JP2007126672A - 反射防止特性および防曇特性を有するコーティング組成物 - Google Patents
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Abstract
反射防止特性および防曇特性を、塗布される支持体に自己で付与するコーティング組成物を提供する。
【解決手段】
多孔質無機金属酸化物、および少なくとも1つの疎水性基および少なくとも1つの親水性アニオン基を有する界面活性剤を含むコーティング組成物であって、光透過性基材の少なくとも1つの面に塗布し乾燥させた場合に、1)本文記載の湿潤試験に従って試験した場合に、少なくとも4mmの液滴直径を示し、2)前記基材に、未被覆基材の550nmにおける透過パーセントよりも少なくとも3%大きい透過パーセントを与える、コーティング組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、反射防止特性および防曇特性を自己で被覆される基材(支持体)に付与するコーティング組成物(塗料)を提供する。用語「反射防止性」は、本発明によるコーティング組成物で塗布される光透過性基材の透過パーセントが、未被覆基材よりも少なくとも3%大きいことを意味する。本発明によるコーティング組成物は、無機金属酸化物を、耐久性防曇特性を被覆基材に付与するが、多孔質金属酸化物によって提供される反射防止特性を損なわない濃度で存在する特定のアニオンシランと組み合わせて利用する。
本発明は、
(a)多孔質無機金属酸化物と、
(b)少なくとも1つの疎水性基および少なくとも1つの共有結合された親水性アニオン基からなる界面活性剤とを含み、
(i)前記親水性基は、-OSO2O-、-SO2O-、-CO2 -、(-O)2P(O)O-、-OP(O)(O-)2、-P(O)(O-)2、-P(O-)2、-OP(O-)2、(-SO2)2N-、-SO2N(R)-、(-SO2)2C-H,および-N+(R)2(CH2)xL'から成る群から選択され、Rは水素、置換されていないアルキル基、酸素、窒素および硫黄から成る群から独立に選択される原子で置換されるアルキル基、または、アルキレンカルボキシル基であり、アルキル基またはアルキレンカルボキシル基は約1乃至10個の炭素原子を含み、xは1乃至4であり、L’は、-OSO2O-、-SO2O-、(-O)2P(O)O-、-OP(O)(O-)2、 -P(O)(O-)2および-CO- 2から成る群から選択され、各アニオン基は少なくとも1つのカチオンと会合または共有結合し、カチオンは、H+、Na+、K+、Li+、Ca+2、Mg+2、Sr+2、Al+3、およびR"Aから成る群から選択され、R’’はRまたはR’であり、Rは水素または約1乃至10個の炭素原子を含むアルキル基またはシクロアルキル基であり、R’は、界面活性剤分子に共有結合され、1乃至10個の炭素原子から成るアルキル架橋基であり、Aは、N+R3、酸素原子、窒素原子もしくは硫黄原子で置換されていてよいグアニジニウムイオン、またはN+Bであり、Bは、窒素含有複素環式環を完成させる炭素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される3乃至7個の原子を含み、R基またはR’基は置換されてなくても、酸素、窒素または硫黄から独立に選択される原子で置換されていても良く、前記カチオンは、前記界面活性剤分子の実効電荷が中性であり、
(ii)前記疎水性基は、少なくとも4個の炭素原子を含む炭化水素鎖または少なくとも3個の炭素原子を含むペルフルオリネート化基を含み、
光透過性基材(支持体)の少なくとも1つの面に塗布された場合に、
1)本願明細書に記載の湿潤試験に従って試験した場合に、少なくとも4mmの液滴直径を呈し、
2)前記支持体に未被覆支持体の550nmにおける透過パーセントよりも3%大きい550nmにおける透過パーセントを提供する、コーティング組成物を提供する。
反射防止特性
本発明の反射防止特性は、多孔質無機金属酸化物ネットワーク(網)によって提供される。より具体的には、本発明の塗料が支持体に塗布し乾燥した場合に、金属酸化物粒子から成る連続的で高多孔質ネットワークを提供する。本文に使用されるように、用語「連続的」は、目視可能な不連続部分または間隙がないコーティングに用いる言葉である。用語「ネットワーク(網)」は(本文で用いるように)、好ましくは互いに結合したコロイド粒子によって形成される多孔質三次元構造を意味する。このネットワークは、粒子/粒子、粒子/結合剤もしくは粒子結合剤/粒子接着剤、によって互いに維持され、単純な屈曲および/または被覆物品の使用によってフレーキングしない結着性を有するコーティングを提供する。
本発明の塗料は、反射防止特性に加え、防曇特性をその塗料が塗布された支持体に提供する。コーティングは、直接人間の息を繰り返し吹きかけた後および/または「蒸気」噴射上に物品を保持した後、被覆支持体が小型の凝縮水滴が被覆支持体の透明度を有意に低減するために十分な密度で形成し、十分に見通すことができなくなるような場合に、考慮された防曇塗装である。さらに、塗料は、均一の水膜または少数の大型水滴が被覆支持体上に形成される場合でも、被覆支持体が容易に見通せないほど被覆支持体の透明度が有意に低減しない限り、防曇特性があると見なすことができる。多くの場合、支持体の透明度を有意に低減しない水膜は、支持体が「蒸気」噴霧に暴露された後でも、残留する。
1.界面活性剤は、室温すなわち20℃、好ましくは30℃、最も好ましくは40℃を超える融点を有する。
2.界面活性剤は、相対的に水に不溶性である。好ましくは、界面活性剤は、23℃では、約10重量パーセント未満、より好ましくは約1重量パーセント未満、最も好ましくは0.1重量パーセントの水への溶解度を有する。相対的に不溶性の界面活性剤は、再水和、溶解、および再配向を高湿度条件でさえもしそうにないために、好ましい。
3.界面活性剤は、金属酸化物に共有結合することができる。界面活性剤自体は、金属酸化物に反応しても良いし、カップリング剤を使用して金属酸化物に化学的に結合させても良いが、これについては、以下にさらに詳しく説明する。
本発明を実践するのに有用なアニオン界面活性剤は、以下の一般構造:
Lは、スルフェート基(−OSO2O-)、スルホネート基(−SO2O-)、ホスフェート基((−O)2P(O)O- または−OP(O)(O-)2)、ホスホネート基(−P(O)(O-)2)、スルホンアミド基((−SO2)2N-)、スルホンアミド基(−SO2N(R’)-)、 カルボキシレート基(−CO2 -)、ホスホニト基(−P(O-)2)、ホスファイト基(−OP(O-)2)、またはジスルホニルメチド基((−SO2)2C-H)である。上述の基の両性アルキル形態も有用であり、式−N+(R’’’)2(CH2)xL’を有する基などが挙げられ、R’’’は、水素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子で任意に置換されるアルキル基またはアルキレン基、あるいは、アルキルカルボキシル基またはアルキレンカルボキシル基が約1乃至10個の炭素原子を含むアルキレンカルボキシル基であり、x=1乃至4であり、L’は、−OSO2O-、−SO2O-、(−O)2P(O)O-、−OP(O)(O-)2、−P(O)(O-)2、−CO- 2、−P(O-)2、または−OP(O-)2であり、Lがカルボキシレートである場合、Rはカルボキシレート基から除去される4個以下、好ましくは、3個以下、の原子である付加的な極性ヘテロ原子または付加的な極性置換基を含み、前述の極性置換基は、エーテル基、アミド基、アルコール基、カルボキシル基、エステル基、チオエステル基、ウレア基、もしくはウレタン基またはこれらの極性基を含むオリゴマーを含むそれらの組み合わせである。
aおよびcは、独立に1または2であり、
bおよびdは、独立に、1、2、または3であり、
eは、(c×d)/b、または両性界面活性剤の場合には0である。Rがポリエトキシ化置換基もしくはポリプロポキシ化置換基またはエチレン酸化物およびプロピレン酸化物のコポリマーである場合、これらのポリマーサブユニットは、好ましくは1乃至100モル、好ましくは、界面活性剤の1モルあたり1乃至20モルの量で存在する。
このクラスに含まれる界面活性剤は、上述の一般式から成り、
R = CF3CnF2n-
であり、nは約2乃至17、好ましくは約3乃至12の範囲内である。
このクラスの界面活性剤は、上述の一般式で記載され、
式中、
R=(CnF2n+1)zR2−
であり、nは約2乃至36、好ましくは6乃至12であり、
R2は、約2乃至36個の炭素原子を有し、可能な位置で酸素原子、窒素原子または硫黄原子で任意に独立に置換された枝分かれ鎖状または直鎖状のアルキレンまたはアラルキレンであり、R2基は、Rが少なくとも7個の炭素原子を含むように選択され、
zは約1乃至3であり、好ましくは約1または2である。
このクラスの市販の塩には、「ZonylTMFSA Fluorosurfactant」が(F(CF2CF2)3-8CH2CH2SCH2CH2CO2 -Li+)および「ZonylTMFSE Fluorosurfactant」(DuPont de Meours and Co.から入手できるF(CF2CF2)3-8CH2CH2OP(O)(O-NH4 +)2 と[F(CF2CF2)3-8CH2CH2O]2P(O)(O-NH4 +)との混合物が挙げられる。
このクラスの界面活性剤は、上述の一般式で示され、式中、
R=CnH2n+1(R2)m-
であり、この式中、
nは約4乃至36であり、
R2は、炭素原子約1乃至36個を有する枝分かれ鎖状または直鎖状のアルキル基またはアラルキル基であり、可能な位置で酸素原子、窒素原子、または硫黄原子と任意に独立に交換され、
mは0または1であり、
Lは、SO3 -またはSO4 -である。このクラスの市販の界面活性剤の例には、ナトリウムドテシルスルフェートおよび「MackmamTMCS」
このクラスの界面活性剤は、上述の一般式から成り、式中
R = CnH2n+1(CO)pO(CH2CH2O)yCH2CH2-、
nは、約4−36であり、
pは、0または1であり、
yは、約1−100であり、好ましくは、1乃至20であり、
LはSO4 -である。
このクラスの市販の界面活性剤の例は、Stepan Co.から入手できる「Steol CA−460」(C12H25O(CH2CH2O)12SO3 -Na+)が挙げられる。
このクラスの界面活性剤は、上述の一般式から成り、式中、
R = (CnH2n+1)qC6H5-q- または
(CnH2n+1)qC10H7-q-
であり、この式中、
nは約4乃至36、好ましくは、8乃至22であり、
qは、1乃至3、好ましくは1または2であり、
Lは、SO3 -またはSO4 -である。
このクラスの市販の界面活性剤の例には、Rhone−Poulenc Co.から入手可能である「RhocalTMDS−10」(ナトリウムラウリルベンゼンスルホネート)、Stepan Co.から入手可能な「PolystepTMA−16」(C12H23−C6H6−SO- 3Na+)、Olin Corp.から入手可能な「PolystepTMA−15」、「Poly−TergentTM2EP」が挙げられる。
このクラスの界面活性剤は、上述した一般式から成り、
R = (CnH2n+1)q(C6H5-q)mO(CH2CH2O)yCH2-であり、
式中、nは約4乃至36、好ましくは8乃至22であり、
mは0または1であり、
qは1または2好ましくは1であり、yは約1乃至100好ましくは1乃至20であり、
LはCO2 -である。
このクラスの市販の界面活性剤の例には、Sandoz Chemicals, Corp.から入手可能な「SandopanLS−24カルボキシレート界面活性剤」(C12H25O(CH2CH2O)12CH2COO-Na+)、「SandopanLS−24カルボキシレート界面活性剤」、「SandopanL8−HCカルボキシレート界面活性剤」、「SandopanLA−8カルボキシレート界面活性剤」(C12H25O(CH2CH2O)4CH2COO-Na+)が挙げられる。
このクラスの界面活性剤は、上述の一般式で示され、式中、
R = R2-C(O)N(R3)CH2-
であり、
R2は、4乃至36個、好ましくは8乃至22個の炭素原子から成る枝分かれ状もしくは直鎖状のアルキル基または約7乃至36個、好ましくは、約12乃至22個の炭素原子から成るアラルキル基であり、アルキル基またはアラルキル基は、任意に独立に可能な位置で酸素原子、窒素原子、または硫黄原子で置換され、
R3は、水素原子または可能な位置で酸素原子、窒素原子、または硫黄原子によって任意に独立に置換される約1乃至10個の炭素原子から成るアルキル基であり、
LはCO2 -である。
このクラスの好ましい界面活性剤の例は、アルキルサルコシネートおよびアルキルグリシネートである。このクラスの市販の界面活性剤の例には、HamsphireTMChemical Co.から入手可能なCo.「HamsphireTMC−30」(coco−C(O)N(CH3)CH2COO-Na+)、McIntyre Groupから入手可能な「MackanTMAmphoteric」(ジヒドロキシエチル獣脂グリシネート)などが挙げられる。
LはSO3 -である。
このクラスの界面活性剤は、上述の一般式で示され、
R = R2-C(O)OCH2CH2-であり、
式中、R2は、約4乃至36個の炭素原子、好ましくは8乃至22個の炭素原子を含む枝分かれ状もしくは直鎖状のアルキル基でありまたは約7乃至36個の炭素原子、好ましくは12乃至22個の炭素原子を含むアラルキル基であり、アルキル基またはアラルキル基は酸素原子、窒素原子、硫黄原子で任意に独立に置換され、
Lは、SO- 3である。
このクラスの市販の界面活性剤の例は、GAF Corp.、New York、New Yorkから入手可能な「IgeponTMAC−78」(ナトリウムイセチオネートを含むヤシ酸エステル)が挙げられる。
このクラスの界面活性剤は、上述の一般式で示され、
R = R2-C(O)-N(R3)CH2CH2-
であり、式中、R2は、約4乃至36個の炭素原子、好ましくは8乃至22個の炭素原子を含む枝分かれ状もしくは直鎖状のアルキル基または約8乃至22個の炭素原子、好ましくは約7乃至36個の炭素原子を含むアラルキル基であり、アルキル基またはアラルキル基は、可能な位置で酸素原子、窒素原子または硫黄原子で任意に独立に置換され、
R3は、水素原子または可能な位置で酸素原子、窒素原子、硫黄原子によって任意に独立に置換され得る約1個乃至10個の炭素を含むアルキル基であり、
L = SO3 -
このクラスの市販の界面活性剤の例には、GAF Corp.から「IgeponTMT−77」(ナトリウムN−メチル−N−オレイルタウレート)が挙げられる。
このクラスの界面活性剤は、上述の一般式で示され、式中、
Lは、
式中、Rは約4乃至36個の炭素原子を含む枝分かれ状または直鎖状のアルキル基または約7乃至36個の炭素原子を含むアラルキル基であり、アルキル基またはアラルキル基は、非置換基であるか、可能な位置で酸素原子、窒素原子、または硫黄原子で置換される。
このクラスの界面活性剤は、上述の一般式で示され、式中
R = R2O(CH2CH2O)vCH2CH2-であり、
R2は、約4乃至36炭素原子、好ましくは、8乃至22個の炭素原子を含む枝分かれ状もしくは直鎖状のアルキル基、または約7乃至36個の炭素原子、好ましくは12乃至22個の炭素原子を含むアラルキル基であり、可能な位置で酸素原子、窒素原子、炭素原子で任意に置換されており、
vは0乃至100、好ましくは0−20であり、
Lは、PO4 -2またはPO4 -である。
このクラスの市販の界面活性剤の例には、Rhone−Poulencから入手可能な「RhodafacTMMC−470」(エトキシレート化ドデシルアルコールホスフェートエステル、ナトリウム塩)、Speciality Industrial Products, Inc,Spartanburg, South Carolinaから入手可能な「Sepostat0012」(C12H25OP(O)(O-Na+)2および「Sepostat0018」(C18H37OP(O)(O-Na+)2が挙げられる。
本発明の界面活性剤の多くは、防曇特性をフィルムに付与する他、溶液が均一に湿潤し、物品を被覆するように水性塗料溶液の表面張力を弱める。ただし、いくつかの例では、水性溶液またはヒドロアルコール溶液から得られた物品の均一なコーティングを確保するために、湿潤剤を添加することが有益であると思われ、こうした湿潤剤の例には、本文に記載される界面活性剤の多くの他、耐久性防曇特性を含まない界面活性剤が挙げられる。有用な湿潤剤の例には、ポリエトキシ化アルキルアルコール(ICI Amerias、Inc.から市販の「Brij30」および「Brij35」、Union Carbide Chemicals and Plastics Co.から市販の「TergitolTMTMN−6TMSpecialty Surfactant」など)、ポリエトキシ化アルキルフェノール(Union Carbide Chemical and Plastics Co.,から入手可能な「TritonTMX−100」およびBASF Corp.から入手可能な「Iconol NP−70」)、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロックコポリマー(BASF,Corp.から市販の「TetronicTM1502 BlockCopolymer Surfactant」、「TetronicTM908 Block Copolymer Surfactant」、「PluronicTMF38block Copolymer Surfactant」)が挙げられる。当然、湿潤剤をコーティング反射防止特性または防曇特性を破壊しない程度に含めなければならない。一般に、湿潤剤は、塗料の約0.10重量パーセントまでの量で使用するが、無機金属酸化物の量によって異なる。好ましくは、湿潤剤は、塗料に対して0.05重量パーセント未満、より好ましくは0.03重量パーセント未満の量で存在する。あるいは、塗料溶液中に低級アルコール(C1−C8)を湿潤性を改善する際に有用であることがわかっている。
R5は、約1乃至20個の炭素原子を有する置換または非置換の二価の炭化水素架橋基であり、任意に、−O−基、−C(O)−基、−S−基、−SO2−基および−NR6 2−基から成る群から選択される1乃至5個の部分を骨格内に含み、任意に−OH、−SH、または−NR6 2によって骨格上で置換されており、R6は、水素、アセチル基、1乃至6個の炭素原子を有する炭化水素基であり、
Xは、−OR8であり、R8は、1乃至8個の炭素原子を含むアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、またはアラルキル基であり、好ましくは、メチル基またはエチル基であり、あるいはXは、−N=C(R9)2であり、R9は、独立に1乃至8個の炭素原子を有し、
R7は、独立に、酸素原子、窒素原子および/または硫黄原子によって可能な位置で任意に置換される1乃至8個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはアルコキシ基であり、
fは、0、1、または、2であり、
gは、2または3であり、
Qは、支持体または界面活性剤の表面で相補的官能基に反応することができる反応性官能基である。Qの例は、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプタン、オキシラン、クロロアルキル基、ヨードアルキル基、およびブロモアルキル基、アジリジン、環状カルボキシル無水物、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、アジド、およびイソシアナト基などが挙げられる。カップリンク剤が、本発明の塗料に(塩基安定化ゾルとともに)存在する場合、カップリンク剤が加水分解し、1つ以上の「X」基または「OR2」基が、シラノールまたはシラノレートに転化することは、理解されたい。
(Q)f-R5-Si(OR8)3
を有し、式中、Qは好ましくは、一次エポキシ、二次エポキシ、または、アミノ基であり、R5およびR8は上述した通りである。
Jは、水素、アルカリ金属、および、約150未満の平均分子量および約11を超えるpKaを有する強塩基から成る有機カチオンから成る群から誘導されるカチオンから選択され、
Xは、有機結合基であり、
Zは、−OSO2O-、−SO2O-、−CO2 -、(−O)2P(O)O-、−P(O)(O-)2、−OP(O)(O-)2、−P(O-)2、および−OP(O-)2から成る群から選択され、
Yは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、約200未満の平均分子量および約8乃至11pKaを有する弱塩基の有機カチオン(HN+(CH2CH2CH2OH)3やH2N+(CH2CH2OH2)など)、約150未満の平均分子量および約11を超えるpKaを有する強塩基の有機カチオン、置換グアニジンおよび非置換グアジニン、四アンモニウムカチオン(N+(CH3)4、N+(CH2CH3)4やN+H4など)から成る群から誘導され、Jが水素である場合に、アルカリ土類金属および前述の有機性の有機弱塩基から選択される場合に、Yが水素であるものとし、
rはYの原子価に等しく1乃至3であり、
hは1または2であり、
iは、1または2であり、
tは、1乃至3である。
プライマー塗料を塗布して支持体に対する塗料の接着性を改善することもできる。特に好ましいプライマー材料は、塩化ポリビニリデン(PVDC)である。
本発明の塗料を塗布することができる支持体は、好ましくは可視光線に対して透明または半透明である。好ましい支持体は、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチメタクリレートなどのポリアリレート、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、セルロースアセテートブチレート、ガラスなど、それらのブレンドおよび積層品を含む)。一般に、支持体は、フィルム、シート、パネル、窓ガラスの材料の形態であり、めがねレンズ、建築用板ガラス、装飾ガラスフレーム、自動車用窓ガラス、風防、外科用マスクやフェイスシールドなどの眼球保護用着用物である。塗料は、必要に応じて物品の一部のみを被覆してもよく、例えば、フェイスシールドの目に直接隣接する部分のみを被覆しても良い。支持体は、平坦であっても湾曲していても、造形されていても良い。被覆すべき物品は、ブロー成形、押出成形、または射出成形によって製造することができる。
本発明の組成物は、好ましくはバー塗装、ロール塗り、カーテン塗装、グラビア塗装、吹き付け塗り、浸漬塗装などの従来の技術を用いて物品に被覆する。好ましい方法には、厚さを調節するためのバー塗装およびロール塗り、またはエアナイフ塗装が挙げられる。均一なコーティングおよびフィルムの湿潤化を確実に行うために、支持体表面を酸化してからコロナ放電または火炎処理によって塗布することが好都合である。これらの方法は、支持体に対するコーティングの接着性を改善することもできる。物品の表面エネルギーを増加することができるその他の方法には、塩化ポリビニリデン(PVDC)などのプライマーを使用する方法が挙げられる。本発明の塗料は、好ましくは約200オングストローム未満の範囲、好ましくは100オングストローム未満だけ異なる均一な平均厚さで塗布し、塗料の色の変化を肉眼で確認できないようにする。最適な平均乾燥コーティング厚さは、塗料によって異なるが、一般には、Gaertner Scientific Corp Model No.L115Cなどの楕円偏光測定器を用いて測定されるように、500乃至2500オングストロームであり、好ましくは750乃至2000オングストロームであり、より好ましくは1000乃至1500オングストロームである。この範囲を下回ったりこの範囲を超えると、塗料の反射防止特性は著しく低下する。ただし、平均コーティング厚さは、均一であることが好ましいが、実際のコーティング厚さは、コーティングのある特定の点と別の点では相当異なる。厚さのこのような変化は、目視可能な離れた領域で相関した場合に、実際には、塗料の広域反射防止特性を実現することによって有益となる。
a.被覆されていないか、
b.米国特許第2,803,552号、第3,075,228号、第3,819,552号、4,467,073号、4,944,294号に開示されているような従来の界面活性剤またはポリマー防曇性組成物であるか、または、
c.米国特許第4,816,333号に開示されている反射防止性組成物またはJ.D.Masso「Evaluation of Scratch Resistant and Anti−reflective Coatings for Plastic Lenses」(上述)に記載されている多層コーティングで被覆されていても良い。好ましくは、防曇コーティング面は、高湿度の面の方向に向いていることが望ましく、例えば、フェイスシールドについては、防曇性コーティングを有する面は、着用者側に向いていることが望ましい。
本発明の塗料は、耐久性があり、保存性が高く、例えば、23℃で50パーセントの相対湿度に6週間まで暴露した場合にも有意な劣化を生じない。好ましい塗料は、30℃で60パーセントの相対湿度に暴露した場合に、再循環環境室(再循環速度=1.67容量/分)に少なくとも14日間、より好ましくは少なくとも21日間、最も好ましくは少なくとも28日間、各例に記載の「湿潤試験」に従って、3μlの液滴直径が少なくとも4mm、より好ましくは少なくとも5mmである。
1乃至63および比較例A乃至AHの防曇/反射防止組成物に存在する界面活性剤を以下の表1に記載する。
例1乃至11の防曇/反射防止組成物および例A乃至Cの比較的な反射防止組成物を表2に示される量で表1に記載される各界面活性剤をRemet Corp., Chadwicks,NYから市販の「Remsol SP−30 sodium Stabilized Silica Sol」を30パーセント溶液、粒子サイズ70オングストローム、pH10として供給を脱イオン水に稀釈することによって調製される1.75重量パーセントのシリカを含有する分散系に添加することによって調製した。Union Carbide Chemical & Plastics Company, Danbury, CTから「A−187」として市販のグリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPS)カップリング剤を例11の分散系に0.18重量パーセントの濃度で添加した。この組成物を、エアナイフを有するロールコーターを用いて0.18mm(17mil)厚さの火炎処理ポリエチレンテレフタレートの両面に塗布し、乾燥コーティングの厚さを反射光(約1000乃至1200オングストローム)によって目視される場合に紫色乃至薄青色の色相を呈するように調節した。被覆フィルムを直ちに77℃で強制空気乾燥機を通過させた。オーブン内の滞留時間は、2分未満であった。試料は、被覆フィルム試料が製造された日に防曇耐性について評価した後(「初期曇」)、12日間貯蔵し約23℃および50パーセントの相対湿度の周囲条件に表面暴露して老化した後に、再度評価した。曇は、フィルムを口から約2.5cm離して維持しながら、フィルムに直接息を吹きかけることによって評価した。初期曇は、「優秀」、「良好」、「可」、および「不良」として、息をフィルムに吹きかけてからフィルムを通して見る相対能力によって主観的に測定した。以下の数値的等級を12日後の評価に使用した。「1」は、被覆フィルムが未被覆フィルムのように曇ることを意味し、「2」は、被覆フィルムが1乃至2回続けて息を吹きかけた後に曇ることを意味し、「3」は3回連続して息を吹きかけた後に被覆フィルムが軽度に曇ることを意味し、「4」は、4回直接息を吹きかけた後に極めて軽度に曇ることを意味し、「5」は、5回直接息を吹きかけた後には被覆フィルムが曇に耐性があることを意味する。結果は、表2に記録した。被覆フイルムのすべては、未被覆フィルムと視覚的に比較し表面模様付きのベージュ色の表面上に維持した場合に、有意により透明で反射防止性が高かった。
例12および13の防曇/反射防止組成物ならびに比較例D乃至Iの比較的な反射防止組成物は、表3に示される量で表1に記載された種類の界面活性剤を、脱イオン水でNalco chemical Company, Naperville, ILから市販の「Nalco2326 Colloidal Silica as SiO2」(15重量パーセント、粒子サイズ50オングストローム)を稀釈することによって調製された1.25重量パーセントのシリカを含む分散系に添加することによって調製した。また、シランカップリング剤であり、Union Carbide Chemical & Plastics Companyから市販の「A−187」としてグリシドプロピルトリメトキシシラン(GPS)を比較例D−Iおよび例12の組成物に添加した。Union Carbide Chemical & Plastics Companyから「A1230」という有標非イオンシラン分散剤として市販の別のシランカップリング剤を例13の組成物に添加した。シランカップリング剤の量は、表3に記載した。組成物は、コーティング前に1時間に設置した。組成物は、第8番のMeyerバーを用いて0.18mm(7mil)厚さのPETフィルムの片面のみに人手によって塗布した。被覆フィルムは、オーブンで85℃で約5分間乾燥させた。フィルムの被覆面を、コーティング後約24時間してから曇について評価した。曇は、例1乃至11について12日老化後について記載された曇試験を用いて測定した。結果は表3に示す。
例14a乃至14c、15a乃至15c、16a乃至16c、17a乃至17c、および18a乃至18cは、表1に示される界面活性剤を表4に支持される濃度で、脱イオン水で「Remasol Sp−30 Sodium Stabilized Silica Sol」を稀釈することによって、調製された1.5重量パーセントのシリカを含有する50gの分散系に添加することによって製造した。組成物は、以下のように6番のMeyerバーを用いて火炎処理した20×30cm(7mil)厚さのPETフィルムの両面に被覆した。第一の面に塗布し、直ちに100℃で1乃至2分間乾燥させた。次に第2の面を被覆し、100℃で1乃至2分間乾燥させた。被覆フィルムは、例1乃至11の12日間後の曇について記載された試験を用いて塗布後約2日目に曇について評価した。結果は、表4に示す。
例19乃至25の防曇/反射防止組成物は、表1に示される界面活性剤を0.015重量パーセントの濃度で、「Remasol SP−30 Sodium Stabilized Silica Sol」とUnion Carbide Chemical & Plastics Companyから「A−187」として市販のカップリンク剤である0.25重量パーセントのGPSを稀釈することによって調製された2.5重量パーセントのシリカを含有する分散系に添加することによって製造した。この組成物は、例14乃至18に関して記載された火炎処理された20×30cm×0.18mm(7mil)厚さのPETフィルムの両面に塗布した。フィルムが曇る傾向に関する初期の測定は、以下のように行った。残りの試料は、再循環オーブンを49℃に維持して懸架した。フィルム試料は、6、10、16、20、26日の間隔で取り出し、以下の曇試験を行って曇る傾向について評価した。新しい試料を各期間毎に試験した。
例26a乃至例26dの防曇/反射防止組成物は、Nalco Chmical Company Naperville,ILから市販の「Nalco1042 Colloidal silica as SiO2」の1.25重量パーセント分散系およびUnion Carbide Chemical & Plastics Companyから「A−187」として市販のシランカップリング剤である0.125重量パーセントのGPSに含めた例9の界面活性剤を用いて調製した。この界面活性剤を、表6に示す濃度でゾルの50gのアリコートに添加した。防曇/反射組成物を4時間放置してシランを加水分解させた。この残り時間は、コーティングの品質を結果的に改善したことが観察された。組成物は、例14乃至18に記載される20×30cm×0.18mm(7mil)厚さのPETフィルムの両面に被覆した。被覆フィルムをオーブンに入れて100℃約1乃至2分間乾燥させた。被覆フィルムの防曇特性は、例19乃至25に記載された曇試験を行って評価した。フィルムの防曇特性は、試料を光源に掲げて表面に模様のついたベージュ色の表面に対して暴露し、相対的な光透過性を未被覆フイルム上の有意な改善を意味する「良好」、未被覆フィルム上の若干の改善を意味する「並」、未被覆フィルムとほぼ同じであることを意味する「不良」として評価した。結果は、表6に記録した。
例27a乃至27c、28a乃至28c、29a乃至29c、30a乃至30cおよび31a乃至31cは、表1に示される界面活性剤を表7に示す量で、脱イオン水に含まれる「Remasol SP−30 Sodium Stavilized Silica Sol」の1.75重量パーセントの50gの分散系に添加することによって調製した。その組成物は、例14乃至18に関して記載されたようにコロナ放電処理された20cm×30cm×0.18mm(7mil)厚さのPETフィルムの両面に塗布された。初期曇は、例19−25に記載された曇試験を用いて評価したが、以下の等級を使用した。「0」は曇がないことを意味し、「1」は最低限の微量の曇を意味し、「2」は中程度の曇を意味し、「3」は重度の曇すなわち未被覆ポリエステルフィルムと同じ曇を意味する。コーティング品質は、視覚的に測定され、以下の等級を使用した。「非常に良好」は、視覚的にコーティングに欠陥がないことを意味し、「良好」はわずかながらコーティングが不均一であることを意味し、「むら」は、目視可能な非湿潤性のむらが観察されたことを意味し(界面活性剤の濃度または湿潤剤の濃度を変更する必要があることを示す)、「無湿潤」は、多くのコーティングむらがあることを意味する(界面活性剤を高濃度にするか、湿潤剤を塗料に添加しなければならないことを意味する)。結果は、表7に記録した。被覆フィルムの反射防止特性は、例26に記載されるように、視覚的観察によって定性的に測定した。
この結果は、この一連の界面活性剤については、より良好な湿潤性が高濃度の界面活性剤で達成されることを示す。例27(a)−(c)は、改善されたことを示し、例28(a)−(c)、29(a)−(c)、30(a)−(c)、31(a)−(c)および32(a9−(c)は、反射防止特性がかなり改善されたことを示した。すべての試料は、良好な初期防曇特性を有した。
例33乃至42の防曇/反射防止組成物および比較例J乃至Lの反射防止組成物を以下のように調製した。コロイドシリカのマスターバッチを以下の量で「Remasol SP−30 Sodium Stabilized Silica Sol(30パーセント溶液)」と、Huls,Piscataway,NJから「G6720」として市販のGPSと、脱イオン水から調製した。
脱イオン水 142,600
コロイドシリカ 8,840
GPS 265
さまざまな界面活性剤の老化特性およびフィルムの汚染によってフィルムの特性を低下させるか否かについて、より詳しく理解するために、例33−35、38,40−41および比較例Jから得た被覆フィルムを、一晩(約12時間)かけて25℃/50パーセントの相対湿度で状態調節し、2組の密封ジャーに入れた。別個のジャーを異なる界面活性剤を含む被覆フィルムに使用した。セット1(乾燥)のジャーには、被覆フィルムのみを収容し、セット2のジャー(湿潤)には被覆フィルムおよび脱イオン水が完全に蒸発しないようにするのに十分な脱イオン水の小型バイアルを収容した。バイアル中の脱イオン水は、フィルムに直接接触しなかったが、高湿度の供給源として役立った。ジャーは、40℃のオーブンに入れて、フィルムを定期的に回収し、上述の湿潤試験を行った。結果は、乾燥老化については表10に湿潤老化については表11に記載した。本発明の界面活性剤を含む被覆フィルムは、密封室に維持した場合には、耐久性防曇剤として極めて優秀であった。曇特性は、56日後も有意には減少しなかった。比較例Jの湿潤性は、密封容器内では急速に低下した。理由にかかわらず、この結果は防曇特性が被覆フィルムの環境的な表面の汚染によるものであることを示すと考えられる。比較例の防曇特性の損失は、防曇特性が密封容器でも非常に急速に減少したことから考えて、その他の原因によるものと考えられる。
界面活性剤の調製
リチウムステアレートを、a)Fisher Scientific,Pitsburg, PA,から市販の2.2gの一水化水酸化リチウムを約60mlの水に溶解し、約80℃に加熱し、水酸化リチウムを完全に溶解させ、b)Fisher scientificから市販の142gのステアリン酸を、約80℃まで加熱し、そのステアリン酸を融解してから、Fisher Scientificから市販の約10mlのイソプロピルアルコールを添加して撹拌し、c)成分a)を成分b)に冷えないうちに添加し、撹拌して緩い分散系を生成し、引き続き撹拌しながら、分散系を冷却させた。生成塊を2度、約20mlの温水を添加し、濾紙で濾過し、これを繰り返すことによって洗浄した。洗浄した残分をフィルターに通過させて、余分な洗浄水を絞り出して、約45℃で風乾し、一定の重量にした。緩い微細な粉末が得られた。
2重量パーセントの界面活性剤溶液を1gの界面活性剤を49gの脱イオン水に溶解することによって製造した。1.75重量パーセントのシリカ固形分濃度を有するシリカゾルのマスターバッチを、46.67gの「remasol SP−30 Sodium Stabilized Silica Sol」(30パーセント溶液)を753.3gの脱イオン水に添加することによって調製した。比較例Mの反射防止組成物は、界面活性剤濃縮物を50gの稀釈シリカ分散系に混合することによって調製した。比較例Nの反射防止組成物は、例1に記載の界面活性剤を表12に示す量および濃度でリチウムステアレートの代わりに使用した以外では、同様に調製した。これらの組成物は、例14−18に記載したように塗布された。被覆フィルムを例33−42に記載したようにオーブンで老化し、例33−42に記載された湿潤試験を行い評価した。例34から得られた3枚の被覆フィルムを比較のために再評価した。結果は、表13に記録した。
防曇/反射防止塗料は、以下を含むよう調製された。
比較例O乃至T
例43−49の防曇反射防止塗料および比較例O−Tの反射防止塗料は、3,437gの脱イオン水、2.0gの濃縮水酸化アンモニウム、326gの「Nalco 2326 Colloidal Silica」(Nalco chemical Co.)および4.24gの3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)カップリンク剤を含む原液を用いて調製した。表1に記載の0.1gの各種界面活性剤を200gの原液に添加し、各塗料を調製した。例45、46、および48の塗料ならびに比較例R、S、およびTに、湿潤剤であり、Union Carbide Chemicao &Co.,「Trition X−100」の0.6gの10%溶液も、後述の表15に示すように添加した。
比較例U−Y
例50−52に使用するための防曇/反射防止塗料および比較例U−Yに使用する反射防止塗料は、例43−49に記載されるように調製した。各組成物に使用される界面活性剤は、3M Companyから市販の「FluoradTMFC−95 fluorochemical Surfactant」であった。湿潤剤である「Triton X−100」の使用については、表16に示した。各組成物は、塩化ポリビニリデン(PVDC)を下塗りした0.1mm厚さのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(例50および52ならびに比較例UおよびW)と下塗りしない0.1mm厚さのPETフィルム(例51および比較例V、X、Y)との両方に例43−49に記載の方法を用いて、6番(比較例U、V、W、X)および7番(例50−52および比較例Y)線巻きロッド(Meyerバー)を用いて、表16に示すように、塗布した。被覆フィルムを乾燥させ、例43−49に記載のように曇について評価した。結果は表16に示した。
比較例Z−AC
塗料を例43−49に記載されたように調製した。あるバッチでは、シランカップリング剤であるアミノプロピルトリエトキシシラン(APS)を使用しなかった(例53−56)。別のバッチでは、シランカップリング剤APSの代わりに、「A−187」としてUnion carbide Chemical &Plastics Companyから市販のグリシドキシプロピルトリメトキシシランを使用した(例57−60)。すべての組成物に使用される界面活性剤は、3M Companyから市販の「FluoradTM FC120 Fluorochemical Surfactant」であった。上述の組成物のバッチは、Union Carbide Chemical & Plastics Co.から市販の湿潤剤「TritionTMX−100」を用いた場合と用いない場合で行った。各塗料は、下塗りをしない0.1mm厚さのPETフィルムの両面に、6番(例53、55、57、および59ならびに比較例ZおよびAB)または7番(例54、56、58および6並びに比較例AAおよびCC)の線巻きロッドMayerバーを用いて塗布した。コーティングを乾燥し、曇特性を例43−49について記載されるように評価した。曇試験の結果は、表17に示した。
比較例AD−AH
塗料は、例43乃至49に記載されたように、調製した。理想的な塗料は、同一の塗料も調製したが、シランカップリンク剤であるAPSを用いなかった(例61−63および比較例AH)。湿潤剤を使用する場合には、「TritionTMX−100」を用いた。塗料は、下塗りのない火炎処理した0.1mm厚さのPETフィルムの両面に、7番の線巻きロッドMeyerバーを用いて塗布した。コーティングを乾燥させ、例43−49に記載のように曇について評価した。曇試験の結果は、表18に示した。
Claims (13)
- コーティング組成物を塗布する表面を有する基材に反射防止特性および防曇特性を付与するコーティング組成物であって、
(a)多孔質無機金属酸化物を含み、
(b)少なくとも1つの疎水性基および少なくとも1つの親水性アニオン基を含む界面活性剤であって、
(i)前記親水性アニオン基は、-OSO2O-、-SO2O-、-CO2 -、(-O)2P(O)O-, -OP(O)(O-)2、-P(O)(O-)2、-P(O-)2、 -OP(O-)2、(-SO2)2N-、-SO2N(R)-、(-SO2)2C-H、および -N+(R)2(CH2)xL'から成る群から選択されるアニオンを含み、Rは水素、未置換のアルキル基または、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から成る群から独立に選択される原子で置換されたアルキル基、または、アルキレンカルボキシル基であり、アルキル基またはアルキレンカルボキシル基は、約1乃至10個の炭素原子を含み、xは1乃至4であり、L’は、-OSO2O-、-SO2O-、(-O)2P(O)O-、 -OP(O)(O-)2、-P(O)(O-)2および-CO- 2から成る群から選択され、各アニオン基は、少なくとも1つのカチオンと会合または共有結合され、カチオンは、H+、Na+、K+、Li+、Ca+2、Mg+2、Sr+2、 Al+3、およびR"A+から成る群から選択され、R’’はRまたはR’であり、Rは水素または約1乃至10個の炭素原子を含むアルキル基またはシクロアルキル基であり、R’は界面活性剤分子に共有結合され、かつ、炭素原子1乃至10個を含むアルキル架橋基であり、A+はN+R3、酸素原子、窒素原子もしくは硫黄原子で置換されていてよいグアニジニウムイオン、または、N+Bであり、Bは、窒素含有複素環式環を完成する炭素原子、窒素原子、硫黄原子および酸素原子から成る群から選択される3乃至7個の原子を含み、R基またはR’基は、いずれも置換されていなくても、酸素、窒素または硫黄から成る群から独立に選択される原子で置換されていても良く、前記カチオンは、前記界面活性剤の実効電荷が中性になるように選択され、
(ii)前記疎水性基は、少なくとも4個の炭素原子を含む炭化水素鎖または少なくとも3個の炭素原子を含むペルフルオリネート化基を含む、界面活性剤を含む、コーティング組成物であって、
前記コーティング組成物は、光透過性基材の少なくとも1つの面に塗布し乾燥させた場合に、
1)本文記載の湿潤試験に従って試験した場合に少なくとも約4mmの液滴直径を示し、
2)前記基材に、未被覆基材の550nmにおける透過パーセントよりも少なくとも3%大きい550nmにおける透過パーセントを提供する、コーティング組成物。 - 前記界面活性剤が以下の式:
[(R)aL-c]d(M+b)e
を有し、Rは、約3乃至18個のペルフルオリネート化炭素原子を含むペルフルオロネート化アルキル基またはシクロアルキル基、約3乃至18個のペルフルオリネート化炭素原子および0乃至30個の非フルオリネート化炭素原子を含むポリエトキシ化ペルフルオロアルキルまたはペルフルオロシクロアルキル置換アルコール、約3乃至18個のペルフルオリネート化原子および約0乃至30個の非フルオリネート化炭素原子を含み、アルキル基またはアルケニル基が置換されていないか、または、アルキル鎖もしくはアルケニル鎖内に位置するか、アルキル鎖もしくはアルケニル鎖上で置換された酸素原子、窒素原子または硫黄原子を含むペルフルオロアルキル置換アルキルまたはアルケニル基、約4個乃至36個の炭素原子を含み、アルキル基またはアルケニル基が置換されていないか、アルキル鎖もしくはアルケニル鎖内に位置するかまたはその上で置換された酸素原子、窒素原子または硫黄原子を含むアルキル基またはアルケニル基、約7乃至36個の炭素原子を含むアラルキル基であって、置換されていないか、可能な位置で酸素原子、窒素原子または硫黄原子によって独立に置換されたアラルキル基、および、約7乃至36個の炭素原子を含むポリエトキシ化またはポリプロポキシ化アルキルまたはアラルキル基から成る群から選択され、
Lは、スルフェート基、スルホネート基、ホスフェート基、ホスホネート基、スルホンイミド基、スルホンアミド基、カルボキシレート基、ホスホニト基、ホスファイト基およびジスルホニルメチド基ならびにそれらの両性アルキル形態から成る群から選択され、ただし、Lがカルボキシレートである場合に、前記界面活性剤分子が更なる極性ヘテロ原子または置換基を前記カルボキシル基から4原子よりも遠くない位置に含むことを条件とし、前記極性置換基は、エーテル、アミド、アルコール、カルボキシル基、エステル基、チオエステル基、ウレア基、およびウレタン基ならびにそれらの組み合わせから成る群から選択され、
Mは、水素、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、アルミニウムおよびR’’A+から成る群から選択され、R’’はRまたはR’であり、Rは水素または約1乃至10個の炭素原子を含むアルキルまたはシクロアルキル基であり、R’は界面活性剤分子に共有結合され、かつ、置換されていないか、可能な位置で酸素原子、窒素原子または硫黄原子で置換された約1乃至10個の炭素原子を含むアルキル架橋基であり、A+は、N+R3、酸素原子、窒素原子もしくは硫黄原子で置換されていてよいグアニジニウムイオン、または、複素環式N+Bから成る群から選択され、Bは、窒素含有複素環式環を完成させる炭素原子、窒素原子、硫黄原子および酸素原子から成る群から選択された3乃至7個の原子を含み、
aおよびcは、独立に1または2であり、
bおよびdは、独立に1、2、または3であり、
eは、(c×d)/b、または0である、請求項1記載のコーティング組成物。 - 前記界面活性剤は、アニオン性ペルフルオロ含有化合物のリチウム塩、ナトリウム塩またはカリウム塩である、請求項1記載のコーティング組成物。
- 前記界面活性剤は、0.15重量パーセント未満の濃度で存在する、請求項1記載のコーティング組成物。
- 前記無機金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化アンチモン、シリカ、酸化ジルコニウム、およびそれらの混合物から成る群から選択される、請求項1記載のコーティング組成物。
- コーティング組成物を塗布する表面を有する基材に反射防止特性および防曇特性を付与するコーティング組成物であって、
(a)多孔質無機金属酸化物、および
(b)少なくとも1つの疎水性基および少なくとも1つの親水性アニオン基を含む界面活性剤であって、
(i)前記親水性アニオン基は、-OSO2O-、-SO2O-、-CO2 -、(-O)2P(O)O-、-OP(O)(O-)2、-P(O)(O-)2、-P(O-)2、-OP(O-)2、(-SO2)2N-、-SO2N(R)-、(-SO2)2C-H、および-N+(R)2(CH2)xL'から成る群から選択され、Rは水素、置換されていないか、酸素原子、窒素原子、および硫黄原子から成る群から選択される原子で独立に置換されたアルキル基、またはアルキレンカルボキシル基であり、アルキル基またはアルキレンカルボキシル基は、約1乃至10個の炭素原子を含み、xは1乃至4であり、L’は、-OSO2O-、-SO2O-、-O2P(O)O-、-OP(O)(O-)2、 -P(O)(O-)2、および-CO- 2、から成る群から選択され、各アニオン基は、少なくとも1つのカチオンと会合または共有結合し、カチオンは、H+、Na+、K+、Li+、Ca+2、Mg+2、Sr+2、Al+3、およびR"A+から成る群から選択され、R’’は、RまたはR’であり、Rは、水素、約1乃至10個の炭素原子を含むアルキル基またはシクロアルキル基であり、R’は前記界面活性剤分子に共有結合され、かつ、1乃至10個の炭素原子を含むアルキル架橋基であり、A+はN+R3、酸素原子、窒素原子もしくは硫黄原子で置換されていてよいグアニジニウムイオン、または、N+Bであり、Bは、窒素含有複素環式環を完成する炭素原子、窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選択された3乃至7個の原子を含み、R基またはR’基は、置換されていないか、もしくは、酸素原子、窒素原子または硫黄原子から成る群から選択される原子で独立に置換されており、前記カチオンは、前記界面活性剤分子の実効電荷が、中性であるように選択され、
(ii)前記疎水性基は、少なくとも4個の炭素原子を含む炭化水素鎖、または少なくとも3個の炭素原子を含むペルフルオリネート化基を含み、前記界面活性剤は、
(1)20℃より高い融点を有するか、
(2)10重量パーセント未満の水中溶解度を有するか、または、
(3)金属酸化物と共有結合することができる、界面活性剤を含み、
前記界面活性剤は、防曇特性を前記コーティング組成物を被覆する基材に提供するのに必要な量ではあるが、前記無機金属酸化物によって提供される反射防止特性を、550nmの光の透過パーセント単位で測定して、未被覆基材よりも3%未満でしか大きくない程度まで低下させるためには十分ではない量で存在する、コーティング組成物。 - 表面を有する基材、および、前記基材の前記表面上に請求項1記載のコーティング組成物から成る層を含み、前記コーティング組成物が乾燥している物品。
- 前記コーティング組成物から成る層は、約500乃至2500オングストロームの範囲の厚さを有する、請求項7記載の物品。
- 可視光線に対して透明または半透明である基材を含む防護めがねであって、
(a)反射防止特性を基材に提供する均一な平均厚さの多孔質無機金属酸化物ネットワークを被覆した、基材であって、
前記基材は、
(b)少なくとも1つの疎水性基および少なくとも1つの親水性アニオン基を含む界面活性剤でも被覆されており、
(i)前記親水性アニオン基は、-OSO2O-、-SO2O-、-CO2 -、 (-O)2P(O)O-、-OP(O)(O-)2、-P(O)(O-)2、-P(O-)2、 -OP(O-)2、(-SO2)2N-、-SO2N(R)-、(-SO2)2C-H、および -N+(R)2(CH2)xL'から成る群から選択されるアニオンを含み、Rは水素、置換されていないか、もしくは、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から成る群から独立に選択される原子で置換されたアルキル基、または、アルキレンカルボキシル基であり、アルキル基またはアルキレンカルボキシル基は、約1乃至10個の炭素原子を含み、xは1乃至4であり、L’は、-OSO2O-、-SO2O-、(-O)2P(O)O-、-OP(O)(O-)2、 -P(O)(O-)2および-CO- 2;から成る群から選択され、各アニオン基は、少なくとも1つのカチオンと会合または共有結合され、カチオンは、H+、Na+、K+、Li+、Ca+2、Mg+2、Sr+2、Al+3、およびR"A+から成る群から選択され、R’’は、RまたはR’であり、Rは水素、約1乃至10個の炭素原子を含むアルキル基またはシクロアルキル基であり、R’は界面活性剤分子に共有結合され、かつ、1乃至10個の炭素原子を含むアルキル架橋基であり、A+はN+R3、酸素原子、窒素原子または硫黄原子で置換されていてよいグアニジニウムイオン、または、N+Bであり、Bは、窒素含有複素環式環を完成させる炭素原子、窒素原子、硫黄原子および酸素原子から成る群から選択される3乃至7個の原子を含み、R基またはR’基は、置換されてなくても、酸素原子、窒素原子または硫黄原子から成る群から独立に選択される原子で置換されてもよく、前記カチオンは、前記界面活性剤分子の実効電荷が中性であるように選択され、
(ii)前記疎水性基は、少なくとも4個の炭素原子を含む炭化水素鎖または少なくとも3個の炭素原子を含むペルフルオリネート化基を含み、
前記被覆した基材は、
(1)本文に記載の湿潤試験に従って試験した場合に、少なくとも4mmの液滴直径、および、
(2)未被覆基材の550nmにおける透過パーセントよりも少なくとも3パーセント大きい透過パーセントを示す、
防護めがね。 - 前記無機金属酸化物はシリカであり、かつ、前記界面活性剤はペルフルオリネート化スルホネートである、請求項9記載の防護めがね。
- フェイスマスクおよび請求項9記載の防護めがねを含む外科用マスク。
- 反射防止特性および防曇特性を基材に付与する方法であって、
(a)基材を提供する工程、
(b)コーティング組成物を調製する工程、
(c)前記コーティング組成物を前記基材の少なくとも1つの面に塗布する工程、および、
(d)コーティング組成物を乾燥させる工程、を含み、前記コーティング組成物が請求項1記載のコーティング組成物である、方法。 - 反射防止特性および防曇特性を基材に付与する方法であって、
(a)基材を提供する工程、
(b)多孔質金属酸化物を含む第1のコーティング組成物を調製する工程、
(c)第2のコーティング組成物を調製する工程、
(d)前記第1または第2のコーティング組成物を前記基材の少なくとも1つの面に塗布する工程、
(e)工程(d)で塗布される該コーティング組成物を乾燥させる工程、
(f)工程(d)で塗布されない該コーティング組成物を前記基材の少なくとも1つの面に塗布する工程、
(g)工程(f)で塗布される該コーティング組成物を乾燥させる工程を含み、
前記第2のコーティング組成物は、少なくとも1つの疎水性基および少なくとも1つの親水性アニオン基を含み、
(i)前記親水性アニオン基は、-OSO2O-、-SO2O-、-CO2 -、(-O)2P(O)O-, -OP(O)(O-)2、-P(O)(O-)2、-P(O-)2、 -OP(O-)2、(-SO2)2N-、-SO2N(R)-、(-SO2)2C-H、および-N+(R)2(CH2)xL'から成る群から選択されるアニオンを含み、Rは水素、未置換のアルキル基または、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から成る群から独立に選択される原子で置換されたアルキル基、または、アルキレンカルボキシル基であり、アルキル基またはアルキレンカルボキシル基は、約1乃至10個の炭素原子を含み、xは1乃至4であり、L’は、-OSO2O-、-SO2O-、(-O)2P(O)O-、 -OP(O)(O-)2、-P(O)(O-)2および-CO- 2から成る群から選択され、各アニオン基は、少なくとも1つのカチオンと会合または共有結合され、カチオンは、H+、Na+、K+、Li+、Ca+2、Mg+2、Sr+2、 Al+3、およびR"A+から成る群から選択され、R’’はRまたはR’であり、Rは水素または約1乃至10個の炭素原子を含むアルキル基またはシクロアルキル基であり、R’は界面活性剤分子に共有結合され、かつ、炭素原子1乃至10個を含むアルキル架橋基であり、A+はN+R3、酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子で置換されていてよいグアニジニウムイオン、または、N+Bであり、Bは、窒素含有複素環式環を完成する炭素原子、窒素原子、硫黄原子および酸素原子から成る群から選択される3乃至7個の原子を含み、R基またはR’基は、いずれも置換されていなくても、酸素、窒素または硫黄から成る群から独立に選択される原子で置換されていても良く、前記カチオンは、前記界面活性剤の実効電荷が中性になるように選択され、
(ii)前記疎水性基は、少なくとも4個の炭素原子を含む炭化水素鎖または少なくとも3個の炭素原子を含むペルフルオリネート化基を含む、界面活性剤を含む、方法。
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