以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について詳細に説明する。
以下の実施形態では、コピー機能、プリント機能、ファクシミリ機能等の複数の機能(「モード」とも呼ぶ。)を具備したデジタル複合機能装置としての画像形成装置、及び、当該装置を備える印刷システムの場合を例にとって説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るネットワーク対応の印刷システムの構成を説明する図である。図1において、画像形成装置100は、ネットワーク等の通信媒体700を介して、サーバコンピュータ200や、ホストコンピュータ等のクライアントコンピュータA(300)、B(400)や、例えば当該画像形成装置100と同一の構成・機能を具備する、他の画像形成装置としてのデジタル複合機500や、インターネットファクシミリ装置600と、各種のデータ通信(データの送受信)を可能としている。尚、無線形式でデータ通信可能な構成であっても良い。
画像形成装置100は、コピーモードやプリントモードやファクシミリモード等の複数のモード(複数の機能)を具備している。そして、画像形成装置100は、自装置のスキャナ部で読み取ったジョブデータ、クライアントコンピュータ300や400から出力されたジョブデータ、他のデジタル複合機500が具備するスキャナから出力されたジョブデータ、或いはインターネットファクシミリ装置600から出力されたジョブデータ等を、自装置が具備するハードディスク等の記憶ユニットを介して、自装置が具備するプリンタ部でプリント処理させることができる。さらに、画像形成装置100は、上記ジョブデータを、自装置が具備する通信ユニットを介して他装置へ転送処理させたり、各種の出力処理の実行を可能な構成としている。
また、メカ的構成として、画像形成装置100は、自装置のスキャナ部に、複数枚の原稿を自動的に先頭ページ側から連続的に順次読み取り可能な自動原稿給送装置(いわゆる、ADF)を具備する。また、画像形成装置100は、自装置のプリンタ部に、複数の給紙部(給紙カセット)を具備し、各給紙部毎に、異なるメディアタイプ(例えば、記録紙サイズ、記録紙の種類等が異なる。)の記録紙を収納可能とし、選択的に、ユーザ所望の給紙部からシートを給送し、プリンタ部にて印刷を可能にしている。
さらに、画像形成装置100は、プリンタ部にて印刷した記録紙の仕分け処理を行う、いわゆるソート機能や、記録紙に対してステイプル処理を行うステイプル機能や、プリンタ部にて印刷された記録紙に対して穴あけ処理(「穿孔処理」、「パンチ処理」とも言う。)を行うパンチ機能や、プリンタ部にて印刷された記録紙の折処理や製本処理を行うサドルステッチ機能を具備しており、このような各種のシート処理機能を実行するための、シート加工処理装置としてのフィニッシャをプリンタ部に具備している。
図2は、図1に示す本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の細部構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置100は、大きく、画像形成装置本体101と画像入出力制御部105とから構成される。画像形成装置本体101には、操作部102、リーダ部(スキャナ部)103、及びプリンタ部104が備わる。
操作部102は、画像形成装置本体101及び画像入出力制御部105を操作するために使用される。例えば、操作部102は、タッチパネル形式の液晶表示部やメカ的なハードキーを具備し、操作者に対して各種設定を行わせる。また、リーダ部103は、ADF等の原稿給送装置を有し原稿台にセットされた原稿画像の読み取り処理を実行し、読み取った画像データをプリンタ部104及び画像入出力制御部105へ出力する。さらに、プリンタ部104は、リーダ部103及び画像入出力制御部105からの画像データをジョブデータに対して設定された印刷処理条件に応じて記録紙等の記録媒体上に記録する。
一方、画像入出力制御部105には、リーダ部103に接続された制御部108、ネットワーク700に接続したコンピュータインタフェース部106、画像メモリ107、及びバックアップRAM110を備える。
コンピュータインタフェース部106は、外部通信部として機能し、パーソナルコンピュータ又はワークステーション(PC/WS)等によって構成されるプリントサーバ(サーバコンピュータ)200やその他の外部装置(図1に示す通信媒体700に接続された各装置)と制御部108との間のインタフェースであり、サーバコンピュータ200から転送されてきた画像を表すコードデータ(PDL)をプリンタ部104で記録できる画像データに展開して制御部108に渡す。また、コンピュータインタフェース部106は、それらの外部装置との間で画像データ以外の各種データ(例えば、コマンドデータ、ステータスリクエスト情報、ステータス情報、時刻データ等)の送受信を行う。尚、リーダ部103、コンピュータインタフェース部106、及び画像メモリ107間のデータの流れは制御部108で制御される。
一方、バックアップRAM110は、電源を落としても消去されないメモリであり、画像形成装置101本体及び画像入出力制御部105においてバックアップしておかなければならない重要なデータを保存しておくものである。すなわち、バックアップRAM110は、複数のジョブデータ(複数の一連の画像データ)を記憶・保持可能な記憶領域を具備し、リーダ部103や外部装置から入力される画像データやジョブデータ等の記憶・保持が可能である。
このように、本実施形態は、バックアップRAM110に複数のプリントジョブデータを格納することが可能であり、順次処理できるように構成している。例えば、あるプリントジョブのプリント動作をプリンタ部104に実行させている最中にでも、外部装置や自装置のリーダ部(スキャナ部)103から、随時プリントジョブデータ(画像データ)を受付可能としている。
図3は、図2に示す本発明の一実施形態に係るフィニッシャが装着された画像形成装置本体101の断面図である。図3に示すように、原稿給送装置201は、原稿を先頭順に1枚ずつプラテンガラス202上へ給送し、原稿の読み取り動作終了後、プラテンガラス202上の原稿を排出するものである。
原稿がプラテンガラス202上に搬送されると、ランプ203を点灯し、スキャナユニット204の移動を開始させて原稿を露光走査する。この時の原稿からの反射光は、ミラー205、206、207、及びレンズ208によってCCDイメージセンサ(以下、「CCD」という。)209へ導かれる。このように、走査された原稿の画像はCCD209によって読み取られる。
レーザドライバ221は、レーザ発光部210を駆動するものであり、出力画像データに応じたレーザ光をレーザ発光部210に発光させる。このレーザ光は感光ドラム211に照射され、感光ドラム211にはレーザ光に応じた潜像が形成される。この感光ドラム211の潜像の部分には、現像器212によって現像剤が付着される。カラー機の場合は、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色分の現像器が装着される。
そして、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、カセット213及びカセット214、手差し給紙段227のいずれかから記録紙を給紙して転写部215へ搬送し、感光ドラム211に付着された現像剤を記録紙に転写する。現像剤の乗った記録紙は定着部216に搬送され、定着部216の熱と圧力により現像剤が記像紙に定着される。定着部216を通過した記録紙は排出ローラ217によって排出される。
尚、両面記録が設定されている場合は、排出ローラ217のところまで記録紙を搬送した後、排出ローラ217の回転方向を逆転させ、フラッパ218によって再給紙搬送路219へ導かれる。そして、再給紙搬送路219へ導かれた記録紙は、上述したタイミングで転写部215へ給紙される。
ここで、画像形成装置にZ折りユニット226が装備されている場合には、Z折りユニットへ記録紙が搬送され、操作部102からの操作に応じてZ折りが行われる。また、画像形成装置にフィニッシャ220が装備されている場合、排出された記録紙を束ねて記録紙の仕分けをしたり、ユーザからの指定に応じてパンチャ223で記録紙のパンチが、ステイプラ224でステイプルがそれぞれ行われる。また、サドルスティッチャー225を使用すると、記録紙の中央部をステッチし、その中央部を折ることにより記録紙が製本される。
さらに、インサータ222では、予め印刷された記録紙を表紙や合紙として給紙することが可能となるとともに、プリンタ部の記録紙経路を通すことがないため、用紙を傷めずに搬送することができる。サドステッチャー225を使用しないジョブは排紙口231を通り、可動トレイ228、229のどちらかに排出される。可動トレイ228、229は、両方共上下に移動させることができ、可動トレイ228に出力する場合には可動トレイ228が排紙口231の位置まで降りる。そして、サドルステッチャー225を使用するジョブは、排紙口232を通って、製本トレイ230に排出される。
図4は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の操作部102のキー配列例を示す図である。図4に示すように、操作部102は、表示部であるLCD316や、メカ的なハードキー部を具備している。図4において、301は電源スイッチであり、本体への通電を制御するものである。302は予熱キーであり、予熱モードのON/OFFを切り替えるために使用される。303はコピーAモードキーであり、複数の機能の中からコピーAモードを選択するときに使用される。304はコピーBモードキーであり、複数の機能の中からコピーBモードを選択するときに使用される。尚、コピーA及びコピーBとは、各々同じコピー機能であるが、片方のコピーのスキャナ読み込みが終了している場合は次のコピーの入力をできるようにするため、本実施形態ではあえてユーザに分かりやすくするために2つのコピーモードに分けている。
305はメールボックスキーであり、複数の機能の中からメールボックスモードを選択するときに使用する。メールボックス機能とは、ユーザ個人や部署毎に画像形成装置内のメモリに記録領域を与えておき、そこにPDLデータやスキャンされた画像データを入れておき、ユーザが任意のタイミングで出力可能な機能である。306は拡張キーであり、PDLデータに対する操作を行うときに使用される。
また、303〜306は、後述するLCD316に表示される様々な機能画面を呼び出すときに使用される。LCD316に表示される画面によって、ユーザはそれぞれ実行させたジョブの状況を見ることができる。307はコピースタートキーであり、コピーの開始を指示するときに用いるキーである。308はストップキーであり、コピーを中断したり、中止したりするときに用いるキーである。309はリセットキーであり、スタンバイ中は標準モードに復帰させるキーとして動作する。
310はガイドキーであり、ユーザが本画像形成装置が有する各機能の詳細等を知りたいときに使用するためのキーである。311はユーザモードキーであり、ユーザがシステムの基本設定を変更するときに使用する。312は割り込みキーであり、あるジョブの実行中(例えば、コピー中)に割り込みして他のジョブを実行(例えば、他のコピー)したいときに用いる。313はテンキーであり、数値の入力を行うときに使用する。314はクリアキーであり、数値をクリアするときに用いる。315はIDキーであり、複写機を使用する場合にIDの入力モードに移行するときに使用する。
LCD316は、液晶画面にタッチセンサを組み合わせたLCDタッチパネルとして機能し、各モード毎に個別の設定画面が表示される。そして、ユーザがLCD316上に描画されたキー等に触れることで、各種の詳細な設定を行うことが可能である。また、LCD316では、各種ジョブの動作状況表示等も行う。317はネットワークの通信状態を示すタリーランプである。例えば、通常は緑色で点灯し、通信しているときは緑色で点滅し、ネットワークエラーが発生した場合には赤色で点灯又は点滅する。尚、タッチパネル形式のUIに限らず、例えばプリンタドライバのように、マウス操作等、ポインティングデバイスによりキー操作可能な構成でもよい。いずれにしても、各種情報を表示する表示機能としての役目と、各種ユーザからの指示を入力する操作指示機能としての役目を兼用できるような構成であればよい。
次に、制御部108による表示制御のもと操作部102のLCD316に表示させる各種の操作画面例、及び、当該画面を介してなされたユーザ操作に基づいた各種の動作制御例ついて図12等を用いて説明する。
図12は、図4に示す操作部102のLCD316上に表示される操作画面(ユーザインタフェース)の一例を示す図である。図12に示すように、LCD316に表示させる表示画面1700は、主に、3つの表示構成要素を有するよう構成されている。
1つは、コピーモードや送信モードやファクシミリモードやボックスモードや拡張モード等を含む、画像形成装置100が具備する複数の動作モード(機能とも呼ぶ)の中から所望の動作モードをユーザにより選択させるための操作指示キー(操作ボタン)を具備する機能選択部1201、1つは、該機能選択部1201を介して選択された動作モードにて処理対象となるジョブデータ(画像データ)に対して各種の処理条件(例えば印刷設定パラメータ等)をユーザにより設定するための操作指示キーを具備した処理条件設定部1202、さらにもう1つは、画像形成装置100の動作状況を示す各種のステータス情報(画像データ読込中、プリント中等の動作状況情報、原稿ジャム、記録紙ジャム、ステイプルジャム等の各種のエラー情報、トナー切れ、紙なし等の各種の警告情報などを含む)をユーザに通知確認可能にするためのステータス表示部1203である。
このように、LCD316に表示させる表示画面の内容として、本実施形態ではこれら3つの表示構成要素を有す。処理条件設定部1202は、機能選択部1201で選択されたモードに応じた表示内容となるよう表示制御される。機能選択部1201は、他の画面に遷移しても機能できるように(例えば、他の画面に移行しても機能選択部1201が表示されているような操作画面で、機能を選択できる構成)表示制御される。ステータス表示部1203は、どの画面に遷移しても常に画像形成装置のステータス情報がユーザにより確認できるように(例えば、どの画面に切り替えてもステータスライン1703が表示部に表示されているような状態にする)表示制御される。
本画像形成装置100は、スキャナ等のリーダ部103からのジョブデータ(画像データ)をハードディスク等の画像メモリ107を介してプリンタ部104でプリントさせるコピーモードを有している。また、画像形成装置100は、クライアントコンピュータ300、400、他のデジタル複合機500、ファクシミリ装置600等の外部装置からのジョブデータをハードディスク等の画像メモリ107を介してプリンタ部104でプリントさせる外部プリントモードも有している。さらに、画像形成装置100は、リーダ部103から出力されたジョブデータや上記外部装置から出力されたジョブデータをハードディスク等の画像メモリ107内部の所定の記憶領域(ボックス領域)に格納・保持させ、当該ボックスへのジョブデータの格納後、操作部102から所望のジョブデータを選択して、その時点でプリンタ部104でプリントさせたり、コンピュータインタフェース部106により外部装置へ送信処理させることが可能なボックスモードも有している。このように本実施形態の画像形成装置100は、少なくとも2つの動作モードを含む複数の動作モードを具備しているが、これだけに限らず、いずれか1つの動作モードのみを有する単一機能の画像形成装置であっても良い。
図5は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の画像メモリ107の論理的な使用方法の一例を示す図である。本実施形態においては、ハードディスク等の画像メモリ107内の記録領域を使用用途に応じて、テンポラリ領域501とボックス領域502に論理的に分けて使用する。ここで、テンポラリ領域501は、例えば、画像データの出力順序を変えたり、複数部出力においても一回のスキャンで出力ができるようにしたりするために、PDL展開データやスキャナからの画像データを一時的に記録する記録領域である。
一方、ボックス全体領域502は、ボックス機能を使用するための記録領域であり、図5に示すように、さらに小さな複数の記録領域(ボックス)503〜507に分割されている。ボックス503〜507は、各ユーザや会社等の部署毎に割り当てられている。ユーザはボックスを指定することでPDLジョブやスキャンジョブを各ボックスに入力することができ、実際にボックスの中を見たり、設定変更やプリント出力を行うことができる。
図6は、本発明の一実施形態における画像形成装置100の操作部102のボックスキー305を押下した場合にLCD316上に表示される画面の一例を示す図である。この画面はユーザにボックスを選択させるための画面であり、図6において601はそのボックス番号、ボックス名、或いは、そのボックスが画像メモリ107のボックス全体領域502に対してどの程度の容量を占めているかというような各種情報を表示する。また、602及び603は、それぞれ上下スクロールキーであり、符号601で示された各種表示を超える数のボックスが登録されている場合に、画面をスクロールするために使用する。
ユーザが図6に示すLCD316上に表示された画面上のボックス番号のいずれかを押下すると、図7に示すボックス内画面に遷移し、当該ユーザが各ボックスにアクセスできるようになる。図7は、本発明の一実施形態における画像形成装置100の操作部102のLCD316上に表示されるボックス内画面の一例である。図7において、701はボックス内に記憶されているファイルのリストであり、各ファイルの登録日時やファイル名等がリスト表示される。例えば、所望するファイルを選択するためには当該ファイルのファイル名を押下する。これにより、例えば、現在選択されているファイルが反転表示される。また、トグル(toggle)動作になっており、一度選択したファイル名をもう一度押下すると選択が解除されるようにしてもよい。
また、702は選択されたファイルの選択順序を示す表示であり、図7に示す画面例の場合には「ファイル名5」、「ファイル名1」、「ファイル名4」の順に選択されている。さらに、703はスキャンキーであり、現在開いているボックスにスキャナから画像を入力する場合に使用し、図示していないスキャンの設定画面に遷移する。704はプリントキーであり、701で選択しているファイルをプリントする場合に使用する。
さらにまた、705は設定変更キーであり、選択されたファイルのプリント設定を変更するためのキーである。但し、設定変更キー705は、選択されたファイルが1つの場合にのみ押下することが可能であるとする。尚、設定変更キー705における設定変更項目には、プリント部数やプリントモードの追加がある。
一方、706は消去キーであり、701で選択しているファイルを消去する場合に使用する。また、707は全選択キーであり、701に表示されているファイルを全部選択する場合に使用する。尚、当該全選択キー707によりファイルを全選択した場合には、選択順序は例えば701に表示された順のままとする。或いは、選択後、指定するようにしても良い。また、708と709はそれぞれ上下スクロールキーであり、701の表示を超える数のファイルが登録されている場合に、画面701をスクロールするために使用する。710は閉じるキーであり、図6に示す画面に戻るときに使用する。
図8は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置100を用いたボックス登録処理手順を説明するためのフローチャートである。尚、ボックスへの登録処理は、ホストコンピュータ109からネットワークを介して入力されたPDLデータに基づく画像(以下、「PDL画像」と称す。)の登録と、スキャナからのスキャン画像の登録とがあり、それぞれ図8(a)及び図8(b)に示す。
まず、PDL画像を登録する場合、ユーザはPC109上でプリント設定を行う(ステップS801)。プリント設定内容としては、例えば、部数、用紙サイズ、拡大縮小率、片面/両面、ページ出力順序、ソート出力、ステイプル止めの有無等である。次いで、PC109上でボックス番号を設定することで、画像メモリ107のボックス領域502内の領域を指定する(ステップS802)。例えば、ボックス番号の「1」が指定されると、ボックス全体領域502内のボックス領域503が指定されることなる。また、ボックス番号の「1」及び「2」が指定されると、ボックス全体領域502内のボックス領域503、504が指定される。
次いで、ユーザがPC109上で印刷指示を与えると、それと共にPC109上にインストールされているドライバソフトウェアが印刷対象となるコードデータがいわゆるPDLデータに変換され、ステップS801で設定されたプリント設定パラメータとともに、画像形成装置の画像入出力制御部105にPDLデータを転送する(ステップS803)。そして、転送されたPDLデータを画像データに展開(ラスタライズ)する(ステップS804)。
ステップS804において画像データの展開が完了すると、展開された画像データが画像メモリ107のボックス全体領域502に順次記録(格納)される(ステップS805)。例えば、ボックス番号が「1」のときは、ボックス領域503内に記録されるが、その際にステップS801で設定したプリント設定パラメータも同ボックス領域503に記録される。また、例えば、ボックス番号が「1」及び「2」のときは、展開された画像データとプリント設定パラメータがボックス領域503、504内に記録される。ボックス番号が「2」、「3」のときは、それぞれボックス領域504、505に記録される。尚、複数のボックス番号が指定された場合の画像データとプリント設定パラメータの記録処理の詳細については後述する。
一方、スキャン画像を登録する場合は、まず画像データを入力するボックス番号を指定する(ステップS806)。次いで、画像処理等のスキャン設定を指定する(ステップS807)。さらに、スキャンスタートの指示を出すことで、リーダ部103で原稿を読み取らせる(ステップS808)。そして、ステップS808で読み取られた画像をステップS806で指定されたボックス領域に格納する(ステップS809)。
以下、図9〜図11を用いて、複数のボックス番号が指定された場合の画像データとプリント設定パラメータの記録処理の詳細について説明する。図9は、画像データとそのジョブ情報とがボックス領域に格納される際の記録構造の一例を示す図である。図9には、図6に示すボックス領域1内に文書Aと文書Bが記録されており、ボックス領域2内に文書Cが記録されており、ボックス領域3内に文書Dが記録されているものとする。
図9に示されている文書Aから文書Dは、それぞれ文書情報を意味している。また、各文書情報には、画像データファイル(画像(実体))とジョブ情報(ジョブ情報(実体))が含まれる。ジョブ情報には、例えば、印刷部数やステイプル等のフィニッシング情報、その文書が含むページ数、両面情報等、文書全体に関するプリント属性と、各ページの解像度や用紙サイズ、画素数等のページに関するプリント属性とが格納されている。
ここで、図9に示した状態のボックス領域に、新たな文書の記録先としてボックス領域1〜3が指定された複数のジョブが投入された後の各ボックス領域の状態について説明する。図10は、図9に示す状態のボックス領域に新たな文書に関する画像データとジョブ情報とが各ボックス領域に格納される際の記録構造の一例を示す図である。
図10では、ホストコンピュータ109から複数ボックス指定ジョブで入力された画像データとそのジョブ情報が、まずボックス領域1内で文書Eとして記録されている。また、ボックス領域2は、文書Fとして、ボックス領域1で記録された画像データに対するショートカットとボックス領域1に記録されたジョブ情報のコピーが記録されている。さらに、ボックス領域3では、文書Gとしてボックス領域1に記録された画像データに対するショートカットとボックス領域1に記録されたジョブ情報のコピーが記録されている。
このように、本実施形態に係る画像形成装置では、大きなデータ量になり得る画像データについては、そのコピーを作らずに代わりにショートカットを記録するようにして、メモリを効率的に使用可能とするような記録構造になっている。また、本実施形態では、ジョブ情報をショートカットではなくコピーすることによりボックス領域に記録するが、これは図7で示す設定変更ボタン705で操作可能な設定変更機能を用いることができるからである。すなわち、設定変更機能では、ジョブ情報に含まれる出力部数の変更やフィニッシング設定の追加が可能であるため、画像は同一であってもその画像を処理するための異なるジョブ情報を各文書毎に持つ必要があるためである。
図11は、図8のステップS805において新たな画像データとそのジョブ情報の記録先として複数のボックスが指定された場合の細部格納処理を説明するためのフローチャートである。
まず、ホストコンピュータ109から与えられた新たな画像データとそのジョブ情報を記録する複数の記録先のリストの先頭に登録されているボックス領域を取得する(ステップS1101)。そして、当該新たな画像データとそのジョブ情報を取得したボックス領域に記録する(ステップS1102)。次いで、記録先のリストのうち未記録のボックス領域があるかどうかを判別する(ステップS1103)。その結果、未記録のボックス領域がある場合(Yes)はステップS1104に進み、未記録のボックス領域がない場合(No)は終了する。
ステップS1104では、残っている記録先リストから未記録のボックス領域を1つ取得する。次いで、ステップS1102で記録した画像データへのショートカットを作成して取得されたボックス領域に記録する(ステップS1105)。さらに、ステップS1102で記録したジョブ情報のコピーを作成して上記ボックス領域に記録し(ステップS1106)、その後ステップS1103に戻る。このようにして、画像データとそのジョブ情報記録先として複数のボックスが指定された場合の画像データとジョブ情報の記録を行う。
このように、本実施形態に係る画像形成装置を用いることによって、同じ画像データについて複数のジョブ情報を与える場合、当該画像データの処理を実行するためのジョブ情報をそれぞれのボックス領域に記録させて、画像データ自身はいずれかのボックスにオリジナルを記録し、他のボックスにはオリジナルの画像データのショートカットを記録するので、同一の画像データを必要とするボックスに対して重複して同一の画像データを記録させる必要がなく、重複画像データを記録するために必要となるハードディスク等を効率的に使用することができる。
ここで、図9〜図11の説明を含む本実施形態が開示する制御の具体的補足説明を行う。特に、データ処理装置の一例としての本画像形成装置100と、該装置100に対して処理対象となるジョブのデータを送信するデータ送信元のデータ発生装置とが、本実施形態のボックス機能を実現する上で、如何なる動作を、如何なるユーザインタフェースを用いて、実行するのか、具体例を挙げる。即ち、これらデータ処理装置及びデータ発生装置を含んだ本実施形態のデータ処理システム全体の動作制御例を説明する。
尚、本実施形態におけるデータ発生源となるデータ発生装置の具体例は、図1のコンピュータ200、300、400、他のデバイス500、600等である。又、画像形成装置100自身が具備するリーダ部103自身も、データ発生源であり、データ発生装置の一例に該当する。何故なら、リーダ部1も画像データを生成し且つプリンタ部104にデータを送信する装置である。且つ、ユーザインタフェースの一例としての操作部102もリーダ部1の筐体上に設置されているからである。但し、本実施形態で開示する各種制御を実現可能なシステム構成、装置構成であるならば、如何なるシステム・装置構成であっても良い。
ここでは、本画像形成装置100のプリンタドライバのダウンロードが完了したクライアントコンピュータ300(以下、ホスト300と呼ぶ)を用いて説明する。尚、当該装置100のプリンタドライバのダウンロードの方法は、例えば、インターネット経由でホームページからデータをダウンロードする方法、CD−ROM等の記憶媒体をホスト300自身にセットした上で当該記憶媒体からデータをダウンロードする方法等がある。
まず、例えば、ホスト300にて文書作成ソフト等のアプリケーションを起動させる。これにより、処理対象となる文書データのファイルを、ホスト300のホスト300の操作部が具備する表示部(ディスプレイ)に、オープンさせる。
その後、ホスト300が具備する操作指示ユニット(例えば、ホスト300のキーボードやマウス等のポインティングデバイス)を用いて、ホスト300のユーザによる所定のキー操作がなされたとする。これを受け、ホスト300の制御部は、ホスト300の該表示部に、図13の画面1300を、表示させる。図13のユーザインタフェース画面は、本画像形成装置100のプリンタドライバ画面の一例である。
本実施形態では、このホスト300の表示部に表示させた画面1300上のモード選択キー1301を介して、本画像形成装置100により実行させるべき動作モードを、ユーザにより選択可能出来るように、ホスト300の制御部によりホスト300を制御する。
例えば、ホスト300のユーザが、キー1301をマウスを用いてクリックしたことに応答して、ホスト300の制御部は、図14のような表示をホスト300の表示部に実行させる。
ここで、例えば、モード選択欄1301を介して「印刷モード」がユーザにより選択されOKキー1302が押下されたとする。この場合、ホスト300の制御部は、画像形成装置100により処理させるべきジョブのデータとして、(1)プリントデータ(この例では文書データ)、(2)印刷条件等のジョブ情報、(3)印刷モード実行コマンド等を、ネットワーク700経由で、画像形成装置100に送信する。
一方、このジョブのデータをインタフェース部106により受信した画像形成装置100は、ホスト300からの指示に応じた動作が実行されるように、制御部108により、制御される。具体的には、ホスト300からは、動作モードとして「印刷モード」が指示されている。故に、制御部108は、当該ジョブのプリントデータを、画像メモリ107のハードディスクを介して、そのまま、プリンタ部104にて、ホスト300のプリンタドライバ画面1300を介して設定された印刷条件に基いて、プリント処理を実行させる。
本実施形態では、このように、プリンタドライバ1300のモード選択欄1301を介して、データ発生装置から投入される処理対象のジョブのデータに対する動作モードを、データ発生装置のユーザにより選択可能に制御する。尚、印刷モード以外にも、セキュアプリントモード、追越印刷モード、等も選択可能に制御している。
又、本実施形態では、更に、ユーザインタフェースユニットの一例としての上記プリンタドライバ1300のモード選択欄1301を介して、「保存モード」をユーザにより選択可能に制御している。
例えば、図14に示すプリンタドライバ画面1300のモード選択欄1301を介して「保存モード」がユーザにより選択されOKキー1302が押下されたとする。これを受け、ホスト300の制御部は、図15に示すような、ダイアログ画面をホスト300の表示部に表示させる。ダイアログ画面では、保存モードにてユーザが行うべき操作のガイダンス並びに確認を促す。そして、キー1501がホスト300のユーザにより押下されたことに応答し、ホスト300の制御部は、ホスト300の表示部に、図16に示すボックス設定画面1600を表示させる。
図16の画面1600は、ホスト300にてプリンタドライバ1300を介してユーザにより保存モードが選択された場合に、ホスト300の制御部が、ホスト300に表示させる画面である。
画面1600は、画像形成装置100が具備する画像メモリ107内部のハードディスクに存在する複数のボックス(本実施形態では、100個のボックス)のうちの、どのボックスに、当該ホスト300から送信対象となるジョブのデータを保存させるのか、ホスト300のユーザにより選択可能にする為のユーザインタフェースの一例である。この画面1600を介して、例えば以下の操作を、データ発生装置の一例としてのホスト300にて、ユーザにより実行可能に構成している。
(1)ホスト300から画像形成装置100のボックスに保存させるジョブのデータ(プリントデータ)の名称を、画面1600の名称記入欄1601を介して、ホスト300のユーザにより、入力可能にする。その際、ホスト300のアプリケーションで作成したファイルのファイル名をそのまま利用するか、ファイル名を変更し、当該画面を介してキーボード入力するか、ユーザにより選択可能にする。
(2)ホスト300から送信すべきジョブのデータを画像形成装置100が具備するハードディスク内のボックスに保存させるにあたり、複数のボックスのうちのどのボックスに当該処理対象のジョブデータを保存させるかを、ボックス選択リスト1602を介して、ホスト300のユーザにより選択可能にする。
上記(2)について詳細に説明する。ホスト300の表示部に表示させるボックス設定画面1600のボックス選択リスト1602には、ジョブのデータ送信先の画像形成装置100が具備する複数のボックスの一覧表示を実行させる。リスト1602における一覧表示では、画像形成装置が具備するボックスのボックス番号と、画像形成装置100の操作部102を介してユーザにより予め登録済のボックス名称を、ユーザにより識別可能に表示させる。尚、この情報は、例えば、現在選択対象の画像形成装置、即ち、装置100からネットワーク経由で獲得した情報を反映させる。該リスト1602にて、例えば、ボックス番号1には「画像形成装置100のボックス名1」という名称が登録されていることを示す。尚、ボックス名称は、未登録のままでも当然利用可能である。
本実施形態では、ボックス選択リスト1602を介して、ホスト300のユーザにより、ジョブのデータを保存させるべきボックスを1個のみ選択する場合と、複数個選択する場合の、両操作に対応出来るように、ホスト300の制御部により、ホスト300を制御する。
まず、前者について、図9や図17を用いて説明する。ここでは、ホスト300から送信されるドキュメントデータを、画像形成装置100のハードディスクに設けられた複数のボックス(例えば、100個のボックス)のうちのボックス番号2のボックスに、保存させる例をあげる。
例えば、ホスト300で作成した6ページかなる文書Cのデータを、ファイル名をそのまま利用して、ボックス2に保存させる場合、まず、ホスト300のユーザが、画面1600の名称記入欄1601にて「ファイル名を使用」欄をマウス操作でチェックする。これを受け、ホスト300の制御部は、図17に示すように、当該文書Cのファイル名を名称記入欄1601にセットさせる。次に、ホスト300のユーザのキー操作により、ボックス選択リスト1602を介して、ボックス番号2を選択する。この当該ボックスの選択操作に応答し、ホスト300の制御部は、リスト1602に、その選択状況を反映させるようホスト300の表示部を制御する。図17の表示状態は、現在、ボックス番号2のボックスが1個だけ選択されている状態を示している。
以上、ホスト300における、ユーザによる画像形成装置100に対する一連の処理条件の設定が完了した状態で、画面1600のOKキー1701が押下されたことを受け、ホスト300の制御部は、図13のプリンドライバ画面1300に戻る。
そして、画面1300のOKキー1302がホスト300のユーザにより押下されたことに応答し、ホスト300から画像形成装置100に対して、当該ジョブのデータを送信する。具体的には、(1)文書Cの画像データ自体(6ページ分のプリントデータ)、(2)当該文書Cのデータの処理条件(例えば、用紙サイズは「A3サイズ」、出力部数は「3部」、フィニッシィングの設定は「ソート」、両面印刷設定、等、各種印刷処理条件を含む)等のジョブ情報、(3)「画像形成装置100に対する動作モードは保存モードであり、且つ、当該データを保存すべきボックスはボックス番号2のボックスである」旨を画像形成装置100の制御部108に通知する為のコマンドデータである。
このような一連の設定がなされたうえでホスト300から投入されたジョブデータを、画像形成装置100が、受信した場合、制御部108は、上記ジョブデータに含まれる各種ホストからの指示に基き、例えば以下のように本画像形成装置100を制御する。
(1)ホスト300から受信した文書データC(6ページ分)の実体画像データ、及び、ジョブ情報を、関連付けて、画像形成装置100が具備するハードディスク107内部のボックス番号2のボックスの為に割当てた記憶領域(図5のボックス領域504)に保存させる。尚、この時点での、ボックス2のボックス領域504におけるデータ蓄積状況は、例えば、図9のような状態である。
(2)上記ボックス番号2のボックスに保存させた上記ジョブデータに対する各種操作を、画像形成装置100の操作部102を介して、画像形成装置100のユーザにより、実行可能に、画像形成装置100のユーザインタフェースユニット(図4の操作部102並びに表示部316を含む)を制御する。
上記(2)に関し具体例を挙げる。例えば、画像形成装置の操作部102の表示部316に表示させた図12の画面において、「ボックス」キーがユーザにより押下されると、これを受け、画像形成装置100の制御部108は、表示部316に図6のボックス選択画面を表示させる。そして、ボックス選択リスト601でボックス番号2のボックスがユーザにより選択されると、これを受け、制御部108は、表示部316に、図18のボックス文書選択画面1800を表示させる。
この画面1800は、図6のボックス選択画面でユーザにより選択されたボックスのデータの為の各種操作をユーザにより実行可能にする為のユーザインタフェースである。この画面1800を介して、例えば、現在選択対象のボックス(ここでは、ボックス2)に対してデータを格納させる為のユーザ指示を、原稿読込キー1802を介して、受付可能にする。又、該ボックスに関連付けられた状態でハードディスク107のボックス領域502に保存されているデータを、プリンタ部104によりプリントさせる指示、及び、外部装置に対してデータ送信させる指示、等、各種指示をユーザにより受付け可能にする。
尚、該ボックスに関連付けられた状態でハードディスク107のボックス領域502に保存済のデータとは、当該ボックス自身に保存されている実際の実体画像データ自身だけではない。本実施形態では、該ボックスには存在しないものの、本実施形態のショートカット機能により、本装置100のハードディスク107から読出可能な他のボックスのボックス領域に格納されている実体画像データも含まれる。
図18の例では、図6の画面にてボックス番号2のボックスがユーザにより選択されたので、制御部108は、ボックス番号2のボックスの為の文書選択画面1800を表示部316に表示させている。
本実施形態では、ボックス文書選択画面1800の文書選択リスト1801を介して、出力すべき文書データをユーザにより選択可能に構成している。且つ、選択可能な候補をリスト形式で表示させるように制御している。尚且つ、どのようなドキュメントが選択対象のボックスに格納されているのかユーザにより識別可能な情報を表示させるよう制御している。例えば、この例では、図13〜図17で述べたようにホスト300のプリンドライバからの指示に基いて、文書Cの名称情報、そのジョブの用紙サイズ情報、ページ数、当該ボックスへの格納日時を、表示させるよう制御部108により表示部316が制御されている。
更に、本実施形態では、現在、閲覧中のボックス文書選択画面1800に情報が表示されている当該文書データの実際の実体画像データが、現在選択対象のボックスに保存されているのか、それとも、他のボックスに保存されているのかを、ユーザが識別出来るようにする為の識別情報も、表示部316により表示させる。例えば、制御部108は、文書選択リスト1801上の文書名を表示領域近傍に「実画像 有り」と表示させる。
このように、制御部108は、現在選択対象のボックス番号2に対応するボックス(ボックス領域504)に、文書Cという名称のドキュメントデータの実体画像データが保存されている事をユーザにより識別可能にする為の識別情報を、表示部316に、表示させる。且つ、制御部108は、そのドキュメントが当該ボックスに10月8日12時に保存された事をユーザが識別可能にする為の情報も表示させる。且つ、そのドキュメントはA3サイズの6ページからなるドキュメントである事をユーザが識別可能にする為の情報も表示させる。
次に、図18の画面1800上のリスト1801を介してユーザが文書Cを選択したとする。具体的には、表示部316は液晶タッチパネルなので、リスト上の文書Cの表示列をユーザが指でタッチすることで選択できる。この操作を受け制御部108は、当該画面を図19のような表示状態に遷移させる。図19は、図18の画面でユーザにより所望のドキュメントが選択された場合の表示状態である。
図19に示すように、リスト1801を介してユーザによりドキュメントが選択されたことに応じて、制御部108は、どのドキュメントが選択されたのかをユーザにより識別できるようにリスト1801の表示状態を変化させる。
又、制御部108は、リスト1801でユーザによりドキュメントが選択されたことに応じて、画面1800リスト1801の表示領域下部に、該選択されたドキュメントに対する各種指示をユーザにより入力可能にする為の表示キーを表示させる。
例えば、図19のように、画面1800のリスト1801で選択されたドキュメントの詳細情報を表示部316に表示させる為の指示をユーザにより入力可能にする為の詳細情報キー1901を表示させる。又、画面1800のリスト1801で選択されたドキュメントデータをハードディスク107から消去させる為の指示をユーザにより入力可能にする為の消去キー1902を表示させる。又、画面1800のリスト1801で選択されたドキュメントデータのプリント処理をプリンタ部104に実行させる為の指示をユーザにより入力可能にする為のプリントキー1903を表示させる。又、画面1800のリスト1801で選択されたドキュメントデータの送信処理をインタフェース部106に実行させる為の指示をユーザにより入力可能にする為の送信キー1904を表示させる。又、画面1800のリスト1801で選択されたドキュメントデータの編集処理やプレビュー表示を実行させる為の指示をユーザにより入力可能にする為の編集キー1905を表示させる。
そして、例えば、図19の画面状態で、ユーザによりプリントキー1903が押下されたとする。これを受け、制御部108は、図20に示す画面2000を表示部316に表示させる。図20の画面2000は、ボックス文書選択画面1800のリスト1801を介してユーザにより選択されたドキュメントのプリント処理をプリンタ部104に実行させる際に表示部316に表示させるプリント設定画面である。
制御部108は、リスト1801を介して選択されたドキュメントに対して予め設定されている処理条件(ジョブ情報)をボックス領域から参照し、そのパラメータを当該画面2000上で反映させるよう表示制御を行う。
例えば、現在選択対象の文書Cという6ページからなるドキュメントは、ホスト300のプリンタドライバ1300を介して、用紙サイズは「A3サイズ」、出力部数は「3部」、フィニッシィングの設定は「ソート」、両面印刷設定、等、各種印刷処理条件が設定されたうえで、ホスト300から保存モードで当該ボックス2に投入されたドキュメントである。故に、それら各種パラメータを、図20の画面の表示領域2001で反映表示させる。
尚且つ、制御部108は、画面2000上に、選択対象のドキュメントに対して既に設定済みの処理条件(この例では、用紙サイズ「A3サイズ」、出力部数「3部」、フィニッシィング設定「ソート」、両面印刷設定)をユーザにより設定変更可能にする為の表示キーを表示させる。その例として、図20のように、画面2000の領域2001に「用紙選択」キーや「ソータ」キーや、「両面プリント」設定キーなどを表示させる。又、実際に印刷処理をプリンタ部104に開始させる指示をユーザから受付け可能にする為のプリント開始キー2002も画面2000に表示させる。
そして、上記選択されたドキュメントに対する処理条件の設定変更がなされたうえで、プリント開始キー2002がユーザにより押下された場合には、制御部108は、現在選択対象の文書Cのプリント処理を、画面2000を介して設定変更された処理条件でもって、プリンタ部104により実行させる。一方、上記選択されたドキュメントに対する処理条件の設定変更はユーザにより行われずに、そのまま、プリント開始キー2002がユーザにより押下された場合には、制御部108は、現在選択対象の文書Cのプリント処理を、予め設定済の処理条件(この例では、用紙サイズ「A3サイズ」、出力部数「3部」、フィニッシィング設定「ソート」、両面印刷設定)でもって、プリンタ部104により実行させる。
尚、当該文書Cの実際の実体画像データは、ハードディスク107内の当該ボックス番号2に対応するボックス記憶領域504に格納されている。且つ、当該文書Fの為のジョブ情報(上述の各種一連の印刷処理条件データや文書名データやボックス格納日時やページ数情報を含む)も、当該ボックス領域504に、該文書Cの画像データと関連付けて登録されている。制御部108は、上記ユーザの操作に応答し、ハードディスク107の上記ボックス領域504から、上記文書Cの実体画像データ及びジョブ情報を読み出して、上記操作部102を介して入力されたユーザからの指示に基いて、該文書Cの処理を本装置100に実行させる。
以上の図13〜図20の説明は、本画像形成装置100(データ処理装置の一例に相当)が具備するハードディスク107内部に用意された複数のボックスの中から1個のボックスのみが、ホストコンピュータ300(データ発生装置の一例に相当)のユーザインタフェースを介して、ホスト300のユーザにより選択された上で、ホスト300から本画像形成装置100のボックスに対して、ジョブデータ投入された場合に、実行させる制御である。このような一連のボックス操作は、他のボックスでも同様に提供可能になっている。
例えば、ホストコンピュータ(300や400等)において、ユーザにより、文書Aというドキュメントが選択される。且つ、プリンタドライバ1300の動作モード選択欄1301を介して「保存モード」が選択される。且つ、プリンタドライバ1300のボックス選択画面1600を介して、「画像形成装置100のボックス1」が1個選択される。且つ、該文書Aの為の各種処理条件がプリンタドライバ1300を介して設定される。そのうえで、プリンタドライバ1300のOKキー1302が押下され、ホストから画像形成装置100に当該ジョブのデータが送信されたとする。
この場合、制御部108は、ハードディスク107のボックス番号1に対応するボックスの領域503に、当該文書Aのデータ(実体画像データ)と、該文書Aに対してセットされたジョブ情報(ページ数等の画像データ固有の情報や、画像データに対してユーザにより設定された印刷処理条件等を含む)を保存させる。そして、ユーザが本画像形成装置の操作部102の表示部316に表示させる図6の画面を介してボックス番号1のボックスを選択すれば、ボックス番号1の為のボックス文書選択画面1800を表示させ、図18〜図20で説明した各種処理と同様の処理を実行可能に制御部108により制御する。
例えば、ホストコンピュータ(300や400等)において、ユーザにより、文書Dというドキュメントが選択される。且つ、プリンタドライバ1300の動作モード選択欄1301を介して「保存モード」が選択される。且つ、プリンタドライバ1300のボックス選択画面1600を介して、「画像形成装置100のボックス3」が1個選択される。且つ、該文書Dの為の各種処理条件がプリンタドライバ1300を介して設定される。そのうえで、プリンタドライバ1300のOKキー1302が押下され、ホストから画像形成装置100に当該ジョブのデータが送信されたとする。
この場合、制御部108は、ハードディスク107のボックス番号3に対応するボックスの領域505に、当該文書Dのデータ(実体画像データ)と、該文書Dに対してセットされたジョブ情報(ページ数等の画像データ固有の情報や、画像データに対してユーザにより設定された印刷処理条件等を含む)を保存させる。そして、ユーザが本画像形成装置の操作部102の表示部316に表示させる図6の画面を介してボックス番号3のボックスを選択すれば、ボックス番号3の為のボックス文書選択画面1800を表示させ、図18〜図20で説明した各種処理と同様の処理を実行可能に制御部108により制御する。
以上の操作を行えるように制御することで、図9のようなデータ構造になる。
そして、上述例のように、ホスト300のユーザインタフェースを介して、処理対象のジョブデータを保存すべきボックスとして、ユーザにより選択されたボックスの数が、1個のみであるとする。この場合、画像形成装置100の制御部108は、自装置の操作部102を介して、そのボックスをユーザが操作することを条件に、該ジョブのデータの処理を実行することを許可する。図18の例ならば、文書Cの画像データは、表示部316に表示させるボックス選択画面601を介してボックス番号2のボックスがユーザにより選択操作された場合においてのみ、プリント処理や消去処理や編集処理や送信処理等の各種処理を本装置100により実行させることを許可する。換言すると、ボックス選択画面601を介して他のボックスをユーザが選択した場合等、ボックス番号2のボックスの選択操作以外の操作がユーザにより実行されたとする。この場合は、制御部108は、上記文書Cの画像データに対する処理の実行を禁止する。
図9で説明すると、ボックス1のボックス領域503に保存された文書Aのジョブのデータ、及び、文書Bのジョブのデータは、画像形成装置100の操作部102を介してボックス番号1がユーザにより選択された場合において、各種処理の実行を許可する。一方、ボックス1以外のボックスが選択された場合には文書Aのジョブのデータや文書Bのジョブのデータに対する処理は禁止とする。又、ボックス3のボックス領域505に保存された文書Dのジョブのデータは、画像形成装置100の操作部102を介してボックス番号3がユーザにより選択された場合において、各種処理の実行を許可する。一方、ボックス3以外のボックスが選択された場合には文書Dのジョブのデータは処理禁止とする。
以上のような一連の制御を実行可能な構成を前提とし、本実施形態では、以下のような一連の制御も、上記ボックス機能を用いて、提供可能にしている。
図17の例では、プリンタドライバ画面1300のボックス設定画面1600を介してボックスを1個のみ選択した。本実施形態では、プリンタドライバ画面1300のボックス設定画面1600を介して保存先となるボックスをユーザにより2個以上選択する事も可能に制御している。以下に具体例を挙げる。
例えば、ホスト300で作成した4ページかなる文書Eのデータを、ファイル名をそのまま利用して、本画像形成装置100のボックス1及びボックス2並びにボックス3の3つのボックスに保存させる場合の制御について説明する。
まず、ホスト300のユーザが、文書Eのアプリケーションを起動させたうえで、ホスト300の表示部に表示させたプリンタドライバ画面1300のモード選択欄1301で「保存モード」を選択する。これを受け、ホスト300の制御部は、ホスト300の表示部にボックス設定画面1600を表示させる(図13→図14→図15→図16のホストのプリンタドライバ1300の一連の表示遷移制御を参照)。
そして、図16を参照し、ホスト300のユーザが、ボックス設定画面1600の名称記入欄1601にて「ファイル名を使用」欄をマウス操作でチェックする。且つ、ボックス設定画面1600のボックス選択リスト1602を介して、「ボックス番号1」のボックスを選択し、次いで「ボックス番号2」のボックスを選択し、最後に「ボックス番号3」のボックスを選択したとする。この一連のユーザの操作に応答し、ホスト300の制御部は、ボックス設定画面1600の表示内容を、当該ユーザ操作に連動した表示内容となるホスト300の表示部を制御する。この例を、図21に示す。
図21の如く、本実施形態では、ホスト300のボックス設定画面1600を介して、文書Eというファイル名のドキュメントデータの保存先として、画像形成装置100が具備するハードディスク107内のボックス1(ボックス領域503)、2(ボックス領域504)、3(ボックス領域505)の3個のボックスが選択された事を、ユーザにより識別可能に制御する。このような表示制御をホスト300の制御部はホスト300の表示部に対して実行する。
尚、リスト1602で複数個のボックスを選択するにあたり、所望のボックスに対応する表示ラインにポインタを合わせてマウス操作によりクリックすることで、一個ずつ、リスト1602上で、保存先ボックスを選択可能にする。ここで、ホスト300の制御部は、選択された複数のボックスの、それらの選択順序も監視しており、その選択順序に関しても、ユーザが識別出来るように、リスト1602の表示内容を制御する。図21の例では、上から順番に、1番目に「ボックス1」が選択され、2番目に「ボックス2」が選択され、3番目に「ボックス3」が選択されたことを識別可能になるよう表示制御を実行している。
そして、ホスト300のユーザが、上述の如く、一連の操作により3つのボックスの選択が完了した上で、OKキー1701を押すと、プリンタドライバの基本画面に戻る。
尚、この際に、当該4ページかなる文書Eのジョブの処理条件も、一緒に設定可能に制御する。ここでは、プリンタドライバ1300を介して、用紙サイズは「A4サイズ」、出力部数は「5部」、フィニッシィングの設定は「ステイプルソート」、片面印刷する、等の印刷処理条件が設定されたものとする。
以上、処理対象となる文書Eのジョブに対する一連の設定操作がユーザにより全て完了し、プリンタドライバ1300のOKキー1302が押下されたとする。これを受け、ホスト300の制御部は、当該文書Eに対するデータ送信命令をホスト300のユーザから受け付けたものとし、ホスト300から画像形成装置100に対して、当該文書Eのジョブのデータを送信する。
具体的には、(1)文書Eの画像データ自体(4ページ分のプリントデータ)、(2)当該文書Eのデータの処理条件(例えば、用紙サイズは「A4サイズ」、出力部数は「5部」、フィニッシィングの設定は「ステイプル」、片面印刷設定、等、各種印刷処理条件を含む)等のジョブ情報、(3)「画像形成装置100に対する動作モードは保存モードであり、且つ、当該データを保存すべきボックスはボックス番号1、2、3の3つのボックスである」旨を画像形成装置100の制御部108に通知する為のコマンドデータである。
このホスト300からの文書Eに関するジョブデータを画像形成装置100が受信した場合、本画像形成装置100の制御部108は、上記ジョブデータに含まれる各種ホストからの指示に基づき、以下のように本画像形成装置100を制御する。
(1−1)ホスト300から受信した文書データE(4ページ分)の実体画像データ、及び、ジョブ情報(実体)を、関連付けて、画像形成装置100が具備するハードディスク107内部のボックス番号1のボックスの為に割当てた記憶領域(図5のボックス領域503)に保存させる。尚、このジョブ情報は、「A4サイズ」、「5部」、「ステイプル」、「片面印刷設定」、等、文書Eの為の各種一連の印刷処理条件データが含まれる。
(1−2)尚且つ、文書データE(4ページ分)の実体画像データをハードディスク107から読出実行可能にする為の命令コマンドデータとして、「文章Eの画像実体へのショートカット」機能の役目を果たすデータ(図10の例では、文書Fと定義される)を、画像形成装置100が具備するハードディスク107内部のボックス番号2のボックスの為に割当てた記憶領域(図5のボックス領域504)に保存させる。但し、上記ジョブ情報は、実体データをボックス2に保存させる。
(1−3)尚且つ、文書データE(4ページ分)の実体画像データをハードディスク107から読出実行可能にする為の命令コマンドデータとして、「文章Eの画像実体へのショートカット」機能の役目を果たすデータ(図10の例では、文書Gと定義される)を、画像形成装置100が具備するハードディスク107内部のボックス番号3のボックスの為に割当てた記憶領域(図5のボックス領域505)に保存させる。但し、上記ジョブ情報は、実体データをボックス3に保存させる。
上述の(1−1)〜(1−3)の処理により、ハードディスク107のボックス領域502のデータ構造は、図9の状態から図10の状態になる。
(2−1)上記ボックス番号1のボックス(ボックス領域503)に文書Eの実体画像データと文書Eの為のジョブ情報(実体)を保存させた上記ジョブデータに対する各種操作を、画像形成装置100の操作部102を介して、画像形成装置100のユーザにより、実行可能に、画像形成装置100のユーザインタフェースユニット(図4の操作部102並びに表示部316を含む)を制御する。
(2−2)尚且つ、上記ボックス番号2のボックス(ボックス領域504)に「文書Eへのショートカット機能を果たすデータ(文書Fと定義)」と、文書Eの為のジョブ情報(実体)を保存させた、上記ジョブデータに対する各種操作を、画像形成装置100の操作部102を介して、画像形成装置100のユーザにより、実行可能に、画像形成装置100のユーザインタフェースユニット(図4の操作部102並びに表示部316を含む)を制御する。
(2−3)尚且つ、上記ボックス番号3のボックス(ボックス領域505)に「文書Eへのショートカット機能を果たすデータ(文書Gと定義)」と、文書Eの為のジョブ情報(実体)を保存させた、上記ジョブデータに対する各種操作を、画像形成装置100の操作部102を介して、画像形成装置100のユーザにより、実行可能に、画像形成装置100のユーザインタフェースユニット(図4の操作部102並びに表示部316を含む)を制御する。
以上の、(1−1)〜(1−3)の記憶制御処理、及び、(2−1)〜(2−3)の操作制御処理の計6つの処理を、上記ホスト300からの図21のボックス設定画面1600を介してホスト300のユーザにより設定された指示に基いて、本画像形成装置108により、全て、並行して(同時に)、実行させるよう制御部108により制御する。
即ち、同一の文書データ(この例では、文書E)を複数のボックス(この例では、ボックス1、2、3)に同時に保存させる場合の制御シーケンスである。これを、複数ボックス同時格納モードとも呼ぶ。尚、図17を用いて上述した制御シーケンス(保存先として選択されたボックスが1個の場合のシーケンス)を単一ボックス格納モードとも呼ぶ。このように、本実施形態では、ボックス機能において、選択的に実行可能なモードを2つ具備しており、データ発生装置(例えば、ホスト300)のユーザインタフェースを介して実行されたユーザによるボックス設定操作に応じたモードを実行可能に制御する。
尚、上述の(1−1)の処理は、図11のステップS1101、1102の処理にて行う処理である。(1−2)、(1−3)の処理は、図11のステップS1103〜S1106の処理にて行う処理である。
(2−1)の操作制御例をより具体的に説明する。図21のホスト300のボックス設定画面1600を介して、3つのボックスが選択された。その際、1番目に選択されたボックスはボックス番号1である。このボックス番号1のボックスのデータを本画像形成装置100にてユーザにより出力処理を実行させる場合、以下のような制御をとる。尚、各ボックスのデータの蓄積状況は、図10の状態であるものとする。
表示部316に表示された図12の画面のボックスキーがユーザにより押下されたことに応じて、制御部108は、図6のボックス選択画面601を表示部316に表示させる。そして、図6のボックス選択画面601を介してボックス番号1のボックスがユーザにより選択されたことに応じて、制御部108は、表示部316に、ボックス番号1のボックスの為のボックス文書選択画面を表示させる。その例が図22である。
図10に示すように、ボックス番号1のボックスには3つのジョブが格納されており、夫々、全て、実体画像データ自体が、当該ボックス(ボックス領域503)に保存されている。故に、制御部108は、当該ボックスのジョブの蓄積状況に応じた表示を表示部316に実行させる。図22のように、ボックス1に保存されているドキュメントとして、文書A、文書B、文書Eの合計3つが存在する事を表示させる。尚且つ、該3つの文書の夫々の情報(用紙サイズやページ数情報は格納日時情報)が、ボックス1を操作しているユーザにより識別可能にする為の表示を実行させる。尚且つ、これらは、全て、ボックス1の記憶領域503に実際の実画像データが保存されている事がユーザにより識別出来るように「実画像有り」という表示を実行させる。
尚、リスト1801A上でジョブがユーザにより選択される前は、画面1800Aのキー1901A〜1905Aを、グレーアウト表示状態にさせるよう制御部108により表示部316を制御する。これにより、制御部108は、該キー1901A〜1905Aの各キーによる入力指示をユーザから受付けないように制御する。そして、図22のボックス1の為の文書選択画面1800Aの文書選択リスト1801Aを介してユーザにより所望のドキュメントが選択された事に応じて、各種操作キー1901A〜1905Aを画面1800Aに有効表示させる。このように、ドキュメントの選択がなされた上で、該キー1901A〜1905Aを介して、ユーザから、各種指示を受付可能に制御する。
即ち、制御部108は、ボックス1を操作する場合においても、図19や図20の例と同様に、リスト1801Aを介して所望のドキュメントがユーザにより選択されたうえで、ボックス1の中からユーザにより選択された所望ドキュメントに対する各種処理(詳細情報表示処理、消去処理、プリント処理、送信処理、編集処理、プレビュー処理等)を実行可能に装置100を制御する。
例えば、ボックス1の為の文書選択画面1800Aのリスト1801Aを介してユーザにより文書Eが選択された事に応答し、有効表示状態にさせたプリントキー1903Aが、ユーザにより押下されたとする。この場合、制御部108は、ハードディスク107から当該文書Eの実体画像データを現在操作対象のボックス1に対応するボックス領域503から読み出して、プリンタ部104によりプリントさせる。
次に、上述の(2−2)の操作制御例をより具体的に説明する。図21のホスト300のボックス設定画面1600を介して、文書Eのドキュメントの保存先として3つのボックスが選択された。その際、2番目に選択されたボックスはボックス番号2である。このボックス番号2のボックスのデータを本画像形成装置100にてユーザにより出力処理を実行させる場合、以下のような制御をとる。尚、各ボックス1〜3のデータの蓄積状況は、図10の状態であるものとする。
表示部316に表示された図12の画面のボックスキーがユーザにより押下されたことに応じて、制御部108は、図6のボックス選択画面601を表示部316に表示させる。そして、図6のボックス選択画面601を介してボックス番号2のボックスがユーザにより選択されたことに応じて、制御部108は、表示部316に、ボックス番号2のボックスを操作する為のボックス文書選択画面を表示させる。その例が図23である。
図10に示すように、ボックス番号2のボックスには2つのジョブが格納されている。そのうち、文書Cは実体画像データ自体が当該ボックスに保存されている。しかし、文書Fの実体画像データは当該ボックスには存在しない。文書Fは、「文書Eへのショートカット機能を果たすデータ」として制御部108により定義付けされたデータである。但し、文書F(文書Eへのショートカット機能のデータ)の為のジョブ情報の実体データは、当該ボックス(ボックス領域504)に保存させている。当該ジョブ情報は、文書Fのショートカット機能によりハードディスク107から読出対象となる文書Eの為の情報である。例えば、文書Eの書誌情報(文書名やページ数やボックス格納日時データ)、文書Eの処理条件データ(用紙サイズ「A4サイズ」、出力部数「5部」、フィニッシィング設定「ステイプル」、「片面印刷設定」、等、文書Eの為のホスト300で設定された一連の印刷処理条件データ)等である。
制御部108は、このボックス2のジョブの蓄積状況に応じた表示を表示部316に実行させる。図23のボックス文書選択画面1800Bの如く、ボックス2に保存されているドキュメントとして、文書C、文書F(但し、実画像なし)、の合計2つが存在する事を示す表示を実行させる。且つ、該2つの文書の夫々の情報(用紙サイズやページ数情報は格納日時情報)が、ボックス2を操作しているユーザにより識別可能にする為の表示を実行させる。尚且つ、文書Cはボックス2の記憶領域504に実際の実画像データが保存されている事がユーザにより識別出来るように「実画像有り」という表示をリスト1801A上に実行させる。尚且つ、文書Fは、ボックス2の記憶領域504に実際の実画像データが保存されていない事、及び、文書Eへのショートカット機能を果たすものである事が、ユーザにより識別出来るように「実画像なし 文書Eへのショートカット」という文字情報をリスト1801Aに表示させる。尚且つ、その旨をより明確にすべく、実画像が保存されている文書Cのアイコンとは表示形式を異ならせたショートカットアイコン2201を表示させるよう制御する。
尚、ボックス2を操作する為のボックス文書選択画面1800Bのキー1901B〜1905Bは、リスト1801Bで、ジョブがユーザにより選択される前は、グレーアウト表示にし、これらのキーによる入力指示をユーザにより受付けないように制御する。各種操作キー1901B〜1905Bは、図23のボックス2の為の文書選択画面1800Bの文書選択リスト1801Bを介して所望のドキュメントがユーザにより選択された事に応じて、同画面1800Bに、有効表示状態にさせる。これにより、各種指示をユーザにから受付ける事を許可する。
例えば、図23のボックス2を操作する為の文書選択画面1800Bの文書選択リスト1801Bを介して、文書F(文書Eへのショートカットを果たす為の管理データ)を、ユーザが選択する。すると、制御部108は、当該文書Fの選択操作に応答し、文書選択画面1800Bの表示状態を図23の状態から図24に示す表示状態に遷移させるように表示部316を制御する。図24に示すように、文書Fが選択状態である表示をリスト1801B上に反映させる。尚且つ、ボックス2のデータに対する各種操作をユーザにより受付可能にするべく、各種キー1901B〜1905Bを全て有効表示状態にさせる。そして、該キー1901B〜1905Bを介して、ユーザから、各種指示を受付可能に制御する。これにより、制御部108は、先と同様に、ボックス2の中からユーザにより選択された所望ドキュメントに対して、該ユーザから要求された処理内容に対応する処理を、本画像形成装置100により実行可能に制御する。
例えば、詳細情報キー1901Bがユーザにより押下された事に応答し、上記文書Fにリンクする実体画像データ、即ち、文書Eのジョブ情報の詳細情報(文書Eの印刷条件等)を表示させる。キー1903Bが押下されれば、文書Fにリンクする実体画像データである文書Eのプリント処理を実行させる。キー1904Bが押下されれば、文書Fにリンクする実体画像データである文書Eのデータ送信処理を実行させる。
又、例えば、該キー1905Bが押下された場合に、制御部108は、当該文書Fにリンクする実体画像データである文書Eのデータをボックス1の領域503から読み出して、当該データのプレビュ表示を、表示部316に実行させる。この例を、図27に示す。図27に示すように、プレビュー機能を実行する場合でも、ショートカット機能により読み出された画像データが表示部316にプレビューされているのか否かをユーザが識別可能にする為に、「ショートカットからプレビューしています」等のメッセージを表示させる。このように、キー1905Bが押下されれば、該文書Fにリンクする実体画像データである文書Eのデータの編集処理やプレビュー処理を実行可能にする。
又、消去キー1902Bが押下されれば、該文書Fに関わる消去処理を制御する。尚、ショートカット機能を果たすデータである文書Fが選択された場合おける消去処理は、上述例とは異なるので、後述する。
ここで、ショートカット機能を果たす文書が選択された場合における処理について詳述する。例えば、図24の状態は、ボックス番号2に対応するボックスの操作を行っているユーザが、本画像形成装置の表示部316に表示させたボックス番号2のボックスの為の文書選択画面1800Bを介して、文書F(文書Eへのショートカットキー)を選択した状態である。
図24の如く、ボックス番号2のボックスの操作を行っているユーザにより文書F(文書Eへのショートカットキー)が選択されたうえで、例えば、同画面1800B上に有効表示させたプリントキー1903Bが該ユーザにより押下されたとする。これを受け、制御部108は、図25に示す設定画面2000Aを、表示部316に表示させる。
図25の設定画面2000Aは、文書F(文書Eへのショートカットキー)のユーザ選択に応答して、ハードディスク107から読出対象となる文書データ(即ち、ボックス領域503に実体画像データが保存されている文書Eの電子データ)に対する処置をユーザにより決定可能にする為のユーザインタフェース画面である。
制御部108は、画面2000Aを表示部316に表示させるにあたり、文書選択画面1800Bのリスト1081Bを介して選択された文書データに対応するジョブ情報をハードディスク107から読み出す。
尚、処理対象となる文書Fの実体画像データ(文書E)は、現在選択対象のボックス2とは異なるボックス1(ボックス領域503)に保存されている。しかし、文書Fの実体画像データ(文書E)の為のジョブ情報は、当該ボックス2(ボックス領域504)に保存されている。故に、制御部108は、ボックス領域504から当該ジョブ情報を読み出し、このジョブ情報を画面2000A上で反映させるよう制御する。
該画面2000Aの表示領域2001Aには、当該文書データに対して予め設定された処理条件をユーザに確認させる為の表示を実行させる。即ち、ホスト300のプリンタドライバ1300で設定された文書Eの為の印刷条件は、用紙サイズ「A4サイズ」、出力部数「5部」、フィニッシィング設定「ステイプル」、「片面印刷設定」等の各種一連の処理条件パラメータを含んでいる。制御部108は、このジョブ情報を上記ボックス領域504から読出参照して画面2000Aに反映させる。これにより、この選択対象のドキュメントに対して既に設定済みの処理条件が如何なる処理条件であるのか、操作部102を操作しているユーザに確認させる効果を図る。
又、制御部108は、予め当該ドキュメントに対して設定された処理条件を、画面2000Aを介して、ユーザにより設定変更可能にする為の表示も表示部316に実行させる。例えば、画面2001Aの「用紙選択キー」をユーザが選択することで、不図示の用紙設定画面を表示させる。そして、当該用紙設定画面を介して用紙の設定変更をユーザにより実行可能にする。又、操作部102のテンキー313のユーザ操作に応答し、当該ドキュメントの出力部数の設定変更も実行可能にする。又、当該画面2001Aの「ソータ」キーをユーザが操作することで、当該ドキュメントに対するフィニッシィングの設定変更も実行可能にする。又、例えば、同画面2001Aの「両面プリント」キーのユーザ操作に応答して、当該ドキュメントを片面印刷されるか両面印刷させるかをユーザにより決定可能に制御する。
これにより、例えば、文書F(文書Eへのショートカットキー)で読み出される文書Eの印刷条件に関し、画面2001Aを介して、ユーザが次のような操作を行ったとする。例えば、用紙サイズの設定は予め設定された条件のまま「A4サイズ」を維持する。出力部数は「5部」から「3部」に設定変更する。フィニッシィング設定は「ステイプル」から「ソート」に設定変更する。印刷面の設定は「片面印刷」から「両面印刷」に設定変更する。すると、制御部108は、このユーザ設定変更を受付けて、その設定変更後のパラメータを画面2001A上で反映させるよう表示部316を制御する。制御部108は、このユーザからの設定変更指示に基いて、画面2001Aの表示内容を、図26のような表示内容になるよう表示部316を制御する。
上述の各種ユーザインタフェースを介して、ユーザによる一連のボックス操作がなされたうえで、図25のプリント設定画面2000Aのプリント開始キー2002Aがユーザにより押下されたとする。すると、これを受け、制御部108は、ボックス領域502から図24の文書選択画面1800Bのリスト1801Bにおいてユーザにより選択されたドキュメントの実体画像データを、ハードディスク107から読み出す。そして、読み出した当該ジョブの画像データのプリント処理を、図25のプリント設定画面2000Aの領域2001Aを介してユーザにより設定された一連の処理条件に基いて、プリンタ部104により、実行させる。尚、この際、制御部108は、例えば、次のような処理を行う。
(1)ユーザによる操作対象のボックスの確認処理を行う。この例では、図6のボックス選択画面を介してユーザにより実行されたボックス選択操作に基づき、ボックス番号2のボックスが選択対象のボックスであると判断する。
(2)ユーザによる選択対象のドキュメントの確認処理を行う。この例では、図24の文書選択画面1800Bのリスト1801Aを介してユーザにより実行された文書選択操作に基づき、文書Fが選択対象のデータであると判断する。
(3)選択対象のドキュメントの実体画像データをハードディスク107から読み出す処理を行う。例えば、上述の図11の処理にて用いた記録先リストの情報や、図10に示すようなボックスデータのデータ構造を管理する管理テーブルの情報等のボックスデータに関する登録情報に基き、現在選択対象のボックスの記憶領域に、処理対象のドキュメントの実体画像データが存在するか否かを確認する。ここで、文書Fの実体画像データは、現在選択対象のボックス番号2のボックス領域504に存在せず、文書Fは、文書Eへのショートカット機能により定義されてデータであると判断している。そして、実体の画像データを保存しているボックスは、ボックス番号1のボックス(ボックス領域503)であると判断する。
このように、制御部108は、ボックス番号2のボックスの為のボックス文書選択画面1800Bの文書選択リスト1801Aを介してユーザにより選択された文書Fが、ショートカット機能の役目を果たすデータである事に基づいて、本画像形成装置100におけるデータの読出制御を実行する。具体的には、ボックス番号2のボックスの操作画面を介してユーザにより選択された文書Fのショートカット機能により関連付けられている文書Eを、文書Fの実体画像データとして、ボックス番号1のボックス(ハードディスク107内のボックス領域503)から読み出すよう制御する。
そして、制御部108は、ハードディスク107のボックス番号1のボックス領域503から読み出した文書Eの画像データのプリント処理を、ボックス番号2のボックス操作の為に表示部316に表示させたプリント設定画面2000Aを介してユーザにより設定された印刷処理条件に基いて、プリンタ部2により実行させる。
例えば、文書Eに対して予め設定済みの印刷条件が(図25のUIで反映されているホスト300にて設定済みのパラメータ)、図26のように、ユーザにより、設定変更される。その上で、画面2000A上のプリント開始キー2002Aがユーザにより押下されたとする。この場合、制御部108は、文書Eの画像データ(4ページかなる文書データ)を、用紙サイズはA4サイズのままで、出力部数は1部とし、かつ、両面印刷は実行させ、かつ、フィニッシィング処理としてはソート処理を実行するよう、プリンタ部104を制御する。一方、文書Eに対して予め設定済みの印刷条件に対する設定変更がなされずに(図25のUIで反映されているホスト300にて設定済みのパラメータのままで)、画面2000A上のプリント開始キー2002Aがユーザにより押下されたとする。この場合、制御部108は、用紙サイズはA4サイズとし、出力部数は5部とし、かつ、両面印刷は実行せずに片面印刷を実行させ、かつ、フィニッシィング処理としてはステイプル処理を実行するよう、プリンタ部104を制御する。
このように、本実施形態では、選択対象のボックス(上記例ではボックス番号2のボックス)において選択されたデータが、ショートカット機能を果たすデータである場合に(上記例では、文書F)、該ショートカット機能により関連付けられている他のボックスの実体画像データ(上記例では、ボックス番号1のボックスに格納されている文書E)を出力可能に本画像形成装置100を制御している。
尚且つ、本実施形態は、当該ショートカット機能により出力対象となるデータ(上記例では、ボックス2の設定画面における文書Fのユーザ選択に応じて出力される、ボックス1に実体画像データが記憶されている文書Eの画像データ)を実際に出力させる際に、当該データに対して予め設定されている処理条件を、そのまま利用可能に本装置100を制御する。例えば、上記例では、図25のプリント設定画面2000Aで反映されている処理条件でもって、そのまま文書Eをプリント出来るように制御している。
しかも、本実施形態では、複数のボックスに同時格納されたドキュメントであっても、各ボックス毎に、夫々、ボックス操作を行っているユーザ自身が所望する処理条件でもって、出力出来るよう、本画像形成装置100を制御する。
例えば、ボックス1のユーザが操作する場合には、ボックス1の為の操作画面(例えば、図22の画面1800A)を介して、ボックス1のユーザが所望の処理条件でもって、実画像データ(文書E)をプリント可能にする。一方、ボックス2のユーザが操作する場合には、ボックス2の為の操作画面(例えば、図24の画面1800B)を介して、ボックス2のユーザが所望の処理条件でもって、実画像データ(文書E)をプリント可能にする。
又、当然、本実施形態では、上記複数同時格納モードによりホスト300から同時配布された他のボックスを操作する場合でも、上記ボックスの操作と同様の事を実行可能に制御部108により制御する。当該説明は、上述の(2−3)の操作制御の具体例である。
例えば、ボックス番号3のボックス(ボックス領域505)のデータ蓄積状況は、ホスト300から文書Eのジョブが投入される前は、図9のようなデータ記憶構造であった。即ち、文書Dの実体画像データ及び文書Dの為のジョブ情報のみを記憶している状態だった。その後、図21のホスト300のプリンタドライバのボックス設定画面1600を介して、文書Eを、ボックス1やボックス2のみならず、ボックス3に対しても投入するように、ホスト300から指示された。すると、制御部108は、該指示をうけ、文書Eのショートカット機能を果たすデータを、ボックス番号3のボックス(ボックス領域505)にも保存させるようハードディスク107を制御する。
これにより、ホスト300から文書Eのジョブを本装置100により受信した後の、ボックス番号3のボックス(ボックス領域505)のデータ蓄積状況は、図10に示すデータ記憶構造に変化する。即ち、文書D以外に、文書Gとして定義される文書Eへのショートカット機能の役割を果たす仮想的データと、該文書Eの為のジョブ情報の実体データとが、ボックス3に保存される。
その後、表示部316に表示させた図6のボックス選択画面601を介してユーザによりボックス3が選択されたとする。これを受け、制御部108は、例えば図28のような、ボックス番号3の為のボックスの為の文書選択画面1800Cを、表示部316に表示させる。
図28のような画面表示についても、制御部108による表示制御により実行される。例えば、現在選択対象のボックス3(ボックス領域505)に実体画像データが格納されている文書Dについては、リスト1800C上で、「実画像あり」と表示させる。一方、ボックス3に実体画像データが格納されていない文書Gについては、リスト1800C上で、「実画像なし。文書Eへのショートカット」という表示を実行させる。尚且つ、ボックス2の文書Fと同様に、ショートカットアイコン2201Aを表示させる。
尚、本実施形態の画像形成装置100は、ボックス内のドキュメントをユーザにより複数選択可能にし、選択された複数のドキュメントを、まとめて、ハードディスク107から読出して、連続的に、出力させる連続印刷機能を有する。例えば、該ボックス3の文書選択画面1800Cのリスト1801Cを介して文書Dと、文書Gの2つのドキュメントが選択されたとする。すると、制御部108は、図29に示すように、同画面1800C上のキー1901C〜1905Cの各種キーを有効表示状態にさせる。尚、図29に示すように、リスト1800Cの左側には、ユーザがドキュメントを複数選択した際の、これらのドキュメントの選択順序を表示させる。
次いで、同画面1800Cのプリントキー1903Cがユーザにより押下されたことで、プリント実行指示を受付けたとする。すると、制御部108は、図10のデータ管理構造を管理する為の管理テーブル等や図11の処理にて用いた記録先リストの情報を参照する。その結果、例えば、制御部108は、文書Dは、当該ボックス3に保存されていると判断する。一方、文書Gは、実体画像データが、現在選択対象のボックス3には存在せず、ボックス1に実体画像データが格納されている文書Eを読み出す為のショートカット機能データであると判断する。
尚、制御部108は、複数のドキュメントを連続印刷させる場合に印刷順序も制御する。例えば、図29に示すように、リスト1801Cにてユーザにより複数のドキュメントが選択された際、そのユーザのドキュメントの選択順序と同じ順序で、該選択された複数のドキュメントを連続的にまとめて印刷させるよう制御する。図29の例では、文書Dが1番目に選択され、文書Gが2番目に選択された。故に、制御部108は、文書Dを1番目に印刷させ、文書Fを2番目に印刷させる。このような順序で、これらのドキュメントを連続的に、まとめて、印刷させる。
故に、まず、リスト1800Cで1番目に選択された文書Dの一連の画像データ(3ページからなるジョブ)を、現在選択対象のボックス3のボックス領域505から読み出し、当該データをプリンタ部104によりプリントさせる。次に、リスト1800Cで2番目に選択された文書Gにリンクが張られている一連の画像データ、即ち、文書E(4ページからなるジョブ)を、現在選択対象のボックス3とは異なるボックス1のボックス領域503から読み出し、当該データをプリンタ部104によりプリントさせる。
このように、本実施形態では、ボックスを介してユーザにより選択された複数のドキュメントを連続印刷可能に構成されている。しかも、選択対象のボックスに実体画像データが保存されているドキュメントと、他のボックスに実体画像データが保存されているドキュメントを、1度にまとめて、連続印刷させる機能も搭載している。尚、各ドキュメントの印刷条件に関し、予め設定された処理条件どおりにプリントさせても良いし、設定変更したうえで、連続印刷させても良い。いずれにしても、このようなときにも、ボックス3に保存した文書Dと文書Eの各ジョブのジョブ情報を利用可能に制御部108により制御する。
ここで、ジョブ情報に関わる制御について説明する。
本実施形態では、上記の如く、他のボックスに格納されている一連の画像データを、別のボックスのユーザインタフェース画面を介して実行されるユーザ操作に応答して、出力出来るように、本装置100を制御部108により制御する。実体画像データについては、該別のボックスに保存させないものの、該一連の画像データに対する処理条件は、ジョブ情報として、該別のボックスに保存させるよう本装置100を制御部108により制御する。上記例では、ボックス番号1のボックス領域503に保存させている文書E自体の実体画像データは、ボックス番号2のボックス領域504やボックス番号3のボックス領域505には保存させない。
しかし、文書Eに対する処理条件は、ジョブ情報として、ボックス領域504、505に保存させる。該構成により、該他のボックスに格納されている一連の画像データの出力処理を行う際に、そのデータに対して予め設定されている処理条件を、該別のボックスのユーザインタフェース画面を介して、設定変更可能に制御している。そして、設定変更後の処理条件でもって、当該データの出力処理を実行出来るように制御している。このような構成にしている理由は、例えば以下のような状況にも対処出来るようにしているからである。
例えば、図21のプリンタドライバ1300を介して複数ボックス同時格納モードを選択したホスト300のユーザが、本画像形成装置100のボックス1の所有者である場合を想定する。且つ、当該ユーザに関わりのあるユーザとして、本画像形成装置100のボックス2を利用するユーザと、ボックス3を利用するユーザとが、存在する状況を想定する。
上記状況にて、ホスト300のユーザが、処理対象となる文書Eを、該ユーザ自身が所有するボックス1に対して保存させるのみならず、ボックス2のユーザとボックス3のユーザにも、この文書Eのデータを利用させる要望を抱いているとする。尚、このホスト300のユーザ自身のことを配布元ユーザと称し、ボックス2のユーザとボックス3のユーザの事は、配布先ユーザとも呼ぶ。しかも、この文書Eのデータの処理条件については、配布元ユーザが指定したとおりの出力形態で利用してもらっても構わないし、配布先ユーザの各人が夫々希望する出力形態でもって、出力できるようにしたいと望んでいるとする。
本実施形態は上述状況にも対応可能にしている。その為に、例えば、本実施形態では、複数同時ボックス格納モードにて処理対象となるデータを本装置100のハードディスク107に投入する際に、配布対象となる複数のボックスのうちの、どのボックスに対して、処理対象となる実際のデータを保存させるかを、配布元ユーザにより選択可能に制御する。換言すると、どのボックスにショートカット機能の役目を果たすデータを保存させるかを、配布元ユーザからの設定指示に基いて、決定可能に制御する。
例えば、上述例で説明する。データ発生装置の一例としてのホスト300の制御部は、本装置100のプリンタドライバ画面として、図16のようなボックス設定画面1600をホスト300の表示部に表示させる。そして、該画面リスト1602を介して、データの保存先とすべきボックスをユーザにより複数個選択可能に制御する。
又、ホスト300の制御部は、図21のように、リスト1602を介して複数のボックスをホスト300のユーザにより選択された場合に、該ユーザにより選択された複数のボックスの選択順序を監視する。そして、該リスト1602を介してホスト300のユーザにより1番目に選択されたボックスに対応するボックス領域に対して、処理対象となるデータの実体データを保存させるよう本画像形成装置100を制御する。
即ち、図21のようなボックス設定がホスト300のユーザにより設定されたうえで、ホスト300から本画像形成装置100に対して処理対象のジョブのデータが投入された場合、本画像形成装置100の制御部108は、上述した各種制御を実行する。
即ち、ホスト300の表示部に表示されたリスト1602を介してホスト300のユーザにより1番目に選択されたボックス番号1のボックス(ボックス領域503)に、文書Eの実体画像データを、保存させる。一方、リスト1602を介して2番目に選択されたボックス番号2に対応するボックス(ボックス領域504)に対しては、当該文書Eの実体画像データをハードディスク107から出力させる為の指示を当該ボックス2のユーザが入力可能にする為のデータとして、文書Fという名で定義される文書Eへのショートカット機能データを、保存させる。且つ、リスト1602を介して3番目に選択されたボックス番号3に対応するボックス(ボックス領域505)に対しては、当該文書Eの実体画像データをハードディスク107から出力させる為の指示を当該ボックス3のユーザが入力可能にする為のデータとして、文書Gという名で定義される文書Eへのショートカット機能データを、保存させる。このような一連のデータ記憶制御を制御部108は実行する。
但し、制御部108は、ボックス1、2、3の、どのボックスに対しても、ホスト300のユーザにより文書Eに対して設定された一連の処理条件を含んだジョブ情報は、実体データとして、それぞれ、各ボックス1、2、3に、保存させる。即ち、上記例では、用紙サイズ「A4サイズ」、出力部数「5部」、「片面印刷を実行する」、フィニッシィング設定「ステイプル」等の一連の処理条件パラメータ、並びに、ボックス格納日時、ページ数情報等、文書Eに関する各種情報を、ジョブ情報として、各ボックスに保存させる。
尚、文書Fや文書G、というように、文書名を重複させずに、ボックスに対してデータを登録する理由を述べる。これは、例えば、同じ名称で複数のデータがハードディスク107に保存された場合に発生しうるデータ管理上のトラブルに対処可能にする為のものでもある。しかし、特にトラブルが発生せず、ユーザニーズにも対応できるならば、必ずしも、このようなファイル名称決定方法を用いる必要も無い。
又、本実施形態では、ホスト300の表示部に表示させるボックス設定画面1600を介して選択されたボックスの数に応じて、複数ボックス同時格納モードと、単一ボックス格納モードのどちらを実行するかを決定可能に構成している。具体的には、図17のように、ユーザによりリスト1602を介して1個だけボックスが選択されたうえで、ジョブが投入された場合には、単一ボックス格納モードで当該ジョブを処理させる。一方、図21のように、ユーザによりリスト1602を介して複数個のボックスが選択されたうえで、ジョブが投入された場合には、複数ボックス同時格納モードで当該ジョブを処理させる。
しかし、本実施形態では、このような方法以外の決定方法により、上記モードを選択的に実行可能に構成しても良い。例えばプリンタドライバ1300の動作モード選択欄1301にて「保存モード」がユーザにより選択された直後に、単一ボックス格納モードをユーザにより選択するキーと複数ボックス同時格納モードをユーザにより選択するキーの二つのキーを具備した表示画面をホスト300の表示部に表示させる。そして、該画面にて二者択一となる制御し、選択された格納モードを実行すべきモードとして決定する。このように、上記二つのモードの何れかをユーザが明示的に指定するような方法でも良い。
次に、上述のボックス機能におけるショートカット機能について説明する。
本実施形態では、画像形成装置100のユーザインタフェースを介してボックス内のデータに対するユーザ操作がなされる場合にて、ショートカット機能の役割を果たすデータを選択可能にする。例えば、図24に示す文書Fの選択や、図29に示す文書Gの選択がこれに該当する。尚且つ、該データによりハードディスク107から読出対象となる実体画像データに対して、ユーザが所望の処理を装置100により実行可能にする。このような、ボックス投入後のデータに対する一連の制御を、制御部108により実行する。
又、本実施形態では、データ処理装置の一例としての本画像形成装置100自身が具備するハードディスク107に、実体画像データ自身を保存するボックス領域が用意されている。上記例では、文書Eの実体画像データを保持しているボックス番号1のボックス(ボックス領域503)が、これに該当する。ここでは、このように、ショートカット機能により読出対象となる実体画像データ自身を保存しているボックスの事を、「第1のボックス(或いは、第1タイプのボックス)」と、呼ぶ。
尚且つ、画像形成装置100が具備するハードディスク107には、当該実体画像データ自身は保存していないボックス領域も用意されている。上記例では、文書Eの実体画像データは保持していないもののショートカット機能の役目を果たすデータを格納しているボックスとして、ボックス番号2のボックス(ボックス領域504)、並びに、ボックス番号3のボックス(ボックス領域505)が、これに該当する。ここでは、このように、実体画像データの読出指示をユーザにより入力可能にする為のショートカット機能の役目を果たすデータを保存しているボックスの事を、「第2のボックス(或いは、第2タイプのボックス)」と、呼ぶ。
このような構成のもとで、本実施形態は、上述したような各種制御を行う。以下に主要部分を列挙する。
[制御1]
データ発生装置のユーザインタフェースユニットを介して該データ発生装置のユーザにより所定の操作が行われずに該データ発生装置から送信された第1のジョブ(第1タイプのジョブとも呼ぶ)のデータを、データ処理装置により受付可能に制御する。
上記例で言えば、ホスト300の表示部に表示させたボックス設定画面1600を介してホスト300のユーザにより複数個のボックスが選択されずに(但し、1個のボックスのみは選択された上で)該ホスト300から送信されたジョブデータを、本画像形成装置100が受付可能に制御部108により制御する構成が、これに該当する。
尚、この第1タイプのジョブの例は、図13→図14→図15→図16→図17の一連のUI操作を経てホスト300から投入されたジョブが、これに該当する。換言すると、図9の、文書Aのジョブ、文書Bのジョブ、文書Cのジョブ、文書Dのジョブ、このようなジョブが、当該制御の対象となるジョブである。
[制御2]
データ発生装置のユーザインタフェースユニットを介して該データ発生装置のユーザにより所定の操作が行われたうえで該データ発生装置から送信された第2のジョブ(第2タイプのジョブとも呼ぶ)のデータを、データ処理装置により受付可能に制御する。
上記例で言えば、ホスト300の表示部に表示させたボックス設定画面1600を介してホスト300のユーザにより複数個のボックスが選択されたうえで、該ホスト300から送信されたジョブデータを、本画像形成装置100が受付可能に制御部108により制御する構成が、これに該当する。
尚、この第2タイプのジョブの例は、図13→図14→図15→図16→図21の一連のUI操作を経てホスト300から投入されたジョブが、これに該当する。換言すると、図10の、文書Eのジョブが、当該制御の対象となるジョブである。
[制御3]
上記の第1タイプのジョブのデータが該データ処理装置のハードディスク107に保存された場合に、該第1ジョブのデータに関わる処理要求を、第1のボックスに関わる表示を介して、ユーザから受付可能に、該データ処理装置を制御部108により制御する。そして、制御部108は、該表示を介して受け付けたユーザからの指示に応じた処理を、該第1ジョブの実体画像データに対して実行させるよう装置100を制御する。
上記例で言えば、文書Aのジョブデータや文書Bのジョブのデータがホスト300から送信された場合に、制御部108は、これらのジョブデータをボックス番号1のボックス領域503に保存させる。これらのジョブは、ボックス設定画面1600を介して当該ボックス1のみが保存先としてホスト300にて選択され、ホスト300から投入されたジョブである。制御部108は、ボックス番号1のボックスが本装置100のユーザにより図6のボックス選択画面601を介して選択された事に応じて、当該ボックス番号1のボックスに関わるデータの操作をユーザにより実行可能にする為の表示を、表示部316に、実行させる。例えば、図22のボックス番号1の為の文書選択画面1800Aがこれに該当する。
ハードディスク107内の文書Aの一連の画像データや文書Bの一連の画像データに対する操作は、当該設定画面1800Aを介して、ユーザにより受付可能にする。制御部108は、該設定画面1800Aのキー1901A〜1905Aを介して選択的に各種指示をユーザから受付可能に制御する。これにより、該文書Aや文書Bに対して、ユーザが所望の処理(プリント処理、送信処理、消去処理、編集処理等)を本装置100により実行可能にする。換言すると、制御部108は、ボックス番号2のボックスの為の設定画面1800Bや、ボックス番号3のボックスの為の設定画面1800Cからの、文書Aや文書Bに対するデータ操作は禁止する。例えば、リスト1801Bや、リスト1801Cにて、文書Aや文書Bをユーザにより選択出来ないよう表示制御を実行する。
この点は、文書Cのジョブについても同様である。文書Cのジョブのデータに対する各種操作は、ボックス番号2の操作画面1800B(図18、図19、図23、図24等参照)を介してのみ、実行可能に制御部108により制御する。ボックス2以外の他のボックスの設定画面からは、該文書Cのジョブのデータに対する操作は不可とする。文書Dのジョブについても同様である。文書Dのジョブのデータに対する各種操作は、ボックス番号3の操作画面1800C(図28、図29等参照)を介してのみ実行可能に制御部108により制御する。ボックス3以外の他のボックスの設定画面からは、該文書Dのジョブのデータに対する操作を禁止するよう制御する。
[制御4]
上記の第2タイプのジョブのデータが該データ処理装置のハードディスク107に保存された場合に、該第2ジョブのデータに関わる処理要求を、第1ボックスに関わる表示を介して、ユーザから受付可能に、該データ処理装置を制御部108により制御する。且つ、該第2ジョブのデータに関わる処理要求を、該第2ボックスに関わる表示を介しても、ユーザから受付可能に、該データ処理装置を制御部108により制御する。そして、制御部108は、第1ボックスに関わる上記表示を介して受付けたユーザからの指示に応じた処理を、該第2ジョブの実体画像データに対して実行させるよう装置100を制御する。尚且つ、第2ボックスに関わる上記表示を介して受付けたユーザからの指示に応じた処理を、該第2ジョブの実体画像データに対して実行させるよう装置100を制御する。
上記例で説明すれば、文書Eのジョブデータがホスト300から送信された場合(図21のUI参照)に、制御部108は、該文書Eのジョブのデータ(4頁からなる文書Eの一連の画像データ自体を含む)を、ホスト300の画面1600のリスト1602を介して1番目に選択されたボックス1(ボックス領域503)に保存させる。制御部108は、該文書Eの実体画像データに関わる処理要求を、ボックス番号1のボックスに関わる表示を介して、ユーザから受付可能に、画像形成装置100を制御する。
例えば、上記の如く、ボックス番号1のボックスが本装置100のユーザにより図6のボックス選択画面601を介して選択された事に応じて、図22のボックス1の文書選択画面1800Aを表示部316に表示させる。これにより、ボックス1に関連付けられている複数の文書データの中から文書Eを、リスト1801Aを介して、ユーザにより選択可能にする。そして、制御部108は、リスト1801Aを介してユーザにより文書Eが選択されたことに応じて、キー1901A〜1905Aを有効表示状態にする。これにより、キー1901A〜1905Aを介して、該文書Eの実体画像データに対する処理の実行要求をユーザから受付可能にする。そして、制御部108は、キー1901A〜1905Aの何れかを介してユーザから処理要求を受け付けた場合、文書Eの実体画像データをハードディスク107のボックス領域503から読み出す。そして、該ユーザからの処理要求に応じた処理を、該文書Eの実体画像データに対して実行するよう、本装置100を制御する。これにより、プリント処理、送信処理、詳細情報処理、消去処理等、ユーザの所望の処理を、文書Eに対して実行可能にする。
又、制御部108は、上記一連の制御を実行するのみならず、次の一連の制御も実行する。上記例の如く、該文書Eの実体画像データに関わる処理要求を、ボックス番号1のボックスとは異なる文書Eのジョブデータの配布先対象のボックスに関わる表示を介して、ユーザから受付可能に画像形成装置100を制御する。例えば、配布先ボックスのボックス2の為の操作画面からでも、ボックス3の操作画面からでも、上記文書Eの実体画像データに対する処理要求を受付可能に制御する。
例えば、上記の如く、ボックス番号2のボックスが本装置100のユーザにより図6のボックス選択画面601を介して選択された事に応じて、図23のボックス2の文書選択画面1800Bを表示部316に表示させる。これにより、ボックス2に関連付けられている複数の文書データの中から文書Eの実体画像データをハードディスク107から読出す為のショートカット機能を果たす文書Fを、リスト1801Bを介して、ユーザにより選択可能にする。制御部108は、リスト1801Bを介してユーザにより文書F(文書Eへのショートカットキー)が選択されたことに応じて、キー1901B〜1905Bを有効表示状態にする(図24参照)。これにより、キー1901B〜1905Bを介して、該文書Eの実体画像データに対する処理の実行要求をユーザから受付可能にする。
制御部108は、キー1901B〜1905Bの何れかを介してユーザから処理要求を受付けたら、文書Eの実体画像データをハードディスク107のボックス領域503から読み出す。そして、該ユーザからの処理要求に応じた処理を、該文書Eの実体画像データに対して実行するよう、本装置100を制御する。これにより、プリント処理、送信処理、詳細情報処理等、ユーザの所望の処理を、文書Eに対して実行可能にする。但し、文書Eの実体画像データは現在操作対象のボックス2とは異なるボックス1に格納されているジョブである。故に、ボックス2の操作を行う場合には、該文書Eの実画像データの消去処理の実行は禁止する。
又、もう一方の配布先であるボックス3のついてもボックス2の操作の時と同様の操作を実行可能にする。例えば、上記の如く、ボックス番号3のボックスが本装置100のユーザにより図6のボックス選択画面601を介して選択された事に応じて、図28のボックス3の為の文書選択画面1800Cを表示部316に表示させる。これにより、ボックス3に関連付けられている複数の文書データの中から文書Eの実体画像データをハードディスク107から読出す為のショートカット機能を果たす文書Gを、リスト1801Cを介して、ユーザにより選択可能にする。制御部108は、リスト1801Cを介してユーザにより文書G(文書Eへのショートカットキー)が選択されたことに応じて、キー1901C〜1905Cを有効表示状態にする(図29参照)。これにより、キー1901C〜1905Cを介して、該文書Eの実体画像データに対する処理の実行要求をユーザから受付可能にする。
制御部108は、キー1901C〜1905Cの何れかを介してユーザから処理要求を受付けたら、文書Eの実体画像データをハードディスク107のボックス領域503から読み出す。そして、該ユーザからの処理要求に応じた処理を、該文書Eの実体画像データに対して実行するよう、本装置100を制御する。但し、文書Eの実体画像データは現在操作対象のボックス3とは異なるボックス1に格納されているジョブである。故に、ボックス3の操作を行う場合でも、該文書Eの実画像データの消去処理の実行は禁止する。
以上、図1〜図29を用いて説明したような構成を本実施形態にて提供する。これにより、例えば、本実施形態のような画像形成装置等、ボックス機能を具備するデータ処理装置のメモリに用意されている複数のデータ記憶ボックスのうちの、ユーザが所望の複数のボックスに、同一ジョブのデータを、同時に、配布保存させるような状況に対しても、柔軟に対応する事ができる。そして、上記のように構成することで、簡単な操作で、ユーザが所望の複数のボックスに対して同一ジョブのデータを配布保存出来る。そして、ボックス機能を利用する様々なユーザに対して、負荷を極力軽減し、操作性を向上させる事が出来る。
しかも、上記のようなボックス機能におけるショートカット機能の制御を提供することで、例えば、1ジョブで画像データを処理するためのジョブを複数のボックスに対して好適に記録することができるとともに、ボックスに記録されるデータのデータ量を削減してメモリの効率的な使用も可能になる。
このように、例えば、本装置100等のデータ処理装置にて提供されるボックス機能に関わる様々なユーザからの様々なニーズに柔軟に対応できる、使い勝手の良い、便利なシステムを提供できるようになる。
以上の説明では、本画像形成装置100のユーザインタフェースを介してボックス操作が行われる際に、ショートカット機能の役割を果たすデータがユーザにより選択された場合における、プリント処理に関わる制御を主に説明した。
次に、上述のように本画像形成装置100のユーザインタフェースを介してボックス操作が行われる場合において、ショートカット機能の役割を果たすデータがユーザにより選択された場合における、データの消去処理に関わる制御について説明する。ここでは、図24を用いて説明する。尚、この制御の主体も制御部108である。
図24は、ボックス番号2のボックスの操作を行っているユーザにより、ボックス2の為の文書選択画面1800Bの文書選択リスト1801Bを介して文書Fが選択された事に応答して、制御部108が、同画面1800B上にキー1901Bから1905Bを表示させた段階の状態である。
ボックス番号2のボックスの為の文書選択画面1800Bにおいてボックス番号1に実体画像データが保存されている文書Eに対応する文書Fがユーザにより選択された場合、同画面1800Bの消去キー1902Bがユーザにより押下されたとしても、制御部108は、当該ユーザからの消去処理要求には応じないよう制御する。
具体的には、文書Fで定義されるショートカット機能データによりメモリから読出対象となる実体画像データ、即ち、ボックス番号1のボックス領域503に保存されている文書Eの実画像データ(図21のプリンタドライバを介してホスト300から投入された4頁からなる文章データ)に対して、消去処理を実行する事は、禁止するよう本装置100を制御する。尚、ここで述べる消去処理とは、例えば、本画像形成装置の操作部102を介して如何なるボックス操作をユーザが行っても、該データをメモリから読み出せない状態にする為の処理を包含する。又、消去処理の方法としては、例えば、メモリに蓄積されている消去対象の実データに対して、任意のデータでもって、上書き処理を施す完全データ消去方法がある。又、例えば、消去対象の実データ自身はメモリには残存するものの、該データに関連付けられた管理テーブル(例えば、FATテーブル)内の管理情報を、データ操作することで、実質的に、実データを読出不可能状態にする簡易データ消去方法等がある。
何故、文書Eへのショートカット機能を実行させる為のデータに相当する文書Fのユーザ選択によりハードディスク107から読出対象となる文書Eの実体画像データを、ハードディスク107から、消去する事を、制御部108により、禁止するのか、その理由を述べる。
例えば、当該データの実画像データは、実際には、現在操作中のボックス、即ち、ボックス番号2のボックス(ボックス領域504)に保存されていない。当該データの実画像データは、他のボックス(この例では、ボックス1)に格納されているデータである。故に、現在操作中のボックス番号2のボックス以外のユーザに該当する、ボックス1のユーザや、ボックス3のユーザが、当該データの実画像データを利用できなくなる状況を阻止する為である。もし、文書Fの実体画像データに相当する文書Eの実画像データを、図24のボックス番号2のボックスの為の操作画面1800Bを介して、消去する事を許可してしまったら、不具合が起こりうる。例えば、ボックス番号1のボックスの為の操作画面(図22の文書選択画面1800A)を介して、ボックス番号1のユーザが、該文書Eを出力させる事が不可能になりうる。又、例えば、ボックス番号3のボックスの為の操作画面(図28の文書選択画面1800C)を介して、ボックス番号3の配布先ユーザが、該文書Eを出力させる事が不可能になりうる。
以上のような不具合を防止するべく、本実施形態では、ボックス操作画面を介して選択されたジョブが、他のボックスに保存されている実体画像データを出力させる為のショートカット機能を果たすジョブである場合には、該実体画像データの消去処理の実行を禁止するよう制御部108により制御する。換言すると、ボックス操作画面を介して選択されたジョブが、その現在選択対象のボックスに保存されている実体画像データを出力させる為のジョブである場合には、該実体画像データの消去処理の実行を許可するよう制御部108により制御する。例えば、ボックス2の操作画面に相当する図23の画面1800Bのリスト1801Bを介して、ユーザにより、文書Cが選択され、消去キー1902Bが押下された場合には、当該文書Cの実体画像データをハードディスク107から消去する事を許可する。又、例えば、ボックス3の操作画面に相当する図28の画面1800Cのリスト1801Cを介して、ユーザにより、文書Dが選択され、消去キー1902Cが押下された場合には、当該文書Dの実体画像データをハードディスク107から消去する事を許可する。
ここで、本実施形態の効果を更に一層向上させるべく、配布先ユーザにとっての利便性向上も考慮する。例えば、配布先ユーザに相当するボックス2のユーザが、他のボックスに保存されている実体画像データ、文書Eに関し、現時点にて既に必要無しと考えている状況を想定する。本実施形態はこのような状況にも対応出来るように制御部108により制御する。
例えば、ボックス2の為の文書選択画面1800Bを表示部316に表示させ、該画面1800Bのリスト1801Bで文書Fがユーザにより選択されたとする。これをうけ、制御部108は、画面状態を、図23の状態から図24の状態に遷移させる。ここで、該選択対象のドキュメントの実体画像データは文書Eであり、ボックス1に保存されている。故に、上記の如く、図24の画面1800Bに有効表示させた消去キー1902Bがユーザにより押下されても、当該文書Fに関連付けられている文書Eの実体画像データを、ハードディスク107から消去する事は禁止するよう制御する。但し、この場合、制御部108は、画面1800Bのリスト1801Bに表示させている文書一覧リストの中から文書Fのリスト表示については、当該画面上から消去するように、表示部316を制御する。
具体的には、図24の画面1800Bのリスト1801Bにてユーザにより文書Fが選択されたうえで、消去キー1902Bがユーザにより押下された事に応じて、該リスト1802Bから当該文書Fの表示を同画面上から消去させる。この結果を、図30に示す。尚、当該操作に応答してメモリ内のデータも更新する。具体的には、ボックス番号2の記憶領域504から、文書Eへのショートカット機能を果たすデータと文書Fのジョブ情報を削除するように、ハードディスク107を制御する。これにより、ボックス番号2のデータ構造は図10の状態から図9の状態になる。即ち、当該ボックス2には文書Cのデータのみが保存されている状態になる。
このように、他のボックスに保存されている実体画像データをハードディスク107から読出す為のショートカット機能の役割を果たすデータが、ボックス文書選択画面を介して、ユーザにより選択されたうえで、当該データの消去指示がユーザにより入力された場合に、制御部108は、当該実体画像データ自体の消去処理は禁止するが、画面上からの当該データのリスト削除は許可するように表示部316を制御する。
これにより、複数ボックス同時格納モードによりデータの配布対象となった配布先のユーザが、自分自身のボックスに関連付けられている文書データの中で、必要無しと思っているデータが存在しているにも拘らず、当該データが該同時格納モードにより投入された他のボックスにて共有されているジョブのデータであるが故に、自分自身のボックス選択画面上の文書選択リストから削除できない等の不具合を防止できる。そして、必要ないデータをリストから削除できて、必要のあるデータのみでリストを構築させることができ、当該ユーザにとって文書の選択がし易い使い勝手の良いユーザインタフェースを提供することが出来る。
尚且つ、制御部108は、上記制御を実行することにより、ボックス番号2のボックスの為の操作画面1800Bを介しての上記文書Eに対するデータ操作は禁止状態にするものの、他のボックスの操作画面を介しての上記文書E対するデータ操作は、引き続き、実行可能にするよう制御する。
具体的には、図30のような表示制御を表示部316に対して実行することにより、ボックス番号2のボックスの操作画面1800Bを介して文書Eに対する処理要求を受付ける事は、禁止する。一方、ボックス1の操作画面1800Aを表示する場合には、図22に示す表示を表示部316により実行可能に制御する。これにより、ボックス番号2のボックスに関する操作画面を介しての文書Eに対するデータ操作は禁止状態にする。但し、文書Eに対する処理要求を、ボックス番号1のボックスの為の操作画面を介して、ユーザから受付けることは、許可するように、制御する。
同様に、ボックス3の操作画面1800Cを表示する場合には、図28に示す表示を表示部316により実行可能に制御する。これにより、ボックス番号2のボックスに関する操作画面を介しての文書Eに対するデータ操作は禁止状態にするが、文書Eに対する処理要求を、ボックス番号3のボックスの為の操作画面を介して、ユーザから受付けることは、許可するように、制御する。以上のような一連の制御を本実施形態にて実行可能にすることで、次に列挙するような効果が得られる。
例えば、複数ボックス同時投入モードにて投入されたジョブに相当する文書Eに関わるデータ操作を、配布先ボックスに相当するボックス2のユーザが、実行した事が原因で、発生しうる不具合を未然に防止できる。尚、当該不具合の例としては、例えば、他の配布先ボックスに相当するボックス1や3のユーザが、ボックス操作を実行しても、既にハードディスク107から文書Eが消去されてしまっているが故に、文書Eをハードディスク107から読出す事が出来ない等の不具合である。本実施形態にて上記制御を採用することで、このような不具合が起きるのを未然に防止できる。
又、例えば、ボックス番号2のボックスのユーザが「文書Eは、もう利用しないので、自分のボックスの文書選択リストから削除したい」と望んでいるものの、他の配布先のボックス1や3のユーザが、文書Eを利用する可能性があるやも知れないので、ボックス2のユーザの文書選択画面上から削除する事が出来ない等の不具合が、起きることについても、本実施形態にて上記制御を採用することで、未然に防止できる。
このように、複数ボックス同時投入モードを実装化した場合に発生しうる各種の問題も未然に防止でき、ボックス機能を利用する様々なユーザからの様々なニーズに柔軟に対応出来るという本実施形態の上記効果を更に一層向上させる事が出来る。
尚、本実施形態では、様々な仕組みを提供可能に構成しているが、これらは、ボックス機能を利用する様々なユーザからの様々なユーザニーズに配慮した仕様である。故に、必ずしも、本実施形態で述べた複数の仕組みの、その全てを実行できるような装置でなくても本実施形態は適用可能である。
例えば、本実施形態は、ボックス機能のような機能を有するデータ処理装置のメモリに用意された複数のデータ記憶ボックスのうちの、ユーザが所望の複数のボックスに対して、同一ジョブデータを、同時に、配布保存させる状況に対処できるものである。そして、本実施形態は、複数のボックスに対して同一ジョブデータを配布保存させる事を希望しているユーザ自身が、簡単な操作で、これを実現できるという効果を得られるものである。故に、上述した点のうちのメモリ容量等、装置の資源に対する配慮を気にしなくて良いならば、次のような構成でも良い。
例えば、上述の例では、複数ボックス同時格納モードにおいて、配布先のボックスには、実体画像データのショートカット機能の役目を果たすデータを、保存させる制御例だった。この制御例の代わりに以下のような制御を実行させるようにしても良い。ホスト300の表示部に図21のボックス設定画面を表示させた段階から説明する。尚、図21の画面をホスト300の表示部に表示させる前のホスト300での一連の制御は上述した制御と同じなので省略する。
例えば、ボックス設定画面1600のリスト1602を介して、ホスト300から送信される文書Eのドキュメントデータの保存先として、図21のように、ボックス1、2、33の3個のボックスがホスト300のユーザにより選択されたとする。そして、OKキー1701が押下され、当該文書Eのジョブデータが、ホスト300から出力されたとする。この文書Eのジョブデータを本画像形成装置100が受信したら、制御部108は、当該ジョブデータの解析を行う。これにより、当該ジョブデータは複数ボックス同時格納モードのジョブであり、保存先は、ボックス1〜3の3つであると判断する。制御部108は、当該ホスト300からの指示に基き、これら3つのボックスに当該文書Eのジョブデータを同時保存させるわけであるが、ここで、以下のような一連のデータ記憶制御を、実行するように、ハードディスク107を制御する。
まず、ボックス番号1のボックス領域503には、文書Eの実体画像データ(上記例の如く、4ページからなる文書データ)と、ジョブ情報(文書Eの印刷条件など一連の処理パラメータを含む)を、保存させる。制御部108は、該ボックス1への一連のデータ保存処理に並行して(同時に)、以下のようなデータ記憶制御を本装置100に実行させる。
例えば、ハードディスク107のテンポラリ領域501等の適当なメモリ作業領域を利用して、文書Eの実体画像データの電子コピーデータを作成する。この電子データコピー作成処理が完了したうえで、制御部108は、当該文書Eの実体画像データの電子コピーデータを、文書Fというファイル名で、ボックス番号2のボックス領域504に保存させる。
即ち、この例における、文書Fというファイル名のデータは、文書Eへのショートカット機能の役目を果たす仮想的なデータでは無い。文書Fは、文書Eの実体画像データのコンテンツと同一内容の実体画像データそのものである。
この文書Eの実態画像データのコピーデータである実体画像データを、文書Fというファイル名で、ボックス番号2のボックス領域504に保存させると共に、制御部108は、文書Eのジョブ情報も、該文書Fに関連付けて、ボックス領域504に保存させる。
そして、制御部108は、上記と同様の作業を、他の配布先ボックスに該当するボックス番号3のボックス領域505に対しても実行するよう制御する。即ち、文書Eの実体画像データの電子コピーデータに相当する実体画像データの作成処理がテンポラリ領域501にて完了したら、当該文書Eの実体画像データの電子コピーデータを、文書Gというファイル名でもって、ボックス番号3のボックス領域505に保存させる。尚且つ、文書Eのジョブ情報も、該文書Gに関連付けて、ボックス領域505に保存させる。
このように、複数ボックス同時格納モードにおいて選択された複数のボックスに対して、実体画像データのコピーデータを配布保存させるように装置100を制御する構成であっても良い。
このように、実体画像データの電子コピーデータを配布先ボックスに記憶させるデータ蓄積方法でもって、複数ボックス同時格納モードを実行するならば、ハードディスク107内のボックス1、2、3におけるデータ記憶状況は、図10に示したようなデータ構造にはならない。
例えば、ホスト300から複数ボックス同時格納モードで投入された文書Eのジョブデータを、当該データ蓄積方法でもって、ボックス格納させる場合、ボックス1〜3のデータ構造は、図31のようなデータ構造になる。即ち、ボックス1のデータ構造は、図10と同じだが、ボックス2とボックス3のデータ構造は、図10とは異なりショートカット機能のデータを保存せずに、文書Eの電子コピーデータに相当する実体画像データが保存される。本実施形態では、このような蓄積方法で該モードを実行する場合においても対応可能にハードディスク107を制御部108により制御する。
尚且つ、制御部108は、このデータ蓄積方法でもって、同一ジョブデータを複数のボックスに同時保存させる場合、該データ蓄積制御に連動した、ユーザインタフェースに関する操作制御を実行する。例えば、図31のデータ構造状況やFAT情報等の判断材料に基いて、図32や図33の表示を実行可能に表示部316を制御する。以下説明する。
画像形成装置100の表示部316に表示させた図6のボックス選択画面601にてボックス2が選択された場合、制御部108は、ボックス2の為の操作画面として、図32に示す文書選択画面1800Bを表示部316に表示させる。
図23で説明した操作制御例と対比しても分るように、図32に示す表示制御を実行する場合には、リスト1801Bには、ショートカットアイコン2201を表示させない。何故なら、文書Eのコピーデータを作成したことで、文書Eの内容と同一内容の実体画像データ自体を本ボックス2に保存させているからである。
故に、図32の如く、ボックス2の文書選択リスト1801Bには、文書Fとして、実画像データが本ボックスに保存されている事、並びに、文書Fは、文書Eのコピーデータである事を、ユーザにより認識可能にする為の情報を、リスト18001Aに表示させる。
尚、図32に示すリスト1801Bを介して何れかの文書がユーザにより選択されると、先程と同様に、制御部108は、図32の画面1800B上にて、キー1901B〜キー1905Bを有効表示状態にする。
例えば、図32に示すリスト1801Bを介して文書Fがユーザにより選択された場合に、制御部108は、図32の画面1800B上に、キー1901B〜1905Bを有効表示状態にさせ、ユーザから該文書Fに関わる処理要求を受付可能にする。そして、例えば、図32の画面1800Bに有効表示状態にしたプリントキー1903Bがユーザにより押下された場合には、先程と同様に、図25のプリント設定画面200Aを表示部316に表示させる。この画面2000Aを介して、文書Eのコピーデータに相当する文書Fに対する各種印刷処理条件を、ユーザにより、設定可能にする。
尚、図32でリスト表示されている該文書Fのオリジナルデータは、文書Eである。又、本実施形態では、上述したように、文書Eに対してホスト300のプリンタドライバ1300を介して予め印刷処理条件を設定することが出来る。
故に、このように、オリジナルデータに印刷条件が予め設定されている場合には、そのパラメータを画面2000Aで反映させる。制御部108は、オリジナルデータに対して予め設定された印刷条件のままでプリントさせるか、設定変更したうえでプリントさせるかを、画面2000Aを介して、現在ボックス操作しているユーザにより決定可能に装置100を制御する。この制御を実行可能にする為にも、図31に示すように、ジョブ情報は、文書Fに関連付けてボックス領域504に保存している。
図32に示すリスト1801Bを介して文書Fがユーザにより選択され、ユーザによる各種の設定、確認作業が完了し、図25の画面2000Aのプリント開始キー2002Aがユーザにより押下されたとする。すると、制御部108は、当該ユーザ操作に応答し、ハードディスク107から、文書Eの電子コピーデータである文書Fというファイル名で定義した実体画像データを、本ボックス2の記憶領域504から読み出す。図25の表示を介して印刷条件が設定変更されずにキー2002Aが押下された場合には、制御部108は、読み出した当該実体画像データ(文書Eの実体画像データのコピーデータ)を、ホスト300にて文書Eに対して予め設定された印刷処理条件でもって、プリンタ部104によりプリントさせる。一方、図25の表示を介してユーザにより処理条件がユーザにより設定変更されたうえで、キー2002Aが押下された場合には、読み出した当該実体画像データを、設定変更後の印刷処理条件でもって、プリンタ部104によりプリントさせる。
尚、このようにコピーデータを作成する制御を実行する場合には、次のような消去処理に関する制御に関しても、制御部108により実行可能にする。例えば、図32に示すリスト1801Bを介して文書Fがユーザにより選択されたうえで、図32の画面1800Bに有効表示状態にさせた消去キー1902Bが、ユーザにより押下されたとする。これにより、制御部108は、文書Fに対する消去処理要求をユーザより受付ける。
この場合、制御部108は、文書F、即ち、文書Eの実体画像データのコピーデータを、当該ボックス領域504から消去するよう制御する。このように、当該制御例においては、同時配布されたデータの消去処理を実行する事を許可する。尚、消去処理を実行する場合には、実データに対して任意のデータを上書きする方法、或いは、FATテーブルの管理データをクリアする方法等により、文書F、即ち、文書Eの実体画像データのコピーデータをハードディスク107から読出不可能状態にする。又、当該文書のジョブ情報も、該領域504から削除する。
又、このようにコピーデータを作成する制御を実行する場合には、次のようなデータ送信処理に関する制御についても、制御部108により実行可能にする。例えば、図32に示すリスト1801Bを介して文書Fがユーザにより選択されたうえで、図32の画面1800Bに有効表示状態にさせた送信キー1904Bが、ユーザにより押下されたとする。これにより、制御部108は、文書Fに対するデータ送信処理要求をユーザより受け付ける。
例えば、この場合、制御部108は、文書F、即ち、文書Eの実体画像データのコピーデータを、当該ボックス領域504から読み出し、読み出した当該実体画像データを、該ユーザにより所望の外部装置へ、該ユーザの所望のデータ形式でもって、データ送信するように、コンピュータインタフェース部106を制御する。このように、同時配布対象のジョブの実体画像データの送信処理の実行を許可する。
又、このような処理と同等のことを、その他の配布先ボックスに相当するボックス番号3を操作する場合においもて実行可能に制御部108により装置100を制御する。
例えば、画像形成装置100の表示部316に表示させた図6のボックス選択画面601にてボックス3が選択された場合には、制御部108は、ボックス3の為の操作画面として、図33に示す文書選択画面1800Cを表示部316に表示させる。
図33のリスト1801Cの文書Gというファイル名のデータが、ボックス番号1に保存されている文書Eの実体画像データのコピーデータである。そして、このコピーデータが該ボックス3のボックス領域505に保存されている。
ユーザが図33のリスト1801Cを介して、当該文書Eの実体画像データのコピーデータに該当する文書Gを選択すれば、制御部108は、図33の画面1800C上にキー1901C〜1905Cを有効状態にする。そして、当該文書Gに対する所望の処理要求をユーザにより受付可能に制御する。
尚、文書Eの実体画像データを保存したボックス番号1のユーザインタフェースは、この例においても、図22のボックス設定画面1800Aと同一であり、オリジナルデータを保存したボックスのユーザは、先と同様の事を実行することが出来る。制御部108は、この例において、図6の画面にてボックス1が選択された場合にも、図22の画面1800Aを表示部316に表示させる。そして、上述した制御と同等の制御を実行する。
このように、複数ボックス同時格納モードにおいて、実体画像データの電子コピーデータを配布先ボックスに記憶させる動作シーケンスを実行する場合においても、配布先ボックスの為のボックス操作画面を介して、当該データに対する各種の処理要求を、各配布先ボックス毎に、個別に、ユーザから受け付ることが出来る。
尚、本実施形態では、このように、複数ボックス同時格納モードにおいて、実体画像データの電子コピーデータを配布先ボックスに記憶させるような動作シーケンスを、複数ボックス同時格納モードにおける電子コピーデータ配布モードと称す。一方、先に詳述した説明、即ち、他のボックスに存在する実体画像データのメモリからの読出指示を別のボックスのUIを介してユーザにより入力可能にする為のショーカット機能データを、配布先ボックスに保存させる動作シーケンスを、複数ボックス同時格納モードにおけるショートカット機能データ配布モードと称す。
ここで、これらのモードのメリットに関して説明する。まず、これら2つのモードに共通して得られるメリットを説明する。例えば、どちらのモードを実行する場合にしても、ボックス機能を具備するデータ処理装置のメモリに用意されている複数のデータ記憶ボックスの中から、ユーザが所望の複数のボックスに対して、同一ジョブのデータを、同時に、配布保存させるような状況に対処できる。尚且つ、所望の複数のボックスに対して同一ジョブのデータを配布保存させる事を希望するユーザ自身が、簡単な操作で、これを実現できるようにする事が出来る。このように複数のボックスに同時格納させる際のユーザの操作性を向上させる事が出来る。
そして、前者、即ち、複数ボックス同時格納モードにおけるショートカット機能データ配布モードに特化したメリットを説明する。例えば、当該モードを実行できるならば、上記2つのモードに共通の効果を奏しつつ、且つ、該ボックス機能にて必要な資源を節約することが出来る。例えば、本実施形態では、ボックス機能にてハードディスク107を利用するが、複数のボックス同時格納モードのジョブの為に実体画像データを記憶するボックスは1つで済む。故に、少ないメモリ容量で、該複数ボックス同時格納モードのジョブに対処することが出来る。
一方、後者、即ち、複数ボックス同時格納モードにおける電子コピーデータ配布モードに特化したメリットを説明する。例えば、当該モードを実行できるならば、上記2つのモードに共通の効果を奏しつつ、且つ、配布先ボックスのユーザの利便性を更に向上させる事が出来る。
例えば、本実施形態で述べた前者のモードを実行する場合は、本実施形態において、制御部108は、次のような動作を実行可能にしている。例えば、ボックス1のユーザがボックス1の為の操作画面、図22の画面1800Aのりスト1801Aを介して文書Eが選択され、有効表示状態となった消去キー1902Aがユーザにより押下されたとする。この場合、制御部108は、文書Eの実体画像データを当該ボックス1のボックス領域503から消去させる。
これにより、文書Eの実体画像データをハードディスク107から読み出し不可能状態にする。且つ、ボックス操作をユーザが行っても、当該文書Eの実体画像データに対する処理要求の受付けを禁止する。例えば、ボックス番号1のボックスに関わる図22の文書選択画面1800Aのリスト1801A上から文書Eの情報のリスト表示を削除する。尚且つ、当該文書Eの実体画像データの消去処理を実行した事に応じて、自動的に、ボックス2やボックス3の配布先ボックスの操作画面のリストも自動更新させる。
例えば、当該制御により文書Eの実体画像データの消去処理が実行された後に、ボックス2の文書選択画面を表示部316に表示させた場合、図23のリスト1801Bのリストには、文書Eに関連付けられた文書Fの情報のリスト表示は自動的に削除された状態とする。同様に、ボックス3の文書選択画面を表示部316に表示させた場合でも、図28のリスト1801Cのリストには、文書Eに関連付けられた文書Gの情報のリスト表示は自動的に削除された状態とする。
このように、複数ボックス同時格納モードにおけるショートカット機能データ配布モードのような動作を装置100に実行させる場合、実体画像データを保存しているボックス1の操作画面を介しては、該実体画像データの消去指示を受付可能にする。そして、制御部108は、該指示が入力されたら、該実体画像データの消去処理を実行する。尚且つ、該消去処理の実行完了に応じて、他の配布先ボックスに相当するボックス番号2の為の画面や、ボックス番号3の画面から、該文書Eの実体画像データにアクセスする為の表示項目を自動的にリスト上から削除するよう表示部316を制御する。これにより、他の配布先ボックスからのアクセスを禁止するよう制御している。
これに対して、複数ボックス同時格納モードにおいて電子コピーデータ配布モードを装置100が実行できるならば、制御部108による制御により、本装置100にて、以下のような動作を可能とする。
例えば、ボックス番号1のユーザが図22のリスト1801Aを介して文書Eを選択して、同画面上に有効表示された消去キー1902Aをユーザが押下されたとする。すると、制御部108は、ボックス1のボックス領域503から該文書Eの実体画像データ及びジョブ情報を消去する。且つ、ボックス1の操作画面1800Aのリスト1801A上からも、該文書Eに対応する表示項目を削除するように、ボックス1の操作画面の表示内容も更新する。これにより、文書Eの実体画像データに対する処理要求をボックス1の操作画面1800Aを介してユーザから受付ける事を禁止する。
しかし、制御部108は、文書Eの実体画像データ及びジョブ情報をボックス1の記憶領域503から消去させても、該文書Eの実体画像データのコピーデータが保存されているボックス2の記憶領域504やボックス3の記憶領域505からは、当該文書Eの実体画像データのコピーデータ(実体)及び該ジョブのジョブ情報は、消去しないように制御する。そして、そのまま、これらの領域に、該文書Eの実画像データのコピーデータ及びジョブ情報を残存させるようハードディスク107を制御する。
尚且つ、制御部108は、上記制御に連動し、ボックス1の操作画面1800Aのリスト1801Aから文書Eのリスト表示を削除しても、ボックス2の操作画面1800Bのリスト1801Bから文書Fのリスト表示を削除する事は禁止する。且つ、ボックス3の操作画面1800Cのリスト1801Cから文書Gのリスト表示を削除する事も禁止する。
即ち、図22のボックス番号1の操作画面1800Aのりスト1801Aから文書Eのリスト表示を削除させても、ボックス番号2の操作画面を表示部316に表示させた場合には、図32の表示状態を維持出来るように表示部316を制御する。そして、図32のボックス2の画面1800Bのリスト1801Bを介して文書Fが選択された場合には、該ボックス2の記憶領域504に保存している該文書Fに関連付けられた文書Eの実体画像データのコピ−データに対する各種処理要求を、該ボックス2のユーザから受付可能にする。そして、該ボックス2のユーザからの指示に応じた処理を、該ボックス2の記憶領域504に保存させている当該コピーデータ(実体)に対して実行可能に制御する。
同様に、図22のボックス番号1の操作画面1800Aのりスト1801Aから文書Eのリスト表示を削除させても、ボックス番号3の操作画面を表示部316に表示させた場合には、図33の表示状態を維持出来るように表示部316を制御する。そして、図33のボックス3の画面1800Cのリスト1801Cを介して文書Gが選択された場合には、該ボックス3の記憶領域505に保存している該文書Gに関連付けられている文書Eの実体画像データのコピ−データに対する各種処理要求を、該ボックス3のユーザから受付可能にする。そして、該ボックス3のユーザからの指示に応じた処理を、該ボックス3の記憶領域505に保存させている当該コピーデータ(実体)に対して実行可能に制御する。
以上の制御を換言する。例えば、ボックス2のユーザからボックス2の操作画面1800Bを介して文書Fに対する消去処理の実行要求を受付けたとする。この場合、制御部108は、文書Eの実体画像データの電子コピ−データ及びジョブ情報を該ボックス2の記憶領域504から消去させる。しかし、文書Eの実画像データに対する処理要求は、ボックス1の画面1800Aを介してボックス1のユーザから受付可能に制御する。且つ、文書Eの実画像データのコピーデータに対する処理要求も、ボックス3の画面1800Cを介してボックス3のユーザから受付可能に制御する。
このように、複数ボックス同時格納モードにおいて電子コピーデータ配布モードにてジョブデータを複数のボックスに格納出来る構成であるならば、他のボックスでのユーザ操作に連動せずに、各ボックス毎に、独立した、他のボックスに依存しない、制御を、同時格納対象のジョブデータに対して、実行可能に構成する事も可能である。
これにより、複数ボックス同時格納モードにおけるショートカット機能データ配布モードのような動作を実行可能な装置構成にて発生するやも知れない問題も未然に抑制出来る。例えば、ショートカット機能データ配布モードの場合には、ボックス1のユーザがボックス1の文書Eを消去してしまった事が原因で、ボックス2やボックス3のユーザが文書Eの実体画像データにアクセスできず、文書Eの実体画像データに対応するデータの出力物を得ることができない等の不具合が起こる可能性も未然に防ぐ事が出来る。
このように、ショートカット機能によるデータ共有方法でも、実体画像データの電子コピーデータ作成機能によるデータ共有方法でも、どちらの構成を採用しても構わない。少なくとも、これらの方法にて共通して得られる事が可能な上記のような効果を達成する事が可能であるならば、如何なるシステム・装置構成であっても、如何なるデータ処理方法であっても、本実施形態は、適用出来る。
換言すると、本実施形態では、上述したようにボックス機能に関わる様々な制御構成を取り入れている。しかし、これらは、全て、ユーザの利便性や使用環境等を念頭に入れた高付加価値仕様であり、必ずしも、これらの全ての制御を実現しなければならないというものではない。なぜなら、例えば、少なくとも上述した制御の1つを採用することで、従来で想定したような課題を改善提案でき、ボックス機能の機能アップ、ユーザビリティの向上に貢献できるからである。
尚、ボックス機能における様々なユーザニーズに柔軟に対応出来るようにするという効果を更に向上させる点を念頭において検討してみるならば、以下のような制御を本実施形態にて実行可能に構成しても良い。
例えば、上述した構成例は、複数ボックス同時格納モードにおけるショートカット機能データ配布モードのような動作、及び、複数ボックス同時格納モードにおける電子コピーデータ配布モードのような動作、のうちの、何れか一方の動作のみを実行可能な装置であるならば、包含される具体例でもある。そこで、これらの両モードを具備した装置を想定し、このような上記のような2つのモードを具備した装置にて、どちらのモードで装置を動作させるか、ユーザ自身により選択決定可能に構成しても良い。
例えば、本実施形態の装置100を例にとり説明する。該装置100は、図4の示す操作部102が具備するユーザモードキー311がユーザにより押下された事に応じて、制御部108は、該装置100が具備する各種機能に関する初期設定をユーザにより登録可能にする為のユーザモード画面を表示部316に表示させる。尚、当該上述した各種ボックス機能に関する設定(例えば、ボックスの名称を登録する為の設定など)も、当該ユーザモード下にて初期設定をユーザにより登録可能にしている。
ここで、該ユーザモードが選択され、ボックス機能に関する初期設定をユーザが行う場合に、図34に示す画面を表示部316に表示可能に制御部108により制御する。
当該画面3400は、ボックス機能に関する初期設定を行う為の表示画面である。制御部108は、当該画面3400の選択項目3401内のキー3402及びキー3403を介して、そもそも上述した複数ボックス同時格納モードを実行する事を許可するか禁止するかを予めユーザにより選択可能に制御する。
例えば、図34の例では、キー3403が複数ボックス同時格納モードの実行を禁止する設定がなされている状態に相当する。この設定が本画像形成装置100に対してなされている場合、制御部108は、当該設定情報を、データ発生装置に伝達する。即ち、データ発生装置の一例に相当する上述したホスト300に対しても、当該ボックス設定情報が通知される。
このような設定の場合、例えば、ホスト300の制御部は、ホスト300のユーザから複数ボックス同時格納モードの実行要求自体を受付けないよう制御する。例えば、図16のようなボックス設定画面1600をホスト300の表示部に表示させた場合に、選択可能なボックスは1個のみとし、複数のボックスを選択出来ないようにする。即ち、図17に示すようなリスト1600におけるボックス選択設定は許可するが、図21に示すように、リスト1600にて複数のボックスを選択する事は禁止するよう制御する。これにより、複数ボックス同時格納モードの実行を禁止して、単一ボックス格納モードの実行についは許可するように制御する。
一方、図34の画面3400上のキー3402がユーザにより押下された事を受け、複数ボックス同時格納モードの実行を許可する設定がなされた場合には、制御部108は、画面3400の表示内容を、図35に示すような表示内容に遷移させるよう表示部316を制御する。尚且つ、この設定が本画像形成装置100に対してなされている場合も、制御部108は、当該設定情報を、データ発生装置に伝達する。即ち、データ発生装置の一例に相当する上述したホスト300に対しても、当該ボックス設定情報が通知される。
これにより、例えば、ホスト300では、上述した各種制御を実行可能にする。即ち、図17のようにボックス設定画面1600を介して1個のボックスのみ選択可能とし、単一ボックス格納モードで処理対象のジョブを本装置100に処理させる事が出来る(文書Cを投入した場合の制御例参照)。尚且つ、図21のようにボックス設定画面1600を介してユーザにより複数個のボックスを選択可能とし、複数ボックス同時格納モードで処理対象のジョブデータを本装置100に処理させる事も可能にする(文書Eを投入した際の制御例参照)。
又、複数同時ボックス格納モードの実行を禁止する設定がなされている場合、制御部108は、図34に示すように、画面3400上の選択項目3404をグレー表示状態にさせている。これにより、該項目3404を介してユーザにより指示を入力できないように制御している。
一方、複数同時ボックス格納モードの実行を許可する設定がなされている場合には、図35に示すように、画面3400上の選択項目3404を有効表示状態にさせる。これにより、該項目3404を介してユーザにより指示を入力可能に制御している。
本実施形態では、複数ボックス同時格納モードを実行する場合に、この設定項目3505内の選択欄3404a、3404bの何れかをユーザが選択する事により、複数ボックス同時格納モードにおいてショートカット機能データ配布モードを装置100に実行させるか、電子コピーデータ配布モードを装置100に実行させるかを、ユーザ自身により予め決定可能に制御する。
図35の表示状態は、選択欄3404aが選択されている事によりショートカット機能データ配布モードが選択されている場合の例である。このように、複数ボックス同時格納モードを実行する場合において、ショートカット機能データ配布モードの設定が装置100に対してなされている場合、制御部108は、上述のショートカット機能データ配布モードの説明にて述べた各種制御を実行可能にする(図10、図22〜図30の各説明参照)。
一方、図35に示す選択項目3404の選択欄3404bをユーザが選択する事により電子コピーデータ配布モードを設定することが出来る。このように、複数ボックス同時格納モードを実行する場合において、電子コピーデータ配布モードの設定が装置100に対してなされている場合には、制御部108は、上述の電子コピーデータ配布モードの説明にて述べた各種制御を実行可能にする(図31、図22、図31〜図33の各説明参照)。
このように構成する事で、ショートカット機能データ配布モード、及び、電子コピーデータ配布モードのうちの、ユーザが所望のモードでもって、複数ボックス同時格納モードを実現できる。これにより、これら2つのモードの夫々のメリットを考慮しつつ、最適な動作を選択する事が出来る。故に、ボックス機能における様々なユーザニーズに柔軟に対応出来るという効果を更に向上させる事が可能である。但し、当該制御に関しても、ボックス機能におけるユーザメリットを考慮した上での仕様であるが故に、必ずしも採用する必要はない。
尚、本実施形態は、詳述したように、ショートカット機能データ配布モードであっても、電子コピーデータ配布モードであっても共通する構成は、例えば、少なくとも以下の点等がある。
第1ボックス及び第2ボックスを含む複数のボックスのデータを記憶可能なハードディスク107等の記憶ユニットを有する本画像形成装置100等のデータ処理装置を含んだデータ処理システムにて、以下のように構成する。
本実施形態では、ホスト300等のデータ発生装置のユーザインタフェースユニットを介して所定の操作が行われずに該データ発生装置から送信された第1ジョブのデータが前記記憶ユニットに記憶された場合に、該第1ジョブのデータに関わる処理要求を、前記第1ボックスに関わる第1表示を介して、ユーザから受付可能にデータ処理装置を制御する。
この構成は、例えば、図17を参照し、ホスト300のボックス設定画面1600を介して、複数ボックスの選択操作がなされずに、ボックス番号2のボックスのみが、保存先として、ホスト300のユーザにより選択されたうえで該ホスト300から送信された文書Cのジョブデータを本装置100が受信した場合における制御例に相当する。当該受信データを解析したら、制御部108は、ハードディスク107のボックス2のボックス領域504に当該ジョブデータを保存させる。この場合、当該文書Cの実体画像データに対する処理要求は、ボックス番号2のボックス利用する際に要する操作画面を介して、ユーザにより受付け可能にする。そして、ユーザの所望の処理を該文書Cの実体画像データに実行可能にする(図18〜図20等参照)。
同様に上記構成は、例えば、ホスト300のボックス設定画面1600を介して、複数ボックスの選択操作がなされずに、ボックス番号1のボックスのみが、保存先として、ホスト300のユーザにより選択されたうえで該ホスト300から送信された文書Aのジョブデータを本装置100が受信した場合における制御例に相当する。当該受信データを解析したら、制御部108は、ハードディスク107のボックス1のボックス領域503に当該ジョブデータを保存させる。この場合に、当該文書Aの実体画像データに対する処理要求は、ボックス番号1のボックスの操作画面を介して、ユーザにより受付け可能にする。そして、ユーザの所望の処理を該文書Aの実体画像データに実行可能にする(図22等参照)。
換言すると、制御部108は、ボックス2や3等、ボックス1以外のボックスの為のユーザインタフェース画面を介して、文書Aの実体画像データの操作を行う事は、禁止する。又、ホスト300のボックス設定画面1600を介して、複数ボックスの選択操作がなされずに、ボックス番号1のボックスのみが、保存先として、ホスト300のユーザにより選択されたうえで該ホスト300から送信された文書Bのジョブデータを本装置100が受信した場合における制御例にも相当する。
同様に上記構成は、例えば、ホスト300のボックス設定画面1600を介して、複数ボックスの選択操作がなされずに、ボックス番号3のボックスのみが、保存先として、ホスト300のユーザにより選択されたうえで該ホスト300から送信された文書Dのジョブデータを本装置100が受信した場合における制御例に相当する。当該受信データを解析したら、制御部108は、ハードディスク107のボックス3のボックス領域505に当該ジョブデータを保存させる。この場合に、当該文書Dの実体画像データに対する処理要求は、ボックス番号3のボックスの操作画面を介して、ユーザにより受付け可能にする。そして、ユーザの所望の処理を該文書Dの実体画像データに対して実行可能にする(図28、図29等参照)。換言すると、制御部108は、ボックス1や2等、ボックス3以外のボックスの為のユーザインタフェース画面を介して、文書Dの実体画像データの操作を行う事を、禁止する。
以上のように、保存先として、複数ボックスの選択操作がなされずに、1個のボックスのみが指定されたうえでデータ発生装置から投入される、ジョブの事を、第1ジョブと称している。換言すると、単一ボックス格納モードでもって処理すべきジョブの事を第1ジョブと称している。これに関連し、実体画像データ自体が保存されるボックスの事を、ここでは、第1ボックスと称している。
このような構成を前提として、更に以下の構成を持つ。
ホスト300等のデータ発生装置のユーザインタフェースユニットを介して前記所定の操作が行われたうえで該データ発生装置から送信された第2ジョブのデータが前記記憶ユニットに記憶された場合に、該第2ジョブのデータに関わる処理要求を、前記第1ボックスに関わる第1表示を介して、受付可能にし、且つ、該第2ジョブのデータに関わる処理要求を、前記第2ボックスに関わる第2表示を介しても、受付可能にデータ処理装置を制御する。
この構成は、例えば、図21を参照し、ホスト300のボックス設定画面1600を介して、保存先として、複数ボックスの選択操作としてボックス1、2、3がホスト300のユーザにより選択されたうえで、該ホスト300から送信された文書Eのジョブデータを本装置100が受信した場合における制御例に相当する。当該受信データを解析したら、制御部108は、ハードディスク107のボックス1、2、3の各ボックス領域503、504、505に当該ジョブデータを保存させる。尚、ショートカット機能データ配布モードならば、文書Eの実体画像データを読み出す為のショートカット機能を果たすデータに相当する文書Fをボックス2に保存させる。同様に、文書Eの実体画像データを読出す為のショートカット機能を果たすデータに相当する文書Gをボックス3に保存させる。一方、電子コピーデータ配布モードならば、文書Eの実体画像データのコピーデータに相当する実体画像データを、文書Fとして、ボックス2に保存させる。同様に、文書Eの実体画像データのコピーデータに相当する実体画像データを、文書Gとして、ボックス3に保存させる。尚、どちらのモードでも、文書Eのオリジナルの実体画像データを、ボックス1に保存させる(図10、図31参照)。
このような場合、当該文書Eの実体画像データに対する処理要求は、ボックス番号1のボックス利用する際に要する操作画面を介して、ユーザにより受付け可能にする。そして、ボックス1のユーザの所望の処理を該文書Eの実体画像データに対して実行可能にする(図22等参照)。
尚且つ、該文書Eのオリジナルの実体画像データを保存していないボックス2やボックス3のユーザインタフェースを介しても、該文書Eの実体画像データ(或いは、文書Eの実体画像データのコピーデータに相当する実体画像データ)に対する処理要求を、ボックス2のユーザやボックス3のユーザから、夫々、受付可能に、制御する。そして、ボックス2のユーザやボックス3のユーザにより各々希望される処理を、該文書Eの実体画像データに対して、実行可能にする(図23〜図27、図28〜図29、図30、図32、図33等参照)。
以上のように、保存先として、複数ボックスの選択操作がデータ発生装置のユーザにより実行されたうえで該データ発生装置から投入されるジョブの事を、第2ジョブと称している。換言すると、複数ボックス同時格納モードでもって処理すべきジョブの事を第2ジョブと称している。これに関連し、オリジナルの実体画像データ自体が保存されるボックスの事を、ここでは、第1ボックスと称し、オリジナルの実体画像データを保存していないボックスの事を第2ボックスと称している。
又、更に、上記構成を前提とし、データ処理装置のメモリが有する複数のデータボックスの中から(本実施例では、100個)の中から、同一コンテンツのジョブデータを同時保存させるべき複数のボックスを、データ発生装置のユーザにより選択可能に制御している。
この構成の一例として、例えば、図21を参照し、同一コンテンツ画像データを同時保存させるべきボックスをホスト300のユーザにより複数選択可能にする為のボックス設定画面1600をホスト300の表示部にホスト300の制御部により制御する例である。そして、該画面を介してボックス1〜3等、複数のボックスをホスト300のユーザにより選択可能にしている。
そして、更に、上記構成を前提とし、複数のボックスに同一ジョブデータを同時格納する際に、どのボックスに実体画像データを保存させるか、これも、データ発生装置のユーザにより選択可能に制御する。
この構成の一例として、例えば、図21を参照し、ボックス設定画面1600を介してホスト300のユーザにより一番目に選択されたボックスに実体画像データを保存差せる事が出来る。
尚、本実施形態の複数ボックス同時格納モードで処理対象となるジョブに関わるユーザへの操作性を更に向上させるという観点で、以下のような制御を本実施形態にて実行可能にしても良い。
例えば、ホスト300のユーザが文書Eのジョブデータをボックス1〜3に保存させる設定を行った上でホスト300のプリンタドライバ1300を介してOKキーが押下されたとする。すると、当該ジョブ投入指示を受付けたホスト300の制御部は、当該ジョブのデータを画像形成装置100へ、例えば、複数ページからなるドキュメントであるならば、例えば、先頭頁順に、順次、ページ単位で、送信する。一方、画像形成装置100側では、ホスト300からのジョブデータを、順次、ページ単位で、ビットマップ画像に展開処理したのち、実体画像データを、ボックスに保存させる。そして、最終的には、ホスト300のユーザにより指定された複数のボックスの全てのボックスに、当該ジョブデータが、保存される事になる。
このように、複数ボックス同時格納モードにおいて、データ発生装置によりジョブデータの処理開始要求をユーザから受付けた時点からデータ処理装置による当該ジョブデータの複数ボックスへのデータ保存処理が全て完了する時点までの期間として、一連の作業期間が発生する。この一連の作業期間は、同一ジョブデータを保存させるべきボックスの数が多ければ多い程、長くなる。
このような状況を想定し、もし、データ発生装置のユーザが、複数ボックス同時格納モードにより処理対象となるジョブの実行要求をデータ発生装置に入力した直後に、各ボックスに配布すべきジョブデータではないと気づいたとする。例えば、ホスト300のユーザが文書Eのジョブデータを複数のボックスに格納させようとしていたのに、間違って、別の文書を投入してしまった場合等である。或いは、文書Eではあるものの、不適性な印刷処理条件を設定してしまった場合等である。このような場合、当該データ発生装置のユーザはジョブをキャンセルしたいと考えるケースが予想される。このような状況にも柔軟に対応出来る方がより好ましいと考える。故に、本実施形態にて、以下のような制御を実行可能にしても良い。
例えば、図21のように、ホスト300にて複数のボックスがボックス設定画面1600を介してユーザにより選択されたうえで、図13のプリンタドライバの基本画面1300のOKキー1302が押下されたとする。すると、ホスト300の制御部は、出力開始要求を受付けたと判断し、複数ボックス同時格納モードにて処理対象となる文書Eのジョブデータを画像形成装置100へ送信する。当該ジョブデータを画像形成装置100が受信したら、制御部108は、当該ジョブデータのコマンドデータを解析し、ホスト300のユーザインタフェースを介して入力されたユーザからの処理要求を判定する。これにより、先の形態どおり、当該文書Eのジョブデータは、ボックス1、2、3に保存させるジョブであると判断する。故に、制御部108は、上述例のような、一連のデータ記憶処理を開始実行させるように、ハードディスク107を制御する。
即ち、文書Eの実体画像データ(4頁分の一連のビットマップ画像データの全て)、及び、該文書Eのジョブ情報(該文書の為にホスト300にて指定された一連の印刷処理条件データを含む)を、ボックス番号1のボックス領域503に、保存させる。且つ、文書Eの実体画像データのショートカット機能データ(電子コピーデータ配布モードならば文書Eの実体画像データの電子コピーデータ)、及び、該文書Eのジョブ情報を、ボックス2のボックス領域504に、保存させる。且つ、文書Eの実体画像データのショートカット機能データ(電子コピーデータ配布モードならば文書Eの実体画像データの電子コピーデータ)、及び、該文書Eのジョブ情報を、ボックス3のボックス領域505に、保存させる。
制御部108は、上記3個のボックスの為の全ての処理が完了すれば、ホスト300からの文書Eのジョブの作業は全て完了したと判断する(この点は、図11の例で述べるならば、ステップS1103でNOの判定により図11の処理が終了する点に該当する)。
一方、当該ジョブの処理が全て完了していなければ、該ジョブの処理を完了するまでハードディスク107による当該ジョブの為のデータ記憶処理を実行し続けるよう制御する(この点は、図11の例で述べるならば、ステップS1103でYESの判定により、ステップS1104〜ステップS1106の処理を繰り返すループ処理に相当する)。
制御部108は、上記複数ボックス同時格納モードにより処理すべき文書Eのジョブの為の一連のデータ記憶処理をハードディスク107に開始させてから、該ジョブの一連の処理が全て完了する迄の期間中においても、装置100自身の各種の動作状態や、操作部102を介して入力されるユーザからの処理要求等を監視している。尚且つ、当該ジョブ実行中においても、外部装置からの各種データの入力を受付けている。
更に、制御部108は、ジョブの処理状況(ジョブの進捗状況)を監視する。例えば、複数ボックス同時格納モードにて処理対象のジョブデータを、データ発生装置のユーザにより選択された複数のボックスの全てのボックスに対して格納させる為の、一連の処理が、未完了状態か否かを、制御部108により、確認する。
又、制御部108は、上記のようなジョブの処理状況を監視しつつ、該ジョブの処理をキャンセルさせる為の指示を、ユーザインタフェースを介して、ユーザから受付可能に制御する。
上記例で説明すると、例えば、文書Eのジョブ送信元に相当するホスト300の表示部の設定画面を介してホスト300のユーザにより入力された、文書Eのジョブデータの為の複数ボックス同時格納処理のキャンセル指示を、コンピュータインタフェース部106により、受付可能にする。又、例えば、本装置100自身が具備するユーザインタフェースに該当する操作部102から、該ジョブのキャンセル指示を本画像形成装置100のユーザから受付可能にする。
上記の構成のもと、例えば、本画像形成装置100により文書Eのジョブの為のボックス格納処理を実行させている際中に、上述のユーザインタフェースユニットを介して、該文書Eのジョブのキャンセル指示(中止指示、或いは、ストップ指示とも呼ぶ)が入力されたとする。
尚、該ジョブに対するキャンセル指示が入力された時点における、該ジョブの進捗状況は、以下の状態であるとする。
(1)ボックス1の為のデータ記憶処理は終了済みである。即ち、文書Eの実体画像データ(4頁分の一連のビットマップ画像データの全て)、及び、該文書Eのジョブ情報(該文書の為にホスト300にて指定された一連の印刷処理条件データを含む)を、ボックス番号1のボックス領域503に、保存させる処理は済んでいる。
(2)現在、ボックス2の為のデータ記憶処理を実行中である。即ち、文書Eの実体画像データのショートカット機能データ(電子コピーデータ配布モードならば文書Eの実体画像データの電子コピーデータ)、及び、該文書Eのジョブ情報を、ボックス2のボックス領域504に、保存させる為の処理の途中段階である。
(3)ボックス3の為のデータ記憶処理は、そもそも、まだ開始すらしていない。なぜなら、ボックス2の処理が終了していないからである。即ち、文書Eの実体画像データのショートカット機能データ(電子コピーデータ配布モードならば文書Eの実体画像データの電子コピーデータ)、及び、該文書Eのジョブ情報を、ボックス3のボックス領域505に、保存させる処理、自体を、まだ開始していない。
このように、該ジョブのキャンセル指示を受付けた際の当該ジョブの処理状況として、ボックス1に対する文書Eのジョブデータの記憶処理は完了している。且つ、ボックス2に対する文書Eのジョブデータの記憶処理は途中段階である。且つ、ボックス3に対する文書Eのジョブデータの記憶処理は、未処置である。
制御部は、上記状況である事を、ハードディスク107からのジョブ処理状況情報に基いて、判断した場合に、当該文書Eのジョブのキャンセル処理を装置100に実行させる。
尚、ユーザからの様々なニーズに柔軟に対応する効果を更に向上させるならば、ここで実行すべきキャンセル処理は、以下に列挙する何れかの制御である事が望ましい。
[キャンセル制御1:複数ボックスオールキャンセルモード]
当該制御を実行する場合、制御部108は、たとえ、データ発生装置のユーザにより選択された複数のボックスのうち、何れかのボックスに対しては、キャンセル対象のジョブのデータの記憶処理が済んでいる場合であっても、そのボックスを含む、該ユーザにより選択された全てのボックスに対して、該ジョブのデータ保存処理を、キャンセルさせる(無効状態にする)。
この制御を、複数ボックス同時格納モードにて処理対象のジョブの為の、「複数ボックスオールキャンセルモード」と呼ぶ。
このモードを実行する場合の制御動作を、上記例を用いて、説明する。現在、処理が途中段階の、ボックス番号2のボックス領域504に、例えば、文書Eの実体画像データのショートカット機能データ(電子コピーデータ配布モードならば文書Eの実体画像データの電子コピーデータ)の少なくとも一部のデータ、或いは、該文書Eのジョブ情報の少なくとも一部のデータは、保存済みとする。このような、ボックス番号2のボックス領域504に存在する、不完全な状態の文書Eのジョブに関わるデータを、該領域504から消去させる。但し、当該ボックス2に保存済みの他のジョブのデータは消去しないで残すよう制御する。即ち、文書Cのデータはボックス2の領域504に保存させたままとする。
制御部108は、当該制御を実行する事に連動し、操作部102も制御する。具体的には、図23或いは図32に示す、ボックス番号2のボックスを操作する為の文書選択画面1800Bのリスト1801Bにおいて、文書Cのリスト表示は実行させる。しかし、文書Fのリスト表示は実行させないよう制御する。これにより、ボックス2の画面1800Bを介して、文書Cのデータに対する処理要求をユーザから受付ける事は、許可するが、文書Fのデータに関わる処理要求を受付ける事は、禁止する。
尚且つ、当該オールキャンセルモードを実行するならば、文書Eのジョブデータの記憶処理が終了済みのボックス番号1のボックス領域503からも、該文書Eのジョブデータを全て消去するよう制御する。即ち、文書Eの実体画像データ(4頁分の一連のビットマップ画像データの全て)、及び、該文書Eのジョブ情報(該文書の為にホスト300にて指定された一連の印刷処理条件データを含む)を、ボックス番号1のボックス領域503から全て消去させる。但し、当該ボックス1に保存済みの他のジョブのデータは消去しないで残すよう制御する。即ち、文書AやBのジョブのデータは、ボックス1の領域503に保存させたままとする。
制御部108は、当該制御を実行する事に連動し、操作部102も制御する。具体的には、図22に示す、ボックス番号1のボックスを操作する為の文書選択画面1800Aのリスト1801Aにおいて、文書AやBのリスト表示は実行させる。しかし、文書Eのリスト表示は、実行させないよう制御する。これにより、ボックス1の画面1800Aを介して、文書Aや文書Bのデータに対する処理要求をユーザから受付ける事は、許可するが、文書Eのデータに関わる処理要求を受付ける事は、禁止する。
制御部108は、以上の処理を実行したうえで、当該文書Eのジョブのキャンセル処理は完了とみなし、これ以上、文書Eのジョブの為の処理を装置100に実行させずに、当該処理を終了させる。
尚、ボックス3については、そもそも、文書Eのジョブデータを少しも保存させていないので、当然、そのまま処理を終了させ、且つ、操作部102も該制御に対応するよう制御する。具体的には、図28或いは図33に示す、ボックス番号3のボックスを操作する為の文書選択画面1800Cのリスト1801Cにおいて、文書Dのリスト表示は実行させる。しかし、文書Gのリスト表示は実行させないよう制御する。これにより、ボックス3の画面1800Cを介して、文書Dのデータに対する処理要求をユーザから受付ける事は、許可するが、文書Eのデータに関わる処理要求を受付ける事は、禁止する。以上の動作がオールキャンセルモードの一例である。
[キャンセル制御2:複数ボックス個別キャンセルモードA]
当該制御を実行する場合において、制御部108は、以下のように装置100を動作させる。データ発生装置のユーザにより選択された複数のボックスのうち、何れかのボックスに対しては、キャンセル対象のジョブのデータの記憶処理が済んでいる場合には、そのボックスには該ジョブのデータを残存させたままとする。しかし、該ジョブのデータの記憶処理が途中段階にあるボックスや、そもそも該ジョブのデータ記憶処理を開始すらしていない未処置段階のボックス等、キャンセル対象のジョブのデータの記憶処理が未完了のボックスについては、該ジョブのデータ保存処理を、キャンセルさせる(無効状態にする)。
この制御を、複数ボックス同時格納モードにて処理対象のジョブの為の、「複数ボックスオールキャンセルモード」と呼ぶ。
このモードを実行する場合の制御動作を、上記例を用いて、説明する。現在、処理が途中段階の、ボックス番号2のボックス領域504に、例えば、文書Eの実体画像データのショートカット機能データ(電子コピーデータ配布モードならば文書Eの実体画像データの電子コピーデータ)の少なくとも一部のデータ、或いは、該文書Eのジョブ情報の少なくとも一部のデータは、保存済みとする。このような、ボックス番号2のボックス領域504に存在する、不完全な状態の文書Eのジョブに関わるデータを、該領域504から消去させる。但し、当該ボックス2に保存済みの他のジョブのデータは消去しないで残すよう制御する。即ち、文書Cのデータはボックス2の領域504に保存させたままとする。
制御部108は、当該制御を実行する事に連動し、操作部102も制御する。具体的には、図23或いは図32に示す、ボックス番号2のボックスを操作する為の文書選択画面1800Bのリスト1801Bにおいて、文書Cのリスト表示は実行させる。しかし、文書Fのリスト表示は実行させないよう制御する。これにより、ボックス2の画面1800Bを介して、文書Cのデータに対する処理要求をユーザから受付ける事は、許可するが、文書Fのデータに関わる処理要求を受付ける事は、禁止する。
尚且つ、当該個別キャンセルモードAを実行するならば、文書Eのジョブデータの記憶処理が終了済みのボックス番号1のボックス領域503からは、該文書Eのジョブデータを消去せずに、そのまま保存させておくよう制御する。即ち、文書Eの実体画像データ(4頁分の一連のビットマップ画像データの全て)、及び、該文書Eのジョブ情報(該文書の為にホスト300にて指定された一連の印刷処理条件データを含む)は、ボックス番号1のボックス領域503に保存させたままとする。このように、当該モードAを実行するならば、たとえキャンセル対象のジョブのデータであっても、データの記憶処理が完了したボックスからは、消去させずに、保持させる。尚、当然、当該ボックス1に保存済みの他のジョブのデータも保存したままとする。即ち、文書AやBのジョブのデータも、ボックス1の領域503に保存させたままとする。
制御部108は、当該制御を実行する事に連動し、操作部102も制御する。具体的には、図22に示す、ボックス番号1のボックスを操作する為の文書選択画面1800Aのリスト1801Aにおいて、文書AやBのリスト表示を実行させる。尚且つ、文書Eのリスト表示も実行させるよう制御する。これにより、ボックス1の画面1800Aを介して、文書Aや文書Bのデータに対する処理要求をユーザから受付ける事を、許可する。尚且つ、文書Eのデータに関わる処理要求を受付ける事も許可する。
制御部108は、以上の処理を実行したうえで、当該文書Eのジョブのキャンセル処理は完了とみなし、これ以上、文書Eのジョブの為の処理を装置100に実行させずに、当該キャンセル処理を終了させる。
尚、ボックス3については、そもそも、文書Eのジョブデータを少しも保存させていないので、当然、そのまま処理を終了させ、且つ、操作部102も該制御に対応するよう制御する。即ち、ボックス3に対する制御は、オールキャンセルモードと同様である。
以上の動作が、複数ボックス個別キャンセルモードAである。
[キャンセル制御3:複数ボックス個別キャンセルモードB]
当該制御を実行する場合において、制御部108は、以下のように装置100を動作させる。例えば、キャンセル指示が入力された時点において、キャンセル対象となるジョブのデータの記憶処理が既に終了しているボックスには、当該キャンセル対象のジョブのデータを、そのまま保存させておく。且つ、キャンセル指示が入力された時点において、キャンセル対象となるジョブのデータの記憶処理を現在開始してしまっている処理途中段階のボックスに対しては、そのまま当該ジョブのデータ記憶処理を続行させ、当該キャンセル対象のジョブのデータを保存させる。そして、データの保存処理が途中段階であったボックスへのデータ保存作業が終了した時点で、当該ジョブの処理を終了させる。換言すると、キャンセル指示が入力された時点において、キャンセル対象となるジョブのデータの記憶処理を、そもそも、開始していない、未処置ボックスに対しては、該ジョブのデータ保存処理を、キャンセルさせる(無効状態にする)。
このモードを実行する場合の制御動作を、上記例を用いて、説明する。現在、処理が途中段階の、ボックス番号2のボックス領域504に、例えば、文書Eの実体画像データのショートカット機能データ(電子コピーデータ配布モードならば文書Eの実体画像データの電子コピーデータ)の少なくとも一部のデータ、或いは、該文書Eのジョブ情報の少なくとも一部のデータは、保存したとする。故に、ボックス番号2のボックス領域504に、完全な状態の文書Eのジョブに関わるデータが、該ボックス2の領域504に保存されるまで、当該ジョブのデータ記憶処理を続行させる。そして、当該ボックス2に保存済みの他のジョブのデータに相当する文書Cのデータと、該文書Eに関するデータを、ボックス2の領域504に保存させたままとする。
制御部108は、当該制御を実行する事に連動し、操作部102も制御する。具体的には、図23或いは図32に示す、ボックス番号2のボックスを操作する為の文書選択画面1800Bのリスト1801Bにおいて、文書Cのリスト表示を実行させる。尚且つ、文書Fのリスト表示も実行させるよう制御する。これにより、ボックス2の画面1800Bを介して、文書Cのデータに対する処理要求をユーザから受付ける事を、許可する。且つ、文書Fのデータに関わる処理要求を受付ける事も、許可する。
尚且つ、当該個別キャンセルモードBを実行する場合、文書Eのジョブデータの記憶処理が終了済みのボックス番号1のボックス領域503からは、該文書Eのジョブデータを消去せずに、そのまま保存させておくよう制御する。即ち、文書Eの実体画像データ(4頁分の一連のビットマップ画像データの全て)、及び、該文書Eのジョブ情報(該文書の為にホスト300にて指定された一連の印刷処理条件データを含む)は、ボックス番号1のボックス領域503に保存させたままとする。尚、当然、当該ボックス1に保存済みの他のジョブのデータも保存したままとする。即ち、文書AやBのジョブのデータは、ボックス1の領域503に保存させたままとする。
制御部108は、当該制御を実行する事に連動し、操作部102も制御する。具体的には、図22に示す、ボックス番号1のボックスを操作する為の文書選択画面1800Aのリスト1801Aにおいて、文書AやBのリスト表示を実行させる。尚且つ、文書Eのリスト表示も実行させるよう制御する。これにより、ボックス1の画面1800Aを介して、文書Aや文書Bのデータに対する処理要求をユーザから受け付ける事を、許可する。尚且つ、文書Eのデータに関わる処理要求を受付ける事も許可する。
制御部108は、以上の処理を実行したうえで、当該文書Eのジョブのキャンセル処理は完了とみなし、これ以上、文書Eのジョブの為の処理を装置100に実行させずに、当該処理を終了させる。
尚、ボックス3については、そもそも、文書Eのジョブデータを少しも保存させていないので、当然、そのまま処理を終了させ、且つ、操作部102も該制御に対応するよう制御する。即ち、ボックス3に対する制御は、オールキャンセルモードやモードAと同様である。
以上の動作が、複数ボックス個別キャンセルモードBである。
以上の3つの制御のうちの、少なくとも何れかの制御を本実施形態の装置にて実行可能にすることで、上記効果を期待できる。
尚、本実施形態は、これら3つのうちのいずれか1個のみの制御を実行するものであっても適用できる。但し、ユーザの状況を検討してみると、上述したような都合によりジョブをキャンセルする可能性が高いと推測される。故に、このような装置の場合には、例えば、オールキャンセルモードを実行可能にする事が、無難であるとも言える。
但し、ユーザの都合は、各ユーザ毎に、千差万別が故に、その点を考慮し、上記3つのキャンセルモードの中から、装置100により実行させるべきキャンセルモードを、ユーザにより、予め、選択可能にする構成であっても良い。或いは、上記3つのうちの少なくとも2つのモードの中から、何れかのモードを装置100により実行させるべきキャンセルモードとして、ユーザにより、予め、選択可能にする構成であっても良い。
このように、ユーザにより実行すべきキャンセルモードを指定できるような構成だと、上記効果を更に向上させる事が期待できる。尚、このようなモード選択を行う場合には、先の図34のような、ボックス機能の初期設定をユーザにより実行可能にする為のユーザインタフェース画面を、装置100の操作部102、或いは、ホスト300等の外部装置の表示部に、実行させるよう制御する。そして、該画面を介して、ユーザにより所望のキャンセルモードを指定可能にする。但し、このような構成も、ユーザメリットを更に向上させる為の要件なので、必ずしも必須要件としなくても良い。
又、上記3つのキャンセルモードのうち、どのキャンセルモードを実行する装置であっても本実施形態は適用できるが、以下のような制御も実行可能にすると、更に望ましい。
例えば、上述例は、装置100の操作部102、或いは、ホスト300等の外部装置の表示部等の、ユーザインターフェースユニットを介して入力されたユーザからの明示的なキャンセル指示に応じて、制御部108が、キャンセル処理を装置100に実行させた。
本実施形態では、このような動作条件以外でも、上述のキャンセル処理を実行可能にする制御部108により制御する。具体的には、装置100にて何らかのトラブルが発生した事を制御部108が検知した事に応じて、上記キャンセル処理を実行可能にする。
例えば、複数ボックス同時格納モードにて処理対象の文書Eのジョブデータをユーザにより指定された複数のボックスにデータ格納させる一連の処理を行っている際中に、電源キー301がユーザにより押下されたとする。これにより、装置100の状態は、電源ON状態から電源OFF状態(電源断状態)に移行してしまう。故に、このような電源断状態に移行してしまうようなイベントを検知した事に応じて(この例では、電源キー301のユーザ押下を検知した事に応じて)、制御部108は、上記ジョブのキャンセル処理を実行させる。
又、例えば、複数ボックス同時格納モードにて処理対象の文書Eのジョブデータをユーザにより指定された複数のボックスにデータ格納させる一連の処理を行っている際中に、ハードディスク107がメモリフルになってしまったとする。このような、装置100が具備するユニットのエラーイベントを検知した事に応じて(この例では、ハードディスクフルエラーを検知した事に応じて)、制御部108は、上記ジョブのキャンセル処理を実行させる。
このような制御も取り入れることで、ユーザからみれば処理が完了したものとおもっていたにも拘らず、所望の結果が得られず、ユーザを困惑させる等の不具合が生じる事を防止できる。即ち、上述した効果を更に向上させる事が出来る。
尚、上記の如く、ユーザからの明示的なキャンセル指示によりジョブキャンセル処理を実行した場合であっても、ユーザからの明示的な指示無しに装置100にて発生したイベントに応じて自動的に制御部108が上記ジョブキャンセル処理を実行した場合でも、制御部108は、その旨を伝えるステータス情報を、該ジョブの発生元であるデータ発生装置に対して通知出来るよう装置100を制御する。
例えば、文書Eのジョブキャンセルを実行したならば、そのキャンセル処理の結果情報を、ホスト300に通知する。一方、ホスト300の制御部は、ホスト300の表示部に、その情報を表示可能にする。例えば、文書Eのジョブデータを複数ボックスに同時格納する処理が失敗した旨をホスト300の表示部に表示させる。これにより、ホスト300のユーザに情報をフィードバックするようにする。
また、このように、複数ボックス同時格納処理が失敗した場合に限らず、該処理が正常に完了した(成功した)場合であっても、ジョブ投入元のデータ発生装置に通知可能に制御しても良い。このように構成により、上述効果を更に向上させる事が可能である。
但し、このような各種構成についても、ユーザメリットを更に向上させる為の要件なので、必ずしも必須要件としなくても良い。
又、上述した全ての形態について言える事を以下に列挙する。
先の例では、主に、ホスト300からのジョブを処理する例について説明した。しかし、本実施形態のデータ処理システムでは、ホスト300等の外部装置だけがデータ発生装置ではない。例えば、本装置100自身が具備するリーダ部103もデータ発生装置である。なぜなら、リーダ部103は、原稿画像データの読取処理を行うものであり、且つ、画像メモリ部107やプリンタ部104やコンピュータインタフェース部106に対してデータ転送可能な、ジョブのデータを発生させるユニットだからである。且つ、リーダ部103は、筐体上面に、図4に示す、本実施形態のユーザインタフェースの一例に相当する操作部102を具備するからである。
そこで、本実施形態では、当然、リーダ部103による読取処理により獲得したジョブの画像データを、複数のボックスに保存させる場合においても、上述の制御例と同等の制御を実行可能に制御している。但し、このようにスキャンジョブをボックス格納する場合のユーザインタフェースは、当然、操作部102である。
故に、リーダ部103から投入されるジョブのデータを、複数ボックス同時格納モードにて処理させるか、単一ボックス格納モードにて処理させるか、に関する設定等、各種ボックス投入時のユーザ設定は、操作部102の表示部316に表示させるボックスモードの設定画面を介して、装置100のユーザにより実行可能にする。
例えば、制御部108は、表示部316に表示させた図12の画面のボックスモード選択キーがユーザにより押下された後に、図16に示すようなボックス設定画面1600のボックス選択リスト1602と同等のリストを、表示部316に表示させる。そして、表示部316に表示させる当該ボックス選択リストを介して、装置100のユーザにより、該リーダ部102により読取対象となるジョブのデータ保存先として、少なくとも1個以上のボックスを選択可能にする。尚且つ、当該ボックス格納すべきジョブデータの一連の印刷条件も、上記表示部316に表示させる印刷処理条件設定画面等を介して、装置100のユーザにより、設定可能にする。ここで、制御部108は、例えば、表示部316に表示させたボックス選択リストを介して、1個だけボックスがユーザにより選択された場合には、単一ボックス格納モードと判断する。複数個のボックスが該リストを介してユーザにより選択された場合には、複数ボックス同時格納モードであると判断する。
そして、操作部102を介してユーザによるボックスの選択操作がなされたうえで、図4のスタートキー307等を介して、ユーザからの当該ジョブの処理開始要求が入力されたとする。該要求に応じて、制御部108は、リーダ部103により処理対象となるジョブの読取処理を実行させる。そして、読取処理により得られた一連の原稿画像データを有する当該スキャンジョブデータを、上記操作部102を介してユーザにより指定された、1個のボックス、或いは、複数個のボックスに対して、保存させるよう制御する。
尚、ここで述べた制御以外の制御は、先に詳述した制御(例えば、ホスト30の制御部により実行する制御以外の、図6、図18〜図20、図22〜35等で説明した、制御部108により実行する制御等)と同様なので、省略する。
このように、本実施形態では、装置100とは異なる外部装置から装置100のボックスにデータ格納させる場合でも適用出来るのみならず、装置100自身が具備するデータ発生装置からのジョブをボックスにデータ格納させる場合にも適用する事が出来る。但し、このような構成も、ユーザメリットを更に向上させる為の要件なので、必ずしも必須要件としなくても良い。但し、少なくとも、どちらかの構成は実行可能にする。
又、本実施形態で詳述したボックス機能に関する各種機能を強化する事を検討するならば、以下のような制御を実行可能に構成しても良い。
例えば、図34で説明したように、本実施形態は、複数ボックス同時格納モードの実行を許可するか禁止するかを、図34の画面3400の設定項目3401を介して、ユーザ自身により明示的に選択可能に構成した。これ以外の方法として、例えば、処理対象のジョブのデータをボックス投入させる際に実行されるユーザのボックス設定に基いて、複数ボックス同時格納モードの実行可否を決定可能に制御する。
例えば、本実施形態の装置100が具備するハードディスク107に用意されたデータ記憶ボックスの数は100個である。上記例では、この100個のボックスのうちの、3個のボックスに対して文書Eのジョブのデータを同時記憶させる制御例を説明した。ここで、ユーザニーズを検討してみる。いくら100個のボックスが用意されているからといって、これら100個全てのボックスに対して同一ジョブデータを配布格納させたい等のニーズは低いと推測される。又、装置100自身の都合を配慮しても、このような動作は装置に対して何らかの負担を与える可能性が、あるやも知れない。又、その他のジョブの生産性についても影響を与えるやも知れない。又、例えば、100個のボックスがユーザにより指定されてしまった場合でも、そのユーザ操作は、むしろ、ユーザ自身の誤操作、設定ミスの可能性の方が、強いかも知れない。
このような状況を想定し、本実施形態にて、例えば、複数のボックスに対して同一ジョブのデータを格納する設定を行う際に、同時格納を許可するボックスの数を制限するよう制御する。
例えば、同一ジョブのデータを同時格納させたいボックスをユーザにより複数個選択可能にする為の操作画面を介して、ユーザによる選択を許可するボックスの数を、最大N個まで、とするように制御する。尚、Nの値は、本実施形態では、少なくとも、100以下の値である。何故なら、本実施形態の例では、ハードディスク100には100個のボックスしか用意されていないからである。
この制御の一例を、図16の例で説明する。例えば、ボックス設定画面1600のボックス選択リスト1602を介してユーザにより選択できるボックスの数を、最大5個とする。5個以上のボックスをユーザが選択する事は、禁止するように、ホスト300の制御部がホスト300の表示部を制御する。
又、リーダ部103からのスキャンジョブのデータをボックス格納する際の例を用いるならば、次のような制御を制御部108により行う。例えば、リーダ部103からのスキャンジョブのデータを保存させるべきボックスを装置100のユーザにより選択指定させる為のボックス選択リストを、表示部316に表示させた際に、当該リストを介して該ユーザにより選択できるボックスの数を、最大5個までとする。制御部108は、5個以上のボックスをユーザが選択する事は、禁止するように操作部102を制御する。
これらの制御を換言すると、5個以上のボックスが選択された場合には、複数ボックス同時格納モードの実行を禁止するよう制御する。
このように構成することで、例えば、データ発生装置のユーザインタフェースを介してユーザにより選択されたボックスの数が5個以下の場合(上記例のように3個のボックスが選択された場合等)には、複数ボックス同時格納モードの実行を許可する。一方、データ発生装置のユーザインタフェースを介してユーザにより選択されたボックスの数が5個以上の場合には、複数ボックス同時格納モードの実行を禁止する。或いは、そもそも、5個以上ボックスをユーザが選択する事自体を禁止するよう制御する。これにより、5個以上のボックスに同一ジョブのデータが同時保存させるような処理を装置100により実行させる事を禁止する。
尚、上記の5個という値は、同一ジョブデータを複数のボックスに同時格納させる場合において、ユーザにより選択を許可するボックスの数の、最大許容ボックス数(N)に相当する。即ち、Nの値の具体例である。故に、当然、5個以外の値でも良い。
但し、上記効果を更に向上させるならば、例えば、図34や図35に示すようなボックス機能に関する初期設定をユーザが行う為の設定画面を介して、このNの値として、任意の値をユーザにより設定可能に構成しても良い。尚、このような初期設定は管理者等、ある程度権限のあるユーザにより実行可能に構成した方が、より好ましい。
以上のように構成することで、上述した効果を更に向上させる事が出来る。但し、これらの構成も、上記効果を更に向上させる為の要件なので、必ずしも必須要件としなくても良い。
又、本実施形態では、データ処理装置の一例として、画像形成装置100での説明を主にした。しかし、もし、このようなタイプの装置以外でも、次のような構成のものが存在するならば適用可能である。例えば、複数のデータボックスのデータを記憶可能な記憶ユニットを具備した装置で且つ、その装置のユーザインタフェースユニットを介して、ユーザにより該データボックスのデータに対する処理要求を受付け可能な装置で且つ、該データボックスに保存されているデータの送信処理やプリント処理等の出力処理を実行可能な装置等である。つまり、ファクシミリ装置や、携帯電話や、デジタルカメラや、パーソナルコンピュータ等がこれに該当する。
但し、より好ましいものは、ある同一コンテンツのジョブデータを、ある1台の装置が具備する記憶ユニットに用意された複数のデータ記憶ボックスに同時格納したい、尚且つ、簡単な操作でこれを実現したい、等の要望がユーザによりなされる可能性の余地がある製品が好ましい。又、更に、好ましいものは、各ボックスは、それぞれ、別ユーザや、別目的のコンテンツを保存させるような用途に利用されるものが好ましい。
このような観点で言えば、図1に示した各データ発生装置(200、300、400、500、600)、及び、図2に示すリーダ部103等の装置を、データ発生装置の一例として本実施形態では主に説明したが、これ以外のタイプの装置(例えば、携帯電話やデジタルカメラ等)でも、データ発生装置として適用可能である。但し、少なくとも、上記データ処理装置とデータ通信可能な装置で且つ、該データ処理装置の記憶ユニットに用意されている複数のデータ記憶ボックスのうちの、どのボックスに対してデータ保存させるかを、ユーザにより選択出来るようなユーザインタフェースユニットを具備する装置である事が条件である。但し、先と同様に、上述したようなユーザニーズが可能性として考えられる製品であることが、より好ましい。
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体(記録媒体)等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
以上のような各点の具体例は、図13〜図17、図21等、ホスト300のプリンタドライバに関係して説明した上述の説明のとおりである。
以上説明したように、本実施形態のように構成することで、従来技術で想定したような問題を解決できる。例えば、画像形成装置等のデータ処理装置の記憶ユニットに用意されている複数のデータ記憶ボックスのうちの、ユーザが所望の複数のボックスに、同一ジョブのデータを、配布格納させたい等のユーザニーズに柔軟に対応できる。且つ、これを該ユーザが簡単な操作でもって、実現可能にする。これにより、ボックス機能の機能アップを図りつつも、ボックス機能を利用するユーザに対する負荷を極力軽減した操作性を向上させた便利な環境をユーザに提供できる。又、例えば、例えば、1ジョブで画像データを処理するためのジョブを複数のボックスに対して好適に記録することができるとともに、ボックスに記録されるデータのデータ量を削減してメモリの効率的な使用を可能にすることも可能である。このように、例えば、データ処理装置にて提供されるボックス機能に関わる様々なユーザからの様々なニーズに柔軟に対応できる、使い勝手の良い、便利なシステムを提供できるようにする事が可能となる。
すなわち、上述したように、本発明によれば、ボックス機能に関わる利便性を向上させることができる。又、データ処理装置の記憶ユニットに用意されている複数のボックスのうちの、ユーザが所望の複数のボックスに、同一ジョブのデータを、配布格納するような状況に柔軟に対処できる。そして、簡単な操作で、ユーザが所望の複数のボックスに対して同一ジョブのデータを配布保存出来るような仕組みを提供出来る。しかも、ユーザに対する負荷を極力軽減し、操作性を向上させることができる。さらに、例えば、1ジョブで画像データを処理するためのジョブを複数のボックスに対して好適に記録することができるとともに、ボックスに記録されるデータのデータ量を削減してメモリの効率的な使用を可能にする。さらに又、例えば、データ処理装置にて提供されるボックス機能に関わる様々なユーザからの様々なニーズに柔軟に対応できる、使い勝手の良い、便利なシステムを提供できるようにする事ができる。