JP2007169741A - 耐応力緩和特性に優れた銅合金 - Google Patents

耐応力緩和特性に優れた銅合金 Download PDF

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Abstract

【課題】圧延方向に対して直角方向の耐応力緩和特性が高く、高強度、高導電率、優れた曲げ加工性を兼備したCu−Ni−Sn−P系合金を提供することを目的とする。
【解決手段】 Ni:0.1〜3.0%、Sn:0.1〜3.0%、P:0.01〜0.3%を各々含有し、残部銅および不可避的不純物からなる銅合金であって、XAFS解析法による、Ni原子周りの動径分布関数において、Cu中に存在しているNi原子と、このNi原子と最近接原子との距離を示す、ファーストピーク位置が2.16〜2.35Åの範囲とし、Cu中に存在しているNi原子の周りのCuなどの原子との距離を比較的大きくして、銅合金の圧延方向に対して直角方向の耐応力緩和特性を向上させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐応力緩和特性に優れた銅合金に関し、特に自動車用端子・コネクタなどの接続部品用として適する耐応力緩和特性に優れた銅合金に関する。
近年の自動車用端子・コネクタなどの接続部品には、エンジンルームのような高温環境下で信頼性を確保できる性能が求められるようになっている。この高温環境下での信頼性において最も重要な特性のひとつは、接点嵌合力の維持特性、いわゆる耐応力緩和特性である。すなわち銅合金からなるばね形状部品に定常の変位を与えた場合、例えばオス端子のタブをメス端子のばね形状をした接点で嵌合しているような場合、これらの接続部品がエンジンルームのような高温環境下に保持されていると、経時とともにその接点嵌合力を失っていくが、耐応力緩和特性とは、これに対する抵抗特性である。
耐応力緩和特性に優れる銅合金としては、従来から、Cu−Ni−Si系合金、Cu−Ti系合金、Cu−Be系合金などが広く知られている。これらはいずれも強酸化性元素(Si、Ti、Beなど)を含有するため、大気中への開口部が広く開いた大規模溶解炉では溶解できず、生産性の面から高コストは避けられない。
これに対し、添加元素量が比較的少ないCu−Ni−Sn−P系合金は、いわゆるシャフト炉造塊が可能で、その高生産性ゆえに大幅な低コスト化が可能である。このCu−Ni−Sn−P系合金でも、耐応力緩和特性の向上策などが、従来から種々提案されている。
例えば、下記特許文献1には、耐応力緩和特性に優れたコネクタ用銅基合金の製造方法が開示されている。この製造方法は、Cu−Ni−Sn−P系合金について、マトリックス中にNi−P金属間化合物を均一微細に分散させ、電気伝導度を向上させると同時に耐応力緩和特性等を向上させたものであり、同文献によれば、所望の特性を得るためには、熱間圧延の冷却開始、終了温度、その冷却速度、さらにはその後の冷間圧延工程途中で施す5〜720分の熱処理の温度と時間とを厳密に制御する必要がある。
また、下記特許文献2、3には、耐応力緩和特性に優れたCu−Ni−Sn−P合金及びその製造方法として、なるべくP含有量を下げて、Ni−P化合物の析出を抑えた固溶型銅合金とすることが開示されている。これによれば、高度な熱処理技術を必要とせず、きわめて短時間の焼鈍熱処理で製造可能であるという利点がある。例えば、特許文献3では、最終冷間圧延後に行う安定化焼鈍を連続焼鈍炉において、250〜850℃の温度範囲で、5秒間〜1分間行い、その際の昇温速度および冷却速度を10℃/秒以上として、耐応力緩和特性を向上させている。
特許第2844120号公報 特開平11−293367号公報 特開2002−294368号公報
社団法人自動車技術会の規格JASO−C400では、耐応力緩和特性に関して、150℃×1000hr保持後の応力緩和率が15%以下と定めている。図3(a)、(b)に、耐応力緩和特性の試験装置を示す。この試験装置を用い、短冊状に切り出した試験片1の一端を剛体試験台2に固定し、他端を片持ち梁式に持ち上げて反らせ(反りの大きさd)、これを所定の温度及び時間で保持した後、室温下で除荷し、除荷後の反りの大きさ(永久歪み)をδとして求める。応力緩和率(RS)は、RS=(δ/d)×100で表される。
銅合金板の応力緩和率には異方性があり、試験片の長手方向が銅合金板の圧延方向に対しどの方向を向いているかによって異なった値となる。一般的に、圧延方向に対し平行方向の方が直角方向より応力緩和率は小さい。しかし、前記JASO規格では、この方向についての規定がなく、そのため、従来は、圧延方向に対し平行方向か直角方向のいずれか一方について、15%以下の応力緩和率が達成されていればよいとされている。しかし、近年では、銅合金板は、その圧延方向に対して直角方向に、高い耐応力緩和特性を有することが望ましいとされている。
図4(a)に代表的な箱形コネクタ(メス端子3)の側面構造、(b)に断面構造を示す。図4(b)において、上側ホルダー部4に押圧片5が片持ち支持され、オス端子6が挿入されると押圧片5が弾性変形し、その反力によりオス端子6が固定される。なお、図4(b)において、7はワイヤ接続部、8は固定用舌片である。ここにおいて、銅合金板をプレス加工してメス端子3を製造する場合、メス端子3の長手方向(押圧片5の長手方向)が圧延方向に対し直角方向を向くように板取りされる。押圧片5において特に高い耐応力緩和特性が要求されるのは、押圧片5の長さ方向への曲げ(弾性変形)に対してである。したがって、銅合金板には、その圧延方向に対して直角方向に、高い耐応力緩和特性を有することが要求される。
これに対して、前記特許文献2、3に開示された固溶型銅合金では、応力緩和率15%以下の高い耐応力緩和特性は、圧延方向に対して平行方向にはほぼ達成されているが、圧延方向に対して直角方向にはいまだ達成されていない。
近年ではユーザー側からも、この種の固溶型銅合金に関して、圧延方向に対し平行方向よりも、圧延方向に対して直角方向の耐応力緩和特性が高いことが求められるようになっている。
これらの点に鑑み、本発明は、Cu−Ni−Sn−P系合金について、圧延方向に対して直角方向に、応力緩和率15%以下の高い耐応力緩和特性を達成することを目的とする。
この目的を達成するための、本発明耐応力緩和特性に優れた銅合金の要旨は、質量%で、Ni:0.1〜3.0%、Sn:0.1〜3.0%、P:0.01〜0.3%を各々含有し、残部銅および不可避的不純物からなる銅合金であって、XAFS解析法による、Ni原子周りの動径分布関数において、Cu中に存在しているNi原子と、このNi原子と最近接原子との距離を示す、ファーストピーク位置が2.16〜2.35Åの範囲にあることとする。
本発明銅合金では、上記成分組成において、更に、質量%で、Fe:0.5%以下、Zn:1%以下、Mn:0.1%以下、Si:0.1%以下、Mg:0.3%以下とすることが好ましい。また、上記およびこれらの成分組成において、更に、Ca、Zr、Ag、Cr、Cd、Be、Ti、Co、Au、Ptの含有量を、これらの元素の合計で1.0質量%以下とすることが好ましい。そして、上記およびこれらの成分組成において、更に、Hf、Th、Li、Na、K、Sr、Pd、W、S、C、Nb、Al、V、Y、Mo、Pb、In、Ga、Ge、As、Sb、Bi、Te、B、ミッシュメタルの含有量を、これらの元素の合計で0.1質量%以下とすることが好ましい。
本発明によれば、Cu−Ni−Sn−P系の銅合金において、圧延方向に対して直角方向に、応力緩和率15%以下の高い耐応力緩和特性を達成することができる。また、曲げ特性に優れ、導電率(約30%IACS以上)および強度(約480MPa以上の耐力)にも優れるなど、端子・コネクタ用として優れた特性を有する銅合金を得ることができる。
本発明者らは、前記した従来のNi−P化合物の析出を抑えた固溶型銅合金において、応力緩和率15%以下の高い耐応力緩和特性が、圧延方向に対して平行方向にはほぼ達成されているが、直角方向にはいまだ達成されていない理由について検討した。
この結果、一定サイズ以上の粗大なNiの酸化物、晶出物、析出物を抑制してやれば、応力緩和率15%以下の高い耐応力緩和特性が、圧延方向に対して直角方向に達成されることを知見し、既に、特願2005−270694号として特許出願した。
そして、その後も引き続き検討した結果、このようなNiの酸化物、晶出物、析出物の抑制以外に、Cu中に存在しているNi原子と、そのNi原子の周りのCuなどの原子との距離(原子間距離)が、耐応力緩和特性に大きく影響していることを知見した。即ち、そのNi原子の周りのCuなどの原子との距離が、上記規定範囲内にある場合に、耐応力緩和特性に優れている。
X線回折法を含め、SEM、TEMなどの通常の組織観察手段では、原子構造レベルである、直接、Cu中に存在しているNi原子と、そのNi原子の周りのCuなどの原子との距離(以下、Ni原子との原子間距離とも言う)は、測定できない。即ち、本発明で言う、Cu中に存在しているNi原子とは、後述する通り、通常の冶金的な表現でのCu中に固溶か析出しているNiではなく、原子配列としてのNi原子である。
これに対して、Cu−Ni−Sn−P系銅合金組織中における、Ni原子との原子間距離は、XAFS(X-ray Absorption Fine Structure、X線吸収微細構造)解析法によれば、測定することができる。このXAFSの測定方法の詳細は後述する。
本発明では、このXAFS解析法によるNi原子との原子間距離として、Ni原子周りの動径分布関数におけるファーストピーク位置(Ni原子と最近接原子との原子間距離)を選択し、このファーストピーク位置が2.16〜2.35Åの範囲にあることと規定する。このファーストピークとは、後述する通り、Ni原子周りの動径分布関数において、共通して最大のピークを示す関数(波形)である。また、ファーストピーク位置とは、ファーストピークにおけるピーク(頂部)の位置であり、Ni原子と最近接原子との原子間距離を示す。
これによって、本発明では、Cu−Ni−Sn−P系銅合金の高い耐応力緩和特性が、圧延方向に対して直角方向に達成される。また、同時に、曲げ特性、導電率および強度にも優れさせることができる。
(Ni原子の状態)
図2に、銅合金において、Cu中にNi原子が1個だけCu原子と置換して存在していると仮定した場合の、原子配列状態を模式的に示す。図2において、中心に比較的大きな黒い丸で示す粒子が、Cu中に存在しているNi原子であり、このNi原子の回りの、比較的小さな白い丸で示す、多数のCu原子によって取り囲まれている。
本発明では、この図2における、Cu中に存在しているNi原子の周りのCuなどの原子との距離を、比較的大きくし、Cu−Ni−Sn−P系銅合金の耐応力緩和特性を向上させる。
実際のCu−Ni−Sn−P系銅合金においては、Ni原子の周りに存在する原子は、Cu原子だけとは限らず、Ni、Sn、Pなどの合金に添加された元素の原子が存在している。本発明で言う、Cu中に存在しているNi原子とは、通常の冶金的な表現(大雑把な表現)をすれば、Cu中に固溶か析出しているNiということになる。しかし、本発明で問題にしているのは、原子配列としてのNi原子であり、Ni原子と最も近接する原子との原子間距離である。したがって、本発明で言うCu中に存在しているNi原子とは、Cuや、Ni、Sn、Pなどの合金に添加されている元素の原子とランダムに結合している状態(結晶構造も様々)を言う。
この点、本発明では、高い耐応力緩和特性化のために、Cu中に存在しているNi原子と、そのNi原子の周りの原子との距離(Ni原子との原子間距離)として、1個のNi原子に近接する複数の原子との各々の距離の平均距離を制御する。但し、本発明では、上記Ni原子との原子間距離の規定自体は、そのNi原子の周りの原子の中でも、このNi原子と最も近接する原子との原子間距離を示す、ファーストピーク位置(XAFS解析法によるNi原子周りの動径分布関数における)にて規定する。
即ち、上記Ni原子の周りのCuなどの原子との距離を、XAFS解析法による、Ni原子周りの動径分布関数として測定し、Cu−Ni−Sn−P系銅合金の耐応力緩和特性向上の観点から、この動径分布関数におけるNi原子と最も近接する原子との原子間距離を示すファーストピーク位置が2.16〜2.35Åの範囲にあることと規定する。以下に、XAFS解析法自体や、この規定の具体的な測定方法や、その持つ意味について、具体的に説明する。
(XAFS解析法)
XAFS解析法は、測定対象物のX線の吸収スペクトルを解析することにより、原子構造乃至クラスターに関する情報が得られる。このXAFS解析法を用いて、鋼材表面の耐候性に関連の深いさび層の原子の並び(鉄原子の周りの動径分布)を求めた例が、特開2002-256463 号公報([0012] 〜[0023]) に報告されている。また、液晶表示板配線材料用Al−Nd合金薄膜のNd周りのAl−Ndの構造解析を求めた例が検査技術2000.1. 「第6 回電子材料の局所的構造の解析技術」(36〜39頁) に報告されている。また、XAFS測定装置自体も、特開2002-318208 号公報、特開2001-21507号公報、特開2001-33403号公報などで多数公開されている。
(XAFS解析法の原理)
XAFS解析法による材料の構造解析の原理を以下に説明する。X線の光子エネルギを増加させながら、材料の吸収率を測定すると、X線の光子エネルギの増加に対応して減少する。しかし、材料に特定なあるX線の光子エネルギ(X線吸収端)においてその吸収率が急激に増加するX線の光子エネルギが存在する。この際、X線の吸収によって発生した光電子の一部が、複数の原子による散乱と干渉によって、X線の吸収量に対して構造情報として反映される。したがって、材料のX線の吸収量をモニタすれば、材料の原子構造乃至組織中のクラスターに関する情報が得られる。
更に具体的には、蛍光X線のビームライン上に物質をおいた場合、物質に照射されたX線強度(入射X線強度:I0)と物質を通過してきたX線強度(蛍光X線強度:I t )とから、その物質によるX線の吸収量(X線吸収係数μ)が、μt=In(I0 /I t )より算出される(但し、t:試料厚さ) 。
ここで、上記物質であるNiを含有する銅合金に入射するX線光子エネルギ(波長)を変化させ、X線吸収係数μの増減をモニタ (スキャン) しながら、着目原子であるNiのX線吸収スペクトルを測定する。すると、特定なX線の光子エネルギにおいて、X線吸収係数が最大となる、急激な立ち上がり(Ni原子の吸収端:NiのK吸収端)が観測される。これは、入射X線の光子エネルギが着目原子であるNiの内殻電子の結合エネルギに匹敵する強さになると、入射X線の励起エネルギとNiの内殻電子の結合エネルギとの差に相当する運動エネルギを持った光電子が放出されるためである。
この吸収端のエネルギ位置は、例えばNiなど、各元素に固有である。このため、この吸収端付近のエネルギ領域で構造情報を抽出できれば、それは元素固有の情報であることを意味する。
(NiのXANES)
このような吸収端の光子エネルギで現れる微細構造を、XAFSの中でも、X線吸収端近傍微細構造(XANES: X-ray Absorption Near Edge Structure)と言い、この微細構造のX線吸収スペクトルをXANESスペクトルと言う。そして、蛍光X線収量法によるXAFS測定では、このようなNi原子の吸収端のXANESスペクトルを選択的に測定することができる。
(Ni原子周りの動径分布関数)
本発明では、この得られたXANES測定データ(スペクトル)から、EXAFS振動関数χ(k) (EXAFS: Extended X-ray Absorption Fine Structure)を抽出し、k3の重みを付けてフ−リエ変換を行い、Ni原子周りの動径分布関数(RDF : Radial Distribution Function)を得る。
(ファーストピーク位置)
本発明では、このXAFS解析法によるNi原子周りの動径分布関数における、Cu中に存在しているNi原子と、このNi原子と最近接原子との原子間距離を示す、ファーストピーク位置を選択する。そして、Cu−Ni−Sn−P系銅合金の耐応力緩和特性向上の観点から、このファーストピーク位置が2.16〜2.35Åの範囲にあることと規定する。
図1に、Cu−Ni−Sn−P系銅合金のXAFS解析法により測定した、Ni原子周りの動径分布関数を示す。図1において、Aの実線が発明例(後述する実施例表2における発明例1)、Bの点線が比較例(後述する実施例表2における比較例25)の実測されたNi原子周りの動径分布関数である。
これらNi原子周りの動径分布関数において、縦軸がk3の重みを付けた振動関数の強度(FT Magnitude):χ(k) 、横軸がNi原子との原子間距離(Radial distance ):Å、である。そして、これらNi原子周りの動径分布関数において、共通して最大のピークを示す関数(AおよびBで指し示す波形)がファーストピークである。また、ファーストピークにおけるピーク(頂部)位置がファーストピーク位置(横軸:Ni原子と最近接原子との原子間距離)である。
図1のAの発明例とBの比較例との比較において、Aの発明例のNi原子周りの動径分布関数は、Bの比較例のNi原子周りの動径分布関数に比して、矢印で示す通り、図1の右から左へと僅かにずれている。
本発明では、この僅かなずれが重要であって、図1の右から左への僅かなずれは、Cu−Ni−Sn−P系銅合金における、Cu中に存在しているNi原子と、このNi原子の周りのCuなどの原子との距離(原子間距離)が、より大きいことを示している。即ち、Aの発明例の方がBの比較例よりもNi原子からの原子間距離が大きい。このため、Aの発明例の方がBの比較例よりも耐応力緩和特性に著しく優れている。言い換えると、図1のNi原子周りの動径分布関数の右から左への僅かなずれが、このずれの量が例え絶対量としては僅かであっても、Cu−Ni−Sn−P系銅合金の耐応力緩和特性の著しい差異となって現れる点が重要である。
この右から左へのずれの、耐応力緩和特性の観点からの定量化乃至規定における最も誤差の少ない指標として、本発明では、Ni原子周りの動径分布関数における最大のピークを示す、ファーストピーク位置を選択する。
Aの発明例のファーストピーク位置は2.23Åであり、2.16〜2.35Åの範囲内にある。一方、Bの比較例のファーストピーク位置は2.14Åであり、2.16〜2.35Åの範囲から、下方に外れている。
したがって、後述する実施例で、より詳しく下限値と上限値との意味を臨界的に裏付ける通り、このファーストピーク位置が2.16Å未満では、Cu中に存在しているNi原子と、そのNi原子の周りのCuなどの原子との距離が小さくなり、Cu−Ni−Sn−P系銅合金の耐応力緩和特性が低下する。一方、このファーストピーク位置を2.35Åを越えさせることは、製造法上難しく、また、2.35Åを越えさせても、却って、Cu−Ni−Sn−P系銅合金の耐応力緩和特性が低下する。このため、Ni原子周りの動径分布関数におけるファーストピーク位置は2.16〜2.35Åの範囲と規定する。
(XAFS解析の実験・解析方法)
これらCu−Ni−Sn−P系銅合金の、Ni原子周りの動径分布関数の測定は、(財)高輝度光科学研究センター、大型シンクロトロン放射光実験施設SPring−8の産業用専用ビームライン建設利用共同体のサンビームBL16B2のXAFS実験装置にて、透過法による測定を行った。2結晶分光器にはSi( 111) 結晶を採用し、常温でNiのK吸収端測定を行い、Ni原子周りの動径分布関数(RDF)を得た。また、得られたデータ(スペクトル)はカリフォルニア大Thorsten Ressler作のXAFS解析ソフト「WinXAS3.1 」により解析した。
(銅合金成分組成)
次ぎに、本発明銅合金の成分組成につき、以下に説明する。本発明では、銅合金の成分組成を、前提として、前記した通り、シャフト炉造塊が可能で、その高生産性ゆえに大幅な低コスト化が可能なCu−Ni−Sn−P系合金とする。
そして、自動車用端子・コネクタなどの接続部品として要求される、圧延方向に対して直角方向の高い耐応力緩和特性と、同時に、曲げ特性、導電率および強度にも優れさせるために、基本的に、Ni:0.1〜3.0%、Sn:0.1〜3.0%、P:0.01〜0.3%を各々含有し、残部銅および不可避的不純物からなる銅合金とする。なお、各元素の含有量の%表示は、全て質量%の意味である。以下に銅合金の合金元素につき、その添加理由や抑制理由について説明する。
(Ni)
Niは、Pとの微細な析出物を形成して、強度や耐応力緩和特性を向上させるのに必要な元素である。0.1%未満の含有では、最適な本発明製造方法によっても、0.1μm 以下の微細なNi化合物量が不足する。このため、Niの効果を有効に発揮させるには、0.1%以上の含有が必要である。
但し、3.0%を超えて過剰に含有させると、Niの酸化物、晶出物、析出物などの化合物が粗大化、あるいは粗大なNi化合物が増大して、強度や耐応力緩和特性だけでなく、曲げ加工性も低下する。したがって、Niの含有量は0.1〜3.0%の範囲とする。好ましくは、0.3〜2.0%の範囲とする。
(Sn)
Snは、銅合金中に固溶して強度を向上させる。Sn含有量が0.1%未満では、強度が低下する。一方、3.0%を超えると導電率が低下し、30%IACS以上を達成できない。したがって、Snの含有量は0.1〜3.0%の範囲とする。好ましくは、0.3〜2.0%の範囲とする。
(P)
Pは、Niと微細な析出物を形成して、強度や耐応力緩和特性を向上させるのに必要な元素である。0.01%未満の含有ではP系の微細な析出物粒子が不足するため、0.01%以上の含有が必要である。また、特に、圧延方向に対して直角方向の高い耐応力緩和特性を安定的に得るためには、Pは0.04%以上の含有が好ましい。但し、0.3%を超えて過剰に含有させると、Ni−P金属間化合物析出粒子が粗大化し、強度や耐応力緩和特性だけでなく、導電率や曲げ加工性、熱間加工性も低下する。したがって、Pの含有量は0.01〜0.3%の範囲とし、好ましくは0.04%〜0.2%以下の範囲とする。
(Fe、Zn、Mn、Si、Mg)
Fe、Zn、Mn、Si、Mgは、スクラップなどの溶解原料から混入しやすい。これらの元素は、各々の含有効果があるものの、総じて導電率を低下させる。また、含有量が多くなると、シャフト炉で造塊しにくくなる。したがって、30%IACS以上の導電率を得る場合には、各々、Fe:0.5%以下、Zn:1%以下、Mn:0.1%以下、Si:0.1%以下、Mg:0.3%以下とする。言い換えると、本発明では、これら上限値以下の含有は許容する。
Feは、銅合金の再結晶温度を高め、結晶粒径を微細化させる。しかし、0.5%を超えると導電率が低下して30%IACSを達成できない。好ましくは、0.3%以下とする。
Znは、錫めっきの剥離を防止する。しかし、1%を超えると導電率が低下して30%IACSを達成できない。また、シャフト炉で造塊する場合は0.05%以下が望ましい。そして、自動車用端子として使用する温度領域(約150〜180℃)であれば、0.05%以下の含有でも錫めっきの剥離を防止できる効果がある。
Mn、Siには脱酸剤としての効果がある。しかし、0.1%を超えると、導電率が低下して30%IACSを達成できない。また、シャフト炉で造塊する場合には、更に、Mn:0.001%以下、Si:0.002%以下と各々することが望ましい。
Mgは耐応力緩和特性を向上させる作用がある。しかし、0.3%を超えると、導電率が低下して30%IACSを達成できない。また、シャフト炉で造塊する場合には、0.001%以下が望ましい。
(Ca、Zr、Ag、Cr、Cd、Be、Ti、Co、Au、Pt)
本発明銅合金は、更に、Ca、Zr、Ag、Cr、Cd、Be、Ti、Co、Au、Ptを、これらの元素の合計で1.0%以下含有することを許容する。これらの元素は、結晶粒の粗大化を防止する作用があるが、これらの元素の合計で1.0%を越えた場合、導電率が低下して30%IACSを達成できない。また、シャフト炉で造塊しにくくなる。
この他、Hf、Th、Li、Na、K、Sr、Pd、W、S、C、Nb、Al、V、Y、Mo、Pb、In、Ga、Ge、As、Sb、Bi、Te、B、ミッシュメタルは不純物であり、これらの元素の合計で0.1%以下に制限する。
(銅合金製造方法)
次に、本発明銅合金の製造方法について以下に説明する。本発明銅合金は工程自体は常法により製造できる。即ち、成分組成を調整した銅合金溶湯の鋳造、鋳塊面削、均熱、熱間圧延、そして冷間圧延と焼鈍の繰り返しにより最終(製品)板を得る。
先ず、溶解・鋳造自体は、連続鋳造、半連続鋳造などの通常の方法によって行うことができる。熱間圧延については、常法に従えばよく、熱間圧延の入り側温度は600〜1000℃程度、終了温度は600〜850℃程度とされる。熱間圧延後は水冷又は放冷する。
その後、冷間圧延と焼鈍とを行って、製品板厚の銅合金板とする。焼鈍と冷間圧延は、最終(製品)板厚に応じて、各々数回繰り返されても良い。冷間粗圧延は最終冷間圧延において30〜70%の圧下率が得られるように、圧下率を選択する。冷間粗圧延の途中に適宜中間の再結晶焼鈍を挟むことができる。
(最終冷延での圧下率)
なお、最終冷延での圧下率は、Ni原子周りの動径分布関数におけるファーストピーク位置(Ni原子と最近接原子との原子間距離)に影響する。最終冷延での圧下率が30%より小さいと、次の焼鈍で、Ni原子周りのCuなどの原子が安定配置に移動する駆動力が不足する。このため、前記ファーストピーク位置が2.16Å未満となりやすく、Cu−Ni−Sn−P系銅合金の耐応力緩和特性が低下する。また、加工による強度の増加量が少ないため、最終板における強度が低くなる。一方、最終冷延での圧下率が80%より大きいと、蓄積ひずみ量が大きくなりすぎて、曲げ性が低下する。
(低温焼鈍)
最終冷間圧延後に行う低温焼鈍も、その冷却条件や昇温条件が、Ni原子周りの動径分布関数におけるファーストピーク位置(Ni原子と最近接原子との原子間距離)に、大きく影響する。低温焼鈍自体は、連続焼鈍炉(実体温度300〜500℃で10〜60秒程度)、バッチ焼鈍炉(実体温度200〜400℃で1〜20時間程度)のどちらでも可能である。
しかし、昇温〜等温保持過程にて安定配置に移動したNi原子周りのCuなどの原子の状態を維持するために、連続焼鈍炉もバッチ焼鈍炉も共通して、低温焼鈍後の冷却速度を100℃/秒以上とする。この冷却速度が遅くなると、前記ファーストピーク位置が2.16Å未満となりやすく、Cu−Ni−Sn−P系銅合金の耐応力緩和特性が低下する。
ここで、連続焼鈍炉に限っては、低温焼鈍であっても、高温域での保持時間が長くなると回復・再結晶が生じて、Ni原子周りの動径分布関数におけるファーストピーク位置が本発明規定の範囲から外れるだけでなく、強度が低下する。このため、連続焼鈍炉では、昇温速度を50℃/秒以上に制御する方が好ましい。
以下に本発明の実施例を説明する。Ni原子周りの動径分布関数におけるファーストピーク位置が異なり、Ni原子と最近接原子との原子間距離が異なる、Cu−Ni−Sn−P系合金の種々の銅合金薄板を製造し、強度、導電率、耐応力緩和特性などの特性を評価した。
具体的には、表1に示す各化学成分組成の銅合金をそれぞれコアレス炉にて溶製した後、半連続鋳造法で造塊して、厚さ70mm×幅200mm×長さ500mmの鋳塊を得た(鋳造の際の冷却凝固速度は1〜2℃/sec)。これら各鋳塊を、共通して、以下の条件にて圧延して銅合金薄板を製造した。
各鋳塊の表面を面削して、加熱炉で抽出温度960℃で加熱後、熱延終了温度700〜750℃の範囲で熱間圧延を行って厚さ16mmの板とし、650℃以上の温度から水中に急冷した。この板を、酸化スケールを除去した後、冷延→連続焼鈍→最終冷延→焼鈍を行って、銅合金薄板を製造した。即ち、一次冷間圧延(粗冷間圧延、中延べ冷間圧延)後の板を面削し、660℃の実体温度に20秒保持する連続焼鈍を行った後に、表2に示す条件で最終冷延と、その後の低温焼鈍を行って、厚さ0.25mmの銅合金薄板を得た。
この際、表2に示すように、最終冷延での圧下率や、この冷延後に行う連続焼鈍による低温焼鈍の冷却条件や昇温条件を変えて、Ni原子周りの動径分布関数におけるファーストピーク位置(Ni原子と最近接原子との原子間距離)を変化させた。
また、各例とも、得られた各銅合金板から試料を切り出し、引張試験、導電率測定、応力緩和率測定、曲げ試験を行った。これらの結果も表2に示す。
(引張試験)
前記銅合金薄板から試験片を採取し、試験片長手方向が板材の圧延方向に対し直角方向となるように、機械加工にてJIS5号引張試験片を作製した。そして、5882型インストロン社製万能試験機により、室温、試験速度10.0mm/min、GL=50mmの条件で、機械的な特性を測定した。なお、耐力は永久伸び0.2%に相当する引張り強さである。
(導電率測定)
前記銅合金薄板から試料を採取し、導電率を測定した。銅合金板試料の導電率は、ミーリングにより、幅10mm×長さ300mm の短冊状の試験片を加工し、JIS−H0505に規定されている非鉄金属材料導電率測定法に準拠し、ダブルブリッジ式抵抗測定装置により電気抵抗を測定して、平均断面積法により導電率を算出した。
(応力緩和特性)
前記銅合金薄板の、圧延方向に対して直角方向の応力緩和率を測定し、この方向の耐応力緩和特性を評価した。具体的には、前記銅合金薄板から試験片を採取し、図3に示す片持ち梁方式を用いて測定した。幅10mmの短冊状試験片1(長さ方向が板材の圧延方向に対し直角方向になるもの)を切り出し、その一端を剛体試験台2に固定し、図3(a)に示すように、試験片1のスパン長Lの部分に、d(=10mm)の大きさのたわみ量を与える。このとき、材料耐力の80%に相当する表面応力が材料に負荷されるようにLを決める。これを180℃のオーブン中に30時間保持した後に取り出し、図3(b)に示すように、たわみ量dを取り去ったときの永久歪みδを測定し、RS=(δ/d)×100で応力緩和率(RS)を計算する。なお、180℃×30時間の保持は、ラーソン・ミラーパラメーターで計算すると、ほぼ150℃×1000時間の保持に相当する。
(曲げ加工性の評価試験)
銅合金板試料の曲げ試験は、日本伸銅協会技術標準に従って行った。板材を幅10mm、長さ30mmに切出し、曲げ半径0.5mmでGood Way(曲げ軸が圧延方向に直角)曲げを行い、曲げ部における割れの有無を50倍の光学顕微鏡で目視観察した。割れの無いものを○、割れが生じたものを×と評価した。
表2から明らかな通り、表1の本発明組成内の銅合金(合金番号1〜12)である発明例1〜15は、最終冷延での圧下率や、この冷延後に行う連続焼鈍による低温焼鈍の冷却条件や昇温条件が好ましい条件内で製造されている。また、他の製造条件も適切である。
このため、表2の発明例1〜15は、XAFS解析法によるNi原子周りの動径分布関数において、ファーストピーク位置が2.16〜2.35Åの範囲にある。
この結果、発明例1〜15は、圧延方向に対して直角方向に、応力緩和率15%以下の高い耐応力緩和特性を達成することができている。また、曲げ特性に優れ、強度(480MPa以上の耐力)にも優れるなど、端子・コネクタ用として優れた特性を有している。
なお、表2の発明例1〜15の中でも、その他の元素量が前記した好ましい上限を越える発明例9〜15(表1の合金番号6〜12)は、導電率が、発明例1〜8に比して、低くなっている。
発明例9〜13は、各々、Fe、Zn、Mn、Si、Mgが、表1の合金番号6〜10の通り、前記した好ましい上限を越えて高い。
発明例14は、Ca、Zr、Ag、Cr、Cd、Be、Ti、Co、Au、Ptの元素の合計が、表1の合金番号11の通り、前記した好ましい上限1.0質量%を越えて高い。
発明例15は、Hf、Th、Li、Na、K、Sr、Pd、W、S、C、Nb、Al、V、Y、Mo、Pb、In、Ga、Ge、As、Sb、Bi、Te、B、ミッシュメタルの合計が、表1の合金番号12の通り、前記した好ましい上限0.1質量%を越えて高い。
これに対して、表2の比較例22〜25は、表1の本発明組成内の銅合金(合金番号1)であるにもかかわらず、各々製造条件が好ましい範囲から外れる。
比較例22は最終冷延での圧下率が小さ過ぎる。比較例23は、最終冷延後に行う連続焼鈍による低温焼鈍の平均冷却速度が遅過ぎる(小さ過ぎる)。比較例24は、この低温焼鈍の平均昇温速度が遅過ぎる(小さ過ぎる)。比較例25は、最終冷延後の低温焼鈍を省いている。
このため、表2の比較例22〜25は、XAFS解析法によるNi原子周りの動径分布関数において、ファーストピーク位置が2.16〜2.35Åの範囲から外れる。この結果、比較例22〜25は、圧延方向に対して直角方向の耐応力緩和特性が発明例に比して著しく低い。
表2の比較例16〜21は、表1の合金番号13〜18の本発明組成外の銅合金を用いている。このため、製造条件が好ましい範囲内であるにもかかわらず、XAFS解析法によるNi原子周りの動径分布関数において、ファーストピーク位置、耐応力緩和特性、曲げ特性、導電率、強度のいずれかが、発明例に比して著しく劣る。
比較例16の銅合金はNiの含有量が下限を低めに外れている(表1の合金番号13)。このため、強度や耐応力緩和特性が低い。
比較例17の銅合金はNiの含有量が上限を高めに外れている(表1の合金番号14)。このため、強度、導電率、耐応力緩和特性、曲げ加工性が低い。
比較例18の銅合金はSnの含有量が下限を低めに外れている(表1の合金番号15)。このため、強度が低い。
比較例19の銅合金はSnの含有量が上限を高めに外れている(表1の合金番号16)。このため、導電率が低い。
比較例20の銅合金はPの含有量が下限を低めに外れている(表1の合金番号17)。このため、強度、耐応力緩和特性が低い。
比較例21の銅合金はPの含有量が上限を高めに外れている(表1の合金番号18)。このため、強度、導電率、耐応力緩和特性、曲げ加工性が低い。
以上の結果から、高強度、高導電率化させた上で、圧延方向に対して直角方向の耐応力緩和特性や曲げ加工性に優れさせるための、本発明銅合金板の成分組成、組織、更には、この組織を得るための好ましい製造条件の意義が裏付けられる。
Figure 2007169741
Figure 2007169741
以上説明したように、本発明によれば、圧延方向に対して直角方向の耐応力緩和特性が高く、高強度、高導電率、優れた曲げ加工性を兼備したCu−Ni−Sn−P系合金を提供することができる。この結果、特に自動車用端子・コネクタなどの接続部品用として、圧延方向に対して直角方向の耐応力緩和特性が要求される用途に適用することができる。
銅合金のXAFS解析法により測定した、Ni原子周りの動径分布関数を示す説明図である。 銅中に1個だけNi原子が存在していると仮定したときの原子配列状態を示す、模式図である。 銅合金板の耐応力緩和試験を説明する断面図である。 箱形コネクタの構造を示し、図4(a)は側面図、図4(b)は断面図である。

Claims (4)

  1. 質量%で、Ni:0.1〜3.0%、Sn:0.1〜3.0%、P:0.01〜0.3%を各々含有し、残部銅および不可避的不純物からなる銅合金であって、XAFS解析法による、Ni原子周りの動径分布関数において、Cu中に存在しているNi原子と、このNi原子と最近接原子との距離を示す、ファーストピーク位置が2.16〜2.35Åの範囲にあることを特徴とする耐応力緩和特性に優れた銅合金。
  2. 前記銅合金が、更に、質量%で、Fe:0.5%以下、Zn:1%以下、Mn:0.1%以下、Si:0.1%以下、Mg:0.3%以下とした請求項1に記載の耐応力緩和特性に優れた銅合金。
  3. 前記銅合金が、更に、Ca、Zr、Ag、Cr、Cd、Be、Ti、Co、Au、Ptの含有量を、これらの元素の合計で1.0質量%以下とした請求項1〜3に記載の耐応力緩和特性に優れた銅合金。
  4. 前記銅合金が、更に、Hf、Th、Li、Na、K、Sr、Pd、W、S、C、Nb、Al、V、Y、Mo、Pb、In、Ga、Ge、As、Sb、Bi、Te、B、ミッシュメタルの含有量を、これらの元素の合計で0.1質量%以下とした請求項1〜4に記載の耐応力緩和特性に優れた銅合金。
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