの透過電子顕微鏡法(TEM)顕微鏡写真である。図3cは、単一のグラフェンシートの電子回折パターンを示す。 図4は、(a)グラファイト電極と、(b)グラファイト電極の電気化学的腐食の結果生成された炭素質粉末と、(c)炭素質粉末の熱処理によって生成されたグラフェンシートとにより生成されたx線回折パターンを示す。 図5は、(a)グラファイト電極と、(b)グラファイト電極の電気化学的腐食の結果生成された炭素質粉末の熱処理によって生成されたグラフェンシートとにより生成された、1100〜2000cm−1の領域内のラマンスペクトルを示す。 図6は、(a)グラファイト電極と、(b)グラファイト電極の電気化学的腐食の結果生成された炭素質粉末の熱処理によって生成されたグラフェンシートとにより生成された、2500〜2900cm−1の領域内のラマンスペクトルを示す。 図7は、炭素質粉末を生成する、グラファイト電極の電気化学的腐食のための装置の概略図である。 図8は、Ar−Hの雰囲気下、溶融LiCl中でのグラファイト電極のカソード剥離によって生成されたグラフェンナノシートのSEM画像を示す。 図9は、Ar−Hの流れの下、溶融塩プロセスにて生成されたグラフェンナノシートの典型的な明視野TEM顕微鏡写真である。
上記に開示した1つ以上の態様によるグラフェンシートの形成方法は、2つの主要なステップを含む。これらのステップの第1のステップにおいて、炭素質粉末は、グラファイトカソードの電気化学的腐食によって形成される。これらのステップの第2のステップにおいて、炭素質粉末は、非酸化雰囲気中で加熱される。
電気化学的腐食プロセスで使用される装置の概略図を図1aに示す。装置10は、抵抗炉30の内部に配置された垂直管状インコネル反応器20を含む。反応器20の上端は、O−リング22及び圧縮取付具23で密封されたステンレス鋼製蓋21で閉鎖される。蓋21には、電極リード線及び熱電対40用のフィードスルーと、気体入口51及び気体出口52用の鋼製パイプとが備えられている。
アノード60は、60mmの内径及び150mmの高さを有するグラファイトるつぼから形成されている。カソード70は、15mmの直径、100mmの長さ、及び32gの重量を有するグラファイトロッドから形成されている。アノード60及びカソード70は、電極リード線61、71によってDC電源80に電気的に接続されている。水冷却システム90は反応器20の上部部分の過熱を防止する。
グラファイトるつぼ内のセラミック絶縁体100のディスクは、アノード60をカソード70から分離する。グラファイトるつぼは、グラファイトカソード70及びアノード60と接触している溶融塩化リチウム(LiCl)電解液110を収容している。
気体入口51は、鋼製パイプ50を介して、乾燥アルゴンを収容している気体キャニスターに結合されている。鋼製パイプ50に取り外し可能に結合され得るUベンド53は、水54を収容している。Uベンドが定位置にあるときに、乾燥アルゴンは、気体入口51において反応器20に進入する前に、Uベンド内の水を通ってバブリングする。Uベンドは、図1bにより明確に示されている。Uベンドを通過すると、乾燥アルゴンは水蒸気を獲得し、湿潤アルゴンとなる。それ故、溶融塩化リチウム110の上方における反応器20内の雰囲気は、気体入口51を通って進入し、気体出口52を通って退出する湿潤アルゴンである。
電気化学的腐食の特定の実施例では、250gの無水LiClを電解液として使用した。グラファイトるつぼの内部に配置された熱電対40によって電解液110の温度を監視した。当初、電解液の温度を、20cm−1の乾燥アルゴンの流れの下で、5℃分−1の勾配で770℃に上昇させた。この温度でLiClは溶融状態にある。この温度に到達した後、水54を収容するUベンド53を、パイプ50を通したアルゴン気体の通路に配置し、気体の流れを100cm−1に増大させた。次いで、カソード70とアノード60との間に33.0Aの直流定電流を50分間印加することにより、カソードの電気化学的腐食をもたらした。
電気化学的腐食の後、反応器20及びその内容物を室温に冷却し、カソードの腐食から得られた炭素質粉末を、大量の蒸留水を用いた洗浄と真空濾過とにより凝固塩から回収した。得られた黒色炭素質粉末を150℃で2時間乾燥した。
グラフェンシートを形成するために、10グラムの乾燥炭素質粉末を、80%N−20%Hを含む雰囲気下にて水平加熱管炉内で熱処理した。加熱管炉内の温度を15℃分−1の加熱速度で1250℃に上昇させ、炉を室温に冷ます前に、この温度を30分間維持した。
得られた生成物は黒色の綿毛状の粉末であり、これを異なる技術により試験し、少なくとも90%のグラフェンナノシートを含むことが見出された。
JEOL6340F電界放出走査電子顕微鏡(SEM)と、電子回折を備えた200kV JEOL2000FX分析透過電子顕微鏡(TEM)とを、電子顕微鏡法評価のために使用した。Cu−Ka放射(k=1.54A°)を有するPhilips 1710 X線回折計(XRD)を使用して、それぞれ0.05 2θ及び15sのステップサイズ及び滞留時間を用いて回折パターンを記録した。記録した回折パターンを、X’Pert High Score Plusプログラムを使用して分析した。波長633nmのHe−Neイオンレーザーを有するRenishaw 1000 Ramanscopeを使用してラマンデータを収集した。
図2a及び2bは、上記に詳述したように、LiCl溶融塩中でのグラファイトカソードの電気化学的腐食によって生成された炭素質粉末を示すSEM顕微鏡写真である。
図2bは、粉末が100nm〜300nmの横寸法を有する数多くのカーボンフレーク又はスタックを含むことを示す。これらの構造は、数個のグラフェン層の厚さを有する。対照的に、上記に詳述した実験は、湿潤アルゴン雰囲気ではなく乾燥アルゴン雰囲気を使用して、同一の条件下で作動された際、生成された炭素質粉末は、高い割合のカーボンナノチューブ及びナノ粒子を含んでいた。雰囲気中の湿潤アルゴンに由来する電解質中の水素イオンの存在が、生成された炭素質粉末の形態における相違の原因となった可能性があると考えられる。
図3a、3b及び3cは、上述したような湿潤アルゴン雰囲気下でのグラファイトカソードの電気化学的腐食から得られた炭素質粉末の熱処理によって生成されたグラフェンナノシートのTEM顕微鏡写真である。炭素質粉末のカーボンフレーク及びスタック(例え、図2bに示すような)が崩壊して、わずか数個の原子層厚、多くは単一のみの原子層厚と、約100nm〜300nmの横寸法とを有するグラフェンの個々のシートになったことが理解される。図3cは、グラフェンシートに由来する、選択された範囲の電子回折パターンを示す。
図4は、グラファイトカソードを形成している材料(線(a))と、グラファイトカソードの電気化学的腐食によって形成された炭素質粉末(線(b))と、炭素質粉末の熱処理によって生成されたグラフェンシート(線(c))とのX線回折パターンを示す。
グラファイトカソード材料のプロファイルにおける2θ=26.441°の顕著な鋭いピークは、層間距離0.337nmのグラファイトの(002)ピークに対応する。
炭素質粉末のX線回折パターンは、層間距離0.336nmに対応する、2θ=26.485°におけるグラファイトの(002)ピークを含む。このパターンは、LiCO及びLiCl相に起因する更なるピークも含む。LiCOは、電気化学的プロセス中の副反応によって形成されると想定される。また、電気分解中、ある量の塩化リチウム又は水素化リチウムはカーボン生成物の微小構造内に捕捉され、これらは接近できないため、これらは洗浄後に捕捉されたまま残留する可能性が高い。
グラフェンシートのX線回折パターンは、炭素質粉末のLiCO回折ピークが不在であることを示し、このことは、熱処理中のLiCOの除去を示している。炭素は約3640℃の昇華点を有する一方、LiCOは約1300℃の蒸発/分解点を有する。それ故、炭素質材料のLiCOは、還元雰囲気中での熱処理によって除去されている。同様に、LiHは1200℃の付近でリチウム気体及び水素に解離する。グラフェンシートの(002)ピークは、層間距離0.337nmに対応する2θ=26.427に検出され得る。
図5は、グラファイトカソードを形成している材料(線(a))と、グラファイトカソードの電気化学的腐食によって形成された炭素質粉末の熱処理によって生成されたグラフェンシート(線(b))との波数領域1000〜2000cm−1におけるラマンスペクトルを示す。
ラマン分光法は、カーボンベースの材料の構造的特性を研究するための有力な技術である。図5に示す両方のスペクトルは、1576〜1579cm−1のいわゆるGバンドと、1326〜1332cm−1のDバンドとの存在により特徴付けられる。Gバンドは、2次元六方格子内のsp結合カーボン原子の振動に関連する一方、Dバンドは、構造的欠陥と、部分的に不規則なカーボン構造に関連している。G及びDバンドの積分強度比IG/IDは、グラファイト系炭素の結晶性に対応する指標である。
グラファイトカソード材料及びグラフェンシートのIG/ID比は、それぞれ3.3及び1.5である。Dピークは、ある程度、グラフェンシートの縁部によって誘導され得る。従って、グラフェンシートに関するIG/ID比のより小さい値は、グラファイトカソード材料と比較して、グラフェンシート材料中のグラフェン縁部の密度が高いことに起因し得る。しかしながら、グラフェンシートのID/IG比は依然として大きく、グラフェンシートが高度の結晶性を有する小さい微結晶から構成されていることを示唆している。
図6は、グラファイトカソードを形成している材料(線(a))と、グラファイトカソードの電気化学的腐食によって形成された炭素質粉末の熱処理によって生成されたグラフェンシート(線(b))との波数領域2500〜2900cm−1におけるラマンスペクトルを示す。この波数領域内で観察された2Dバンドは、Dバンドの倍音である。図6に示すように、グラファイトカソードの2Dバンドは肩を有し、この肩は、グラフェンシートの2Dバンドにおいて消失している。更に、グラフェンシートの2Dバンドは鋭く、非対称であり、グラフェンシートが殆ど数個未満のグラフェン層、即ち、殆ど5個未満のグラフェン層からなっていたことを示唆している。
上述した実験は、グラファイトロッドがLiCl中にてカソード電位下で腐食され得ることと、プロセスが乾燥不活性ガスの流れの中で行われるか、又は湿気のある不活性ガスの流れの中で行われるかに応じて、腐食生成物がそれぞれ主にカーボンナノチューブ又はカーボンナノフレーク/グラフェンシートのスタックであり得ることとを示す。
乾燥不活性ガス中でのカーボンナノチューブの溶融塩形成は、多数の以前の研究の対象となっている。カーボンナノチューブの形成は、以下を含む3ステップ機構を介して進行するよう提案されている。a)溶融塩からのアルカリ金属を、グラファイト電極のグラファイト平面間の層間空間中に挿入すること;b)挿入された種を原因とする、グラファイト電極表面における機械的応力の有意な増大と、その後の溶融塩中へのグラファイト層の表面崩壊、及びc)グラファイト層が巻き上がり、管状構造となること。
本発明者らは、溶融塩の上方の雰囲気中の水の存在が、グラファイト電極の腐食によって形成されるカーボンナノ構造体の性質を変化させることを見出した。理論に束縛されるものではないが、この機構は、以下の通りであり得る。
溶融LiClは湿潤アルゴン雰囲気の湿気と反応して、酸化リチウム及び塩化水素を形成し得る。HClの形成はまた、溶融塩中でのH陽イオンの形成をもたらし得る。湿潤アルゴン雰囲気の湿気からの水も、LiClと反応することなく溶融LiCl中に溶解し得る。この場合、水はLiCl中に単に溶解し、イオン化してH及びO−2となり得る。このことを考慮すれば、湿気のあるArの流れの下での、グラファイトカソードの溶融塩腐食によるグラフェンナノシートの形成は、グラファイト基底面の層間空間内へのリチウム及び水素の挿入に起因し得、これはグラファイトの引き剥がしをもたらしてグラフェンナノシートを生成し得る。更に、溶融塩中の炭素質材料、酸素及びリチウム種の間の副反応によってLiCO等のリチウム化合物が形成され得る。高温で加熱された際、リチウム化合物が除去され、それによって高収量のグラフェンナノシートが得られる。熱処理はまたグラフェンシートのスタックを更に分割させ、個々のグラフェンシート(又は、10以下の原子の層厚を有するグラフェンシートのスタック)を高比率で形成し得る。
図7は、上記に開示した1つ以上の態様による方法を用いた、グラフェンシートの生成に使用される装置1000を示す。装置は、抵抗炉1020内に配置された垂直管状インコネル反応器1010を含む。内径10cm及び高さ16cmのアルミナるつぼ1030が反応器1010内に配置されている。
1kgの塩化リチウム1040が3つのグラファイト電極と共にアルミナるつぼ内に配置されている。3つのグラファイト電極は、第1のカソード1051、第2のカソード1052及びアノード1060からなる。3つの全電極は、市販の産業等級グラファイトから形成されている。第1のカソード1051及び第2のカソード1052は、13mmの直径を有するロッドである(Goodfellow 809−013−12、直径13mm、長さ15cm、純度99.997%)。アノード1060は、20mmの直径及び30cmの長さを有するロッドである。
アノード1060は鋼製電流コネクタ2010を用いて電源に結合されている。第1のカソード及び第2のカソードは、鋼製電流コネクタ2011、2012及びDC電流ダイバータ2000を用いて電源1090に結合されている。電流ダイバータ2000は、電源1090からの電流を、第1のカソード1051又は第2のカソード1052のいずれかに逸らせる。
反応器内への入口170によって、包み込む気体が反応器内へ流れて、溶融塩1040の上部の雰囲気を形成する。好ましい実施例では、包み込む気体はアルゴンと4モルパーセントの水素とからなる。出口1080は、包み込む気体を流出させる。
当初、反応器内の温度を、200cm−1の気体混合物Ar−4%Hの流れの下で、5℃分−1の勾配で約800℃に上昇させた。この温度でLiClは溶融状態にある。この気体混合物は、乾燥気体である。次いで、電気化学的プロセスを行った。第1のカソード1051が作用電極として機能すると共に、アノード1060が対電極として機能するようにDC電流ダイバータを調整した。この条件では、約0.8Acm−2のカソード電流密度に対応する40Aの直流定電流を、第1のカソードとアノードとの間に印加した。20分後、第2のカソード1052が電源の負極に接続され、第1のカソード1051に代わって作用電極として機能するように、電流ダイバータを作動させた。更に20分後、電流ダイバータを再度作動させ、第1のカソードが再び作用電極として作用した。このプロセスを20分間の間隔で、180分間の合計時間反復した。その後、セルを室温に冷却し、カソードから剥離した炭素質生成物を、大量の蒸留水を用いた洗浄と真空濾過とにより凝固塩から回収した。得られた黒色炭素質粉末を100℃で乾燥した。最終的な生成物を様々な手段で分析し、黒色の綿毛状の粉末の形態の40gのグラフェンナノシートからなることが見出された。図8は、グラフェンナノシートのSEM画像を示す。この顕微鏡写真は、外観において非常に高い質を有する、高収量のランダム配向グラフェンナノシートの調製を示している。図9は、グラフェンナノシートの典型的な明視野TEM顕微鏡写真を示す。ナノシートの縁部上で記録された選択範囲の回折パターンを図9の左上部の角に示し、これはグラフェンに予想される典型的な6回対称を示している。
得られた結果から、グラフェンの生成速度は、1kg/h・mグラファイト電極であると計算された。

Claims (25)

  1. (a)水素イオンを含む溶融塩中でのグラファイト電極の電気化学的腐食によって炭素質粉末を形成し、前記溶融塩はリチウム、ナトリウム又はカリウムのハロゲン化物塩を含むステップと、
    (b)前記得られた炭素質粉末を前記溶融塩液体から回収するステップと、
    (c)前記炭素質粉末を非酸化雰囲気中で加熱することによって前記炭素質粉末を熱処理して、グラフェンシートを含む熱処理粉末を生成するステップと、
    を含む、グラフェンシートの製造方法。
  2. 前記溶融塩が塩化リチウムを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記溶融塩が、前記グラファイト電極の前記電気化学的腐食中、湿潤気体と接触しており、前記湿潤気体からの水が、前記溶融塩に溶解し、又は前記溶融塩と反応して前記溶融塩中に水素イオンを導入する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記グラファイト電極の電気化学的腐食が、例えば前記溶融塩が湿潤気体の流れの下で包み込まれる、湿潤気体の雰囲気下で行われる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記溶融塩が、前記グラファイト電極の電気化学的腐食中、前記湿潤気体を散布される、請求項に記載の方法。
  6. 前記湿潤気体が、湿潤不活性ガス、例えば湿潤アルゴン又は湿潤窒素である、請求項4又は5に記載の方法。
  7. 前記湿潤気体が、水源の上部にて、又は水源を通して気体を流すことにより生成される、請求項から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記グラファイト電極の前記電気化学的腐食中の前記溶融塩の温度が、800℃を超える、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記溶融塩が、前記グラファイト電極の前記電気化学的腐食中、乾燥気体と接触しており、前記乾燥気体が、アルゴン又は窒素等の不活性ガスと水素とを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  10. 前記溶融塩及び前記炭素質粉末が、前記溶融塩を冷却し及び凝固させ、前記凝固された塩を前記炭素質粉末から洗浄するステップを含むプロセスによって、前記溶融塩から回収される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記洗浄された炭素質材料の真空濾過のステップを更に含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記熱処理のステップに先だって、前記炭素質粉末が金属水素化物化合物、例えば水素化リチウムを含み、前記金属水素化物中の金属種が、前記溶融塩に由来する、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記炭素質粉末が、還元雰囲気中、例えば、還元気体雰囲気、例えば窒素と水素との混合物を含む雰囲気中で、1000℃を超える温度、例えば1250℃+/−50℃に加熱することによって熱処理される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記炭素質粉末が、低圧環境内で、例えば真空下、又は部分真空下で加熱することによって熱処理される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記グラフェンシートが、200ナノメートルを超える横寸法を有するグラフェンナノシートである、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記電極の電気化学的腐食中の前記グラファイト電極における電流が、0.5A/cmを超え、好ましくは2A/cm+/−0.5A/cmである、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記グラフェンシートが、前記溶融塩中に浸漬されたグラファイト電極の平方メートル当たり1kg/時間を超える、好ましく1.5kg/時間を超える速度で生成される、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記グラファイト電極が、電気化学的腐食中、極性がカソードである、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. (a)水素イオンを含む溶融塩中での2つ以上のグラファイト電極の電気化学的腐食によって炭素質粉末を形成するステップであって、前記2つ以上のグラファイト電極のそれぞれは、交互に、ある時間に亘って、正の対電極に関連して負電極として機能して、前記電気化学的腐食を達成する、ステップを含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. (a)グラファイト電極中への金属イオン種及び水素イオン種の電気化学的インターカレーションによって炭素質粉末を形成し、前記金属イオン種はリチウム、ナトリウム又はカリウムであるステップであって、前記グラファイト電極が電解液と接触して配置されており、前記電解液は前記金属イオン種及び前記水素イオン種を含み、前記電解液はリチウム、ナトリウム又はカリウムのハロゲン化物塩を含む溶融塩であるステップと、
    (b)前記得られた炭素質粉末を前記電解液から回収するステップと、
    (c)前記炭素質粉末を非酸化雰囲気又は還元雰囲気中で加熱することによって前記炭素質粉末を熱処理して、グラフェンシートを含む熱処理粉末を生成するステップと、
    を含む、グラフェンシートの製造方法。
  21. (a)電解液と接触して配置されたグラファイト電極中への水素の電気化学的インターカレーションによって炭素質粉末を形成するステップであって、前記電解液が水素イオンを含み、前記電解液はリチウム、ナトリウム又はカリウムのハロゲン化物塩を含む溶融塩であるステップと、
    (b)前記得られた炭素質粉末を前記電解液から回収するステップと、
    (c)前記炭素質粉末を非酸化雰囲気又は還元雰囲気中で加熱することによって前記炭素質粉末を熱処理して、グラフェンシートを含む熱処理粉末を生成するステップと、
    を含む、グラフェンシートの製造方法。
  22. (a)溶融塩中でのグラファイト電極の電気化学的腐食によって炭素質粉末を形成するステップであって、前記溶融塩はリチウム、ナトリウム又はカリウムのハロゲン化物塩を含み、前記グラファイト電極の電気化学的腐食が、不活性ガス及び水素を含む雰囲気下で行われる、ステップと、
    (b)前記得られたグラフェンシートを含む炭素質粉末を前記溶融塩から回収するステップと、
    を含む、グラフェンシートの製造方法。
  23. (c)前記炭素質粉末を非酸化雰囲気中で加熱することによって前記炭素質粉末を熱処理して、グラフェンシートを含む熱処理粉末を生成するステップを更に含む、請求項2に記載の方法。
  24. 前記非酸化雰囲気がアルゴン及び窒素からなるリストから選択される不活性ガスと、水素、好ましくは2〜10モルパーセントの水素、例えば約4モルパーセントの水素とを含み、好ましくは前記非酸化雰囲気が乾燥雰囲気である、請求項23に記載の方法。
  25. (a)水素イオンを含む溶融塩中での2つ以上のグラファイト電極の電気化学的腐食によって炭素質粉末を形成するステップであって、前記溶融塩はリチウム、ナトリウム又はカリウムのハロゲン化物塩を含み、前記グラファイト電極の電気化学的腐食が、不活性ガス及び水素を含む雰囲気下で行われる、ステップと、
    (b)前記得られたグラフェンシートを含む炭素質粉末を前記溶融塩から回収するステップと、
    を含む、グラフェンシートの製造方法。
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