JP2007167108A - 血液透析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】透析装置の回路内からほぼ完全に気泡を除去することが可能であり、しかも脱血時においても回路内に気泡が混入することを防止でき、加えて確実に返血完了を判断することが可能な血液透析装置を提供すること。
【解決手段】ダイアライザの動脈側に血液ポンプを有する動脈側血液回路を接続し、ダイアライザの静脈側に静脈チャンバを有する静脈側血液回路を接続するとともに、前記ダイアライザの側面に、透析液供給ライン及び透析液排出ラインをそれぞれ接続して構成された血液透析装置において、自動プライミング行程の段階で前記静脈側血液回路の静脈チャンバに設けたオーバーフローラインのクランプの開閉操作と血液ポンプの送液による気泡除去動作に加えて、前記血液ポンプに脈流動作を行なわせることにより、血液回路内の残留気泡を確実に除去し得るように構成したこと。
【選択図】図1

Description

本発明は、医療領域における腎不全患者の血液を浄化するための血液透析装置に関するもので、詳しくは血液回路内の気泡を除去すると共に、脱血時の気泡が患者体内に混入しないようにした、かつ、返血完了を確実に判断し得る血液透析装置に係る。
一般に、血液透析治療は、透析の準備段階であるプライミング工程、穿刺後の脱血工程、血液浄化を体外循環で行う透析工程、浄化した血液の返血工程からなり、また、これらの工程を実施するための透析設備としては、血液の体外循環で浄化を行う血液透析器(ダイアライザ)、該ダイアライザを挟んで配置される血液を体外循環させる血液回路、及びダイアライザに接続する透析液供給系の3つの部分から構成される。
血液透析医療において、透析準備から治療終了までの一連の工程を安全かつ迅速に遂行するために、これらの全ての工程を自動化することが重要であり、しかも、コスト面でも有利であることは明白である。本件発明者らもこのような狙いをもって種々研究・実験を重ねた結果、特許文献1に示す自動透析装置を開発した。該特許文献1では、半透膜を介して血液と透析液を接触させて血液を浄化するダイアライザ、血液を循環させる血液循環系、及び透析液を給排液する透析液給排液系とからなり、前記血液循環系は患者から血液を導出してダイアライザに流入させる動脈側血液回路とダイアライザから流出した血液を患者に戻す静脈側血液回路を有し、前記透析液給排液系は透析器に対し透析液を給排液するラインを有し、前記両血液回路のうち少なくとも一方の回路に血液ポンプ、他方の血液回路に血液チャンバとそのオーバーフローラインを連結し、前記透析液の給排液ラインにそれぞれ第1及び第2送液手段を設け、該給排液ラインの少なくとも一方にバイパスラインを設け、該バイパスラインに第3送液手段を配置すると共に、該バイパスラインに除水/補液のため透析液の送液量を調整可能とする正逆両方向に送液可能な第3送液手段を有し、かつ第3送液手段の送液速度と血液ポンプの送液速度とが互いに連動調整可能である自動プライミング機能を備えた自動血液透析装置において、自動プライミング時血液回路閉塞検出機能、自動プライミング時陰圧解消逆濾過機能、脱血開始時静脈側クランプ作動遅延機能、動脈側脱血不良検出機能、急速補液機能及びダイアライザ交換機能よりなるグループから選択された少なくとも一つの機能を有することを特徴としている。
一方、この種の血液透析装置においては、そのプライミング時に回路内に残留する気泡が問題となる。気泡は体内に入ると重大な事態を引き起こすこと(ダイアライザ内に残留すると血栓、残血の原因となる)から、完全にプライミングの際に除去する必要がある。従来では、自動プライミングの際、供給される洗浄液(生理食塩水もしくはこれと同等の溶液)によって、静脈側の血液チャンバに残留する気泡をオーバーフローラインに送り、オーバーフローライン中に設けたエアー抜きバルブの開閉によって気泡を除去していた。また、これ以外でも気泡の確実な検出やその巻き込みを防止するための提案も種々なされている(例えば、特許文献2及び3など)。
更に、エアー混入は、プライミング時に限らず、脱血行程においても問題となる。プライミング工程終了後、自動脱血開始前に血液回路の動静脈バイパス部を分離したときに、液ダレなどで血液回路の接続部に気泡が入り込むおそれがある。この状態で脱血を開始すると、特に静脈側では気泡が患者側へ混入する危険性があるため、特許文献1では、脱血を開始する前に静脈チャンバ下のクランプを閉止して除水方法での自動脱血を開始し、その後一定期間経過後に静脈チャンバ下部のクランプを開放し、血液回路を陰圧にして患者側への気泡混入を防止している。
更にまた、上記の事項以外に、例えば、返血時において確実に返血完了の時点を把握することが重要であるが、この点に関しては従来では余り提案がされていなかった。僅かに、返血時の流体の種別を確認可能とする装置として、特許文献4が知られているが、この装置は返血チャンバー内の流体を発光素子及び受光素子からなる光検出手段で常に透過監視し、流体が血液と生理食塩水の一定以下の混合比又は混合泡となったときにその透過光レベルを検出して閉止手段とポンプの停止により返血作業を直ちに終了するようにしている。
特開2003−180823号公報 特開2005−46404号公報 特開平6−142193号公報 特公平5−74378号公報
しかしながら、上記した特許文献1の装置においては、ほぼその目標とするところは達成されたが、より一層の高い安全性及び確実性を得るためには、自動プライミング工程における回路内の残留気泡の除去の面、脱血時の血液回路の接続部における気泡吸込みの問題、返血完了の判定の不確実性の面、でより一層の改良の余地が残されている。
すなわち、特許文献1ではプライミング工程での気泡除去を、上述の如く静脈側血液チャンバのオーバーフローライン中に設けたエアー抜きバルブの開閉によって行っていたが、このバルブ開閉操作だけでは空気が残留し、完全に気泡を除去することはできなかった。また、気泡検出に関連する特許文献2は、気泡検知システムとしては優れているが、気泡混入の防止対策に関して具体的に提示しておらず、更に、特許文献3については、ダイアライザや血液回路にエアが巻き込まれるのを防止するため、洗浄操作及び返血操作における洗浄液の供給時に、血液ポンプに接続した演算制御部によって洗浄液の積算液量又は重量が設定量に達したとき、血液ポンプの運転を停止するようにしているが、ダイアライザの膜面積の違いによる充填ボリュームの差が返血時の洗浄液量の差となり、すべての場合で、同レベルの返血ができないという問題があった。
次に、脱血工程から透析工程に移行したときに回路内に入った気泡が患者に流入しないようにするため特許文献1では、動・静脈側ほぼ同時に脱血していたが、これでは静脈側の留置針との接続部へ混入した空気が、脱血不良などの要因で、確実にチャンバまで移動または混入が防止されるとは限らない。
更に、特許文献4の従来の装置では、設備が複雑でかつコスト面でも不利であり、しかも返血完了の判断が精度的に必ずしも高いとはいえなかった。すなわち、該特許文献4には意図した量以上の返血が行われ、除水不足の可能性が生じるという問題があった。
本発明は、上記した従来技術の問題点を解決するためになされたもので、透析装置の回路内からほぼ完全に気泡を除去することが可能であり、しかも脱血時においても回路内に気泡が混入することを防止でき、加えて確実に返血完了を色と、装置で設定する返血量で判断することが可能な血液透析装置を提供することを課題とする。
まず、透析装置の回路内から気泡を除去するという課題を解決するための本発明の第1の血液透析装置は、ダイアライザの動脈側に血液ポンプを有する動脈側血液回路を接続し、ダイアライザの静脈側に静脈チャンバを有する静脈側血液回路を接続するとともに、前記ダイアライザの側面に、透析液供給ライン及び透析液排出ラインをそれぞれ接続して構成された血液透析装置において、自動プライミング行程の段階で前記静脈側血液回路の静脈チャンバに設けたオーバーフローラインのクランプの開閉操作及び静脈チャンバ下部のクランプの開閉操作と血液ポンプの送液による気泡除去動作に加えて、前記血液ポンプによる脈流動作を利用して気泡を静脈チャンバを経由してオーバーフローラインから排出し得るように構成したことを特徴とする。この血液ポンプの脈流動作は、ポンプの回転数を定間隔で変化させることにより行なわせ、気泡を静脈チャンバを経由して排出し、プライミング時にはオーバーフローラインのクランプの開閉操作によって除去する。
次に、本発明の第2の血液透析装置は、ダイアライザの動脈側に血液ポンプを有する動脈側血液回路を接続し、ダイアライザの静脈側に静脈側血液回路を接続するとともに、ダイアライザの側面に、透析液供給ライン及び透析液排出ラインをそれぞれ接続して構成された血液透析装置において、自動プライミング後の脱血操作を、前記静脈側血液回路からの脱血を動脈側血液回路の脱血よりも先行して行うように構成したことを特徴とする。
上記の静脈側血液回路からの先行脱血操作は、血液ポンプを停止することで行なう。また、静脈側血液回路に設けた静脈チャンバに圧力計を設け、該圧力計の圧力が一定圧以下(陰圧)を維持しているときに、静脈側の脱血操作を開始することが好ましい。
また、本発明の第3の血液透析装置は、ダイアライザの動脈側に血液ポンプを有する動脈側血液回路を接続し、ダイアライザの静脈側に静脈側血液回路を接続するとともに、ダイアライザの側面に、透析液供給ライン及び透析液排出ラインをそれぞれ接続して構成された血液透析装置において、前記静脈側血液回路に設けた静脈チャンバ内或いはその下方の血液回路の血液の透明度もしくは赤色度を判定することで返血の完了を判断するように構成したことを特徴とする。
上記の血液回路の血液の透明度もしくは赤色度の判定は、一定波長の光を血液回路へ入光し、その反射或いは透過する光強度により判定することが望ましい。
本発明に係る血液透析装置によれば、まず、微小気泡も含めて回路内の気泡をほとんど静脈側チャンバ内に集中して経由し、プライミング時にはこれをほぼ完全にクランプの開閉操作にて系外に排出し得ると共に、脱血時に発生するおそれのある気泡についても回路内のエアトラップへと確実に移行させることが可能となり、気泡が患者の体内に入る危険性を低減できる。更に、本発明の透析装置においては、確実に返血終了のタイミングを知ることができ、透析工程全体の効率化を図ることに役立つと同時に、適切な返血量設定が可能となり、患者への余分な水分の流入を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明を実施する上で最適な自動透析装置の概要を示す模式図であり、血液の体外循環により血液浄化を行うダイアライザ1の動脈側に動脈側血液回路2を接続し、静脈側に静脈側血液回路3を接続するとともに、ダイアライザ1の側面に、透析液供給ライン4及び透析液排出ライン5がそれぞれ接続している。動脈側血液回路2には、患者の動脈側接続部6aから脱血しダイアライザ1に導く血液ポンプ7と、プライミング時に回路内に混入した気泡を除去するなどの機能を有する動脈側チャンバ8が設けられている。また、患者の静脈側接続部6bに返血するための静脈側血液回路3には、回路内に混入した気泡及び余剰な透析液をオーバーフローライン9に排出する機能と共に治療中の圧力測定と、空気のトラップ機能を有する静脈側チャンバ10が設けられている。
前記静脈側チャンバ10には、圧力計15が接続されており、該圧力計15によって静脈側血液回路3の静脈圧が検出される。また、オーバーフローライン9にはラインを開閉するためのバルブ等からなるクランプ手段16が設けられており、この開閉操作により静脈側チャンバ10内に経由した気泡を排出することができる。更に、静脈側チャンバ10の下方には、静脈側血液回路3内の気泡を検出するための気泡センサ17と、該静脈側血液回路3の開閉操作を行うためのクランプ手段18を設けており、前記気泡センサ17が気泡を検出したときに該クランプ手段18を閉止することで気泡が患者体内に混入することを防止している。
一方、前記透析液供給ライン4及び透析液排出ライン5に、それぞれ第1送液手段11(透析液供給側)及び第2送液手段12(透析液排液側)を設けると共に、透析液排出ライン5における第2送液手段12の上流側と下流側とを連絡するバイパスライン13を設け、該バイパスライン13に除水/補液のための透析液の量を調整可能とする正逆両方向に送液可能な第3送液手段14が設けられている。図示の例では、正逆両方向に送液可能なバイパスラインは、透析液排出ライン5にのみ設けた場合を示したが、本発明ではこれに限定することなく、透析液供給ライン4にのみ或いは透析液供給ライン4及び透析液排出ライン5の両方に設けることもできる。
上記の構成からなる透析装置において実際の血液透析を実施する場合には、治療開始前に血液回路やダイアライザの洗浄を行うプライミング行程、血液を体内から引き出す穿刺後の脱血行程、体外循環を行うためのダイアライザにおける拡散・濾過による透析行程、血液回路内の血液を体内に戻す返血行程を経ることになる。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて順次説明する。
(1)自動プライミング時における回路内残留気泡の除去
図1の矢印に示すように、自動プライミング時には透析液供給ライン4から血液回路2、3及びダイアライザ1内にプライミング液(通常は生理食塩水)を供給・流動させて、回路及びダイアライザ内の気泡や溶剤などを除去し、最終的にプライミング液を回路及びダイアライザ内に充満させ、洗浄操作を行なう。このとき回路内に気泡が残存することがあるが、これはオーバーフローライン9のクランプ手段16(バルブ)を開閉することで空気を抜いて行っていたが、これだけでは不十分であり、回路内には空気(気泡)が残存していた。このため本発明では、血液ポンプ7の脈動動作を利用して回路内の気泡のほぼ完全な除去を行うものである。
すなわち、図1に示す動脈側血液回路2にある血液ポンプ7は、通常ローラポンプ方式を採用していることから、該ポンプの脈流動作を利用して、残存する気泡を除去することが可能であれば、別個に特別な手段を設ける必要がないため、操業面でもまた設備面でも有利である。本発明において付与する血液ポンプ7の脈流動作は、血液ポンプ(ローラポンプ)の回転速度を定間隔で緩速・急速の2段階に切り換えることで行なわせる。血液ポンプ7から矢印方向に流れる液は、接続状態にある血液回路の先端部6a、6bを経て静脈チャンバ10内に入るが、この液は血液ポンプ7の前記した変動脈流動作により独特な脈流となっているので、回路内の気泡を静脈チャンバ内を経由してオーバーフローライン9へ排出させることができる。液のこのような脈流動作は回路(チューブ)内面に付着している微小気泡の除去にも役立つ。捕捉された気泡は静脈チャンバ10からオーバーフローライン9へ送られ、オーバーフローライン内に設けたバルブ16の開閉操作によって除去される。この気泡の除去に伴っては、自動プライミングによる生理食塩水あるいは透析液の注入が同時に行われる。最後に順方向のリサキュレーションを行う。
図4は血液ポンプに脈流動作を行わせる場合のパターン例を示すもので、縦軸にポンプ回転速度(V)、横軸に時間(t)をとり、低速時(50〜100mL/minの供給量)と高速時(200〜400mL/minの供給量)との間で、5〜10秒の間隔で切り替えを行うことが望ましい。特に、本発明に基づく好適な脈流動作を行わせるには、速度の傾き(加速度)が重要であり、図示のようなパターンが最適である。
(2)脱血時の留置針との接続時の空気吸い込み防止
図2に示す如く、プライミング行程が終了し脱血行程に移行するとき、動脈・静脈側血液回路の接続部6a、6bを脱離し、接続部に存在するエアを除去してから、患者に穿刺されている穿刺針に接続し、脱血操作を開始する。この際、患者に気泡が混入すると、脱血行程から透析行程に移行したときに回路内に入った気泡が患者に流入する危険があるので、これを防止するため、本発明では先に静脈側から脱血を開始し、その後動脈側からも脱血する操作を行なう。静脈側から先行して脱血することにより、仮に気泡が混入したとしても、静脈圧圧力計により、脱血不良状態をモニターすることによって、予定通り脱血により、静脈側血液チャンバ10まで気泡を移動させることができたかを判断でき、しかも気泡は静脈側血液チャンバによってトラップされ、患者への混入の危険性が低くなる。ここでもし、静脈圧圧力計によって脱血不良が検出されれば、混入したエアーもチャンバまで達していないと判断できる。静脈側から先行して脱血する方法としては、動脈側の血液ポンプを停止状態にしておけば、脱血は静脈側より始まる。
また、静脈側の脱血後の動脈側の脱血開始のタイミングは、例えば静脈チャンバ10内の圧力(圧力計15で検出した静脈圧P)が一定圧以下に下がらず(脱血不良状態でないこと)設定量の脱血が行われた時点で開始する。静脈側の脱血と動脈側の脱血の両方を行う場合には、例えば第3送液手段14の1/2の速度で血液ポンプ7を回転させればよいし、動脈側だけから脱血させるときには血液ポンプ7を第3送液手段14と同じ速度で回転させればよい。
なお、上記の一定圧力とは、何らかの原因で正常な脱血操作が阻害され、静脈側血液回路3内の圧力が下がり、脱血不良と判断されるに至った圧であり、通常は−200mmHg程度である。
(3)返血完了の確認
治療後のダイアライザ及び血液回路内の血液は安全かつ速やかに体内へ戻す(返血)ことが要求されるが、この返血完了は主に目視によって回路の透明度及び赤色度及び生理食塩水などの使用量を判定し行っていた。しかし、この判定は個人差がありかなりの熟練度を要するものであり、必ずしも正確とは言えなかった。例えば、返血完了を早めに行うと、回路内に残る血液量が多くなるという不都合が、逆に遅くなって場合には、過剰な水分が患者体内に入ってしまうという問題が生じる。このため精度の高い返血完了の判別手段が求められていた。
高精度の返血完了判別手段を備えた透析装置を得るため、本発明においては、図3に示す如く、発光素子から一定波長の光(赤色、緑色等)を血液回路へ入光し、受光素子にて受光してその透過する光強度を測定し、回路内の透明度を判定するようにした。光の透過でなく反射を利用しても良い。また、透明度に限らず、赤色度を判定し返血完了を判断しても良く、両方を判定して判断すればより精度が高まる。また、レーザセンサー方式を用いて色の濃度を判定して返血完了を判断することもできる。
図3(a)の具体例では、発光側19と受光側20を一体に組み込んでなる先端部21に光ファイバ22を介して適宜の発光源、信号処理回路、制御回路等(図示せず)に接続し、血液回路23に照射した一定波長の光の反射光を受光してその光強度を測定して透明度を判定し、予め設定しておいた範囲に入ったときに返血完了を検知するようにしている。また、図3(b)では、固定具24の溝内に発光部と受光部を有する先端部21を設けておき、この溝内に血液回路23をセットして前記と同一原理で返血完了を検知している。この場合、血液回路23に対し先端部21をオフセット(s)して固定することが好ましい。これは反射光を受光する場合、オフセットさせて受光量を調整しなければ、入光したものがチューブ表面で反射されてしまい、色の判別が困難となるからである。なお、先端部21は回路チューブとの位置関係を任意に設定し、固定可能にしておく。
本発明に係る第1番目の血液透析装置の実施形態例を示す全体概要図である。 本発明に係る第2番目の血液透析装置の実施形態例を示す全体概要図である。 本発明に係る第3番目の血液透析装置の実施形態例の要部を示す説明図である。 本発明において採用する脈流動作のパターン例を示す説明図である。
符号の説明
1 ダイアライザ 2 動脈側血液回路
3 静脈側血液回路 4 透析液供給ライン
5 透析液排出ライン 6a 動脈側接続部
6b 静脈側接続部 7 血液ポンプ
8 動脈側チャンバ 9 オーバーフローライン
10 静脈側チャンバ 11 第1送液手段
12 第2送液手段 13 バイパスライン
14 第3送液手段 15 静脈圧圧力計
16 クランプ手段(オーバーフローライン)
17 気泡センサ 18 クランプ手段(静脈側血液回路)
19 発光側 20 受光側
21 先端部 22 光ファイバ
23 血液回路 24 固定具

Claims (7)

  1. ダイアライザの動脈側に血液ポンプを有する動脈側血液回路を接続し、ダイアライザの静脈側に静脈チャンバを有する静脈側血液回路を接続するとともに、前記ダイアライザの側面に、透析液供給ライン及び透析液排出ラインをそれぞれ接続して構成された血液透析装置において、自動プライミング行程の段階で前記静脈側血液回路の静脈チャンバに設けたオーバーフローラインのクランプの開閉操作及び静脈チャンバ下部のクランプの開閉操作と血液ポンプの送液による気泡除去動作に加えて、前記血液ポンプによる脈流動作を利用して気泡を静脈チャンバを経由してオーバーフローラインから排出し得るように構成したことを特徴とする血液透析装置。
  2. 血液ポンプの脈流動作は、ポンプの回転数を定間隔で変化させることにより行なわせ、気泡を静脈チャンバを経由してオーバーフローラインから排出し得るようにしたことを特徴とする請求項1記載の血液透析装置。
  3. ダイアライザの動脈側に血液ポンプを有する動脈側血液回路を接続し、ダイアライザの静脈側に静脈側血液回路を接続するとともに、ダイアライザの側面に、透析液供給ライン及び透析液排出ラインをそれぞれ接続して構成された血液透析装置において、プライミング後の脱血操作を、前記静脈側血液回路からの脱血を動脈側血液回路の脱血よりも先行して行うように構成したことを特徴とする血液透析装置。
  4. 静脈側血液回路からの先行脱血操作は、血液ポンプを停止することで行なうことを特徴とする請求項3記載の血液透析装置。
  5. 静脈側血液回路に設けた静脈チャンバに圧力計を設け、該圧力計の圧力が一定圧以下(陰圧)を維持しているときに、静脈側の脱血操作を開始することを特徴とする請求項3又は4記載の血液透析装置。
  6. ダイアライザの動脈側に血液ポンプを有する動脈側血液回路を接続し、ダイアライザの静脈側に静脈側血液回路を接続するとともに、ダイアライザの側面に、透析液供給ライン及び透析液排出ラインをそれぞれ接続して構成された血液透析装置において、前記静脈側血液回路に設けた静脈チャンバ内或いはその下方の血液回路の血液の透明度もしくは赤色度を判定することで返血の完了を判断するように構成したことを特徴とする血液透析装置。
  7. 血液回路の血液の透明度もしくは赤色度の判定は、一定波長の光を血液回路へ入光し、その反射或いは透過する光強度により判定することを特徴とする請求項6記載の血液透析装置。
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