JP2009297340A - 血液浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】血液浄化膜に破損等の不具合が生じていた場合、その不具合を治療前のプライミング段階で把握可能とされるとともに、限外濾過率を精度よく求めることができる血液浄化装置を提供する。
【解決手段】透析治療前において血液回路内にプライミング液を供給して当該血液回路内で充填させるプライミング液充填工程が行われる血液浄化装置において、プライミング液充填工程にてダイアライザ3の血液流路にプライミング液が充填されるとともに当該ダイアライザ3の透析液流路に透析液が充填された状態で、当該ダイアライザ3の血液浄化膜の限外濾過率を求める限外濾過率測定工程が行われるものである。
【選択図】図3

Description

本発明は、ダイアライザを使用した透析治療など、患者の血液を体外循環させつつ浄化するための血液浄化装置に関するものである。
一般に、透析治療時においては、採取した患者の血液を体外循環させて再び体内に戻すための血液回路が用いられており、かかる血液回路は、例えば中空糸膜を具備したダイアライザ(血液浄化手段)と接続し得る動脈側血液回路及び静脈側血液回路から主に構成されている。これら動脈側血液回路及び静脈側血液回路の各先端には、動脈側穿刺針及び静脈側穿刺針が取り付けられ、それぞれが患者に穿刺されて透析治療における血液の体外循環が行われることとなる。
このうち、動脈側血液回路には、しごき型の血液ポンプが配設されており、当該血液ポンプを駆動させることにより患者の体内から血液をダイアライザ側に送り込む一方、動脈側血液回路及び静脈側血液回路には、動脈側ドリップチャンバ及び静脈側ドリップチャンバが接続されており、除泡した後に患者の体内に血液が戻されるようになっている。
また、動脈側血液回路における血液ポンプより上流側(即ち、動脈側穿刺針側)には、プライミングや返血時等に生理食塩水を供給するためのプライミング液供給ライン(生理食塩水ライン)がT字管等を介して接続されており、透析治療前に、血液回路や該血液回路に接続されたドリップチャンバ等構成要素に生理食塩水(プライミング液)を流し充填させてプライミングを行い得るよう構成されている。
然るに、治療中において血液浄化手段(ダイアライザ)の限外濾過率(UFR)を継続的に測定し、監視することが従来より行われている。これにより、ダイアライザの透析膜の目詰まり等による限外濾過不良を把握して、当該限外濾過不良に起因する不具合を回避することができる。尚、ダイアライザの限外濾過率を求める透析装置は、例えば特許文献1に開示されている。
特開平5−68710号公報
しかしながら、上記従来の血液浄化装置においては、血液浄化手段の血液流路に血液が流れ、且つ、透析液流路に透析液が流れた状態(即ち、透析治療中の状態)の血液浄化膜の限外濾過率を求めているので、例えば血液浄化膜に破損等の不具合が生じていた場合、その不具合が透析治療が行われて初めて把握されることとなる。而して、血液浄化手段を交換して改めて治療を始めるには、プライミング等の準備段階を再び行わなければならず、長時間を要してしまうという問題があった。
また、従来の血液浄化装置においては、治療時に体外循環される患者の血液における限外濾過率(これを便宜上「血液UFR」という)を求めることとなるが、患者ごとに血液状態が異なり或いは同一患者でもヘマトクリット値などの血液の状態が日々異なることから、当該血液UFRは一定とはならず、これを測定して異常であるか否かを判別するのは困難である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、血液浄化膜に破損等の不具合が生じていた場合、その不具合を治療前のプライミング段階で把握可能とされるとともに、限外濾過率を精度よく求めることができる血液浄化装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、動脈側血液回路及び静脈側血液回路から成るとともに、当該動脈側血液回路の先端から静脈側血液回路の先端まで患者の血液を体外循環させ得る血液回路と、該血液回路の動脈側血液回路及び静脈側血液回路の間に介装されて当該血液回路を流れる血液を浄化するとともに、血液を浄化するための血液浄化膜を介して患者の血液が流れる血液流路及び透析液が流れる透析液流路が形成された血液浄化手段と、前記動脈側血液回路に配設された血液ポンプと、該血液浄化手段の透析液流路入口及び出口に接続された透析液導入ライン及び透析液排出ラインとを具備し、治療前において前記血液回路内にプライミング液を供給して当該血液回路内で充填させるプライミング液充填工程が行われる血液浄化装置において、前記プライミング液充填工程にて前記血液浄化手段の血液流路にプライミング液が充填されるとともに当該血液浄化手段の透析液流路に透析液が充填された状態で、当該血液浄化手段の血液浄化膜の限外濾過率を求める限外濾過率測定工程が行われることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の血液浄化装置において、前記限外濾過率測定工程は、前記血液浄化手段の血液浄化膜を介して血液流路と透析液流路との間でプライミング液又は透析液を濾過させ、その濾過時における当該血液浄化膜の膜間差圧を求めるとともに、当該膜間差圧に基づき当該血液浄化膜の限外濾過率を求めるものであることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の血液浄化装置において、前記血液回路の何れかの部位におけるプライミング液の液圧を測定するプライミング液側液圧測定手段と、前記透析液導入ライン又は透析液排出ラインの何れかの部位における透析液の液圧を測定する透析液側液圧測定手段とを具備するとともに、前記限外濾過率測定工程は、当該プライミング液側液圧測定手段で測定される液圧と透析液側液圧測定手段で測定される液圧とに基づき前記膜間差圧を求めるものであることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の血液浄化装置において、前記限外濾過率測定工程は、前記プライミング液側液圧測定手段が液圧を測定する部位と透析液側液圧測定手段が液圧を測定する部位との間のヘッド差で生じるヘッド差圧を求めるとともに、前記プライミング液側液圧測定手段による測定値と透析液側液圧測定手段による測定値とを減算して求められた値から当該ヘッド差圧を減算することにより前記膜間差圧が求められることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項3又は請求項4記載の血液浄化装置において、前記プライミング液側液圧測定手段は、前記静脈側血液回路の途中に配設された静脈側ドリップチャンバ内の液圧を測定する第1センサから成るとともに、前記透析液側液圧測定手段は、前記透析液排出ラインの途中に配設されて液圧を測定する第2センサから成ることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の血液浄化装置において、前記プライミング液側液圧測定手段は、前記第1センサに加え、前記動脈側血液回路の途中の液圧を測定する第3センサから成るとともに、前記透析液側液圧測定手段は、前記第2センサに加え、前記透析液導入ラインの途中の液圧を測定する第4センサから成ることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6の何れか1つに記載の血液浄化装置において、前記限外濾過率測定工程で求められた限外濾過率が予め設定された規定値より大きい場合、それを報知し得る報知手段を具備したことを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の血液浄化装置において、前記規定値は、過去の透析毎に求められて蓄積された限外濾過率の時系列データとの差分であることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項7記載の血液浄化装置において、前記規定値は、事前に入力された限外濾過率の予想データとの差分であることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、プライミング液充填工程にて血液浄化手段の血液流路にプライミング液が充填されるとともに当該血液浄化手段の透析液流路に透析液が充填された状態で、当該血液浄化手段の血液浄化膜の限外濾過率を求める限外濾過率測定工程が行われるので、血液浄化膜に破損等の不具合が生じていた場合、その不具合を治療前のプライミング段階で把握可能とされるとともに、限外濾過率を精度よく求めることができる。
請求項2の発明によれば、限外濾過率測定工程は、血液浄化手段の血液浄化膜を介して血液流路と透析液流路との間でプライミング液又は透析液を濾過させ、その濾過時における当該血液浄化膜の膜間差圧を求めるとともに、当該膜間差圧に基づき当該血液浄化膜の限外濾過率を求めるので、容易且つ精度よく限外濾過率を求めることができる。
請求項3の発明によれば、限外濾過率測定工程は、当該プライミング液側液圧測定手段で測定される液圧と透析液側液圧測定手段で測定される液圧とに基づき膜間差圧を求めるので、既存手法(既存の演算方法等)を用いて限外濾過率測定工程における限外濾過率を求めることができる。
請求項4の発明によれば、プライミング液側液圧測定手段による測定値と透析液側液圧測定手段による測定値とを減算して求められた値から当該ヘッド差圧を減算することにより膜間差圧が求められるので、ヘッド差圧による誤差を解消し、より精度よく限外濾過率を求めることができる。
請求項5の発明によれば、プライミング液側液圧測定手段は、静脈側血液回路の途中に配設された静脈側ドリップチャンバ内の液圧を測定する第1センサから成るとともに、透析液側液圧測定手段は、前記透析液排出ラインの途中に配設されて液圧を測定する第2センサから成るので、既存透析浄化装置の構成をほぼそのまま流用しつつ限外濾過率測定工程における限外濾過率を求めることができる。
請求項6の発明によれば、プライミング液側液圧測定手段は、第1センサに加え、動脈側血液回路の途中の液圧を測定する第3センサから成るとともに、透析液側液圧測定手段は、第2センサに加え、透析液導入ラインの途中の液圧を測定する第4センサから成るので、更に精度よく限外濾過率測定工程における限外濾過率を求めることができる。
請求項7の発明によれば、限外濾過率測定工程で求められた限外濾過率が予め設定された規定値より大きい場合、それを報知し得る報知手段を具備したので、血液浄化膜に破損等の不具合が生じていた場合、その不具合を治療前のプライミング段階でより正確且つ確実に把握させることができる。
請求項8、9の発明によれば、規定値は、過去の透析毎に求められて蓄積された限外濾過率の時系列データとの差分であり、或いは事前に入力された限外濾過率の予想データとの差分であるので、血液浄化膜に破損等の不具合が生じていた場合、その不具合を治療前のプライミング段階でより精度よく把握させることができる。
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
第1の実施形態に係る血液浄化装置は、透析治療を行うための透析装置から成り、図1に示すように、動脈側血液回路1及び静脈側血液回路2から成る血液回路と、動脈側血液回路1及び静脈側血液回路2の間に介装されて血液回路を流れる血液を浄化するダイアライザ3(血液浄化手段)と、動脈側血液回路1に配設されたしごき型の血液ポンプ4と、静脈側血液回路2の途中に配設された静脈側ドリップチャンバ5と、プライミング液としての生理食塩水を収容した収容手段7と、該収容手段7と動脈側血液回路1とを連結したプライミング液供給ラインLcと、第1センサP1(プライミング液側液圧測定手段)及び第2センサP2(透析液側液圧測定手段)と、演算手段9と、報知手段10とから主に構成されている。
動脈側血液回路1には、その先端にコネクタcを介して動脈側穿刺針aが接続される一方、静脈側血液回路2には、その先端にコネクタdを介して静脈側穿刺針bが接続されるとともに、途中に静脈側ドリップチャンバ5が接続されている。そして、動脈側穿刺針a及び静脈側穿刺針bを患者に穿刺した状態で、血液ポンプ4を駆動させると、患者の血液は、動脈側血液回路1を通ってダイアライザ3に至った後、該ダイアライザ3によって血液浄化が施され、静脈側ドリップチャンバ5で除泡がなされつつ静脈側血液回路2を通って患者の体内に戻る。即ち、患者の血液を血液回路の動脈側血液回路1の先端から静脈側血液回路2の先端まで体外循環させつつダイアライザ3にて浄化するのである。
ダイアライザ3は、その筐体部に、血液導入口3a(血液導入ポート)、血液導出口3b(血液導出ポート)、透析液導入口3c(透析液導入ポート)及び透析液導出口3d(透析液導出ポート)が形成されており、このうち血液導入口3aには動脈側血液回路1が、血液導出口3bには静脈側血液回路2がそれぞれ接続されている。また、透析液導入口3c及び透析液導出口3dは、透析装置本体から延設された透析液導入ラインLa及び透析液排出ラインLbとそれぞれ接続されている。
ダイアライザ3内には、複数の中空糸(不図示)が収容されており、この中空糸が血液を浄化するための血液浄化膜を構成している。而して、ダイアライザ3内には、血液浄化膜を介して患者の血液が流れる血液流路及び透析液が流れる透析液流路が形成されている。そして、血液浄化膜を構成する中空糸には、その外周面と内周面とを貫通した微小な孔(ポア)が多数形成されて中空糸膜を形成しており、該膜を介して血液中の老廃物等が透析液内に透過し得るよう構成されている。
複式ポンプ6(往復動ポンプ)は、透析装置本体内で透析液導入ラインLa及び透析液排出ラインLbに跨って配設されているとともに、当該透析装置本体には、ダイアライザ3中を流れる患者の血液から水分を除去するための除水ポンプ8が配設されている。かかる除水ポンプ8は、透析液排出ラインLbにおいて複式ポンプ6を迂回する如く形成された除水ラインLdの途中に形成されたものである。この除水ポンプ8を駆動させることにより、複式ポンプ6が定量型(導入する透析液と排出する透析液の量とが略同等)であるため、透析液導入ラインLaから導入される透析液量よりも透析液排出ラインLbから排出される液体の容量が多くなり、その多い容量分だけ血液中から水分が除去(除水)されるのである。
更に、透析液導入ラインLaの一端がダイアライザ3(透析液導入口3c)に接続されるとともに、他端が所定濃度の透析液を調製する透析液供給装置(不図示)に接続されている。また、透析液排出ラインLbの一端は、ダイアライザ3(透析液導出口3d)に接続されるとともに、他端が排液手段(不図示)と接続されており、透析液供給装置から供給された透析液が透析液導入ラインLaを通ってダイアライザ3に至った後、透析液排出ラインLbを通って排液手段に送られるようになっている。
収容手段7(所謂「生食バッグ」と称されるもの)は、可撓性の透明な容器から成り、生理食塩水(プライミング液)を所定容量収容し得るもので、例えば透析装置本体に突設されたポール(不図示)の先端に取り付けられている。プライミング液供給ラインLcは、動脈側血液回路1における動脈側穿刺針aと血液ポンプ4の間の部位(連結部P)に接続され、収容手段7内の生理食塩水(プライミング液)を血液回路内に供給し得るものである。尚、プライミング液供給ラインLcには、その流路を任意に開閉可能な電磁弁V1が形成されている。
第1センサP1(プライミング液側液圧測定手段)は、静脈側血液回路2の途中に配設された静脈側ドリップチャンバ5内の液圧を測定するためのもので、例えば静脈側ドリップチャンバ5の空気層から延設されたチューブの先端に形成され、当該静脈側ドリップチャンバ5内の圧力を測定することにより静脈側血液回路2内の圧力(気圧及び液圧)を測定可能なものである。かかる第1センサP1により、治療時における静脈側血液回路2内を流れる血液の圧力(液圧)を測定することができる。
第2センサP2(透析液側液圧測定手段)は、透析液排出ラインLbの途中に配設されて液圧を測定するためのもので、例えば透析液排出ラインLbから延びるチューブの先端に形成され、その部位の液圧を測定し得るものである。かかる第2センサP2により、治療時における透析液排出ラインLbを流れる透析液の圧力を測定することができる。これら第1センサP1及び第2センサP2は、例えば透析装置本体に配設された演算手段9と電気的に接続されており、かかる演算手段9と報知手段11とが電気的に接続されている。
上記の如き透析装置(血液浄化装置)は、透析治療前において、コネクタc、dを連結させて閉回路を構成するとともに、プライミング液供給ラインLcにて血液回路(動脈側血液回路1及び静脈側血液回路2)内に生理食塩水(プライミング液)を供給して当該血液回路内で充填させるプライミング液充填工程が行われるよう構成されている。然るに、プライミング液充填工程で上記の如く血液回路内に生理食塩水(プライミング液)を満たすことにより、ダイアライザ3内の血液流路(中空糸膜内の流路)にもその生理食塩水(プライミング液)が充填されることとなる。
また、本実施形態におけるプライミング液充填工程では、血液回路及びダイアライザ3の血液流路に対して生理食塩水(プライミング液)が充填されるとともに、ダイアライザ3の透析液流路に対して透析液を供給して充填させる工程(所謂ガスパージ工程)も行われるよう構成されている。これにより、プライミング液充填工程において、ダイアライザ3の血液流路に生理食塩水(プライミング液)が充填されるとともに当該ダイアライザ3の透析液流路に透析液が充填された状態とされる。
而して、上記の如きプライミング液充填工程後、コネクタc、dの連結を解き、これらコネクタc、dに動脈側穿刺針a、静脈側穿刺針bをそれぞれ取り付け、当該動脈側穿刺針a及び静脈側穿刺針bを患者に穿刺しつつ血液ポンプ4を駆動させることにより、生理食塩水(プライミング液)と血液とが順次置換され、脱血(血液の体外循環)が行われることとなる。
ここで、本実施形態に係る透析装置(血液浄化装置)は演算手段9を具備しており、かかる演算手段9により、プライミング液充填工程にてダイアライザ3の血液流路に生理食塩水(プライミング液)が充填されるとともに当該ダイアライザ3の透析液流路に透析液が充填された状態で、限外濾過率測定工程が行われるよう構成されている。この限外濾過率測定工程は、第1センサP1で測定される液圧と第2センサP2で測定される液圧とに基づき膜間差圧を求め、その膜間差圧からダイアライザ3の血液浄化膜の限外濾過率を求めることができるようになっている。
即ち、限外濾過率測定工程は、演算手段9により行われる工程であり、より具体的には、ダイアライザ3の血液浄化膜(中空糸膜)を介して血液流路と透析液流路との間で生理食塩水(プライミング液)又は透析液を濾過させ、その濾過時における当該血液浄化膜の膜間差圧を求めるとともに、当該膜間差圧に基づき当該血液浄化膜の限外濾過率を求めるものとされている。
一方、限外濾過率測定工程は、第1センサP1で液圧が測定される部位と第2センサP2で液圧が測定される部位との間のヘッド差で生じるヘッド差圧(α)を求めるとともに、当該第1センサP1による測定値(PBout)と第2センサP2による測定値(PDout)とを減算して求められた値から当該ヘッド差圧αを減算する((PBout−PDout)−α)ことにより膜間差圧(TMP)が求められるよう構成されている。
これにより、プライミング液充填工程にてダイアライザ3の血液流路に生理食塩水(プライミング液)が充填されるとともに当該ダイアライザ3の透析液流路に透析液が充填された状態で、当該ダイアライザ3の血液浄化膜の限外濾過率を求める限外濾過率測定工程が行われるので、血液浄化膜に破損等の不具合が生じていた場合、その不具合を治療前のプライミング段階で把握可能とされるとともに、限外濾過率を精度よく求めることができる。
また、本実施形態によれば、限外濾過率測定工程は、ダイアライザ3の血液浄化膜を介して血液流路と透析液流路との間で生理食塩水(プライミング液)又は透析液を濾過させ、その濾過時における当該血液浄化膜の膜間差圧を求めるとともに、当該膜間差圧に基づき当該血液浄化膜の限外濾過率を求めるので、容易且つ精度よく限外濾過率を求めることができる。
更に、限外濾過率測定工程は、第1センサP1で測定される液圧と第2センサP2で測定される液圧とに基づき膜間差圧を求めるので、既存手法(UFR=v÷(PBout−PDout−α)など既存の演算方法等:但し、UFRは限外濾過率、vは限外濾過速度を示している)を用いて限外濾過率測定工程における限外濾過率を求めることができる。また更に、第1センサP1による測定値と第2センサP2による測定値とを減算して求められた値から誤差要因である当該ヘッド差圧を減算することにより膜間差圧が求められるので、ヘッド差圧による誤差を解消し、より精度よく限外濾過率を求めることができる。
また更に、プライミング液側液圧測定手段としての第1センサP1は、静脈側血液回路2の途中に配設された静脈側ドリップチャンバ5内の液圧を測定するセンサから成るとともに、透析液側液圧測定手段としての第2センサP2は、透析液排出ラインLbの途中に配設されて液圧を測定するセンサから成るので、既存透析浄化装置の構成をほぼそのまま流用しつつ限外濾過率測定工程における限外濾過率を求めることができる。
報知手段10は、限外濾過率測定工程で求められた限外濾過率が予め設定された規定値より大きい場合、それを報知し得るもので、例えばスピーカ等により音声又は効果音等を発する、画面等の表示手段に文字や記号等を表示させる、表示灯を点灯又は点滅させる、或いはこれらを適宜併せて用いることにより、限外濾過率が規定値よりも大きいことを報知することができる。これにより、血液浄化膜に破損等の不具合が生じていた場合、その不具合を治療前のプライミング段階でより正確且つ確実に作業者に把握させることができる。「血液浄化膜に破損等の不具合が生じていた場合」の不具合について、血液浄化膜の破損(リーク)のほか、血液浄化器本体からの外部リーク、血液浄化器と血液回路の接続部からのリーク、血液浄化器内部(血液側または透析液側)のエア抜きが不十分など、UFRが異常値を示す事象はすべて検出可能な不具合に該当する。
ここで、上記規定値は、過去の透析毎に求められて蓄積された限外濾過率の時系列データとの差分や、事前に入力された限外濾過率の予想データとの差分等、限外濾過率測定工程で求められた限外濾過率と理想とされる値(理論値や実測値の蓄積)との差分(差)であるのが好ましいが他のものであってもよい。但し、規定値が、過去の透析毎に求められて蓄積された限外濾過率の時系列データとの差分であり、或いは事前に入力された限外濾過率の予想データとの差分であれば、血液浄化膜に破損等の不具合が生じていた場合、その不具合を治療前のプライミング段階でより精度よく把握させることができる。
以下、本実施形態に係る透析装置の作用について説明する。
まず、図2に示すように、ダイアライザ3の血液導入口3a及び血液導出口3bに対し動脈側血液回路1及び静脈側血液回路2の基端をそれぞれ接続させるとともに、透析液導入口3c及び透析液導出口3dに対し透析液導入ラインLa及び透析液排出ラインLbをそれぞれ接続させ、且つ、コネクタcとコネクタdとを接続して互いの流路を連通させた状態とする。
一方、プライミング液供給ラインLcの先端を動脈側血液回路1の連結部Pに接続するとともに、その途中の電磁弁V1を開状態とする。これにより、収容手段7内の生理食塩水(プライミング液)は、その自重によりプライミング液供給ラインLcを通って血液回路(静脈側ドリップチャンバ5内含む)、及びダイアライザ3の血液流路内に至り満たされることとなる。尚、このとき血液ポンプ4は停止状態となっている。
上記の如く血液回路(静脈側ドリップチャンバ5内含む)及びダイアライザ3の血液流路内で生理食塩水(プライミング液)が充填された状態で、複式ポンプ6を駆動して透析液導入ラインLaから透析液をダイアライザ3内の透析液流路に供給し、透析液排出ラインLbから排出させる(所謂ガスパージ工程を行う)。そして、複式ポンプ6を停止し、ダイアライザ3における透析液流路側と血液流路側との圧力が安定した後(圧力が安定する一定時間経過後)、第1センサP1及び第2センサP2によりそれぞれの液圧を測定する。
このとき、複式ポンプ6及び血液ポンプ4が停止しており、且つ、動脈側血液回路1先端と静脈側血液回路2先端とが連結されているので、透析液流路側及び血液流路側は密閉系を構成することとなっている。尚、動脈側血液回路1先端と静脈側血液回路2先端とが連結されておらず開放された状態であっても、両者の圧力バランスが取れた状態とすれば足りる。
而して、演算手段9は、第1センサP1の測定値(PBout)及び第2センサP2の測定値(PDout)から、所定の演算式を用いてヘッド差圧(α)を求める。即ち、α=PBout−PDout なる演算式を演算手段9にて実行すれば、第1センサP1(プライミング液側液圧測定手段)が液圧を測定する部位と第2センサP2(透析液側液圧測定手段)が液圧を測定する部位との間のヘッド差(高低差)で生じるヘッド差圧(α)を求めることができるのである。
その後、図3で示すように、複式ポンプ6を駆動させるとともに、除水ポンプ8を駆動させて除水ラインLdにおいて透析液を一定速度v(限外濾過速度)で流動させる。このとき、除水ポンプ8による駆動に伴ってダイアライザ3の透析液流路側が負圧とされることにより、血液流路側の生理食塩水(プライミング液)が血液浄化膜を介して透析液流路側に正濾過(血液流路側から透析液流路側への濾過)されることとなり、これを補充すべくプライミング液供給ラインLcから生理食塩水(プライミング液)が供給される。
これにより、ダイアライザ3の血液浄化膜を介して血液流路と透析液流路との間で生理食塩水(プライミング液)を濾過させることができるので、第1センサP1及び第2センサP2によりそれぞれの液圧を測定し、それら測定値(第1センサP1の測定値PBout及び第2センサP2の測定値PDout)から所定の演算式を用いて膜間差圧(TMP)を求めることができる。かかる所定の演算式は、「TMP=PBout−PDout−α」とされる。
即ち、本実施形態の如くダイアライザ3の血液流路に生理食塩水(プライミング液)が充填されるとともに当該ダイアライザ3の透析液流路に透析液が充填された状態とすることにより、ヘッド差圧(α)を勘案しつつ第1センサP1で測定される液圧と第2センサP2で測定される液圧とに基づき膜間差圧(TMP)が求められるのである。そして、演算手段9は、この求められた膜間差圧(TMP)に基づき、所定の演算式を用いてダイアライザ3における血液浄化膜の限外濾過率(これを生食UFRと呼ぶ)を求める。かかる所定の演算式は、「生食UFR=v÷TMP」とされる。
以上、第1の実施形態について説明したが、以下の如き構成としてもよい。例えば、図4に示すように、第1センサP1に加え、動脈側血液回路1の途中の液圧を測定する第3センサP3を具備するとともに、第2センサP2に加え、透析液導入ラインLaの途中の液圧を測定する第4センサP4を具備し、プライミング液側液圧測定手段が第1センサP1及び第3センサP3から成り、且つ、透析液側液圧測定手段が第2センサP2及び第4センサP4から成るよう構成してもよい。
この場合、上記した種々演算式において、「PBout」、「PDout」なるパラメータに代えて「PB」、「PD」なるパラメータとする。但し、第3センサP3の測定値を「PBin」とした場合、「PB=(PBout+PBin)÷2」、第4センサP4の測定値を「PDin」とした場合、「PD=(PDout+PDin)÷2」とされる。これにより、プライミング液側液圧測定手段は、第1センサP1に加え、動脈側血液回路1の途中の液圧を測定する第3センサP3から成るとともに、透析液側液圧測定手段は、第2センサP2に加え、透析液導入ラインLaの途中の液圧を測定する第4センサP4から成るので、更に精度よく限外濾過率測定工程における限外濾過率を求めることができる。
次に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。
本実施形態に係る血液浄化装置は、第1の実施形態と同様、透析治療を行うための透析装置から成り、図5、6に示すように、動脈側血液回路1及び静脈側血液回路2から成る血液回路と、ダイアライザ3(血液浄化手段)と、血液ポンプ4と、静脈側ドリップチャンバ5と、第1センサP1(プライミング液側液圧測定手段)及び第2センサP2(透析液側液圧測定手段)と、演算手段9と、報知手段10と、透析液供給ラインLeとから主に構成されている。尚、第1の実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
本実施形態における透析液導入ラインLa及び透析液排出ラインLbには、各流路を任意開閉可能な電磁弁V2、V3が配設されるとともに、当該透析液導入ラインLaにおける複式ポンプ6と電磁弁V2との間からは透析液供給ラインLeが延設されている。この透析液供給ラインLeは、その先端が動脈側血液回路1におけるコネクタcと血液ポンプ4との間の連結部P’に接続されており、その途中に流路を任意開閉可能な電磁弁V4が配設されている。而して、電磁弁V2及びV4をそれぞれ選択的に開閉することにより、複式ポンプ6から供給される透析液をダイアライザ3側へ供給し、或いは血液回路側へ供給可能とされている。
即ち、複式ポンプ6からダイアライザ3側へ供給される透析液は、透析液供給ラインLeを介して血液回路側へ供給されることにより、第1の実施形態におけるプライミング液としての機能を果たすこととなり、プライミング液充填工程時、ダイアライザ3の血液流路にプライミング液としての透析液が充填されるとともに当該ダイアライザ3の透析液流路に透析液が充填された状態となるよう構成されている。透析液がプライミング時のプライミング液を兼ねるのである。このように、本発明においては、プライミング液が透析液供給ラインLaから供給される透析液と同じであるものを含むのである。
以下、本実施形態に係る透析装置の作用について説明する。
まず、図5に示すように、ダイアライザ3の血液導入口3a及び血液導出口3bに対し動脈側血液回路1及び静脈側血液回路2の基端をそれぞれ接続させるとともに、透析液導入口3c及び透析液導出口2dに対し透析液導入ラインLa及び透析液排出ラインLbをそれぞれ接続させ、且つ、コネクタcとコネクタdとを接続して互いの流路を連通させた状態とする。
一方、透析液供給ラインLeの先端を動脈側血液回路1の連結部P’に接続するとともに、その途中の電磁弁V1を開状態(電磁弁V2は閉状態)とし、複式ポンプ6を駆動させることにより、透析液導入ラインLaを流れる透析液は、透析液供給ラインLeを通って血液回路(静脈側ドリップチャンバ5内含む)、及びダイアライザ3の血液流路内に至り満たされることとなる。尚、このとき血液ポンプ4は停止状態となっている。
その後、同図に示すように、電磁弁V4を閉状態としつつ電磁弁V2及びV3を開状態とし、この状態にて、再び複式ポンプ6を駆動させる。これにより、上記の如く血液回路(静脈側ドリップチャンバ5内含む)及びダイアライザ3の血液流路内で透析液(プライミング液)が充填された状態で、複式ポンプ6を駆動して透析液導入ラインLaから透析液をダイアライザ3内の透析液流路に供給し、透析液排出ラインLbから排出させる(所謂ガスパージ工程を行う)。そして、複式ポンプ6を停止し、ダイアライザ3における透析液流路側と血液流路側との圧力が安定した後(圧力が安定する一定時間経過後)、第1センサP1及び第2センサP2によりそれぞれの液圧を測定する。
このとき、複式ポンプ6及び血液ポンプ4が停止しており、且つ、動脈側血液回路1先端と静脈側血液回路2先端とが連結されているので、第1の実施形態と同様、透析液流路側及び血液流路側は密閉系を構成することとなっている。尚、動脈側血液回路1先端と静脈側血液回路2先端とが連結されておらず開放された状態であっても、両者の圧力バランスが取れた状態とすれば足りる。
而して、演算手段9は、第1の実施形態と同様、第1センサP1の測定値(PBout)及び第2センサP2の測定値(PDout)から、所定の演算式を用いてヘッド差圧(α)を求める。即ち、α=PBout−PDout なる演算式を演算手段9にて実行すれば、第1センサP1(プライミング液側液圧測定手段)が液圧を測定する部位と第2センサP2(透析液側液圧測定手段)が液圧を測定する部位との間のヘッド差(高低差)で生じるヘッド差圧(α)を求めることができるのである。
その後、図6で示すように、電磁弁V2を閉状態としつつ電磁弁V4を開状態とし、複式ポンプ6を駆動させ(血液ポンプ4は停止状態が維持される)、透析液排出ラインLbにおいて透析液を一定速度v(限外濾過速度)で流動させる。このとき、複式ポンプ6による血液回路に対する押し込み力と透析液排出ラインLbに対する吸引作用で、血液流路側に供給された透析液(プライミング液)が血液浄化膜を介して透析液流路側に正濾過(血液流路側から透析液流路側への濾過)されることとなり、これを補充すべく透析液供給ラインLeからの透析液の供給が継続して行われる。
これにより、ダイアライザ3の血液浄化膜を介して血液流路と透析液流路との間で透析液を濾過させることができるので、第1センサP1及び第2センサP2によりそれぞれの液圧を測定し、それら測定値(第1センサP1の測定値PBout及び第2センサP2の測定値PDout)から所定の演算式を用いて膜間差圧(TMP)を求めることができる。かかる所定の演算式は、「TMP=PBout−PDout−α」とされる。そして、演算手段9は、この求められた膜間差圧(TMP)に基づき、所定の演算式を用いてダイアライザ3における血液浄化膜の限外濾過率(生食UFR)を求める。かかる所定の演算式は、「生食UFR=v÷TMP」とされる。
次に、本発明に係る第3の実施形態について説明する。
本実施形態に係る血液浄化装置は、第1、2の実施形態と同様、透析治療を行うための透析装置から成り、図7、8に示すように、動脈側血液回路1及び静脈側血液回路2から成る血液回路と、ダイアライザ3(血液浄化手段)と、血液ポンプ4と、静脈側ドリップチャンバ5と、第1センサP1(プライミング液側液圧測定手段)及び第2センサP2(透析液側液圧測定手段)と、演算手段9と、報知手段10と、オーバーフローラインLfとから主に構成されている。尚、第1の実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
本実施形態における除水ポンプ8は、正転駆動及び逆転駆動可能なものとされ、正転駆動により除水を行うことができるとともに、逆転駆動により透析液の逆濾過(透析治療時とは逆方向の濾過)が可能とされている。即ち、逆濾過により透析液導入ラインLaからダイアライザ3の透析液流路に供給された透析液を血液流路側へ濾過させ、当該血液回路にその透析液を充填させてプライミングが可能とされているのである。
オーバーフローラインLfは、静脈側ドリップチャンバ5の上部(空気層側)から延設され、その先端が大気開放されたもので、その途中にはオーバーフローの流路を任意に開閉可能な電磁弁V5が配設されている。即ち、本実施形態においては、動脈側ドリップチャンバ5の空気層側から第1センサP1に延びるチューブと、オーバーフローラインLfがそれぞれ延設されているのである。
而して、複式ポンプ6からダイアライザ3側へ供給される透析液は、逆濾過により血液回路側へ供給されることにより、第1の実施形態におけるプライミング液としての機能を果たすこととなり、プライミング液充填工程時、ダイアライザ3の血液流路にプライミング液としての透析液が充填されるとともに当該ダイアライザ3の透析液流路に透析液が充填された状態となるよう構成されている。透析液がプライミング時のプライミング液を兼ねるのである。このように、第2の実施形態でも述べたように、本発明においては、プライミング液が透析液供給ラインLaから供給される透析液と同じであるものを含むのである。
以下、本実施形態に係る透析装置の作用について説明する。
まず、図7に示すように、ダイアライザ3の血液導入口3a及び血液導出口3bに対し動脈側血液回路1及び静脈側血液回路2の基端をそれぞれ接続させるとともに、透析液導入口3c及び透析液導出口3dに対し透析液導入ラインLa及び透析液排出ラインLbをそれぞれ接続させ、且つ、コネクタcとコネクタdとを接続して互いの流路を連通させた状態とする。
一方、除水ポンプ8を逆転駆動させることにより、ダイアライザ3の透析液流路内の透析液が逆濾過され、当該ダイアライザ3の血液流路を通って血液回路(静脈側ドリップチャンバ5内含む)、及びダイアライザ3の血液流路内に至り満たされることとなる。尚、このとき血液ポンプ4は停止状態となっている。
その後、同図に示すように、除水ポンプ8を停止させ、逆濾過がなされない状態にて、複式ポンプ6を駆動させる。これにより、上記の如く血液回路(静脈側ドリップチャンバ5内含む)及びダイアライザ3の血液流路内で透析液(プライミング液)が充填された状態で、複式ポンプ6を駆動して透析液導入ラインLaから透析液をダイアライザ3内の透析液流路に供給し、透析液排出ラインLbから排出させる(所謂ガスパージ工程を行う)。そして、複式ポンプ6を停止し、ダイアライザ3における透析液流路側と血液流路側との圧力が安定した後(圧力が安定する一定時間経過後)、第1センサP1及び第2センサP2によりそれぞれの液圧を測定する。
このとき、複式ポンプ6及び血液ポンプ4が停止しており、且つ、動脈側血液回路1先端と静脈側血液回路2先端とが連結されつつ電磁弁V5が閉状態となっているので、第1、2の実施形態と同様、透析液流路側及び血液流路側は密閉系を構成することとなっている。尚、動脈側血液回路1先端と静脈側血液回路2先端とが連結されておらず開放された状態或いは電磁弁V5が開状態であっても、両者の圧力バランスが取れた状態とすれば足りる。
而して、演算手段9は、第1、2の実施形態と同様、第1センサP1の測定値(PBout)及び第2センサP2の測定値(PDout)から、所定の演算式を用いてヘッド差圧(α)を求める。即ち、α=PBout−PDout なる演算式を演算手段9にて実行すれば、第1センサP1(プライミング液側液圧測定手段)が液圧を測定する部位と第2センサP2(透析液側液圧測定手段)が液圧を測定する部位との間のヘッド差(高低差)で生じるヘッド差圧(α)を求めることができるのである。
その後、図8で示すように、電磁弁V5を開状態とするとともに除水ポンプ8を再び逆転駆動させ、透析液を一定速度v(限外濾過速度)で逆濾過(透析治療時と反対の方向への濾過)させる。逆濾過して血液回路側へ流れた透析液の容量分だけ、予め充填されたプライミング液としての透析液がオーバーフローラインLfから排出されることとなる。
これにより、ダイアライザ3の血液浄化膜を介して血液流路と透析液流路との間で透析液を逆濾過させることができるので、第1センサP1及び第2センサP2によりそれぞれの液圧を測定し、それら測定値(第1センサP1の測定値PBout及び第2センサP2の測定値PDout)から所定の演算式を用いて膜間差圧(TMP)を求めることができる。かかる所定の演算式は、「TMP=PBout−PDout−α」とされる。そして、演算手段9は、この求められた膜間差圧(TMP)に基づき、所定の演算式を用いてダイアライザ3における血液浄化膜の限外濾過率(生食UFR)を求める。かかる所定の演算式は、「生食UFR=v÷TMP」とされる。
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、例えば第1センサP1又は第3センサP3から成るプライミング液側液圧測定手段は、血液回路の何れかの部位におけるプライミング液の液圧を測定するものであれば他の位置に配設されたものであってもよく、或いは第2センサP2又は第4センサP4から成る透析液側液圧測定手段は、透析液導入ラインLa又は透析液排出ラインLbの何れかの部位における透析液の液圧を測定するものであれば他の位置に配設されたものであってもよい。
また、第2の実施形態、第3の実施形態においても、図4で示すように、動脈側血液回路1の途中の部位における液圧を測定し得る第3センサP3(プライミング液側液圧測定手段)を配設するとともに、透析液導入ラインLaの途中の部位における液圧を測定し得る第4センサP4(透析液側液圧測定手段)を配設するよう構成してもよい。
更に、第1センサP1又は第3センサP3(プライミング液側液圧測定手段)が液圧を測定する部位と第2センサP2又は第4センサP4(透析液側液圧測定手段)が液圧を測定する部位との間のヘッド差(高低差)で生じるヘッド差圧が極めて微小である場合、ヘッド差圧による誤差が小さいと判断し、当該ヘッド差圧を求めないよう構成してもよい。尚、本実施形態においては、透析治療時に用いられる透析装置に適用しているが、患者の血液を体外循環させつつ浄化し得る他の装置(例えば血液濾過透析法、血液濾過法、AFBFで使用される血液浄化装置、血漿吸着装置など)に適用してもよい。
プライミング液充填工程にて血液浄化手段の血液流路にプライミング液が充填されるとともに当該血液浄化手段の透析液流路に透析液が充填された状態で、当該血液浄化手段の血液浄化膜の限外濾過率を求める限外濾過率測定工程が行われる血液浄化装置であれば、他の形態及び用途のものにも適用することができる。
本発明の第1の実施形態に係る透析装置(血液浄化装置)を示す模式図 同透析装置におけるヘッド差圧を求める工程時の状態を示す模式図 同透析装置における限外濾過率測定工程時の状態を示す模式図 同透析装置において第1センサP1及び第2センサP2に加え、第3センサP3及び第4センサP4を配設した状態を示す模式図 本発明の第2の実施形態に係る透析装置(血液浄化装置)において、ヘッド差圧を求める工程時の状態を示す模式図 同透析装置における限外濾過率測定工程時の状態を示す模式図 本発明の第3の実施形態に係る透析装置(血液浄化装置)において、ヘッド差圧を求める工程時の状態を示す模式図 同透析装置における限外濾過率測定工程時の状態を示す模式図
符号の説明
1 動脈側血液回路
2 静脈側血液回路
3 ダイアライザ(血液浄化手段)
4 血液ポンプ
5 静脈側ドリップチャンバ
6 複式ポンプ
7 収容手段
8 除水ポンプ
9 演算手段
10 報知手段
P1 第1センサ(プライミング液側液圧測定手段)
P2 第2センサ(透析液側液圧測定手段)
P3 第3センサ(プライミング液側液圧測定手段)
P4 第4センサ(透析液側液圧測定手段)
La 透析液導入ライン
Lb 透析液排出ライン
Lc プライミング液供給ライン
Ld 除水ライン
Le 透析液供給ライン
Lf オーバーフローライン

Claims (9)

  1. 動脈側血液回路及び静脈側血液回路から成るとともに、当該動脈側血液回路の先端から静脈側血液回路の先端まで患者の血液を体外循環させ得る血液回路と、
    該血液回路の動脈側血液回路及び静脈側血液回路の間に介装されて当該血液回路を流れる血液を浄化するとともに、血液を浄化するための血液浄化膜を介して患者の血液が流れる血液流路及び透析液が流れる透析液流路が形成された血液浄化手段と、
    前記動脈側血液回路に配設された血液ポンプと、
    該血液浄化手段の透析液流路入口及び出口に接続された透析液導入ライン及び透析液排出ラインと、
    を具備し、治療前において前記血液回路内にプライミング液を供給して当該血液回路内で充填させるプライミング液充填工程が行われる血液浄化装置において、
    前記プライミング液充填工程にて前記血液浄化手段の血液流路にプライミング液が充填されるとともに当該血液浄化手段の透析液流路に透析液が充填された状態で、当該血液浄化手段の血液浄化膜の限外濾過率を求める限外濾過率測定工程が行われることを特徴とする血液浄化装置。
  2. 前記限外濾過率測定工程は、前記血液浄化手段の血液浄化膜を介して血液流路と透析液流路との間でプライミング液又は透析液を濾過させ、その濾過時における当該血液浄化膜の膜間差圧を求めるとともに、当該膜間差圧に基づき当該血液浄化膜の限外濾過率を求めるものであることを特徴とする請求項1記載の血液浄化装置。
  3. 前記血液回路の何れかの部位におけるプライミング液の液圧を測定するプライミング液側液圧測定手段と、
    前記透析液導入ライン又は透析液排出ラインの何れかの部位における透析液の液圧を測定する透析液側液圧測定手段と、
    を具備するとともに、前記限外濾過率測定工程は、当該プライミング液側液圧測定手段で測定される液圧と透析液側液圧測定手段で測定される液圧とに基づき前記膜間差圧を求めるものであることを特徴とする請求項2記載の血液浄化装置。
  4. 前記限外濾過率測定工程は、前記プライミング液側液圧測定手段が液圧を測定する部位と透析液側液圧測定手段が液圧を測定する部位との間のヘッド差で生じるヘッド差圧を求めるとともに、前記プライミング液側液圧測定手段による測定値と透析液側液圧測定手段による測定値とを減算して求められた値から当該ヘッド差圧を減算することにより前記膜間差圧が求められることを特徴とする請求項3記載の血液浄化装置。
  5. 前記プライミング液側液圧測定手段は、前記静脈側血液回路の途中に配設された静脈側ドリップチャンバ内の液圧を測定する第1センサから成るとともに、前記透析液側液圧測定手段は、前記透析液排出ラインの途中に配設されて液圧を測定する第2センサから成ることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の血液浄化装置。
  6. 前記プライミング液側液圧測定手段は、前記第1センサに加え、前記動脈側血液回路の途中の液圧を測定する第3センサから成るとともに、前記透析液側液圧測定手段は、前記第2センサに加え、前記透析液導入ラインの途中の液圧を測定する第4センサから成ることを特徴とする請求項5記載の血液浄化装置。
  7. 前記限外濾過率測定工程で求められた限外濾過率が予め設定された規定値より大きい場合、それを報知し得る報知手段を具備したことを特徴とする請求項1〜6の何れか1つに記載の血液浄化装置。
  8. 前記規定値は、過去の透析毎に求められて蓄積された限外濾過率の時系列データとの差分であることを特徴とする請求項7記載の血液浄化装置。
  9. 前記規定値は、事前に入力された限外濾過率の予想データとの差分であることを特徴とする請求項7記載の血液浄化装置。
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