JP3945877B2 - オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オレフィン重合用触媒ならびにオレフィン重合体の製造法に関し、さらに詳しくは、オレフィン重合体を高い活性で製造するのに適し、特定の層状珪酸塩粒子を用いた場合には、機械的強度や耐摩耗性に優れ、安定運転の阻害となる粒子の破壊や微粉等の生成も抑制され、また嵩密度が高く、流動性に優れていることから、高い生産性でオレフィン重合体が得られる重合用触媒ならびに該触媒を用いたオレフィン重合法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オレフィンを(1)メタロセンおよび(2)アルミノキサンからなる触媒の存在下に重合してオレフィン重合体を製造することは知られている(特公平4−12283号公報および特開昭60−35007号公報)。
しかしながら、これらの触媒系は、一般に反応系に可溶性であることが多く、これを反映して、スラリー重合あるいは気相重合で得られるオレフィン重合体は粒子形状が不定形で嵩密度が小さく、微粉が多い等粒子性状の極めて悪いものであり、製造工程上の問題点を有している。
【0003】
一方、これらの問題点を解消するためには、遷移金属化合物および有機アルミニウム化合物の一方あるいは両方をシリカ、アルミナ等の無機酸化物もしくは有機物に担持させた触媒でオレフィンの重合を行う方法も提案されている(特開昭60−35007号公報、同61−31404号公報、同61−108610号公報、同61−276805号公報および同61−296008号公報等)。しかし、これらの方法によって得られた重合体は、微粉、粗粒が多く見られ、また、嵩密度も低い等粒子性状の不良なものが多く、更には、固体成分あたりの重合活性が低い等の新たな問題があるようである。
【0004】
また、スメクタイトにメタロセン化合物とアルミノキサンを担持した触媒を用いる方法(特開平5−25214号公報)や、メタロセン化合物と金属酸化物または金属酸化物前駆体で処理した後焼成して得た層状粘土鉱物および有機アルミノキサンとを用いるオレフィンの重合用触媒(特開平7−33814号公報)が報告されている。
【0005】
本発明者らは、これらの諸問題を解決するため、先に特定の条件下で処理を行った層状珪酸塩を造粒することで、微粉、粗粒が少なく、嵩密度が高い等の良好な粒子が得られることを見いだした(特開平5−301917号公報、特開平7−228621号公報)。しかしながら、雲母族層状珪酸塩のような板状で比較的粒子形の大きなものを用いた場合は、造粒したとき嵩密度が小さく、また粒子強度が十分ではない場合があるので、オレフィン重合用触媒成分として用いたときの生産性や微粉の発生の点で、上述の改良方法は必ずしも満足できるものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
オレフィン重合体を高い活性で製造するのに適し、機械的強度や耐摩耗性に優れ、安全運転の阻害となる粒子の破壊や微粉等の生成も抑制され、また嵩密度が高く、流動性に優れ、高い生産性でオレフィン重合体を得ることができる重合用触媒ならびに該触媒を用いたオレフィン重合法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記従来技術の問題点に解決を与えようとするものであって、メタロセン系遷移金属化合物と、性質の異なる層状珪酸塩の所定の混合物とを用いたオレフィン重合用触媒を用いた場合には、微粉が少なく、嵩密度が高い粉体性状の良好なオレフィン重合体が得られる、という知見に基づくものである。
すなわち、本発明は、下記の成分(A)および成分(B)からなるオレフィン重合用触媒を提供するものである。
また、本発明によるオレフィン重合用触媒は、有機アルミニウム化合物と上記のオレフィン重合用触媒との組み合わせからなるものである。
また、本発明によるオレフィン重合体の製造法は、上記のオレフィン重合用触媒にオレフィンを接触させて重合させることからなるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
[オレフィン重合用触媒]
本発明による重合用触媒は、成分(A)および成分(B)からなるものである。
<成分(A)>
この成分(A)は、メタロセン系遷移金属化合物である。このメタロセン系遷移金属化合物は、好ましくは置換されていてもよい1個もしくは2個のシクロペンタジエニル系配位子、すなわち置換基が結合して縮合環を形成していてもよい1から2個のシクロペンタジエニル環含有配位子、と長周期表の3、4、5または6族の遷移金属とからなる有機金属化合物、あるいはそれらのカチオン型錯体である。(ここで、原子の周期律は、1989年にIUPACにより推奨された18族方式に基づくものである。)
このようなメタロセン系遷移金属化合物として好ましいものは、下記一般式[1]もしくは[2]で表される化合物である。
【0009】
【化1】
(CpR1 a H5-a )p (CpR2 b H5-b )q MR3 r …[1]
[(CpR1 a H5-a )p (CpR2 b H5-b )q MR3 r Lm ]n+[R4 ]n-…[2]
【0010】
(ここで、CpR1 a H5-a およびCpR2 b H5-b は、シクロペンタジエニル(Cp)基またはその誘導体、すなわち、シクロペンタジエニルのR1 またはR2 置換体、を示す。R1 およびR2 は、それぞれ、炭素数1から30の置換されていてもよい、炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、または酸素含有炭化水素基であって、各々同一でも異なっていてもよい。)
【0011】
aおよびbは、それぞれ0〜5の整数である。また、p、qおよびrは、それぞれMの価数をVとした時に、メタロセン系遷移金属化合物が式[1]の場合には、p+q+r=Vを満たす0または正の整数であり、メタロセン系遷移金属化合物が式[2]の場合には、p+q+r=V−nを満たす0または正の整数である。通常pおよびqは0〜3の整数で、好ましくは0又は1である。rは0〜3の整数で、好ましくは1又は2である。nは0≦n≦Vを満たす整数である。
R1 および(または)R2 が置換されたものである場合、その置換基としては、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、ハロゲンが好ましい。
【0012】
R1 およびR2 の具体例としては、(イ)炭化水素基、例えば(i)炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜10、のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等、(ii)炭素数6〜30、好ましくは炭素数6〜20、のアリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、o−トリル基、m−トリル基等、(ロ)上記炭化水素のハロ置換体、例えばフルオロメチル基、フルオロエチル基、フルオロフェニル基、クロロメチル基、クロロエチル基、クロロフェニル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、ブロモフェニル基、ヨードメチル基、ヨードエチル基、ヨードフェニル基等、(ハ)炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜10、のケイ素含有炭化水素基、例えばトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基等、(ニ)炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜12、のリン含有炭化水素基、例えばジメチルフォスフィノ基、ジエチルフォスフィノ基、ジフェニルフォスフィノ基等、(ホ)炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜10、の窒素含有炭化水素基、例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等、(ヘ)炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20、の酸素含有炭化水素基、例えば(i)アルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基等、(ii) アリールオキシ基、例えばフェノキシ、メチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、p−トリルオキシ基、m−トリルオキシ基、o−トリルオキシ基等が挙げられる。
【0013】
これらのうちで特に好ましいものは、炭素数1〜4のアルキル基、就中メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等、アルキル(好ましくは炭素数1〜4のもの)置換のケイ素含有基、就中トリメチルシリル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、就中メトキシ基、アリールオキシ基、就中フェノキシ基等である。
【0014】
また、2つのシクロペンタジエニル(Cp)基は、架橋基を介して互いに結合してもよい。そのような架橋基の具体例としては、(イ)炭素数1〜30、好ましくは1〜20、のアルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、(ロ)炭素数1〜20のアルキリデン基、例えばエチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、フェニルメチリデン基、ジフェニルメチリデン基、(ハ)炭素数1〜20のケイ素含有架橋基、例えばジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジプロピルシリレン基、ジイソプロピルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルエチルシリレン基、メチルフェニルシリレン基、メチルイソプロピルシリレン基、メチル−t−ブチルシリレン基、(ニ)炭素数1〜20のゲルマニウム含有架橋基、例えばジメチルゲルミレン基、ジエチルゲルミレン基、ジプロピルゲルミレン基、ジイソプロピルゲルミレン基、ジフェニルゲルミレン基、メチルエチルゲルミレン基、メチルフェニルゲルミレン基、メチルイソプロピルゲルミレン基、メチル−t−ブチルゲルミレン基等、(ホ)窒素含有基、例えばアミノ基等、(ヘ)ホウ素含有基、例えばホスフィニル基等があげられる。
【0015】
同一のシクロペンタジエニル(Cp)基に複数のR1 が存在する場合、あるいは複数のR2 が存在する場合には、R1 どうし、またはR2 どうしがそのω−端で互いに結合して環を形成してもよい。具体的には、インデニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基、オクタヒドロフルオレニル基等が好ましくあげられ、これらは置換されていてもよい。この場合の置換基としては、例えばメチル基、エチル基およびインデニル基が好ましい。
【0016】
R3 は、炭素数1から20の置換されていてもよい炭化水素基、水素、ハロゲン、ケイ素含有置換基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、またはチオアルコキシ基である。具体的には、(イ)アルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等、(ロ)アリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、o−トリル基、m−トリル基等、(ハ)ハロ置換炭化水素、例えばフルオロメチル基、フルオロエチル基、フルオロフェニル基、クロロメチル基、クロロエチル基、クロロフェニル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、ブロモフェニル基、ヨードメチル基、ヨードエチル基、ヨードフェニル基等、(ニ)ハロゲン、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等、(ホ)ケイ素含有基、例えばトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基等、(ヘ)アルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基等、(ト)アリールオキシ基、例えばフェノキシ、メチルフェノキシ、ペンタメチルフェノキシ基、p−トリルオキシ基、m−トリルオキシ基、o−トリルオキシ基等、(チ)アミド基、例えばジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジプロピルアミド基、ジイソプロピルアミド基、エチル−t−ブチルアミド基、ビス(トリメチルシリル)アミド基等、(リ)チオアルコキシ基、例えばメチルチオアルコキシ基、エチルチオアルコキシ基、プロピルチオアルコキシ基、ブチルチオアルコキシ基、t−ブチルチオアルコキシ基、フェニルチオアルコキシ基等、および(ヌ)水素があげられる。これらのうちで好ましいものは、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、フェニル基、塩素等のハロゲン、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ジメチルアミド基、メチルチオアルコキシ基があげられ、水素、メチル基および塩素が特に好ましい。
【0017】
また、このR3 は、R1 もしくはR2 もしくはCpと結合していてもよく、このような配位子の具体例として、CpH4 (CH2 )n O−(1≦n≦5)、CpMe4 (CH2 )n O−(1≦n≦5)、CpH4 (Me2 Si)(t−Bu)N−、CpMe4 (Me2 Si)(t−Bu)N−等(Cpはシクロペンタジエニル基、Meはメチル、Buはブチル基を示す)があげられる。
さらに、R3 が複数存在する場合には、このうちの2つが相互に結合して二座配位子を形成してもよい。このようなR3 の具体例としては、−OCH2 O−、−OCH2 CH2 O−、−O(o−C6 H4 )O−等があげられる。
【0018】
Mは、周期律表第3、4、5または6族の遷移金属原子であり、具体的には、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、アクチニウム、トリウム、プロトアクチニウム、ウラン、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステンがあげられる。これらのうち、4族のチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムが好ましく用いられる。また、これらは混合して用いてもよい。
【0019】
Lは、電気的に中性な配位子を、mはその個数で0以上の整数を示し、具体的にはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、アセトニトリルのようなニトリル類、ジメチルホルムアミドのようなアミド類、トリメチルホスフィンのようなホスフィン類、トリメチルアミンのようなアミン類をあげることができる。好ましくはテトラヒドロフラン、トリメチルホスフィン、トリメチルアミンである。
【0020】
[R4 ]n-は、カチオンを中和する1個または2個以上のアニオンであり、具体的には、テトラフェニルボレート、テトラ(p−トリル)ボレート、カルバドデカボレート、ジカルバウンデカボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロフォスフェート等をあげることができる。好ましくは、テトラフェニルボレート、テトラ(p−トリル)ボレート、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロフォスフェートである。
【0021】
上述のメタロセン系遷移金属化合物は、具体的には、ジルコニウムを例にとれば、式[1]に相当するものとしては、
(1)ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(2)ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(3)ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(4)ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(5)ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、
(6)ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、
(7)ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(8)ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(9)ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(10)ビス(エチルテトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(11)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、
(12)ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(13)ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(14)ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(15)ビス(エチルテトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(16)ビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、
(17)ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、
(18)ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、
(19)ビス(エチルテトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、
(20)ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(21)ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、
(22)ビス(トリフルオロメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(23)ビス(トリフルオロメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(24)ビス(トリフルオロメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、
(25)イソプロピリデン−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、
(26)イソプロピリデン−ビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、
(27)イソプロピリデン−ビス(インデニル)ジルコニウム二水素化物、
(28)ペンタメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(29)ペンタメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(30)ペンタメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、
(31)エチルテトラメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、
(32)イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
(33)イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジメチル、
(34)ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジメチル、
(35)イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウム二水素化物、
(36)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(37)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(38)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジエチル、
(39)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジプロピル、
(40)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジフェニル、
(41)メチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(42)エチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(43)メチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(44)エチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(45)メチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、
(46)エチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、
(47)ジメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(48)トリメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(49)テトラメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(50)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(51)テトラメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(52)インデニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(53)ジメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(54)トリメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(55)テトラメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(56)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(57)エチルテトラメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(58)インデニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(59)ジメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、
(60)トリメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、
(61)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、
(62)インデニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、
(63)トリメチルシリルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(64)トリメチルシリルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、
(65)トリフルオロメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(66)トリフルオロメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(67)トリフルオロメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、
(68)ビス(シクロペンタジエニル)(トリメチルシリル)(メチル)ジルコニウム、
(69)ビス(シクロペンタジエニル)(トリフェニルシリル)(メチル)ジルコニウム、
(70)ビス(シクロペンタジエニル)[トリス(トリメチルシリル)シリル](メチル)ジルコニウム、
(71)ビス(シクロペンタジエニル)[ビス(メチルシリル)シリル](メチル)ジルコニウム、
(72)ビス(シクロペンタジエニル)(トリメチルシリル)(トリメチルシリルメチル)ジルコニウム、
(73)ビス(シクロペンタジエニル)(トリメチルシリル)(ベンジル)ジルコニウム、
(74)メチレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(75)エチレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(76)イソプロピリデン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(77)ジメチルシリル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(78)メチレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(79)エチレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(80)イソプロピリデン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(81)ジメチリシリル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(82)メチレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、
(83)エチレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、
(84)イソプロピリデン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、
(85)ジメチリシリル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、
(86)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、
(87)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(p−トルエンスルホナト)、
(88)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
(89)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムトリフルオロメタンスルホナトクロライド、
(90)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(ベンゼンスルホナト)、
(91)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(ペンタフルオロベンゼンスルホナト)、
(92)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムベンゼンスルホナトクロライド、
(93)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(エトキシ)トリフルオロメタンスルホナト、
(94)ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
(95)ビス(インデニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
(96)エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
(97)イソプロピリデン−ビス(インデニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
(98)(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランジベンジルジルコニウム(第3級ブチルアミド)ジメチル(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランジベンジルジルコニウム、
(99)インデニルジルコニウムトリス(ジメチルアミド)、
(100)インデニルジルコニウムトリス(ジエチルアミド)、
(101)インデニルジルコニウムトリス(ジ−n−プロピルアミド)、
(102)シクロペンタジエニルジルコニウムトリス(ジメチルアミド)、
(103)メチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリス(ジメチルアミド)、
(104)(第3級ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライド、
(105)(メチルアミド)−(テトラメチルシクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライド、
(106)(エチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)メチレンジルコニウムジクロライド、
(107)(第3級ブチルアミド)ジメチル−(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、
(108)(ベンジルアミド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、
(109)(フィニルホスフィド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル、
(110)(フェニルアミド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、
(111)(2−メトキシフェニルアミド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、
(112)(4−フルオロフェニルアミド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、
(113)((2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)アミドジルコニウムジクロライド、
等がある。
【0022】
(114)ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(115)ビス(1−エチル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(116)ビス(1−n−プロピル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(117)ビス(1−i−プロピル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(118)ビス(1−n−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(119)ビス(1−i−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(120)ビス(1−シクロヘキシル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(121)ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(122)ビス(1−エチル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(123)ビス(1−n−プロピル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(124)ビス(1−n−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(125)ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(ジエチルアミド)、
(126)ビス(1−エチル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(ジエチルアミド)、
(127)ビス(1−n−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(ジエチルアミド)、
【0023】
また、一般式[2]に相当するものとしては、
(1)ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(2)ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(3)ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(4)ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(5)ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(6)ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(7)ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(8)ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(9)ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(10)ビス(エチルテトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(11)ビス(インデニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(12)ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(13)ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(14)ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(15)ビス(エチルテトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(16)ビス(インデニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(17)ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(18)ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(19)ビス(エチルテトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(20)ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(21)ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(22)ビス(トリフルオロメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(23)ビス(トリフルオロメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(24)イソプロピリデン−ビス(インデニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(25)イソプロピリデン−ビス(インデニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(26)イソプロピリデン−ビス(インデニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(27)ペンタメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(28)エチルテトラメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(29)ペンタメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(30)エチルテトラメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(31)ペンタメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(32)エチルテトラメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(33)イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(34)イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(35)イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(36)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(37)ビス(シクロペンタジエニル)(メチル)ジルコニウム(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(38)ビス(シクロペンタジエニル)(エチル)ジルコニウム(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(39)ビス(シクロペンタジエニル)(プロピル)ジルコニウム(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(40)ビス(シクロペンタジエニル)(フェニル)ジルコニウム(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(41)メチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(42)エチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(43)ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(44)メチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(45)エチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(46)メチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(47)エチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(48)ジメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(49)トリメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(50)テトラメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(51)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(52)インデニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(53)ジメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(54)トリメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(55)テトラメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(56)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(57)シクロペンタジエニル(インデニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(58)ジメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(59)トリメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(60)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(61)インデニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(62)トリメチルシリルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(63)トリメチルシリルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(64)トリフルオロメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(65)ビス(シクロペンタジエニル)(トリメチルシリル)ジルコニウム(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(66)ビス(シクロペンタジエニル)(トリフェニルシリル)ジルコニウム(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(67)ビス(シクロペンタジエニル)[トリス(トリメチルシリル)シリル]ジルコニウム(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(68)ビス(シクロペンタジエニル)(トリメチルシリルメチル)ジルコニウム(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(69)ビス(シクロペンタジエニル)(ベンジル)ジルコニウム(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(70)メチレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(71)エチレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(72)イソプロピリデン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(73)ジメチルシリル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(74)メチレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(75)エチレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(76)イソプロピリデン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(77)ジメチルシリル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(78)メチレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(79)エチレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(80)イソプロピリデン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(81)ジメチルシリル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(82)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(メタンスルホナト)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(83)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(p−トルエンスルホナト)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(84)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(トリフルオロメタンスルホナト)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(85)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ベンゼンスルホナト)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(86)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ペンタフルオロベンゼンスルホナト)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(87)ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(トリフルオロメタンスルホナト)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(88)ビス(インデニル)ジルコニウム(トリフルオロメタンスルホナト)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(89)エチレンビス(インデニル)ジルコニウム(トリフルオロメタンスルホナト)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(90)イソプロピリデン−ビス(インデニル)ジルコニウム(トリフルオロメタンスルホナト)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
等がある。
【0024】
また、チタニウム化合物、ハフニウム化合物等の他の第3、4、5、6族金属化合物についても、上記と同様の化合物が挙げられる。更にこれらの化合物の混合物を用いてもよい。
<成分(B)>
層状珪酸塩粒子
<一般的説明>
本発明による成分(B)層状珪酸塩粒子は、スメクタイト族の層状珪酸塩および雲母族の層状珪酸塩からなる混合物であって、このスメクタイト族の層状珪酸塩を0.1〜50重量%含有するものである。ここで、[からなる]とは、スメクタイト族の層状珪酸塩および雲母族の層状珪酸塩のみからなるもの、即ち、スメクタイト族の層状珪酸塩0.1〜50重量%と雲母族の層状珪酸塩50〜99.9重量%のものの外に、これらのスメクタイト族の層状珪酸塩および雲母族の層状珪酸塩以外の合目的的もしくは不可避的に存在することになる成分を少量、例えば上記両族の層状珪酸塩の0.1〜30重量%程度、含むものをも意味する。
【0025】
そして、本発明による層状珪酸塩粒子は、上記に加えて、下記の特定の条件(イ)〜(ハ)を同時に充足することも好ましい。
条件(イ):平均粒径が20μm以上、1000μm以下であり、かつ粒径10μm以下の粒子の数が全粒子数の20%以下であること、
条件(ロ):微小圧縮試験器で測定した粒子の圧壊強度が0.5MPa以上であること、
条件(ハ):粒子の嵩密度が0.6g/cm3 以上であること。
【0026】
ここで、条件(イ)とは、本発明による層状珪酸塩粒子の平均粒径および粒径が10μm以下の存在比率に関するものであって、具体的には、平均粒径が20μm以上1000μm以下であり、かつ10μm以下の粒子の数が全粒子の20%以下であること、というものである。本発明では、平均粒径が20μm以上50μm以下、特に20μm以上100μm以下、のものが好ましく、粒径10μm以下の粒子が全粒子の15%以下、特に10%未満、であるものが好ましい。従って、条件(イ)は、平均粒径および粒子径10μm未満の粒子の存在量に関する上記の好ましい条件の両方を満たすものが本発明では好ましい。
【0027】
ここで、粒子の測定は、具体的には(株)セイシン企業社のレーザー回折法による粒度分布測定装置(「LMS−24」、光源:半導体レーザー(波長670nm))を用いて行ったときのものである。測定は、エタノールを分散媒として用い、屈折率1.33、形状係数1.0として粒径分布および平均粒径を算出した。
【0028】
条件(ロ)は、本発明による層状珪酸塩粒子の強度に関するものであって、具体的には微小圧縮試験器で測定した粒子の圧壊強度が0.5MPa以上であること、というものである。本発明で好ましい条件(ロ)は、圧壊強度が1.0MPa以上であること、というものである。上限は40MPa程度である。
ここで、圧壊強度は、具体的には、島津製作所社製微小圧縮試験器「MCTM−500」を用いて、任意の10個以上の粒子の圧縮強度を測定し、その平均値を圧壊強度として求めたときのものである。
【0029】
条件(ハ)は、本発明による層状珪酸塩粒子の嵩密度に関するものであって、具体的にはその値が0.6g/cm3 以上、好ましくは0.7g/cm3 以上、であること、というものである。上限は1.5g/cm3 程度である。
<スメクタイト族の層状珪酸塩>
本発明による層状珪酸塩粒子を得るために用いられるスメクタイト族の層状珪酸塩とは、2:1型層構造をもつ層状珪酸塩のうち、スメクタイト族に属する層状珪酸塩をいうものである。代表的なものとしては、一般にはモンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ノントロナイト、ヘクトライト、ソーコナイト等がある。本発明では、天然品または合成品いずれも使用可能である。「クニピア」、「スメクトン」(いずれもクニミネ工業社製)、「モンモリロナイトK10」(アルドリッチ社製、ジュートヘミー社製)、「K−Catalystsシリーズ」(ジュートヘミー社製)等の市販品を利用することもできる。本発明の実施にあたっては、これらを単独で用いても、2種以上を任意に混合して用いることもできる。
【0030】
このようなスメクタイト族の層状珪酸塩は、必要に応じて、粉砕処理することができる。目的とする本発明による層状珪酸塩粒子を、例えばスラリー状態を経て製造する方法(詳細後記)によって得る場合には、このような粉砕処理に付することによってスメクタイト族の層状珪酸塩をスラリー分散媒に高分散させることができる。よって、上記の方法によって製造する場合には、スメクタイト族の層状珪酸塩は粉砕処理に付すことが好ましい。この際の粉砕方法は特に限定されるものではないが、高速の気流による粒子同士の衝突あるいは粒子と粉砕装置壁との衝突により粉砕する方法は、工業的規模で容易に実施可能な方法の一つである。使用可能な具体的な装置としては、ジェットミルおよびシングルトラックミル等が挙げられる。粉砕後の粒子の大きさは、好ましくは0.01〜50μm、特に好ましくは0.01〜30μm、である。なお、粉砕処理後のこのスメクタイト族の層状珪酸塩粒子の直径および粒径分布は、それを本発明による層状珪酸塩粒子としたときには、上記の条件(イ)を満たすものであることは言うまでもない。
【0031】
<雲母族の層状珪酸塩>
本発明による層状珪酸塩粒子を得るために用いられる雲母族の層状珪酸塩とは、2:1型層構造をもつ雲母族に属する層状珪酸塩をいうものである。代表的なものとしては、白雲母、パラゴナイト、金雲母、黒雲母、レピドライト等がある。本発明では、天然品または合成品いずれも使用可能である。市販品の「合成雲母ソマシフ」(コープケミカル社製)、「フッ素金雲母」、「フッ素四ケイ素雲母」、「テニオライト」(いずれもトピー工業社製)等は、本発明において特に好ましいものの代表例である。本発明では、これらを単独で用いることも、2種以上を混合して用いることもできる。
【0032】
<具体的説明>
本発明による層状珪酸塩粒子は、上記の雲母族の層状珪酸塩とスメクタイト族の層状珪酸塩からなる混合物である。スメクタイト族層状珪酸塩の含量は、0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、である。スメクタイト族層状珪酸塩の含量がこの範囲より少なすぎると圧壊強度又は嵩密度が低下するという問題が、また逆に多すぎると噴霧造粒法により層状珪酸塩粒子を製造する際、水スラリーの粘度が高過ぎノズルの目詰まり等を起こし、逆に適当なスラリー粘度にするため濃度を下げると平均粒径が小さくなり、条件(イ)を満たさなくなるという問題が生じる。
【0033】
また、本発明では、スメクタイト族の層状珪酸塩および雲母族の層状珪酸塩の両者とも、イオン交換性(ないし膨潤性)であることが好ましい。ここで、「イオン交換性」とは、層状珪酸塩の層間陽イオンが交換可能なことを意味する。また、「膨潤性」とは、層状珪酸塩が水と共存するとその層間域に水分子を取り込んで底面間隔が拡大することを意味する。底面間隔拡大の割合は、少なくとも1.2倍、好ましくは1.5倍、以上である。また「層状」というのは層構造を有することを意味する。
【0034】
一般に、天然品は、非イオン交換性(非膨潤性)であることが多く、その場合は、好ましいイオン交換性(ないし膨潤性)を有するものとするために、イオン交換性(ないし膨潤性)を付与するための処理を行うことが好ましい。そのような処理のうちで特に好ましいものとしては、次のような化学処理があげられる。
すなわち、これらの両珪酸塩は、化学処理を施したものであることが好ましい。ここで、化学処理とは、表面に付着している不純物を除去する表面処理と、層状珪酸塩の結晶構造、化学組成に影響を与える処理のいずれをも用いることができる。具体的には、(イ)酸処理、(ロ)アルカリ処理、(ハ)塩類処理、(ニ)有機物処理等が挙げられる。これらの処理は、表面の不純物を取り除く、層間の陽イオンを交換する、結晶構造のAl、Si、Mg等の陽イオンを溶出させ、その結果、イオン複合体、分子複合体、有機複合体等を形成し、表面積や層間距離、固体酸性度等をかえることができる。これらの処理は単独で行ってもよいし、2つ以上の処理を組み合わせてもよい。なお、この「化学処理」の結果として、両珪酸塩の一方または両方のイオン交換性(ないし膨潤性)の付与あるいは向上が見られる場合、この「化学処理」は、前記の「イオン交換性(ないし膨潤性)を付与するための処理」と捉えることもできる。これらの化学処理は、スメクタイト族層状珪酸塩および雲母族層状珪酸塩に対して、両者の混合前にどちらか一方にまたは両方に行ってもよいし、混合の後に両者に対して同時に行ってもよい。
【0035】
化学処理に用いられる(イ)酸としては、合目的的な無機酸あるいは有機酸、好ましくは、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等が挙げられ、(ロ)アルカリとしては、NaOH、KOH、NH3 が挙げられる。(ハ)塩類としては、2族から14族原子からなる群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、ハロゲン原子または無機酸もしくは有機酸由来の陰イオンからなる群より選ばれた少なくとも一種の陰イオン、とからなる化合物が好ましい。更に好ましいものは、Al、Mg、Ti、Zr、Hf、Cr、Zn、Sn、Cu、Ni、Fe、NbまたはTa由来のイオンを陽イオンとするもの、Cl、SO4 、NO3 、OH、C2 H4 およびPO4 由来のイオンを陰イオンとするもの、である。(ニ)有機物としては、アルコール(炭素数1〜4の脂肪族アルコール、好ましくは例えばメタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、炭素数6〜8の芳香族アルコール、好ましくは例えばフェノール)、高級炭化水素(炭素数5〜10、好ましくは5〜8、のもの、好ましくは例えばヘキサン、ヘプタン等が挙げられる。また、ホルムアミド、ヒドラジン、ジメチルスルホキシド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアニリン等が好ましくあげられる。ここで、原子の周期律は、1989年にIUPACにより推奨された18族方式に基づくものである。
【0036】
層状珪酸塩粒子が、上記の条件(イ)〜(ハ)を同時に充足していない場合、あるいは同時に充足しているときであってもより好ましいものとするために、本発明では、例えば、造粒、分粒、分別等によって粒子の性状を制御することができる。その方法は合目的的な任意のものでありうる。特に、造粒法について示せば、例えば噴霧造粒法、転動造粒法、圧縮造粒法、撹拌造粒法、ブリケッティング法、コンパクティング法、押し出し造粒法、流動層造粒法、乳化造粒法および液中造粒法等が挙げられる。特に好ましい造粒法は、上記のうち、噴霧造粒法、転動造粒法および圧縮造粒法である。
【0037】
このような粒子性状の制御を行なう場合には、スメクタイト族の層状珪酸塩粒子と雲母族の層状珪酸塩からなる混合物を、その制御方法に適するような形態にあらかじめしておくことが出来る。例えば粒子性状の制御の方法として噴霧造粒法を採用する場合には、前記混合物を分散媒に分散させてスラリー状としておくことができ、かつ好ましい。
【0038】
噴霧造粒で用いられる分散媒としては、水あるいは有機物、(例えばメタノール、エタノール、クロロホルム、塩化メチレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン)の単独または混合溶液が好ましい。これらの中で特に好ましいものは水である。スラリー濃度は5〜70重量%、好ましくは10〜50重量%、更に好ましくは20〜40重量%、である。最適なスラリー濃度は、スラリー粘度を考慮して適宜選ばれる。具体的には6000cps以下、好ましくは10〜5000cps、特に好ましくは1000〜3000cps、である。
【0039】
本発明において、スラリー粘度とは、B型粘度計で温度30℃、6rpmで測定した値を示す。この粘度が6000cps超過であると噴霧ノズルへの液の送りが難しく、また、ノズルの目詰まり等が生じる傾向があり、逆に粘度を下げるためにスラリー濃度を下げると粒子形の小さな造粒品しか得られない傾向がある。造粒粒子の粒子径は噴霧速度にもよるが、スラリー濃度が5%未満では10μm以上の粒子を得ることは難しい。噴霧に際しては、ディスクタイプや加圧ノズル式、2流体ノズル式などの一般的な噴霧乾燥方法が適用できる。いずれの場合も噴霧時の熱風の入口温度は150℃から300℃程度の広い温度範囲で設定できる。また、排気温度はノズルからの噴霧流量などによって規定されるが、おおむね100℃前後がよい。
【0040】
したがって、本発明による層状珪酸塩粒子の代表的かつ簡便で経済的な製造法の一つとしては、雲母族の層状珪酸塩およびスメクタイト族の層状珪酸塩の混合粉体を、イオン交換処理に付し、得られたイオン交換体を分散媒に分散させてスラリーとし、次いで、このスラリーを噴霧造粒処理に付すことからなる方法を挙げることができる。この場合、スメクタイト族層状珪酸塩の含量は、0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜40重量%、特に好ましくは1〜30重量%添加、混合することが望ましい。
【0041】
また、他の代表的かつ簡便で経済的な構造法としては、イオン交換処理に付した雲母族の層状珪酸塩を分散媒に分散させてスラリーとし、ここにイオン交換処理を行わないスメクタイト族の層状珪酸塩のスラリーを添加、混合したスラリーを噴霧造粒処理に付す方法が挙げられる。
成分(A)メタロセン系遷移金属化合物、および成分(B)層状珪酸塩粒子との組合わせ物は、そのままでもオレフィンの重合活性を示すものであることが普通であるが、場合により、有機アルミニウム化合物をさらに組合わせることによって、より好適なオレフィン重合用触媒とすることができる。従って、本発明は、また、このようなメタロセン系遷移金属化合物および有機アルミニウム化合物と前記の層状珪酸塩粒子とを組み合わせてなるオレフィン重合用触媒をも包含するものである。ここで、「組み合わせてなる」とは、上記の三成分以外の合目的的な他の成分との組み合わせ物をも包含する。
【0042】
<有機アルミニウム化合物>
本発明において用いられる有機アルミニウム化合物は、重合系に存在する水分等による触媒活性の低下を抑制し、この添加により触媒活性の向上にも寄与しているものと思われる。したがって、有機アルミニウム化合物の添加は望まし態様の一つである。
本発明において用いられる有機アルミニウム化合物の例は、
【化2】
AlR6 j X3-j
【0043】
(式中、R6 は炭素数1〜20、好ましくは1〜10、の炭化水素基を示し、Xは水素、ハロゲンまたはアルコキシ基を示す、jは0<j≦3の数)で示されるものである。特にトリアルキルアルミニウム、例えばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等、ハロゲンもしくはアルコキシ含有アルキルアルミニウム、例えばジエチルアルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムメトキシド等、が好ましい。またこの他、メチルアルミノキサン等のアルミノキサン等も使用できる。これらのうちでも特にトリアルキルアルミニウムが好ましい。
【0044】
前記の層状珪酸塩粒子およびメタロセン系遷移金属化合物および有機アルミニウム化合物等の各触媒成分の接触方法は特に限定されない。また、この触媒各成分の接触に際し、前記以外の触媒成分、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体、シリカ、アルミナ等の無機酸化物の固体を共存させ、あるいは接触させることもできる。
【0045】
接触は、窒素ガス等の不活性ガス中、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素溶媒中で行うことができる。接触温度は、−20℃から溶媒の沸点の間、特に室温から溶媒の沸点の間、で行うのが好ましい。触媒成分の使用量は、触媒担体1g当たり、メタロセン系化合物成分が0.0001〜10mmol、好ましくは0.001〜1mmolであり、必要に応じて使用される有機アルミニウム成分が使用されるときは、その使用量は10000mmol以下、好ましくは0.0001〜100mmol、である。また、配合量をメタロセン系化合物中の遷移金属と有機アルミニウム中のアルミニウムの原子比で示すと、1:1,000,000以下、好ましくは1:0.1〜10000、である。
【0046】
このようにして得られた触媒は、洗浄せずに用いてもよく、また洗浄した後に用いてもよい。
このようにしてなる本発明によるオレフィン重合用触媒は、それに炭素数2〜20、好ましくは2〜10、のオレフィンを少量接触させることからなる予備重合工程に付したもの(予備重合処理済触媒)としてオレフィンの重合に使用することができる。予備重合工程におけるオレフィンとしては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレン等がある。
【0047】
この予備重合工程では、必要に応じて、有機アルミニウム成分化合物(好ましくは前記したもの)を組み合わせて用いることができる。この際に用いられる有機アルミニウム成分の量は、メタロセン系化合物中の遷移金属に対する有機アルミニウム化合物中のアルミニウム原子比で1:0〜10000になるように選ばれる。
この予備重合は、不活性溶媒中で緩和な条件で行うことが好ましく、固体触媒1g当たり、0.01〜1000g、好ましくは0.1〜100g、の重合体が生成するように行うことが望ましい。予備重合処理済触媒は、必要に応じて、洗浄することができる。
【0048】
<オレフィン重合用触媒の使用/オレフィンの重合>
上記の本発明による層状珪酸塩粒子とメタロセン系遷移金属化合物と(および必要に応じてさらに有機アルミニウム化合物)を組合わせてなる触媒、あるいは必要に応じて他の適当な処理(例えば予備重合処理あるいは洗浄処理)を経て得られた本発明によるオレフィン重合用触媒は、炭素数2〜20、好ましくは2〜10、のα−オレフィン、あるいはこれと共重合可能な他の単量体と接触させることによって、上記単量体を重合(単独重合および共重合(ランダムおよびブロック、重合法によってはランダム共重合)を含む)させることができる。
【0049】
重合に用いられるオレフィンの特に好ましい具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロアルカン、スチレンあるいはこれらの誘導体等がある。
重合反応は、ブタン、ペンテン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、シクロヘキサン等の不活性炭化水素や液化α−オレフィン等の溶媒存在下、あるいは不存在下に行われる。温度は、−50℃〜250℃好ましくは0〜200℃であり、圧力は特に制限されないが、好ましくは常圧〜2000kg/cm2 の範囲である。
また、重合系内に分子量調節剤として水素を存在させることもできる。
【0050】
【実施例】
次に実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限りこれら実施例によって制約を受けるものではない。実施例および比較例においてメルト・フロー・インデックス(以下「MFR」という)はJIS−6758にもとづき、温度が190℃、荷重2.16kgの条件で測定した。
<実施例1>
(1)層状珪酸塩粒子の製造
市販の膨潤性合成雲母(ソマシフME−100、コープケミカル社製、平均粒径7μm)400gと市販の親水性スメクタイト(SWN、コープケミカル社製、平均粒径5μm)100gとを混合し、これを2.0wt%硝酸クロム水溶液2.8リットル中に分散させ、常温で2時間撹拌した。これを脱塩水にて濾過・洗浄した。得られた固体部に水を添加し、20.0wt%水スラリーに調製し、噴霧乾燥処理を行った。この結果、平均粒径54μmの粒子が450g得られた。粒径10μm以下の粒子の数は全粒子の4%であり、圧壊強度は2.0MPa、嵩密度は0.75g/ccであった。
【0051】
(2)オレフィン重合用触媒の調製
得られた層状珪酸塩粒子を50gをフラスコに入れ、減圧下(1〜2mmHg)200℃で2時間減圧加熱乾燥を行った。
加熱乾燥体を、窒素雰囲気下で、内容積200mlフラスコに2.0g取り、そこにトルエン62ml入れ撹拌した。あらかじめ調製しておいたビス(ノルマルブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液(20μmol/ml)を8ml添加し、室温で10分間撹拌し、オレフィン重合用触媒を得た。
【0052】
(3)エチレン重合
窒素置換した1リットルのオートクレーブにヘプタン500ml、トリエチルアルミニウム0.5mmolを順次仕込み、65℃に昇温した。エチレンを導入して7kg/cm2 に保ち、(1)で得られた触媒を80mg仕込み重合を開始した。90分間重合を続けた。気相中のガスをパージして重合を停止させた。得られたエチレン重合体は30gであり、ふるいによる粒径測定の結果、平均粒径は680μm、105μm以下の微粉は0.5%、嵩密度は0.35g/ccであった。
【0053】
<比較例1>
(1)層状珪酸塩粒子の製造
市販の膨潤性合成雲母(ソマシフME−100、コープケミカル社製、平均粒径7μm)500gを2.0wt%硝酸クロム水溶液2.5リットル中に分散させ、常温で2時間撹拌した。これを脱塩水にて濾過・洗浄した。得られた固体部に水を添加し、20.0wt%水スラリーに調製し、噴霧乾燥処理を行った。この結果、平均粒径60μmの粒子が400g得られた。粒径10μm以下の粒子の数は全粒子の10%であり、圧壊強度は0.1MPa、嵩密度は0.55g/ccであった。
【0054】
(2)オレフィン重合用触媒およびエチレン重合
上記で得られた層状珪酸塩粒子を用いる以外は、実施例1と同様の方法で触媒を製造し、その触媒を用いて実施例1と同様にしてエチレン重合を行った。その結果、得られたエチレン重合体は30gであり、嵩密度は0.14g/cc、平均粒径は750μm、105μm以下の微粉は15%であった。
【0055】
<実施例2>
(1)層状珪酸塩粒子の製造
市販の膨潤性合成雲母(ソマシフME−100、コープケミカル社製、平均粒径7μm)250gと市販の親水性スメクタイト(SWN、コープケミカル社製、平均粒径5μm)250gとを混合し、これを4.0wt%硝酸クロム水溶液3.0リットル中に分散させ、常温で2時間撹拌した。これを脱塩水にて濾過・洗浄した。得られた固体部に水を添加し、20.0wt%水スラリーに調製し、噴霧乾燥処理を行った。この結果、平均粒径60μmの粒子が420g得られた。粒径10μm以下の粒子の数は全粒子の2%であり、圧壊強度は9.4MPa、嵩密度は0.85g/ccであった。
【0056】
(2)オレフィン重合用触媒の製造
上記層状珪酸塩粒子50gを、フラスコに入れ、減圧下(1〜2mmHg)200℃で2時間の減圧加熱乾燥を行った。
加熱処理担体を、窒素雰囲気下で、内容積200mlフラスコに2.0g取り、そこにトルエンを62ml入れ撹拌した。あらかじめ調製しておいたジメチルシリル−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液(20μmol/ml)を8ml添加、室温で10分間撹拌し、オレフィン重合用触媒とした。
【0057】
(3)エチレン−ブテン共重合
窒素置換した1リットルのオートクレーブにヘプタン500ml、1−ブテン30ml、トリエチルアルミニウム0.5mmolを順次仕込み、65℃に昇温した。エチレンを導入して22kg/cm2 Gに保ち、(2)で得られた触媒を30mg仕込み重合を開始した。90分間重合を続けた。気相中のガスをパージして重合を停止させた。得られたエチレン−ブテン共重合体は45gであり、嵩密度は0.34g/cc、平均粒径は860μm、105μm以下の微粉は1.2%であった。また、得られたエチレン−ブテン共重合体は、MFR=2.5、密度0.927g/ccであった。
【0058】
<比較例2>
比較例1(1)の層状珪酸塩粒子を用いる以外は、実施例2と同様にして、触媒の製造およびエチレン−ブテン共重合を行った。その結果、得られたエチレン−ブテン共重合体は40gであり、嵩密度は0.12g/cc、平均粒径は900μm、105μm以下の微粉は23%であり、微粉が反応器壁に付着した。得られた重合体は、MFR=1.5、密度0.921g/ccであった。
【0059】
<実施例3>
(1)層状珪酸塩粒子の製造
市販の膨潤性合成雲母(ソマシフME−100、コープケミカル社製、平均粒径7μm)350gと市販の親水性スメクタイト(SWN、コープケミカル社製、平均粒径5μm)150gとを混合し、これを3.0wt%硫酸4.0リットル中に分散させ、常温で2時間撹拌した。これを脱塩水にて濾過・洗浄した。得られた固体部に水を添加し、15.0wt%水スラリーに調製し、噴霧乾燥処理を行った。この結果、平均粒径40μmの粒子が410g得られた。粒径10μm以下の粒子の数は全粒子の3%であり、圧壊強度は2.7MPa、嵩密度は0.76g/ccであった。
【0060】
(2)オレフィン重合用触媒の製造
上記層状珪酸塩粒子50gを、フラスコに入れ、減圧下(1〜2mmHg)200℃で2時間の減圧加熱乾燥を行った。
加熱処理担体を、窒素雰囲気下で、内容積200mlフラスコに2.0g取り、そこにトルエンを62ml入れ撹拌した。あらかじめ調製しておいたビス(ノルマルブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液(20μmol/ml)を8ml添加、室温で10分間撹拌し、オレフィン重合用触媒とした。
【0061】
(3)エチレン−ブテン共重合
窒素置換した1リットルのオートクレーブにヘプタン500ml、1−ブテン60ml、トリエチルアルミニウム0.5mmolを順次仕込み、65℃に昇温した。エチレンを導入して22kg/cm2 Gに保ち、(2)で得られた触媒を30mg仕込み重合を開始した。90分間重合を続けた。気相中のガスをパージして重合を停止させた。得られたエチレン−ブテン共重合体は45gであり、嵩密度は0.32g/cc、平均粒径は700μm、105μm以下の微粉は0.8%であった。
【0062】
<比較例3>
(1)層状珪酸塩粒子の製造
市販の膨潤性合成雲母(ソマシフME−100、コープケミカル社製、平均粒径7μm)500gを3.0wt%硫酸4.0リットル中に分散させ、常温で2時間撹拌した。これを脱塩水にて濾過・洗浄した。得られた固体部に水を添加し、15.0wt%水スラリーに調製し、噴霧乾燥処理を行った。この結果、平均粒径60μmの粒子が370g得られた。粒径10μm以下の粒子の数は全粒子の12%であり、圧壊強度は0.5MPa、嵩密度は0.40g/ccであった。
(2)オレフィン重合用触媒およびエチレン−ブテン共重合
上記で得られた層状珪酸塩粒子を用いる以外は、実施例3と同様の方法で触媒を製造し、その触媒を用いて実施例3と同様にしてエチレン重合を行った。その結果、得られたエチレン重合体は30gであり、嵩密度は0.22g/cc、平均粒径は900μm、105μm以下の微粉は4.2%であった。
【0063】
<実施例4>
(1)層状珪酸塩粒子の製造
市販の膨潤性合成雲母(Na−テニオライト、トピー工業社製、平均粒径10μm)200gを4.0wt%硝酸クロム水溶液1.0リットル中に分散させ、常温で2時間撹拌した。これを脱塩水にて濾過・洗浄した。得られた固体部に水を添加し、30.0wt%水スラリーに調製した。そのスラリーに市販の親水性スメクタイト(SWN、コープケミカル社製、平均粒径12μm)の1.5wt%水スラリーを400ml添加し、噴霧乾燥処理を行った。このとき親水性スメクタイトの含量は3wt%であった。この結果、平均粒径65μmの粒子が150g得られた。粒径10μm以下の粒子の数は0%であり、圧壊強度は3.5MPa、嵩密度は0.88g/ccであった。
【0064】
(2)オレフィン重合用触媒およびエチレン−ブテン共重合
上記層状珪酸塩を用いる以外は、実施例3と同様の方法で触媒を製造し、その触媒を用いて実施例3と同様にしてエチレン−ブテン共重合を行った。その結果、得られたエチレン−ブテン共重合体は28gであり、嵩密度は0.36g/cc、平均粒径は650μm、105μm以下の微粉は0.2%であった。
【0065】
<比較例4>
(1)層状珪酸塩の製造
市販の膨潤性合成雲母(Na−テニオライト、トピー工業社製、平均粒径10μm)200gを4.0wt%硝酸クロム水溶液1.0リットル中に分散させ、常温で2時間撹拌した。これを脱塩水にて濾過・洗浄した。得られた固体部に水を添加し、30.0wt%水スラリーに調製し、噴霧乾燥処理を行った。この結果、平均粒径70μmの粒子が180g得られた。粒径10μm以下の粒子の数は10%であり、圧壊強度は0.2MPa、嵩密度は0.40g/ccであった。
【0066】
(2)オレフィン重合用触媒およびエチレン−ブテン共重合
上記層状珪酸塩粒子を用いる以外は、実施例3と同様にしてオレフィン重合用触媒の製造およびエチレン−ブテン共重合を行った。その結果、得られたエチレン−ブテン共重合体は25gであり、嵩密度は0.22g/cc、平均粒径は820μm、105μm以下の微粉は7.3%であった。
【0067】
<比較例5>
(1)層状珪酸塩粒子の製造
市販の膨潤性合成雲母(Na−テニオライト、トピー工業社製、平均粒径10μm)200gを4.0wt%硝酸クロム水溶液1.0リットル中に分散させ、常温で2時間撹拌した。これを脱塩水にて濾過・洗浄した。得られた固体部に水を添加し、30.0wt%水スラリーに調製した。そのスラリーに市販のシリカゾル(Cataloid−S S−2L、触媒化成工業社製、平均粒径0.02μm、SiO2 20〜21wt%)を300g添加し、噴霧乾燥処理を行った。このときスラリー濃度は27wt%、シリカの含量は23wt%であった。この結果、平均粒径70μmの粒子が180g得られた。粒径10μm以下の粒子の数は10%であり、圧壊強度は0.8MPa、嵩密度は0.57g/ccであった。
【0068】
(2)オレフィン重合用触媒およびエチレン−ブテン共重合
上記層状珪酸塩粒子を用いる以外は、実施例3と同様にしてオレフィン重合用触媒の製造およびエチレン−ブテン共重合を行った。その結果、得られたエチレン−ブテン共重合体は20gであり、嵩密度は0.24g/cc、平均粒径は780μm、105μm以下の微粉は3.2%であった。
【0069】
<比較例6>
(1)層状珪酸塩粒子の製造
市販の膨潤性合成雲母(Na−テニオライト、トピー工業社製、平均粒径10μm)200gを4.0wt%硫酸亜鉛水溶液1.0リットル中に分散させ、常温で2時間撹拌した。これを脱塩水にて濾過・洗浄した。得られた固体部に水を添加し、30.0wt%水スラリーに調製した。そのスラリーに市販のセラミック用バインダー「SMR」(SMR−10M、信越化学工業社製、PVA系バインダー)の5.0wt%水溶液を400g添加し、噴霧乾燥処理を行った。このときバインダー含量は9wt%であった。この結果、平均粒径58μmの粒子が170g得られた。粒径10μm以下の粒子の数は25%であり、圧壊強度は0.6MPa、嵩密度は0.48g/ccであった。
【0070】
(2)オレフィン重合用触媒およびエチレン−ブテン共重合
上記層状珪酸塩粒子を用いる以外は、実施例3と同様にしてオレフィン重合用触媒の製造およびエチレン−ブテン共重合を行った。その結果、得られたエチレン−ブテン共重合体は20gであり、嵩密度は0.19g/cc、平均粒径は710μm、105μm以下の微粉は10%であった。
【0071】
<実施例5>
(1)オレフィン重合用触媒の調製
実施例1(1)で得られた層状珪酸塩粒子を50gをフラスコに入れ、減圧下(1〜2mmHg)200℃で2時間減圧加熱乾燥を行った。
加熱乾燥体を、窒素雰囲気下で、内容積200mlフラスコに2.0g取り、そこにトルエン62ml入れ撹拌した。次いで、トリエチルアルミニウムを12mmol添加し、室温で2時間撹拌した。その後トルエンでデカンテーションにより洗浄した。
あらかじめ調製しておいたジメチルシリル−ビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液(20μmol/ml)を37.5ml添加、さらにトリイソブチルアルミニウムを7.5mmol添加し、室温で30分間撹拌し、オレフィン重合用触媒を得た。
【0072】
(2)プロピレン−バルク重合
窒素置換した1リットルのオートクレーブにプロピレン500ml、トリイソブチルアルミニウム0.5molを順次仕込み、750℃に昇温した。触媒成分を層状珪酸塩粒子あたり15mg仕込み重合を開始した。2時間重合を続けた。エタノールを圧入することで重合を停止させた。得られたプロピレン重合体は32gであり、ふるいによる粒径測定の結果、平均粒径は720μm、105μm以下の微粉は0.5%、嵩密度は0.45g/ccであった。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、粒径の整った、強度が高く、嵩密度が高く、微粉や粗粒が少ない等の粒子性状に優れたオレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の理解を助けるためのフローチャート図。
Claims (11)
- 下記の成分(A)および成分(B)からなるオレフィン重合用触媒。
成分 成分(A)置換されていてもよく置換基が結合して縮合環を形成していてもよい、1個もしくは2個のシクロペンタジエニル環含有配位子と、周期律表の3、4、5または6族の遷移金属とからなる有機金属化合物、あるいはそれらのカチオン型錯体であるメタロセン系遷移金属化合物
成分(B)スメクタイト族層状珪酸塩と雲母族層状珪酸塩とからなり、スメクタイト族の層状珪酸塩を0.1〜50重量%含有する層状珪酸塩粒子。 - 成分(A)が下記一般式[1]もしくは[2]で表わされる請求項1に記載のオレフィン重合用触媒。
(CpR 1 a H 5-a ) p (CpR 2 b H 5-b ) q MR 3 r …[1]
[(CpR 1 a H 5-a ) p (CpR 2 b H 5-b ) q MR 3 r L m ] n+ [R 4 ] n- …[2]
(ここで、CpR 1 a H 5-a およびCpR 2 b H 5-b は、シクロペンタジエニル(Cp)基またはその誘導体、すなわち、シクロペンタジエニルのR 1 またはR 2 置換体を示す。R 1 およびR 2 は、それぞれ、炭素数1から30の置換されていてもよい、炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、または酸素含有炭化水素基であって、各々同一でも異なっていてもよい。
2つのシクロペンタジエニル(Cp)基は、架橋基を介して互いに結合してもよい。同一のシクロペンタジエニル(Cp)基に複数のR 1 が存在する場合、あるいは複数のR 2 が存在する場合には、R 1 どうし、またはR 2 どうしがそのω−端で互いに結合して環を形成してもよい。
R 3 は、炭素数1から20の置換されていてもよい炭化水素基、水素、ハロゲン、ケイ素含有置換基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、またはチオアルコキシ基である。また、このR 3 は、R 1 もしくはR 2 もしくはCpと結合していてもよい。
Mは、周期律表第3、4、5または6族の遷移金属原子であり、Lは、電気的に中性な配位子を、mはその個数で0以上の整数を示し、[R 4 ] n- は、カチオンを中和する1個または2個以上のアニオンである。
aおよびbは、それぞれ0〜5の整数である。また、p、qおよびrは、それぞれMの価数をVとした時に、メタロセン系遷移金属化合物が式[1]の場合には、p+q+r=Vを満たす0または正の整数であり、メタロセン系遷移金属化合物が式[2]の場合には、p+q+r=V−nを満たす0または正の整数である。nは0≦n≦Vを満たす整数である。) - 成分(B)層状珪酸塩粒子が下記条件(イ)〜(ハ)を同時に充足する請求項1または2に記載のオレフィン重合用触媒。
条件(イ):平均粒径が20μm以上、1000μm以下であり、かつ粒径10μm以下の粒子の数が全粒子数の20%以下であること、
条件(ロ):微小圧縮試験器で測定した粒子の圧壊強度が0.5MPa以上であること、条件(ハ):粒子の嵩密度が0.6g/cm3 以上であること。 - 雲母族の層状珪酸塩が、イオン交換性である、請求項1から3いずれかに記載のオレフィン重合用触媒。
- 成分(B)層状珪酸塩粒子が、雲母族層状珪酸塩に含有される交換性陽イオンの30%以上を周期律表の第2族から第14族の陽イオンまたはH+ に交換してなるものである、請求項1から4いずれかに記載のオレフィン重合用触媒。
- 成分(B)層状珪酸塩粒子が、それに含有される交換性陽イオンの30%以上を周期律表の第2族から第14族の陽イオンまたはH+ に交換してなるものである、請求項1から4いずれかに記載のオレフィン重合用触媒。
- スメクタイト族の層状珪酸塩の平均粒径が、0.01μmから50μmである請求項1から5のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒。
- スメクタイト族の層状珪酸塩が、モンモリロナイトである、請求項1から7のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒。
- スメクタイト族の層状珪酸塩が、ヘクトライトである、請求項1から7のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒。
- 請求項1から9に記載のオレフィン重合用触媒に有機アルミニウム化合物を組み合わせてなる、オレフィン重合用触媒。
- 請求項10に記載のオレフィン重合用触媒にオレフィンを接触させて重合させることを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
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