JP2005097466A - ポリエチレンテレフタレート組成物およびその製造方法ならびにポリエチレンテレフタレートフィルム - Google Patents

ポリエチレンテレフタレート組成物およびその製造方法ならびにポリエチレンテレフタレートフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 チタン化合物を重縮合反応触媒として用いながらも、極めて色相の優れたポリエチレンテレフタレート組成物、その製造方法およびそのフィルムの提供。
【解決手段】 アルカリ土類金属化合物およびチタン化合物によって合成されたポリエチレンテレフタレートからなり、アルカリ土類金属化合物およびチタン化合物の存在量が、下記式(1)〜(3)を同時に満足するポリエチレンテレフタレート組成物およびフィルム。
10≦M+4Ti≦60 ・・・(1)
5≦M/Ti≦30 ・・・(2)
0<Ti≦5 ・・・(3)
(式中のM,Tiはそれぞれアルカリ土類金属元素,チタン元素の全ジカルボン酸成分に対するモル濃度(ミリモル%)を示す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は色相に優れるポリエチレンテレフタレート組成物およびその製造方法ならびにそれを用いたポリエチレンテレフタレートフィルムに関する。
ポリエチレンテレフタレートは、その機械的、物理的、化学的性能が優れているため、繊維、フィルム、その他の成形物に広く利用されている。
ポリエチレンテレフタレートは、通常、テレフタル酸とエチレングリコールとを直接エステル化反応(DE反応)させるか、あるいはテレフタル酸ジメチルのようなテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレングリコールとを触媒存在下でエステル交換反応(EI反応)させて低重合体を生成させた後、次いでこの反応生成物を重合触媒の存在下で減圧加熱して所定の重合度になるまで重縮合反応させることによって製造されている。
これらの反応段階で使用する触媒の種類・量によって、反応速度および得られるポリエステルの品質が大きく左右される事はよく知られている。ポリエチレンテレフタレートに使用される触媒としては、EI反応では主にマンガン化合物が、重縮合反応ではアンチモン化合物やゲルマニウム化合物が優れた触媒性能を有し、かつ色調の良好なポリエステルが得られるなどの理由から汎用触媒として広く使用されている。
しかしながら、マンガン、アンチモン化合物を使用した場合、析出粒子が出来やすい欠点がある。この析出粒子は、繊維・フィルム等に成形する際、断糸・破断を起こし生産性を低下させるばかりか、表面欠点を形成し品質にも影響を与えるといった問題がある。ゲルマニウム化合物は、析出異物は発生し難いが、軟化点制御が難しい事や、化合物自身のコストが高い等の問題がある。
これら汎用触媒以外の化合物として、チタンアルコキシドのようなチタン化合物やカルシウム,マグネシウム化合物等のアルカリ土類金属からなる化合物を用いることが提案されている。しかし、チタン化合物を使用した場合、上記のような析出異物・表面欠点に起因する問題は解決できるが、得られるポリエステルが黄着色しやすく、溶融熱安定性が不良となるという新たな問題が発生する。このような着色問題を解決するために、コバルト化合物をポリエステルに添加して黄味を抑えることが一般的に行われている。確かにコバルト化合物を添加することによってポリエステルの色調(b値)は改善することができるが、コバルト化合物を添加することによってポリエステルの溶融熱安定性が低下し、ポリマーの分解も起こりやすくなるという問題がある。
また、他のチタン化合物として、特公昭48−2229号公報には水酸化チタンを、また特公昭47−26597号公報にはα−チタン酸を、それぞれポリエステル製造用触媒として使用することが開示されている。しかしながら、前者の方法では水酸化チタンの粉末化が容易でなく、一方、後者の方法ではα−チタン酸が変質し易いため、その保存、取り扱いが容易でなく、したがっていずれも工業的に採用するには適当ではなく、さらに、良好な色調(b値)を得ることも困難である。
また、特公昭59−46258号公報にはチタン化合物とトリメリット酸とを反応させて得られた生成物を、また特開昭58−38722号公報にはチタン化合物と亜リン酸エステルとを反応させて得られた生成物を、さらにまた特開平7―138354号公報ではリン化合物とチタン化合物との錯体をそれぞれポリエステル製造用触媒として使用することが開示されている。これらの方法によれば、ポリエステルの溶融熱安定性を向上させることはできるが、得られるポリマーの色調は未だ十分なものではなかった。したがって触媒としてアンチモン化合物を使用せず、熱安定性,色相およびフィルム表面特性に優れたポリエステルフィルムおよびそれを製造するためのポリエステル樹脂組成物はいまだ提供されていないのが現状である。
特公昭48−2229号公報 特公昭47−26597号公報 特公昭59−46258号公報 特開昭58−38722号公報 特開平7―138354号公報
本発明の目的は、チタン化合物を重縮合反応触媒として用いながらも、極めて色相の優れたポリエチレンテレフタレート組成物およびその製造方法ならびにそれを用いたポリエチレンテレフタレートフィルムを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、チタン化合物を重縮合反応触媒として用いながらも、極めて色相の優れ、しかも触媒金属に起因した析出異物の発生も極めて抑制されたポリエチレンテレフタレート組成物およびその製造方法ならびにそれを用いたポリエチレンテレフタレートフィルムを提供することにある。
本発明者らは上記従来技術に鑑み鋭意検討を重ねた結果、重縮合反応触媒としてチタン化合物を用いる際に、特定量のアルカリ土類金属化合物を併用することで、従来対比極めて色相の優れたのポリエチレンテレフタレートが得られることを見出し、本発明の完成に至った。さらにまた、上記アルカリ土類金属化合物に加え、特定量または特定のリン化合物を用いることで、触媒金属に起因する析出異物の発生も抑制できることも見出した。
かくして本発明によれば、本発明の目的は、第1に、アルカリ土類金属化合物およびチタン化合物によって合成されたポリエチレンテレフタレートからなり、アルカリ土類金属化合物およびチタン化合物の存在量が、下記式(1)〜(3)
Figure 2005097466
(式中のM,Tiはそれぞれアルカリ土類金属元素,チタン元素の全ジカルボン酸成分に対するモル濃度(ミリモル%)を示す。)を同時に満足するポリエチレンテレフタレート組成物によって達成される。
また、本発明のポリエチレンテレフタレート組成物は、その好ましい態様として、安定剤として、リン化合物を、下記式(4)
Figure 2005097466
(式中のPはリン元素の全ジカルボン酸成分に対するモル濃度(ミリモル%)を示す。)を満足する範囲で含有すること、リン化合物が下記一般式(I)
Figure 2005097466
(式中のR〜Rは炭素数1〜4のアルキル基、Xは−CH−または−CH(Y)−(Yはフェニル基)を示す。R〜Rは同一でも異なっていても良い。)で表されるリン化合物であるこt、チタン化合物が、下記一般式(II)
Figure 2005097466
(ここで、式(II)中の、R、R、R、Rはそれぞれ独立にアルキル基またはフェニル基である。)で表される化合物または上記の式(II)で表わされる化合物と以下の式(III)
Figure 2005097466
(ここで、式(III)中の、nは2〜4の整数である。)で表わされる芳香族多価カルボン酸とを反応させた生成物であること、アルカリ土類金属化合物がカルシウム化合物およびマグネシウム化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種であることの少なくともいずれか一つを具備するものも包含する。
また、本発明によれば、本発明の目的は、第2に、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールとを触媒存在下でエステル交換反応させ、次いで重縮合反応させて得られるポリエチレンテレフタレートの製造方法において、
エステル交換反応触媒としてアルカリ土類金属化合物および重縮合反応触媒としてチタン化合物を用い、かつアルカリ土類金属化合物およびチタン化合物量を上記式(1)〜(3)の範囲とするポリエチレンテレフタレート組成物の製造方法によって達成される。
また、本発明のポリエチレンテレフタレート組成物の製造方法は、その好ましい態様として、チタン化合物がエステル交換反応触媒としても用いられること、エステル交換反応後から重縮合反応終了までの任意の段階で、リン化合物を上記式(4)の範囲となるように添加すること、エステル交換反応を常圧下または0.2MPa以下の加圧下で実施すること、テレフタル酸ジメチルが、ポリエチレンテレフタレートを解重合して得られた、リサイクルされたテレフタル酸ジメチルであることの少なくともいずれか一つを具備するものも包含する。
さらにまた、本発明によれば、本発明の目的は、第3に、アルカリ土類金属化合物およびチタン化合物によって合成されたポリエチレンテレフタレートからなるフィルムであって、アルカリ土類金属化合物およびチタン化合物の存在量が、上記式(1)〜(3)を同時に満足し、かつ表面に存在する長径5μm以上の粗大突起が20個/cm未満であるポリエチレンテレフタレートフィルムによって達成される。
また、本発明のポリエチレンテレフタレートフィルムは、その好ましい態様として、上記本発明のポリエチレンテレフタレート組成物およびその製造方法で好ましい態様としてあげたものの少なくともいずれかを具備するものを、やはり好ましい態様として包含するものである。
本発明によれば、ポリエチレンテレフタレート組成物およびポリエチレンテレフタレートフィルムポリエステルを製造する際に、重縮合反応触媒であるチタン化合物に、特定量のアルカリ金属化合物を併用することによって、従来のチタン化合物によって製造されたものに比べ、極めて優れた色相が付与することができ、その工業的価値は極めて高い。
さらに、ポリエチレンテレフタレート組成物およびポリエチレンテレフタレートフィルムポリエステルを製造する際に、重縮合反応触媒であるチタン化合物に、特定量のアルカリ金属化合物を併用し、かつ特定量または特定のリン化合物も併用することによって、さらに触媒金属に起因する析出異物の発生も極めて抑制でき、その工業的価値は極めて高い。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明のポリエチレンテレフタレート(以下、PETと称することがある。)組成物は、80重量%以上、好ましくは85重量%以上がPETからなるものであり、PET以外の他の樹脂を、混合したものであっても良い。また、本発明におけるPETとは、エチレンテレフタレート成分を主たる繰返し単位とするポリエステルである。なおここでいう主たる繰返し単位とは、全繰り返し単位の80モル%以上、好ましくは85モル%以上を意味する。
エチレンテレフタレート成分以外の第3成分(共重合成分)としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、フタル酸等の如きテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等のごとき脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のごとき脂環族ジカルボン酸、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のグリコールが挙げられ、これらは単独で使用しても二種以上を併用してもよい。
本発明のPET組成物およびPETフィルムを構成するPETの固有粘度は、ο−クロロフェノール中、35℃において、0.45〜0.80の範囲にあることが好ましく、更に0.50〜0.70の範囲であることが好ましい。固有粘度が下限未満であると、成形加工後の製品の強度が不足することがある。他方、固有粘度が上限を超えると、原料ポリマーの固有粘度を過剰に引き上げる必要があり、生産工程に要する時間やエネルギーの損失が大きくなる。
本発明のPET組成物は、アルカリ土類金属化合物およびチタン化合物によって重合されたPETからなり、アルカリ土類金属化合物およびチタン化合物の存在量が、下記式(1)〜(3)を同時に満足することが必要である。
Figure 2005097466
(式中のM,Tiはそれぞれアルカリ土類金属元素、チタン元素の全ジカルボン酸成分に対するモル濃度(ミリモル%)を示す。)
M+4Tiが下限未満の場合、得られるポリマー分子量が低下する。一方、M+4Tiが上限を超える場合、得られるPET組成物の熱安定性や色相の改善効果が乏しくなる。また、M/Tiが下限未満の場合、得られるポリマー分子量が低下したり、アルカリ土類金属化合物の析出が発生し易くなる。一方、M/Tiが上限を超える場合、得られるPET組成物の熱安定性や色相が悪化する。さらにまた、Tiが下限未満の場合、得られるポリマー分子量が低下する。一方、Tiが上限を超える場合、得られるPET組成物の熱安定性や色相の改善効果が乏しくなる。好ましいMは、下限が10ミリモル%以上、さらに15ミリモル%以上、特に20ミリモル%以上で、一方上限は50ミリモル%以下、さらに45ミリモル%以下である。また、好ましいTiは、下限が0.5ミリモル%以上、さらに1ミリモル%以上、特に1.5ミリモル%以上であり、一方上限が4.5ミリモル%以下、4ミリモル%以下、3.5ミリモル%以下である。また、好ましいM+4Tiは15〜58ミリモル%、さらに20〜55ミリモル%の範囲である。さらにまた、好ましいM/Tiは6〜25、さらに8〜20の範囲である。
本発明におけるアルカリ土類金属化合物としては、例えばカルシウム化合物、マグネシウム化合物、ストロンチウム化合物、バリウム化合物が挙げられる。これらの中でもカルシウム化合物、マグネシウム化合物が好ましい。
カルシウム化合物としては、酢酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、安息香酸カルシウム、蟻酸カルシウム、ステアリン酸カルシウムおよびこれらの水和物などが挙げられる。また、マグネシウム化合物としては、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、安息香酸マグネシウム、蟻酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムおよびこれらの水和物などが挙げられる。これらの中でも、酢酸カルシウム一水和物、酢酸マグネシウム四水和物が特に好ましい。これらのアルカリ土類金属化合物は、単独で使用してもよく、また二種以上併用してもよい。
本発明におけるチタン化合物としては、重縮合反応触媒として用いられてきたPETに可溶なものなら特に限定されない。好ましいチタン化合物としては、下記一般式(II)で表される化合物または以下の式(II)で表わされる化合物と以下の式(III)で表わされる芳香族多価カルボン酸とを反応させた生成物である。
Figure 2005097466
(ここで、式(II)中の、R、R、R、Rはそれぞれ独立にアルキル基またはフェニル基である。)
Figure 2005097466
(ここで、式(III)中の、nは2〜4の整数である。)
前記の一般式(III)で表される多価カルボン酸またはその酸無水物としては、フタル酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、ピロメリット酸およびこれらの酸無水物が好ましく用いられる。これらの中でも特に無水トリメリット酸が好ましく例示される。
上記式(II)で表されるチタン化合物と上記式(III)で表される多価カルボン酸またはその酸無水物との反応生成物は、溶媒に多価カルボン酸またはその酸無水物の一部を溶解し、これにチタン化合物を滴下して0〜200℃の温度で30分以上反応させることで得られる。
本発明のPET組成物は、熱安定剤としてリン化合物を下記式(4)の範囲となるように含有することが好ましい。
Figure 2005097466
(式中のPはリン元素の全ジカルボン酸成分に対するモル濃度(ミリモル%)を示す。)
リン化合物量が下限未満の場合、得られるポリエステルの熱安定性および色相が低下する場合がある。一方、上限を超える場合、ポリエステル生成反応に対する触媒活性が不十分となる場合がある。リン化合物量は、15〜35の範囲が好ましく、20〜35の範囲が更に好ましい。
本発明で使用するリン化合物は、従来熱安定剤として用いられてきたものを好ましく挙げることが出来、それらの中でも、下記一般式(I)で表されるが好ましい。
Figure 2005097466
(式中のR〜Rは炭素数1〜4のアルキル基、Xは−CH−または−CH(Y)−(Yはフェニル基)を示す。R〜Rは同一でも異なっていても良い。)
一般式(I)で表される化合物の中でも、特にホスホノ酢酸化合物またはホスホノフェニル酢酸と炭素数1〜4のアルキルとのエステルが好ましい。具体的にはジエトキシホスホノ酢酸エチル、ジエトキシホスホノ酢酸メチルが例示され、これらのホスホネート化合物のアルキル鎖の一部または全てがグリコール置換されたものも好ましく挙げられる。これらのリン化合物が好ましい理由は、エチレングリコールやポリエステルへの溶解性が良く、またチタン触媒との合成生成物が析出粒子となりにくく、また析出粒子となってもその析出する粒子径が極めて小さいためである。さらに、触媒の活性を失活させることなく適度なポリマーの熱安定性を付与させることが可能なことも、好ましい理由として挙げられる。
本発明のPET組成物は、必要に応じて少量の添加剤、例えば滑剤、顔料、染料、酸化防止剤、固相重合促進剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、遮光剤、艶消剤を含んでいてもよい。特にフィルムに加工する場合、製膜時の巻き取り性を付与する為に、滑剤として平均粒径が0.001〜5μmの不活性粒子を、最終的に得られるポリエステルフィルム中に0.01〜10重量%含有するように添加することが好ましい。添加する不活性粒子としては、例えばコロイダルシリカ、多孔質シリカ、酸化チタン、酸化アルミナ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、カオリン、複合酸化物粒子等の無機粒子や、シリコーン粒子、架橋ポリスチレン、架橋アクリルポリマー、架橋ポリエステルなどの有機粒子が好ましく用いられる。
つぎに、本発明のPET組成物の製造方法について説明する。
本発明のPET組成物は、テレフタル酸のエステル形成性誘導体とエチレングリコールとを触媒存在下でエステル交換反応させ、次いで重縮合反応させて得られるポリエチレンテレフタレートの製造方法において、エステル交換反応触媒としてアルカリ土類金属化合物および重縮合反応触媒としてチタン化合物を用い、かつアルカリ土類金属化合物およびチタン化合物量を下記式(1)〜(3)の範囲とすることによって製造できる。
Figure 2005097466
(式中のM,Tiはそれぞれアルカリ土類金属元素,チタン元素の全ジカルボン酸成分に対するモル濃度(ミリモル%)を示す。)
M+4Tiが下限未満の場合、得られるポリマー分子量が低下する。一方、M+4Tiが上限を超える場合、得られるPET組成物の熱安定性や色相の改善効果が乏しくなる。また、M/Tiが下限未満の場合、得られるポリマー分子量が低下したり、アルカリ土類金属化合物の析出が発生し易くなる。一方、M/Tiが上限を超える場合、得られるPET組成物の熱安定性や色相が悪化する。さらにまた、Tiが下限未満の場合、得られるポリマー分子量が低下する。一方、Tiが上限を超える場合、得られるPET組成物の熱安定性や色相の改善効果が乏しくなる。好ましいMは、下限が10ミリモル%以上、さらに15ミリモル%以上、特に20ミリモル%以上で、一方上限は50ミリモル%以下、さらに45ミリモル%以下である。また、好ましいTiは、下限が0.5ミリモル%以上、さらに1ミリモル%以上、特に1.5ミリモル%以上であり、一方上限が4.5ミリモル%以下、4ミリモル%以下、3.5ミリモル%以下である。また、好ましいM+4Tiは15〜58ミリモル%、さらに20〜55ミリモル%の範囲である。さらにまた、好ましいM/Tiは6〜25、さらに8〜20の範囲である。
通常、エステル交換反応は、徐々に昇温しながら発生するアルコールを除去しつつ行われる。そして、その後反応生成物を減圧装置が設けられた重縮合反応器に移し替え、重縮合反応触媒としてチタン化合物を添加し、高温・高真空下での重縮合反応を行われる。なお、チタン化合物は中縮合反応が終了されるまでに添加されればよく、エステル交換反応がより速められることからエステル交換反応触媒として、すなわちアルカリ土類金属化合物と同時に添加されることが好ましい。また、エステル交換反応時の反応系内の圧力は、通常は常圧での反応が好ましく実施されるが、エステル交換反応をより速められることから、本発明のPET組成物の製造方法では、0.2MPa以下の加圧下での反応を実施することが好ましい。加圧下でエステル交換反応を実施する場合、圧力が上限より高いと、副生成物として発生するジエチレングリコールのポリマー中の含有量が著しく増加し、ポリマーの熱安定性等の特性が低下することがある。エステル交換反応時の反応系内の圧力は、0.06〜0.10MPaの範囲である。なお、本発明のPET組成物の製造方法で用いるアルカリ土類金属およびチタン化合物は、上記本発明のPET組成物で説明したのと同じことが言える。
本発明のPET組成物の製造方法は、エステル交換反応後から重縮合反応終了までの任意の段階で、リン化合物を下記式(4)の範囲となるように添加することが好ましい。
Figure 2005097466
(式中のPはリン元素の全ジカルボン酸成分に対するモル濃度(ミリモル%)を示す。)
リン化合物量が下限未満の場合、得られるポリエステルの熱安定性および色相が低下する場合がある。一方、上限を超える場合、ポリエステル生成反応に対する触媒活性が不十分となる場合がある。リン化合物量は、15〜35の範囲が好ましく、20〜35の範囲が更に好ましい。リン化合物はEI交換反応終了から重縮合反応終了までの任意の段階で添加でき、EI反応終了後に添加することが好ましい。また複数回に分割して添加してもよい。
本発明の製造方法で使用するリン化合物は、従来熱安定剤として用いられてきたものを好ましく挙げることが出来、それらの中でも、下記一般式(I)で表されるが好ましい。
Figure 2005097466
(式中のR〜Rは炭素数1〜4のアルキル基、Xは−CH−または−CH(Y)−(Yはフェニル基)を示す。R〜Rは同一でも異なっていても良い。)
一般式(I)で表される化合物の中でも、特にホスホノ酢酸化合物またはホスホノフェニル酢酸と炭素数1〜4のアルキルとのエステルが好ましい。具体的にはジエトキシホスホノ酢酸エチル、ジエトキシホスホノ酢酸メチルが例示され、これらのホスホネート化合物のアルキル鎖の一部または全てがグリコール置換されたものも好ましく挙げられる。これらのリン化合物が好ましい理由は、エチレングリコールやポリエステルへの溶解性が良く、またチタン触媒との合成生成物が析出粒子となりにくく、また析出粒子となってもその析出する粒子径が極めて小さいためである。さらに、触媒の活性を失活させることなく適度なポリマーの熱安定性を付与させることが可能なことも、好ましい理由として挙げられる。
本発明のPET組成物は、テレフタル酸のエステル形成性誘導体とエチレングリコールとを出発原料、具体的にはテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールとを出発原料とした製造することができる。出発原料としてのテレフタル酸ジメチルの割合は、全芳香族ジカルボン酸成分に対して80モル%以上、さらに85モル%以上であることが好ましい。また、出発原料としてのエチレングリコールの割合は、全グリコール成分に対して80モル%以上、さらに85モル%以上であることが好ましい。
本発明において出発原料として使用されるテレフタル酸ジメチルは、PETを解重合することによってリサイクルされたテレフタル酸ジメチルが好ましい。特に回収されたPETボトル、回収されたポリエステル繊維製品、回収されたポリエステルフィルム製品、更にはこれら製品の製造工程において発生する屑ポリマーなどといった、回収されたPET組成物を解重合することによって得られるからテレフタル酸ジメチルが好ましい。この理由としては、本発明のPET組成物は、色相に優れ、しかも析出異物の発生も抑制されることから、比較的不純物を含みやすいリサイクルされたテレフタル酸ジメチルを使用しても、非常に良好なPET組成物やPETフィルムとして利用できるからである。
また、PET組成物の解重合によってテレフタル酸とテレフタル酸ジメチルとを得る場合、回収プロセスからより容易にテレフタル酸ジメチルの方が得やすく、本発明の製造方法が出発原料としてテレフタル酸ジメチルを採用することは、回収されたPET組成物の解重合もより容易に行えるという利点もある。
最後に本発明のPETフィルムについて説明する。
本発明のPETフィルムは、上述の本発明のPET組成物を原料とし、これを溶融状態でシート状に押出スことによって製造できる。好ましくは得られるPETフィルムに寸法安定性や強度を具備できることから、一軸方向に延伸した一軸配向PETフィルム、さらには直交する二軸方向に延伸した二軸配向PETフィルムが好ましい。二軸配向PETフィルムを例にとって、さらに詳述する。
本発明のPET組成物のペレットを(Tc)〜(Tc+40)℃(Tcはポリエステルの昇温時の結晶化温度)の温度範囲で1〜3時間乾燥した後、(Tm)〜(Tm+70)℃(Tmはポリエステルの融点)の温度範囲内でシート状に溶融押出し、次いで表面温度20〜40℃の回転冷却ドラム上に密着固化させて、実質的に非晶質のPETシート(未延伸フィルム)を得る。次いで未延伸フィルムを縦方向または横方向に延伸する。好ましくは縦方向に延伸した後、横方向に延伸する、いわゆる縦・横逐次二軸延伸法あるいはこの順序を逆にして延伸する方法または同時に二軸遠心する同時二軸延伸法などにより直交する二軸方向に延伸する。延伸する際の温度(熱固定温度)は(Tg−10)〜(Tg+70)℃( TgはPETの二次転移点温度)であって、延伸倍率は使用する用途の要求に応じて適宜調整すればよいが、一軸方向に2.5倍以上、さらには3倍以上で、かつ面積倍率が8倍以上、さらには10〜30倍の範囲から選ぶのが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムを製造方法において、使用するスリット状ダイの形状や、溶融温度、延伸倍率、熱固定温度等の条件について制限は無く、また単層フィルムや共押出し技術等を用いた積層フィルムのいずれも採用することができる。
このようにして得られた本発明のポリエステルフィルムは、フィルムを構成するポリエステル樹脂組成物が極めて優れた色相を有し、さらに表面にアルミニウムを0.5μm厚みで蒸着し、日立製作所製走査型電子顕微鏡(S−3100)によりフィルム1cm×1cmの範囲内にある、長径5μm以上の粗大突起数が20個/cm未満である。粗大突起数が上限を超えると、例えば磁気記録媒体などの表面の平坦性が求められるような用途では使用が困難である。粗大突起数はできる限り少ないことが好ましく、10個/cm未満、さらに5個/cm未満であることが好ましい。このような粗大突起数は、アルカリ土類金属化合物とチタン化合物とを特定の割合で使用することや、特定量または特定のリン化合物を使用することによって達成できる。
なお、本発明のPETフィルムは、上述の本発明のPET組成物およびその製造方法で説明したことと同様なことが言える。
以下に実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例により限定されるものではない。なお、実施例中の固有粘度(IV)、アルカリ土類金属元素,チタン元素,リン元素含有量、色相、金属析出物ならびフィルム表面の微小突起数は、下記の方法により測定および評価した。また、実施例中の部および%は、特に断らない限り、それぞれ重量部および重量%を意味する。
(1)固有粘度(IV):
ポリエチレンテレフタレートの固有粘度(IV)は、チップ、フィルムそれぞれを用いてオルトクロロフェノール溶液中、35℃において測定した粘度の値から求めた。
(2)元素濃度:
チタン元素、リン元素量濃度は、ポリエステルチップを加熱溶融して円形ディスクを作成し、リガク社製蛍光X線測定装置3270を用いて測定した。なお、滑剤を含む場合は、予め溶媒中で遠心分離処理により滑剤を除去した上で同様の測定を行った。
アルカリ土類金属元素濃度は、ポリエステルチップをオルトクロロフェノールに溶解し、0.5規定塩酸で抽出操作した液を日立製作所製Z−6100形偏光ゼーマン原子吸光光度計を用いて求めた。
(3)色調(L値及びb値):
ポリエステルチップの色調は、ミノルタ社製ハンター型色差計CR−200にて測定した。L値は明度の指標であり、数値が大きいほど明度が高いことを、b値はその値が大きいほど黄着色の度合いが大きいことを示す。b値に関しては以下の判断基準を設け、○以上の評価を合格とした。
◎:b値が5未満
○:b値が5以上7未満
△:b値が7以上9未満
×:b値が9以上
(4)ポリエチレンテレフタレートの熱安定性:
160℃で1時間乾燥したポリエステルチップを、ガラス製フラスコへ入れ、次いで300℃に保持されたソルトバスにフラスコを浸漬後、窒素気流下で20分間溶融状態で攪拌保持して得られる溶融物の固有粘度(IV)を測定し、乾燥処理前の固有粘度差(IV差)を求めた。得られたIV差を、以下の判断基準によって評価し、○以上の評価を合格とした。
◎:IV差が0.003未満
○:IV差が0.003以上0.006未満
△:IV差が0.006以上0.009未満
×:IV差が0.009以上
(5)金属析出物:
ポリエステルチップ0.1gを溶解液(ヘキサフルオロイソプロパノール/クロロホルム=50/50重量%混合液)を加え溶解した液を、3μm孔径テフロン(登録商標)製メンブレンフィルター(ろ過面積=7.1cm)でろ過する。乾燥後のろ紙を走査型電子顕微鏡(日立製作所製 S3100型)を用いて、ろ紙上にある粒子個数をカウントし、観察面積から1cm当りの粒子個数をカウントした。評価には以下の判断基準を設け、○以上の評価を合格とした。
◎:粒子個数が10個/cm未満
○:粒子個数が10個/cm以上50個/cm未満
△:粒子個数が50個/cm以上100個/cm未満
×:粒子個数100個/cm以上
(6)フィルム表面欠点:
2軸延伸フィルム表面にアルミニウムを0.5μm厚みで蒸着し、日立製作所製走査型電子顕微鏡(S−3100)によりフィルム1cm×1cmの範囲内にある、長径5μm以上の粗大突起数をカウントした。評価には以下の判断基準を設け、△以上の評価を合格とした。
◎:粗大突起数が5個/cm未満
○:粗大突起数が5個/cm以上10個/cm未満
△:粗大突起数が10個/cm以上20個/cm未満
×:粗大突起数が20個/cm以上
[参考例]
エチレングリコール2.5重量部に無水トリメリット酸0.8重量部を溶解し、このエチレングリコール溶液にチタンテトラブトキシド0.7重量部(無水トリメリット酸のモル量を基準として0.5mol%)を滴下し、この反応系を空気中、常圧下、80℃で60分間保持してチタンテトラブトキシドと無水トリメリット酸とを反応させ、反応生成物(TMT)を得た。その後反応系を常温に冷却し、アセトン15重量部を加えて析出物をNo.5濾紙で濾過した後、100℃の温度で2時間乾燥した。得られた反応生成物のチタン含有量は11.2重量%であった。
[実施例1〜3]
テレフタル酸ジメチル100部とエチレングリコール70部の混合物を撹拌機、精留塔及びメタノール留出コンデンサーを設けた反応器に仕込み、アルカリ金属化合物およびチタン化合物を表1に示した量になるように添加した。チタン化合物は参考例で調製したチタン触媒を使用し、240℃まで徐々に昇温しつつ、成するメタノールを系外に留出させながら、エステル交換反応を行った。この際、反応器内の圧力は0.1MPaとした。エステル交換反応が終了後、表1に示したリン化合物を表1に記載の量になるように添加した。このエステル交換反応物を撹拌装置、窒素導入口、減圧口、蒸留装置を備えた反応容器に移し、285℃まで昇温し、30Pa以下の高真空にて重縮合反応を行いPET組成物を得た。
得られたPET組成物1を常法により170℃で3時間乾燥後、溶融温度290℃で1mmのスリット状ダイを通して200μm厚に溶融押出し、線状電極を用いて、回転冷却ドラム上に密着・固化した。次いで、得られた未延伸フィルムを75℃に予熱し、縦方向に3.6倍に延伸した後、105℃に予熱して横方向に3.9倍に延伸した。得られた二軸配向PETフィルムを230℃の温度で5秒間熱固定処理し、厚み14μmの熱固定された二軸配向PETフィルムを得た。
得られたPET組成物および二軸配向PETフィルムの特性を表1に示す。
[実施例4]
使用するリン化合物の種類・量を変更する以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、PET組成物および二軸配向PETフィルムを得た。
得られたPET組成物および二軸配向PETフィルムの特性を表1に示す。
[実施例5および6]
実施例1において、使用するテレフタル酸ジメチルを、ポリエチレンテレフタレートを解重合して得られた回収テレフタル酸ジメチルに変更する以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、PET組成物および二軸配向PETフィルムを得た。
得られたPET組成物および二軸配向PETフィルムの特性を表1に示す。
[実施例7]
テレフタル酸ジメチル100部とエチレングリコール70部の混合物を撹拌機、精留塔及びメタノール留出コンデンサーを設けた反応器に仕込み、アルカリ金属化合物を表1記載の量になるように添加した。その後、240℃まで徐々に昇温しつつ、成するメタノールを系外に留出させながら、常圧下でエステル交換反応を行った。エステル交換反応が終了後、リン化合物およびチタン化合物を表中記載の量になるように添加した。このエステル交換反応物を撹拌装置、窒素導入口、減圧口、蒸留装置を備えた反応容器に移し、285℃まで昇温し、30Pa以下の高真空にて重縮合反応を行い、固有粘度0.63dl/gであるPET組成物を得た。得られたPET組成物を用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し二軸配向PETフィルムを得た。
得られたPET組成物および二軸配向PETフィルムの特性を表1に示す。
[実施例8]
使用するリン化合物の量を変更する以外は、実施例2と同様の操作を繰り返して、PET組成物および二軸配向PETフィルムを得た。
得られたPET組成物および二軸配向PETフィルムの特性を表1に示す。
[比較例1]
アルカリ金属化合物を添加せず、チタン化合物の量を表1に記載の量に変更する以外は、実施例2と同様の操作を繰り返して、PET組成物および二軸配向PETフィルムを得た。
得られたPET組成物および二軸配向PETフィルムの特性を表1に示す。
[比較例2〜5]
アルカリ金属化合物、チタン化合物およびリン化合物の種類およびの量を表1に記載のとおり変更する以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、PET組成物および二軸配向PETフィルムを得た。
得られたPET組成物および二軸配向PETフィルムの特性を表1に示す。
Figure 2005097466
ここで、表中の、DMTはテレフタル酸ジメチル、酢酸Mgは酢酸マグネシウム四水和物、酢酸Caは酢酸カルシウム一水和物、TMTは参考例で調製したトリメリット酸チタン、TBTはテトラブトキシチタン、Mはアルカリ土類金属元素量、Tiはチタン元素量、TEPAはテトラエチルホスホノアセテート、TMPAはテトラメチルホスホノアセテート、PAはリン酸をそれぞれ示す。また、新品のDMTとは、リサイクル工程を経ていないDMTを指し、回収品とは、リサイクル工程を経たDMTを示す。また、実施例7以外は、チタン化合物をエステル交換反応の前から添加しており、実施例7のみチタン化合物をエステル交換反応後に添加した。
表1の結果からも明らかなように、本発明のアルカリ土類金属化合物とチタン化合物との割合を満足する実施例のPET組成物およびPETフィルムは、優れた色相を有し、さらに特定量または特定のリン化合物を用いた実施例のフィルムは、触媒金属に起因する析出異物の抑制性、熱安定性に優れ、フィルム表面の粗大突起抑制性において良好な性能が得られた。

Claims (11)

  1. アルカリ土類金属化合物およびチタン化合物によって合成されたポリエチレンテレフタレートからなり、アルカリ土類金属化合物およびチタン化合物の存在量が、下記式(1)〜(3)を同時に満足するポリエチレンテレフタレート組成物。
    Figure 2005097466
    (式中のM,Tiはそれぞれアルカリ土類金属元素,チタン元素の全ジカルボン酸成分に対するモル濃度(ミリモル%)を示す。)
  2. 安定剤として、リン化合物を、下記式(4)を満足する範囲で含有する請求項1記載のポリエチレンテレフタレート組成物。
    Figure 2005097466
    (式中のPはリン元素の全ジカルボン酸成分に対するモル濃度(ミリモル%)を示す。)
  3. リン化合物が下記一般式(I)で表されるリン化合物である請求項2記載のポリエチレンテレフタレート組成物。
    Figure 2005097466
    (式中のR〜Rは炭素数1〜4のアルキル基、Xは−CH−または−CH(Y)−(Yはフェニル基)を示す。R〜Rは同一でも異なっていても良い。)
  4. チタン化合物が、下記一般式(II)で表される化合物または以下の式(II)で表わされる化合物と以下の式(III)で表わされる芳香族多価カルボン酸とを反応させた生成物である請求項1記載のポリエチレンテレフタレート組成物。
    Figure 2005097466
    (ここで、式(II)中の、R、R、R、Rはそれぞれ独立にアルキル基またはフェニル基である。)
    Figure 2005097466
    (ここで、式(III)中の、nは2〜4の整数である。)
  5. アルカリ土類金属化合物がカルシウム化合物およびマグネシウム化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1記載のポリエチレンテレフタレート組成物。
  6. テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールとを触媒存在下でエステル交換反応させ、次いで重縮合反応させて得られるポリエチレンテレフタレートの製造方法において、
    エステル交換反応触媒としてアルカリ土類金属化合物および重縮合反応触媒としてチタン化合物を用い、かつアルカリ土類金属化合物およびチタン化合物量を下記式(1)〜(3)の範囲とすることを特徴とするポリエチレンテレフタレート組成物の製造方法。
    Figure 2005097466
    (式中のM,Tiはそれぞれアルカリ土類金属元素,チタン元素の全ジカルボン酸成分に対するモル濃度(ミリモル%)を示す。)
  7. チタン化合物がエステル交換反応触媒としても用いられる請求項6記載のポリエチレンテレフタレート組成物の製造方法。
  8. エステル交換反応後から重縮合反応終了までの任意の段階で、リン化合物を下記式(4)の範囲となるように添加する請求項6記載のポリエチレンテレフタレート組成物の製造方法。
    Figure 2005097466
    (式中のPはリン元素の全ジカルボン酸成分に対するモル濃度(ミリモル%)を示す。)
  9. エステル交換反応を常圧下または0.2MPa以下の加圧下で実施する事を特徴とする請求項7に記載のポリエチレンテレフタレート組成物の製造方法。
  10. テレフタル酸ジメチルが、ポリエチレンテレフタレートを解重合して得られた、リサイクルされたテレフタル酸ジメチルである請求項6に記載のポリエチレンテレフタレート組成物の製造方法。
  11. アルカリ土類金属化合物およびチタン化合物によって合成されたポリエチレンテレフタレートからなるフィルムであって、アルカリ土類金属化合物およびチタン化合物の存在量が、下記式(1)〜(3)を同時に満足し、かつ表面に存在する長径5μm以上の粗大突起が20個/cm未満であることを特徴とするポリエチレンテレフタレートフィルム。
    Figure 2005097466
    (式中のM,Tiはそれぞれアルカリ土類金属元素,チタン元素の全ジカルボン酸成分に対するモル濃度(ミリモル%)を示す。)
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