JP6838420B2 - オレフィン重合用触媒成分の製造方法、オレフィン重合用触媒の製造方法、及び、オレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒成分の製造方法、オレフィン重合用触媒の製造方法、及び、オレフィン重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、オレフィン重合用触媒成分の製造方法、オレフィン重合用触媒の製造方法、及び、オレフィン重合体の製造方法に関し、さらに詳しくは、固体成分あたりの活性が高く、分子量の高い重合体を得ることができるオレフィン重合用触媒成分の製造方法、当該オレフィン重合用触媒成分の製造方法を用いたオレフィン重合用触媒の製造方法、及び当該オレフィン重合用触媒の製造方法を用いたオレフィン重合体の製造方法に関する。
粘土または粘土鉱物をオレフィン重合用触媒成分として利用した触媒の存在下に、オレフィンを重合して、オレフィン重合体を製造することは公知である(例えば、特許文献1参照)。また、酸処理、塩類処理または酸と塩類との共存下に処理を行ったイオン交換性層状ケイ酸塩を成分として含むオレフィン重合触媒も、知られている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、特許文献3には、固体成分当たりの重合活性が高く、嵩密度が高く、微粉の発生が少ない等粒子性状に優れたオレフィン重合体を得ることのできるオレフィン重合用触媒、及び、オレフィン重合用触媒を提供することを目的として、ケイ酸塩を除くイオン交換性層状ケイ酸塩をアルカリ化合物で接触処理後に酸又は酸と塩類で接触することが記載されている。特許文献3には、アルカリによって処理することで、粘土鉱物等に含有されるイオン交換性層状ケイ酸塩以外の遊離珪酸を除去し、触媒活性点を増加させる等の効果によって活性向上を図ることができると記載されている。
また、特許文献4には、省エネルギーで高生産効率であり、環境負荷を低減することを目的とした、化学処理したイオン交換性層状ケイ酸塩の製造方法として、層間イオンにプロトンを有するイオン交換性層状ケイ酸塩と塩基類を接触させた後、イオン交換を行う方法を含むオレフィン重合用触媒成分の製造方法が記載されている。特許文献4の製造方法においては、イオン交換を行う工程全体を通してpHが8を超えることがなく、イオン交換を行う工程終了時には、該スラリーのpHが4.5〜8であることを特徴とし、塩基類との接触時にもpH8を越えないことが記載されている。
更に、特許文献5には、高価な有機アルミニウムオキシ化合物あるいはホウ素化合物を使用することなく、気相重合および懸濁重合において、反応器壁へのポリマーの付着を抑制しつつ、優れた重合活性で粒子形状の良好なオレフィン重合体を製造する安価なオレフィン重合用触媒を提供する技術として、イオン交換能を有するカチオンを層間に持つ層状架橋粘土をプロトン放出可能な有機カチオンでイオン交換した変性粘土からなるオレフィン重合触媒が記載されている。
しかしながら、上記のような従来の技術だけでは、オレフィン重合用触媒成分について、重合活性を向上すると共に、より高分子量の重合体を得ることができる重合用用触媒を製造するためには、未だ十分でなく、更なる技術向上が望まれている。
特開平7−309907号公報 特開平8−127613号公報 特開2002−60412号公報 特開2015−189590号公報 特開平10−182715号公報
したがって、本発明では、上記従来技術の問題点に鑑み、固体成分あたりの重合活性が高く、分子量の高い重合体を得ることができるオレフィン重合用触媒成分の製造方法、当該オレフィン重合用触媒成分の製造方法を用いたオレフィン重合用触媒の製造方法、及び当該オレフィン重合用触媒の製造方法を用いたオレフィン重合体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、層状ケイ酸塩を酸類で化学処理して得られた化学処理層状ケイ酸塩を、更に塩基類で化学処理し、かつ、工程終了時のpHを4以下とすることにより得られた化学処理層状ケイ酸塩をオレフィン重合用触媒成分として用いると、重合活性が向上すると共に、重合体を高分子量化することが可能になることを見出した。本発明は、これらの知見に基づき、完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記工程A、Bを含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒成分の製造方法が提供される。
工程A:層状ケイ酸塩(ア)を酸類と接触させて化学処理層状ケイ酸塩(イ)を得る工程
工程B:工程Aから得られた化学処理層状ケイ酸塩(イ)を塩基類とpH8以上で接触させ、かつ、工程終了時のpHを4以下とすることにより化学処理層状ケイ酸塩(ウ)を得る工程
本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、下記工程Cを含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒成分の製造方法が提供される。
工程C:前記化学処理層状ケイ酸塩(ウ)を洗浄する工程
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、下記工程Dを含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒成分の製造方法が提供される。
工程D:前記化学処理層状ケイ酸塩(ウ)を酸類と接触させて化学処理層状ケイ酸塩(エ)を得る工程
さらに、本発明の第4の発明によれば、第1乃至3のいずれかの発明において、前前記塩基類が金属の水酸化物であることを特徴とするオレフィン重合用触媒成分の製造方法が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1乃至4のいずれかの発明の製造方法によりオレフィン重合用触媒成分を製造する工程と、
下記成分(a)と前記工程で得られたオレフィン重合用触媒成分(b)、並びに必要に応じて下記成分(c)および下記成分(d)の少なくとも1つを接触させる工程を有する、オレフィン重合用触媒の製造方法が提供される。
成分(a)メタロセン化合物
成分(c)有機アルミニウム化合物
成分(d)炭素数2〜20のオレフィン
さらに、本発明の第6の発明によれば、第5の発明の製造方法によりオレフィン重合用触媒を製造する工程と、
前記工程で得られたオレフィン重合用触媒の存在下、炭素数2以上のオレフィンを単独または共重合する工程を有する、オレフィン重合体の製造方法が提供される。
本発明によれば、固体成分あたりの重合活性が高く、分子量の高い重合体を得ることができるオレフィン重合用触媒成分の製造方法、当該オレフィン重合用触媒成分の製造方法を用いたオレフィン重合用触媒の製造方法、及び当該オレフィン重合用触媒の製造方法を用いたオレフィン重合体の製造方法を提供することができる。
図1は、実施例及び比較例において、得られたポリマーのMFRに対して、固体成分あたりの重合活性をプロットした図である。 図2は、実施例及び比較例において、仕込み水素量に対して、得られたポリマーのMFRをプロットした図である。
I.オレフィン重合用触媒成分の製造方法
本発明のオレフィン重合用触媒成分の製造方法は、下記工程A、Bを含むことを特徴とする。
工程A:層状ケイ酸塩(ア)を酸類と接触させて化学処理層状ケイ酸塩(イ)を得る工程
工程B:工程Aから得られた化学処理層状ケイ酸塩(イ)を塩基類と接触させ、かつ、工程終了時のpHを4以下とすることにより化学処理層状ケイ酸塩(ウ)を得る工程
本発明のオレフィン重合用触媒成分の製造方法は、層状ケイ酸塩を酸類で化学処理して得られた化学処理層状ケイ酸塩を、更に塩基類で化学処理し、かつ、当該工程終了時のpHを4以下とすることにより、得られた化学処理層状ケイ酸塩をオレフィン重合用触媒成分として用いてオレフィン重合用触媒を製造し、当該オレフィン重合用触媒を用いてオレフィン重合体を重合すると、固体成分あたりの活性が高く、分子量の高い重合体を得ることができる。
本発明のオレフィン重合用触媒成分の製造方法を用いると固体成分あたりの活性が高く、分子量の高い重合体を得ることができる作用については、未解明であるが、以下のように推定できる。
層状ケイ酸塩(ア)を酸類と接触させると層状ケイ酸塩の結晶構造中に含まれる金属が一部溶出された化学処理層状ケイ酸塩(イ)が得られる。化学処理層状ケイ酸塩(イ)は、金属の溶出により、層状ケイ酸塩の結晶構造が乱れた状態になる。この状態で、当該化学処理層状ケイ酸塩(イ)を塩基類と接触させることにより、更に、層状ケイ酸塩が結晶構造を維持した状態では溶出されることのなかった、前記層状ケイ酸塩の結晶構造中に含まれていたケイ素成分が溶出する。この溶出したケイ素成分は、容易に析出したりゲル化したりすることで、層状ケイ酸塩から分離しない状態になりやすいが、化学処理層状ケイ酸塩(イ)を塩基類と接触させ、かつ、当該工程終了時のpHを4以下とすることにより、当該溶出したケイ素成分を十分に除去できる。本発明のオレフィン重合用触媒成分の製造方法を用いると、層状ケイ酸塩の結晶構造中に含まれる金属の溶出による表面積の増加だけでなく、ケイ素成分の溶出による表面積の増大も生じる。このような層状ケイ酸塩中のケイ素成分の溶出方法及び層状ケイ酸塩の表面積増加方法に関する考えはこれまでになかった。また、表面積の増加だけでなく、当該方法により、容易に析出したりゲル化したりする溶出したケイ素成分及び前記層状ケイ酸塩中に含まれる遊離ケイ酸を除去することもできると推定され、性能発現に有効な成分濃度が高まることにより、触媒活性点を増加させることができる。更に、本発明の工程を経て新たに発生した表面に由来する触媒活性点は、従来の方法から得られる層状ケイ酸塩と異なる性質の活性点であると推定され、重合体の高分子量化することが可能となったため、固体成分あたりの活性が高く、分子量の高い重合体を得ることができるようになると推定される。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、“x〜y”という範囲を示す表記は、特に断りが無い限り、当該範囲にxとyが入るものとする。
1.工程A
(1)層状ケイ酸塩(ア)
本発明に使用する層状ケイ酸塩は、ケイ素またはケイ素とアルミニウムの混合物と酸素原子から形成される層と、アルミニウムまたはアルミニウムとマグネシウムの混合物、鉄の混合物と酸素原子または水酸基から形成される層とが、1枚ずつまたは2:1の割合で平行に積み重なった結晶構造を有しているもの、および、それらの混合物を指し、さらに、それらは、交換可能な陽イオンを挟んで積層を繰り返した構造を持っている場合もある。
層状ケイ酸塩は、天然のものに限らず、人工のものであってもよく、また、石英やクリストバライトなどの夾雑物を含んでいてもよい。
層状ケイ酸塩の具体例としては、例えば、「粘土鉱物学」(白水春雄著、朝倉書店、1995年)等に記載される(i)1:1型構造や(ii)2:1型構造をもつ層状ケイ酸塩が挙げられる。(i)1:1型構造とは、前記「粘土鉱物学」等に記載されているような1層の四面体シートと1層の八面体シートが組み合わさっている1:1層構造の積み重なりを基本とする構造を示し、また、(ii)2:1型構造とは、2層の四面体シートが1層の八面体シートを挟み込んでいる2:1層構造の積み重なりを基本とする構造を示す。
(i)1枚ずつ平行に積み重なった結晶構造を1:1型構造といい、この構造を主要な構成層として有する層状ケイ酸塩の具体的な例は、カオリナイト、ディッカライト、ハロサイト、クリソタイル、リザーダイト、アメサイトなどのカオリナイト−蛇紋石族などが挙げられる。
(ii)2:1の割合で平行に積み重なった結晶構造を2:1型構造といい、この構造を主要な構成層として有する層状ケイ酸塩の具体的な例は、パイロフィライト、タルクなどのパイロフィライト−タルク族、白雲母、パラゴナイト、イライト、金雲母、黒雲母、レピドライトなどの雲母族、マーガライト、クリントナイト、アナンダイトなどの脆雲母族、ドンバサイト、クッケアイト、スドーアイト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイトなどの緑泥石族、バーミキュライトなどのバーミキュライト族、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイトなどのスメクタイト族などが挙げられる。
本発明で使用する層状ケイ酸塩は、上記(i)および(ii)の混合層を形成したものであってもよい。その中でも、2:1型構造を有する層状ケイ酸塩が好ましい。より好ましくは、スメクタイト族ケイ酸塩であり、さらに好ましくは、モンモリロナイトである。
(2)層状ケイ酸塩(ア)を酸類と接触させる工程
層状ケイ酸塩を、酸類と接触させると、表面の不純物が除去されるだけでなく、交換性の陽イオン(層間イオン)が溶出し、プロトン(H)との交換が起こり、次いで、八面体シートを構成する金属が溶出する。このような酸類との接触により、層間イオンにプロトンを有する層状ケイ酸塩が生成したり、八面体シートの構成金属の一部が溶出した層状ケイ酸塩が生成する。このような構成金属の一部が溶出した層状ケイ酸塩では、結晶性が低下し、結晶構造に乱れを生じた構造となる。なお、酸類と接触させることを、酸類で化学処理する、ということもある。
この溶出の過程において、酸点、細孔構造、比表面積等の特性が変化する(参考文献:「粘土ハンドブック第三版」236ページ、2009年4月30日発行、技報堂出版株式会社参照。)。
八面体シートを構成する金属が溶出する程度は、酸類の種類、酸類の濃度、処理時間等によって異なるが、八面体シートの主金属として、マグネシウムを多く含むものが一般に大きく、次いで鉄の多いもの、アルミニウムの多いものの順になる。また、結晶度が高く、粒子の大きいものほど、溶出する程度は、低いが、これは、酸類が結晶層間や結晶構造内に侵入することと関係していると、考えられる。
次に、その接触方法などについて説明する。
層状ケイ酸塩と酸類との接触は、層状ケイ酸塩のスラリー下で行うことが好ましい。スラリー化のための溶媒としては、水、アルコール等の有機溶媒などが挙げられる。
酸自体が液状であれば、酸自身が溶媒であってもよい。
酸類の濃度としては、スラリーの酸濃度を重量%[使用する酸の重量÷(使用する層状ケイ酸塩の重量と反応に使用する溶媒、酸、その他使用する試薬等の重量の総和)、%]で示すと、下限は、好ましくは3wt%で、より好ましくは5wt%、さらに好ましくは7wt%である。一方、濃度の上限は、好ましくは45wt%で、より好ましくは40wt%、さらに好ましくは35wt%、よりさらに好ましくは30wt%、特に好ましくは25wt%である。
また、処理温度の下限は、好ましくは40℃で、より好ましくは50℃、さらに好ましくは60℃である。処理温度の上限は、好ましくは102℃で、より好ましくは100℃、さらに好ましくは95℃である。あまり温度を低下させると、極端に陽イオンの溶出速度が低下し、製造効率が低下するおそれがある。一方、温度を上げ過ぎると、操作上の安全性が低下するおそれがある。
また、このときの層状ケイ酸塩の濃度[層状ケイ酸塩の重量÷(層状ケイ酸塩の重量+試薬,溶媒などの重量の総和)、%]の下限は、好ましくは3wt%で、より好ましくは5wt%である。一方、層状ケイ酸塩の濃度の上限は、好ましくは30wt%で、より好ましくは25wt%、さらに好ましくは20wt%である。濃度が低くなると、工業的に生産する場合は、大きな設備が必要となってしまう恐れがある。一方、濃度が高い場合には、スラリーの粘度が上昇してしまい、均一な攪拌混合が困難になり、やはり製造効率が低下するおそれがある。
さらに、処理時間としては、特に制限はないが、前述の金属の溶出量と処理条件(上記酸類の濃度、処理温度、層状ケイ酸塩スラリーの濃度)によって決まるものであり、本発明に好ましい溶出量となる時間に設定するのが好ましい。
酸類による化学処理は、複数回に分けて行うことも、可能である。
使用する酸類として、塩酸、硫酸、硝酸、シュウ酸、安息香酸、ステアリン酸、プロピリオン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸などの無機酸および有機酸が例示される。その中でも、無機酸が好ましく、塩酸、硝酸、硫酸がより好ましい。さらに好ましくは塩酸、硫酸であり、特に好ましくは硫酸である。
上述の酸類による化学処理で、八面体シートを構成する主金属の溶出量の下限は、化学処理前の含有量に対して、好ましくは10%で、より好ましくは15%であり、さらに好ましくは20%であり、よりさらに好ましくは25%である。一方、主金属の溶出量の上限は、好ましくは80%であり、より好ましくは75%であり、さらに好ましくは65%、よりさらに好ましくは60%、特に好ましくは55%、もっとも好ましくは50%である。ここで溶出する八面体を構成する主金属は、アルミニウム、マグネシウム、鉄等が挙げられ、好ましくはアルミニウムである。
主金属の溶出量の計算は、次のようにモル比から求める。例えば、主金属がアルミニウムの場合では、以下の式で、表される。
[酸類と接触前のアルミニウム/珪素(モル比)−酸類と接触後のアルミニウム/珪素(モル比)]÷酸類と接触前のアルミニウム/珪素(モル比)×100 (%)
酸類による処理時間としては、酸類の濃度、処理温度と主金属の溶出量の設定で決まり、任意の時間が選ばれる。
以上のように、層状ケイ酸塩(ア)を酸類と接触させて化学処理層状ケイ酸塩(イ)を得る。
2.工程B
(1)化学処理層状ケイ酸塩(イ)を塩基類と接触させる工程
本発明のオレフィン重合用触媒成分の製造方法では、化学処理層状ケイ酸塩(イ)と塩基類を接触させる工程を含む。この塩基類とは、例えば水溶液にした場合にアルカリ性を示す物質のことを指す。アルカリ性の定義としては、pHメーターで測定したpHの値が7超過であることや、または赤色のリトマス紙に接触すると青色に変色することが可能な物質、広義的にはアレニウスの定義による塩基に相当する物質のことを言う。より具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、アンモニア、アミン等が挙げられる。塩基類は、金属の水酸化物であることが好ましく、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物が好ましい。
塩基類は、化学処理層状ケイ酸塩(イ)と接触させる際は、固体よりも液体の状態にあることが好ましい。化学処理層状ケイ酸塩(イ)が固体であるため、固体−固体の反応では、均一に進行し難いからである。効率よく、均一に反応させることを考えると、反応は、固体(層状ケイ酸塩)−液体(塩基類の溶液)のスラリーの状態で行うことが好ましい。
化学処理層状ケイ酸塩(イ)を塩基類と接触させる際の塩基類溶液乃至スラリーのpHは、一般的に弱アルカリ(pH8以上)、またはアルカリ(pH11以上)と呼ばれる領域である必要があり、pHがこの領域であることにより、ケイ素成分の溶出が生じる。化学処理層状ケイ酸塩(イ)を塩基類と接触させる際の塩基類溶液乃至スラリーのpHは、ケイ素成分の溶出が十分に進行しやすい点から、好ましくはpH9以上、さらに好ましくはpH10以上、よりさらに好ましくはpH11以上、特に好ましくはpH11.5以上である。
使用する塩基類としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化セシウム、水酸化ストロンチウム、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン等が挙げられ、その中でも好ましくは、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムであり、より好ましくは、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムである。
工程Bを行う際の反応時のスラリー中の化学処理層状ケイ酸塩(イ)の濃度[層状ケイ酸塩の重量÷(層状ケイ酸塩の重量+試薬、溶媒などの重量の総和)、%]の下限は、好ましくは3wt%で、より好ましくは5wt%である。一方、化学処理層状ケイ酸塩(イ)の濃度の上限は、好ましくは30wt%で、より好ましくは25wt%、さらに好ましくは20wt%である。濃度が低くなると、工業的に生産する場合は、大きな設備が必要となってしまうおそれがある。一方、濃度が高い場合には、スラリーの粘度が上昇してしまい、均一な攪拌混合が困難になり、やはり製造効率が低下するおそれがある。
工程Bを行う際の温度の下限は、20℃、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上、より更に好ましくは45℃以上、より更に好ましくは50℃以上、特に好ましくは55℃以上である。一方、温度の上限は、70℃、好ましくは65℃、より好ましくは63℃である。工程Bを行う際の温度は、特に好ましくは、55℃以上62℃以下である。温度を逸脱することで、目的とする反応が進まない恐れがある。
工程Bを行う際の時間の下限は、好ましくは30分以上、より好ましくは60分以上、より更に好ましくは90分以上である。時間の上限は、好ましくは720分以下、より好ましくは600分以下、より更に好ましくは480分以下、特に好ましくは240分以下である。
(2)工程Bの終了時のpHを4以下とする工程
工程Bにおいて、塩基類と接触させた後は、反応液スラリーのpHを4以下に低下させる。反応液スラリーは、そのままろ過し、固体と液体に分離することもできるが、反応液スラリーに含まれる反応により溶出した成分が層状ケイ酸塩に付着し、容易に外れがたい状態になる。化学処理層状ケイ酸塩(イ)は、塩基類に接触させると、層状ケイ酸塩を構成する四面体シートに主に含まれるケイ素成分が溶出する。この溶出したケイ素成分は、オレフィン重合用触媒成分として作用することはなく、むしろ不純物となり、単位体積当たりの有効成分量の減少や、活性サイトを覆い隠し埋めてしまうといった活性サイトの減少を引き起こし、性能低下につながると考える。この溶出したケイ素成分は、容易に析出したりゲル化したりすることで、層状ケイ酸塩から分離しない状態になる。反応液中のケイ素成分の析出やゲル化は、溶液のpHや温度、放置時間に影響する。本発明ではこれを抑制するため、化学処理層状ケイ酸塩(イ)を塩基類に接触させた後の反応液スラリーは、pH4超過8未満の範囲内にいる時間を極力短くすることが必要であると考え、反応液スラリーをpH4以下にすることとした。
工程Bの終了時のpHを4以下とする方法としては、例えば、工程Bの反応液スラリーに対して、多量の酸を含む溶液を一気に加えて、瞬時にpHを下げる方法や、工程Bの反応液スラリーを酸溶液に滴下していき、溶液のpHを常時監視しながら上限pH4を保つ状態で、反応液スラリーをすべて滴下し終える(=反応停止の終点)方法がある。酸溶液を調製するための酸類としては、前記工程Aで用いられる酸類と同様であってよく、硫酸水溶液等が好適に用いられる。
工程Bの終了時のpHの上限としては、pH4であるが、好ましくはpH3.5、より好ましくはpH3、より更に好ましくはpH2.5である。工程Bの終了時のpHの下限としては、好ましくはpH0.01、より好ましくはpH0.1、より更に好ましくはpH0.5である。
pH4以下にした反応液スラリーは、24時間以内に反応液と固体分である化学処理層状ケイ酸塩(ウ)を分離させることが好ましい。これを超えるとケイ素成分の析出により性能低下を引き起こすと考える。好ましくは18時間以内、より好ましくは12時間以内、さらに好ましくは、10時間以内、特に好ましくは8時間以内、6時間以内に分離させることが望ましく、短時間で終わらせることがよい。
反応液と固体分である化学処理層状ケイ酸塩(ウ)の分離方法は、上記のpHおよび時間を満たすものであれば、特に指定はなく、アスピレーターや真空ポンプによる減圧濾過、ベルトプレスなどによる圧搾、加圧ろ過いずれでも任意に選択できる。
工程Bでは、化学処理層状ケイ酸塩(イ)を構成する四面体シートに含まれるケイ素成分が溶出する。このような状態にするには、工程Bよりも以前に層状ケイ酸塩の結晶構造に欠陥を発生させる必要があり、工程Aのあとに工程Bを行うことにより本発明が完成する。ケイ素成分の溶出量として、下限は、好ましくは10%、より好ましくは15%、さらに好ましくは20%、よりさらに好ましくは25%、特に好ましくは30%、最も好ましくは35%である。上限は、好ましくは90%、より好ましくは85%、さらに好ましくは80%、よりさらに好ましくは75%、特に好ましくは70%、最も好ましくは65%である。これを逸脱すると、ケイ素成分の溶出不足または、ケイ素成分の溶出過剰により本発明の性能を示すことができない恐れがある。ケイ素成分の溶出量の計算は、次のようにモル比から求める。[化学処理層状ケイ酸塩(イ)のケイ素/アルミニウム(モル比)−化学処理層状ケイ酸塩(ウ)のケイ素/アルミニウム(モル比)]÷化学処理層状ケイ酸塩(イ)のケイ素/アルミニウム(モル比)×100 (%)
以上のようにして、化学処理層状ケイ酸塩(ウ)を得る。
上記のようにして得られた化学処理層状ケイ酸塩(ウ)は、更に以下の工程を有することが好ましい。
3.工程C
上記のようにして得られた化学処理層状ケイ酸塩(ウ)は、更に下記工程Cを含むことが好ましい。
工程C:前記化学処理層状ケイ酸塩(ウ)を洗浄する工程
すなわち、pH4以下にした反応液スラリーから、固体分である化学処理層状ケイ酸塩(ウ)と反応液を分離した後、洗浄により、化学処理層状ケイ酸塩(ウ)における反応液の残液率を低下させることが好ましい。
上記のようにして得られたケーキ状態の化学処理層状ケイ酸塩(ウ)は、洗浄倍率(反応液の残液率)1/10よりも良く洗浄してもよい。洗浄倍率1/100よりも洗浄することが好ましく、または、洗浄倍率1/1000よりも洗浄することがより好ましい。それよりも多く洗浄してもよい。
この洗浄においても、ケイ素成分の析出を抑制する目的で、低pHで実施することが好ましい。洗浄に使用する洗浄液のpHの範囲は、上限がpH4であることが好ましく、より好ましくはpH3.5、特に好ましくはpH3、最も好ましくはpH2.5である。洗浄液のpHの下限としては、好ましくはpH0.01、より好ましくはpH0.1、より更に好ましくはpH0.5である。
洗浄に使用する洗浄液の種類は、前記工程Bの終了時のpHを4以下とする際に用いた酸溶液と同じものであることが好ましい。酸溶液を調製する際の溶媒としては、好ましくは水、アルコール、アセトン等の極性溶媒や、炭化水素、芳香族炭化水素などの極性溶媒などが当てはまり、より好ましくは、水、アルコール、アセトン等の極性溶媒であり、さらに好ましくは、水、アルコールである。
4.工程D
上記のようにして得られた化学処理層状ケイ酸塩(ウ)は、更に下記工程Dを含むことが、前記本発明の効果を向上させる点から好ましい。
工程D:前記化学処理層状ケイ酸塩(ウ)を酸類と接触させて化学処理層状ケイ酸塩(エ)を得る工程
化学処理層状ケイ酸塩(ウ)に酸類を接触させる方法は、前記「工程A (2)層状ケイ酸塩(ア)を酸類と接触させる」方法と同様であって良いので、ここでの説明を省略する。
前記化学処理層状ケイ酸塩(ウ)を酸類と接触させることにより溶出する、八面体シートを構成する主金属の溶出量の下限は、当該酸類の化学処理前の含有量に対して、好ましくは10%で、より好ましくは15%であり、さらに好ましくは20%であり、よりさらに好ましくは25%である。一方、主金属の溶出量の上限は、好ましくは80%であり、より好ましくは75%であり、さらに好ましくは65%、よりさらに好ましくは60%、特に好ましくは55%、もっとも好ましくは50%である。ここで溶出する八面体を構成する主金属は、アルミニウム、マグネシウム、鉄等が挙げられ、好ましくはアルミニウムである。
上述の酸類による化学処理後、スラリー中に、反応物もしくは未反応物が残存することから、水などの溶媒で洗浄することが好ましいとされてきたが、本発明では、洗浄は、必須ではなく、洗浄をしてもよく、洗浄をしなくてもよい。
洗浄倍率が1/1000以下の洗浄をしてもよく、1/1000を超える洗浄をしてもよい。ここでの洗浄倍率とは、「(希釈前の酸類の量+希釈剤の量−除去した希釈剤の量)÷(希釈前の酸類の量+希釈剤の量)」のことをいい、例えば、希釈前の酸類の量が1であり、洗浄操作として99の希釈剤(溶媒)を加えて、均一に希釈した後、99の希釈した溶液を除去すれば、洗浄倍率は、1/100ということになる。
5.工程E
上記のようにして得られた化学処理層状ケイ酸塩(エ)は、固体成分あたりの重合活性をより向上させる点から、さらに塩類と接触させて、化学処理層状ケイ酸塩(オ)を得てもよい。
また、上記塩処理などの化学処理の前後いずれかでインターカレーションを施してもよい。
インターカレーションとは、層状ケイ酸塩などの粘土鉱物が層状物質の場合に、導入する化合物を含有する処理剤と粘土鉱物を接触させることにより、層間に別の物質を導入することをいい、導入される物質をゲスト化合物という。
塩処理やインターカレーションでは、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体等を形成し、表面積や層間距離を変えることができる。インターカレーションによって、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと置換することにより、層間が拡大した状態の層状物質を得ることもできる。すなわち、嵩高いイオンが層状構造を支える支柱的な役割を担っており、ピラーと呼ばれる。
以下に、処理剤の具体例を示す。なお、本発明では、以下の塩類及び層状ケイ酸塩の層間にインターカレーションし得る化合物から選ばれる2種以上を組み合わせたものを処理剤として用いてもよい。また、これら塩類及び層状ケイ酸塩の層間にインターカレーションし得る化合物は、それぞれが2種以上の組み合わせであってもよい。さらに、これらの組み合わせは、処理開始時に添加する処理剤について組み合わせて用いてもよいし、処理の途中で添加する処理剤について組み合わせて用いてもよい。
(a)塩類
塩類としては、有機陽イオン、無機陽イオン及び金属イオンからなる群から選ばれる陽イオンと、有機陰イオン、無機陰イオン及びハロゲン化物イオンからなる群から選ばれる陰イオンとから構成される塩類が例示される。例えば、周期律表第1〜14族から選択される少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、ハロゲンの陰イオン、無機ブレンステッド酸及び有機ブレンステッド酸の陰イオンからなる群より選ばれる少なくとも一種の陰イオンとから構成される化合物が好ましい例として挙げられる。特に好ましくは、アニオンが無機ブレンステッド酸やハロゲンからなる化合物である。
これらを示す具体的な処理剤として、例示するならば、LiCl、LiBr、LiSO、Li(PO)、LiNO、Li(OOCCH)、NaCl、NaBr、NaSO、Na(PO)、NaNO、Na(OOCCH)、KCl、KBr、KSO、K(PO)、KNO、K(OOCCH)、MgCl、MgSO、Mg(NO、Mg(C、CaCl、CaSO、Ca(NO、Ca(C、SrCl、SrSO、Sr(NO、Sr(C、NiCO、Ni(NO、NiC、Ni(ClO、NiSO、NiCl、NiBr、FeCl、Fe(SO、Fe(NO、Fe(C)、CuCl、CuBr、Cu(NO、CuC、Cu(ClO、CuSO、Cu(OOCCH、Zn(OOCH、Zn(CHCOCHCOCH、ZnCO、Zn(NO、Zn(ClO、Zn(PO、ZnSO、ZnF、ZnCl、ZnBr、ZnI、MgCl、AlF、AlCl、AlBr、AlI、Al(SO、Al(C、Al(CHCOCHCOCH、Al(NO、AlPO、Sn(OOCCH、Sn(SO、SnF、SnCl等が、挙げられる。
有機陽イオンの例としては、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、ドデシルアンモニウム、N,N−ジメチルアニリニウム、N,N−ジエチルアニリニウム、N,N−2,4,5−ペンタメチルアニリニウム、N,N−ジメチルオクタデシルアンモニウム、オクタドデシルアンモニウム、N,N−2,4,5−ペンタメチルアニリニウム、N,N−ジメチル−p−n−ブチルアニリニウム、N,N−ジメチル−p−トリメチルシリルアニリニウム、N,N−ジメチル−1−ナフチルアニリニウム、N,N,2−トリメチルアニリニウム、2,6−ジメチルアニリニウム等のアンモニウム化合物やピリジニウム、キノリニウム、N−メチルピペリジニウム、2,6−ジメチルピリジニウム、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニウム等の含窒素芳香族化合物、ジメチルオキソニウム、ジエチルオキソニウム、ジフェニルオキソニウム、フラニウム、オキソラニウム等のオキソニウム化合物、トリフェニルホスホニウム、トリ−o−トリルホスホニウム、トリ−p−トリルホスホニウム、トリメシチルホスホニウム等のホスホニウム化合物やホスファベンゾニウム、ホスファナフタレニウム等の含リン芳香族化合物等が挙げられる。
存在させる陽イオンの量については、特に制限は無いが、好ましくは層状ケイ酸塩1g当たり0.001mol以上を存在させて処理することが好ましい。この陽イオンは、1種類を単独で用いてもよいし2種類以上を組み合わせて用いてもよい。組み合わせて用いる場合、存在させる量はそれぞれの合計が層状ケイ酸塩1gあたり0.001mol以上であることが好ましい。
また、陰イオンの例としては、上に例示した陰イオン以外にも、ホウ素化合物、リン化合物からなる陰イオン、例えばヘキサフルオロフォスフェート、テトラフルオロボレート、テトラフェニルボレート等が挙げられる。
(b)インターカレーション用化合物
層状ケイ酸塩の層間にインターカレーションするために用いられるゲスト化合物としては、TiCl、ZrCl等の陽イオン性無機化合物、Ti(OR)、Zr(OR)、PO(OR)、B(OR)[Rはアルキル基、アリール基など]等の金属アルコラート、[Al1(OH)247+、[Zr(OH)142+、[FeO(OCOCH等の金属水酸化物イオン、エチレングリコール、グリセロール、尿素、ヒドラジン等の有機化合物、アルキルアンモニウムイオン等の有機陽イオン等が挙げられる。
これらの化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)、Al(OR)、Ge(OR)等の金属アルコラート等を加水分解して得た重合物、SiO等のコロイド状無機化合物等を共存させることもできる。また、ピラーの例としては、上記水酸化物イオンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水することにより生成する酸化物等が挙げられる。ゲスト化合物の使用法としては、そのまま用いてもよいし、新たに水を添加吸着させ、あるいは加熱脱水処理した後、用いてもよい。また、単独で用いても、上記固体の2種以上を混合して用いてもよい。
これらの各種処理剤は、適当な溶剤に溶解させて、処理剤溶液として用いてもよいし、処理剤自身を溶媒として用いてもよい。使用できる溶剤としては、水、アルコール類、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エステル類、エーテル類、ケトン類、アルデヒド類、フラン類、アミン類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、二硫化炭素、ニトロベンゼン、ピリジン類やこれらのハロゲン化物などが挙げられる。また、処理剤溶液中の処理剤濃度は、0.1重量%〜100重量%程度が好ましく、より好ましくは5重量%〜50重量%程度である。処理剤濃度がこの範囲内であれば、処理に要する時間が短くなり、効率的に生産が可能になるという利点がある。
また、工程Eの終了後は、洗浄を行うことが好ましい。洗浄方法、条件については、特に制限はないが、洗浄により、洗浄倍率が1/10以下となるように、洗浄することが好ましい。
洗浄に利用する溶媒は、水、アルコール類、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エステル類、エーテル類、ケトン類、アルデヒド類、フラン類、アミン類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、二硫化炭素、ニトロベンゼン、ピリジン類やこれらのハロゲン化物などが挙げられる。好ましくは、工程Eの溶媒として使用したものと、同じ種類が良く、より好ましくは、水、エタノール、炭化水素である。
6.乾燥
本発明のオレフィン重合用触媒成分の製造方法では、工程Aと工程B、または工程A〜工程Eの後、洗浄および脱水を行い、その後は、好ましくは乾燥を行う。
乾燥は、得られた層状ケイ酸塩の構造破壊を起こさないように行うことが好ましく、一般的には、乾燥温度は、100℃〜800℃、好ましくは150℃〜600℃で実施可能であり、特に好ましくは150℃〜300℃で実施することが好ましい。
これらの層状ケイ酸塩は、構造破壊されなくとも、乾燥温度により特性が変化するために、用途に応じて、乾燥温度を変えることが好ましい。
また、乾燥時間は、通常1分〜24時間、好ましくは5分〜4時間であり、雰囲気は、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、又は減圧下であることが好ましい。乾燥方法に関しては、特に限定されず各種方法で実施可能である。
さらに、一般に、層状ケイ酸塩には、吸着水および層間水が含まれる。
本発明においては、これらの吸着水および層間水を除去して使用するのが好ましい。水の除去には、通常、加熱処理が用いられる。その方法は、特に制限されないが、付着水、層間水が残存しない、また、構造破壊を生じないような条件を選ぶことが好ましい。
加熱時間は、0.1時間以上、好ましくは0.2時間以上である。その際、除去した後の水分含有率が、温度200℃、圧力1mmHgの条件下で2時間脱水した場合の水分含有率を0重量%とした時、3重量%以下、好ましくは1重量%以下であることが好ましい。
7.造粒
層状ケイ酸塩は、造粒することが可能であり、造粒して、造粒体にて用いることが好ましい。中でも、触媒化する際の粉体としてのハンドリング性能や、触媒としての粉体性状(嵩密度、流れ性、安息角など)、さらには重合体の反応槽への付着防止や重合体抜き出し時のハンドリングなどのプラントの安定運転性能の点から、化学処理層状ケイ酸塩(ウ)を造粒することが好ましい。
造粒方法としては、特に制限されないが、好ましい造粒体の製造方法としては、撹拌造粒法、噴霧造粒法、転動造粒法、ブリケッティング、コンパクティング、押出造粒法、流動層造粒法、乳化造粒法、液中造粒法、圧縮成型造粒法等が挙げられる。より好ましくは、噴霧乾燥造粒や噴霧冷却造粒、流動層造粒、噴流層造粒、液中造粒、乳化造粒等が挙げられ、特に好ましくは噴霧乾燥造粒や噴霧冷却造粒が挙げられる。
噴霧造粒を行う場合、原料スラリーの分散媒として、水あるいはメタノール、エタノール、クロロホルム、塩化メチレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の有機溶媒を用いる。好ましくは水を分散媒として用いる。
噴霧造粒の際、原料スラリー液中における層状ケイ酸塩または化学処理層状ケイ酸塩の濃度を、0.1重量%〜70重量%、好ましくは1重量%〜50重量%、より好ましくは4重量%〜45重量%、さらに好ましくは5重量%〜40重量%にすることで、球状の造粒体が得られる。上記濃度の上限を超えると、球状粒子が得られず、また、上記濃度の下限を下回ると、造粒体の平均粒径が小さくなりすぎる。球状粒子が得られる噴霧造粒の熱風の入口の温度は、分散媒により異なるが、水を例にとると、80℃〜260℃、好ましくは100℃〜220℃で行う。
また、造粒の際に、有機物、無機塩等の各種バインダーを用いてもよい。用いられるバインダーとしては、例えば、砂糖、デキストローズ、コーンシロップ、ゼラチン、グルー、カルボキシメチルセルロース類、ポリビニルアルコール、水ガラス、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸マグネシウム、アルコール類、グリコール、澱粉、カゼイン、ラテックス、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、タール、ピッチ、アルミナゾル、シリカゲル、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ等が挙げられる。
造粒前の層状ケイ酸塩の形状については、特に制限はなく、天然に産出する形状、人工的に合成した時点の形状でもよいし、また、粉砕、造粒、分級などの操作によって形状を加工したものを用いてもよい。
また、造粒した層状ケイ酸塩または化学処理層状ケイ酸塩の粒径は、5μm以上、300μm以下であり、球状であることが好ましい。より好ましくは5μm以上、250μm以下であり、さらに好ましくは、5μm以上、200μm以下である。5μm未満の微粒子が多く存在すると、反応器への付着等が起こりやすく、ポリマー同士の凝集、重合プロセスによっては、ショートパスあるいは長期滞留の要因となってしまい、好ましくない。300μm以上の粗粒子については、閉塞が起こりやすい等の問題が生じるために好ましくない。これらを満たす平均粒径とするために、あるいは平均粒径に対して極度に小さい、または大きい粒径を示す粒子が存在する場合には、分級、分別等により粒径を制御してもよい。
II.オレフィン重合用触媒の製造方法
本発明のオレフィン重合用触媒の製造方法は、前記本発明の製造方法によりオレフィン重合用触媒成分を製造する工程と、
下記成分(a)と前記工程で得られたオレフィン重合用触媒成分(b)、並びに必要に応じて下記成分(c)および下記成分(d)の少なくとも1つを接触させる工程を有することを特徴とする。
成分(a)メタロセン化合物
成分(c)有機アルミニウム化合物
成分(d)炭素数2〜20のオレフィン
以下、オレフィン重合用触媒の製造方法について説明する。
1.成分(a):メタロセン化合物
本発明で使用する成分(a)の好ましい周期表第4族遷移金属のメタロセン化合物は、共役五員環配位子を少なくとも一個有するメタロセン化合物である。かかる遷移金属化合物として好ましいものは、下記一般式(1)〜(4)で表される化合物である。
上記一般式(1)〜(4)中、AおよびA’は、置換基を有してもよい共役五員環配位子(同一化合物内においてAおよびA’は同一でも異なっていてもよい)を示し、Qは、二つの共役五員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基を示し、Zは、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原子またはイオウ原子を含む配位子、水素原子、ハロゲン原子、又は炭化水素基を示し、Z’は、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原子またはイオウ原子を含む配位子、又は炭化水素基を示す。Q’は、共役五員環配位子の任意の位置とZを架橋する結合性基を示し、Mは、周期表第4族から選ばれる金属原子を示し、XおよびYは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基、アミノ基、リン含有炭化水素基または珪素含有炭化水素基(同一化合物内においてX及びYは、同一でも異なっていてもよい。)を示す。
AおよびA’としては、例えば、シクロペンタジエニル基を挙げることができる。シクロペンタジエニル基は、水素原子を五個有するもの[C−]であってもよく、また、その誘導体、すなわちその水素原子のいくつかが置換基で置換されているものであってもよい。
この置換基の例としては、炭素数1〜40、好ましくは炭素数1〜30の炭化水素基である。この炭化水素基は、一価の基としてシクロペンタジエニル基と結合していても、また、これが複数存在するときに、その内の2個がそれぞれ他端(ω−端)で結合してシクロペンタジエニルの一部と共に環を形成していてもよい。後者の例としては、2個の置換基がそれぞれω−端で結合して、該シクロペンタジエニル基中の隣接した2個の炭素原子を共有して縮合六員環を形成しているもの、即ちインデニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基、および縮合七員環を形成しているもの、即ちアズレニル基、テトラヒドロアズレニル基が挙げられる。
AおよびA’で示される共役五員環配位子の好ましい具体的例としては、置換または非置換のシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基、またはアズレニル基等が挙げられる。この中で、特に好ましいものは、置換または非置換のインデニル基、またはアズレニル基である。
シクロペンタジエニル基上の置換基としては、前記の炭素数1〜40、好ましくは炭素数1〜30の炭化水素基に加え、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子基、炭素数1〜12のアルコキシ基、例えば、−Si(R)(R)(R)で示される珪素含有炭化水素基、−P(R)(R)で示されるリン含有炭化水素基、または−B(R)(R)で示されるホウ素含有炭化水素基が挙げられる。これらの置換基が複数ある場合、それぞれの置換基は同一でも異なっていてもよい。上述のR、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜24、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基を示す。
さらに、シクロペンタジエニル基上の置換基として、少なくとも1つの第15〜16族元素(すなわち、ヘテロ元素)を有しても良い。この場合、ヘテロ元素自身を活性点近傍に、しかも金属と結合、配位することなく存在させて、活性点の性質を向上させようという思想から、第15〜16族元素と共役五員環配位子とを結合する原子数が1以下であるメタロセン錯体がさらに好ましい。
第15〜16族元素の配位子上の位置は、特に制限は無いが、2位の置換基上に有することが好ましい。さらに好ましくは2位の置換基が、5員又は6員環中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子、及びリン原子よりなる群から選択されるヘテロ原子を含有する単環式又は多環式であることが好ましい。また、好ましくはケイ素もしくはハロゲンを含んでもよい炭素数4〜20のヘテロ芳香族基であり、ヘテロ芳香族基は、5員環構造が好ましく、ヘテロ原子は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子が好ましく、酸素原子、硫黄原子がより好ましく、酸素原子がさらに好ましい。
Qは、二つの共役五員環配位子間を任意の位置で架橋する結合性基を、Q’は、共役五員環配位子の任意の位置とZで示される基を架橋する結合性基を表す。
QおよびQ’の具体例としては、次の基が挙げられる。
(イ)メチレン基、エチレン基、イソプロピレン基、フェニルメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、シクロヘキシレン基等のアルキレン基類
(ロ)ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジプロピルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルエチルシリレン基、メチルフェニルシリレン基、メチル−t−ブチルシリレン基、ジシリレン基、テトラメチルジシリレン基等のシリレン基類
(ハ)ゲルマニウム、リン、窒素、ホウ素あるいはアルミニウムを含む炭化水素基類
さらに、具体的には、(CHGe、(CGe、(CH)P、(C)P、(C)N、(C)N、(C)B、(C)B、(C)Al、(CO)Alで示される基等である。好ましいものは、アルキレン基類およびシリレン基類である。
また、Mは、金属原子のことで、特に周期表第4族から選ばれる遷移金属原子を示し、例を挙げるならば、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等である。特に、ジルコニウム、ハフニウムが好ましい。
さらに、Zは、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原子またはイオウ原子を含む配位子、水素原子、ハロゲン原子又は炭化水素基を示し、Z’は、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原子またはイオウ原子を含む配位子、又は炭化水素基を示す。Z及びZ’の好ましい具体例としては、炭素数1〜40、好ましくは炭素数1〜18の酸素含有炭化水素基、炭素数1〜40、好ましくは炭素数1〜18のイオウ含有炭化水素基、炭素数1〜40、好ましくは炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜40、好ましくは炭素数1〜18の窒素含有炭化水素基、炭素数1〜40、好ましくは炭素数1〜18のリン含有炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基が挙げられ、Zの好ましい具体例としては、水素原子、塩素原子、臭素原子が更に追加される。
XおよびYは、各々水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基、アミノ基、ジフェニルフォスフィノ基等の炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12のリン含有炭化水素基、またはトリメチルシリル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基等の炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12のケイ素含有炭化水素基である。XとYは同一でも異なってもよい。これらのうちハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、および炭素数1〜12のアミノ基が特に好ましい。
一般式(1)で表される化合物としては、例えば、
(1)ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(2)ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(3)ビス(1、3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(4)ビス(1−n−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(5)ビス(1−メチル−3−トリフルオロメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(6)ビス(1−メチル−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(7)ビス(1−メチル−3−フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(8)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
(9)ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(10)ビス(2−メチル−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
等が挙げられる。
一般式(2)で表される化合物としては、例えば、
(1)ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−イソプロピル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(2)ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(3)ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(4)ジメチルシリレンビス[1−{2−メチル−4−(2、6−ジメチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウムジクロリド、
(5)ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4、6−ジイソプロピル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(6)ジフェニルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(7)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(8)エチレンビス{1−[2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}ジルコニウムジクロリド、
(9)ジメチルシリレンビス{1−[2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}ジルコニウムジクロリド、
(10)ジメチルシリレンビス{1−[2−メチル−4−(2’、6’−ジメチル−4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}ジルコニウムジクロリド、
(11)ジメチルシリレン{1−[2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}{1−[2−メチル−4−(4−ビフェニリル)インデニル]}ジルコニウムジクロリド、
(12)ジメチルシリレン{1−(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}{1−(2−メチル−4、5−ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(13)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フェニル−7−フルオロ−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(14)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−インドリル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(15)ジメチルシリレンビス[1−{2−エチル−4−(3、5−ビストリフルオロメチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウムジクロリド、
(16)ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホン酸)、
(17)ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(18)ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4、5−ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(19)ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチル)インデニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(20)ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4、6−ジイソプロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(21)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(22)エチレン−1、2−ビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(23)エチレン−1、2−ビス{1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(24)イソプロピリデンビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(25)エチレン−1、2−ビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(26)イソプロピリデンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(27)ジメチルゲルミレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(28)ジメチルゲルミレンビス{1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(29)フェニルホスフィノビス{1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(30)ジメチルシリレンビス[3−(2−フリル)−2、5−ジメチル−シクロペンタジエニル]ジルコニウムジクロリド、
(31)ジメチルシリレンビス[2−(2−フリル)−3、5−ジメチル−シクロペンタジエニル]ジルコニウムジクロリド、
(32)ジメチルシリレンビス[2−(2−フリル)−インデニル]ジルコニウムジクロリド、
(33)ジメチルシリレンビス[2−(2−(5−メチル)フリル)−4、5−ジメチル−シクロペンタジエニル]ジルコニウムジクロリド、
(34)ジメチルシリレンビス[2−(2−(5−トリメチルシリル)フリル)−4、5−ジメチル−シクロペンタジエニル]ジルコニウムジクロリド、
(35)ジメチルシリレンビス[2−(2−チエニル)−インデニル]ジルコニウムジクロリド、
(36)ジメチルシリレン[2−(2−(5−メチル)フリル)−4−フェニルインデニル][2−メチル−4−フェニルインデニル]ジルコニウムジクロリド、
(37)ジメチルシリレンビス(2、3、5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(38)ジメチルシリレンビス(2、3−ジメチル−5−エチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、
(39)ジメチルシリレンビス(2、5−ジメチル−3−フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
等が挙げられる。
一般式(3)で表される化合物としては、例えば、
(1)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(ビスt−ブチルアミド)ジクロリド、
(2)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(ビスイソプロピルアミド)ジクロリド、
(3)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(ビスシクロドデシルアミド)ジクロリド、
(4)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウム{ビス(トリメチルシリル)アミド)}ジクロリド、
(5)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)チタニウム{ビス(トリメチルシリル)アミド}ジクロリド、
(6)(2−メチルインデニル)チタニウム(ビスt−ブチルアミド)ジクロリド、
(7)(フルオレニル)チタニウム(ビスt−ブチルアミド)ジクロリド、
(8)(3、6−ジイソプロピルフルオレニル)チタニウム(ビスt−ブチルアミド)ジクロリド、
(9)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(フェノキシド)ジクロリド、
(10)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(2、6−ジイソプロピルフェノキシド)ジクロリド、
等が挙げられる。
一般式(4)で表される化合物としては、例えば、
(1)ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(t−ブチルアミド)チタニウムジクロリド、
(2)ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(シクロドデシルアミド)チタニウムジクロリド、
(3)ジメチルシランジイル(2−メチルインデニル)(t−ブチルアミド)チタニウムジクロリド、
(4)ジメチルシランジイル(フルオレニル)(t−ブチルアミド)チタニウムジクロリド、等が挙げられる。
これらの例示化合物のジクロリドは、ジブロマイド、ジフルオライド、ジメチル、ジフェニル、ジベンジル、ビスジメチルアミド、ビスジエチルアミド等に置き換えた化合物も、同様に例示される。さらに、例示化合物中のジルコニウムは、ハフニウムまたはチタニウムに、チタニウムは、ハフニウムまたはジルコニウムに置き換えた化合物も、同様に、例示される。
本発明で使用する遷移金属化合物としては、一般式(2)で示される化合物が好ましく、さらに、置換基に縮合七員環を形成しているもの、即ちアズレニル基、テトラヒドロアズレニル基を有する化合物が特に好ましい。
なお、メタロセン化合物は、一種類を用いることも、二種類以上を併用して用いることもできる。
二種類以上を併用して用いる場合は、上記一般式(1)〜(4)のうちいずれか一つの一般式に含まれる化合物群の中から二種類以上を選ぶことができ、一つの一般式に含まれる化合物群の中から選ばれる一種または二種以上と他の一般式に含まれる化合物群の中から選ばれる一種または二種以上とを選ぶこともできる。
例えば、オレフィンマクロマーを生成する重合用触媒を形成するメタロセン化合物であり、オレフィンマクロマーを生成する重合用触媒を形成するメタロセン化合物とは、70℃でプロピレン単独重合を行った場合に、末端ビニル率が0.5以上を満たすプロピレン単独重合体を形成するメタロセン化合物(a−1)と、一般式(4)で表されるメタロセン化合物(a−2)との併用を挙げることができる。成分(a−2)に対する成分(a−1)のモル比(a−1)/(a−2)は、1.0〜99.0とすることができる。
2.成分(c):有機アルミニウム化合物
成分(c)は、有機アルミニウム化合物である。
本発明で成分(c)として用いられる有機アルミニウム化合物は、一般式:(AlR3−n で表される有機アルミニウム化合物が使用される。
式中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基を表し、Xは、ハロゲン原子、水素原子、アルコキシ基又はアミノ基を表し、nは1〜3の整数を表し、mは1または2を表す。
有機アルミニウム化合物は、単独であるいは複数種を組み合わせて使用することができる。
有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルプロピルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウム、トリノルマルデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムジメチルアミド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムクロライド等が挙げられる。
これらのうち、好ましくは、m=1、n=3のトリアルキルアルミニウム及びアルキルアルミニウムヒドリドである。さらに好ましくは、Rが炭素数1〜8であるトリアルキルアルミニウムである。
3.成分(d):炭素数2〜20のオレフィン
本発明に係るオレフィン重合用触媒では、予め、オレフィンを接触させて少量重合されることからなる予備重合処理に付すことが好ましい。
使用するオレフィンは、特に限定はないが、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレンなどを使用することが可能であり、特にプロピレンを使用することが好ましい。
予備重合時のオレフィンの供給方法は、オレフィンを反応槽に定速的にあるいは定圧状態になるように維持する供給方法やその組み合わせ、段階的な変化をさせるなど、任意の方法が可能である。
予備重合時間は、特に限定されないが、5分〜24時間の範囲であることが好ましい。また、予備重合量は、予備重合ポリマー量が、成分(b)1gに対し、好ましくは0.01g〜100g、さらに好ましくは0.1g〜50gである。
また、予備重合温度は、特に制限は無いが、0℃〜100℃が好ましく、より好ましくは10℃〜70℃、特に好ましくは20℃〜60℃、さらに好ましくは30℃〜50℃である。この範囲を下回ると、反応速度が低下したり、活性化反応が進行しないという弊害が生じる可能性があり、一方、上回ると、予備重合ポリマーが溶解したり、予備重合速度が速すぎて粒子性状が悪化したり、副反応のため活性点が失活するという弊害が生じる可能性がある。
予備重合時には、有機溶媒等の液体中で実施することもでき、かつこれが好ましい。予備重合時の触媒の濃度には、特に制限は無いが、好ましくは30g/L以上、より好ましくは40g/L以上、特に好ましくは45g/L以上である。濃度が高い方がメタロセンの活性化が進行し、高活性触媒となる。
さらに、上記各成分の接触の際、もしくは接触の後に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの重合体やシリカ、チタニアなどの無機酸化物固体を共存させることも可能である。
予備重合後の触媒は、そのまま使用してもよいし、乾燥してもよい。乾燥方法には、特に制限は無いが、減圧乾燥や加熱乾燥、乾燥ガスを流通させることによる乾燥などが例示され、これらの方法を単独で用いてもよいし、2つ以上の方法を組み合わせて用いてもよい。乾燥工程において触媒を攪拌、振動、流動させてもよいし、静置させてもよい。
4.オレフィン重合用触媒の調製
本発明に係るオレフィン重合用触媒は、成分(a)と前記工程で得られたオレフィン重合用触媒成分(b)及び必要に応じて成分(c)を接触させた後、さらに必要であれば成分(d)を接触させて、触媒とする。
その成分(a)、(b)、(c)の接触方法は、特に限定されないが、以下のような順序で接触させることができる。この接触は、成分(d)として示したオレフィンの不存在化で行っても、存在下で行ってもよい。これらの接触において、接触を充分に行うため溶媒を用いてもよい。溶媒としては、脂肪族飽和炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族不飽和炭化水素やこれらのハロゲン化物、また予備重合モノマーなどが例示される。
(i)成分(a)と成分(b)を接触させる。
(ii)成分(a)と成分(b)を接触させた後に、成分(c)を接触する。
(iii)成分(b)と成分(c)を接触させた後に、成分(a)を接触する。
(iv)成分(a)と成分(c)を接触させた後に、成分(b)を接触する。
(v)三成分を同時に接触させる。
好ましい接触方法は、成分(b)と成分(c)を接触させた後、未反応の成分(c)を洗浄等で除去し、その後再度必要最小限の成分(c)を成分(b)に接触させ、その後、成分(a)を接触させる方法である。この場合のAl/遷移金属のモル比は、0.1〜1、000、好ましくは2〜100、さらに好ましくは4〜50の範囲である。
成分(b)と成分(c)を接触させる(その場合、成分(a)が存在していても良い)温度は、0℃〜100℃が好ましく、さらに好ましくは20℃〜80℃、特に好ましくは30℃〜60℃である。この範囲より低い場合は、反応が遅く、また、高い場合は、副反応が進行するという欠点がある。
また、成分(a)と成分(c)を接触させる(その場合、成分(b)が存在していても良い)場合には、有機溶媒を溶媒として存在させることが好ましい。この場合の成分(a)の有機溶媒中での濃度は、高い方が好ましい。好ましい成分(a)の有機溶媒中での濃度の下限は、好ましくは3mmol/L、より好ましくは4mmol/L、さらに好ましくは6mmol/Lである。下限未満では、反応が遅く、十分に反応が進行しないおそれがある。
成分(b)1gにつき、成分(a)が0.001mmol〜10mmol、好ましくは0.001mmol〜1mmolの範囲である。
III.オレフィン重合体の製造方法
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、前記本発明の製造方法によりオレフィン重合用触媒を製造する工程と、
前記工程で得られたオレフィン重合用触媒の存在下、炭素数2以上のオレフィンを単独または共重合する工程を有することを特徴とする。
前記工程で得られたオレフィン重合用触媒を用いて行う重合は、1種類のオレフィンを重合、あるいは2種類以上のオレフィンを共重合させることにより行われ、本発明におけるオレフィン重合体はオレフィン共重合体であっても良い。
共重合の場合、反応系中の各モノマーの量比は、経時的に一定である必要はなく、各モノマーを一定の混合比で供給することも可能であるし、供給するモノマーの混合比を経時的に変化させることも可能である。また、共重合反応比を考慮してモノマーのいずれかを分割添加することもできる。
重合し得るオレフィンとしては、炭素数2〜20程度のものが好ましく、具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、スチレン、ジビニルベンゼン、7−メチル−1、7−オクタジエン、シクロペンテン、ノルボルネン、エチリデンノルボルネン等が挙げられる。好ましくは炭素数2〜8のα−オレフィンであり、さらに好ましくはエチレン、プロピレンである。共重合の場合、用いられるコモノマーの種類は、前記オレフィンとして挙げられるものの中から、主成分となるもの以外のオレフィンを1種、或いは2種以上選択して用いることができる。好ましくは主成分がプロピレンである。
重合様式は、触媒とモノマーが効率よく接触するならば、あらゆる様式を採用しうる。具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー法、不活性溶媒を実質的に用いずプロピレンを溶媒として用いる方法、溶液重合法あるいは実質的に液体溶媒を用いずモノマーをガス状に保つ気相法などが採用できる。また、連続重合、回分式重合を行う方法も適用される。
スラリー重合の場合は、重合溶媒として、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族又は芳香族炭化水素の単独又は混合物が用いられる。重合温度は、0℃〜150℃であり、また、分子量調節剤として補助的に水素を用いることができる。重合圧力は、0kg/cmG〜2000kg/cmG、好ましくは0kg/cmG〜60kg/cmGが適当である。
本発明に係るオレフィン重合体の製造方法によって得られるオレフィン重合体としては、特に限定されないが、以下に例を挙げるとすれば、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン/エチレン−α−オレフィン系共重合体などが挙げられる。
以下、実施例によって、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、物性測定に使用した分析機器および測定方法は、以下の通りである。
(各種物性測定法)
(1)層状ケイ酸塩の組成分析:
JIS法による化学分析により検量線を作成し、蛍光X線測定にて定量した。
装置は、理学電機工業(株)ZSX−100eを使用した。試料は、700℃で1時間焼成後、0.5gを分け取り、融剤(Li)4.5g、剥離剤(KBr)0.03gと混合し、ガラスビードを作成することで調製した。
それぞれの原子についての検量線範囲は、以下のとおり。
Si:19.8%〜44.22%、Al:2.01%〜19.4%
(2)溶媒、粘土スラリー等のpHの測定:
標準pH7および4にて補正を行ったHORIBA製D−21型pHメーターを使用した。
(3)比表面積測定:
窒素吸着法による比表面積を測定した。液体窒素温度下で吸着等温線を測定した。得られた吸着等温線を用いてBET多点法解析を実施し、比表面積を求めた。
装置:カンタークローム社製オートソーブ3B
測定手法:窒素ガス吸着法
前処理条件:試料を200℃、真空下(1.3MPa以下)で2時間減圧加熱
試料量:約0.2g
ガス液化温度:77K
(4)粒径の測定:
堀場製作所社製レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置LA−920を用い、分散溶媒をエタノール、屈折率1.3、形状係数1.0の条件で測定した。粒径は、メジアン径のことを言う。
・MFR(メルトマスフローレート):
タカラ社製メルトインデクサーを用い、JIS K7210の「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレート(MFR)及びメルトボリュームフローレート(MVR)の試験方法」の試験条件:230℃、2.16kg荷重に準拠して、測定した。
(5)各成分の溶出量の計算方法
Al溶出率の計算方法(%):[(1−(酸類と接触後のAl/Si)÷(酸類と接触前のAl/Si)]×100。ここで、Al/Siは各元素のモル比。
Si溶出率の計算方法(%):[1−(1÷塩基類と接触後のAl/Si)÷(1÷塩基類と接触前のA/Si)]×100
[実施例1]
1.層状ケイ酸塩の調製
○工程A:層状ケイ酸塩(ア)と酸類の接触
撹拌翼と還流装置を取り付けた2Lセパラブルフラスコに、蒸留水1950.1gを投入し、98%硫酸250gを滴下した。内温が95℃になるまでオイルバスで加熱し、目標温度に到達したところで、さらに、層状ケイ酸塩(ア)として造粒モンモリロナイト(製造:水澤化学社製、ベンクレイSL、平均粒径:18μm、粒度分布=7μm〜30μm、組成(wt%):Al=9.09、Si=33.26、AlとSiのモル比率:Al/Si=0.285)300gを添加し、撹拌を継続した。
その後95℃を保ちながら600分反応させた。この反応溶液を3Lの蒸留水に加えることで反応を停止し、さらに、このスラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて濾過した。次に、蒸留水1.5Lでリンスした。その後は、3Lの蒸留水で5回洗浄した。このようにして、ケーキの状態で796gの化学処理層状ケイ酸塩(イ)を得た。このケーキの一部をとり、ケーキ中の粘土成分重量比率を求めたところ、3.4g(ケーキ重量)/g(固体分、粘土重量)であった。また、組成分析の結果、Al=5.5wt%、Si=40.0wt%、Al/Si=0.143であり、酸類との接触により出発原料に対して、49.8%のAl成分が溶出していた。
○工程B:化学処理層状ケイ酸塩(イ)と塩基類の接触
上記の化学処理層状ケイ酸塩(イ)のケーキ204g(固体分、粘土重量として60g)を分取し、蒸留水355.7gで粘土スラリーとして濃度10wt%に調製し、1Lの4つ口フラスコに投入した。次にその粘土スラリーを撹拌しながら、市販の水酸化リチウム水和物54gを固体の状態で投入し、オイルバスで内温が59℃になるように加温した。温度が59℃に到達した時点を反応開始時とし、そこから120分間温度を維持し、塩基類と接触させた。このときのスラリーのpHは12.8だった。
別の容器に蒸留水575gを用意し、氷冷しながら、98%硫酸71.1gを加え、硫酸水溶液を調製した。ここに、塩基類と接触させた粘土のスラリー(反応液)を滴下により加えて行き、反応を停止した。このとき、氷冷は継続して行った。また、混合スラリーのpHは常に監視し、pH4を超えない状態で滴下を完了した。反応液を硫酸水溶液に加え終わった際の混合スラリーのpHは2.13であり、pH4以下であった。
○工程C:化学処理層状ケイ酸塩(ウ)の洗浄
上記混合スラリーは、ヌッチェと吸引瓶を接続し、−0.1MPaまで減圧可能なポンプを使用して、ろ過した。ろ過開始から、全ての混合スラリーに対して、固体分と反応液の分離ろ過が完了するまでに要した時間は5時間だった。ろ液のpHは1.87だった。ここから得られた固体分は、別に調製したpH2.1の硫酸水溶液350mLで3回洗浄した。こうして、ケーキの状態で160gの化学処理層状ケイ酸塩(ウ)を得た。3回目の洗浄後のケーキの一部をとり、ケーキ中の粘土成分重量比率を求めたところ、10.07g(ケーキ重量)/g(固体分、粘土重量)であり、ここから求めた固体分の重量は15.8gであった。また、組成分析の結果、Al=10.4wt%、Si=31.6wt%、Ai/Si=0.343であり、塩基類との接触により出発原料に対して、58.3%のSi成分が溶出した。
上記工程Aから得られた残りの化学処理層状ケイ酸塩(イ)を用いて,上記工程B〜Cを同様の条件にてさらに2回行って、合計3回分の化学処理層状ケイ酸塩(ウ)を得た。上記以降の2回の調製から得られた化学処理層状ケイ酸塩(ウ)について、ケーキ中の粘土成分重量比率から固体分の重量を求めると、それぞれ15.5g、15.1gであった。出発原料に対してそれぞれ58.1%および、58.8%のSi成分が溶出した。
○造粒工程:化学処理層状ケイ酸塩(ウ)の噴霧造粒
2Lのプラスチック製ジョッキに上記3回分の化学処理層状ケイ酸塩(ウ)を混合し、固体重量率として3.1wt%となるように蒸留水を加え粘土スラリーを調製した。よく分散させた後、ここに1Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下した。スラリーpHが8.0となったところで、滴下を終了し、90分間撹拌を続けた。90分の間にスラリーpHが7.0を下回った際には、1Mの水酸化ナトリウム水溶液を、スラリーpH7.5まで滴下した。90分後のスラリーpHは7.2で、これをホモジナイザー(IKA Works(Asia)Sdn.Bhd.製、ULTRA TURRAX(登録商標) T25 basic)のメモリ1で10分間混合させた。このようにして調製した粘土スラリーは、噴霧造粒にて乾燥した。具体的には、大川原化工機製LT−8型SPRAY DRYERを用い、条件は、アトマイザー回転数15、000rpm、入口温度150℃、出口温度成り行き、溶液供給量1000g/hr、運転時間約86分とした。本体下部回収位置から回収できた固体分は18.6g、平均粒径は28.3μm、サイクロンにより回収された固体分は22.1g、平均粒径は21.1μmであった。得られた粉体は、すべて混合し、40.6g、平均粒径23.7μmの粒子を得た。この粒子を簡易SEM・VE−7800で形態観察すると、表面は円滑の球形状をしていた。
○工程D:化学処理層状ケイ酸塩(ウ)の酸処理
撹拌翼と還流装置を取り付けた200mLの4つ口フラスコに、蒸留水130.1gを投入し、98%硫酸16.8gを滴下した。内温が95℃になるまでオイルバスで加熱し、目標温度に到達したところで、上記造粒工程から得られた噴霧造粒済み化学処理層状ケイ酸塩(ウ)20gを添加し、撹拌を続けた。その後95℃を保ちながら450分反応させた。この反応溶液を100mLの蒸留水に加えることで反応を停止し、さらに、このスラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて濾過した。得られたケーキの重量は44.0gであった。このようにしてケーキ状態の化学処理層状ケイ酸塩(エ)を得た。
○工程E:化学処理層状ケイ酸塩(エ)のイオン交換
続いて、ケーキ状の化学処理層状ケイ酸塩(エ)を蒸留水47.2gで再スラリー化し、200mLの4つ口フラスコに入れ、温度計と撹拌装置を取り付けた。これを撹拌しながらオイルバスで40℃に加温し、維持した。この時の粘土スラリーのpHは0.30であった。ここに1.5mol/Lの水酸化リチウム水溶液23.4gをゆっくり滴下(粘土スラリーのpHを常時監視し、pHが常に7.5以下となるような速度)した。全量投入後のスラリーpHは6.57であった。以降、撹拌を続け、40℃を90分間維持した。
90分後、このスラリーは、ヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて濾過した。ここから得られたケーキは、100mLの蒸留水を使用して、ケーキ中の反応液残液率(=洗浄倍率)が1/100になるまで洗浄した。回収したケーキは120℃で終夜乾燥した。12.4gの化学処理層状ケイ酸塩(オ)を得た。
これを目開き53μmの篩にて篩い分けし、平均粒径が17.2μmの粒子を12.1g得た。組成(wt%)は、Al=7.1、Si=36.0であり、Al/Si=0.205、Alの溶出率は用いた化学処理層状ケイ酸塩(ウ)に対して、40.2%であった。
2.触媒調製
以下の操作は、不活性ガス下、脱酸素、脱水処理された溶媒、モノマーを使用して実施した。
上記工程Eから得られた化学処理層状ケイ酸塩(オ)を容積200mLのフラスコに入れ、200℃でおよそ3時間(突沸がおさまってから2時間以上)減圧乾燥した。次に、内容積1Lのフラスコにこの乾燥した化学処理層状ケイ酸塩(オ)を5.07g秤量し、ヘプタン32mL、トリイソブチルアルミニウム(TiBA)のヘプタン溶液18.0mL(12.9mmol、濃度141.9mg/mL)を加え、室温で1時間撹拌した。その後、ヘプタンで残液率1/100まで洗浄し、最後にスラリー量を50mLに調製した。これに、ヘプタン17mLとトリ−n−オクチルアルミニウム(TnOA)のヘプタン溶液0.77mL(濃度143.6mg/mL、301.6μmol)を加えた。
ここに、別のフラスコ(容積200mL)中で、(r)−[1、1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロライド(合成は、特開平10−226712号公報の実施例に従って実施した。)65mg(82.4μmol)にヘプタン(15mL)を加えたスラリーを加えて、60℃で60分間撹拌した。ヘプタンを167mL追加して、250mLに調製した。
窒素置換を行った内容積1Lの撹拌式オートクレーブに、上記調製したモンモリロナイト/メタロセン錯体を導入した。オートクレーブ内の温度が40℃に安定したところでプロピレンを2.5g/時間の速度で供給し、温度40℃を維持した。240分後プロピレンの供給を停止し、さらに83分間維持して予備重合を行った。
予備重合終了後、残存プロピレンをパージして予備重合触媒スラリーをオートクレーブより回収した。回収した予備重合触媒スラリーを静置し、上澄み液を160mL抜き出した。続いてTiBAのヘプタン溶液2.07mL(1.51mmol)を室温にて加え、その後、40℃にて1時間減圧乾燥した。これにより、触媒1g当たりポリプロピレン1.92g含む予備重合触媒が15.01g得られた。
3.プロピレンの重合
内容積3Lの攪拌式オートクレーブ内をプロピレンで十分置換した後に、TiBAのヘプタン溶液2mL(2.02mmol)を加え、水素66mL、液体プロピレン750mLを導入し、70℃に昇温しその温度を維持した。予備重合触媒をヘプタンでスラリー化し、触媒として(予備重合ポリマーの重量は除く)39.7mgを圧入し重合を開始した。内温を70℃に維持したまま、1時間重合を継続した。その後、エタノール5mLを加え重合反応を停止させた。残ガスをパージしてポリマーを得た。得られたポリマーを90℃で1時間乾燥した。
その結果、201.2gのポリマーが得られた。触媒活性は、5,065g−PP/g−触媒であった。MFRは0.11g/10分、ポリマーの嵩密度は0.40g/cmであった。結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1の3.プロピレンの重合において、
水素44mL、触媒として50.3mgを使用した以外は、実施例1と同様に行った。結果は表1に示す。
[実施例3]
実施例1の3.プロピレンの重合において、
水素154mL、触媒として18.2mgを使用した以外は、実施例1と同様に行った。結果は表1に示す。
[実施例4]
1.層状ケイ酸塩の調製
○工程A:層状ケイ酸塩(ア)と酸類の接触
蒸留水1700gと、98%硫酸500gを使用し、内温を90℃、維持時間を300分、洗浄回数を1回増やし6回とした以外は実施例1の工程Aと同様に行った。得られた化学処理層状ケイ酸塩(イ)は、ケーキ重量として803g、ケーキ中の粘土成分重量比率を求めたところ、3.3g(ケーキ重量)/g(固体分、粘土重量)Al/Si=0.145、49.1%のAl成分が溶出していた。
○工程B:化学処理層状ケイ酸塩(イ)と塩基類の接触
上記化学処理層状ケイ酸塩(イ)のケーキ594g(固体分、粘土重量として180g)を分取し、蒸留水306gを加えて、2Lのセパラブルビーカーに投入した。次にその粘土スラリーを撹拌しながら、市販の水酸化ナトリウム226gを蒸留水674gに溶解させた水酸化ナトリウム水溶液を投入し、オイルバスで内温が59℃になるように加温した。温度が60℃に到達した時点を反応開始時とし、そこから240分間温度を維持し、塩基類と接触させた。このときのスラリーのpHは11.8だった。
別の容器に蒸留水1725gを用意し、氷冷しながら、98%硫酸234.9gを加え、硫酸水溶液を調製した。ここに、塩基類と接触させた粘土のスラリー(反応液)を滴下し、反応を停止した。このとき、氷冷は継続して行った。また、混合スラリーのpHは常に監視し、pH4を超えない状態で滴下を完了した。反応液を硫酸水溶液に加え終わった際の混合スラリーのpHは、2.31であり、pH4以下であった。
○工程C:化学処理層状ケイ酸塩(ウ)の洗浄
上記混合スラリーは、ヌッチェと吸引瓶を接続し、−0.1MPaまで減圧可能なポンプを使用して、ろ過した。ろ過作業は複数個のヌッチェとろ過ビンを準備し行った。ろ過開始から、全ての混合スラリーに対して、固体分と反応液の分離ろ過が完了するまでに要した時間は3時間だった。このときのろ液のpHは、1.98だった。ここから得られた固体分は、別に調製したpH2.1の硫酸水溶液1050mLで3回洗浄した。こうして、ケーキの状態で467gの化学処理層状ケイ酸塩(ウ)を得た。3回目の洗浄後のケーキの一部をとり、ケーキ中の粘土成分重量比率を求めたところ、9.87g(ケーキ重量)/g(固体分、粘土重量)であり、ここから求めた固体分の重量は47.3gであった。また、組成分析の結果、Al=11.7wt%、Si=32.4wt%、Ai/Si=0.376であり、塩基類との接触により出発原料に対して、61.4%のSi成分が溶出した。
○造粒工程:化学処理層状ケイ酸塩(ウ)の噴霧造粒
2Lのプラスチック製ジョッキに上記化学処理層状ケイ酸塩(ウ)のケーキに1106.1gの蒸留水を加え、固体重量率として3.1wt%として粘土スラリーを調製した。よく分散させた後、ここに1Mの水酸化ナトリウム水溶液を20mL/minの速度で滴下した。スラリーpHが8.0となったところで、滴下を終了し、90分間撹拌を続けた。90分の間にスラリーpHが7.0を下回った際には、1Mの水酸化ナトリウム水溶液を前述の方法にて、スラリーpH7.5まで滴下した。90分後のスラリーpHは7.2で、これをホモジナイザーのメモリ1で10分間混合させた。このようにして調製した粘土スラリーは、噴霧造粒にて乾燥した。運転条件は実施例1の造粒工程と同様に行った。本体下部回収位置から回収できた固体分は18.5g、平均粒径は28.2μm、サイクロンにより回収された固体分は22.2g、平均粒径は21.0μmであった。得られた粉体は、すべて混合し、40.3g、平均粒径24.3μmの化学処理層状ケイ酸塩(ウ)の噴霧造粒粒子を得た。この粒子を簡易SEM・VE−7800で形態観察すると、表面は円滑の球形状をしていた。
○工程D:化学処理層状ケイ酸塩(ウ)の酸処理
化学処理層状ケイ酸塩(ウ)として、上記化学処理層状ケイ酸塩(ウ)の噴霧造粒粒子を用いた以外は、実施例1の工程Dと同様に実施した。得られたケーキの重量は43.5gであった。このようにしてケーキ状態の化学処理層状ケイ酸塩(エ)を得た。
○工程E:化学処理層状ケイ酸塩(エ)のイオン交換
化学処理層状ケイ酸塩(エ)として、上記化学処理層状ケイ酸塩(エ)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。その結果、12.0gの化学処理層状ケイ酸塩(オ)を得た。
これを目開き53μmの篩にて篩い分けし、平均粒径が17.3μmの粒子を11.9g得た。組成(wt%)は、Al=7.2、Si=36.0であり、Al/Si=0.208、Alの溶出率は用いた化学処理層状ケイ酸塩(ウ)に対して、33.8%であった。
2.触媒調製
実施例4から得られた化学処理層状ケイ酸塩(オ)を5.0g使用し、(r)−[1、1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロライドを68mg使用した以外は、実施例1と同様に行った。その結果、触媒1g当たりポリプロピレン1.90g含む予備重合触媒が14.7g得られた。
3.プロピレンの重合
実施例4から得られた触媒(予備重合ポリマーの重量は除く)38.5mgを使用した以外は、実施例1と同様に行った。その結果、201.2gのポリマーが得られた。触媒活性は、5,120g−PP/g−触媒であった。MFRは0.13g/10分、ポリマーの嵩密度は0.40g/cmであった。結果を表1に示す。
[実施例5]
1.層状ケイ酸塩の調製
○工程A:層状ケイ酸塩(ア)と酸類の接触
実施例1の化学処理層状ケイ酸塩(イ)を使用した。
○工程B:化学処理層状ケイ酸塩(イ)と塩基類の接触
実施例1の化学処理層状ケイ酸塩(イ)をケーキとして102g(固体分として30g)を分取し、蒸留水や水酸化リチウム水和物など溶媒や試薬の使用量全てを1/2とした以外は、実施例1と同様に実施し、反応液を硫酸水溶液に加え終わった際のpHが2.13の混合スラリーを得た。
○工程C:化学処理層状ケイ酸塩(ウ)の洗浄
上記の混合スラリーを使用した以外は、実施例1と同様に行った。ここから、ケーキの状態で79gの化学処理層状ケイ酸塩(ウ)を得た。これを110℃で一晩乾燥したところ、化学処理層状ケイ酸塩(ウ)を7.7g得た。また、組成分析の結果、Al=10.5wt%、Si=31.6wt%、Ai/Si=0.346であり、塩基類との接触により出発原料に対して、58.7%のSi成分が溶出した。
○工程D:化学処理層状ケイ酸塩(ウ)の酸処理
上記化学処理層状ケイ酸塩(ウ)は、乳鉢を使って粉砕し、目開き53μmを通過するサイズとした。
化学処理層状ケイ酸塩(ウ)として、上記化学処理層状ケイ酸塩(ウ)を用い、95℃での反応時間を380分とした以外は、実施例1の工程Dと同様に実施した。得られたケーキは、110℃で一晩乾燥した。その結果、6.1gの化学処理層状ケイ酸塩(エ)を得た。
これを目開き53μmの篩にて篩い分けし、平均粒径が22.3μmの粒子を
7.6g得た。組成(wt%)は、Al=35.6、Si=7.8であり、Al/Si=0.228、Alの溶出率は用いた化学処理層状ケイ酸塩(ウ)に対して、34.1%であった。
2.触媒調製
実施例5から得られた化学処理層状ケイ酸塩(エ)を5.0g使用し、(r)−[1、1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロライドを64mg使用した以外は、実施例1と同様に行った。その結果、触媒1g当たりポリプロピレン1.85g含む予備重合触媒14.4gが得られた。
3.プロピレンの重合
実施例5から得られた触媒(予備重合ポリマーの重量は除く)37mgを使用した以外は、実施例1と同様に行った。その結果、145.2gのポリマーが得られた。触媒活性は、3,924g−PP/g−触媒であった。MFRは0.18g/10分であった。結果を表1に示す。
[比較例1]
1.層状ケイ酸塩の調製
○工程A:層状ケイ酸塩(ア)と酸類の接触
撹拌翼と還流装置を取り付けた2Lセパラブルフラスコに、蒸留水1950.1gを投入し、98%硫酸250gを滴下した。内温が95℃になるまでオイルバスで加熱し、目標温度に到達したところで、さらに、層状ケイ酸塩(ア)として造粒モンモリロナイト(構造:水澤化学社製、ベンクレイSL、平均粒径:18μm、粒度分布=7μm〜30μm、組成(wt%):Al=9.09、Si=33.26、AlとSiのモル比率:Al/Si=0.285)300gを添加し、撹拌を継続した。
その後95℃を保ちながら600分反応させた。この反応溶液を3Lの蒸留水に空けることで反応を停止し、さらに、このスラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて濾過した。ケーキの状態で785gの化学処理層状ケイ酸塩(イ)を得た。このケーキの一部をとり、ケーキ中の粘土成分重量比率を求めたところ、3.3g(ケーキ重量)/g(固体分、粘土重量)であった。また、組成分析の結果、Al=5.6wt%、Si=40.1wt%、Al/Si=0.145であり、酸類との接触により出発原料に対して、49.1%のAl成分が溶出していた。
○工程B:化学処理層状ケイ酸塩(イ)と塩基類の接触
実施しなかった
○工程C:化学処理層状ケイ酸塩(ウ)の洗浄
実施しなかった。
○工程D:化学処理層状ケイ酸塩(ウ)と酸類の接触
実施しなかった。
○工程E:化学処理層状ケイ酸塩(イ)のイオン交換
上記の化学処理層状ケイ酸塩(イ)のケーキ204g(固体分、粘土重量として60g)を分取し、蒸留水356gで再スラリー化し、200mLの4つ口フラスコに入れ、温度計と撹拌装置を取り付けた。これを撹拌しながらオイルバスで40℃に加温し、維持した。この時の粘土スラリーのpHは4.3であった。ここに硫酸リチウム水和物11.34gを固体のまま投入した。全量投入後のスラリーpHは3.1であった。以降、撹拌を続け、40℃を120分間維持した。
90分後、このスラリーは、ヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて濾過した。ここから得られたケーキは、80mLの蒸留水を使用して、洗浄倍率が1/100になるまで洗浄した。回収したケーキを120℃で終夜乾燥した。その結果、58.1gの化学処理層状ケイ酸塩(オ’)を得た。
これを目開き53μmの篩にて篩い分けし、平均粒径が17.3μmの粒子を56.1g得た。工程Eの前後で組成に変化はなかった。
2.触媒調製
実施例1において、化学処理層状ケイ酸塩(オ)の代わりに、前記で得られた比較例1の化学処理層状ケイ酸塩(オ’)を5.06g使用し、(r)−[1、1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロライドを66mg使用した以外は、実施例1と同様に行った。その結果、触媒1g当たりポリプロピレン0.67g含む予備重合触媒が8.58g得られた。
3.プロピレンの重合
比較例1から得られた触媒を40.0mg、また水素を11mL使用した以外は、実施例1と同様に行った。
その結果、114.9gのポリマーが得られた。触媒活性は、2,874g−PP/g−触媒であった。MFRは0.38g/10分、ポリマーの嵩密度は0.41g/cmであった。結果を表1に示す。
[比較例2]
比較例1から得られた触媒を23.0mg使用した以外は、実施例1と同様に行った。
その結果、119.8gのポリマーが得られた。触媒活性は、5,220g−PP/g−触媒であった。MFRは4.75g/10分、ポリマーの嵩密度は0.41g/cmであった。結果を表1に示す。
[比較例3]
1.層状ケイ酸塩の調製
○工程A:層状ケイ酸塩(ア)と酸類の接触
蒸留水を1300.5g、98%硫酸を166.7g、層状ケイ酸塩(ア)として実施例1同様の造粒モンモリロナイトを200g追加した以外は実施例1と同様に行った。
その後95℃を保ちながら600分反応させた。この反応溶液を2Lの蒸留水に加えることで反応を停止し、さらに、このスラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて濾過した。次に、蒸留水1Lでリンスした。その後は、2Lの蒸留水で5回洗浄した。このようにして、ケーキの状態で525gの化学処理層状ケイ酸塩(イ)を得た。このケーキの一部をとり、ケーキ中の粘土成分重量比率を求めたところ、3.3g(ケーキ重量)/g(固体分、粘土重量)であった。また、組成分析の結果、Al=5.3wt%、Si=35.9wt%、Al/Si=0.154であり、酸類との接触により出発原料に対して、46.0%のAl成分が溶出していた。
○工程B:化学処理層状ケイ酸塩(イ)と塩基類の接触
上記の化学処理層状ケイ酸塩(イ)のケーキ132g(固体分、粘土重量として40g)を分取し、蒸留水268gで粘土スラリーとして濃度10wt%に調製し、1Lの4つ口フラスコに投入した。次にその粘土スラリーを撹拌しながら、市販の水酸化リチウム水和物54gを固体の状態で投入し、オイルバスで内温が59℃になるように加温した。温度が59℃に到達した時点を反応開始時とし、そこから120分間温度を維持し、塩基類と接触させた。このとき、スラリーのpHは12.8だった。
○工程C:化学処理層状ケイ酸塩(ウ’)の洗浄
120分後、この反応液はヌッチェと吸引瓶を接続し、−0.1MPaまで減圧可能なポンプを使用して、この反応液をろ過した。ろ過開始から、全ての混合スラリーがろ過し終わるまでに要した時間は45分だった。ろ液のpHは12.95だった。ケーキを回収し、蒸留水を加え撹拌を行ったが、固体分は水にほとんど分散せず、回収したときとほぼ同様の形状をしていた。このような状態ではあったが、ろ過と250mLの蒸留水で3回洗浄した。その結果、硬く凝固したケーキの状態で101.6gの化学処理層状ケイ酸塩(ウ’)を得た。この一部をとり、ケーキ中の粘土成分重量比率を求めたところ、3.4g(ケーキ重量)/g(固体分、粘土重量)であり、ここから求めた固体分の重量は29.8gであった。また、組成分析の結果、Al=7.7wt%、Si=35.1wt%、Ai/Si=0.228であり、塩基類との接触により出発原料に対して、32.8%のSi成分が溶出していた。pHが高いままで反応を停止したため、溶出したSi成分が析出し、除去できずに出来上がりのSi成分の溶出率は低かったと推定される。
○工程D:化学処理層状ケイ酸塩(ウ’)の酸処理
実施例1において、化学処理層状ケイ酸塩(ウ)の噴霧造粒粒子の代わりに、上記化学処理層状ケイ酸塩(ウ’)を乳鉢で粉砕し、目開き106μmの篩を通過した粉体を20g用いた以外は、実施例1の工程Dと同様に実施した。得られたケーキの重量は40.8gであった。このようにしてケーキ状態の化学処理層状ケイ酸塩(エ’)を得た。
○工程E:化学処理層状ケイ酸塩(エ’)のイオン交換
実施例1において、化学処理層状ケイ酸塩(エ)の代わりに、上記化学処理層状ケイ酸塩(エ’)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。その結果、16.8gの化学処理層状ケイ酸塩(オ’)を得た。
これを乳鉢で粉砕し、目開き53μmの篩にて篩い分けし、平均粒径が17.3μmの粒子を14.5g得た。組成(wt%)は、Al=4.9、Si=37.5であり、Al/Si=0.136、Alの溶出率は用いた化学処理層状ケイ酸塩(ウ’)に対して40.4%であった。
2.触媒調製
実施例1において、化学処理層状ケイ酸塩(オ)の代わりに、比較例3の化学処理層状ケイ酸塩(オ’)を5.1g使用し、(r)−[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロライドを67mg使用した以外は、実施例1と同様に行った。
その結果、触媒1g当たりポリプロピレン0.09g含む予備重合触媒が5.63g得られた。
3.プロピレンの重合
比較例3から得られた触媒を40.0mg、また水素を11mL使用した以外は、実施例1と同様に行った。
その結果、105gのポリマーが得られた。触媒活性は、2,625g−PP/g−触媒であった。MFRは0.50g/10分、ポリマーの嵩密度は0.36g/cmであった。結果を表1に示す。
[比較例4]
1.層状ケイ酸塩の調製
○工程A:層状ケイ酸塩(ア)と酸類の接触
実施例4と同様にして、化学処理層状ケイ酸塩(イ)を調製した。
○工程B:化学処理層状ケイ酸塩(イ)と塩基類の接触
上記の化学処理層状ケイ酸塩(イ)をケーキとして99g(固体分として30g)を分取し、蒸留水151gによって粘土スラリーとして濃度12wt%に調製し、300mLの4つ口フラスコに投入した。粘土スラリーを撹拌しながら、1.5mol/Lに調製した水酸化リチウム水溶液17mLを滴下し、オイルバスで内温60℃になるように加温した。温度が60℃に到達した時点を反応開始として、120分間温度を維持し、塩基類と接触させた。このときの反応液のpHは8.48だった。
撹拌は続けたままでオイルバスから外した状態の反応溶液にpHメーターを取り付け、スラリーpHを監視した状態で、11wt%に調製した硫酸水溶液を30mL/minで滴下した。pHが6.5に達したところで硫酸の滴下をやめた。この混合スラリーは、ヌッチェと吸引瓶を接続し、−0.1MPaまで減圧可能なポンプを使用して、ろ過した。
○工程C
上記工程から得られた固体分を使用した以外は実施例1の工程Cと同様に洗浄を行った。ここから、ケーキの状態で53.3gの化学処理層状ケイ酸塩(ウ’)を得た。ケーキ中の粘土の重量比は1.8g(ケーキ重量)/g(固体分、粘土重量)であり、ここから求めた固体分の重量は29.6gであった。組成分析の結果、Al=5.6wt%、Si=40.0wt%、Al/Si=0.146であり、Si成分はほとんど溶出していなかった。pHが高いままで反応を停止したため、溶出したSi成分が析出し、除去できずに出来上がりのSi成分の溶出率は低かったと推定される。
2.触媒調製
実施例1において、化学処理層状ケイ酸塩(オ)の代わりに、比較例4の化学処理層状ケイ酸塩(ウ’)を5.0g使用し、(r)−[1、1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロライドを67mg使用した以外は、実施例1と同様に行った。その結果、触媒1g当たりポリプロピレン1.98g含む予備重合触媒が15.1g得られた。
3.プロピレンの重合
比較例4から得られた触媒を40.0mg、また水素を11mL使用した以外は、実施例1と同様に行った。
その結果、85.6gのポリマーが得られた。触媒活性は、2,140g−PP/g−触媒であった。MFRは0.41g/10分、ポリマーの嵩密度は0.42g/cmであった。結果を表1に示す。
[比較例5]
○工程A:層状ケイ酸塩(ア)と酸類の接触
実施例4と同様にして、化学処理層状ケイ酸塩(イ)を調製した。
○工程B:化学処理層状ケイ酸塩(イ)と塩基類の接触
上記の化学処理層状ケイ酸塩(イ)をケーキとして99g(固体分として30g)を分取し、蒸留水や水酸化ナトリウム水溶液などの溶媒や試薬使用量を1/6とした以外は、実施例4と同様に実施した。ただし、反応終了時の操作は次のように行った。
撹拌は続けたままでオイルバスから外した状態の反応溶液にpHメーターを取り付け、スラリーpHを監視した状態で、11wt%に調製した硫酸水溶液を30mL/minで滴下した。pHが6.5に達したところで硫酸の滴下をやめた。反応液は粘度が増加し、ゲル状になっていた。
○工程C:化学処理層状ケイ酸塩(ウ’)の洗浄
塩基類との接触により溶出したSi成分が析出したため、溶液はゲル状になった。この反応液は、ヌッチェと吸引瓶を接続し、−0.1MPaまで減圧可能なポンプを使用して、ろ過した。全ての反応液のろ過が完了するまでに3時間を要した。以降は、実施例4と同様に洗浄操作を行った。この実験からは、ケーキ状態で458gの化学処理層状ケイ酸塩(ウ’)を得た。ケーキ中の粘土の重量比は18.5g(ケーキ重量)/g(固体分、粘土重量)であり、ここから求めた固体分の重量は24.8gであった。組成分析の結果、Al=6.1wt%、Si=37.6wt%、Al/Si=0.171であり、Si成分は15.2%溶出していた。洗浄操作を繰り返しても、析出したSi成分は取り除くことはできなかった。
○化学処理層状ケイ酸塩(ウ’)の造粒
上記比較例5から得られた化学処理層状ケイ酸塩(ウ’)全量を使用した以外は、実施例4と同様の仕込み比率条件で実施した。その結果、本体下部回収位置から回収できた固体分は6.4g、平均粒径は28.0μm、サイクロンにより回収された固体分は8.1g、平均粒径は20.7μmであった。得られた粉体は、すべて混合し、14.5g、平均粒径23.8μmの化学処理層状ケイ酸塩(ウ’)の噴霧造粒粒子を得た。
○工程D:化学処理層状ケイ酸塩(ウ’)と酸類の接触
上記比較例5から得られた化学処理層状ケイ酸塩(ウ’)の噴霧造粒粒子10gを使用した以外は、実施例4と同様の仕込み比率で実施し、化学処理層状ケイ酸塩(エ’)を得た。
○工程E:化学処理層状ケイ酸塩と塩類の接触
上記比較例5から得られた化学処理層状ケイ酸塩(エ’)を使用した以外は、実施例4と同様の仕込み比率で実施した。その結果、8.1gの化学処理層状ケイ酸塩(オ’)を得た。
これを目開き53μmの篩にて篩い分けし、平均粒径が17.3μmの粒子を7.5g得た。組成(wt%)は、Al=4.6、Si=40.5であり、Al/Si=0.118、Alの溶出率は用いた化学処理層状ケイ酸塩(ウ’)に対して、30.5%であった
2.触媒調製
実施例1において、化学処理層状ケイ酸塩(オ)の代わりに、比較例5の化学処理層状ケイ酸塩(オ’)を5.1g使用し、(r)−[1、1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロライドを64mg使用した以外は、実施例1と同様に行った。その結果、触媒1g当たりポリプロピレン1.46g含む予備重合触媒が12.7g得られた。
3.プロピレンの重合
比較例5から得られた触媒を使用した以外は、実施例4と同様に行った。
その結果、136.3gのポリマーが得られた。触媒活性は、3,540g−PP/g−触媒であった。MFRは5.22g/10分、ポリマーの嵩密度は0.36g/cmであった。結果を表1に示す。
(結果のまとめ)
重合活性はポリマーの分子量に依存するため、重合活性の優劣を比較する場合には、分子量の指標であるMFRに対して評価する必要がある。図1は、実施例及び比較例において、得られたポリマーのMFRに対して、固体成分あたりの重合活性をプロットした図である。図1を参照すると、本発明の製造方法で得られた触媒成分を利用した実施例は、MFRに対する重合活性が比較例より高いレベルにあり、重合活性が優れていることが明らかにされている。また、図2は、実施例及び比較例において、仕込み水素量に対して、得られたポリマーのMFRをプロットした図である。図2を参照すると、本発明の触媒成分を利用した実施例は、比較例に比べて、同じ水素量でより低いMFRのポリマー、すなわち、より高分子量のポリマーを高活性に製造することが可能であり、ポリマーのインデックスを拡大することが可能であることが明らかにされている。
本発明のオレフィン重合用触媒成分の製造方法は、層状ケイ酸塩を酸類で化学処理して得られた化学処理層状ケイ酸塩を、更に塩基類で化学処理し、かつ、工程終了時のpHを4以下とすることにより、得られた化学処理層状ケイ酸塩をオレフィン重合用触媒成分として用いてオレフィン重合用触媒を製造し、当該オレフィン重合用触媒を用いてオレフィン重合体を重合すると、固体成分あたりの活性が高く、分子量の高い重合体を得ることができ、産業上、利用可能性が高いものである。

Claims (6)

  1. 下記工程A、Bを含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒成分の製造方法。
    工程A:層状ケイ酸塩(ア)を酸類と接触させて化学処理層状ケイ酸塩(イ)を得る工程
    工程B:工程Aから得られた化学処理層状ケイ酸塩(イ)を塩基類とpH8以上で接触させ、かつ、工程終了時のpHを4以下とすることにより化学処理層状ケイ酸塩(ウ)を得る工程
  2. 下記工程Cを含むことを特徴とする請求項1に記載のオレフィン重合用触媒成分の製造方法。
    工程C:前記化学処理層状ケイ酸塩(ウ)を洗浄する工程
  3. 下記工程Dを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のオレフィン重合用触媒成分の製造方法。
    工程D:前記化学処理層状ケイ酸塩(ウ)を酸類と接触させて化学処理層状ケイ酸塩(エ)を得る工程
  4. 前記塩基類が金属の水酸化物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒成分の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法によりオレフィン重合用触媒成分を製造する工程と、
    下記成分(a)と前記工程で得られたオレフィン重合用触媒成分(b)、並びに必要に応じて下記成分(c)および下記成分(d)の少なくとも1つを接触させる工程を有する、オレフィン重合用触媒の製造方法。
    成分(a)メタロセン化合物
    成分(c)有機アルミニウム化合物
    成分(d)炭素数2〜20のオレフィン
  6. 請求項5に記載の製造方法によりオレフィン重合用触媒を製造する工程と、
    前記工程で得られたオレフィン重合用触媒の存在下、炭素数2以上のオレフィンを単独または共重合する工程を有する、オレフィン重合体の製造方法。
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