JP5222706B2 - 血液浄化装置及びその血液流量演算方法 - Google Patents

血液浄化装置及びその血液流量演算方法 Download PDF

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本発明は、患者の血液を体外循環させつつ浄化する血液浄化装置及びその血液流量演算方法に関するものである。
一般に、血液浄化療法、例えば透析治療においては、患者の血液を体外循環させるべく可撓性チューブから成る血液回路が使用されている。この血液回路は、患者から血液を採取する動脈側穿刺針が先端に取り付けられた動脈側血液回路と、患者に血液を戻す静脈側穿刺針が先端に取り付けられた静脈側血液回路とから主に成り、これら動脈側血液回路と静脈側血液回路との間にダイアライザを介在させ、血液ポンプを駆動させることにより体外循環する血液の浄化を行っている。
かかるダイアライザは、内部に複数の中空糸が配設されており、それぞれの中空糸の内部を血液が通過するとともに、その外側(中空糸の外周面と筐体の内周面との間)に透析液を流し得る構成とされている。中空糸は、その壁面に微小な孔(ポア)が形成されて血液浄化膜を成しており、中空糸内部を通過する血液の老廃物等が血液浄化膜を透過して透析液内に排出されるとともに、老廃物が排出されて浄化された血液が患者の体内に戻るようになっている。また、透析装置内には、患者の血液から水分を取り除くための除水ポンプが配設されており、透析治療時にダイアライザを通過する血液に対して除水が行われるように構成されている。
ところで、上記の如き透析装置で適用される血液ポンプは、通常、血液回路をしごいて一定の血液を患者から採取及び返血する所謂しごき型ポンプで構成されており、当該血液回路を体外循環する血液流量は、血液ポンプの1回転当たりの吐出量と時間当たりの回転数とによって求められる。
しかしながら、血液ポンプの流量は、所定条件(例えば、ヘマトクリット値が30%程度の牛血を用いた場合等)での血液ポンプの1回転当たりの吐出量と時間当たりの回転数の関係で設定されているため、実際に体外循環される血液の性質とは必ずしも一致せず、設定流量と実血流量(血液回路を流れる実際の血流量)とにずれが生じてしまうことがあった。また、患者のシャント(外科手術により動脈と静脈とを連結させた部位)部位から脱血する際、穿刺針の穿刺不良や穿刺針近傍の血液回路を構成するチューブの折れ曲がり、或いは血管の狭窄により脱血不良が生じると、血液ポンプ上流側が陰圧となってしまい、その吐出量が規定値より少なくなることがあり、設定流量と実血流量とにずれが生じてしまうことがあった。
上記の如く設定流量と実血流量とにずれが生じてしまうと、所定の透析効率が得られないことから、所望の透析効率を得るため実血流量を精度よく検出するものが望まれているのが実情である。かかる事情により、従来より、血液ポンプの回転数とは異なるパラメータを用いて血液回路を流れる実際の血流量(実血流量)を求めることが種々提案されるに至っている。例えば、特許文献1で示すように、ダイアライザ入口圧(例えば、動脈側血液回路のドリップチャンバ内における液圧)の振幅に基づいて脱血圧(動脈側血液回路における動脈側穿刺針近傍の液圧)を求めるとともに、予め実験的に求めておいた当該脱血圧と実血流量との関係を示す特性曲線から血液回路を体外循環する血液の流量(実血流量)を求めるものが提案されている。
しかしながら、この場合、実血流量を求めるためには、予め実験的に求めておく特性関係(具体的には、ダイアライザ入口圧と脱血圧との関係、及び脱血圧と実血流量との関係)が2重に必要であり、患者個々の個人差に基づく測定誤差を生じ易いという問題があった。また、実血流量を求める毎にドリップチャンバ(動脈側ドリップチャンバ)の液面高さを調整する必要があり、極めて手間がかかってしまい作業性が悪化してしまうという不具合もあった。
かかる問題を解消すべく、例えば非特許文献1で開示されているように、ダイアライザの上流側(動脈側血液回路の何れかの部位)と下流側(静脈側血液回路の何れかの部位)とにそれぞれ血液の濃度指標としてのヘマトクリット値を検出し得るヘマトクリットセンサ(検出手段)を配設しておき、各ヘマトクリットセンサにて検出されたヘマトクリット値に基づいて真の血液流量(実血流量)を演算することが提案されている。
特開2006−304917号公報 透析会誌41(2):第127頁〜第131頁、2008 新しい実血流量測定法(CRIT−2点法)の考案 東京女子医科大学臨床工学部 江口圭、小田順一、角田飛鳥、金野好恵、山田祐史、金子岩和、峰島三千男 著
しかしながら、上記従来の血液浄化装置においては、ヘマトクリットセンサがダイアライザの上流側と下流側との2つ必要であるため、それぞれのヘマトクリットセンサの固体差(性能誤差)により精度よく真の血液流量(実血流量)を求めることができない虞があった。然るに、2つのヘマトクリットセンサの固体差をなくすためにキャリブレーション時間が必要となるとともに、そのキャリブレーションのため実血流量を求めるための作業が煩わしくなってしまうという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、検出手段の固体差に関係なく、血液回路を体外循環する実血流量を短時間で且つ精度よく求めることができる血液浄化装置及びその血液流量演算方法を提供することにある。
請求項1記載の発明は、患者の血液を体外循環させるための動脈側血液回路及び静脈側血液回路から成る血液回路と、前記動脈側血液回路と静脈側血液回路との間に接続され、当該血液回路を流れる血液を浄化する血液浄化手段と、該血液浄化手段を通過する患者の血液に対して除水する除水手段と、前記血液回路で体外循環する患者の血液の濃度指標を検出し得る検出手段とを具備した血液浄化装置において、前記検出手段は、前記静脈側血液回路に配設された単一のセンサから成るとともに、前記除水手段による除水速度を変化させる除水速度制御手段と、該除水速度制御手段による除水速度の変化前後において当該検出手段で検出されたそれぞれの血液の濃度指標をパラメータとした所定演算式により前記血液回路を流れる血液の流量を演算する演算手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の血液浄化装置において、前記検出手段で検出される血液の濃度指標は、患者の血液におけるヘマトクリット値であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の血液浄化装置において、前記除水手段による除水速度変化前の除水速度をY1及び前記検出手段で検出されるヘマトクリット値をHtA、当該除水手段による除水速度変化後の除水速度をY2及び前記検出手段で検出されるヘマトクリット値をHtBとした場合、前記演算手段は、以下の関係式に基づき血液の流量Xを演算することを特徴とする。(HtA)/100×(X−Y1)=(HtB)/100×(X−Y2)
請求項4記載の発明は、患者の血液を体外循環させるための動脈側血液回路及び静脈側血液回路から成る血液回路と、前記動脈側血液回路と静脈側血液回路との間に接続され、当該血液回路を流れる血液を浄化する血液浄化手段と、該血液浄化手段を通過する患者の血液に対して除水する除水手段と、前記血液回路で体外循環する患者の血液の濃度指標を検出し得る検出手段とを具備した血液浄化装置の血液流量演算方法において、前記検出手段は、前記静脈側血液回路に配設された単一のセンサから成るとともに、前記除水手段による除水速度を変化させ、その除水速度の変化前後において当該検出手段で検出されたそれぞれの血液の濃度指標をパラメータとした所定演算式により前記血液回路を流れる血液の流量を演算することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の血液浄化装置の血液流量演算方法において、前記検出手段で検出される血液の濃度指標は、患者の血液におけるヘマトクリット値であることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の血液浄化装置の血液流量演算方法において、前記除水手段による除水速度変化前の除水速度をY1及び前記検出手段で検出されるヘマトクリット値をHtA、当該除水手段による除水速度変化後の除水速度をY2及び前記検出手段で検出されるヘマトクリット値をHtBとした場合、以下の関係式に基づき血液の流量Xを演算することを特徴とする。(HtA)/100×(X−Y1)=(HtB)/100×(X−Y2)
請求項1、4の発明によれば、検出手段は静脈側血液回路に配設された単一のセンサから成るとともに、除水手段による除水速度を変化させ、その変化前後において当該検出手段で検出されたそれぞれの血液の濃度指標をパラメータとした所定演算式により血液回路を流れる血液の流量を演算するので、検出手段の固体差に関係なく、血液回路を体外循環する実血流量を短時間で且つ精度よく求めることができる。
請求項2、5の発明によれば、検出手段で検出される血液の濃度指標は、患者の血液におけるヘマトクリット値であるので、一般に血液回路に取り付けられることの多いヘマトクリットセンサを用いることができ、既存手段を流用することができる。
請求項3、6の発明によれば、(HtA)/100×(X−Y1)=(HtB)/100×(X−Y2)なる関係式に基づき血液の流量Xを演算するので、検出手段の固体差に関係なく、より精度よく血液回路を体外循環する実血流量を求めることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る血液浄化装置は、患者の血液を体外循環させつつ浄化するためのもので、血液透析治療で使用される血液透析装置に適用されたものである。かかる血液透析装置は、図1に示すように、血液浄化手段としてのダイアライザ2が接続された血液回路1と、ダイアライザ2に透析液を供給しつつ除水する透析装置本体6とから主に構成されている。
血液回路1は、同図に示すように、可撓性チューブから成る動脈側血液回路1a及び静脈側血液回路1bから主に構成されており、これら動脈側血液回路1aと静脈側血液回路1bの間にダイアライザ2が接続されている。動脈側血液回路1aには、その先端に動脈側穿刺針aが接続されているとともに、途中にしごき型の血液ポンプ3、除泡用のドリップチャンバ4aが配設されている。一方、静脈側血液回路1bには、その先端に静脈側穿刺針bが接続されているとともに、途中に検出手段5及び除泡用のドリップチャンバ4bが接続されている。
そして、動脈側穿刺針a及び静脈側穿刺針bを患者に穿刺した状態で、血液ポンプ3を駆動させると、患者の血液は、ドリップチャンバ4aで除泡がなされつつ動脈側血液回路1aを通ってダイアライザ2に至り、該ダイアライザ2によって血液浄化が施され、ドリップチャンバ4bで除泡がなされつつ静脈側血液回路1bを通って患者の体内に戻る。即ち、患者の血液を血液回路1にて体外循環させつつダイアライザ2にて浄化するのである。
ダイアライザ2は、その筐体部に、血液導入ポート2a、血液導出ポート2b、透析液導入ポート2c及び透析液導出ポート2dが形成されており、このうち血液導入ポート2aには動脈側血液回路1aの基端が、血液導出ポート2bには静脈側血液回路1bの基端がそれぞれ接続されている。また、透析液導入ポート2c及び透析液導出ポート2dは、透析装置本体6から延設された透析液導入ライン7及び透析液排出ライン8とそれぞれ接続されている。
ダイアライザ2内には、複数の中空糸が収容されており、該中空糸内部が血液の流路とされるとともに、中空糸外周面と筐体部の内周面との間が透析液の流路とされている。中空糸には、その外周面と内周面とを貫通した微少な孔(ポア)が多数形成されて中空糸膜を形成しており、該膜を介して血液中の不純物等が透析液内に透過し得るよう構成されている。
一方、透析装置本体6は、複式ポンプPと、透析液排出ライン8において複式ポンプPを迂回して接続されたバイパスライン9と、該バイパスライン9に接続された除水ポンプ10(除水手段)と、ダイアライザ2から複式ポンプPの排液側Pbへ透析液を流動させる加圧ポンプ11と、気泡分離チャンバ12と、大気開放ライン13と、電磁弁14とから主に構成されている。
複式ポンプPは、透析液導入ライン7及び透析液排出ライン8に跨って配設され、当該透析液導入ライン7からダイアライザ2(血液浄化手段)に対して透析液を導入させるとともに、当該ダイアライザ2に導入された透析液を透析液排出ライン8から排出させるためのものである。即ち、複式ポンプPは、供給側Paと排液側Pbとが略等量とされた定量型のポンプから成るものであり、当該供給側Paから排液側Pbまでの透析液の流路は、電磁弁14が閉じた状態で、密閉系(密閉が保たれた状態)とされている。
加圧ポンプ11は、透析液排出ライン8におけるダイアライザ2と複式ポンプPとの間に接続され、当該ダイアライザ2から複式ポンプPへ透析液を流動させるためのものである。また、透析液導入ライン7の一端がダイアライザ2(透析液導入ポート2c)に接続されるとともに、他端が所定濃度の透析液を調製する透析液供給装置(不図示)に接続されている。更に、透析液排出ライン8の一端は、ダイアライザ2(透析液導出ポート2d)に接続されるとともに、他端が図示しない排液手段と接続されており、透析液供給装置から供給された透析液が透析液導入ライン7を通ってダイアライザ2に至った後、透析液排出ライン8及びバイパスライン9を通って排液手段に送られるようになっている。
除水ポンプ10は、ダイアライザ2中を通過する患者の血液から水分を除去する(除水する)ためのものである。即ち、かかる除水ポンプ10を駆動させると、複式ポンプPが定量型であるため、透析液導入ライン7から導入される透析液量よりも透析液排出ライン8から排出される液体の容量が多くなり、その多い容量分だけ血液中から水分が除去されるのである。尚、かかる除水ポンプ10以外の手段(例えば所謂バランシングチャンバ等を利用するもの)にて患者の血液から水分を除去するようにしてもよい。
気泡分離チャンバ12は、所謂脱ガスチャンバと呼ばれるもので、透析液排出ライン8における加圧ポンプ11と複式ポンプPとの間に接続された所定容量のものから成り、透析液中の気泡を捕捉し得るよう構成されたものである。この気泡分離チャンバ12からは、既述したバイパスライン9が延設されているとともに、大気開放ライン13が延設されている。この大気開放ライン13は、先端が大気開放とされており、その途中には電磁弁14が接続されている。
電磁弁14は、大気開放ライン13を開放又は閉止すべく開閉可能とされたもので、開放状態で気泡分離チャンバ12が外気と連通し、閉止状態で当該気泡分離チャンバ12が外気と遮断するようになっている。而して、透析治療前又は透析治療後において、電磁弁14を操作して大気開放ライン13を開放させれば、気泡分離チャンバ12内に捕捉された気泡を大気に放出させることができる。
ここで、本発明の検出手段5は、血液回路1で体外循環する患者の血液の濃度指標(ヘマトクリット値)を検出するものであり、静脈側血液回路1bの所定部位(ドリップチャンバ4bより下流側)に配設された単一のヘマトクリットセンサから成る。この検出手段5としてのヘマトクリットセンサは、例えばLED等の発光素子及びフォトダイオード等の受光素子を備え、発光素子から血液に光を照射するとともに、その透過した光或いは反射した光を受光素子にて受光することにより、患者の血液濃度を示すヘマトクリット値を検出するものである。
具体的には、受光素子から出力された電気信号に基づき、血液の濃度を示すヘマトクリット値を求める。即ち、血液を構成する赤血球や血漿などの各成分は、それぞれ固有の吸光特性を持っており、この性質を利用してヘマトクリット値を測定するのに必要な赤血球を光学的に定量化することにより当該ヘマトクリット値を求めることができるのである。より具体的には、発光素子から照射された近赤外線は、血液に入射して吸収と散乱の影響を受け、受光素子にて受光される。その受光した光の強弱から光の吸収散乱率を解析し、ヘマトクリット値を算出するのである。
ここで、本実施形態においては、透析装置本体6内に演算手段15及び除水速度制御手段16が配設されている。除水速度制御手段16は、例えば除水手段としての除水ポンプ10と電気的に接続され、その駆動速度を制御し得るものであり、これにより、当該除水ポンプ10による除水速度を任意に変化させることができる。本実施形態においては、除水速度は、除水速度制御手段16により任意タイミングで、Y1(mL/min)とY2(mL/min)との2段階に変化可能とされている。
演算手段15は、検出手段5と電気的に接続されており、除水速度制御手段16による除水速度の変化前後において当該検出手段5で検出されたそれぞれのヘマトクリット値(血液の濃度指標)をパラメータとした所定演算式により血液回路1を流れる血液の流量(真の血液流量である実血流量)を演算し得るものである。具体的には、図2に示すように、時間tAまで除水速度Y1(mL/min)とし、当該時間tAからtCまで除水速度Y2(mL/min)に変化させた場合、除水速度変化前後において検出手段5で検出されるヘマトクリット値は、HtA(%)からHtB(%)に変化する。
然るに、除水速度変化前の単位時間あたりの赤血球体積と、除水総度変化後の単位時間あたりの赤血球体積とは同一であることから、血液回路1を流れる血液の流量(真の血液流量である実血流量)をXとした場合、以下の関係式が成り立つ。尚、この場合、左辺が除水速度変化前の単位時間あたりの赤血球体積、右辺が除水総度変化後の単位時間あたりの赤血球体積を示している。
(HtA)/100×(X−Y1)=(HtB)/100×(X−Y2)
かかる関係式に基づき血液の流量Xを求めるための所定演算式が得られることとなる。即ち、上記関係式のパラメータのうち、HtA、HtB、Y1、Y2は、何れも既知であるため、未知数Xを求めるための演算式にて血液の流量(真の血液流量である実血流量)を演算することができるのである。よって、本実施形態によれば、除水ポンプ10による除水速度を変化させ、その除水速度の変化前後において検出手段5で検出されたそれぞれのヘマトクリット値をパラメータとした所定演算式により血液回路1を流れる血液の流量(真の血液流量である実血流量)を演算することができるので、血液ポンプ3の吐出量と回転数との関係により実血流量を求めるもの、或いは2重の実験的関係等から実血流量を導き出すもの等に比べ、当該実血流量をより精度よく且つ容易に求めることができる。
加えて、本実施形態によれば、検出手段5は静脈側血液回路1bに配設された単一のヘマトクリットセンサから成るとともに、除水ポンプ10による除水速度を変化させ、その変化前後において当該検出手段5で検出されたそれぞれのヘマトクリット値をパラメータとした所定演算式により血液回路1を流れる血液の流量を演算するので、従来の如くヘマトクリットセンサをダイアライザの上流側及び下流側の両方に配設させ、これらヘマトクリットセンサにて検出されたそれぞれのヘマトクリット値に基づき血液回路1を流れる血液の流量(真の血液流量である実血流量)を演算するものに比べ、検出手段5の固体差に関係なく、血液回路1を体外循環する実血流量を短時間で且つ精度よく求めることができる。
また、検出手段5で検出される血液の濃度指標は、患者の血液におけるヘマトクリット値であるので、一般に血液回路1に取り付けられることの多いヘマトクリットセンサを用いることができ、既存手段を流用することができる。即ち、従来よりかかるヘマトクリットセンサにて治療中の循環血液量変化率(ΔBV)をリアルタイムで算出していたので、このヘマトクリットセンサを流用して血液回路1を体外循環する実血流量を求めるためのパラメータ(ヘマトクリット値)を得ることができるのである。更に、本実施形態によれば、(HtA)/100×(X−Y1)=(HtB)/100×(X−Y2)なる関係式に基づき血液の流量X(真の血液流量である実血流量)を演算するので、検出手段5の固体差に関係なく、より精度よく血液回路を体外循環する実血流量を求めることができる。
以上、本発明に係る本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば検出手段5がヘマトクリットセンサとは異なるものとされ、血液回路1で体外循環する患者の他の血液の濃度指標を検出し得るものとしてもよい。他の血液の濃度指標として、血液中のヘモグロビン濃度等が挙げられる。但し、その場合であっても、検出手段は、静脈側血液回路1bに配設された単一のセンサから成るとともに、除水ポンプ10(除水手段)による除水速度を変化させ、その除水速度の変化前後において当該検出手段で検出されたそれぞれの血液の濃度指標をパラメータとした所定演算式により血液回路1を流れる血液の流量を演算するものとされる。
尚、本実施形態においては、透析装置本体6が透析液供給機構を内蔵しない透析監視装置から成るものであるが、透析液供給機構が内蔵された個人用透析装置に適用するようにしてもよい。更に、体外循環させつつ血液浄化を行う他の治療(血液濾過療法や血液濾過透析療法など)で使用されるもの或いは他の機能が付加されたものにも適用することができる。
検出手段は、静脈側血液回路に配設された単一のセンサから成るとともに、除水手段による除水速度を変化させ、その除水速度の変化前後において当該検出手段で検出されたそれぞれの血液の濃度指標をパラメータとした所定演算式により血液回路を流れる血液の流量を演算する血液浄化装置及びその血液流量演算方法であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
本発明の実施形態に係る血液浄化装置を示す全体模式図 同血液浄化装置における検出手段で検出されるヘマトクリット値の変化を示すグラフ
符号の説明
1 血液回路
1a 動脈側血液回路
1b 静脈側血液回路
2 ダイアライザ(血液浄化手段)
3 血液ポンプ
4a、4b ドリップチャンバ
5 検出手段(ヘマトクリットセンサ)
6 透析装置本体
7 透析液導入ライン
8 透析系排出ライン
9 バイパスライン
10 除水ポンプ(除水手段)
11 加圧ポンプ
12 気泡分離チャンバ
13 大気開放ライン
14 電磁弁
15 演算手段
16 除水速度制御手段
P 複式ポンプ

Claims (6)

  1. 患者の血液を体外循環させるための動脈側血液回路及び静脈側血液回路から成る血液回路と、
    前記動脈側血液回路と静脈側血液回路との間に接続され、当該血液回路を流れる血液を浄化する血液浄化手段と、
    該血液浄化手段を通過する患者の血液に対して除水する除水手段と、
    前記血液回路で体外循環する患者の血液の濃度指標を検出し得る検出手段と、
    を具備した血液浄化装置において、
    前記検出手段は、前記静脈側血液回路に配設された単一のセンサから成るとともに、前記除水手段による除水速度を変化させる除水速度制御手段と、該除水速度制御手段による除水速度の変化前後において当該検出手段で検出されたそれぞれの血液の濃度指標をパラメータとした所定演算式により前記血液回路を流れる血液の流量を演算する演算手段とを備えたことを特徴とする血液浄化装置。
  2. 前記検出手段で検出される血液の濃度指標は、患者の血液におけるヘマトクリット値であることを特徴とする請求項1記載の血液浄化装置。
  3. 前記除水手段による除水速度変化前の除水速度をY1及び前記検出手段で検出されるヘマトクリット値をHtA、当該除水手段による除水速度変化後の除水速度をY2及び前記検出手段で検出されるヘマトクリット値をHtBとした場合、前記演算手段は、以下の関係式に基づき血液の流量Xを演算することを特徴とする請求項2記載の血液浄化装置。
    (HtA)/100×(X−Y1)=(HtB)/100×(X−Y2)
  4. 患者の血液を体外循環させるための動脈側血液回路及び静脈側血液回路から成る血液回路と、
    前記動脈側血液回路と静脈側血液回路との間に接続され、当該血液回路を流れる血液を浄化する血液浄化手段と、
    該血液浄化手段を通過する患者の血液に対して除水する除水手段と、
    前記血液回路で体外循環する患者の血液の濃度指標を検出し得る検出手段と、
    を具備した血液浄化装置の血液流量演算方法において、
    前記検出手段は、前記静脈側血液回路に配設された単一のセンサから成るとともに、前記除水手段による除水速度を変化させ、その除水速度の変化前後において当該検出手段で検出されたそれぞれの血液の濃度指標をパラメータとした所定演算式により前記血液回路を流れる血液の流量を演算することを特徴とする血液浄化装置の血液流量演算方法。
  5. 前記検出手段で検出される血液の濃度指標は、患者の血液におけるヘマトクリット値であることを特徴とする請求項4記載の血液浄化装置の血液流量演算方法。
  6. 前記除水手段による除水速度変化前の除水速度をY1及び前記検出手段で検出されるヘマトクリット値をHtA、当該除水手段による除水速度変化後の除水速度をY2及び前記検出手段で検出されるヘマトクリット値をHtBとした場合、以下の関係式に基づき血液の流量Xを演算することを特徴とする請求項5記載の血液浄化装置の血液流量演算方法。
    (HtA)/100×(X−Y1)=(HtB)/100×(X−Y2)
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