以下、本発明の一実施形態に係る印刷システム、ジョブ処理方法、記憶媒体、プログラム、印刷装置について添付の図面を用いて詳細に説明する。
以下の実施形態では、コピー機能、プリント機能、ファクシミリ機能等の複数の機能(「モード」とも呼ぶ。)を具備したデジタル複合機能装置(MFP)としてのシステム、及び、当該装置を備える印刷システムの場合を例にとって説明する。尚、本実施形態で述べる印刷システムを画像形成システムとも称する。
図1は、第1実施形態に係るネットワーク対応の印刷システムの構成を説明する図である。図1において、印刷システム100は、ネットワーク等の通信媒体700を介して、他の装置との間で各種のデータ通信(データの送受信)を可能としている。印刷システム100がデータ通信可能な他の装置としては、例えば、サーバコンピュータ200や、ホストコンピュータ等のクライアントコンピュータA(300)、B(400)が挙げられる。更に、印刷システム100がデータ通信可能な他の装置として、例えば当該印刷システム100と同様の構成・機能を具備する、他のシステムとしてのデジタル複合機500や、インターネットファクシミリ装置600を適用することもできる。尚、印刷システム100と他の装置との間のデータ通信は、有線形式に限られるものではなく、無線形式であってもよいし、それらが混在した形態であってもよい。
印刷システム100は、コピーモードやプリントモードやファクシミリモード等の複数のモード(複数の機能)を具備している。印刷システム100は、自装置のリーダ部103(図2)で読み取った印刷ジョブのデータ、外部装置から入力された印刷ジョブのデータを、自装置が具備するハードディスク等の記憶ユニットを介して、自装置が具備するプリンタ部で印刷可能に構成されている。本実施形態では、この記憶ユニットとしてバックアップメモリ109(以下、メモリ109という)を採用している。印刷システム100は、各種の外部装置から印刷対象となるジョブのデータを受付可能に構成されている。その一例として、例えば、印刷システム100は、クライアントコンピュータ300や400等の情報処理装置からのジョブのデータを受付可能にする。又、他の印刷装置としてのデジタル複合機500から該装置500が具備するスキャナ部で読取った印刷ジョブのデータも受付可能に構成されている。又、印刷システム100は、インターネットファクシミリ装置600から出力されたジョブデータも印刷対象のジョブのデータとして受付可能に構成されている。又、印刷システム100は、上記ジョブデータを、自装置が具備する通信ユニット(例えば、コンピュータインタフェース部106(図2))を介して他装置へ転送処理したり、各種の出力処理の実行を可能な構成となっている。
また、メカ的構成として、印刷システム100は、自装置のリーダ部103に自動原稿給送装置(いわゆる、ADF)を具備しており、複数枚の原稿を自動的に先頭ページ側から連続的に順次読み取り可能となっている。また、印刷システム100は、自装置のプリンタ部104(図2)に、複数の給紙部(給紙カセット)を具備し、各給紙部毎に異なるメディアタイプ(例えば、記録紙サイズ、記録紙の種類等が異なる)の記録紙を収納可能である。従って、ユーザ所望の給紙部から選択的に記録紙を給送することにより、プリンタ部104により所望のタイプの記録紙に印刷を実行させることができる。
さらに、印刷システム100は、ソート機能、ステイプル機能、パンチ機能、サドルステッチ機能を実行するためのシート加工処理装置としてのフィニッシャを有する。例えば、印刷システム100は、印刷装置本体101に対して、各種のフィニッシングが実行可能なフィニッシャが、接続可能に構成されている。且つ、複数のジョブの印刷データを蓄積可能なハードディスク等のメモリ109内の印刷すべきジョブの印刷データの印刷処理をプリンタ部104により実行可能に構成されている。且つ、当該印刷システム100は、印刷装置本体101が具備するプリンタ部104により印刷処理がなされたジョブのシートを、当該フィニッシャ内部のユニットへ、供給可能に構成されている。且つ、印刷システム100は、ユーザが処理対象のジョブの為に指定したフィニッシングを、該フィニッシャにて、当該ジョブのシートに対して実行可能に構成されている。例えば、フィニッシィング機能の1例としてのソート機能はプリンタ部104にて印刷した記録紙の仕分け処理を行う機能である。ステイプル機能は、記録紙に対してステイプル処理を行う機能である。パンチ機能は、プリンタ部にて印刷された記録紙に対して穴あけ処理(「穿孔処理」、「パンチ処理」とも言う)を行う機能である。サドルステッチ機能は、プリンタ部104にて印刷された記録紙の折処理や製本処理を行う機能である。このような、印刷システム100における各種ジョブに対する制御、それに伴うUI制御や各ユニットに対する動作制御は、図2の制御部108が、メモリ109等に記憶されたコンピュータ実行可能な制御プログラムを読出参照する事で実行される。
図2は、図1に示した実施形態に係る印刷システム100の細部構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係る印刷システム100は、大きく、印刷装置本体101と画像入出力制御部105とを有する。印刷装置本体101は、操作部102、リーダ部(スキャナ部)103、及びプリンタ部104を具備する。尚、実際には、印刷装置本体101の筐体内部に、画像入出力制御部105も、内蔵されている。また、印刷装置本体101には図3により後述するようにフィニッシャが接続されている。
操作部102は、印刷装置本体101及び画像入出力制御部105を操作するために使用される。例えば、操作部102は、タッチパネル形式の液晶表示部やメカ的なハードキーを具備し、操作者に各種設定を行わせる。また、リーダ部103は上述したようにADF等の原稿給送装置を有し、原稿台にセットされた原稿画像の読み取り処理を実行し、読み取った画像データをプリンタ部104及び画像入出力制御部105へ出力する。さらに、プリンタ部104は、リーダ部103及び画像入出力制御部105からの画像データを、ジョブデータに対して設定された印刷処理条件に応じて記録紙等の記録媒体上に記録する。この表示部を具備する操作部102が、本実施形態のユーザインタフェース部(以下、UI部とも称する)の1例に該当する。勿論、コンピュータ200〜400等の情報処理装置、MFP500やインターネットファクシミリ装置600等の他の印刷装置等の各種外部装置が具備するUI部も当該実施形態におけるUI部の1例に該当する。実施形態のUI部は、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、表示装置、操作パネル等の少なくともいずれかを具備するが、その構成は実施形態に限定されるものではない。
一方、画像入出力制御部105は、リーダ部103に接続された制御部108、ネットワーク700に接続したコンピュータインタフェース部106、画像メモリ107、及びバックアップメモリ(RAM/HDD)109を備える。制御部108は、CPUやプログラムメモリ(不図示)を具備し、印刷システム100の全体を制御する。
コンピュータインタフェース部106は、外部通信部として機能し、外部装置(図1に示す通信媒体700に接続された各装置)と制御部108との間をインタフェースする。印刷システム100は、コンピュータインタフェース部106を用いて、外部装置とデータ通信を行う。なお、外部装置としては、例えば、パーソナルコンピュータ又はワークステーション(PC/WS)によって構成されるプリントサーバ(サーバコンピュータ200)等が挙げられる。コンピュータインターフェース部106は、サーバコンピュータ200から転送されてきた画像を表すコードデータ(PDL)をプリンタ部104で記録できる画像データに展開して制御部108に渡す。また、コンピュータインタフェース部106は、外部装置との間で画像データ以外の各種データ(例えば、コマンドデータ、ステータスリクエスト情報、ステータス情報、時刻データ等)の送受信も行う。尚、リーダ部103、コンピュータインタフェース部106、及び画像メモリ107、メモリ109間のデータの流れは制御部108で制御される。
一方、メモリ109は、電源を落としても該メモリに記憶済みのデータが消去されないタイプの不揮発性のメモリユニットである。メモリ109は、印刷装置本体101及び画像入出力制御部105においてバックアップしておかなければならない重要なデータを保存しておくものである。すなわち、メモリ109は、複数の未処理のジョブデータ(複数の一連の画像データ)を記憶・保持可能な記憶領域を具備し、リーダ部103や外部装置から入力される画像データやジョブデータ等の記憶・保持が可能である。なお、メモリ109は、例えばバックアップRAMやバックアップハードディスク等により構成される。尚、本例では、このように、印刷システム100自身に複数のジョブのデータを蓄積可能な不揮発性の大容量メモリを具備する構成としているが、これに限られるものではない。例えば、該印刷システム100により印刷対象となる複数のジョブのデータを記憶するメモリユニットを外部装置に具備する構成でも良い。
又、付言しておくと、このメモリ109は、データの消失を防止する為にも利用可能に構成されていることは勿論である。しかし、この意味だけに利用するわけではない。例えば、ユーザが所望のデータを何度でも所望のタイミングで所望の印刷形態でもって印刷させる等のニーズに対処する為にも当該メモリ109を利用可能に構成している。
その一例として、印刷システム100は、メモリ109を用いてボックス機能を提供可能に構成されている。この場合、以下のように構成される。例えば、外部のコンピュータ或いは印刷システム100は、自身のユーザインタフェース部を介して、ユーザによりボックス機能を選択可能に構成される。ユーザは、ボックス機能を選択した上で、処理対象となるジョブの文書データ等を、リーダ部103、或いは、外部のコンピュータから本印刷システム100に投入することが可能となる。ボックス機能が選択された状態において投入されたジョブの文書データは、メモリ109内に仮想的に設けられた複数のデータ記憶ボックスの該ユーザが指定したボックスに保存される。更に、印刷システム100は、ユーザが操作部102の提供するユーザインターフェース部を介してボックス機能を選択し、所望のボックスを選択し、且つ、その選択されたボックスから所望のデータを選択可能に構成される。制御部108は、こうして選択されたジョブのデータを、該ユーザが印刷システム100の操作部102を介して設定した処理条件でもって、プリンタ部104でプリントさせたり、外部装置へ送信可能に、本印刷システム100を制御する。このようなボックス機能を提供する際にもメモリ109を利用可能に構成されている。本実施形態では、印刷システム100の制御部108がこのような各種制御を実行する。
以上のように、本実施形態の印刷システム100は、メモリ109に複数のプリントジョブデータを格納することが可能であり、それらを順次処理できるように構成されている。例えば、あるプリントジョブのプリント動作をプリンタ部104に実行させている最中においても、外部装置や自装置のリーダ部(スキャナ部)103から、プリンタ部104で印刷すべきプリントジョブデータ(画像データ)を随時受付可能としている。尚、本実施形態では、印刷システム100が具備する制御部108が、印刷システム100が具備するこれら各種ユニットを制御することで、このような各種ジョブの一連の処理動作を、印刷システム100にて、実行させる。
図3は、図2に示す印刷システム100が具備する印刷装置本体101にフィニッシャが装着された場合のシステム構成の断面図である。図3において、原稿給送装置201は、原稿を先頭から順に1枚ずつプラテンガラス202上へ給送し、原稿の読み取り動作終了後、プラテンガラス202上の原稿を排出するものである。
原稿がプラテンガラス202上に搬送されると、ランプ203を点灯し、スキャナユニット204の移動を開始させて原稿を露光走査する。この時の原稿からの反射光は、ミラー205、206、207、及びレンズ208によってCCDイメージセンサ(以下、「CCD」という)209へ導かれる。このように、走査された原稿の画像はCCD209によって読み取られる。読み取られた画像はデジタルの出力画像データとしてメモリ109に格納される。
レーザドライバ221は、メモリ109に格納された出力画像データに応じてレーザ発光部210を駆動し、出力画像データに応じたレーザ光をレーザ発光部210に発光させる。このレーザ光は感光ドラム211に照射され、感光ドラム211にはレーザ光に応じた潜像が形成される。この感光ドラム211の潜像の部分には、現像器212によって現像剤が付着される。カラー機の場合は、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色分の現像器が装着される。
一方、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、カセット213及びカセット214、手差し給紙段227のいずれかから記録紙から給紙され、転写部215へ搬送される。転写部215において、感光ドラム211に付着された現像剤が記録紙に転写される。現像剤の乗った記録紙は定着部216に搬送され、定着部216の熱と圧力によって現像剤が記像紙に定着される。定着部216を通過した記録紙は排出ローラ217によって排出される。
両面記録が設定されている場合は、排出ローラ217のところまで記録紙を搬送した後、排出ローラ217の回転方向を逆転させることにより、フラッパ218によって再給紙搬送路219へ記録紙を導く。再給紙搬送路219へ導かれた記録紙は、上述したタイミングで再び転写部215へ給紙され、当該記録紙の反対側の面の記録が実行される。
印刷システム100がZ折りユニット226を具備する場合には、プリンタ部104により印刷がなされた記録紙をZ折りユニット226へ搬送可能に、制御部108により、印刷システム100が制御される。操作部102からの処理対象のジョブの為にオペレータが設定した印刷処理条件に従い、当該印刷物に対するZ折りを実行するように、制御部108は、Z折りユニット226を制御する。また、印刷システム100がフィニッシャ220を具備する場合、プリンタ部104により印刷がなされた印刷物を当該フィニッシャ220内部へ供給可能に、制御部108が印刷システム100を制御する。且つ、制御部108は、処理対象のジョブの為にオペレータが設定した印刷処理条件に応じて、処理対象のジョブの印刷物の仕分け(ソート)処理を、当該フィニッシャ220により、実行させる。且つ、制御部108は、処理対象のジョブの為にオペレータが設定した印刷処理条件に応じて、処理対象のジョブの印刷物のパンチ処理(穴あけ処理)を、パンチャ223により、実行させる。且つ、制御部108は、処理対象のジョブの為にオペレータが設定した印刷処理条件に応じて、処理対象のジョブの印刷物の中綴じ製本処理を、当該フィニッシャ220により、実行させる。例えば、この場合、サドルステッチャー225を使用すると、記録紙の中央部をステッチし、その中央部を折ることにより記録紙が製本される。且つ、制御部108は、処理対象のジョブの為にオペレータが設定した印刷処理条件に応じて、処理対象のジョブの印刷物のステイプル処理を、ステイプラ224により、実行させる。
さらに、インサータ222では、予め印刷された記録紙を表紙や合紙として給紙することが可能である。この構成によれば、予め印刷された記録紙をプリンタ部104の記録紙経路を通すことがないため、用紙を傷めずに搬送することができる。サドルステッチャー225を使用しないジョブは排紙口231を通り、可動トレイ228、229のどちらかに排出される。可動トレイ228、229は、両方共上下に移動させることができ、可動トレイ228に出力する場合には可動トレイ228が排紙口231の位置まで降りる。一方、サドルステッチャー225を使用するジョブの場合、記録紙は排紙口232を通って、製本トレイ230に排出される。これらの各種動作にかかわる制御も、制御部108が実行する。
次に、図4の「操作部の模式図」を用いて、本実施形態の印刷システム100の印刷装置本体101が具備する操作部102について説明する。
図4は、印刷システム100の操作部102の一例を示す図であり、キー入力部302とタッチパネル部301から成っている。また、図5はキー入力部302の詳細を示す模式図であり、図6はタッチパネル部301の詳細を示す模式図である。以下にそれぞれの詳細を説明する。
図5に示されるキー入力部302は、定常的な操作設定を行うことができるキー入力部分である。
操作部電源スイッチ401は、スタンバイモード(通常動作状態)とスリープモードを切り替えるものであり、システム全体の電源供給を行う主電源スイッチがON状態で制御することができる。なお、スリープモードとは、メインコントローラが、ネットワークプリントやファクシミリなどに備えて割り込み待ち状態でプログラムを停止し、消費電力を抑えている状態である。
節電キー402は、スタンバイモード時の定着器の制御温度を下げて、プリント可能な状態まで時間は要するが、消費電力を抑えるように動作設定するためのキーである。なお、節電率の設定により制御温度を下げることもできる。
スタートキー403は、コピーや送信などの開始を指示するキーであり、ストップキー404は、それを中断するキーである。テンキー405は、各種設定の置数を行うためのキーであり、クリアキー406は、その置数を解除するためのキーである。IDキー407は、MFPの操作者を認証するために、予め設定された暗証番号を入力させるためのキーである。
リセットキー408は、各種設定を無効にし、設定内容をデフォルト状態に戻すためのキーである。ヘルプキー409は、ガイダンスやヘルプを表示させるためのキーである。ユーザモードキー410は、タッチパネル部301の画面をユーザごとのシステム設定画面に移行するためのキーである。
カウンタ確認キー411は、MFP内に設けてあるプリント枚数などをカウントするソフトカウンタに記憶されている出力済み枚数を表示させるためのキーである。この出力済み枚数の表示では、コピー/プリント/スキャン/ファックスなどの動作モード、カラー/白黒といった色モード、ラージ/スモールといった紙サイズなどに応じて、それぞれの出力済み枚数を表示させることができる。画面コントラストダイヤル412は、タッチパネル部の液晶表示のバックライトを調光するなどして、画面の見易さを調整するためのダイヤルである。
実行/メモリランプ413は、ジョブの実行中やメモリへのアクセス中であることを点滅等により通知するランプである。エラーランプ414は、ジョブの実行ができない場合やサービスマンコールなどのエラー、あるいは、ジャムや消耗品切れなどを知らせるオペレータコールなどを点滅等により通知するランプである。
次に、図6によりタッチパネル部301の一例を説明する。タッチパネル部301は、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示部)表示器とその上に貼られた透明電極からなるタッチパネルディスプレイを有する。そして、LCDに表示されるキー相当の部分の透明電極を指で触れると、それを検知して別の操作画面を表示するなどの処理を実行するよう予めプログラムされている。図6は、スタンバイモード時の初期画面であり、設定操作に応じて様々な操作画面を表示することができる。
図6において、コピータブ501は、コピー動作の操作画面に遷移するためのタブキーである。送信タブ502は、ファックスやE−mail送信など送信(Send)動作を指示する操作画面に遷移するためのタブキーである。ボックスタブ503は、ボックス(ユーザごとにジョブを格納する記憶手段)にジョブを入出力操作するための操作画面に遷移するためのタブキーである。オプションタブ504は、スキャナ設定など拡張機能を設定するための操作画面に遷移するためのタブキーである。システムモニタキー505は、MFPの状態や状況を表示するためのキーである。上記キー501〜505のいずれかを選択することで、それぞれの操作モードの画面に遷移することができる。
図6では、コピータブ501が選択された場合の操作画面例を示している。この操作画面において、色選択設定キー506は、カラーコピー、白黒コピー、あるいは自動選択かを予め選択するためのキーである。倍率設定キー507は、等倍、拡大、縮小などの倍率設定を行う画面に遷移するためのキーである。後処理設定キー508はステープルやパンチなどの有無、個数、位置などを設定する画面に遷移するためのキーである。両面設定キー509は、片面印刷か両面印刷かを選択する画面に遷移するキーである。紙サイズ設定キー510は、給紙段や紙サイズ、メディアタイプを選択する画面に遷移するキーである。画像モード設定キー511は、文字モードや写真モードなど原稿画像に適した画像モードを選択するためのキーである。濃度設定キー512は、出力画像を濃くしたり薄くしたり調整するためのキーである。
ステータス表示部513は、スタンバイ状態、ウォームアップ中、ジャム、エラー等の簡易的な状態表示を行う表示部である。また、倍率表示部514は、倍率設定キー506で設定された倍率を表示する。また、紙サイズ表示部515は、紙サイズ設定キー509で設定された紙サイズ等を表示する。枚数表示部516は、テンキー405で指定された部数を表示したり、動作中に何枚目を印刷中かを表示したりする。更に、割り込みキー517は、コピー動作中に別のジョブを割り込ませる場合に利用される。応用モードキー518は、ページ連写、表紙・合紙設定、縮小レイアウト、画像移動など様々な画像処理やレイアウトなどの設定を行う画面に遷移するためのキーである。このように処理対象となるジョブの印刷処理条件を、表示部を介して、ユーザから受付可能に制御部108により制御する。
以上のような構成を備えた本実施形態の印刷システム100にて受け付けたジョブに対する各種制御について、以下、詳細に説明する。なお、本実施形態のジョブ処理方法では、中断要因が発生した場合にジョブを中断し、その中断中に該中断対象のジョブ以外の他のジョブの印刷を実行を可能とする。そして、中断要因が解除された際には、該中断対象のジョブの処理の再開方法をオペレータに選択させる。尚、本実施形態では、このようなジョブの処理動作を実行させる為の制御や、その為に利用する表示等に関わる表示制御を、主に、制御部108により実行する。
又、制御部108は、処理すべきジョブの印刷実行要求を受付た事に応じて、当該ジョブの印刷動作を本装置101により実行可能に制御する。又、制御部108は、印刷装置本体101自身が具備するリーダ部103により読取対象のジョブの印刷データの印刷実行要求を、印刷装置本体101自身が具備する操作部102を介してオペレータから受付る。
尚、本実施形態のボックス機能では、メモリ109のHDに保存された、リーダ部103からのジョブの原稿画像データやコンピュータインタフェース部106を介して受付た外部装置からのジョブの原稿画像データが、印刷対象となる。制御部108は、このようにボックス機能のジョブの印刷データの印刷実行要求も、操作部102を介して、オペレータから受け付ける。
このように、制御部108が、処理対象のジョブの印刷実行要求を、操作部102を介して、オペレータから受付たとする。この場合、制御部108は、当該印刷実行要求を入力する際にオペレータにより操作部102を介して該ジョブの為に設定された印刷処理条件に従った一連の印刷動作を、当該ジョブの為に実行するよう、印刷システム100を制御する。
一方、図2のサーバコンピュータ200等の外部装置のUI部を介して、処理対象のジョブの印刷実行要求を、該外部装置のオペレータから受付たとする。この場合、コンピュータインターフェース部106を介して、処理対象のジョブの印刷データと共に当該ジョブの印刷処理条件データも一緒に受け付ける。このように、外部装置から印刷実行要求がなされた場合、制御部108は、当該外部装置のUI部を介して設定された印刷処理条件に従った一連の印刷動作を、当該ジョブの為に実行するよう、印刷システム100を制御する。
以上に例示の各種構成要件を前提とした本印刷システム100にて、如何なる制御を本実施形態の制御部の一例に該当する制御部108が、実行するのか、その具体的な制御例を、以下に例示する。
ここでは、主に、
・印刷実行要求がなされたジョブの印刷動作開始後に該ジョブの印刷中断要因の発生に伴い該ジョブの印刷動作を印刷システム100にて中断させる制御、
・当該ジョブの印刷中断中に他のジョブの印刷動作を印刷システム100にて実行させる制御、及び、
・印刷中断対象のジョブの印刷動作を、どのようなタイミングで、且つ、どのような条件で、どのような再開方法でもって、印刷システム100にて、再実行するのかに関する制御について説明する。
本実施形態では、制御部108が本実施形態で開示する各種処理を印刷システム100にて実行させることで、これらの各種制御が印刷システム100で実現される。尚、各種処理とは、例えば、図7A、図7B、図15、図17、図22、図25、図28に例示の各フローチャートの処理を含み、これら処理を実行する為のコンピュータ読取可能な制御プログラムはメモリ109に予め記憶されている。
且つ、制御部108は、これらの処理に関連する本実施形態が開示する各種表示(図6、図8〜図14、図16、図18〜21、図23、図24、図27等に例示の各表示を含む)を、本実施形態のユーザインタフェース部により、実行可能である。また、これらの各種表示を本実施形態のUI部により実行可能にする為のコンピュータ読取可能な制御プログラムもメモリ109に予め記憶されている。
制御部108は、メモリ109に予め保持されているこれらの制御プログラムを読出参照する事で、以下に例示の各種制御例を含む本実施形態が開示する各種制御を印刷システム100にて実行可能にする。以下、図7Aのフローチャートの処理から順に説明する。
まず、制御部108は、処理対象となるジョブの印刷実行要求をオペレータから受付けたか否かを判断する。印刷実行要求がなされたと判断した場合、制御部108は、この印刷ジョブに係るデータ(このジョブの印刷データ及び、このジョブのオペレータが設定した各種印刷処理条件データ)を、メモリ109に、記憶させる。この処理が図7AのS601の処理に相当する。
その後、該印刷実行要求がなされたジョブの少なくとも1ページ分の印刷データをメモリ109に記憶した時点で、制御部108は、当該ジョブは印刷すべきジョブとして、メモリ109内の印刷待ち行列にエントリーする(登録する)。この処理が図7AのS602の処理に相当する。
これらS601やS602のステップに関する処理の具体例を含む補足説明を以下に行う。
例えば、印刷実行対象のジョブの印刷実行要求を、本実施形態のUI部の一例に該当する操作部102を介して、オペレータから受付けた場合の例でもって説明する。
例えば、ユーザ(オペレータと同義)により、リーダ部103が具備する原稿給紙装置(ADFとも呼ぶ)201に、50ページのA4サイズの複数枚の原稿からなる一連の原稿束がセットされたとする。
この際、制御部108は、当該ジョブの印刷処理条件をオペレータにより設定可能にする為の表示として、図6に例示の印刷設定画面の表示を、操作部102が具備するタッチパネル部301の表示器により、実行させる。尚、以下では、「タッチパネル部301の表示器による画面表示」を、単に、「タッチパネル部301による画面表示」と記載する。且つ、制御部108は、当該設定画面の表示を介してオペレータから処理対象となるジョブの各種印刷処理条件を、受付る。ここでは、例えば、該ジョブの一連の印刷動作にて必要なトータルの印刷部数として、印刷部数[5」が、該ユーザにより操作部102のテンキー405を介して、設定されたとする。
制御部108は、このようなオペレータによる処理対象のジョブの為の印刷処理条件の設定がなされた事に連動し、その設定内容をオペレータにより確認可能できるように、タッチパネル部301の表示内容を更新させる。例えば、この場合、制御部108は、図8に例示が如くの表示を、タッチパネル部301により、実行させる。
制御部108がタッチパネル部301に実行させた図8に例示の表示は、処理対象となる「A4サイズの計50枚の原稿からなる一連の印刷データの印刷実行を要するジョブ」の為に、以下の印刷処理条件が、ユーザにより設定された事を通知している。
・印刷部数はトータルで「5部」
・印刷に必要な用紙のサイズと種類は「A4サイズで、且つ、普通紙」
・印刷倍率は「等倍(100%)」
・フィニッシングの設定は「なし」
・両面印刷は「しない」(片面印刷を実行する)
このように、本実施形態では、ユーザから処理対象のジョブの為に受付た印刷処理条件をユーザ自身により確認可能な表示を、該ユーザから印刷実行要求を受付るに先立って、UI部により実行可能に構成する。該構成も、本実施形態における操作性向上を図る為の仕組みの1例でもある。
制御部108は、このように、処理すべきジョブの為の各種処理条件等の一連の印刷処理条件の設定を、本実施形態のUI部を介して、ユーザにより実行可能にする。尚、処理条件としては、用紙のサイズや種類、両面印刷可否、応用モードの設定、フィニッシングの実行可否とその種類等が挙げられる。且つ、制御部108は、このユーザから設定情報を、当該ジョブの一連の印刷処理条件データとして、該ジョブの印刷データと関連して管理できるように、メモリ109に、保持させる。
以上の手続を経たうえで、操作部102のスタートキー403が押下されたとする。制御部108は、このキー403のユーザ押下を受付る事で、上記処理対象のジョブの印刷実行要求をユーザから受付たと判断する。と同時に、制御部108は、このジョブ処理開始要求がなされた事を受け、該ジョブの印刷動作を完遂させる為に必要な該ジョブの為の一連の動作を、本印刷システム100により開始させるように、制御する。
例えば、上記ジョブは、原稿読取動作を要するコピージョブである。故に、この場合、制御部108は、ユーザによるスタートキー403の押下に応答し、上記ADF201にセット済の50枚の原稿からなる原稿束の原稿読取動作をリーダ部103により開始させる。且つ、制御部108は、この読取動作がなされた該ジョブの原稿画像データ(印刷データと同義)を、原稿1枚を読み取る毎に、順次、メモリ109へ記憶させる。且つ、制御部108は、このジョブの原稿束の最終原稿の読取がADFにて完了する迄、メモリ109への当該ジョブの印刷データの記憶動作を継続させる。且つ、当該メモリ109への記憶動作を経て、該ジョブの印刷データを、当該ジョブの印刷処理条件に従って、印刷するように、プリンタ部104を制御する。制御部108は、このような一連の印刷動作を、処理対象のジョブの印刷実行要求をユーザから受付けた事に応答して、印刷システム100に実行させる。
尚、本実施形態にて、処理対象となる印刷ジョブは、印刷実行前にリーダ部103による原稿読取動作を要するジョブのみではない。例えば、外部装置(コンピュータ300やコンピュータ400等)から当該外部装置のUI部を介して印刷実行要求がユーザによりなされた事に応じて、該外部装置のCPUが該外部装置から印刷システム100に対して送信するジョブも処理対象のジョブである。
このように、外部装置にて印刷実行要求がなされたジョブの存在は、当該外部装置からのジョブのデータを印刷システム100のコンピュータインタフェース部106により受信した事により、制御部108により確認される。且つ、制御部108は、当該ジョブのデータの受信を契機に、該ジョブのデータをメモリ109に記憶させる。その後、外部装置にて印刷実行要求がなされた該ジョブの少なくとも1ページ分の印刷データをメモリ109に記憶した時点で、制御部108は、当該ジョブは印刷すべきジョブとして、メモリ109内の印刷待ち行列にエントリーする(登録する)。このような処理も、図7AのS601、S602の処理にて実行対象となる処理に相当する。且つ、制御部108は、メモリ109に記憶した該ジョブの印刷データの印刷動作を、該外部装置のUI部を介してユーザが設定した印刷条件に従って、印刷装置本体101により、実行させる。
以上のように、本実施形態にて、制御部108は、印刷システム100のUI部を介して印刷実行要求がなされたジョブや、外部装置のUI部を介して印刷実行要求がなされたジョブを、印刷対象のジョブとして取り扱うように印刷システム100を制御する。尚且つ、制御部108は、処理対象のジョブの処理を印刷システム100にて開始させた場合、そのジョブの処理状況に連動した表示を、タッチパネル部301により、実行させる。この表示の一例が図9である。
制御部108が、タッチパネル部301により実行させる図9に例示の画面は、処理が実行中のジョブの進捗状況をユーザに通知するジョブ処理状況画面である。制御部108は、図9に例示の画面にて、印刷実行中のジョブが、何頁分の一連の印刷データを、合計何部数分印刷を要するジョブであり、現在、どの程度処理が進んだのかその進捗状況(処理状況)をユーザが確認できるようにした内容を表示させる。
尚、ここでは、処理対象のジョブは「印刷前にリーダ部103による原稿読取動作を要するジョブ」である。この場合、制御部108は、上記リーダ部103が具備するADF201に配設された用紙を検出するセンサからの情報を利用した原稿枚数カウント動作より、該ジョブの原稿枚数を特定する。例えば、制御部108は、ADF201の当該センサからの検出信号により、ADF201の原稿トレイから給紙された原稿の枚数をカウントする。そして、センサがADF201上に用紙が存在しないことを検出すると、そのカウント数がプリント枚数表示部607に表示されるように制御する。このとき、原稿を給紙する過程で1,2,3...というようにカウント数を表示するよう制御しても良い。
又、この制御例では、処理対象の上記ジョブの原稿枚数の合計は50ページ(枚)である。故に、当該ジョブの全ての原稿の読み込み動作をリーダ部103により完了させた場合、制御部108は、図9に例示が如く、プリント枚数表示領域607に「50」を表示させる。この「50」なる情報は、この処理が実行中のジョブの1束分の印刷動作(1部数分の印刷動作)において印刷対象となる印刷データの頁枚数がトータルで50頁(50枚)である事をユーザに通知する為の情報である。
又、制御部108がタッチパネル部301に表示させる図9の画面のプリント部数表示領域605には、この処理実行中のジョブにて必要なトータルの印刷部数が何部であるのか、及び、現在何部目を印刷実行中であるのかをユーザに通知する為の情報が表示される。例えば、この例にて処理対象のジョブは「50頁からなる一連の印刷データの印刷を、トータルで5部数分、要する、ジョブ」である。且つ、現在、1部目をプリンタ部104により実行中であるとする。この場合、制御部108は、プリント枚数表示領域605に「1/5」と表示させる。
尚、処理対象のジョブが「印刷前にリーダ部103による原稿読取動作が不要な、外部装置からのジョブ」であるとする。この場合、制御部108は、該外部装置からのジョブの印刷データが合計何頁メモリ109に記憶されたかを確認する。これにより該ジョブのトータルの原稿ページ数を特定する。且つ、制御部108は、該ジョブの印刷データと関連付けてメモリ109に記憶させた一連の印刷処理条件データを確認する。これにより、該ジョブのトータルの印刷部数を特定する。これらの特定内容と、プリンタ部104による該ジョブの印刷状況に基づいて、該ジョブの処理状況を示した表示を、図9に例示が如くのジョブ処理状況画面として、タッチパネル部301により、実行可能にする。
又、制御部108は、以上のように実行中のジョブの処理状況(進捗状況)を数値で表現するだけでなく、直感的にユーザにより理解可能にする為の、グラフィカルな、進捗表示バーによる表示も、図9に例示の進捗状況表示領域603にて、実行させる。例えば、制御部108は、実行中のジョブの進捗状況として、印刷システム100の各ユニットからの情報をリアルタイムに把握する。この情報をもとに、該ジョブの進捗状況に連動して表示形態が変化するように、進捗状況表示領域603に表示対象となる進捗表示バーが伸びるようにタッチパネル部301における表示を制御する。
このように、制御部108は、ジョブの処理状況に連動した表示制御として、実行中のジョブの進捗状況を図9の画面にてリアルタイムに反映可能にタッチパネル部301を制御する。例えば、このジョブの1部目の印刷が完了し、現在、2部目の印刷をプリンタ部104にて実行中である場合、制御部108は、プリント部数表示領域605の情報を更新して「2/5」と表示させる。又、このように印刷動作の進捗が進み次第、制御部108は、進捗状況表示領域603に表示対象の進捗バーを更新表示させる。
又、制御部108がタッチパネル部301に表示させる図9に例示の画面には、プリンタ部104により現在印刷実行中のジョブの各種情報をユーザが明示的に確認可能にする為の、以下に列挙する各種表示構成要素も具備するように構成されている。
1.印刷倍率表示領域601:制御部108は、該領域601に、現在印刷中のジョブの印刷倍率をユーザに通知する為の情報を表示させる。
2.用紙サイズ・方向・残量表示領域602:制御部108は、該領域602に、現在印刷中のジョブの用紙サイズ、用紙の向き、その用紙が収納されている給紙部の用紙残量等をユーザに通知する為の情報を表示させる。
3.メモリ残量表示領域604:制御部108は、該領域604に、現在印刷中のジョブの印刷データを記憶するメモリ109のメモリ残量を印刷濃度をユーザに通知する為の情報を表示させる。
4.プリント濃度調整領域606:制御部108は、該領域606に、現在印刷中のジョブの印刷濃度をユーザに通知する為の情報を表示させ、且つ、該ジョブの印刷濃度を変更する為の指示をユーザから受付る為の表示キーを表示させる。
このような操作性向上を図る為の仕組みが、本印刷システム100には、種々搭載されている。
制御部108は、図9に例示のジョブ処理画面の表示を、同画面の「閉じる」キーがユーザに押下された事に応じて、終了させる。この場合、制御部108は、図8に例示が如くの処理対象のジョブの印刷処理条件をユーザにより受付可能にする為の表示を、タッチパネル部301により、実行させる。且つ、当該表示を介して、制御部108は、新たに処理すべき印刷ジョブの印刷実行要求をユーザから受付可能にする。
尚、図7AのS601にて処理対象のジョブの印刷開始要求をユーザにより受付た時点にて、既に、他のジョブがプリンタ部104により印刷実行中である場合が存在する。又、既に複数のジョブが投入されており、先のジョブの印刷が完了するのを待機している印刷待ち状態のジョブが存在する場合もある。
このように、S601にて処理対象となるジョブ以外に既に印刷実行要求がなされて、且つ、印刷待ち行列に登録されているジョブが存在するとする。この状況の場合、制御部108は、上記印刷開始要求を受付たジョブは、印刷待ちジョブとして、メモリ209にて、待機させる。この場合、制御部108は、他のジョブの印刷動作をプリンタ部104により実行させたまま、該印刷実行要求がなされたジョブの印刷データのメモリ109への記憶動作のみを先に実行させる。そして、他のジョブの印刷が完了次第、随時、そのジョブの印刷データをメモリ109から読み出して、プリンタ部104により、印刷動作を実行させる。
一方、処理対象のジョブの印刷開始要求をユーザにより受付た時点にて、既に、印刷実行中のジョブも存在せず、且つ、印刷待ち状態のジョブも、存在しないとする。この場合、制御部108は、当該印刷開始要求がなされたジョブの印刷データのメモリ109への記憶動作と並行して、該ジョブの印刷データの印刷動作をプリンタ部104により、実行させる。
例えば、図7AのS601にて処理対象となるジョブ以外に印刷すべきジョブがメモリ109内の印刷待ち行列に登録されていない事を制御部108が確認したとする。この場合、制御部108は、S601にて処理対象のジョブの1頁目の印刷データがメモリ109に記憶されたと同時に、このジョブの該印刷データの印刷をプリンタ部104により開始させる。これにより、制御部108は、同一のジョブにて、印刷データのメモリ109への記憶動作と、メモリ109の該ジョブの印刷データの印刷動作とを、印刷システム100にて、同時並行動作可能にする。
又、制御部108が、S601にて、処理対象のジョブの印刷に必要な印刷データを、メモリ109へ記憶させ、且つ、S602にて、該ジョブを印刷待ち行列にエントリーさせたとする。且つ、制御部108が、S603にて、該メモリ109の印刷データの印刷をプリンタ部104により開始させたとする。このような一連の処理を経て、当該ジョブの印刷動作を、現在、プリンタ部104により、実行させている最中であるとする。この当該印刷動作の実行期間中においても、制御部108は、これとは別の新たなジョブの印刷実行要求を、印刷システム100にて受付る事を許可する。且つ、制御部108は、当該新規に印刷実行要求がなされたジョブの印刷データのメモリ109への記憶動作も、当該現在印刷実行中のジョブの当該印刷動作を実行させながら、これと並行して、実行可能に、印刷システム100を制御する。
例えば、図8に例示が如くの印刷条件の設定がなされた上記50頁からなる印刷データのA4サイズで且つ普通紙の印刷用紙に対する印刷を、トータル50部数分、実行させるジョブの印刷動作を、プリンタ部104にて、実行させている最中とする。尚、このジョブは、図11のジョブ処理状況一覧表示画面にて最上位の「受付番号0001のジョブ」に相当する。この状態にて、例えば、制御部108は、タッチパネル部301に、図10に例示が如くの表示を実行させる。こうして、制御部108は、当該受付番号0001のジョブの印刷実行中に、この図10の表示を介して、新たに印刷対象となるジョブの印刷条件を受付可能にする。この図10の表示では、この新規に印刷実行要求がなされる対象のジョブの為に、以下の印刷条件がユーザにより設定された場合を意味する。
・印刷部数はトータルで「10部」
・印刷に必要な用紙のサイズと種類は「A3サイズで、且つ、厚紙」
・印刷倍率は「等倍(100%)」
・フィニッシングの設定は「なし」
・両面印刷は「しない」(片面印刷を実行する)
尚、この図10の表示を介して印刷処理条件をユーザから受付対象のジョブは、図11の表示のジョブ処理状況一覧表示画面にてリストの上から2番目の「受付番号0002のジョブ」に相当するものとする。又、このジョブの為に、ここでは、ユーザが原稿給紙装置201にA3サイズの100枚からなる一連の原稿束がセットされたとする。且つ、このジョブの為の上記設定がなされたうえで、スタートキー403がユーザにより押下されたとする。制御部108は、このスタートキー403のユーザ押下により当該ジョブの印刷実行要求を受付けたと判断する。且つ、この要求に従い、合計100枚のA3サイズの原稿からなるこのジョブの原稿の読取動作をリーダ部103により実行させ、該読取動作がなされた該ジョブの印刷データを、順次、メモリ109に記憶させる。制御部108は、このような受付番号0002のジョブのメモリ109への記憶動作を、上記受付番号0001のジョブのプリンタ部104による印刷動作を実行させながら、並行して、実行させる。
尚、受付番号0001のジョブのプリンタ部104による印刷実行中に、新たに印刷実行要求がなされたジョブが、外部装置からのジョブであるとする。即ち、このジョブは「印刷開始前にリーダ部103による原稿読取動作が不要なジョブ」である。この場合、制御部108は、コンピュータインタフェース部106により該ジョブの印刷データを受信した時点で、順次、頁順に、当該ジョブの印刷データを、該ジョブの印刷処理条件データと共に、メモリ109へ記憶させる。制御部108は、この外部装置からのジョブの印刷データの記憶動作を、受付番号0001のジョブのプリンタ部104による印刷実行中に、並行して実行させるよう印刷システム100を制御する。
このように、制御部108は、処理対象のジョブの印刷実行中にも、随時、これとは別の新規なジョブの印刷実行要求を受付可能に制御する。且つ、制御部108は、その新規なジョブの印刷を、当該印刷実行中のジョブの印刷動作の終了を契機に、開始可能に制御する。
しかも本実施形態の制御部108は、印刷実行中のジョブの印刷動作を実行させながら、リーダ部103やメモリ109やプリンタ部104や操作部102等の印刷システム100が有する各種ユニットから、処理対象のジョブの処理状況に関る情報を取得する。これにより、制御部108は、印刷システム100にてジョブを処理している最中に、リアルタイムに印刷システム100の状況を監視する。
このような方法で、制御部108は、現在、印刷実行中のジョブの印刷実行中に印刷システム100にて該ジョブの印刷中断要因が発生したか否かを判断する。そして、もし、印刷実行中のジョブの印刷中断要因が発生した事を確認した場合、制御部108は、この現在印刷中のジョブの印刷動作を中断させるよう印刷システム100を制御する。且つ、当該ジョブの印刷中断期間中に、特定の条件下のもと、制御部108は、このジョブとは別の新規に印刷実行要求がなされた後続ジョブの印刷動作を、印刷システム100にて開始可能に制御する。
図7Aの説明に戻る。制御部108は、既述が如くの方法で、ユーザから印刷実行要求を受付けた事に応じて処理を開始させた上記処理対象のジョブの印刷データをメモリ109へ記憶させる。これが、S601に処理に相当する。と、同時に、制御部108は、現時点にて、このジョブ以外に処理すべき他のジョブが既にメモリ109にて待機しているか否かを、確認する。制御部108は、メモリ109内にて管理している、印刷対象のジョブの受付日時や印刷順序やジョブ名等の情報を制御部108により利用可能にする為の管理テーブルの情報を参照することで、当該確認を実行する。
制御部108が、上記確認を行った結果、このS601にて処理対象のジョブ以外に印刷すべきジョブはメモリ109に存在しないと判断したとする。この場合、制御部108は、当該ジョブの1ページ分の印刷データをメモリ109に記憶させた時点で、当該ジョブを印刷待ち行列にエントリーさせると同時に、このジョブの該メモリ109に記憶した頁の印刷データの印刷をプリンタ部104に開始させる。
一方、制御部108が、上記確認を行った結果、このS601にて処理対象のジョブ以外に印刷すべきジョブがメモリ109に存在すると判断したとする。この場合、制御部108は、当該ジョブの1ページ分の印刷データをメモリ109に記憶させた時点で、当該ジョブを印刷待ち行列にエントリーするが、その際、現在既にエントリー済みのジョブの最後尾に、当該ジョブをエントリーする。これにより、制御部108は、当該処理対象のジョブの印刷を、先にエントリー済の各ジョブの印刷動作が終了するまで待機させる。且つ、先にエントリー済の各ジョブの印刷動作が終了し次第、制御部108は、このジョブの印刷データをメモリ109から読み出させ、且つ、このジョブの為にユーザが設定した印刷条件に従った印刷動作をプリンタ部104により開始させる。
以上の、S601の処理以降の処理が、S602の処理及びS603の処理に該当する。
既述のように、制御部108は、操作部102や外部装置のUI部等の本実施形態が提供するユーザインタフェース部を介してユーザから印刷実行要求を受付可能にする。且つ、制御部108は、複数の印刷実行要求を受付けても、それらのジョブの印刷データを、複数のジョブの印刷データを記憶可能なHDを具備するメモリ109に、随時、記憶保持させる。
且つ、制御部108は、上記メモリ109にて管理テーブル形式で管理保持対象となる、印刷待ち行列のジョブ情報を、読み出し、参照する。制御部108は、このジョブ情報に基づいて、印刷実行要求がなされたこれら複数のジョブを、各ジョブの印刷実行要求の受付順番と同じ順番で、順次、印刷処理させるように、印刷システム100を制御する。
このように制御部108は、上記印刷待ち行列のジョブ情報を、印刷すべき各ジョブの印刷順序のスケジューリングにて利用する。しかも、制御部108は、この、印刷実行要求がなされた各ジョブのジョブ情報(ジョブの受付番号と受付時刻、ジョブの名称、並びに、各ジョブの処理状況等を特定する為の情報)を、以下に例示の表示制御にも利用する。
既述の如く、操作部102や外部装置のUI部を含む本実施形態が開示するUI部を介してユーザから印刷実行要求を受付たジョブは、各ジョブ毎に、各々、印刷データとジョブ情報を関連付けてメモリ109に保持するよう、制御部108により制御する。このジョブ情報には、処理対象のジョブの印刷動作にて必要なユーザが設定した一連の印刷処理条件データやジョブ名や文書名が含まれる。且つ、印刷装置101がジョブを受付た時点にて制御部108が自動的に各ジョブに対して付与する受付番号や受付時刻の情報も含む。このような各データの関連付けを行うように制御部108はメモリ109を制御する。
制御部108は、このような処理対象のジョブのデータのメモリ109への記憶動作を実行させる。且つ、制御部108は、この記憶動作を実行中に、これと並行して、印刷待ち行列のスケジューリングに基づいて、既に印刷行列にエントリー済の他の先行ジョブの印刷動作を、既述のように、印刷システム100にて、随時、実行させる。
既述の如く、複数のジョブを印刷システム100が受付け、何れかのジョブの印刷動作を実行させている最中に、例えば、図6に例示の表示画面上のシステムモニタキー505がユーザにより押下されたとする。制御部108は、システムモニタキー505のユーザ操作に応答し、図11に例示の表示を、表示部301により、実行させる。
制御部108が表示部401に表示させる図11に例示の画面は、印刷実行要求がなされたジョブの処理状況を一覧表示させる表示画面である。この図11の画面は、印刷要求がなされたジョブが複数存在する場合に、それらのジョブの印刷処理順序をユーザにより識別可能にし、且つ、各ジョブの現時点における処理状況を各ジョブ毎にユーザにより識別可能にする為の情報を表示した画面である。
例えば、この図11に例示の表示では、現在のジョブ状況として、以下に列挙する情報をユーザに通知する為の表示を、制御部108が、タッチパネル部301により、実行させた場合の制御例である。以下に列挙する情報を、制御部108は、図11の画面上のジョブ状況表示欄710に表示させる。
1.現在、印刷実行要求がなされて印刷待ち行列にエントリーされたジョブが合計4つである。
2.これら4つのジョブは、受付番号0001のジョブ、受付番号0002のジョブ、受付番号0003のジョブ、受付番号0004のジョブという順番で、印刷動作を実行するようにスケジューリングされている。
3.1番目に印刷実行対象の受付番号0001のジョブは、16:30に印刷実行要求をユーザから受付たジョブであり、ジョブの種類は「コピージョブ」である。且つ、現在、このジョブをプリンタ部104により「印刷実行中」である。
4.2番目に印刷実行対象の受付番号0002のジョブは、16:35に印刷実行要求をユーザから受付たジョブであり、ジョブの種類は「コピージョブ」である。且つ、現在、このジョブは「印刷待ち状態」である。
5.3番目に印刷実行対象の受付番号0003のジョブは、16:50に印刷実行要求をユーザから受付たジョブであり、ジョブの種類は、外部装置から印刷要求がなされた「プリントジョブ」である。且つ、現在、このジョブは印刷待ち状態である。
6.4番目に印刷実行対象の受付番号0004のジョブは、16:51に印刷実行要求をユーザから受付たジョブであり、ジョブの種類は、外部装置から印刷要求がなされた「プリントジョブ」である。且つ、現在、このジョブは印刷待ち状態である。
以上例示の各種情報をユーザに通知可能に構成した、図11の如き、各ジョブの情報をリスト形式で表示可能なジョブ状況一覧画面の表示を、制御部108は、システムモニタキー505のユーザ押下に応答し、タッチパネル部301により実行可能に制御する。
制御部108が表示部301に実行させる図11に例示の表示は、ユーザによる押下操作に応答可能に構成した各種表示キー701〜709も具備している。
本実施形態では、以上のような表示制御を実行可能に構成するのみならず、図20、図21、図23、図24に示されるような表示を、本実施形態の制御部108により、実行可能に構成している点も、本実施形態の特徴点の1つである。
尚、本実施形態では1例として、本実施形態に開示の表示制御に係る表示制御プログラムは、本実施形態に開示の各フローチャートの処理に係る各種動作を印刷システム100により実行させる為の制御プログラムと共に、メモリ109に予め保持されている。且つ、制御部108が、これらの本実施形態に開示の表示制御に係る表示制御プログラムをメモリ109から読み出して実行することで、本実施形態に開示のUI部に対する各種表示制御も実行可能に構成している。
以上のように、本実施形態にて、制御部108は、処理対象のジョブの印刷実行要求を、本実施形態のUI部を介してオペレータから受付た事を契機に、該ジョブの印刷動作を印刷システム100にて開始可能にする。
又、制御部108は、処理対象のジョブの印刷動作を行わせるにあたり、該処理対象のジョブの印刷データを全ページ、メモリ109に、記憶させる。もし、このジョブがコピージョブならば、当該ジョブの印刷データ(原稿画像データ)を、リーダ部103を介して受取り、これをメモリ109へ記憶させる。又、このジョブが外部装置からのジョブならば、このジョブの印刷データを、コンピュータインタフェース部106を介して受取り、これをメモリ109へ記憶させる。且つ、制御部108は、当該メモリ109を介して該ジョブの印刷データの印刷処理をプリンタ部104により実行させる。
又、制御部108は、処理対象のジョブの複数頁からなる一連の印刷データの1頁目の印刷データをメモリ109に記憶させたと同時に、他のジョブが印刷待ち行列に未登録である事を条件に、この1頁目の印刷データの印刷をプリンタ部104により開始させる。且つ、その後、順次、当該ジョブの印刷データの最終ページがメモリ109に記憶されるまで、当該ジョブの印刷データの記憶動作をメモリ109により実行させる。且つ、このメモリ109への記憶動作に並行して、当該ジョブの印刷データをプリンタ部104により実行させる。
このように、制御部108は、同一のジョブにて、該ジョブの印刷データのメモリ109への記憶動作と該メモリ109から該ジョブの印刷データを読みだして頁順に即して印刷させる印刷動作とを同時並行動作させる。これにより、極力、印刷システム100における生産性向上を図る。
上記構成を前提に例えば、処理対象のジョブの印刷動作に必要な用紙としてオペレータがUI部を介して指示した用紙を印刷装置101の給紙部から順次給送させる。且つ、当該給送された用紙に対する該ジョブの印刷データの印刷をプリンタ部104により順次実行させる。このように、オペレータが指定した用紙を1枚ずつ順次給送させ印刷を順次実行させる。このような処理対象のジョブの為の一連の印刷動作を実行するように、制御部108は、印刷システム100を制御する。
図7Aの説明に戻る。S603において、制御部108は、本実施形態のUI部を介してユーザにより印刷実行要求がなされ、且つ、メモリ109に印刷データを記憶させ印刷実行対象のジョブが印刷待ち行列に登録されているか確認する。その結果、例えば、印刷待ち行列に複数のジョブがエントリーされているとする。この場合、制御部108は、そのうちの最も受付時刻が早くにエントリーされた一番目のジョブの印刷動作を、該ジョブの印刷完遂を目指して、印刷システム100により実行させるよう制御する。
例えば、図11に例示の制御例で説明すると、現時点にて最も早くに印刷完了すべきジョブは、受付番号0001のジョブである。故に、制御部108は、当該ジョブの印刷データをメモリ109から読み出し、プリンタ部104により、印刷させる。尚、このジョブは、図8の表示にて印刷設定がなされた且つキー603の押下により印刷実行要求がなされた上記S601にて処理対象のジョブとする。即ち、このジョブは、「A4サイズの原稿の印刷データを、A4サイズで且つ普通紙に該当する記録用紙に印刷するジョブ」である。又、ここでは、A4サイズで且つ普通紙に該当する用紙が、給紙部の1例に相当する用紙トレー213に収納されているとする。故に、制御部108は、当該ジョブの印刷データの印刷に必要な用紙を、用紙トレー213から、給送させるように制御する。且つ、この給紙部から給送された用紙に対する印刷を当該ジョブにて実行するよう印刷システム100を制御する。
以上のようにS603にて処理対象のジョブの印刷動作を、そのジョブの処理完遂を目指してプリンタ部104により実行させながらも、制御部108は、当該ジョブの印刷中断要因が印刷システム100にて発生していないか否か確認を、実行する。これがS604の処理に相当する。この際、制御部108は、印刷システム100の各ユニット(リーダ部103、プリンタ部104、メモリ109、操作部102の各ユニット)に配設された各種センサからの情報を逐次取得し、この情報を基に、S604の判断を、実行する。
そして、もし、S603にて印刷が開始されたジョブで且つ現在印刷実行中のジョブの当該印刷動作の中断要因が印刷システム100にて発生していない事を、S604にて、確認したとする。この場合、制御部108は、処理をS604からS605へ移行する。
S605では、制御部108は、上記S603にて印刷開始対象のジョブの印刷動作が印刷システム100にて終了したか否かを上記各ユニットのセンサからの情報を基に判断する。
もし、上記S603にて印刷開始させたジョブに相当する現在印刷中のジョブの印刷動作が、印刷システム100にて終了していない事を、S605にて確認したとする。この場合、制御部108は、当該ジョブの印刷動作の完遂を目指すべく、S605からS603へと処理を戻し、当該ジョブの印刷動作を引き続きプリンタ部104により続行させる。
一方、上記S603にて印刷開始させたジョブに相当する現在印刷中のジョブの印刷動作が、印刷システム100にて終了した事を、S605にて確認したとする。この場合、制御部108は、当該ジョブの印刷動作は終了と判断し、S605からS606へと処理を進める。
S606では、制御部108は、S605にて印刷終了を確認したジョブを印刷待ち行列から削除する。次いで、S607にて、制御部109は、当該印刷ジョブを削除する。具体的には、S607にて、制御部108は、S605にて印刷終了を確認したジョブの印刷動作にて利用していたメモリ109に記憶されている当該ジョブの印刷データを全頁メモリ109から消去させる。
又、S606及びS607の処理を実行するのと同時に、制御部108は、印刷待ち行列の情報を更新する。具体的には、例えば、複数の印刷ジョブがメモリ109にて印刷待ち状態であるならば、各ジョブの印刷順番を、1個ずつ、繰り上げる。且つ、制御部108は、S605にて印刷終了を確認したジョブ以外にも印刷すべきジョブが存在するか否かを、メモリ109内の印刷待ち行列の参照結果を基に、判断する。この処理がS608の処理に相当する。
もし印刷すべきジョブが存在する事を確認した場合、制御部108は、S608からS603へ処理を戻し、当該ジョブの印刷動作を、開始させる。尚、この際、上記S605にて印刷終了確認したジョブの直後に印刷対象のジョブとして印刷待ち行列にエントリーされたジョブを、現時点にて、印刷すべきジョブとして、プリンタ部104により、開始させる。このように、制御部108は、各ジョブの印刷実行要求の受付順序どおりに印刷すべく、順次印刷システム100にてジョブの処理完遂を目指して処理し続けるよう、印刷システム100を制御する。
一方、S605にて印刷終了を確認したジョブ以外に、印刷すべきジョブが存在しないと、S608にて、判断した場合、制御部108は、S608にてNO判定を下して、印刷システム100にて処理すべきジョブは無しと判断して、処理を終了する。
以上のように、制御部108は、処理対象のジョブの印刷動作の完遂を目指して、S603にて印刷動作を開始させた当該処理対象のジョブの印刷動作を印刷システム100にて実行させる。しかし、もし、このS603にて印刷処理を開始させたジョブの印刷実行中に当該ジョブの印刷動作の中断要因が印刷システム100で発生した事を、制御部108が、S604にて、確認したとする。この場合、制御部108は、印刷システム100にて実行すべき処理を、S604から図7BのS609の処理へ、移行するように、制御する。
図7AのS603にてプリンタ部104により印刷動作を開始させた対象のジョブの当該印刷動作の中断要因が印刷システム100で発生したものとして、制御部108が、S604の判断でYES判定を下すケースには、例えば、以下のケースが挙げられる。以下では、制御部108が印刷中断要因の発生と見なすケースA〜Dについて説明する。
ケースA:印刷実行中のジョブの用紙切れエラーの発生
例えば、現在、印刷システム100にて、S603の処理にて印刷動作をプリンタ部104で開始させたジョブにて要する一連の印刷動作をプリンタ部104による実行中であるとする。この期間中に、例えば、制御部108が、該ジョブの為にユーザがUI部を介して指示した該ジョブの印刷に必要な用紙が印刷システム100の給紙部から無くなった事を該給紙部のセンサ情報を基に確認したとする。本実施形態では、これを「用紙切れエラー」、或いは、「用紙なしエラー」と称す。この「用紙切れエラー」は、処理対象のジョブの印刷動作を完遂させるが為に、該ジョブの印刷に必要な用紙を給紙部から連続給送し続けた結果、そのジョブに必要な用紙がセットされていた給紙部の用紙残量が0になる事で発生する。
制御部108が、印刷動作を開始させた上記ジョブの印刷中断要因として、このジョブの用紙切れを示す情報を、印刷装置101の給紙部から内部の信号線を介して、受付たとする。
制御部108は、このS603にて印刷を開始させた対象のジョブの印刷実行中に印刷システム100にて発生対象となる当該ジョブの「用紙切れエラー」を、S604におけるYES判定の判断条件となる印刷中断要因として取り扱う。
このように印刷実行中に当該処理対象のジョブの印刷動作に必要な用紙が印刷システム100にて無くなった事を制御部108が検知したとする。この場合、制御部108は、S603にて印刷開始対象のジョブにて印刷中断要因が発生したと判断し、図7AのS604から図7BのS609へ、処理を移行する。と、同時に、制御部108は、処理対象のジョブに必要な用紙が印刷システム100に存在しない旨をユーザに知らせる通知と、当該用紙の補給をユーザに促す通知の両者を含んだ情報を表示部301により、表示させるよう制御する。このケースAでは、制御部108は、処理対象のジョブにて印刷動作に必要な用紙が給紙部に存在しない旨をユーザに通知可能に構成した図14に例示の表示を、表示部301により、実行させる。
既述の如く、制御部108は、S603で印刷を開始させたジョブの印刷動作を印刷システム100にて実行させている最中に該ジョブの印刷中断要因が発生した事をS604にて確認した事を条件に、S609にて該ジョブの印刷動作を中断させる。と同時に、制御部108は、その中断要因の種類が、該ケースAが如くの「用紙切れ」、後述のケースB〜ケースDに例示が如くの「原稿ジャム」、「排紙先エラー」、「ユーザからの明示的な指示による印刷中断要求」のいずれかなのかといった判断を行う。
このように、印刷実行中のジョブの印刷中断要因の発生をS604にて確認した事を契機に制御部108は、そのジョブの印刷中断要因の種類が如何なる種類の中断要因であるかを判断する。尚、制御部108は、例えば、処理対象のジョブの印刷処理条件データ及び図2に例示の印刷システム100が具備する各ユニットからのステータス情報を含む印刷システム100のカレントステータス情報等の各種判断材料情報に基づき、この判断を、行う。
且つ、例えば、ケースAに例示が如く、制御部108は、そのジョブの印刷中断要因の種類は「当該印刷対象のジョブの印刷動作にて要する用紙が印刷システム100に存在しない事を意味する、用紙切れエラー」である事を特定する。
且つ、制御部108は、この特定結果(判断結果)に基づき、その特定した印刷中断要因の種類に基づいた情報をユーザに提示する為の表示を、操作部102により、実行させる。この場合、例えば、当該ケースAの図14の表示に例示が如く、S609にて印刷中断対象のジョブの印刷中断要因をユーザにより解除させる為の通知及びその解除方法を示すように構成された表示を、UI部により、実行させる。このケースAでは、制御部108は、該ジョブの印刷が中断した旨とその中断要因を解除する為のオペレータによる介入操作として「オペレータによる用紙補給」を要求する旨とを示すように構成された図14が如くの表示画面を、操作部102により、表示させる。
このように、S609にて印刷中断対象のジョブの印刷中断要因をユーザにより解除させる為の通知とその解除方法とを示すように構成された表示を、S609にて行うべき処理として、UI部により、実行させるように、制御部108により制御する。
このように本実施形態では、制御部108が、上記例示が如くの表示を、処理対象のジョブの印刷動作の中断と共に、S609にて実行するよう印刷システム100を制御する。
この構成を前提に本実施形態の印刷システム100は、上述が如くの印刷中断要因の種類に基づいた表示をS609にて実行させたうえで、当該中断要因に影響を受けないジョブの印刷を開始可能に制御する構成を具備している。尚、本実施形態では、当該構成の1例として、当該ケースAに対応する制御例に該当する後述のケース1の制御例を後述する。
ケースB:印刷実行中のジョブのリーダ部103における原稿ジャムエラーの発生
本実施形態の印刷システム100は、既述のとおり、コピージョブも処理対象のジョブとして取扱可能に構成している。即ち、本実施形態は、処理対象のジョブとして、「ユーザにより印刷実行要求がなされた以降で且つプリンタ部104による印刷を開始させる前に、リーダ部103による原稿読取動作を要する、ジョブ」を、処理対象のジョブとして取扱可能に構成している。当該例示が如くのジョブは、換言すると、「ユーザにより印刷実行要求がなされた後にリーダ部103による原稿読取動作の実行を経て、プリンタ部104による印刷が開始可能な、ジョブ」に相当する。
ちなみに、「外部装置にて印刷実行要求がなされた外部ジョブ」や、「印刷システム100が具備するボックス機能による処理対象のジョブ」は、「プリンタ部104による印刷開始に先立ちリーダ部103による原稿読取動作を要するジョブ」に該当しない。換言すると、これらのジョブは、少なくとも、「ユーザにより印刷実行要求がなされた後にリーダ部103による原稿読取動作の実行無しに、プリンタ部104による印刷が開始可能なジョブ」に該当するジョブである。
このように本実施形態では複数種類のジョブを印刷システム100にて受付可能に制御部108により制御している。
又、既述の構成を前提に、リーダ部103にて原稿読取動作を要するジョブの原稿読取動作に係るエラーが発生したか否かの情報を、リーダ部103のADF201が具備するセンサからの情報を基に、制御部108により、確認可能に構成している。
以上の構成を前提に本実施形態にて、既述の如く、S601にて受付対象のジョブが「プリンタ部104による印刷開始に先立ちリーダ部103による原稿読取動作を要するジョブ」であるとする。これを条件1と称す。且つ、この構成を前提に本実施形態では、既述の如く、S601にて受付対象の当該ジョブ以外に、印刷待ち行列にエントリー済(登録済)の他のジョブが存在しないとする。これを条件2と称す。
これら2つの条件を満足した場合、制御部108は、このジョブの1頁目の印刷データがメモリ109へ記憶された時点から、当該ジョブの1ページ分の印刷データが記憶される毎に、プリンタ部104により、該ジョブの印刷データの印刷を実行させる。
このように上記2つの条件を満足する事を条件に、制御部108は、処理対象のジョブの印刷データのリーダ部103からメモリ部109への記憶動作の実行中に、これと並行して、プリンタ部104により該同一ジョブの印刷動作を実行させる。
即ち、既述の状況は、処理対象のジョブの複数頁からなる一連の原稿の読取動作をリーダ部103により実行中に、当該ジョブの印刷動作をプリンタ部104により実行させている状況である。
この場合に、制御部108は、当該ジョブの印刷動作をプリンタ部104により実行させながらも、当該ジョブの原稿読取動作に関するエラーがリーダ部103にて発生したか否の確認を行う。例えば、このエラーの1例としては、リーダ部103が具備するADF201による原稿搬送動作中にて発生対象となる原稿ジャムが、これに該当する。
制御部108は、このS603にて印刷を開始させた対象のジョブの印刷実行中に印刷システム100にて発生対象となる当該ジョブの「原稿ジャム」を、S604におけるYES判定の判断条件となる印刷中断要因として取り扱う。
このように印刷実行中に当該処理対象のジョブの印刷動作に必要な原稿の読取動作に関するエラーがリーダ部103にて発生した事を制御部108が検知したとする。この場合、制御部108は、S603にて印刷開始対象のジョブにて印刷中断要因が発生したと判断し、図7AのS604から図7BのS609へ、処理を移行する。と、同時に、制御部108は、処理対象のジョブのリーダ部103によるエラーが発生した旨のユーザへの通知と、リーダ部103のエラーの解除を促す通知の両者を含んだ情報を表示部301により、表示させるよう制御する。本実施形態では、この1例として、制御部108は、処理対象のジョブにて要する原稿読取動作中に原稿ジャムが発生した旨を示した図20に例示の表示を、表示部301により、実行させる。
このケースBは、処理対象のジョブが、「印刷実行要求をUI部を介しユーザから受付けた後に原稿読取動作を要するジョブ」である。且つ、このジョブにて、印刷動作と同時並行して原稿読取動作を実行中に該原稿読取動作に係るエラーに該当する該ジョブの原稿ジャムがリーダ部103にて発生した事を、制御部108により、確認した例である。故にケースBでは、制御部108は、この当該原稿ジャムの発生をユーザに通知可能に構成した図20に例示の表示を、表示部301により実行させる。
このケースBでも、制御部108は、S603で印刷を開始させたジョブの印刷動作を印刷システム100にて実行させている最中に該ジョブの印刷中断要因が発生した事をS604にて確認した事を条件に、S609にて該ジョブの印刷動作を中断させる。且つ、この印刷中断要因の発生をS604にて確認した事を契機に制御部108は、そのジョブの印刷中断要因の種類が如何なる種類の中断要因であるか否かを確認する。これにより、このケースBでは、制御部108は、当該印刷中断要因の種類は「印刷を行うにあたり原稿読取動作を要するジョブの原稿ジャムが印刷システム100のリーダ部103にて発生した事を意味するリーダ部103のエラー」である事を特定する。
且つ、制御部108は、この特定結果(判断結果)に基づき、その特定した印刷中断要因の種類に基づいた情報をユーザに提示する為の表示を、操作部102により、実行させる。このケースBでは、制御部108は、該ジョブの印刷が中断した旨と「原稿ジャムのオペレータによる除去作業」を要求する旨とを示すように構成された図20が如くの表示画面を、操作部102により、表示させる。このようにケースBでも、S609にて印刷中断対象のジョブの印刷中断要因をユーザにより解除させる為の通知とその解除方法とを示すように構成された表示を、S609にて行うべき処理として、UI部により実行させるように、制御部108により制御する。
この構成を前提に本実施形態の印刷システム100は、上述が如くの印刷中断要因の種類に基づいた表示をS609にて実行させたうえで、当該中断要因に影響を受けないジョブの印刷を開始可能に制御する構成を具備している。尚、本実施形態では、当該構成の1例として、当該ケースBに対応する制御例に該当する後述のケース2の制御例を後述する。
ケースC:印刷実行中のジョブの排紙先エラーの発生
本実施形態の印刷システム100は、例えば、図3に例示が如く、プリンタ部104により印刷がなされた印刷物を積載可能なトレイ228やトレイ229を含む、複数の排紙先に対して、処理対象のジョブの印刷物を、出力可能に構成している。且つ、この排紙先にて用紙ジャムが発生したか否かの情報を、後処理装置(例えば、図3のフィニッシャ220)に具備するセンサからの情報を基に、制御部108により、確認可能に構成している。
この構成を前提に例えば、S603にて印刷開始対象のジョブの印刷動作の実行中に、当該ジョブにて印刷処理がなされた用紙の用紙ジャムが、印刷システム100が具備する後処理装置の排紙先にて、発生した事を、制御部108により、確認したとする。又、S603にて印刷開始対象のジョブの印刷実行中に、該ジョブの印刷物の出力先として用いられる排紙先が、印刷物で満載になり(トレイフルになり)、当該排紙先に対する印刷物の出力が続行不可となったとする。このような処理対象のジョブの印刷物のトレイフルが発生した事を制御部108により確認したとする。
制御部108は、このS603にて印刷を開始させた対象のジョブの印刷実行中に、印刷システム100にて発生対象となる、このような「排紙先におけるエラー」を、S604におけるYES判定の判断条件となる印刷中断要因として取り扱う。
このように印刷実行中に当該処理対象のジョブの用紙ジャムが排紙先にて発生した事を制御部108が検知したとする。この場合、制御部108は、S603にて印刷開始対象のジョブにて印刷中断要因が発生したと判断し、図7AのS604から図7BのS609へ、処理を移行する。と、同時に、制御部108は、処理対象のジョブの印刷データが印刷された用紙のジャムが印刷システム100の排紙先にて発生した旨の通知と、当該用紙ジャムの解除ユーザに促す通知の両者を含んだ情報を表示部301により、表示させるよう制御する。本実施形態では、この1例として、制御部108は、処理対象のジョブの排紙先における用紙ジャムの発生の旨を示した図23に例示の表示を、表示部301により、実行させる。
例えば、このケースCでは、S603にて印刷を開始させたジョブの印刷実行中に該ジョブの印刷物の出力先にてエラーが発生した事をS604にて確認した事を契機に制御部108が、この印刷実行中のジョブの印刷動作をS609にて中断させる。と同時に、制御部108は、この当該ジョブの印刷物の出力先エラーの1例に包含される「排紙先における用紙ジャム」の発生をユーザに通知可能に構成した図23に例示の表示を、表示部301により実行させる。
このケースCにおいて、制御部108は、S603で印刷を開始させたジョブの印刷動作を印刷システム100にて実行させている最中に該ジョブの印刷中断要因が発生した事をS604にて確認した事を条件に、S609にて該ジョブの印刷動作を中断させる。且つ、この印刷中断要因の発生をS604にて確認した事を契機に制御部108は、そのジョブの印刷中断要因の種類が如何なる種類の中断要因であるか否かを確認する。このケースCでは、既述の如く、制御部108は、当該印刷中断要因の種類は「印刷物の出力先としてユーザからの印刷処理条件に基づいて特定した出力先にてエラー」である事を特定する。
且つ、制御部108は、この特定結果(判断結果)に基づき、その特定した印刷中断要因の種類に基づいた情報をユーザに提示する為の表示を、操作部102により、実行させる。このケースCにおいて、制御部108は、該ジョブの印刷が中断した旨と「排紙先における用紙(印刷物)ジャムのオペレータによる除去作業」を要求する旨とを示すように構成された図23が如くの表示画面を、操作部102により、表示させる。このようにケースCでも、制御部108は、S609にて印刷中断対象のジョブの印刷中断要因をユーザにより解除させる為の通知とその解除方法とを示すように構成された表示を、S609にて行うべき処理として、UI部により実行させるように制御する。
この構成を前提に本実施形態の印刷システム100は、上述が如くの印刷中断要因の種類に基づいた表示をS609にて実行させたうえで、当該中断要因に影響を受けないジョブの印刷を開始可能に制御する構成を具備している。尚、本実施形態では、当該構成の1例として、当該ケースCに対応する制御例に該当する後述のケース3の制御例を後述する。
ケースD:印刷実行中のジョブの印刷一時停止要求指示がユーザによりUI部を介して明示的に入力された場合
本実施形態では、ジョブの処理状況を一覧表示可能にした図11に例示の表示を表示部301により実行させた状態で、当該リストの中から現在印刷中のジョブをユーザにより選択可能に構成している。例えば、図11に例示の表示は、リスト上の受付番号0001のジョブの項目に対応する表示ラインがユーザによるタッチパネル操作によりタッチされた事を条件に当該受付番号001のジョブが現在選択状態にある事を示した表示である。
既述の構成を前提に、例えば、既述が如くの方法でユーザにより現在印刷実行中のジョブが選択されたとする。この状態で、該印刷中のジョブの印刷動作を一時停止させる指示をユーザにより明示的に入力可能に構成した操作キーが、ユーザ押下されたとする。尚、この操作キーは、例えば、操作部102が有する不図示のハードキー、又は、タッチパネル部301により表示対象となる不図示の表示キー(ソフトキー)により実現される。制御部108は、当該ユーザによる当該操作キーへの操作に基づき、現在印刷中のジョブの印刷一時停止要求がユーザによりなされたと判断し、当該ジョブの印刷動作を中断させる。
既述の如く、このS603にて印刷を開始させたジョブの印刷実行中に印刷システム100にて当該ジョブに対する「ユーザからの印刷一時停止要求」が発生した場合、制御部108は、これをS604のYES判定の判断条件となる印刷中断要因として取り扱う。
既述の構成を前提に、印刷実行中に当該処理対象のジョブの印刷中断要求がユーザにより本実施形態のUI部を介してなされた事を、制御部108により、検知したとする。この場合、制御部108は、S603にて印刷開始対象のジョブにて印刷中断要因が発生したと判断し、図7AのS604から図7BのS609へ処理を進める。
このケースDにおいても、制御部108は、S603にて印刷を開始させたジョブの印刷動作を印刷システム100にて実行させている最中に該ジョブの印刷中断要因が発生した事をS604にて確認した事を条件にS609にて該ジョブの印刷動作を中断させる。且つ、この印刷中断要因の発生をS604にて確認した事を契機に制御部108は、そのジョブの印刷中断要因の種類が如何なる種類の中断要因であるか否かを確認する。このケースDでは、既述の如く、制御部108は、当該印刷中断要因の種類は「ユーザからの明示的な指示による印刷一時停止要求」である事を特定する。
且つ、制御部108は、この特定結果(判断結果)に基づき、その特定した印刷中断要因の種類に基づいた情報をユーザに提示する為の表示を、操作部102により、実行させる。ケースDの例では、制御部108は、「該ジョブの印刷が中断した旨をユーザに通知する情報」と「そのジョブはユーザからの明示的な指示による印刷再開要求により印刷が再開できる事をユーザに通知する情報」とを示す画面を操作部102により表示させる。
このようにケースDでも、制御部108は、S609にて印刷中断対象のジョブの印刷中断要因をユーザにより解除させる為の通知とその解除方法とを示すように構成された表示を、S609にて行うべき処理として、UI部により、実行するよう制御する。
この構成を前提に本実施形態の印刷システム100は、上述が如くの印刷中断要因の種類に基づいた表示をS609にて実行させたうえで、当該中断要因に影響を受けないジョブの印刷を開始可能に制御する構成を具備している。尚、本実施形態では、当該構成の1例として、当該ケースDに対応する制御例に該当する後述のケース4の制御例を後述する。
以上、ケースAからケースDの計4種類の印刷中断要因の各ケースを、本実施形態にて印刷中断要因として、例示的に挙げたが、本実施形態はこれに限定されない。換言すると、少なくとも、上記4つのケースのうちの、少なくとも何れかのケースに相当するケースに対処可能な構成のものであるならば、本発明に包含される。又、本実施形態で例示の印刷中断要因とは異なる種類の印刷中断要因の発生を契機に本実施形態にて例示の制御と同等制御を実行可能に構成されたものでも、勿論、本発明に包含される。このように、印刷中断要因の具体的な内容、種類に関しては何ら限定されないように構成している点も本実施形態の特徴点の1つである。
以上の構成を前提に、本実施形態では、S603にてプリンタ部104により印刷を開始させたジョブの当該印刷動作の実行期間中に、既述に例示が如くの当該ジョブの印刷中断要因が印刷システム100にて発生した事を、制御部108が確認したとする。すると、制御部108は、S604から図7BのS609へ処理を進める。
図7BのS609では、制御部108は、S603にて印刷開始対象の現在印刷中のジョブの印刷動作を中断させるよう印刷システム100を制御する。
この際、制御部108は、この中断要因の発生時点にて、既に、給紙部から給紙してしまった用紙への印刷が可能ならば、当該印刷用紙に対する印刷を続行させ、印刷システム100の排紙先へ排出させる。この機内から機外へと印刷中断対象のジョブにて印刷がなされた用紙の排出動作の完了時点で、制御部108は、当該ジョブの印刷動作を中断させる。
このように本実施形態では、印刷中のジョブの印刷中断要因が発生した場合でも、印刷が正常になされた用紙については、可能な限り、印刷システム100の装置内部に該用紙を滞留させないよう、印刷システム100を、制御部108により、制御する。且つ、制御部108は、この印刷が正常になされた用紙を、ユーザによる印刷物の取出が可能な印刷システム100の排紙先へ排出させるように、印刷システム100を、制御する。且つ、そのうえで、制御部108は、当該ジョブの印刷動作を中断(ストップ)させる。
既述の構成は、印刷中断要因が発生した場合でも、極力、そのジョブの印刷結果を利用可能にし、且つ、必要以上に用紙を無駄にせず、且つ、可能な限り処理すべきジョブの進捗を進める事を可能にした、生産性向上効果を図るが為の仕組みの1例でもある。
但し、このS604にて印刷中のジョブにて発生した印刷中断要因の種類が、「プリンタ部104内部の用紙搬送路上における用紙ジャム」であるとする。この場合、制御部108は、その印刷中断要因発生時点にて、直ちに、プリンタ部104による印刷動作を中断(停止)させる。この場合、制御部108は、印刷システム100の装置内部に該用紙を滞留させたままの状態で、プリンタ部104の動作をストップさせる。換言すると、この種類に該当する印刷中断要因がS604にて発生した場合、制御部108は、その印刷中断要因の発生直後に、給紙部から新たな用紙の給送動作や装置内部における用紙の搬送動作を行う事を禁止する。
既述の構成は、プリンタ部104内部にて用紙ジャムが発生した際に、プリンタ部104内部にて複数の用紙ジャムの発生を誘発するような問題を、本実施形態にて極力回避可能にした効果を図るが為の仕組みの1例でもある。
以上の構成を前提に、S603にて印刷を開始させたジョブの印刷実行中における当該印刷動作の印刷中断要因の発生を契機に、制御部108は、S609にて、当該ジョブの印刷動作を印刷システム100にて中断させるように制御する。
又、制御部108は、このS609の中断処理にて印刷動作を中断させたジョブの印刷データを、その後のユーザの介入操作を経た該中断要因の解除に応じた当該ジョブの印刷再開動作時において、利用可能にする。
具体的には、S609における印刷中断対象のジョブの印刷データを、該ジョブの印刷動作の再開時における印刷動作にて利用可能に、全ページ、メモリ109に、保持させるように制御する。
尚、このS609にて印刷中断対象のジョブが「複数部数分の印刷を要するジョブ」であるとする。この場合、制御部108は、該ジョブの印刷の完了に必要な印刷動作として、該ジョブの為にオペレータからUI部を介して受付た印刷部数分、繰り返し、同頁の印刷データを印刷させるよう印刷システム100を制御する。又、本実施形態にて印刷実行要求の受付を許可する対象のジョブとして、制御部108は、「1部数分の印刷のみを要し、且つ、その1束分の印刷物に対してフィニッシングの実行を要するジョブ」も印刷装置100により受付可能に制御する。
そこで、既述の構成を前提に、例えば、本実施形態にてS609の処理を行うとする。この場合、制御部108は、印刷中断要因の発生直前にて既にS603にて印刷済の頁に該当する印刷データも含む、印刷中断対象のジョブの全ての頁の印刷データを、印刷再開時に利用可能に、メモリ109に保持させるよう制御する。且つ、S609にて印刷中断対象のジョブが如何なる印刷処理条件の印刷動作を要するジョブであるのかを制御部108により特定可能にするための情報として、制御部108はその中断対象のジョブの一連の印刷処理条件データも、メモリ109に保持させる。且つ、S609にて印刷動作の中断直前迄に、何処までそのジョブの処理が済んだのかを制御部108により特定可能にするための情報として、制御部108は、該ジョブの進捗状況を示すデータも、メモリ109に保持させる。制御部108は、この進捗状況を示すデータを、図9に例示のジョブ処理状況画面を表示部301により表示させる際に必要な情報と同等の取得方法により、取得する。
これら各種情報も、S609にて印刷中断対象のジョブの印刷再開に要するジョブ情報として、制御部108は、該印刷動作が中断対象のジョブの印刷再開に必要な印刷データに関連付けてメモリ109に、保持させる。
このように、制御部108は、上述が如くの、S609で印刷中断対象となったジョブのジョブ情報をメモリ109に記憶させる処理を、図7BのS610にて実行する。
尚、本実施形態の図7BのS610やS610や、後述の図15のS707や図17のS903や図22のS806や図25のS1009の各ステップには「中断ジョブ」と記載がある。本実施形態に記載の、この「中断ジョブ」とは、「図7BのS609の処理における印刷中断対象のジョブ」を意味する。換言すると、本実施形態に記載の、この「中断ジョブ」とは、本実施形態では、「印刷中断要因の発生を契機に(条件に)、本実施形態の制御部108が、印刷動作を印刷システム100にて中断させたジョブ」を意味する。
ちなみに、図7BのS621やS623や後述の図15のS701やS702やS711や図17のS901やS902やS908や図22のS801や図25のS1002の各図の各ステップには「現行ジョブ」と記載がある。この「現行ジョブ」とは、「図7BのS609における印刷中断対象のジョブとは異なる、他の印刷すべきジョブに該当する、図7BのS616にて印刷開始対象のジョブ」を意味する。換言すると、この本実施形態に記載の「現行ジョブ」とは、「印刷中断要因の発生を契機に印刷動作が中断されたジョブの当該印刷動作の中断状態期間中に、印刷システム100にて印刷の実行対象となるジョブ」を意味する。即ち、本実施形態に記載の「現行ジョブ」とは、本実施形態では、「印刷中断対象のジョブのS609における印刷中断動作の実行を契機に(条件に)、本実施形態の制御部108が、印刷システム100による印刷動作の開始実行を許可したジョブ」を意味する。更に換言すると、この「現行ジョブ」とは、「S609にて印刷中断対象のジョブの印刷をシステムで行わせない代わりに、当該ジョブの印刷中断(一時停止)期間中に、本実施形態の制御部が、S616にて印刷動作を開始させた、ジョブ」を意味する。
以上の説明を踏まえて本実施形態の印刷システム100の構成を引き続き以下に詳述する。
制御部108は、図7BのS610にて印刷中断対象のジョブの情報(ジョブ情報とも呼ぶ)をメモリ109に保持させたうえで、処理をS610からS611へ進める。
尚、この「ジョブの情報」とは、既述の如く、「そのジョブの印刷再開に必要な用紙に印刷すべき印刷データ(原稿画像データ)」、「そのジョブの印刷処理条件データ」、「印刷中断時にそのジョブの処理が何処まで済んでいたかを特定する進捗データ」を含む。且つ、そのジョブの「受付番号」や「文書名」や「ジョブの種類」等、図11の画面に表示されるリストにて表示対象となる情報も、制御部108が実行する本実施形態で開示の制御に必要なジョブ情報として、S610にて、メモリ109に保持させる。
図7BのS611で制御部108は、「S609における印刷中断対象のジョブの印刷中断要因に影響を受けない、印刷すべきジョブ」がメモリ109に存在するか否かを、メモリ109で管理している上記印刷待ち行列の情報を読み出し、参照する事で確認する。
且つ、S609にて印刷中断対象のジョブの印刷中断要因に影響を受けない印刷すべきジョブがメモリ109に存在するとS611にて判断した場合、制御部108は、S611からS614へ処理を進める。
一方、S609にて印刷中断対象のジョブの印刷中断要因に影響を受けないジョブが存在しないとS611にて判断した場合、制御部108は、S611からS612へ処理を進める。
制御部108は、印刷中断要因の発生を契機にS609にて印刷中断されたジョブの印刷中断期間中(印刷一時停止中)に、該印刷中断要因に影響を受けないジョブの印刷を開始可能に印刷システム100を制御する。尚、この「印刷中断されたジョブ」とは、既述が如くS609にて印刷中断対象の「中断ジョブ」に該当する。一方、この「該印刷中断要因に影響を受けないジョブ」とは、既述が如くS616にて印刷開始対象となる「現行ジョブ」に該当する。
換言すると本実施形態にて制御部108は、S609で印刷中断対象のジョブの印刷再開を印刷システム100にて保留状態としたままの状態(待機状態としたままの状態)で、他のジョブの印刷を開始実行させる。
既述の如く、本実施形態の印刷システム100は、印刷中断対象のジョブの印刷中断要因に影響を受けない他のジョブの印刷を、当該印刷中断対象のジョブの印刷一時停止期間中に、開始実行可能にした構成を、具備している。
この構成の意味は、中断印刷対象のジョブの印刷中断要因が印刷システム100にて解除されていない状態であっても、「印刷が正常に完遂できるジョブに該当する他の印刷を要するジョブ」の印刷を開始可能に構成している事を意味する。
ここで、S611にて制御部108が、印刷中断対象のジョブの印刷中断要因に影響を受けないジョブとして、如何なるジョブを、印刷待ち行列から検索し、S616にて印刷開始可能に制御するのかに係る具体例を、以下に、例示する。以下に例示の各ケースでは、制御部108が、S609にて印刷中断対象のジョブの印刷中断期間中(印刷一時停止期間中)に、その印刷中断対象のジョブの印刷中断要因に影響を受けない他の後続ジョブの印刷動作を印刷システム100に開始させる。この制御例を主に説明する。
尚、以下では、既述のケースAからケースDの計4種類の印刷中断要因のケースと対応する4つの制御例としてケース1〜ケース4の制御例を開示する。
ケース1:印刷中断要因が「用紙切れ」の場合
上記のように、印刷中断要因が発生したジョブの当該印刷中断要因に影響を受けないジョブが印刷待ち行列に存在する事をS611にて確認した制御部108は、該印刷中断要因に影響を受けないジョブの印刷を該印刷中断対象のジョブの中断期間中に開始させる。このケース1は、上記ケースAにて例示の制御に対応づいた制御の1例を説明するものである。即ち、ケース1は、印刷中断対象のジョブの印刷中断要因の種類が「用紙切れ」である事を条件に制御部108が実行する制御例である。
当該ケース1にて、制御部108は、印刷中断対象のジョブの印刷動作に要する用紙とは異なるサイズ又は種類に該当する用紙を印刷動作にて要するジョブが印刷待ち行列に存在するか否かを検索する。且つ、制御部108は、「中断対象のジョブの印刷にて要する用紙と同じサイズで且つ同種類の用紙に該当する用紙は不要で、これに該当しない用紙を印刷に要する、ジョブ」の印刷を、該中断対象のジョブの印刷中断期間中に、開始可能に印刷システム100を制御する。以下、具体例でもって更に詳述する。
例えば、先のケースAに例示の制御例が如く、S604にてYES判定が下されたジョブに相当する、S609にて制御部108により印刷中断されたジョブ(中断ジョブ)の印刷中断要因の種類が「用紙切れ(用紙無し)エラー」であるとする。即ち、S609にて印刷中断対象のジョブが「用紙切れという印刷中断要因の発生により印刷動作が中断されたジョブ」であるとする。
このケースに該当する場合、制御部108は、このジョブの印刷動作にて必要な用紙が如何なるサイズで且つ如何なる種類の用紙であるのかを、確認する。制御部108は、S602にて、印刷待ち行列に対してジョブをエントリーする際に該ジョブの情報としてメモリ109に保持させた当該ジョブの印刷処理条件データを、メモリ109から読出参照する事でこの確認を行う。
更に、この確認(印刷中断対象のジョブの印刷動作に要する用紙の確認)を行ったうえで、制御部108は、この用紙とは異なるサイズ又は種類の用紙を印刷動作に利用するジョブが印刷待ち行列にて待機しているか否かを確認する。
この具体例を、既述の例を引続き用いて説明する。例えば、受付番号0001のジョブ印刷中に該ジョブの印刷動作にて要する用紙の用紙切れの発生を契機に、制御部108が、S604の判断を経て、S609にてこのジョブの印刷動作を中断させたとする。この受付番号0001のジョブは、既述の如く、「用紙サイズがA4サイズで且つ用紙種類が普通紙に相当する用紙を印刷動作にて要する、ジョブ」である。
このケースの場合、S611にて制御部108は、用紙の種類が普通紙であるか否かに関係なく「A4サイズ以外のサイズの用紙を印刷動作に要するジョブ」が印刷待ち行列にて待機しているか否かを、確認する。或いは、このケースの場合、S611にて制御部108は、用紙のサイズがA4サイズであるか否かに関係なく「普通紙以外の種類の用紙を印刷動作に要するジョブ」が印刷待ち行列に存在するか否かを、確認する。或いは、このケースの場合、S611にて制御部108は、「A4サイズで且つ普通紙の用紙に該当する用紙とは異なる用紙サイズで且つ用紙種類の用紙を印刷動作に要するジョブ」が印刷待ち行列に存在するか否かを確認する。
換言すると、このケースの場合、制御部108は、用紙のサイズがA4サイズで且つ用紙の種類が普通紙の用紙を印刷動作に要するジョブは、S611にて選択対象外のジョブであると判断する。即ち、このケースの場合、制御部108は、用紙のサイズがA4サイズで且つ用紙の種類が普通紙の用紙を印刷動作に要するジョブに該当しないジョブを、S611にて選択対象のジョブとして、印刷待ち行列の中から検索する。このような、処理すべきジョブの印刷動作にて要する用紙に係る判断条件を第1条件とし、この第1条件を満足するジョブが印刷すべきジョブとしてメモリ109に存在するか否かを、制御部108は、S611にて、確認する。
尚且つ、制御部108は、既述の第1条件を満足するジョブが存在する事を確認したうえで、更に、その第1条件を満足するジョブの印刷動作にて要する用紙が、印刷システム100の給紙部にセットされているか否かの確認も、S611にて行う。この用紙が給紙部にセットされているか否かに係る判断条件を第2条件とする。
この具体例を、既述の例を引続き用いて説明する。先の例で、制御部108は、受付番号0001のジョブの印刷動作をプリンタ部104にて実行させている最中に、受付番号0001のジョブの直後に印刷実行要求がなされたジョブとして、受付番号0002のジョブを受付け、印刷待ち行列にエントリーさせた。この受付番号0002のジョブは、既述の如く、「用紙サイズがA3サイズで且つ用紙種類が再生紙に相当する用紙を印刷動作にて要する、ジョブ」である。即ち、この受付番号0002のジョブは、「用紙のサイズがA4サイズで且つ用紙の種類が普通紙の用紙を印刷動作に要するジョブに該当しないジョブ」である。
制御部108は、S611にて、この受付番号0002のジョブを、「用紙切れエラーという印刷中断要因の発生を契機にS609で印刷中断させた受付番号0001のジョブの当該印刷中断要因に影響を受けない、ジョブ」であると判断する。更に、制御部108は、この受付番号0002のジョブの印刷動作に要する用紙が、印刷システム100の給紙部にセットされているか否かの確認も、S611にて行う。
本実施形態では、印刷システム100が具備する複数の給紙部の各給紙部毎による用紙のサイズや用紙の種類を、操作部102を介してユーザにより予め登録可能に構成している。制御部108は、このユーザによる給紙部の用紙に関する登録情報を、操作部102から取得する。又、本実施形態の印刷システム100は、用紙のサイズや用紙の有無を検知するセンサを各給紙部毎に具備する。制御部108は、これら各センサから、各給紙部における用紙の有無や用紙のサイズ等の情報を、ステータス情報として、取得する。これらの情報を基に、制御部108は、印刷システム100の各給紙部に、如何なるサイズの如何なる種類の用紙がセットされているか等を、印刷システム100の給紙部のステータス情報として確認する。
この給紙部のステータス情報をもとに、制御部108は、既述の如く、受付番号0002のジョブの印刷動作に要する用紙が印刷システム100の給紙部にセットされているか否かの確認を、S611にて行う。
そして、もし、この受付番号0002のジョブの印刷動作に要する用紙が印刷システム100の給紙部にセットされていると判断したとする。換言すると、第2条件も満足したと判断したとする。
以上の各種判断を経て、制御部108は、上記第1条件及び第2条件を満足する、この受付番号0002のジョブを、「受付番号0001のジョブの印刷中断要因に影響を受けないジョブ」であると判断する。そして、この判断結果に従い、処理はS611からS614へ進む。
以上の例示が如く、印刷中断要因の発生を契機にS609で印刷動作を中断させたジョブの印刷中断要因の種類が、「用紙切れ」であるとする。
このケースの場合、制御部108は、S609における印刷中断対象のジョブの印刷動作にて要する用紙と同じ用紙サイズで且つ同じ用紙種類の用紙を印刷動作に要するジョブはS611において選択対象外とする。且つ、このケースの場合、制御部108は、S609における印刷中断対象のジョブの印刷動作にて要する用紙と同じ用紙サイズで且つ同じ用紙種類の用紙を印刷動作に要するジョブには該当しないジョブを、S611にて選択許可対象のジョブと見なす。且つ、当該ケースの場合、この選択許可対象のジョブに該当するジョブが印刷待ち行列に存在するとS611にて判断した場合、制御部108は、S611にてYES判定を下し、S611からS614へ処理を進める。且つ、当該ケースの場合、この選択許可対象のジョブに該当するジョブが印刷待ち行列に存在しないとS611にて判断した場合、制御部108は、S611にてNO判定を下し、S611からS612へ処理を進める。
以上に例示のケースが、本実施形態にて、印刷中断要因に影響を受けないジョブが印刷待ち行列に存在するとS611にて制御部108が判断するケースの1例に該当する。
ちなみに、既述の例では、図11のジョブ状況一覧表示画面にてジョブ情報がリストで表示対象の受付番号0002のジョブが、「受付番号0001のジョブの印刷に要する用紙と同じ用紙サイズで且つ同じ用紙種類のジョブには該当しない、ジョブ」であった。故に、受付番号0001のジョブの直後に印刷実行要求がなされた、この受付番号0002のジョブを、制御部108は、S611にて選択対象のジョブとみなした。当該ケースに該当する場合、例えば後述のS616にて制御部108は、受付番号0001のジョブの印刷動作を中断させたままの状態で、この受付番号0002のジョブの印刷動作を印刷システム100にて開始させる事を許可する。
一方、例えば、この受付番号0002のジョブが、「印刷中断対象の受付番号0001のジョブと同じサイズで且つ同じ種類の用紙を要する、ジョブ」であるとする。この場合、S611において、制御部108は、この受付番号0002のジョブは「印刷中断対象の受付番号0001のジョブの印刷中断要因に影響を受けるジョブ」であると判断する。
このケースに該当する判断を下した場合、制御部108は、「受付番号0001のジョブの印刷中断中に、受付番号0002のジョブの印刷動作を印刷システム100で開始させる事」を禁止する。
更に、もし、上記ケースで、且つ、図11の表示のリストで表示対象の受付番号0003のジョブが、例えば、「A4サイズの用紙以外の用紙サイズの用紙を印刷動作に要するジョブ」であるとする。或いは、「普通紙以外の用紙種類の用紙を印刷動作に要するジョブ」であるとする。且つ、この条件に合致する用紙が印刷システム100の給紙部にセットされている事を示すステータス情報を、制御部108が、S611にて確認したとする。この場合、制御部108は、S611において、この受付番号0003のジョブを「印刷中断対象の受付番号0001のジョブの印刷中断要因に影響を受けないジョブ」であると判断する。
このケースに該当する判断を下した場合、制御部108は、「受付番号0002のジョブの直後に印刷実行要求を受付た受付番号0003のジョブの印刷動作を、受付番号0001のジョブの印刷中断中に印刷システム100にて開始させる事」を許可する。
以上のように、制御部108は、S611の条件を満足しないジョブは印刷待機状態とたままで、S611の条件を満足するジョブの追越印刷動作を、S609による印刷中断対象のジョブの印刷中断期間中に、印刷システム1000にて実行可能にする。
このような構成自体も、本実施形態の構成にて享受可能な「印刷中断対象のジョブが存在しても可能な限り生産性を向上させるという効果」を更に向上させるという効果を、図るが為の仕組みの、1例でもある。
本実施形態は上記構成を前提に、例えば以下に例示のケースにも対応可能に構成している。
ケース2:印刷中断要因が「原稿ジャム」の場合
上記のように、印刷中断要因が発生したジョブの当該印刷中断要因に影響を受けないジョブが印刷待ち行列に存在する事をS611にて確認した制御部108は、該印刷中断要因に影響を受けないジョブの印刷を該印刷中断対象のジョブの中断期間中に開始させる。このケース2は、上記ケースBにて例示の制御に対応づいた制御の1例を説明するものである。即ち、該ケース2は、印刷中断対象のジョブの印刷中断要因の種類が「原稿ジャム」である事を条件に制御部108が実行する制御例である。
当該ケース2では、例えば、制御部108がS609で印刷動作を中断させたジョブが「リーダ部103による原稿読取動作を要するジョブ」であるとする。
例えば、このような「リーダ部103による原稿読取動作を要するジョブ」を処理する場合、ユーザによるスタートキー403の押下による印刷実行要求を受けると、制御部108は、図7AのS601〜S603の処理を印刷システム100により実行させる。例えば、以下に例示の一連の印刷動作が実行される。
制御部108は、当該ジョブのユーザからの印刷実行要求の受付を契機に、このジョブに含まれる複数枚の原稿からなる一連の原稿束の各原稿の給送動作を、リーダ部103が具備するADF201により実行させる。且つ、制御部108は、当該給送動作により原稿読取位置まで給送された原稿の読取動作をリーダ部103により実行させる。且つ、制御部108は、当該リーダ部103で読み取った原稿の画像データのメモリ109への記憶動作を実行させる。且つ、制御部108は、当該ジョブの原稿の画像データをメモリ109から読み出してプリンタ部104により印刷させる。
ここで、印刷対象のジョブが、このような「リーダ部103による原稿読取動作を要するジョブ」であるとする(条件1)。且つ、この状況で、当該ジョブ以外に、印刷すべきジョブがない状態(即ち、他のジョブが既に印刷中の状態や、他のジョブが印刷待ちの状態)では無いとする(条件2)。この場合、これら2つの条件を満足する事を契機に、制御部108は、該ジョブの読取動作をリーダ部103により実行させつつ、当該読取動作と同時に(並行して)、該ジョブの印刷動作をプリンタ部104により実行させる。このような並行動作を実行可能に印刷システム100を制御部108により制御する。
ここで例えば、印刷システム100の状況が、既述が如く、「リーダ部103による原稿読取動作を要するジョブ」の当該リーダ部103による該ジョブの読取動作と並行して当該ジョブの印刷動作をプリンタ部104により実行させている最中であるとする。この状況にて、このジョブの印刷中断要因として、S604にて、当該ジョブの原稿読取動作中にリーダ部103のADF201にて当該ジョブの原稿ジャムが発生したとする。すると、制御部108は、このジョブの印刷動作をS609にて中断させる。且つ、制御部108は、このジョブの印刷中断要因の種類は「原稿ジャム」である事を、S611にて、特定する。且つ、制御部108は、この種類の印刷中断要因に影響を受けないジョブは、「プリンタ部104による印刷を行ううえで、リーダ部103による原稿読取動作は不要な、ジョブ」であると、S611にて、特定する。このように、制御部108は、S609において印刷中断対象となったジョブの印刷中断要因が如何なる種類の印刷中断要因であるかをS611にて確認する。且つ、その確認結果に基づいて、当該印刷中断要因に影響を受けないジョブが、如何なる条件のジョブであるか否かを、S611にて、判断する。且つ、この判断結果により特定された印刷中断要因に影響を受けないジョブに該当するジョブが、メモリ部109の印刷待ち行列に、存在するか否かを、S611にて、確認する。
例えば、このケースにおいて、S611にて選択対象となるジョブは、コンピュータインタフェース部106を介して外部装置から入力されたジョブである。又、ボックス機能のジョブ等、メモリ109に保存済の印刷データの印刷を要するジョブも選択対象のジョブに該当する。何故なら、ボックスジョブの印刷データは、印刷実行要求をUI部を介してユーザから受付ける前に、予め、メモリ109に保持させているからである。換言すると、ボックスジョブは、「印刷実行要求をユーザからUI部を介して受付けた後に原稿読取動作の実行無しに、予めメモリ109に保存済の印刷データの印刷を実行させる対象のジョブ」であるからである。
このように、当該ケース2において、制御部108は、外部ジョブやボックスジョブ等の「印刷を行うにあたり原稿読取動作は不要なジョブ」を、印刷中断要因に影響を受けないジョブとして、S611にて選択対象のジョブであると判断する。
そして、当該ケース2にて、「印刷を行うにあたり原稿読取動作は不要なジョブ」に該当するジョブがメモリ109に存在しない事を確認した場合、制御部108は、S611からS612へ処理を進める。
一方、当該ケース2にて「印刷を行うにあたり原稿読取動作は不要なジョブ」に該当するジョブがメモリ109に存在する事を確認した場合、制御部108は、S611からS614へ処理を進める。且つ、S614へ移行後、制御部108は、例えば、S616にて、該当するジョブ、即ち、「印刷を行うにあたり原稿読取動作は不要なジョブ」の印刷動作を、S609による印刷中断対象のジョブの印刷中断期間中に、プリンタ部104により開始させる。
以上のように、S609にて印刷中断対象のジョブのS604にて発生対象の印刷中断要因の種類が「原稿ジャム」であるとする。この条件の場合、制御部108は、当該印刷中断要因に影響を受けないジョブに該当するジョブとして、「印刷を行うにあたり、リーダ部103による原稿読取動作は不要な、ジョブ」が、印刷待ち状態のジョブとして、存在するか否かをS611にて検索する。そのうえで、制御部108は、この「印刷を行うにあたり、リーダ部103による原稿読取動作は不要な、ジョブ」の印刷動作を、当該「原稿ジャムの発生により印刷動作が中断されるジョブ」の印刷中断期間中に、開始可能に、印刷システム100を制御する。
このように、本実施形態では、コピージョブや外部ジョブやボックスジョブ等、様々な種類のジョブを処理可能にすることで様々なニーズに柔軟に対処可能となる効果を享受可能に構成している。且つ、これを前提に、「印刷中断対象のジョブが存在しても可能な限り生産性を向上させるという効果」を更に向上させるという効果として、上記構成を具備している点も、本実施形態が開示する仕組みの1例でもある。
本実施形態は上記構成を前提に、例えば以下に例示のケースにも対応可能に構成している。
ケース3:印刷中断要因が「排紙先におけるエラー」の場合
上記のように、印刷中断要因が発生したジョブの当該印刷中断要因に影響を受けないジョブが印刷待ち行列に存在する事をS611にて確認した制御部108は、該印刷中断要因に影響を受けないジョブの印刷を該印刷中断対象のジョブの中断期間中に開始させる。このケース3は、上記ケースCにて例示の制御に対応づいた制御の1例を説明するものである。即ち、該ケース3は、印刷中断対象のジョブの印刷中断要因の種類が「排紙先におけるエラー」である事を条件に制御部108が実行する制御例である。
例えば、このケース3に包含される制御例としては、例えば、S603にて印刷を開始したジョブの印刷物の出力先としてユーザが該ジョブの処理条件としてUI部を介して指定した排紙先が、図3のフィニッシャ220のトレイ229であるとする。このようにS603にて印刷対象のジョブが、「印刷物の出力にトレイ229を要するジョブ」であるとする。この状況下のもと、例えば、当該ジョブの印刷実行中に、トレイ229が、該ジョブの印刷物で満載になったとする。すると、これを受け、フィニッシャ220は、制御部108に対して、トレイフルエラーを通知する。この情報をフィニッシャ220から受取った事を条件に、制御部108は、S604にて該ジョブの印刷中断要因の発生とみなして、処理をS604からS609へ移行する。そしてS609にて、制御部108は、当該ジョブの印刷動作を中断させる。
且つ、このケース3にて制御部108は、このジョブの印刷中断要因の種類が「排紙先エラー」である事をS611にて特定する。且つ、この中断要因の種類に基づき、例えばS611にて制御部108は、この印刷中断要因に影響を受けないジョブは、「この中断ジョブで要する排紙先に該当するトレイ299とは異なる出力先に印刷物の出力を要求するジョブ」であると判断する。且つ、この条件を満足するジョブがメモリ109にて印刷待ち状態状態であるか否かをS611にて検索する。
例えば、このケース3にて、制御部108は、「印刷物の出力にトレイ228を要求するジョブ」、又は、「印刷物の出力にトレイ230を要求するジョブ」を、S611にて選択対象のジョブと判断する。これらのジョブがもし存在する場合、そのジョブの印刷物を、該ジョブにて指定された出力先に出力しても、正常に印刷物の積載が完了可能である。換言すると、トレイ229への印刷物の出力は、トレイ229のトレイフルが原因で続行不可である。しかし、このトレイ229以外の出力先に該当するトレイ228やトレイ230では、トレイフル等が発生していない状況であり、これらのトレイに対する印刷物の出力並びに印刷物の積載は実行可能な状況である。このように、トレイ229への印刷物の出力は続行不可能な状況下でも、それ以外の出力先への印刷物の出力は実行可能である。故に、当該ケース3にて、制御部108は、「トレイ229とは異なる出力先を印刷物の出力に要するジョブ」を、S611にて、選択対象のジョブであると判断する。即ち、この条件を満足するジョブを、制御部108は、「排紙先エラーの発生を契機にS609にて中断対象のトレイ229を印刷物の出力に要求するジョブの印刷中断要因に影響を受けないジョブ」であるとS611にて判断する。
換言すると、S609にて中断対象のジョブとは異なる印刷待ち状態のジョブとして、「この中断ジョブと同じ出力先に相当するトレイ229を印刷物の出力に要するジョブ」がメモリ109に存在するとする。この場合は、この条件に該当するジョブを、制御部108は、S611にて選択対象外のジョブであると判断する。以上の構成のもと、制御部108は、S611にて選択対象のジョブが印刷待ち状態のジョブとして存在しない事を確認した場合、S611からS612へ処理を進める。一方、S611にて選択対象のジョブが印刷待ち状態のジョブとして存在する事を確認した場合、S611からS614へ処理を進める。
このようにケース3の場合、制御部108は、「S609にて印刷中断対象のジョブの排紙先エラーに影響を受ける事無く印刷を完遂できる処理条件のジョブ」を、印刷中断要因に影響を受けないジョブとして選択対象のジョブであると、S611にて判断する。
そして、「S609にて印刷中断対象のジョブの排紙先エラーに影響を受ける事無く印刷を完遂できる処理条件のジョブ」に該当するジョブがメモリ109に存在しない事を確認した場合、制御部108は、S611からS612へ処理を進める。
一方、「S609にて印刷中断対象のジョブの排紙先エラーに影響を受ける事無く印刷を完遂できる処理条件のジョブ」に該当するジョブがメモリ109に存在する事を確認した場合、制御部108は、S611からS614へ処理を進める。且つ、S614へ移行後、制御部108は、例えば、S616にて、該当するジョブの印刷動作を、S609において印刷中断対象となったジョブの印刷中断期間中に、プリンタ部104により開始させる。ここで、該当するジョブとは、即ち、「S609にて印刷中断対象のジョブの排紙先エラーに影響を受ける事無く印刷を完遂できる処理条件のジョブ」である。
以上のように、S609にて印刷中断対象となるジョブの印刷中断要因の種類が「排紙先におけるエラー」であるとする。この条件の場合、制御部108は、印刷中断要因に影響を受けないジョブとして、「印刷中断対象のジョブの排紙先エラーに影響を受ける事無く印刷を完遂できる処理条件のジョブ」が印刷待ち状態のジョブとして、存在するか否かをS611にて検索する。且つ、制御部108は、この「印刷中断対象のジョブの排紙先エラーに影響を受ける事無く印刷を完遂できる処理条件のジョブ」の印刷動作を、当該印刷中断対象のジョブの印刷中断期間中に開始可能に、印刷システム100を制御する。
このように、本実施形態では、ユーザのニーズに柔軟に対応すべく種々の後工程に柔軟に対処可能にすることで様々なニーズに柔軟に対応可能となる効果を享受可能に構成している。且つ、これを前提に、「印刷中断対象のジョブが存在しても可能な限り生産性を向上させるという効果」を更に向上させるという効果として、上記構成を具備している点も、本実施形態が開示する仕組みの1例でもある。
尚、当該ケース3にて排紙先エラーとして「排紙先にて印刷物の満載」を、印刷中断要因の種類として例示している。しかし、これ以外にも、以下に例示の中断要因は、当該ケース3と同様に制御部108が対処する中断要因である。
例えば、以下のようなエラーも、排紙先におけるエラーに包含されるものとする。
・複数枚の印刷物を1束分の印刷物として束ねるのに必要なシート処理部材(ステイプル針や糊等のフィニシングに関する消耗部材)が無くなった場合、
・このようなシート処理部材のジャムが後処理装置にて発生した場合、
・このような後処理装置内部にて印刷用紙のジャムが発生した場合。
以上のような種類の排紙先エラーの発生によりS609にてジョブを中断したとする。そして、これらのいずれの場合でも、制御部108は、当該エラーを解除しない状態のまま印刷動作を完遂可能なジョブがメモリ109にて存在する事をS611にて確認する。そして、存在することが確認された場合には、制御部108は、当該完遂可能なジョブの印刷動作を、S616にて、開始可能に、印刷システム100を制御する。
ケース4:印刷中断要因が、「UI部を介して入力された印刷中断要求」の場合
上記のように、印刷中断要因が発生したジョブの当該印刷中断要因に影響を受けないジョブが印刷待ち行列に存在する事をS611にて確認した制御部108は、該印刷中断要因に影響を受けないジョブの印刷を該印刷中断対象のジョブの中断期間中に開始させる。ケース4では、上記ケースDにて例示の制御に対応づいた制御の1例を説明する。即ち、該ケース4は、印刷中断対象のジョブの印刷中断要因の種類が「印刷動作を一時停止させる中断要求がUI部を介して明示的にユーザにより入力されたケース」である事を条件に制御部108が実行する制御例である。
例えば、S603にてプリンタ部104により印刷開始対象のジョブの当該印刷動作の実行中に制御部108が該ジョブの印刷動作を一時停止させる為のユーザの明示的な指示に該当する要求を、UI部を介して、オペレータから受付けたとする。尚、ここでいうUI部には、本実施形態にて操作部102、又は、図1に例示の各外部装置(200、300、400、500、600)の何れかの外部装置のUI部が該当する。このようなユーザによる明示的な印刷中断要求を受付けた事を条件に制御部108がS604にてYES判定を下し、この現在印刷中のジョブの印刷動作をS609にて中断させたとする。
ケース4の場合、制御部108は、このように「ユーザにより明示的に印刷中断要求がなされたジョブには該当しない、ジョブ」を、印刷中断要因に影響を受けないジョブであると判断する。
但し、このケース4の場合、例えば、S609にて印刷中断対象のジョブ以外に、印刷待ち状態の3つのジョブがメモリ109に存在するとする。この場合、制御部108は、その3つの印刷待ち状態のジョブのうちの、もっとも早くに印刷実行要求がなされたジョブを、優先的にS611にて選択対象のジョブとする。そして、制御部108は、S616にて、そのジョブを印刷開始可能に印刷システム100を制御する。
又、S609にて印刷中断対象のジョブ以外のジョブにおいても、ユーザにより明示的に印刷中断要因がなされて現在印刷一時停止期間中のジョブに該当するジョブがメモリ109に存在するとする。この場合、制御部108は、当該ジョブも、S609にて中断対象のジョブと同様に、「印刷中断要求がユーザにより明示的に入力されたジョブ」であると判断する。故に、この条件に該当するジョブがメモリ109に存在する場合、そのジョブは、S611にて選択対象外のジョブであると制御部108により判断する。
このように、該ケース4にて制御部108は、「印刷中断要求(印刷一時停止要求)をUI部を介してユーザにより明示的に受付けていない、印刷待ち状態のジョブ」を、印刷中断要因に影響を受けないジョブと判断する。そして、S611にて、制御部108は、そのジョブを選択対象のジョブであると判断する。
そして、ケース4にて「印刷中断要求(印刷一時停止要求)をUI部を介してユーザにより明示的に受付けていない、印刷待ち状態のジョブ」に該当するジョブがメモリ109に存在しない事を確認した場合、制御部108はS611からS612へ処理を進める。
一方、ケース4にて「印刷中断要求(印刷一時停止要求)をUI部を介してユーザにより明示的に受付けていない、印刷待ち状態のジョブ」に該当するジョブがメモリ109に存在する事を確認した場合、制御部108はS611からS614へ処理を進める。
そして、S614へ以降後、制御部108は、例えば、S616にて、これに該当するジョブの印刷動作を、S609にて印刷中断対象のジョブの印刷中断期間中に、プリンタ部104により開始させる。即ち、制御部108は、「印刷中断要求(印刷一時停止要求)をUI部を介してユーザにより明示的に受付けていない、印刷待ち状態のジョブ」の印刷動作を、印刷中断対象のジョブの印刷中断期間中に、プリンタ部104により開始させる。
以上のように、S609にて印刷中断対象のジョブのS604にて発生対象の印刷中断要因の種類が「ユーザにより明示的に入力対象となる印刷中断要求(印刷一時停止要求)」であるとする。
この条件の場合、制御部108は、印刷中断要因に影響を受けないジョブとしての「印刷中断要求がユーザにより明示的に入力されておらず、且つ、印刷実行要求を既に受付済みのジョブ」が印刷待ち状態のジョブとして存在するか否かをS611にて検索する。
且つ、制御部108は、この「印刷中断要求が明示的にユーザ入力されておらず、印刷待ち状態のジョブ」の印刷動作を、「ユーザからの印刷中断要求の受付を契機に印刷中断させたジョブ」の印刷中断期間中に、開始可能に、印刷システム100を制御する。
このように、本実施形態では、印刷を一時停止したいといったユーザニーズを含むユーザから様々なニーズに柔軟に対処可能にする効果を図りつつ、「印刷中断対象のジョブが存在しても可能な限り生産性を向上させるという効果」を極力向上可能にする。このような効果を図るべく、上記構成を具備している点も、本実施形態が開示する仕組みの1例でもある。
以上、ケース1〜4に例示が如くの各制御を含む図7Aや図7B等の本実施形態に開示の各フローチャートの処理に関する制御を、本実施形態では制御部108が、メモリ109に予め記憶済のコンピュータ読取可能なプログラムに従い実行可能に構成している。
且つ本実施形態では制御部108が、S604にて印刷中断要因の発生を契機にS609にて印刷中断対象のジョブの当該印刷中断要因の種類を特定する。且つ、その特定した印刷中断要因の種類に基づいて、制御部108は、当該刷中断要因に影響を受けないジョブの特定を、S611にて、実行する。且つ、S609にて印刷中断対象のジョブの印刷中断状態は維持させたままの状態で、その特定した印刷中断要因に影響を受けないジョブの印刷を、S616にて、開始可能に印刷システム100を制御する。
しかし、当該例示が如くの構成を本実施形態では開示するが、必ずしも、これに該当しない構成でも良い。例えば、上記ケース1〜4のうちの何れかのケースのみ対処可能な構成でも良い。或いは、上記ケース1〜4のケースには該当しないケースでもって、図7Aや図7Bに例示の処理により実行可能な処理と同等の処理を実行可能に構成する構成でも良い。このように種々の変更や応用は許容可能に構成する。しかし、少なくとも、図16や図21や図24を用いて例示の本実施形態が開示するUI制御に係る構成は具備するように構成する。
以上の構成を前提に、本実施形態の制御部108により、図7A及び図7Bに例示のフローチャートの処理を実行するよう構成されている。
即ち、処理対象となるジョブの為の印刷処理条件の設定と印刷実行要求とが本実施形態のUI部を介しユーザによりなされたうえで、図7AのS601やS602にて制御部108は、該ジョブの印刷データと印刷処理条件データをメモリ109に記憶させる。且つ、図7AのS603にて制御部108は、該メモリ109で管理する印刷待ち行列の印刷順序に従い、当該処理対象のジョブの印刷動作をプリンタ部104により開始実行させる。
且つ、S604にて制御部108は、このS603にて印刷開始対象のジョブの印刷中断要因が当該ジョブの印刷実行中に印刷システム100にて発生したか否かを、既述が如くの方法で、判断する。
且つ、S604にてNO判定を下した場合、該判定結果を受け制御部108は、S604からS605へ処理を進める。
且つ、このS605にて制御部108は、S603にてプリンタ部104にて印刷が開始されたジョブに必要な印刷動作の全てが完了したか否かを判断する。この判断は、そのジョブに対してユーザが設定した印刷処理条件や、印刷システム100の当該ジョブの処理状況等の各種判断材料に基づいてなされる。
且つ、S605にてNO判定を下した場合、該判定結果を受け制御部108は、S605からS603へ処理を戻す。これにより、制御部108は、S605にて判断対象の当該ジョブの印刷動作を、そのまま、当該ジョブの処理完遂目指して、継続続行させるよう、印刷システム100を制御する。
一方、S605にてYES判定を下した場合、該判定結果を受け制御部108は、S605からS606へ処理を進める。
そして、S606にて制御部108は、S605にて印刷完了と判断したジョブを印刷待ち行列から削除する。その後、S607にて、この印刷ジョブの情報もあわせてメモリ106から削除する。その際、例えば、制御部108は、判断対象のジョブの印刷動作に利用した各種データ(印刷媒体に印字対象の画像データ、及び、その印刷条件データ等の属性データ)を、S607における削除対象の印刷ジョブの情報とし、メモリ109から削除させる。その後、制御部108は、S607からS608へ処理を進める。
且つ、S608にて制御部108は、S605にて判断対象のジョブ以外にも、印刷すべきジョブがメモリ109に存在するか否かを、既述の印刷待ち行列の情報を参照する事で、判断する。
且つ、S608にてYES判定を下した場合、該判定結果を受け制御部108は、S608からS603へ処理を戻す。これにより、制御部108は、印刷システム100にて印刷すべきジョブとしてメモリ109にて印刷待ち状態の、S608にて確認対象のジョブに該当する、他の印刷すべきジョブの印刷動作を、印刷システム100にて実行可能にする。且つ、制御部108は、当該ジョブに対しても図7A及び図7Bに開示の各フローチャートの処理を実行するよう印刷システム100を制御する。このように、制御部108は、印刷システム100が受付たユーザから印刷実行要求がなされたジョブの各ジョブ全ての印刷動作を完遂する迄、図7A及び図7Bに開示の各フローチャートの処理を繰り返すように、印刷システム100を制御する。
その後、印刷システム100にて印刷すべきジョブが無いと判断した事を条件に、制御部108は、S608にてNO判定を下し、該判定結果を受け制御部108は、当該図7A及び図7Bに例示の各フローチャートの処理を全て終了する。
以上の構成を前提に、S603で印刷開始対象のジョブの印刷中断要因の発生を確認した事を受け、制御部108がS604でYSE判定を下した場合、該結果を受け制御部108は、S604から図7BのS609へ処理を進める。
S609にて制御部108は、S603にて既に印刷開始対象の現在印刷動作の実行中のジョブの当該印刷動作を、既述の如く、上記S604で確認対象の印刷中断要因の発生を契機に中断させるよう、プリンタ部104を制御する。そのうえで、制御部18は、S609からS610へ処理を進める。
且つ、S610にて制御部108は、S609にて印刷中断対象のジョブの情報を、当該印刷中断期間中でも、当該ジョブの印刷データに関連付けた状態のままで、メモリ109に保持させる。且つ、制御部108は、このS610でメモリ109に保持対象のジョブの情報を、該情報を要するその後の処理(例えば、S611〜S615や、S620、S622、S624、S625等に例示の各処理)にて読出利用可能にメモリ109を制御する。
このS610にて保持対象の上記ジョブの情報としては、例えば、該S609にて印刷中断対象のジョブが如何なる種類の印刷中断要因により印刷動作を中断させたジョブであるのか、その印刷中断要因の種類を制御部108が特定する情報が含まれる。
制御部108は、この印刷中断対象のジョブの当該印刷中断要因に関する情報と、メモリ109の印刷待ち行列にて印刷待ち状態のジョブの各ジョブの情報とを、S611にて、比較参照する。この比較参照結果を基に制御部108は、既述の如く、S609にて印刷中断対象のジョブの当該印刷中断要因に影響を受けないジョブが印刷待ち状態のジョブとしてメモリ109に存在するか否かの判断を、S611にて、実行する。
且つ、S609で印刷中断対象のジョブの印刷中断要因に影響を受けずに印刷が開始可能な印刷待ち状態のジョブがメモリ109に存在する事を確認した場合、制御部108は、既述の如く、S611にてYES判定を下しS611からS614へ処理を進める。
一方、S609で印刷中断対象のジョブの印刷中断要因に影響を受けずに印刷が開始可能な印刷待ち状態のジョブがメモリ109に存在しない事を確認した場合、制御部108は、S611にてNO判定を下しS611からS612へ処理を進める。
本実施形態にて、このS612の処理は、S609にて印刷中断対象のジョブの印刷中断期間中(印刷一時停止期間中)に制御部108により実行対象となる処理に該当する。
且つ、このS612の処理にて、制御部108は、S609にて印刷中断対象のジョブの上記印刷中断要因が印刷システム100にて解除されたか否かの判断を行う。尚、制御部108は、S612の判断を、印刷システム100が具備する各ユニット(操作部102、リーダ部103、プリンタ部104、メモリ109等の関係する各種ユニット)からの情報と既述のS610にて保持対象のジョブの情報等とに基づいて実行する。
ここで、もし、S612にて制御部108が、S609で印刷中断対象のジョブの印刷中断要因が印刷システム100にて解除された事を確認していない場合、該結果を受け制御部108は、S612からS611へ処理を戻す。
一方、S612にて制御部108が、S609で印刷中断対象のジョブの印刷中断要因が印刷システム100にて解除された事を確認した場合、該結果を受け制御部108は、S612からS613へ処理を進める。このS613にて制御部108は、S609にて印刷中断対象のジョブの印刷動作の再開を行う為の準備を行う。具体的には、S610にてメモリ109に保持済の上記ジョブ情報を利用して、制御部108は、該ジョブはどの位印刷処理を済ませていたのか、その進捗情報を確認する。且つ、その結果を受け制御部108は、該ジョブの印刷動作の完了に必要な印刷として、あとどれ位の量を、どのような出力体裁でもって、出力させるのかの確認を行う。このようなS609にて印刷中断対象のジョブの印刷完遂に必要な確認作業をS613にて経たうえで、制御部108は、S613から図7AのS603へ処理を戻す。且つ、S613からS603へ処理を戻したうえで制御部108は、このS609で印刷中断対象のジョブの印刷動作を再開させるよう印刷システム100を制御する。そして、順次、S604の処理へ再移行させる。これにより、先程と同様の処理が印刷システム100にて実行可能となる。
既述の構成を前提に例えば、S609で印刷中断対象のジョブの印刷中断要因に影響を受けない印刷待ち状態のジョブがメモリ109に存在する事をS611で確認した事を受け、制御部108が、S611からS614側のフローへ、処理を移行させたとする。この場合、ケース1〜ケース4に例示が如くの制御を制御部108は実行する。
即ち、制御部108は、S611で選抜対象のジョブ(S604で発生を確認済の当該印刷中断要因に影響を受けない他の印刷待ち状態のジョブ)の印刷動作を、S609で印刷中断対象のジョブの印刷中断期間中に開始可能に、印刷システム100を制御する。
且つ、この為の前手順としてS614にて制御部108は、該印刷中断要因に影響を受けないジョブとしてS611にて選抜したジョブのジョブ情報をメモリ109から読出参照する。この当該ジョブ情報を利用することで、制御部108は、S611で選抜対象のジョブが、如何なる印刷条件がユーザにより設定されたジョブであり、如何なる印刷動作を要するジョブであるのかの確認処理をS614にて実行する。そのうえで、制御部108は、S614からS615へ処理を進める。
ここで、S615においても制御部108は、S609で印刷中断済のジョブ(中断ジョブに該当)の印刷中断要因が印刷システム100にてオペレータにより解除されたか否かの判断を行う。且つ、この際も制御部108は、S610にてメモリ109に保持済のジョブ情報や印刷システム100の現在のステータス情報を利用することで、S615における当該判断を行う。
このS615にて制御部105が、S609で印刷中断済のジョブ(中断ジョブに該当)の印刷中断要因が印刷システム100にてオペレータにより解除されていない事を確認したとする。この場合、制御部108は、S615にてNO判定を下し、当該判定結果を受けて、S615からS616側のフローへ処理を移行させるように、印刷システム100を制御する。
一方、このS615にて制御部105が、S609で印刷中断済のジョブ(中断ジョブに該当)の印刷中断要因が印刷システム100にてオペレータにより解除された事を確認したとする。この場合、制御部108は、S615にてYES判定を下し、当該判定結果を受けて、S615からS620側のフローへ処理を移行させるように、印刷システム100を制御する。
ここで、このS615の判断分岐を基準とした当該印刷システム100が具備する制御構成について以下に更に詳述する。
ここでは、まず、「図7AのS604にてYES→S609→S610→S611でYES→S614→S615にてNO」という一連の処理フローを経た事を条件に、制御部108が、印刷システム100に対して実行する制御について説明する。
即ち、S609で印刷中断対象のジョブの印刷中断要因が印刷システム100にて未解除である事を制御部108が確認する。これを第1条件とする。且つ、その印刷中断要因に影響を受けない他の印刷待ち状態のジョブがメモリ109に存在する事を制御部108が確認する。これを第2条件とする。換言すると、制御部108が、S611にてYES判定を下し、且つ、S615にてNO判定を下したとする。これら第1条件と第2条件の両方を満足する事を受け制御部108は、該印刷中断対象のジョブの印刷中断状態を印刷システム100にて維持させたまま、その印刷中断要因に影響を受けないジョブの印刷動作をS616にてプリンタ部104により開始させる。このように印刷システム100を制御部108により制御している状況下であるとする。
本実施形態では既述の如く、S604にて印刷中断要因の発生を契機に印刷動作がS609にて中断された「印刷中断対象のジョブ」を「中断ジョブ」と称す。且つ、S616にて印刷開始対象となる「印刷中断要因に影響を受けないジョブ」は、S611にて制御部108が印刷待ち行列の中から選抜するジョブであり、これに該当するジョブを、S621に記載の如く「現行ジョブ」とも称している。
制御部108が、この印刷中断要因に影響を受けないジョブとして、如何なるジョブをS616にて印刷させるかに関する構成は、既述のケース1〜ケース4にて例示が如くに構成する。即ち、制御部108は、S609にて印刷中断対象のジョブの印刷中断要因の種類(内容)に基づいて、メモリ109の印刷待ち行列にて印刷待ち状態の複数のジョブの中からS616にて印刷開始を許可する対象のジョブを選択決定する。
換言すると、S604にて発生した印刷中断要因が如何なる種類の印刷中断要因なのかを制御部108が確認し、その確認した印刷中断要因の種類次第で、S616にて印刷開始を許可する対象のジョブを異ならせるように、印刷システム100を制御する。
但し、留意すべき点として本実施形態では、他の記載でも述べているが、印刷中断対象のジョブの印刷中断期間中にS616に他のジョブの印刷開始を許可する条件には大前提がある。それは、S609にて印刷中断対象のジョブの印刷中断要因の種類が「プリンタ部104内部のシート搬送路上における該ジョブの印刷用紙のジャム」では無い事である。これに該当する印刷中断要因がS604にて発生した事を確認した場合、制御部108は、S611からS614へ処理を移行する事を禁止し、S611からS612へ処理を移行させる。このように、S609にて印刷中断対象のジョブの印刷中断要因の種類が「プリンタ部104内部における用紙ジャム」である事を制御部108が確認したとする。この場合、制御部108は、このジョブ以外の他のジョブが印刷待ち状態のジョブとしてメモリ109に存在していても、当該印刷中断対象のジョブの印刷中断期間中に他のジョブの印刷を印刷システム100にて開始させる事自体を、禁止する。このケースの場合、制御部108は、該印刷中断対象のジョブの印刷中断要因が印刷システム100にてオペレータにより解除される事を待機する。且つ、当該中断要因の解除がオペレータによりなされた事を契機に、制御部108は、図7BのS612から図7AのS603へ処理を戻し、該印刷中断対象のジョブの印刷動作を再実行(再開)させる。尚、該ジョブの印刷を再開した場合、制御部108は、該ジョブの印刷中断直前までの時点にて未処理であった残りの印刷分、印刷動作を実行可能に印刷システム100を制御する。当該例示が如く構成する理由は次のとおりである。例えば、S609にて印刷中断対象のジョブの印刷中断要因の種類が「プリンタ部104内部における用紙ジャム」であるとする。このケースの場合、この印刷中断要因を解除しないままで、他のジョブの印刷を印刷システム100にて開始させてしまっては、プリンタ部104内部にて更に別の用紙ジャムが発生する。本実施形態の印刷システム100は、このような問題を未然に防止する為の仕組みの1例として、当該構成を具備している。
以上の構成を前提条件として、本実施形態では、以下に例示が如くの制御を本実施形態の印刷システム100にて実行可能に構成している。
尚、この説明では、制御部108がS604にて印刷中断要因の発生を確認した事を契機にS609にて印刷動作を中断させた当該印刷中断対象のジョブを、「ジョブX」と称す。又、印刷システム100にて発生した該ジョブXの印刷中断要因に依らずに印刷動作が完遂可能な印刷処理条件のジョブである事を条件に、制御部108が、S616にて印刷開始を許可する対象のジョブを、「ジョブY」と称する。
先のケース1〜ケース4での例示と比較参照しても明らかな如く、この「ジョブY」は、本実施形態では、「ジョブXの印刷中断要因に影響を受けないジョブ」に該当する。尚且つ、この「ジョブY」は、「ジョブXの印刷実行要求の受付けがS601にてなされた後に制御部108が印刷実行要求を受付たジョブ」に該当する。より具体的に述べるならば、この「ジョブY」は、「ジョブXの印刷動作をプリンタ部により実行させている最中に、制御部108が、印刷対象の印刷データと印刷処理条件データとを共に関連付けた状態でメモリ109に記憶させたジョブ」である。即ち、「ジョブX」を「先行ジョブ」と呼ぶならば、この「ジョブY」は「後続ジョブ」と称される。
制御部108は、このジョブXの印刷実行中に該ジョブYのデータをメモリ109に記憶させ、該ジョブXの印刷実行期間中は該ジョブYの印刷開始は禁止するように、ジョブYを印刷待ち状態のジョブとしてメモリ109にて待機保持させていた。しかし、ジョブXの印刷中断要因が発生した事をS604にて確認した事を契機に制御部108は、ジョブXの印刷動作をS609にて中断させた。そして、制御部108は、ジョブXの印刷中断要因の種類が如何なる種類の印刷中断要因であるのかを特定した。そして、制御部108は、その特定結果に従い、その印刷中断要因に影響を受ける事無く印刷システム100にて印刷が完遂可能な他のジョブとして、ジョブYを、複数の印刷待ち状態のジョブの中から、選抜した。これにより、制御部108は、ジョブXの印刷中断期間中に、ジョブYの印刷をS616にて開始させた。そして、現在の印刷システム100の状況として、このジョブYの印刷を実行させている最中であるとする。このように、先行ジョブに該当するジョブXの印刷動作は未完了で且つ現在印刷中断状態のままで、ジョブXの後続ジョブに該当するジョブYの印刷を開始させる構成を開示する。してみると、このジョブYは、ジョブXの印刷完了を待たずに印刷が実行対象のジョブである。故に、該例示が如く、「S609にて印刷中断対象のジョブの印刷中断期間中にS616にて制御部108が印刷開始を許可する対象のジョブ」の事を、「追越印刷ジョブ(プロモート印刷ジョブ)」と定義しても良い。即ち、ここで例示の「ジョブY」は、本実施形態にて「現行ジョブ」や「追越印刷ジョブ」に該当する事を意味する。
ここで、現在の印刷システム100の状況が、既述の如く、制御部108が、ジョブXの印刷中断状態を維持させた状態で、S616にて印刷システム100に開始させたジョブYの印刷動作を引き続き印刷システム100にて実行させている最中であるとする。即ち、この状況は、図7Bの「S616→S617でNO判定→S615でNO判定→S616」という処理ループを制御部108が繰り返している事を意味している。
即ち、制御部108は、S609にて印刷中断対象のジョブXの印刷中断要因が印刷システム100にて解除されていない期間では、該印刷中断対象のジョブXの中断状態は維持させたままで、ジョブYの印刷完遂目指して印刷システム100を動作させ続ける。
尚、制御部108は、S611で選抜したジョブ(この例ではジョブY)の印刷をS616にて開始させる場合、そのジョブに対しユーザがUI部を介し設定した印刷処理条件に従った印刷処理を該ジョブで要する印刷動作として印刷システム100に実行させる。
その為にも、S616にて印刷開始対象のジョブの印刷データと関連づけてメモリ109に保持させている印刷処理条件データの確認を制御部108は行う。1例として例えばS614にて制御部108は、S611で選択したジョブのジョブ情報をメモリ109から読出参照する。この処理がS614にて実行対象となる処理である。尚、この「S616にて印刷開始対象のジョブ」とは、「S609にて印刷中断対象のジョブの印刷実行要求がなされた後に印刷実行要求がなされたジョブであり、且つ、当該印刷中断対象のジョブの印刷中断要因に影響を受けないジョブ」が、これに該当する。即ち、ジョブYが如くの「追越印刷ジョブ(プロモート印刷ジョブ)」の事を意味する。
その後、例えば、S616にて印刷開始済のジョブYの印刷動作が印刷システム100にて終了したとする。この場合、該ジョブYの印刷終了結果を受けた制御部108は、S617からS618へ処理を進める。S618にて制御部108は、該ジョブYをメモリ109の印刷待ち行列から削除する。そして、S619にて制御部108は、該ジョブYのジョブ情報(ジョブYの印刷用紙に実際に印刷対象となる印刷データと該ジョブYの印刷処理条件データを含む)をメモリ109から削除する。このS619の処理を経て制御部108は、S619からS611へ処理を戻す。
以上に例示の処理フローは、制御部108がS616にて印刷を開始させたジョブYの印刷動作を実行している最中に、ジョブXの印刷中断要因が印刷システム100にてオペレータにより解除されていない事を条件に実行する処理フローに対応する制御である。
本実施形態では、S616にて開始されたプロモート印刷ジョブの印刷動作を印刷システム100にて実行期間中において、制御部108は、S609にて印刷中断対象のジョブに相当する中断ジョブの印刷中断要因が解除された否かを監視する。
この構成は、例えば、S616でジョブYの印刷を開始させた後に該ジョブYの印刷が終了していないならばS617からS615へ処理を戻してS615にてジョブXの印刷中断要因が解除されたか否かを再度確認する。このような処理ループをS615〜S617で繰り返す構成に、対応する。
ここで、「S601〜S603→S604でYES→S609→S610→S611でYES→S614→S615でNO→S616→S617でNO」なる処理フローを介しS615に再移行した時点で、S615にてYES判定を下したとする。換言すると、ジョブYの印刷動作を印刷システム100に実行させている最中に上記ジョブXの印刷中断要因が印刷システム100にてオペレータにより解除された事を制御部108が確認したとする。この場合、ジョブYの印刷実行中における当該ジョブXの印刷中断要因の解除を契機に制御部108は、S615からS620へ処理を進める。
このS620にて制御部108は、「S609にて印刷中断対象のジョブの印刷動作の再開方法(リカバリ方法)をオペレータからの明示的な指示(要求)でもって指定可能にする為の表示」を、本実施形態のUI部により、実行させる。
この構成では、「印刷中断要因の発生に伴ないプリンタ部104による印刷動作が中断されたジョブに相当する中断ジョブ(この例では、ジョブX)」の印刷中断期間中に、「その中断ジョブの印刷中断要因に依らない印刷処理条件でもって印刷動作が実行可能なジョブ(該中断要因に影響を受けずに適正な印刷動作を印刷システム100により完遂可能なジョブ)を意味するプロモート印刷ジョブ(この例では、ジョブY)」の印刷動作を、プリンタ部104により開始可能に、制御部108が印刷システム100を制御する。且つ、該構成を前提に、該中断ジョブの印刷中断期間中にプリンタ部104により印刷動作を開始させた該プロモート印刷ジョブの印刷実行中に、該中断ジョブの印刷中断要因の解除が印刷システム100にてなされた事を制御部108により確認する。本実施形態では、この状況の場合に、当該確認を行った制御部108が、以下で説明する「特定の表示」を本実施形態のUI部により実行可能に制御する。本実施形態にてS620の処理は、この構成に対応する処理である。尚、本実施形態では、この構成も重要な特徴点の1つであるが、更なる特徴点の1例として以下のような留意点に基づいた構成要件を印刷システム100が具備している。
例えば、上記「特定の表示」の本実施形態のUI部による実行を許可する場合、制御部108は、上記プロモート印刷ジョブのプリンタ部104による印刷動作は印刷システム100にて継続させたままの状態で、当該「特定の表示」を当該UI部に実行させる。換言すると、制御部108は、当該「特定の表示」を本実施形態のUI部により実行させるが為にプリンタ部104による印刷実行中の上記プロモート印刷ジョブの印刷動作を停止させるといった動作を印刷システム100にて実行する事を禁止する。
しかも、この「特定の表示」を該UI部により実行させた時点から特定時間経過する迄の特定期間内において、当該「特定の表示」を介して上記中断ジョブの再開方法がオペレータにより指定されなかったとする。例えば、後述の画面900を表示させた時点から1分間経過する迄の期間内において、中断ジョブの再開方法が指定されなかったとする。
このように、特定期間内において、該「特定の表示」を介してオペレータによる中断ジョブの再開方法の指定が未実行の状況であったとする。この場合、制御部108は、たとえ該「特定の表示」を該UI部により実行させたままの状態であっても、印刷続行中の上記プロモート印刷ジョブのプリンタ部104による印刷動作はそのまま続行させ続けるように印刷システム100を制御する。なお、「「特定の表示」を該UI部により実行させたままの状態」とは、例えば、画面900を操作部102により表示中の状態のことである。
このように、オペレータからの中断ジョブの再開方法の指定が特定期間内にて未確定の状況である場合、制御部108は、上記プロモート印刷ジョブの印刷動作は停止させる事なく、そのままプリンタ部104により続行させ続ける。
以上に例示が如くの構成も、本実施形態に開示の効果を更に向上可能にする為の仕組みとして重要な特徴点の1例でもある。
これらに記載の構成を具備する本実施形態の印刷システム100の制御部108が、S620にて、本実施形態のUI部により実行させる、上記「特定の表示」に係る制御例について以下に更に詳述する。
上記「特定の表示」の1例として、本実施形態では制御部108が、「印刷中断対象のジョブの印刷動作を印刷システム100に再実行させるタイミングとしてユーザが指定可能な選択候補(選択肢)をユーザに提示したうえで、その提示した選択肢の中からユーザが所望の選択肢を指定可能にする為の、特定の表示」を、本実施形態のUI部により、実行可能にする。
しかも、本実施形態の印刷システム100の制御部の1例に相当する制御部108は、この「特定の表示」の1例として、例えば図16や図21や図24に例示が如くの構成要素で構成される表示を、本実施形態のUI部により、実行可能に制御する。
しかも、既述が如く該制御部108は、印刷中断対象のジョブ(中断ジョブに相当)の印刷中断期間中に、その中断ジョブの印刷中断要因に影響を受けない後続ジョブ(プロモート印刷ジョブに相当)の印刷動作をプリンタ部104により開始させる事を許可する。この構成を前提に、制御部108は、該プロモート印刷ジョブの印刷動作をプリンタ部104により実行させている期間中に、該中断ジョブの印刷中断要因の解除が印刷システム100にてオペレータにより行われた事を条件に、該「特定の表示」を本実施形態のUI部により、実行可能にする。
尚、この「プロモート印刷ジョブ」の事を、既述の如く、本実施形態では、「現行ジョブ」や「追越印刷ジョブ」とも称して記載しており、これらの意味は同義である。即ち、具体的には、S609で印刷中断対象のジョブの印刷中断要因に影響を受けずに印刷が実行可能なジョブとして、S616にて制御部108が印刷開始を許可する対象の、後続ジョブを意味する。
しかも、図16や図21や図24に例示の本実施形態の「特定の表示」を実行させる対象として本実施形態が開示するUI部としては、勿論、印刷装置101自身が具備する操作部102が、これに該当する。これ以外にも、例えば、印刷装置101とは異なる遠隔の外部装置(図1に例示のPC200〜400等の情報処理装置や、他の印刷装置500、600等)のUI部により、この「特定の表示」を実行可能に構成する。且つ、以下に各種例示の各種制御に関する各種指示や動作命令を当該外部装置のUI部から実行可能に構成する。これにより、操作部102以外のUI部を使っても、本実施形態が開示の各種動作と同等動作を印刷システム100に対して実行可能に構成する。本実施形態の印刷システム100は、このような構成にも適用可能に構成されている。
しかも、本実施形態の制御部108は、当該「特定の表示」を介して印刷システム100のオペレータにより指定可能な選択肢の候補を、印刷システム100にて処理対象となるジョブに係る複数種類の情報に基づいて、動的に変化させるべくUI部を制御する。例えば、この「複数種類の情報」の1例としては、ジョブYが如くの「プロモート印刷ジョブの印刷処理条件の情報」や、「メモリ109にて待機対象となる後続ジョブの印刷待ち状況といった、印刷待ち行列のジョブ情報」が包含される。該構成を前提に、制御部108は、図16や図21や図24で例示の如く、特定の表示を介して操作者から受付を許可する選択肢の候補を、印刷システム100で印刷対象となるジョブに係る既述の如くの複数種類の情報に基づき、動的に異ならせるよう制御する。このように、特定の表示としてUI部により実行させる表示の、その表示内容をも、制御するように構成している。
例えば、制御部108は、印刷中断要因の発生を契機に印刷動作が中断された中断ジョブの印刷中断期間中に印刷開始を許可する対象のプロモート印刷ジョブの印刷処理条件次第で、上記「特定の表示」として図16で例示が如くの表示を実行する事を禁止する。その代わりに、制御部108は、上記「特定の表示」として、図24に例示が如くの表示をUI部により実行可能に制御する。本実施形態の印刷システム100は、このような構成を具備している。
尚且つ、制御部108は、印刷待ち状態のジョブの受付状況に基づいて、上記「特定の表示」として図16や図24で例示が如くの表示を実行する事は禁止する。その代わりに、制御部108は、上記「特定の表示」として、図21に例示が如くの表示をUI部により実行可能に制御する。本実施形態の印刷システム100は、このような構成も具備している。
既述の構成は、本実施形態にて享受可能な効果を可能な限り向上させる為の重要な仕組みの1例でもある。
しかも、本実施形態では、以下に例示の構成をも具備している点も本実施形態にて特に重要な特徴点の1つでもある。
例えば、S609にて印刷中断対象のジョブ(中断ジョブに相当)の印刷中断要因が印刷システム100にてオペレータにより未解除の状況に該当する期間中、本実施形態の制御部108は、該印刷中断対象のジョブの印刷動作を中断状態のままとする。且つ、制御部108は、この中断ジョブの印刷中断期間中にプロモート印刷ジョブに該当する後続ジョブの印刷動作を、可能な限り、繰り返し継続させ続けるように印刷システム100を制御する。このように、印刷システム100のプリンタ部104の印刷動作を、可能な限り、停止させずに、連続運転させ続けるように、印刷システム100を制御部108により制御する。
この構成を前提に、プロモート印刷ジョブの印刷動作をプリンタ部104により実行期間中に、上記中断ジョブの中断要因の解除が印刷システム100にてオペレータによりなされた事を制御部108が確認したとする。且つ、この確認を契機に制御部108が、上記「特定の表示」を本実施形態のUI部に実行させたとする。
このように、現在の印刷システム100の状況が上記「特定の表示」をUI部により実行させている状況であるとする。しかし、この状況下においても、制御部108は、当該「特定の表示」を介して上記中断ジョブの再開方法がオペレータにより選択決定される迄の特定期間内では、S616にて印刷開始対象のプロモート印刷ジョブの印刷動作を継続させる。即ち、制御部108は、上記特定期間内では、プリンタ部104によりプロモート印刷ジョブの印刷動作を続行させるように、印刷システム100を制御する。
この上述が如くの仕組み自体も、本実施形態に開示の効果を享受可能しつつも、可能な限り印刷システム100の印刷動作を連続運転させ続ける等の、POD環境が如くの印刷環境にて重要視されうる複数のジョブの全体の生産性を考慮した仕組みの1例である。
以上の各種印刷システム100の制御構成を踏まえて、本実施形態の制御部が上記「特定の表示」を本実施形態のUI部により実行可能に制御する構成要件の具体例を、以下に説明する。
まず、既述の制御例の如く、制御部108は、ジョブXの印刷動作をプリンタ部104により中断させたうえで、該ジョブXの印刷中断要因に影響を受けずに印刷が実行可能なジョブに該当するジョブYの印刷動作を、プリンタ部104により、開始させた。換言すると、制御部108は、ジョブXの印刷中断期間中にジョブYの印刷動作をプリンタ部104により開始させる事を許可した。この構成は、上述のケース1〜4で例示の制御例に記載の制御によるものである。即ち、この構成は、制御部108が、印刷中断対象の先行ジョブの印刷中断期間中に後続ジョブの印刷動作をプリンタ部104により開始させる事を許可するか禁止するかを、該先行ジョブの印刷中断要因の種類と該後続ジョブの印刷処理条件とに基いて決定する。
上記構成を前提とし、既述の如く、制御部108は、ジョブXの印刷中断期間中に印刷を開始させたジョブYの印刷動作を、ジョブXの印刷中断要因がオペレータにより未解除である事を条件に、プリンタ部104により続行させ続ける。換言すると、ジョブXの印刷中断要因が印刷システム100にてオペレータによりなされる迄、制御部108は、プリンタ部104によるジョブYの印刷動作を継続させ続けるよう印刷システム100を制御する。
且つ、その後、制御部108は、印刷中断対象のジョブXの印刷中断後に印刷開始許可対象の上記プロモート印刷ジョブに該当するジョブYの印刷実行中に、ジョブXの印刷中断要因の解除が印刷システム100にてオペレータによりなされた事を確認した。この確認を行った事を条件に、S620にて制御部108は、上記「特定の表示」として、図16や図21や図24で例示の如くの表示画面900の表示を、操作部102の表示部301により、実行可能に制御する。
図16や図21や図24に例示のユーザインタフェース画面900(以下、UI画面とも記す)は、本実施形態の制御部の一例としての制御部108が、本実施形態のUI部の1例としての操作部102により実行させる「特定の表示」の画面構成例の1例である。これら図16や図21や図24に例示の表示は、既述の如く、本実施形態の制御部108が本実施形態のUI部により実行させる「特定の表示」の1例に該当する。
尚、本実施形態では、S616で印刷開始対象のプロモート印刷ジョブの実行中に既にS609にて印刷中断対象の中断ジョブの印刷中断要因の解除がオペレータにより印刷システム100にて行われた事の確認を、制御部108が、実行する。制御部108は、この確認を行った事を受け、上記中断ジョブに該当するジョブXと上記プロモート印刷ジョブに該当するジョブYとを含む印刷システム100により印刷動作を要するジョブの情報を、メモリ109にて保持対象の各種情報を基に、確認する。この各種情報としては、例えば、各ジョブの印刷処理条件データ等の各ジョブ固有の情報や、メモリ109にて印刷を待機している印刷待ち状態のジョブの数を制御部108が特定する為の印刷待ち行列の情報等が、これに該当する。制御部108は、この確認結果に応じて、該中断ジョブの印刷動作の再実行をプリンタ部104により実行させるタイミングを特定する為のユーザ要求としてユーザから受付を許可する選択肢の候補の数を、動的に変化させるよう制御している。この具体的構成として、本実施形態では制御部108が、図16や図21や図24の表示例の如く、中断ジョブの再開方法としてユーザから受付を許可する選択視の候補を制限したり、増やしたりするように、本実施形態のUI部を制御する。但し、「特定の表示」に該当する図16や図21や図24のどの表示においても共通して具備する表示構成要素もある。
そこで、以下の説明では、ますは、その図21や図21や図24の表示例にて共通して具備する表示構成要素について、図16に例示の表示例を用いて説明する。
〔(表示構成要素1)・・・・印刷中断対象のジョブの状況通知欄901〕
この通知欄901は、制御部108が本実施形態のUI部により表示させる、「印刷システム100の現在の状況として、S609で印刷中断対象のジョブの印刷動作が再開できる状況にある旨をユーザに対して報知可能にする為の表示」の1例に、該当する。
本制御例では、プロモート印刷ジョブに相当するジョブYのプリンタ部104による印中に、中断ジョブに相当するジョブXの印刷中断要因が印刷システム100にてオペレータにより解除された。これを契機に、制御部108が、図16や図21や図24で「特定の表示」の1例として例示のUI画面900の表示を、操作部102により、実行させる。
故に、制御部108は、該ジョブXの印刷動作が印刷システム100にて再開可能である旨を当該UI画面900の通知欄901を介してユーザに報知可能に制御する。
図16の表示制御例では、S604で印刷中断要因の発生を契機に印刷動作が中断されたジョブXの印刷動作が現時点では再開できるようになった旨を印刷システム100のオペレータに通知欄901を介して制御部108により報知可能した構成を開示している。
尚、この通知欄901は、該印刷中断対象のジョブの印刷動作の再開させるタイミングを、該通知欄901と共に該UI画面900にて表示対象の選択肢の中からユーザにより所望の選択肢を選択決定できる旨をユーザに報知する役目も果たしている。
しかも、本実施形態にて、例えば、印刷中断要因が解除された該印刷中断対象のジョブの印刷動作の再開タイミングが該UI画面900を介してユーザにより選択決定される事無く特定時間経過したとする。このように、UI画面900をUI部により表示させた時点から特定期間経過してもユーザによる選択視の決定操作が該画面900にてユーザによりなされなかったとする。すると、これを条件に、制御部108は、そのUI画面900にて提示対象の選択候補のうちの特定の選択肢に相当する再開方法でもって自動的に該印刷中断対象のジョブの印刷動作を再実行可能に印刷システム100を制御する。この構成を前提に、制御部108は、当該例示が如く、UI画面900にて自動的に選択肢を選択した場合に関するガイダンスをも、当該通知欄901を介して、ユーザに報知可能に、表示制御を実行する。
制御部108が操作部102に表示させる、この通知欄901を具備した当該UI画面900には、更に以下の表示構成要素も具備するように構成している。
〔(表示構成要素2)・・・・印刷中断対象のジョブの情報通知欄902〕
この通知欄902は、制御部108が本実施形態のUI部により表示させる、「S609で印刷中断対象のジョブ自体に係る情報をユーザに報知可能にする為の表示」の1例に該当する。
本実施形態では、印刷中断要因の解除が印刷システム100でオペレータによりなされた事を条件に印刷動作の再実行が制御部108により許可される印刷中断対象のジョブに係る詳細な情報を、制御部108が通知欄902に表示可能に構成する。
この構成の1例として、図16の表示制御例では、制御部108が、S609で印刷中断対象のジョブXに係る詳細情報として、以下に列挙する詳細情報を、この通知欄902を介してユーザに対して報知可能にした構成を、開示している。
(通知欄902にて提示対象となる情報(1))・・・この情報(1)は、「印刷中断対象のジョブの受付番号をユーザにより特定可能にする為の情報」の1例である。
図16の表示制御例では、印刷実行要求の受付を契機に制御部108が割当てた該ジョブXの受付番号が「0001」である事を印刷システム100のオペレータにより通知欄902を介して識別可能に制御部108により制御する構成を開示している。
(通知欄902にて提示対象となる情報(2))・・・この情報(2)は、「印刷中断対象のジョブの受付日時をユーザにより特定可能にする為の情報」である。
図16の表示制御例では、該ジョブXの印刷実行要求の受付日時が「2005/3/29の16時30分」である事を通知欄902を介して、印刷システム100のオペレータが識別可能に、制御部108が制御する構成を開示している。
(通知欄902にて提示対象となる情報(3))・・・この情報(3)は、「印刷中断対象のジョブの処理条件をユーザにより特定可能にする為の情報」の1例である。
本実施形態では、ジョブXの処理完遂に必要な一連の印刷動作として如何なる印刷動作を要するのか、そのジョブXの印刷処理条件を印刷システム100のオペレータが通知欄902を介して識別可能に制御部108が制御する構成を開示している。
例えば、図16の表示制御例では、ジョブXの原稿サイズは「A4サイズ」である。且つ、ジョブXのドキュメントの頁数はトータルで「50頁」である。且つ、ジョブXの印刷に要する印刷媒体のサイズと種類は「A4サイズで且つ普通紙」である。且つ、ジョブXの印刷物に対する印刷システム100が具備するフィニッシャによるフィニッシングの実行は不要である。且つ、ジョブXは両面印刷ではなく片面印刷を要する。これらに例示の印刷処理条件がジョブXの一連の印刷動作に要する一連の処理条件として設定されている事を印刷システム100のオペレータにより通知欄902を介して識別可能に制御部108が制御する構成を開示している。
(通知欄902にて提示対象となる情報(4))・・・この情報(4)は、「印刷中断対象のジョブの印刷中断要因の種類をユーザにより特定可能にする為の情報」の1例である。
本実施形態では、制御部108がS604にて確認したジョブXの印刷中断要因が如何なる種類の印刷中断要因であるのかを印刷システム100のオペレータにより通知欄902を介して識別可能に制御部108が制御している構成を開示している。
例えば、図16の表示制御例では、ジョブXの印刷中断要因が用紙切れエラーに相当する「印刷用紙切れ」である事を印刷システム100のオペレータにより通知欄902を介して識別可能に制御部108が制御する構成を開示している。
尚、上記「特定の表示」の1例として開示している、図16や後述の図21や図24に例示の表示は、「印刷中断対象のジョブの中断要因が解除された事を契機に制御部108がUI部に実行させる表示」である。即ち、この表示を実行させる時点では、既に、当該印刷中断要因は解除済である。故に、この通知欄902を介して制御部108がユーザに通知する情報(4)は、印刷システム1000にて現在も印刷中断要因が発生している旨を示す情報では無く、このジョブXの中断要因は「紙無し」だったという履歴情報の意味を成す。
但し、既述の如く、履歴情報として中断要因に関する情報をユーザに通知する場合でも、制御部108はS610の処理にてメモリ109に保持対象となるS609にて印刷中断対象のジョブのジョブ情報に含まれる印刷中断要因を特定する為の情報を利用する。
(通知欄902にて提示対象となる情報(5))・・・この情報(5)は、「印刷中断対象のジョブの印刷中断要因の発生日時をユーザにより特定可能にする為の情報」の1例である。
この構成に関し本実施形態では、S609にて印刷中断対象のジョブの印刷中断要因が何時発生したのかを印刷システム100のオペレータにより通知欄902を介して識別可能に制御部108が制御する構成を開示している。
例えば、図16の表示制御例では、ジョブXの印刷中断要因が「2005/3/29の16時32分」である事を印刷システム100のオペレータにより通知欄902を介して識別可能に制御部108が制御する構成を開示している。
即ち、図16の表示制御例の場合、この情報(5)と共に通知欄902にて提示対象の上記情報(2)と情報(4)とにより、中断対象のジョブに係る各種確認がユーザにより実行可能となる。
例えば、これらの3種類の情報を確認する事で、オペレータは、「ジョブXの印刷実行要求の受付けがなされた時点から2分経過後に、該ジョブXの印刷動作に必要な印刷媒体が無くなった事が原因で、該ジョブXの印刷動作が中断された」事が確認可能となる。
このような役目を果たす為にも、本実施形態の「特定の表示」の1例としての図16や後述の図21や図24で例示の表示を、制御部108は、操作部102により実行可能にする。
(通知欄902にて提示対象となる情報(6))・・・この情報(6)は、「印刷中断対象のジョブの印刷中断要因の発生時点の進捗状況をユーザにより特定可能にする為の情報」の1例である。
本実施形態では、印刷中断対象のジョブの印刷動作をS609で中断させる直前迄に該ジョブの印刷がどれ位済んでいるのか、その進捗状況を印刷システム100のオペレータにより通知欄902を介し識別可能に制御部108が制御する構成を開示している。
この図16の表示制御例では、この情報(6)と共に通知欄902にて提示対象の上記情報(3)により、以下の情報をユーザにより該通知欄902を介して確認可能に構成している。例えば、S609にて印刷中断対象のジョブXは「50頁からなる原稿データをトータルで50部数分、用紙サイズはA4サイズで且つ用紙種類は普通紙に該当する印刷媒体に対して、片面印刷で、実行させる必要がある、ジョブ」である。且つ、このような一連の印刷動作を要するジョブXは、印刷中断直前時点迄に、既に、「4部目の40頁目まで印刷済」である。
この構成は、以下に例示の3種類の(確認1)〜(確認3)の全てを、この通知欄902を介して、印刷システム100のオペレータにより実行可能に制御部108により制御する構成を開示している事を意味する。
(確認1)S609にて印刷中断対象のジョブは、如何なる処理条件の印刷動作が必要なジョブであるのかの確認。
(確認2)S609にて印刷中断対象のジョブは、大量印刷ジョブなのか少量印刷ジョブなのかといった、中断対象のジョブのトータルの印刷ボリュームがどれ位あるのかに関する確認。
(確認3)S609にて印刷中断対象のジョブは、印刷中断直前迄に、どれ位印刷が済んでいるのかの確認。
以上のような各種確認を全て当該図16のUI画面により実現可能となる。
(通知欄902にて提示対象となる情報(7))・・・この情報(7)は、「印刷中断対象のジョブにて必要な処理を全て完了させる為には、残りどの位くらい印刷処理が必要なのかをユーザにより特定可能にする為の情報」の1例である。
この構成に関し本実施形態では、S609にて印刷中断対象のジョブの印刷再開から印刷完了迄に必要な印刷枚数と所要時間とを印刷システム100のオペレータにより通知欄902を介して識別可能に制御部108が制御する構成を開示している。
図16の表示制御例では、ジョブXの印刷再開から完了迄にあと残り10頁分の印刷が必要で、その所要時間は15秒である」事を印刷システム100のオペレータにより通知欄902を介して識別可能に制御部108により制御する構成を開示している。
尚、本実施形態では、制御部108が、当該通知欄902にて同時に提示対象となる上記情報(3)と情報(6)と印刷システム100の能力情報に基づいて計算した結果を、この情報(7)として、通知欄902にて通知するよう操作部102を制御している。
例えば、この図16の例では、情報(3)として、既にS610にてメモリ109に保持済のジョブXのジョブ情報をメモリ109から読出参照することで、制御部108は、通知欄902にて表示対象となるジョブXの処理条件を特定する。
又、「用紙切れエラー」によりプリンタ部104による印刷をS609で中断させたジョブXの印刷動作をS609にて印刷中断する直前迄にどのくらい済ませたかに関するジョブXの進捗情報も、制御部108は情報(6)として特定する。この情報(6)の特定を制御部108が実行する為にも、制御部108は、当該S610にて既にメモリ109にて保持済の該ジョブXのジョブ情報を参照する。
これらの情報(3)と情報(6)に基づいて、制御部108は、まず、ジョブXの印刷完了に必要な残り印刷枚数を算出する。具体的には、何頁からなるドキュメントを何部数部分印刷するのか、ジョブXにて必要なトータルの印刷量からジョブXの中断直前までに処理済のジョブXの処理済印刷量を減算した値を、ジョブXにて必要な残り印刷量と判断する。尚且つ、制御部108は、印刷システム100のスペック情報として予めメモリ109に登録されているプリンタ部104の1分間当りの印刷可能枚数や印刷システム100が具備するフィニッシャの処理能力等の確認を行う。この印刷システム100の能力情報と、上記算出済のジョブXの残りの印刷枚数に基づいて、ジョブXの印刷再開から印刷完了迄の所要時間を算出する。そして、これら2つの算出結果を、情報(7)として、制御部108は、通知欄902にて表示させるよう操作部102を制御する。
本実施形態では、このような生成方法で情報(7)を制御部108により生成可能に構成するが、如何なる方法を採用しても構わない。換言すると、POD環境が如くの印刷環境にて重要視されうる複数のジョブの生産性に配慮した仕組みとして、例えば、印刷中断要因の解除を契機に情報(7)が如くの情報を印刷システム100のオペレータに提示可能に構成されていれば、如何なる構成でも良い。
以上に例示が如くの情報(1)〜情報(7)を含むS609にて印刷中断対象のジョブ自体に係る情報を通知欄902を介して通知可能に制御部108は操作部102を制御する。
尚且つ、制御部108が操作部102に表示させる、この通知欄902を具備した当該UI画面900には、更に以下の表示構成要素も具備するように構成している。
〔(表示構成要素3)・・・印刷中断要因の解除がなされた時点にて印刷実行中のジョブの情報通知欄903〕
この通知欄903は、制御部108が本実施形態のUI部により実行させる「以下の2つの条件を満足する条件を満たしているジョブに該当するジョブ自体に係る情報をユーザに報知可能にする為の表示」の1例に該当する。
(条件1)・・・S609にて既に印刷中断済のジョブに該当する上記中断ジョブ(この例では、ジョブX)の印刷中断要因に影響を受けずに(印刷中断要因に依らずに)プリンタ部104による印刷実行可能なジョブに該当する事。換言すると、該中断ジョブの印刷中断要因に影響を受けない(印刷中断要因に依らない)印刷処理条件の印刷動作を要するジョブである事を条件に、制御部108が該中断ジョブの印刷中断中にプリンタ部104による印刷開始を許可する対象のジョブに該当する事。
(条件2)・・・上記中断ジョブ(この例では、ジョブX)の印刷中断要因が印刷システム100にてオペレータの介入作業を経て解除された事を制御部108が確認した時点にて、丁度まさに、プリンタ部104により印刷実行中のジョブに該当する事。
この図16の表示制御例では、この(条件1)と(条件2)の両方を満足するジョブとしてジョブY自体に係る情報を当該通知欄903を介してユーザにより報知可能に制御部108により制御する構成を開示している。この理由は以下の構成によるものである。
なぜなら、本実施形態では、S609にて中断対象のジョブの1例としてジョブXの印刷動作を中断させた。且つ、該ジョブXの印刷中断要因に依らずに印刷実行可能なプロモート印刷ジョブに該当する印刷待ち状態の後続ジョブとして、S616にて制御部108は、ジョブYの印刷動作を、該ジョブXの印刷中断中に、プリンタ部104により、開始させた。この構成は、「HD209に予め管理情報として保持させている上記(条件1)に相当するルール情報に基づいた制御を制御部108により実行する構成」を本実施形態にて開示している事を、意味する。且つ、このジョブYのプリンタ部104による印刷実行中に該ジョブXの印刷中断要因の解除が印刷システム100にてオペレータによりなされた事を制御部108が確認した。換言すると、「該ジョブXの印刷中断要因が解除された時点にて、丁度、プリンタ部104により印刷実行中のジョブは、ジョブYである」事を、制御部108が確認した。この構成は、「HD209に予め管理情報として保持させている上記(条件2)に相当するルール情報に基づいた制御を制御部108により実行する構成」を本実施形態にて開示している事を、意味する。
図16の表示制御例では、これら(条件1)と(条件2)の両方を満足するジョブが「ジョブY」であるが故に、制御部108は、このジョブYのジョブ自体に係る情報を、当該通知欄903を介してユーザに対して報知可能に、UI部を、制御している。
換言すると、以下のケースに該当する場合、制御部108は、ジョブYの情報を通知欄903を介してユーザに報知する事は禁止し、且つ、ジョブY以外のジョブの情報を通知欄903を介してユーザに報知可能にUI部を制御する。既述の構成は、このような制御を制御部108により実行している事を意味している。
例えば、S604にてYES判定を下す前の状況から説明する。
例えば、ジョブXの印刷実行要求を本実施形態のUI部を介してユーザから受付けた事を契機にS603にて制御部108が印刷開始を許可したジョブXの印刷動作をプリンタ部104により実行させている最中であるとする。このジョブXの印刷実行中に制御部108が、後続ジョブとしてジョブYの印刷実行要求を、本実施形態のUI部を介して、受付けた。その後、更に、このジョブXの印刷実行中に、制御部108が、このジョブYとは別の後続ジョブとしてジョブZの印刷実行要求を本実施形態のUI部を介して受付けたとする。このように、ジョブXのプリンタ部104により印刷中に印刷実行要求を受付けたジョブY、ジョブZを、制御部108は、印刷待ち状態の後続ジョブとして、メモリ109にて、ジョブXの印刷完了を待機させたとする。
この状況を前提に、その後、ジョブXの印刷中断要因として「サイズがA4サイズで且つ種類が普通紙に該当する用紙の用紙切れエラー」が印刷装置101により発生したとする。すると、このジョブXの印刷中断要因の発生を受け制御部108は、ジョブXの印刷動作を中断させるようプリンタ部104を制御する。
これと同時に制御部108は、印刷実行要求の受付けがなされた時点にて既にメモリ109に保持済のジョブYの印刷条件データを読出参照することで、ジョブYが如何なる印刷動作を要するジョブであるのかを特定する。その結果、「このジョブYは、サイズがA3サイズで且つ種類が普通紙に該当する用紙に対する印刷を要する、ジョブ」である事を制御部108により確認したとする。且つ、このジョブYの印刷に要する「サイズがA3サイズで且つ種類が普通紙に該当する用紙」は印刷装置101の給紙部にセットされている事を制御部108により確認したとする。
これら2つの確認を経ることで、制御部108が、「当該中断ジョブに該当するジョブXの印刷中断要因に依らない印刷処理条件でもって印刷動作が完遂可能な後続ジョブとして、ジョブYが、メモリ109に存在する」事を、特定したとする。
この特定結果を受けてS616にて制御部108が、ジョブXの印刷動作は印刷システム100により中断状態のままで、ジョブYの印刷動作をプリンタ部104により開始させたとする。ここで、制御部108は、このジョブYの印刷動作をプリンタ部104により実行中期間中であっても、ジョブXの印刷中断要因の解除に相当するオペレータによる介入操作として「サイズがA4サイズで且つ種類が普通紙に該当する用紙の補給」の有無を監視する。
既述の状況を前提に、ジョブXの上記印刷中断要因が印刷システム100にて未解除(この例では、ジョブXの用紙が未補給)である事を確認した状態のままで、ジョブYの印刷動作がプリンタ部104により完了した事を制御部108が確認したとする。すると、この確認を受けて制御部108は、ジョブYの判定としてS617にてYES判定を下してS617からS611側への処理へ再び処理を戻す。且つ、この再移行したS611にて制御部108は、「ジョブYに後続するジョブZは、ジョブXの印刷中断要因に依らない印刷処理条件でもって印刷動作が完遂可能なジョブであるか否かの特定」を、行う。この際にも制御部108は、印刷実行要求の受付けがなされた時点にて既にメモリ109に保持済のジョブZの印刷条件データを読出参照することで、ジョブZが如何なる印刷動作を要するジョブであるのかを特定する。その結果、「このジョブZは、サイズがA4サイズで且つ種類が再生紙に該当する用紙に対する印刷動作を要する、ジョブ」である事を制御部108により確認したとする。且つ、このジョブZの印刷に要する「サイズがA4サイズで且つ種類が再生紙に該当する用紙」は印刷装置101の給紙部にセットされている事を制御部108により確認したとする。
これら2つの確認を経ることで、制御部108が、「上記中断ジョブに該当するジョブXの印刷中断要因に依らない印刷処理条件でもって印刷動作が完遂可能なジョブY以外の更なる後続ジョブとして、ジョブZが、メモリ109に存在する」事を特定したとする。尚且つ、制御部108が、現段階でも未だ上記ジョブXの印刷中断要因は未解除である事を確認したとする。すると、制御部108は、再度、S611からS616に処理を移行する。即ち、制御部108は、上記ジョブYの印刷開始を許可したが故に先程既に移行済みのS616の処理へ、今度は、ジョブZの処理の為に、再移行する。
且つ、この再移行したS616にて制御部108は、ジョブXの印刷動作は印刷システム100により中断状態のままで、上記ジョブYに後続する当該ジョブZの印刷動作をプリンタ部104により開始させる。尚、制御部108は、このジョブZの印刷動作をプリンタ部104により実行中期間中であっても、ジョブXの印刷中断要因の解除に相当するオペレータによる介入操作として「サイズがA4サイズで且つ種類が普通紙に該当する用紙の補給」の有無を監視する。
上記構成の如く、制御部105は、ジョブXで例示の如くの「中断ジョブ」の中断期間中に、ジョブYとジョブZで例示の如くの「中断ジョブの印刷中断要因に影響を受けない複数の後続ジョブ」を、可能な限りプリンタ部104により連続印刷可能に制御する。
印刷システム100が具備する上記構成も、POD環境が如くの印刷環境にて重要視されうる点として本実施形態が着目している「印刷システム100にて処理すべき複数の印刷ジョブの全体を考慮した生産性向上なる効果」を図るが為の特徴的構成の1例である。
上記構成を前提に再移行したS616にて制御部108が印刷を開始させたジョブZの印刷動作をプリンタ部104により実行中に、該ジョブXの上記印刷中断要因の解除が印刷システム100にてオペレータにより行われた事を制御部108が確認したとする。
即ち、「ジョブYの印刷完了後に制御部108が印刷開始を許可したジョブZのプリンタ部104による印刷実行中に印刷中断対象のジョブに相当するジョブXの印刷中断要因が解除された事」を制御部108が確認したとする。尚、ここでは、ジョブXの印刷中断要因の解除に相当するオペレータによる介入操作として「印刷装置101の給紙部に対して、サイズがA4サイズで且つ種類が普通紙に該当する用紙がオペレータにより補給された事」を、制御部108が確認した制御例である。
すると、この確認結果を受けて制御部108は、上記「特定の表示」の1例に該当する図16や図21や図24で例示が如くのUI画面900の表示を、本実施形態のUI部により、実行させる。
但し、このケースでは、制御部108は、上記「特定の表示」の1例に該当するUI画面900が具備する通知欄903を介して「ジョブYの情報を印刷システム100のユーザに報知する事」は禁止するように、本実施形態のUI部を制御する。且つ、このケースの場合、制御部108は、上記「特定の表示」の1例に該当するUI画面900が具備する通知欄903を介して、ジョブZの情報を印刷システム100のユーザに報知させるように、本実施形態のUI部を制御する。
以上の構成のとおり、「ジョブY」もまた「ジョブZ」と同様に上記(条件1)に合致するジョブ、即ち「プロモート印刷ジョブ」に該当するジョブである。しかし、上記生産性を向上させる本印刷システム100の既述の構成により、このジョブXの印刷中断要因の解除がなされる前に既に、この、ジョブZに先行する「ジョブY」の印刷動作は完了させている。換言すると、ジョブXの印刷中断要因が解除された時点にてプリンタ部104により印刷実行中のジョブは、「ジョブYではなく、ジョブYの後に印刷実行要求を受付けた後続ジョブに該当する、ジョブZ」である。
即ち、このケースの場合、ジョブYは「上記(条件1)は満足するが上記(条件2)は満足しないジョブ」であり、ジョブZが「上記(条件1)も上記(条件2)も両方を満足するジョブ」に該当する。
故に該ケースにおいては、ジョブYがS616にて印刷開始許可対象の上記プロモート印刷ジョブに該当するジョブであっても、この制御ルールに従う事で制御部108は、該通知欄903を介してジョブYの情報の報知をUI部により実行させる事を禁止する。且つ、当該ケースにおいては、この制御ルールに従う事で制御部108は、この「特定の表示」の1例に該当するUI画面900が具備する通知欄903を介してジョブZの情報の報知を本実施形態のUI部により実行させるよう制御する。
以上のような構成を具備している点も本実施形態の特徴点の大きな1例でもある。
尚、この例では、ジョブYが上記(条件1)と(条件2)の両方を満足する判断を制御部108が下した事を条件に、制御部108が、ジョブYの情報を通知欄903にて表示させる。この制御例でもって説明を進める。即ち、ジョブYは、「ジョブXの印刷中断要因に影響を受けない印刷処理条件による印刷動作を要するジョブであり、且つ、ジョブXの印刷中断要因の解除が印刷システム100にて行われた時点にプリンタ部104による印刷実行中のジョブである」。この確認をした事を受けて制御部108が、通知欄903にてジョブY自体に係る情報を通知可能に本実施形態のUI部を制御する。
尚、本実施形態では、中断ジョブに該当するジョブの後に印刷実行要求を受付た後続ジョブが上記(条件1)や(条件2)を満足するジョブか否かの確認に、種々の情報を制御部108は利用する。例えば、
・メモリ109に保持対象の印刷動作を要する各ジョブの印刷処理条件データ、
・印刷システム100の消耗資源(用紙、トナー、ステイプル針等)の残量情報、
・印刷システム100の動作状況やジョブ処理状況等のステータス情報
を利用することで、制御部108が、当該確認を実行する。
制御部108が、通知欄903に通知させる情報は、この例では、ジョブY自体に関する情報である。このジョブYは、上記(条件1)と(条件2)の両方を満足するジョブに該当するジョブとして制御部108が通知欄903による表示を実行させるジョブである。
但し、該(条件1)と(条件2)に合致するジョブは、印刷システム100のオペレータの立場から着目すると以下のように換言することが出来る。
例えば、この例では、ジョブYは(条件1)と(条件2)の両方を満足するジョブであるが故に、制御部108は、通知欄903にて、そのジョブYに関するジョブ情報を表示させる。これは換言すると、ジョブYは、印刷中断対象のジョブXの印刷中断要因を印刷システム100にてオペレータが解除した時点にて、目下、プリンタ部104により印刷実行中のジョブである事を意味する。
そこで本実施形態では、図16や図21や図24に例示の如くの「特定の表示」の1例に相当するUI画面900の表示にて、該(条件1)と(条件2)の両方を満足するジョブの事を「現在印刷中のジョブ」なる表現方法でもって表示可能に構成している。この構成も、「印刷システム100のオペレータが直感的に理解しやすい高操作性の提供」といった本実施形態の構成により享受可能な効果を更に向上させる為の仕組みの1つでもある。
そこで、これを踏まえて、本実施形態では、例えば、以下に記載の本実施形態の説明や図面にて「現在印刷中のジョブ」なる記載で表現している箇所があるが、これは、本実施形態にて上記(条件1)と(条件2)の両方を満足するジョブの事を意味している。
図16の表示制御例では、この「現在印刷中のジョブ」として例示のジョブYに係る詳細情報として、以下に列挙する詳細情報を、この通知欄903を介してユーザに対して報知可能に制御部108は操作部102を制御する構成を例示している。
(表示欄903にて提示対象となる情報(1))・・・この情報(1)は、「現在印刷実行中のジョブの処理条件をユーザにより特定可能にする為の情報」の1例である。
本実施形態では、例として、ジョブYの処理完遂に必要な一連の印刷動作として如何なる印刷動作を要するのか、そのジョブYの印刷処理条件を印刷システム100のオペレータにより通知欄903を介して識別可能に制御部108が制御する構成を開示している。
例えば、図16の表示制御例では、ジョブYのドキュメントの頁数はトータルで「100頁」である。且つ、ジョブYの印刷動作にて要するトータルの印刷部数は「5部」である。且つ、ジョブYの印刷物に対する印刷システム100が具備するフィニッシャによるフィニッシングの実行は不要である。これらに例示の印刷処理条件がジョブYの一連の印刷動作に要する一連の処理条件として設定されている事を印刷システム100のオペレータにより通知欄903を介して識別可能に制御部108が制御する構成を開示している。尚、この通知欄903の情報(1)として提示対象の情報は、通知欄902の情報(3)として提示対象の印刷処理条件の項目と全て同じ項目分提示する構成でも良い。但し、本実施形態では、可能な限り必要な情報のみを提示する無駄な情報量削減効果を図るべく、当該例示の如くの構成を採用している。
(表示欄903にて提示対象となる情報(2))・・・この情報(2)は、「現在印刷実行中のジョブにて必要な処理を全て完了させる為には、残りどの位くらい印刷処理が必要なのかをユーザにより特定可能にする為の情報」の1例である。
この例では、ジョブYは、現在もプリンタ部104により印刷実行中のジョブである。故に、このジョブYはあと残りどの位、このジョブYの印刷を実行すれば、該ジョブYの印刷が完了するのかをオペレータにより識別可能となる情報を制御部108は通知欄903を介して表示可能に操作部102を制御する。
本実施形態では、この情報(2)として、「何頁分のドキュメントを何部印刷すれば現在印刷実行中のジョブの印刷が完了するのかを、文章でもって明文化した情報」で表現するように構成している。例えば、図16の表示制御例では、制御部108が、通知欄903を介して、現在印刷実行中のジョブYは「あと残り100頁分の印刷物を2部数分印刷する必要がある」旨をユーザにより確認可能にした情報をUI部により表示させる構成を例示している。
又、制御部108は、この情報(2)として、あとどのくらい印刷すれば現在印刷実行中のジョブの印刷が完了するのか、その所要時間を通知欄903を介して通知可能にUI部を制御する。例えば、図16の表示制御例では、制御部108が、通知欄903を介して、現在印刷実行中のジョブYは「あと残り3分で印刷が完了する」旨をユーザにより確認可能にした情報をUI部により表示させる構成を例示している。
尚本実施形態では、制御部108が、該通知欄903にて同時に提示対象となる上記情報(1)と、現在印刷実行中のジョブの印刷が現時点迄にどれ位済んだのかといった当該ジョブの進捗状況を制特定する情報と、印刷システム100の能力情報をチェックする。これらの情報に基づいて計算した結果を、この情報(3)として、通知欄903にて通知するよう操作部102を制御している。この通知欄903にて表示対象となる情報(3)を生成する為の計算方法等は、先の通知欄902にて表示対象の情報(7)と同等なので、ここでは割愛する。
但し、本実施形態では、この通知欄903の情報(3)は、逐次、リアルタイムに表示内容が更新させるように、制御部108によりUI部を制御する。
なぜなら、既に上述が如くの、可能な限り、プロモート印刷ジョブの印刷動作を停止させずに、プリンタ部104による印刷動作を連続運転させ続ける効果が享受可能な制御を制御部108により実行しているからである。これを具体例で換言すると、以下に例示が如くの制御を実行しているからである。
例えば、該画面900を操作部102に表示させた状態でも、ジョブXの再開方法の指定が該画面900を介してオペレータ入力される迄の特定期間内において、制御部108は現在印刷中のジョブYの印刷動作を続行させるよう印刷システム100を制御する。
既述の如く、本印刷システム100は、UI部による該画面900の表示期間中の状況であっても、少なくとも特定期間内(この例では1分間)においては現在印刷実行中のジョブ(この例ではジョブY)の処理完遂を目指す印刷動作を続行可能に構成している。
このように、UI画面900を表示させた場合でも、現在印刷実行中のジョブの印刷は継続動作させ続け、そのジョブに必要な処理を可能な限り進捗可能に構成している。故に、そのジョブの実際の進捗状況もリアルタイムに変化する。
そこで本実施形態は、この構成を前提とし、通知欄903にて情報(2)として提示対象となる情報が現在印刷実行中のジョブのプリンタ部104による実際の印刷動作の進捗状況をリアルタイムに反映した内容となるよう制御部108がUI部を制御する。
このように、本実施形態の「特定の表示」の1例に該当するUI画面900の表示が具備する通知欄902にて提示対象の情報(7)との相違が、通知欄903にて提示対象の当該情報(2)に存在する事自体も、本実施形態の特徴点の構成に関わる要素である。
但し、例えば、この情報(2)の生成方法自体は、如何なる構成でも良い。例えば、POD環境が如くの印刷環境にて重要視されうる複数のジョブの生産性に配慮した仕組みとして、印刷中断要因の解除を契機に、この情報(2)が如くの情報を、印刷システム100のオペレータに提示可能に構成されているならば、如何なる構成でも良い。
以上に例示が如くの情報(1)や情報(2)を含む、上記(条件1)と(条件2)の両方を満足するジョブYの如くの現在印刷実行中のジョブ自体に係る情報、を、通知欄903を介して通知可能に制御部108は操作部102を制御する。
以上の制御例の如く本実施形態では、印刷システム100が具備する制御部108が、「特定の表示」の1例に該当する本実施形態のUI画面900の表示を、本実施形態のUI部の1例に該当する操作部102により、実行可能に制御している。
且つ本実施形態では、図16や図21や図24で例示の「特定の表示」の1例としてのUI画面900の表示は、通知欄901の表示と通知欄902の表示と通知欄903の表示といった、既述の3種類の表示構成要素1、2、3を具備するよう構成している。
且つ本実施形態では、既述の如く、通知欄901、902、903の3種類の表示構成要素1、2、3は、いずれも、印刷システム100のオペレータに対する情報報知機能の役目を果たす、いわば、ガイダンス機能としての役目を果たすように構成している。
そこで、本実施形態では、上記構成を前提に、これら3種類の表示構成要素1、2、3は、印刷システム100の状況次第によって動的に変化する対象の動的判断要素に依らずに、上記「特定の表示」の構成要素として具備するように構成している。
このように、本実施形態の構成は、本実施形態の「特定の表示」の1例としての画面900の表示を介して中断ジョブ(この例ではジョブX)の再開方法をオペレータが明示的に指定するに際しての、ガイダンス機能としての役目を果たす構成を、具備している。このような構成もまた、本実施形態に記載の操作性向上効果の更なる向上に努める為の仕組みの1例でもある。又、その為にも本実施形態では以下に例示の如くの制御を実行可能に構成している。
例えば、本実施形態の「特定の表示」の1例としての画面900の表示を、図16、図21、図24のいずれの表示条件でもって実行させる場合でも、通知欄901、902、903は有効表示状態となるように制御部108は本実施形態のUI部を制御する。
尚、この「動的判断要素」としては、本実施形態では、制御部108が本実施形態に開示の各種表示制御やジョブ処理制御を実行する際に要す「印刷システム100で印刷動作の実行を要するジョブの処理条件に係る情報」が、これに該当する。又、この情報は、換言すると、例えば、「印刷システム100にて印刷動作を要するジョブが、如何なる処理条件の印刷動作を要するジョブであるかを制御部108により確認可能にする情報」である。且つ、この動的判断要素として、本実施形態では、例えば、「印刷システム100が受付けた印刷待ち状態のジョブの数に係る情報」も、該当する。この情報は、換言すると、例えば、「メモリ209にて印刷待ち状態のジョブの数を制御部108により確認可能にする情報」である。
既述が如くの構成の本実施形態によれば、オフィス環境のみに留まる事無くPOD環境が如くの印刷環境を想定した今後のプリンティングシステムの製品実用化を目指した仕組みが提供可能となる。特に、例えば、「印刷中断要因の解除がなされた中断ジョブ(この例ではジョブX)の印刷動作を如何なるタイミングで再開させる事が最適なのかを、画面900の表示を操作するオペレータ自身が判断する際の操作支援となる」等の、操作性向上効果が図れる。この点も本実施形態にて重要な特徴点の1例でもある。
しかも特筆すべきは、当該例示が如くの効果に留まらずに、以下に例示が如くの効果をも享受可能に構成された点も、本実施形態の重要な特徴点の1例でもある。
例えば既述が如くの構成の本実施形態によれば、上記効果に加え、特に、例えば、
「中断ジョブの再開方法をオペレータが画面900を介し明示的に指定するに際して、その中断ジョブ(この例ではジョブX)の1つのジョブの事ばかりにのみ着目するのでは無く、
(1)現在印刷中のジョブ(この例ではジョブY)との兼ね合い、及び、
(2)この中断ジョブと現在印刷中のジョブとのこれらのジョブの進捗度合やその比較検討、
といった、これら両者のジョブをも配慮した適正な判断を、画面900の表示を操作するオペレータに働きかける事が可能となる」
等の更なる操作性向上効果が図れる。
しかも、当該例示が如くの効果に留まらずに、以下に例示が如くの効果をも享受可能に構成された点も、本実施形態の重要な特徴点の1例でもある。
例えば既述が如くの構成の本実施形態によれば、上記各効果に加え、特に、例えば、
「中断ジョブの再開方法をオペレータが画面900を介し明示的に指定するに際して、その中断ジョブ(この例ではジョブX)や現在印刷中のジョブ(この例ではジョブY)のみに留まらず、更なる後続ジョブ(この例ではジョブZ)を含めた、印刷システム100にて印刷を要する複数のジョブを考慮した操作環境でもって、画面900の表示を操作するオペレータが所望の再開方法で、当該中断ジョブの印刷動作を再開可能となる」
等の更なる操作性向上効果が図れる。
このように、本実施形態では、オフィス環境のみに留まる事無くPOD環境が如くの印刷環境を想定した今後のプリンティングシステムの製品実用化を目指した様々な仕組みを具備している。ここで、なぜ、本実施形態に例示が如くの各種構成や効果を提供可能にしているのか、その理由や背景等の説明を例示的に以下に行う。
例えば、本実施形態の印刷システム100は、既述の如く、オフィス環境のみならず、POD環境が如くの印刷環境を想定した各種制御を制御部108により実行可能に構成している。
このPOD環境が如くの印刷環境を想定してみると、例えば、本印刷システム100の主なる納品先の1例としては、印刷業者が想定されうると考える。そこで、この状況を検討してみると、例えば、当該印刷業者は、顧客から印刷要求を受注し、顧客が望む印刷物を、当該印刷システム100を用いて作成する。且つ、その作成した印刷物を顧客に納品することで、印刷業者は、顧客より報酬を受ける。このようなユースケースが想定されうると考える。
このようにPOD環境が如くの印刷環境では、例えば、本印刷システム100を、オフィス環境が如くの単なる業務支援の為のツールとして利用するのではなく、顧客から報酬を受ける為の商品を作成する為のビジネスツールとして活用されうると考える。
そこで、このPOD環境が如くの印刷環境を更に掘り下げて検討してみる。すると、例えば、顧客からの印刷要求に短納期で処理でき、且つ、より多くの顧客から、より多くの印刷要求の受付及び処理が可能に印刷システム100を構成せしめる事が要望されうると考える。換言すると、このPOD環境が如くの印刷環境では、例えば、複数の印刷ジョブを如何に効率よく処理するか、その、複数のジョブの全体の生産性が重要視されうると考える。
しかも、POD環境が如くの印刷環境では、様々な顧客からの様々な種類の印刷要求が想定され、当該印刷環境にて本印刷システム100により受付対象となるジョブとしては、例えば、大量な印刷枚数を要するジョブも数多く存在する事が想定されると考える。且つ、このようなジョブを含む大量のジョブを、同時期に且つ集中的に印刷システム100にて受付る事も想定されると考える。
以上のようなPODが如くの印刷環境特有のユースケースやユーザニーズを鑑みると以下のことが考えられる。即ち、例えば、POD環境が如くの印刷環境にて、顧客の希望納期を考慮しつつ、様々な種類の複数のジョブを、効率良く且つ高生産性でもって、印刷システム100により、処理可能にする事が、当該POD市場が如くの市場から要望されうると考える。
以上の各例示が如く、POD環境が如くの印刷環境は、オフィス環境とはユースケースもユーザニーズも全く異なる印刷環境である事が想定されうると考える。
以上に例示の本実施形態の説明は、換言すると、従来技術として例示が如くのジョブリカバ機能に対処可能な印刷装置や印刷システムは、オフィス環境が如くの印刷環境では充分満足が得られると考える。しかし、このような従来技術が如くのジョブリカバ機能に対処可能な印刷装置や印刷システムであっても、例えば、本実施形態により解決できるPOD環境が如くの印刷環境にて発生しうる以下に例示が如くの課題を解決できない。より厳密に述べると、そもそも、従来技術が如くのジョブリカバ機能に対処可能な印刷装置や印刷システムは、POD環境が如くの印刷環境にて発生しうる上記例示が如くのPOD環境特有のユースケースやユーザニーズに関して対処すらなされていない。このような点をも想定している事自体も本実施形態の重要な特徴点の1例であり、本実施形態は、POD環境が如くの印刷環境にて発生しうる以下に例示が如くの課題を解決可能に構成している。
例えば、従来技術として例示が如くのジョブリカバ機能に対処可能な印刷装置や印刷システムを発展させることで、ジョブXの印刷中断にジョブYの印刷を開始できるようにする構成は提供可能やもしれない。又、例えば、これを更に発展させて、ジョブYの印刷完了後にジョブXの印刷を再開可能にする事も可能やも知れない。しかし、もし、このジョブXの印刷が中断した事に応じて印刷処理が開始されたジョブYが、大量の印刷用紙に対して印刷動作を要する大量印刷枚数の印刷ジョブであるとする。この場合、このような構成では、ジョブYの印刷が完了する迄、ジョブXの印刷再開は長時間待機させられる事になる。換言すると、ジョブYの印刷実行中にジョブXの印刷中断要因が速やかにオペレータにより解除されたとしても、ジョブYの印刷が終了しない限り、ジョブXの印刷が再開されない。この状況は、たとえ、ジョブXが、あと少し印刷を行えば処理が完遂できる状況であっても発生しうる状況でもある。
これらに例示が如くの状況は、オフィス環境が如くの印刷環境では、そもそも、このようなユースケースやニーズ自体が発生する可能性が低いが故に、何ら着目すらされない状況ではある。これは、ユーザXは、自分の印刷ジョブXの事ばかりを気にして、別のユーザYの印刷ジョブYの事までは配慮せず、かたや、ユーザYは、自分の印刷ジョブYの事ばかりを気にして、別のユーザXの印刷ジョブXの事までは配慮しない。これは、「印刷物の受取人自身が、印刷システムに印刷要求を発行し、この印刷物の受取人自身が、印刷システムの排紙部から自分の印刷物を取り出す」等の、「自分の書類を自分で印刷する」といった、オフィス環境が如くの印刷環境に起因するものと考える。
しかし、このような上記例示が如くの状況は、複数の大量ジョブを如何に効率良く且つ高生産性でもって同時期且つ集中的に処理できるかが重要視されうるPOD環境が如くの印刷環境では懸念視されうる状況であると考える。そこで、例えば、本実施形態では、上記例示が如くの状況は、POD環境が如くの印刷環境にて対処が要求されうる課題であると認識している。且つ、当該例示が如くの課題を、本実施形態の印刷システム100の構成でもって、解決可能に構成している。
しかも、特筆すべきは、本実施形態では、上記課題にのみ対処可能に印刷システムを構成したとしても、既述の懸念事項とはまた別の新たな懸念事項がPOD環境が如くの印刷環境では想定されうる可能性を考慮し、それを解決可能にも構成している。
例えば、上記例示が如くの課題を解決する1案として、ジョブXの印刷中断中に印刷が開始されたジョブYの印刷実行中にジョブXの印刷中断要因がオペレータにより解除された事を契機にジョブYの処理を強制的にストップさせる構成を想定してみる。このような構成では、例えば、ジョブYが特定種類の後処理を要するジョブ等、ジョブYの処理内容如何によっては、該ジョブYの印刷結果に影響を与える可能性が想定されうる。このような状況もまた、既述が如く、印刷装置や印刷システムが「自分の書類を自分で印刷する」といった業務支援の為のデバイスとして専ら利用される、オフィス環境が如くの印刷環境では、何ら気にならない状況かも知れない。
しかし、本実施形態にて着目しているような、印刷装置やシステムが「顧客に納品する商品としての印刷物を作成する」為のデバイスとして活用されうる、POD環境が如くの印刷環境では、大きなトラブルに発展しかないと本実施形態では考える。そこで、例えば、本実施形態では、上記例示が如くの状況も、POD環境が如くの印刷環境にて対処が要求されうる課題であると認識している。且つ、当該例示が如くの課題を、本実施形態の印刷システム100の構成でもって、解決可能に構成している。
以上のような理由により、本実施形態では、既述の如く、オフィス環境のみならず、POD環境が如くの印刷環境を想定した各種制御を制御部108により実行可能に構成している。且つ、本実施形態にて、特に重要な構成要素として、当該「特定の表示」に係る各種制御を実行可能に構成している。
以上の各種構成を前提に、本実施形態の印刷システム100の重要な構成の1例に該当する本実施形態の制御部が本実施形態のUI部により実行させる上記「特定の表示」には、更に、以下に例示の如くの表示構成要素4〜6を具備している。表示構成要素4〜6は操作指示キー904〜906に対応して表示される。
本実施形態で例示の表示構成要素4、5、6は、「印刷中断要因の解除がなされた中断ジョブ(この例ではジョブX)の印刷動作の再開方法(リカバリ方法)を指定する為の指示を、本実施形態のUI部を介しオペレータが明示的に入力可能にする為の、構成要素」に該当する。
しかも本実施形態では、これらの表示構成要素4、5、6は、上記例示の如くの「動的判断要素に基づいた動的制御が、実行対象となる構成要素」に該当する。
しかも本実施形態では、これら表示構成要素4、5、6は、「現在印刷実行中のジョブ(この例では、ジョブXの印刷中断期間中に印刷開始許可対象のプロモート印刷ジョブに該当するジョブY)の印刷実行期間中に、上記印刷中断要因の解除がオペレータによりなされたジョブに該当する、上記中断ジョブ(この例ではジョブX)の印刷動作を、如何なるタイミングで、印刷システム100により、再実行させるのか、その該中断ジョブの印刷再開タイミングを、本実施形態のUI部を介してオペレータが明示的に入力可能にする為の、構成要素」に該当する。
本実施形態では、大別して最大3つの選択候補(選択肢)の中から上記中断ジョブ(この例ではジョブX)の再開方法をオペレータが明示的且つ選択的に指定可能にした構成として、該表示構成要素4、5、6をUI画面900に具備させるように制御している。且つ、本実施形態では、この3種類の選択肢のうちの第1選択肢として表示構成要素4を設け、第2選択肢として表示構成要素5を設け、第3選択肢として表示構成要素6を設けるように構成している。
又、例えば、該表示構成要素4の1例に相当する「本実施形態のUI画面900に具備させる対象の、オペレータによる直接的なタッチパネル操作に応答可能な、操作指示キー904」の表示を、制御部108が操作部102により実行可能に制御する。
且つ、該表示構成要素5の1例に相当する「本実施形態のUI画面900に具備させる対象の、オペレータによる直接的なタッチパネル操作に応答可能な、操作指示キー905」の表示も、制御部108が操作部102により実行可能に制御する。
且つ、該表示構成要素6の1例に相当する「本実施形態のUI画面900に具備させる対象の、オペレータによる直接的なタッチパネル操作に応答可能な操作指示キー906と詳細設定欄907」の表示も、制御部108が操作部102により実行可能に制御する。
且つ、上記構成を前提に本実施形態では、大別して最大3つの選択候補(選択肢)の中から上記中断ジョブ(この例ではジョブX)の再開方法をオペレータが明示的且つ選択的に指定可能にした構成が示される。その構成として、該表示構成要素4、5、6を画面900にて有効表示可能に制御部108が操作部102を制御する。
更に、上記構成を前提に本実施形態にて、制御部108は、上記中断ジョブ(この例ではジョブX)の印刷中断要因の解除を契機に、現在印刷実行中のジョブ(この例ではジョブY)が如何なる印刷処理条件の印刷動作を要するジョブであるかの確認を行う。且つ、この確認結果に基づき、制御部108は、上記3種類の選択肢に対応する上記各表示キー(ソフトキーとも呼ぶ)904、905、906のうちの、第2選択肢に相当するキー905を画面900にて無効表示状態となるように操作部102を制御する。これにより、制御部108は、該第2選択肢に対応するキー905によりオペレータから受付対象のユーザ要求の受付けを禁止する。
更に、上記構成を前提に本実施形態にて、制御部108は、上記中断ジョブ(この例ではジョブX)の印刷中断要因の解除を契機に、メモリ109にて待機対象の印刷待ち状態のジョブの有無や数を確認する。且つ、この確認結果に基づき、制御部108は、上記3種類の選択肢のうちの第3選択肢に相当する上記キー906と詳細設定欄907を画面900にて無効表示状態となるように操作部102を制御する。これにより、制御部108は、第3選択肢に相当するキー906と詳細設定欄907によりオペレータから受付対象のユーザ要求を受付ける事を禁止する。
しかも、本実施形態では、これら表示構成要素4、5、6は、「上記中断ジョブ(この例ではジョブX)の印刷再開タイミングをオペレータが指示するにあたり、現在印刷実行中のジョブ(この例ではジョブY)との兼ね合いをオペレータが明確に考慮した状態で、当該中断ジョブの再開タイミングをオペレータが明示的に入力可能にする為の、構成要素」に該当する。
例えば、本実施形態では、表示構成要素4に相当する表示キー(ソフトキー)904は「現在印刷実行中のジョブの印刷終了後に、このジョブの印刷を再開する」という指示内容がオペレータ自身により明確に理解可能に表現された表示要素で構成されている。且つ、このキー904とは区別された本実施形態にて表示構成要素4に相当する表示キー(ソフトキー)905は、「現在印刷実行中のジョブを中断し、ただちに、このジョブの印刷を再開する」という指示内容がそのままオペレータ自身により明確に理解可能に表現された表示要素で構成されている。このような、表示キー904や、ジョブ処理状況に応じて動的に有効表示状態が制御部108により制限される表示キー905といった、印刷システム100のオペレータにより選択可能な選択肢に相当する操作指示部を提供可能に構成している。
これにより、既述が如く、上記中断ジョブ(この例ではジョブX)の印刷再開タイミングをオペレータが指示するにあたり、オペレータは的確な指示を行うことができるようになる。即ち、オペレータは、現在印刷実行中のジョブ(この例ではジョブY)との兼ね合いや、これらのジョブの進捗具体を考慮した適正な判断を、該画面900の表示を介して行うことができる。且つ、このような判断をしたうえで、当該中断ジョブの印刷動作の再開タイミングとして該オペレータが所望する選択視を該画面900の表示を介して明示的に指定可能となるといった効果が図れる。
しかも、本実施形態では、表示構成要素6に相当する表示キー(ソフトキー)906は、「現在印刷待ち状態のジョブの印刷終了後に、このジョブの印刷を再開する」という指示内容がそのままオペレータにより明確に理解可能に表現された表示要素で構成される。
これにより、上記中断ジョブ(この例ではジョブX)と現在印刷実行中のジョブ(この例ではジョブY)のみならず、更なる後続ジョブとしてメモリ109にて印刷待ち状態の印刷システム100により印刷動作を要する他のジョブ(この例ではジョブZ)をも考慮した適正な判断が該画面900の表示を介してオペレータにより実現可能となる。
既述が如く本実施形態によれば、中断ジョブのみ、又は、現在印刷中のジョブのみに配慮するのではなく、印刷システム100にて印刷動作を要する複数のジョブの全体の生産性を考慮した判断が該画面900の表示を介してオペレータにより実現可能となる。且つ、印刷システム100で印刷動作を要す複数のジョブの全体の生産性を考慮した判断をした上で、該中断ジョブの印刷動作の再開タイミングとして該オペレータが所望する適切な選択視を該画面900の表示を介して明示的に指定可能となるといった効果が図れる。
しかも、本実施形態では、表示構成要素4、5、6を具備するのみならず、先に既述の表示構成要素1、2、3をも具備した画面900を、制御部108が、操作部102により、表示させる。
しかも既述の如く、表示構成要素2に相当する通知欄902には、中断対象のジョブ(この例ではジョブX)の情報として、印刷処理条件、該ジョブの印刷完了迄に要する残り印刷枚数及び所要時間を表示させるように、制御部108が操作部102を制御する。
且つ、この表示構成要素2の提示情報と比較できるように、表示構成要素3に対応する通知欄903には、現在印刷中のジョブを表示させるように、制御部108が操作部102を制御する。現在印刷中のジョブ(この例ではジョブY)の情報としては、該ジョブの印刷条件、該ジョブの印刷完了迄に要する残り印刷枚数及び所要時間が挙げられる。
このように本実施形態では、表示構成要素4、5、6の3種類の選択肢のうちの何れか1つの選択肢を画面900でオペレータが選択する際に、表示構成要素2と3の各ジョブの情報を互いに区別し且つ比較できる状態で、オペレータに提示可能に構成している。且つ、当該構成により、本実施形態では、更に以下に例示の効果が図れる。
例えば、「ジョブXは、あともう少し印刷を行えば印刷が完了できる。かたや、ジョブYは印刷完了するにはまだ当分時間がかかる。ならば、現在印刷実行中のジョブYの印刷完了前にジョブXの印刷を再開させてジョブXの印刷物の作成を完了させる方がより効率的である。」といった、画面900を操作するオペレータの判断の助けとして貢献出来る。
又、例えば、「ジョブYは、あと残り僅かで印刷が完了できる。ならば、ジョブXの印刷再開よりも、まずは現在印刷実行中のジョブYの印刷を完遂させる方が、より効率的である。」といった、画面900を操作するオペレータの判断の助けとなる。
このように、例えば、POD環境等の印刷環境にて、複数の印刷ジョブの全体の生産性や顧客が要求する印刷物の希望納期等を加味しながら印刷システム100を操作する印刷作業現場のオペレータが、画面900を介して上記3種類の選択視の何れか1つを選択するに際して、より適正な判断が行えるようにした、充実した操作支援環境が提供可能となる。
このように、表示構成要素4、5、6のみならず表示構成要素1、2、3による情報通知機能をも充実させることで、上記本実施形態の効果が更に向上可能となる等の効果が享受可能となる。
以上の構成を前提とし、本実施形態では、制御部108が操作部102に表示させる、上記表示構成要素1、2、3と共にUI画面900に具備させる各表示構成要素4、5、6に係る具体的制御に関して、以下具体例でもって説明する。
〔(表示構成要素4)・・・印刷中断要因の解除がなされた中断ジョブの印刷動作を現在印刷中のジョブの印刷終了後に再開させる指示をオペレータにより明示的に入力可能に構成した操作指示部に相当する表示キー904〕
本実施形態の画面900に具備させる対象の表示キー904は、既述の如く、本実施形態では、表示構成要素4に該当する。
即ち、該キー904は、現在印刷中のジョブ(この例ではジョブY)のプリンタ部104による印刷期間中に印刷中断要因が解除された中断ジョブ(この例ではジョブX)の印刷動作の再開方法(再開タイミング)として、本実施形態にてオペレータにより選択可能に構成している上記3種類の選択候補のうちの第1選択肢に該当する。
この構成を前提とし、本実施形態では、現在印刷中のジョブ(本例ではジョブY)のプリンタ部104による印刷期間中に上記中断ジョブ(本例ではジョブX)の印刷中断要因が解除された事を条件とする。そして、この条件が成立したことにより、制御部108が当該画面900の表示を操作部102により実行させる事を許可する。
上記構成を前提に、例えば、該画面900の表示を操作部102により実行させる事を許可した場合、制御部108は、該画面900にて当該キー904を有効表示状態となるよう操作部102を制御する。
且つ、該制御部108は、現在印刷中のジョブ(この例ではジョブY)の印刷動作をそのままプリンタ部104により続行させたままの状態で、該画面900にて有効表示状態の該キー904を介しての第1選択肢に相当するオペレータ要求を受付可能に制御する。
既述の構成を前提に、例えば、画面900におけるタッチパネル操作を介してオペレータにより、該画面900にて有効表示状態のキー904が押下され、且つ、画面900のOKキー908が押下されたとする。この場合、これを判断条件に、制御部108は、上記中断ジョブ(この例ではジョブX)の印刷動作の再開方法として、第1のユーザ要求がオペレータによりなされたと判断する。
この、オペレータに画面900を介して提示対象の3種類の選択候補のうちの第1選択肢に相当する第1のユーザ要求を受付けた場合、制御部108は、現在印刷中のジョブ(この例ではジョブY)のプリンタ部104による印刷動作を中断させる事は禁止する。
且つ、このケースの場合、制御部108は、この現在印刷中のジョブの印刷完了する迄、たとえ既述の如く印刷中断要因は現段階にて既に解除済であっても、該中断ジョブの印刷動作の再開は待機状態となるよう印刷システム100を制御する。
尚、本実施形態では「印刷完了」や「印刷終了」なる記載がある。しかし、これらの文言は本実施形態では同じ意味として取り扱っている。即ち、この文言で本実施形態の構成が限定される訳ではない。
且つ、このケースの場合(第1のユーザ要求がなされた場合)、制御部108は、現在印刷中のジョブ(この例ではジョブY)の印刷動作がプリンタ部104の終了を待つ。そして、その終了後に、制御部108は、上記中断ジョブ(この例ではジョブX)の印刷動作をプリンタ部104により再開させるよう印刷システム100を制御する。
例えば、図16の表示制御例の場合、制御部108は、「100頁からなる印刷データを該ジョブYの印刷処理条件でもって5部数分印刷する為の一連の印刷動作を要する、ジョブY」の当該印刷動作を全て完了させるよう制御する。
その為に、図16に例示の制御例では、このジョブYは、あと残り100頁×2部数分印刷が必要である事をジョブYに係る処理条件データと進捗情報に基づいて制御部108が特定する。これにより、制御部108は、このジョブYの残り100頁×2部数分の印刷動作を引き続き印刷システム100により続行させつづける。
そして、このジョブYの印刷動作が完了した事を制御部108がプリンタ部104からのステータス情報に基づき確認したとする。するとこれを受け制御部108は、後続ジョブ(この例ではジョブZ)が既にメモリ109にて印刷待機状態であっても該後続ジョブの印刷開始は禁止し且つ該後続ジョブの印刷待機状態は維持させたままジョブXの印刷動作を印刷システム100により再開させる。
尚、このジョブXの印刷動作を再開させるにあたり、制御部108は、S609のジョブXの印刷中断直前の段階迄にどこまで印刷が済んでいるのかの確認を、該ジョブXの進捗情報を基づいて特定すると共に、ジョブXの印刷処理条件の確認も行う。そのうえで、該ジョブXにて印刷未完了部分の印刷動作を、当該ジョブXの印刷動作の再開時に必要な印刷動作として、印刷システム100により、実行させる。
例えば、図16の表示制御例の場合、ジョブXは、「50頁からなる印刷データを該ジョブXの印刷処理条件でもって5部数分印刷する為の一連の印刷動作を要する、ジョブ」である事を制御部108が確認する。且つ、制御部108は、このジョブXは、あと残り10頁分印刷が必要である事をジョブXに係る処理条件データと進捗情報に基づいて特定する。これにより、制御部108は、この、印刷中断要因の発生が原因で未処理分だったジョブXの残り10頁の印刷動作を、該ジョブXの印刷処理条件に基いて、印刷システム100により実行させる。以上により、制御部108は、ジョブYの印刷完了直後に印刷動作を再開させたジョブXの印刷動作に必要な一連の印刷動作は全て完了させる。
そのうえで、制御部108は、例えば、メモリ109にて印刷待機状態中の後続ジョブ(この例ではジョブZ)が存在するならば、このジョブXの印刷完了を条件に当該後続ジョブの印刷動作の開始を許可する。これにより、制御部108は、このジョブXの印刷完了直後に、当該後続ジョブの印刷動作を印刷システム100により開始実行させる。
このように、表示構成要素4としてのキー904を介して上記第1のユーザ要求をオペレータから受付けると、制御部108は、以上のような印刷順序でもって、印刷システム100にて印刷動作を要する各ジョブを処理するよう印刷システム100を制御する。
尚、この、当該キー904からの上記第1のユーザ要求をオペレータから受付た事を条件に制御部108が実行する制御シーケンスは、「図7BのS621にてYES判定を下した事を条件に移行するS622の印刷処理1」に対応する。且つ、本実施形態では、このS622の「印刷処理1」に含まれる詳細処理フローとして、制御部108は、「図22のS801〜S810の処理フロー」を実行する。
以上の構成を前提に更に本実施形態では、上記第1選択肢に相当するキー904からの第1のユーザ要求以外のユーザ要求を画面900を介して受付可能に構成している。その1例として、上記3種類の選択候補として第2選択肢に相当する表示構成要素5に相当するキー905が存在する。これについても具体例でもって以下に説明する。
〔(表示構成要素5)・・・印刷中断要因の解除がなされた中断ジョブの印刷動作を現在印刷中のジョブの印刷動作の完了前に再開させる指示をオペレータにより明示的に入力可能に構成した操作指示部に相当する表示キー905〕
本実施形態の画面900に具備させる対象の表示キー905は、既述の如く、本実施形態では、表示構成要素5に該当する。
即ち、該キー905は、現在印刷中のジョブ(この例ではジョブY)のプリンタ部104による印刷期間中に印刷中断要因が解除された中断ジョブ(この例ではジョブX)の印刷動作の再開方法(再開タイミング)として、本実施形態にてオペレータにより選択可能に構成している上記3種類の選択候補のうちの第2選択肢に該当する。
具体例で説明すると、例えば上記第1選択肢に相当する第1のユーザ要求は「印刷中断要因の解除がなされた中断ジョブ(この例ではジョブX)の印刷動作を現在印刷中のジョブ(この例ではジョブY)の印刷動作の完了後に再開させるユーザ要求」に該当する。
これに対して、例えば、この第2選択肢に相当する第2のユーザ要求は「印刷中断要因の解除がなされた中断ジョブ(この例ではジョブX)の印刷動作を現在印刷中のジョブ(この例ではジョブY)の印刷動作の完了前に再開させる、ユーザ要求」に該当する。尚、本実施形態では、この第2のユーザ要求は「現在印刷中のジョブ(この例ではジョブY)の印刷動作を中断させ、その直後に直ちに、印刷中断要因の解除がなされた中断ジョブ(この例ではジョブX)の印刷動作を再開させるユーザ要求」として取り扱われる。
但し、本実施形態にて、この第2選択肢は、現在印刷実行中のジョブが如何なる印刷処理条件のジョブであるかの確認結果次第により、オペレータにより選択禁止となるよう制御部108により操作部102を制御している。
この1例として、本実施形態にて、制御部108は、中断ジョブ(この例ではジョブX)の印刷中断要因が解除された事を条件に画面900を操作部102により表示させるに先立ち、現在印刷中のジョブ(この例ではジョブY)の印刷処理条件の確認を行う。その際には、制御部108は、メモリ109にて保持対象の現在印刷中のジョブ(この例ではジョブY)の印刷処理条件データを読出参照する。
その結果、現在印刷中のジョブは「プリンタ部104により印刷がなされた印刷物に対して後処理部材を用いた後処理(シート処理やフィニシング処理とも呼ぶ)の実行を、印刷システム100の後処理装置(例えば、シート処理装置230)により要するジョブ」である事を、制御部108が確認したとする。
上記の如く、中断ジョブ(この例ではジョブX)の中断要因解除を契機に画面900を操作部102に表示させるに先立ち、制御部108が「現在印刷中のジョブ(この例ではジョブY)は印刷媒体に対するフィニシング処理を要するジョブである」事を確認した。
このケースの場合(現在印刷中のジョブ(当例はジョブY)がフィニシング処理を要するジョブである場合)、この確認結果を条件に、制御部108は、本実施形態のUI部を介してこの第2選択肢をオペレータが選択する事を禁止する。例えば、本実施形態では、制御部108が、この第2選択肢はオペレータにより選択禁止となるよう操作部102を制御する。この1例として、本実施形態では、図24の表示で例示の如く、画面900を操作部102により表示させた場合でも、画面900にてキー905は無効表示状態となるよう制御部108が操作部102を制御する。
尚、この無効表示制御として、図24や図21で例示の如く、「グレーアウト表示」や「網掛け」表示を実行可能にした構成でも良いし、そもそも、画面900にて非表示とする構成でも良い。このように、本実施形態のUI部を介して受付対象となる、オペレータからの要求を無効化する構成であるならば、如何なる構成でも良い。
但し、少なくとも、このケースの場合(この例では、現在印刷中のジョブ(この例ではジョブY)がフィニシング処理を要するジョブである場合)に、制御部108は、第2のユーザ要求を本実施形態のUI部を介してオペレータから受付る事自体を禁止する。これにより、該ケースの場合に、制御部108は、印刷中断要因の解除がなされた中断ジョブ(この例ではジョブX)の印刷動作を現在印刷中のジョブ(この例ではジョブY)の印刷動作の完了前に再開させる動作を印刷システム100に実行させる事を禁止する。
尚、上記構成は本実施形態で先に例示済の「ジョブYの印刷実行中にジョブXの印刷中断要因がオペレータにより解除された事を契機にジョブYの処理を強制的にストップさせる構成」の場合にて生じ得る新たな問題発生の抑制効果を図る仕組みの1構成例である。
一方、例えば、該中断ジョブ(この例ではジョブX)の中断要因解除を契機に画面900の表示を操作部102に実行させるに先立ち、「現在印刷中のジョブ(この例ではジョブY)はフィニシング処理を要するジョブである」事を制御部108が確認したとする。この場合、該確認結果を受けて制御部108は、本実施形態のUI部を介してこの第2選択肢をオペレータが選択する事を許可する。例えば、本実施形態では、制御部108が、この第2選択肢はオペレータにより選択許可するように操作部102を制御する。この1例として、本実施形態では、図16や図21の表示例が如く、画面900を操作部102により表示させる場合に、画面900にてキー905を有効表示状態となるよう制御部108が操作部102を制御する。且つ、当該ケースの場合、制御部108は、画面900にて有効表示状態の当該キー905を用いて上記第2選択視に相当する第2のユーザ要求の受付を許可する。即ち、制御部108は、現在印刷中のジョブ(この例ではジョブY)の印刷動作をそのままプリンタ部104により続行させたままの状態で、該画面900にて有効表示状態の該キー905を介しての第2選択肢に相当するオペレータ要求を受付可能に制御する。
既述の構成を前提に、例えば、画面900におけるタッチパネル操作を介してオペレータにより、該画面900にて有効表示状態のキー905が押下され、且つ、画面900のOKキー908が押下されたとする。この場合、これを判断条件に、制御部108は、上記中断ジョブ(この例ではジョブX)の印刷動作の再開方法として、第2のユーザ要求がオペレータによりなされたと判断する。
この、オペレータに画面900を介して提示対象の3種類の選択候補のうちの第2選択肢に相当する第2のユーザ要求を受付けた場合、制御部108は、現在印刷中のジョブ(この例ではジョブY)のプリンタ部104による印刷動作を中断させる事を許可する。当該ケースの場合、制御部108は現在印刷中のジョブ(当例ではジョブY)の印刷動作を完了させる前に該中断ジョブ(当例ではジョブX)の印刷動作をプリンタ部104により再開させて該中断ジョブの印刷動作を完了させるよう印刷システム100を制御する。
例えば、図16の表示制御例の場合、有効表示状態のキー905のユーザ押下により該第2のユーザ要求を受付けた事を条件に、制御部108はプリンタ部104により印刷続行中の現在印刷中のジョブ(当例ではジョブY)の印刷動作を中断(ストップ)させる。
尚、その際、このジョブ(当例ではジョブY)は現時点までにどれ位印刷したのか、その現時点における該ジョブの進捗状況を後でこのジョブ(当例ではジョブY)の印刷再開時に制御部108が特定出来るようにする。この1例として、制御部108は、該ジョブ(当例ではジョブY)の現時点における進捗情報を、このジョブ(当例ではジョブY)の印刷データ及び印刷処理条件データと関連付けた状態で、メモリ109に保持させておく。
このように、第2のユーザ要求がオペレータから受付けた事を条件に現在印刷中のジョブ(当例ではジョブY)の印刷動作を中断させたうえで、該中断直後に、速やかに、ジョブXの印刷動作を印刷システム100により再開させる。
尚、当該ケース(第2のユーザ要求を受付けた場合)において、これらのジョブ(当例はジョブXとジョブY)以外にも更なる後続ジョブ(当例はジョブZ)が既にメモリ109にて印刷待機状態であるとする。このような状況でも、当該ケースの場合、制御部108は、現在印刷中のジョブ(当例はジョブY)の印刷中断後に、該後続ジョブの印刷を開始させる事無く、該後続ジョブの印刷待機状態は維持したまま中断ジョブ(当例はジョブX)の印刷動作を再開可能にする。
尚、このジョブXの印刷動作を再開させるにあたり、制御部108は、S609のジョブXの印刷中断直前の段階迄にどこまで印刷が済んでいるのかの確認を、該ジョブXの進捗情報を基づいて特定すると共に、ジョブXの印刷処理条件の確認も行う。そのうえで、該ジョブXにて印刷未完了部分の印刷動作を、当該ジョブXの印刷動作の再開時に必要な印刷動作として、印刷システム100により、実行させる。
例えば、ジョブXは、「50頁からなる印刷データを該ジョブXの印刷処理条件でもって5部数分印刷する為の一連の印刷動作を要する、ジョブ」である事を制御部108が確認する。且つ、制御部108は、このジョブXは、あと残り10頁分印刷が必要である事をジョブXに係る処理条件データと進捗情報に基づいて特定する。これにより、制御部108は、この、印刷中断要因の発生が原因で未処理分だったジョブXの残り10頁の印刷動作を、該ジョブXの印刷処理条件に基いて、印刷システム100により実行させる。以上により、制御部108は、ジョブYの印刷中断直後に印刷動作を再開させたジョブXの印刷動作に必要な一連の印刷動作は全て完了させる。
且つ、その後、上記ジョブYの中断後に再開させたジョブXの印刷動作が印刷システム100にて全て完了した事を受け、制御部108は、該ジョブXの印刷を再開させる為に中断させた上記ジョブYの印刷動作を再開させる。尚、当該ケース(第2のユーザ要求を受付けた場合)において、ジョブY以外にも更なる後続ジョブ(当例はジョブZ)が既にメモリ109にて印刷待機状態であるとする。このような状況でも、当該ケースの場合、制御部108は、上記ジョブXの印刷完了後に、該後続ジョブの印刷を開始させる事無く、該後続ジョブの印刷待機状態は維持したまま、このジョブYの印刷動作を再開可能に印刷システム100を制御する。
尚、ジョブXの印刷再開が優先された為に印刷動作が中断されたジョブYの印刷動作をジョブXの印刷完了後に再開させる際に、制御部108は、ジョブYの印刷中断直前の段階迄にどこまで印刷が済んでいるのかの確認を上記ジョブYの進捗情報により特定する。且つ、この際、該ジョブYの印刷処理条件の確認も行う。そのうえで、制御部108は、該ジョブYにて印刷未完了部分の印刷動作を、当該ジョブYの印刷動作の再開時に必要な印刷動作として、印刷システム100により、実行させる。
そして、このジョブYの印刷動作が完了した事を制御部108がプリンタ部104からのステータス情報に基づき確認したとする。するとこれを受け制御部108は、メモリ109にて印刷待機状態中の後続ジョブ(この例ではジョブZ)が存在するか否かの確認を行う。
そのうえで、制御部108は、例えば、メモリ109にて印刷待機状態中の後続ジョブ(この例ではジョブZ)が存在するならば、このジョブYの印刷完了を条件に当該後続ジョブの印刷動作の開始を許可する。これにより、制御部108は、このジョブYの印刷完了直後に、当該後続ジョブの印刷動作を印刷システム100により開始実行させる。
このように、表示構成要素5としてのキー905の表示を介して上記第2のユーザ要求をオペレータから受付けたとする。この場合、制御部108は、以上のような印刷順序でもって、印刷システム100にて印刷動作を要する各ジョブを処理するよう印刷システム100を制御する。
尚、この、当該キー905からの上記第2のユーザ要求をオペレータから受付た事を条件に制御部108が実行する制御シーケンスは、「図7BのS623にてYES判定を下した事を条件に移行するS623の印刷処理2」に対応する。且つ、本実施形態では、このS623の「印刷処理2」に含まれる詳細処理フローとして、制御部108は、「図17のS901〜S912の処理フロー」を実行する。
以上の構成を前提に更に本実施形態では、上記第2選択肢に相当するキー905からの第2のユーザ要求以外のユーザ要求を画面900を介して受付可能に構成している。その1例として、上記3種類の選択候補として第3選択肢に相当する表示構成要素6に相当するキー906が存在する。これについても具体例でもって以下に説明する。
〔(表示構成要素6)・・・印刷中断要因の解除がなされた中断ジョブの印刷動作を現在印刷中のジョブの印刷動作の終了後で且つメモリ109にて印刷待ち状態のジョブの印刷動作の終了後に再開させる指示をオペレータにより明示的に入力可能に構成した操作指示部に相当する、表示キー906と詳細設定欄907〕
本実施形態の画面900に具備させる対象の表示キー906と詳細設定欄907は、既述の如く、本実施形態では、表示構成要素6に該当する。
このキー906(詳細設定欄907も含む)は、現在印刷中のジョブ(この例ではジョブY)のプリンタ部104による印刷期間中に印刷中断要因が解除された中断ジョブ(この例ではジョブX)の印刷動作の再開方法(再開タイミング)として、本実施形態にてオペレータにより選択可能に構成している上記3種類の選択候補のうちの第3選択肢に該当する。
具体例で説明すると、例えば、上記第3選択肢に相当する第3のユーザ要求は「印刷中断要因の解除がなされた中断ジョブ(当例はジョブX)の印刷動作を、現在印刷中のジョブ(当例はジョブY)の印刷動作の完了後で且つ印刷待ち状態のジョブ(当例はジョブZ)の印刷動作の完了後に、再開させる、ユーザ要求」に該当する。
但し、本実施形態にて、この第3選択肢に関して、中断ジョブ(当例はジョブX)の印刷中断要因解除の時点にて、現在印刷中のジョブ(当例はジョブY)以外の印刷動作を要する他の印刷待ち状態のジョブがメモリ109に存在するか否かが確認される。そして、この確認結果に応じて、第3選択肢がオペレータにより選択禁止となるよう制御部108は操作部を制御する。
この1例として、本実施形態にて、例えば、制御部108は、中断ジョブ(この例ではジョブX)の印刷中断要因が解除された事を条件に画面900を操作部102により表示させるに先立ち、メモリ109にて管理している印刷待ち行列をチェックする。且つ、中断ジョブ(当例はジョブX)と現在印刷中のジョブ(当例はジョブY)以外の、印刷動作を要する他のジョブとして、印刷待ち状態のジョブがメモリ109に存在するか否か確認する。
ここでは、まず、制御部108が、中断ジョブ(当例はジョブX)及び現在印刷中のジョブ(当例はジョブY)以外に、印刷待ち状態のジョブはメモリ109に存在しない事を確認したとする。
即ち、このケースは、換言すると、中断ジョブ(この例ではジョブX)の中断要因解除を契機に画面900を操作部102に表示させるに先立ち、制御部108が、「印刷待ち状態のジョブがメモリ109に存在しない」事を確認したケースに該当する。
このケースの場合、この確認結果を条件に、制御部108は、本実施形態のUI部を介してこの第3選択肢をオペレータが選択する事を禁止する。例えば、本実施形態では、制御部108が、この第3選択肢はオペレータにより選択禁止となるよう操作部102を制御する。この1例として、本実施形態では、図21の表示で例示が如く、画面900を操作部102により表示させた場合でも、画面900にてキー906(詳細設定欄907も含む)は無効表示状態となるよう制御部108が操作部102を制御する。
尚、この無効表示制御として、図24や図21で例示の如く、「グレーアウト表示」や「網掛け」表示を実行可能にした構成でも良いし、そもそも、画面900にて非表示とする構成でも良い。このように、本実施形態のUI部を介して受付対象となる、オペレータからの要求を無効化する構成であるならば、如何なる構成でも良い。
但し、少なくとも、このケースの場合(この例では、中断ジョブ及び現在印刷中のジョブ以外のジョブとして印刷待ち状態のジョブがメモリ109に存在しない場合)に、制御部108は、第3のユーザ要求をUI部を介してオペレータから受付る事を禁止する。これにより、画面900を操作するオペレータの誤操作の防止や、画面900を操作するオペレータの不適切な判断の防止といった効果を図る。即ち、POD環境が如くの印刷環境にて重要視されうる高い生産性でもって印刷システム100を動作させるといった本実施形態に既述の効果が低下してしまうといった問題発生の抑止効果を図る。
このように、上記構成は、本実施形態の効果が更に向上可能となるという効果が図れる為の仕組みの1例でもある。
一方、制御部108が、中断ジョブ(当例はジョブX)及び現在印刷中のジョブ(当例はジョブY)以外に、印刷待ち状態のジョブはメモリ109に存在する事を確認したとする。例えば、当例では、ジョブXとジョブY以外の印刷待ち状態のジョブとして少なくともジョブZがメモリ109に存在する。
故に、ここでは、制御部108が、中断ジョブ(当例はジョブX)及び現在印刷中のジョブ(当例はジョブY)以外に、印刷待ち状態のジョブが存在する事を確認したとする。
即ち、このケースは、換言すると、中断ジョブ(この例ではジョブX)の中断要因解除を契機に画面900を操作部102に表示させるに先立ち、制御部108が、「印刷待ち状態のジョブがメモリ109に存在する」事を確認したケースに該当する。
このケースの場合(印刷待ち状態のジョブがメモリ109に存在する場合)、該確認結果を受けて制御部108は、本実施形態のUI部を介してこの第3選択肢をオペレータが選択する事を許可する。例えば、本実施形態では、制御部108が、この第3選択肢はオペレータにより選択許可するように操作部102を制御する。この1例として、本実施形態では、図16や図24の表示例が如く、画面900を操作部102により表示させる場合に、画面900にてキー906(詳細設定欄907を含む)を有効表示状態となるよう制御部108が操作部102を制御する。
且つ、当該ケースの場合(印刷待ち状態のジョブがメモリ109に存在する場合)、制御部108は、画面900にて有効表示状態の当該キー906を用いて上記第3選択視(詳細設定欄907を含む)に相当する第3のユーザ要求の受付を許可する。即ち、制御部108は、現在印刷中のジョブ(本例ではジョブY)の印刷動作をプリンタ部104により続行させた状態で、画面900で有効表示状態の該キー906(詳細設定欄907を含む)を介した第3選択肢に相当するオペレータ要求を受付可能に制御する。
既述の構成を前提に、例えば、画面900におけるタッチパネル操作を介してオペレータにより、該画面900にて有効表示状態のキー906が押下され、且つ、画面900のOKキー908が押下されたとする。この場合、これを判断条件に、制御部108は、上記中断ジョブ(この例ではジョブX)の印刷動作の再開方法として、第3のユーザ要求がオペレータによりなされたと判断する。
この、オペレータに画面900を介して提示対象の3種類の選択候補のうちの第3選択肢に相当する第3のユーザ要求を受付けた場合、制御部108は、現在印刷中のジョブ(この例ではジョブY)のプリンタ部104による印刷動作を中断させる事は禁止する。尚且つ、制御部108は、メモリ109にて印刷待ち状態のジョブの印刷終了前(印刷完了前と同義)に、上記中断ジョブ(この例ではジョブX)の印刷動作を再開させる事も、禁止する。
当該ケースの場合(第3のユーザ要求がなされた場合)、制御部108は、現在印刷中のジョブ(当例はジョブY)の印刷動作の終了後で且つ印刷待ち状態(当例はジョブZ)の印刷終了を待つ。そしてその印刷終了後に、制御部108は、該中断ジョブ(当例ではジョブX)の印刷動作をプリンタ部104により再開させて該中断ジョブの印刷動作を完了させるよう印刷システム100を制御する。
まず、例えば、図16の表示制御例の場合、制御部108は、「100頁からなる印刷データを該ジョブYの印刷処理条件でもって5部数分印刷する為の一連の印刷動作を要する、ジョブY」の当該印刷動作を全て完了させるよう制御する。
その為に、図16に例示の制御例では、このジョブYは、あと残り100頁×2部数分印刷が必要である事をジョブYに係る処理条件データと進捗情報に基づいて制御部108が特定する。これにより、制御部108は、このジョブYの残り100頁×2部数分の印刷動作を引き続き印刷システム100により続行させつづける。そして、このジョブYの印刷動作が完了した事を制御部108がプリンタ部104からのステータス情報に基づき確認したとする。
このようにジョブYの印刷動作が終了した事を確認しても、当該ケースは第3のユーザ要求がなされた場合のケースに該当する。故に、この時点では上記中断ジョブ(当例はジョブX)の印刷中断要因は既に解除済ではあるが、制御部108は、該中断ジョブ(当例はジョブX)の印刷動作の再開を禁止する。且つ、制御部108は、この中断ジョブを、メモリ109にて印刷待機状態のジョブとして待機させておく。この例では、制御部108は、ジョブYの印刷終了を条件に印刷動作を開始させる対象のジョブZの印刷動作が終了する迄、少なくとも、該ジョブXの印刷動作の再開を待機させておく。
尚、ジョブYの印刷終了を確認した事を契機に、このジョブZの印刷動作を開始させるに際し、制御部108は、該ジョブZの印刷処理条件の確認を行う。そのうえで、該ジョブZにて要する一連の印刷動作を、印刷システム100により、実行させる。
その後、このようにジョブZの印刷動作も終了した事を確認した事を受け、制御部108は、上記中断ジョブ(当例はジョブX)の印刷動作を印刷システム100により再開させる。
尚、このジョブXの印刷動作を再開させるにあたり、制御部108は、S609のジョブXの印刷中断直前の段階迄にどこまで印刷が済んでいるのかの確認を、該ジョブXの進捗情報を基づいて特定すると共に、ジョブXの印刷処理条件の確認も行う。そのうえで、該ジョブXにて印刷未完了部分の印刷動作を、当該ジョブXの印刷動作の再開時に必要な印刷動作として、印刷システム100により、実行させる。
例えば、図16の表示制御例の場合、ジョブXは、「50頁からなる印刷データを該ジョブXの印刷処理条件でもって5部数分印刷する為の一連の印刷動作を要する、ジョブ」である事を制御部108が確認する。且つ、制御部108は、このジョブXは、あと残り10頁分印刷が必要である事をジョブXに係る処理条件データと進捗情報に基づいて特定する。これにより、制御部108は、この、印刷中断要因の発生が原因で未処理分だったジョブXの残り10頁の印刷動作を、該ジョブXの印刷処理条件に基いて、印刷システム100により実行させる。
以上により、制御部108は、ジョブYとジョブZの印刷動作の終了後に印刷動作を再開させたジョブXの印刷動作に必要な一連の印刷動作は全て完了させる。
このように、表示構成要素6としてのキー906(詳細設定欄907も含む)の表示を介して上記第3のユーザ要求をオペレータから受付けたとする。その場合、制御部108は、以上のような印刷順序でもって、印刷システム100にて印刷動作を要する各ジョブを処理するよう印刷システム100を制御する。
尚、本実施形態では、この表示構成要素6には、キー906の他にも詳細設定欄907が包含されている。本実施形態では、この詳細設定欄907により以下に例示が如くの第3のユーザ要求に係る詳細な動作要求に対応可能に構成している。
例えば、画面900にて有効表示状態のキー906がユーザにより押下された時点にてメモリ109に複数の印刷待ち状態が既に存在しているとする。例えば、ジョブZ1、ジョブZ2、ジョブZ3といった合計3つの印刷待ち状態のジョブがメモリ109に存在しているとする。尚、これらのジョブの印刷実行要求の受付順序は、先頭から順に、ジョブZ1、ジョブZ2、ジョブZ3であるとする。
上記の如く本実施形態は、以下のケースに対処している。即ち、上記中断ジョブ(当例はジョブX)及び現在印刷中のジョブ(当例はジョブY)を除く複数の印刷待ち状態のジョブが、該中断ジョブの印刷中断要因が印刷システム100にてオペレータにより解除された時点にて、メモリ109に存在するケースである。
且つ、上記ケースにおいて、例えば、画面900にて有効表示状態のキー906がオペレータにより押下されたとする。この場合、制御部108は、ジョブXの印刷動作を、どの印刷待ち状態のジョブの印刷終了直後に再開させるのかを、同画面900にて有効表示状態の詳細設定欄907を介して、オペレータにより指定可能に操作部102を制御する。
例えば、上記ケースの例示が如く、順次、印刷実行要求がなされた、上記ジョブZ1、Z2、Z3が、印刷待ち状態のジョブとして、メモリ109に存在する場合に、以下のような制御を制御部108は実行する。
例えば、オペレータが操作部102のテンキー405を用いる事で、画面900にて有効表示状態の詳細設定欄907の設定欄907Bにて「1」を入力したとする。この設定がオペレータによりなされた場合、制御部108は、「ジョブY→ジョブZ1」という順番で、これら2つのジョブの印刷動作が全て終了した事を条件に、ジョブXの印刷動作を再開させるよう印刷システム100を制御する。
一方、例えば、オペレータが操作部102のテンキー405を用いる事で、画面900にて有効表示状態の詳細設定欄907の設定欄907Bにて「2」を入力したとする。この設定がオペレータによりなされた場合、制御部108は、「ジョブY→ジョブZ1→ジョブZ2」という順番で、これら3つのジョブが全て印刷終了した事を条件に、ジョブXの印刷動作を再開させるよう印刷システム100を制御する。
一方、例えば、オペレータが操作部102のテンキー405を用いる事で、画面900にて有効表示状態の詳細設定欄907の設定欄907Bにて「3」を入力したとする。この設定がオペレータによりなされた場合、制御部108は、「ジョブY→ジョブZ1→ジョブZ2→ジョブZ3」という順番で、これら4つのジョブが全て印刷終了した事を条件に、ジョブXの印刷動作を再開させるよう印刷システム100を制御する。
既述の如く、画面900にて有効表示状態のキー906がオペレータにより押下されたとする。この場合、制御部108は、どの印刷待ち状態のジョブの印刷終了直後にジョブXの印刷動作を再開させるのかを、同画面900にて有効表示状態の詳細設定欄907を介して、オペレータにより指定可能に操作部102を制御する。
本実施形態では、既述の如く、POD環境が如くの印刷環境でも十分通用する、今後のデジタルプリンティングシステムを見据えた製品実用化を目指した仕組みを種々具備するが、この構成でも、以下に例示が如くの状況を想定した更なる仕組みを具備している。
例えば、本実施形態では、オペレータが操作部102の画面900にて有効表示状態のキー906を押下した後に、詳細設定欄907におけるオペレータの設定操作無しに、そのまま、OKキー908を押下可能に制御部108により操作部102を制御している。
換言すると、オペレータが有効表示状態のキー906の押下後に詳細設定欄907におけるオペレータの設定操作無しに、そのまま、OKキー908が押下された場合でも、制御部108は、上記第3のユーザ要求の受付けがなされたと判断するよう構成している。
このように、オペレータが有効表示状態のキー906の押下後に詳細設定欄907におけるオペレータの設定操作無しに、そのまま、OKキー908が押下されたとする。
このオペレータ設定がなされた場合、制御部108は次のように制御する。即ち、上記複数の印刷待ち状態のジョブの一番最後の印刷状態のジョブ(印刷待ち行列の最も最後尾のジョブ)の印刷動作が終了する迄、印刷中断要因が解除済の中断ジョブ(本例はジョブX)の印刷動作の再開を待機させる。且つ、制御部108は、この一番最後の印刷状態のジョブ(印刷待ち行列の最も最後尾のジョブ)の印刷動作が終了した事を条件に、当該中断ジョブ(本例はジョブX)の印刷動作を再開させるよう印刷システム100を制御する。
例えば、上記の如くジョブZ1〜ジョブZ3がメモリ109に存在する場合に、オペレータが有効表示状態のキー906の押下後に詳細設定欄907におけるオペレータの設定操作無しに、そのまま、OKキー908が押下されたとする。この設定がオペレータによりなされた場合、制御部108は、「ジョブY→ジョブZ1→ジョブZ2→ジョブZ3」という順番で、これら4つのジョブが全て印刷終了した事を条件に、ジョブXの印刷動作を再開させるよう印刷システム100を制御する。即ち、設定欄904にて「3」を入力せずとも、上記制御と同等制御を実行可能に構成している。
この上記構成は、換言すると、画面900にて有効表示状態のキー906の押下によりオペレータから第3のユーザ要求を受付た場合、当該第3のユーザ要求として、以下の要求をデフォルト設定としてオペレータから受付可能に構成している事を意味する。
(第3のユーザ要求のデフォルト設定):
「中断ジョブ(当例はジョブX)及び現在印刷中のジョブ(当例はジョブY)を除くメモリ109に存在する印刷待ち状態のジョブの、一番最後に制御部108が印刷実行要求を受付けた最後尾のジョブの印刷終了後に上記中断ジョブの印刷動作を再開させる」設定
これは、厳密に述べると、「中断ジョブの印刷中断要因の解除がなされた時点(即ち、画面900を操作部102に表示させた時点)においてメモリ109にて既に印刷待機状態のジョブの全てのジョブの印刷動作が終了した後に、中断ジョブの印刷動作を再開させる」設定に該当する。
尚、本実施形態では、画面900にてキー906を有効表示状態とする事を許可した場合、制御部108は画面900にて有効表示状態の詳細設定欄907の設定欄907Aの設定が上記デフォルト設定として選択状態となっているように操作部102を制御する。これにより、上記デフォルト設定がなされている事を明確にオペレータに通知可能にしている。これも本実施形態の操作性向上効果の更なる向上を図るが為の1例でもある。
なぜ、このように構成しているのか、以下に例示する。
例えば、POD環境が如くの印刷環境では、様々な顧客からの多種多様な大量のジョブを適正な順序で処理すべく、予め計画されたスケジューリングによって印刷システム100を稼動させるケースが想定されうる。このように、ある程度スケージューリングされている環境において、装置独断で処理するジョブを決定する構成は必ずしも適正であるとは言えない。
そして、このような状況を想定してみると、例えば、POD環境が如くの印刷環境では、同じような処理条件の印刷ジョブを集中的且つ同時期に、一度にまとめて連続印刷させるケースが想定されうる。
というのも、POD環境が如くの印刷環境では、印刷装置の機器調整や入念なチェックを行い、そのうえで、極力、装置を連続運転させつづける事が要求されうる。このような状況にて、例えば、印刷動作に利用する印刷媒体の種類やサイズといった各種印刷処理条件が互いに全く整合性のない複数のジョブを、順番に、印刷待ち行列に投入したとする。このような場合、1つのジョブを処理する毎に、印刷開始前の準備動作(例えば、温度調整や給紙部の切り換えや、印刷媒体の搬送間隔の調整等)が必要以上に長くなるケースが発生しうる。そこで、このようなPOD 環境が如くの印刷環境では、このようなダウンタイム発生を極力削減すべく、同じような処理条件の印刷ジョブを集中的且つ同時期に、一度にまとめて連続印刷させるケースが想定されうる。
してみると、既述が如く、ダウンタイムが極力発生しないように計画を立てて複数の印刷待ち状態のジョブ(当例は、ジョブXとジョブY以外の、ジョブZ1〜Z3)がメモリ109にて待機している状況を想定する。この状況にて、勝手に、それらのジョブの間に割り込んで中断ジョブの印刷動作を再開させる構成では、結局、ダウンタイム発生問題が生じうる。
そこで本実施形態では上記の如く、キー906を有効表示状態とする事を許可した場合、制御部108は、画面900にて有効表示状態の詳細設定欄907の設定欄907Aの設定が上記デフォルト設定として選択状態となるように操作部102を制御する。
且つ、オペレータが有効表示状態のキー906の押下後に詳細設定欄907におけるオペレータの設定操作無しに、そのまま、OKキー908が押下された事を受け、制御部108は、上述が如くの制御を実行する。このような仕組みを本実施形態の特徴点の1例でもある。
以上の、キー906(詳細設定欄907を含む)からの上記第3のユーザ要求をオペレータから受付た事を条件に制御部108が実行する制御シーケンスは、「図7BのS623にてNO判定を下した事を条件に移行するS625の印刷処理3」に対応する。且つ、本実施形態では、このS625の「印刷処理3」に含まれる詳細処理フローとして、制御部108は、「図25のS1001〜S1013の処理フロー」を実行する。
尚、本実施形態では、既述の如く、POD環境が如くの印刷環境を想定し、如何に高生産性でもって複数のジョブを印刷システム100にて効率よく処理可能にするかを考慮した構成となっている。以下に例示の構成もまた、これに該当するものであり、本実施形態の効果の更なる向上を図るが為の1構成例でもある。
例えば、既述の如く、本実施形態では、現在印刷中のジョブ(当例はジョブY)の印刷期間中に中断ジョブ(当例はジョブX)の印刷中断要因が解除された事に応じて、制御部108が、画面900の表示を操作部102により実行させる。
この構成を前提に、例えば、もしこの画面900を操作部102により表示させた時点から特定時間(当例では、上述の如く、1分間とする)経過しても、上記3種類のユーザ要求のどの要求もオペレータからなされなかったとする。但し、留意点としては、この期間中においても、現在印刷中のジョブの印刷動作はプリンタ部104により続行させ続けるよう制御部108は印刷システム100を制御している。この点は、先に説明したとおりの構成なので、その詳細は、割愛する。
このように、上記画面900の表示を操作部102により実行させた時点から、オペレータから中断ジョブ(当例はジョブX)の印刷動作の再開方法(再開タイミング)が指定される事なく、1分間経過したとする。例えば、キー904、905、906のどのキーもオペレータにより押下されること無く、そのまま、1分間経過した状況が、このケースに該当する。
このケースの場合、制御部108は、「この特定期間内にてオペレータからの中断ジョブの再開方法の指定がなされなかった」事を条件に、上記3種類の選択肢のうちの第1選択肢に相当する動作を印刷システム100により自動的に実行させるように制御する。
即ち、上記例で説明すると、ジョブXの印刷中断要因の解除を契機に画面900を操作部102により表示させた時点から、オペレータによりキー904、905、906のどのキーも押下される事無く、1分間経過した事を制御部108が確認する。
この確認結果に基づき、制御部108は、現在印刷実行中のジョブYの印刷動作はそのまま継続させてジョブYの印刷動作を全て終了させる。その後、該ジョブYの印刷動作の終了を契機に、制御部108は、上記ジョブXの印刷動作を再開させる。且つ、その後、該ジョブXの印刷動作の終了を契機に、制御部108は、上記ジョブZの印刷動作を開始させる。
以上のように、オペレータが印刷中断要因を解除したものの、そのまま画面900における操作を、故意又は過失により、オペレータによりなされたかった場合でも、本実施形態でもっとも無難な選択肢としてい具備している上記第1選択肢を自動的に選択する。これにより、制御部108は、上記第1のユーザ要求がなされた場合における動作と同じ動作を実行するよう印刷システム100を制御する。尚、当該制御は、図15のS710にてYES判定を下した事を受けS711へ移行する処理フローに相当する。
このように、本実施形態では、POD環境が如くの印刷環境を想定し、印刷現場のオペレータによる必要以上の作業を極力なくし、如何に高生産性でもって複数のジョブを印刷システム100にて効率よく処理可能にするかを考慮した構成となっている。
しかも、上記の如く、第1選択肢を制御部108が自動的に選択した場合、オペレータを困惑させないよう、その旨を、通知欄901にて表示させるように制御部108は操作部102を制御する。
例えば、この1例として、画面900を操作部102に表示させる場合、制御部108は、上記表示構成要素1で説明したように、「所定期間経過しても指示がない場合には、自動的に(1)を選択します」なる旨を、表示させる。このような構成も、本実施形態に記載の操作向上効果の更なる向上の役目を果たす為の仕組みの1例でもある。
以上の各種構成を具備する本実施形態の印刷システム100の構成の説明に関し、その確認と補足の意味を込めて、以下に更なる具体例でもって説明する。
尚、一部重複する説明があるが、それらは全て上述に記載の構成に準拠するものとする。又、上述したように、以下の記載にある「現行ジョブ」は上記ジョブYが如くの、上記(条件1)と(条件2)を満足するプロモート印刷ジョブに該当する。中断ジョブはジョブXが如く印刷中断要因の発生を契機にS609にて印刷中断対象のジョブに該当する。又、以下に具体例では、以上の「処理対象のジョブの中断要因の発生に応じて印刷システム100にて実行対象となる該ジョブの中断動作」や「その中断要因の解除に応じて印刷システム100にて実行対象となる該ジョブの再開動作」の各手順を含む一連の手順を、図7を再度用いながら例示する。本実施形態では、図7Aや図7Bに示す各フローチャートの処理を、制御部108(不図示のCPU)が、例えばメモリ109に格納された制御プログラムを実行することにより、実行するように構成している。
<第1例:用紙切れの発生による中断処理とその再開処理>
以下では、ジョブを投入し中断要因として印刷中のジョブに指定された用紙が切れた場合の制御部108が実行する制御例の1例である。
尚、ここでは、制御部108が、例えば、S603にて印刷対象のジョブの印刷中断要因の発生有無をS604にて行っている処理から説明する。
例えば、このS604において、制御部108は、印刷中断要因の発生を検出した場合、処理をS609に進め、印刷中のジョブを中断する。本例では、用紙トレー213のA4サイズ用紙が無くなった場合を例に挙げて説明する。このとき、タッチパネル部301には、図14に示すように、用紙切れとなった用紙トレーを明示する複写機のイメージと各トレーのボタンが、制御部108により表示される。図14はタッチパネル部301において、用紙カセット1に用紙がない場合の警告画面を表している。中断発生要因を示す、用紙が切れた旨のメッセージは、例えば図14に示されるように画面の左上に表示される。制御部108は、図14の表示においてOKキー1401の押下を検出すると、タッチパネル部301の画面を図12の画面に遷移させる。
図12に示されるように、制御部108は、ステータス表示部513に「用紙がありません」の文字列を表示する。
ここで、システムモニタキー505を操作し、デバイスタブ704(図11)を操作したとする。制御部108は、これらの操作を検出すると、図13に示すデバイス情報表示画面に表示を遷移する。デバイス情報表示画面は、ファクス情報表示部801、ネットワーク受信情報表示部802、デバイスタブ803、受信タブ804、プリントタブ805、ファクスタブ806、送信タブ807、コピータブ808、給紙情報表示部809、リモートコピー情報表示部810、プリンタ情報表示部811、スキャナ情報表示部812、ネットワーク送信情報表示部813を有する。図13に示される画面によれば、A4サイズの用紙がなくなったことに応じて、給紙情報表示部809のA4の用紙トレーの用紙アイコンが空になっていることが分かる。すなわち、図13の表示例では、給紙情報表示部809により、A4用紙が切れていることが表されている。
このように、図13のデバイス情報表示画面は、タッチパネル部301において、用紙カセット1に用紙がない場合の警告画面を表すことになる。
図7Bに戻り、S610において、制御部108は、中断ジョブの中断時の情報を印刷待ち行列に登録する。そして、S611において、印刷待ち行列に中断要因にかからない(中断要因の影響を受けない)他のジョブが登録されているか確認する。そのようなジョブが登録されていればS611からS614へ進み、そのジョブを読み込む。即ち、中断要因に影響を受けないジョブの情報を確認する。そして、S615及びS616により、中断要因が解除されるまでS614で読み込まれたジョブの印刷が行われることになる。例えば、印刷待ち行列に登録されている2番目のジョブ(図11の受付番号0002のジョブ)がA3用紙を用いた印刷であるとする。この場合、当該2番目のジョブにとって、A4サイズの用紙切れは中断要因とならない。従って、処理はS614へ進み、この2番目のジョブが読み込まれる。そして、S615、S616により、中断要因(A4用紙切れ)が解除されるまで、当該2番目のジョブを現行ジョブとし、A3サイズ厚紙の入っている用紙カセット214より用紙を引き出し、印刷を行う。なお、2番目のジョブもA4サイズの記録紙を用いた印刷であり、3番目のジョブがA3サイズの記録紙を用いた印刷であった場合、S611〜S616の処理において、この3番目のジョブが実行されることになることは理解されよう。
S617では、現行ジョブの印刷の完了を判定し、完了していなければS615へ戻り、中断要因の解除の監視と当該現行ジョブの印刷を継続する。一方、S617において、現行ジョブの印刷が完了したと判定された場合は、S618へ進み、当該現行ジョブを印刷待ち行列から削除し、S619においてメモリ109から当該印刷ジョブを削除する。そして、S611に戻り、中断要因にかからない更に別のジョブが印刷待ち行列に存在するか判断する。中断要因にかからない更に別のジョブが存在する場合は、S614へ進み上記処理を繰り返す。
S615において中断要因の解除が検出されると処理はS620へ進む。本例では、ユーザが用紙カセット213にA4サイズの普通紙を追加することにより中断要因の解除が検出されることになる。S620では、図16に示すようなジョブ再開方法選択のためのユーザインターフェース(UI)を表示し、ユーザにジョブ再開方法を選択させる。
図16の表示にて有効表示状態の操作指示キー904がユーザにより押下された場合、制御部108は、該中断要因が解除されたジョブのリカバリ方法として、「現在実行中のジョブの印刷終了直後に、印刷を再開」する再開方法がユーザにより選択されたと判断する。この判断を下した場合、制御部108は、処理をS621からS622へ進める。S622では、現行ジョブの印刷終了を待って、S609で中断されたジョブを再開する(図22で後述する)。また、図16の表示にて有効表示状態の操作指示キー905がユーザにより押下された場合、該中断要因が解除されたジョブのリカバリ方法として、「現在実行中のジョブを中断し、ただちに印刷を再開」する再開方法が選択されたと判断する。この判断を下した場合、制御部108は、処理をS623からS624へ進める。S624では、現行ジョブの印刷をただちに中断し、S609で中断されたジョブを再開する(図17で後述する)。さらに、図16の表示にて有効表示状態の操作指示キー906がユーザにより押下された場合、制御部108は、該中断要因が解除されたジョブのリカバリ方法として、「現在印刷待ちの状態にあるジョブの後、印刷を再開」する再開方法がユーザにより選択されたと判断する。この判断を下した場合、制御部108は、処理をS623からS625へ進める。S625では、現行ジョブ及び印刷待ち行列に登録されている印刷待ち状態のジョブの印刷終了を待って、S609で中断されたジョブを再開する(図25で後述する)。なお、該中断要因が解除されたジョブのリカバリ方法として、「現在印刷待ちの状態にあるジョブの後、印刷を再開」する場合に、図16の表示にてキー906と共に有効表示状態の詳細設定部907を介して、何番目の印刷待ちのジョブまでを処理してから中断されたジョブを再開するかをユーザにより設定可能に、制御部108により制御する。この詳細については図25により後述する。
一方、図7BのS611において、印刷待ち行列に中断要因にかからない他のジョブが存在しない場合は、S612へ進む。S612では、制御部108は、中断要因が解除されるのを待つ。そして、中断要因が解除されると、制御部108は、S609,S610で中断された印刷ジョブを再開するべく処理をS603へ進むめる。
図15は図7BのS620におけるUI表示処理の詳細な処理を示すフローチャートである。以下、図15のフローチャートを参照して、ジョブ再開方法選択UIの表示方法とジョブ再開方法の選択に関して説明する。制御部108が、図15に示す処理を実行することにより、図16に示されるようなUIが提示され、このUIに対して行われたユーザの操作に応じて中断されたジョブの再開動作が決定される。
S701において、制御部108は、現在処理中のジョブ(S614で読み込まれ、中断されたジョブに代わって処理中となっている現行ジョブ)にフィニッシングの設定があるか否かを判定する。現行ジョブにおいてフィニッシングの設定がある場合、制御部108は、S702において、「現在実行中のジョブを中断し、ただちに印刷を再開」の選択肢(図16の操作指示キー905)を選択不能にする。一方、現行ジョブにフィニッシングの設定がない場合は、制御部108は、処理をS701からS703へ進める。
S703において、制御部108は、印刷待ち行列に印刷待ち状態のジョブ(中断されたジョブ及び現行ジョブ以外の印刷ジョブ)があるかを確認する。印刷待ち状態のジョブが存在しない場合は、S705へ進み、制御部108は、「現在印刷待ちの状態にあるジョブの後、印刷を再開」の選択肢(図16の操作指示キー906)とその詳細設定欄907による指定を不能とする。一方、印刷待ちのジョブが存在する場合は、S703からS706へ進む。
S706では、制御部108は、複数の選択肢が選択可能に残っているかを判定する。選択肢が一つしか残っていない場合は、S712に進み、制御部108は、その残った選択肢に該当する再開処理を自動的に選択する。一方、複数の選択肢が選択可能に残されている場合は、S706からS707へ進む。S707にいて、制御部108は、中断ジョブの印刷再開方法を選択させるための、図16に示す如きUIを表示する。
このUIにおいてユーザが一つの選択肢を選択すると、S708からS709に進み、ユーザによって選択された選択肢が選択されることになる。一方、S707においてUIを表示した後、所定時間が経過しても選択肢の選択操作が行われない場合は、S710からS711へ進み、制御部108は、「現在実行中のジョブの印刷終了直後に、印刷を再開」の選択肢を自動的に選択する。
例えば、図11により例示したように、印刷待ち行列において3つのプリント待ちのジョブがあり、受付番号0001のジョブが用紙切れにより中断されて、現行ジョブが受け付け番号0002のジョブとなった場合を例に挙げて、上記処理を説明する。まず、現行ジョブ(受付番号0002のジョブ)おいてフィニッシングの設定が行われていないとすると、処理はS701からS703へ進む。また、図11に示すように、この時点で印刷待ちのジョブが2つ存在するので、処理はS703からS706へ進む。この結果、S706においては全選択肢(図16に示される全ての選択肢)が選択可能となっており、処理はS707へ進む。
S707において、制御部108は、中断ジョブの印刷再開方法を選択させるUIを、表示部301により、表示させる。例えば、この、中断ジョブの印刷再開方法を選択させるUIとして図16の表示を、制御部108は、表示部301により表示させる。図16のUIが具備する通知欄901は、本UIの説明が記述されるように構成している。且つ、このUIの通知欄902は、中断したジョブ情報の詳細が表されるように構成している。且つ、通知欄903は、現在実行中のジョブの詳細が表示されるように構成している。また、操作指示キー904〜906は、印刷の再開方法を選択するための選択入力を行うための操作キーとして機能するように、オペレータからのタッチパネル操作に応答可能に、構成されている。操作指示キー904は、印刷再開方法として「現在実行中のジョブの印刷終了直後に、印刷を再開」する方法を選択するためのキーである。操作指示キー905は、印刷再開方法として「現在実行中のジョブを中断し、ただちに印刷を再開」する方法を選択するためのキーである。操作指示キー906は、印刷再開方法として「現在印刷待ちの状態にあるジョブの後、印刷を再開」する方法を選択するためのキーである。詳細設定部907は、印刷待ちの状態にあるジョブのうち何番目のジョブまで処理した後に印刷を再開させるかを設定するためのUIである。
所定時間が経過する前に、例えばユーザによって操作指示キー905が指示されると、制御部108は、処理をS708からS709へ進め、「現在実行中のジョブを中断し、ただちに印刷を再開」を選択して本処理を終了する。
図7Bに戻り、以上のようにしてジョブ再開方法が選択されると、処理はS621に進む。S621において、制御部108は、「現在実行中のジョブの終了直後に、印刷を再開」が選択されたかを確認する。ここでは、操作指示キー904による選択がユーザにより行われていない事を制御部108が確認したが故に、S623へ進む。S623において、制御部108は、「現在実行中のジョブを中断し、ただちに印刷を再開」が選択されたかを確認する。ここでは、操作指示キー905による選択がユーザにより行われた事を制御部108が確認したが故に、S624へ進む。
ここで、S624における処理を図17のフローチャートを参照して詳細に説明する。図17は、「現在実行中のジョブを中断し、ただちに印刷を再開」する再開方法が、操作指示キー905のユーザ押下により、ユーザ選択された場合の印刷処理を表す。
まず、S901において、制御部108は、現在実行中のジョブ(現行ジョブ)を中断し、処理をS902へ進める。S902において、制御部108は、現行ジョブの情報を印刷待ち行列に登録し、S903へ処理を進める。S903において、制御部108は、S609で中断されたジョブ(中断ジョブ)の情報を印刷待ち行列より読込み、印刷再開ジョブとする。そして、S904において、制御部108は、印刷再開ジョブの印刷処理を再開する。上記の例であれば、用紙カセット213よりA4サイズ普通紙を引き出して印刷が行われる。印刷の再開に応じてタッチパネル部301は図18に表すように印刷再開ジョブのプリント状況を示す表示となる。そして、プリント処理の進行に応じて、プリント状況表示部603の進捗表示バーが進み、プリント部数表示部605おいても例えば「2/5」というように処理済部数のカウントが進む。
S905において、制御部108は、印刷再開ジョブの印刷が終了したかを確認し、終了していない場合は、S904に処理を戻す。こうして、印刷再開ジョブの印刷が進む。一方、S905において、印刷再開ジョブの印刷が終了したことが確認された場合は、S906へ進む。
S906において、制御部108は、印刷待ち行列から印刷再開ジョブの情報を削除し、S907へ処理を進める。S907において、制御部108は、当該印刷ジョブをメモリ109から削除し、処理をS908へ進める。S908において、制御部108は、S901において実行中に中断したジョブの情報を読込み、これを現在実行中のジョブ(現行ジョブ)とし、S909へ処理を進める。S909において、制御部108は、現行ジョブの印刷処理を再開する。上記例では、用紙カセットS214よりA3厚紙を引き出して印刷を行う。S910において、制御部108は、印刷が終了したかを確認し、終了していない場合はS909に戻る。こうして、現行ジョブの印刷を進める。
一方、S910において、印刷が終了したと判定された場合はS911へ進む。S911では、制御部108は、印刷を終えた現行ジョブを印刷待ち行列から削除し、S912へ進む。S912において、制御部108は、上記現行ジョブをメモリ109から削除し、終了する。
図7Bに戻り、S624における印刷処理を終了すると、処理はS608へ進む。S608において、制御部108は、印刷待ち行列を確認し、印刷すべき印刷ジョブがまだあるかを確認する。そして、印刷すべき印刷ジョブがまだある場合は、S603に戻り、上記処理を繰り返すことによって印刷を進める。一方、S608において、印刷待ち行列を確認し、印刷すべき印刷ジョブが無い場合は終了する。
<第2例:用紙ジャムの発生による中断処理とその再開処理>
以上、中断処理の例として、特に用紙切れに起因した中断処理と、その再開方法として「現在実行中のジョブを中断し、ただちに印刷を再開」する方法が選択された場合を説明した。以下では、原稿ジャムが発生した場合の中断処理と、「現在実行中のジョブの印刷終了直後に、印刷を再開」する再開方法が選択された場合の処理を説明する。なお、原稿ジャムとは、投入されたジョブの処理中に、原稿給送装置201において用紙が詰まった場合をいう。以下、図7A,図7Bを用いて説明する。
ユーザが、原稿給紙装置201に50ページの原稿をセットし、5部の印刷を行うために5を指定するとタッチパネル301は図8に示す通り枚数表示部516が「5」となる。また、ユーザが読込み開始のためにキー入力部302のスタートキー403を押下するとリーダ部103による原稿の読込みが開始される。第1例で述べたように、ADFからの原稿の読み取りを終えると、タッチパネル部301には、図9に示すように、プリント枚数表示部607に「50」が、プリント部数表示部605に「1/5」が表示される。印刷中のジョブが無ければ、読み取ったジョブのプリントが開始され、プリントが進むとプリント状況表示部603の進捗表示バーが伸る。2部目に進むとプリント部数表示部605は「2/5」となる。リーダ部103において読み込まれた画像は読取った順に制御部108を通してメモリ109に格納される(S601)。また、ユーザがクライアントコンピュータA300より印刷ジョブを投入した場合は、ジョブは制御部108を通してメモリ109に格納される(S601)。
上記の読込みに伴って当該ジョブ情報が印刷待ち行列に登録される(S602)。或いは、クライアントコンピュータA300より投入された印刷ジョブのメモリ109への格納が完了すると、制御部108は、対応するジョブ情報を生成し、これを印刷待ち行列に登録する。このときタッチパネル301において、「システムモニタキー505(図6)」、「プリントタブ706(図19)」、「ジョブ状況タブ702(図19)」の順に操作すると、図19に表す通り、ジョブ状況表示部710が表示される。第2例では、1番目にコピージョブ、2番目にはプリントジョブが登録されており、その旨が表示されている。
次に、制御部108から印刷待ち行列の一番早い番号にあるジョブをメモリ109から読込み、ジョブの処理(印刷)を開始する(S603)。本例では、受付番号0001のジョブが読み込まれ、用紙トレー213からA4の用紙が引き出され、プリンタ部104で印刷が行われる。その後、中断要因が発生していないか確認し(S604)、中断要因が発生していない場合は、印刷待ち行列に登録されている印刷ジョブ情報から当該ジョブの印刷が終了したかを確認する(S605)。印刷が終了していなければ印刷を進める(S603〜S605)。
一方、中断要因が検出されると、その旨の警告画面を表示し、印刷中のジョブを中断する(S609)。すなわち、原稿給送装置201で用紙が詰まったことが検出されると、タッチパネル部301に図20に示すような、原稿給送装置201にて紙詰まりが発生した旨の警告画面を表示し、当該現行ジョブを中断する。そして、この中断ジョブの中断時の情報を印刷待ち行列に登録する(S610)。図20の表示においてOKキー2001が操作されると、図12のごとき表示となるが、ステータス表示部513には紙詰まりの発生が通知される。
印刷待ち行列に中断要因にかからない他のジョブが登録されているか確認する(S611)。本例(図19)では2つ目のジョブがプリントジョブであり中断要因(原稿送りジャム)に影響されないため、この2つ目のジョブを読み込む(S614)。そして、中断要因が解除されるまで(原稿給送装置201において詰まった用紙が取り除かれるまで)、この2つ目のジョブを現行ジョブとして印刷を進める(S615、S616、S617)。そして、現行ジョブの印刷が終了した場合には、当該現行ジョブを印刷待ち行列及びメモリ109から削除して、別の印刷可能なジョブを探す(S611)。
現行ジョブの印刷中に中断要因(原稿給送装置201における用紙詰まり)が解除された場合は、図21に示すようなジョブ再開方法を選択するためのユーザインターフェースを提示する(S620)。第2例によるユーザインターフェースの提示について図15を参照して詳細に説明する。
まず、制御部108は、現在処理中のジョブにフィニッシングの設定があるか否かを判定する(S701)。本例においては現行ジョブにおいてフィニッシングの設定が行われていないものとする。従って、引き続き、制御部108は、印刷待ち状態のジョブがあるかを確認する(S703)。図19に示したとおり、本例においては印刷待ちジョブは存在しない。従って、制御部108は、操作指示キー906(「現在印刷待ちの状態にあるジョブの後、印刷を再開」)を選択不可にし、詳細設定欄907の設定も不可状態とする(S705)。
以上の処理の結果、制御部108は、操作指示キー904と905による2つの選択肢が選択可能となっているため、図21に示すような、中断ジョブの印刷再開方法を選択させるUIを表示する(S706,S707)。図21は本例において表示される中断ジョブの印刷再開方法を選択させるUIを表している。上述したように、「現在印刷待ちの状態にあるジョブの後、印刷を再開」が選択不可となっているため、操作指示キー906、及び、操作指示キー906の選択時における詳細設定欄907がグレーアウトされ選択及び設定不可となっている。ここでは、操作指示キー904のユーザ押下により、中断ジョブの為に「現在実行中のジョブの印刷終了後に、印刷を再開」がユーザ選択された場合に、制御部108がシステム100により実行させる処理の詳細を、説明する。
選択された印刷再開方法の選択肢(ここでは「現在実行中のジョブの印刷終了直後に、印刷を再開」)に従って、印刷再開処理が実行される(S708、S709、S621、S622)。図22は、図7のS622における、「現在実行中のジョブの印刷終了直後に、印刷を再開」する処理を説明するフローチャートである。以下、図8を参照して「現在実行中のジョブの印刷終了直後に、印刷を再開」する処理を詳細に説明する。
まず、S801〜S803において、制御部108は、現在実行中のジョブ(現行ジョブ)について印刷が終了するまで処理を続行させる。すなわち、S803において、制御部108は、現在実行中のジョブの印刷が終了したかを確認し、終了していない場合は、S802に戻りこれを繰り返すことによって現在実行中のジョブの印刷を進める。一方、S903において、印刷再開ジョブの印刷の終了が確認された場合は、制御部108は、処理をS804へ進める。
S804において、制御部108は、印刷待ち行列から上記処理で印刷を終えた現行ジョブの情報を削除し、続いてS805において、制御部108は、当該印刷ジョブをメモリ109から削除する。
続いてS806において、制御部108は、S609で中断された中断ジョブの情報を読込み、S807において、中断ジョブの再開、印刷を行う。S808において、中断ジョブの印刷が終了したか否かを確認し、終了していない場合はS807に戻りこれを繰り返すことによって印刷を進める。一方、S808において、印刷が終了したことが確認された場合は、制御部108は、処理をS809へ進め、現在実行中のジョブを印刷待ち行列から削除する。そして、S810において、制御部108は、現在実行中のジョブをメモリ109から削除し、本処理を終了する。
以上のようにして図7BのS622における処理を終了すると、処理はS608へ戻る。そして、S608において、制御部108は、印刷待ち行列により印刷すべき印刷ジョブがまだあるかを確認し、ある場合はS603に処理を戻し、上記処理を繰り返すことによって印刷を進める。一方、S608において、印刷待ち行列を確認し、印刷すべき印刷ジョブが無い場合は、制御部108は本処理を終了する。
<第3例:可動トレイにおける用紙ジャムの発生による中断処理とその再開処理>
次に、可動トレイ228において用紙が詰まったことを中断要因としてジョブを中断し、中断要因を解除後、中断ジョブの印刷を再開するまでの処理を説明する。
ユーザが、現行給紙装置201に50ページの原稿をセットし、5部の印刷を行うために5を指定すると、図8に示すように、タッチパネル部301において枚数表示部516が「5」となる。また、ユーザが読込み開始のためにキー入力部302のスタートキー403を押下するとリーダ部103による読込みが開始される。ADF上の原稿の読み取りを終えると、タッチパネル301には、図9に示す通り、プリント枚数表示部607に「50」が、プリント部数表示部605に「1/5」が表示される。現在印刷中のジョブが無ければ、当該読込んだジョブのプリントを開始し、プリント進むとプリント状況表示部603の進捗表示バーが伸びる。2部目に進むとプリント部数表示部605は「2/5」となる。リーダ部103において読み込まれた画像は読取った順に制御部108を通してメモリ109に格納される(S601)。また、ユーザがクライアントコンピュータA300より印刷ジョブを投入すると、ジョブは制御部108を通してメモリ109に当該印刷ジョブが格納される。なお、第3例では、クライアントコンピュータ300より投入されたジョブにはフィニッシングの設定が施されているものとして、以下の説明を行う。
上記の原稿の読込みと同時にジョブ情報を印刷待ち行列に登録する(S602)。また、クライアントコンピュータA300より投入された印刷ジョブのメモリ109への格納が完了すると、制御部108により当該印刷ジョブのジョブ情報が生成され、印刷待ち行列に登録される。すなわち、メモリ109に格納された印刷ジョブに対応するジョブ情報が印刷待ち行列に登録される。このとき、タッチパネル部301において「システムモニタキー505(図6)」、「プリントタブ706(図19)」、「ジョブ状況タブ702(図19)」の順に操作されると、図19に示すような表示が実行される。本例では、ジョブ状況表示部710には1番目にコピージョブ(リーダ部103で読み込んだ原稿画像を印刷するジョブ)が、2番目にはプリントジョブ(外部コンピュータから投入された印刷ジョブ)が表示される。
制御部108は、印刷待ち行列の一番早い番号のジョブをメモリ109から読込み、用紙トレー213からA4の用紙を引き出し、プリンタ部104で印刷を行う(S603)。その後、中断要因が発生していないか確認し(S604)、中断要因が発生していなければ、印刷待ち行列に登録されている印刷ジョブ情報から当該ジョブの印刷が終了したかを確認する(S605)。こうして、印刷が終了するまで印刷処理が継続される。
しかしながら、この印刷ジョブについて印刷を終えるまでの間に中断要因が発生した場合は、図23に示すような警告画面を表示し、印刷中のジョブを中断する。本例では、中断要因として、稼動トレイ228において用紙が詰まった場合を想定して以降の説明を行う。
制御部108は、図23に表すような、可動トレイ228にて紙詰まりが発生した旨の警告画面をタッチパネル部301に表示させる。制御部108は、S609において印刷を中断しS610へ進む。
制御部108は、中断ジョブの中断時の情報を印刷待ち行列に登録し(S610)、印刷待ち行列に中断要因にかからない他のジョブが登録されているか確認する(S611)。本例では、図19に示す2番目のジョブがフィニッシャ設定のあるジョブとなっており、可動トレイを用いない、すなわち中断要因にかからないジョブとなっている。従って、制御部108は、この2番目のジョブを読み込む(S614)。そして、中断要因の解除されるまで、もしくはジョブの印刷が終了するまで、この2番目のジョブの印刷処理が実行される(S615、S616、S617)。
可動トレイ228において詰まった用紙が取り除かれて、中断要因が解除されると、ジョブ再開方法選択UIを表示し、ユーザにジョブ再開方法を選択させる(S620)。以下、図15を参照してジョブ再開方法選択UIの表示処理を説明する。
第3例の場合、制御部108は、現在処理中のジョブ(現行ジョブ)にフィニッシングの設定があるので、操作指示キー905(「現在実行中のジョブを中断し、ただちに印刷を再開」)をグレーアウトして選択不可にする(S702)。また、図19にも示したとおり、本例においては印刷待ちジョブが存在しないため、制御部108は、操作指示キー906(「現在印刷待ちの状態にあるジョブの後、印刷を再開」)をグレーアウトして選択不可にする。このとき、操作指示キー906選択時の詳細設定欄907もグレーアウトされ、設定不可とすることはいうまでもない。
以上の結果、この例においては再開方法の選択肢としては、「現在実行中のジョブの印刷終了直後に、印刷を再開」の1つしか残らないので、この選択肢が自動的に選択されることになる。なお、本例(図7B)では、3つの選択肢のうち2つが選択不可となり、選択肢が1つとなった場合にはUIを表示せずに、選択可能な選択肢が自動的に選択されるが、選択可能な選択肢をユーザに提示して、ユーザの確認をとるようにしてもよい。
以上のようにしてS620により中断ジョブの再開方法が「現在実行中のジョブの印刷終了直後に、印刷を再開」に決定されると、その選択された処理が実行される(S621,S622)。
「現在実行中のジョブの印刷終了直後に、印刷を再開」が選択された以降の処理は図22により上述したとおりであり、ここでは説明を省略する。
<第4例:「現在印刷待ちの状態にあるジョブの後、印刷を再開」が選択された場合の処理について>
以上、2つの選択肢(「現在実行中のジョブの印刷終了直後に、印刷を再開」と「現在実行中のジョブを中断し、ただちに印刷を再開」)について説明した。次に、「現在印刷待ちの状態にあるジョブの後、印刷を再開」が選択された場合の処理を説明する。また、第4例では、第1例で説明した中断の発生状況において、現行ジョブにフィニッシャの設定がなされており、「現在実行中のジョブを中断し、ただちに印刷を再開」の再開方法は選択できないとする。したがって、第4例の再開方法を選択させるためのUIは、図16のUIに代わって、図24のようなUIとなる。すなわち、「現在実行中のジョブを中断し、ただちに印刷を再開」を選択する操作指示キー905がグレーアウトされ、選択不可となる。図24のUIにおいて操作指示キー906(「現在印刷待ちの状態にあるジョブの後、印刷を再開」)が選択されると、制御部108は、図7BのS625へ処理を進める。図25は、S625による印刷再開処理の詳細を説明するフローチャートである。
S1001において、制御部108は、印刷待ち状態のジョブの何番目までを先に印刷するかを示す数値をカウンタに格納する。カウンタは制御部108が備えるメモリ(RAM、不図示)を用いて構成される。図25の詳細設定欄907において、「印刷待ち状態にある一番最後のジョブの印刷終了直後に、印刷を再開」が選択されている場合、制御部108は、印刷待ち行列に存在している印刷待ちジョブ数(現行ジョブを含む)の数をカウンタに設定する。また、詳細設定部907において、n番目の印刷終了後に印刷を再開することが設定されている場合、制御部108は、カウンタにnを設定する。なお、nは、印刷待ち行列に存在する印刷待ちジョブの数を越えて設定することができないことはいうまでもない。
S1002では、制御部108は、現行ジョブの印刷を続行する。そして、S1003、S1004の処理により現行ジョブの印刷が終了するまで印刷処理が進められ、印刷が終了すると、S1005へ処理を進める。S1005において制御部108は、印刷待ち行列から当該現行ジョブを削除し、S1006において制御部108は、当該現行ジョブをメモリ109から削除する。
その後、S1007へ進み、制御部108は、カウンタがゼロかどうかを判定する。カウンタがゼロになっていなければ、制御部108は、カウンタから1を減算し、次の印刷待ちジョブについて印刷を実行する。以上の処理を繰り返し、S1007においてカウンタがゼロであると判定されると、S1009へ進み、制御部108は、中断ジョブの印刷を再開する。すなわち、S1009において、制御部108は、中断ジョブを読込み、S1010において制御部108は、当該中断ジョブについて再開された印刷を行う。そして、中断ジョブについて印刷を終えるとS1011からS1012へ進み、制御部108は、中断ジョブを印刷待ち行列から削除し、S1013で中断ジョブをメモリ109から削除する。
以上のように、本実施形態によれば、中断要因の発生に応じてジョブを中断し、且つ、中断対象のジョブ以外の他のジョブの印刷を実行可能な印刷システムにおける、操作性の改善されたジョブの再開処理方法が提供される。本実施形態の再開処理方法によれば、中断要因の解除において以下の3つの再開方法の指示のうちの一つを選択できる。すなわち、
(1)中断ジョブの処理を現在印刷中のジョブ(現行ジョブ)の処理を中断させて開始させるか否かを特定する為の指示、
(2)中断ジョブの処理を現行ジョブの処理の完了を待って開始させるか否かを特定する為の指示、
(3)中断ジョブの処理を現行ジョブの処理が完了し、更に実行可能であり先行して印刷させたいジョブ(印刷待ち行列に存在し、中断要因に影響されないジョブ)の数を特定する為の指示である。
そして、以上の3つの指示の全てあるいはいくつかを図16に示すようなユーザインタフェースを介して受付け可能とし、ユーザインターフェースを介してなされた指示に従って、中断要因が解除された中断対象のジョブの印刷を再開させる。(1)の指示が選択された場合は、現行ジョブの処理を中断してただちに中断対象のジョブの処理を再開させる。(2)の指示が選択された場合は、現行ジョブの処理が終了した後に、ただちに中断ジョブの印刷が再開される。さらに(3)の指示が選択された場合は、現行ジョブと指定されたジョブ数分の処理が完了した直後に中断ジョブの印刷が再開される。このため、ユーザは中断された印刷ジョブを所望の手順で再開させることができる。
また、中断ジョブ以外の他のジョブ処理に応じて、上記(1)〜(3)の指示のうち、選択出来ない指示(実行できない再開方法)を受け付け不可とするので、再開処理の指示がより容易となる。
また、上記(1)〜(3)の指示のうち、選択可能な指示が1つしかない場合は、上記ユーザインタフェースによる再開方法の指示を受付可能とせず、当該1つの指示に従ってジョブ処理を再開させる。例えば、中断要因が解除されたときに、該中断ジョブ以外の他のジョブが存在しない場合は、中断要因が解除された直後にジョブ処理を再開する。このため、不要な選択操作を防止でき、操作性が向上する。
尚、上述した全ての実施形態にて共通する構成について以下に説明する。
上記各形態の各種ユニットの動作に関する制御は、主に、本印刷システム100の制御部108が実行する。例えば、制御部108が印刷要求を受けた場合に、その時点で、印刷中のジョブや印刷待ちのジョブが、メモリ109に存在しないとする。この場合、制御部108は、その印刷要求がなされた当該印刷対象のジョブの印刷を本印刷システム100により開始させる。且つ、制御部108は、印刷動作を実行させつつ、このジョブの中断要因が発生したか否かを、該装置100が具備する各種センサからの情報に基いて、監視する。そして、制御部108は、中断要因が発生したことを確認した場合、その時点で、当該印刷実行中のジョブの印刷動作を中断させる。更に、その時点で既に印刷待ちジョブがメモリ109に存在するならば、制御部108はメモリ109からそのジョブの印刷データを読み出し、該印刷待ちジョブの印刷動作を、該中断対象のジョブの印刷動作の停止期間中において開始させる。
その後、制御部108は、該動作を実行させつつ、該中断対象のジョブの中断要因が解除されたか否かを、センサからの情報に基いて監視する。そして、制御部108は、この状況下にて中断要因が解除されたことを確認した場合、上述の形態のフローチャートの処理に基いた制御を実行する。例えば、上記形態で述べたタイミングで、上記形態で述べた表示構成要素を具備した表示(図面参照)を、本システムのユーザインタフェース部により、実行させる。且つ、制御部108は、当該表示を介して、上記形態の如く、中断対象のジョブの印刷動作の再開タイミングをユーザ自身により明示的に指定可能にする為のユーザ要求を、受付可能にする。そして、制御部108は、該要求に従って、該ユーザが所望のタイミングで該中断対象のジョブの印刷動作を本印刷システム100により再開させる。このような本印刷システム100が受付けた複数の印刷ジョブの処理方法に関わる主要部分となる制御を、制御部108により実行する。
又、制御部108が、如何なるジョブを装置100が受付た場合に、如何なる印刷中断要因が発生し、それに応じて、如何なるジョブの印刷動作を開始させ、如何なる条件で該中断要因の解除を確認するのか、以下、具体例を挙げる。
例えば、印刷ジョブAとして、印刷システム100のリーダ部103からの印刷ジョブの印刷要求を操作部102を介してユーザから受付けたとする。この時点で、メモリ109に処理すべき印刷ジョブが存在しない場合、制御部108は、当該印刷ジョブAの印刷動作をプリンタ部104により実行させる。例えば、制御部108は、該印刷ジョブAの複数頁からなる原稿束の原稿をリーダ部103のADFにより1枚ずつ順次給送させ、リーダ部103により該原稿の読取動作を実行させるとともに、該ジョブAの読取データをメモリ109に記憶させる。そして、メモリ109に記憶された該ジョブAの印刷データの印刷処理を、操作部102を介して設定されたジョブAのユーザからの印刷設定条件に従って、プリンタ部104により実行させる。このようなジョブAの一連の印刷動作を実行中に、リーダ部103のADFにて該ジョブAの原稿ジャムの発生を、ADFのジャム検知センサが検知したとする。このジョブAのリーダ部103のADFにおける原稿ジャムは、該ジョブAの印刷中断要因に相当する。制御部108は、この中断要因の発生により、本装置100により実行中の該ジョブAの印刷動作をストップさせる。尚、制御部108は、該中断対象のジョブAの印刷データを後での再開動作にて利用すべく、メモリ109にそのまま保持させておく。この状況下で、例えばジョブA以外に、印刷待ち状態のジョブがメモリ109に記憶済みであるとすと、制御部108は、その印刷待ちジョブが、該ジョブAの中断要因に影響を受けずに印刷動作を実行可能なジョブであるか否かを判断する。
このジョブAの中断要因に影響を受けずに印刷動作を実行可能なジョブの一例としては、例えば、コンピュータ300や400など、リーダ部103とは異なるデータ発生源から受け付けたジョブである。換言すると、ADFを利用しないジョブである。なぜなら、該ジョブAがADFにて原稿ジャムが発生した状況下では、該ADFを用いたリーダ部103により他のジョブの原稿読取動作は実行出来ないからである。換言すると、リーダ部103による原稿読取動作を要するジョブは、該ジョブAの中断要因発生中には、印刷動作を開始することは出来ないからである。一方、コンピュータ300や400からの外部装置のジョブの印刷データは、これに該当するジョブではない。何故なら、外部装置からの印刷ジョブのデータは、コンピュータインタフェース部106→メモリ109→プリンタ部104というルートで、印刷可能であるからである。故に、制御部108は、このようにジョブAの中断要因に影響を受けない印刷待ちジョブの印刷動作を、ジョブAの印刷動作の停止期間中に、開始させる。これにより、極力、本印刷システムの生産性の向上を図る。又、制御部108は、当該他のジョブの印刷実行中でも、該ジョブAの原稿ジャムがユーザにより除去されたか否かを、該ADFの該センサからの情報に基き、監視する。そして、制御部108は、該ジョブAのADFにおける原稿ジャムが解除されたと判断した場合は、該ジョブAの中断要因が解除されたと判断する。このように本実施形態では、印刷中断要因の一例として、印刷システム100が具備するリーダ部103でのエラーが含まれる。尚、リーダ部103でのエラーは、ADFでの原稿ジャム以外のエラーもある。例えば、リーダ部103の原稿ランプの故障、ADFの搬送ユニットの故障等、各種リーダ部103のエラーイベントも、上記中断要因に該当するものとする。又、ここで述べた以外の構成は、上記各種実施形態で述べた制御、処理条件に準ずる。即ち、上述の形態と同等なので、ここでの説明は割愛する。次に、その他の具体例の1例を以下に説明する。
例えば、印刷ジョブBとして、リーダ部103或いはコンピュータ300或いは400等の外部装置から処理対象となる印刷データを装置100が受付けたとする。そして、このジョブのデータを印刷すべきシートとして、「用紙タイプが普通紙で且つ用紙サイズがA4サイズのシート」が印刷条件として該ジョブBに対してユーザにより設定されていたとする。このように、「普通紙で且つA4サイズのシート」をプリンタ部104による印刷処理にて要するジョブBを、本装置100が受付けたとする。尚、ここでは、本装置100が具備する複数の給紙部として、第1〜第3給紙部が存在し、それぞれに異なる用紙がセットされているとする。例えば、第1給紙部には、「普通紙で且つA4サイズのシート」がセットされ、第2給紙部には、「普通紙で且つA3サイズのシート」がセットされているとする。また、第3給紙部には、「普通紙とは異なる用紙タイプとして色紙で、且つ、用紙サイズはA4サイズのシート」がセットされているとする。また、制御部108は、装置100が具備する給紙部に如何なる用紙タイプの如何なる用紙サイズのシートがセットされているのかを、給紙部のセンサ、操作部102からの用紙登録に関わるユーザ設定情報に基いて、確認する。
上記構成のもとで、該ジョブBを受付た時点でメモリ109に処理すべき印刷ジョブが存在しない場合、制御部108は、当該印刷ジョブBの印刷動作をプリンタ部104により実行させる。具体的には、例えば、制御部108は、メモリ109に記憶された複数頁からなるジョブBの印刷データを先頭頁から順番にメモリ109から読出させる。また、該印刷ジョブBの印刷にて要するシートを上記第1給紙部から順次1枚ずつ給送させ、その給送された用紙に対して該メモリ109から読み出したジョブBの印刷データの印刷をプリンタ部104により実行させる。以上の印刷動作を、該複数頁からなる文書データを含んだ該ジョブBに含まれる全頁分で且つ、該ジョブBに対してユーザにより設定された印刷部数分、実行させる。
以上のようなジョブBの一連の印刷動作を実行中に、該ジョブにて利用するシートの枚数よりも少ない枚数分のシートしか第1給紙部にセットされていなかったことが原因で、該給紙部にて紙無しエラーが発生したとする。このとき、制御部108は、該ジョブBにて要するシートの用紙無しエラーの発生を、該第1給紙部の用紙残量検知センサからの情報に基いて確認する。このジョブBの印刷にて要するシートの用紙無しエラーが、該ジョブBの印刷中断要因に相当する。制御部108は、該ジョブBの印刷中断要因の発生により、本装置100により実行中の該ジョブBの印刷動作をストップさせる。尚、制御部108は、該中断対象のジョブBの印刷データを、後の再開動作にて利用すべく、メモリ109にそのまま保持させておく。
この状況下で、例えばジョブB以外に、印刷待ち状態のジョブがメモリ109に記憶済みであるとする。この場合、制御部108は、その印刷待ちジョブが、該ジョブBの中断要因に影響を受けずに印刷動作を実行可能なジョブであるか否かを判断する。このジョブBの中断要因に影響を受けずに印刷動作を実行可能なジョブの一例としては、例えば、「用紙タイプは普通紙で且つ用紙サイズがA3サイズのシート」をプリンタ部104による印刷処理にて要する印刷ジョブである。或いは、「用紙タイプは色紙で且つ用紙サイズがA4サイズのシート」をプリンタ部104による印刷処理にて要する印刷ジョブである。換言すると、ジョブBの印刷処理にて要するシートとは異なる用紙サイズのシートを印刷処理にて要するジョブである。或いは、ジョブBの印刷処理にて要するシートとは異なる用紙タイプのシートを印刷処理にて要するジョブである。即ち、ジョブBの用紙無しエラーの発生時点にて、印刷システム100の給紙部に既に準備されているシートを印刷処理にて要するジョブが、印刷可能なジョブに該当する。制御部108は、このようにジョブBの中断要因に影響を受けない印刷待ちジョブの印刷動作を、ジョブBの印刷動作の停止期間中に、開始させる。これにより、極力、本システムの生産性の向上を図る。
制御部108は、この他のジョブの印刷動作を実行中でも、該ジョブBの中断要因が解除されたかを監視する。本例では、例えば、ジョブBの印刷にて要する「普通紙で且つA4サイズのシート」が該第1給紙部にユーザにより補給されたかを、制御部108が該給紙部の上記センサからの情報に基いて確認する。このように本実施形態にて中断要因の一例には、プリンタ部104での処理対象となるジョブにて要するシートの紙無しエラーが含まれる。尚、ここで述べた以外の構成は、上記各種実施形態で述べた制御、処理条件に準ずる。即ち、上述の形態と同等なので、ここでの説明は割愛する。このように、本実施形態の印刷システムは、様々な種類の印刷中断要因に対して、対応可能に、制御部108により制御している。
尚、上記のようにリーダ部103でのエラー、プリンタ部104での用紙無しエラー以外にも、本システムにて発生しうるエラーがあるので、それにも対応している。例えば、プリンタ部104でのエラーとしては、トナー切れ、用紙ジャム等である。又、プリンタ部104からのシートに対してステイプル等のシート処理を実行可能なシート処理装置を本印刷装置が具備しているならば、このシート処理装置でのエラーも印刷中断要因の1つに包含される。その1例として、例えば、ステイプル針無しエラー、ステイプル針の針詰まりエラー等、ステイプルユニットに関わるエラーが、これに該当する。又、例えば、プリンタ部104からの印刷済みのシートに対して穿孔処理(パンチ処理)を実行可能なパンチユニットを該シート処理装置が具備している場合、このようなパンチユニットに関わるエラーも、印刷中断要因の1つに包含される。又、製本処理を実行する製本ユニットを該シート処理装置が具備している場合、このような製本ユニットに関わるエラーも、印刷中断要因の1つに包含される。本実施形態では、このような本印刷システムにて発生し得る複数種類の印刷中断要因のうちの処理対象のジョブの印刷動作にて発生した中断要因を、制御部108により、確認可能に構成する。そして、制御部108は、中断要因が発生したことに応じて該印刷実行中のジョブの印刷動作を停止させる。
但し、特定の種類の中断要因が発生した場合には、該中断対象のジョブに後続するジョブの印刷動作を、該中断対象のジョブの印刷動作の停止期間中に、プリンタ部104により実行させることを禁止するよう制御する。この1例として、例えば、本印刷システムにて発生した中断要因が、プリンタ部104での用紙ジャムエラーであるとする。この場合、該中断対象のジョブの印刷動作を停止させるが、後続ジョブの印刷は許可しない。なぜなら、該中断対象のジョブの印刷済み用紙がプリンタ部104によりユーザにより除去されずに、後続ジョブの印刷動作を開始させるのは、更なるエラーを発生させるからである。換言すると、中断対象のジョブの中断要因が未解除のままで後続ジョブの印刷動作の実行を許可すべきではない種類に該当する中断要因が発生した場合、制御部108は、上記のような後続ジョブの追越印刷動作の実行は禁止する。又、この例以外にも、先行ジョブが1束としてまとめる必要があるジョブならば、後続ジョブの追越動作は禁止する。換言すると、上記各種実施形態で述べた制御、処理条件に準ずるように構成する。
尚、本実施形態にて、以下のような構成も採用可能とする。例えば、中断要因は上記の如く、本印刷装置が具備する装置におけるエラーに伴うものであった。しかし、これ以外にも以下のような印刷中断要因にも対応可能に構成する。
例えば、印刷ジョブCとして、リーダ部103或いはコンピュータ300或いは400等の外部装置から処理対象となる印刷データを装置100が受付けたとする。そして、この時点にて、現在、メモリ109に処理すべき印刷ジョブが存在しないとする。この場合、制御部108は、該印刷ジョブCの印刷動作をプリンタ部104により実行させる。具体的には、例えば、制御部108は、メモリ109に記憶された複数頁からなるジョブCの印刷データを先頭頁から順番にメモリ109から読出させる。そして、該メモリ109から読み出したジョブCの印刷データの印刷をプリンタ部104により実行させる。そして、この印刷動作を、該複数頁からなる文書データを含んだ該ジョブCに含まれる全頁分で且つ、該ジョブCに対してユーザにより設定された印刷部数分、実行させる。
このようなジョブCの一連の印刷動作を実行中に、制御部108は、操作部102の表示部301に、現在印刷実行中の該ジョブCの印刷動作を一時停止させる指示をユーザにより入力可能にする表示を、実行可能にする。例えば、制御部108は、ジョブCの印刷動作を一時停止させる表示キーをユーザからの指示に応答して表示部301に表示させ、該表示を介してユーザから該ジョブCの印刷動作を一時停止させる指示を受付可能にする。又、外部装置のユーザインタフェース部からでも同等の機能を提供しても良い。例えば、コンピュータ300や400の表示部に、装置100のステータスを確認可能にするステータスモニタ画面を、該コンピュータのユーザからのキー操作に応答し、表示させる。そして、当該画面上に、該ジョブCの印刷を一時停止させる指示をユーザにより入力可能にする表示キーを表示させる。尚、このように外部装置の表示部に関する制御は、その外部装置のCPUが制御の主体となるように構成する。このように、本実施形態にて、本システムが具備する各種ユーザインタフェース部に、ジョブCの印刷動作を一時停止させる指示をユーザにより入力可能にする表示を、実行可能に制御する。そして、当該表示を介して該ジョブCの印刷動作を一時停止させる為のユーザ指示を受け付けた場合、制御部108は、当該ジョブの印刷動作を中断させる。即ち、制御部108は、現在印刷中のジョブCの印刷動作を一時停止させる為の指示のユーザ入力がなされたことが、該ジョブCの中断要因の発生であると判断する。
このとき、制御部108は、中断対象のジョブCの印刷データを、後の印刷再開動作にて利用可能にすべく、メモリ109にそのまま保持させておく。且つ、この状況下にて、ジョブC以外の印刷待ち状態の後続ジョブがメモリ109に存在するとする。この場合、制御部108は、該後続ジョブの印刷動作を、ジョブCの印刷動作の停止期間中に開始させる。これにより、極力、本システムの生産性の向上を図る。又、制御部108は、この後続ジョブの印刷動作を実行中に、該ジョブCの中断要因が解除されたかを監視する。具体的には、例えば、該後続ジョブの一連の印刷動作を実行中に、制御部108は、操作部102の表示部301に、現在一時停止中のジョブCの印刷動作を再開させる指示をユーザにより入力可能にする表示を提示する。例えば、ジョブCの印刷動作の再開要求を入力する為の表示キーを、ユーザからの指示に応答して表示部301に表示させ、該表示を介してユーザから該ジョブCの印刷動作の再開要求を受付可能にする。又、外部装置のユーザインタフェース部からでも同等の機能を提供しても良い。例えば、コンピュータ300や400の表示部に、装置100のステータスを確認可能にするステータスモニタ画面を、該コンピュータのユーザからのキー操作に応答して表示させる。そして、当該画面上に、該ジョブCの印刷動作を再開させる指示をユーザにより入力可能にする表示キーを表示させる。尚、このように外部装置の表示部に関する制御は、その外部装置のCPUが制御の主体となるように構成する。このように、本システムが具備する各種ユーザインタフェース部に、印刷動作を一時停止させたジョブCの印刷動作を再開させる指示をユーザにより入力可能にする表示を実行可能に制御する。そして、当該表示を介して該ジョブCの印刷動作を再開させる為のユーザ指示を受け付けた場合、制御部108は、該ジョブCの中断要因が解除されたと判断する。
以上図1〜図25を用いて説明した本実施形態の特徴有る構成は、上述の如くオフィス環境のみに留まる事無くPOD環境が如くの印刷環境を想定した今後のプリンティングシステムの製品実用化を目指した様々な仕組みを具備している。そこで、このようなPOD環境が如くの印刷環境を考慮し、本実施形態の上述した各効果を更に向上させる為の仕組みとして例えば、以下の構成を具備するように構成しても良い。
例えば、POD環境が如くの印刷環境では、様々な顧客から様々な印刷体裁による印刷物の作成依頼が要求されうる。
そこで、この状況を想定し、本実施形態では、本印刷システム100の構成を図26に例示が如くのシステム構成に拡張可能に構成する。
これは、本実施形態の印刷装置101に対して、図3のシート処理装置230の後処理装置の代わりに、互いに異なる種類の後処理が実行可能な2種類の後処理装置を連結接続した構成を開示するものである。
尚、ここでは、図26の例示の如く、本印刷システム100は、プリンタ部104内部から搬送される印刷処理がなされたシートの大量積載処理を実行可能なスタッカ部を具備する後処理装置の1例として、大容量スタッカ2601を、具備する。尚、この大容量スタッカ2601は、本実施形態が想定している上記各種ユースケースやユーザニーズを考慮して、最大5000枚分の印刷用紙を積載可能な構成とする。
且つ、本印刷システム100は、プリンタ部104内部から搬送される印刷処理がなされたシートに対して種々の後処理を選択的に実行可能な後処理装置の1例として、中綴じ製本機2602を具備する。本例では、ステイプル処理、パンチ処理、断裁処理、シフト排紙処理、中綴じ製本処理、折り処理の計6種類の後処理(フィニシング)を選択可能とする。
このように本実施形態では、POD環境が如くの印刷環境を想定し、本印刷システム100は、印刷装置101に対して複数台の後処理装置が連結接続可能に構成している。且つ、これらの各後処理毎に特定種類の後処理を実行可能に構成している。これにより、様々な種類の後処理を、オペレータからの要求に応じて、処理対象のジョブのプリンタ部104により印刷処理がなされた印刷媒体に対して実行可能に構成している。
この構成を前提に、例えば、操作部102等の本実施形態のUI部を介して、制御部108は、処理対象のジョブに対して実行すべき所望の種類の後処理をオペレータから受付可能にUI部を制御する。
例えば、図6のキー508がオペレータにより押下された事に応答し、制御部108は、印刷システム100のシステム構成情報に基づいて、図27に例示が如くのUI画面の表示を操作部102により実行可能にする。
以上のような構成を前提とし、本実施形態にて制御部108は、例えば、図28に例示のフローチャートに即した動作を印刷システム100により実行可能に制御する。以下、その具体例を説明する。この図28を用いた制御例は、図7BのS620に関する制御例である。
尚、この図28のフローチャートの処理に関するコンピュータ読取可能な制御プログラムもまた、制御部108により読出し実行可能にメモリ109に予め保持されている。
又、この図28を用いた制御例では、上述の図7BのS615にてYES判定を下した場合から処理を説明するものとする。即ち、図7BのS609で印刷中断済の中断ジョブ(先の例にてジョブXに相当する)の中断要因が解除された事を制御部108が確認した時点からの処理を説明する。
以上の構成を前提とし、中断ジョブの印刷中断要因が解除された事を確認した事を条件に、制御部108は、図28のS2801の処理へ進む。
S2801にて制御部108は、印刷システム100のシステムは「5000枚分の印刷物を積載可能な大容量スタッカを含む複数台の後処理装置を具備したシステム構成」であるか否の確認をメモリ109の上述が如くのスペック情報に基づいて特定する。
S2801にてYES判定を下した場合、これを条件に、制御部108は、S2801からS2802へ処理を進める。
このS2802にて制御部108は、S609で印刷動作を中断させたジョブの印刷中断期間中にS616にて印刷を開始させたジョブ(上記例ではジョブY)が、「大容量スタッカによる印刷物の積載処理を要するジョブ」であるのか否かの確認を、既述のシステム構成情報や、処理対象のジョブの為にユーザが設定した印刷処理条件の情報をもとに、行う。
例えば、図27のキー2707がオペレータにより押下されたうえで、印刷実行要求がオペレータにより操作部102を介してなれたとする。この場合、制御部108は、この、該ジョブの為にユーザが設定した処理条件情報をもとに、当該ジョブは、「大容量スタッカによる印刷物の積載処理を要するジョブ」であると判断する。本例では、これに該当するジョブを「大量積載ジョブ」と称す。
一方、図27のキー2707がオペレータにより押下されずに、大量積載処理とは異なる種類のフィニシング(後処理)が選択されて印刷実行要求がなされたとする。即ち、例えば、大量積載処理とは異なる種類のフィニシング(後処理)を実行させる為のユーザ要求としてキー2701〜2706の何れかのが押下されたうえで、印刷実行要求がオペレータにより操作部102を介してなれたとする。この場合、制御部108は、この、該ジョブの為にユーザが設定した処理条件情報をもとに、当該ジョブは、「大容量スタッカによる印刷物の積載処理を不要なジョブ」であると判断する。例えば、キー2701からの要求により、「プリンタ部104にて印刷がなされた印刷媒体に対するステイプル処理の実行要求がなされたジョブ」は、「ステイプルジョブ」であり、これに該当する。例えば、キー2702からの要求により、「プリンタ部104にて印刷がなされた印刷媒体に対するパンチ処理の実行要求がなされたジョブ」は「パンチジョブ」であり、これに該当する。例えば、キー2703からの要求により「プリンタ部104にて印刷がなされた印刷媒体に対する断裁処理の実行要求がなされたジョブ」は「ステイプルジョブ」であり、これに該当する。その他のキー2704、2705、2706の各後処理の実行要求がなされたジョブもこれに該当する。このように、「大容量スタッカによる印刷物の積載処理を不要なジョブ」の事を、本実施形態では「非大量積載ジョブ」と称す。
以上の構成を前提にS2802にてYES判定を下した場合、これを条件に、制御部108は、S2802からS2803へ処理を進める。
S2803へ移行した場合、制御部108は、図16や図21や図24で例示が如くの上記「特定の表示」の1例に該当する画面900の表示を操作部102により実行させる事を許可する。即ち、この場合、制御部108は、S609にて中断したジョブの印刷動作を、図16等で例示の画面900の表示を介してユーザにより指定された選択肢に対応する再開方法でもって、印刷システム100により再開させる事を許可する。そして、このケースの場合、制御部108は、このS2803の処理を経て、図7BのS620の処理へ移行する。尚、これ以降の処理や制御は上述済みであり、全て同等なので割愛する。
上記構成を前提に、例えば、S2801にてNO判定を下した場合、これを条件に、制御部108は、S2801からS2802へ処理を進める。且つ、このS2805へ移行した場合、制御部108は、図16等で例示の画面900の表示を操作部102により実行させる事を禁止する。即ち、この場合、制御部108は、S609にて中断したジョブ(上記例では、ジョブX)の印刷動作を、先に例示の画面900の表示を介してユーザにより指定された選択肢に対応する再開方法でもって、再開させる事を、禁止する。そして、且つ、このケースの場合、制御部108は、このS2805の処理を経て、S2806へ処理を進める。
且つ、このS2806の処理へ移行した場合、S2806にて制御部108は、S609にて中断したジョブ(上記例では、ジョブX)の印刷動作を、図7BのS622の印刷処理1(即ち、選択肢1)に相当する再開方法でもって、自動的に、再開させる。即ち、この場合、制御部108は、S616にて印刷を開始させたジョブ(上記例では、ジョブY)の印刷終了直後に、S609にて中断したジョブの印刷動作を自動的に再開させる。そして、このS2806の処理を経て図7AのS608の処理へ移行する。尚、これ以降の処理や制御は上述済みであり、全て同等なので割愛する。
上記構成が如く、上記(条件1)及び(条件2)を満足するジョブ(上記例ではジョブY)が「大量積載ジョブ」に該当するジョブであったとする。その場合、制御部108は、上記「特定の表示」の1例に該当する上記UI画面900の表示を本実施形態のUI部により実行する事を許可する。且つ、制御部108は、上記「特定の表示」の1例に該当する上記UI画面900の表示を介して、図1〜図25を用いた先の制御例と同じ制御例による動作を印刷システム100により実行可能にする。
一方、上記(条件1)及び(条件2)を満足するジョブ(上記例ではジョブY)が「非大量積載ジョブ」に該当するジョブの場合、制御部108は、上記「特定の表示」の1例に該当する上記UI画面900の表示を本実施形態のUI部により実行する事を禁止する。且つ、制御部108は、この場合(即ち、処理対象のジョブが、大量積載ジョブではなく、非大量積載ジョブである事を、制御部108が確認した場合)、上記3種類の選択候補の中から上記UI画面900の表示を介してオペレータが何れかの選択肢を選択するといった介入操作無しに、自動的に、上記第1選択肢に対応する動作を印刷システム100により実行可能にする。
この構成は、上述が如く、ジョブYが大量印刷枚数のジョブである事が原因で上述が如くの状況がPOD環境が如くの印刷環境にて懸念視される問題を解決しながらも、極力、必要以上の操作をオペレータに要求しないようにし、オペレータによる介入操作を出来るだけ減らす事で、より操作性や生産性の向上を図る為の仕組みである。即ち、図1〜図25で例示が如くの効果を更に向上させる事ができるという効果を得る為の構成である。
以上の図26〜図28で例示が如くの制御を制御部108により実行可能に構成しても良い。
以上のように、印刷中断要求に関わるユーザからの明示的な指示に基いた印刷中断要因の発生にも対応可能に構成する。そして、このような構成を前提とし、印刷再開要求に関わるユーザからの明示的な指示に基いた印刷中断要因の解除にも対応可能に構成する。このような構成も本実施形態に包含される。尚、ここで述べた以外の構成は、上記各種実施形態で述べた制御、処理条件に準ずる。即ち、上述の形態と同等なので、ここでの説明は割愛する。このように本発明の趣旨を逸脱しない限り、あらゆる、応用、変形を可能にする。但し、これらはユーザ利便性を向上させる仕組みなので、必ずしも必須の構成要件で無くても良い。
<他の実施形態>
以上、実施形態を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
尚、本発明は、ソフトウェアのプログラムをシステム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによって前述した実施形態の機能が達成される場合を含む。この場合、供給されるプログラムは実施形態で図に示したフローチャートに対応したプログラムである。
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
プログラムを供給するための記録媒体としては以下が挙げられる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などである。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることが挙げられる。この場合、ダウンロードされるプログラムは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルであってもよい。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布するという形態をとることもできる。この場合、所定の条件をクリアしたユーザに、インターネットを介してホームページから暗号を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用して暗号化されたプログラムを実行し、プログラムをコンピュータにインストールさせるようにもできる。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどとの協働で実施形態の機能が実現されてもよい。この場合、OSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれて前述の実施形態の機能の一部或いは全てが実現されてもよい。この場合、機能拡張ボードや機能拡張ユニットにプログラムが書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行なう。
例えば、上記実施形態の具体例を、本印刷システムが具備する本システム(印刷装置とも呼ぶ)100に対して、処理対象となるジョブの印刷データを、ホストコンピュータ300から投入する場合を例にあげ説明する。
前準備として、例えば、以下の操作を行う。まず、コンピュータ300のユーザインタフェース部による該コンピュータ300のユーザ操作に応じ、該コンピュータ300のメモリに、本装置100のプリンタドライバに相当するプログラムデータを、ダウンロードする。尚、このユーザインタフェース部としては、例えば、該コンピュータ300自身が具備する、表示部、キーボード、マウス等、各種の操作ユニットである。又、該プログラムデータは、例えば、外部のサーバから、直接、ダウンロードさせる。或いは、該プログラムデータが記憶されたCD−R等の所定の記憶媒体を、該コンピュータ300にセットして、該記憶媒体から当該データをダウンロードさせる。尚、当該プログラムデータには、上述した各種フローチャートで述べた処理に関わるプログラムデータが含むまれている。又、上述した各種表示画面に関する表示制御に必要なUIプログラムデータも当該データに含まれている。換言すると、本印刷装置100とデータ通信可能な外部装置を用いて上述した各種本実施形態の構成を実行可能にするのに必要なプログラムデータが、該外部装置にダウンロードする上記プログラムデータに、格納されている。そして、当該データを該コンピュータ300にダウンロードした上で、例えば、コンピュータ300のユーザ操作に応答し、該コンピュータ300のCPUは、該コンピュータ300の表示部に、本印刷装置100のプリンタドライバ画面を表示させる。そして、該画面を介して印刷対象となるジョブのデータの各種印刷設定を該ユーザから受付ける。
その後、該画面を介して、ユーザにより、印刷設定がなされ、印刷実行指示が入力されたとする。これを受け、該コンピュータ300のCPUは、該処理対象のジョブの印刷データと該印刷設定条件を、コンピュータ300から本印刷装置100に送信させる。そして、該ジョブの印刷を印刷システム100により実行させる。このような状況にて上述した各種実施形態の制御と同等制御を、該コンピュータ300のCPUが、該プログラムデータを読み出し、参照することで実行する。例えば、図示した上述の各種ユーザインタフェース画面を、該コンピュータ300の表示部に表示させる。且つ、該画面を介して、該コンピュータ300のユーザから上述の実施形態で述べた各種ユーザ要求を入力可能にする。そして、入力されたユーザ要求に応じた動作を、本印刷システム100により実行させる。
以上のように構成することで、上記各実施形態と同等の動作を、本印刷システム100により実行可能にする。換言すると、コンピュータ等の外部装置のユーザインタフェース部を介して、印刷中断要因の発生により印刷動作が中断された中断対象のジョブの印刷動作を再開させるタイミングを、該外部装置のユーザから受付可能にする。そして、該ユーザ要求がなされた場合、制御部108は、当該要求を、例えば、コンピュータインタフェース部106を介して、該外部装置から受け付ける。更に、制御部108は、該外部装置からのユーザ要求に応じたタイミングでもって、該中断対象のジョブの印刷動作を再開させるよう印刷システム100を制御する。尚、ここで述べた以外の構成は、上記各種実施形態で述べた制御、処理条件に準ずる。即ち、上述の形態と同等なので、ここでの説明は割愛する。このように遠隔操作にも対応可能にすることで、本実施形態の効果を更に向上可能にすることも可能である。このように本発明の趣旨を逸脱しない限り、あらゆる、応用、変形を可能にする。但し、このような構成も、ユーザ利便性を向上させる仕組みなので、必ずしも必須の構成要件で無くても良い。
以上の各種実施形態で述べた構成の主なる構成について以下に列挙する。
例えば、本実施形態の印刷システムは、上記の如く、中断要因の発生により印刷動作が中断された中断対象の第1ジョブとは異なる第2ジョブの印刷動作を実行可能な印刷装置を具備する印刷システムである。当該構成を前提とし、例えば、制御部108が主体となり、以下に例示するような、ジョブ処理方法を実行可能に本システムを制御する。
制御部108は、該中断対象の第1ジョブの中断要因が解除された場合に、該中断対象の第1ジョブの印刷動作を該第2ジョブの印刷動作の完了後に再開させる為のユーザ要求を、操作部102を介して、受付可能に制御する。尚、本実施形態の印刷システムが提供するユーザインタフェース部(以下、UI部と呼ぶ)は、操作部102だけではない。該装置100に対して印刷データを送信可能な外部装置が具備する表示部(モニタ)、キーボード、マウス等、外部装置自身が具備するUI部も本発明に包含される。且つ、当該構成を前提とし、該UI部を介して上記ユーザ要求がなされた場合に、制御部108は、上記中断対象の第1ジョブの印刷動作を、該第2ジョブの印刷動作の完了後に、再開出来るよう、装置100を、制御する。
尚且つ、本実施形態のシステムにて、上記制御を実行可能にする一方で、以下の制御も実行可能に構成する。
例えば、制御部108は、上記中断対象の第1ジョブの中断要因が解除された場合に、該中断対象の第1ジョブの印刷動作を上記第2ジョブの印刷動作の完了前に再開させる為のユーザ要求を、上記UI部を介して、受付可能にする。そして、該UI部を介して該ユーザ要求がなされた場合に、上記中断対象の第1ジョブの印刷動作を、前記第2ジョブの印刷動作の完了前に、再開可能に、装置100を、制御部108により制御する。
尚且つ、本実施形態のシステムにて、上記制御を実行可能にするのみならず、以下の制御も実行可能に構成する。
例えば、上記第1ジョブの印刷動作の停止期間中で且つ上記第2ジョブの印刷動作を実行中で且つ印刷待ち状態の第3ジョブがメモリ109に存在する場合に、上記中断対象の第1ジョブの中断要因がユーザにより解除されたとする。この場合、制御部108は、次の動作を実行するよう制御する。まず、例えば、現在印刷中の第2ジョブの印刷動作と現在印刷待ち状態の第3ジョブの印刷動作の両動作が完了した後に該第1ジョブの印刷動作を再開させる為のユーザ要求を、該UI部を介して、受付可能に、該UI部を制御する。そして、該UI部を介して該ユーザ要求がなされた場合に、中断対象の該第1ジョブの印刷動作を、該第2ジョブの印刷動作と該第3ジョブの印刷動作の両動作が完了後に、再開するよう、装置100を、制御部108により、制御する。
これらの制御の少なくとも一部を提供可能にすることで、例えば、以下のような制御を、本実施形態のシステムにて、実行可能に構成する。この例では、制御部108により実行する例をあげる。
例えば、上記第1ジョブの印刷動作の停止期間中で且つ上記第2ジョブの印刷実行中に上記中断対象の第1ジョブの中断要因がユーザにより解除されたとする。この場合、以下の少なくとも何れかの要求を含む複数のユーザ要求のうちの何れかの要求を、該UI部を介して、ユーザから受付できるように、UI部を制御部108により制御する。例えば、制御部108は、該第1ジョブの印刷動作を該第2ジョブの印刷動作の完了後に再開させる為の第1のユーザ要求を、該UI部を介して、受付可能にする。又、例えば、制御部108は、該第1ジョブの印刷動作を該第2ジョブの印刷動作の完了前に再開させる為の第2のユーザ要求を、該UI部を介して、受付可能にする。当該構成を前提とし、以下の動作を本装置100により実行可能に制御する。例えば、該UI部を介して該第2のユーザ要求がなされずに該第1のユーザ要求がなされた場合に、制御部108は、該中断対象の第1ジョブの印刷動作を該第2ジョブの印刷動作の完了後に再開させる。一方、該UI部を介して該第1のユーザ要求がなされずに該第2のユーザ要求がユーザからなされた場合、制御部108は、中断対象の第1ジョブの印刷動作を該第2ジョブの印刷動作の完了前に再開させる。
尚且つ、上記制御を更に発展させて、以下のような制御を、本実施形態のシステムにて、実行可能に構成する。この例では、制御部108により実行する例をあげる。
例えば、印刷装置の現在のステータスとして、上記第1ジョブの印刷動作の停止期間中で且つ上記第2ジョブの印刷実行中で且つ印刷待ち状態の第3ジョブがメモリ109に存在するとする。この場合にて、上記中断対象の第1ジョブの上記中断要因が解除されたとする。当該ケースの場合、以下の少なくとも何れかの要求を含む複数のユーザ要求のうちの何れかの要求を、該UI部を介してユーザから受付できるように、該UI部を、制御部108により制御する。例えば、該印刷実行中の第2ジョブの印刷動作の完了後で且つ該印刷待ち状態の第3ジョブの印刷動作の開始前に該中断対象の第1ジョブの印刷動作を再開させる第1のユーザ要求を、該UI部を介して、ユーザにより受付可能にする。また、該印刷実行中の第2ジョブの印刷動作の完了前に該中断対象の第1ジョブの印刷動作を再開させる第2のユーザ要求も、該UI部を介して、ユーザから受付できるように、該UI部を、制御部108により、制御する。更に、該第2ジョブの印刷動作の完了後で且つ該第3ジョブの印刷動作の完了後に上記中断対象の第1ジョブの印刷動作を再開させる第3のユーザ要求も、該UI部を介して、ユーザから受付できるように、該UI部を、制御部108により、制御する。但し、制御部108は、これら第1〜第3のユーザ要求は同時に受け付けることは禁止し、何れか1つの要求をユーザから受付るよう制御する。このような排他制御を実行する。該構成のもと、該UI部を介して該第1のユーザ要求がなされた場合に、該中断対象の第1ジョブの印刷動作を、該印刷実行中の第2ジョブの印刷動作の完了後で且つ該印刷待ち状態の前記第3ジョブの印刷動作の開始前に再開させる。一方、該UI部を介して該第2のユーザ要求がなされた場合に、該中断対象の第1ジョブの印刷動作を該印刷実行中の第2ジョブの印刷動作の完了前に再開させる。一方、該UI部を介して該第3のユーザ要求がなされた場合に、該中断対象の第1ジョブの印刷動作を該印刷実行中の第2ジョブの印刷動作の完了後で且つ該印刷待ち状態の第3ジョブの印刷動作の完了後に再開させる。このように複数のユーザ要求のうちの該UI部を介して指示されたユーザ要求に応じた第1ジョブの印刷動作を実行可能に、制御部108により、本装置100を制御する。
尚且つ、上記構成を前提とし、上記第3ジョブ以外にも、印刷待ち状態のジョブがメモリ109に複数個存在するとする。この場合に、制御部108は、上記第1ジョブの印刷動作を再開させるタイミングを、該複数の印刷待ち状態のジョブを含めて、前記UI部を介して、ユーザにより特定出来るように、UI部を制御する。
更に、利便性を向上させるべく、以下のように構成しても良い。例えば、上記第1ジョブの印刷動作を再開させるタイミングを特定させる為の複数の選択肢のうちの、ユーザにより選択可能なユーザ要求に相当する選択肢を、上記UI部を介して、ユーザにより選択可能に、制御する。但し、上記複数のユーザ要求のうちの実行不可のユーザ要求に相当する選択肢はユーザによる選択を不可とするよう、制御部108により、該UI部を制御する。例えば、選択不可の項目は、網掛け表示やグレ−アウト表示となるようUI部を制御する。
更に、利便性、生産性を更に向上させるべく、以下のように構成しても良い。例えば、ユーザにより選択可能な選択肢が1つしかない場合には、該UI部を介してユーザ要求を受付ること無しに、自動的に、上記第2ジョブの印刷動作の完了後に上記第1ジョブの印刷動作を再開させる。このような動作を実行可能に、制御部108により、本装置100を制御する。
以上のような各種構成を本システムにて提供可能にする。
尚、上記構成を前提とし、本実施形態では、以下のような構成も本印刷システムにて提供可能に構成されている。例えば、上記各種ユーザ要求を、該印刷装置100のUI部から受付可能にするのみならず、該印刷装置100とデータ通信可能な外部装置が具備するUI部を介して、受付可能に構成する。又、該印刷装置100は、リーダ部103からの印刷データ、コンピュータ300等の外部装置からの印刷データの、少なくとも何れかのジョブの印刷データを、上記メモリ部109を介し、印刷可能な、プリント部104を具備する。
又、上記構成を前提とし、以下のようなジョブ制御も実行する。例えば、上述の形態で述べた如く、上記中断要因として、該印刷装置100におけるエラーが発生した場合に、印刷実行中のジョブの印刷動作を停止するよう、制御部108により、装置100を、制御する。又、例えば、上述の形態で述べた如く、上記中断要因として、ユーザからの印刷動作を停止させる為のユーザ要求が上記UI部を介してなされた場合に、印刷実行中のジョブの印刷動作を停止させる。このような動作を実行可能に、制御部108により、装置100を、制御する。
又、例えば、上記の形態で述べた如く、上記中断要因として、少なくとも以下のような種類の中断要因に対処可能に構成する。例えば、該印刷装置100が具備するリーダ部103におけるエラーが発生した場合に、制御部108により、上記制御を実行可能にする。又、例えば、処理対象となるジョブの印刷動作に要するシートに関わるエラーが発生した場合に、制御部108により、上記制御を実行可能にする。尚、上述したように、このような各種構成も、ユーザメリットの更なる向上を図る仕組みなので、全ての要件を兼ね備えなくても良い。
以上のように、各種構成を本印刷システムにて提供可能に構成することで、本実施形態にて享受可能な効果を最大限に発揮可能となる。その例として、例えば、従来技術で想定したような課題に対処可能となる。又、例えば、中断要因の発生により現行ジョブが中断され、中断対象のジョブ以外の他のジョブの印刷が実行されている場合にも柔軟に対処できる。具体的には、中断要因が解除された際の中断対象のジョブの処理の再開方法をオペレータが選択可能となる。このように、システムにおけるジョブの生産性を、利用環境やオペレータの意思を尊重しつつ向上させることができる。換言すると、オフィス環境のみならず、POD環境にも適した柔軟なデジタルプリンティングシステムを提供できる。このように、POD環境等、大量の印刷ジョブを受付可能な印刷環境を想定した環境を構築可能となる。換言すると、例えば、POD環境のような、中断要因の発生により処理中のジョブの処理が停止しても極力システム全体にて取り扱う複数のジョブの生産性を向上出来るようにした環境に対処できる。そして、このような環境であっても、中断対象のジョブのユーザの利便性が極力低下しないように構成することが可能となる。しかも、中断対象のジョブの処理を、中断対象のジョブのユーザの意思を極力尊重した状態で、再開可能にする事が可能となる。このような柔軟な印刷環境が構築可能となる。
このように本実施形態に既述が如くに構成することで、例えば、従来技術で想定したような課題に対処できる印刷システムが提供可能となる。特に例えば、オフィス環境のみならずPOD環境が如くの印刷環境でも満足のいく、今後のデジタルプリンティングシステムを見据えた製品実用化に貢献できる印刷システムが提供可能となる。又、特に例えば、複数のジョブを如何に効率よく且つ高い生産性でもって処理するかが重要視されうるPOD環境が如くの印刷環境にも配慮した印刷システムが提供可能となる。又、特に例えば、処理対象のジョブが中断中に他のジョブの処理が開始される状況においても、利用環境やオペレータの意思を尊重しつつ、効率良く且つ高い生産性でもって複数のジョブを処理できる印刷システムが提供可能となる。即ち、処理すべき複数のジョブの全体を考慮した印刷システムが提供可能となる。更に、特に例えば、オフィス環境では充分対処可能なジョブリカバ機能でも対処が困難なPOD環境が如くの印刷環境にて生じうるユースケースやユーザニーズに対しても対処可能な印刷システムが提供可能となる。且つ、当該効果と同等の効果が図れる印刷装置やコンピュータ読取可能なプログラム、記憶媒体が提供可能となる。このような各種効果が図れる利便性や柔軟性に富んだ便利な印刷環境が構築可能となる。