JP2007194608A - 複数回の露光及び複数種類の露光を用いる露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】より微細な構造を実現し、柔軟性のあるリソグラフィーシステムを実現するを可能とするリソグラフィーシステム及び方法を提供する。
【解決手段】第1の露光と、第2の露光とを組み合わせて基板にパターンを露光する少なくとも1つの個別制御可能素子アレイを有する露光装置により、第1の露光においては、露光装置の個別制御可能素子アレイ11により放射ビームが変調されて基板に投影され、繰り返しパターンが形成される。第2の露光においても露光装置の個別制御可能素子アレイ21により放射ビームが変調されて基板Wに投影される。1つの個別制御可能素子に対応する基板上の露光区域の大きさは、第2の露光のほうが第1の露光よりも大きい。第1の露光により基板に投影されるパターンは、比較的高い解像度を有する。これに対して第2の露光は比較的低解像度であるが、より柔軟性を高めることができる。
【選択図】図5
【解決手段】第1の露光と、第2の露光とを組み合わせて基板にパターンを露光する少なくとも1つの個別制御可能素子アレイを有する露光装置により、第1の露光においては、露光装置の個別制御可能素子アレイ11により放射ビームが変調されて基板に投影され、繰り返しパターンが形成される。第2の露光においても露光装置の個別制御可能素子アレイ21により放射ビームが変調されて基板Wに投影される。1つの個別制御可能素子に対応する基板上の露光区域の大きさは、第2の露光のほうが第1の露光よりも大きい。第1の露光により基板に投影されるパターンは、比較的高い解像度を有する。これに対して第2の露光は比較的低解像度であるが、より柔軟性を高めることができる。
【選択図】図5
Description
本発明は露光装置及びデバイス製造方法に関する。
露光装置は、所望のパターンを基板または基板の一部に転写する機械である。露光装置は例えばフラットパネルディスプレイや集積回路(IC)、微細構造を有する他のデバイスの製造に用いられる。通常例えばマスクまたはレチクルと称されるパターニング用デバイスを使用して、フラットパネルディスプレイ(または他のデバイス)の各層に対応した回路パターンを形成する。このパターンは、基板に塗布された照射感応材料(レジスト)層への像形成により基板(例えばガラスプレート)の全体または一部に転写される。
パターニング手段を使用して、回路パターンではなく例えばカラーフィルタのパターンやドットのマトリックス状配列などの他のパターンを形成する場合もある。パターニング用デバイスは、それぞれ個別に制御可能である素子の配列(以下「個別制御可能素子アレイ」という場合もある)を備えるパターニングアレイをマスクの代わりに備えてもよい。このような方式ではマスクを使用する方式に比べて迅速かつ低コストにパターンを変更することができる。
フラットパネルディスプレイの基板は通常長方形である。この種の基板を露光するための露光装置は、長方形基板の幅全体またはその一部(例えば全幅の半分)をカバーする露光空間を有するように設計される。この露光空間の最下部で基板が走査されるとともに、マスク又はレチクルが基板の走査に同期してビームに対して走査される。このようにして基板にパターンが転写される。露光空間が基板の幅全体をカバーする場合には1回の走査で露光が完了する。露光空間が例えば基板の幅の半分をカバーする場合には、1回目の露光後に横方向に基板を移動させ、通常は基板の残りを露光するための走査をもう一度行う。
これまで以上に微細化されたデバイス、これまで以上にカスタマイズされたデバイス、そしてこれまで以上に低コストなデバイスを生み出すために、リソグラフィー方式の改良が脈々と続けられている。しかし、これら3つの目標は互いに干渉し合うものである。例えば新たな技術により微細な構造が実現可能となっても、デバイス製造に必要なプロセスタイムが長くなってしまって結局デバイスのコストが上がってしまう。また、デバイス製造の柔軟性を高めるプロセスを使おうとしても、パターンの微細さで妥協しなければならなくなって、結局デバイスのコストが上がってしまう。
そこで、より微細な構造を実現すること、柔軟性のあるリソグラフィーシステムを実現すること、そしてできるだけ低コストでデバイスを製造することとをうまく両立させることを可能とするリソグラフィーシステム及び方法が求められている。
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの個別制御可能素子アレイを備える露光装置が提供される。この少なくとも1つの個別制御可能素子アレイは、第1の露光と第2の露光とを組み合わせて基板にパターンを露光する。第1の露光においては基板に繰り返しパターンが投影されるよう少なくとも1つの個別制御可能素子アレイにより放射ビームが変調されて基板に投影される。第2の露光においては、1つの個別制御可能素子に対応する基板上の露光区域の大きさが第1の露光よりも第2の露光のほうが大きくなるように、少なくとも1つの個別制御可能素子アレイにより放射ビームが変調されて基板に投影される。
本発明の他の実施形態によれば、次のステップを備えるデバイス製造方法が提供される。第1の露光及び第2の露光を組み合わせて基板にパターンを露光すること。第1の露光においては基板に繰り返しパターンが投影されるよう個別制御可能素子アレイにより放射ビームが変調されて基板に投影される。第2の露光においては、1つの個別制御可能素子に対応する基板上の露光区域の大きさが第1の露光よりも第2の露光のほうが大きくなるように、個別制御可能素子アレイにより放射ビームが変調されて基板に投影される。
本発明の更なる実施形態によれば、支持部とパターニング用デバイスと個別制御可能素子アレイと投影光学系とを備える露光装置が提供される。支持部はパターニング用デバイスを支持する。パターニング用デバイスは放射ビームを変調して第1の変調放射ビームを生成する。個別制御可能素子アレイは第1の変調放射ビームを変調して第2の変調放射ビームを生成する。投影光学系は第2の変調放射ビームを基板に投影する。
本発明の更なる実施形態によれば、次のステップを備えるデバイス製造方法が提供される。放射ビームを変調して第1の変調放射ビームを生成するためにパターニング用デバイスを使用すること。第1の変調放射ビームを変調して第2の変調放射ビームを生成するために個別制御可能素子アレイを使用すること。第2の変調放射ビームを基板に投影すること。
本発明の更なる実施形態によれば、放射ビームを繰り返しパターンに変調する個別制御可能素子アレイが提供される。このアレイは、繰り返しパターンを示す制御信号を受信し、該制御信号に応じて放射ビームを繰り返しパターンに変調するための必要状態に各個別制御可能素子を設定する。
本発明の更なる実施形態によれば、次のステップを備えるデバイス製造方法が提供される。放射ビームを繰り返しパターンに変調するよう個別制御可能素子アレイを設定するための制御信号を個別制御可能素子アレイに供給すること。個別制御可能素子アレイを用いて放射ビームを変調すること。個別制御可能素子アレイは、制御信号を受信し、放射ビームを繰り返しパターンに変調するための必要状態に設定するように構成されている。
本発明の更なる実施形態によれば、放射ビームを変調する個別制御可能素子アレイと、変調された放射ビームを基板に投影する投影光学系と、を備える露光装置が提供される。各個別制御可能素子はパターニング面を含み、パターニング面は各個別制御可能素子に対応する放射ビームの各部分にパターンを付与する。
本発明の更なる実施形態によれば、放射ビームを変調する個別制御可能素子アレイが提供される。各個別制御可能素子はパターニング面を含み、パターニング面は各個別制御可能素子に対応する放射ビームの各部分にパターンを付与する。
本発明の更なる実施形態によれば、次のステップを備えるデバイス製造方法が提供される。個別制御可能素子アレイを用いて放射ビームを変調し、変調された放射ビームを基板に投影すること。ここで各個別制御可能素子はパターニング面を含み、パターニング面は各個別制御可能素子に対応する放射ビームの各部分にパターンを付与する。
本発明の更なる実施形態や特徴、効果は、本発明のさまざまな実施形態の構成及び作用とともに添付図面を参照して以下に詳細に説明される。
以下では特定の構成について説明されるが、これは単に本発明の実施例をわかりやすく説明するためのものにすぎないと理解すべきである。当業者であれば本発明の趣旨を逸脱することなく他の構成を用いることが可能であると理解できよう。当業者であれば本発明を他の多数の分野にも適用可能であることも明らかであろう。
図1は本発明の一実施形態に係る露光装置を模式的に示す図である。この装置は、照明光学系IL、パターニング用デバイスPD、基板テーブルWT、及び投影光学系PSを備える。照明光学系(照明器)ILは放射ビームB(例えばUV放射)を調整するよう構成されている。
パターニング用デバイスPD(例えばレチクル、マスク、または個別制御可能素子アレイ)はビームを変調する。普通は個別制御可能素子アレイは投影光学系PSに対して位置が固定されるが、あるパラメタに従って正確に位置決めする位置決め装置に接続されていてもよい。
基板テーブルWTは、基板(例えばレジストが塗布された基板)Wを支持するよう構成されており、あるパラメタに従って基板を正確に位置決めする位置決め装置PWに接続されている。
投影光学系(例えば屈折投影レンズ光学系)PSは、個別制御可能素子アレイにより変調された放射ビームを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイからなる)に投影するよう構成されている。
照明光学系は、屈折光学素子、反射光学素子、磁気的光学素子、電磁気的光学素子、静電的光学素子、あるいは他の種類の光学素子などの各種の光学素子、またはこれらの組合せを含み、放射ビームの向きや形状、あるいは他の特性を制御するためのものである。
本明細書において「パターニング用デバイス」または「コントラストデバイス」なる用語は、例えば基板のターゲット部分にパターンを生成する等、放射ビーム断面を変調するのに用い得るいかなるデバイスをも示すよう広く解釈されるべきである。これらのデバイスは静的なパターニング用デバイス(例えばマスクやレチクル)であってもよいし、動的なパターニング用デバイス(例えばプログラム可能な素子の配列)であってもよい。簡単のために本説明のほとんどは動的パターニング用デバイスの観点でなされているが、本発明の範囲を逸脱することなく静的パターニング用デバイスを用いることも可能であるものと理解されたい。
放射ビームに付与されるパターンは、仮に放射ビームのパターンが位相シフトフィーチャあるいはいわゆるアシストフィーチャを例えば含む場合には、基板のターゲット部分に所望されるパターンと厳密に対応していなくてもよい。また、基板に最終的に形成されるパターンは、個別制御可能素子アレイ上に形成されるパターンにどの時点においても対応しないようになっていてもよい。このような事態は、基板の各部に形成される最終的なパターンが所定時間または所定回数の露光の重ね合わせにより形成され、かつこの所定の露光中に個別制御可能素子アレイ上のパターン及び/またはアレイと基板との相対位置が変化する場合に起こりうる。
通常、基板のターゲット部分に生成されるパターンは、そのターゲット部分に生成されるデバイス例えば集積回路やフラットパネルディスプレイの特定の機能層に対応する(例えばフラットパネルディスプレイのカラーフィルタ層や薄膜トランジスタ層)。パターニング用デバイスの例としては、レチクル、プログラマブルミラーアレイ、レーザダイオードアレイ、LEDアレイ、グレーティングライトバルブ、及びLCDアレイなどがある。
電子的手段(例えばコンピュータ)によりパターンをプログラム可能であるパターニング用デバイスは、例えば複数のプログラム可能な素子を含むパターニング用デバイス(例えば1つ前の文章に挙げたものではレチクルを除くすべてのものが該当する)であり、本明細書では総称して「コントラストデバイス」と呼ぶこととする。一実施例ではパターニング用デバイスは少なくとも10個のプログラム可能な素子を備え、または例えば少なくとも100個、少なくとも1000個、少なくとも10000個、少なくとも100,000個、少なくとも1,000,000個、または少なくとも10,000,000個のプログラム可能な素子を備えてもよい。
プログラマブルミラーアレイは、粘弾性制御層と反射表面とを有するマトリックス状にアドレス指定可能な表面を備えてもよい。この装置の基本的な原理は例えば、反射表面のうちアドレス指定されている区域が入射光を回折光として反射する一方、アドレス指定されていない区域が入射光を非回折光として反射するというものである。適当な空間フィルタを用いることにより、反射光ビームから非回折光を取り除いて回折光だけを基板に到達させるようにすることができる。このようにして、マトリックス状のアドレス指定可能表面にアドレス指定により形成されるパターンに従ってビームにパターンが付与される。
なお代替例として、フィルタにより回折光を取り除いて基板に非回折光を到達させるようにしてもよい。
同様にして回折光学MEMS(微小電気機械システム)デバイスを用いることもできる。一例としては、回折光学MEMSデバイスは、入射光を回折光として反射する回折格子を形成するよう変形される複数の反射性のリボン状部位を備える。
プログラマブルミラーアレイの他の例においては、マトリックス状の微小ミラーの配列が用いられ、各微小ミラーは局所的に電界を適宜付与されることによりまたは圧電駆動手段を使用することにより各々が独立に軸周りに傾斜しうる。繰り返しになるが、ミラーはマトリックス状にアドレス指定可能に構成されており、アドレス指定されたミラーは入射する放射ビームをアドレス指定されていないミラーとは異なる方向に反射する。このようにしてマトリックス状のアドレス指定可能なミラーにより形成されるパターンに従って反射ビームにパターンが付与されうる。必要とされるマトリックス状アドレス指定は、適宜の電子的手段を使用して実行することができる。
パターニング用デバイスPDの他の例はプログラム可能なLCDアレイである。
露光装置は1つ以上のコントラストデバイスを備えてもよい。例えば、露光装置は、複数の個別制御可能素子アレイを有し、それぞれの素子が互いに独立に制御されるものであってもよい。この構成においては、個別制御可能素子アレイのうちのいくつかのアレイまたはすべてのアレイが少なくとも1つの照明光学系(または照明光学系の一部)を共有していてもよい。斯かるアレイは当該アレイ用の支持構造及び/または投影光学系(または投影光学系の一部)を共有していてもよい。
一実施例としては、図1に示される実施形態のように、基板Wは実質的に円形状である。基板Wは周縁部にノッチ及び/または平坦部を有していてもよい。一実施例としては、基板は例えば長方形などの多角形形状でもよい。
基板の形状が実質的に円形の場合、基板の直径は少なくとも25mmであってもよく、または例えば少なくとも50mm、少なくとも75mm、少なくとも100mm、少なくとも125mm、少なくとも150mm、少なくとも175mm、少なくとも200mm、少なくとも250mm、または少なくとも300mmであってもよい。一実施例では、基板の直径は長くても500mm、長くても400mm、長くても350mm、長くても300mm、長くても250mm、長くても200mm、長くても150mm、長くても100mm、または長くても75mmである。
基板が例えば長方形などの多角形の場合、基板の少なくとも1辺の長さ、または例えば少なくとも2辺または少なくとも3辺の長さが、少なくとも5cmであってもよく、または例えば少なくとも25cm、少なくとも50cm、少なくとも100cm、少なくとも150cm、少なくとも200cm、または少なくとも250cmであってもよい。
一実施例では、基板の少なくとも1辺の長さが、長くても1000cm、または例えば長くても750cm、長くても500cm、長くても350cm、長くても250cm、長くても150cm、または長くても75cmである。
一実施例においては、基板Wはウエハであり、例えば半導体ウエハである。一実施例ではウエハの材料は、Si(ケイ素)、SiGe(シリコンゲルマニウム)、SiGeC(シリコンゲルマニウムカーボン)、SiC(炭化ケイ素)、Ge(ゲルマニウム)、GaAs(ガリウムヒ素)、InP(インジウムリン)、InAs(インジウムヒ素)から成るグループから選択される。一実施例ではウエハはIII−V族化合物半導体ウエハである。一実施例ではウエハはシリコンウエハである。一実施例では基板はセラミック基板である。一実施例では基板はガラス基板である。一実施例では基板はプラスチック基板である。一実施例では基板は(ヒトの裸眼で)透明である。一実施例では基板は有色である。一実施例では基板は無色である。
この基板の厚さは例えば基板材料及び/または基板寸法に応じてある程度変更される。一実施例では、基板の厚さは、少なくとも50μmであり、または例えば少なくとも100μm、少なくとも200μm、少なくとも300μm、少なくとも400μm、少なくとも500μm、または少なくとも600μmである。一実施例では、基板の厚さは、厚くても5000μm、例えば厚くても3500μm、厚くても2500μm、厚くても1750μm、厚くても1250μm、厚くても1000μm、厚くても800μm、厚くても600μm、厚くても500μm、厚くても400μm、または厚くても300μmである。
基板は露光前または露光後において例えばトラック(典型的にはレジスト層を基板に塗布し、露光後のレジストを現像する装置)、計測装置、及び/または検査装置により処理されてもよい。一実施例ではレジスト層が基板に設けられる。
本明細書では投影光学系または投影系という用語は、使用される露光光、あるいは液浸露光用液体や真空の利用などの他の要因に関して適切とされるいかなる投影光学系をも包含するよう広く解釈されるべきである。投影光学系には例えば屈折光学系、反射光学系、反射屈折光学系、磁気的光学系、電磁気的光学系、静電的光学系、またはこれらの任意の組み合わせなどが含まれる。以下では「投影レンズ」という用語は、より一般的な用語である投影光学系または投影系という用語と同義に用いられ得る。
投影系は、個別制御可能素子アレイにおけるパターンが基板上にコヒーレントに形成されるように当該パターンの像を形成する。これに代えて投影系は二次光源の像を形成してもよく、この場合個別制御可能素子アレイの各素子はシャッタとして動作してもよい。この場合には投影系は、例えば二次光源を形成し基板上にスポット状に像形成するために、例えばマイクロレンズアレイ(micro lens array、MLAとして知られている)やフレネルレンズアレイなどの合焦用素子のアレイを含んでもよい。一実施例では合焦用素子のアレイ(例えばMLA)は少なくとも10個の合焦用素子を備え、または例えば少なくとも100個、少なくとも1000個、少なくとも10000個、少なくとも100,000個、または少なくとも1,000,000個の合焦用素子を備えてもよい。一実施例においては、パターニング用デバイスにおける個別制御可能素子の数と合焦用素子のアレイにおける合焦用素子の数とは等しいか、あるいは、パターニング用デバイスにおける個別制御可能素子の数が合焦用素子のアレイにおける合焦用素子の数よりも多い。一実施例では、合焦用素子のアレイにおける1つ以上(例えばたいていは各アレイにつき1000以上)の合焦用素子は、個別制御可能素子アレイにおける1つ以上(例えば2つ以上、または3つ以上、5つ以上、10以上、20以上、25以上、35以上、または50以上)の個別制御可能素子に光学的に連関していてもよい。一実施例では、MLAは、少なくとも基板に近づく方向及び遠ざかる方向に例えば1以上のアクチュエータを用いて移動可能である。基板に近づく方向及び遠ざかる方向にMLAを移動させることができる場合には、基板を動かすことなく例えば焦点合わせをすることが可能となる。
図1及び図2に示されるように本装置は反射型(例えば反射型の個別制御可能素子アレイを用いる)である。透過型(例えば透過型の個別制御可能素子アレイを用いる)の装置を代替的に用いてもよい。
露光装置は2つ以上(2つの場合にはデュアルステージと呼ばれる)の基板テーブルを備えてもよい。このような多重ステージ型の装置においては、追加されたテーブルは並行して使用されるか、あるいは1以上のテーブルで露光が行われている間に1以上の他のテーブルで準備工程が実行されるようにしてもよい。
露光装置は、基板の少なくとも一部が「液浸露光用の液体」で覆われるものであってもよい。この液体は比較的高い屈折率を有する例えば水などの液体であり、投影系と基板との間の空隙を満たす。液浸露光用の液体は、例えばパターニング用デバイスと投影系との間などの露光装置の他の空間に適用されるものであってもよい。液浸技術は投影系の開口数を増大させる技術として周知である。本明細書では「液浸」という用語は、基板等の構造体が液体に完全に浸されているということを意味するのではなく、露光の際に投影系と基板との間に液体が存在するということを意味するに過ぎない。
図1に示されるように照明器ILは放射源SOから放射ビームを受け取る。一実施例では、少なくとも5nm、または例えば少なくとも10nm、少なくとも50nm、少なくとも100nm、少なくとも150nm、少なくとも175nm、少なくとも200nm、少なくとも250nm、少なくとも275nm、少なくとも300nm、少なくとも325nm、少なくとも350nm、または少なくとも360nmの波長を有する放射が供される。一実施例では、放射源SOにより生成される放射は、長くても450nm、または例えば長くても425nm、長くても375nm、長くても360nm、長くても325nm、長くても275nm、長くても250nm、長くても225nm、長くても200nm、または長くても175nmの波長を有する。一実施例では、この放射は、436nm、405nm、365nm、355nm、248nm、193nm、157nm、及び/または126nmの波長を含む。一実施例では、この放射は365nm程度、または355nm程度の波長を含む。一実施例では、この放射は例えば365nm、405nm、及び436nmの波長を含む広帯域の波長を含む。355nmの波長のレーザ光源を使用し得る。例えば光源がエキシマレーザである場合には、光源と露光装置とは別体であってもよい。この場合、光源は露光装置の一部を構成しているとはみなされなく、放射ビームは光源SOから照明器ILへとビーム搬送系BDを介して受け渡される。ビーム搬送系BDは例えば適当な方向変更用ミラー及び/またはビームエキスパンダを含んで構成される。あるいは光源が水銀ランプである場合には、光源は露光装置に一体に構成されていてもよい。光源SOと照明器ILとは、またビーム搬送系BDが必要とされる場合にはこれも合わせて、放射系と総称される。
照明器ILは放射ビームの角強度分布を調整するためのアジャスタADを備えてもよい。一般にはアジャスタADにより、照明器の瞳面における強度分布の少なくとも半径方向外周部及び/または内周部での量(通常それぞれ「シグマ−アウタ(σ−outer)」、「シグマ−インナ(σ−inner)」と呼ばれる)が調整される。加えて照明器ILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の要素を備えてもよい。照明器はビーム断面における所望の均一性及び強度分布を得るべく放射ビームを調整するために用いられる。照明器IL及び追加の関連構成要素は放射ビームを複数の分割ビームに分割するように構成されていてもよい。例えば各分割ビームが個別制御可能素子アレイの1つまたは複数の個別制御可能素子に対応するように構成してもよい。放射ビームを分割ビームに分割するのに例えば二次元の回折格子を用いてもよい。本明細書においては「放射ビーム」という用語は、放射ビームがこれらの複数の分割ビームを含むという状況も包含されるが、これに限定されないものとする。
放射ビームBは、パターニング用デバイスPD(例えば、個別制御可能素子アレイ)に入射して、当該パターニング用デバイスにより変調される。放射ビームはパターニング用デバイスPDにより反射され、投影系PSを通過する。投影系PSはビームを基板Wのターゲット部分Cに合焦させる。位置決め装置PWと位置センサIF2(例えば、干渉計、リニアエンコーダ、静電容量センサなど)により基板テーブルWTを正確に移動させることができる。基板テーブルWTは例えば放射ビームBの経路に異なる複数のターゲット部分Cをそれぞれ位置決めするように移動される。個別制御可能素子アレイ用の位置決め手段が設けられ、例えば走査中にビームBの経路に対してパターニング用デバイスPDの位置を正確に補正するために用いられてもよい。
一実施例においては、ロングストロークモジュール(粗い位置決め用)及びショートストロークモジュール(精細な位置決め用)により基板テーブルWTの移動を実現する。ロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールは図1には明示されていない。一実施例では基板テーブルWTを移動させるためのショートストロークモジュールを省略してもよい。個別制御可能素子アレイを位置決めするためにも同様のシステムを用いることができる。必要な相対運動を実現するために、対象物テーブル及び/または個別制御可能素子アレイの位置を固定する一方、放射ビームBを代替的にまたは追加的に移動可能としてもよいということも理解されよう。この構成は装置の大きさを小さくするのに役立ち得る。例えばフラットパネルディスプレイの製造に適用可能な更なる代替例として、基板テーブルWT及び投影系PSを固定し、基板Wを基板テーブルWTに対して移動させるように構成してもよい。例えば基板テーブルWTは、実質的に一定の速度で基板Wを走査させるための機構を備えてもよい。
図1に示されるように放射ビームBはビームスプリッタBSによりパターニング用デバイスPDに向けられるようにしてもよい。このビームスプリッタBSは、放射ビームがまずビームスプリッタBSにより反射されてパターニング用デバイスPDに入射するように構成される。ビームスプリッタを使わずに放射ビームをパターニング用デバイスに入射させるようにすることもできる。一実施例では放射ビームは0度から90度の間の角度でパターニング用デバイスに入射する。または例えば5度から85度の間、15度から75度の間、25度から65度の間、または35度から55度の間の角度であってもよい(図1には90度の例が示されている)。パターニング用デバイスPDは放射ビームBを変調し、再度ビームスプリッタBSに向かって戻るように放射ビームBを反射する。ビームスプリッタBSは変調されたビームを投影系PSへと伝達する。しかしながら放射ビームBをパターニング用デバイスPDに入射させ、そのまま更に投影系PSに入射させるという代替的な構成も可能であることも理解されよう。特に透過型のパターニング用デバイスが用いられる場合には図1に示される構成は必要とはされない。
図示の装置はいくつかのモードで使用することができる。
1.ステップモードにおいては、放射ビームに付与されたパターンの全体が1回の照射でターゲット部分Cに投影される間、個別制御可能素子アレイ及び基板は実質的に静止状態とされる(すなわち1回の静的な露光)。そして基板テーブルWTがX方向及び/またはY方向に移動されて、異なるターゲット部分Cが露光される。ステップモードでは露光フィールドの最大サイズによって、1回の静的露光で結像されるターゲット部分Cの寸法が制限されることになる。
2.スキャンモードにおいては、放射ビームに付与されたパターンがターゲット部分Cに投影される間、個別制御可能素子アレイ及び基板は同期して走査される(すなわち1回の動的な露光)。個別制御可能素子アレイに対する基板の速度及び方向は、投影系PSの拡大(縮小)特性及び像反転特性により定められる。スキャンモードでは露光フィールドの最大サイズが1回の動的露光でのターゲット部分Cの(非走査方向の)幅を制限し、走査移動距離がターゲット部分の(走査方向の)長さを決定する。
3.パルスモードにおいては、個別制御可能素子アレイは実質的に静止状態とされ、パルス放射源により基板Wのターゲット部分Cにパターンの全体が投影される。基板テーブルWTが実質的に一定の速度で移動して、ビームBは基板上を線状に走査させられる。個別制御可能素子アレイ上のパターンは放射系からのパルス間に必要に応じて更新される。パルス照射のタイミングは、基板上の複数のターゲット部分Cが連続して露光されるように調整される。その結果、基板上の1つの短冊状領域にパターンが完全に露光されるようビームBにより基板Wが走査されることになる。この短冊状領域の露光を順次繰り返すことにより基板Wは完全に露光される。
4.連続スキャンモードにおいては、変調された放射ビームBに対して基板Wが実質的に等速で走査され、ビームBが基板W上を走査して露光するとともに個別制御可能素子アレイ上のパターンが更新されることを除いては基本的にパルスモードと同様である。個別制御可能素子アレイのパターンの更新に同期させるようにした、実質的に一定の放射源またはパルス放射源を用いることができる。
5.ピクセルグリッド結像モードでは、基板Wに形成されるパターンはスポット状の露光を連続的に行うことにより実現される。このモードは図2の露光装置を使用して実現することができる。このスポット状の露光はスポット発生器により形成され、スポット発生器はパターニング用デバイスPDに適切に方向付けられて配置されている。スポット状の露光はそれぞれ実質的に同形状である。基板W上には露光スポットにより最終的に実質的に格子が描かれる。一実施例では、このスポットの寸法は最終的に基板上に描かれる格子のピッチよりも大きいが、毎回の露光時に露光スポットが形成する格子の大きさよりもかなり小さい。転写されるスポットの強度を変化させることによりパターンが形成される。露光照射の合間の露光がなされていないときに各スポットの強度分布が変更される。
上記で記載したモードを組み合わせて動作させてもよいし、モードに変更を加えて動作させてもよく、さらに全く別のモードで使用してもよい。
リソグラフィでは基板上のレジスト層にパターンが露光される。そしてレジストが現像される。続いて追加の処理工程が基板に施される。基板の各部分へのこれらの追加の処理工程の作用は、レジストへの露光の程度によって異なる。特にこの処理は、所与の線量閾値を超える照射量を受けた基板の部位が示す反応と、その閾値以下の照射量を受けた部位が示す反応とが異なるように調整されている。例えば、エッチング工程においては上記の閾値を超える照射量を受けた基板上の区域は、レジスト層が現像されることによりエッチングから保護される。一方、この閾値以下の照射量を受けたレジストは露光後の現像工程で除去され、基板のその区域はエッチングから保護されない。このため、所望のパターンにエッチングがなされる。特に、パターニング用デバイス内の個別制御可能素子は、パターンに含まれる図形内部となる基板上の区域での露光中の照射量が線量閾値を超えるように実質的に高強度であるように設定される。基板の他の領域は、ゼロまたはかなり低い放射強度を受けるように対応の個別制御可能素子が設定されることにより、線量閾値以下の放射を受ける。
実際には、パターン図形端部での照射量は所与の最大線量からゼロへと急激に変化するわけではない。この照射量は、たとえ図形の境界部分の一方の側への放射強度が最大となり、かつその図形境界部分の他方の側への放射強度が最小となるように個別制御可能素子が設定されていたとしても急激には変化しない。回折の影響により、照射量の大きさは移行領域を介して低下するからである。パターン図形の境界位置は最終的にレジストの現像により形成される。その境界位置は、照射された線量が閾値を下回る位置によって定められる。この移行領域での線量低下のプロファイル、ひいてはパターン図形の境界の正確な位置は、当該図形境界上または近傍に位置する基板上の各点に放射を与える個別制御可能素子の設定により、より正確に制御できるであろう。これは、強度レベルの最大値または最小値を制御するだけではなく、当該最大値及び最小値の間の強度レベルにも制御することによっても可能となるであろう。これは通常「グレイスケーリング」と呼ばれる。
グレイスケーリングによれば、個別制御可能素子により基板に2値の放射強度(つまり最大値と最小値)だけが与えられるリソグラフィーシステムよりも、パターン図形の境界位置の制御性を向上させることができる。一実施例では、少なくとも3種類の放射強度が基板に投影されてもよく、または例えば少なくとも4種類の放射強度でも、少なくとも8種類の放射強度でも、少なくとも16種類の放射強度でも、少なくとも32種類の放射強度でも、少なくとも64種類の放射強度でも、少なくとも128種類の放射強度でも、または少なくとも256種類の放射強度でもよい。
グレイスケーリングは上述の目的に加えてまたは上述の目的に代えて使用されてもよい。例えば、照射された線量レベルに応じて基板の各領域が2種以上の反応を可能とするように、露光後の基板への処理が調整されていてもよい。例えば、第1の線量閾値以下の放射を受けた基板の部位では第1の種類の反応が生じ、第1の線量閾値以上で第2の線量閾値以下の放射を受けた基板の部位では第2の種類の反応が生じ、第2の線量閾値以上の放射を受けた基板の部位では第3の種類の反応が生じるようにしてもよい。したがって、グレイスケーリングは、基板上での線量のプロファイルが2以上の望ましい線量レベルを有するようにするのに用いることができる。一実施例では、線量のプロファイルは少なくとも2つの所望の線量レベルを有し、または例えば少なくとも3つの所望の線量レベル、少なくとも4つの所望の線量レベル、少なくとも6つの所望の線量レベル、または少なくとも8つの所望の線量レベルを有してもよい。
線量プロファイルの制御は、上述のように基板上の各点が受ける放射強度を単に制御するという方法以外の方法によっても可能である。例えば、基板上の各点が受ける照射量は、各点への露光時間を代替的にまたは追加的に制御することによっても制御することができる。他の例として、基板上の各点は、連続的な複数の露光により放射を受けてもよい。このような連続的複数露光から一部の露光を選択して用いることにより代替的にまたは追加的に各点が受ける照射量を制御することが可能となる。
基板上に要求されるパターンを形成するために、露光処理中の各段階でパターニング用デバイスの各個別制御可能素子を必要な状態に設定する必要がある。よって、この必要状態を表す制御信号が各個別制御可能素子に伝達されなければならない。一実施例では、露光装置はこの制御信号を生成する制御部を含む。基板に形成されるべきパターンは、例えばGDSIIなどのベクトルで規定されるフォーマットで露光装置に供給されうる。デザイン情報を各個別制御可能素子用の制御信号に変換するために、制御部は、1つ以上のデータ処理装置を含む。各データ処理装置は、パターンを表すデータストリームに処理を施すように構成されている。データ処理装置は「データパス」とも総称される。
このデータパス及びデータ処理装置は、次に示す機能の1つ以上を実行するように構成されていてもよい。その機能とは、ベクトルベースのデザイン情報をビットマップのパターンデータに変換すること、ビットマップのパターンデータを必要とされる線量マップ(つまり基板上で必要とされる線量のプロファイル)に変換すること、必要とされる線量マップを各個別制御可能素子用の必要放射強度値に変換すること、及び、各個別制御可能素子用の必要放射強度値を対応する制御信号に変換することである。
図2は、本発明に係る露光装置の一例を示す図である。この実施例は例えばフラットパネルディスプレイの製造に用いることができる。図1に示される構成要素に対応するものには図2においても同じ参照符号を付している。また、基板やコントラストデバイス、MLA、放射ビームなどについてののさまざまな構成例などを含む上述のさまざまな変形例は同様に適用可能である。
図2は、本発明に係る露光装置の一例を示す図である。この実施例は例えばフラットパネルディスプレイの製造に用いることができる。図1に示される構成要素に対応するものには図2においても同じ参照符号を付している。また、基板やコントラストデバイス、MLA、放射ビームなどについてののさまざまな構成例などを含む上述のさまざまな変形例は同様に適用可能である。
図2に示されるように、投影系PSは、2つのレンズL1、L2を備えるビームエキスパンダを含む。第1のレンズL1は、変調された放射ビームBを受け、開口絞りASの開口部で合焦させる。開口部には他のレンズALを設けてもよい。そして放射ビームBは発散し、第2のレンズL2(例えばフィールドレンズ)により合焦させられる。
投影系PSは、拡大された変調放射ビームBを受けるように構成されているレンズアレイMLAをさらに備える。変調放射ビームBの異なる部分はそれぞれレンズアレイMLAの異なる部分を通過する。この変調放射ビームBの異なる部分は、パターニング用デバイスPDの異なる個別制御可能素子に対応している。各レンズは変調放射ビームBの各部分を基板W上の点に合焦させる。このようにして基板W上に照射スポットSの配列が露光される。図示されているレンズアレイには8つのレンズ14が示されているだけであるが、レンズアレイは数千のレンズを含んでもよい(パターニング用デバイスPDとして用いられる個別制御可能素子アレイについても同様である)。
図3は、本発明の一実施形態に係り、図2のシステムを用いて基板W上にどのようにパターンが生成されるのかを模式的に示す図である。図中の黒丸は、投影系PSのレンズアレイMLAによって基板に投影されるスポットSの配列を示す。基板は、基板上での露光が進むにつれて投影系に対してY方向に移動する。図中の白丸は、基板上で既に露光されている露光スポットSEを示す。図示されるように投影系PSのレンズアレイMLAによって基板に投影された各スポットは基板上に露光スポット列Rを形成する。各スポットSEの露光により形成される露光スポット列Rがすべて合わさって、基板にパターンが完全に形成される。上述のようにこのような方式はよく「ピクセルグリッド結像」と称される。
照射スポットSの配列が基板Wに対して角度θをなして配置されている様子が示されている(基板Wの端部はそれぞれX方向及びY方向に平行である)。これは、基板が走査方向(Y方向)に移動するときに、各照射スポットが基板の異なる領域を通過するようにするためである。これにより、照射スポット15の配列により基板の全領域がカバーされることになる。一実施例では、角度θは大きくても20°または10°であり、または例えば大きくても5°、大きくても3°、大きくても1°、大きくても0.5°、大きくても0.25°、大きくても0.10°、大きくても0.05°、または大きくても0.01°である。一実施例では、角度θは小さくても0.001°である。
図4は、本発明の一実施形態において、どのようにしてフラットパネルディスプレイの基板W全体が複数の光学エンジンを用いて1回の走査で露光されるのかを模式的に示す図である。この例では照射スポットSの配列SAが8つの光学エンジン(図示せず)により形成される。光学エンジンはチェス盤のように2つの列R1、R2に配置されている。照射スポットの配列の端部が隣接の照射スポット配列の端部に(走査方向であるY方向において)少し重なるように形成される。一実施例では光学エンジンは少なくとも3列、例えば4列または5列に配列される。このようにして、照射の帯が基板Wの幅を横切って延び、1回の走査で基板全体の露光が実現されることとなる。光学エンジンの数は適宜変更してもよい。一実施例では、光学エンジンの数は少なくとも1個であり、または例えば少なくとも2個、少なくとも4個、少なくとも8個、少なくとも10個、少なくとも12個、少なくとも14個、または少なくとも17個である。一実施例では、光学エンジンの数は40個未満であり、または例えば30個未満または20個未満である。
各光学エンジンは、上述の照明系IL、パターニング用デバイスPD、及び投影系PSを別個に備えてもよい。あるいは2個以上の光学エンジンが1以上の照明系、パターニング用デバイス、及び投影系の少なくとも一部を共有してもよい。
[本発明の第1の態様]
本発明の第1の実施形態によれば、1回または複数回の第1の露光と1回または複数回の第2の露光とを組み合わせて基板にパターンを露光する少なくとも1つの個別制御可能素子アレイを有する露光装置が提供される。第1の露光においては、露光装置の個別制御可能素子アレイにより放射ビームが変調されて基板に投影され、繰り返しパターンが形成される。第2の露光においても露光装置の個別制御可能素子アレイにより放射ビームが変調されて基板に投影される。ところが1つの個別制御可能素子に対応する基板上の露光区域の大きさは、第2の露光のほうが第1の露光よりも大きい。
本発明の第1の実施形態によれば、1回または複数回の第1の露光と1回または複数回の第2の露光とを組み合わせて基板にパターンを露光する少なくとも1つの個別制御可能素子アレイを有する露光装置が提供される。第1の露光においては、露光装置の個別制御可能素子アレイにより放射ビームが変調されて基板に投影され、繰り返しパターンが形成される。第2の露光においても露光装置の個別制御可能素子アレイにより放射ビームが変調されて基板に投影される。ところが1つの個別制御可能素子に対応する基板上の露光区域の大きさは、第2の露光のほうが第1の露光よりも大きい。
したがって、第1の露光により基板に投影されるパターンは、繰り返しパターンに限らず比較的高い解像度を有する。これに対して第2の露光は比較的低解像度であるが、より柔軟性を高めることができる。第1の露光に第2の露光を組み合わせることにより、パターンの形成に簡便に柔軟性を与えることができる。第2の露光の解像度はさほど高くないから、個別制御可能素子の設定に必要なデータ量は比較的小さくて済む。一方、形成されるパターン全体のクリティカルディメンジョンは第1の露光の解像度によって定まる。第1の露光の解像度は比較的高いから、比較的小さいクリティカルディメンジョン(CD)のパターンを得ることができる。第1の露光が繰り返しパターンを単に露光するのであれば、個別制御可能素子の設定に必要なデータ量は少なくて済む。ここで用いられる繰り返しパターンは、露光装置により製造されるあらゆるデバイスに共通である場合もあるし、複数枚の基板にわたってすべてのデバイスに共通である場合もあるし、1枚の基板から形成されるすべてのデバイスに共通である場合もある。あるいは1枚の基板上に形成される1つのデバイスの全体または一部を形成するための露光に繰り返しパターンが用いられる場合もある。
したがって、本発明の第1の実施形態に係る露光装置によれば、装置内の1つまたは複数の個別制御可能素子アレイの設定に必要なデータ量を抑えつつ柔軟なパターン形成を実現するとともに、パターンのクリティカルディメンジョンの値を小さくすることができる。データ速度を低減できれば、個別制御可能素子への制御信号を生成する演算処理ユニットのコスト及び複雑さを低減することができる。更に、データ速度を低減できれば個別制御可能要素アレイを高頻度に更新することができるので、露光装置の基板処理のスループットが向上されコスト効率も改善される。
図9a、図9b、図9cは、本発明の一実施形態において第1の露光と第2の露光とを組み合わせてどのように所望のパターンが形成されるかを説明するための図である。図9aは、第1の露光により基板に投影される繰り返しパターンを示す。図示されるように繰り返しパターンは、相対的に高露光量の複数のライン60と相対的に低露光量のライン61とが交互に配置されて形成されている。
図9bは、第2の露光により基板に投影されるパターンを示す。図示されるように、対応する放射ビームの各部分が相対的に基板に高露光量で投影されるように複数の個別制御素子が設定されている。残りの個別制御可能素子は、対応する放射ビームの各部分が相対的に基板に低露光量で投影されるように設定されている。図9aと図9bとを比較するのに便利なように、第2の露光で各個別制御可能素子に対応する放射ビームの各部分62、63の配置を図9a(第1の露光を示す図)では破線で示している。図示されるように、第2の露光で各個別制御可能素子に対応する放射ビームの各部分62、63の幅D1は、第1の露光で基板に投影されるパターン図形の幅D2よりも大きい。すなわち、第1の露光により基板に投影されるパターンのほうが第2の露光により基板に投影されるパターンよりも高解像度である。
図9cは、図9aの第1の露光と図9bの第2の露光を組み合わせた結果得られる露光状態を示す図である。図示されるパターン図形64、65、66は、第1の露光で基板に投影される高解像度のパターンを第2の露光で基板に投影される相対的に低解像度のパターンでトリミングすることにより得られたパターンである。このように、パターンは相対的に低解像度の第2の露光により規定されているが、パターンのクリティカルディメンジョンは相対的に高解像度の第1の露光により規定されている。
図9aに示される第1の露光の繰り返しパターンは所定方向に平行に伸びるラインパターンであるが、より複雑なパターン図形を形成することが好ましい場合もある。
更に複雑なパターン図形を形成することも可能である。まず第1のパターン図形を例えば図9cに示されるように形成する。この第1のパターン図形は、図9aの第1の露光と、第1の露光による繰り返しパターンをトリミングにより整える図9bの第2の露光とを行うことにより形成される。これに続いて、第1のパターン図形とは異なる方向に伸びる第2のパターン図形を形成する。第2のパターン図形は、異なる繰り返しパターンを高解像度に生成するための2回目の第1の露光と、この第2の繰り返しパターンをトリミングにより整える2回目の第2の露光とを行うことにより形成される。2回目の第1の露光により形成されるパターンは、1回目の第1の露光のラインとは異なる方向例えば第1のパターンに垂直な方向に平行であることを除いては、図9aに示されるパターンと同様なラインパターンである。したがって、1回目の第1及び第2の露光の組合せは第1の方向に伸びるパターンの形成に用いられ、2回目の第1及び第2の露光の組合せは第1の方向に垂直な第2の方向に伸びるパターンの形成に用いられる。これにより、2つの互いに直交する方向に伸びる図形が混合されたパターンを生成することができる。
ここで2回目の第1の露光のラインパターンは1回目の第1の露光のラインパターンに垂直でなくてもよく、斜めの角度に交わっていてもよい。そうすれば、最終的に形成されるパターンを一層多様なものとすることができる。また、第1及び第2の露光の組合せを更に実行することにより、一層複雑なパターンを形成することもできる。
また、第1の露光による繰り返しパターンは、図9aに示されるパターン以外のパターンであってもよい。
図10a、図10b、図10cは、本発明の実施形態に係り、他の繰り返しパターンの例を示す図である。図10aに示されるようにチェッカーボード状の繰り返しパターンを用いてもよい。また、図10b及び図10cに示されるように複数の円からなる繰り返しパターンであってもよい。また、繰り返しパターンは、基板に形成されるべきデバイスの周期構造に対応していてもよい。例えばDRAMの集積回路ではユニットセル(メモリ部)のパターンが多数繰り返される。よって、第1の露光による繰り返しパターンがこのユニットセルの一部または全部に対応していてもよい。
[第1の実施例]
図5は、本発明の第1の態様に係る第1の実施例を示す図である。図示されるように、露光装置10は、第1の放射ビーム12を変調して第1の変調放射ビーム13を生成する第1の個別制御可能素子アレイ11を備える。第1の投影光学系14は第1の変調放射ビーム13を基板Wに投影するのに用いられる。第1の個別制御可能素子アレイ11及び第1の投影光学系14は、第1の露光に用いられる。
図5は、本発明の第1の態様に係る第1の実施例を示す図である。図示されるように、露光装置10は、第1の放射ビーム12を変調して第1の変調放射ビーム13を生成する第1の個別制御可能素子アレイ11を備える。第1の投影光学系14は第1の変調放射ビーム13を基板Wに投影するのに用いられる。第1の個別制御可能素子アレイ11及び第1の投影光学系14は、第1の露光に用いられる。
露光装置10は、第2の放射ビーム22を変調して第2の変調放射ビーム23を生成する第2の個別制御可能素子アレイ21をさらに備える。第2の投影光学系24により第2の変調放射ビーム23が基板Wに投影される。第2の個別制御可能素子アレイ21及び第2の投影光学系24は、第2の露光に用いられる。
図5は、第1の個別制御可能素子アレイ11及び第1の投影光学系14により基板Wが露光されているところ、すなわち第1の露光が行われているところを示す。なお、露光装置10は、第1の基板に第1の露光を行っている間に第2の基板に第2の露光を行うように構成されていてもよい。また、露光装置10は、基板の第1の部分に第1の露光を行っている間にその基板の第2の部分に第2の露光を行うように構成されていてもよい。
図示されるように露光装置10は、第1の露光のために第1の位置に基板Wを支持し、第2の位置に基板を搬送し、その第2の位置で第2の露光を受けるよう基板Wを支持する基板テーブル15を備える。なお、第1の位置及び第2の位置のそれぞれで基板を支持する別々の基板テーブルを設けてもよい。この場合、露光装置10は、第1の位置と第2の位置との間で基板を搬送する基板搬送部を備えてもよい。また、基板が第1の位置または第2の位置に保持されているときに、第1の投影光学系14または第2の投影光学系24に対して基板を移動させてもよい。これにより、第1の露光または第2の露光を基板上の異なる複数箇所に行うことができる。
なお、図5では単に図示の便宜上、個別制御可能素子アレイ11、21が透過型であるものとして示されているが、個別制御可能素子アレイ11、21の一方または両方が上述の反射型であってもよい。また、第1の露光及び第2の露光の一方または両方を行うのに複数の個別制御可能素子アレイが用いられてもよい。このように第1の露光または第2の露光が複数の個別制御可能素子アレイを用いて行われる場合には、これらの複数の個別制御可能素子アレイに対して1つの投影光学系が使用されてもよい。あるいは、第1の露光及び第2の露光の一方または両方を行うのに複数の投影光学系が用いられてもよい。
第1の放射ビーム12及び第2の放射ビーム22は別々の放射源から供給されてもよい。あるいは第1の放射ビーム12及び第2の放射ビーム22は共通の放射源から供給されてもよい。この場合、露光装置10は共通の放射源からの放射ビームを第1の放射ビーム12と第2の放射ビーム22とに分割するビーム分割器を備えてもよい。また、露光装置10は、第1の個別制御可能素子アレイ11または第2の個別制御可能素子アレイ21に向けて共通の放射源からの放射ビームを切り換える放射ビーム切替器を備えてもよい。このビーム切替器は、共通の放射源からの放射ビームが第1の放射ビーム12となるよう放射ビームを第1の個別制御可能素子アレイに向け、共通の放射源からの放射ビームが第2の放射ビーム22となるよう放射ビームを第2の個別制御可能素子アレイに向ける。
上述のように、第1の個別制御可能素子アレイ11及び第1の投影光学系14により基板に投影されるパターンは、第2の個別制御可能素子アレイ21及び第2の投影光学系24により基板に投影されるパターンよりも高解像度である。すなわち、1つの個別制御可能素子に対応する基板上の露光区域の大きさは、第1の露光よりも第2の露光のほうが大きい。そのために、第1の個別制御可能素子アレイ11の個別制御可能素子のほうが、第2の個別制御可能素子アレイ21の個別制御可能素子よりも小さい。これとともにまたはこれに代えて、第1の投影光学系14のほうが第2の投影光学系24よりも縮小率が大きくてもよい。つまり、第1の投影光学系14のほうが第2の投影光学系24よりも小さな像を形成することができるようにしてもよい。
[第2の実施例]
図6は、本発明の第1の態様に係る第2の実施例を示す図である。この実施例は第1の実施例に類似している。よって同様の構成については説明を適宜省略する。また、第1の実施例で説明したさまざまな変形例も第2の実施例に同様に適用可能である。
図6は、本発明の第1の態様に係る第2の実施例を示す図である。この実施例は第1の実施例に類似している。よって同様の構成については説明を適宜省略する。また、第1の実施例で説明したさまざまな変形例も第2の実施例に同様に適用可能である。
図示されるように、第2の実施例の露光装置30は第1の個別制御可能素子アレイ31及び第2の個別制御可能素子アレイ32を備える。第1の個別制御可能素子アレイ31は第1の放射ビーム33を変調して第1の変調放射ビーム35を生成し、第2の個別制御可能素子アレイ32は第2の放射ビーム34を変調して第2の変調放射ビーム36を生成する。投影光学系37は第1の露光において第1の変調放射ビーム35を基板Wに投影するのに用いられる。第2の露光において第2の変調放射ビーム36を基板Wに投影するのにも同一の投影光学系37が用いられる。よって、第1の実施例と第2の実施例の違いは、第1及び第2の露光の両方に共通の投影光学系が使用されるか否かということである。
図6においては第1の個別制御可能素子アレイ31と第2の個別制御可能素子アレイ32とが隔てられて図示されているが、投影光学系37の光学素子の大きさをできるだけ小さくするために実際にはもっと近接していてもよい。また、第1の露光での放射ビーム33の変調に複数の第1の個別制御可能素子アレイが使用され、第2の露光での放射ビーム34の変調に複数の第2の個別制御可能素子アレイが使用される場合には、これらの複数の第1及び第2の個別制御可能素子アレイが互いに分散して配置されていてもよい。このようにすれば、基板を一定の位置に保持したまま第1及び第2の露光の両方を行うことができる。
第1の露光を第2の露光よりも高解像度とするために、第1の個別制御可能素子アレイ31の個別制御可能素子のほうが第2の個別制御可能素子アレイ32の個別制御可能素子よりも大きさが小さくてもよい。
これとともにまたはこれに代えて、第1の露光と第2の露光とで投影光学系37の縮小率を変更できるように投影光学系37が構成されていてもよい。例えば、投影光学系37は、第1の露光の間は相対的に高い縮小率に設定され、第2の露光の間は相対的に低い縮小率に設定されてもよい。これを実現するには、投影光学系37内部の2つまたはそれ以上の光学素子の相対位置を調整すればよい。そのためには、放射ビームの経路に光学素子を追加してもよいし、放射ビーム経路から光学素子を取り除いてもよい。そのために、露光装置30は、投影光学系37の縮小率を設定し、第1の露光と第2の露光とで縮小率の大きさを所望の値に切り換えるのに用いられる倍率制御部38を備えてもよい。
また、投影光学系37は、投影光学系の縮小率を計測し、正確な縮小率設定のために計測結果を倍率制御部38にフィードバックするよう構成されているシステムを備えてもよい。
また、第1の露光と第2の露光とでの露光装置の解像度の変更を開口数(NA)の変更により行ってもよい。これは例えば、上述の照明器ILにより調整される放射ビームの角強度分布を変更することにより可能である。
[第3の実施例]
図7は、本発明の第1の態様に係る第3の実施例を示す図である。この実施例は第1及び第2の実施例に類似しており、同様の構成については説明を適宜省略する。また、第1及び第2の実施例で説明したさまざまな変形例もこの実施例に同様に適用可能である。
図7は、本発明の第1の態様に係る第3の実施例を示す図である。この実施例は第1及び第2の実施例に類似しており、同様の構成については説明を適宜省略する。また、第1及び第2の実施例で説明したさまざまな変形例もこの実施例に同様に適用可能である。
図示されるように、第3の実施例の露光装置40は、第1の放射ビーム42を変調して第1の変調放射ビーム43を生成する第1の個別制御可能素子アレイ41を備える。投影光学系44により第1の変調放射ビーム43が基板Wに投影される。よって、第1の露光は、第1の個別制御可能素子アレイ41で放射ビーム42を変調し、変調放射ビーム43を投影光学系44により基板Wに投影することにより行われる。
露光装置40は、第2の個別制御可能素子アレイ45及びアレイ交換機構46を更に備える。アレイ交換機構46は、第2の露光を行うために第1の個別制御可能素子アレイ41を第2の個別制御可能素子アレイ45に交換するよう構成されている。
装置稼働中に図7に示されるように設定されている場合には露光装置40は第1の露光を行う。第2の露光を行うには、アレイ交換機構46が第1の個別制御可能素子アレイ41の位置と第2の個別制御可能素子アレイ45の位置とを切り換える。切替後の構成によって放射ビーム42が第2の個別制御素子アレイ45により変調される。放射ビーム42は第2の個別制御素子アレイ45により変調され、投影光学系44により基板Wに投影される。
露光装置40は、アレイ交換機構46により第1の個別制御可能素子アレイ41と第2の個別制御可能素子アレイ45とを交換することにより第1の露光と第2の露光とを切り換える。よって、第3の実施例の露光装置40は第2の実施例に比較して、第1及び第2の露光のそれぞれにおいて所定の大きさの露光フィールドを実現するための投影光学系44内部の光学素子の大きさを小さくすることができる。
第3の実施例においては第1の露光を第2の露光よりも高解像度とするために、第1の個別制御可能素子アレイ41のほうが第2の個別制御可能素子アレイ45よりも個別制御可能素子の大きさが小さくてもよい。また、第1の露光のほうが第2の露光よりも投影光学系44の縮小率が大きくなるように倍率制御部47により投影光学系44の縮小率を制御してもよい。また、上述のように光学系の開口数(NA)を調整することにより解像度を変化させてもよい。
本発明の第1の態様に係る第3の実施例の変形例として、アレイ交換機構46の代わりに放射ビーム制御機構を用いてもよい。放射ビーム制御機構は、第1の個別制御可能素子アレイ41及び第2の個別制御可能素子アレイ45のいずれか一方に第1の放射ビーム42を入射させるように構成される。また、放射ビーム制御機構は、第1の個別制御可能素子アレイ41及び第2の個別制御可能素子アレイ45により変調された放射ビームを投影光学系44に順次入射させてもよい。放射ビーム制御機構は、複数の方向から選択される1つの方向に放射ビームを向けるために2カ所またはそれ以上の位置間で駆動される1つまたは複数の反射光学素子または屈折光学素子を例えば備えてもよい。このようにすれば図7に示される第3の実施例のすべての利点を享受することができる。例えば、比較的大型の投影光学系を用いることなく第1及び第2の露光で異なる個別制御可能素子を使い分けることができる。また、露光装置に対して個別制御可能素子アレイを移動可能とするのではなく、個別制御可能素子アレイを固定して露光装置に搭載することができる。そうすると、例えば個別制御可能素子アレイへの制御信号の供給を簡易に行うことができる。
[第4の実施例]
図8は、本発明の第1の態様に係る第4の実施例を示す図である。この実施例は上述の各実施例に類似しており、同様の構成については説明を適宜省略する。また、上述の各実施例で説明したさまざまな変形例もこの実施例に同様に適用可能である。
図8は、本発明の第1の態様に係る第4の実施例を示す図である。この実施例は上述の各実施例に類似しており、同様の構成については説明を適宜省略する。また、上述の各実施例で説明したさまざまな変形例もこの実施例に同様に適用可能である。
図示されるように露光装置50は、放射ビーム52を変調して変調放射ビーム53を生成する個別制御可能素子アレイ51を備える。投影光学系54は、変調放射ビーム53を基板Wに投影する。第1及び第2の露光の両方が同一の個別制御可能素子アレイ51及び投影光学系54を用いて行われる。投影光学系54は、縮小率が調整可能であり、上述の実施例と同様に倍率制御部55により制御されるよう構成されている。よって、第1の露光は、個別制御可能素子アレイにより放射ビーム52を変調し、投影光学系54を用いて変調放射ビーム53を基板Wに投影することにより行われる。このとき投影光学系54は、相対的に大きい第1の縮小率に設定される。これにより相対的に高解像度のパターンが基板Wに投影される。第2の露光では放射ビーム52が個別制御可能素子アレイ51により変調される。変調放射ビーム52は投影光学系54を用いて基板Wに投影される。このとき投影光学系54は小さい縮小率に設定されており、基板に投影されるパターンは第1の露光よりも低い解像度を有する。
[本発明の第2の態様]
[第5の実施例]
図11は、本発明の第2の態様に係る露光装置の第1の実施例を示す図である。図示されるように露光装置70は、パターニング用デバイス72を支持するよう構成されている支持部71を備える。パターニング用デバイス72は、放射ビーム73を変調して第1の変調放射ビーム74を生成する。第1の変調放射ビーム74は個別制御可能素子アレイ75によって更に変調されて第2の変調放射ビーム76となる。第2の変調放射ビーム76は第1の投影光学系77により基板Wに投影される。図11に示されるように、第1の変調放射ビーム74を個別制御可能素子アレイ75に投影する第2の投影光学系78が設けられている。
[第5の実施例]
図11は、本発明の第2の態様に係る露光装置の第1の実施例を示す図である。図示されるように露光装置70は、パターニング用デバイス72を支持するよう構成されている支持部71を備える。パターニング用デバイス72は、放射ビーム73を変調して第1の変調放射ビーム74を生成する。第1の変調放射ビーム74は個別制御可能素子アレイ75によって更に変調されて第2の変調放射ビーム76となる。第2の変調放射ビーム76は第1の投影光学系77により基板Wに投影される。図11に示されるように、第1の変調放射ビーム74を個別制御可能素子アレイ75に投影する第2の投影光学系78が設けられている。
上述の本発明の第1の態様と同様に、本発明の第2の態様のパターニング用デバイス72は、相対的に高解像度のパターンを放射ビーム73に与えるよう変調する。個別制御可能素子アレイ75は、相対的に低い解像度を有しており、パターニング用デバイス72によるパターンをトリミングにより整えるのに用いられる。上述のようにパターニング用デバイス72により放射ビームに付与される比較的高解像度のパターンは繰り返しパターンであってもよい。パターニング用デバイス72はマスクであってもよいし、あるいは第2の個別制御可能素子アレイであってもよい。
本発明の第2の態様の第1の実施例の構成によれば、第1の態様の4つの実施例と同様の効果を得られる。例えば、個別制御可能素子アレイを用いるパターンのトリミングによりパターン選択の柔軟性を確保しつつ、第1のパターニング用デバイスによって高い解像度を実現できる。ところが、この第1の実施例は更なる効果を有する。それは、高解像度の露光とトリミング露光とを1回の露光にまとめることができるということである。これにより、所望のパターンを形成するのに必要となる露光時間を低減することができる。
図9a、図9b、図9c及び図10a、図10b、図10cを参照して上述したように、相対的に高解像度のパターニング用デバイス72を用いて複数の異なるパターンに放射ビーム73を変調できることが望ましい。パターニング用デバイス72として個別制御可能素子アレイを使うほうが明らかに有益であるが、マスクをパターニング用デバイス72として用いることもできる。この場合、支持部71は、例えば複数枚の基板のバッチ処理の合間にマスクを交換可能に構成されていてもよい。あるいは1枚ごとの基板の露光の合間や、1枚の基板上で完成品のデバイスに対応するパターンの露光がなされたとき、または基板上でそれぞれ異なるデバイスとなる複数の異なる部分への露光の合間に交換可能であってもよい。1枚の基板に形成される複数のデバイスの複数の異なる機能素子の形成には異なる複数のマスクが使用され得る。必要なパターンの種類が比較的限られている場合には、それらの必要パターンそれぞれに対応する複数のマスクと、放射ビーム73を適切なパターンにより適切なタイミングで変調するようマスクを交換する機構とを備える専用ユニットを設けてもよい。
上述のように、同程度の高解像度のパターンを複数の向きで形成することが望ましい場合もある。例えば、ある露光では第1の方向に複数のラインが向くように放射ビーム73を変調し、他の露光では直交する方向にラインが向くように放射ビーム73を変調する場合がある。よって、基板ホルダ71は、露光装置70の光軸に平行な軸まわりにパターニング用デバイス72を回転させる回転機構79を備えてもよい。
[本発明の第3の態様]
[第6の実施例]
図12は、本発明の第3の態様に係る第1の実施例を示す図である。図12は、上述のいずれの実施例にも適用可能である個別制御可能素子80のアレイ81を示す図である。図においては個別制御可能素子アレイが4つの個別制御可能素子だけを含むように描かれているが、実際にはアレイ80は更に多数の個別制御可能素子を含みうる。個別制御可能素子アレイ80は、制御信号または制御信号に相当するデータを記憶するメモリ82を備える。この制御信号は、所望の繰り返しパターンに放射ビームを変調するのに必要な状態に個別制御可能素子アレイ80を設定するために必要となる制御信号である。露光装置はパターン制御部83を備える。パターン制御部83は必要に応じて、メモリに記憶されたデータにより規定される状態にアレイ80の各個別可能制御素子81を設定するよう構成されている。
[第6の実施例]
図12は、本発明の第3の態様に係る第1の実施例を示す図である。図12は、上述のいずれの実施例にも適用可能である個別制御可能素子80のアレイ81を示す図である。図においては個別制御可能素子アレイが4つの個別制御可能素子だけを含むように描かれているが、実際にはアレイ80は更に多数の個別制御可能素子を含みうる。個別制御可能素子アレイ80は、制御信号または制御信号に相当するデータを記憶するメモリ82を備える。この制御信号は、所望の繰り返しパターンに放射ビームを変調するのに必要な状態に個別制御可能素子アレイ80を設定するために必要となる制御信号である。露光装置はパターン制御部83を備える。パターン制御部83は必要に応じて、メモリに記憶されたデータにより規定される状態にアレイ80の各個別可能制御素子81を設定するよう構成されている。
個別制御可能素子アレイ80のメモリ82は、繰り返しパターンの1つの周期構造を実現するのに必要な状態に、複数の個別制御可能素子81からなる1つの個別制御素子群を設定するために必要な制御信号に相当するデータを記憶してもよい。この制御信号は、アレイ80全体にわたって繰り返しパターンが繰り返されるように複数の個別制御素子群に供給される。
個別制御可能素子アレイに設定されるパターンの精度を向上させるために、メモリ82は、個々の個別制御可能素子または個別制御可能素子群に対応する適切なキャリブレーションファクタ及び/または補正ファクタを含んでもよい。各個別制御可能素子を実際に制御する制御信号が各素子に供給される前に、これらのファクタが各素子に適用される。また、メモリ82は、繰り返しパターンを実現すべく個別制御可能素子アレイを設定するために各個別制御可能素子に必要な制御信号のそれぞれに相当するデータを記憶してもよい。これらの個別に記憶されている制御信号は、キャリブレーションファクタ及び/または補正ファクタを適宜含んでもよい。個別制御可能素子アレイは、各個別制御可能素子及び/または各素子用に記憶される制御信号のキャリブレーションファクタ及び/または補正ファクタを更新する機構をさらに備えてもよい。
個別制御可能素子アレイ80は、複数の異なるパターンの1つに簡便に設定可能に構成されていてもよい。例えば、メモリ82は複数のパターンに必要なデータを含んでいてもよい。この場合、個別制御可能素子アレイ80はパターン選択ユニット84を含んでもよい。パターン選択ユニット84は、メモリ82に記憶されている複数の繰り返しパターンからの所望のパターンの選択指示をパターン制御部83から受け取る。そして、パターン選択ユニット84は、メモリ82から適切なデータを選択して、各個別制御可能素子81に適切な制御信号を与える。
なお、所望の繰り返しパターンに放射ビームを変調するための必要状態に個別可能制御素子アレイ80を設定するのに必要な制御信号またはこの制御信号に相当するデータを記憶するメモリの代わりに、個別制御可能素子アレイはハードウェア的に必要パターンを形成するようになっていてもよい。よって、個別制御可能素子アレイ80は、各素子を必要状態に設定するために一部の個別制御可能素子にパターン制御部83から制御信号を伝えるための専用回路を備えてもよい。例えば比較的単純な場合には、各列及び/または各行の個別制御可能素子のうち交互に配置される各素子に共通の制御信号を伝達する配線を専用回路として設けてもよい。このようにすれば、パターン制御部83から制御信号が供給されたときに、個別制御可能素子のうち半分が異なる状態に切り替わる一方、残りの素子は状態が変わらない。よって、1つの制御信号で個別制御可能素子アレイに繰り返しパターンをもたらすことができる。
また、もっと複雑な専用回路を形成して、例えば異なる複数のパターンを形成することも可能である。この場合の専用回路は上述と同様に、制御信号が個別制御可能素子に供給される前にキャリブレーションファクタ及び/または補正ファクタが与えられるような構成を備えてもよい。また、1つの個別制御可能素子アレイに対して、それぞれ異なる繰り返しパターンに対応する複数の専用回路が設けられてもよい。このようにすれば複数の専用回路のうち選択された1つに制御信号を供給することにより所望の繰り返しパターンを選択することができる。また、個別制御可能素子アレイは、例えば各個別制御可能素子をマトリックス状にアドレス設定する従来の制御回路を有していてもよい。この従来の制御回路を用いれば、上述の専用回路と同様に個別制御可能素子アレイに繰り返しパターンを設定することができるとともに、従来の制御回路により設定可能となる所望のパターンも設定することができる。
[第7の実施例]
図13は、繰り返しパターンを形成するのに上述の第1乃至第5のいずれの実施例にも適用しうる個別制御可能素子91のアレイ90の他の例を示す図である。上述と同様に、個別制御可能素子アレイの設定用にパターン制御部93が設けられており、必要な繰り返しパターンを実現することができる。この場合、個別制御可能素子アレイ90は、パターン制御部93から制御信号または制御信号に相当するデータを受信するパターン受信部94を備える。この制御信号は、複数の個別制御可能素子からなる個別制御可能素子群に供給されるべきものであり、この個別制御可能素子群によってアレイ90に形成されるべきパターンの1つの周期構造が形成される。アレイ90は、制御信号分配部95をさらに備える。制御信号分配部95は、パターン受信部94からデータまたは制御信号を受信し、必要な制御信号を複数の個別制御可能素子群に割り当てる。これにより、複数の個別制御可能素子群のそれぞれは、パターン制御部93に指定されたパターンの周期構造に設定される。
図13は、繰り返しパターンを形成するのに上述の第1乃至第5のいずれの実施例にも適用しうる個別制御可能素子91のアレイ90の他の例を示す図である。上述と同様に、個別制御可能素子アレイの設定用にパターン制御部93が設けられており、必要な繰り返しパターンを実現することができる。この場合、個別制御可能素子アレイ90は、パターン制御部93から制御信号または制御信号に相当するデータを受信するパターン受信部94を備える。この制御信号は、複数の個別制御可能素子からなる個別制御可能素子群に供給されるべきものであり、この個別制御可能素子群によってアレイ90に形成されるべきパターンの1つの周期構造が形成される。アレイ90は、制御信号分配部95をさらに備える。制御信号分配部95は、パターン受信部94からデータまたは制御信号を受信し、必要な制御信号を複数の個別制御可能素子群に割り当てる。これにより、複数の個別制御可能素子群のそれぞれは、パターン制御部93に指定されたパターンの周期構造に設定される。
上述の第6の実施例と同様に、制御信号分配部95は、各個別制御可能素子91で必要な制御応答を得るよう各素子に対する制御信号に適用すべきキャリブレーションファクタ及び/または補正ファクタを記憶するメモリを含んでもよい。
第6の実施例の個別制御可能素子アレイの利点は、繰り返しパターンまたは複数の繰り返しパターンから選択される1つのパターンを得るための個別制御可能素子アレイの設定に必要となる制御信号が単純化できるということである。これにより、パターン制御部を比較的単純化することができる。第7の実施例の構成の利点は、柔軟性に非常に優れているということである。なぜなら多様な繰り返しパターンを実現できるからである。
[本発明の第4の態様]
[第8の実施例]
図14a及び図14bは、本発明の第4の態様の第1の実施例に係る露光装置の一部を示す図である。図示されるように露光装置100は、放射ビーム103を変調する個別制御可能素子101のアレイ102を備える。変調放射ビーム104は、投影光学系105により基板Wに投影される。
[第8の実施例]
図14a及び図14bは、本発明の第4の態様の第1の実施例に係る露光装置の一部を示す図である。図示されるように露光装置100は、放射ビーム103を変調する個別制御可能素子101のアレイ102を備える。変調放射ビーム104は、投影光学系105により基板Wに投影される。
図14aは、露光装置100の第1の動作状態を示す。第1の動作状態においてアレイ102のすべての個別制御可能素子101は、対応する放射ビーム103の部分が投影光学系105を介して基板Wに向けられるように設定されている。
図14bは、露光装置100の第2の動作状態を示す。第2の動作状態において一部の個別制御可能素子102b、102dは、対応する放射ビームの部分106b、106dが投影光学系105を介して基板Wに向けられないように設定されている。上述と同様に露光装置100は反射型のパターニング用デバイスを有するように図示されているが、透過型のパターニング用デバイスであってもよい。
図14a及び図14bに示されるように本発明の第4の態様によれば、各個別制御可能素子102a、102b、102c、102dは、それぞれに対応する放射ビームの部分106a、106b、106c、106dにパターンを付与して基板Wに投影するよう構成されている。よって、本発明の第1及び第2の態様(つまり第1ないし第5の実施例)と同様に、相対的に高解像度のパターンが形成されて個別制御可能素子アレイによりトリミングされる。この場合、高解像度のパターンは、トリミング用の個別制御可能素子アレイ101の各素子によって直接に形成される。
図14bに示されるように個別制御可能素子102b、102dが所定の状態に設定されているときには、高解像度パターンの対応部分106b、106dは基板Wに投影されない。よって、本発明の第1の態様に係る第1ないし第4の実施例に比較して、基板露光時間が低減される。なぜなら相対的に高解像度の露光と相対的に低解像度の露光とが組み合わされているからである。
それぞれの個別制御可能素子102a、102b、102c、102dにより付与される相対的に高解像度のパターンは同一である。つまり個別制御可能素子アレイが放射ビームに繰り返しパターンを付与し、そのパターンの周期構造の大きさは、各個別制御可能素子102a、102b、102c、102dに対応する変調放射ビームの各部分の大きさよりも大きくない。しかし、近傍の複数の個別制御可能素子を一群として高解像度パターンの周期構造を形成するようなパターンも可能である。なお、上述のいずれの繰り返しパターンも本発明の第4の態様に適用可能である。
上述のような例えば複数のラインが繰り返されるパターンのように相対的に高解像度のパターンのうちいくつかの種類においては、露光ごとに異なる角度を向いた高解像度パターンを形成するように2回以上の露光を行うことが望ましい場合がある。例えば、最初の露光では第1の方向に平行な複数のラインを含む高解像度のパターンを露光し、次の露光では例えば第1の方向に垂直な方向に平行な複数のラインを含む高解像度のパターンを露光することが望ましい場合がある。よって、個別制御可能素子アレイ101は、回転支持部107を介して露光装置100に搭載されてもよい。回転支持部107は、個別制御可能素子アレイを支持するとともに、露光装置の光軸に垂直な軸まわりに個別制御可能素子アレイを回転させる。これにより、各個別制御可能素子102a、102b、102c、102dにより形成される高解像度のパターンの向きを変えることができる。
個別制御可能素子アレイに形成される相対的に高解像度のパターンは、適宜の手段により形成することができる。
図15aは、本発明の一実施形態に係る図14a及び図14bに示される装置に使用可能である個別制御可能素子アレイ110を示す図である。このアレイは複数の反射型の個別制御可能素子111から形成されており、各素子にはアクチュエータ112が設けられている。アクチュエータ112は、例えば素子表面に平行な軸まわりに個別制御可能素子111を回転させるよう例えば構成されている。相対的に高解像度のパターンを得るために、個別制御可能素子の反射面113の一部が反射率を増加または減少させるように加工されている。その結果、高反射率の領域113aと低反射率の領域113bとが素子表面に形成されている。この加工処理は例えば、個別制御可能素子の表面特性を異ならせる次の処理の少なくとも1つである。例えば、表面を研磨する処理、表面にかすり傷をつける処理、リフレクタ表面に選択的に物質(例えば低反射率の材料)を堆積させる処理、リフレクタ表面から物質を除去する(例えば低反射率の表面を露出させる)処理などがある。同様に、透過型の個別制御可能素子についても相対的に透過率が高い領域と相対的に透過率が低い領域とを形成して用いることができる。
図15bは、本発明の一実施形態に係る図15aに示される個別制御可能素子アレイの変形例である。この変形例では、各個別制御可能素子121がアクチュエータ122を有しており、このアクチュエータ122は各個別制御可能素子を必要に応じて移動させるように構成されている。個別制御可能素子は反射性の表面123を有している。この表面123には複数の反射性凸部124が形成されている。これらの凸部124は、個別制御可能素子121の表面123で反射された放射ビームと凸部124で反射された放射ビームとが異なる位相を有するように構成されている。よって、各素子に対応する放射ビームの各部分にパターンを付与する位相シフトマスクが各個別制御可能素子121上に形成されていると言える。
本説明においては露光装置の用途を特定の装置(例えば集積回路やフラットパネルディスプレイ)の製造としているが、ここでの露光装置は他の用途にも適用することが可能であるものと理解されたい。他の用途としては、集積回路や光集積回路システム、磁区メモリ用ガイダンスおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド、微小電気機械素子(MEMS)、LEDなどの製造に用いることが可能であり、これらに限られない。また、例えばフラットパネルディスプレイに関しては、本発明に係る装置は、例えば薄膜トランジスタ層及び/またはカラーフィルター層などのさまざまな層の製造に用いることができる。
ここでは特に光学的なリソグラフィーを本発明に係る実施形態に適用したものを例として説明しているが、本発明は例えばインプリントリソグラフィーなど文脈が許す限り他にも適用可能であり、光学的なリソグラフィーに限られるものではない。インプリントリソグラフィーでは、パターニング用デバイスのトポグラフィーが基板に生成されるパターンを決める。パターニング用デバイスのトポグラフィーが基板に塗布されているレジスト層に押し付けられ、電磁放射や熱、圧力、あるいはこれらの組み合わせによってレジストが硬化される。レジストが硬化されてから、パターニング用デバイスは、パターンが生成されたレジストから外されて外部に移動される。
上述のように本発明の具体的な実施形態が説明されたが、本発明は上述の形式以外の形式でも実施可能であると理解されたい。例えば本発明は、上述の方法が記述された機械で読み取り可能な1以上の一連の指示を含むコンピュータプログラムの形式、またはこのようなコンピュータプログラムが記録された(半導体メモリや磁気・光ディスクなどの)データ記録媒体の形式をとってもよい。
[結語]
本発明の種々の実施例を上に記載したが、それらはあくまでも例示であって、それらに限定されるものではない。本発明の精神と範囲に反することなく種々に変更することができるということは、関連技術の当業者には明らかなことである。本発明の範囲と精神は上記で述べた例示に限定されるものではなく、請求項とその均等物によってのみ定義されるものである。
本発明の種々の実施例を上に記載したが、それらはあくまでも例示であって、それらに限定されるものではない。本発明の精神と範囲に反することなく種々に変更することができるということは、関連技術の当業者には明らかなことである。本発明の範囲と精神は上記で述べた例示に限定されるものではなく、請求項とその均等物によってのみ定義されるものである。
「課題を解決する手段」及び「要約書」の項ではなく「発明の詳細な説明」の項が請求項を解釈するのに使用されるように意図されている。「課題を解決する手段」及び「要約書」の欄は本発明者が考えた本発明の実施例の1つ以上を示すものであるが、すべてを説明するものではない。よって、本発明及び請求項をいかなる形にも限定するものではない。
10 露光装置、 11 第1の個別制御可能素子アレイ、 14 第1の投影光学系、 15 基板テーブル、 21 第2の個別制御可能素子アレイ、 24 第2の投影光学系、 71 支持部、 72 パターニング用デバイス、 75 個別制御可能素子アレイ、 77 第1の投影光学系、 78 第2の投影光学系、 79 回転機構、 80 個別制御可能素子アレイ、 81 個別制御可能素子、 82 メモリ、 83 パターン制御部、 84 パターン選択ユニット、 111 個別制御可能要素、 112 アクチュエータ、 B 放射ビーム、 C ターゲット部分、 IL 照明光学系、 PD パターニング用デバイス、 PS 投影光学系、 SO 放射源、 W 基板、 WT 基板テーブル。
Claims (47)
- 第1の露光及び第2の露光を行って基板にパターンを露光する少なくとも1つの個別制御可能素子アレイを備え、
前記第1の露光においては繰り返しパターンが基板に投影されるよう前記少なくとも1つの個別制御可能素子アレイにより放射ビームが変調されて基板に投影され、
前記第2の露光においては、1つの個別制御可能素子に対応する基板上の露光区域の大きさが前記第1の露光よりも前記第2の露光のほうが大きくなるように、前記少なくとも1つの個別制御可能素子アレイにより放射ビームが変調されて基板に投影されることを特徴とする露光装置。 - 第1の投影光学系と、第2の投影光学系と、をさらに備え、
前記少なくとも1つの個別制御可能素子アレイのうち第1のアレイと前記第1の投影光学系とが前記第1の露光に用いられ、
前記少なくとも1つの個別制御可能素子アレイのうち第2のアレイと前記第2の投影光学系とが前記第2の露光に用いられることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。 - 投影光学系をさらに備え、
前記少なくとも1つの個別制御可能素子アレイのうち第1のアレイが前記第1の露光に用いられ、
前記少なくとも1つの個別制御可能素子アレイのうち第2のアレイが前記第2の露光に用いられ、
前記投影光学系は、前記第1のアレイにより変調された放射ビームを基板に投影する前記第1の露光及び前記第2のアレイにより変調された放射ビームを基板に投影する前記第2の露光の双方に用いられることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。 - 前記第1のアレイの個別制御可能要素は前記第2のアレイの個別制御可能要素よりも大きさが小さいことを特徴とする請求項3に記載の露光装置。
- 前記投影光学系は、倍率が変更可能とされており、前記第1の露光と前記第2の露光とでは前記投影光学系の倍率が異なることを特徴とする請求項3に記載の露光装置。
- 前記第1の露光及び前記第2の露光の双方で変調された放射ビームを基板に投影するのに用いられ、前記第1の露光と前記第2の露光とで倍率が変更される投影光学系をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
- 前記第1の露光で基板に露光される前記繰り返しパターンは、複数のライン、チェッカーボード状パターン、複数の円、及び基板に形成されるべきデバイスにおける周期構造のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
- 前記第1の露光に用いられる前記少なくとも1つの個別制御可能素子アレイは、
前記繰り返しパターンを生成するように前記少なくとも1つの個別制御可能素子アレイを設定するようプログラムされているメモリを備えることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。 - 前記第1の露光に用いられる前記少なくとも1つの個別制御可能素子アレイは、
複数種類の繰り返しパターンのそれぞれを生成するために前記少なくとも1つの個別制御可能素子アレイに必要となる複数種類の設定を含むメモリと、
所望の繰り返しパターンを生成すべく前記少なくとも1つの個別制御可能素子アレイを設定するよう前記メモリから設定を選択する制御部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。 - 前記第1の露光に用いられる前記少なくとも1つの個別制御可能素子アレイは、基板上に露光されるべきパターンの周期構造に対応する設定を受け取り、前記第1の露光において基板上の複数の位置に前記周期構造が露光されるように前記少なくとも1つの個別制御可能素子アレイ上の複数の領域を該設定を用いて設定することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
- 前記第1の露光に用いられる前記少なくとも1つの個別制御可能素子アレイは、前記繰り返しパターンを示す制御信号を受信し、該制御信号に応じて、放射ビームを前記繰り返しパターンに対応させて変調するための必要状態に各個別制御可能素子を設定するよう構成されており、
前記少なくとも1つの個別制御可能素子アレイは、前記必要状態への設定のために一部の個別制御可能素子に前記制御信号を送信する専用回路を備えることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。 - 第1の露光及び第2の露光を組み合わせて基板にパターンを露光するデバイス製造方法であって、
前記第1の露光においては繰り返しパターンが基板に露光されるよう第1の個別制御可能素子アレイを用いて放射ビームを変調して基板に投影し、
前記第2の露光においては、1つの個別制御可能素子に対応する基板上の露光区域の大きさが前記第1の露光よりも前記第2の露光のほうが大きくなるように、第2の個別制御可能素子アレイを用いて放射ビームを変調して基板に投影することを特徴とするデバイス製造方法。 - 放射ビームを変調して第1の変調放射ビームを生成するパターニング用デバイスを支持する支持部と、
前記第1の変調放射ビームを変調して第2の変調放射ビームを生成する個別制御可能素子アレイと、
前記第2の変調放射ビームを基板に投影する投影光学系と、を備えることを特徴とする露光装置。 - 前記支持部に支持される前記パターニング用デバイスにより投影されて基板上に形成された最小のパターン図形の大きさのほうが、前記個別制御可能素子アレイの1つの個別制御可能素子に対応する基板上の露光区域の大きさよりも小さいことを特徴とする請求項13に記載の露光装置。
- 前記支持部に支持される前記パターニング用デバイスは、前記放射ビームの断面に繰り返しパターンを付与することを特徴とする請求項13に記載の露光装置。
- 前記第1の変調放射ビームにより基板に露光される前記繰り返しパターンは、複数のライン、チェッカーボード状パターン、複数の円、及び基板に形成されるべきデバイスにおける周期構造のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項15に記載の露光装置。
- 前記パターニング用デバイスは、前記放射ビームの断面に繰り返しパターンを付与する個別制御可能素子アレイであることを特徴とする請求項13に記載の露光装置。
- 前記個別制御可能素子アレイは、前記繰り返しパターンを生成するよう前記個別制御可能素子アレイを設定するために必要な設定を含むメモリを備えることを特徴とする請求項17に記載の露光装置。
- 前記個別制御可能素子アレイは、
複数種類の繰り返しパターンのそれぞれを生成するために前記個別制御可能素子アレイに必要となる複数種類の設定を含むメモリと、
所望の繰り返しパターンを生成すべく前記個別制御可能素子アレイを設定するよう前記メモリから設定を選択する制御部と、を備えることを特徴とする請求項17に記載の露光装置。 - 前記個別制御可能素子アレイは、前記放射ビームの断面に付与されるべきパターンの周期構造に対応する設定を受け取り、前記放射ビームの前記断面の複数の位置に前記周期構造が付与されるように前記個別制御可能素子アレイ上の複数の領域を該設定を用いて設定することを特徴とする請求項17に記載の露光装置。
- 前記個別制御可能素子アレイは、前記繰り返しパターンを示す制御信号を受信し、該制御信号に応じて、放射ビームを前記繰り返しパターンに対応させて変調するための必要状態に各個別制御可能素子を設定するよう構成されており、
前記個別制御可能素子アレイは、前記必要状態への設定のために一部の個別制御可能素子に前記制御信号を送信する専用回路を備えることを特徴とする請求項17に記載の露光装置。 - 前記パターニング用デバイスは、繰り返しパターンを有するマスクであることを特徴とする請求項13に記載の露光装置。
- 前記支持部は、マスク表面に垂直な軸まわりに前記マスクを回転させる回転用アクチュエータを備えることを特徴とする請求項22に記載の露光装置。
- 放射ビームを変調して第1の変調放射ビームを生成するためにパターニング用デバイスを使用し、
前記第1の変調放射ビームを変調して第2の変調放射ビームを生成するために個別制御可能素子アレイを使用し、
前記第2の変調放射ビームを基板に投影することを特徴とするデバイス製造方法。 - 放射ビームを繰り返しパターンに変調する個別制御可能素子アレイを備え、
前記アレイは、前記繰り返しパターンを示す制御信号を受信し、該制御信号に応じて、放射ビームを前記繰り返しパターンに対応させて変調するための必要状態に各個別制御可能素子を設定するよう構成されていることを特徴とするパターニング用デバイス。 - 前記個別制御可能素子アレイは、前記繰り返しパターンを生成するよう前記個別制御可能素子アレイを設定するために必要な設定を含むメモリを備えることを特徴とする請求項25に記載のパターニング用デバイス。
- 前記個別制御可能素子アレイは、
複数種類の繰り返しパターンのそれぞれを生成するために前記個別制御可能素子アレイに必要となる複数種類の設定を含むメモリと、
所望の繰り返しパターンを生成すべく前記個別制御可能素子アレイを設定するよう前記制御信号に応じて前記メモリから設定を選択する制御部と、を備えることを特徴とする請求項25に記載のパターニング用デバイス。 - 前記個別制御可能素子アレイは、基板に露光されるべきパターンの周期構造に対応する設定を受け取り、基板上の複数の位置に前記周期構造が露光されるように前記個別制御可能素子アレイ上の複数の領域を該設定を用いて設定することを特徴とする請求項25に記載のパターニング用デバイス。
- 前記個別制御可能素子アレイは、前記必要状態への設定のために一部の個別制御可能素子に前記制御信号を送信する専用回路を備えることを特徴とする請求項25に記載のパターニング用デバイス。
- 個別制御可能素子アレイで制御信号を受信し、
放射ビームを繰り返しパターンに変調するために前記制御信号により前記個別制御可能素子アレイを設定し、
前記個別制御可能素子アレイを用いて前記放射ビームを変調することを特徴とするデバイス製造方法。 - 放射ビームを変調する個別制御可能素子アレイであって、各個別制御可能素子に対応する放射ビームの各部分にパターンを付与するパターニング面を各個別制御可能素子が備える個別制御可能素子アレイと、
変調された放射ビームを基板に投影する投影光学系と、を備えることを特徴とする露光装置。 - 各パターニング面により前記放射ビームの各部分に付与されるパターンは実質的に同一であることを特徴とする請求項31に記載の露光装置。
- 前記個別制御可能素子は、複数の領域にグループ化されており、
各領域の個別制御可能素子のパターニング面は、2以上の領域で個別制御可能素子が同じ状態に設定された場合にパターニング面により放射ビームの対応部分に付与されるパターンが同一となるように構成されていることを特徴とする請求項31に記載の露光装置。 - 前記パターニング面により放射ビームの各部分に付与されるパターンは、複数のライン、チェッカーボード状パターン、複数の円、またはこれらの2つ以上の組み合わせを含むことを特徴とする請求項31に記載の露光装置。
- 個別制御可能素子のそれぞれは、リフレクタと、該リフレクタを2箇所以上の位置に移動させるアクチュエータとを備え、
前記パターニング面は、前記リフレクタ上に形成される相対的に高反射率の領域と相対的に低反射率の領域とを備えることを特徴とする請求項31に記載の露光装置。 - 前記リフレクタ上の相対的に高反射率の領域及び相対的に低反射率の領域の少なくとも一方が、表面特性を変えるためにリフレクタ表面の一部を処理すること、リフレクタ表面に選択的に物質を堆積させること、及びリフレクタ表面から選択的に物質を除去することの少なくとも1つによりリフレクタ上に形成されていることを特徴とする請求項35に記載の露光装置。
- 個別制御可能素子のそれぞれは、リフレクタと、該リフレクタを2箇所以上の位置に移動させるアクチュエータとを備え、
前記パターニング面は、リフレクタ表面に形成された非平面形状を備えることを特徴とする請求項31に記載の露光装置。 - 放射ビームを変調する個別制御可能素子アレイであって、各個別制御可能素子に対応する放射ビームの各部分にパターンを付与するパターニング面を各個別制御可能素子が含む個別制御可能素子アレイを備えるパターニング用デバイス。
- 個別制御可能素子アレイを用いて放射ビームを変調し、
各個別制御可能素子のパターニング面を使用して、各個別制御可能素子に対応する放射ビームの各部分にパターンを付与し、
変調された放射ビームを基板に投影することを特徴とするデバイス製造方法。 - 請求項12に記載の方法により製造されたフラットパネルディスプレイ。
- 請求項24に記載の方法により製造されたフラットパネルディスプレイ。
- 請求項30に記載の方法により製造されたフラットパネルディスプレイ。
- 請求項39に記載の方法により製造されたフラットパネルディスプレイ。
- 請求項12に記載の方法により製造された集積回路。
- 請求項24に記載の方法により製造された集積回路。
- 請求項30に記載の方法により製造された集積回路。
- 請求項39に記載の方法により製造された集積回路。
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