JP5508660B2 - イオン交換性層状珪酸塩粒子とその製造方法、及びこれよりなるオレフィン重合用触媒とこれを用いたオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

イオン交換性層状珪酸塩粒子とその製造方法、及びこれよりなるオレフィン重合用触媒とこれを用いたオレフィン重合体の製造方法 Download PDF

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本発明は、イオン交換性層状珪酸塩粒子とその製造方法、及びこれよりなるオレフィン重合用触媒とこれを用いたオレフィン重合体の製造方法に関する。さらに詳しくは、基本粒子(一次粒子)の大きさを小さくし良好な粒子構造を持つイオン交換性層状珪酸塩粒子とその製造方法、助触媒兼担体であるイオン交換性層状化合物粒子の構造、大きさを制御することにより高活性かつ良好な粒子性状のポリマー粒子を与えるオレフィン重合用触媒とこれを用いた優れた性能を持つオレフィン重合体の製造方法に関する。
粘土又は粘土鉱物をオレフィン重合用触媒成分として利用した触媒の存在下に、オレフィンを重合してオレフィン重合体を製造することは公知である(特許文献1及び特許文献2)。また酸処理もしくは塩類処理を行ったイオン交換性層状化合物を成分として含むオレフィン重合用触媒も知られている(特許文献3〜8)。更に、酸及び塩類の共存下で処理を行ったイオン交換性層状化合物を成分として含むオレフィン重合用触媒も知られている(特許文献9)。
最近ではイオン交換性層状珪酸塩の固体酸としての性質に着目し、強酸点の量を増加させることによる高活性化手法が開発されている(特許文献10)。
またこれらのイオン交換性層状珪酸塩は助触媒としてのみならず、担体としても作用するためその粒子構造の制御は、生成するポリマーのパウダー粒子の形態に大きく影響するため、ポリマーの生産性を左右する重要な要素である。従来はイオン交換性層状珪酸塩の粒子構造の制御方法として、酸処理、塩処理、アルカリ処理、等の化学処理が多く用いられてきた。しかしこれらの技術だけは、必ずしも良好な粒子構造を持つイオン交換性層状珪酸塩の粒子を製造できなかった。
特開平5−295022号公報 特開平5−301917号公報 特開平7−228621号公報 特開平7−309906号公報 特開平7−309907号公報 特開平7−228621号公報 特開平8−127613号公報 特開平10−168109号公報 特開平10−168110号公報 特開2002−053609号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、基本粒子(一次粒子)の大きさを小さくし良好な粒子構造を持つイオン交換性層状珪酸塩粒子とその製造方法、助触媒兼担体であるイオン交換性層状化合物粒子の構造、大きさを制御することにより高活性かつ良好な粒子性状のポリマー粒子を与えるオレフィン重合用触媒とこれを用いた優れた性能を持つオレフィン重合体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、イオン交換性層状珪酸塩(粘土鉱物)の粒子構造を制御する重要な因子が、基本粒子(一次粒子)の端面の量と性質であることを見出し、鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
また本発明者らは、イオン交換性層状珪酸塩の基本粒子の大きさを制御することで、イオン交換性層状珪酸塩を水などの液体にスラリー化したときの粘度を制御できること、このスラリー粘度は、その後の工程でイオン交換性層状珪酸塩スラリーを造粒する場合の造粒粒子構造に大きく影響すること及びこの技術を鋭意検討することによって担体兼助触媒として作用するイオン交換性層状珪酸塩の造粒粒子構造、細孔構造、粒子形状を制御する手法を見出し、これによって良好な性状の重合体パウダー粒子を製造する技術を完成し、本発明を完成するに至った。
さらに本発明者らは、基本粒子を小さくして端面を増加させることは酸点を増加させることにもつながることを見出した。オレフィンの重合には周期律表第3〜12族の遷移金属が必要であるが、酸点がこれを活性化させると考えられている。本発明者らが検討した結果、イオン交換性層状珪酸塩上で酸点となる場所は基本粒子の端面であることが明らかとなった。従って端面を増加させることにより、活性点となる周期律表第3〜12族の遷移金属の活性化を促進させ、高活性の触媒を提供することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、イオン交換性層状珪酸塩を造粒して表面積が40m/g以上である造粒体を製造する第1の造粒工程と、第1の造粒工程で得られた造粒体を基本粒子の比端面積が30m/g以上となるように粉砕してから再度造粒して造粒体を製造する第2の造粒工程と含むことを特徴とするイオン交換性層状珪酸塩粒子の製造方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、第2の造粒工程において、第1の造粒工程で得られた造粒体を基本粒子の粒径が5μm以下となるように粉砕することを特徴とするイオン交換性層状珪酸塩粒子の製造方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1または2の発明において、第1の造粒工程が、イオン交換性層状珪酸塩のスラリーから液体を蒸発させる操作を含むこと特徴とするイオン交換性層状珪酸塩粒子の製造方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第の発明において、前記操作が、噴霧造粒法であること特徴とするイオン交換性層状珪酸塩粒子の製造方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1〜のいずれかの発明において、第2の造粒工程が、噴霧造粒法を含むこと特徴とするイオン交換性層状珪酸塩粒子の製造方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1〜のいずれかの発明において、さらに、化学処理工程を含むことを特徴とするイオン交換性層状珪酸塩粒子の製造方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1〜のいずれかの発明の製造方法により得られることを特徴とするイオン交換性層状珪酸塩粒子が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第の発明において、2MPa以上の圧縮破壊強度を有することを特徴とするイオン交換性層状珪酸塩粒子が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第7または8の発明において、イオン交換性層状珪酸塩が、モンモリロナイトを主成分とするものであることを特徴とするイオン交換性層状珪酸塩粒子が提供される。
また、本発明の第10の発明によれば、下記成分[A]及び成分[B]をオレフィンと接触させてなることを特徴とするオレフィン重合用触媒が提供される。
成分[A]:第7〜9のいずれかの発明のイオン交換性層状珪酸塩粒子
成分[B]:周期律表第族の遷移金属化合物
また、本発明の第11の発明によれば、下記成分[A]、成分[B]及び成分[C]をオレフィンと接触させてなることを特徴とするオレフィン重合用触媒が提供される。
成分[A]:第7〜9のいずれかの発明のイオン交換性層状珪酸塩粒子
成分[B]:周期律表第族の遷移金属化合物
成分[C]:有機アルミニウム化合物
また、本発明の第12の発明によれば、第10または11の発明のオレフィン重合用触媒を用いることを特徴とするオレフィン重合体の製造方法が提供される。
本発明の方法により、基本粒子の大きさを小さくし良好な粒子構造を持つイオン交換性層状珪酸塩粒子を製造することができ、助触媒兼担体であるイオン交換性層状化合物粒子の構造、大きさが制御された、イオン交換性層状化合物粒子を製造することができる。
また、このイオン交換性層状化合物粒子を用いることにより、高活性かつ良好な粒子性状のポリマー粒子を与えるオレフィン重合用触媒を得ることができる。
さらにまた、このオレフィン重合用触媒を用いることにより、高活性にポリマーを製造することができ、しかも得られたポリマーの粒子性状が良好で高嵩密度のパウダーとして得ることができるといった、優れた性能を持つオレフィン重合体を製造することができる。
本発明の、イオン交換性層状珪酸塩粒子とその製造方法、及びこれよりなるオレフィン重合用触媒とこれを用いたオレフィン重合体の製造方法について、以下に、具体的かつ詳細に説明する。
1.イオン交換性層状珪酸塩粒子の製造方法
(1)イオン交換性層状珪酸塩
本発明で用いられるイオン交換性層状珪酸塩とは、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造をとる珪酸塩化合物であり、含有されているイオンが交換可能なものをいう。大部分のイオン交換性層状珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出するが、これらイオン交換性層状珪酸塩は特に、天然産のものに限らず、人工合成物であってもよい。またこれらのイオン交換性層状珪酸塩に後述する化学処理が行われていてもよい。
また本発明においては、化学処理を加える前段階でイオン交換性を有していれば、該処理によって物理的、化学的な性質が変化し、イオン交換性や層構造がなくなった珪酸塩もイオン交換性層状珪酸塩であるとして取り扱う。
イオン交換性層状珪酸塩の具体例としては、例えば、『粘土鉱物学』(白水春雄著、朝倉書店、1995年)等に記載される1:1型構造や2:1型構造をもつ層状珪酸塩が挙げられる。1:1型構造とは、前記「粘土鉱物学」等に記載されているような1層の四面体シートと1層の八面体シートが組み合わさっている1:1層構造の積み重なりを基本とする構造を示し、2:1型構造とは、2層の四面体シートが1層の八面体シートを挟み込んでいる2:1層構造の積み重なりを基本とする構造を示す。
1:1層が主要な構成層であるイオン交換性層状珪酸塩の具体例としては、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、メタハロイサイト、ハロイサイト等のカオリン族珪酸塩、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族珪酸塩等が挙げられる。
2:1層が主要な構成層であるイオン交換性層状珪酸塩の具体例としては、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト等のスメクタイト族珪酸塩、バーミキュライト等のバーミキュライト族珪酸塩、雲母、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母族珪酸塩、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、パイロフィライト、タルク、緑泥石群等が挙げられる。これらは混合層を形成していてもよい。
これらの中では、主成分が2:1型構造を有するイオン交換性層状珪酸塩であるものが好ましい。より好ましくは、主成分がスメクタイト族珪酸塩であり、さらに好ましくは、主成分がモンモリロナイトである。
層間カチオン(イオン交換性層状珪酸塩の層間に含有される陽イオン)の種類としては特に限定されないが、主成分として、リチウム、ナトリウム等の周期律表第1族のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等の周期律表第2族のアルカリ土類金属、あるいは鉄、コバルト、銅、ニッケル、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、イリジウム、白金、金等の遷移金属などが、工業原料として比較的容易に入手可能である点で好ましい。
なお、本発明において「基本粒子」とは、イオン交換性層状珪酸塩の造粒体の一次粒子のことをいう。一次粒子とは固体粒子を、共有結合等で強固に原子同士が結合しており容易に乖離しない単位にまで分解させた場合の最も小さい構成単位である。イオン交換性層状珪酸塩は、日本粘土学会編:粘土ハンドブック第二版に記載のように4面体シート(SiまたはAl原子を4個の酸素原子が囲んだ4面体が4つの頂点のうち3つを隣の4面体と共有し残りの1つの頂点は同じ方向を向いて6角網状に広がったシート)や、8面体シート(Al,Mg,Fe,などの陽イオンを6つのOHまたはOが取り囲んだ8面体が稜を共有して2次元的に広がったシート)が1:1や2:1の比率で結合している層がさらに何層も積層した構造になっている。イオン交換性層状珪酸塩の基本粒子とはこの層1枚のことである。
基本粒子(一次粒子)の粒径や比端面積の値はイオン交換性層状珪酸塩を水膨潤などの方法で基本的な粒子の単位(いわゆる一次粒子)まで解きほぐし、これをAFMで観察することで得られる。上記の粒径や比端面積の値が好ましい範囲外であると得られる重合触媒の活性が高くならないという欠点が生じる。
(2)第1の造粒工程(第1造粒工程)
本発明の効果は、本発明のイオン交換性層状珪酸塩粒子が、原料となるイオン交換性層状珪酸塩を造粒して特定の表面積を持つ造粒体を製造(「第1造粒工程」ともいう。)した後、得られた造粒体を粉砕(「粉砕工程」ともいう。)してから、再度造粒(「第2造粒工程」ともいう。)して得られるものであることにより得られる。
また、本発明のオレフィン重合触媒用触媒は、このイオン交換性層状珪酸塩粒子を用いて製造したものであることを特徴とする。
従って、粉砕前のイオン交換性層状珪酸塩の形態としては造粒体であることが必要であり、この造粒体の表面積が40m/g以上であることが好ましい。表面積はBET3点法で測定した値である。好ましい表面積の範囲は45m/g以上であり、さらに好ましくは50m/g以上、特に好ましくは60m/g以上、いっそう好ましくは65m/g以上、きわめて好ましくは70m/g以上である。
表面積が小さい場合は、造粒体におけるイオン交換性層状珪酸塩の基本の粒子のひずみが小さく、その後の粉砕により基本粒子を小さくする効果が得られにくくなるため好ましくない。なおこの場合の造粒とは、イオン交換性層状珪酸塩の基本の粒子のひずみが大量に残存するような手法であることが好ましい。
この表面積の値は造粒体における粒子構造の指標であり、表面積が大きい場合は粒子中の細孔も多い。細孔が多い理由はイオン交換性層状珪酸塩の基本の粒子が乱雑に寄り集まった構造を取っているためである。
特定の表面積をもつ、このような形態を持たせる方法としては、造粒後の粒子が特定の表面積を持つものとなるのであれば特に制限されないが、本発明においては、基本の粒子のひずみを大量に残存させることが可能であるためイオン交換性層状珪酸塩のスラリーから液体を蒸発させる操作を含む手法が好ましい。例としては噴霧造粒や凍結乾燥後に各種造粒する操作が挙げられる。
一方で単に精製したイオン交換性層状珪酸塩の塊を粉砕して粒子化する手法は本発明における第1造粒工程としては好ましくない。このような手法においては表面積が40m/g以上にまでは増加せず、その後の粉砕の効果がほとんど得られない。例えばこのような手法で製造されるクニピアF(クニミネ工業社製イオン交換性層状珪酸塩)における表面積は26m/gにすぎない。
第1造粒工程における好ましい造粒手法としては撹拌造粒法、噴霧造粒法、転動造粒法、ブリケッティング、コンパクティング、押出造粒法、流動層造粒法、乳化造粒法、液中造粒法、圧縮成型造粒法等が挙げられる。特に好ましくは、撹拌造粒法、噴霧造粒法、転動造粒法、流動造粒法が挙げられ、本発明においては、基本の粒子のひずみを大量に残存させること、また表面積を増大させることが可能であるため、特に好ましくは噴霧造粒法が挙げられる。
噴霧造粒を行う場合、原料スラリーの分散媒として、水あるいはメタノール、エタノール、クロロホルム、塩化メチレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の有機溶媒を用いる。好ましくは水を分散媒として用いる。
第1造粒工程は、取り扱い性が良好であることから、球状に造粒できるものであることことが望ましい。球状粒子が得られる噴霧造粒の原料スラリー液中における成分イオン交換性層状珪酸塩の濃度は、0.1〜70重量%、好ましくは1〜50重量%、特に好ましくは5〜30重量%である。球状粒子が得られる噴霧造粒の熱風の入口の温度は、分散媒により異なるが、水を例にとると80〜260℃、好ましくは100〜220℃で行う。
また、造粒の際に有機物、無機溶媒、無機塩、各種バインダーを用いてもよい。用いられるバインダーとしては、例えば砂糖、デキストローズ、コーンシロップ、ゼラチン、グルー、カルボキシメチルセルロース類、ポリビニルアルコール、水ガラス、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸マグネシウム、アルコール類、グリコール、澱粉、カゼイン、ラテックス、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、タール、ピッチ、アルミナゾル、シリカゲル、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ等が挙げられる。
造粒前の原料のイオン交換性層状珪酸塩の形状については特に制限はなく、天然に産出する形状、人工的に合成した時点の形状でもよいし、また、粉砕、造粒、分級などの操作によって形状を加工したイオン交換性層状珪酸塩を用いてもよい。
(3)粉砕(粉砕工程)
本発明のイオン交換性層状珪酸塩粒子は、原料のイオン交換性層状珪酸塩を造粒して特定の表面積を持つ造粒体を製造する第1造粒工程を経た後、得られた造粒体を粉砕する粉砕工程を経て製造されたものである。
粉砕工程に付す前に、前処理として第1造粒工程を施したものを用いる意義としては、以下のように考えられる。
イオン交換性層状珪酸塩の基本粒子は非常に薄い板状であり、これが数十層以上重なっている。従来この基本粒子の大きさを小さくすることは難しく、単純に粉砕しても、数十層の積層が剥離して積層枚数が減少する方向にしか粉砕できなかった。この原因のひとつは単純にイオン交換性層状珪酸塩の鉱物塊(粘土鉱物)を粉砕前原料に選択していたことにあった。
本発明者らの検討によると、適切な前処理、具体的には造粒処理を実施した後で粉砕することにより、積層枚数が減少する方向のみならず、基本粒子の大きさが小さくなる方向、すなわち基本粒子の板の面積を小さくする方向に粉砕でき、端面が増加することが分かった。この理由については必ずしも明確ではないが、造粒処理後の構造として粘土の基本の粒子が整然と積み重なるのではなく、ある程度基本の粒子の板がひずみを持ったまま固定された構造になるためと考えられる。従って造粒処理としては、基本の粒子のひずみが大量に残存するような手法を選択することが好ましいと考えられる。
次に基本粒子の粉砕と粒子構造との関係について説明する。イオン交換性層状珪酸塩の粒子の高次構造は、以下の2つの接着点から成り立っている。第1の接着は板状の基本粒子が並行に積層する方向の接着である。この接着は基本粒子の大きさが大きい(板の面積が広い)と増加する。第2の接着は基本の粒子の端面(板の縁の部分)と板の面との接着であり、いわゆるカードハウス構造等の構造を形成する。この接着は基本粒子の大きさが小さいほど(板の面積が小さいほど)増加する。
本発明の特徴は、基本粒子の大きさを制御することでそれら同士の接着の形態が制御でき、これによって良好なポリマー粒子性状を与える担体を提供することが出来るようになったことである。
また、結晶性物質が摩砕、圧縮、衝撃、混合などの機械的エネルギーを受けることによって熱力学的性質、化学的性質、結晶学的性質が変化することはメカノケミカル効果としてしられている。
イオン交換性層状珪酸塩もまた結晶性物質でありこれまでに種々のイオン交換性層状珪酸塩についてのメカノケミカル効果の研究がある(例えばPerez−Rodriguez, J. L., Madrid Sanchez del Villar, L. and Sanches−Soto, P. J.(1988) Clay Miner.,23, 399−401)。
しかしこれまでにメカノケミカル効果が発現するような手法でオレフィン重合用触媒成分用のイオン交換性層状珪酸塩を粉砕、摩砕した例は無く、ただ単に原料の岩石を細かくしてその後の取り扱いを容易にする観点から実施されているだけであった。
本発明の特徴は、造粒したイオン交換性層状珪酸塩の粉砕によってメカノケミカル効果を発現させ、端面を増加させるとともに端面の性質をも制御することで、これの粒子構造や化学的性質、重合活性を向上させたことにある。
粉砕工程における粉砕手法としては、特に制限は無いが、イオン交換性層状珪酸塩粒子の粉砕により、イオン交換性層状珪酸塩の基本粒子が小さくなる手法であることが必要である。
粉砕後のイオン交換性層状珪酸塩の基本粒子(一次粒子)の粒径は、5μm以下が好ましい。さらに好ましくは2μm以下、特に好ましくは1μm以下、いっそう好ましくは0.5μm以下、きわめて好ましくは0.3μm以下である。基本粒子(一次粒子)はイオン交換性層状珪酸塩の場合板状(薄いシート状)であるが、この粒径は板の表面積を算出し、これが真円と仮定した場合の直径で表す。
また比端面積は、10m/g以上であることが好ましい。さらに好ましくは20m/g以上、特に好ましくは30m/g以上、いっそう好ましくは50m/g以上である。イオン交換性層状珪酸塩の基本粒子の比端面積とは、薄いシート状であるスメクタイトの表面積のうち端面(シートを水平な基盤に載せた場合に上下になる面以外の部分であり、シートの外周部の縦方向の面積に相当する部分)の部分の面積をスメクタイト1gあたりで表したものである。
上記の基本粒子(一次粒子)の粒径や比端面積の値はイオン交換性層状珪酸塩を水膨潤などの方法で基本的な粒子の単位(いわゆる一次粒子)まで解きほぐし、これをAFMで観察することで得られる。上記の粒径や比端面積の値が好ましい範囲外であると得られる重合触媒の活性が高くならないという欠点が生じる。
具体的な粉砕機としては、ジョークラッシャー、ジャイレトリークラッシャー、ロールクラッシャー、エッジランナー、ハンマーミル、ボールミル、ジェットミル等が上げられる。好ましいのはボールミル、ジェットミルであり、ジェットミルが特に好ましい。また乾式粉砕、湿式粉砕のいずれでもよい。本発明において、メカノケミカル効果が発現でき、オレフィン触媒用担体として好ましいイオン交換性層状珪酸塩粒子を得るためには、具体的には、衝撃による物理的粉砕の手法により、比端面積が上記の好ましい範囲になる大きさに粉砕することが好ましい。これによって、次の工程である第2造粒工程において、造粒の生産性が向上するとともに、より大粒径のイオン交換性層状珪酸塩の造粒体を得ることができるようになり、オレフィン触媒用に好適なものとすることができる。
(4)第2の造粒工程(第2造粒工程)
本発明においては粉砕工程後のイオン交換性層状珪酸塩を第2造粒工程において再度造粒して粒子化する。この段階における造粒方法については特に制限はなく、上述のとおり撹拌造粒法、噴霧造粒法、転動造粒法、ブリケッティング、コンパクティング、押出造粒法、流動層造粒法、乳化造粒法、液中造粒法、圧縮成型造粒法等が挙げられる。特に好ましくは、撹拌造粒法、噴霧造粒法、転動造粒法、流動造粒法が挙げられ、本発明においては、球形の粒子が製造しやすいため、特に好ましくは噴霧造粒法が挙げられる。
本発明の製造方法により、第1の造粒工程により特定の表面積を持つ造粒体とした後に、これを粉砕してから、触媒成分となるイオン交換性層状珪酸塩粒子を再度造粒すると、触媒担体となるイオン交換性層状珪酸塩の造粒体の粒子構造が、オレフィン重合用触媒担体として適した構造となる。具体的には触媒の形状が真球に近くなり、これによって真球に近いパウダー粒子形状のオレフィン重合体が得られ、パウダーの嵩密度が向上するとともに、パウダーの流動性が良くなる。
また、オレフィン重合用触媒担体として適したイオン交換性層状珪酸塩粒子とするためには、後述する重合工程での破砕等の抑制のため、2MPa以上の圧縮破壊強度を有するように造粒することが好ましい。好ましい圧縮破壊強度の下限は5MPa以上、さらに好ましくは7MPa以上、特に好ましくは13MPa以上、非常に好ましくは15MPa以上、きわめて好ましくは17MPa以上、著しく好ましくは20MPa以上である。上限は、好ましくは100MPa、さらに好ましくは50MPaである。上限を超えると重合中に粒子がレプリカ効果で成長せず、ひずみのあるパウダー粒子が生じたり、微粉が発生したり、初期活性が低下する問題が生じる。
オレフィン重合用触媒担体として適した、粉砕後再度造粒された後のイオン交換性層状珪酸塩の粒径は、0.1〜1000μm、好ましくは1〜500μmの範囲である。好ましい粒径の範囲は重合プロセスに依存する。
したがって、上記の要件を満たし、オレフィン重合体触媒担体として好適なイオン交換性層状珪酸塩粒子とする手法としては、下記の条件において、噴霧造粒法を採用することが好ましい。
噴霧造粒の条件としては、原料スラリーの分散媒として、水あるいはメタノール、エタノール、クロロホルム、塩化メチレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の有機溶媒を用いる。好ましくは水を分散媒として用いる。
第2造粒工程は、優れた触媒性状、重合体粒子性状を得るために、球状に造粒できるものであることことが望ましい。球状粒子が得られる噴霧造粒の原料スラリー液中における成分イオン交換性層状珪酸塩の濃度は、0.1〜70重量%、好ましくは1〜50重量%、特に好ましくは5〜30重量%である。球状粒子が得られる噴霧造粒の熱風の入口の温度は、分散媒により異なるが、水を例にとると80〜260℃、好ましくは100〜220℃で行う。
また、第2造粒工程による造粒前に粉砕を実施すると、粉砕されたイオン交換性層状珪酸塩粒子を水スラリーにした場合、スラリーの粘度を低減させることが出来るという利点がある。スラリー粘度が低いということは同じ粘度にするためには、イオン交換性層状珪酸塩の濃度を濃くすることができるということを意味し、これによって造粒の生産性が向上するとともに、より大粒径のイオン交換性層状珪酸塩の造粒体を得ることが出来、粒系の制御が可能となる。好ましいスラリー粘度は5wt%以上、より好ましくは7wt%以上である。
(5)イオン交換性層状珪酸塩の化学処理工程
(i)化学処理剤
本発明のイオン交換性層状珪酸塩粒子は、化学処理を行なうことが望ましい。化学処理工程は、粉砕工程より後の工程で実施することが好ましい。その理由は化学処理で大きく変化する部分はイオン交換性層状珪酸塩の端面であり、粉砕することで端面を増加させることが出来るため、粉砕後の方が化学処理が効率的に進行するためである。また化学処理は第2造粒工程後に行うことがより望ましい。その理由はその方が高活性の触媒を与えるためであり、また造粒後の方が粒子の粒径が大きいため化学処理中並びに後処理における洗浄などでイオン交換性層状珪酸塩が沈降しやすくさらに濾過もしやすいためである。イオン交換性層状珪酸塩粒子の化学処理とは、酸類、塩類、アルカリ類、酸化剤、還元剤、あるいはイオン交換性層状珪酸塩の層間にインターカレーションし得る化合物などを含有する処理剤とイオン交換性層状珪酸塩とを接触させることをいう。インターカレーションとは、層状物質の層間に別の物質を導入することをいい、導入される物質をゲスト化合物という。これらの処理の中では、酸処理又は塩類処理が特に好ましい。
化学処理による共通の影響として層間陽イオンの交換を行うことが挙げられるが、それ以外に各種化学処理は次のような種々の効果がある。例えば、酸類による酸処理によれば、珪酸塩表面の不純物が取り除かれる他、結晶構造中のAl、Fe、Mg等の陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させることができる。これは、珪酸塩の酸強度を増大させ、また単位重量当たりの酸点量を増大させることに寄与する。
アルカリ類によるアルカリ処理では、粘土鉱物の結晶構造が破壊され、粘土鉱物の構造の変化をもたらす。またインターカレーションや塩類処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体等を形成し、表面積や層間距離を変えることができる。イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと置換することにより、層間が拡大した状態の層状物質を得ることもできる。すなわち、嵩高いイオンが層状構造を支える支柱的な役割を担っており、ピラーと呼ばれる。
以下に、処理剤の具体例を示す。なお、本発明では、以下の酸類、塩類、アルカリ類、酸化剤、還元剤、及びイオン交換性層状珪酸塩の層間にインターカレーションし得る化合物からなる群から選ばれる2種以上を組み合わせたものを処理剤として用いてもよい。また、これら酸類、塩類、アルカリ類、酸化剤、還元剤、及びイオン交換性層状珪酸塩の層間にインターカレーションし得る化合物は、それぞれが2種以上の組み合わせであってもよい。これらの中では、特に塩類処理と酸処理の組合せが好ましい。
(a)酸類
酸処理は表面の不純物を除く、あるいは層間に存在する陽イオンの交換を行うほか、結晶構造の中に取り込まれているAl、Fe、Mg等の陽イオンの一部又は全部を溶出させることができる。酸処理で用いられる酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、安息香酸、ステアリン酸、プロピオン酸、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、などが挙げられる。中でも無機酸が好ましい。
(b)塩類
塩類としては、有機陽イオン、無機陽イオン、金属イオンからなる群から選ばれる陽イオンと、有機陰イオン、無機陰イオン、ハロゲン化物イオンからなる群から選ばれる陰イオンとから構成される塩類が例示される。例えば、周期律表第1〜14族から選択される少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、ハロゲンの陰イオン、無機ブレンステッド酸及び有機ブレンステッド酸の陰イオンからなる群より選ばれる少なくとも一種の陰イオンとから構成される化合物が好ましい例として挙げられる。特に好ましくは、アニオンが無機ブレンステッド酸やハロゲンからなる化合物である。
このような塩類の具体例としては、LiCl、LiBr、LiSO、Li(PO)、LiNO、Li(OOCCH)、NaCl、NaBr、NaSO、Na(PO)、NaNO、Na(OOCCH)、KCl、KBr、KSO、K(PO)、KNO、K(OOCCH)、CaCl、CaSO、Ca(NO、Ca(C、Sc(OOCCH、Sc(CO、Sc(C、Sc(NO、Sc(SO、ScF、ScCl、ScBr、ScI、Y(OOCCH、Y(CHCOCHCOCH、Y(CO、Y(C、Y(NO、Y(ClO、YPO、Y(SO、YF、YCl、La(OOCH、La(CHCOCHCOCH、La(CO、La(NO、La(ClO、La(C、LaPO、La(SO、LaF、LaCl、LaBr、LaI等。
Sm(OOCCH、Sm(CHCOCHCOCH、Sm(CO、Sm(NO、Sm(ClO、Sm(C、SmPO、Sm(SO、SmF、SmCl、SmBr、SmI、Yb(OOCCH、Yb(NO、Yb(ClO、Yb(C、Yb(SO、YbF、YbCl、Ti(OOCCH、Ti(CO、Ti(NO、Ti(SO、TiF、TiCl、TiBr、TiI、Zr(OOCCH、Zr(CO、Zr(NO、Zr(SO、ZrF、ZrCl、ZrBr、ZrI、ZrOCl、ZrO(NO、ZrO(ClO、ZrO(SO)、Hf(OOCCH、Hf(CO、Hf(NO、Hf(SO、HfOCl、HfF、HfCl、HfBr、HfI、V(CHCOCHCOCH、VOSO、VOCl、VCl、VCl、VBr、Nb(CHCOCHCOCH、Nb(CO、Nb(NO、Nb(SO、ZrF、ZrCl、NbBr、NbI、Ta(OOCCH、Ta(CO、Ta(NO、Ta(SO、TaF、TaCl、TaBr、TaI等。
Cr(OOCHOH、Cr(CHCOCHCOCH、Cr(NO、Cr(ClO、CrPO、Cr(SO、CrOCl、CrF、CrCl、CrBr、CrI、MoOCl、MoCl、MoCl、MoCl、MoF、MoI、WCl、WCl、WF、WBr、Mn(OOCH、Mn(CHCOCHCOCH、MnCO、Mn(NO、MnO、Mn(ClO、MnF、MnCl、MnBr、MnI、Fe(OOCH、Fe(CHCOCHCOCH、FeCO、Fe(NO、Fe(ClO、FePO、FeSO、Fe(SO、FeF、FeCl、MnBr、FeI、FeC、Co(OOCH、Co(CHCOCHCOCH、CoCO、Co(NO、CoC、Co(ClO、Co(PO、CoSO、CoF、CoCl、CoBr、CoI、NiCO、Ni(NO、NiC、Ni(ClO、NiSO、NiCl、NiBr等。
CuCl、CuBr、Cu(NO、CuC、Cu(ClO、CuSO、Cu(OOCCH、Zn(OOCH、Zn(CHCOCHCOCH、ZnCO、Zn(NO、Zn(ClO、Zn(PO、ZnSO、ZnF、ZnCl、ZnBr、ZnI、AlF、AlCl、AlBr、AlI、Al(SO、Al(C、Al(CHCOCHCOCH、Al(NO、AlPO、GeCl、Sn(OOCCH、Sn(SO、SnF、SnCl等が挙げられる。
有機陽イオンの例としては、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、ドデシルアンモニウム、N,N−ジメチルアニリニウム、N,N−ジエチルアニリニウム、N,N−2,4,5−ペンタメチルアニリニウム、N,N−ジメチルオクタデシルアンモニウム、オクタドデシルアンモニウム、N,N−2,4,5−ペンタメチルアニリニウム、N,N−ジメチル−p−n−ブチルアニリニウム、N,N−ジメチル−p−トリメチルシリルアニリニウム、N,N−ジメチル−1−ナフチルアニリニウム、N,N,2−トリメチルアニリニウム、2,6−ジメチルアニリニウム等のアンモニウム化合物やピリジニウム、キノリニウム、N−メチルピペリジニウム、2,6−ジメチルピリジニウム、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニウム等の含窒素芳香族化合物、ジメチルオキソニウム、ジエチルオキソニウム、ジフェニルオキソニウム、フラニウム、オキソラニウム等のオキソニウム化合物、トリフェニルホスホニウム、トリ−o−トリルホスホニウム、トリ−p−トリルホスホニウム、トリメシチルホスホニウム等のホスホニウム化合物やホスファベンゾニウム、ホスファナフタレニウム等の含リン芳香族化合物が例示されるが、これらに限定されるものではない。
陰イオンの例としては、上に例示した陰イオン以外にも、ホウ素化合物、リン化合物からなる陰イオン、例えばヘキサフルオロフォスフェート、テトラフルオロボレート、テトラフェニルボレートなどが例示されるが、これらに限定されるものではない。
またこれらの塩類は単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。さらに酸類、アルカリ類、酸化剤、還元剤、イオン交換性層状珪酸塩の層間にインターカレーションする化合物等と組み合わせて用いてもよい。これらの組み合わせは処理開始時に添加する処理剤について組み合わせて用いてもよいし、処理の途中で添加する処理剤について組み合わせて用いてもよい。
(c)アルカリ類
アルカリ処理で用いられる処理剤としては、LiOH、NaOH、KOH、Mg(OH)、Ca(OH)、Sr(OH)、Ba(OH)などが例示される。なお、アルカリ処理によるイオン交換性層状珪酸塩の酸点の損失が考えられるので、アルカリ処理による粘土鉱物の構造変化を達成した後、酸処理することが好ましい。あるいは、アルカリ処理を施した後であっても、酸点の強度と量が前述の範囲を満たすものであれば、本発明の効果を何ら損なうものではない。これらの中でも、LiOH、NaOH、KOH、Mg(OH)が好ましい。
(d)酸化剤
酸化剤としては、HMnO、NaMnO、KMnOなどの過マンガン酸類、HNO、N、N、NO、Cu(NO、Pb(NO、AgNO、KNO、NHNOなどの硝酸化合物、F、Cl、Br、Iなどのハロゲン、H、Na、BaO、(CCO)、K、KSO、HCOH、CHCOH、CCOH、C(COOH)COH、CFCOHなどの過酸化物、KIO、KClO、KBrO、KClO、KBrO、KIO、HIO、Na、KIOなどの酸素酸類、CeO、AgO、CuO、HgO、PbO、Bi、OsO、RuO、SeO、MnO、Asなどの酸化物、酸素、オゾンなどの酸素類、熱濃硫酸、発煙硫酸と濃硝酸の混合物、ニトロベンゼン、ヨードソ化合物などが挙げられる。
(e)還元剤
還元剤としては、H2、HI、H2S、LiAlH4、NaBH4などの水素及び水素化合物、SO2、Na2Sなどのイオウ化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属、周期律表第3〜10族遷移金属などの金属又はその合金、Fe(II)、Sn(II)、Ti(II)、Cr(II)などの低原子価状態にある金属の塩類、COなどが例示される。
(f)インターカレーション用化合物
イオン交換性層状珪酸塩の層間にインターカレーションするために用いられるゲスト化合物としては、TiCl、ZrCl等の陽イオン性無機化合物、Ti(OR)、Zr(OR)、PO(OR)、B(OR)[Rはアルキル基、アリール基など]等の金属アルコラート、[Al13(OH)247+、[Zr(OH)142+、[FeO(OCOCH等の金属水酸化物イオン、エチレングリコール、グリセロール、尿素、ヒドラジン等の有機化合物、アルキルアンモニウムイオン等の有機陽イオンなどが挙げられる。
これらの化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)4、Al(OR)3、Ge(OR)4等の金属アルコラート等を加水分解して得た重合物、SiO2等のコロイド状無機化合物等を共存させることもできる。また、ピラーの例としては、上記水酸化物イオンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水することにより生成する酸化物等が挙げられる。ゲスト化合物の使用法としては、そのまま用いてもよいし、新たに水を添加吸着させ、あるいは加熱脱水処理した後用いてもよい。また、単独で用いても、上記固体の2種以上を混合して用いてもよい。
上述した各種処理剤は、適当な溶剤に溶解させて処理剤溶液として用いてもよいし、処理剤自身を溶媒として用いてもよい。使用できる溶剤としては、水、アルコール類、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エステル類、エーテル類、ケトン類、アルデヒド類、フラン類、アミン類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、二硫化炭素、ニトロベンゼン、ピリジン類やこれらのハロゲン化物などが挙げられる。また、処理剤溶液中の処理剤濃度は0.1〜100重量%程度が好ましく、より好ましくは5〜50重量%程度である。処理剤濃度がこの範囲内であれば処理に要する時間が短くなり効率的に生産が可能になるという利点がある。
(ii)化学処理工程条件
処理条件は特には制限されないが、通常、処理温度は室温〜処理剤溶液の沸点、処理時間は5分〜24時間の条件を選択し、イオン交換性層状珪酸塩粒子を構成している物質の少なくとも一部が除去又は交換される条件で行うことが好ましい。また、化学処理工程におけるイオン交換性層状珪酸塩と処理剤との比率は特に限定されないが、好ましくはイオン交換性層状珪酸塩[g]:処理剤[mol]=1:0.001〜1:0.1程度である。
上記化学処理を実施した後に過剰の処理剤及び処理により溶出したイオンの除去をすることが可能であり、好ましい。この際、一般的には、水や有機溶媒などの液体を使用する。脱水後は乾燥を行うが、一般的には、乾燥温度は100〜800℃、好ましくは150〜600℃で実施可能である。800℃を超えると珪酸塩の構造破壊を生じるおそれがあるので好ましくない。
これらのイオン交換性層状珪酸塩粒子は、構造破壊されなくとも乾燥温度により特性が変化するために、用途に応じて乾燥温度を変えることが好ましい。乾燥時間は、通常1分〜24時間、好ましくは5分〜4時間であり、雰囲気は乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、又は減圧下であることが好ましい。乾燥方法に関しては特に限定されず各種方法で実施可能である。
珪酸塩にはゲスト化合物、ピラーなどの形で各種の金属が含まれているが、化学処理後の状態でアルミニウムを含むものが好ましく、Al/Siの原子比として、0.05〜0.4、好ましくは0.05〜0.25のもの、さらには0.07〜0.23の範囲のものがよい。Al/Si原子比は粘土部分の酸処理の指標となるものとみられる。
2.オレフィン重合用触媒
(1)触媒成分
本発明のオレフィン重合用触媒は、下記成分[A]、成分[B]及び及び必要に応じて成分[C]をオレフィンと接触させてなることを特徴とするオレフィン重合用触媒である。
成分[A]:本発明の製造方法によって得られたイオン交換性層状珪酸塩粒子
成分[B]:周期律表第3〜12族の遷移金属化合物、
成分[C]:有機アルミニウム化合物、
<成分A>
上記1.で説明した手法で得られた、イオン交換性層状珪酸塩粒子である。この粒子は、重合工程での破砕や微粉発生を抑制するためには、2MPa以上の圧縮破壊強度を有することが好ましい。好ましい圧縮破壊強度の下限は5MPa以上、さらに好ましくは7MPa以上、特に好ましくは13MPa以上、非常に好ましくは15MPa以上、きわめて好ましくは17MPa以上、著しく好ましくは20MPa以上である。上限は、好ましくは100MPa、さらに好ましくは50MPaである。上限を超えると重合中に粒子がレプリカ効果で成長せず、ひずみのあるパウダー粒子が生じたり、微粉が発生したり、初期活性が低下する問題が生じる。
また、粉砕後再度造粒されたイオン交換性層状珪酸塩粒子の粒径は、0.1〜1000μm、好ましくは1〜500μmの範囲である。好ましい粒径の範囲は重合プロセスに依存する。重合プロセスが気相法である場合、粒径が大きい方が付着や流動性が良くなり好ましい。気相法の場合好ましくは10μm以上、より好ましくは30μm以上、特に好ましくは46μm以上、さらに好ましくは51μm以上である。一方重合プロセスがスラリー法(溶媒がプロピレンであるバルク法を含む)の場合、粒径が大きすぎると生成するパウダーが沈降するため大きすぎるのは好ましくない。バルク法の場合、粒径は好ましくは3〜40μm、さらに好ましくは5〜20μmである。
<成分[B]>
本発明で使用する成分[B]は、周期律表第3〜12族の遷移金属化合物である。具体的には、第3〜10族の遷移金属ハロゲン化物、第3〜6族遷移金属のメタロセン化合物、第4族遷移金属のビスアミド又はビスアルコキシド化合物、第8〜10族遷移金属のビスイミド化合物、第3〜11族遷移金属のフェノキシイミン化合物が挙げられる。
これらの中でも第4族遷移金属のメタロセン化合物が好ましく、具体的には、下記一般式(I)〜(VI)で表される化合物が使用される。
(C5−a )(C5−b )MXY ・・・(I)
Q(C4−c )(C4−d )MXY ・・・(II)
Q’(C4−e )ZMXY ・・・(III)
(C5−f )ZMXY ・・・(IV)
(C5−f )MXYW ・・・(V)
Q”(C5−g )(C5−h )MXY ・・・(VI)
ここで、Qは二つの共役五員環配位子を架橋する結合性基を、Q’は共役五員環配位子とZ基を架橋する結合性基を、Q”はRとRを架橋する結合性基を、Mは周期律表第3〜12族遷移金属を、X、Y及びWはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基、炭素数1〜20のリン含有炭化水素基又は炭素数1〜20の珪素含有炭化水素基を、Zは酸素、イオウを含む配位子、炭素数1〜40の珪素含有炭化水素基、炭素数1〜40の窒素含有炭化水素基又は炭素数1〜40のリン含有炭化水素基を示す。Mは特にTi、Zr、Hf等の第4族遷移金属が好ましい。
1〜R5はそれぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、珪素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基又はホウ素含有炭化水素基を示す。また、隣接する2個のR1、2個のR2、2個のR3、2個のR4、又は2個のR5が、それぞれ結合して炭素数4〜10個の環を形成していてもよい。a、b、c、d、e、及びfは、それぞれ0≦a≦5、0≦b≦5、0≦c≦4、0≦d≦4、0≦e≦4、0≦f≦5、0≦g≦5、0≦h≦5、を満足する整数である。
2個の共役五員環配位子の間を架橋する結合性基Q、共役五員環配位子とZ基とを架橋する結合性基Q’、及び、R4とR5を架橋するQ”は、具体的には下記のようなものが挙げられる。メチレン基、エチレン基のようなアルキレン基、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、フェニルメチリデン基、ジフェニルメチリデン基のようなアルキリデン基、ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジプロピルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルエチルシリレン基、メチルフェニルシリレン基、メチル−t−ブチルシリレン基、ジシリレン基、テトラメチルジシリレン基のような珪素含有架橋基、ゲルマニウム含有架橋基、アルキルフォスフィン、アミン等である。これらのうち、アルキレン基、アルキリデン基、珪素含有架橋基、及びゲルマニウム含有架橋基が特に好ましく用いられる。
上述の一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)及び(VI)で表される具体的なZr錯体を下記に例示するが、ZrをHf又はTiに置き換えた化合物も同様に使用可能である。また、一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)及び(VI)で示される成分[B]は、同一の一般式で示される化合物、又は異なる一般式で示される化合物の二種以上の混合物として用いることができる。
一般式(I)
ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4,5ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビスフルオレニルジルコニウムジクロリド、ビス(4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4H−アズレニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド。
一般式(II)
ジメチルシリレンビス(1,1’−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1′−(2−メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1′−(2−メチルインデニル)}エチレンビス{1,1′−(2−メチル−4,5ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1′−(2−メチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1′−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1,1′−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1′−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、エチレンビス{1,1′−(2−メチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド。
一般式(III)
(第3級ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライド、(メチルアミド)−(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル−ジルコニウムジクロライド、(エチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−メチレンジルコニウムジクロライド、(第3級ブチルアミド)ジメチル−(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル、(ベンジルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、(フエニルホスフイド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル。
一般式(IV)
(シクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2,6−ジ−i−プロピルフェノキシ)ジルコニウムジクロリド。
一般式(V)
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、(シクロペンタジエニル)ジルコニウムトリイソプロポキシド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリイソプロポキシド。
一般式(VI)
エチレンビス(7,7’−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{7,7’−(1−メチル−3−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[7,7’−{1−メチル−4−(1−ナフチル)インデニル}]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{7,7’−(1−エチル−3−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{7,7’−(1−イソプロピル−3−(4−クロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド。
これらの具体例の化合物のシリレン基をゲルミレン基に置き換えた化合物も好適な化合物として例示される。
以上において記載した遷移金属化合物成分[B]の中で、本願の発明のプロピレン系重合体の製造に好ましいものは、炭化水素置換基を有するシリレン基、ゲルミレン基あるいはアルキレン基で架橋された置換シクロペンタジエニル基、置換インデニル基、置換フルオレニル基、置換アズレニル基を有する配位子からなる遷移金属化合物である。特に好ましくは、炭化水素置換基を有するシリレン基、あるいはゲルミレン基で架橋された遷移金属化合物である。また置換インデニル基、置換アズレニル基を持つものが好ましく、特に2位または4位、または2,4位に置換基を有する遷移金属化合物が好ましい。
さらにメタロセン化合物の特殊な例として、特開平7−188335号公報やJounal of American Chemical Society,1996、Vol.118,2291に開示されている5員環あるいは6員環に炭素以外の元素を一つ以上含む配位子を有する遷移金属化合物も使用可能である。
周期律表第4族のビスアミド化合物の好適な例としては、Macromolecules,Vol.29,5241(1996)やJounal of American Chemical Society,Vol.119,No.16,3830(1997)、Jounal of American Chemical Society,Vol.121,No.24,5798(1999)に開示されている窒素原子に嵩高い置換基を有した架橋型遷移金属化合物を挙げることができる。
また、周期律表第4族のビスアルコキシド化合物の好適な例としては、WO87/02370で開示されている周期律表第4族の遷移金属化合物で、好ましくは二つのアリーロキシ配位子が架橋基により結合し、さらに好ましくは、その架橋基が遷移金属に配位し得る架橋型遷移金属化合物を挙げることができる。
さらに周期律表第8〜10族遷移金属のビスイミド化合物は、Jounal of American Chemical Society,Vol.117,6414、WO96/23010やChemical Comunication 849頁,Jounal of American Chemical Society,Vol.120,4049、WO98/27124で開示されている窒素原子に嵩高い置換基を有した架橋型遷移金属ビスイミド化合物を好適な例として挙げることができる。
その他、周期律表第3〜10族遷移金属のフェノキシイミン化合物の好適な例としては、特開平11−315109で開示されている化合物を挙げることができる。
さらに、これらの成分[B]は、二種以上の混合物として用いることができる。さらに、先述した周期律表第3〜12族メタロセン化合物と組合せて複数種を併用することもできる。
<成分[C]>
成分[C]としては、一般式(AlRn3-nmで表される有機アルミニウム化合物が使用される。式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表し、Xはハロゲン、水素、アルコキシ基又はアミノ基を表し、nは1〜3の、mは1〜2の整数を各々表す。有機アルミニウム化合物は、単独であるいは複数種を組み合わせて使用することができる。
有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルプロピルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウム、トリノルマルデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムジメチルアミド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムクロライド等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、m=1、n=3のトリアルキルアルミニウム及びアルキルアルミニウムヒドリドである。さらに好ましくは、Rが炭素数1〜8であるトリアルキルアルミニウムである。
(2)オレフィン重合用触媒の調製、予備重合
本発明のオレフィン重合用触媒は、成分[B]と成分[A]及び必要に応じて成分[C]を接触させて触媒とする。その接触方法は特に限定されないが、以下のような順序で接触させることができる。また、この接触は、触媒調製時だけでなく、オレフィンによる予備重合時またはオレフィンの重合時に行ってもよい。これらの接触において接触を充分に行うため溶媒を用いてもよい。溶媒としては脂肪族飽和炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族不飽和炭化水素やこれらのハロゲン化物、また予備重合モノマーなどが例示される。
1)成分[B]と成分[A]を接触させる
2)成分[B]と成分[A]を接触させた後に成分[C]を添加する
3)成分[B]と成分[C]を接触させた後に成分[A]を添加する
4)成分[A]と成分[C]を接触させた後に成分[B]を添加する
その他、三成分を同時に接触させてもよい。
好ましい接触方法は成分[A]と成分[C]を接触させた後、未反応の成分[C]を洗浄等で除去し、その後再度必要最小限の成分[C]を成分[A]に接触させ、その後成分[B]を接触させる方法である。この場合のAl/遷移金属のモル比は0.1〜1,000、好ましくは2〜10、さらに好ましくは4〜6の範囲である。
成分[B]と成分[C]を接触させる(その場合成分[A]が存在していても良い)温度は0℃から100℃が好ましく、さらに好ましくは20−80℃、特に好ましくは30−60℃である。この範囲より低い場合は反応が遅く、また高い場合は成分[B]の分解反応が進行するという欠点がある。
また成分[B]と成分[C]を接触させる(その場合成分[A]が存在していても良い)場合には有機溶媒を溶媒として存在させることが好ましい。この場合の成分[B]の有機溶媒中での濃度は高い方が良く、好ましくは3mM、より好ましくは4mM、さらに好ましくは6mMである。
成分[A]1gにつき、遷移金属錯体0.001〜10ミリモル、好ましくは0.001〜1ミリモルの範囲である。
成分[A]は酸点を持つことが好ましい。好ましい酸点の量の下限は成分[A]1gにつきpKa<−8.2以下の強酸点が30μモル、より好ましくは50μモル、さらに好ましくは100μモル、特に好ましくは150μモルである。酸点の量は特開2000−158707の記載に従い測定する。
これらは重合槽内で、あるいは重合槽外で接触させオレフィンの存在下で予備重合を行ってもよい。オレフィンとは炭素間二重結合を少なくとも1個含む炭化水素をいい、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチルブテン−1、スチレン、ジビニルベンゼン等が例示されるが、特に種類に制限はなく、これらと他のオレフィンとの混合物を用いてもよい。好ましくは炭素数3以上のオレフィンがよい。
本願の発明の触媒は、粒子性の改良のために、予めオレフィンを接触させて少量重合されることからなる予備重合処理に付すことが好ましい。使用するオレフィンは、特に限定はないが、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレンなどを使用することが可能であり、特にプロピレンを使用することが好ましい。オレフィンの供給方法は、オレフィンを反応槽に定速的にあるいは定圧状態になるように維持する供給方法やその組み合わせ、段階的な変化をさせるなど、任意の方法が可能である。予備重合時間は、特に限定されないが、5分〜24時間の範囲であることが好ましい。また、予備重合量は、予備重合ポリマー量が成分[A]1部に対し、好ましくは0.01〜100、さらに好ましくは0.1〜50である。予備重合を終了した後に、触媒の使用形態に応じ、そのまま使用することが可能であるが、必要ならば乾燥を行ってもよい。
予備重合温度は特に制限は無いが、0℃〜100℃が好ましく、より好ましくは10−70℃、特に好ましくは20−60℃、さらに好ましくは30−50℃である。この範囲を下回ると反応速度が低下したり、活性化反応が進行しないという弊害が生じる可能性があり、上回ると予備重合ポリマーが溶解したり、予備重合速度が速すぎて粒子性状が悪化したり、副反応のため活性点が失活するという弊害が生じる可能性がある。
予備重合時には有機溶媒等の液体中で実施することも出来、かつこれが好ましい。予備重合時の固体触媒の濃度には特に制限は無いが、好ましくは50g/L以上、より好ましくは60g/L以上、特に好ましくは70g/L以上である。濃度が高い方がメタロセンの活性化が進行し、高活性触媒となる。
さらに、上記各成分の接触の際、もしくは接触の後に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの重合体やシリカ、チタニアなどの無機酸化物固体を共存させることも可能である。
予備重合後に触媒を乾燥してもよい。乾燥方法には特に制限は無いが、減圧乾燥や加熱乾燥、乾燥ガスを流通させることによる乾燥などが例示され、これらの方法を単独で用いても良いし2つ以上の方法を組み合わせて用いてもよい。乾燥工程において触媒を攪拌、振動、流動させてもよいし静置させてもよい。
3.オレフィン重合体の製造方法
前記成分[A]、成分[B]、及び必要に応じて用いられる成分[C]からなるオレフィン重合用触媒を用いておこなう重合は、オレフィン単独あるいは該オレフィンと他のコモノマーとを混合接触させることにより行われる。共重合の場合、反応系中の各モノマーの量比は経時的に一定である必要はなく、各モノマーを一定の混合比で供給することも便利であるし、供給するモノマーの混合比を経時的に変化させることも可能である。また、共重合反応比を考慮してモノマーのいずれかを分割添加することもできる。
重合し得るオレフィンとしては、炭素数2〜20程度のものが好ましく、具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、スチレン、ジビニルベンゼン、7−メチル−1,7−オクタジエン、シクロペンテン、ノルボルネン、エチリデンノルボルネン等が挙げられる。好ましくは炭素数2〜8のα−オレフィンである。共重合の場合、用いられるコモノマーの種類は、前記オレフィンとして挙げられるものの中から、主成分となるもの以外のオレフィンを選択して用いることができる。
重合様式は、触媒成分と各モノマーが効率よく接触するならば、あらゆる様式を採用しうる。具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー法、不活性溶媒を実質的に用いずプロピレンを溶媒として用いる方法、溶液重合法あるいは実質的に液体溶媒を用いず各モノマーをガス状に保つ気相法などが採用できる。また、連続重合、回分式重合、又は予備重合を行う方法も適用される。
スラリー重合の場合は、重合溶媒として、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族又は芳香族炭化水素の単独又は混合物が用いられる。重合温度は0〜150℃であり、また分子量調節剤として補助的に水素を用いることができる。重合圧力は0〜2000kg/cm2G、好ましくは0〜60kg/cm2Gが適当である。
次に実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限りこれらの実施例によって制約を受けるものではない。以下の諸例において、出発物質であるイオン交換性層状珪酸塩として使用したモンモリロナイトは、水澤化学工業社製スプレードライ造粒粘土「ベンクレイSL」であり、分級によって平均粒径19.3μmにしたものを用いた。
なお本実施例における測定法は次の通りである。
(各種物性測定法)
(1)MFR:JIS−K−6758による230℃2.16kg荷重によるメルトインデックス。
(2)イオン交換性層状珪酸塩の粒径分布の測定:堀場製作所社製レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置LA−920を用い、分散溶媒をエタノール、屈折率1.0、形状係数1.0の条件で測定し、メジアン径の値を平均粒径とした。
(3)パウダー平均粒径の測定:レッチェテクノロジー社製 サンプルパウダー20gを粒度分布測定装置カムサイザーを使用してDIN66141のQ3(0.5)(質量基準による累積分布Q3(x)のX=0.5の値)の粒子径を平均粒径とした。
(4)ポリマー嵩密度:ASTM D1895−69に準拠し測定した。
(5)圧縮破壊強度の測定:島津製作所(株)製 圧壊試験器「MCTM−500」を用いて、任意に選んだ10個以上の粒子の圧壊強度を測定し、その平均値を採用した。
(6)表面積の測定:カンタークローム社製オートソーブ3Bを用い、BET多点法により測定した。200℃、真空下で2時間前処理をしたサンプルを、吸着質を窒素ガスとして吸着等温線を測定した。吸着等温線からBETプロットを作製し、この勾配と切片から単分子吸着量を求め、比表面積を算出した。
(7)スラリー粘度の測定法:BROOKFIELD社製B型粘度計を用い100rpmで測定した。
(8)粒子形状(パウダー性状):実態顕微鏡、走査型電子顕微鏡を用い観察した。
(実施例1)
(a)イオン交換性層状珪酸塩(モンモリロナイト)の噴霧造粒体(表面積74m/g)である「ベンクレイSL」(水沢工業社製;のカウンタージェットミル粉砕
噴霧造粒粘土「ベンクレイSL」をφ25のスクリューフィーダーから下記の運転条件のホソカワミクロン社製カウンタージェットミル100AFGに供給した。94分かけて0.57kgのイオン交換性層状珪酸塩の造粒体を供給し、0.36kgの粉砕品を得た。反応器残量は0.21kgであった。
供給条件:φ25SFの供給機の変速機目盛り0.1
圧縮空気量:0.5[Nm/min]
空気圧力:0.39MPa
ノズル径:φ1.9
分級機形式:50ATP
回転速度:22000rpm
ローターリンシング空気量:0.31[Nm/min]
ローターリンシング空気圧:0.098[MPa]
ベアリングリンシング空気量:0.15[Nm/min]
ベアリングリンシング空気圧:0.098[MPa]
(b)粉砕したイオン交換性層状珪酸塩の噴霧造粒
1900gの蒸留水に上記粉砕モンモリロナイト100gを加え、2時間攪拌してスラリーとし一日静置させた。スラリーの粘度は2.0cPであった。噴霧造粒装置(大川原化工機社「L−8」)を使用し、次の条件下で上記のモンモリロナイトスラリーの噴霧造粒を行った。
アトマイザー回転数:10000rpm
サイクロン差圧:0.60KPa
スラリー供給速度:900mL/h
入り口温度:170℃
出口温度:124℃
噴霧造粒の結果、平均粒径26.2μm、表面積124m/gの造粒品を84.3gを回収した。
粒子形状を走査型電子顕微鏡で観察したところほぼ真球状の粒子であった。
(c)イオン交換性層状珪酸塩の噴霧造粒品の化学的処理
撹拌翼と還流装置を取り付けた500mLの丸形三口フラスコに、蒸留水168.6gを投入し、98%硫酸49.9gを滴下し、内部温度を90℃にした。そこへ、上記噴霧造粒品を30g添加後撹拌した。その後90℃で3.5時間反応させた。このスラリーを150mLの蒸留水に注いで反応を停止しヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて濾過し75mLの蒸留水で洗浄した。得られたケーキを300mLの蒸留水に分散させ撹拌後濾過した。この操作を3回繰りかえした。
回収したケーキを1Lビーカーにて硫酸亜鉛7水和物36.7gを純水135mLに溶解した水溶液に加えて室温で2時間反応させた。このスラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて濾過し75mLの蒸留水で洗浄した。得られたケーキを300mLの蒸留水に分散させ撹拌後濾過した。この操作を3回繰りかえした。
回収したケーキを120℃で終夜乾燥した。その結果、20gの化学処理体を得た。
この化学処理モンモリロナイトを容積200mLのフラスコに入れ、200℃で減圧乾燥させガスの発生が収まってからさらに2時間減圧乾燥した。この乾燥モンモリロナイトの水分含量を測定したところ、水分値は1.40wt%であった。
(d)化学処理モンモリロナイトの有機アルミニウム処理
内容積200mLのフラスコに上記(c)で得た乾燥モンモリロナイト5.0gを秤量し、ヘプタン18mL、トリノルマルオクチルアルミニウムのヘプタン溶液32mL(12.5mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。その後、ヘプタンで残液率1/100まで洗浄し、最後にスラリー量を25mLに調製した。
(e)プロピレンによる予備重合
上記(1)の(d)で調整したトリノルマルオクチルアルミニウム処理したモンモリロナイトのヘプタンスラリーに、トリノルマルオクチルアルミニウムのヘプタン溶液1.25mL(600μmol)を加えた。ここに、別のフラスコ(容積200mL)中で、(r)−ジクロロ[1,1´−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウムジクロリド111mg(127μmol)にヘプタン(15mL)を加えたスラリーを加えて、60℃で60分間撹拌した。
次に、上記モンモリロナイトのヘプタンスラリーに、さらにヘプタン210mLを追加して全量を250mLに調整し、充分に窒素置換を行った内容積1Lの撹拌式オートクレーブに導入した。オートクレーブ内の温度が40℃に安定したところでプロピレンを5g/時間の速度で供給し、温度を維持した。2時間後プロピレンの供給を停止し、さらに2時間40℃を維持した。
その後、残存モノマーをパージして予備重合触媒スラリーをオートクレーブより回収した。回収した予備重合触媒スラリーを静置し、上澄み液を抜き出した。続いてトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液4.18mL(3.0mmol)を室温にて加え、その後、減圧乾燥して固体触媒を13.89g回収した。
予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)は1.65であった。
(f)プロピレン−エチレンランダム共重合
内容積3Lの撹拌機付オートクレーブ内をプロピレンで充分置換した後に、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(140mg/mL)2.86mLを加え、水素を標準状態の体積で90mL、エチレン12g、続いて液体プロピレン750gを導入し、70℃に昇温した。上記(e)で得られた予備重合触媒をヘプタンにスラリー化し、固体触媒として10mg(予備重合ポリマーを除く正味の固体触媒の量;以下同様)をヘプタン1mLと共に圧入し、さらにヘプタン5mLで触媒フィードラインを洗浄して重合を開始した。
触媒投入後60分間槽内温度を70℃に維持した。その後エタノール5mLを圧入して重合を停止した。重合結果を表1にまとめた。得られたポリマーのパウダー粒子は真球状であった。
(実施例2〜8)
重合条件が異なる以外は実施例1と同様に重合した。実施例2〜4の結果を表1に、実施例5〜8の結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例1の(a)の操作を実施せず、ベンクレイSLの5wt%水スラリー(スラリーの粘度:8.3cP)を使用したこと以外は実施例1と同様に噴霧造粒した。平均粒径27.6μmの造粒品を62.1gを回収した。
粒子形状を走査型電子顕微鏡で観察したところ扁平な形の粒子であった。
これ以外の操作も実施例1と全く同様に実施し、重合した。結果を表1にまとめる。得られたポリマーのパウダー粒子は扁平な球状であった。
(比較例2〜6)
重合条件が異なる以外は比較例1と同様に重合した。比較例2〜4の結果を表1に、比較例5及び6の結果を表2に示す。
(比較例7〜8)
市販のモンモリロナイト(クニミネ工業社製「クニピアF」:表面積26m/g)8kgを振動ボールミルで粉砕した。これを使用し重合条件が異なる以外は実施例1と同様に重合した。結果を表2に示す。
表1から明らかなように、実施例1、2は比較例7、8と比較して、本発明の製造方法の特定事項である、「表面積が40m/g以上」との要件を満たさない方法である。比較例で得られたものは、重合活性が低いのに比べて、本発明の製造方法の実施例による1,2は、重合活性が良好なオレフィン重合用触媒である事が分かる。具体的には実施例1と比較例7の比較において、同一MFRでありながら実施例1は高活性であり、また実施例2と比較例8との比較においても同様である。
また、本発明の製造方法の特定事項である、「第1造粒工程後に粉砕工程を行う」との要件を満たさない方法である比較例1〜4で得られたものは、同じ水素量において比較した場合、ポリプロピレンポリマーの収率が良好でなく、しかも、得られたポリマーのパウダー性状も扁平であるのに比べて、本発明の製造方法の実施例による実施例1〜4は、ポリプロピレンポリマーの収率が良好であり、得られたなポリマーのパウダー性状も真球状であり良好である。したがって、本発明の製造方法の特定事項を満たす実施例のオレフィン重合用触媒は、高活性な優れたオレフィン重合用触媒であることがわかる。
従って、実施例は重合活性やポリマーの粒子性状という点で、優れた結果が得られていると言える。
また、図1は、実施例1〜4及び比較例1〜4の結果を基に、MFRと活性の関係を纏めた図である。本発明による触媒が高活性であることが明らかである。
本発明の方法により、基本粒子(造粒工程前の粒子)の大きさを小さくし良好な粒子構造を持つイオン交換性層状珪酸塩粒子を製造でき、助触媒兼担体であるイオン交換性層状化合物粒子の構造、大きさを制御した、イオン交換性層状珪酸塩粒子を製造することができる。
また、この調整されたイオン交換性層状化合物を用いることにより、高活性かつ良好な粒子性状のポリマー粒子を与えるオレフィン重合用触媒を得ることができる。
また、このオレフィン重合用触媒を用いることにより、高活性にポリマーを製造することができ、しかも得られたポリマーの粒子性状が良好で高嵩密度のパウダーとして得ることができるといった、優れた性能を持つオレフィン重合体を製造することができる。
したがって、本発明によれば、高活性かつ良好な粒子性状のポリマー粒子を与えるオレフィン重合用触媒及びこれを用いた優れた性能を持つオレフィン重合体を製造することができるため、その工業的価値は極めて大きい。
図1は、実施例1〜4及び比較例1〜4の結果を基に、MFRと活性の関係を纏めた図である。

Claims (12)

  1. イオン交換性層状珪酸塩を造粒して表面積が40m/g以上である造粒体を製造する第1の造粒工程と、第1の造粒工程で得られた造粒体を基本粒子の比端面積が30m/g以上となるように粉砕してから再度造粒して造粒体を製造する第2の造粒工程と含むことを特徴とするイオン交換性層状珪酸塩粒子の製造方法。
  2. 第2の造粒工程において、第1の造粒工程で得られた造粒体を基本粒子の粒径が5μm以下となるように粉砕することを特徴とする請求項1に記載のイオン交換性層状珪酸塩粒子の製造方法。
  3. 第1の造粒工程が、イオン交換性層状珪酸塩のスラリーから液体を蒸発させる操作を含むこと特徴とする請求項1または2に記載のイオン交換性層状珪酸塩粒子の製造方法。
  4. 前記操作が、噴霧造粒法であること特徴とする請求項に記載のイオン交換性層状珪酸塩粒子の製造方法。
  5. 第2の造粒工程が、噴霧造粒法を含むこと特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のイオン交換性層状珪酸塩粒子の製造方法。
  6. さらに、化学処理工程を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のイオン交換性層状珪酸塩粒子の製造方法。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法により得られることを特徴とするイオン交換性層状珪酸塩粒子。
  8. 2MPa以上の圧縮破壊強度を有することを特徴とする請求項に記載のイオン交換性層状珪酸塩粒子。
  9. イオン交換性層状珪酸塩が、モンモリロナイトを主成分とするものであることを特徴とする請求項7または8に記載のイオン交換性層状珪酸塩粒子。
  10. 下記成分[A]及び成分[B]をオレフィンと接触させてなることを特徴とするオレフィン重合用触媒。
    成分[A]:請求項7〜9のいずれか1項に記載のイオン交換性層状珪酸塩粒子
    成分[B]:周期律表第族の遷移金属化合物
  11. 下記成分[A]、成分[B]及び成分[C]をオレフィンと接触させてなることを特徴とするオレフィン重合用触媒。
    成分[A]:請求項7〜9のいずれか1項に記載のイオン交換性層状珪酸塩粒子
    成分[B]:周期律表第族の遷移金属化合物
    成分[C]:有機アルミニウム化合物
  12. 請求項10または11に記載のオレフィン重合用触媒を用いることを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
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