JP4106221B2 - オレフィン重合用触媒成分の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はオレフィン重合用触媒成分の製造方法に関する。更に詳しくは、特定の工程を経て製造したイオン交換性層状珪酸塩を用いることにより、活性が高く、重合反応器壁面等への付着がなく、安定したポリオレフィンの製造を可能にする触媒成分の製造方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
粘土または粘土鉱物をオレフィン重合用触媒成分として利用した触媒の存在下に、オレフィンを重合してオレフィン重合体を製造することは公知である(特開平5−301917等)。また酸処理、塩類処理または酸と塩の共存処理を行ったイオン交換性層状化合物を成分として含むオレフィン重合用触媒も知られている(特開平7−309907、特開平8−127613、特開平10−168109等)。
【0003】
さらに、製造するポリマーの粒子性状の改良やファウリング予防のために、あらかじめ予備的な重合を行う方法(特開平5−295022、特開平10−168130)や、粘土または粘土鉱物を造粒することにより性状の良い重合パウダーを得る方法も知られている(特開平7−228621)。
【0004】
また、最近では、イオン交換性層状珪酸塩を造粒した後に化学処理を行うことにより、さらに性状のよい重合パウダーを得る技術も開示されている(特開平12−1310)。
【0005】
しかしながら、これまでの技術では、触媒活性と、安定したポリマーの製造に不可欠なポリマーの粒子性状の点で、両方を共に満たすレベルには到達していないのが現状である。
【0006】
一方、イオン交換性層状珪酸塩に添加物を加えて性能を改良する例として、雲母族のイオン交換性層状珪酸塩にスメクタイト族珪酸塩をブレンドした珪酸塩粒子を使用したオレフィン重合用触媒およびその利用法(特開平11−147903〜147905)が開示されている。さらに、オレフィン重合用触媒としての利用法以外の例としては、特開昭63−30313、特開昭63−64913等でも開示されているが、しかし、混合した化合物を粒子化した後に、抽出処理することによって触媒性能を向上することについての教示はない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高活性でポリマー性状の優れた重合体を低コストで得ることができるオレフィン重合用触媒成分の製造方法を提供するものである。さらに、従来よりファウリングが起こりやすく製造が困難とされてきた低融点ポリマーの重合においても、ポリマーパウダー同士の付着が少なく、反応器への付着等が改良されたポリオレフィンの製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、種々検討を行った結果、特定の製造方法、あるいは、特定の構造を有するイオン交換性層状珪酸塩をオレフィン重合用の触媒成分として使用することにより、オレフィン重合用触媒の重合活性の向上や安定したポリオレフィンの製造を可能にし、経済性に優れるとの知見を得た。
【0009】
本発明は、上記の知見に基づきなされたものであり、具体的には、粒子状イオン交換性層状珪酸塩に、下記の[工程1]〜[工程3]の処理を施すことを特徴とするオレフィン重合用触媒成分の製造方法を提供するものである。
【0010】
[工程1]イオン交換性層状珪酸塩に対して0.1重量%以上80重量%未満の微粒子状酸化亜鉛と、イオン交換性層状珪酸塩とを液体中で混合する工程
[工程2]液体を除去して固体粒子を得る工程
[工程3]酸処理によって、含有される微粒子状酸化亜鉛の少なくとも一部を溶出させる工程
また、本発明は、イオン交換性層状珪酸塩がスメクタイト族の珪酸塩である上記のオレフィン重合用触媒成分の製造方法、及び、[工程1]〜[工程3]が以下に示すものである上記のオレフィン重合用触媒成分の製造方法を提供するものである。
【0011】
[工程1]イオン交換性層状珪酸塩に対して0.1重量%以上80重量%未満の微粒子状酸化亜鉛と、イオン交換性層状珪酸塩とを液体中で混合する工程
[工程2]液体を除去して固体粒子を得る工程
[工程3]酸処理によって、含有される微粒子状酸化亜鉛の50重量%以上を溶出させる工程。
【0012】
さらに、本発明は、[工程1]によって得られた微粒子状酸化亜鉛とイオン交換性層状珪酸塩との混合物の平均粒子径を、イオン交換性層状珪酸塩単独の平均粒子径に対する比で0.1以上10未満とする上記のオレフィン重合用触媒成分の製造方法、及び、[工程2]を噴霧造粒法によって行う上記のオレフィン重合用触媒成分の製造方法を提供するものである。
【0013】
特にプロピレン系ランダム共重合体及びブロック重合体を製造する場合に本発明によって得られる触媒成分を利用すると効果的である。
【0014】
【発明の実施の形態】
(1)イオン交換性層状珪酸塩
本発明においては、下記の工程によって、イオン交換性層状珪酸塩からなるオレフィン重合用触媒成分が製造される。
【0015】
[工程1]液体中で微粒子状酸化亜鉛を、イオン交換性層状珪酸塩に対して重量比で0.1%以上80%未満添加し、混合する工程
[工程2]液体を除去し、球状の粒子を製造する工程
[工程3]酸により微粒子状酸化亜鉛の少なくとも一部を溶出させる工程
本発明において、原料として使用するイオン交換性層状珪酸塩は、イオン結合などによって構成される面が互いに結合力で平行に積み重なった結晶構造を有し、かつ、含有されるイオンが交換可能である珪酸塩化合物をいう。大部分のイオン交換性層状珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出されるため、それ以外の夾雑物(石英、クリストバライト等)が含まれることが多いが、それらを含んでいてもよい。なお、本発明の原料とは、[工程1]で使用する珪酸塩を指す。また、本発明で使用するイオン交換性層状珪酸塩は、天然産のものに限らず、人工合成物であってもよい。当該珪酸塩の具体例としては、例えば、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)に記載されている次のようなものが挙げられる。
(a)1:1層が主要な構成層であるディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト、メタハロイサイト、ハロイサイト等のカオリン族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族。
(b)2:1層が主要な構成層であるモンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト等のスメクタイト族、バーミキュライト等のバーミキュライト族、雲母、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母族、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、パイロフィライト、タルク、緑泥石群。
【0016】
本発明で原料として使用する珪酸塩は、上記(a)、(b)の混合層を形成した層状珪酸塩であってもよい。しかし、本発明においては、主成分の珪酸塩が2:1型構造を有する珪酸塩であることが好ましく、スメクタイト族であることが更に好ましく、モンモリロナイトが特に好ましい。層間カチオンの種類は、特に限定されないが、工業原料として比較的容易に且つ安価に入手し得る観点から、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属を層間カチオンの主成分とする珪酸塩が好ましい。
【0017】
本発明の[工程1]において使用する微粒子状酸化亜鉛は、pHが4〜11程度の水溶液中では難溶性であり、pHが4以下では該化合物自身あるいは酸との反応により生成する化合物の溶解度が高くなる性質を有する。
【0018】
微粒子状酸化亜鉛として好ましくは、具体的にはZnOである。
【0019】
微粒子状酸化亜鉛は、その平均粒径が0.01〜10μmであることが好ましい。この範囲に収めるためには、乾式の微粒子化方法、例えばジェットミル、ボールミル、振動ミル等による微粒子化、あるいは、湿式状態下での粉砕方法、ポリトロン等を使用した強制撹拌による粉砕やダイノーミル、パールミル等による方法を取ることができる。
【0020】
本発明の[工程1]において液体中で混合する際には、その後段において粒子化を行って得られた粒子化物が粒子間で、また、粒子内で不均一とならないように、均一に混合することが好ましい。例えば、液体としては水等を使用して均一に分散させることが一般的であり、また好ましい方法である。さらに、この際には一般的に知られているホモジナイザーを使用することができ、例えば、本発明で使用するイオン交換性層状珪酸塩の混合には、ポリトロン等を使用した強制撹拌による方法やダイノーミル、パールミル等による方法が例示できる。
【0021】
微粒子状酸化亜鉛は、その種類や性状、さらに調製条件にもよるが、スラリー化する際にその状態で凝集することがある。微粒子状酸化亜鉛の粒径制御は、前述のようにイオン交換性層状珪酸塩と混合する前に単独で行うことも可能であるが、イオン交換性層状珪酸塩と混合した状態で行うことも可能である。凝集状態によっては、高いスラリー粘度下で分散を行うことで分散をより効率的にすることができる。
【0022】
本工程で使用するイオン交換性層状珪酸塩の粒子径は、平均粒径が0.01〜5μmで、かつ、1μm未満の粒子分率を10%以上、好ましくは、平均粒子径が0.1〜3μmで、1μm未満の粒子分率を40%以上とすることが好ましい。このような粒径のイオン交換性層状珪酸塩を得る方法としては、乾式の微粒子化方法、例えばジェットミル、ボールミル、振動ミル等による微粒子化、あるいは、湿式状態下での粉砕方法、ポリトロン等を使用した強制撹拌による粉砕やダイノーミル、パールミル等による方法がある。好ましくは、イオン交換性層状珪酸塩の膨潤性を活用した、水を媒体に使用する湿式の方法である。
【0023】
さらに、微粒子状酸化亜鉛とイオン交換性層状珪酸塩との混合物の平均粒子径は、0.01〜10μmの範囲にあることが好ましい。このような粒径範囲に収めるためには、混合条件、攪拌条件などを適宜操作する。当該混合物とイオン交換性層状珪酸塩単独の粒子の平均粒径比は、好ましくは0.1以上10未満、さらに好ましくは0.2以上5未満、特に好ましくは0.3以上2未満とされる。この範囲を下回ると、後の工程の酸処理による微粒子状酸化亜鉛の溶出により形成する細孔が小さく、均一な触媒粒子を形成させるためには十分でなく、一方、この範囲を上回ると形成する細孔が大きすぎて、粒子強度が不十分となり好ましくない。
【0024】
本発明の[工程2]における液体を除去して固体粒子を得る工程とは、例えば造粒化を挙げることができる。
【0025】
造粒法としては、例えば、攪拌造粒法、噴霧造粒法、転動造粒法、ブリケッティング、コンパクティング、押出造粒法、流動層造粒法、乳化造粒法、液中造粒法、圧縮成型造粒法等が挙げられる。好ましい造粒法は、攪拌造粒法、噴霧造粒法、転動造粒法または流動造粒法であり、更に好ましくは噴霧造粒法である。上記粒径、形状を満たす方法であれば特に限定されないが、噴霧造粒法が好ましい。粒子強度については後述するが、本造粒工程においてもその制御が可能である。好ましい範囲の圧壊強度を得るためには、前述したような粒径分布のイオン交換性層状珪酸塩珪酸塩を使用することが好ましい。噴霧造粒の分散剤は、通常水を使用する。
【0026】
造粒粒子の形状は球状であることが好ましい。球状粒子が得られる噴霧造粒における原料スラリー液の珪酸塩の濃度は、スラリー粘度にもよるが、0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%、特に好ましくは1.0〜10重量%である。球状粒子が得られる噴霧造粒の熱風の入り口の温度は、分散媒により異なるが、水を例にとると80〜260℃、好ましくは100〜220℃で行なわれる。
【0027】
本発明の[工程3]における酸による処理工程では、微粒子状酸化亜鉛を溶出させるだけでなく、イオン交換性層状珪酸塩自体が酸処理によって影響を受ける。具体的には、表面に付着している不純物の除去あるいは粘土の構造に変化を与える。
【0028】
イオン交換性層状珪酸塩は、酸処理により表面の不純物が除かれる他、結晶構造中のAl、Fe、Mg等の陽イオンが溶出し、表面積が増加することが知られている。つまり、酸処理の進行と共に、表面積や細孔容積が増加する。本発明者らは、各種条件による珪酸塩の酸処理を行い、珪酸塩の表面積や細孔容積と触媒性能との相関を検討してきた。それらの結果より、比較的均一で、大きな細孔を有する珪酸塩が、特に低い融点のプロピレン−エチレンのランダムポリマーやエチレン−プロピレンブロックポリマーの製造において、反応器への付着が少なく、粒子性状のよいポリマーが製造可能であることを突き止めた。
【0029】
この変化は、触媒の外部と内部の物質移動を容易にさせる効果があると推定されている。つまり、細孔径の大きい珪酸塩は、触媒あるいは構成粒子の内部でも、外部と同じように、メタロセン、有機アルミニウム化合物、あるいは、モノマー等の物質移動が容易になると推定される。従って、本発明の珪酸塩により製造した触媒は、活性点がより均質に分散するために、従来の触媒に比べ触媒上での局部発熱等が抑制されると考えられる。一方、従来法では、酸処理によりイオン交換性層状珪酸塩を構成する元素を相当な量溶出することが必要となるが、珪酸塩は触媒活性に必須な触媒成分であるため、従来法では、単位珪酸塩当たりの活性化能力の低下を余儀なくされていた。従って、酸処理以外での細孔を制御する有効な方法の利用、あるいは、かかる手法と酸処理手法との併用が望まれていた。
【0030】
本発明は、先述のように[工程1]〜[工程2]において、微粒子状酸化亜鉛をイオン交換性層状珪酸塩と十分均一に混合し、粒子化を行った造粒珪酸塩を[工程3]において酸処理を施すことを特徴とする。微粒子状酸化亜鉛は、中性付近の水中では難溶性を示し、酸性水溶液中では溶解性が生じるため、微粒子状酸化亜鉛とイオン交換性層状珪酸塩が混合されて形成された造粒体から、微粒子状酸化亜鉛を溶解して微粒子状酸化亜鉛が存在していた部分を空孔に変えることが可能となる。
【0031】
従って、従来、両立することが困難と考えていた触媒活性の向上とポリマーの粒子制御性の改良が可能となり、プロピレン系の低融点ランダム重合体や高ゴム含量を有するエチレン−プロピレンブロックポリマーの重合においては、従来なし得なかった、高活性で、かつ、分散粒子を維持した状態で重合を進行させることが可能となる。
【0032】
本工程における酸処理は、酸化合物単独だけでなく、酸化合物と塩化合物との共存下で処理を行うことが可能であり、また、好ましい方法である。また、酸処理を複数回行うことも可能である。使用する酸化合物は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、シュウ酸から選択され、好ましくは硫酸、硝酸、塩酸であり、特に好ましくは硫酸である。通常は、酸水溶液の形で用いられる。処理に用いる酸は、2種以上の混合物であってもよい。
【0033】
一般的な処理条件は、酸濃度が0.1〜50重量%、処理温度が室温〜沸点、処理時間が5分〜24時間の範囲が好ましく、この範囲において、条件を任意に選択できる。本工程は、[工程3]の酸処理で、添加した微粒子状酸化亜鉛の少なくとも一部、あるいは、イオン交換性層状珪酸塩を構成している原子の少なくとも一部を溶出する条件で行うことが好ましい。具体的には、当該微粒子状酸化亜鉛がpH2程度の弱酸に溶ける場合は、上記一般的な穏和な条件で充分であり、pH1以下の強酸にしか溶けないような場合は、酸の処理濃度、処理温度、処理時間を強化する。
【0034】
本工程の酸処理、あるいは後述するような酸処理後の付加的な化学処理により、[工程1]で混合した微粒子状酸化亜鉛は50重量%以上、好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上が除去されていることが好ましい。また、この処理によってイオン交換性層状珪酸塩の構成元素も抽出され、好ましい抽出量は20重量%以上、好ましくは30%重量以上、さらに好ましくは35重量%以上である。
【0035】
本工程で併用される塩化合物は、酸処理と同様の効果以外に、イオン交換性層状珪酸塩中の陽イオンを交換することを目的とすることができる。塩類による処理条件は、特には制限されないが、通常、塩類濃度は、0.1〜50重量%の条件で行なわれる。
【0036】
用いられる塩類は、1〜14族原子から成る群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、ハロゲン原子、無機酸および有機酸から成る群より選ばれた少なくとも一種の陰イオンとから成る化合物であり、更に好ましくは、2〜14族原子から成る群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、Cl、Br、I、F、PO4、SO4、NO3、CO3、C2O4、OCOCH3、CH3COCHCOCH3、OCl3、O(NO3)2、O(ClO4)2、O(SO4)、OH、O2Cl2、OCl3、OCOH、OCOCH2CH3、C2H4O4およびC6H5O7から成る群より選ばれる少なくとも一種の陰イオンとからなる化合物である。
【0037】
具体的には、Li2SO4、CaCl2、CaSO4、CaC2O4、Ca(NO3)2、Ca3(C6H5O7)2、MgCl2、Sc(OCOCH3)2、ScF3、ScBr3、Y(OCOCH3)3、LaPO4、La2(SO4)3、Sm(OCOCH3)3、SmCl3、Yb(NO3)3、Yb(ClO4)3、Ti(OCOCH3)4、Ti(CO3)2、Ti(SO4)2、TiF4、TiCl4、Zr(OCOCH3)4、Zr(CO3)2、Zr(NO3)4、ZrOCl2、Hf(SO4)2、HfBr4、HfI4、V(CH3COCHCOCH3)3、VOSO4、VCl4、VBr3、Nb(CH3COCHCOCH3)5、Nb2(CO3)5、Ta2(CO3)5、Ta(NO)5、TaCl5、Cr(OOCH3)2OH、Cr(NO3)3、Cr(ClO4)3、MoOCl4、MoCl3、MoCl4、MoCl5、MoF6、WCl4、WBr5、Mn(CH3COCHCOCH3)2、Mn(NO3)2、Fe(OCOCH3)2、Fe(NO3)3、FeSO4、Co(OCOCH3)2、Co3(PO4)2、CoBr2、NiCO3、NiC2O4、Pb(OCOCH3)4、Pb(OOCH3)2、PbCO3、Pb(NO3)2、CuI2、CuBr2、CuC2O4、Zn(OOCH3)2、Zn(CH3COCHCOCH3)2、ZnSO4、Cd(OCOCH2CH3)2、CdF2、、AlCl3、Al2(C2O4)3、Al(CH3COCHCOCH3)3、GeCl4、GeBr4、Sn(OCOCH3)4、Sn(SO4)2等が挙げられる。
【0038】
塩類及び酸化合物は、2種以上であってもよい。塩類処理と酸処理を組み合わせる場合においては、塩類処理を行った後、酸処理を行う方法、酸処理を行った後、塩類処理を行う方法、及び塩類処理と酸処理を同時に行う方法がある。
【0039】
その他の化合物による化学処理としては、LiOH、NaOH、KOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2、Ba(OH)2などに代表されるアルカリ処理、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、等に代表される有機物処理がある。有機物処理剤を構成する陰イオンとしては、塩類処理剤を構成する陰イオンとして例示した陰イオン以外にも、例えばヘキサフルオロフォスフェート、テトラフルオロボレート、テトラフェニルボレートなどを例示することができるが、これらに限定されるものではない。また、これらのその他の化合物による処理は、酸処理の後に行なわれるのが一般的である。
【0040】
本発明の処理後のオレフィン重合用触媒成分として使用される状態のイオン交換性層状珪酸塩は、以下の特性を有することが好ましい。
【0041】
本発明では、イオン交換性層状珪酸塩の圧壊強度が一定の範囲内にあることが好ましい。イオン交換性層状珪酸塩の粒子強度が低すぎると、触媒粉体やポリマー粒子が崩壊しやすいため、微粉が発生し、流れ性や付着性が悪化して嵩密度が低下してしまう。そこで、本発明においては、担体の平均圧壊強度は3MPa以上あることが望ましく、より好ましくは4MPa以上、特に好ましくは5MPa以上である。一方、圧壊強度が高すぎると、予備重合あるいは重合の際に、均一な触媒活性化が阻害されたり、粒子成長が不均一となって微粉が発生する場合もある。したがって、担体強度の上限は平均圧壊強度が10MPa以下であることが望ましく、より好ましくは9MPa以下、特に好ましくは8MPa以下である。
【0042】
本発明では、イオン交換性層状珪酸塩の細孔径が一定の範囲内にあることが好ましい。細孔径を測定する手法は、窒素吸脱着法や水銀ポロシメーター法等があるが、例えば窒素吸脱着法における細孔容積が、0.30〜2.0ml/g、好ましくは0.35〜1.8ml/g、特に好ましくは0.38〜1.5ml/gの範囲である。
【0043】
細孔径を測定するためのガスの吸着および脱離の等温線の測定について以下に述べる。本測定においては、窒素ガスを使用する。細孔分布を調べるときに一般的な吸着ガスとして特性もよく広く使用されているためである。
【0044】
本発明における細孔分布測定は、吸着等温線を採用する。脱離等温線は相対圧を減少させた場合に得られる曲線であるが、本発明のような非常に微小な構成粒子からなる固体粒子はいわゆるインクボトル型の細孔形状を示すことがあり、吸着等温線の方がより実際に近い状態を反映することが知られているからである。
【0045】
上記分析装置としては、カンタークロム社(オートソーブ)、日本ベル社(ベルソープ)、コールター社(オムニソープ)等の一般市販装置が使用可能である。細孔分布の計算方法としては、BJH法が最も一般的であり、本発明ではこの方法を採用している。
【0046】
測定方法の一例を以下に具体的に示す。温度77Kで、圧力は相対圧P/P0(P0は大気圧である)が0.02〜1の範囲で測定する。解析は、一般的手法であるBJH法により行なわれる。測定回数は通常1回で充分である。
【0047】
本発明の製造法によるイオン交換性層状珪酸塩の細孔は、珪酸塩の酸処理によって構成成分が溶出する結果生成する細孔に加え、微粒子状酸化亜鉛の溶出による細孔も生成する。細孔径分布、特に相対的に大きい細孔の制御は使用する微粒子状酸化亜鉛の粒度分布で制御することが可能であり、効果的である。
【0048】
上述の圧壊強度および制御された細孔分布を有するイオン交換性層状珪酸塩を例えばメタロセン等の遷移金属錯体の活性化剤として機能するためのオレフィン重合用触媒成分(助触媒)として使用することで、以下に述べるような作用機構が働くものと考えることができる。すなわち、本発明の珪酸塩は、ある特定範囲の細孔サイズを示すが、その大きさはメタロセン錯体、有機アルミニウム化合物、およびモノマーに対して十分に大きくなる。したがって、反応に関与するこれらの化合物が、触媒の形成、活性化、予備重合さらには重合の各段階において、容易に細孔内に入り込むことができ、担体中に錯体が高分散化し、メタロセン触媒活性点が均一に形成されると考えられる。
【0049】
さらに、触媒粒子の均一な成長には、ポリマー粒子の成長と共に、担体が微粒子状に分散することが重要であり、本発明のような細孔を有する担体では、これを助長するものと考えられる。このような触媒では、重合反応において、従来の触媒に比べ、触媒上での局部発熱等が抑制される。このため、特に、溶融あるいは溶解しやすいポリマーの製造時、例えば、プロピレン系の低融点ランダム重合やエチレン−プロピレンのブロックポリマーの重合において、従来なし得なかった、高活性で、かつ、粒子状を維持した状態で重合を進行させることが可能となったものと推定される。
【0050】
一般に、イオン交換性層状珪酸塩には吸着水および層間水が含まれる。本発明においては、これらの吸着水および層間水を除去して使用するのが好ましい。水の除去には通常加熱処理が用いられる。その方法は特に制限されないが、付着水、層間水が残存しないように、また構造破壊を生じないよう条件を選ぶことが必要である。加熱時間は0.1時間以上、好ましくは0.2時間以上である。その際、除去した後の水分含有率が、温度200℃、圧力1mmHgの条件下で2時間脱水した場合の水分含有率を0重量%とした時、3重量%以下、好ましくは1重量%以下であることが好ましい。
【0051】
本発明オレフィン重合用触媒成分は、以下のようにしてオレフィン重合用触媒を調製することができる。
【0052】
成分(A) 周期律表第4〜6族メタロセン化合物
成分(B) 上述したイオン交換性層状珪酸塩
成分(C) 有機アルミニウム化合物
<成分(A)の説明>
本発明で使用可能なメタロセン化合物は、共役五員環配位子を少なくとも一個有する周期律表第4〜6族の遷移金属化合物である。かかる遷移金属化合物として好ましいものは、下記一般式(1)、(2)、(3)、(4)で表される化合物である。
【0053】
【化1】
【0054】
(式中、AおよびA’は置換基を有してもよい共役五員環配位子(同一化合物内においてAおよびA’は同一でも異なっていてもよい)を示し、Qは二つの共役五員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基を示し、Zは窒素原子酸素原子、珪素原子、リン原子またはイオウ原子を含む配位子を示し、Q’は共役五員環配位子の任意の位置とZを架橋する結合性基を示し、Mは周期律表4〜6族から選ばれる金属原子を示し、XおよびYは水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基、アミノ基、リン含有炭化水素基または珪素含有炭化水素基(同一化合物内においてX及びX’は同一でも異なっていてもよい)を示す。)
AおよびA’としてはシクロペンタジエニル基を挙げることができる。シクロペンタジエニル基は水素原子を五個有するもの[C5H5−]であってもよく、また、その誘導体、即ちその水素原子のいくつかが置換基で置換されているものであってもよい。
【0055】
この置換基の例としては、炭素数1〜40、好ましくは1〜30の炭化水素基である。この炭化水素基は一価の基としてシクロペンタジエニル基と結合していても、またこれが複数存在するときにその内の2個がそれぞれ他端(ω−端)で結合してシクロペンタジエニルの一部と共に環を形成していてもよい。後者の例としては、2個の置換基がそれぞれω−端で結合して該シクロペンタジエニル基中の隣接した2個の炭素原子を共有して縮合六員環を形成しているもの、即ちインデニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基、および縮合七員環を形成しているもの、即ちアズレニル基、テトラヒドロアズレニル基が挙げられる。
【0056】
AおよびA’で示される共役五員環配位子の好ましい具体的例としては、置換または非置換のシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基、またはアズレニル基等が挙げられる。この中で、特に好ましいものは、アズレニル基である。
【0057】
シクロペンタジエニル基上の置換基としては、前記の炭素数1〜40、好ましくは1〜30の炭化水素基に加え、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子基、炭素数1〜12のアルコキシ基、例えば−Si(R1)(R2)(R3)で示される珪素含有炭化水素基、−P(R1)(R2)で示されるリン含有炭化水素基、または−B(R1)(R2)で示されるホウ素含有炭化水素基が挙げられる。これらの置換基が複数ある場合、それぞれの置換基は同一でも異なっていてもよい。上述のR1、R2、R3は、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜24、好ましくは1〜18のアルキル基を示す。
【0058】
Qは二つの共役五員環配位子間を任意の位置で架橋する結合性基を、Q’は共役五員環配位子の任意の位置とZで示される基を架橋する結合性基を表す。
【0059】
QおよびQ’の具体例としては、
(イ)メチレン基、エチレン基、イソプロピレン基、フェニルメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、シクロヘキシレン基等のアルキレン基類、
(ロ)ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジプロピルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルエチルシリレン基、メチルフェニルシリレン基、メチル−t−ブチルシリレン基、ジシリレン基、テトラメチルジシリレン基等のシリレン基、
(ハ)ゲルマニウム、リン、窒素、ホウ素あるいはアルミニウムを含む炭化水素基、さらに具体的には、(CH3)2Ge、(C6H5)2Ge、(CH3)P、(C6H5)P、(C4H9)N、(C6H5)N、(C4H9)B、(C6H5)B、(C6H5)Al(C6H5O)Alで示される基等である。好ましいものは、アルキレン基類およびシリレン基類である。
【0060】
Mは周期律表第4〜6族から選ばれる金属原子遷移金属を、好ましくは周期律表第4属金属原子、具体的にはチタン、ジルコニウム、ハフニウム等である。特には、ジルコニウム、ハフニウムが好ましい。
【0061】
Zは窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原子またはイオウ原子を含む配位子、水素原子、ハロゲン原子又は炭化水素基を示す。好ましい具体例としては、酸素原子、イオウ原子、炭素数1〜20、好ましくは1〜12のチオアルコキシ基、炭素数1〜40、好ましくは1〜18のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜40、好ましくは1〜18の窒素含有炭化水素基、炭素数1〜40、好ましくは1〜18のリン含有炭化水素基、水素原子、塩素、臭素、炭素数1〜20の炭化水素基である。
【0062】
XおよびYは、各々水素、ハロゲン原子、炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基、炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基、アミノ基、ジフェニルフォスフィノ基等の炭素数1〜20、好ましくは1〜12のリン含有炭化水素基、またはトリメチルシリル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基等の炭素数1〜20、好ましくは1〜12のケイ素含有炭化水素基である。XとYは同一でも異なってもよい。これらのうちハロゲン原子、炭化水素基、特に炭素数1〜8のもの、およびアミノ基が好ましい。
【0063】
(a)一般式(1)で表される化合物としては、例えば
(1)ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(2)ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(3)ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(4)ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(5)ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(6)ビス(1−エチル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(7)ビス(1−n−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(8)ビス(1−i−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(9)ビス(1−t−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(10)ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(11)ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルクロリド、
(12)ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジエチル、
(13)ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジイソブチル、
(14)ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムクロリドモノハイドライド、
(15)ビス(1−n−ブチル−3−メチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジハイドライド、
(16)ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメトキシド、
(17)ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(ジメチルアミド)、
(18)ビス(1−n−ブチル−3−メチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジエチルアミドモノクロリド、
(19)ビス(1−メチル−3−トリフルオロメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(20)ビス(1−メチル−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(21)ビス(1−シクロヘキシル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(22)ビス(1−メチル−3−フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(23)ビス(1−ベンジル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(24)ビス(1−n−ブチル−3−トリフルオロメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(25)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
(26)ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(27)ビス(2−メチル−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリドが挙げられる。
【0064】
(b)一般式(2)で表される化合物としては、例えば、
(1)ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−イソプロピル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(2)ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(3)ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(4)ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(5)ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(3−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(6)ジメチルシリレンビス[1−{2−メチル−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウムジクロリド、
(7)ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4,6−ジイソプロピル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(8)ジフェニルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(9)メチルフェニルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(10)ジメチルフェニルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(11)メチルフェニルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(12)メチルフェニルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(13)メチルフェニルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(3−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(14)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(15)ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(16)ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(17)ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(18)ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(3−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(19)ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(2−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(20)ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(1−アントラセニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(21)ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(2−アントラセニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(22)ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(9−アントラセニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(23)ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(1−フェナンスリル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(24)ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(9−フェナンスリル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(25)ジメチルメチレンビス{1−[2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}ジルコニウムジクロリド、
(26)ジメチルゲルミレンビス{1−[2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}ジルコニウムジクロリド、
(27)エチレンビス{1−[2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}ジルコニウムジクロリド、
(28)ジメチルシリレンビス{1−[2−i−プロピル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}ジルコニウジクロリド、
(29)ジメチルシリレンビス{1−[2−メチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}ジルコニウムジクロリド、
(30)ジメチルシリレンビス{1−[2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}ジルコニウムジクロリド、
(31)ジメチルシリレンビス{1−[2−メチル−4−(2’,6’−ジメチル−4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}ジルコニウムジクロリド、
(32)ジメチルシリレンビス{1−[2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニル]}ジルコニウムジクロリド、
(33)ジメチルシリレンビス{1−[2−i−プロピル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニル]}ジルコニウムジクロリド、
(34)ジメチルシリレンビス{1−[2−i−プロピル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−アズレニル]}ジルコニウムジクロリド、
(35)ジメチルシリレン{1−[2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}{1−[2−メチル−4−(4−ビフェニリル)インデニル]}ジルコニウムジクロリド、
(36)ジメチルシリレンビス{1−[2−エチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−5,6,7,8−テトラヒドロアズレニル]}ジルコニウムジクロリド、
(37)ジメチルシリレン{1−(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(38)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(39)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4,6−ジフェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(40)ジメチルシリレンビス[1−{2−メチル−4−(ペンタフルオロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウムジクロリド、
(41)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フェニルー7ーフルオロ−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(42)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−インドリル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(43)ジメチルシリレンビス{1−(2−ジメチルボラノ−4−インドリル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(44)ジメチルシリレンビス[1−{2−エチル−4−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウムジクロリド、
(45)ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジメチル、
(46)ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホン酸)、
(47)ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(48)ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(49)ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチル)インデニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(50)ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(51)ジフェニルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(52)メチルフェニルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(53)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(54)ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(1−ナフチル)インデニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(55)ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(9−アントリル)インデニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(56)ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(9−フェナンスリル)インデニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(57)ジメチルシリレン{1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)}{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(58)ジメチルシリレンビス[1−{2−メチル−4−(ペンタフルオロフェニル)インデニル}]ジルコニウムジクロリド、
(59)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フェニルー7ーフルオロインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(60)エチレン−1,2−ビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(61)エチレン−1,2−ビス{1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(62)エチレン−1,2−ビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチル)インデニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(63)イソプロピリデンビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(64)エチレン−1,2−ビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(65)エチレン−1,2−ビス{1−(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(66)エチレン−1,2−ビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチル)インデニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(67)エチレン−1,2−ビス〔1−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(68)イソプロピリデンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(69)エチレン−1,2−ビス{1−(2−エチル−4−インドリル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(70)ジメチルゲルミレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(71)ジメチルゲルミレンビス{1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(72)メチルアルミニウムビス{1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(73)フェニルホスフィノビス{1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(74)フェニルアミノビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド等が挙げられる。
【0065】
(c)一般式(3)で表される化合物としては、例えば、
(1)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(ビスt−ブチルアミド)ジクロリド、
(2)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(ビスイソプロピルアミド)ジクロリド、
(3)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(ビスシクロドデシルアミド)ジクロリド、
(4)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウム{ビス(トリメチルシリル)アミド)}ジクロリド、
(5)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)チタニウム{ビス(トリメチルシリル)アミド}ジクロリド、
(6)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)ジルコニウム{ビス(トリメチルシリル)アミド}ジクロリド、
(7)(2−メチルインデニル)チタニウム(ビスt−ブチルアミド)ジクロリド、
(8)(フルオレニル)チタニウム(ビスt−ブチルアミド)ジクロリド、
(9)(3,6−ジイソプロピルフルオレニル)チタニウム(ビスt−ブチルアミド)ジクロリド、
(10)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(フェノキシド)ジクロリド、
(11)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(2,6−ジイソプロピルフェノキシド)ジクロリド等が挙げられる。
(d)一般式(4)で表される化合物としては、例えば、
(1)ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(t−ブチルアミド)チタニウムジクロリド、
(2)ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(シクロドデシルアミド)チタニウムジクロリド、
(3)ジメチルシランジイル(2−メチルインデニル)(t−ブチルアミド)チタニウムジクロリド、
(4)ジメチルシランジイル(フルオレニル)(t−ブチルアミド)チタニウムジクロリド、等が挙げられる。
【0066】
一般式(1)ないし(4)で示される部分[A]は、同一の一般式で示される化合物および/または異なる一般式で表される化合物の二種以上の混合物として用いることができる。
【0067】
<成分(C)の説明>
成分(C)は有機アルミニウム化合物である。本発明で成分(C)として用いられる有機アルミニウム化合物は、一般式AlR3 pX3-pで示される化合物が適当である。本発明ではこの式で表される化合物を単独で、複数種混合してあるいは併用して使用することができることは言うまでもない。また、この使用は触媒調製時だけでなく、予備重合あるいは重合時にも可能である。この式中、R3は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Xは、ハロゲン、水素、アルコキシ基、アミノ基を示す。pは1以上3以下までの範囲である。R3としてはアルキル基が好ましく、またXは、それがハロゲンの場合には塩素が、アルコキシ基の場合には炭素数1〜8のアルコキシ基が、アミノ基の場合には炭素数1〜8のアミノ基が、好ましい。
【0068】
従って、好ましい化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルプロピルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウム、トリノルマルデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムジメチルアミド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムクロライド等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、p=3、q=1のトリアルキルアルミニウムおよびジアルキルアルミニウムヒドリドである。さらに好ましくは、R3が炭素数1〜8であるトリアルキルアルミニウムである。
【0069】
本発明による触媒は、上記の各成分を重合槽外であるいは重合槽内で、同時にもしくは連続的に、あるいは一度にもしくは複数回にわたって、接触させることによって形成させることができる。各成分の接触は、脂肪族炭化水素あるいは芳香族炭化水素溶媒中で行うのが普通である。接触温度は特に限定されないが、−20℃から150℃の間で行うのが好ましい。接触順序としては合目的的な任意の組み合わせが可能であるが、特に好ましいものを各成分について示せば次の通りである。
【0070】
通常、まず成分(B)と成分(A)を接触させる。成分(C)の成分(B)への添加は、成分(A)よりも前に、同時に、あるいは後に添加することが可能である。触媒活性やポリマー粒子性状が改良される好ましい接触順としては、成分(B)へ成分(C)を添加し、続いて成分(A)を接触させる方法である。この時、成分(A)にあらかじめ成分(B)に使用したものと同種あるいは異種の成分(C)を使用することが可能である。
【0071】
各成分を接触させた後は、脂肪族炭化水素あるいは芳香族炭化水素溶媒にて洗浄することが可能である。
【0072】
本発明で使用する成分(A)、(B)および(C)の使用量は任意である。例えば、成分(B)に対する成分(A)の使用量は、成分(B)1gに対し、好ましくは0.1μmol〜1000μmol、特に好ましくは0.5μmol〜500μmolの範囲である。成分(B)に対する成分(C)の使用量は、成分(B)1gに対し、好ましくは遷移金属の量が0.001〜100μmol、特に好ましくは0.005〜50μmolの範囲である。したがって、成分(A)に対する成分(C)の量は、遷移金属のモル比で、好ましくは10-5〜50、特に好ましくは10-4〜5、の範囲内が好ましい。
【0073】
本発明の触媒は、これに重合性モノマーを接触させてこのモノマーを少量重合されることからなる予備重合処理に付すことも可能であり、かつ好ましい。予備重合を行う段階は、任意であり、本発明のすべての触媒成分を接触させた後、あるいは予備重合を行った後に成分(C)を接触させる等の方法も可能である。そのときの重合条件は、本重合のそれよりも温和であるのが普通である。予備重合モノマ−としては、α−オレフィンが使用でき、好ましくはエチレンまたはプロピレンである。予備重合量は、通常0.01〜100g−PP/g−触媒、好ましくは0.1〜50g−PP/g−触媒である。また予備重合触媒を使用して重合を行う場合には、追加の成分(C)を使用することもあり、好ましい。
【0074】
上記の各成分の接触の際もしくは接触の後に、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体、シリカ、チタニア等の無機酸化物の固体を共存させるか、または、接触させてもよい。
【0075】
[オレフィンの重合]
重合し得るα−オレフィンとしては炭素数2〜20程度のものが好ましく、具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。共重合の場合、用いられるコモノマーの種類は、前記α−オレフィンとして挙げられるもののなかから、主成分となるもの以外のα−オレフィンを選択して用いることができる。コモノマーの量は、所望する物性(融点、分子量、剛性等)のポリマーを製造するために任意の条件で実施可能であるが、本発明の触媒は通常粒子性状の悪化により製造が困難となる例えばランダム重合体の製造等に適しており、特に低融点のプロピレンランダム共重合体や高ゴム含量のいわゆるエチレン/プロピレンブロック共重合体の製造に適している。本発明の触媒を使用することでポリマー同士の付着、重合反応層へのファウリングを著しく改善する効果がある。
【0076】
重合様式は、触媒成分と各モノマーが効率よく接触するならば、あらゆる様式を採用しうる。具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー法、溶液重合法、不活性溶媒を実質的に用いないプロピレンを溶媒として用いるバルク法、あるいは実質的に液体溶媒を用いずに各モノマーをガス状に保つ気相法などが採用できる。また、連続重合、回分式重合に適用される。スラリー重合の場合は、重合溶媒として、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族又は芳香族炭化水素の単独又は混合物が用いられる。重合温度は0℃〜200℃であり、また分子量調節剤として補助的に水素を用いることができる。重合圧力は0〜2000kg/cm2Gの範囲で実施可能である。
【0077】
【実施例】
次に実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限りこれら実施例によって制約を受けるものではない。
【0078】
以下の実施例及び比較例において、物性の評価は次のようにして行った。
(1)イオン交換性層状珪酸塩の組成分析
JIS法による化学分析により検量線を作成し、蛍光X線にて定量した。
(2)細孔測定
窒素吸脱着法による細孔分布測定条件は以下の通りである。
【0079】
・装置:オートソーブ3(カンタークロム社製)
・測定手法:ガス吸着法
・測定条件:
(3)イオン交換性層状ケイ酸塩及び微粒子固体の粒径測定
レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所社製「LA−920」)を使用して測定した。酸処理する前(工程1、工程2)のイオン交換性層状ケイ酸塩の測定は、エタノールを分散媒として用い、屈折率1.32、形状係数1.0として粒径分布および平均粒径(メジアン径)を算出した。酸処理後のイオン交換性層状ケイ酸塩及び微粒子状固体の測定は、水を分散媒として使用して、同様に測定した。
(4)MFR測定
ポリプロピレン系重合体はJIS−K−6758により、またポリエチレン系重合体はJIS−K−6760により測定したメルトインデックス値を示す。
(5)ポリマーBD
ASTM D1895−69に準拠した、ポリマーの嵩密度を示す。
(6)ポリマー凝集量
目開き1700μmの篩を使用して、10分間振動させた篩上のポリマー重量%を測定した。その際、重合槽および撹拌翼等内に付着した塊状、フィルム状のポリマーも計算に含めた。
(7)圧壊強度の測定
島津製作所(株)製 微小圧縮試験器「MCTM−500」を用いて、任意に選んだ10個以上の粒子の圧壊強度を測定し、その平均値を圧壊強度とした。
(8)X線回折の測定
本発明に用いたサンプルのX線回折測定条件は以下の通りである。
【0080】
・装置:理学電機製RINT1500
・測定手法:粉末法
・測定条件:
(9)融点(Tm)
セイコーインスツルメンツ社製DSC6200を使用し、シート状にしたサンプル片を5mgアルミパンに詰め、室温から一旦200℃まで昇温速度100℃/分で昇温し、5分間保持した後に、10℃/分で40℃まで降温して結晶化させた後に、10℃/分で200℃まで昇温させた時の融解最大ピーク温度(℃)として求めた。
(10)23℃キシレン可溶分量(CXS)
ポリマーを電子天秤にて秤量し500mlの平底フラスコに入れ、工業用キシレンを300ml加える。予め140℃に調温したオイルバスに浸け、約1時間かけて溶解させる。次に、フラスコを取り出し、予め23℃に調温したオイルバスに1時間浸けた後に、ろ過により上澄み液を回収し、110℃で減圧下4時間で溶媒除去/乾燥を行うことによりキシレン可溶分量を求めた(単位:重量%)。
【0081】
[珪酸塩Aの製造]
(珪酸塩と微粒子状酸化亜鉛との混合、均一化)
3リットルの金属製容器に蒸留水950ミリリットル、市販のモンモリロナイト(水澤化学社製ベンクレイSL)49.1gを徐々に添加し、数時間撹拌させた後に、ポリトロンを10分間使用して均一化処理した。平行して、別の2リットルの容器に、蒸留水490ミリリットル、さらにアルドリッチ社製微粒子状酸化亜鉛50gを添加し1時間撹拌した後に、ポリトロンで10分間均一化処理を行い、さらに超音波洗浄機にて30分間処理した。その後、酸化亜鉛水スラリーをモンモリロナイトスラリーに添加し、20分間ポリトロンにて均一化処理し、さらに超音波照射をさらに20分間照射後、約10分間撹拌した。各ステップにおける平均粒径を測定したところ、モンモリロナイト水スラリーでは0.50μm、酸化亜鉛は2.98μm、混合物は0.58μmであった。珪酸塩混合物の1μm未満の粒子は92%であった。
【0082】
(造粒)
前記スラリーを、大川原化工機社製噴霧造粒装置(L−8)を用いて噴霧造粒を実施した。スラリー物性および運転条件は、以下の通り。
<スラリー物性:pH=9.6、スラリー粘度=726CP;運転条件:アトマイザー回転数12000rpm、給液量=0.7L/h、入り口温度=199℃、出口温度=130℃、サイクロン差圧=60mmH2O>
その結果、74gの造粒珪酸塩aを回収した。平均粒径は、測定溶媒中で粒子が微細化してしまったために測定できなかった。この結果から、添加した微粒子状酸化亜鉛によるイオン交換性層状珪酸塩の粒子全体としての粒子を維持する凝集力が弱まっていることは明らかである。蛍光X線により組成分析を行ったところ、主成分であるケイ素に対する構成元素のモル比は、Al/Si=0.28、Mg/Si=0.075、Fe/Si=0.031であった。また、X線により分析を行ったところモンモリロナイト由来のピークの他に、酸化亜鉛由来の強いピークが観測された。造粒工程までの調製条件および結果を表1に纏めた。
【0083】
(酸処理)
300ミリリットルの撹拌翼の付いたガラス製フラスコに、蒸留水151ミリリットル、続いて濃硫酸(96%)100gをゆっくりと添加し、さらに前記合成した造粒珪酸塩aを40g分散させ、101℃で2時間加熱処理した。冷却後、このスラリーを減圧ろ過し、ケーキを回収した。このケーキに蒸留水を0.5〜0.6リットル加え再スラリー化後、ろ過した。この洗浄操作を4回繰り返した。
【0084】
回収したケーキを窒素雰囲気下110℃で終夜乾燥した。乾燥後の重量は21.7gであった。
【0085】
このようにして得られた珪酸塩Aの組成(重量%)はAlが4.5、Mgが0.6、Feが0.9、Siが43.7、Naが検出限界(0.2)未満、Znが0.4%であった。各成分の溶出率は、Alが62%、Mgが75%、Feが62%、Naが93%以上であった。各成分のSiに対するモル比は、それぞれ0.107、0.0159、0.0104、0.0063未満、0.0039であった。X線により分析を行ったところ酸化亜鉛由来のピークは消失していた。残存するZnは、モンモリロナイトの層間カチオンとして存在していると推定される。酸処理による亜鉛の溶出率は、99%以上であった。
【0086】
圧壊強度は6.4MPa、窒素吸着法による細孔分析では、40〜300Åの範囲に最大ピークが存在し、対応する細孔径は153Åであり、全細孔容積は0.58ml/gであった。BET法による表面積は245m2/gであった。また、平均粒径は酸処理前の状態とは異なり微細化することなく測定が可能であり、20.9μmであった。酸処理後のモンモリロナイトの物性値は、表2に示す。
【0087】
[珪酸塩Bの製造]
(珪酸塩と微粒子状酸化亜鉛との混合、均一化)
表1に示すように酸化亜鉛を20.0g使用する以外は造粒珪酸塩aの処方と同様に実施した。各ステップにおける平均粒径を測定したところ、モンモリロナイト水スラリーでは0.50μm、酸化亜鉛は2.70μm、混合物は0.87μmであった。なお、1μm未満の粒子は63%であった。
(造粒)
前記スラリーを、造粒珪酸塩aと同様に造粒した。その結果、54gの造粒珪酸塩bを回収した。平均粒径は、造粒珪酸塩aと同様に、測定溶媒中で粒子が微細化してしまったために測定できなかった。Siに対するAl、Mg、Feの組成比は造粒珪酸塩aと同様の結果を示した。造粒工程までの条件を表1に纏めた。
(酸処理)
前記合成した造粒珪酸塩を使用する以外は、珪酸塩Aと同様に実施した。このようにして得られた珪酸塩Bの組成(重量%)はAlが4.3、Mgが0.5、Feが0.9、Siが45.3、Naが検出限界(0.2)未満、Znが0.2%であった。各成分の溶出率は、Alが65%、Mgが80%、Feが64%、Naが93%以上であった。各成分のSiに対するモル比は、それぞれ0.099、0.0128、0.0100、0.0063未満、0.0019であった。
【0088】
圧壊強度は9.2MPa、窒素吸着法による細孔分析では、40〜300Åの範囲に最大ピークが存在し、対応する細孔径は112Åであり、全細孔容積は0.56ml/gであった。BET法による表面積は220m2/gであった。また、平均粒径は酸処理前の状態とは異なり微細化することなく測定が可能であり、20.6μmであった。酸処理後のモンモリロナイトの物性値は、表2に示す。
【0089】
[珪酸塩Cの製造]
(珪酸塩と微粒子状酸化亜鉛との混合、均一化)
表1に示すように酸化亜鉛を10.0g使用する以外は造粒珪酸塩aの処方と同様に実施した。尚、1μm未満の粒子は63%であった。
(造粒)
前記スラリーを、造粒珪酸塩aと同様に造粒した。その結果、54gの造粒珪酸塩cを回収した。平均粒径は、造粒珪酸塩aと同様に、測定溶媒中で粒子が微細化してしまったために測定できなかった。Siに対するAl、Mg、Feの組成比は珪酸塩Aと同様の結果を示した。造粒工程までの条件を表1に纏めた。
(酸処理)
前記合成した造粒珪酸塩cを使用する以外は、処理珪酸塩aと同様に実施した。
【0090】
このようにして得られた珪酸塩Cの組成比は、Al/Siが0.127、Mg/Siが0.0183、Fe/Siが0.0149、Na/Siが0.0063未満、Zn/Siが0.0011であった。各成分の溶出率は、Alが52%、Mgが67%、Feが51%、Naが93%以上であった。
【0091】
圧壊強度は10.2MPa、窒素吸着法による細孔分析では、40〜300Åの極大ピークに対する細孔径は90Åであり、全細孔容積は0.51ml/gであり、BET法による表面積は225m2/gであった。また、平均粒径は21.0μmであった。酸処理後のモンモリロナイトの物性値は、表2に示す。
【0092】
[珪酸塩Dの製造(比較例)]
3リットルの金属製容器に蒸留水1950ミリリットル、市販のモンモリロナイト(水澤化学社製ベンクレイSL)95.6gを徐々に添加し、数時間撹拌させた後に、ポリトロンを10分間使用して均一化処理した。このスラリーの平均粒径を測定したところ、0.50μmであり、1μm未満の粒子は97%以上であった。
(造粒)
前記スラリーを、造粒珪酸塩aと同様に造粒した。その結果、83gの造粒珪酸塩dを回収した。平均粒径は、22.5μmであった。Siに対するAl、Mg、Feの組成比は造粒珪酸塩Aと同様の結果を示した。
(酸処理)
前記合成した造粒珪酸塩dを使用する以外は、珪酸塩Aと同様に実施した。
【0093】
このようにして得られた珪酸塩Dの化学処理したモンモリロナイトの組成比は、Al/Siが0.142、Mg/Siが0.0174、Fe/Siが0.0191、Na/Siが0.0063未満であった。各成分の溶出率は、Alが47%、Mgが67%、Feが47%、Naが93%以上であった。
【0094】
圧壊強度は13.1MPa、窒素吸着法による細孔分析では、40〜300Åの極大ピークに対する細孔径は80Åであり、全細孔容積は0.38ml/gであり、BET法による表面積は221m2/gであった。また、平均粒径は20.6μmであった。酸処理後のモンモリロナイトの物性値は、表2に示す。
【0095】
[珪酸塩Eの製造(比較例)]
(酸処理)
造粒珪酸塩dを使用し、酸処理時間を4時間とする以外は、珪酸塩Dと同様に実施して珪酸塩Eを得た。
【0096】
このようにして得られた珪酸塩Eの組成比は、Al/Siが0.073、Mg/Siが0.0127、Fe/Siが0.0073、Na/Siが0.0063未満であった。各成分の溶出率は、Alが73%、Mgが83%、Feが80%、Naが93%以上であった。
【0097】
圧壊強度は10.5MPa、窒素吸着法による細孔分析では、40〜300Åの極大ピークに対する細孔径は113Åであり、全細孔容積は0.47ml/gであり、BET法による表面積は208m2/gであった。また、平均粒径は20.6μmであった。酸処理後のモンモリロナイトの物性値は、表2に示す。
【0098】
[珪酸塩Fの製造]
(酸処理)
酸処理時間を1時間とする以外は、珪酸塩Aと同様に実施した。
【0099】
このようにして得られた珪酸塩Fの組成比は、Al/Siが0.175、Mg/Siが0.0243、Fe/Siが0.0172、Na/Siが0.0063未満であった。各成分の溶出率は、Alが38%、Mgが61%、Feが37%、Naが93%以上であった。
【0100】
圧壊強度は6.8MPa、平均粒径は20.9μmであった。酸処理後のモンモリロナイトの物性値は、表2に示す。
【0103】
[珪酸塩Hの製造(比較例)]
(酸処理)
造粒珪酸塩dを使用する以外は、珪酸塩Fと同様に実施して珪酸塩Hを得た。この化学処理したモンモリロナイトの組成比は、Al/Siが0.178、Mg/Siが0.0304、Fe/Siが0.0172、Na/Siが0.0063未満であった。各成分の溶出率は、Alが37%、Mgが57%、Feが37%、Naが93%以上であった。
【0104】
圧壊強度は15.9MPa、窒素吸着法による細孔分析では、40〜300Åの極大ピークに対する細孔径は51Åであり、全細孔容積は0.34ml/gであり、BET法による表面積は230m2/gであった。また、平均粒径は21.5μmであった。酸処理後のモンモリロナイトの物性値は、表2に示す。
【0105】
〈実施例−1〉
[触媒の調製]
以下の操作は、不活性ガス下、脱酸素、脱水処理された溶媒、モノマーを使用して実施した。珪酸塩Aは減圧下、200℃で、2時間乾燥を実施した。
【0106】
内容積1リットルの攪拌翼のついたガラス製反応器に上記で得た乾燥モンモリロナイト10gを導入し、ノルマルヘプタン、さらにトリエチルアルミニウムのヘプタン溶液(25mmol)を加え、室温で攪拌した。1時間後、トルエンを含むヘプタン(以下混合ヘプタンと略記する)にて十分に洗浄し、スラリーを100mlに調製した。
【0107】
次に、あらかじめ(r)−ジメチルシリレンビス{1−[2―メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル]}ジルコニウムジクロリド0.15mmolに混合ヘプタン43mlを加え1時間以上撹拌した後に、トリイソブチルアルミニウムを1.5mmol(ヘプタン溶液,2.13ml)を室温にて1時間反応させておいた混合液を、珪酸塩スラリーに加え、1時間攪拌した。尚、成分(A)の合成は、特開平11−240909号報に記載の方法で合成した。
【0108】
続いて、窒素で十分置換を行った内容積1.0リットルの攪拌式オートクレーブに混合ヘプタン105mlを導入し、40℃に保持した。そこに先に調製した珪酸塩/錯体スラリーを導入した。温度が40℃に安定したところでプロピレンを10g/時間の速度で供給し、温度を維持した。2時間後、プロピレンの供給を停止し、さらに2時間維持した。サイホンにて予備重合触媒スラリーを回収し、上澄みを約100ml除き、40℃にて減圧下乾燥した。この操作により触媒1g当たりポリプロピレンが2.0gを含む予備重合触媒が得られた。
【0109】
〔重合〕
内容積3リットルの撹拌式オ−トクレ−ブ内をプロピレンで十分置換した後に、トリイソブチルアルミニウム・n−ヘプタン溶液2.76ml(2.02mmol)を加え、エチレン30g、水素100cc、続いて液体プロピレン1500mlを導入し、70℃に昇温しその温度を維持した。先に実施した予備重合触媒をノルマルヘプタンにスラリー化し、触媒として(予備重合ポリマーの重量は除く)8mgを圧入し重合を開始した。槽内温度を70℃に維持した。30分後、エタノール5mlを加え、残ガスをパージして得られたポリマ−を乾燥した。その結果、212gのポリマ−が得られた。触媒活性は、53000g−PP/g−触媒・時であった。ポリマーBD=0.46(g/cc)、MFR=4.1(dg/分)、融点は126.1℃であった。凝集ポリマー量は1.2%であった。
【0110】
〈実施例−2〜4、比較例−1〜3〉
[触媒の調製、重合]
表3に示すように、先に合成した珪酸塩B〜Hを使用して、触媒の合成および重合を実施例−1と同様に行った。その結果を表3に示す。
【0111】
〈実施例−5〉
[触媒の調製]
以下の操作は、不活性ガス下、脱酸素、脱水処理された溶媒、モノマーを使用して実施した。
【0112】
珪酸塩Fを減圧下、200℃で、2時間乾燥を実施した。また、内容積1リットルの攪拌翼のついたガラス製反応器に上記で得た乾燥モンモリロナイト10gを導入し、ノルマルヘプタン、さらにトリエチルアルミニウムのヘプタン溶液(25mmol)を加え、室温で攪拌した。1時間後、トルエンを含むヘプタン(以下混合ヘプタンと略記する)にて十分に洗浄し、スラリーを100mlに調製した。
【0113】
次に、あらかじめ(r)−ジメチルシリレンビス{1−[2―エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル]}ハフニウムジクロリド0.30mmolにトルエン43mlを加え1時間以上撹拌した後に、トリイソブチルアルミニウムを3.0mmol(ヘプタン溶液,2.13ml)を室温にて1時間反応させておいた混合液を、珪酸塩スラリーに加え、1時間攪拌した。尚、成分(A)の合成は、特開平2000−95791号報に記載の方法で合成した。
【0114】
続いて、窒素で十分置換を行った内容積1.0リットルの攪拌式オートクレーブに混合ヘプタン105mlを導入し、40℃に保持した。そこに先に調製した珪酸塩/錯体スラリーを導入した。温度が40℃に安定したところでプロピレンを10g/時間の速度で供給し、温度を維持した。2時間後、プロピレンの供給を停止し、その後内部温度を50℃に昇温後、さらに2時間維持した。サイホンにて予備重合触媒スラリーを回収し、上澄みを約100ml除き、40℃にて減圧下乾燥した。この操作により触媒1g当たりポリプロピレンが2.0gを含む予備重合触媒が得られた。
【0115】
〔エチレン−プロピレンのブロック重合〕
内容積3リットルの撹拌式オ−トクレ−ブ内をプロピレンで十分置換した後に、トリイソブチルアルミニウム・n−ヘプタン溶液2.76ml(2.02mmol)を加え、水素150cc、続いて液体プロピレン1500mlを導入し、65℃に昇温しその温度を維持した。先に実施した予備重合触媒をノルマルヘプタンにスラリー化し、触媒として(予備重合ポリマーの重量は除く)50mgを圧入し重合を開始した。槽内温度を65℃に維持した。触媒導入後、10分間隔で水素を50ml圧入した。触媒投入後1時間経過後に、残モノマーをパージし内温を40℃に下げた。その後、プロピレンを0.92MPa、続いてエチレンを1.38MPa導入し、内温を80℃に昇温した。その後、予め調製しておいたプロピレンとエチレンの混合ガスを導入し、内圧が2.5MPaで重合中にモノマー組成比が変化しないように調整しながら、40分間重合反応を制御した。その結果、反応器、撹拌翼等への付着が全くなく、粒子性状の良い310gのエチレン−プロピレンブロックポリマーが得られた。触媒活性は、6200g−PP/g−触媒であった。ポリマーBD=0.47(g/cc)、MFR=4.8(dg/分)であった。CXS可溶分量は37.5%であった。ゴム含量が非常に高いにもかかわらず粒子性状の良いポリマーが得られることが判った。
【0116】
〈比較例−4〉
[触媒の調製、重合]
珪酸塩Dを使用する以外は、触媒の合成および重合を実施例−5と同様に行った。その結果、215gのエチレン−プロピレンブロックポリマーが得られた。触媒活性は、4300g−PP/g−触媒であった。ポリマーBD=0.43(g/cc)、MFR=6.2(dg/分)であった。CXS可溶分量は36.2%であった。
【0117】
これらの結果より、微粒子状酸化亜鉛を添加して造粒した後に、酸処理を行ったイオン交換性層状珪酸塩を使用すると、高い触媒活性で、粒子性状に優れた低融点のプロピレンランダム共重合体や高ゴム含量のエチレン−プロピレンブロック共重合体を、塊状ポリマーや反応器等への付着が極めて少ないレベルで製造することが可能であることがわかる。
【0118】
【表1】
*1:微粒子状酸化亜鉛の添加重量/(イオン交換性層状珪酸塩原料の重量+微粒子状酸化亜鉛の添加重量)
*2:微粒子状酸化亜鉛とイオン交換性層状珪酸塩混合物の平均粒径/イオン交換性層状珪酸塩単独の平均粒径
【0119】
【表2】
【0120】
【表3】
Claims (5)
- 粒子状イオン交換性層状珪酸塩に、下記の[工程1]〜[工程3]の処理を施すことを特徴とするオレフィン重合用触媒成分の製造方法。
[工程1]イオン交換性層状珪酸塩に対して0.1重量%以上80重量%未満の微粒子状酸化亜鉛と、イオン交換性層状珪酸塩とを液体中で混合する工程
[工程2]液体を除去して固体粒子を得る工程
[工程3]酸処理によって、含有される微粒子状酸化亜鉛の少なくとも一部を溶出させる工程 - イオン交換性層状珪酸塩がスメクタイト族の珪酸塩である請求項1に記載のオレフィン重合用触媒成分の製造方法。
- [工程1]〜[工程3]が以下に示すものである請求項1又は2に記載のオレフィン重合用触媒成分の製造方法。
[工程1]イオン交換性層状珪酸塩に対して0.1重量%以上80重量%未満の微粒子状酸化亜鉛と、イオン交換性層状珪酸塩とを液体中で混合する工程
[工程2]液体を除去して固体粒子を得る工程
[工程3]酸処理によって、含有される微粒子状酸化亜鉛の50重量%以上を溶出させる工程。 - [工程1]によって得られた微粒子状酸化亜鉛とイオン交換性層状珪酸塩との混合物の平均粒子径を、イオン交換性層状珪酸塩単独の平均粒子径に対する比で0.1以上10未満とする請求項1〜3のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒成分の製造方法。
- [工程2]を噴霧造粒法によって行う請求項1〜4のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒成分の製造方法。
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