JP2007031827A - スパッタターゲット製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】無傷のビレット材を製造することにより、改善されたPTFを有し、欠陥のない化学的に均質なスパッタターゲットを提供する。
【解決手段】合金系に対応する組成となるよう純元素又は母合金からなる複数の原料を調製し(S402)、複数の原料を真空雰囲気或いは低圧のアルゴン(Ar)雰囲気中で液状態まで加熱して合金系に対応する溶融合金を形成し(S404)、溶融合金を凝固させてインゴットを形成し(S405)、インゴットを液状態まで再加熱して拡散溶融合金を形成し(S406)、拡散溶融合金を急速凝固して均質合金粉末材料とし(S407)、均質合金粉末材料を圧粉して高密度均質材料とし(S408)、高密度均質材料を熱間圧延し(S409)、高密度均質材料を冷間圧延し(S410)、高密度均質材料を機械加工してスパッタターゲットを形成する(S411)。
【選択図】図1

Description

本発明は、スパッタターゲット製造方法に関し、より詳しくは、改善されたパススルーフラックス(以下、PTFとする)を有し、欠陥のない化学的に均質なスパッタターゲットを製造するための無傷なビレット材を製造する凝固方法に関する。
直流(DC)マグネトロンスパッタリングプロセスは、例えば半導体表面を被覆したり、磁気記録媒体の表面に膜を形成したりするような、精密に制御された厚さ及び狭い原子比公差内の薄膜材料付着物を基板上に形成する種々の分野に用いられている。普通の構成の一つとして、ターゲットの背面に磁石を配置することにより長円形状の磁場をスパッタターゲットに付与する。これにより、電子が、スパッタターゲット近傍で捕捉され、アルゴンイオンの生成を改善し、スパッタリング速度を増加させる。このプラズマ内のイオンはスパッタターゲット表面に衝突してスパッタターゲットがその表面から原子を放出する。陰極のスパッタターゲットと被覆される陽極の基板との間の電圧差で、放出された原子が基板表面に所望の膜を形成する。
一般的に、コバルト(Co)、クロム(Cr)、鉄(Fe)やニッケル(Ni)の合金を主成分とするスパッタターゲットは、伝統的なインゴット冶金方法で製造される。これらの冶金方法の意図しない副次的な悪影響として、凝固先端での溶質再分布及び液相内の対流が鋳放し製品内に深刻な化学的偏析を生じさせる可能性がある。更に、鋳造作業中にガスの閉じ込めが生じるので、鋳放しインゴットのガス巣がもう1つの重大なことであり、ガス孔を密封するために利用できる熱間加工がない。
均一な粒子成長は、凝固中のインゴットからの均一且つ素早い熱放出によってのみ可能であるので、一般的な鋳放しインゴットのミクロ組織は不均一である。この素早く均一な熱放出が不十分であるために、一般的な鋳放しインゴットのミクロ組織は、インゴット中央に等軸晶組織を有し、その表面は柱状晶組織で囲まれている。
コバルト(Co)を主成分とするスパッタターゲットの製造に関して、従来方法は、中間純度(99.9%)の原料を高純度(≧99.99%)に真空誘導溶解(VIM)する工程と、真空雰囲気或いは低圧の不活性ガス雰囲気で銅(Cu)、グラファイト、或いはセラミックの鋳型で溶融合金を鋳造する工程を含み、そして、鋳放しインゴットの厚さを、圧延装置を所定回数通した後に所望のターゲット厚さをもたらすために予め設定しなければならない。凝固中に化学的な偏析を起こす傾向のあるいくつかの合金に対しては、72時間に達する長い均質化焼きなましが、欠陥を軽減するために必要とされる。
その製造工程中、熱間圧延が、粒子サイズを微細化し、ミクロ組織を均質化し、気孔を除去するために用いられる。その熱間圧延処理は、いくつかの圧下工程を必要とし、10時間を越えて継続する可能性がある。クロム(Cr)含有量が18at.%より少ない合金に対しては、冷間圧延もまたターゲットのPTFを増大するために用いられが、加工品はしばしば冷間圧延中に割れ、歩留まりに深刻な影響を与える。
上述したように、従来のスパッタターゲット製造方法は、材料の投入から生産まで多大な時間を要し、且つ、能率的でない傾向がある。ホウ素(B)、リン(P)の含有量が高い合金或いはFe−Co−B,Ni−P及びCo−Ta−Zrのような難溶性成分含有合金を含む合金に対しては、その合金自体の脆性が高温であってもいかなる金属加工処理をも困難にさせる。
非混和性或いは不溶性の成分を含有する合金を扱う場合、従来のインゴット冶金法は無傷のインゴット鋳造品を提供できない。ここで、非混和性とは液相内で生じる非混和を示す。図19の状態図に示すように、例えばAg−Co合金系は、1489℃より高温で2つの液相線L1,L2によって区切られた混和ギャップを示す。コバルト(Co)への銀(Ag)の液相状態の溶解度は、1489℃で実質的にゼロであり、1700℃で略1at.(原子)%である。この温度範囲内のいかなる溶融Ag−Co合金についても、銀(Ag)成分は分離する傾向があり、液相コバルト(Co)内で分離した純銀(Ag)の溜り場を形成する。銀(Ag)含有量にもよるが、これら溜り場は鋳放し組織内に1センチメートルに達する大きな固体粒子を生じさせる。
別の相分離プロセスでは、前述したように、インゴット表面に流出する銀(Ag)からも明らかなように、残留する液状の銀(Ag)が、凝固するコバルト(Co)が縮小するにつれてインゴット塊の外側に押し出される。図20のAu−Co状態図と図21のCo−Cu状態の両方は、金(Au)と銅(Cu)のそれぞれがコバルト(Co)内への非常に限られた固溶度を有することを示す。両ケースでは、コバルト(Co)濃度の高い合金の平衡相は、実際には、純コバルト(εCo)と金(Au)或いはコバルト(εCo)と銅(Cu)の2相固溶体を含む。
金(Au)或いは銅(Cu)の固溶体は、一般的には、個々の粒子として分離するか、コバルト(Co)合金内の初晶(εCo)相の粒界で成長する傾向がある。銀(Ag)(962℃),金(Au)(1064℃)及び銅(Cu)(1085℃)の低い溶融温度を考えると、これらの非混和性及びコバルト(Co)内への限られた固溶度は、実用的なインゴットの熱機械的及びHIPの各処理温度に関して別の制限が加わる。
これら自体の本来的な脆性から、ホウ素(B)含有量が高く又難溶性成分を含有するコバルト(Co)合金の熱間圧延処理は、1050℃〜1100℃の温度範囲で実施され、割れや他の圧延欠陥を避けるようにする。熱機械的及びHIP処理のためにインゴットを再加熱したときの、銀(Ag)、金(Au)及び銅(Cu)の初期融解を避けるために、合金の相組成を変えなければならない。
従って、従来の製造方法の欠陥を克服するスパッタターゲット製造方法を提供することが望ましい。特に、改善されたPTF特性を有し、欠陥のない化学的に均質なスパッタターゲット用の無傷のビレット材を製造する改良されたスパッタターゲット製造方法を提供することが望ましい。
本発明は、スパッタターゲット製造方法に関し、より詳しくは、スパッタ材を得る凝固方法に関する。本発明による製造方法は、改善されたPTFを有し、欠陥のない化学的に均質なスパッタターゲットを製造するための極めて無傷のビレット材を製造する。
本発明による製造方法は、粉末冶金合金形成、従来と異なる急速凝固方法及び粉末の圧密化ないし圧粉化並びに圧密化後の各工程を、改善された特性を有するスパッタリングターゲットを生成するために含む。ターゲットの化学的均質性、製造された鋳塊の健全性或いはPTF特性を低下させることなく、製造時間が著しく短縮される。本製造方法と得られるスパッタリング材特性は、低モーメント(クロム(Cr)含有量>18at.%)から高モーメント(クロム(Cr)含有量<18at.%)の広い範囲のコバルト(Co)合金に適用する。クロム(Cr),鉄(Fe)或いはニッケル(Ni)を主成分とする各合金も同様に適用できる。
第1の構成によれば、本発明は、Co−(5−40at.%)Fe−(5−20at.%)B又はCo−(5−25at.%)Cr−(5−25at.%)Pt−(5−20at.%)B−(0.2−7.5at.%)X1及び随意的な(0.5−7.5at.%)X2(ここで、X1は、銅(Cu),銀(Ag)又は金(Au)を表し、X2は、チタン(Ti),バナジウム(V),イットリウム(Y),ジルコニウム(Zr),ニオブ(Nb),モリブデン(Mo),ルテニウム(Ru),ロジウム(Rh),ランタン(La),ハフニウム(Hf),タンタル(Ta),タングステン(W)又はイリジウム(Ir)を表す)として定式化されたコバルト(Co)を主成分とするスパッタターゲットの製造方法である。本製造方法は、Co−(5−40at.%)Fe−(5−20at.%)B又はCo−(5−25at.%)Cr−(5−25at.%)Pt−(5−20at.%)B−(0.2−7.5at.%)X1及び随意的な(0.5−7.5at.%)X2合金系に対応する組成となるように、純元素又は母合金からなる複数の原料を調製する工程と、前記複数の原料を真空雰囲気或いは低圧のアルゴン(Ar)雰囲気中で液状態まで加熱してCo−(5−40at.%)Fe−(5−20at.%)B又はCo−(5−25at.%)Cr−(5−25at.%)Pt−(5−20at.%)B−(0.2−7.5at.%)X1及び随意的に(0.5−7.5at.%)X2合金系に対応する溶融合金を形成する工程とを含む。また、本製造方法は、前記溶融合金を凝固させてインゴットを形成する工程、前記インゴットを液状態まで再加熱して拡散溶融合金を形成する工程及び前記拡散溶融合金を急速凝固して均質合金粉末材料にする工程も含む。更に、本製造方法は、前記均質合金粉末材料を圧粉して高密度均質材料にする工程と、前記高密度均質材料を随意的に熱間或いは冷間圧延する工程及び前記高密度均質材料を機械加工してスパッタターゲットを形成する工程を含む。
縮小した粒子サイズと細かく分散した二次相はスパッタリングプロセスの改善と粒子放出の最小化のために望ましいので、急速凝固は縮小したスケールのミクロ組織的特徴を生成するための手段を提供する。顕微鏡観察レベルで、急速凝固で得られたミクロ組織は極めて化学的に均一であり、その組成式の範囲内で媒体膜の付着物のための優れた供給源として対応したターゲット材を作る。
急速凝固は、高温での圧粉中や熱機械的作業中における大部分の熱サイクルに耐えることができる非平衡ミクロ組織を生成する。噴霧法の場合、その合金の熱伝導率と固有の熱容量によっては、非常に高い冷却速度により、平均粒径が最大で350μmの非常に小さい粉末粒子を可能にする。
前記Co−(5−40at.%)Fe−(5−20at.%)B合金系については、本製造方法は、更に、Co−(5−40at.%)Fe−(5−20at.%)B合金系の固相線温度より低い温度で前記高密度均質材料を熱間圧延する工程を含む。
更に、前記圧粉工程は、前記均質合金粉末材料を容器に詰める工程と、均質合金粉末材料を詰めた容器を300℃〜600℃の範囲の温度で10-2〜10-3torr(トル=mmHg)の真空レベルまで減圧する工程と、減圧した容器を密封する工程と、密封した容器を加圧型熱間静水圧圧縮容器内で300℃〜1300℃の範囲の温度で平方インチ(約6.5cm2)当り10キロポンド〜45キロポンド(約4536kg〜約20412kg)の範囲の圧力まで加圧する工程とを含む。
前記複数の原料の1つは、0.2at.%〜2.0at.%の範囲の純銀(Ag)からなり、この場合、前記高密度均質材料を、962℃より低い温度で熱間圧延する。更に、前記複数の原料の1つは、純金(Au)からなり、この場合、前記高密度均質材料を、1065℃より低い温度で熱間圧延する。更にまた、前記複数の原料の1つは純銅(Cu)からなり、この場合、前記高密度均質材料を、1085℃より低い温度で熱間圧延する。
更に、前記調製工程は、Co−(5−25at.%)Cr−(5−25at.%)Pt−(5−20at.%)B−(0.2−7.5at.%)X1及び随意的な(0.5−7.5at.%)X2合金系に対応する組成となるように、所定重量割合のAg−Pt母合金粉末、Co−Cr−Bと随意的なX2の母合金粉末及び白金(Pt)を混合する工程を含む。前記高密度均質材料を、1186℃より低い温度或いは1030℃より低い温度で熱間圧延する。
更に、前記調製工程は、Co−(5−25at.%)Cr−(5−25at.%)Pt−(5−20at.%)B−(1.5−7.5at.%)X1及び随意的な(1.5−7.5at.%)X2合金系に対応する組成となるよう、所定重量割合のAu−Cr母合金粉末、Co−B−Ptと随意的なX2の母合金粉末及びクロム(Cr)とCo−Cr母合金粉末とのどちらかを混合する工程を含む。前記高密度均質材料を、1160℃より低い温度或いは1070℃より低い温度で熱間圧延する。
更に、前記調製工程は、Co−(5−25at.%)Cr−(5−25at.%)Pt−(5−20at.%)B−(0.2−7.5at.%)X1と随意的な(0.5−7.5at.%)X2合金系に対応する組成となるように、所定重量割合のCu−Pt母合金粉末、Co−Cr−Bと随意的なX2の母合金粉末及び白金(Pt)を混合する工程を含む。前記高密度均質材料を、1186℃より低い温度或いはCo−Cr−B母合金の固相線温度より低い温度で熱間圧延する。
前記複数の原料は、純元素のコバルト(Co),クロム(Cr),白金(Pt),ホウ素(B),X1及び/又はX2、及び/又は、Co−Cr,Co−B,Co−Cr−B,Ag−Pt,Au−Cr及び/又は、Cu−Pt母合金からなる。
前記拡散溶融合金の急速凝固速度は、104℃/s以下或いは10℃/s以下の速度で生じ、噴霧法、溶融スピニング法、或いは、溶射成形を用いる。そして、前記拡散溶融合金を、25μm〜350μmの範囲の平均粒径を有する均質合金粉末材料となるように急速凝固する。少なくとも第1のホウ化物相が均質合金粉末材料で形成され、この場合、前記第1のホウ化物相がCoB3或いはCoB3とCo2Bの混合物からなり、前記ホウ化物のサイズは2μmより小さい。
Co−(5−25at.%)Cr−(5−25at.%)Pt−(5−20at.%)B−(0.2−7.5at.%)X1又は(0.5−7.5at.%)X2合金系では、一次相が均質合金粉末材料で形成され、この場合、前記一次相はCo−Cr−X1−Pt又はCo−Cr−X1−X2−Ptからなる拡張固溶体である。前記一次相は、2at.%以下の銀(Ag)又は7.5at.%以下の金(Au)又は7.5at.%以下の銅(Cu)を含むCo−Cr−X1−Pt又はCo−Cr−X1−X2−Ptからなる拡張固溶体である。
第2の構成によれば、本発明は、Cr−(2−20at.%)B又はCr−(2−20at.%)Cとして定式化されたクロム(Cr)を主成分とするスパッタターゲットの製造方法である。本製造方法は、Cr−(7−20at.%)B又はCr−(5−25at.%)C合金系に対応する組成となるように純元素又は母合金からなる複数の原料を調製する工程と、前記複数の原料を真空雰囲気或いは低圧のアルゴン(Ar)雰囲気中で液状態まで加熱してCr−(7−20at.%)B又はCr−(5−25at.%)C合金系に対応する溶融合金を形成する工程とを含む。また、本製造方法は、前記溶融合金を凝固させてインゴットを形成する工程と、前記インゴットを液状態まで再加熱して拡散溶融合金を形成する工程と、前記拡散溶融合金を急速凝固して均質合金粉末材料にする工程とを含む。更に、本製造方法は、前記均質合金粉末材料を圧粉してCr−(2−20at.%)B又はCr−(2−20at.%)Cの混合組成に対応する高密度均質材料にする工程と、高密度均質材料を機械加工してスパッタターゲットを形成する工程とを含む。
更に、本製造方法は、前記均質合金粉末材料に純クロム(Cr)粉末を混合する工程を含む。前記均質Cr−(2−20at.%)B合金粉末材料は、過飽和クロム(Cr)固溶体及び/又はミクロン以下のCr2Bホウ化物を含む過飽和クロム(Cr)固溶体からなるミクロ組織、或いは、ミクロン以下のCr236炭化物を含む過飽和クロム(Cr)固溶体からなるミクロ組織を有する。
第3の構成によれば、本発明は、Fe−(5−40at.%)Co−(5−20at.%)B,Fe−(5−90at.%)Ni,Fe−(5−70at.%)Co,Fe−(30−50at.%)Pt又はFe−(30−55at.%)Pdとして定式化された鉄(Fe)を主成分とするスパッタターゲットの製造方法である。本製造方法は、Fe−(5−40at.%)Co−(5−20at.%)B,Fe−(5−90at.%)Ni,Fe−(5−70at.%)Co,Fe−(30−50at.%)Pt又はFe−(30−55at.%)Pd合金系に対応する組成となるように純元素又は母合金からなる複数の原料を調製する工程と、前記複数の原料を真空雰囲気或いは低圧のアルゴン(Ar)雰囲気中で液状態まで加熱してFe−(5−40at.%)Co−(5−20at.%)B,Fe−(5−90at.%)Ni,Fe−(5−70at.%)Co,Fe−(30−50at.%)Pt又はFe−(30−55at.%)Pd合金系に対応する溶融合金を形成する工程とを含む。また、本製造方法は、前記溶融合金を凝固させてインゴットを形成する工程と、前記インゴットを液状態まで再加熱して拡散溶融合金を形成する工程と、前記拡散溶融合金を急速凝固して均質合金粉末材料にする工程とを含む。更にまた、本製造方法は、前記均質合金粉末材料を圧粉して高密度均質材料にする工程と、前記高密度均質材料を熱間圧延する工程と、前記高密度均質材料を機械加工してスパッタターゲットを形成する工程とを含む。
Fe−(5−40at.%)Co−(5−20at.%)B合金系に関しては、前記高密度均質材料を固相線温度より低い温度で熱間圧延する。少なくとも第1のホウ化物相が、均質合金粉末材料で形成され、この場合、前記第1のホウ化物相が準安定状態のFe3Bホウ化物或いは準安定状態のFe3Bホウ化物と平衡状態のFe2Bホウ化物の混合物からなる。
第4の構成によれば、本発明は、Ni−(10−50at.%)Pとして定式化されたニッケル(Ni)を主成分とするスパッタターゲットの製造方法である。本製造方法は、Ni−(10−50at.%)P合金系に対応する組成となるように、純元素又は母合金からなる複数の原料を調製する工程と、前記複数の原料を真空雰囲気或いは低圧のアルゴン(Ar)雰囲気中で液状態まで加熱してNi−(10−50at.%)P合金系に対応する溶融合金を形成する工程とを含む。また、本製造方法は、前記溶融合金を凝固させてインゴットを形成する工程と、前記インゴットを液状態まで再加熱して拡散溶融合金を形成する工程と、前記拡散溶融合金を急速凝固して均質合金粉末材料にする工程とを含む。更にまた、本製造方法は、前記均質合金粉末材料を圧粉して高密度均質材料にする工程と、前記高密度均質材料を機械加工してスパッタターゲットを形成する工程とを含む。
前記均質合金粉末材料は、10μmより小さいNi3Pリン化物を有する過飽和ニッケル(Ni)固溶体を有する。
下記の好ましい実施形態の記載において、同記載の一部をなす添付図面を参照して本発明を実施する特定の実施形態について説明する。尚、他の諸実施形態を利用することが可能であり、且つ、本発明を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることを理解すべきである。
本発明は、従来の製造方法の欠陥を克服するスパッタターゲット製造方法を提供する。特に、改善されたPTF特性を有し、欠陥のない化学的に均質なスパッタターゲット用の非常に無傷のビレット材を製造する改良されたスパッタターゲット製造方法を提供する。
図1は、本発明の第1の構成による、Co−(5−40at.%)Fe−(5−20at.%)B又はCo−(5−25at.%)Cr−(5−25at.%)Pt−(5−20at.%)B−(0.2−7.5at.%)X1及び随意的な(0.5−7.5at.%)X2(ここで、X1は、銅(Cu),銀(Ag)又は金(Au)を表し、X2は、チタン(Ti),バナジウム(V),イットリウム(Y),ジルコニウム(Zr),ニオブ(Nb),モリブデン(Mo),ルテニウム(Ru),ロジウム(Rh),ランタン(La),ハフニウム(Hf),タンタル(Ta),タングステン(W)又はイリジウム(Ir)を表す)として定式化されたコバルト(Co)を主成分とするスパッタターゲットの製造方法を示すフローチャートである。簡潔的には、本製造方法は、Co−(5−40at.%)Fe−(5−20at.%)B又はCo−(5−25at.%)Cr−(5−25at.%)Pt−(5−20at.%)B−(0.2−7.5at.%)X1及び随意的な(0.5−7.5at.%)X2合金系に対応する組成となるように、純元素又は母合金からなる複数の原料を調製する工程と、前記複数の原料を真空雰囲気或いは低圧のアルゴン(Ar)雰囲気中で液状態まで加熱してCo−(5−40at.%)Fe−(5−20at.%)B又はCo−(5−25at.%)Cr−(5−25at.%)Pt−(5−20at.%)B−(0.2−7.5at.%)X1及び随意的に(0.5−7.5at.%)X2合金系に対応する溶融合金を形成する工程とを含む。また、本製造方法は、前記溶融合金を凝固させてインゴットを形成する工程と、前記インゴットを液状態まで再加熱して拡散溶融合金を形成する工程と、前記拡散溶融合金を急速凝固して均質合金粉末材料にする工程も含む。更に、本製造方法は、前記均質合金粉末材料を圧粉して高密度均質材料にする工程と、前記高密度均質材料を随意的に熱間或いは冷間圧延する工程と、前記高密度均質材料を機械加工してスパッタターゲットを形成する工程とを含む。従って、本製造方法は、改善された性能を有するスパッタリングターゲット製造用の従来とは異なる合金調製方法であり、従来の鋳造方法で遭遇する問題を解決する。
より詳細には、ステップ401で、Co−(5−40at.%)Fe−(5−20at.%)B又はCo−(5−25at.%)Cr−(5−25at.%)Pt−(5−20at.%)B−(0.2−7.5at.%)X1及び随意的な(0.5−7.5at.%)X2(ここで、X1は、銅(Cu),銀(Ag)又は金(Au)を表し、X2は、チタン(Ti),バナジウム(V),イットリウム(Y),ジルコニウム(Zr),ニオブ(Nb),モリブデン(Mo),ルテニウム(Ru),ロジウム(Rh),ランタン(La),ハフニウム(Hf),タンタル(Ta),タングステン(W)又はイリジウム(Ir)を表す)として定式化されたコバルト(Co)を主成分とするスパッタターゲットの製造方法が開始される。
ステップ402で、純元素又は母合金からなる複数の原料を、Co−(5−40at.%)Fe−(5−20at.%)B又はCo−(5−25at.%)Cr−(5−25at.%)Pt−(5−20at.%)B−(0.2−7.5at.%)X1及び随意的な(0.5−7.5at.%)X2合金系に対応する組成となるように調製する。コバルト(Co)を主成分とする合金については、銀(Ag),金(Au)或いは銅(Cu)を、信号対雑音比の改善因子として添加する。これら元素は、コバルト(Co)に混じらないので、従来方法を用いる場合、これら元素は、鋳造時にコバルト(Co)溶液から分離したり、銀(Ag),金(Au)或いは銅(Cu)の溜り場を形成する傾向があり、後で凝固して明確な集合体になるか或いはインゴット表面に流出する。
図2は、本発明の第1の構成における一実施態様による、より詳細にステップ402の調製工程を示すフローチャートである。一般的に、ステップ402の調製工程は、更に、所望の合金系に対応する組成となるように所定重量割合の母合金粉末と合金元素(或いは複数の合金元素)を混合する工程を備える。
よい詳しくは、1つの態様によれば、ステップ501で、プロセスが開始され、ステップ502Aで、Co−(5−25at.%)Cr−(5−25at.%)Pt−(5−20at.%)B−(0.2−7.5at.%)X1及び随意的な(0.5−7.5at.%)X2合金系に対応する組成となるように、所定重量割合のAg−Pt母合金粉末、Co−Cr−Bと随意的なX2の母合金粉末及び白金(Pt)を混合し、ステップ504で、プロセスは終了する。この態様によれば、高密度均質材料を、1186℃より低い温度或いは1030℃より低い温度で熱間圧延する(後述のステップ409参照)。尚、この熱間圧延工程は省略してもよい。
この特定の態様によれば、Ag−Pt合金を、原料を溶解した実質的に純銀(Ag)と白金(Pt)からなる複数の原料を用いて調製し、この場合、所定の白金(Pt)含有量は、約10at.%〜90at.%であり、好ましくは40at.%〜42at.%である。複数の原料を完全に液状態まで加熱し、実質的に同じ所定の白金(Pt)含有量を有する溶融合金を形成し、その溶融合金を凝固してインゴットを形成する。このAg−Ptインゴットを完全に液状態まで再加熱し、急速凝固してAg−Pt合金粉末材料にする。
図3は、Ag−Pt状態図であり、銀(Ag)の豊富な液相(L)と白金(Pt)固溶体を含む包晶反応が、略1186℃で起こることを示している。約40.6at.%の白金(Pt)を含有する合金の場合、同じ組成の銀(Ag)固溶体が生成される。含有量が40.6%at.%より少ない銀(Ag)合金は、開始点が破線の固相線で決定されるような加熱で初期融解を示す。
後の噴霧処理温度条件に依存して、CoCrPtBX1或いはCoCrPtBX1−X2合金の製造用出発原料を、Ag−Pt合金とCoCrB(Pt)又はCoCrB(Pt)X1を含む2つの予め合金化された粉末に分け、バランスをとるために白金(Pt)粉末を添加する。そのような処方は、銀(Ag)含有合金について最大で1186℃までの加熱処理温度範囲を与え、ターゲットの至るところに銀(Ag)の分散を保証する。図4及び図5の状態図に示されるように、最大で1160℃までの広い加熱処理温度範囲や銅(Cu)含有合金についてより一層高い温度を提供するために、予め合金化されたAu−Cr或いはCu−Pt粉末を用いることによって、同様の技術を金(Au)或いは銅(Cu)含有合金に対して試みることができる。
第2の別の実施態様によれば、ステップ501で、プロセスが開始され、ステップ502Bで、Co−(5−25at.%)Cr−(5−25at.%)Pt−(5−20at.%)B−(1.5−7.5at.%)X1及び随意的な(1.5−7.5at.%)X2合金系に対応する組成となるよう所定重量割合のAu−Cr母合金粉末、Co−B−Ptと随意的なX2の母合金粉末及びクロム(Cr)とCo−Cr母合金粉末のどちらかを混合し、ステップ504で、プロセスが終了する。前記高密度均質材料を、1160℃より低い温度或いは1070℃より低い温度で熱間圧延する(後述のステップ409参照)。尚、この熱間圧延工程は省略してもよい。
この特定の態様によれば、Au−Cr合金を、原料を溶解した実質的に純金(Au)とクロム(Cr)からなる複数の原料を用いて調製し、この場合、所定のクロム(Cr)含有量は、約10at.%〜80at.%であり、好ましくは47at.%〜49at.%である。複数の原料を完全に液状態まで加熱して実質的に同じ所定のクロム(Cr)含有量を有する溶融合金を形成し、その溶融合金を凝固してインゴットを形成する。このAu−Crインゴットを完全に液状態まで再加熱し、急速凝固してAu−Cr合金粉末材料にする。
第3の別の実施態様によれば、ステップ501で、プロセスが開始され、ステップ502Cで、Co−(5−25at.%)Cr−(5−25at.%)Pt−(5−20at.%)B−(0.2−7.5at.%)X1と随意的な(0.5−7.5at.%)X2合金系に対応する組成となるよう所定重量割合のCu−Pt母合金粉末、Co−Cr−Bと随意的なX2の母合金粉末、及び白金(Pt)を混合し、ステップ504で、プロセスが終了する。前記高密度均質材料を、1186℃より低い温度或いはCo−Cr−B母合金の固相線温度より低い温度で、熱間圧延する(後述のステップ409参照)。尚、この熱間圧延工程は省略してもよい。
この特定の態様によれば、Co−Cr−Bと随意的なX2合金を、複数の原料及び/又は母合金を用いて調整し、母合金が既知のCu−Pt合金の場合、Co−(5−25at.%)Cr−(5−25at.%)Pt−(5−20at.%)Bと随意的な(0.5−7.5at.%)X2合金系について適切な原子バランスを提供するように選択する。複数の原料を完全に液体状態まで加熱して溶融合金を形成し、この溶融合金を凝固してインゴットを形成する。このインゴットを完全に液体状態まで再加熱し、急速凝固して合金粉末材料にする。
上記に示したように、CoCrPtBX1或いはCoCrPtBX1−X2合金の製造用出発原料を、Ag−Pt合金とCoCrB(Pt)又はCoCrB(Pt)X1を含む2つの予め合金化された粉末に分け、バランスをとるために白金(Pt)粉末を添加する。図4及び図5の状態図に示されるように、最大で1160℃までの広い加熱処理温度範囲や銅(Cu)含有合金についてより一層高い温度を提供するために、予め合金化されたAu−Cr或いはCu−Pt粉末を用いることによって、同様の技術を金(Au)或いは銅(Cu)含有合金に対して試みることができる。
上述の定式には示されていない別の案として、複数の原料の1つが、0.2at.%〜2.0at.%の範囲の純銀(Ag)からなり、この場合、高密度均質材料を962℃より低い温度で熱間圧延する(後述のステップ409参照)。別の案としては、複数の原料の1つが、純金(Au)からなり、この場合、高密度均質材料を1065℃より低い温度で熱間圧延する(後述のステップ409参照)。更に別の案として、複数の原料の1つが、純銅(Cu)からなり、この場合、高密度均質材料を1085℃より低い温度で熱間圧延する(後述のステップ409参照)。更に、複数の原料は、純元素のコバルト(Co),クロム(Cr),白金(Pt),ホウ素(B),X1及び/又はX2、及び/又は、Co−Cr、Co−B,Co−Cr−B,Ag−Pt,Au−Cr及び/又はCu−Pt母合金を含んでも良い。
図1に戻って、ステップ404で、前記複数の原料を、真空雰囲気或いは低圧のアルゴン(Ar)雰囲気中で液状態まで加熱し、Co−(5−40at.%)Fe−(5−20at.%)B又はCo−(5−25at.%)Cr−(5−25at.%)Pt−(5−20at.%)B−(0.2−7.5at.%)X1及び随意的な(0.5−7.5at.%)X2合金系に対応する溶融合金を形成する。ステップ405で、前記溶融合金を凝固してインゴットを形成し、ステップ406で、前記インゴットを完全に液状態まで再加熱して拡散溶融合金を形成する。
ステップ407で、前記拡散溶融合金を急速凝固して均質合金粉末材料にする。粒子サイズの縮小と二次相の細かい分散はスパッタリングプロセスの改善と粒子放出の最小化のために望ましく、急速凝固は縮小したスケールのミクロ組織的特徴を生成するための手段を提供する。顕微鏡観察レベルで、急速凝固で得られたミクロ組織は極めて化学的に均一であり、対応したターゲット材はその組成式の範囲内で媒体膜の付着物にとって優れた供給源である。ミクロ組織の微細化は、金属間化合物含有合金の脆性を減少することに関して重大な影響を及ぼす。一般的に、脆性は金属間化合物相の析出サイズが大きい場合に悪化する。
急速凝固は、高温での圧粉中や熱機械処理中の大部分の熱サイクルに耐えることができる非平衡ミクロ組織を生成する。噴霧法の場合、その合金の熱伝導率と固有の熱容量によっては、非常に高い冷却速度により平均粒径が最大で350μmの非常に小さい粉末粒子を可能にする。
前記拡散溶融合金の急速凝固は、104℃/s以下或いは10℃/s以下の速度で生じる。急速凝固は、噴霧法、溶融スピニング法、或いは、溶射成形により行い、そして、前記拡散溶融合金を、25μm〜350μmの範囲の平均粒径を有する均質合金粉末材料となるよう急速凝固する。
熱力学の観点から、鋳造のインゴット界面ではゆっくりした熱移動によって熱流出が制限されることにより、インゴットの凝固は、一般的に、対応する状態図に示される平衡状態に従う。多くの場合、鋳放し合金相組織は、スパッタリングプロセスの特性を制限し、例えば、二次相の化学量論組成が、ターゲットのPTF特性を決定し、スパッタされた膜全体の特性に影響を与える。
本発明において、急速凝固技術は、スパッタリングターゲット合金の調製に用いられ、そして、溶融状態からの急速焼入れは、いかなるスパッタリング材料の凝固をも可能とし、同時にミクロ組織的均質性、精細性及び後のプロセスの完全性を達成する。急速凝固を達成できる高い冷却速度が与えられた場合、液体から固体への非平衡変化が助長される。そのような急速焼入れ製品は、完全に非晶質な固体合金、状態図では予想できない準安定相含有合金及び/又は拡張された或いは過飽和固溶体を含む。
噴霧処理は偏析がなく非常に微細なミクロ組織を有する合金物質を生産することができるので、噴霧法、溶融スピニング法及び溶射成形のような急速凝固技術は、航空宇宙産業における種々の用途や他の特殊用途に利用されている。粉末の粒径の分布は、一般的に噴霧技術によって決定され、所定の噴霧技術の場合、その技術自体の条件や合金の流動特性によって決定される。例えば、噴霧法は遠心力噴霧法より微細な粉末を生成することが知られている。
ステップ408で、均質合金粉末を圧粉して高密度均質材料にする。少なくとも第1のホウ化物は、均質合金粉末材料で形成される。この場合、前記第1のホウ化物はCoB3或いはCoB3とCo2Bの混合物或いは他のホウ化物組成からなり、そのホウ化物サイズは、2μmより小さい。Co−(5−25at.%)Cr−(5−25at.%)Pt−(5−20at.%)B−(0.2−7.5at.%)X1又は(0.5−7.5at.%)X2合金系の場合、一次相が、均質合金粉末材料で形成され、前記一次相は、最大で2at.%の銀(Ag)又は最大で7.5at.%の金(Au)又は7.5at.%の銅(Cu)又は別の成分を含有するCo−Cr−X1−Pt又はCo−Cr−X1−X2−Ptからなる拡張固溶体である。
図6は、本構成の一実施態様によるステップ408の圧粉工程を示すフローチャートである。尚、別の圧粉処理も同様に用いることは可能である。詳しくは、ステップ901で、ステップ408の圧粉工程が開始し、ステップ902で、均質合金粉末材料を容器に詰める。ステップ904で、前記容器を300℃〜600℃の範囲の温度で10-2〜10-3torr(トル=mmHg)の真空レベルまで減圧し、ステップ905で、前記容器を密封する。ステップ906で、加圧型熱間静水圧圧縮容器内で前記容器を300℃〜1300℃の範囲の温度で平方インチ(約6.5cm2)当り10キロポンド〜45キロポンド(約4536kg〜約20412kg)の範囲の圧力まで加圧し、ステップ907でプロセスは終了する。
図1に戻って、Co−(5−40at.%)Fe−(5−20at.%)B合金系の場合、本製造方法は、Co−(5−40at.%)Fe−(5−20at.%)B合金系の固相線温度より低い温度で、前記高密度均質材料を熱間圧延する工程を有する(ステップ409)。尚、この熱間圧延工程は省略してもよい。ステップ410で、高密度均質材料を冷間圧延し、ステップ411で、機械加工によりスパッタターゲットを形成し、ステップ412で、この製造方法は終了する。
噴霧処理法の場合、ヘリウム(He)がその低い粘性と高い音速のために用いられ、アルゴン(Ar)より非常に微細な粉末を製造する。遠心力噴霧法や回転電極噴霧法におけるディスク回転速度(RPM)や電極回転速度(RPM)を増大することによって、平均粒径は減少される。多くの噴霧法において、高い液体合金粘性及び/又は表面張力が、結果として大きい粒子を生じさせる。急速凝固において、冷却速度は粒径に反比例する。固体合金の完全な非晶質化は、最終のターゲット製品について容易に達成できないが、急速凝固は、高温での圧粉中或いは熱機械作業中の大部分の熱サイクルに耐えることができる非平衡ミクロ組織を生成する。
急速凝固技術の下で、いくつかの薄板状の冷却されたCo−Au合金で見られるように、最大で18at.%の金(Au)の拡張固溶体が得られ、急冷されたCo−Cu液体合金において、最大で15at.%の銅(Cu)を含有するコバルト(Co)に銅(Cu)の拡張固溶体が得られる。銀(Ag)含有のコバルト(Co)合金の場合、コバルト(Co)固溶体内にわずかに銀(Ag)原子を保有することは可能であるが、銀含有量が高い(2at.%以上)合金の場合、液相の混和性ギャップの存在によって、銀(Ag)は噴霧で明確な粒子に凝固するであろう。従って、完全に混和する母材合金及び/又は銀(Ag)を有する中間相を形成する母材合金を通して銀(Ag)を導入することが好ましい。
SEM及び顕微鏡分析は、代表的な鋳放しCoCrPtB合金のミクロ組織が主要なCoPtCr相とCo2Bホウ化物を含む細かい層状の共晶相の集合体によって囲まれた初晶ホウ素(B)のない樹枝状CoPtCr相で構成されることを示している。鋳放しCo−(8at.%)Cr−(7at.%)Pt−(8at.%)B合金の代表的なミクロ組織を図7に示す。ちなみに、図8に示したように、コバルト(Co)を主成分とする合金の急速凝固は、ミクロ組織を非常に微細に成長させ、この場合、コバルト(Co)ホウ化物相サイズは、極めて縮小される。ホウ化物相の分布もまた鋳放しミクロ組織内のホウ化物相の分布と比較すると非常に均一である。
鋳放し及び急速凝固した各Co−(8at.%)Cr−(7at.%)Pt−(8at.%)B合金の相組織は、X線回折によって明らかに判定することができ、その分析の結果は、図9に示した回折パターンに集約されている。鋳放し合金において、平衡状態のホウ化物Co2BとFe2Bは対応する基質と共に形成されるが、急速凝固した合金は、準安定状態のCo3Bホウ化物を成長させる。この非平衡状態のホウ化物は、かなり良好な熱安定性を示すことが明らかにされ、また、高温の圧粉中1250℃の高温に曝した後でさえも変形されない。
その結果生じたPTF利得と均一性及びホウ化物相の全体的な分布に関して、Co3Bが化学量論組成を有することが一層望ましい。合金組成に基づいて、鋳放し合金のホウ化物相形成用に保持されるコバルト(Co)の原子比は、急速凝固した合金の対応する原子比が0.24であるのに比べて0.16である。従って、鋳放し合金と比較した場合、急速凝固した合金では強磁性相を構成するコバルト(Co)合金内の基質相の容積比は大幅に減少する。基質容積比の減少とホウ化物相の容積比の増大は、PTF利得と均一性に大いに寄与する。更に、急速凝固材料のホウ化物相の容積比の増大は、ホウ素(B)の均一な分布を達成するために極めて望ましい。鋳放し合金において、第2の平衡状態のCo2Bホウ化物は、対応する基質と共に形成されたが、急速凝固した合金は、第1の平衡状態のホウ化物Co3Bを成長させた。
図10は、本発明の第2の構成によるCr−(2−20at.%)B又はCr−(2−20at.%)Cとして定式化されたクロム(Cr)を主成分とするスパッタターゲットの製造方法を示すフローチャートである。簡潔的には、本製造方法は、Cr−(7−20at.%)B又はCr−(5−25at.%)C合金系に対応する組成となるように、純元素又は母合金からなる複数の原料を調製する工程と、前記複数の原料を真空雰囲気或いは低圧のアルゴン(Ar)雰囲気中で完全に液状態まで加熱してCr−(7−20at.%)B又はCr−(5−25at.%)C合金系に対応する溶融合金を形成する工程とを含む。また、本製造方法は、前記溶融合金を凝固させてインゴットを形成する工程と、前記インゴットを完全に液状態まで再加熱して拡散溶融合金を形成する工程と、前記拡散溶融合金を急速凝固して均質合金粉末材料にする工程とを含む。更に、本製造方法は、前記均質合金粉末材料を圧粉してCr−(2−20at.%)B又はCr−(2−20at.%)Cの混合組成に対応する高密度均質材料にする工程と、高密度均質材料を機械加工してスパッタターゲットを形成する工程とを含む。
より詳細には、ステップ1301で、Cr−(2−20at.%)B又はCr−(2−20at.%)Cとして定式化されたクロム(Cr)を主成分とするスパッタターゲットの製造方法が開始し、ステップ1302で、純元素又は母合金からなる複数の原料を、Cr−(7−20at.%)B又はCr−(5−25at.%)C合金系に対応する組成となるように調製する。
ステップ1304で、前記複数の原料を真空雰囲気或いは低圧のアルゴン(Ar)雰囲気中で完全に液状態まで加熱してCr−(7−20at.%)B又はCr−(5−25at.%)C合金系に対応する溶融合金を形成する。ステップ1305で、前記溶融合金を凝固してインゴットを形成し、ステップ1306で、前記インゴットを完全に液状態まで再加熱して拡散溶融合金を形成する。ステップ1307で、前記拡散溶融合金を急速凝固して均質合金粉末材料にする。
ステップ1308で、純Cr(Cr)粉末を均質合金粉末材料に混合する。均質なCr−(2−20at.%)B合金粉末材料は、過飽和クロム(Cr)固溶体、及び/又は、ミクロン以下のCr2Bホウ化物或いは他のホウ化物を有する過飽和クロム(Cr)固溶体のような、溶液或いは固溶体からなるミクロ組織、又は、ミクロン以下のCr236炭化物或いは他の炭化物を有する過飽和クロム(Cr)固溶体からなるミクロ組織を有する。別の態様では、ステップ1308の混合工程は省略してもよい。
ステップ1309で、前記均質合金粉末材料を圧粉してCr−(2−20at.%)B又はCr−(2−20at.%)Cの混合組成に対応する高密度均質材料にする。ステップ1309の圧粉工程は、均質合金粉末材料を容器内に詰め込む詰め込みによって開始し、そして、詰め込んだ容器を300℃〜600℃の範囲の温度で10-2〜10-3torr(トル=mmHg)の真空レベルまで減圧し、減圧した容器を密閉する。その容器を、加圧型熱間静水圧圧縮容器内で300℃〜1300℃の範囲の温度で平方インチ(約6.5cm2)当り10キロポンド〜45キロポンド(約4536kg〜約20412kg)の範囲の圧力まで加圧する。尚、ステップ1309の圧粉工程は、他の方法を用いて行ってもよい。
ステップ1310で、高密度均質材料を機械加工してスパッタターゲットを形成し、ステップ1311で、プロセスは終了する。鋳放したCr−(13.5at.%)Bは、交互に層を成したCrとCr2Bを包含した粗い共晶ミクロ組織を呈する。粗いクロム(Cr)ホウ化物は、スパッタリング中に深刻な粒子生成を生じさせることが知られており、これらホウ化物の形成は、ホウ化物の大きさが縮小されない限り避けるべきである。図11の(A)と(B)は、噴霧したCr−(13.5at.%)B合金のミクロ組織を示し、ホウ化物相のない完全な拡張固溶体が示されている。
Cr−Cの鋳放し合金は、機械加工の仕上がりを悪くさせ、スパッタリング中に粒子欠陥を生じる粗い炭化物を形成する傾向がある。図12は、例えば、噴霧したCr−(14at.%)C合金の内部ミクロ組織を示し、急速凝固の結果、クロム(Cr)炭化物粒径を約5μmまで減少した。
図13は、本発明の第3の構成による、Fe−(5−40at.%)Co−(5−20at.%)B,Fe−(5−90at.%)Ni,Fe−(5−70at.%)Co,Fe−(30−50at.%)Pt又はFe−(30−55at.%)Pdとして定式化された鉄(Fe)を主成分とするスパッタターゲットの製造方法を示すフローチャートである。簡潔的には、本製造方法は、Fe−(5−40at.%)Co−(5−20at.%)B,Fe−(5−90at.%)Ni,Fe−(5−70at.%)Co,Fe−(30−50at.%)Pt又はFe−(30−55at.%)Pd合金系に対応する組成となるように、純元素又は母合金からなる複数の原料を調製する工程と、前記複数の原料を真空雰囲気或いは低圧のアルゴン(Ar)雰囲気中で完全に液状態まで加熱してFe−(5−40at.%)Co−(5−20at.%)B,Fe−(5−90at.%)Ni,Fe−(5−70at.%)Co,Fe−(30−50at.%)Pt又はFe−(30−55at.%)Pd合金系に対応する溶融合金を形成する工程とを含む。また、本製造方法は、前記溶融合金を凝固させてインゴットを形成する工程と、前記インゴットを完全に液状態まで再加熱して拡散溶融合金を形成する工程と、前記拡散溶融合金を急速凝固させて均質合金粉末材料にする工程とを含む。更に、本製造方法は、前記均質合金粉末材料を圧粉して高密度均質材料にする工程と、前記高密度均質材料を熱間圧延する工程と、前記高密度均質材料を機械加工によってスパッタターゲットに形成する工程とを含む。
詳述すれば、ステップ1601で、Fe−(5−40at.%)Co−(5−20at.%)B,Fe−(5−90at.%)Ni,Fe−(5−70at.%)Co,Fe−(30−50at.%)Pt又はFe−(30−55at.%)Pdとして定式化された鉄(Fe)を主成分とするスパッタターゲットの製造方法は開始し、ステップ1602で、純元素又は母合金からなる複数の原料を、Fe−(5−40at.%)Co−(5−20at.%)B,Fe−(5−90at.%)Ni,Fe−(5−70at.%)Co,Fe−(30−50at.%)Pt又はFe−(30−55at.%)Pd合金系に対応する組成となるように調製する。
ステップ1604で、前記複数の原料を真空雰囲気或いは低圧のアルゴン(Ar)雰囲気中で完全に液状態まで加熱して、Fe−(5−40at.%)Co−(5−20at.%)B,Fe−(5−90at.%)Ni,Fe−(5−70at.%)Co,Fe−(30−50at.%)Pt又はFe−(30−55at.%)Pd合金系に対応する溶融合金を形成する。ステップ1605で、前記溶融合金を凝固させてインゴットを形成し、ステップ1606で、前記インゴットを完全に液状態まで再加熱して拡散溶融合金を形成する。
ステップ1607で、前記拡散溶融合金を急速凝固させて均質合金粉末材料にする。少なくとも第1のホウ化物相が、均質合金粉末材料に形成され、前記第1のホウ化物相が、準安定状態のFe3Bホウ化物或いは準安定状態のFe3Bホウ化物と平衡状態のFe2Bホウ化物との混合物又は他のホウ化物成分からなる。
ステップ1609で、前記均質合金粉末材料を圧粉して高密度均質材料にする。ステップ1609の圧粉工程は、均質合金粉末材料を容器内に詰め込む詰め込みによって開始し、そして、詰め込んだ容器を300℃〜600℃の範囲の温度で10-2〜10-3torr(トル=mmHg)の真空レベルまで減圧し、減圧した容器を密閉する。その容器を、加圧型熱間静水圧圧縮容器内で300℃〜1300℃の範囲の温度で平方インチ(約6.5cm2)当り10キロポンド〜45キロポンド(約4536kg〜約20412kg)の範囲の圧力まで加圧する。尚、ステップ1609の圧粉工程は、他の方法を用いて行ってもよい。
ステップ1610で、前記高密度均質材料を熱間圧延する。Fe−(5−40at.%)Co−(5−20at.%)B合金系の場合、前記高密度均質材料を固相線温度より低い温度で熱間圧延する。ステップ1612で、前記高密度均質材料を機械加工してスパッタターゲットを形成し、ステップ1614で、本製造方法は終了する。
図14に示すように、鋳放しFe−(30.6at.%)Co−(12.8at.%)B合金のミクロ組織は、α′規則構造マトリックスとFe2Bホウ化物を含む。図15に示すように、鉄(Fe)を主成分とする合金の急速凝固は、非常に微細なミクロ組織を成長させ、鉄ホウ化物相サイズを著しく縮小する。これらホウ化物相の分布もまた鋳放しミクロ組織内のホウ化物の分布に比べて非常に均一である。
図16は、鋳放し及び急速凝固した各Fe−(30.6at.%)Co−(12.8at.%)B合金の各相組織のX線回折分析の結果を示す。鋳放しの合金では、平衡状態のFe2Bホウ化物が対応する基質と共に形成された。一方、急速凝固した合金は、準安定状態のFe2Bホウ化物を成長させた。この場合に、非平衡状態のホウ化物は、高温圧粉処理中に1100℃の高温に曝された後でさえも変形されない極めて良好な熱安定性を呈する。
その結果得られたPTF利得と均一性及びホウ化物相の全体的な分布に関して、Fe3Bの化学量論組成が一層望まれる。合金組成に基づいて、鋳放し合金ではホウ化物相形成用に保持される鉄(Fe)の原子比は、0.256であり、一方、急速凝固した合金の対応する原子比は0.384である。従って、鋳放し合金と比較した場合、急速凝固した合金では強磁性相を構成する鉄(Fe)合金内の基質相の容積比は大幅に減少する。基質容積比の減少とホウ化物相の容積比の増大は、PTF利得と均一性に大いに寄与する。更に、急速凝固材料のホウ化物相の容積比の増大は、ホウ素(B)の均一な分布を得るために極めて望ましい。
図17は、本発明の第4の構成によるNi−(10−50at.%)Pとして定式化されたニッケル(Ni)を主成分とするスパッタターゲットの製造方法を示すフローチャートである。簡潔的には、本製造方法は、Ni−(10−50at.%)P合金系に対応する組成となるように純元素又は母合金からなる複数の原料を調製する工程と、前記複数の原料を真空雰囲気或いは低圧のアルゴン(Ar)雰囲気中で完全に液状態まで加熱してNi−(10−50at.%)P合金系に対応する溶融合金を形成する工程とを含む。また、本製造方法は、前記溶融合金を凝固させてインゴットを形成する工程と、前記インゴットを完全に液状態まで再加熱して拡散溶融合金を形成する工程と、前記拡散溶融合金を急速凝固させて均質合金粉末材料にする工程とを含む。更に、本製造方法は、前記均質合金粉末材料を圧粉して高密度均質材料にする工程と、前記高密度均質材料を機械加工してスパッタターゲットを形成する工程とを含む。
より詳細には、ステップ2001で、Ni−(10−50at.%)Pとして定式化されたニッケル(Ni)を主成分とするスパッタターゲットの製造方法は開始し、ステップ2002で、純元素又は母合金からなる複数の原料をNi−(10−50at.%)P合金系に対応する組成となるように調製する。
ステップ2004で、前記複数の原料を真空雰囲気或いは低圧のアルゴン(Ar)雰囲気中で完全に液状態まで加熱してNi−(10−50at.%)P合金系に対応する溶融合金を形成する。ステップ2005で、前記溶融合金を凝固してインゴットを形成し、ステップ2006で、前記インゴットを完全に液状態まで再加熱して拡散溶融合金を形成する。
ステップ2007で、前記拡散溶融合金を急速凝固させて均質合金粉末材料にする。前記均質合金粉末材料は、10μmより小さいNi3Pリン化物を有する過飽和ニッケル(Ni)固溶体からなるミクロ組織を有する。尚、他のリン化物を同様に形成してもよい。
ステップ2009で、前記均質合金粉末材料を圧粉して高密度均質材料にする。ステップ2009の圧粉工程は、均質合金粉末材料を容器内に詰め込む詰め込みによって開始し、そして、詰め込んだ容器を300℃〜600℃の範囲の温度で10-2〜10-3torr(トル=mmHg)の真空レベルまで減圧し、減圧した容器を密閉する。その容器を、加圧型熱間静水圧圧縮容器内で300℃〜1300℃の範囲の温度で平方インチ(約6.5cm2)当り10キロポンド〜45キロポンド(約4536kg〜約20412kg)の範囲の圧力まで加圧する。尚、ステップ2009の圧粉工程は、他の方法を用いて行ってもよい。
ステップ2010で、前記高密度均質材料を機械加工してスパッタターゲットを形成し、ステップ2012で、本製造方法は終了する。
Ni−P合金は、種々のニッケル(Ni)リン化物の生成により非常に脆い。リン化物の二次相のサイズは、脆性を制御するための決定因子である。10at.%以上のリン(P)を含有する鋳放し合金は一般的に非常に脆く、機械加工中にどのような負荷でも割れる傾向が高い。図18は、噴霧したNi−(20at.%)P合金の内部のミクロ組織を示し、急速凝固が、ニッケル(Ni)リン化物金属間化合物相を約10μmまで縮小できることを示している。
粒子サイズの縮小と二次相の細かい分散はスパッタリングプロセスの改善と粒子放出の最小化のために望ましく、急速凝固は縮小したスケールのミクロ組織的特徴を生成するための手段を提供する。顕微鏡観察レベルで、急速凝固で得られたミクロ組織は極めて化学的に均一であり、対応したターゲット材はその組成式の範囲内で媒体膜の付着物にとって優れた供給源である。ミクロ組織の微細化は、金属間化合物含有合金の脆性を減少することに関して重大な影響を及ぼす。一般的に、脆性は金属間化合物相の析出サイズが大きい場合に悪化する。
結局、急速凝固における液体から固体への変態の非平衡性は、二次相の分布に対する影響やPTF利得及び均一性のようなターゲットの固有の特性に関して化学量論的に好ましい二次相を形成する潜在能力を提供する。
本発明による鋳造過程、鋳型設計、鋳型材料の選択を含む製造方法は、改善された特性を有するスパッタリングターゲットの生産のための実用的且つ迅速な製造手順を提供する。処理時間は、ターゲットの化学的均質性、生産される鋳塊の健全性及びPTFのような重要な性質を犠牲にすることなく、極めて短縮される。
上記実施形態の説明では、特定な具体的実施形態について記述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更や変形が本発明の精神及び範囲から逸脱することなく当業者なら成し得るであろうことは理解されるであろう。
本発明の第1の構成によるコバルト(Co)を主成分とするスパッタターゲットの製造方法を示すフローチャートである。 一実施態様による準備工程(ステップ402)を示すフローチャートである。 Ag−Ptの状態図である。 Au−Crの状態図である。 Cu−Ptの状態図である。 一実施態様による圧粉工程(ステップ408)を示すフローチャートである。 鋳放しのCo−(8at.%)Cr−(7at.%)Pt−(8at.%)B合金の走査電子顕微鏡(SEM)後方散乱図である。 急速凝固させたCo−(8at.%)Cr−(7at.%)Pt−(8at.%)B合金のSEM後方散乱図である。 鋳放して急速凝固させたCo−(8at.%)Cr−(7at.%)Pt−(8at.%)B合金の各X線回折パターンを示す図である。 本発明の第2の構成によるクロム(Cr)を主成分とするスパッタターゲットの製造方法を示すフローチャートである。 噴霧したCr−(13.5at.%)B合金のSEM後方散乱図であり、(A)は低倍率、(B)は高倍率である。 噴霧したCr−(14at.%)C合金のSEM後方散乱図である。 本発明の第3の構成による鉄(Fe)を主成分としたスパッタターゲットの製造方法を示すフローチャートである。 鋳放しのFe−(30.6at.%)Co−(12.8at.%)B合金のSEM二次電子図である。 急速凝固させたFe−(30.6at.%)Co−(12.8at.%)B合金のSEM二次電子図である。 鋳放して急速凝固させたFe−(30.6at.%)Co−(12.8at.%)B合金の各X線回折パターンを示す図である。 本発明の第4の構成によるニッケル(Ni)を主成分としたスパッタターゲットの製造方法を示すフローチャートである。 噴霧したNi−(20at.%)P合金のSEM二次電子像である。 Ag−Coの状態図である。 Au−Coの状態図である。 Co−Cuの状態図である。

Claims (39)

  1. Co−(5−40at.%)Fe−(5−20at.%)B又はCo−(5−25at.%)Cr−(5−25at.%)Pt−(5−20at.%)B−(0.2−7.5at.%)X1及び随意的な(0.5−7.5at.%)X2(ここで、X1は、銅(Cu),銀(Ag)又は金(Au)を表し、X2は、チタン(Ti),バナジウム(V),イットリウム(Y),ジルコニウム(Zr),ニオブ(Nb),モリブデン(Mo),ルテニウム(Ru),ロジウム(Rh),ランタン(La),ハフニウム(Hf),タンタル(Ta),タングステン(W)又はイリジウム(Ir)を表す)として定式化されたコバルト(Co)を主成分とするスパッタターゲットの製造方法であって、
    Co−(5−40at.%)Fe−(5−20at.%)B又はCo−(5−25at.%)Cr−(5−25at.%)Pt−(5−20at.%)B−(0.2−7.5at.%)X1及び随意的な(0.5−7.5at.%)X2合金系に対応する組成となるように、純元素又は母合金からなる複数の原料を調製する工程と、
    前記複数の原料を、真空雰囲気或いは低圧のアルゴン(Ar)雰囲気中で液状態まで加熱して、Co−(5−40at.%)Fe−(5−20at.%)B又はCo−(5−25at.%)Cr−(5−25at.%)Pt−(5−20at.%)B−(0.2−7.5at.%)X1及び随意的な(0.5−7.5at.%)X2合金系に対応する溶融合金を形成する工程と、
    前記溶融合金を凝固させてインゴットを形成する工程と、
    前記インゴットを液状態まで再加熱して拡散溶融合金を形成する工程と、
    前記拡散溶融合金を急速凝固して均質合金粉末材料にする工程と、
    前記均質合金粉末材料を圧粉して高密度均質材料にする工程と、
    前記高密度均質材料を冷間圧延する工程と、
    前記高密度均質材料を機械加工してスパッタターゲットを形成する工程と、
    を具備することを特徴とするスパッタターゲット製造方法。
  2. 前記Co−(5−40at.%)Fe−(5−20at.%)B合金系では、更に、Co−(5−40at.%)Fe−(5−20at.%)B合金系の固相線温度より低い温度で、前記高密度均質材料を熱間圧延する工程を具備することを特徴とする請求項1に記載のスパッタターゲット製造方法。
  3. 前記圧粉工程は、
    前記均質合金粉末材料を容器に詰める工程と、
    均質合金粉末材料を詰めた容器を300℃〜600℃の範囲の温度で10-2〜10-3torr(トル=mmHg)の範囲の真空レベルまで減圧する工程と、
    減圧した容器を密封する工程と、
    密封した容器を、加圧型熱間静水圧圧縮容器内で、300℃〜1300℃の範囲の温度で平方インチ(約6.5cm2)当り10キロポンド〜45キロポンド(約4536kg〜約20412kg)の範囲の圧力まで加圧する工程と、
    を具備することを特徴とする請求項1に記載のスパッタターゲット製造方法。
  4. 前記複数の原料の1つが、純銀(Ag)からなることを特徴とする請求項1に記載のスパッタターゲットの製造方法。
  5. 前記複数の原料の1つが、0.2at.%〜2.0at.%の範囲の純銀(Ag)からなることを特徴とする請求項4に記載のスパッタターゲット製造方法。
  6. 前記高密度均質材料を、962℃より低い温度で熱間圧延することを特徴とする請求項2に記載のスパッタターゲット製造方法。
  7. 前記複数の原料の1つが、純金(Au)からなることを特徴とする請求項1に記載のスパッタターゲット製造方法。
  8. 前記高密度均質材料を、1065℃より低い温度で熱間圧延することを特徴とする請求項2に記載のスパッタターゲット製造方法。
  9. 前記複数の原料の1つは、純銅(Cu)からなることを特徴とする請求項1に記載のスパッタターゲット製造方法。
  10. 前記高密度均質材料を、1085℃より低い温度で熱間圧延することを特徴とする請求項2に記載のスパッタターゲット製造方法。
  11. 前記調製工程は、Co−(5−25at.%)Cr−(5−25at.%)Pt−(5−20at.%)B−(0.2−7.5at.%)X1及び随意的な(0.5−7.5at.%)X2合金系に対応する組成となるように、所定重量割合のAg−Pt母合金粉末,Co−Cr−Bと随意的なX2母合金粉末及び白金(Pt)を混合する工程を具備することを特徴とする請求項1に記載のスパッタターゲット製造方法。
  12. 前記高密度均質材料を、1186℃より低い温度で熱間圧延することを特徴とする請求項2に記載のスパッタターゲット製造方法。
  13. 前記高密度均質材料を、1030℃より低い温度で熱間圧延することを特徴とする請求項2に記載のスパッタターゲット製造方法。
  14. 前記調製工程は、Co−(5−25at.%)Cr−(5−25at.%)Pt−(5−20at.%)B−(1.5−7.5at.%)X1及び随意的な(1.5−7.5at.%)X2合金系に対応する組成となるよう、所定重量割合のAu−Cr母合金粉末,Co−B−Ptと随意的なX2母合金粉末及びクロム(Cr)とCo−Cr母合金粉末材料のどちらかを混合する工程を具備することを特徴とする請求項1に記載のスパッタターゲット製造方法。
  15. 前記高密度均質材料を、1160℃より低い温度で熱間圧延することを特徴とする請求項2に記載のスパッタターゲットの製造方法。
  16. 前記高密度均質材料を、1070℃より低い温度で熱間圧延することを特徴とする請求項2に記載のスパッタターゲット製造方法。
  17. 前記調製工程は、Co−(5−25at.%)Cr−(5−25at.%)Pt−(5−20at.%)B−(0.2−7.5at.%)X1と随意的な(0.5−7.5at.%)X2合金系に対応する組成となるように、所定重量割合のCu−Pt母合金粉末,Co−Cr−Bと随意的なX2母合金粉末及び白金(Pt)を混合する工程を具備することを特徴とする請求項1に記載のスパッタターゲット製造方法。
  18. 前記高密度均質材料を、1186℃より低い温度で熱間圧延することを特徴とする請求項2に記載のスパッタターゲットの製造方法。
  19. 前記高密度均質材料を、Co−Cr−B母合金の固相線温度より低い温度で熱間圧延することを特徴とする請求項2に記載のスパッタターゲット製造方法。
  20. 前記複数の原料が、純元素のコバルト(Co),クロム(Cr),白金(Pt),ホウ素(B),X1及び/又はX2、及び/又は、Co−Cr,Co−B,Co−Cr−B,Ag−Pt,Au−Cr、及び/又は、Cu−Pt母合金からなることを特徴とする請求項1に記載のスパッタターゲット製造方法。
  21. 前記拡散溶融合金の急速凝固が、104℃/s(1秒当り104℃の割合)以下で生じることを特徴とする請求項1に記載のスパッタターゲット製造方法。
  22. 前記拡散溶融合金の急速凝固が、107℃/s(1秒当り107℃の割合)以下で生じることを特徴とする請求項1に記載のスパッタターゲット製造方法。
  23. 急速凝固は、噴霧処理を用いることを特徴とする請求項1に記載のスパッタターゲット製造方法。
  24. 前記拡散溶融合金を、25μm〜350μmの範囲の平均粒径を有する均質合金粉末材料になるよう急速凝固することを特徴とする請求項23に記載のスパッタターゲット製造方法。
  25. 急速凝固は、溶融スピニング法を用いることを特徴とする請求項1に記載のスパッタターゲット製造方法。
  26. 急速凝固は、溶射成形を用いることを特徴とする請求項1に記載のスパッタターゲット製造方法。
  27. 少なくとも第1のホウ化物相が均質な合金粉末材料に形成され、前記第1のホウ化物相がCo3B又はCo3BとCo2Bの混合物からなることを特徴とする請求項1に記載のスパッタターゲット製造方法。
  28. 前記ホウ化物のサイズが、2μmより小さいことを特徴とする請求項1に記載のスパッタターゲット製造方法。
  29. Co−(5−25at.%)Cr−(5−25at.%)Pt−(5−20at.%)B−(0.2−7.5at.%)X1及び(0.5−7.5at.%)X2合金系では、一次相が、均質な合金粉末材料で形成され、前記一次相がCo−Cr−X1−Pt又はCo−Cr−X1−X2−Ptからなる拡張固溶体であることを特徴とする請求項1に記載のスパッタターゲット製造方法。
  30. 前記一次相は、最大で2at.%までの銀(Ag)又は最大で7.5at.%までの金(Au)又は最大で7.5at.%までの銅(Cu)を含むCo−Cr−X1−Pt又はCo−Cr−X1−X2−Ptからなる拡張固溶体であることを特徴とする請求項29に記載のスパッタターゲット製造方法。
  31. Cr−(2−20at.%)B又はCr−(2−20at.%)Cとして定式化されたクロム(Cr)を主成分とするスパッタターゲットの製造方法であって、
    Cr−(7−20at.%)B又はCr−(5−25at.%)C合金系に対応する組成となるように、純元素又は母合金からなる複数の原料を調製する工程と、
    前記複数の原料を、真空雰囲気或いは低圧のアルゴン(Ar)雰囲気中で液状態まで加熱して、Cr−(7−20at.%)B又はCr−(5−25at.%)C合金系に対応する溶融合金を形成する工程と、
    前記溶融合金を凝固させてインゴットを形成する工程と、
    前記インゴットを液状態まで再加熱して拡散溶融合金を形成する工程と、
    前記拡散溶融合金を急速凝固して均質合金粉末材料にする工程と、
    前記均質合金粉末材料を圧粉してCr−(2−20at.%)B又はCr−(2−20at.%)Cの混合組成に対応する高密度均質材料にする工程と、
    前記高密度均質材料を機械加工してスパッタターゲットを形成する工程と、
    を具備することを特徴とするスパッタターゲット製造方法。
  32. 更に、前記均質合金粉末材料に純クロム(Cr)粉末を混合する工程を含むことを特徴とする請求項31に記載のスパッタターゲット製造方法。
  33. 前記均質なCr−(2−20at.%)B合金粉末材料は、過飽和クロム(Cr)固溶体及び/又はミクロン以下のCr2Bホウ化物を有する過飽和クロム(Cr)固溶体からなるミクロ組織を有することを特徴とする請求項31に記載のスパッタターゲット製造方法。
  34. 前記均質なCr−(2−20at.%)C合金粉末材料は、ミクロン以下のCr236炭化物を含む過飽和クロム(Cr)固溶体からなるミクロ組織を有することを特徴とする請求項31に記載のスパッタターゲット製造方法。
  35. Fe−(5−40at.%)Co−(5−20at.%)B,Fe−(5−90at.%)Ni,Fe−(5−70at.%)Co,Fe−(30−50at.%)Pt又はFe−(30−55at.%)Pdとして定式化された鉄(Fe)を主成分とするスパッタターゲットの製造方法であって、
    Fe−(5−40at.%)Co−(5−20at.%)B,Fe−(5−90at.%)Ni,Fe−(5−70at.%)Co,Fe−(30−50at.%)Pt又はFe−(30−55at.%)Pd合金系に対応する組成となるように、純元素又は母合金からなる複数の原料を調製する工程と、
    前記複数の原料を、真空雰囲気或いは低圧のアルゴン(Ar)雰囲気中で液状態まで加熱して、Fe−(5−40at.%)Co−(5−20at.%)B,Fe−(5−90at.%)Ni,Fe−(5−70at.%)Co,Fe−(30−50at.%)Pt又はFe−(30−55at.%)Pd合金系に対応する溶融合金を形成する工程と、
    前記溶融合金を凝固させてインゴットを形成する工程と、
    前記インゴットを液状態まで再加熱して拡散溶融合金を形成する工程と、
    前記拡散溶融合金を急速凝固して均質合金粉末材料にする工程と、
    前記均質合金粉末材料を圧粉して高密度均質材料にする工程と、
    前記高密度均質材料を熱間圧延する工程と、
    前記高密度均質材料を機械加工してスパッタターゲットを形成する工程と、
    を具備することを特徴とするスパッタターゲット製造方法。
  36. Fe−(5−40at.%)Co−(5−20at.%)B合金系では、前記高密度均質材料を固相線温度より低い温度で熱間圧延することを特徴とする請求項35に記載のスパッタターゲット製造方法。
  37. 少なくとも第1のホウ化物相が均質合金粉末材料に形成され、前記第1のホウ化物相が、準安定状態のFe3Bホウ化物又は準安定状態のFe3Bホウ化物と平衡状態のFe2Bホウ化物との混合物からなることを特徴とする請求項35に記載のスパッタターゲット製造方法。
  38. Ni−(10−50at.%)Pとして定式化されたニッケル(Ni)を主成分とするスパッタターゲットの製造方法であって、
    Ni−(10−50at.%)P合金系に対応する組成となるように、純元素又は母合金からなる複数の原料を調製する工程と、
    前記複数の原料を、真空雰囲気或いは低圧のアルゴン(Ar)雰囲気中で液状態まで加熱して、Ni−(10−50at.%)P合金系に対応する溶融合金を形成する工程と、
    前記溶融合金を凝固させてインゴットを形成する工程と、
    前記インゴットを液状態まで再加熱して拡散溶融合金を形成する工程と、
    前記拡散溶融合金を急速凝固して均質合金粉末材料にする工程と、
    前記均質合金粉末材料を圧粉して高密度均質材料にする工程と、
    前記高密度均質材料を機械加工してスパッタターゲットを形成する工程と、
    を具備することを特徴とするスパッタターゲット製造方法。
  39. 前記均質合金粉末材料は、10μmより小さいNi3Pリン化物を有する過飽和ニッケル(Ni)固溶体からなるミクロ組織を有することを特徴とする請求項38に記載のスパッタターゲット製造方法。
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