JP2007077227A - オレフィン重合用触媒担体の製造方法、それを用いたオレフィン重合用触媒成分 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも2段階に分けて造粒する工程を含むオレフィン重合用触媒担体の製造方法であって、第2段目造粒工程において、0.1〜30wt%のバインダーを添加し、(i)平均粒径が25〜200μm、(ii)M/L≧0.80(ただし、Lは投影図の粒子の最大径の値、MはLと直交する径の値を示す。)を満たす粒子数が全粒子数の50%以上、(iii)微小圧縮試験機で測定した粒子の圧壊強度が5.0〜40MPa、を同時に充足することを特徴とするオレフィン重合用触媒担体の製造方法。
【選択図】なし
Description
一方、活性組成分として、チタン化合物、マグネシウム化合物、ハロゲン、担体としてのシリカゲル、電子供与体化合物としてのカルボン酸エステルを包含する、チタン含有固体組成分と、共触媒として、アルミニウム化合物と、必要に応じて、さらに他の電子供与体化合物とを含有し、使用される上記シリカゲルが、5〜200μmの平均粒径、1〜10μmの一次粒子平均粒径および全粒子中の巨視的量割合が5〜20%を占め、かつ平均粒径が1〜10μmであるボイド、チャンネルを有することを特徴とするチーグラー/ナッタ型触媒組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、これらの技術では、微粉が存在するため、得られる重合体の取り扱いがしにくい上、一般には造粒工程が必須である。
さらに、製造するポリマーの粒子性状の改良やファウリング予防のために、あらかじめ予備的な重合を行う方法(例えば、特許文献8〜9参照。)や、粘土または粘土鉱物を造粒することにより性状の良い重合パウダーを得る方法も知られている(例えば、特許文献10参照。)。さらに、特定の方法によって層状珪酸塩を造粒することで粒子性状に優れた重合パウダーを得る方法も知られている(例えば、特許文献11参照。)。
(i):平均粒径が25〜200μmであること
(ii):M/L≧0.80(ただし、Lは投影図の粒子の最大径の値、MはLと直交する径の値を示す。)を満たす粒子数が全粒子数の50%以上をしめること
(iii):微小圧縮試験機で測定した粒子の圧壊強度が5.0〜40MPaであること
1.触媒担体の特性
本発明のオレフィン重合用触媒担体は、原料の触媒担体成分を造粒して一次造粒粒子を得る第1段目造粒工程と得られた一次造粒粒子を構成粒子として再び造粒する第2段目造粒工程において、0.1〜30wt%のバインダーを添加して造粒する工程から製造される。ここで0.1〜30wt%とは原料の触媒担体成分に対してであり、これら触媒担体成分以外の合目的的もしくは不可避的に存在することになる成分を少量、例えば、触媒担体成分の0.1〜20wt%程度、含むものをも意味する。そして、本発明によるオレフィン重合用触媒担体は、上記に加えて、下記の特性(i)〜(iii)を同時に充足することを特徴とするものである。
本発明によるオレフィン重合用触媒担体の平均粒径は、25〜200μmであり、好ましくは25〜150μmである。平均粒径が、25μm未満であると、得られる重合体粒子の粒径が小さくなりパウダーの飛散や付着といった問題を生じ、200μmを超えると触媒導入ライン中で閉塞をしやすく重合反応機への触媒の導入が困難になったり、得られる重合パウダーの粒径が大きくなりすぎ安定剤等の添加剤を均一に混合することが困難となったりする。尚、平均粒径が満たしても、たとえば10μm以下の微粒子が一定以上存在すると、付着の問題は解決できない場合があり、10μm以下が5%以下、好ましくは10μm以下が3%以下であるという要件も必要に応じて、付与される。
ここで、粒径の測定は、具体的にはレーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所社製「LA−920」)を使用して測定する値である。造粒前のスラリーの触媒担体成分およびバインダーの測定は、水を分散媒として用い、屈折率1.32、形状係数1.0として粒径分布および平均粒径(メジアン径)を算出し、造粒後のオレフィン重合用触媒担体の測定は、エタノールを分散媒として使用して、同様に測定する。
本発明によるオレフィン重合用触媒担体は、M/L≧0.80を満たす粒子数が全粒子数の50%以上をしめる(ただし、Lは投影図の粒子の最大径の値、MはLと直交する径の値を示す。)。M/Lは触媒担体の形状に関するものであって、M/Lが0.8以上を満たす粒子数が全粒子数の50%以上をしめることは、実質的に形状が球形であるということを示す。M/L≧0.80を満たす粒子数が全粒子数の50%未満であると粒子形状が球形でなくなり、取り扱いが難しくなる。
ここで、M/L≧0.80を満たす粒子の割合の測定は、具体的には任意の粒子100個以上を光学顕微鏡で観察し、(株)ニレコ社製 リアルタイム画像処理解析装置「LUZEX FS」を用いて、画像処理して求める値である。ただし、Lは投影図の粒子の最大径の値を、MはLと直交する径の値をそれぞれ示す。
本発明によるオレフィン重合用触媒担体の微小圧縮試験機で測定した粒子の圧壊強度は、5.0〜40MPaであり、好ましくは7〜20MPaであり、さらに好ましくは7〜15MPaである。オレフィン重合用触媒担体粒子の圧壊強度が5.0MPa未満であると、触媒粉体やポリマー粒子が崩壊しやすいため、微粉が発生し、流れ性や付着性が悪化して嵩密度が低下してしまう。一方、粒子圧壊強度が40MPaを超えると、予備重合あるいは重合の際に、均一な触媒活性化が阻害されたり、粒子成長が不均一となって微粉が発生する場合もある。
ここで、圧壊強度は、具体的には島津製作所(株)製の微小圧縮試験器「MCTM−500」を用いて、任意に選んだ10個以上の粒子の圧壊強度を測定し、その平均値を圧壊強度として求めるものである。
オレフィン重合用触媒担体の原料となる触媒担体成分としては、その元素組成、化合物組成については特に限定されない。例えば、無機または有機の化合物からなる粒子状担体が例示できる。
無機担体としては、シリカ、アルミナ、シリカ・アルミナ、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、活性炭、無機珪酸塩、イオン交換性層状珪酸塩等が挙げられる。あるいは、これらの混合物であってもよい。有機担体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数2〜14のα−オレフィンの重合体、スチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族不飽和炭化水素の重合体などからなる多孔質ポリマーの粒子担体が挙げられる。あるいはこれらの混合物であってもよい。
これらのうち、シリカ、アルミナ、シリカ・アルミナ、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、活性炭、無機珪酸塩、イオン交換性層状珪酸塩の無機担体が好適に用いられ、さらに、シリカ、アルミナ、塩化マグネシウム、イオン交換性層状珪酸塩が特に好適に用いられる。
本発明で用いることのできるアルミナは、酸化アルミニウムのことでありAl2O3であり、六方最密格子に近いOの隙間にAlが入り込り、2種の6Oに囲まれる。一般的には水酸化アルミニウムを強熱してえられる。
本発明で用いることのできる塩化マグネシウムは、CdCl2タイプの層状構造を示し、格子間Mgイオンが6配位した立方最密充填の重なりを示すα型、六方最密充填のβ型があるが、好ましくはCl−Mg−Cl構造の層が転移および回転により層の重なり方向において不秩序となっているδ型の塩化マグネシウムである。その製造方法は、塩化マグネシウムをボールミル等を用いて物理的に粉砕する方法や固体Mg(OR)2あるいはMg(OR)Clをハロゲン化溶媒中でTiCl4で処理する方法、あるいはマグネシウム化合物をハロゲン化剤で処理させてMgCl2を沈降させて製造する方法等により得られる。
すなわち、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト等のスメクタイト族、バーミキュライト等のバーミキュライト族、雲母、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母族、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、パイロフィライト、タルク、緑泥石群等である。
上記珪酸塩は、特に処理を行うことなくそのまま用いることができるが、化学処理を施すことが好ましい。ここで化学処理とは、表面に付着している不純物を除去する表面処理と粘土の構造に影響を与える処理のいずれをも用いることができる。具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理等が挙げられる。
このような粒径の触媒担体を得る方法としては、乾式の微粒子化方法、例えば、ジェットミル、ボールミル、振動ミル等による微粒子化、あるいは、湿式状態下での粉砕方法、ポリトロン等を使用した強制撹拌による粉砕やダイノーミル、パールミル等による方法がある。イオン交換性層状珪酸塩の場合は、好ましくは、イオン交換性層状珪酸塩の膨潤性を活用した、水を媒体に使用する湿式の方法である。
本発明のオレフィン重合用触媒担体は、少なくとも2段階に分けて造粒する工程で造粒して得られる。本発明で用いられる造粒法としては、例えば、攪拌造粒法、噴霧造粒法、転動造粒法、ブリケッティング、流動層造粒法、液中造粒法が挙げられる。好ましい造粒法は、攪拌造粒法、噴霧造粒法、転動造粒法または流動造粒法であり、更に好ましくは噴霧造粒法である。粒子強度については後述するが、本造粒工程においてもその制御が可能である。
少なくとも2段階に分けて造粒する場合の造粒方法の組み合わせに制限はないが、好ましくは、噴霧造粒法と噴霧造粒法、噴霧造粒法と転動造粒法、噴霧造粒法と流動造粒法との組み合わせである。
なお、M/Lは任意の粒子の100個以上を光学顕微鏡で観察し、それを画像処理して求めたときのものである。
ところが、原料のイオン交換性層状珪酸塩は、水膨潤性をもつものが多く、水に分散させた場合には微分散し、かつ粒子径も小さいので、スラリー粘度が高く、そのためスラリー濃度を上げることが困難であることが多い。スラリー粘度が高すぎると噴霧造粒時に噴霧経路の詰まりや供給不安定となり、良好な形状の粒子を得ることは難しい。逆に、スラリー粘度を下げるためにスラリー濃度を下げると、乾燥温度を上げなくてはならず急激な水分の蒸発によって形状を制御することが困難となるし、液滴中に含有するイオン交換性層状珪酸塩の量が少ないので、その液滴を乾燥させても小さい粒径の粒子しか製造することができず、粒径を制御することは難しい。
このようにして造粒された一次造粒粒子をさらにスラリー化して次の造粒を行う。その際には、比較的スラリー粘度が低くなっており、スラリー濃度を上げることが出来るのである。適当な噴霧造粒条件をとることによって、オレフィン重合触媒成分に適した粒径および粒形を得ることができる。製造できる粒径は、原料のイオン交換性層状珪酸塩の種類によるが、25〜200μm、好ましくは25〜150μmである。
本発明においては、2段目の造粒工程の際に、バインダーを添加して造粒する必要がある。本発明におけるバインダーとは、造粒物の強度を増すためのものであり、粉体同士の結合力を増加させるものである。その結合力は、バインダーの表面張力や毛細管力を利用したものや、バインダーの粘着力、分子間力、静電引力などを利用したものの他に、バインダーの化学反応による硬化や粉体の焼結、バインダーの凝固等を利用するものもある。
バインダーの種類としては、無機系バインダー、有機系バインダーのいずれを用いてもよい。無機系のバインダーとしては、シリカ、アルミナ、フライアッシュ、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸マグネシウム、粘土、粘土鉱物、珪酸塩、水ガラス、アルミナゾル、シリカゲル、コロイダルシリカが挙げられる。有機系バインダーとしては、例えば砂糖、デキストローズ、コーンシロップ、ゼラチン、グルー、カルボキシメチルセルロース類、ポリビニルアルコール、アルコール類、グリコール、澱粉、カゼイン、ラテックス、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、タール、ピッチ、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ等が挙げられる。
これらは、どのような形状でも良いが、第一段目工程で得られる粒子より小さい粒子である必要がある。第一段目造粒工程で得られる粒子の粒子間に入り込んで、空隙を充填し接触点数を増加させろことで第2段目の造粒粒子の強度を高めるためである。そのため、バインダーのサイズが大きすぎると空隙を埋めることはできず、粒子の強度向上に寄与しないばかりか、第2段目造粒粒子の形状までも悪化させる。好ましい大きさは、第一段目の造粒粒子の直径の1/2以下の大きさであり、更に好ましくは、1/3以下の大きさである。具体的には、0.1〜10μmの大きさのバインダーが好ましい。
本発明の方法で処理されたオレフィン重合用触媒担体は、構造破壊されなくとも乾燥温度により特性が変化するために、用途に応じて乾燥温度を変えることが好ましく、可能である。乾燥時間は、通常1分〜24時間、好ましくは5分〜4時間であり、雰囲気は乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、または減圧下であることが好ましい。乾燥方法に関しては特に限定されず各種方法で実施可能である。
本発明の製造方法で得られるオレフィン重合用触媒担体の細孔は、触媒担体そのものがもつ細孔や、酸処理によって構成成分が溶出する結果生成する細孔に加え、造粒されて得られる一次造粒粒子による細孔も生成する。粒子内細孔分布は、細孔半径103〜105Åに極大細孔径を持ち、細孔半径103〜105Åの細孔容積が0.2〜0.8ml/gである。細孔径分布、特に相対的に大きい細孔の制御は使用する一次造粒粒子の粒度分布で制御することが可能であり、効果的である。
本発明のオレフィン重合用触媒は、上述したオレフィン重合用触媒担体を触媒成分として用いる触媒である。具体的には、(A)遷移金属化合物、(B)上述したオレフィン重合用触媒担体、任意成分として(C)有機アルミニウム化合物を用いて調製した触媒である。成分(A)と成分(C)、及び調製方法、オレフィンの重合等について詳細を以下に説明する。
(A)遷移金属化合物
本発明のオレフィン重合触媒で用いる(A)遷移金属化合物は、周期律表3〜12族の遷移金属化合物である。具体的には、第3〜10族の遷移金属ハロゲン化物、第3〜6族遷移金属のメタロセン化合物、第4族遷移金属のビスアミド又はビスアルコキシド化合物、第8〜10族遷移金属のビスイミド化合物、第3〜11族遷移金属のフェノキシイミン化合物が挙げられる。
第3〜10族の遷移金属ハロゲン化物としては、TiCl3、TiCl4、VCl3、VOCl3、PdCl3、FeCl3等が挙げられる。
第3〜6族遷移金属のメタロセン化合物としては、下記一般式(I)〜(VI)で表される化合物が使用される。
Q(C5H4−cR1 c)(C5H4−dR2 d)MXY …(II)
Q’(C5H4−eR3 e)ZMXY …(III)
(C5H5−fR3 f)ZMXY …(IV)
(C5H5−fR3 f)MXYW …(V)
Q”(C5H5−gR4 g)(C5H5−hR5 h)MXY …(VI)
ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4,5ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビスフルオレニルジルコニウムジクロリド、ビス(4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4H−アズレニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド。
ジメチルシリレンビス(1,1’−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチルインデニル)}エチレンビス{1,1’−(2−メチル−4,5ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1,1’−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、エチレンビス{1,1’−(2−メチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド。
(第3級ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライド、(メチルアミド)−(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル−ジルコニウムジクロライド、(エチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−メチレンジルコニウムジクロライド、(第3級ブチルアミド)ジメチル−(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル、(ベンジルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、(フエニルホスフイド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル。
(シクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2,6−ジ−i−プロピルフェノキシ)ジルコニウムジクロリド。
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、(シクロペンタジエニル)ジルコニウムトリイソプロポキシド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリイソプロポキシド。
エチレンビス(7,7’−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{7,7’−(1−メチル−3−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[7,7’−{1−メチル−4−(1−ナフチル)インデニル}]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{7,7’−(1−エチル−3−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{7,7’−(1−イソプロピル−3−(4−クロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド。
また、周期律表第4族のビスアミド化合物の好適な例としては、Macromolecules,Vol.29,5241(1996)やJounal of American Chemical Society,Vol.119,No.16,3830(1997)、Jounal of American Chemical Society,Vol.121,No.24,5798(1999)に開示されている窒素原子に嵩高い置換基を有した架橋型遷移金属化合物を挙げることができる。
また、周期律表第4族のビスアルコキシド化合物の好適な例としては、WO87/02370号パンフレットで開示されている周期律表第4族の遷移金属化合物で、好ましくは二つのアリーロキシ配位子が架橋基により結合し、さらに好ましくは、その架橋基が遷移金属に配位し得る架橋型遷移金属化合物を挙げることができる。
さらに、周期律表第8〜10族遷移金属のビスイミド化合物は、Jounalof American Chemical Society,Vol.117,6414、WO96/23010号パンフレットやChemical Comunication 849頁,Jounal of American ChemicalSociety,Vol.120,4049、WO98/27124号パンフレットで開示されている窒素原子に嵩高い置換基を有した架橋型遷移金属ビスイミド化合物を好適な例として挙げることができる。
その他、周期律表第3〜10族遷移金属のフェノキシイミン化合物の好適な例としては、特開平11−315109号公報で開示されている化合物を挙げることができる。
さらに、これらの成分は、二種以上の混合物として用いることができる。さらに、先述した周期律表第3〜12族メタロセン化合物と組合せて複数種を併用することもできる。
これらの中でも第4族遷移金属のメタロセン化合物が好ましい。
本発明のオレフィン重合触媒で用いる(C)有機アルミニウム化合物は、一般式AlR3 pX3−pで示される化合物が適当である。本発明ではこの一般式で表される化合物を単独で、複数種混合してあるいは併用して使用することができることは言うまでもない。また、この使用は触媒調製時だけでなく、予備重合あるいは重合時にも可能である。この一般式中、R3は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Xは、ハロゲン、水素、アルコキシ基、アミノ基を示す。pは1以上3以下までの範囲である。R3としてはアルキル基が好ましく、またXは、それがハロゲンの場合には塩素が、アルコキシ基の場合には炭素数1〜8のアルコキシ基が、アミノ基の場合には炭素数1〜8のアミノ基が、好ましい。
従って、好ましい化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルプロピルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウム、トリノルマルデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムジメチルアミド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムクロライド等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、p=3、q=1のトリアルキルアルミニウムおよびジアルキルアルミニウムヒドリドである。さらに好ましくは、R3が炭素数1〜8であるトリアルキルアルミニウムである。
通常、まず成分(B)と成分(A)を接触させる。成分(C)の成分(B)への添加は、成分(A)よりも前に、同時に、あるいは後に添加することが可能である。触媒活性やポリマー粒子性状が改良される好ましい接触順としては、成分(B)へ成分(C)を添加し、続いて成分(A)を接触させる方法である。この時、成分(A)にあらかじめ成分(B)に使用したものと同種あるいは異種の成分(C)を使用することが可能である。
各成分を接触させた後は、脂肪族炭化水素あるいは芳香族炭化水素溶媒にて洗浄することが可能である。
本発明のオレフィン重合触媒は、これに重合性モノマーを接触させてこのモノマーを少量重合されることからなる予備重合処理に付すことも可能であり、かつ好ましい。予備重合を行う段階は、任意であり、本発明のすべての触媒成分を接触させた後、あるいは予備重合を行った後に成分(C)を接触させる等の方法も可能である。そのときの重合条件は、本重合のそれよりも温和であるのが普通である。予備重合モノマ−としては、α−オレフィンが使用でき、好ましくはエチレンまたはプロピレンである。予備重合量は、通常0.01〜100g−PP/g−触媒、好ましくは0.1〜50g−PP/g−触媒である。また予備重合触媒を使用して重合を行う場合には、追加の成分(C)を使用することもあり、好ましい。
上記の各成分の接触の際もしくは接触の後に、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体、シリカ、チタニア等の無機酸化物の固体を共存させるか、または、接触させてもよい。
本発明のオレフィン重合用触媒を用いてα−オレフィンを重合または共重合することができる。重合し得るα−オレフィンとしては、炭素数2〜20程度のものが好ましく、具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。共重合の場合、用いられるコモノマーの種類は、前記α−オレフィンとして挙げられるもののなかから、主成分となるもの以外のα−オレフィンを選択して用いることができる。コモノマーの量は、所望する物性(融点、分子量、剛性等)のポリマーを製造するために任意の条件で実施可能であるが、本発明の触媒は通常粒子性状の悪化により製造が困難となる例えばランダム重合体の製造等に適しており、特に低融点のプロピレンランダム共重合体や高ゴム含量のいわゆるエチレン/プロピレンブロック共重合体の製造に適している。
本発明の触媒を使用することで形状が揃った比較的粒径の大きいポリマーが製造できる。得られるポリマーの粒径は500μm〜5mmである。また、細孔容積が大きく、相対的に大きいサイズの細孔を持つポリマーを得ることができる。ポリマー同士の付着、重合反応層へのファウリングを著しく改善する効果がある。
(1)イオン交換性層状珪酸塩粒子、担体等の粒径測定
レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所社製「LA−920」)を使用して測定した。造粒前のスラリーのイオン交換性層状珪酸塩の測定は、水を分散媒として用い、屈折率1.32、形状係数1.0として粒径分布および平均粒径(メジアン径)を算出した。造粒後のイオン交換性層状珪酸塩の測定は、エタノールを分散媒として使用して、同様に測定した。
(2)MFR測定
ポリプロピレン系重合体はJIS−K−6758により、またポリエチレン系重合体はJIS−K−6760により測定したメルトインデックス値を示す。
(3)ポリマーBD
ASTM D1895−69に準拠した、ポリマーの嵩密度を示す。
(4)圧壊強度の測定
島津製作所(株)製 微小圧縮試験器「MCTM−500」を用いて、任意に選んだ10個以上の粒子の圧壊強度を測定し、その平均値を圧壊強度とした。
(5)M/L≧0.80を満たす粒子の割合の測定
任意の粒子100個以上を光学顕微鏡で観察し、(株)ニレコ社製 リアルタイム画像処理解析装置「LUZEX FS」を用いて、画像処理して求めた。ここで、Lは投影図の粒子の最大径の値を、MはLと直交する径の値をそれぞれ示す。
(6)重合パウダー粒径の測定
レッチェテクノロジー社製 粒度分布測定装置カムサイザーを使用して測定した。
(7)微粉量の測定
粒度分布測定装置カムサイザーを使用した粒度分布測定結果から、500μm以下の粒子の割合を求めた。
(1)微粒子の造粒(第1段目造粒工程)
4.5リットルの金属製容器に蒸留水2850ミリリットル、市販のモンモリロナイト(水澤化学社製ベンクレイSL)150gを徐々に添加し、数時間撹拌させた後に、ポリトロンを10分間使用して均一化処理した。平均粒径を測定したところ、モンモリロナイト水スラリーでは0.63μmであった。このスラリーを、大川原化工機社製噴霧造粒装置(LT−8)を用いて噴霧造粒を実施した。スラリー物性および運転条件は、以下の通りである。
スラリー物性:pH=9.6、スラリー粘度=3500CP;運転条件:アトマイザー回転数30000rpm、給液量=0.7L/h、入り口温度=200℃、出口温度=140℃、サイクロン差圧=80mmH2O
その結果、90gの造粒微粒子を回収した。平均粒径は、10.1μmであった。形状は球形であった。
(2)酸処理
1.0リットルの撹拌翼の付いたガラス製フラスコに、蒸留水510ミリリットル、続いて濃硫酸(96%)150gをゆっくりと添加し、さらに前記造粒した微粒子を80g分散させ、90℃で2時間加熱処理した。冷却後、このスラリーを減圧ろ過し、ケーキを回収した。このケーキに蒸留水を0.5〜0.6リットル加え再スラリー化後、ろ過した。この洗浄操作を4回繰り返した。
回収したケーキを110℃で終夜乾燥した。乾燥後の重量は67.5gであった。
(3)再造粒(第2段目造粒工程)
このようにして得られた酸処理微粒子50gを、蒸留水150ミリリットル中に徐々に添加し、攪拌した。バインダーとしてモンモリロナイトの5wt%微粒子スラリー50gを添加し、さらに攪拌した。モンモリロナイト微粒子の平均粒径は、0.6μm、バインダー添加量は5.0wt%であった。このスラリーを、大川原化工機社製噴霧造粒装置(LT−8)を用いて噴霧造粒を実施した。スラリー物性および運転条件は、以下の通り。
スラリー物性:pH=5.7、スラリー粘度=180CP;運転条件:アトマイザー回転数10000rpm、給液量=0.7L/h、入り口温度=130℃、出口温度=110℃、サイクロン差圧=80mmH2O
その結果、48gの造粒粒子を回収した。平均粒径は、75.2μmであり、10μm以下は、検出されなかった。形状は表面がざらざらしているが、球形であった。形状を測定するとM/Lが0.8以上1.0以下の粒子は94%であった。圧壊強度は7.2MPaであった。結果を表1に示す。
第2段目造粒工程においてバインダー添加量を1wt%とする以外は、実施例1に記載の方法と同様にスラリー調製を行い、同様の方法で噴霧造粒を行った。その結果、45gの球状の造粒粒子を得た。平均粒径は、68.2μmであった。M/Lが0.8以上1.0以下の粒子は92%であった。圧壊強度は5.7MPaであった。結果を表1に示す。
第2段目造粒工程において、バインダーとして市販のシリカゾル(「Cataloid−S」、触媒化成工業社製、平均粒径0.3μm、SiO2 20〜21wt%)をシリカ成分として12.5g(添加量25wt%)添加する以外は、実施例1に記載の方法と同様にスラリー調製を行い、同様の方法で噴霧造粒をおこなった。その結果、54gの球状造粒粒子を得た。平均粒径は、83.2μmであった。M/Lが0.8以上1.0以下の粒子の割合は73%であった。圧壊強度は12.1MPaであった。結果を表1に示す。
第2段目造粒工程において、バインダーとして市販のアルミナ粉末(平均粒径4.5μm)を13g(添加量26wt%)添加する以外は、実施例1に記載の方法と同様にスラリー調製を行い、同様の方法で噴霧造粒をおこなった。その結果、58gの球状造粒粒子を得た。平均粒径は、78.3μmであり、10μm以下は検出されなかった。M/Lが0.8以上1.0以下の粒子の割合は82%であった。圧壊強度は8.2MPaであった。結果を表1に示す。
第2段目造粒工程において、バインダーとして市販のZnO微粉末(平均粒径0.5μm)を10g(添加量20wt%)添加する以外は、実施例1に記載の方法と同様にスラリー調製を行い、同様の方法で噴霧造粒をおこなった。その結果、55gの球状造粒粒子を得た。平均粒径は、75.3μmであった。M/Lが0.8以上1.0以下の粒子の割合は95%であった。圧壊強度は6.5MPaであった。結果を表1に示す。
(1)微粒子の造粒(第1段目造粒工程)
4.5リットルの金属製容器に蒸留水2850ミリリットル、市販のモンモリロナイト(水澤化学社製ベンクレイSL)150gを徐々に添加し、数時間撹拌させた後に、ポリトロンを10分間使用して均一化処理した。平均粒径を測定したところ、モンモリロナイト水スラリーでは0.63μmであった。このスラリーを、大川原化工機社製噴霧造粒装置(LT−8)を用いて噴霧造粒を実施した。スラリー物性および運転条件は、以下の通りである。
スラリー物性:pH=9.6、スラリー粘度=3500CP;運転条件:アトマイザー回転数30000rpm、給液量=0.7L/h、入り口温度=200℃、出口温度=140℃、サイクロン差圧=80mmH2O
その結果、90gの造粒微粒子を回収した。平均粒径は、10.1μmであった。形状は球形であった。
(2)酸処理
1.0リットルの撹拌翼の付いたガラス製フラスコに、蒸留水510ミリリットル、続いて濃硫酸(96%)150gをゆっくりと添加し、さらに前記造粒した微粒子を80g分散させ、90℃で2時間加熱処理した。冷却後、このスラリーを減圧ろ過し、ケーキを回収した。このケーキに蒸留水を0.5〜0.6リットル加え再スラリー化後、ろ過した。この洗浄操作を4回繰り返した。
回収したケーキを110℃で終夜乾燥した。乾燥後の重量は67.5gであった。
(3)再造粒(第2段目造粒工程)
このようにして得られた酸処理微粒子50gを、蒸留水150ミリリットル中に徐々に添加し、攪拌した。このスラリーを、大川原化工機社製噴霧造粒装置(LT−8)を用いて噴霧造粒を実施した。このときバインダー成分は添加しなかった。スラリー物性および運転条件は、以下の通り。
スラリー物性:pH=5.7、スラリー粘度=150CP;運転条件:アトマイザー回転数10000rpm、給液量=0.7L/h、入り口温度=130℃、出口温度=110℃、サイクロン差圧=80mmH2O
その結果、45gの造粒粒子を回収した。平均粒径は、69.3μmであった。形状は表面がざらざらしているが、球形であった。形状を測定するとM/Lが0.8以上1.0以下の粒子は92%であった。圧壊強度は3.6MPaであった。結果を表1に示す。
微粒子の造粒(第1段目造粒工程)で得られた粒子の平均粒径が4.6μmの粒子を用いる以外は比較例1と同様にして酸処理および再造粒(第2段目造粒工程)を実施した。 その結果、平均粒径は、57.2μm、10μm以下は3.5%であった。形状は表面がざらざらしているが、球形であった。形状を測定するとM/Lが0.8以上1.0以下の粒子は95%であった。圧壊強度は4.5MPaであった。結果を表1に示す。
(1)触媒の調製
以下の操作は、不活性ガス下、脱酸素、脱水処理された溶媒、モノマーを使用して実施した。イオン交換性層状珪酸塩の造粒品は減圧下、200℃で、2時間乾燥を実施した。
内容積1リットルの攪拌翼のついたガラス製反応器に実施例1で得た造粒粒子10gを導入し、ノルマルヘプタン、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(25mmol)を加え、室温で攪拌した。1時間後、ヘプタンにて十分に洗浄し、スラリーを100mlに調製した。
次に、あらかじめ(r)−ジメチルシリレンビス{1−[2―エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル]}ハフニウムジクロリド0.30mmolに混合トルエン43mlを加え1時間以上撹拌した後に、トリイソブチルアルミニウムを1.5mmol(ヘプタン溶液,2.13ml)を室温にて1時間反応させておいた混合液を、造粒粒子スラリーに加え、1時間攪拌した。
(2)予備重合
続いて、窒素で十分置換を行った内容積1.0リットルの攪拌式オートクレーブに混合ヘプタン105mlを導入し、40℃に保持した。そこに先に調製した造粒粒子/錯体スラリーを導入した。温度が40℃に安定したところでプロピレンを10g/時間の速度で供給し、温度を維持した。2時間後、プロピレンの供給を停止し、さらに2時間維持した。サイホンにて予備重合触媒スラリーを回収し、上澄みを約100ml除き、40℃にて減圧下乾燥した。この操作により触媒1g当たりポリプロピレンが2.0gを含む予備重合触媒が得られた。
(3)気相重合
内容積3リットルの撹拌式オ−トクレ−ブ内に塩化ナトリウム200gを導入し、十分に過熱乾燥させ窒素で十分置換した後に、トリイソブチルアルミニウム・n−ヘプタン溶液2.76ml(2.02mmol)を加え、水素100ml導入し、70℃に昇温しその温度を維持した。プロピレンを圧力が2.0MPaとなるように導入し、そこに先に実施した予備重合触媒をノルマルヘプタンにスラリー化し、触媒として(予備重合ポリマーの重量は除く)40mgを圧入し重合を開始した。槽内温度を70℃に保ち、圧力は2.0MPaとなるようにプロピレンをフィードした。60分後、エタノール5mlを加え、残ガスをパージして得られたポリマ−を回収した。その結果、210gのポリマ−が得られた。触媒活性は、5250g−PP/g−触媒・時であった。ポリマーBD=0.41(g/cc)、MFR=23.4(dg/分)、融点は156.1℃であった。重合パウダーの粒径は、1.2mmで、球形であり、500μm以下の微粉0.2wt%であった。結果を表2に示す。
実施例2から実施例5で製造した造粒粒子を用いて、実施例6と同様にオレフィン重合用触媒として調製して、重合評価を実施した。その結果を表2に示した。いずれも得られた重合パウダーの性状は良好であった。
比較例1で調製した造粒粒子を用い、実施例6と同様の方法で触媒の調製、予備重合、重合評価を実施した。その結果、190gのポリマ−が得られた。触媒活性は、4750g−PP/g−触媒・時であった。ポリマーBD=0.34(g/cc)、MFR=57.5(dg/分)、融点は156.5℃であった。重合パウダーの粒径は、0.9mmであり、破砕した粒子が多く、500μm以下の微粉が24%も発生した。結果を表2に示す。
比較例2で調製した造粒粒子を用い、実施例6と同様の方法で触媒の調製、予備重合、重合評価を実施した。その結果、195gのポリマ−が得られた。触媒活性は、4800g−PP/g−触媒・時であった。ポリマーBD=0.34(g/cc)、MFR=45.7(dg/分)、融点は156.7℃であった。重合パウダーの粒径は、0.6mmであり、破砕した粒子が多く、500μm以下の微粉が18%も発生した。結果を表2に示す。
(1)触媒の調製
窒素雰囲気下、2Lのフラスコに200℃で2時間減圧乾燥処理した実施例1で得た造粒粒子を100g入れ、n−ヘプタン0。34Lに分散させてスラリーとした。ここへ、室温で攪拌しながら、トリエチルアルミニウムのn−ヘプタン溶液(濃度0.61mol/L)0.49Lを添加して1時間反応させた後、n−ヘプタンを0.85L添加して10分間攪拌した。沈降分離して上澄み液0.85Lを抜き出した。次いでn−ヘプタン0.85Lを加えて10分間撹拌後、沈降分離して、上澄み液0.85L抜き出す洗浄工程を3回繰り返した。n−ヘプタンを1.0L加えて濃度を調製した。
窒素雰囲気下、容量10Lの誘導攪拌装置付き反応器にn−ヘプタン3.0Lを導入し、調製した有機Al処理した触媒担体スラリーを全量添加した。次いでトリエチルアルミニウムのn−ヘプタン溶液(濃度0.61mol/L)を0.13L添加し、10分間攪拌した。次いで、下記構造式のFe錯体40.0mmol(2.1g)をトルエン0.40Lに分散して添加し、10分間攪拌した。温度を80℃に昇温し、エチレンガスを3.0NL/分の速度で200分間導入して予備重合を行った。エチレンの供給を停止し、反応器内のエチレンガスを窒素で置換した。
得られた予備重合触媒スラリーを冷却して40℃とし、沈降分離して上澄みを3.0L抜き出した。n−ヘプタン6.0Lを追加して、40℃で5分間撹拌した後、撹拌を止めて30分間静置沈降を行い、上澄み液6.0Lを抜き出した。次いで、n−ヘプタンを6.0L追加して、40℃で5分間攪拌した後、攪拌を止めて30分静置沈降し、上澄みを6.0L抜き出す工程を3回繰り返した。
(2)エチレン−1−ヘキセン共重合
上記(1)で得た予備重合触媒を用いて連続式気相流動床気相重合設備を使用してエチレンと1−ヘキセンの気相共重合を行った。即ちエチレンとヘキセンと水素の混合ガス(ヘキセン/エチレン=2.7%、水素/エチレン=0.036%)が循環する連続式気相重合反応器に(5)で得られた予備重合触媒粉末を6.53g/hr、トリイソブチルアルミニウムとジエチルアルミニウムエトキシドを各々1.60g/hr、0.11g/hrを、間欠的に供給した。重合反応の条件は90℃、エチレン分圧18kg/cm2、重合槽内でのガス線速度は0.50m/秒、平均滞留時間7.8時間であった。トータル生産量が240Kgに達した時の生成ポリエチレンの重合レート(単位時間当たりの生産量)は7.3Kg/hであった。重合結果を表2に示す。得られた重合体の粒子性状は良好であり、ガス循環系の差圧の上昇や重合壁への付着はみられなかった。
Claims (8)
- 少なくとも2段階に分けて造粒する工程を含むオレフィン重合用触媒担体の製造方法であって、第2段目以降の造粒工程において、0.1〜30wt%のバインダーを添加して得られ、下記の特性(i)〜(iii)を同時に充足することを特徴とするオレフィン重合用触媒担体の製造方法。
(i):平均粒径が25〜200μmであること
(ii):M/L≧0.80(ただし、Lは投影図の粒子の最大径の値、MはLと直交する径の値を示す。)を満たす粒子数が全粒子数の50%以上をしめること
(iii):微小圧縮試験機で測定した粒子の圧壊強度が5.0〜40MPaであること - バインダーが無機系バインダーであることを特徴とする請求項1記載のオレフィン重合用触媒担体の製造方法。
- バインダーの平均粒径が、第1段目造粒工程で得られる粒子の平均粒径の1/2よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2記載のオレフィン重合用触媒担体の製造方法。
- 第1段目の造粒工程で得られた1〜25μmの造粒粒子に、0.1〜10μmのバインダーを添加した後に第2段目の造粒工程を行うことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒担体の製造方法。
- 造粒を、噴霧造粒法で行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒担体の製造方法。
- オレフィン重合用触媒担体がイオン交換性層状珪酸塩からなる担体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒担体の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒担体と、遷移金属化合物からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒成分。
- 請求項7に記載のオレフィン重合用触媒成分の存在下にオレフィンを重合することを特徴とするオレフィンの重合方法。
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