JP2007130237A - リクライニング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートバックがフリーゾーンからロックゾーンに操作されたときの初段ロック位置において、バックスプリングの付勢力を原因とするラチェットとポールとの歯飛び現象を解消し、リクライニング装置のロック性能の向上を図る。
【解決手段】ガイド20とラチェット30とが相対的に回転する領域に、ロックゾーンとフリーゾーンとが設定され、ロックゾーンは1個又は2個のポール60を進退させることでラチェットの内歯34にポールの外歯62を噛み合わせることが可能に構成されたリクライニング装置であって、シートバックがフリーゾーンからロックゾーンに操作されたときの初段ロック位置において、ガイドとラチェットとの相互間に作用しているバックスプリングの付勢力に基づく荷重方向を基準としたときに、この荷重方向とラチェット30に対するポール60の進退方向とのなす角度が±30度の範囲内に設定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、主として車両用のシートに用いられるリクライニング装置に関し、詳しくはシートバックを任意の回動位置でロックするためのロックゾーンと、ロックを不能にしてシートバックを前方へ倒し込むためのフリーゾーンとが設定されたリクライニング装置に関する。
この種のリクライニング装置は、例えば特許文献1に開示されている技術からも明らかなように、シートクッション側に固定されるガイドとシートバック側に固定されるラチェットとが相対的に回転できるように嵌め合わせによって組み付けられている。これらのガイドとラチェットとの相対的な回転領域には、シートバックを任意の回動位置でロックすることができるロックゾーンと、このロックを不能にするフリーゾーンとが設定されている。
ガイドとラチェットとで構成される内部空間には一対のポールが組み込まれ、両ポールはガイドの内面に形成されているポール案内溝に沿って進退可能である。リクライニング装置のロックゾーンにおいてはポールを進退させることにより、その外歯をラチェットの内歯に噛み合わせ、あるいは噛み合いを解除することができる。リクライニング装置のフリーゾーンはラチェットに内歯が成形されていない領域であり、シートバックをバックスプリングの付勢力によって前方へ倒し込むことができる。
特開2003−9979号公報
ガイドとラチェットとは嵌め合わせで組み付けられるため、嵌め合い隙間を小さくするにも限界がある。そしてバックスプリングの付勢力は、ガイドとラチェットとの相互間に作用している。これらのことからバックスプリングの付勢力に基づき、ガイドとラチェットとが嵌め合い隙間の範囲で相対的に移動して軸ずれを起こす。この結果、ラチェットの内歯とポールの外歯との噛み合いがずれることになる。この噛み合いのずれは、シートバックをフリーゾーンからロックゾーンに操作したときの最初のロック位置(初段ロック位置)が1〜2歯飛び越えた位置になるといった歯飛び現象を招く。
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、初段ロック位置においてバックスプリングの付勢力を原因とするラチェットとポールとの歯飛び現象を解消し、リクライニング装置のロック性能の向上を図ることである。
本発明は、上記の目的を達成するためのもので、以下のように構成されている。
請求項1に記載の発明は、シートクッション側とシートバック側とに対して個別に固定されるガイドとラチェットとがリクライニング中心回りに相対的に回転できるように組み付けられ、この回転領域には、シートバックを任意の回動位置でロックすることができるロックゾーンと、ロックを不能にしてシートバックをバックスプリングの付勢力によって前方へ倒し込むことができるフリーゾーンとが設定され、ロックゾーンはガイドとラチェットとの内部に組み込まれた1個又は2個のポールを進退させることで、ラチェットの内歯にポールの外歯を噛み合わせ、あるいは噛み合いを解除するように構成されたリクライニング装置であって、シートバックがフリーゾーンからロックゾーンに操作されたときの初段ロック位置において、ガイドとラチェットとの相互間に作用しているバックスプリングの付勢力に基づく荷重方向を基準としたときに、この荷重方向とラチェットに対するポールの進退方向とのなす角度が±30度の範囲内に設定されている。
このようにガイドとラチェットとの間に作用しているバックスプリングの荷重方向とポールの進退方向とのなす角度の範囲を設定することにより、バックスプリングの荷重を受けてガイドとラチェットとが相互間の隙間の範囲で相対的に移動しても、この移動がシートバックの初段ロック位置においてはラチェットの内歯とポールの外歯との噛み合いをずらせる原因とならず、これらの噛み合いが円滑に維持される。したがって初段ロック位置でのラチェットとポールとの歯飛び現象が解消され、リクライニング装置のロック性能が向上する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載されたリクライニング装置であって、バックスプリングに、リクライニングの中心軸を中心として配置された渦巻きバネを使用している。
これにより、バックスプリングがコンパクトに配置された形式のリクライニング装置において、ラチェットとポールとの歯飛び現象の防止性能を向上させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載されたリクライニング装置であって、初段ロック位置において、ガイドとラチェットとの相互間に作用しているバックスプリングの付勢力に基づく荷重方向と、ラチェットに対するポールの進退方向とが同方向に設定されている。
このようにバックスプリングによる荷重方向とポールの進退方向とを一致させることにより、シートバックの初段ロック位置での歯飛び現象の防止性能は最良となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を用いて説明する。
図1は車両用シートにおけるシートクッション側とシートバック側との連結箇所を表した概略図である。この図面で示すようにシートクッション側のロアアーム10とシートバック側のアッパアーム12とが、ラウンドタイプのリクライニング装置Rによって結合されている。このリクライニング装置Rの機能により、その中心軸を回動支点とするシートバック(アッパアーム12)の回動位置を調整でき、かつ、シートバックを前方へ倒し込むことができる。
ロアアーム10とアッパアーム12との間で付勢力を発揮させるバックスプリング16には渦巻きバネが使用され、このバックスプリング16はリクライニング装置Rの中心軸を中心としてコンパクトに配置され、その外側端部(フック)はアッパアーム12に固定されたブラケット14に引っ掛けられている。このバックスプリング16の付勢力により、シートバックは常に前方へ回動する力を受けている。
図2はリクライニング装置Rの主要な構成部品を表した分解斜視図である。図3はリクライニング装置Rの縦断面図である。図4はリクライニング装置Rの平断面図である。これらの図面で示されているリクライニング装置Rは個々に円盤形状をしたガイド20およびラチェット30によって外殻が構成されている。これらのガイド20およびラチェット30は互いに対向して嵌め合わされ、かつ相互の外周部にラチェット30の側から組み付けられるリング部材39をカシメ付ける。これにより、ガイド20とラチェット30とはリクライニング装置Rの中心軸回りに相対的な回転が可能に組み付けられる。そしてガイド20はシートクッション側のロアアーム10に固定され、ラチェット30はシートバック側のアッパアーム12に固定される(図3)。
ガイド20およびラチェット30の内部に構成された空間には、1個のヒンジカム40とスライドカム50、2個のポール60がそれぞれ収容される。またガイド20の外側には渦巻きバネを用いたロックスプリング70が組み付けられる。これらの各構成部材は、ガイド20およびラチェット30の中心を貫通するリクライニング装置Rの操作軸(図示省略)に直接的または他の構成部材を介して間接的に支持される。
ガイド20はその中心部に貫通して形成された中心孔22を有するとともに、ガイド20の内側は円形の凹部になっている。この凹部内には互いに十字状に交差して縦横に延びるカム案内溝24とポール案内溝26とが形成されている。これらのカム案内溝24およびポール案内溝26は、凹部よりも一段と深く形成されている。カム案内溝24にはスライドカム50が位置し、ポール案内溝26には一対のポール60がスライドカム50を両側から挟む格好で位置する(図4)。ガイド20の外側面には、中心孔22と同心円上において4個の突起28が等間隔(90度間隔)で設けられている。一方、ロアアーム10には各突起28に対応する間隔で開けられた孔があり、これらの孔に各突起28を嵌め合わせることで、ガイド20がロアアーム10に対して回り止めされて取り付けられる。
ラチェット30はその中心部に貫通して形成された中心孔32を有し、ラチェット30の内側は円形の凹部になっている。この凹部の内周面には、複数の連続した歯からなる内歯34と、歯のない部分36とが周方向に180度の間隔をもって交互に設けられている。歯のない部分36は、内歯34の歯先よりも凹部内方へ突出している。ラチェット30の外側面には、中心孔32と同心円上において6個の突起38が等間隔で設けられている。これらの各突起38をアッパアーム12の各孔に嵌め合わせることで、ガイド20がロアアーム10に対して回り止めされて取り付けられる。なお、ガイド20とラチェット30とが組み付けられたとき、ラチェット30の外周部はガイド20の円形凹部に嵌り合うとともに、ガイド20およびラチェット30の中心孔22,32は互いに同軸線上に位置する。
ヒンジカム40は、筒状の軸部42と、この軸部42の外周から外方へ突出したアーム部44とを備えている。軸部42は、外周面が円形の支持部分42aと、外周面が矩形の係止部分42bとからなる。支持部分42aはガイド20の中心孔22内に位置し、係止部分42bはガイド20の外側に位置する(図3)。この係止部分42bの外周にロックスプリング70の内方端部が結合される。なお軸部42の内部には、リクライニング装置Rの操作軸(図示省略)が回転伝達可能に挿入される。
スライドカム50はその概略形状が長方形をしており、その中央部において開口部52を有する。この開口部52の一部にヒンジカム40におけるアーム部44の先端部が嵌り合う(図4)。スライドカム50は、その両長辺側の中央付近において径方向に突出した係合突部54を有する。またスライドカム50は、その両長辺側においてカム面56を有し、これらは係合突部54の両側に位置している。
一対のポール60は、ガイド20のポール案内溝26に組み付けられた状態で径の外方側に位置する頂部において、ラチェット30の内歯34に噛み合うことが可能な外歯62を有する。両ポール60における個々の外歯62の反対側、つまりスライドカム50と接する側には、それぞれ左右一対の脚部64が位置している。また両ポール60は、個々の脚部64の中間部において係合凹部66を備えている。
ロックスプリング70は、既に述べたようにガイド20の外側に組み付けられる。そしてロックスプリング70の内方端部はヒンジカム40における軸部42の係止部分42b外周に結合され、外方端部はガイド20外面の凸部に係合される(図1)。これにより、ロックスプリング70はガイド20とヒンジカム40との間においてトーションバネとして機能する。
リクライニング装置Rの各構成部材が組み付けられた状態において、スライドカム50はガイド20のカム案内溝24内において図4の左右方向へスライド可能である。一対のポール60はガイド20のポール案内溝26内において図4の上下方向へそれぞれスライド可能である。この状態でスライドカム50の上下両側にある係合突部54は、両ポール60における個々の両脚部64の間にそれぞれ位置している。またスライドカム50の各カム面56は、両ポール60における個々の両脚部64端部に対して接触または接触可能に位置している。またヒンジカム40は、ロックスプリング70によってリクライニング装置Rの中心軸回りに図4の反時計回り方向へ付勢されている。これに伴ってスライドカム50が、ヒンジカム40のアーム部44を通じて図4において左方向への作動力を受けている。
つづいてリクライニング装置Rの操作について説明する。
既に述べたようにロックスプリング70の付勢力を受けているヒンジカム40を通じてスライドカム50が図4の左方向への作動力を受けている状態では、スライドカム50の各カム面56が両ポール60を径の外方向へ押し出すように個々の両脚部64端部に接触している。これにより、両ポール60における個々の外歯62がラチェット30の内歯34にそれぞれ噛み合ってガイド20とラチェット30との相対的な回転が阻止され、リクライニング装置Rはロック状態に保持される。
リクライニング装置Rのロック解除操作により、ヒンジカム40がロックスプリング70の付勢力に抗して図4の時計回り方向へ回転操作されると、ヒンジカム40のアーム部44を通じてスライドカム50が図4の右方向へスライドする。これにより、スライドカム50の両係合突部54が両ポール60の係合凹部66にそれぞれ進入し、同時に各カム面56の低い部分に両ポール60の脚部64がそれぞれ位置する。これにより、両ポール60がそれぞれ径の内方向へ引き込まれるように移動して個々の外歯62とラチェット30の内歯34との噛み合いが解除される。したがってガイド20とラチェット30との相対的な回転が可能となり、リクライニング装置Rはロック解除状態となる。
リクライニング装置Rのロックを解除してガイド20とラチェット30とを相対的に回転させることにより、両ポール60をラチェット30の歯のない部分36に位置させることができる。この状態ではリクライニング装置Rに対する操作力を解除しても、ガイド20とラチェット30との相対的な回転が可能である。
このようにガイド20とラチェット30との相対的な回転領域には、ラチェット30の内歯34と両ポール60の外歯62との噛み合いが可能なロックゾーンと、この噛み合いが不能なフリーゾーンとが設定されている。ロックゾーンではシートバックを任意の回動位置でロックすることができ、フリーゾーンではシートバックを前方へ倒し込むことができる。
リクライニング装置Rのガイド20とラチェット30との相互間には、バックスプリング16の付勢力に基づく荷重が常に作用している。また相対的に回転することが条件のガイド20とラチェット30との間には、所定の嵌め合い隙間が必要である。これらのことからガイド20とラチェット30とが、バックスプリング16から受ける荷重によって相互の嵌め合い隙間の範囲において軸ずれを起こす。ガイド20とラチェット30との軸ずれは、ラチェット30の内歯34とポール60の外歯62との噛み合いをずらせる原因となる。
図5はラチェット30の内歯34とポール60の外歯62との噛み合い部分を拡大して表した平面図である。この図面で示すようにラチェット30の内歯34とポール60の外歯62との噛み合いがずれると、相互の接触部の圧力角が大きくなる。その結果、ラチェット30の内歯34に向けてポール60を進行させるために大きな力をかけなければ、内歯34と外歯62とを噛み合わせることができず、リクライニング装置Rのロック性能が悪くなる。またラチェット30の内歯34とポール60の外歯62との噛み合いずれは、シートバックをリクライニング装置Rのフリーゾーンからロックゾーンに操作したとき、内歯34と外歯62とが最初に噛み合う初段ロック位置において歯飛び現象を招く。
この対策としてガイド20とラチェット30との嵌め合い隙間を小さくして内歯34と外歯62との噛み合いずれを抑えること、あるいはロックスプリング70の弾性力を大きくしてポール60の進行力を高めることが考えられる。しかし既に述べたようにガイド20とラチェット30との嵌め合い隙間を小さくするには限界があり、またロックスプリング70の弾性力を大きくすることもリクライニング装置Rのロック解除操作力を軽く保つために避ける必要がある。
本実施の形態では、ガイド20とラチェット30との間に作用するバックスプリング16の荷重方向と、ポール60のスライド方向(ラチェット30に対する進退方向)との関係を改善することで、リクライニング装置Rの初段ロック位置における内歯34と外歯62との噛み合いずれを抑えるようにした。まずバックスプリング16の荷重方向を認識するために、アッパアーム12のブラケット14に引っ掛けられているバックスプリング16の外側端部とリクライニング装置Rの中心とを結ぶ仮想の直線を基準線Lとして設定する(図1)。そしてバックスプリング16の外側端部から基準線Lと直角に図1の左方向へ向かう仮想の直線L1がリクライニング装置Rに作用するバックスプリング16の荷重方向となる。
ポール60のスライド方向はガイド20におけるポール案内溝26の方向であるので、このポール案内溝26の位置をリクライニング装置Rの外側から確認する必要がある。ポール案内溝26の位置は、ガイド20の外側に設けられている各突起28のうちの2個と対応しており、これらのうちの1個(突起28A)は他の各突起28とは平面形状が異なる(図1)。したがってリクライニング装置Rの各構成部材が組み付けられた状態では、突起28Aとリクライニング装置Rの中心とを結ぶ仮想の直線L2によってポール案内溝26の方向を認識することができる。
そこでシートバックがリクライニング装置Rのフリーゾーンからロックゾーンに操作されたときの初段ロック位置において、直線L1,L2のなす角度θを調整してロアアーム10に対するガイド20の取付け角度を決定する。これにより、バックスプリング16の荷重方向から角度θの位置にポール案内溝26が配置されたこととなる。したがって角度θを選択することにより、バックスプリング16の荷重に基づくガイド20とラチェット30との軸ずれ方向がラチェット30の内歯34とポール60の外歯62との噛み合いずれを招く方向とならないように設定することができる。例えば角度θを0度に調整、つまり直線L1,L2が重なるようにロアアーム10に対するガイド20の取付け角度を調整することが最も好ましい。なぜなら、この場合のリクライニング装置Rに作用するバックスプリング16の荷重方向とポール60のスライド方向とは全く同方向となるため、ガイド20とラチェット30との軸ずれによって内歯34と外歯62との噛み合いずれを招くことはない。
図6は角度θを90〜0度の範囲で調整した場合において、ポール60がロックスプリング70の付勢力に基づいてラチェット30の内歯34に噛み合う方向へ移動する力(進行力)をガイド20とラチェット30との嵌め合い隙間との関係で表したグラフである。このグラフで明らかなように横軸にとった嵌め合い隙間の値S(一般的な製品に相当する値)においては、角度θが0〜30度の範囲内であれば、縦軸にとったポール60の進行力が許容値に保たれている。つまり、この範囲においてはラチェット30の内歯34とポール60の外歯62との噛み合いずれが抑えられているのであり、結果として初段ロック位置での内歯34と外歯62との歯飛び現象が防止される。そして、すでに述べたように角度θを0度に設定した場合は、グラフからも分かるようにポール60が大きな進行力を発揮することとなる。
図7は歯飛びが生じるときのシートバック(ラチェット30)における回転速度の実測値を角度θとの関係で表した表である。なお、この表の角度θはバックスプリング16の荷重方向である直線L1を基準とした値である。また、この測定に使用したガイド20とラチェット30との嵌め合い隙間は一定値(一般的な製品よりも大きめの値)である。この表で明らかなように角度θを±30度の範囲内に設定すれば、歯飛びが生じる速度の実測値が格段に増大し、結果として歯飛び現象を避けることができる。
以上は本発明を実施するための最良の形態を図面に関連して説明したが、この実施の形態は本発明の趣旨から逸脱しない範囲で容易に変更または変形できるものである。
例えば、図面で示すリクライニング装置Rはスライドカム50と一対のポール60とを用いた形式であるが、スライドカム50に代えて回転カムを用いた形式のリクライニング装置に本発明を適用することもできる。またポール60については1個であってもよい。
なお本実施の形態は、初段ロック位置におけるバックスプリング16の荷重方向とポール60の進退方向とを、好ましくは同一方向に設定して初段ロック位置での歯飛び防止性能を向上させるといった内容である。しかしリヤシートのリクライニング装置のようにフリーゾーンの設定がなく、ロックゾーンの角度も60度以内の小さい範囲である場合、このロックゾーンにおけるバックスプリング16の荷重方向とポール60の進退方向とのなす角度を±30度の範囲内に設定すれば、そのロックゾーンにおいて適正なロック性能を発揮できる。ただし、ロックゾーンの角度が60度を超えるリクライニング装置においては適正なロック性能を発揮できない領域ができてしまうことに留意しなければならない。
シートクッション側とシートバック側との連結箇所を表した概略図 リクライニング装置の主要な構成部品を表した分解斜視図 リクライニング装置の縦断面図 リクライニング装置の平断面図 ラチェットの内歯とポールの外歯との噛み合い部分を拡大して表した平面図 ガイドの取付け角度を選択したときのポールの進行力をガイドとラチェットとの嵌め合い隙間との関係で表したグラフ 歯飛びが生じるときのラチェット速度の実測値と角度θとの関係を表した表
符号の説明
16 バックスプリング
R リクライニング装置
20 ガイド
30 ラチェット
34 内歯
60 ポール
62 外歯

Claims (3)

  1. シートクッション側とシートバック側とに対して個別に固定されるガイドとラチェットとがリクライニングの中心軸回りに相対的に回転できるように組み付けられ、この回転領域には、シートバックを任意の回動位置でロックすることができるロックゾーンと、ロックを不能にしてシートバックをバックスプリングの付勢力によって前方へ倒し込むことができるフリーゾーンとが設定され、ロックゾーンはガイドとラチェットとの内部に組み込まれた1個又は2個のポールを進退させることで、ラチェットの内歯にポールの外歯を噛み合わせ、あるいは噛み合いを解除するように構成されたリクライニング装置であって、
    シートバックがフリーゾーンからロックゾーンに操作されたときの初段ロック位置において、ガイドとラチェットとの相互間に作用しているバックスプリングの付勢力に基づく荷重方向を基準としたときに、この荷重方向とラチェットに対するポールの進退方向とのなす角度が±30度の範囲内に設定されているリクライニング装置。
  2. 請求項1に記載されたリクライニング装置であって、
    バックスプリングに、リクライニングの中心軸を中心として配置された渦巻きバネを使用しているリクライニング装置。
  3. 請求項1又は2に記載されたリクライニング装置であって、
    初段ロック位置において、ガイドとラチェットとの相互間に作用しているバックスプリングの付勢力に基づく荷重方向と、ラチェットに対するポールの進退方向とが同方向に設定されているリクライニング装置。
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