JP3525439B2 - ターゲット部材およびその製造方法 - Google Patents
ターゲット部材およびその製造方法Info
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- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
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- C23C14/00—Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
- C23C14/22—Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
- C23C14/34—Sputtering
- C23C14/3407—Cathode assembly for sputtering apparatus, e.g. Target
- C23C14/3414—Metallurgical or chemical aspects of target preparation, e.g. casting, powder metallurgy
Description
性膜をスパッタ法により作成するためのターゲット部
材、およびその製造方法に関するものである。
Co−CrあるいはCo−Ni−Crが従来から工業的
に使用されてきた。そして近年、磁性膜に起因するノイ
ズの低減、スパッタ膜(磁性膜)の高保磁力化の要求に
より、Co−Ni、Co−CrあるいはCo−Ni−C
rにTaやPtを添加した合金が磁性膜に使用されるよ
うになり、現在では記録媒体の主流となっている(特開
平1−133217号参照)。一方、含有されるTa量
は初期には1原子%であったが、最近では2原子%以上
と、高保磁力化のため増加しつつある。またPt量は、
5〜12原子%含有されている。このスパッタ膜形成に
使用するターゲット部材は、従来、溶解、鋳造後そのま
ま、あるいは熱間や冷間加工して薄板に形成し、それか
ら加工採取されていた。
鋳造においては、鋳型に接して冷却され、凝固する鋼塊
の外周部と、中央部では、組成に差が生じる。CoNi
CrにTaを加えたCo−Ni−Cr−Ta4元合金で
は、鋼塊の中央部はTaが合金全体の平均値より富化
し、Co2 Taがミクロ的に偏析する。また、Cr濃度
が増加するとCrの偏析が進み、鋼塊の外周部にCr富
化CoCr層が生じる。Co−Ni−Cr−Pt−B5
元合金では、CoPt、CoB等の異相が生じてしま
う。Co−Ni−Cr−Ta−Pt−B6元合金ではさ
らにTaB、CrB等の異相が生じる。このように、多
元合金では種々の異相が生じるため、これらの合金鋼塊
を、圧延等の熱間加工する際に、均一な圧延が困難であ
ったり、圧延した薄板にそりが生じることがあった。ま
た、作製したターゲット部材も組成が不均一となるた
め、これらのターゲット部材を用いて得られたスパッタ
膜の磁気特性が均一なものとならないという問題点があ
った。本発明の目的は、均一な磁気特性を有するスパッ
タ膜を生成するターゲット部材およびその製造方法を提
供するものである。
は、スパッタリング用のターゲット部材において、その
組成が原子%で、Coを主体としてNiを5〜30%、
Cr、MoおよびWのうち一種以上を4〜18%、V、
NbおよびTaのうち少なくとも一種以上を0.1〜8
%、Bを0.1〜10%、残部実質的にCoと不可避的
不純物からなる合金粉末の焼結体であって、組成が均一
でかつ相対密度が98%以上であることを特徴とする。
また、本発明のターゲット部材を製造する方法は、上記
記載の合金として粒径32メッシュ以下の急冷凝固法に
より製造された合金粉末を使用し、その合金粉末を金属
製容器に充填封入した後、加圧焼結することを特徴とす
る。
し、原子%でNiを5〜30%、Cr、MoおよびWの
うち一種以上を4〜18%、V、NbおよびTaのうち
少なくとも一種以上を0.1〜8%、Bを0.1〜10
%と限定したのは、Niが30%以上では得られたスパ
ッタ膜が十分な磁気特性を有していないためである。ま
た、5%以下ではNiを加えても磁気特性改善の効果を
得られないためである。Cr、MoおよびWの総量が1
8%を越えると合金鋼塊を熱間加工する際に割れ易くな
り、ターゲット部材の製造に適さなくなるからである。
また、Cr、MoおよびWの総量が4%以下では、作製
したスパッタ膜が十分な磁気特性を有さないためであ
る。V、Nb、Taの総量が8%を越えると鋼塊を圧延
する際に異相が析出してしまうからである。Bの総量が
10%を越えると鋼塊を加工する際に割れ易くなるため
である。
等の急冷凝固法により製造した所定組成の合金粉末を用
いることである。すなわち、この粉末は凝固に対する冷
却速度が大きいため、偏析を抑えて組成の均一な組織を
有する。この為、これを用いて得られるターゲット部材
は、ターゲット部材の表面、板厚中央部とも従来の溶
解、鋳造法によるものと異なり、Cr等が均一に分布し
た組成を有する。急冷凝固法としては、前述のガスアト
マイズ法の他に真空アトマイズ法、回転ロール法、回転
電極法等の公知の粉末製造法が適用できる。回転ロール
法、回転電極法等においても合金の酸化防止のために、
雰囲気は真空、不活性ガス雰囲気とするのが望ましい。
なお、急冷凝固法のなかでは高いタップ密度が得られる
球状粉を形成しやすく、かつ生産コストの有利なガスア
トマイズ法が望ましい。以上の急冷凝固法により得られ
た合金粉末のうち、粒径が32メッシュ以下のものを用
いる。このように粉末の粒径を32メッシュ以下とした
のは、焼結時過飽和固溶体の組成の均質性が劣ってくる
ためである。次いで、この合金粉末を加圧焼結し、相対
密度が98%以上の焼結体を得る。相対密度を98%以
上とするのは、これ未満の密度で気泡が存在するとスパ
ッタ作業中異常放電を起こすためである。
ス(HIP)、ホットプレス、熱間パック圧延、鍛造等
が適用できるが、98%以上の高密度を得るためにはH
IPが最も望ましい。このHIPは、温度1000〜1
250℃、圧力500atm以上の条件で実施される必
要がある。ここで温度の上限を1250℃としたのは、
Co−Niの共晶温度が1276℃であり、粉末内でミ
クロ的にNi豊化の部分に融液が生じる為である。一
方、温度の下限を1000℃としたのは、これ未満では
焼結密度が98%以上に上がらないためである。また、
圧力を500atm以上とするのは、やはりこれ未満で
は、焼結体の相対密度を98%以上にすることが困難だ
からである。さらに、熱間静水圧プレス等による加圧焼
結に続いて熱間加工を行なうと、相対密度が向上し、よ
りスパッタ特性の安定したターゲット部材が得られる。
子%で20Ni−10Cr−2V−3B、残部Co組成
の合成粉末をガスアトマイズで製作した。続いて、この
粉末を分級し32メッシュ以下の粉末を7kg秤量し
た。この粉末を軟鋼製の缶に充填し、脱気、封止した
後、熱間静水圧プレスで1200℃、500atmで焼
結を行なった。次ぎに、この箱体を熱間圧延により厚さ
8mmに仕上げ、両側の鉄皮をはいで6mmの板材を採
取した。一方、原子%で20Ni−10Cr−2V−3
B、残部Co組成の合金を真空溶解した後、30kg鋼
塊を製造し、ハンマー分塊と熱間圧延により6mmの板
材を作製したところ割れてしまい、200×200mm
以上の大きさの板材を得ることができなかった。次ぎに
粉末法および従来の溶解法でそれぞれ製造した板材よ
り、厚さ5mm、直径102mmのターゲット部材を採
取した。このターゲット部材を使用して、軟質ガラス基
板上に純Cr下地膜を0.1μm成膜した上に、高周波
出力300w、Ar操作圧力3×10- 3 torrの条
件下で50nm成膜し、振動磁力計で膜の保磁力を測定
した。
PMAによる組成の分析値(at%)とターゲット部材
のその位置に対応するスパッタ膜の磁性値を示す。表1
からわかるように粉末法で作製したターゲット部材は表
面および板厚中心で組成に変動がなく、スパッタリング
により成膜した膜の磁性値もほとんど変動が認められな
い。一方、従来の溶解法で製造したターゲット部材は表
面層は平均値より若干Crは少なく、板厚中心部は共晶
により生じたCo2 Niが熱間加工により圧延方向に線
状に伸びた部分が存在し、Ni量が高くなっている。ま
た、スパッタ膜の保磁力もターゲット部材表面と板厚中
心部で値が異なることが知られた。
Niを5〜30%、Cr、MoおよびWのうち一種以上
を4〜18%、V、NbおよびTaのうち少なくとも一
種以上を0.1〜8%、Bを0.1〜10%、残部をC
oのターゲット部材を含むターゲット部材を粉末法で作
製した場合、従来の溶解法で作製したターゲット部材に
比較してターゲット部材内部での組成変動が少なく、ス
パッタ時の経過に伴う生成膜の磁性値変動も小さい結果
が得られた。磁気特性が一定なスパッタ膜が得られるこ
とは磁気記録媒体として極めて有利であり、粉末法によ
る本発明のターゲット部材およびその製造方法は、工業
上顕著な効果を有する。
Claims (2)
- 【請求項1】 スパッタリング用のターゲット部材にお
いて、その組成が原子%で、Coを主体としてNiを5
〜30%、Cr、MoおよびWのうち一種以上を4〜1
8%、V、NbおよびTaのうち少なくとも一種以上を
0.1〜8%、Bを0.1〜10%、残部実質的にCo
と不可避的不純物からなる合金粉末の焼結体であって、
組成が均一でかつ相対密度が98%以上であることを特
徴とするターゲット部材。 - 【請求項2】 請求項1に記載のターゲット部材を製造
する方法であって、 請求項1に記載の合金として粒径32メッシュ以下の急
冷凝固法により製造された合金粉末を使用し、その合金
粉末を金属製容器に充填封入した後、加圧焼結すること
を特徴とするターゲット部材の製造方法。
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