JP2007204577A - ポリエステル組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明の目的は、溶融成形物として黒色異物が少なく、平滑性の優れたポリエステル組成物を得る製造方法を提供する。
【解決手段】
オリゴマー含有量が0.6重量%以下であるポリエチレンテレフタレート又はこれを主体とするポリエステルと水酸基を有しないリン酸エステル化合物を混練することを特徴とするポリエステル組成物の製造方法。
【選択図】 なし
Description
このポリエステル成形時のオリゴマーの再生を防ぐ方法として、固相重合後にポリエチレンテレフタレートを水と接触させ、触媒を失活させる処理方法が提案されているが、本発明者の検討によると、この方法は、特定の重合触媒を使用した場合のみ効果が見られるものの、ポリエチレンテレフタレートに広く使用されるアンチモン触媒、チタン触媒を用いた場合においては、触媒失活の効果がほとんどなく、逆に固有粘度が上昇することによる成形時の押出圧力の上昇に伴い、オリゴマーが再生し生産性を低下させた(特許文献1参照)。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。実施例中に使用した各特性値は次の測定方法により求めた。
A.ポリエステル樹脂の固有粘度(IV)
オルトクロロフェノールに溶解し、25℃において測定した。
B.加熱処理前後の固有粘度の差(ΔIV)
下記式(1)で表す。
ΔIV=加熱処理後の固有粘度(B)−加熱処理前の固有粘度(A)・・・(1)
C.ポリエステル組成物またはフィルム中のリン元素量
ポリエステル組成物またはフィルム8gを溶融し板状に成型した板を、理学電機社製蛍光X線装置(型番3270)により、蛍光X線の強度を測定した。この値を含有量既知のサンプルで予め作成した検量線を用い、金属含有量に換算した。
D.オリゴマー(環状3量体)含有量
ポリエステル組成物1gを20mlのオルトクロロフェノールに溶解し、内部標準を添加する。さらにメタノールを加えてポリマーを析出させて遠心分離によって上澄みを採取し、液体クロマトグラフを用いてオリゴマー(環状3量体)含有量として定量した。
E.フイルムの表面粗さRa値
フイルム表面の表面粗さRa値は、原子間力顕微鏡(走査型プローブ顕微鏡)を用いて測定した。即ち、セイコーインスツルメント(株)製の卓上小型プローブ顕微鏡(”Nanopics” 1000)を用い、ダンピングモードで、フイルム表面を4μm角の範囲で原子間力顕微鏡計測走査を行い、得られる表面のプロファイル曲線よりJIS・B0601・Raに相当する算術平均粗さよりRaを求めた。面内方向の拡大倍率は1万〜5万倍、高さ方向の拡大倍率は100万倍程度とした。
F.黒色異物
ポリエステルフィルム1gをアセトン、次いでクロロホルムで洗浄した。そのポリエステルをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)/クロロホルム=1/1の溶液20g中に16時間放置して溶かし、目開き1μmのメンブランフィルターで濾過(濾過面直径14mm)を行った。更に濾紙面上をHFIPで十分洗浄した後風乾し、光学顕微鏡(200倍)で濾紙面全体の着色異物(1μm以上)の数を数えて下記のように評価した。
G.フイルム表面に析出する環状3量体を主体としたオリゴマー個数
縦・横5cm角のフイルムを熱風乾燥機中で150℃の熱風で30分間熱処理した。熱処理したフイルムの片面をブロアーにて空気を吹き付けて付着ゴミを除去し、カーボンを真空蒸着し、走査型電子顕微鏡にて5000倍に拡大してフイルム表面に析出したオリゴマー粒の個数をカウントした。10視野観察した平均値をフイルム表面1mm2当たりの個数へ換算し、10の位で四捨五入した。ポリマー中に含まれる粒子や異物が作るフイルム表面突起も観察できるが、これらはフイルム表面と連続した突起として観察され、一方オリゴマーはフイルム表面とはつながっておらず、また角張ったエッジを持つ粒のように観察されるので見分けることができ、下記のように評価した。
H.フイルム生産の安定性
製膜押出機の濾圧、フイルム破れ具合から、下記のように評価した。
○:製膜押出機の濾圧の上昇が問題なく、安定して生産できる。
△:製膜押出機の濾圧が高いが、生産できる。
×:製膜押出機の濾圧が高く生産できない。または固有粘度が低く、フイルム破れが発生して安定して生産できない。
テレフタル酸86重量部とエチレングリコール39重量部とをエステル反応物即ちビスヒドロキシエチルテレフタレート(低重合体)をエステル化反応槽で255℃で溶融し、これにテレフタル酸86重量部、およびエチレングリコール39重量部の組成からなる混合物を加え、255℃で撹拌しながらエステル化反応を行った。エステル化反応を続け、水の留出量がエステル化反応率で97%以上となる理論留出量に達したところで、テレフタル酸86重量部に相当する反応物を重縮合反応槽に移行した。重縮合反応槽に移行したテレフタル酸86重量部に相当する反応物に、水酸化カリウム0.0003重量部、トリエチルホスホノアセテート(TEPA)0.07重量部を添加、さらに酢酸マグネシウム4水塩を0.040重量部、三酸化アンチモンを0.020重量部添加し、285℃まで加熱昇温しながら60Pa以下まで減圧し、エチレングリコールを留去しながら重合反応物を進行させ、連続的にガット状に吐出、水で急冷後チップ状に切断し、ポリエチレンテレフタレートチップ(A)を得た。
次に、ポリエチレンテレフタレートチップ(A)に平均粒径0.3μmの架橋高分子粒子を0.5重量%含有させたポリエチレンテレフタレートチップを、上記のポリエチレンテレフタレートチップ(B)と同様に加熱処理して、オリゴマー含有量を0.35重量%としたポリエチレンテレフタレートチップ(D)を得た。
トリエチルホスホノアセテート(TEPA)の添加量を0.90重量部とした以外、実施例1と同様に行った。フイルム中のオリゴマー含有量が0.48重量%で少なく、表面に析出したオリゴマーも少なかった。結果を表1と表2に示す。
加熱処理条件を変更する以外は、実施例1と同様に行い、結果を表1と表2に示す。
混練するリン化合物をトリメチルホスフェート(TMPA)0.30重量部を添加した以外、実施例1と同様に行い、得られたフイルム特性は黒色異物が△レベルとなり、結果を表1と表2に示す。
フイルムのA層に、実施例1で得た加熱処理されたポリエチレンテレフタレートチップ(B)を40%、同じく実施例1で得たポリエチレンテレフタレートチップ(C)を60%に混合したポリエステルチップを使い、フイルムのB層に、実施例1で得た架橋高分子粒子を含むポリエチレンテレフタレートチップ(D)を使い、A層とB層の厚み比が5:1の割合で共押出し、冷却ドラムに密着させシート化し、実施例1と同様にロール延伸法でフイルムを得た。得られたフイルムは、黒色異物が少なく、フイルム表面に析出したオリゴマーが少なかった。結果を表2に示す。
実施例1のポリエチレンテレフタレートチップ(A)の加熱処理は行わない以外は、すべて実施例1と同様に行った。得られたフイルムは表面に析出するオリゴマーが多かった。結果を表1と表2に示す。
実施例1のポリエチレンテレフタレートチップ(A)の加熱処理は行なわず、ポリエチレンテレフタレートチップ(A)100重量部にリン酸(PA)を0.20重量部混練して添加した以外、実施例1と同様に行った。黒色異物が多く、表面に析出するオリゴマーが多かった。結果を表1と表2に示す。
実施例1で得たポリエチレンテレフタレートチップ(B)で、リン化合物を混練せずに、実施例1と同じ条件でフイルム成形体を得た。オリゴマーが多く再生して、フイルム表面に析出するオリゴマーが多くなった。結果を表1と表2に示す。
加熱処理の条件を変更し、加熱処理の終わったポリエチレンテレフタレートチップ(B)100重量部に、リン酸(PA)0.20重量部を混練添加した以外、実施例1と同様に行った。製膜押出機の濾圧が上昇し、得られたフイルムの黒色異物が多かった。結果を表1と表2に示す。
加熱処理の終わったポリエチレンテレフタレートチップ(B)100重量部に、リン酸(PA)0.20重量部を混練添加した以外、実施例1と同様に行った。黒色異物が多いものとなった。結果を表1と表2に示す。
加熱処理の終わったポリエチレンテレフタレートチップ(B)100重量部に、リン酸モノエチル(MEPA)0.15重量部を混練添加した以外、実施例1と同様に行った。得られたフイルムは黒色異物が多かった。結果を表1と表2に示す。
Claims (4)
- オリゴマー含有量が0.6重量%以下であるポリエチレンテレフタレート又はこれを主体とするポリエステルと水酸基を有しないリン酸エステル化合物を混練することを特徴とするポリエステル組成物の製造方法。
- 水酸基を有しないリン酸エステル化合物が、トリエチルホスホノアセテートであることを特徴とする請求項1記載のポリエステル組成物の製造方法。
- 請求項1または2記載の製造方法で得られたポリエステル組成物と、該ポリエステル組成物よりリン元素含有量が少なく、オリゴマー含有量が0.6重量%以下であるポリエステル組成物を混合することを特徴とするポリエステル組成物の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法で得られたポリエステル組成物からなる、磁気記録媒体用ポリエステルフイルム。
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