JP2006505474A - エレベータケーブル引張装置 - Google Patents

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Abstract

エレベータシャフトやそれに相当する位置に、従前のエレベータに代わって設置されるエレベータに関するものである。このエレベータでは、エレベータカーは、1本のロープまたは数本の平行するロープで構成される巻上ロープによって懸垂される。このエレベータは、巻上ロープでエレベータカーを動かすトラクションシーブを有している。このエレベータには、エレベータカーから上下方向に走行する巻上ロープのロープ部分が含まれる。エレベータカーから上方向に走行するロープ部分は、第2ロープ張力(T2)より張力が大きい第1ロープ張力(T1)の作用を受ける。第2ロープ張力は、エレベータカーから下方向に走行するロープ部分のロープ張力である。このエレベータは、エレベータシャフトまたはそれに相当する位置に設置された従前のエレベータの代わりとして、あるいは従前のエレベータを改造して構築される。

Description

詳細な説明
本発明は、請求項1の前段に記載のエレベータおよび請求項15の前段に記載の方法に関するものである。
エレベータ開発作業の1つの目的は、建造物のスペースの効率的で経済的な利用を実現することにある。近年において、この開発作業により、とりわけ機械室のない種々のエレベータの方式が作り出された。機械室のないエレベータの良い例は、欧州特許出願公開第EP0631967 (A1)号および第EP0631968号の明細書に開示されている。これらの明細書に記載されたエレベータは、スペースの利用については相当に効率的である。それは、エレベータシャフトを大型にする必要なしに、建造物中においてエレベータの機械室が必要とするスペースを除去することを可能としたからである。これらの明細書に開示されたエレベータにおいて、巻上機は、少なくとも一方向にはコンパクトであるが、他の方向には、従来のエレベータ巻上機よりも相当に大きな寸法を持つことがありうる。
これらの基本的には良好なエレベータの方式において、巻上機が必要とするスペースは、エレベータのレイアウトの方式においての選択の自由を制限する。巻上ロープを送るために必要な装置のためにスペースが必要とされる。エレベータカー自身によって必要とされる、その経路上のスペース、並びに、カウンタウェイトによって必要とされるスペースを、少なくとも妥当なコストで、エレベータの性能並びに作動の品質を低下させずに削減することは困難である。機械室のないトラクションシーブエレベータにおいて、エレベータシャフト中に、巻上機を取り付けることは、とくに巻上機を上部に備えた方式においては、巻上機が相当大きな重量および寸法を持つため、困難であることが多い。とくに、負荷、速度および/または巻上高さが大きい場合、巻上機の大きさおよび重量は、設置上問題になる。そのため、必要な巻上機の大きさおよび重量は、機械室のないエレベータの構想の適用範囲を実際上制限するか、または、その構想の大型エレベータへの導入を遅らせている。エレベータの近代化において、エレベータシャフト中の利用可能なスペースは、機械室のないエレベータの構想の適用領域を制限している。多くの場合、とくに油圧式エレベータを近代化し、または置き換える場合、機械室のないロープ式エレベータの構想を適用することは、とくに近代化し、または置き換えようとする油圧式エレベータの方式がカウンタウェイトを持たない場合には、シャフト中のスペースが不十分なため、実際的ではない。カウンタウェイトを備えたエレベータの欠点は、カウンタウェイトのコストと、カウンタウェイトがシャフトにおいて占めるスペースである。今日ではほとんど用いられないドラム式エレベータの欠点は、動力/トルク要求の高い、重く複雑な巻上機である。カウンタウェイトがないエレベータの従来の方式は珍しく、適切な方式は見出されていない。従来は、カウンタウェイトがないエレベータを作ることは、技術的または経済的に合理的ではなかった。この形式の1つの方式は、国際出願公開第WO9806655号明細書に開示されている。カウンタウェイトがないエレベータの最近の方式は、実行可能な1つの方式を示す。カウンタウェイトがないエレベータの従来の方式において、巻上ロープをぴんと張ることは、重りまたはバネによって実現され、これは、巻上ロープをぴんと張ることを実現する上で好ましいアプローチではない。たとえば巻上高さの大きいカーまたは高懸垂比のためロープ長が長いことによって、長いロープを用いる場合の、カウンタウェイトがないエレベータの別の問題は、ロープの伸びの補償と、トラクションシーブと巻上ロープとの間の摩擦が、ロープの伸びにより、エレベータの作動にとって不十分となることである。油圧式エレベータ、とくにリフト力が下方から加わる油圧式エレベータの場合、シャフト効率、すなわちエレベータシャフトの全断面積に対するエレベータカーによって占められるエレベータシャフトの断面積の比は、相当に高い。これは、以前から、建造物用のエレベータの方式として油圧式エレベータが選択される大きな要因となっていた。他方では、油圧式エレベータには、そのリフト機構並びに油の消費量に関連した多くの問題があった。油圧式エレベータは、大量のエネルギーを費消し、エレベータ機器から油が漏れる可能性があり、これにより、環境上のリスクを引き起こし、油の定期的な交換が必要なため、大きなコストを要する。またどんなに良好に修理してもエレベータ機器から少量の油がエレベータシャフト中または機械室に、さらにそこから建造物の他の部分または環境中などに漏れると、悪臭が発生する。油圧式エレベータの欠陥を除去する別の形式のエレベータに置き換えることによる油圧式エレベータの近代化は、より小型のエレベータカーの使用を必然的にもたらすが、油圧式エレベータのエレベータシャフト効率を考えた場合、エレベータの所有者にとって魅力的ではない。さらに、エレベータシャフトから大きく離して配することのできる油圧式エレベータの小さなマシンスペースは、エレベータの形式の変更を困難にする。
非常に多くのトラクションシーブエレベータが設置され、使用されている。これらのトラクションシーブエレベータは、以前に、建築当時において考えられたユーザのニーズと、当該建造物の予定された用途に従って建築された。その後、ユーザのニーズと建造物の用途が、多くの場合において変化し、従来のトラクションシーブエレベータは、カーの大きさ等について不十分なことが判明することがある。たとえば、より古い比較的小型のエレベータは、乳母車や車椅子の搬送には、必ずしも適合していない。他方では、居住用からオフイスまたはその他の用途に転用されたより古い建造物においては、当時設置された、より小型のエレベータは、能力において不十分である。公知のように、このトラクションシーブエレベータを大型にすることは、実際上不可能である。それは、エレベータカーとカウンタウェイトとがすでに、エレベータシャフトの断面積を占有しており、カーの寸法を大きくする合理的な方法がないためである。
本発明の目的は全体として、次の目的のうち少なくとも1つを達成することにある。他方で、本発明の目的は、従来よりも建造物およびエレベータシャフト中のスペースをより有効に利用しうるように、機械室のないエレベータを開発することでもある。これは、必要ならば相当に狭いエレベータシャフト中に設置できるようにエレベータを構成せねばならないことを意味している。1つの目的は、トラクションシーブに対して良好な把持力/接触を巻上ロープが持つようにしたエレベータを構成することにある。別の目的は、エレベータの特性を低下させずに、カウンタウェイトがないエレベータの方式を実現することにある。さらに別の目的は、ロープの伸びによる有害な効果を除去することにある。本発明の目的は、エレベータカーの大きさを小さくすることなく、または少なくとも実質的に小さくすることなく、油圧式エレベータをロープ駆動式エレベータに交換または近代化する方法を開発することである。本発明の目的は、ロープ駆動式エレベータを、明らかに大きなエレベータカーを有するエレベータに近代化できるように、または以前より大きなエレベータカーを有するエレベータに交換できるようにすることである。
本発明の目的は、エレベータの基本的なレイアウトの変更可能性を犠牲にすることなく実現されねばならない。
本発明のエレベータは、請求項1の特徴部に開示されていることにより特徴付けられる。本発明のエレベータは、請求項15の特徴部に開示されていることにより特徴付けられる。本発明の他の実施例は、他の請求項の特徴部に開示されていることにより特徴付けられる。本発明の実施例は、本願の説明部分にも示されている。本願の発明の内容は、上記の請求項に規定されているものとは、別の形で規定することも可能である。また、本発明は、とくに表現または内在するサブタスクの点から見た場合、または、達成される利点もしくは利点のカテゴリの観点から見た場合、いくつかの別々の発明から成っていてもよい。そのため、各請求項に含まれる属性のいくつかは、別々の発明の概念からみて、不必要であるかも知れない。たとえば、従前のエレベータの代わりに導入されるエレベータの主要部を含む装置、または従前のエレベータの巻上機構を近代化するために設計された装置は、巻上機能に必要とされる機械部、ロープおよび転向プーリ、ならびにこれらを設置するための付属品、また、場合によってはエレベータカーおよびガイドレールを含む装置で、少なくとも、本願と一致するような巻上機能に関して、エレベータを交換または改造する説明を含めた発明である。
本発明の適用により、とくに、以下の利点の1つ以上が達成されうる。
− 小型のトラクションシーブによって、大変コンパクトな大きさのエレベータおよび/またはエレベータ巻上機が実現できる。
− とりわけダブルラップローピング方式により達成される良好なトラクションシーブ把持力および軽量部材により、エレベータカーの重量を相当に軽量化できる。
− 巻上機の大きさをコンパクトにし、細くて実質的に丸打ちのロープを用いることにより、エレベータ巻上機を比較的自由にシャフト内に配置することが可能である。したがって、本発明のエレベータ方式は、巻上機が上方にあるエレベータおよび下方にあるエレベータの両方の場合において、かなり多種多様な方法で実施することができる。
− エレベータ巻上機は、エレベータカーとシャフト壁との間に有利に配置することができる。
− エレベータカーの重量全体、または少なくとも一部を、エレベータガイドレールによって搬送することができる。
− 本発明を適用することで、シャフト断面領域の有効な利用を可能とする。そのため、たとえば油圧式エレベータを、エレベータカーの大きさを小さくすることなく、ロープ駆動式エレベータに近代化し、もしくは同じシャフト内でロープ駆動式エレベータに置き換えることができ、または古いトラクションシーブエレベータを大きなエレベータに置き換え、もしくは近代化することができる。
− 軽量で細いロープは扱いやすく、相当速く設置することができる。
− たとえば、公称負荷1000kg未満のエレベータでは、本発明による細くて強いスチールワイヤロープの直径は、わずか3〜5mm程度であるが、より細いロープや太いロープを用いてもよい。
− 直径約6mmまたは約8mmのロープを用いれば、本発明によるかなり大きくて速いエレベータを実現することができる。
− コーティングされたロープもコーティングされていないロープも使用することができる。
− 小さなトラクションシーブを使用することにより、小さなエレベータ運転モータを使用することが可能となる。これにより、運転モータの取得/製造コストが削減できる。
− 本発明は、ギヤレス式およびギヤ式の両方のエレベータモータ方式に適用することができる。
− 本発明は、主に機械室なしのエレベータへの適用を意図したものであるが、機械室を有するエレベータにも適用可能である。
− 本発明では、巻上ロープとトラクションシーブとの接触角を増大させることにより、それらの間に強力な把持力および良好な接触が達成される。
− 把持力が増大するため、エレベータカーの大きさおよび重量を小さくできる。
− 本発明によるエレベータによれば、カウンタウェイト分のスペースが少なくとも部分的になくなるため省スペースの可能性が大幅に増大する。
− 軽量で小型のエレベータシステムを用いる結果、省エネルギーとともにコスト削減も達成できる。
− カウンタウェイト、カウンタウェイトのガイドレールおよび綱索類のためのスペースが他の用途に利用できるため、シャフト内の巻上機の配置は比較的自由に選択できる。
− 少なくともエレベータ巻上機、トラクションシーブおよび転向プーリとして機能するロープシーブを、本発明によるエレベータの一部として適合する既製のユニット中に設置することにより、設置時間および設置コストが著しく削減できる。
− 本発明によるエレベータ方式では、シャフト内のすべてのロープをエレベータカーの一方に配置することが可能であり、例えばリュックサック型方式の場合、
エレベータカーおよびエレベータシャフトの背壁の間の余地空間であってエレベータカーの後にロープを通すことも可能である。
− 本発明では展望用エレベータ方式を実施することも容易である。
− 本発明のエレベータ方式はカウンタウェイトが不要であるため、エレベータカーの数箇所の壁にドアを有するエレベータ方式の実施が可能であり、極端に言えばエレベータカーのすべての壁にドアを設けることができる。この場合、エレベータカーガイドレールは、エレベータカーの角に設けられる。
− 本発明のエレベータ方式は、さまざまな巻上機方式で実施可能である。
− エレベータカーの懸垂は、ほぼすべての適応懸垂比で実施できる。
− 本発明によれば、補償機構によるロープ伸長の補償は、安価で簡単な構造のもので実施できる。
− レバーによるロープ伸長の補償は、安価で軽量な構造である。
− 本発明のロープ伸長補償方式を用いることで、トラクションシーブにかかる張力T1/T2間の所定の比率を達成することができる。
− トラクションシーブにかかる張力T1/T2間の比率は、負荷に関係しない。
− 本発明のロープ伸長補償機構を用いることで、巻上機およびロープに余計な圧力がかかるのを防げる。
− 本発明のロープ伸長補償方式を用いることで、張力T1/T2の関係を最適化して所望の値を達成することができる。
− ロープ伸長を補償する本発明による方式は、安全な方式であり、あらゆる状況においてトラクションシーブおよび巻上ロープ間の所要の摩擦/接触を保証することを可能とする。
− また、本発明のロープ伸長補償方式では、トラクションシーブおよび巻上ロープ間の摩擦を保証するために必要以上に大きな負荷をかけて巻上ロープに圧力を加える必要がなく、そのため、巻上ロープの耐用年数が伸び、破損しにくくなる。
− 直径の異なる補償シーブでロープ伸長を補償する本発明の装置を用いてロープ伸長を補償する場合、使用するプーリの直径次第で、本方式を用いて非常に大きなロープ伸長でさえも補償することができる。
− 使用される補償装置が差動装置である、本発明によるロープ伸長補償方式を用いることで、特に巻上高が高い場合に、大きなロープ伸長でさえも補償することができる。
本発明の主要な適用分野は、人および/または貨物の搬送用のエレベータである。本発明の典型的な適用分野は、1.0m/s以下の速度範囲のエレベータであるが、この速度範囲よりも高速でもよい。走行速度がたとえば0.6m/sのエレベータも、本発明によって容易に実現可能である。
乗客および貨物の両方のエレベータの場合、本発明によって達成される利点の多くは、わずか2〜4人用のエレベータであっても明らかに発揮され、6〜8人(500〜630 kg)用のエレベータであれば著しく発揮される。
本発明では、油圧式エレベータやトラクションシーブエレベータなどのエレベータを近代化し、または置き換える場合、既存のエレベータは部分的もしくは全体的に撤去され、新たなエレベータが設置される。この新しいエレベータでは、エレベータカーから上および下方向に走行するロープ部分からなる一連の連続する巻上ロープによって、エレベータカーが懸垂される。新たに設置されるエレベータはトラクションシーブエレベータであり、好ましくは、完全にカウンタウェイトなしで実施される。古い巻上機能は、常にサービスから外して、好ましくは物理的にも取り外す。つまり、たとえば、油圧式エレベータの場合、油圧シリンダおよび油圧機械をエレベータから撤去し、トラクションシーブエレベータの場合は、古い巻上ロープや、巻上機、カウンタウェイトを撤去する。既存のエレベータカー、または拡張もしくは新調したエレベータカーは、新設された一連の巻上ロープによって懸垂されるが、これらの巻上ロープは、古い巻上機能を取り除いたとき、または別の設置作業において設置することができる。下から持ち上げる型の油圧式エレベータまたはそれに類似する油圧式エレベータは、エレベータカーの大きさを縮小することなく、容易にロープ式エレベータに変換することができる。いわゆるロープ式油圧エレベータを置き換え、または近代化する場合、本発明では多少大きめのエレベータカーの使用が可能となるが、これは、エレベータカーの側面に設置される油圧シリンダの代わりに、巻上ロープ用のスペースのみを必要とするためである。トラクションシーブエレベータを近代化し、または置き換える場合、本発明では明らかに大きいエレベータカーの使用を常に可能とするが、これは、カウンタウェイトおよびカウンタウェイトのガイドレールに要したシャフト幅が、横方向にも背壁方向にも、より大きなエレベータカーを収容するのに利用可能となるように割り当てられるためである。したがって、たとえば、6人乗りのエレベータを8人乗りのエレベータに交換したり、8人乗りのエレベータを10人乗りのエレベータに交換したりすることが可能である。また、本発明は、より大型のエレベータに関する使用に適用することができるが、最適な適用範囲は住居用およびオフィス用の建物に慣習的に使用されたエレベータ、すなわち公称負荷が約1000kg未満で設計されたエレベータである。本発明によるエレベータの近代化または「完全な置き換え」は、エレベータシャフトや、それに相当する位置、たとえば建物の側面に部分的に開かれた空間で、設置されたエレベータを置き換えまたは近代化することで実現できるが、配置に関してはいまだエレベータの範囲が定められてしまう。一般に、近代化とは主に巻上機能の近代化を意味し、第2にエレベータカーの大きさを増大することである。近代化の目的は、上述の理由のうちの1つもしくは両方、またはその他の理由からなるものでよい。エレベータを置き換えようとする場合、通常、エレベータカーと巻上機能が置き換えられる。エレベータシステムの大掛かりな近代化や旧型のエレベータシステムのほぼ完全な置き換えは、ほとんどの場合、互いに経済的要因による選択肢である。
本発明のエレベータにおいて、通常のエレベータの巻上ロープ、たとえば汎用されるスチールワイヤロープを使用しうる。合成材料製ロープ、並びに荷重支持部分が人造繊維からできているロープ、たとえば最近エレベータに使用することが提案された「アラミドロープ」を、エレベータについて使用してもよい。適用可能な方式には、スチール補強フラットロープも含まれるが、それは、このロープが小さな曲がり半径を可能とするからである。たとえば丸型の強靭なワイヤを撚って製造したエレベータの巻上ロープは、本発明のエレベータにおいてとくに好ましい。丸型のワイヤから、同一もしくは異なる太さのワイヤを用いて、いろいろの仕方で撚り合わせてロープを製造することができる。本発明にとくに適したロープにおいて、ワイヤの太さは、平均で0.4mm以下である。強靭なワイヤから作られたとくに好ましいロープは、平均太さが0.3mmより小さいロープまたは時には0.2mmより小さいロープである。たとえば、細いワイヤからできている強靭な4mmのロープは、ワイヤから比較的に経済的に撚り線加工により製造でき、完成したロープにおいてのワイヤの平均太さは、0.15〜0.25mmであり、最も細いワイヤの太さは、わずか約0.1mmとすることができる。細いロープワイヤは、容易に強靭にすることができる。本発明においては、強度が2000N/mm2より高いロープワイヤを使用することができる。ロープワイヤの強度の適切な範囲は約2300〜2700N/mm2である。原則として、約3000N/mm2までの強度のロープワイヤを使用してよいが、それ以上の強度値としてもよい。
本発明によるエレベータでは、エレベータカーは、1本のロープまたは数本の平行するロープで構成される巻上ロープによって懸垂される。このエレベータは、巻上ロープでエレベータカーを動かすトラクションシーブを有し、エレベータカーから上下方向に走行する巻上ロープのロープ部分も有する。エレベータカーから上方向に走行するロープ部分は、第2ロープ張力(T2)より張力が大きい第1ロープ張力(T1)の作用を受け、第2ロープ張力(T2)は、エレベータカーから下方向に走行するロープ部分のロープ張力である。またこのエレベータは、第1ロープ張力と第2ロープ張力との比率(T1/T2)をほぼ一定に保つ補償機構を含む。
本発明によるエレベータの設置方法において、エレベータカーはエレベータカーを吊り上げるエレベータ用綱索類に接続されている。この綱索類は1本のロープまたは複数の平行するロープで構成されており、エレベータカーから上下方向に走行するロープ部分を含む。またこのエレベータ用綱索類は、上下方向にかかるロープ張力間の比率(T1/T2)をほぼ一定に保つ補償機構を備えている。
転向プーリとして機能するロープシーブを用いて接触角を増大させることにより、トラクションシーブおよび巻上ロープ間の把持力を向上させることができる。これによって、エレベータカーをより軽量化し、その大きさを小さくすることができ、したがって、エレベータの省スペースの可能性が増大する。1つ以上の転向プーリを用いることにより、トラクションシーブおよび巻上ロープ間で180°を超える接触角が得られる。ロープ伸長を補償する必要性は、摩擦条件に起因して、エレベータの運転性および安全性を得るに足る把持力を巻上ロープおよびトラクションシーブ間に保証する。他方、カウンタウェイトのないエレベータ方式におけるエレベータカー下部のロープ部分を十分に張った状態に保つことは、エレベータの運転面および安全面において非常に重要なことである。これは、バネや簡易なレバーでは必ずしも実現することはできない。
次に本発明を、いくつかの実施例により、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明によるエレベータの構造を概略的に示している。エレベータは、好ましくは、機械室のないエレベータであり、駆動機械4がエレベータシャフトに配置されている。図示したエレベータは、カウンタウェイトがなく、機械を上部に有するトラクションシーブエレベータである。エレベータの巻上ロープ3の通路は次の通りである。ロープの一端は、エレベータカー1に固定されたレバー15上で、固定点16に移動不可能に固定されており、この固定点は、レバーをエレベータカー1に接続する軸17から距離aだけ離れている。したがって、図1において、レバー15は、固定点17を基点にエレベータカー1上を動く。固定点16から、巻上ロープ3は、上方走行してエレベータカー1上方のエレベータシャフト上部に配置された転向プーリ14に達し、この転向プーリから、ロープ3は、さらに下方走行してエレベータカー上の転向プーリ13に達し、この転向プーリ13から、ロープは、再度上方走行してエレベータカー上方のシャフト上部に取り付けられた転向プーリ12に達する。転向プーリ12から、ロープは、さらに下方走行してエレベータカー上に設置された転向プーリ11に達する。このプーリを通過して、ロープは、再度上方走行してシャフト上部に取り付けられた転向プーリ10に達し、このプーリを通過して、再度下方走行してエレベータカー上に取り付けられた転向プーリ9に達する。この転向プーリ9に巻きつけられると、巻上ロープ3は、さらに上方走行して、ロープとの「接線方向の接触」だけで転向プーリ7を前もって通過して、エレベータシャフト上部に設置された駆動機械4のトラクションシーブ5に達する。これは、トラクションシーブ5からエレベータカー1へと走行するロープ3は転向プーリ7の綱溝を通過するが、転向プーリ7によって生じるロープ3の歪みは非常に小さいことを意味する。これは、トラクションシーブ5から来るロープ3は、転向プーリ7に対し「接線方向」にのみ接していると言える。このような「接線方向の接触」は、送り出されるロープの振動を減衰させる方式として役割を果たしており、他のローピング方式にも適用可能である。ロープは、巻上機4のトラクションシーブ5を、その綱溝に沿って通過する。トラクションシーブ5から、ロープ3は、さらに下方走行して転向プーリ7に達し、転向プーリ7をその綱溝に沿って通過して、トラクションシーブ5へと戻り、トラクションシーブの綱溝に沿って走行する。トラクションシーブ5から、巻上ロープ3は、さらに下方走行して転向プーリ7と「接線方向の接触」をして、ガイドレール2に沿って動くエレベータカー1を通過し、エレベータシャフト下部の転向プーリ8に達し、その綱溝に沿ってそこを通過する。エレベータシャフト下部の転向プーリ8から、ロープは、上方走行してエレベータカーにおける転向プーリ18に達し、そこからロープ3は、さらにエレベータシャフト下部の転向プーリ19へ走行し、さらにエレベータカーにおける転向プーリ20へ向かう。そこからロープ3は、さらに下方走行してシャフト下部の転向プーリ21へと達し、そこからさらにエレベータカーにおける転向プーリ22へ走行し、そこからさらにエレベータシャフト下部の転向プーリ23に向かう。転向プーリ23から、ロープ3は、さらに走行して、軸17でエレベータカー1に回動可能に固定されたレバー15に達し、ロープ3の他端は、軸17から距離bだけ離れた位置24でレバー15に移動不可能に固定されている。図1における実施例の場合、巻上機および転向プーリはすべてエレベータカーの一つの同じ側に設置されるのが好ましい。この方式は、特にリュックサック型エレベータに有効であり、この場合、上記の構成部品は、エレベータカーの背面であって、エレベータカーとシャフトの背壁との間のスペースに配置される。また、巻上機および転向プーリは、他の適切な方法でエレベータシャフト内に配置してもよい。トラクションシーブ5および転向プーリ7間のローピング配置は、ダブルラップローピングと呼ばれ、ここでは、巻上ロープは、トラクションシーブに2回および/またはそれ以上、巻きつけられる。このようにして、2段階および/またはそれ以上にわたって接触角を増大させることができる。たとえば、図1に示す実施例では、トラクションシーブ5および巻上ロープ3間に180°+180°、すなわち360°の接触角が達成される。また、図示されているダブルラップローピングは、その他の方法で配されてもよい。たとえば、転向プーリ7をトラクションシーブ5の横へ配置することによる方法の場合、巻上ロープは、トラクションシーブを2回通過するため、180°+90°、すなわち270°の接触角が得られ、または、トラクションシーブを他の適切な位置に配置してもよい。好適な方式は、転向プーリ7が巻上ロープ3のガイドおよび減衰プーリとして機能するようにトラクションシーブ5および転向プーリ7を配置することである。他の有利な方式は、トラクションシーブを有するエレベータ駆動機械、および軸受付きの1つ以上の転向プーリの両方を含む既製のユニットをトラクションシーブに関して正確な操作角度で構築することである。この操作角は、トラクションシーブおよび転向プーリ間で用いられるローピングによって決定され、この操作角によって、トラクションシーブおよび転向プーリ間で相互に関係する相対的な位置および角度をユニットに適合する方法が定まる。このユニットは、駆動機械と同様の方法で、単一の集合体として適切に設置可能である。好適な例として、駆動機械4は、たとえばエレベータカーガイドレールに固定してもよく、シャフト上部の転向プーリ7、10、12および14はシャフト上部のビームに設置されてエレベータカーガイドレール2に固定される。好ましくは、エレベータカーにおける転向プーリ9、11、13、18、20および22は、エレベータカー上部および下部に配されたビームに設置されるが、他の方法で、たとえばすべての転向プーリを同一のビームに設置することにより、エレベータカーに取り付けてもよい。好ましくは、シャフト下部の転向プーリ8、19、21および23は、シャフト床に設置する。図1では、トラクションシーブは、転向プーリ8および9間のロープ部分に係合しているが、これは本発明による好適な方式である。本発明の好適な方式において、エレベータカー1は、転向プーリの両側から上方走行する巻上ロープのリムからの転向プーリの少なくとも1つと、転向プーリの両側から下方走行する巻上ロープのリムからの転向プーリの少なくとも1つとによって巻上ロープ3に接続している。このエレベータでは、トラクションシーブ5は、これらの転向プーリ間の巻上ロープ3部分に係合している。また、トラクションシーブ5および転向プーリ7間のローピングは、ダブルラップローピングの代わりに他の方法で実施することができ、たとえば、シングルラップローピングを適用した場合には、転向プーリ7は全く不要であり、ESW(エクステンデットシングルラップ)ローピングやXW(エックスラップ)ローピング、またはその他の適切なローピング方式でも実施できる。
エレベータシャフト内に配置された駆動機械4は、好ましくは平坦な構造を有する。換言すれば、同機械は、幅および/または高さの寸法に比べて厚みの寸法が小さく、あるいは、少なくとも同機械は、エレベータカーとエレベータシャフトの壁との間に収容できるほど十分にスリムである。また、同機械は、その他の方法で設置してもよく、たとえば、スリムな機械をエレベータカーの仮想延長線とシャフト壁との間に部分的にまたは完全に配置してもよい。本発明のエレベータでは、予定のスペースに適合する、ほとんどのどのような型や設計の駆動機械4でも用いることができる。たとえば、ギヤ式やギヤレス式の機械も使用できる。機械は、小さくおよび/または平坦な大きさでもよい。本発明による懸垂方式では、ロープの速度は、エレベータの速度に比べて速いことがあり、基本的な機械方式として単純な機械のタイプのものでも用いることができる。エレベータシャフトには、有利には、トラクションシーブ5を駆動するモータへの電力供給に必要な機器と、エレベータ制御に必要な機器とが備えられ、これらは両方とも、共通の計器パネル6に配置してよく、あるいは互いに別々に設置してもよく、あるいは部分的もしくは全体的に駆動機械4に統合されてもよい。好ましい方式は、永久磁石モータを含むギヤレス式の機械である。駆動機械は、エレベータシャフトの壁、天井、ガイドレールまたは梁やフレームなどのその他の構体に固定してもよい。エレベータが機械を下方に有する場合、さらなる可能性としては、エレベータシャフトの底部に機械を設置することがある。図1は好適な懸垂方式を示しており、ここでは、エレベータカー上部の転向プーリおよびエレベータカー下部の転向プーリの懸垂比は、どちらの場合も7:1である。実際にこの比率を具体化すると、それは巻上ロープの走行距離とエレベータカーの走行距離との比率を意味する。エレベータカー1の上部の懸垂装置は、転向プーリ14、13、12、11、10および9で構成され、エレベータカー1の下部の懸垂機構は、転向プーリ23、22、21、20、19、18および8で構成される。また、その他の懸垂方式を使用して本発明を構成してもよい。また、本発明のエレベータは、機械室を有する方式として実施されてもよく、または本機械がエレベータと連動するように搭載されてもよい。本発明では、エレベータカーに接続された転向プーリは、好ましくは1本の同一のビームに設置するとよい。このビームは、エレベータカーの上部、側面もしくは下部、カーフレーム、またはその他カー構体における適切な位置に取り付けてもよい。また、転向プーリも、それぞれ、エレベータカーおよびシャフト内の適切な位置に別々に取り付けてよい。エレベータシャフト内のエレベータカー上方、好ましくはエレベータシャフト上部に位置する転向プーリ、および/またはエレベータシャフト内のエレベータカー下方、好ましくはエレベータシャフト下部に位置する転向プーリは、たとえばビームなどの共通の支持部に取り付けてもよい。
図1における、位置17を基点にエレベータカー上を回動するレバー15の機能は、巻上ロープ3で起こるロープ伸長を解消することである。他方、エレベータの運転性および安全性にとって、下方ロープ部分、すなわちエレベータカー下部の巻上ロープ部分に十分な張力を持たせることは、非常に重要なことである。本発明によるレバー装置15を用いることで、従来技術におけるバネや重りを使うことなく巻上ロープの引張およびロープ伸長の補償を達成することができる。また、本発明のレバー装置15を用いることで、トラクションシーブ5に対しそれぞれ別方向に作用するロープ張力T1およびT2間の比率T1/T2を所望の定数値、たとえば2に保つことができるような方法で、ロープ引張を実行することが可能である。また、ロープ張力に関連して、ロープ引張についても述べておくべきあろう。T1/T2=b/aであることから、距離aおよびbを変えることによってこの一定比率を変更することができる。奇数の懸垂比がエレベータカーの懸垂に用いられるとき、レバー15はエレベータカー上を回動し、偶数の懸垂比が用いられるとき、レバー15はエレベータシャフト上を回動する。
図2は、本発明によるエレベータの構造の概略図を示す。本エレベータは、好ましくは機械室のないエレベータであり、エレベータシャフト内に駆動機械204を備えている。図示するエレベータは、機械を上方に有してカウンタウェイトのないトラクションシーブエレベータであり、ガイドレール2に沿って動くエレベータカー201を備えている。図2における巻上ロープ203の通路は、図1における通路とほぼ同じであるが、図2では、レバー215が位置217でエレベータシャフト壁に移動不可能に固定されている点で異なっている。レバー215は、エレベータカーの代わりにエレベータシャフト上で、好ましくはエレベータシャフト壁で回動するので、エレベータカー1の上部ロープ部分および下部ロープ部分双方の懸垂比は偶数である。エレベータカー上部の懸垂機構は、巻上機204ならびに転向プーリ209、210、211、212、213および214で構成される。エレベータカー下部の懸垂機構は転向プーリ208、218、219、229、221、222および223で構成される。巻上ロープの一端は、軸点217から距離aだけ離れた位置216においてレバー215に固定され、他端は、軸点217から距離bだけ離れた位置224においてレバー215に固定される。エレベータカー上部および下部のロープ部分は、どちらもエレベータカーの懸垂比が6:1である。
懸垂比が高いために、カウンタウェイトのないエレベータに使用される巻上ロープのロープ長は長くなる。たとえば、カウンタウェイトがなく懸垂比10:1で懸垂されるエレベータでは、10:1の懸垂比がエレベータカーの上下の両方に使用される。このエレベータの巻上高は、25mであり、巻上ロープのロープ長は、約270mである。この場合、ロープの圧力および/または温度の変化に応じて、ロープ長を最大約50cmまで変更してもよい。したがって、ロープ伸長の補償の必要性も増す。エレベータの運転性および安全性のためには、エレベータカー下部のロープが十分な張力で保持できることが非常に重要である。これをバネや簡易なレバーを用いて常に成し得ることはできない。
図3は、本発明によるエレベータの構造の概略図を示す。本エレベータは、好ましくは機械室のないエレベータであり、エレベータシャフト内に駆動機械304を備えている。図示するエレベータは、機械を上方に有してカウンタウェイトのないトラクションシーブエレベータであり、ガイドレール302に沿って動くエレベータカー301を備えている。図3では、図1および図2で用いたレバー方式を、2つのシーブ状物体、好ましくはシーブ313および315に換える。シーブ313および315は、位置314で相互に連結し、この位置314において、引張シーブ313および315は、エレベータカー301にしっかりと固定されている。シーブ状物体のうち、エレベータカー下部の巻上ロープ部分と係合するシーブ315は、エレベータ上部の巻上ロープ部分と係合するシーブ313の直径より大きい直径を有する。引張シーブ313および315間の直径比は、巻上ロープに作用する張力の大きさを決定し、それにより巻上ロープの伸長の補償力も決定する。この方式では、引張シーブを使用することで、極めて大きなロープの伸長でも補償できるという利点をもたらす。引張シーブの直径寸法を変更することによって、補償すべきロープ伸長の大きさや、トラクションシーブに作用するロープ張力T1およびT2間の比率に作用を及ぼすことができる。この比率は、本装置によって一定にできる。懸垂比が高く、または巻上高が高いために、エレベータに使用されるロープ長は長くなる。エレベータの運転性および安全性のためには、エレベータカー下部の巻上ロープ部分は十分な張力で保持して、補償すべきロープ伸長のを大きくすることが非常に重要である。これは多くの場合、バネや簡易なレバーでは実施不可能である。エレベータカー上部および下部の懸垂比が奇数のとき、引張シーブは、エレベータカーに移動不可能に固定し、懸垂比が偶数のときは、引張シーブは、エレベータシャフト、または他の相当する位置であって、エレベータカーに移動不可能固定されない位置に固定する。図3および4に示すように、本方式は、引張シーブを使用することで実施できるが、使用するシーブ状物体の数は異なってもよく、たとえば、直径の異なる巻上ロープ固定点に設けた位置で1つのシーブのみを使用することも可能である。また、2つ以上の引張シーブを使用して、たとえば引張シーブの直径を変更するだけでシーブ間の直径比を多様化できるようにすることもできる。
図3では、巻上ロープは次の通りに走行する。巻上ロープの一端は、引張シーブ313に固定されており、このシーブは、シーブ315に移動不可能に取り付けられている。この一対のシーブ313および315は、位置314でエレベータカーに取り付けられている。シーブ313から、巻上ロープ303は、上方走行して、エレベータカー内、好ましくはエレベータシャフトの上部において、エレベータカー上方に設置された転向プーリ312に達し、転向プーリ312に設けられた綱溝に沿って通過する。これらの綱溝は、コーティングされてもされなくてもよく、コーティングは、たとえば、ポリウレタンやその他の適切な材料などの摩擦を増大させる材料で形成される。プーリ312から、ロープは、さらに下方走行してエレベータカーにおける転向プーリ311に達してこのプーリを通過し、ロープは、さらに上方走行してシャフト上部に設置した転向プーリ310に達する。この転向プーリ310を通過した後、ロープは、再び下方走行してエレベータカーにおける転向プーリ309に達してこのプーリを通過し、巻上ロープは、さらに上方走行して、巻上機304になるべく近接して設置される転向プーリ307に達する。本図は、転向プーリ307およびトラクションシーブ304間に、エックスラップローピングを図示しており、このローピングでは、転向プーリ307からトラクションシーブ305に向かって上方に走行するロープ部分と、トラクションシーブ305から転向プーリ307へ戻るロープ部分とが交差するように巻上ロープが走行する。プーリ313、312、311、310および309は、巻上機と共に、エレベータカー上部の懸垂機構を構成し、その懸垂比は、エレベータカー下部の懸垂機構と同一で、図3では5:1となっている。転向プーリ307から、ロープは、さらに転向プーリ308へと走行し、このプーリは、好ましくはエレベータシャフトの下部、たとえば、エレベータカーガイドレール302、シャフト床またはその他の適切な場所に、適切に設置されている。転向プーリ308を通過して、巻上ロープ303は、さらに上方走行して、エレベータカーに適切に設置された転向プーリ316に達し、このプーリを通過してさらに下方走行して、エレベータシャフト下部における転向プーリ317に達し、そこを通過してエレベータカーに適切に設置された転向プーリ318へと進む。転向プーリ318を通過して、巻上ロープ303は、再び下方走行して、エレベータシャフト下部に適切に設けられた転向プーリ319に達し、そこを通過してさらに上方走行して、エレベータカーに適切に設置されて引張シーブ313に移動不可能に固定されている引張シーブ315に達する。
図4は、本発明によるエレベータの構造の概略図を示す。本エレベータは、好ましくは機械室のないエレベータであり、エレベータシャフト内に駆動機械404を備えている。図示するエレベータは、機械を上方に有してカウンタウェイトのないトラクションシーブエレベータであり、ガイドレール402に沿って動くエレベータカー401を備えている。図4における巻上ロープ403の通路は、図3における通路と一致しているが、図4では、引張シーブ413および415がエレベータシャフト内に、好ましくはエレベータシャフトの下側に適切に取り付けられている点で異なっている。引張シーブ413および415は、エレベータシャフト内にエレベータカーに関連せずに適切に取り付けられているので、エレベータカー1の上ぶおよび下部の両ロープ部分における懸垂比は偶数である。図4において、懸垂比は4:1である。エレベータカー401下方の巻上ロープ403の一端は、直径の大きい引張シーブ415に固定されており、エレベータカー上方の巻上ロープの他端は、直径の小さい引張シーブ413に固定されいる。引張シーブ413および415は、一緒に移動不可能に取り付けられており、装着部品420を介してエレベータシャフトに固定されている。エレベータカー上部の懸垂機構は、巻上機ならびに転向プーリ412、411、410、409および407で構成されている。エレベータカー下部の懸垂機構は、転向プーリ408、416、417、418および419で構成されている。また、補償機構として用いられる、図4に示されるような一組の引張シーブ(415および413)は、シャフト下部に、好ましくはシャフト床に固定された転向プーリ419、またはシャフト上部に、好ましくはシャフト天井に固定された転向プーリ412の代わりに、有利に設置することができる。この場合、必要となる転向プーリの数は、図4に示す実施例より1つ少ない。したがって、効果的な例では、エレベータの設置も、より容易でより速い作業である。
図5は、本発明によるエレベータの構造の概略図を示す。本エレベータは、好ましくは機械室のないエレベータであり、エレベータシャフト内に駆動機械504を備えている。図示するエレベータは、機械を上方に有してカウンタウェイトのないトラクションシーブエレベータであり、ガイドレール502に沿って動くエレベータカー501を備えている。巻上高の高いエレベータでは、巻上ロープの伸長は、ロープ伸長を補償する必要があり、所定の制限値内で正確に補償しなければならない。図5に示す本発明による一組のロープ張力補償シーブ524を用いることで、非常に長い動作がロープ伸長の補償により達成される。それによって、簡易レバーやバネ方式を用いてもほとんど成し得ない、より大きな伸長の補償を可能にする。図5に示す本発明による補償シーブ機構は、トラクションシーブに作用するロープ張力T1およびT2間に所定の比率T1/T2をもたらす。図5に示す例では、比率T1/T2は、2/1である。
図5における巻上ロープの通路は次の通りである。巻上ロープ503の一端は、転向プーリ525に固定されており、この転向プーリは、転向プーリ514から下方走行するロープ部分に吊下がるように取り付けられている。転向プーリ514および525によってロープ張力補償機構524が構成され、図5の実施例では、これが一組の補償シーブの役割を果たす。転向プーリ514から、巻上ロープは、さらに走行して、前述の各図における説明と同様に、エレベータシャフト上部に適切に取り付けられた転向プーリ512、510および507と、エレベータカー上部に適切に取り付けられた転向プーリ513、511、509との間を走行し、エレベータカー上の懸垂機構を構成する。巻上機504およびトラクションシーブ505間には、DW懸垂を用いるが、これは既に図1に関する記載において詳細に説明されている。また、転向プーリ507およびトラクションシーブ間のローピングは、SW、XW、またはESW懸垂などの他の適切なローピング方式を用いて実施してもよい。トラクションシーブから、巻上ロープは、さらに走行して、転向プーリ507を経由してエレベータシャフト下部に設置された転向プーリ508に達する。転向プーリ508を通過して、巻上ロープは、前述の各図における説明と同様に、シャフト下部に適切に設置された転向プーリ518、520および522と、エレベータカー501に適切に設置された転向プーリ519、521および523との間を走行する。転向プーリ523から、巻上ロープ503は、さらに走行して、ロープ張力補償シーブ機構524に含まれる転向プーリ525に達し、この転向プーリ525は巻上ロープの一端を固定している。ロープは、転向プーリ525をその綱溝に沿って通過して、エレベータシャフトまたは他の適切な場所におけるロープの他端の固定点526に達する。エレベータカーの懸垂比は、エレベータカーの上部および下部の両方とも6:1である。
図5に示す実施例では、ロープ張力補償シーブ機構524は、転向プーリ525によってロープ伸長を補償する。この転向プーリ525は距離Iの間を移動して巻上ロープ503の伸長を補償する。この補償距離Iは、巻上ロープの伸長量の半分である。また、この機構は、トラクションシーブ505に所定の張力をもたらし、このロープ張力間の比率T1/T2は2/1である。また、このロープ張力補償シーブ機構524は、本例で説明した以外の他の方法でも実施することができ、たとえば、ロープ張力補償シーブを有する複雑な懸垂機構を使用したり、補償シーブ機構の転向プーリ間に異なる懸垂比を使用したりすることができる。
図6は、補償装置を使用してロープ伸長を補償する他の実施例を示している。図6では、ロープの通路、ならびにエレベータカー上部および下部の懸垂比は、上述の図5に示すものと同一である。巻上ロープ603は、エレベータカーに設置された転向プーリ609、611および613と、エレベータシャフト上部の転向プーリ610、612および614との間、ならびにトラクションシーブ605を図5に示すように走行し、さらにトラクションシーブ605から走行してエレベータシャフト下部に進んでトラクションシーブ608に達する。そこを通過した後、ロープは、さらにエレベータカーに取り付けられた転向プーリ618、620および622と、エレベータシャフト下部に取り付けられた転向プーリ619、621および623との間を、図5に関して説明したように走行する。エレベータカーの上部および下部におけるエレベータカーの懸垂比は6:1である。図6に示すエレベータは、補償装置624に関する点で図5に示すものと異なる。図6は、補償装置の一組の補償シーブ624における、本発明による他のローピング配置を示す。この一組の補償シーブにおいて、巻上ロープ603の一端629は、エレベータシャフトに移動不可能に固定されており、その地点から、巻上ロープは、トラクションシーブ625へと走行してそこを通過し、さらに走行してエレベータシャフトの上部に適切に取り付けられた転向プーリ614に達し、そこからさらに走行して上述のようにトラクションシーブ605に達する。転向プーリ625は、別の転向プーリ626と連結してしっかりと固定されている。転向プーリ626および625は、たとえば同一シャフト上に設置してよく、または棒材やその他の適切な方法で互いを連結してもよい。転向プーリ623を通過後、エレベータカー下部の巻上ロープ603は、補償装置624の転向プーリ626へと達し、このプーリは上述したように転向プーリ625に連結している。転向プーリ626を通過して、巻上ロープ603は、さらに走行して転向プーリ627に達し、この転向プーリ627は、シャフトに適切に移動不可能に固定され、かつ補償装置624の一部を構成するものである。転向プーリ627を通過して、巻上ロープ603は、さらに走行して、巻上ロープの他端が移動不可能に固定されている支持部628に達する。この支持部628は、転向プーリ625上に設けるか、またはそこに固定連結する。補償装置624にこのローピング配置を用いることで、ロープ張力T1およびT2間の所定の比率T1/T2=3/2が得られる。このローピング配置を用いると、トラクションシーブにおいてSWローピングを実施することができ、換言すれば、図5の転向プーリ507は、必然的に全く不要になる。SWローピングをトラクションシーブに利用できるのは、図示される補償装置624におけるローピング配置では、トラクションシーブにおいて必要な摩擦力が最小限となり、ロープ張力T1およびT2が小さくてもよいからである。しかし、たとえば、前述の各図に関して説明したように巻上ロープと接線方向の接触を得るのが望ましい場合には、図5に示す転向プーリ507を使用することができる。また、補償装置624において、ローピングおよび転向プーリの数は、この図6の記載以外の方法で変更してもよい。補償装置624のローピング懸垂比によって、比率T1/T2を所望の所定値に維持できる。図6では、ロープ伸長の補償は、転向プーリ625、およびそこにしっかりと固定された転向プーリ626によって達成される。補償装置のロープ伸長補償距離は、その装置における懸垂比が大きいほど短い。
図7は、ローピング懸垂比が1:1である本発明による実施例を示す。図7に示すエレベータでは、ロープ伸長がレバー715を用いて実施され、このレバー715は、ロープ張力補償装置として機能し、エレベータカー701に移動不可能に軸固定される。図1に関して記載したように、ロープ張力が補償され、ロープ張力T1およびT2間の所定の比率が達成される。これによって、比率T1/T2は、負荷の大きさに依存しないでT1/T2=b/aとしてもたらされる。図7に示す本発明のエレベータの実施例は、たとえば、4人乗り、すなわち約700kgの公称負荷のエレベータにて一般に使用される直径8mmの従来のロープを用いて実施することができる。このエレベータでは、比率T1/T2は1.5/1とし、直径が320mmで従来型の下部を切除した綱溝を有するトラクションシーブを使用しており、エレベータカーの重量は700kgである。この場合、エレベータカーを上方へ持ち上げる張力T1は、エレベータカー重量とその負荷を持ち上げるために要する力の1.5倍であり、エレベータカー下方にかかる張力T2は、エレベータカー重量とその負荷を持ち上げるために要する力である。この例は、負荷に比例して無用に高いロープ張力を生じることになるため、適当でない。懸垂比を大きくすることによって、このロープ張力を軽減することができる。本発明のエレベータには、ギア式機械装置を設けてもよく、また、たとえば、1:1のローピング比率を有する図7に従って構築してもよい。
図8は、本発明によるエレベータを示しており、このエレベータでは、エレベータカー801の上下における巻上ロープのロープ部分803にて懸垂比を2:1とし、トラクションシーブ805および転向プーリ807間にはDWローピングを用いる。ロープ伸長の補償および所定のロープ張力は、図5に示すロープ伸長補償装置を使用して行う。この装置では、ロープ張力の比率はT1/T2=2/1で、転向プーリ825が動く補償距離はロープ伸長の大きさの半分である。
図9は、ロープ伸長の補償およびロープ張力の所定の比率の維持に関する本発明による実施例を示す。図9において、巻上ロープの通路は、図6に関して上述したように、エレベータカーの上下の懸垂比は6:1である。図9の巻上ロープの通路は、図6に示すものと異なり、ロープが下方走行して転向プーリ914から転向プーリ924に達し、また補償機構に関しても異なる。また、巻上ロープ903の一端は、転向プーリ922に向かって走行する前に、エレベータシャフトに位置923で移動不可能に固定される。本図において、ロープ伸長の補償は、転向プーリ908を位置926で巻上ロープ903のもう一端と繋ぐことによって行う。巻上ロープの伸長は、転向プーリ908をロープ伸長の半分相当の距離間を上下動させることで補償する。図9に示す機構では、ロープ伸長の補償およびロープ張力の所定の比率は、図5に示すもの同じ原理で実施され、ロープ張力の比率はT1/T2で、転向プーリ908が動く補償距離はロープ伸長の大きさの半分である。図9に示す補償機構は、転向プーリ908に関して上述したように、エレベータシャフト下部の転向プーリ908、919および921のいずれか1つを用いて、当該転向プーリに巻上ロープのもう一端を固定することで実施できる。
エレベータカーを、たとえば1:1、1:2、1:3または1:4などの小さい懸垂比で懸垂する場合、直径の大きい転向プーリおよび厚みの大きい巻上ロープが使用可能となる。エレベータカー下部には、必要に応じてより小さい転向プーリを使用することができるが、これは、そこの巻上ロープの張力がエレベータカー上部より小さく、より小さな巻上ロープ偏差範囲を使用できるからである。エレベータカー下部のスペースが狭いエレベータでは、エレベータカー下部のロープ部分には直径の小さい転向プーリを使用するほうが有利である。本発明によるロープ張力補償機構を利用することで、エレベータカー下部の巻上ロープ部分における所定の張力を、エレベータカー上部のロープ部分の張力より比率T1/T2分小さくすることができ、巻上ロープの耐用年数をほとんど低下させることなくエレベータカー下部のロープ部分の転向プーリの直径を小さくできる。たとえば、直径Dの転向プーリと直径dのロープとの間では、比率がD/d<40で用いられてよく、好ましくは、エレベータカー上部の巻上ロープ部分と転向プーリとの直径比がD/d=40ならば、この比率D/dは、D/d=25〜30であるとよい。より小さな直径の転向プーリを使用することで、エレベータカー下方の縮小すべきスペースを極めて小さくすることができ、好ましくは、わずか200mmにするとよい。
本発明のエレベータの好ましい実施例は、機械室がなくかつ機械が上部に配されたエレベータであり、駆動機械が被覆されたシーブを有し、エレベータは、実質的に丸型の断面の複数の細い巻上ロープを備えている。このエレベータにおいて、巻上ロープとトラクションシーブとの間の接触角は、180°よりも大きい。本エレベータは、設置台を有するユニットを含み、この設置台は、駆動機械、トラクションシーブ、およびトラクションシーブに対し的確な角度で既に設けられた転向プーリが取り付けられている。このユニットは、エレベータのガイドレールに固定されている。本エレベータは、カウンタウェイトがなく、9:1の懸垂比を有して実施され、エレベータカー上部のロープ懸垂比と、エレベータカー下部のロープ懸垂比とが9:1であるようにし、エレベータの綱索類はエレベータカーの一壁面とエレベータシャフトの壁との間のスペースを走行するようにする。エレベータロープのロープ伸長補償方式は、張力T1およびT2間に所定の比率T1/T2=2:1をもたらす一組の補償シーブを含む。補償シーブ機構を使用することで、必要な補償距離はロープ伸長の大きさの半分を占める。
本発明によるエレベータの他の好ましい実施例は、カウンタウェイトがなく、エレベータカーの上下の懸垂比が10:1のエレベータである。この実施例では、好ましくは直径8mmの、従来のエレベータ巻上ロープが用いられ、少なくとも綱溝の領域が鋳鉄製のトラクションシーブを使用している。このトラクションシーブは、下部を切り取った綱溝を有しており、転向プーリは、ロープがトラクションシーブに180°またはそれ以上の角度で接触するよう調整されて使用される。従来の8mmロープを使用する場合、トラクションシーブの直径は、好ましくは340mmとする。使用する転向プーリは、大きなロープシーブであり、従来の8mmの巻上ロープを使用する場合、320、330もしくは340mmまたはそれ以上の直径を有するものでよい。ロープ張力は、所定値を保って比率T1/T2を3/2にする。
図10aおよび図10bは、その他の例を示し、図10aに示すようなカウンタウェイトを有するロープ式エレベータは、図10bに示すような本発明によるカウンタウェイトのないロープ式エレベータに置き換えまたは近代化される。図10aに示すエレベータは、カウンタウェイト1003を有するロープ式エレベータであり、このエレベータにおいて、カウンタウェイト1003およびカウンタウェイトガイドレール1004は、扉開口部1006から見てガイドレール1002に沿って動くエレベータカー1001の背後であって、エレベータシャフト1007内のエレベータカー1001とシャフト壁1005との間に設置されている。図10bでは、カウンタウェイト1003およびそのガイドレール1004に要したスペースをエレベータシャフト1007から取り除く方法、およびそれによって確保されたスペースを必要に応じてエレベータカー1001用に活用する方法を示している。これによって同シャフト内により大きいエレベータカーを設置する可能性を提供する。図10bに示すような従来の乗用エレベータの場合、図10aに示すエレベータを図10bに示すようなカウンタウェイトのないエレベータに置き換えまたは近代化するとき、たとえば、約20〜25cmまたはそれ以上のエレベータカーの奥行きの増加が可能となる。
図10cおよび図10dは、その他の例を示し、図10cに示すようなカウンタウェイトを有するロープ式エレベータは、図10dに示すような本発明によるカウンタウェイトのないロープ式エレベータに置き換えまたは近代化される。図10aに示すカウンタウェイトを有するロープ式エレベータでは、カウンタウェイト1003およびそのガイドレール1004は、扉開口部1006から見てエレベータカー1001の片側に設置されている。本発明によれば、図10dでは、図10cにおけるエレベータを本発明によるカウンタウェイトのないロープ式エレベータに置き換えまたは近代化する方法を示している。カウンタウェイト1003およびそのガイドレール1004を撤去することで得られるエレベータシャフト1007内のスペースは、エレベータカー1001に活用でき、エレベータカー1001の幅の増大が可能である。図10dに示すような従来の乗用エレベータの場合、図10cにおけるエレベータを図10dに示すようなカウンタウェイトのないエレベータに置き換えまたは近代化するとき、たとえば、約10〜20cmまたはそれ以上のエレベータカーの幅の増加が可能となる。
図10eおよび図10fは、第3の例を示し、図10eに示すようなサイドリフト型油圧式エレベータは、図10fに示すような本発明によるカウンタウェイトのないエレベータに置き換えまたは近代化される。図10eにおける油圧式エレベータは、油圧式昇降装置の一部である油圧シリンダ1009と、巻上ロープ機構を構成する転向プーリ1008とを含み、そこにあり得るガイドレールは、扉開口部1006から見てエレベータカー1001の片側に設けられている。図10eに示すような場合、エレベータカー1001は、ガイドレール1002に沿ってエレベータカーの片側で持ち上げられるが、巻上機能は他の方法で実施してもよい。また、置き換えまたは近代化される油圧式昇降機能は、エレベータカー下部から揚力を加える装置で構成してもよい。本発明によれば、図10fでは、図10eにおけるエレベータを本発明によるカウンタウェイトのないロープ式エレベータに置き換えまたは近代化する方法を示している。油圧式昇降装置およびあり得るカウンタウェイトを撤去することで得られるエレベータシャフト1007内のスペースは、エレベータカー1001に活用でき、エレベータカー1001の幅の増大が可能である。図10fに示すような従来の乗用エレベータの場合、図10eにおけるエレベータを図10fに示すようなカウンタウェイトのないエレベータに置き換えまたは近代化するとき、たとえば、約5〜15cmまたはそれ以上のエレベータカーの幅の増加などが可能となる。
当業者には明らかなように、本発明のさまざまな実施例は、以上に説明した実施例には限定されず、上記の特許請求の範囲の範囲内で、種々変更することができる。たとえば、エレベータシャフトの上部とエレベータカーとの間並びにエレベータカーとその下方の各転向プーリとの間の、巻上ロープの掛け回しの回数は、ロープを多重に掛け回すことによって何らかの付加的な利点が得られるとしても、本発明の基本的な利点について、とくに決定的な問題ではない。一般に、用途としては、ロープがエレベータカーに対して上下方向とも同じ回数だけ走行し、上方走行の転向プーリの懸垂比と下方走行の転向プーリの懸垂比とが等しくなるよう実施すべきである。また、巻上ロープは、必ずしもエレベータカーの下を通過する必要はない。当業者は、以上に説明した例に従って、本発明の実施例を変更し、トラクションシーブおよびロープのプーリを、被覆金属プーリとせずに、未被覆メタルプーリとしたり、所期の目的に適合した他の材料製の未被覆プーリとしたりすることができる。
同様に、当業者には明らかなように、トラクションシーブおよび、本発明において用いられ、転向プーリとして用いられ、少なくともその溝の領域に非金属材料製の被覆を備えている金属または他の適宜の材料製のロープのプーリは、所期の目的に適合した、たとえばゴム、ポリウレタンまたは他の材料製の被覆を備えることができる。
やはり当業者には明らかなように、上記の各例に示したレイアウトとは異なった仕方で、エレベータシャフトの断面内のエレベータカーおよびマシンユニットのレイアウトを定めるようにしてもよい。このように異なったレイアウトの一例として、シャフトドアから見てカーの後方にマシンを配し、カーの底部に関して対角線の方向にロープをカーの下を通す。底部の形状に関して対角線の方向または他の斜め方向においてカーの下方にロープを通すことは、他の形式の懸垂レイアウトにおいても、ロープに対するカーの懸垂をエレベータの質量中心に関して、対称にすべき場合に、利点を提供する。
さらに、当業者には明らかなように、モータに動力を供給するのに必要な機器、およびエレベータ制御に必要な機器は、機械ユニットとは別の場所、たとえば、別個の機器パネルへ配置してもよい。制御に必要な機器は、別個のユニットとして実行することができ、このユニットは、エレベータシャフトのうち別の場所および/または建物の別の部位に配置してもよい。同様に、当業者には明らかなように、本発明によるエレベータの装備は、前記の各実施例によるものと異ならせてもよい。同様に、当業者には明らかなように、本発明によるエレベータは、巻上ロープとして、ほぼすべての形式の可撓性巻上手段、たとえば、1つ以上のストランドから成る可撓性ロープ、フラットベルト、コグドベルト、台形ベルト、または、所期の目的に適した他の形式のベルトを用いて実現しうる。また、同様に、当業者には明らかなように、本発明によるカウンタウェイトのないトラクションシーブエレベータへの置き換えまたは近代化は、ドラム式エレベータ、ねじ駆動式エレベータ、またはその他ほとんどの技術を基にする巻上機能を有するエレベータにも実施可能である。
また、当業者には明らかなように、充填材を設けたロープを用いる代わりに、本発明は、充填材のないロープを用いて実施してもよく、このロープには潤滑剤を与えても与えなくてもよい。さらに、当業者には明らかなように、そのロープは、多くの様々な方法でねじってもよい。
やはり当業者には明らかなように、本発明によるエレベータは、以上に例として説明したローピング配置に比べて接触角を増大させるように、トラクションシーブと、1個または複数の転向プーリとの間の種々のローピング配置を用いて構成してもよい。一例として、1個または複数の転向プーリ、トラクションシーブおよび巻上ロープは、実施例のローピング配置と異なった仕方で配置してもよい。同様に、当業者には明らかなように、本発明によるエレベータに、カウンタウェイトを設けてもよく、その場合に、カウンタウェイトは、たとえばエレベータカーよりも重量を小さくし、別個のローピング配置によって懸垂させるようにする。
転向プーリとして用いるローププーリの軸受抵抗、ロープおよびロープシーブ間の摩擦、ならびに補償機構に起こりうる損害によって、ロープ張力間の比率は、補償機構の基準比から若干外れてもよい。どのような場合でも、エレベータには、本来、所定の堅強性が備わっているため、たとえ5%の誤差でも重大な損害におよぶことはない。
本発明によるカウンタウェイトのないトラクションシーブエレベータを示す図である。 本発明によるカウンタウェイトのない他のトラクションシーブエレベータを示す図である。 本発明によるカウンタウェイトのない第3のトラクションシーブエレベータを示す図である。 本発明によるカウンタウェイトのない第4のトラクションシーブエレベータを示す図である。 本発明によるカウンタウェイトのない他のトラクションシーブエレベータを示す図である。 本発明によるカウンタウェイトのない他のトラクションシーブエレベータを示す図である。 本発明によるカウンタウェイトのない他のトラクションシーブエレベータを示す図である。 本発明によるカウンタウェイトのない他のトラクションシーブエレベータを示す図である。 本発明によるカウンタウェイトのない他のトラクションシーブエレベータを示す図である。 従前のエレベータレイアウトを本発明による方式に変換するための各方式を示す図である。

Claims (20)

  1. エレベータカーが1本のロープまたは数本の平行するロープで構成される巻上ロープによって懸垂され、前記巻上ロープで前記エレベータカーを動かすトラクションシーブを有するエレベータにおいて、該エレベータは、前記エレベータカーから上下方向に走行する前記巻上ロープのロープ部分を含み、前記エレベータカーから上方向に走行する前記ロープ部分は、第2ロープ張力(T2)より張力が大きい第1ロープ張力(T1)の作用を受け、第2ロープ張力は、前記エレベータカーから下方向に走行する前記ロープ部分のロープ張力であり、該エレベータは、エレベータシャフトまたはそれに相当する位置に設置された従前のエレベータの代わりとして、あるいは前記従前のエレベータを改造して構築されることを特徴とするエレベータ。
  2. 請求項1に記載のエレベータにおいて、前記従前のエレベータは、油圧昇降式エレベータであることを特徴とするエレベータ。
  3. 請求項1に記載のエレベータにおいて、前記従前のエレベータは、トラクションシーブエレベータであることを特徴とするエレベータ。
  4. 請求項1から3までのいずれかに記載のエレベータにおいて、該エレベータの前記エレベータカーは、前記従前のエレベータよりも広い床面積を有することを特徴とするエレベータ。
  5. 請求項1から4までのいずれかに記載のエレベータにおいて、該エレベータは、カウンタウェイトを有さないことを特徴とするエレベータ。
  6. 請求項1から5までのいずれかに記載のエレベータにおいて、該エレベータは、補償機構を有し、該補償機構は、好ましくは、レバー、一組の引張シーブ、または補償シーブであることを特徴とするエレベータ。
  7. 請求項1から6までのいずれかに記載のエレベータにおいて、該エレベータは、補償機構を有し、該補償機構は、1つおよび/またはそれ以上の転向プーリで構成されることを特徴とするエレベータ。
  8. 請求項1から7までのいずれかに記載のエレベータにおいて、前記トラクションシーブと前記巻上ロープとの間の連続接触角は少なくとも180°であることを特徴とするエレベータ。
  9. 請求項1から8までのいずれかに記載のエレベータにおいて、使用する前記巻上ロープは高強度の巻上ロープであることを特徴とするエレベータ。
  10. 請求項1から9までのいずれかに記載のエレベータにおいて、前記巻上ロープの直径は、8mmより小さく、好ましくは3〜5mmの間であることを特徴とするエレベータ。
  11. 請求項1から10までのいずれかに記載のエレベータにおいて、前記巻上機は、荷重に比してとくに軽量であることを特徴とするエレベータ。
  12. 請求項1から11までのいずれかに記載のエレベータにおいて、前記トラクションシーブは、ポリウレタン、ゴム、またはその目的に適合した他の摩擦材料であることを特徴とするエレベータ。
  13. 請求項1から12までのいずれかに記載のエレベータにおいて、前記トラクションシーブは、少なくともロープ溝の領域において、金属、好ましくは鋳鉄からできており、好ましくは、アンダカットロープ溝を有することを特徴とするエレベータ。
  14. 請求項1から13までのいずれかに記載のエレベータにおいて、前記エレベータカーの下方の前記転向プーリのD/d比は40より小さいことを特徴とするエレベータ。
  15. エレベータシャフトまたはそれに相当する位置に設置された従前のエレベータの代わりに、あるいは従前のエレベータを改造してエレベータを構築する方法において、前記従前のエレベータの巻上機能に代わる巻上機能が導入され、該巻上機能は、一連の巻上ロープおよび該巻上ロープを駆動させるエレベータ機械を含み、前記巻上ロープは、1本のロープまたは複数本の平行するロープで構成され、構築される前記エレベータのエレベータカーは、前記巻上ロープに接続されて、前記エレベータがエレベータカーから上下に走行するロープ部分を有し、前記エレベータの綱索類には、上下方向に作用するロープ張力間の比率(T1/T2)をほぼ所定値に保つ補償機構が備わっていることを特徴とする方法。
  16. 請求項15に記載の方法において、代わりの前記巻上機能は、油圧式巻上機能の代わりに導入されることを特徴とする方法。
  17. 請求項15に記載の方法において、代わりの前記巻上機能は、カウンタウェイトを含むトラクションシーブ作動型巻上機能の代わりに導入されることを特徴とする方法。
  18. 請求項15に記載の方法において、代わりの前記巻上機能は、ドラム式、ねじ式、またはその他相当する巻上機能で実施される巻上機能の代わりに導入されることを特徴とする方法。
  19. 請求項15に記載の方法において、前記従前のエレベータの巻上機能に含まれる機器は、エレベータシャフトあるいはそれに相当する位置から撤去されることを特徴とする方法。
  20. 請求項15に記載の方法において、前記従前のエレベータカーより大きいサイズを有する代わりのエレベータカーは、エレベータシャフトまたはそれに相当する位置に設置されることを特徴とする方法。
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