JP4210705B1 - 耐応力緩和特性とプレス打ち抜き性とに優れた銅合金板 - Google Patents

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Abstract

【課題】プレス打ち抜き性を満たし、他の端子・コネクタとしての強度、耐応力緩和特性などの要求特性にも優れたCu−Ni−Sn−P系銅合金板を提供することを目的とする。
【解決手段】特定組成のCu−Ni−Sn−P系の銅合金板であって、この銅合金板表面の{200}面からのX線回折強度ピークの半価幅をそのピーク高さで割った値で測定される転位密度を、一定量以上有するようにして、端子・コネクタとして要求される耐応力緩和特性とプレス打ち抜き性とを向上させる。
【選択図】図1

Description

本発明は銅合金板に関し、特に、自動車用端子・コネクタなどの接続部品用として適する、耐応力緩和特性とプレス打ち抜き性とに優れた銅合金板に関するものである。
近年の自動車用端子・コネクタなどの接続部品には、エンジンルームのような高温環境下で信頼性を確保できる性能が求められる。この高温環境下での信頼性において最も重要な特性のひとつは、接点嵌合力の維持特性、いわゆる耐応力緩和特性である。
図4に、自動車用端子・コネクタなどの接続部品として、代表的な箱形コネ クタ(メス端子3)の構造を示す。図4(a)は正面図、図4(b)は断面図を示す。この図4において、メス端子3は、上側ホルダー部4に押圧片5が片持ち支持されている。そしてホルダー内にオス端子(タブ)6が挿入されると、押圧片5が弾性変形し、その反力によりオス端子(タブ)6が固定される。なお、図4において、7はワイヤ接続部、8は固定用舌片である。
この図4のように、銅合金板からなるばね形状部品に定常の変位を与え、オス端子(タブ)6 をメス端子のばね形状をした接点(押圧片)5で嵌合しているような場合には、エンジンルームのような高温環境下に保持されていると、時間の経過とともに、その接点嵌合力を失っていく。したがって、耐応力緩和特性とは、これら接続部品が高温環境下に保持されても、銅合金板からなるばね形状部品の接点嵌合力が大きく低下しない、高温に対する抵抗特性である。
図3(a)、(b)に、この規格による耐応力緩和特性の試験装置を示す。この試験装置を用い、短冊状に切り出した試験片1の一端を剛体試験台2に固定し、他端を片持ち梁式に持ち上げて反らせ(反りの大きさd)、これを所定の温度及び時間で保持した後、室温下で除荷し、除荷後の反りの大きさ(永久歪み)をδとして求める。ここで、応力緩和率(RS)は、RS=(δ/d)×100で表される。
このような耐応力緩和特性に優れる銅合金としては、従来から、Cu−Ni−Si系銅合金、Cu−Ti系銅合金、Cu−Be系銅合金などが広く知られているが、最近では、添加元素量が比較的少ないCu−Ni−Sn−P系銅合金が使用されている。このCu−Ni−Sn−P系銅合金は、大気中への開口部が広く開いた大規模溶解炉であるシャフト炉での造塊が可能で、その高生産性ゆえに大幅な低コスト化が可能となる。
このCu−Ni−Sn−P系銅合金自体の耐応力緩和特性の向上策も、従来から種々提案されている。例えば、下記特許文献1、2には、Cu−Ni−Sn−P系銅合金マトリックス中にNi−P金属間化合物を均一微細に分散させ、導電率を向上させると同時に耐応力緩和特性等を向上させることが開示されている。
また、下記特許文献2、3には、Cu−Ni−Sn−P系銅合金のP含有量を下げて、Ni−P化合物の析出を抑えた固溶型銅合金とすることが開示されている。更に、下記特許文献4には、Cu−Ni−Sn−P系銅合金板製造の際の仕上げ焼鈍の実体温度と保持時間とを規定して、導電率を向上させると同時に耐応力緩和特性等を向上させることが開示されている。
特許第2844120号公報 特許第3871064号公報 特開平11−293367号公報 特開2002−294368号公報 特開平2000−328158号公報 特開2002−339028号公報 特開2000−328157号公報 特開2006−63431号公報
しかし、これら耐応力緩和特性を向上させた従来のCu−Ni−Sn−P系銅合金は、プレス打ち抜き性があまり良くなかった。ただ、銅合金板を端子・コネクタに加工する際には、板のプレス打ち抜きのようなスタンピング加工される用途もあり、このような用途の銅合金板には、優れたプレス打ち抜き性が求められる。
用途や合金系は全く異なるが、リードフレーム用途のCu−Fe−P系銅合金板など、他の銅合金では、このプレス打ち抜き性を向上させる手段として、従来から、Pb、Caなどの微量添加や、破断の起点となる化合物を分散させるなどの化学成分を制御する手段や、結晶粒径などを制御する手段が汎用されている。しかし、これらの手段を、Cu−Ni−Sn−P系銅合金に適用しようとすると、制御自体が困難であったり、他の特性を劣化させたり、また、それゆえに製造コストの上昇につながるなどの問題を有している。
また、Cu−Fe−P系銅合金板の分野では、板の組織に着目して、プレス打ち抜き性や曲げ加工性を向上させることも多数提案されている(上記特許文献5〜8参照)。これらは、主として、銅合金板の結晶方位の集積度を制御することにより、プレス打抜き性を向上させている。
しかし、これらのCu−Fe−P系とは、合金系や特性が大きく異なるCu−Ni−Sn−P系の銅合金板においては、プレス打ち抜き性を向上させる手段は、これまであまり提案されてこなかった。この理由は、従来はCu−Ni−Sn−P系の銅合金板のプレス打ち抜き性を向上させる必要性や用途が少なかったせいもあるのではと推考される。
この点に鑑み、本発明は、端子・コネクタとしての耐応力緩和特性などの要求特性を満たして上で、更にプレス打ち抜き性に優れたCu−Ni−Sn−P系銅合金板を提供することを目的とする。
この目的を達成するための、本発明耐応力緩和特性とプレス打ち抜き性とに優れた銅合金板の要旨は、質量%で、Ni:0.1〜3.0%、Sn:0.01〜3.0%、P:0.01〜0.3%を各々含有し、残部銅および不可避的不純物からなる銅合金板であって、板表面の{200}面からのX線回折強度ピークの半価幅をそのピーク高さで割った値が1.0×10-4以上であることとする。
ここで、前記銅合金板が、更に、質量%で、Fe:0.5%以下、Zn:1%以下、Mn:0.1%以下、Si:0.1%以下、Mg:0.3%以下に抑制することが好ましい。また、前記銅合金が、更に、Ca、Zr、Ag、Cr、Cd、Be、Ti、Co、Au、Ptの含有量を、これらの元素の合計で1.0質量%以下とすることが好ましい。更に、前記銅合金が、Hf、Th、Li、Na、K、Sr、Pd、W、S、C、Nb、Al、V、Y、Mo、Pb、In、Ga、Ge、As、Sb、Bi、Te、B、ミッシュメタルの含有量を、これらの元素の合計で0.1質量%以下とすることが好ましい。
本発明ではCu−Ni−Sn−P系銅合金板組織の転位密度を制御する。即ち、Cu−Ni−Sn−P系銅合金板組織の転位密度を高くして、プレス打ち抜き性を向上させる。本発明者らの知見によれば、この転位密度は、Cu−Ni−Sn−P系銅合金板の圧延条件によって、その導入量を制御することが可能で、かつ、この転位密度制御によるプレス打ち抜き性の向上効果が大きい。
ここで、本発明は、前記した特許文献5〜8などのCu−Fe−P系銅合金などの板表面の特定結晶方位からのX線回折強度を規定して、特定の方位(結晶方位)の集積割合など、結晶の配向性の集合組織を制御するものではない。もともとランダムな方位を有している銅合金において、特定の方位の集積割合だけを増加させるには大きな限界がある。これは、前記した特許文献5〜8などの、特定の方位(結晶方位)の集積割合などの集合組織を制御する場合でも同じである。言い換えると、これら従来の集合組織の制御では、Cu−Fe−P系銅合金板だけではなく、Cu−Ni−Sn−P系銅合金板においても、プレス打ち抜き性向上効果には大きな限界がある。
ただ、本発明で制御する転位密度は、非常にミクロな問題であるので、Cu−Ni−Sn−P系銅合金板組織に導入された転位密度を直接観察、あるいは定量化することは非常に困難である。しかし、本発明者らの知見によれば、Cu−Ni−Sn−P系銅合金板組織に導入されたこの転位密度は、X線回折強度ピークの半価幅、それも、半価幅をX線回折強度ピーク高さで割った値と非常に良く相関する。
この場合、どのX線回折強度ピークでも、等しくこの転位密度とは相関する。ただ、本発明で規定している板表面の{200}面からのX線回折強度ピークが、他の面からのX線回折強度ピークに比べて、半価幅を除すべきX線回折強度ピークがあまり大きく(高く)なく、半価幅もそれなりにあるため、X線回折強度ピークの半価幅を高さで割った値の信頼性が高い。したがって、本発明では、板表面の{200}面からのX線回折強度ピークによって、この転位密度を、間接的にではあるが、正確かつ再現性あるかたちで規定、定量化する。
このように、本発明では、転位密度量と密接に相関する、板表面の{200}面からのX線回折強度ピークの半価幅で、この転位密度量を規定し、プレス打ち抜き性を向上させ、Cu−Ni−Sn−P系銅合金板に要求されるプレス打ち抜き性を満足させる。
(半価幅)
本発明では、プレス打ち抜き性を向上させるために、Cu−Ni−Sn−P系銅合金板表面の{200}面からのX線回折強度ピークの半価幅をそのピーク高さで割った値が1.0×10-4以上であるような、一定量以上の転位密度を有することとする。これによって、Cu−Ni−Sn−P系銅合金板の耐応力緩和特性とプレス打ち抜き性とを向上させることができる。
このX線回折強度ピークの半価幅をそのピーク高さで割った値が1.0×10-4未満では、板に導入されている転位密度が少なくなり、従来の転位密度が少なくいCu−Ni−Sn−P系銅合金板と大差がなくなり、耐応力緩和特性とプレス打ち抜き性とが低下するか、あるいは向上しない。
この半価幅は、周知の通り、図1に模式的に示すように、縦軸:X線回折強度、横軸:角度(2θ)で表されるX線回折強度ピーク(高さH)の、半分の位置(高さH/2)におけるX線回折強度ピークの幅(β)として定義される。
因みに、このX線回折強度ピークの半価幅は、通常は、金属表面の結晶性や非結晶性、結晶子サイズ、格子歪みを判別、定量化するために用いられる。これに対して本発明では、前記した通り、直接観察あるいは定量化することができない転位密度を、この転位密度と非常に良く相関する、板表面の{200}面からのX線回折強度ピークの半価幅βをそのピーク高さHで割った値(β/H)によって規定する。
なお、Cu−Ni−Sn−P系銅合金板表面のX線回折強度ピークとしては、他の{220}面からのX線回折強度ピークの半価幅(β)やそのピーク高さ(H)が最も大きい。しかし、X線回折強度ピークの高さが大きい(高い)と、半価幅を割るそのピーク高さも大きくなり、X線回折強度ピークの半価幅をそのピーク高さで割った値として小さくなり過ぎ、値自体の誤差が多くなり再現性に乏しくなる。このため、本発明では、X線回折強度ピークの半価幅をそのピーク高さで割った値が大きい(ピーク高さが大きくなく、半価幅がそれなりに大きい)、{200}面からのX線回折強度ピークを採用した。
したがって、本発明では、あくまで板への転位密度の導入状態を問題にするのであって、前記した、板表面の特定結晶面のX線回折強度ピークで、組織の集積割合、板表面の結晶粒径、あるいは圧延集合組織を制御するものではない。言い換えると、これらの板表面の特定結晶面のX線回折強度ピークでは、あるいは、組織の集積割合、板表面の結晶粒径、あるいは圧延集合組織などの制御では、板への転位密度の導入状態を規定も制御もできない。
(転位密度の導入)
Cu−Ni−Sn−P系銅合金板表面の{200}面からのX線回折強度ピークの半価幅をそのピーク高さで割った値が1.0×10-4以上であるような転位密度を導入するためには、後述する通り、最終冷間圧延での導入歪み量を大きくする。即ち、最終冷間圧延における、ロール径を80mmφ未満の小径ロールとするか、1パス当たりの圧下率(冷延率)を20%以上とする、などの手段を選択して使用するか、組み合わせて使用する。
(ばり高さ)
本発明では、日本伸銅協会技術標準JCBA T310「銅および銅合金薄板条のせん断試験方法」に準じた、銅合金板に、円形の丸穴を打抜くプレス打ち抜き試験で生じる「ばり高さ」によって、プレス打ち抜き性を正確に評価する。このばり高さが5μm以下であれば、Cu−Ni−Sn−P系銅合金板のプレス打ち抜き性が良いと評価できる。
この際、プレス打ち抜き試験におけるせん断面率測定に再現性を持たせるために、上記プレス打ち抜き試験において、再現性を保証できるだけの試験条件を具体的に規定する。即ち、上記プレス打ち抜き試験は、図2(a)に示す打ち抜きプレスを用い、10mmφのパンチにより、ダイホルダーに支持された円形状の丸穴を有するダイ上部に保持された銅合金板(試験片被加工材)を、上部から下部に向かって打抜く。パンチとのクリアランスは3%とし、銅合金板は上部から板状ストッパーにてダイ上部に固定する。潤滑油は日石三菱ユニプレスPA5を用いる。パンチ、ダイの材質はSKS−3とし、ダイ切刃長さ5mm、抜きダイテーパは0°とする。
これによって、銅合金板に生じた打抜き穴の側断面を図2(b)に示す、このように、打抜き穴の側断面を走査型顕微鏡で観察し、打抜き穴下部の周縁部に、下方に向けて突出する「ばりの高さ」(バリ、カエリの高さ:μm)を測定する。このとき、打抜き穴1個当たりの「ばり高さ」は、円形の打抜き穴円周を各90°に区切った4点の平均値とした上で、各銅合金板について6枚(6個)打ち抜き、更にその平均を「ばり高さ」(μm)とする。図2(b)において、tは銅合金板の厚み、aは打抜き穴のせん断面、bは打抜き穴の破断面、cは打抜き穴上部周縁部に発生するダレである。
(銅合金成分組成)
次に、本発明銅合金の成分組成につき、以下に説明する。本発明では、銅合金の成分組成を、前提として、前記した通り、シャフト炉造塊が可能で、その高生産性ゆえに大幅な低コスト化が可能なCu−Ni−Sn−P系銅合金とする。
そして、前記高効率化、高速化した自動車用端子・コネクタなどの接続部品を製造するプレス成形工程に対応し、自動車用端子・コネクタなどの接続部品としての要求特性をも満たす、強度、耐応力緩和特性、導電率にも優れさせるために、基本的に、Ni:0.1〜3.0%、Sn:0.01〜3.0%、P:0.01〜0.3%を各々含有し、残部銅および不可避的不純物からなる銅合金とする。
なお、各元素の含有量の%表示は、特許請求の範囲での記載を含めて、全て質量%の意味である。以下に、本発明銅合金の合金元素につき、その含有(添加)理由や抑制理由について説明する。
(Ni)
Niは、銅合金マトリックス中に固溶あるいはPなどの他の合金元素と微細な析出物や化合物を形成して、強度や耐応力緩和特性を向上させるのに必要な元素である。Niが0.1%未満の含有量では、最適な本発明製造方法によっても、0.1μm 以下の微細なNi化合物量やNiの固溶量の絶対量が不足する。このため、これらNiの効果を有効に発揮させるには、0.1%以上の含有が必要である。
但し、3.0%を超えてNiを過剰に含有させると、Niの酸化物、晶出物、析出物などの化合物が粗大化、あるいは粗大なNi化合物が増大する。この結果、却って微細なNi化合物量やNiの固溶量が低下する。また、これらの粗大化したNi化合物は、破壊の起点となるため、強度や曲げ加工性も低下する。したがって、Niの含有量は0.1〜3.0%の範囲、好ましくは、0.3〜2.0%の範囲とする。
(Sn)
Snは、銅合金マトリックス中に固溶して強度を向上させる。更に固溶しているSnは焼鈍中の再結晶による軟化を抑制する。Sn含有量が0.01%未満では、Snが少な過ぎて、強度を向上できない。一方、Sn含有量が3.0%を超えると、導電率が著しく低下するだけでなく、前記固溶しているSnが結晶粒界に偏析して、強度や曲げ加工性も低下する。したがって、Snの含有量は0.01〜3.0%の範囲、好ましくは0.1〜2.0%の範囲とする。
(P)
Pは、Niと微細な析出物を形成して、強度や耐応力緩和特性を向上させるのに必要な元素である。また、Pは脱酸剤としても作用する。0.01%未満の含有ではP系の微細な析出物粒子が不足するため、0.01%以上の含有が必要である。但し、0.3%を超えて過剰に含有させると、Ni−P金属間化合物析出粒子が粗大化し、強度や耐応力緩和特性だけでなく、熱間加工性も低下する。したがって、Pの含有量は0.01〜0.3%の範囲とする。好ましくは、0.02〜0.2%の範囲とする。
(Fe、Zn、Mn、Si、Mg)
Fe、Zn、Mn、Si、Mgは、スクラップなどの溶解原料から混入しやすい不純物である。これらの元素は、各々の含有効果があるものの、総じて導電率を低下させる。また、含有量が多くなると、シャフト炉で造塊しにくくなる。したがって、高い導電率を得る場合には、各々、Fe:0.5%以下、Zn:1%以下、Mn:0.1%以下、Si:0.1%以下、Mg:0.3%以下と規制する。言い換えると、本発明では、これら上限値以下の含有は許容する。
Feは、Snと同様に、銅合金の再結晶温度を高める。しかし、0.5%を超えると導電率が低下する。好ましくは、0.3%以下とする。
Znは、錫めっきの剥離を防止する。しかし、1%を超えると導電率が低下して高導電率を得られない。また、シャフト炉で造塊する場合は0.05%以下が望ましい。そして、自動車用端子として使用する温度領域(約150〜180℃)であれば、0.05%以下の含有でも錫めっきの剥離を防止できる効果がある。
Mn、Siには脱酸剤としての効果がある。しかし、0.1%を超えると、導電率が低下して高導電率を得られない。また、シャフト炉で造塊する場合には、更に、Mn:0.001%以下、Si:0.002%以下と各々することが望ましい。
Mgは耐応力緩和特性を向上させる作用がある。しかし、0.3%を超えると、導電率が低下して高導電率を得られない。また、シャフト炉で造塊する場合には、0.001%以下が望ましい。
(Ca、Zr、Ag、Cr、Cd、Be、Ti、Co、Au、Pt)
本発明銅合金は、更に、不純物として、Ca、Zr、Ag、Cr、Cd、Be、Ti、Co、Au、Ptを、これらの元素の合計で1.0%以下含有することを許容する。これらの元素は、結晶粒の粗大化を防止する作用があるが、これらの元素の合計で1.0%を越えた場合、導電率が低下して高導電率を得られない。また、シャフト炉で造塊しにくくなる。
この他、Hf、Th、Li、Na、K、Sr、Pd、W、S、C、Nb、Al、V、Y、Mo、Pb、In、Ga、Ge、As、Sb、Bi、Te、B、ミッシュメタルも不純物であり、これらの元素の合計で0.1%以下に制限することが好ましい。
(銅合金板製造方法)
次に、本発明銅合金板の製造方法について以下に説明する。本発明銅合金板の製造工程自体は、仕上げ焼鈍工程の条件を除き、常法により製造できる。即ち、成分組成を調整した銅合金溶湯の鋳造、鋳塊面削、均熱、熱間圧延、そして冷間圧延と焼鈍の繰り返しにより最終(製品)板を得る。但し、本発明銅合金板が、強度、耐応力緩和特性、プレス打ち抜き性などの必要な特性を得るためには、好ましい製造条件があり、以下に各々説明する。また、本発明で規定するX線回折強度ピークの半価幅とし、一定量以上の転位密度を導入するためには、後述する通り、最終の冷間圧延の条件を制御する必要がある。
先ず、前記した本発明銅合金組成の鋳造の際には、大規模溶解炉であるシャフト炉での高生産性な造塊が可能である。但し、銅合金溶解炉での合金元素の添加完了から鋳造開始までの所要時間を1200秒以内とし、更に、鋳塊の加熱炉より鋳塊を抽出してから熱延終了までの所要時間を1200秒以下と、できるだけ短時間とすることが好ましい。
このような、銅合金溶解炉での合金元素の添加完了から鋳造開始までの短時間化と、更に、鋳塊の加熱炉より鋳塊を抽出してから熱間圧延終了までの短時間化によって、粗大なNi化合物を抑制するとともに、微細なNi化合物量やNiの固溶量を確保することができる。この結果、銅合金板の、導電率、耐応力緩和特性、強度を確保できる。
なお、後段の主に冷延条件、焼鈍条件により、微細なNi化合物量やNiの固溶量を制御しようとしても、熱間圧延終了までの上記前段の工程において、微細なNi化合物量やNiの固溶量の絶対量が少なくなっている。更に、上記前段の工程において生成した粗大なNi化合物が多い場合には、冷延、焼鈍工程で析出した微細生成物は、この粗大生成物にトラップされてしまい、マトリックス中に独立して存在する微細生成物はますます少なくなる。このため、Niの添加量が多い割には、十分な強度と優れた耐応力緩和特性を得ることができなくなる可能性がある。
熱間圧延については、常法に従えばよく、熱間圧延の入り側温度は600〜1000℃程度、終了温度は600〜850℃程度とされる。熱間圧延後は水冷又は放冷する。
その後、冷間圧延と焼鈍とを繰り返し行なって、製品板厚の銅合金板などとする。焼鈍と冷間圧延は、最終(製品)板厚に応じて繰り返されても良い。冷間圧延は最終仕上げ圧延において30〜80%程度の加工率が得られるように、加工率を選択する。冷間圧延の途中に適宜中間の再結晶焼鈍を挟むことができる。
(最終冷間圧延)
銅合金板表面の{200}面からのX線回折強度ピークの半価幅をそのピーク高さで割った値が1.0×10-4以上であるような、一定量以上の転位密度を導入するためには、最終冷間圧延での導入歪み量を大きくする。即ち、最終冷間圧延におけるロール長さ(ロール幅)を500mm以上とした上で、ロール径を80mmφ未満の小径ロールとするか、あるいは1パス当たりの最小圧下率(冷延率、加工率)を20%以上とするかの手段を選択して使用するか、組み合わせて使用する。
最終冷間圧延におけるロール径が小さ過ぎる、1パス当たりの最小圧下率が小さ過ぎる、ロール長さが短過ぎると、銅合金板に導入される転位密度が不足する可能性が高い。このため、板表面の{200}面からのX線回折強度ピークの半価幅をそのピーク高さで割った値が1.0×10-4未満となり、従来の転位密度が少ない銅合金板と大差がなくなり、耐応力緩和特性とプレス打ち抜き性とが低下するか、向上しない。
この最終冷間圧延のパス数は、過少や過多のパス数を避けて、通常の3〜4回のパス数で行なうことが好ましい。また、1パス当たりの圧下率は50%を超える必要は無く、1パス当たりの各圧下率は、元の板厚、冷延後の最終板厚、パス数、前記1パス当たりの最小圧下率およびこの最大圧下率を考慮して決定される。
(仕上げ焼鈍)
仕上げ焼鈍は 仕上げ焼鈍温度は、板の実体温度として、最高到達温度が500〜800℃の範囲で行い、この温度範囲での保持時間は好ましくは10〜60秒とすることが好ましい。
最終仕上げ冷間圧延後の歪み取り焼鈍、あるいは安定化焼鈍は、実体温度250〜450℃×20〜40秒で行うのが望ましい。これにより最終仕上げ圧延で導入された歪みが除去され、かつ材料の軟化がなく強度の低下を抑制できる。
以下に本発明の実施例を説明する。最終冷間圧延におけるロール径と1パス当たりの最小圧下率を変えて、種々の板表面の{200}面からのX線回折強度ピークの半価幅(転位密度)を有する銅合金薄板を製造した。そして、これら各銅合金薄板の、導電率、引張強度、0.2%耐力、せん断面率、耐応力緩和特性などの諸特性を評価した。
具体的には、表1に示す各化学成分組成の銅合金(記載元素量を除いた残部組成はCu)を、それぞれコアレス炉にて溶製した後、半連続鋳造法(鋳造の冷却凝固速度2℃/sec)で造塊して、厚さ70mm×幅200mm×長さ500mmの鋳塊を得た。これら各鋳塊を、共通して、以下の条件にて圧延して銅合金薄板を製造した。各鋳塊の表面を面削して加熱後、加熱炉で960℃で加熱した後、直ちに熱延終了温度750℃で熱間圧延を行って厚さ16mmの板とし、650℃以上の温度から水中に急冷した。
この際、溶解炉での合金元素添加完了から鋳造開始までの所要時間は、各例とも共通して1200秒以下とし、加熱炉抽出から熱延終了までの所要時間は、各例とも共通して1200秒以下とした。
この板を、酸化スケールを除去した後、冷延→連続仕上げ焼鈍→冷延→歪み取り焼鈍を行なって、銅合金薄板を製造した。即ち、一次冷間圧延(粗冷間圧延、中延べ冷間圧延)後の板を面削した。この板の仕上げ焼鈍を、焼鈍炉にて、板の実体温度として、最高到達温度が600℃、この温度での保持時間60秒として行った。
この仕上げ焼鈍後に、圧下率を60%とした最終冷間圧延を行った。この最終冷間圧延のロール径(mm)と、1パス当たりの最小圧下率(%)とを、表1に各々示す。なお、最終冷間圧延では4パスとも同じロール径のロールを使用した。また、ロール径を変えても、各ロール長さは共通して500mmと一定にした。この最終冷間圧延後に、実体温度400℃×20秒間の低温の歪み取り焼鈍を行って、厚さ0.25mmの銅合金薄板を得た。
なお、表1に示す各銅合金とも、記載元素量を除いた残部組成はCuであり、その他の不純物元素として、Aグループの元素である、Ca、Zr、Ag、Cr、Cd、Be、Ti、Co、Au、Ptの含有量は、表1の発明例9(表2の発明例11)を除き、これらの元素の合計で1.0質量%以下であった。
また、Bグループの元素である、Hf、Th、Li、Na、K、Sr、Pd、W、S、Si、C、Nb、Al、V、Y、Mo、Pb、In、Ga、Ge、As、Sb、Bi、Te、B、ミッシュメタルの含有量は、表1の発明例10(表2の発明例12)を除いて、これらの元素全体の合計で0.1質量%以下であった。
このようにして得た銅合金板に対して、各例とも、銅合金板から試料を切り出し、各試料の導電率、引張強度、0.2%耐力、せん断面率、耐応力緩和特性などの諸特性を評価した。これらの結果を表2に各々示す。
(半価幅の測定)
銅合金板試料について、通常のX線回折法により、ターゲットにCoを用い、管電圧40kV、管電流200mA、走査速度2°/min、サンプリング幅0.02°、測定範囲(2θ)30°〜115°の条件で、理学電機製X線回折分析装置(型式:RINT1500)を用いてX線回折パターンを取得した。ここから、板表面の{200}面からのX線回折強度ピークの半価幅を前記した方法により求めた。測定は2箇所行い、半価幅はそれらの平均値とした。
(引張試験)
前記銅合金薄板から試験片を採取し、試験片長手方向が板材の圧延方向に対し直角方向となるように、機械加工にてJIS5号引張試験片を作製した。そして、5882型インストロン社製万能試験機により、室温、試験速度10.0mm/min、GL=50mmの条件で、伸びを含めた、機械的な特性を測定した。なお、耐力は永久伸び0.2%に相当する引張り強さである。
(導電率測定)
前記銅合金薄板から試料を採取し、導電率を測定した。銅合金板試料の導電率は、ミーリングにより、幅10mm×長さ300mm の短冊状の試験片を加工し、JIS−H0505に規定されている非鉄金属材料導電率測定法に準拠し、ダブルブリッジ式抵抗測定装置により電気抵抗を測定して、平均断面積法により導電率を算出した。
(ばり高さ測定)
前記した試験条件により銅合金板試料ばり高さを測定した。そして、ばり高さが5μm以下であれば○、ばり高さが5〜10μmを△、ばり高さが10μmを超えたものを×として評価した。
(応力緩和特性)
前記銅合金薄板の、圧延方向に対して、平行方向より厳しい直角方向の応力緩和率を測定し、この方向の耐応力緩和特性を評価した。下記応力緩和率測定試験において、圧延方向に対して直角方向の応力緩和率が10%未満のものが、耐応力緩和特性として合格となる。
応力緩和率は、具体的には、前記銅合金薄板から試験片を採取し、図3に示す片持ち梁方式を用いて測定した。幅10mmの短冊状試験片1(長さ方向が板材の圧延方向に対し直角方向になるもの)を切り出し、その一端を剛体試験台2に固定し、試験片1のスパン長Lの部分にd(=10mm)の大きさのたわみ量を与える。このとき、材料耐力の80%に相当する表面応力が材料に負荷されるようにLを決める。これを120℃のオーブン中に3000時間保持した後に取り出し、たわみ量dを取り去ったときの永久歪みδを測定し、RS=(δ/d)×100で応力緩和率(RS)を計算する。
表2から明らかな通り、表1の本発明組成内の銅合金(合金番号1〜10)である発明例1〜12は、最終冷間圧延におけるロール径と1パス当たりの最小圧下率などの製造方法も好ましい条件内で製造されている。このため、表2の発明例は、板表面の{200}面からのX線回折強度ピークの半価幅をそのピーク高さで割った値が1.0×10-4以上である転位密度を有する。
また、この他、発明例は、組成範囲が適切で、また上記した好ましい条件内で製造されているために、粗大なNiの酸化物、晶出物、析出物などのNi化合物が抑制され、微細なNi化合物などの量や、Niの固溶量を確保できているものと推考される。
この結果、前記発明例1〜9は、導電率が30%IACS以上で、圧延方向に対し直角方向のより厳しい応力緩和率が10%未満である端子・コネクタ特性を有している。そして、その上で、更に、0.2%耐力が500MPa以上であるとともに、プレス打ち抜き性にも優れる機械的特性を有する。即ち、発明例は、導電率、強度が高く、特に、プレス打ち抜き性や耐応力緩和特性に優れ、これら特性を兼備した銅合金板となっている。
ただ、表2の発明例の中でも、その他の元素量が前記した好ましい上限を越える発明例10、11(表1の合金番号9、10)は、導電率が比較的高い他の発明例に比して、導電率が低くなっている。発明例10は、元素Aグループ:Ca、Zr、Ag、Cr、Cd、Be、Ti、Co、Au、Ptの元素の合計が、表1の合金番号9の通り、前記した好ましい上限1.0質量%を越えて高い。発明例11は、元素Bグループ:Hf、Th、Li、Na、K、Sr、Pd、W、S、C、Nb、Al、V、Y、Mo、Pb、In、Ga、Ge、As、Sb、Bi、Te、B、ミッシュメタルの合計が、表1の合金番号10の通り、前記した好ましい上限0.1質量%を越えて高い。
表2の発明例4(表1の合金番号3)はNi含有量が下限値0.1%である。発明例5(表1の合金番号4)はNi含有量が上限値3.0%である。発明例6(表1の合金番号5)はSn含有量が下限値0.01%である。発明例7(表1の合金番号6)はSn含有量が上限値3.0%である。発明例8(表1の合金番号7)はP含有量が下限値0.01%である。発明例9(表1の合金番号8)はP含有量が上限値0.3%である。
また、最終冷間圧延におけるロール径と1パス当たりの最小圧下率などの製造条件が、下限側である発明例2は、発明例1よりも耐応力緩和特性、強度が比較的低い。
表2の比較例12〜17は、最終冷間圧延におけるロール径と1パス当たりの最小圧下率などの製造方法も好ましい条件内で製造されている。このため、比較例12〜17は、板表面の{200}面からのX線回折強度ピークの半価幅をそのピーク高さで割った値が1.0×10-4以上である転位密度を有する。にもかかわらず、これら比較例は、表1の合金番号11〜16の本発明組成外の銅合金を用いているために、導電率、強度、耐応力緩和特性、プレス打ち抜き性のいずれかが、発明例に比して著しく劣る。
比較例12はNiの含有量が下限を低めに外れている(表1の合金番号11)。このため、強度や耐応力緩和特性が低く、低強度のためプレス打ち抜き性も低い。比較例13はNiの含有量が上限を高めに外れている(表1の合金番号12)。このため、強度と導電率のバランスが低い。
比較例14はSnの含有量が下限を低めに外れている(表1の合金番号13)ため、強度が低すぎ、プレス打ち抜き性も低い。比較例15の銅合金はSnの含有量が上限を高めに外れている(表1の合金番号14)ため、導電率が著しく低い。
比較例16はPの含有量が下限を低めに外れている(表1の合金番号15)ため、強度、耐応力緩和特性、プレス打ち抜き性が低い。比較例17はPの含有量が上限を高めに外れている(表1の合金番号16)ため、熱間圧延中に割れを生じて、特性評価ができなかった。
表2の比較例18、19は、表1の本発明組成内の銅合金(合金番号1、2)であり、他の製造条件も発明例と同じく好ましい範囲内である。にもかかわらず、最終冷間圧延の条件のみが好ましい範囲から外れる。比較例18は最終冷間圧延の1パス当たりの最小圧下率(%)が小さすぎる。比較例19は最終冷間圧延のロール径(mm)が大きすぎ、1パス当たりの最小圧下率(%)とが小さすぎる。
この結果、比較例18、19は、板表面の{200}面からのX線回折強度ピークの半価幅をそのピーク高さで割った値が1.0×10-4未満であり、転位密度が少なすぎる。この結果、これら比較例はプレス打ち抜き性が発明例に比して著しく劣る。また、強度、耐応力緩和特性も、発明例に比して低い。
以上の結果から、プレス打ち抜き性を満たし、他の端子・コネクタとしての強度、耐応力緩和特性などの要求特性にも優れたCu−Ni−Sn−P系銅合金板を得るための、本発明銅合金板の成分組成、組織、更には、この組織を得るための好ましい製造条件の意義が裏付けられる。
Figure 0004210705
Figure 0004210705
以上説明したように、本発明によれば、プレス打ち抜き性を満たし、他の端子・コネクタとしての強度、耐応力緩和特性などの要求特性にも優れたCu−Ni−Sn−P系銅合金板を提供することができる。この結果、特に自動車用端子・コネクタなどの接続部品用として好適である。
X線回折強度ピークの半価幅を示す模式図である。 せん断面率の測定方法を示す説明図である。 銅合金板の耐応力緩和試験を説明する断面図である。 箱形コネクタの構造を示す断面図である。
符号の説明
1:試験片、2:試験台、3:箱形コネクタ(メス端子)、4:上側ホルダー部、5:押圧片、6:オス端子、7:ワイヤ接続部、8:固定用舌片

Claims (4)

  1. 質量%で、Ni:0.1〜3.0%、Sn:0.01〜3.0%、P:0.01〜0.3%を各々含有し、残部銅および不可避的不純物からなる銅合金板であって、板表面の{200}面からのX線回折強度ピークの半価幅をそのピーク高さで割った値が1.0×10-4以上であることを特徴とする耐応力緩和特性とプレス打ち抜き性とに優れた銅合金板。
  2. 前記銅合金板が、更に、質量%で、Fe:0.5%以下、Zn:1%以下、Mn:0.1%以下、Si:0.1%以下、Mg:0.3%以下とした請求項1に記載の耐応力緩和特性とプレス打ち抜き性とに優れた銅合金板。
  3. 前記銅合金板が、更に、Ca、Zr、Ag、Cr、Cd、Be、Ti、Co、Au、Ptの含有量を、これらの元素の合計で1.0質量%以下とした請求項1または2に記載の耐応力緩和特性とプレス打ち抜き性とに優れた銅合金板。
  4. 前記銅合金板が、Hf、Th、Li、Na、K、Sr、Pd、W、S、C、Nb、Al、V、Y、Mo、Pb、In、Ga、Ge、As、Sb、Bi、Te、B、ミッシュメタルの含有量を、これらの元素の合計で0.1質量%以下とした請求項1乃至3のいずれか1項に記載の耐応力緩和特性とプレス打ち抜き性とに優れた銅合金板。
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