JP2006343294A - 時間差測定装置および距離測定装置並びに距離測定方法 - Google Patents

時間差測定装置および距離測定装置並びに距離測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 時間差測定装置において、所定の時間差を以て生じる2つのパルス信号の当該時間差の測定に際し、この時間差測定に用いられる2つの基準信号間に差異が生じても、測定結果に誤差が生じるのを防止する。
【解決手段】 スタート信号M1とストップ信号M2との間の時間差を測定する時間差測定装置であって、π/2の位相差を有する2つの基準信号S1,S2を基準信号発生部41により発生させ、振幅検出部42が、スタート信号M1およびストップ信号M2の各発生タイミングにおける両基準信号S1,S2の対応振幅値A11,A12およびA21,A22を検出し、位相差検出部43が、各振幅の組(A11,A12)および(A21,A22)に基づいて、基準信号Sにおける位相θを算出するに際し、補正部46が、基準信号S1,S2の誤差を補正する補正用データを用いて、算出される位相を補正する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、時間差測定装置および距離測定装置並びに距離測定方法に関し、詳細には、非常に短い時間間隔のパルス信号間の時間差測定の改良に関する。
近年の測量機器に代表される距離測定装置は、例えばレーザ光やマイクロ波等の測定波を距離測定対象に対して照射し、その距離測定対象からの反射波(以下、測定波と総称する。)を検出し、この測定波の出射時と検出時との時間差に基づいて、測定波の往復進行距離を求め、これにより、距離測定対象までの距離(片道の距離)を算出している。
ここで、時間差(時間間隔)の測定は、例えば、測定波の出射から検出までの時間差に比べて極めて短い既知の周期を有する高周波クロック信号を発生し、測定波の出射時から検出時までの間に発生した当該高周波クロック信号のクロック数を計数し、この計数値に周期を乗ずることによって行われていた。しかし、このような測定においては、測定精度を向上させるためにはクロック信号の周波数を高める必要があるのに対して、クロック信号の発生周波数を高めるには限界があった。
そこで、複数の同一周波数の高周波クロック信号を、互いに所定の位相だけずらして発生させ、各クロック信号のクロック数を計数することにより、クロック信号の周波数を擬似的に高周波数化する方法が考案されている。しかし、この方法では、精度の信頼性を高める上で、その発生させたクロック信号の数に対応させた測定の繰返しが必要であるため、測定時間の長時間化を招き、実用面で問題があった。
この問題を解決すべく、本出願人は、測定波の出射時に同期したスタート信号と検出時に同期したストップ信号とをそれぞれ所定の時間間隔で繰返し複数回発生させ、この繰返しの周期よりも短い周期で発生させている正弦波等基準信号を、繰返しのスタート信号でサンプリングするとともに、繰返しのストップ信号でサンプリングして、スタート信号によるサンプリングで得られた第1のサンプリング波とストップ信号によるサンプリングで得られた第2のサンプリング波との位相差を求め、この位相差に基づいて、スタート信号とストップ信号との間の位相差を求め、得られた位相差を時間差に換算する技術を提案している(特許文献1)。
しかし、上述した提案技術は、スタート信号とストップ信号とを複数回発生させて、複数回の検出を行わなければならず、測定のさらなる迅速化の観点からは不利である。
さらに、この提案技術は、複数のスタート信号および複数のストップ信号がそれぞれサンプリング信号として作用するため、スタート信号間の発生間隔およびストップ信号間の発生間隔も正確に一定であることが要求され、その発生間隔を一定に保つ制御も必要となる。
そこで、本出願人はこれらの問題を解決する技術を提案している。すなわち、例えば正弦波信号と余弦波信号とのように、互いにπ/2[rad]の位相差を有し、周期が既知の2つの基準信号を発生させた状態で、スタート信号およびストップ信号の発生を待機し、スタート信号およびストップ信号の各発生タイミングで、両基準信号をサンプリングして各基準信号の振幅をそれぞれ検出し、スタート信号による両基準信号の振幅に基づいて、スタート信号検出時の位相を求め、ストップ信号による両基準信号の振幅に基づいて、ストップ信号検出時の位相を求め、スタート信号検出時の位相とストップ信号検出時の位相との差(位相差)およびこれら基準信号の既知の周期に基づいて、スタート信号とストップ信号との発生時間差を求める時間差測定装置である(特許文献2)。
この時間差測定装置によれば、スタート信号とストップ信号との組を1回だけ検出するだけで、スタート信号とストップ信号との発生時間差を正確に時間差を求めることができる。
すなわち、例えば図7に示すように、2つの基準信号として正弦波信号と余弦波信号(正弦波信号が位相π/2[rad]だけ遅延した信号)とを発生させ、スタート信号とストップ信号とのタイミングで両基準信号をサンプリングし、各タイミングにおける各基準信号の振幅A11(スタート信号の発生タイミングによる正弦波信号の振幅),A12(スタート信号の発生タイミングによる余弦波信号の振幅),A21(ストップ信号の発生タイミングによる正弦波信号の振幅),A22(ストップ信号の発生タイミングによる余弦波信号の振幅)を求め、スタート信号の発生タイミングに対応した余弦波信号の振幅A12と正弦波信号の振幅A11とをxy平面に描くと、図8(a)に示すように交点Pstartが得られ、これら振幅の比(A11/A12)の逆正接値arctan(A11/A12)(=tan-1(A11/A12))は、正弦波信号(または余弦波信号)の位相ゼロのタイミングからの位相のずれ量θstart(=tan-1(A11/A12))を表す。
同様に、ストップ信号の発生タイミングに対応した余弦波信号の振幅A22と正弦波信号の振幅A21とをxy平面に描くと、図8(b)に示すように交点Pstopが得られ、これら振幅の比(A21/A22)の逆正接値arctan(A21/A22)は、正弦波信号(または余弦波信号)の位相ゼロのタイミングからの位相のずれ量θstop(=tan-1(A21/A22))を表す。
したがって、スタート信号の発生タイミングとストップ信号の発生タイミングとの間の、基準信号における位相差Δθは、
Δθ=θstop−θstart
によって求められ、スタート信号の発生タイミングとストップ信号の発生タイミングとの時間差Δtは、基準信号の周期をTs[秒]として、
Δt=(Δθ/2π)Ts[秒]
によって求めることができる。
また、本出願人は、上述した互いにπ/2[rad]の位相差を有する2つの基準信号に代えて、単一の基準信号のみを発生させ、パルス信号によってこの基準信号をサンプリングするに際して、パルス信号の発生タイミングと、この発生タイミングから、基準信号の位相差π/2[rad]だけ遅延させた遅延タイミングとの2つのタイミングでサンプリングする技術も提案している(特許文献3)。
すなわち、特許文献2により提案された技術は、予めπ/2[rad]の位相差が設定された2つの基準信号を、1つのタイミングで同時にサンプリングするものであるのに対して、特許文献3により提案された技術は、1つの基準信号を、π/2[rad]の位相差に相当する時間だけずれた2つのタイミングでサンプリングするものであり、特許文献2の技術と特許文献3の技術とは、実質的に、基準信号の略π/2[rad]の位相差に相当する2つの位相差タイミングで該基準信号の振幅をそれぞれサンプリングするのと同一である。
特許第2916780号公報 特願2004−291495(未公開) 特願2005−169500(未公開)
ところで、上述した特許文献2による提案技術は、2つの基準信号は、π/2[rad]の位相差を有する以外、全く同一の振幅、周期を有するものである、との前提の下に成立する技術であって、振幅に僅かな差異を生じたり、位相差がπ/2[rad]から僅かにずれただけで、結果に大きな誤差を生じる。
すなわち、2つの基準信号の周期、振幅が完全に一致し、位相差が厳密にπ/2[rad]であれば、前述したスタート信号の発生タイミングに対応して検出された余弦波信号の振幅A12と正弦波信号の振幅A11とのxy平面上における交点Pstartは、図8(a)の破線で示したように、常に、半径A0(基準信号(正弦波信号および余弦波信号)の設計上の最大振幅)の円周上に存在することになる。
ストップ信号の発生タイミングに対応して検出された余弦波信号の振幅A22と正弦波信号の振幅A21とのxy平面上における交点Pstopも同様に、図8(b)の破線で示したように、常に、半径A0の円周上に存在する。
そして、各発生タイミングに対応した位相θstart,θstopを求める演算は、このように各交点PstartやPstopが、基準信号の最大振幅A0を半径とする円周上に存在することを前提としている。
しかし、例えば、基準信号を生成する共振回路やフィルタなどの回路特性は、各基準信号生成用としてそれぞれ備えられるが、これら2つの回路特性が完全に同一となるように製造することは、コストとの均衡で事実上困難である。
また、例え、回路特性を完全に同一に揃えることができたとしても、基板上における設置位置の僅かな差異によって、雰囲気温度等使用環境に差異が生じ、基準信号の出力波形に差異を生じることもある。
さらには、経時的な変化の度合いにも差異が生じ得る。
このように、測定用のパルス信号間の発生時間間隔(時間差)の測定に用いられる両基準信号が完全に一致している(最大振幅が一致し、位相差がπ/2[rad]ずれている。)との前提が覆ると、スタート信号の発生タイミングに対応して検出された余弦波信号の振幅A12と正弦波信号の振幅A11とのxy平面上における交点Pstartは、例えば図9の破線で示すように、楕円状の曲線上に並ぶ軌跡を描く。
ストップ信号の発生タイミングに対応して検出された余弦波信号の振幅A22と正弦波信号の振幅A21とのxy平面上における交点Pstopについても、交点Pstartと同様に、楕円状の曲線上に並ぶ軌跡を描く。
ここで、図9に示す軌跡の図において、スタート信号の発生タイミングにおける基準信号である正弦波信号の振幅A11が本来は二点鎖線の直線で示す値(二点鎖線の円周(半径=A0)上の点)で検出されるべきところ、正弦波信号の最大振幅自体に誤差が生じていたために実際には実線の直線で示す値で検出され、一方、余弦波信号については最大振幅にも位相差にも誤差が生じておらず、図9において実線の直線で示す値で検出されたとすると、両者の交点Pstartは当然異なる位置となり、図示の例では、実際の検出値に基づく交点Pstartは本来の交点Pstartよりも、y軸方向の値が小さい方向にずれた位置に現れる。
そして、この交点Pstart(実際)に基づいて、位相θstartを求める時は、交点Pstart(実際)が円周状に存在するものとして演算を行うため、図9においてPstartを通過する、一点鎖線で示した円周(半径<A0)を想定して、この一点鎖線の円周についての位相θstart(実際)が求められるが、本来求められるべき位相はθstart(本来)となるべきである。
したがって、本来もとめられるべき位相θstart(本来)と、検出値に基づいて実際に求められる位相θstart(実際)との間には差異が生じ、位相θstopにも同様の差異が生じるため、両者の差分である位相差Δθに誤差が生じて、最終的に求められる時間差Δtが誤った値となる。
上述の誤差が発生する例は、2つの基準信号間の位相差がπ/2[rad]からずれた場合のものであるが、基準信号の最大振幅が等しくない場合も、上述の例と同様に、時間差Δtの測定結果に誤差が生じる。
また、上述した測定誤差の問題は、位相差がπ/2[rad]である2つの基準信号を用いた特許文献2による提案技術の場合だけでなく、基準信号は1つであるが位相差π/2[rad]に相当する時間差でサンプリングする特許文献3による提案技術の場合においても、同様に生じるものである。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、所定の時間差を以て生じる2つのパルス信号の当該時間差を、これら2つのパルス信号を繰返し発生させることなく1回の測定により精度よく測定することができ、しかも、この時間差の測定に用いられる単一の基準信号に誤差が生じても、またはサンプリングタイミング差若しくは2つ以上の基準信号間に差異が生じても、測定結果に誤差が生じるのを防止することができる時間差測定装置並びにこの時間差測定装置を用いた距離測定装置および距離測定方法を提供することを目的とする。
本発明に係る時間差測定装置は、時間差を以て発生する2つのパルス信号の該発生時間差を測定する装置であり、略π/2[rad]の位相差を有する2つの基準信号を各パルス信号で同時にサンプリングすることにより、または、単一の基準信号を各パルス信号の発生タイミングとこの発生タイミングとは略π/2[rad]の位相差(略π/2[rad]の奇数倍((π/2)[rad]×(2n−1);n=1,2,…)の位相差を含む。以下、同じ。)に相当する時間だけ遅延した遅延タイミングとにおいてそれぞれサンプリングすることにより、サンプリングして得られた各タイミングにおける基準信号の振幅に基づいて上記発生時間差を求めるに際して、2つの基準信号の同一タイミングにおける2つの振幅値の対応関係、または単一の基準信号の対応する2つのタイミング(発生タイミングと遅延タイミングとからなる2つのタイミング)における2つの振幅値の対応関係に基づいて、基準信号間の誤差および/または基準信号自体の誤差を補正し、この補正後の値を用いて上記発生時間差を求めることにより、時間差の測定精度を向上させるものである。
すなわち、本発明の請求項1に係る時間差測定装置は、未知の時間差を以て発生する2つのパルス信号の該発生時間差を測定する時間差測定装置であって、周期が既知の基準信号を発生する基準信号発生手段と、前記2つのパルス信号の各々の発生タイミングに対応して、実質的に、前記基準信号の略π/2[rad]の位相差に相当する時間間隔の2つのタイミングで該基準信号の振幅をそれぞれサンプリングするのと同一となるように、前記各パルス信号の発生タイミングごとに2つずつの振幅を求める振幅検出手段と、前記各パルス信号の発生タイミングごとにそれぞれ求められた2つずつの振幅に基づいて、前記パルス信号の各発生タイミングごとの、前記基準信号の位相、およびこれら発生タイミング間での位相差を求める位相差検出手段と、前記位相差検出手段によって検出された前記位相差について、前記基準信号の誤差または前記位相差略π/2[rad]の誤差を補正する補正手段と、前記補正手段によって補正された後の位相差に基づいて、前記2つの測定用パルス信号の発生時間差を求める時間差算出手段と備えたことを特徴とする。
ここで、実質的に、基準信号の略π/2[rad]の位相差に相当する時間間隔の2つのタイミングで該基準信号の振幅をそれぞれサンプリングするのと同一となるように、各パルス信号の発生タイミングごとに2つずつの振幅を求める、とは、
(1)基準信号が1つである場合に、基準信号の略π/2[rad]の位相差に相当する時間間隔の2つのタイミングで該基準信号の振幅をそれぞれサンプリングする、
(2)基準信号が2つである場合であって、両基準信号間の位相差が略π/2[rad]であるときは、両基準信号を同時にサンプリングする、
という二通りの方式を適用することができることを意味している。
なお、上記(1),(2)の記述内容はいずれも、1つのパルス信号ごとに2つの振幅値を得ることを示しており、測定対象となる時間差を規定する2つのパルス信号によって、4つの振幅値が得られる。
また、誤差を補正する補正手段は、補正用のデータ(補正係数や補正関数、参照テーブル)等を、2つのパルス信号の発生時間差を測定する直前等において生成して記憶するものであってもよいし、時間差測定装置の個体差に応じた固定的な補正用のデータとして記憶されていてもよい。
このように構成された本発明の請求項1に係る時間差測定装置によれば、
(1)基準信号が1つである場合に、基準信号の略π/2[rad]の位相差に相当する時間間隔の2つのタイミングで該基準信号の振幅をそれぞれサンプリングし、
(2)基準信号が2つである場合であって、両基準信号間の位相差が略π/2[rad]であるときは、両基準信号を同時にサンプリングし、
これにより、未知の時間差を以て生じる2つのパルス信号の各発生タイミングごとに2つずつの基準信号の振幅が検出される。
そして、位相検出手段が、この振幅検出手段によって検出された基準信号の各振幅に基づいて、各発生タイミングごとの基準信号における位相を求めるとともに、これら求められたパルス信号の両発生タイミング間での位相差Δθを求め、両発生タイミング間での位相差Δθは、基準信号の周期Tsを用いて時間差Δtに変換することができ、時間差算出手段が、この演算を行うことで、発生時間差Δtが未知の2つのパルス信号の当該発生時間差を求める。
ここで、基準信号の誤差または位相差略π/2[rad]のタイミングについての誤差に起因してた、両パルス信号の発生タイミング間に対応した位相差に含まれた誤差を、補正手段が補正し、時間差算出手段は、この補正手段によって補正された後の位相差に基づいて発生時間差Δtを求める。
したがって、基準信号が振幅や位相差の誤差を有する場合にも、測定用パルス信号の発生タイミング間の時間差を高精度に測定することができる。
本発明の請求項2に係る時間差測定装置は、2つのパルス信号の発生時間差を測定すべく、略π/2[rad]の位相差を有し、かつ周期が既知である2つの基準信号を発生させて、各パルス信号によりこれら基準信号をサンプリングし(振幅を検出し)、各サンプリング時ごとの2つの基準信号の振幅に基づいて、基準信号における各サンプリング時の位相を求め、両サンプリング時の間の位相差に基づいて、発生時間差を求めるに際し、基準信号の誤差に起因する位相差の誤差を補正することにより、パルス信号の発生時間差を精度よく測定するものである。
すなわち、本発明の請求項2に係る時間差測定装置は、未知の時間差を以て発生する2つのパルス信号の該発生時間差を測定する時間差測定装置であって、略π/2[rad]の位相差を有し、周期が既知の少なくとも2つの基準信号を発生する基準信号発生手段と、前記パルス信号の発生タイミングにおける前記2つの基準信号の各振幅を求める振幅検出手段と、前記振幅検出手段によって前記各基準信号ごとに各2つずつ検出された振幅に基づいて、前記パルス信号の各発生タイミングごとの、前記基準信号の位相、およびこれら発生タイミング間での位相差を求める位相差検出手段と、前記位相差検出手段によって検出された前記位相差について、前記2つの基準信号間の誤差または少なくとも一方の基準信号の誤差に起因した誤差を補正する補正手段と、前記補正手段によって補正された後の位相差に基づいて、前記2つの測定用パルス信号の発生時間差を求める時間差算出手段と備えたことを特徴とする。
ここで、誤差を補正する補正手段は、補正用のデータ(補正係数や補正関数、参照テーブル)等を、2つのパルス信号の発生時間差を測定する直前等において生成して記憶するものであってもよいし、時間差測定装置の個体差に応じた固定的な補正用のデータとして記憶されていてもよい。
このように構成された本発明の請求項2に係る時間差測定装置によれば、基準信号発生手段が発生した、π/2[rad]の位相差を有する2つの基準信号に対して、振幅検出手段が、未知の時間差を以て生じる2つのパルス信号の各発生タイミングでサンプリングし、各サンプリングごと(各パルス信号ごと)に各基準信号の振幅を検出する。
そして、位相検出手段が、この振幅検出手段によって検出された各基準信号の振幅に基づいて、各サンプリングに各基準信号の位相を求めるとともに、これら求められたパルス信号の両発生タイミング間での位相差Δθを求め、両発生タイミング間での位相差Δθは、基準信号の周期Tsを用いて時間差Δtに変換することができ、時間差算出手段が、この演算を行うことで、発生時間差Δtが未知の2つのパルス信号の当該発生時間差を求める。
ここで、補正手段が、位相差検出手段によって検出された位相差について、2つの基準信号間の誤差または少なくとも一方の基準信号の誤差に起因して当該位相差に含まれた誤差を補正し、時間差算出手段は、この補正手段によって補正された後の位相差に基づいて発生時間差Δtを求める。
したがって、基準信号が振幅や位相差の誤差を有する場合にも、測定用パルス信号の発生タイミング間の時間差を高精度に測定することができる。
本発明の請求項3に係る時間差測定装置は、補正手段が、補正用データ(参照テーブル(ルックアップテーブル)や補正係数、補正関数等)を記憶した補正データ記憶部と記憶部に記憶された補正用データを用いて補正演算処理を行う補正演算手段とを備えたものである。
すなわち、本発明の請求項3に係る時間差測定装置は、請求項2に係る時間差測定装置において、補正手段は、誤差を補正するための補正用データを記憶した補正データ記憶部と、該補正データ記憶部に記憶された前記補正用データを用いて補正演算処理を行う補正演算手段とを備えたことを特徴とする。
ここで、補正用データは、例えば、発生タイミング間の時間差が既知の2つの補正用パルス信号を、この時間差測定装置に入力したときに得られた時間差と、当該既知の時間差との対応関係や、あるいは、得られた位相差と当該既知の時間差(もしくはこの時間差に対応すべき位相差)との対応関係や、あるいは、得られた各発生タイミングに対応した2つの位相と当該既知の時間差(もしくはこの時間差に対応すべき位相差)との対応関係などの、実測定結果(途中の検出結果や演算結果も含む)と既知の時間差(もしくはこの時間差に対応すべき位相差)との対応を示す関係式(乗じられる補正係数等)、関数、ルックアップテーブル(参照テーブル)等の形式で表した情報であれば、いかなる形式のものであってもよい。
また、補正用データは、補正データ記憶部に記憶された後に、書換え不可能であってもよいし、書換え可能であってもよい。書換え不可能であるときは、時間差測定装置の個体差に起因して測定結果に与える影響を解消することができる。
一方、書換え可能であるときは、時間差測定装置の個体差に起因した影響だけでなく、時間差測定装置の経年変化等使用環境などに起因した影響についても解消することができる。
このように構成された本発明の請求項3に係る時間差測定装置によれば、補正演算手段が、補正データ記憶部に予め記憶された補正用データを用いて、2つの基準信号間の誤差または少なくとも一方の基準信号の誤差に起因した測定結果における誤差を補正演算処理することにより、基準信号が振幅や位相差の誤差を有する場合にも、測定用パルス信号の発生タイミング間の時間差を高精度に測定することができる。
しかも、補正手段を、補正データ記憶部と補正演算手段という簡単な構成で実現することができる。
すなわち、この時間差測定装置は、実際に測定を行う実測定モードのみを有する構成であり、補正データ記憶部に記憶された補正用データを生成する(校正モード)ための構成は含まないため、そのような校正モードを含む時間差測定装置よりも簡単な構成とすることができる。
本発明の請求項4に係る時間差測定装置は、実測定モードの他に校正モードを有するものである。
すなわち、本発明の請求項4に係る時間差測定装置は、請求項2に係る時間差測定装置において、前記補正手段は、前記発生時間差測定対象のパルス信号である測定用パルス信号が入力される実測定モードと、発生タイミング間の時間差が既知の補正用パルス信号が入力される校正モードとを切り替えるモード切替手段と、前記校正モードにおいて前記補正用パルス信号が入力されたことにより前記位相差検出手段によって算出された、前記補正用パルス信号の各発生タイミング間における位相差と、前記既知の時間差との対応関係に応じて、前記誤差を補正するための補正用データを生成する補正用データ生成手段と、前記補正用データ生成手段によって生成された前記補正用データを記憶する補正データ記憶部と、該補正データ記憶部に記憶された前記補正用データを用いて、前記実測定モードで得られた前記測定用パルス信号の発生タイミング間の時間差に対応した前記位相差を補正演算処理する補正演算手段とを備えたことを特徴とする。
ここで、補正用データは、請求項3に係る時間差測定装置のものと同様に、例えば、発生タイミング間の時間差が既知の2つの補正用パルス信号を、この時間差測定装置に入力したときに得られた時間差と、当該既知の時間差との対応関係や、あるいは、得られた位相差と当該既知の時間差(もしくはこの時間差に対応すべき位相差)との対応関係や、あるいは、得られた各発生タイミングに対応した2つの位相と当該既知の時間差(もしくはこの時間差に対応すべき位相差)との対応関係などの、実測定結果(途中の検出結果や演算結果も含む)と既知の時間差(もしくはこの時間差に対応すべき位相差)との対応を示す関係式(乗じられる補正係数等)、関数、ルックアップテーブル(参照テーブル)等の形式で表した情報であれば、いかなる形式のものであってもよい。
なお、校正用の時間差が既知のパルス信号を発生させるもの(例えば、サンプリングタイミング形成手段)は、時間差測定装置の外部の装置に備えられているものであり、本発明の時間差測定装置には備えられていない。
このように構成された本発明の請求項4に係る時間差測定装置によれば、実際に測定を行う実測定モードの他に、補正データ記憶部に記憶させる補正用データを生成するための校正モードも備えており、校正モードと実測定モードとはモード切替手段によって択一的に選択される。
まず、校正モードでは、発生タイミング間の時間差が既知の補正用パルス信号が入力され、この補正用パルス信号の入力により位相差検出手段によって、補正用パルス信号の各発生タイミング間における位相差が算出され、補正用データ生成手段が、この算出された位相差と既知の時間差との対応関係に応じて、誤差を補正するための補正用データを生成する。
そして、補正用データ生成手段によって生成された補正用データは補正データ記憶部に記憶され、モード切替手段によって実測定モードに切り替えられた後、補正演算手段が、補正データ記憶部に記憶された前記補正用データを用いて、実測定モードで得られた測定用パルス信号の発生タイミング間の時間差に対応した位相差を補正演算処理する。
このように、実際の時間差の測定を行う前段階において、校正モードに切り替えて、補正データ記憶部に記憶された補正用データを最新の補正用データに更新することができるため、時間差測定装置の個体差に起因して測定結果に与える影響を解消することができるとともに、時間差測定装置の経年変化等使用環境などに起因した影響についても解消することができる。
なお、校正用の時間差が既知のパルス信号を発生させるもの(例えば、サンプリングタイミング形成手段)は、本発明の時間差測定装置には備えられていないため、そのような校正用のパルス信号を発生する構成まで備えた時間差測定装置に比べて、構成を簡略化することができる。
本発明の請求項5に係る時間差測定装置は、実測定モードの他に校正モードを有し、さらに、校正用の等間隔の時間差パルスを発生させるもの(サンプリングタイミング形成手段)を備えたものである。
すなわち、本発明の請求項5に係る時間差測定装置は、請求項2に係る時間差測定装置において、前記補正手段は、発生タイミング間の時間差が等間隔の補正用パルス信号を発生するサンプリングタイミング形成手段と、前記発生時間差測定対象のパルス信号である測定用パルス信号が入力される実測定モードと前記補正用パルス信号が入力される校正モードとを切り替えるモード切替手段と、前記校正モードにおいて前記補正用パルス信号が入力されたことにより前記位相差検出手段によって算出された、前記補正用パルス信号の各発生タイミング間における位相差と、前記等間隔の時間差との対応関係に応じて、前記誤差を補正するための補正用データを生成する補正用データ生成手段と、前記補正用データ生成手段によって生成された前記補正用データを記憶する補正データ記憶部と、該補正データ記憶部に記憶された前記補正用データを用いて、前記実測定モードで得られた前記測定用パルス信号の発生タイミング間の時間差に対応した前記位相差を補正演算処理する補正演算手段とを備えたことを特徴とする。
ここで、補正用データは、請求項3,4に係る時間差測定装置のものと同様に、例えば、発生タイミング間の時間差が等間隔の補正用パルス信号を、この時間差測定装置に入力したときに得られた時間差と、当該時間差との対応関係や、あるいは、得られた位相差と当該時間差(もしくはこの時間差に対応すべき位相差)との対応関係や、あるいは、得られた各発生タイミングに対応した2つの位相と当該時間差(もしくはこの時間差に対応すべき位相差)との対応関係などの、実測定結果(途中の検出結果や演算結果も含む)と既知の時間差(もしくはこの時間差に対応すべき位相差)との対応を示す関係式(乗じられる補正係数等)、関数、ルックアップテーブル(参照テーブル)等の形式で表した情報であれば、いかなる形式のものであってもよい。
このように構成された本発明の請求項5に係る時間差測定装置によれば、実際に測定を行う実測定モードの他に、補正データ記憶部に記憶させる補正用データを生成するための校正モードも備えており、校正モードと実測定モードとはモード切替手段によって択一的に選択される。
まず、校正モードでは、サンプリングタイミング形成手段が、測定用パルス信号に模して、発生タイミング間の時間差が等間隔の補正用パルス信号を発生し、この補正用パルス信号の入力により位相差検出手段によって、補正用パルス信号の各発生タイミング間における位相差が算出され、補正用データ生成手段が、この算出された位相差と等間隔の時間差との対応関係に応じて、誤差を補正するための補正用データを生成する。
そして、補正用データ生成手段によって生成された補正用データは補正データ記憶部に記憶され、モード切替手段によって実測定モードに切り替えられた後、補正演算手段が、補正データ記憶部に記憶された前記補正用データを用いて、実測定モードで得られた測定用パルス信号の発生タイミング間の時間差に対応した位相差を補正演算処理する。
このように、実際の時間差の測定を行う前段階において、校正モードに切り替えて、補正用パルス信号を発生して新たな補正用データを作成することによって、補正データ記憶部に記憶された補正用データを最新の補正用データに更新することができるため、時間差測定装置の個体差に起因して測定結果に与える影響を解消することができるとともに、時間差測定装置の経年変化等使用環境などに起因した影響についても解消することができる。
また、校正処理も自己完結で行うことができる。すなわち、校正モードにおける処理の際、他の外部装置(補正用パルス信号を発生する装置等)を別途用意する必要がないため、外部装置がない場所でも、校正を行うことができる。
本発明の請求項6に係る時間差測定装置は、請求項5に係る時間差測定装置において、前記サンプリングタイミング形成手段が発生する前記補正用パルス信号は、前記基準信号発生手段の発生する基準信号と、複数回に一度の割合で同期する等間隔のパルス信号であることを特徴とする。
本発明の請求項7に係る時間差測定装置は、請求項5に係る時間差測定装置において、前記サンプリングタイミング形成手段が発生する前記補正用パルス信号は、前記基準信号発生手段の発生する基準信号と非同期で、かつ等間隔のパルス信号であることを特徴とする。
本発明の請求項8に係る時間差測定装置は、請求項2から7のうちいずれか1項に係る時間差測定装置において、前記補正用データは、前記振幅検出手段によって検出された前記補正用パルス信号による各基準信号の振幅の比に対応したものとして設定されることを特徴とする。
本発明の請求項9に係る時間差測定装置は、請求項2から8のうちいずれか1項に係る時間差測定装置において、前記2つの基準信号は正弦波信号と余弦波信号とであることを特徴とする。
このように構成された本発明の請求項9に係る時間差測定装置によれば、基準信号として正弦波信号および余弦波信号という位相差がπ/2であるものが適用されていることにより、直接検出された値(振幅値)の比をとって、その比のarctanを算出すれば位相θを算出することができ、2つの位相から位相差Δθを簡単に検出することができる。
本発明の請求項10に係る時間差測定装置は、請求項9に係る時間差測定装置において、前記補正用データは、前記振幅検出手段によって検出された前記補正用パルス信号による各基準信号の振幅の比の逆正接値(arctan)に対応したものとして設定されることを特徴とする。
このように構成された本発明の請求項10に係る時間差測定装置によれば、直接検出された値(振幅値)の比をとって、その比のarctanを算出すれば、位相θを算出することができ、2つの位相から位相差Δθを簡単に検出することができる。
本発明の請求項11に係る時間差測定装置は、請求項2から10のうちいずれか1項に係る時間差測定装置において、前記2つの基準信号は正弦波信号と余弦波信号とであり、複数の前記補正用パルス信号が時系列的に順次入力された各タイミングにおける前記正弦波信号の振幅値を、時系列的にプロットしたとき、前記プロットされた振幅値のうち、所定の正弦波曲線上にプロットされない振幅値については、前記所定の正弦波曲線上にプロットされるように、かつ、前記複数の補正用パルス信号が時系列的に順次入力された各タイミングにおける前記余弦波信号の振幅値を、時系列的にプロットしたとき、前記プロットされた振幅値のうち、所定の余弦波曲線上にプロットされない振幅値については、前記所定の余弦波曲線上にプロットされるように、前記補正手段が前記振幅値のばらつきを補正することを特徴とする。
本発明の請求項12に係る時間差測定装置は、請求項2から11のうちいずれか1項に係る時間差測定装置において、前記補正データ記憶部に記憶された補正用データは、離散したサンプリング点におけるデータであり、前記発生時間差を求めるに際して、対応するサンプリング点のデータが前記補正手段に記憶されていないときは、該補正手段は、該補正手段に記憶されているサンプリング点のデータに基づいて補間演算処理またはフィッティング処理により、対応するサンプリング点のデータを生成することを特徴とする。
本発明の請求項13に係る時間差測定装置は、請求項2から11のうちいずれか1項に係る時間差測定装置において、前記補正データ記憶部に記憶された補正用データは、楕円状の離散したサンプリング点に対応して求められた楕円状の関数として記憶されていることを特徴とする。
本発明の請求項14に係る時間差測定装置は、請求項2から13のうちいずれか1項に係る時間差測定装置において、前記2つの測定用パルス信号の概略発生時間差を検出する概略時間差検出手段をさらに備え、前記時間差算出手段は、該時間差算出手段によって求められた精密時間差に加えて、前記概略時間差検出手段によって検出された前記概略発生時間差により、前記2つの測定用パルス信号の発生時間差を算出することを特徴とする。
概略時間差検出手段は、上述した基準信号の1周期を判別可能程度の分解能で時間を検出することができるものであればよく、公知のパルスカウンタなどによって、基準信号のパルス数を計数することにより概略時間差を検出するものを適用することができる。
このように構成された本発明の請求項14に係る時間差測定装置によれば、概略時間差検出手段によって2つのパルス信号の概略発生時間差を検出することができるため、これら2つのパルス信号の発生時間差が、基準信号の1周期を超えるような長時間であっても、精度良く測定することができる。
すなわち、時間差算出手段が検出する2つのパルス信号間の位相差Δθは、0[rad]〜2π[rad]の範囲内の値として算出される。しかし、基準信号は周期信号であるため、この位相差Δθは、2π以下のΔθの他、2π+Δθ,4π+Δθ,…も潜在的に表現されており、一般式2π(n−1)+Δθ(n;自然数)として表すことができる。
一方、算出すべき2つのパルス信号の発生時間差としては、上記の一般式の第1項である位相差2π(n−1)[rad]も時間として含まれる必要があり、その自然数nを特定する必要がある。
そこで、2つのパルス信号の発生時間差が基準信号の1周期(2π[rad])を超える場合であっても、概略時間差検出手段がこの基準信号の1周期程度の分解能でこの発生時間差を概略的に検出することができ、この概略時間差検出手段によって検出された概略の発生時間差に基づいて、一般式の第1項部分の位相差2π(n−1)[rad]を特定することができ、この第1項部分と第2項部分との総和の位相差に対応する時間([2π(n−1)+Δθ]/2πに基準信号の周期[sec]を乗算した値)、すなわち2つのパルス信号の発生時間差を、唯一の値として特定して求めることができる。
本発明の請求項15に係る時間差測定装置は、請求項2から14のうちいずれか1項に係る時間差測定装置において、前記振幅検出手段は、前記発生時間差測定対象のパルス信号である2つの測定用パルス信号のうち時系列的に先行する一方の測定用パルス信号の発生タイミングにおける前記一方の基準信号としての正弦波信号の振幅A11および前記他方の基準信号としての余弦波信号の振幅A12をそれぞれ検出し、前記位相差検出手段は、これら振幅A11,A12の比(A11/A12)を算出し、この振幅比(A11/A12)に基づいて位相θstartをtan-1{(A11/A12)}により算出し、前記補正手段は、前記位相θstartを位相θstart′に補正し、前記振幅検出手段は、前記2つのパルス信号のうち時系列的に後続する他方の測定用パルス信号の発生タイミングにおける前記正弦波信号の振幅A21および前記余弦波信号の振幅A22をそれぞれ検出し、前記位相差検出手段は、これら振幅A21,A22の比(A21/A22)を算出し、この振幅比(A21/A22)に基づいて位相θstopをtan-1{(A21/A22)}により算出し、前記補正手段は、前記位相θstopを位相θstop′に補正し、前記時間差算出手段は、前記2つの測定用パルス信号の発生タイミングの位相差Δθを(θstop′−θstart′)により算出することを特徴とする。
このように構成された本発明の請求項15に係る時間差測定装置によれば、簡単な演算処理により、時間差を精度よく算出することができる。
本発明の請求項16に係る時間差測定装置は、請求項12から15のうちいずれか1項に係る時間差測定装置において、前記補正用データは、前記基準信号の1周期のうち少なくとも6点のサンプリングによって得られたものであることを特徴とする。
本発明の請求項17に係る時間差測定装置は、2つのパルス信号の発生時間差を測定すべく、周期が既知である1つの基準信号を発生させて、各パルス信号によりこれら基準信号をサンプリングする(振幅を検出し)に際して、パルス信号の発生タイミングだけでなく、この発生タイミングから、基準信号の略π/2[rad]の位相差に対応した時間だけ遅延したタイミング(遅延タイミング)においても、サンプリングを行うことで、各パルス信号の発生に対応して2つずつの基準信号振幅を得、これらの基準信号の振幅に基づいて、基準信号における各発生タイミングの位相を求め、両発生タイミング間の位相差に基づいて、発生時間差を求めるに際し、基準信号の誤差に起因する位相差の誤差を補正することにより、パルス信号の発生時間差を精度よく測定するものである。
すなわち、本発明の請求項17に係る時間差測定装置は、未知の時間差を以て発生する2つのパルス信号の該発生時間差を測定する時間差測定装置であって、周期が既知の単一の基準信号を発生する基準信号発生手段と、前記2つのパルス信号のそれぞれを、前記基準信号の略π/2[rad]の位相差に相当する時間だけ遅延させるパルス遅延手段と、前記各パルス信号の発生タイミングおよび前記パルス遅延手段によって遅延された遅延タイミングにおける前記基準信号の各振幅を求める振幅検出手段と、前記振幅検出手段によって前記各パルス信号ごとに各2つずつ検出された振幅に基づいて、前記各パルス信号ごとの、前記基準信号の位相、およびこれらパルス信号の発生タイミング間での位相差を求める位相差検出手段と、前記位相差検出手段によって検出された前記位相差について、前記基準信号の誤差または前記位相差略π/2[rad]の誤差を補正する補正手段と、前記補正手段によって補正された後の位相差に基づいて、前記2つの測定用パルス信号の発生時間差を求める時間差算出手段と備えたことを特徴とする。
ここで、誤差を補正する補正手段は、補正用のデータ(補正係数や補正関数、参照テーブル)等を、2つのパルス信号の発生時間差を測定する直前等において生成して記憶するものであってもよいし、時間差測定装置の個体差に応じた固定的な補正用のデータとして記憶されていてもよい。
このように構成された本発明の請求項17に係る時間差測定装置によれば、基準信号発生手段が発生した、1つの基準信号に対して、振幅検出手段が、未知の時間差を以て生じる2つのパルス信号の各発生タイミングおよび各遅延タイミングでサンプリングし、各パルス信号の発生に対応した基準信号の各振幅を検出する。
そして、位相検出手段が、この振幅検出手段によって検出された基準信号の各振幅に基づいて、各発生タイミングにおける基準信号の各位相を求めるとともに、これら求められたパルス信号の両発生タイミング間での位相差Δθを求め、両発生タイミング間での位相差Δθは、基準信号の周期Tsを用いて時間差Δtに変換することができ、時間差算出手段が、この演算を行うことで、発生時間差Δtが未知の2つのパルス信号の当該発生時間差を求める。
ここで、補正手段が、位相差検出手段によって検出された位相差についての、基準信号自体の誤差、または遅延タイミングを得るための位相差略π/2[rad]の設定の誤差に起因する誤差を補正し、時間差算出手段は、この補正手段によって補正された後の位相差に基づいて発生時間差Δtを求める。
したがって、基準信号が振幅や位相差の誤差を有する場合にも、測定用パルス信号の発生タイミング間の時間差を高精度に測定することができる。
本発明の請求項B2に係る時間差測定装置は、補正手段が、補正用データ(参照テーブル(ルックアップテーブル)や補正係数、補正関数等)を記憶した補正データ記憶部と記憶部に記憶された補正用データを用いて補正演算処理を行う補正演算手段とを備えたものである。
すなわち、本発明の請求項18に係る時間差測定装置は、請求項17に係る時間差測定装置において、補正手段は、前記誤差を補正するための補正用データを記憶した補正データ記憶部と、該補正データ記憶部に記憶された前記補正用データを用いて補正演算処理を行う補正演算手段とを備えたことを特徴とする。
ここで、補正用データは、例えば、発生タイミング間の時間差が既知の2つの補正用パルス信号を、この時間差測定装置に入力したときに得られた時間差と、当該既知の時間差との対応関係や、あるいは、得られた位相差と当該既知の時間差(もしくはこの時間差に対応すべき位相差)との対応関係や、あるいは、得られた各発生タイミングに対応した2つの位相と当該既知の時間差(もしくはこの時間差に対応すべき位相差)との対応関係などの、実測定結果(途中の検出結果や演算結果も含む)と既知の時間差(もしくはこの時間差に対応すべき位相差)との対応を示す関係式(乗じられる補正係数等)、関数、ルックアップテーブル(参照テーブル)等の形式で表した情報であれば、いかなる形式のものであってもよい。
また、補正用データは、補正データ記憶部に記憶された後に、書換え不可能であってもよいし、書換え可能であってもよい。書換え不可能であるときは、時間差測定装置の個体差に起因して測定結果に与える影響を解消することができる。
一方、書換え可能であるときは、時間差測定装置の個体差に起因した影響だけでなく、時間差測定装置の経年変化等使用環境などに起因した影響についても解消することができる。
このように構成された本発明の請求項18に係る時間差測定装置によれば、補正演算手段が、補正データ記憶部に予め記憶された補正用データを用いて、基準信号の誤差または遅延タイミングを得るための位相差略π/2[rad]の設定の誤差に起因する誤差を補正演算処理することにより、基準信号が振幅や位相差の誤差を有する場合にも、測定用パルス信号の発生タイミング間の時間差を高精度に測定することができる。
しかも、補正手段を、補正データ記憶部と補正演算手段という簡単な構成で実現することができる。
すなわち、この時間差測定装置は、実際に測定を行う実測定モードのみを有する構成であり、補正データ記憶部に記憶された補正用データを生成する(校正モード)ための構成は含まないため、そのような校正モードを含む時間差測定装置よりも簡単な構成とすることができる。
本発明の請求項19に係る時間差測定装置は、実測定モードの他に校正モードを有するものである。
すなわち、本発明の請求項19に係る時間差測定装置は、請求項17に係る時間差測定装置において、前記補正手段は、前記発生時間差測定対象のパルス信号である測定用パルス信号が入力される実測定モードと、発生タイミング間の時間差が既知の補正用パルス信号が入力される校正モードとを切り替えるモード切替手段と、前記校正モードにおいて前記補正用パルス信号が入力されたことにより前記位相差検出手段によって算出された、前記補正用パルス信号の各発生タイミング間における位相差と、前記既知の時間差との対応関係に応じて、前記誤差を補正するための補正用データを生成する補正用データ生成手段と、前記補正用データ生成手段によって生成された前記補正用データを記憶する補正データ記憶部と、該補正データ記憶部に記憶された前記補正用データを用いて、前記実測定モードで得られた前記測定用パルス信号の発生タイミング間の時間差に対応した前記位相差を補正演算処理する補正演算手段とを備えたことを特徴とする。
ここで、補正用データは、請求項18に係る時間差測定装置のものと同様に、例えば、発生タイミング間の時間差が既知の2つの補正用パルス信号を、この時間差測定装置に入力したときに得られた時間差と、当該既知の時間差との対応関係や、あるいは、得られた位相差と当該既知の時間差(もしくはこの時間差に対応すべき位相差)との対応関係や、あるいは、得られた各発生タイミングに対応した2つの位相と当該既知の時間差(もしくはこの時間差に対応すべき位相差)との対応関係などの、実測定結果(途中の検出結果や演算結果も含む)と既知の時間差(もしくはこの時間差に対応すべき位相差)との対応を示す関係式(乗じられる補正係数等)、関数、ルックアップテーブル(参照テーブル)等の形式で表した情報であれば、いかなる形式のものであってもよい。
なお、校正用の時間差が既知のパルス信号を発生させるもの(例えば、サンプリングタイミング形成手段)は、時間差測定装置の外部の装置に備えられているものであり、本発明の時間差測定装置には備えられていない。
このように構成された本発明の請求項19に係る時間差測定装置によれば、実際に測定を行う実測定モードの他に、補正データ記憶部に記憶させる補正用データを生成するための校正モードも備えており、校正モードと実測定モードとはモード切替手段によって択一的に選択される。
まず、校正モードでは、発生タイミング間の時間差が既知の補正用パルス信号が入力され、この補正用パルス信号の入力により位相差検出手段によって、補正用パルス信号の各発生タイミング間における位相差が算出され、補正用データ生成手段が、この算出された位相差と既知の時間差との対応関係に応じて、誤差を補正するための補正用データを生成する。
そして、補正用データ生成手段によって生成された補正用データは補正データ記憶部に記憶され、モード切替手段によって実測定モードに切り替えられた後、補正演算手段が、補正データ記憶部に記憶された前記補正用データを用いて、実測定モードで得られた測定用パルス信号の発生タイミング間の時間差に対応した位相差を補正演算処理する。
このように、実際の時間差の測定を行う前段階において、校正モードに切り替えて、補正データ記憶部に記憶された補正用データを最新の補正用データに更新することができるため、時間差測定装置の個体差に起因して測定結果に与える影響を解消することができるとともに、時間差測定装置の経年変化等使用環境などに起因した影響についても解消することができる。
なお、校正用の時間差が既知のパルス信号を発生させるもの(例えば、サンプリングタイミング形成手段)は、本発明の時間差測定装置には備えられていないため、そのような校正用のパルス信号を発生する構成まで備えた時間差測定装置に比べて、構成を簡略化することができる。
本発明の請求項20に係る時間差測定装置は、実測定モードの他に校正モードを有し、さらに、校正用の等間隔の時間差パルスを発生させるもの(サンプリングタイミング形成手段)を備えたものである。
すなわち、本発明の請求項20に係る時間差測定装置は、請求項17に係る時間差測定装置において、前記補正手段は、発生タイミング間の時間差が等間隔の補正用パルス信号を発生するサンプリングタイミング形成手段と、前記発生時間差測定対象のパルス信号である測定用パルス信号が入力される実測定モードと前記補正用パルス信号が入力される校正モードとを切り替えるモード切替手段と、前記校正モードにおいて前記補正用パルス信号が入力されたことにより前記位相差検出手段によって算出された、前記補正用パルス信号の各発生タイミング間における位相差と、前記等間隔の時間差との対応関係に応じて、前記誤差を補正するための補正用データを生成する補正用データ生成手段と、前記補正用データ生成手段によって生成された前記補正用データを記憶する補正データ記憶部と、該補正データ記憶部に記憶された前記補正用データを用いて、前記実測定モードで得られた前記測定用パルス信号の発生タイミング間の時間差に対応した前記位相差を補正演算処理する補正演算手段とを備えたことを特徴とする。
ここで、補正用データは、請求項18,19に係る時間差測定装置のものと同様に、例えば、発生タイミング間の時間差が等間隔の補正用パルス信号を、この時間差測定装置に入力したときに得られた時間差と、当該時間差との対応関係や、あるいは、得られた位相差と当該時間差(もしくはこの時間差に対応すべき位相差)との対応関係や、あるいは、得られた各発生タイミングに対応した2つの位相と当該時間差(もしくはこの時間差に対応すべき位相差)との対応関係などの、実測定結果(途中の検出結果や演算結果も含む)と既知の時間差(もしくはこの時間差に対応すべき位相差)との対応を示す関係式(乗じられる補正係数等)、関数、ルックアップテーブル(参照テーブル)等の形式で表した情報であれば、いかなる形式のものであってもよい。
このように構成された本発明の請求項20に係る時間差測定装置によれば、実際に測定を行う実測定モードの他に、補正データ記憶部に記憶させる補正用データを生成するための校正モードも備えており、校正モードと実測定モードとはモード切替手段によって択一的に選択される。
まず、校正モードでは、サンプリングタイミング形成手段が、測定用パルス信号に模して、発生タイミング間の時間差が等間隔の補正用パルス信号を発生し、この補正用パルス信号の入力により位相差検出手段によって、補正用パルス信号の各発生タイミング間における位相差が算出され、補正用データ生成手段が、この算出された位相差と等間隔の時間差との対応関係に応じて、誤差を補正するための補正用データを生成する。
そして、補正用データ生成手段によって生成された補正用データは補正データ記憶部に記憶され、モード切替手段によって実測定モードに切り替えられた後、補正演算手段が、補正データ記憶部に記憶された前記補正用データを用いて、実測定モードで得られた測定用パルス信号の発生タイミング間の時間差に対応した位相差を補正演算処理する。
このように、実際の時間差の測定を行う前段階において、校正モードに切り替えて、補正用パルス信号を発生して新たな補正用データを作成することによって、補正データ記憶部に記憶された補正用データを最新の補正用データに更新することができるため、時間差測定装置の個体差に起因して測定結果に与える影響を解消することができるとともに、時間差測定装置の経年変化等使用環境などに起因した影響についても解消することができる。
また、校正処理も自己完結で行うことができる。すなわち、校正モードにおける処理の際、他の外部装置(補正用パルス信号を発生する装置等)を別途用意する必要がないため、外部装置がない場所でも、校正を行うことができる。
本発明の請求項21に係る時間差測定装置は、請求項20に係る時間差測定装置において、前記サンプリングタイミング形成手段が発生する前記補正用パルス信号は、前記基準信号発生手段の発生する基準信号と、複数回に一度の割合で同期する等間隔のパルス信号であることを特徴とする。
本発明の請求項22に係る時間差測定装置は、請求項20に係る時間差測定装置において、前記サンプリングタイミング形成手段が発生する前記補正用パルス信号は、前記基準信号発生手段の発生する基準信号と非同期で、かつ等間隔のパルス信号であることを特徴とする。
本発明の請求項23に係る時間差測定装置は、請求項17から22のうちいずれか1項に係る時間差測定装置において、前記補正用データは、前記振幅検出手段によって検出された前記補正用パルス信号による各基準信号の振幅の比に対応したものとして設定されることを特徴とする。
本発明の請求項24に係る時間差測定装置は、請求項17から23のうちいずれか1項に係る時間差測定装置において、前記基準信号は正弦波信号または余弦波信号であることを特徴とする。
このように構成された本発明の請求項24に係る時間差測定装置によれば、基準信号として正弦波信号または余弦波信号が適用されていることにより、発生タイミングと遅延タイミングとの位相差略π/2[rad]により、遅延タイミングでの基準信号は、発生タイミングを基準とすると、余弦波信号または正弦波信号として振る舞い、これら2つのタイミングで直接検出された値(振幅値)の比をとって、その比のarctanを算出すれば位相θを算出することができ、2つの位相から位相差Δθを簡単に検出することができる。
本発明の請求項25に係る時間差測定装置は、請求項24に係る時間差測定装置において、前記補正用データは、前記振幅検出手段によって検出された前記補正用パルス信号の前記発生タイミングと前記遅延タイミングとにおける前記基準信号の振幅の比の逆正接値に対応したものとして設定されることを特徴とする。
このように構成された本発明の請求項25に係る時間差測定装置によれば、直接検出された値(振幅値)の比をとって、その比のarctanを算出すれば、位相θを算出することができ、2つの位相から位相差Δθを簡単に検出することができる。
本発明の請求項26に係る時間差測定装置は、請求項17から25のうちいずれか1項に係る時間差測定装置において、前記基準信号は正弦波信号または余弦波信号であり、複数の前記補正用パルス信号が時系列的に順次入力された各発生タイミングにおける前記基準信号の振幅値を、時系列的にプロットしたとき、前記プロットされた振幅値のうち、所定の正弦波曲線上または余弦波曲線上にプロットされない振幅値については、前記所定の正弦波曲線上または余弦波曲線上にプロットされるように、かつ、前記複数の補正用パルス信号が時系列的に順次入力された各遅延タイミングにおける前記基準信号の振幅値を、時系列的にプロットしたとき、前記プロットされた振幅値のうち、所定の余弦波曲線上または正弦波曲線上にプロットされない振幅値については、前記所定の余弦波曲線上または正弦波曲線上にプロットされるように、前記補正手段が前記振幅値のばらつきを補正することを特徴とする。
本発明の請求項27に係る時間差測定装置は、請求項17から26のうちいずれか1項に係る時間差測定装置において、前記補正データ記憶部に記憶された補正用データは、離散したサンプリング点におけるデータであり、前記発生時間差を求めるに際して、対応するサンプリング点のデータが前記補正手段に記憶されていないときは、該補正手段は、該補正手段に記憶されているサンプリング点のデータに基づいて補間演算処理またはフィッティング処理により、対応するサンプリング点のデータを生成することを特徴とする。
本発明の請求項28に係る時間差測定装置は、請求項17から26のうちいずれか1項に係る時間差測定装置において、前記補正データ記憶部に記憶された補正用データは、楕円状の離散したサンプリング点に対応して求められた楕円状の関数として記憶されていることを特徴とする。
本発明の請求項29に係る時間差測定装置は、請求項17から28のうちいずれか1項に係る時間差測定装置において、前記2つの測定用パルス信号の概略発生時間差を検出する概略時間差検出手段をさらに備え、前記時間差算出手段は、該時間差算出手段によって求められた精密時間差に加えて、前記概略時間差検出手段によって検出された前記概略発生時間差により、前記2つの測定用パルス信号の発生時間差を算出することを特徴とする。
概略時間差検出手段は、上述した基準信号の1周期を判別可能程度の分解能で時間を検出することができるものであればよく、公知のパルスカウンタなどによって、基準信号のパルス数を計数することにより概略時間差を検出するものを適用することができる。
このように構成された本発明の請求項29に係る時間差測定装置によれば、概略時間差検出手段によって2つのパルス信号の概略発生時間差を検出することができるため、これら2つのパルス信号の発生時間差が、基準信号の1周期を超えるような長時間であっても、精度良く測定することができる。
すなわち、時間差算出手段が検出する2つのパルス信号間の位相差Δθは、0[rad]〜2π[rad]の範囲内の値として算出される。しかし、基準信号は周期信号であるため、この位相差Δθは、2π以下のΔθの他、2π+Δθ,4π+Δθ,…も潜在的に表現されており、一般式2π(n−1)+Δθ(n;自然数)として表すことができる。
一方、算出すべき2つのパルス信号の発生時間差としては、上記の一般式の第1項である位相差2π(n−1)[rad]も時間として含まれる必要があり、その自然数nを特定する必要がある。
そこで、2つのパルス信号の発生時間差が基準信号の1周期(2π[rad])を超える場合であっても、概略時間差検出手段がこの基準信号の1周期程度の分解能でこの発生時間差を概略的に検出することができ、この概略時間差検出手段によって検出された概略の発生時間差に基づいて、一般式の第1項部分の位相差2π(n−1)[rad]を特定することができ、この第1項部分と第2項部分との総和の位相差に対応する時間([2π(n−1)+Δθ]/2πに基準信号の周期[sec]を乗算した値)、すなわち2つのパルス信号の発生時間差を、唯一の値として特定して求めることができる。
本発明の請求項30に係る時間差測定装置は、請求項17から29のうちいずれか1項に係る時間差測定装置において、前記振幅検出手段は、前記発生時間差測定対象のパルス信号である2つの測定用パルス信号のうち時系列的に先行する一方の測定用パルス信号の前記発生タイミングにおける前記基準信号としての正弦波信号の振幅A11および前記遅延タイミングにおける該基準信号の振幅A12をそれぞれ検出し、前記位相差検出手段は、これら振幅A11,A12の比(A11/A12)を算出し、この振幅比(A11/A12)に基づいて位相θstartをtan-1{(A11/A12)}により算出し、前記補正手段は、前記位相θstartを位相θstart′に補正し、前記振幅検出手段は、前記2つのパルス信号のうち時系列的に後続する他方の測定用パルス信号の前記発生タイミングにおける前記基準信号の振幅A21および前記遅延タイミングにおける該基準信号の振幅A22をそれぞれ検出し、前記位相差検出手段は、これら振幅A21,A22の比(A21/A22)を算出し、この振幅比(A21/A22)に基づいて位相θstopをtan-1{(A21/A22)}により算出し、前記補正手段は、前記位相θstopを位相θstop′に補正し、前記時間差算出手段は、前記2つの測定用パルス信号の発生タイミングの位相差Δθを(θstop′−θstart′)により算出することを特徴とする。
このように構成された本発明の請求項30に係る時間差測定装置によれば、簡単な演算処理により、時間差を精度よく算出することができる。
本発明の請求項31に係る時間差測定装置は、請求項27から30のうちいずれか1項に係る時間差測定装置において、前記補正用データは、前記基準信号の1周期のうち少なくとも6点のサンプリングによって得られたものであることを特徴とする。
本発明に係る距離測定装置は、本発明に係る時間差測定装置を用いた距離測定装置である。
すなわち、本発明に係る距離測定装置は、距離測定対象に対して測定パルス波を出射する測定パルス波出射手段と、前記測定パルス波が前記距離測定対象で反射して得られた反射パルス波を検出する反射パルス波検出手段と、前記測定パルス波が前記測定パルス波出射手段から出射されたタイミングで第1のパルス信号を取得し、前記反射パルス波が前記反射パルス波検出手段により検出されたタイミングで第2のパルス信号を取得し、前記第1のパルス信号を取得したタイミングから前記第2のパルス信号を取得したタイミングまでの時間差を測定する時間差測定装置と、前記時間差測定装置により求められた時間差に基づいて、前記距離測定対象までの距離を求める距離演算手段とを備えた距離測定装置において、前記時間差測定装置は、本発明の請求項1から31のうちいずれか1項に係る時間差測定装置であることを特徴とする。
ここで、距離測定装置としては、いわゆる測量機器や、距離測定対象までの距離を測定することによりその対象の輪郭形状等を特定する形状測定装置も含まれる。
測定パルス波出射手段が距離測定対象に対して発生する測定パルス波としては、例えば、マイクロ波や光波(レーザ光、赤外光等)等、距離測定用ビームとして従来より用いられている公知の種々の電磁波を適用することができる。
このように構成された本発明に係る距離測定装置によれば、測定パルス波出射手段が距離測定対象に向けて測定パルス波を出射し、反射パルス波検出手段が、この測定パルス波が距離測定対象で反射して戻った反射パルス波を検出する。
そして、備えられた時間差測定装置が、測定パルス波が出射されたタイミングで第1のパルス信号を取得し、反射パルス波が検出されたタイミングで第2のパルス信号を取得し、第1のパルス信号を取得したタイミングから第2のパルス信号を取得したタイミングまでの時間差を精度よく測定し、距離演算手段が、時間差測定装置により求められた時間差に基づいて、距離測定対象までの距離を求める。
これによって、両パルス信号間の時間差を高精度に求めることができるため、時間差に応じて算出する距離を高精度に測定することができる。
本発明に係る距離測定方法は、本発明に係る距離測定装置の作用を行う方法である。
すなわち、本発明の請求項33に係る距離測定方法は、略π/2[rad]の位相差を有し、周期が既知の少なくとも2つの基準信号を発生し、距離測定対象に対して測定パルス波を出射し、前記測定パルス波の出射を検出したタイミングにおける前記2つの基準信号の各振幅を求め、前記測定パルス波が前記距離測定対象で反射して得られた反射パルス波を検出したタイミングにおける前記2つの基準信号の各振幅を求め、前記各基準信号ごとに各2つずつ検出された振幅に基づいて、前記パルス波の各検出タイミングごとの、前記基準信号の位相、およびこれら検出タイミング間での位相差を求め、前記検出された前記位相差について、前記2つの基準信号間の誤差または少なくとも一方の基準信号の誤差に起因した誤差を補正し、前記補正された後の位相差に基づいて、前記測定パルス波の検出タイミングから前記反射パルス波の検出タイミングまでの時間差を求め、前記時間差に基づいて、前記距離測定対象までの距離を求めることを特徴とする。
このように構成された本発明の請求項33に係る距離測定方法によれば、π/2[rad]の位相差を有する2つの基準信号に対して、未知の時間差を以て生じる2つのパルス信号の各発生タイミングでサンプリングし、各サンプリングごと(各パルス信号ごと)に各基準信号の振幅を検出する。
そして、検出された各基準信号の振幅に基づいて、各サンプリングに各基準信号の位相を求めるとともに、これら求められたパルス信号の両発生タイミング間での位相差Δθを求め、両発生タイミング間での位相差Δθは、基準信号の周期Tsを用いて時間差Δtに変換することができ、この演算を行うことで、発生時間差Δtが未知の2つのパルス信号の当該発生時間差を求める。
ここで、検出された位相差について、2つの基準信号間の誤差または少なくとも一方の基準信号の誤差に起因して当該位相差に含まれた誤差を補正し、補正された後の位相差に基づいて発生時間差Δtを求める。
したがって、基準信号が振幅や位相差の誤差を有する場合にも、測定用パルス信号の発生タイミング間の時間差を高精度に測定することができる。
そして、上述した未知の時間差を以て生じる2つのパルス信号として、距離測定対象に向けて出射した測定パルス波の検出タイミングで生じたパルス信号と、この測定パルス波が距離測定対象で反射して戻った反射パルス波の検出タイミングで生じたパルス信号とを適用することにより、測定された時間差に基づいて、距離測定対象までの距離を高精度に測定することができる。
本発明の請求項34に係る距離測定方法は、周期が既知の単一の基準信号を発生し、距離測定対象に対して測定パルス波を出射し、前記測定パルス波の出射を検出し、前記測定パルス波が前記距離測定対象で反射して得られた反射パルス波を検出し、前記測定パルスの前記出射の際の検出タイミングと、該測定パルスの検出タイミングから前記基準信号の略π/2[rad]の位相差に相当する時間だけ遅延させたタイミングである遅延タイミングとにおいて、前記基準信号の振幅をそれぞれ求め、前記反射パルス波の検出タイミングと、該反射パルス波の検出タイミングから前記基準信号の略π/2[rad]の位相差に相当する時間だけ遅延させたタイミングである遅延タイミングとにおいて、前記基準信号の振幅をそれぞれ求め、前記測定パルス波について検出された2つの振幅と、前記反射パルス波について検出された2つの振幅とに基づいて、前記パルス波の各検出タイミングごとの、前記基準信号の位相、およびこれら検出タイミング間での位相差を求め、前記求められた位相差について、前記基準信号の誤差または前記位相差略π/2[rad]の誤差を補正し、前記補正された後の位相差に基づいて、前記測定パルス波の検出タイミングから前記反射パルス波の検出タイミングまでの時間差を求め、前記時間差に基づいて、前記距離測定対象までの距離を求めることを特徴とする。
このように構成された本発明の請求項34に係る距離測定方法によれば、単一の基準信号に対して、未知の時間差を以て生じる2つのパルス信号の各発生タイミングおよびこれらの各発生タイミングとは略π/2[rad]の位相差に対応した時間差の遅延タイミングでそれぞれサンプリングし、各パルス信号の各タイミングごとに各基準信号の振幅を検出する。
そして、検出された各基準信号の振幅に基づいて、各発生タイミングに対応した各基準信号の位相を求めるとともに、これら求められたパルス信号の両発生タイミング間での位相差Δθを求め、両発生タイミング間での位相差Δθは、基準信号の周期Tsを用いて時間差Δtに変換することができ、この演算を行うことで、発生時間差Δtが未知の2つのパルス信号の当該発生時間差を求める。
ここで、検出された位相差について、基準信号の誤差または遅延タイミング設定用の遅延時間の誤差に起因した誤差を補正し、補正された後の位相差に基づいて発生時間差Δtを求める。
したがって、基準信号が振幅や位相差の誤差を有する場合にも、測定用パルス信号の発生タイミング間の時間差を高精度に測定することができる。
そして、上述した未知の時間差を以て生じる2つのパルス信号として、距離測定対象に向けて出射した測定パルス波の検出タイミングで生じたパルス信号と、この測定パルス波が距離測定対象で反射して戻った反射パルス波の検出タイミングで生じたパルス信号とを適用することにより、測定された時間差に基づいて、距離測定対象までの距離を高精度に測定することができる。
本発明に係る時間差測定装置によれば、1つの基準信号の誤差若しくは遅延タイミング用の位相差の誤差、または2つの基準信号間の誤差に起因して、検出された位相差に含まれた誤差を補正し、この補正された後の位相差に基づいて発生時間差Δtを求めるため、基準信号が振幅や位相差の誤差を有する場合にも、測定用パルス信号の発生タイミング間の時間差を高精度に測定することができる。
また、本発明に係る距離測定装置、距離測定方法によれば、上述した本発明に係る時間差測定装置によって、パルス信号間の時間差を高精度に求めることができるため、時間差に応じて算出される距離を高精度なものとすることができる。
以下、本発明に係る時間差測定装置並びに距離測定装置および距離測定方法についての最良の実施形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の時間差測定装置を一部の構成として備えた本発明に係る距離測定装置の一実施形態である測量装置100の構成を示す図である。
(実施例1)
図示の測量装置100は、距離測定対象(以下、測距対象という。)90に対してパルス状のレーザ光L1(測定パルス波)を出射する測定光出射手段10(測定パルス波出射手段)と、レーザ光L1が測距対象90で反射して得られた反射レーザ光L2(反射パルス波)を検出する反射光検出手段20(反射パルス波検出手段)と、測定光出射手段10からレーザ光L1が出射されたタイミングでパルス状のスタート信号M1(第1のパルス信号)を出力し、反射光検出手段20により反射レーザ光L2が検出されたタイミングでパルス状のストップ信号M2(第2のパルス信号)を出力し、スタート信号M1を出力したタイミングからストップ信号M2を出力したタイミングまでの時間差Δtを測定する時間差測定装置40と、時間差測定装置40により求められた時間差Δtに基づいて、測距対象90までの距離を求める距離換算部30(距離演算手段)と、この測距結果を可視的に出力する測距結果出力部50とを備えた構成である。
ここで、測定光出射手段10は、パルス状のレーザ光L1を出射する光源である半導体レーザ(PLD)11と、このPLD11から出射したレーザ光L1を測距対象90に向けて導光するレンズ等を含む出射光学系12とを備えた構成であり、PLD11から出射されるレーザ光L1は、比較的大きなピークパワーを有し、デューティ比が0.01%程度のパルス状のレーザ光である。
反射光検出手段20は、反射レーザ光L2を検出する受光素子21と、測距対象90からの反射レーザ光L2を受光素子21に導光する検出光学系22とを備えている。なお、受光素子21は、パルス状の反射レーザ光L2を検出することができる素子であればよく、例えばアバランシェ・フォトダイオード(APD)などが用いられる。
時間差測定装置40は、レーザ光L1の検出タイミングおよび反射レーザ光L2の検出タイミングで内部で出力された2つのパルス信号M1,M2間の出力時間差Δtを測定する。
この時間差測定装置40は、本発明に係る時間差測定装置の一実施形態であり、図2に示すように、互いにπ/2[rad]の位相差を有する2つの基準信号S1,S2を発生する基準信号発生部41(基準信号発生手段)と、2つのパルス信号M1,M2の各発生タイミングにおける2つの基準信号S1,S2の振幅A11(スタート信号M1の発生タイミングにおける基準信号S1の振幅),A12(スタート信号M1の発生タイミングにおける基準信号S2の振幅),A21(ストップ信号M2の発生タイミングにおける基準信号S1の振幅),A22(ストップ信号M2の発生タイミングにおける基準信号S2の振幅)を検出する振幅検出部42(振幅検出手段)と、得られた振幅A11,A12,A21,A22に基づいて、2つのパルス信号M1,M2の各発生タイミング間における基準信号S1(または基準信号S2)の位相差Δθを算出する位相差検出部43(位相差検出手段)と、位相差検出部43によって検出された位相差Δθについて、2つの基準信号S1,S2間の誤差または少なくとも一方の基準信号S1,S2の誤差に起因した当該検出された位相差の誤差を補正する補正部46(補正手段)と、2つのパルス信号M1,M2の各発生タイミングの概略の時間差taを検出する概略時間差検出部45(概略時間差検出手段)と、補正部46によって補正された後の位相差Δθおよび基準信号S1,S2の周期Ts並びに概略時間差検出部45によって検出された概略時間差taに基づいて、スタート信号M1とストップ信号M2との発生時間差Δtを算出する時間差算出部44(時間差算出手段)とを備えている。
そして、補正部46は、測定対象としてのパルス信号M1,M2(測定用パルス信号)に模した、発生タイミング間の時間差ΔTが等間隔の補正用パルス信号N1,N2を発生するサンプリングタイミング形成部46b(サンプリングタイミング形成手段)と、測定用パルス信号M1,M2が入力される実測定モードと補正用パルス信号N1,N2が入力される校正モードとを切り替えるモード切替部46a(モード切替手段)と、校正モードにおいて補正用パルス信号N1,N2が入力されたことにより位相差検出部43によって算出された、補正用パルス信号N1,N2の各発生タイミング間における位相差ΔΘと、既知の時間差ΔTとの対応関係に応じて、誤差を補正するための補正用データを生成する補正データ生成部46c(補正用データ生成手段)と、補正データ生成部46cによって生成された補正用データを記憶する補正データ記憶部46dと、補正データ記憶部46dに記憶された補正用データを用いて、実測定モードで得られた測定用パルス信号M1,M2の発生タイミング間の時間差Δtに対応した位相差Δθを補正演算処理する補正演算部46e(補正演算手段)とを備えている。
ここで、本実施形態における上記2つの基準信号S1,S2は、例えば、図3(a)に示す正弦波(A0sinθ;A0は最大振幅値を表す。)の基準信号S1と、この正弦波基準信号S1に対してπ/2の位相差を有する正弦波(A0sin(θ+π/2))に相当し、同図(b)に示す余弦波(A0cosθ)の基準信号S2とが適用されている。ただし、基準信号S1,S2は、これら正弦波および余弦波の信号の組合せに限定されるものではなく、互いにπ/2の位相差を有する関係にある周期関数の2つの信号であれば、他の如何なる信号の組合せであってもよい。
また、概略時間差検出部45は、基準信号S1,S2の1周期Ts程度の分解能で時間を検出することができるものであればよく、例えば、公知のパルスカウンタなどによって、基準信号S1またはS2のパルス数Pcを計数することにより概略時間差ta(=Pc×Ts)を検出するものなどを適用することができる。
測距結果出力部50は、測距結果を可視的に出力するものであれば、表示出力するモニタ等の表示装置であってもよいし、印刷出力するプリンタであってもよい。
ここで、時間差測定装置40による、スタート信号M1とストップ信号M2との発生時間差Δtの算出作用の原理について、図3を参照して概説する。
まず、時間差測定装置40の基準信号発生部41が図3(a)に示す正弦波信号S1と同図(b)に示す余弦波信号S2とを発生する。
次いで、時間差測定装置40は、PLD11からのレーザ光L1の出射タイミングで、図3(c)に示すスタート信号M1を発生し、振幅検出部42が、このスタート信号M1により両基準信号S1,S2をサンプルホールドし、サンプルホールドして得られた各基準信号S1,S2の振幅値A11,A12を検出する。
次に、位相差検出部43が、検出された振幅値A11,A12についての、基準信号発生時からの位相θstartを求める。すなわち、振幅値A11,A12は、図3(d)に示すように、これら基準信号発生時からの位相θstartを用いて、
A11=A0sinθstart (1)
A12=A0cosθstart (2)
と表されるところ、
A11/A12=tanθstart (3)
であるから、位相差検出部43は、スタート信号M1発生時の基準信号S1,S2の位相θstartを、
θstart=tan-1(A11/A12) (4)
により算出し、これを図示しない記憶領域に一時的に記憶させる。
一方、時間差測定装置40は、受光素子21による反射レーザ光L2の検出タイミングで、図3(c)に示すストップ信号M2を発生し、振幅検出部42が、このストップ信号M2により両基準信号S1,S2をサンプルホールドし、サンプルホールドして得られた各基準信号S1,S2の振幅値A21,A22を検出する。
次に、位相差検出部43が、検出された振幅値A21,A22についての、基準信号発生時からの位相θstopを求める。すなわち、振幅値A21,A22は、図3(d)に示すように、これら基準信号発生時からの位相θstopを用いて、
A21=A0sinθstop (5)
A22=A0cosθstop (6)
と表されるところ、
A21/A22=tanθstop (7)
であるから、位相差検出部42は、ストップ信号M2発生時の基準信号S1,S2の位相θstopを、
θstop=tan-1(A21/A22) (8)
により算出し、これを図示しない記憶領域に一時的に記憶させる。
そして、位相差検出部43は、記憶領域に記憶された2つの位相θstart,θstopを読み出し、
Δθ=θstop−θstart (9)
により、スタート信号M1の発生時とストップ信号M2の発生時との間の時間に対応した基準信号S1,S2についての位相差Δθを算出する。
ここで、両パルス信号M1,M2の時間差Δtが、基準信号S1,S2の1周期Tsよりも短いときは、両パルス信号M1,M2の時間差Δtは、上述した位相差Δθおよび周期Tsに基づいて、
Δt=(Δθ/2π)Ts (10)
により算出することができる。
しかし、位相差検出部43によって式(9)により算出される位相差Δθは、0[rad]〜2π[rad]の範囲内の値であるが、基準信号S1,S2は周期信号であるため、算出された位相差Δθには、2π[rad]以下のΔθの他、2π+Δθ,4π+Δθ,…も潜在的に含み、一般式2π(n−1)+Δθ(n;自然数)として表すことができる。
一方、算出すべき両パルス信号M1,M2の時間差Δtとしては、上記の一般式の第1項である位相差2π(n−1)[rad]も換算される必要があり、その自然数nを特定する必要がある。
そこで、両パルス信号M1,M2の時間差Δtが基準信号S1,S2の1周期(2π[rad])を超える場合であっても、概略時間差検出部45がこの基準信号S1,S2の1周期程度の分解能でこの時間差Δtを概略的に検出する。
そして、時間差算出部44が、概略時間差検出部45によって検出された概略時間差taを参照しつつ、位相差検出部43により検出された位相差Δθ(={Δθ,2π+Δθ,4π+Δθ,…,2π(n−1)+Δθ,…})に対応した式(10)の各時間差Δt(=(Δθ/2π)Ts)のうち概略時間差taに最も近い時間差を、求めるべき時間差Δtとして選択する。
このようにして時間差測定装置40によって求められた時間差Δtに対して、距離換算部30が、時間対距離の換算処理を行い、これによって、時間差Δtに対応した、測距対象90までの距離が求められ、求められた距離は、測距結果出力部50によって可視的に表示出力あるいは印字出力される。
以上が、本実施形態の距離測定装置100および時間差測定装置40による時間差Δtの基本的な測定原理であるが、実際の時間差測定装置40は個体差や経年変化等により、、2つの基準信号S1,S2間で、最大振幅がA0で完全に等しく、かつ位相差がπ/2[rad]を厳密に維持しているものとは限らず、最大振幅に僅かな差異(誤差)が生じたり、位相差がπ/2[rad]から僅かにずれていることがあり、このような誤差が生じたものでは、本来は図3(d)に示した真円周{(x,y)|x=A0cosθ,y=A0sinθ}上に存在すべき、2つの基準信号S1,S2の振幅値A11,A12の交点(x,y)=(A11,A12)が、この円周上から外れた位置に存在し、例えば図9の破線で示した楕円状の曲線上に存在することになる。
そして、実際には交点(x,y)が、そのような楕円(楕円の外周縁)状の曲線上に存在するにも拘わらず、真円の外周縁(円周)上に存在するものとして位相差Δθの演算を行うと、その位相差Δθに誤差を生じる。
すなわち、図10(a)に示した真円の円周上に交点が存在する本来の軌跡(x,y)=(cosθ,sinθ)であれば、同図(b)に示すように、原点(0,0)回りの位相θ(0≦θ≦2π[rad](360°))に対して、位相差Δθの誤差量は、常に0である。
一方、例えば図10(c)に示した楕円の周上に交点が存在する軌跡(x,y)=(cosθ,0.5sin(θ+60°))(基準信号S2が、最大振幅において1/2となり、かつ、60°の位相遅れを伴う誤差を有する。)であれば、同図(d)に示すように、原点(0,0)回りの位相θ(0≦θ≦2π[rad](=360°))に対する位相差Δθの誤差量は、位相θごとに異なる周期的な変動値を示す。
そこで、このような誤差を補正するのが、前述した補正部46である。補正部46は、実質的には、図9において破線で示した楕円状の曲線軌跡を二点鎖線で示した真円の円周に補正する処理を行うものであり、まず、得られた楕円状の曲線を表す関数式をフィッティングにより求める処理が行われる。
すなわち、発生時間差が未知の測定対象としての測定パルス信号M1,M2を検出するのに先立って、発生時間差ΔTが等時間間隔で、かつ、測定用パルス信号M1,M2に模した補正用パルス信号N1,N2,…を用いることにより、図11に示すように、基準信号S1,S2を補正用パルス信号N1,N2,…でサンプリングして振幅の組(A11′,A12′),(A21′,A22′),…を得、これらの振幅の組(A11′,A12′),(A21′,A22′),…に基づいて、各補正用パルス信号N1,N2、…の発生タイミング間の位相差ΔΘと、各補正用パルス信号N1,N2,…の発生時間差ΔT(等時間間隔;一定)との対応関係を特定する。
ここで、補正部46についてさらに詳細に説明する。補正部46は、モード切替部46aが、測定パルス信号M1,M2を測定する実測定モードから、補正用パルス信号N1,N2,…を測定する校正モードに切り替え、サンプリングタイミング形成部46bが、基準信号S1,S2に対する位相をずらしながら、等時間間隔の周期ΔTの間隔で、多数の補正用パルス信号N1,N2,…を発生し、振幅検出部42が、図11に示すように、各補正用パルス信号Nの発生タイミングごとに、振幅検出部42が基準信号S1,S2をサンプリングして、各発生タイミングごとに基準信号S1,S2の振幅の組(A11′,A12′),(A21′,A22′),…を求める。
これら振幅の組(x,y)=(A12′,A11′),(A22′,A21′),…による交点を順次結ぶと、例えば図12に示すような楕円状の曲線上に交点が並ぶ。そして、位相差検出部43が、これらの交点ごとの位相Θ、すなわち各タイミングごとの位相Θと、時系列的に隣接する発生タイミング間での位相Θの差ΔΘとを求めて、補正データ生成部46cに出力する。
補正データ生成部46cは、これらの位相Θや位相差ΔΘと、等時間間隔の時間差ΔTとの対応関係に基づいて、基準信号S1,S2の誤差を補正するための補正用データを生成し、生成された補正用データは補正データ記憶部46dに記憶され、モード切替部46aがモードを校正モードから、実測定モードに切り替え、この実測定モードにおいて、測定パルス信号M1,M2を測定した際に、位相差検出部43で得られた位相差Δθを、補正演算部46eが、補正データ記憶部46dに記憶された補正用データを用いて補正する。
補正データ生成部46cによる補正用データの生成処理について、以下に詳細に説明する。まず、一つの生成方法は、図12に示した楕円状の曲線と、本来描かれるべき真円周との対応関係に基づくものであり、これは、楕円状の曲線を関数として特定することにより行われる。
図12に示した楕円状の曲線の関数を以下のように設定し、各係数を求める。
f(x,y)=ax2+hxy+by2+cx+dy+e=0 (11)
まず、図13(a)に示すように、x軸に平行な2本の接線(∂f(x,y)/∂x=0)を求め、これらの接線と曲線f(x,y)との交点をそれぞれ求める。そして、両交点を結ぶ直線Lxを求める。
ここで、直線Lxは、
∂f(x,y)/∂x=2ax+hy+c=0 (12)
である。
同様に、図13(b)に示すように、y軸に平行な2本の接線(∂f(x,y)/∂y=0)を求め、これらの接線と曲線f(x,y)との交点をそれぞれ求める。そして、両交点を結ぶ直線Lyを求める。
ここで、直線Lyは、
∂f(x,y)/∂y=hx+2by+d=0 (13)
である。
次に、両直線Lx,Lyの交点を求める。この交点は、式(12),(13)の連立方程式の解であり、
2−4ab≠0 (14)
のとき、
(x,y)=(α,β) (15)
なる解を持つ。このとき、式(15)で表された解は、この楕円状の曲線の中心となる(図14参照)。
次に、式(15)に示した交点位置が原点O(0,0)となるように、xy座標系をXY座標系に変換する(図14)。このときxy座標系において式(11)で表されたf(x,y)は、XY座標系において、
f(X,Y)=aX2+hXY+bY2+k=0 (16)
(ただし、k=f(α,β)である。)
と表され、楕円状の曲線f(X,Y)は、図15に示すように表される。
ここで、基準信号S1の最大振幅を求める。すなわち、式(16)をXについて偏微分して、その偏微分値∂f(X,Y)/∂Xが0(ゼロ)となるときの値Xは、
∂f(X,Y)/∂X=2aX+hY=0 (17)
より、
X=−(h/2a)Y (18)
となる。したがって、最大振幅Ymax(=Asin)は、式(16)に式(18)を代入し、
Ymax=±{k/(h2/(4a)−b)}1/2 (19)
が導かれる。
一方、基準信号S1とS2との位相差は、式(16)において、X=0(基準信号S2としての余弦波信号が0)のときの正弦波信号の振幅(図15において楕円状の曲線がY軸に接するY接辺)を求めて、基準信号S1としての正弦波信号の最大振幅値(式(19))との比に基づいて、得ることができる。
すなわち、Y接辺は、
f(X,Y)=bY2+k=0 (20)
より、
X=0=±(−k/b)1/2 (21)
と求められる。
したがって、余弦波信号S2との位相差θsin(=Θ)は、
θsin=sin-1{(−k/b)1/2/(k/(h2/4a−b))1/2} (22)
と求められる。
ここで、正弦波信号S1と余弦波信号S2とは、物理的に90[°](=π/2[rad])の位相差を有する信号であるから、
Δθsin=π/2−θsin (23)
と表される位相差Δθsinが、2つの基準信号S1,S2間で、π/2の位相差からの位相のずれを表す。
以上の関係は、図16に示すように、正弦波信号S1の最大振幅が本来設定されたA0とは異なる値(式(19))となり、余弦波信号S2に対する正弦波信号S1の位相差が本来設定されたπ/2からずれた(式(22))状態であることを示しており、このすれ量等の誤差を定量化したものであり、これが補正用データとして、補正データ記憶部46dに記憶される。
また、説明は省略したが、正弦波信号S1の最大振幅を式(17)〜(19)により求めたのと同様に、余弦波信号S2の最大振幅についても、本来設定されたA0とは異なる値となり得るため、式(16)をYについて偏微分して、その偏微分値∂f(X,Y)/∂Yが0(ゼロ)となるときの値Yを求め、式(16)に代入して最大振幅Xmax(=Acos)を求められる。
また、正弦波信号S1や余弦波信号S2を補正用パルス信号Nによってサンプリングして得られた振幅を縦軸に、サンプリング間隔を横軸にプロットすると、例えば図17に示すように、正弦波信号S1の振幅は正弦波上に、余弦波信号S2の振幅は余弦波上に存在するはずであるが、点f3やf4のように、正弦波上や余弦波上から外れたものは、同図に示した通り、各点f3またはf4をそれぞれ通り、振幅方向に延長した直線と、正弦波または余弦波との交点f3′,f4′に、各点f3,f4をずらせて、バラツキを補正するようにしてもよい。
補正用パルス信号Nの発生時間間隔ΔTを等時間間隔としたものでは、上述した振幅検出段階でのバラツキの抑制方法の他、例えば図18に示すように、補正用パルス信号を用いて検出した振幅に基づいて、位相差検出部43で算出された位相を、時間経過とともに加算して、経過時間Tを横軸、算出された累積位相を縦軸としてプロットすれば、本来は、横軸方向のプロット間隔は等間隔(時間間隔ΔT)であり、縦軸方向のプロット間隔も等間隔となるべきであるから、同図の破線で示すように、プロットは、一次式(傾き一定)で近似される。
この一次式からのずれが、基準信号S1,S2の振幅差および位相差π/2からのずれを含めた、真の値からの誤差を表している。この値から、補正データを求めることができる。
このように、本実施形態における時間差測定装置40の補正部46は、測定用パルス信号M1,M2に模した、発生タイミング間の時間差ΔTが等時間間隔の補正用パルス信号N1,N2,…を発生するサンプリングタイミング形成部46b(サンプリングタイミング形成手段)と、測定用パルス信号M1,M2が入力される実測定モードと補正用パルス信号N1,N2が入力される校正モードとを切り替えるモード切替部46a(モード切替手段)と、校正モードにおいて補正用パルス信号N1,N2が入力されたことにより位相差検出部43によって算出された、補正用パルス信号N1,N2の各発生タイミング間における位相差ΔΘと、等時間間隔の時間差ΔTとの対応関係に応じて、誤差を補正するための補正用データを生成する補正データ生成部46c(補正用データ生成手段)と、補正データ生成部46cによって生成された補正用データを記憶する補正データ記憶部46dと、補正データ記憶部46dに記憶された補正用データを用いて、実測定モードで得られた測定用パルス信号M1,M2の発生タイミング間の時間差Δtに対応した位相差Δθを補正演算処理する補正演算部46e(補正演算手段)とを備えている。
そして、上述した作用により、実測定モードにおいて検出され、補正部46の補正演算部46eにより補正された後の、2つの測定用パルス信号M1,M2間の発生時間差Δtに相応した位相差Δθが、時間差算出部44に入力され、時間差算出部44は、入力された補正後の位相差Δθに基づいて、この位相差に対応した時間差Δtを算出する。
そして、時間差測定装置により測定された時間差Δtは、距離換算部30(図1参照)に入力され、距離換算部30は、入力された時間差Δtに基づき、下記式(25)により、測距対象90までの距離Dを算出する。なお、式(25)において定数cは光速[m/sec]を表す。
D=cΔt/2 (25)
以上のようにして、測定された測距対象90までの距離Dは、測距結果出力部50により出力され、この測量装置100の使用者は距離Dを把握することができる。
なお、測距結果出力部50は、測距結果としての測距対象90までの距離Dを数値情報として表示する表示装置等であるが、この距離Dの他に、この測量装置100の各種設定情報等も併せて表示してもよい。
このように、本実施形態の時間差測定装置40および測量装置100によれば、ひと組のスタート信号M1およびストップ信号M2の各発生タイミングごとの基準信号S1,S2の実測定を、ただ1回ずつ行うだけで、両信号M1,M2の発生時間差を精度よく求めることができ、時間差および距離の測定の迅速化を図ることができる。
また、補正部46が、位相差検出部43によって検出された位相差について、2つの基準信号S1,S2間の誤差または少なくとも一方の基準信号S1またはS2の誤差に起因して当該位相差に含まれた誤差を補正し、時間差算出部44は、この補正部46によって補正された後の位相差に基づいて発生時間差Δtを求めるため、基準信号S1,S2が最大振幅や両基準信号S1,S2間の位相差(π/2[rad])に誤差がある場合にも、測定用パルス信号M1,M2の発生タイミング間の時間差を高精度に測定することができる。
また、基準信号S1,S2として正弦波信号および余弦波信号という位相差がπ/2であるものが適用されていることにより、直接検出された値(振幅値)の比をとって、その比のarctanを算出すれば位相θを算出することができ、2つの位相差から位相差Δθを検出することができる。
そして、arctanから計算される位相は、その時間的変化量が常に一定になるため、基準信号に対する2つのパルス信号の発生タイミングに拘わらず、一定の分解能および検出感度を得ることができる。
また、上述した実施形態は、正弦波および余弦波の各基準信号S1,S2を、等時間間隔で発生するクロックによりサンプリングして、このサンプリングの結果得られた各基準信号S1,S2の振幅の組合せからなる振幅組を二次元座標系に表現したとき、これらの振幅組のプロットを結んで得られる楕円周状の曲線(図12)を、原点を中心とする真円周状の曲線に変換するのに必要な補正内容を求めることで、あるいは、図19に示すように、等時間間隔ΔTで発生したクロック信号Nにより基準信号S1,S2をサンプリングすることで得られた位相差(累積位相差)と、理想的な位相差(累積位相差)が配列される直線との対応関係に基づいて補正用データを生成しているが、本発明の時間差測定装置、距離測定装置は、この形態に限定されるものではない。
例えば、補正用データの他の生成方法の一例として、図20に示す方法を適用することもできる。すなわちこれらの基準信号S1,S2よりも発生周期が長く、かつ等時間間隔で発生するクロック信号Ci(時系列的にC0,C1,…,C10,…)により、基準信号S1,S2をサンプリングする。
図22においては、クロック信号の発生の周期が、基準信号の発生の周期の1.3倍に設定されている。なお、このクロック信号Ciは、基準信号S1,S2と同期しているものであってもよいし、同期していないものであってもよい。
クロック信号Ciによる各サンプリング点において検出された各基準信号S1,S2の振幅に基づいて、時系列的に隣接したクロック信号間(C0〜C1,C1〜C2,…,C9〜C10,…)に対応した位相差Δθを求める。
クロック信号Ciの発生間隔は一定であるため、算出される位相差Δθは、本来は一定値であるが、既述の誤差等によって、図21に示すように、必ずしも一定値とはならずにばらつきが発生しうる。
そこで、これら誤差を有する位相差Δθの平均値Δθm[rad]を算出し、基準信号S1,S2の周波数をfTCXOとすると、クロック信号Cの周波数fcは、
fc=2π×fTCXO/Δθm
により算出される。
そして、図22に示すように、横軸に真の位相(真の位相の1周期T=1/fTCXO)、縦軸に測定された位相をそれぞれ割り当てて前述したサンプリング点C0〜C9の各間に対応する位相差Δθをプロットする(2π[rad]を上回った位相範囲については、2π[rad]の整数倍を減算して2π[rad]未満の位相としてプロットする)と、例えば同図に示すS字状の曲線で示される対応テーブルを得ることができる。
図22において、相対的に大きいサイズの○点は、サンプリング点C0〜C9に対応する位相θ(あるいは位相差Δθ)を示す。C10以後のサンプリング点に対応したプロットは、クロック信号Ciが基準信号S1,S2と同期しているものである場合には、既に測定されたいずれかのサンプリング点の真の位相(横軸方向の値)と一致する。例えば、C10はC0と横軸上の位置が重なり合い、C11はC1と横軸上の位置が重なり合う。
一方、クロック信号Ciが、基準信号S1,S2と同期しないものである場合には、既に測定されたいずれかのサンプリング点の真の位相(横軸方向の値)と一致せず、図22において相対的に小さいサイズの○点で表された位置にプロットされる。
以上のように、0〜2π[rad]の範囲には、このプロットの集積によって、補正用データとしての対応テープルが形成される。
そして、このように求められた補正用データは、そのまま補正に用いることができる。すなわち、測定された位相θstart,θstopにそれぞれ対応する真の位相θstart-1,θstop-1を、予め設定された対応テーブル(補正用データ;図23参照)に基づいて、求めることができる。
そして、得られた真の位相θstart-1,θstop-1および基準信号S1,S2の周波数fTCXOに基づいて、時間差Tは下記式により算出することができる。
T=((θstop-1−θstart-1)/2π)×(1/fTCXO
以上の補正内用の求め方は、クロック信号Ciが、基準信号S1,S2と同期するものであっても、同期しないものであっても、いずれの場合にも適用可能であるが、同期する場合にのみ適用可能な求め方について説明する。
まず、図24に示すように、基準信号S1,S2よりも発生周期が短く、かつ等時間間隔で発生するクロック信号により、基準信号S1,S2をサンプリングする。なお、このクロック信号は、基準信号S1,S2と同期しているものであり、基準信号S1,S2の1周期の間に、等時間間隔で100個のクロック信号が発生し、各基準信号S1,S2からそれぞれ100個のサンプリングデータを得るものとする。
このとき、時系列的に隣接するクロック間の時間間隔に対応した基準信号S1,S2の真の位相差Δθは、(2π/100)[rad]である。
一方、サンプリングして得られた基準信号S1,S2の各振幅に基づいて算出された測定位相差Δθには、前述したように誤差が含まれているため、必ずしも一定値を示さず、図22と同様に、横軸に真の位相(時系列的に隣接するクロック間の時間間隔に対応した位相差(2π/100)[rad])、縦軸に測定された位相をそれぞれ割り当てて前述した100点のサンプリング点の各間に対応する位相差Δθをプロットすると、このプロットの集積によって、0〜2π[rad]の範囲には、例えば図25に示すS字状の曲線で示される、補正用データとしての対応テープルを得ることができる。
そして、このように求められた補正用データは、そのまま補正に用いることができる。すなわち、測定された位相θstart,θstopにそれぞれ対応する真の位相θstart-1,θstop-1を、予め設定された対応テーブル(補正用データ;図25参照)に基づいて、求めることができる。
そして、得られた真の位相θstart-1,θstop-1および基準信号S1,S2の周波数fTCXOに基づいて、時間差Tは下記式により算出することができる。
T=((θstop-1−θstart-1)/2π)×(1/fTCXO
また、測定光出射手段10および反射光検出手段20としては、例えば図4に示す構成を適用することができる。
図示の光学系は、出射光学系12と検出光学系22とが機能的に兼用された構成であり、PLD11から出射されたレーザ光L1を反射して受光素子(APD)21に導くミラー14と、レーザ光L1を測距対象90に向けて導光するとともに、測距対象90からの反射レーザ光L2を受光素子21に導くプリズム13およびレンズ15とを備えた構成である。
なお、図示の構成は一例に過ぎず、本発明に係る時間差測定装置、距離測定装置は、このような構成のものに限定されるものではない。
また、時間差測定装置40の具体的な制御系としては、例えば図5に示す構成を適用することができる。
図示の制御系は、モード切替部(Sellector)46gによって、まず校正モードに切り替えられる。
まず、校正モードでは、モード切替部46gが、パルス検出器42aからの入力を遮断しつつ、後述する第2の分周器(Div)11cからの入力を許容し、発振回路(TXCO)41aから出力された15[MHz]のパルスに基づいて、正弦波(Sin)生成部41bおよび余弦波(Cos)生成部41cがそれぞれ、位相がπ/2だけずれた正弦波の基準信号S1、余弦波の基準信号S2を発生し、これらの基準信号S1,S2は対応するバンドパスフィルタ(BPF)42b,42bにより帯域制限される。
一方、発振回路(TXCO)41aから出力された15[MHz]のパルスは、第1の分周器(Divider)11aにより1/99に分周されて151.51[kHz]となり、シンセサイザ(SYH)11bにより100倍に逓倍されて15.151[MHz]となり、この100周期目と、15[MHz]の出力パルスの99周期目とが、位相差0で同期する。
シンセサイザ11bにより逓倍された15.151[MHz]の信号は、さらに第2の分周器(Div)11cにより1/(23×77)に分周され、この分周された出力パルスは、パルスの出射時間間隔が既知のΔTであり、この出力パルスが補正用パルス信号N1,N2,…として、モード切替部46gに入力され、この補正用パルス信号Nの発生タイミングで、A/D変換器(A/D)42c,42cが、帯域制限された基準信号S1,S2をそれぞれ少なくとも6組以上サンプルホールドし、そのサンプルホールドされた値、すなわち振幅値の組(A11,A12)、(A21,A22)、(A31,A32)、(A41,A42)、(A51,A52)、(A61,A62)、…が、CPU44aに入力される。
ここで、6組以上の振幅値の組を必要とするのは、式(11)のf(x,y)を特定する定数a,b,c,d,e,hを定めるためである。
CPU44aは、補正用データ生成部46cとして、入力された6組以上の振幅値の組に基づき、前述した手順により、補正用データを生成し、生成された補正用データを、補正用データ記憶部46dとして機能するメモリ46fに記憶する。
なお、CPU44aに接続されたRAM44bには、演算式やその他の諸定数等が記憶されている。
次に、実測定モードでは、モード切替部46gが、パルス検出器42aからの入力を許容し、発振回路(TXCO)41aから出力された15[MHz]のパルスに基づいて、正弦波(Sin)生成部41bおよび余弦波(Cos)生成部41cがそれぞれ、位相がπ/2だけずれた正弦波の基準信号S1、余弦波の基準信号S2を発生し、これらの基準信号S1,S2は対応するバンドパスフィルタ(BPF)42b,42bにより帯域制限される。
発振回路(TXCO)41aから出力された15[MHz]のパルスは、第1の分周器(Divider)11aにより1/99に分周されて151.51[kHz]となり、シンセサイザ(SYH)11bにより100倍に逓倍されて15.151[MHz]となり、この100周期目と、15[MHz]の出力パルスの99周期目とが、位相差0で同期する。
そして、シンセサイザ11bにより逓倍された15.151[MHz]の信号は、さらに第2の分周器(Div)11cにより1/(23×77)に分周され、この分周された出力パルスは、ドライバ(DRIVER)11dに入力され、このドライバ11dがPLD11を駆動し、PLD11がパルス状のレーザ光L1を出力することとなる。
したがって、PLD11からは、およそ8.5[kHz]の周波数でパルス状のレーザ光L1が繰返し出射され、この繰返しの出射に伴って、反射レーザ光L2が繰返し検出されて、複数回のスタート信号M1およびストップ信号間の時間差を測定することができ、このような複数回の測定により、測定結果の信頼性を向上させることができる。
受光素子(APD)21により検出されたレーザ光L1および反射レーザ光L2に基づいてパルス検出器(Pulse Det)42aが生成したスタート信号M1およびストップ信号M2の発生タイミングで、A/D変換器(A/D)42c,42cが、帯域制限された基準信号S1,S2をそれぞれサンプルホールドし、そのサンプルホールドされた値、すなわち振幅値A11,A12および振幅値A21,A22が、CPU44aに入力される。
そして、補正演算部46eとして機能するCPU44aが、メモリ46fから補正用データを読み出し、この読み出された補正用データを用いて、入力されたサンプルホールド値(振幅値)に対する位相を補正処理し、この補正後の位相に基づいて位相差を算出し、得られた位相差に基づいて、実測定されたスタート信号M1からストップ信号M2までの発生時間差Δtを求める。
一方、発信回路41aの出力パルスはパルスカウンタ(CNTR)45aにも入力され、このパルスカウンタ45aは、パルス検出器42aによるスタート信号M1の発生タイミングからストップ信号M2の発生タイミングまでの間に入力された出力パルスのパルス数を計数し、この計数結果はCPU44aに入力され、CPU44aによる概略時間差taの算出に供される。
これにより、CPU44aは、基準信号S1,S2の1周期を超える発生時間差Δtであっても、概略時間差taと高分解能の発生時間差Δtとに基づいて、高精度に、当該時間差Δtを求めることができる。
図5に示したものは、基準信号S1(または基準信号S2)とスタート信号M1とを同期させる構成の制御系であるが、これらの信号は必ずしも同期するものである必要はなく、両信号S1(またはS2),M1は全く同期しないもの、すなわち両信号S1(またはS2),M1が、例えば図6に示すように、互いに独立した2つの発信回路から個別に出力された信号にのみ依存し、相互には依存しない完全非同期のものであってもよい。
なお、本発明に係る時間差測定装置および距離測定装置は、時間差を有して発生する2つのパルス信号を、実測定モードで、それぞれ1回ずつ検出するだけで、これら2つのパルス信号間の時間差を精度よく測定することができるものであるが、実際の測定に際しては、測定を複数回行い、得られた複数の測定結果の平均値を求めたり、標準偏差等を算出して、測定結果の信頼性を高めるのが好ましい。
なお、図5に示したものは、基準信号S1(または基準信号S2)とスタート信号M1あるいは補正用パルス信号Nとを同期させる構成の制御系であるが、これらの信号は必ずしも同期するものである必要はなく、これらの信号S1(またはS2),M1,Nは全く同期しないもの、すなわち両信号S1(またはS2),M1,Nが、例えば図6に示すように、互いに独立した2つの発信回路から個別に出力された信号にのみ依存し、相互には依存しない完全非同期のものであってもよい。
この図6に示した制御系は、基準信号S1,S2を生成する制御系と、PLD11がレーザ光L1を出射させる制御系(測定用パルス信号の生成系)および補正用パルス信号Nを生成する制御系とが完全に分離独立したものであり、基準信号S1,S2を生成する制御系は図5に示した制御系と同一であるのに対し、PLD11がレーザ光L1を出射させる制御系および補正用パルス信号Nを生成する制御系は、発信回路41aとは別個独立のオシレータ(OSC)11eの出力パルスに依存し、実測定モードでは、このオシレータ11eから出力された出力パルスが分周器(Div)11fにより分周され、この分周された出力パルスに基づいて、ドライバ(DRIVER)11gがPLD11を駆動し、基準信号S1またはS2のタイミングとは全く無関係のタイミングで、PLD11からレーザ光L1が出力される。
一方、校正モードでは、基準信号S1またはS2のタイミングとは全く無関係のタイミングで、補正用パルス信号Nが出力される。
そして、このように構成された制御系を有する時間差測定装置、距離測定装置であっても、複数回の測定により、測定結果の信頼性を向上させることができる。
また、本実施形態に係る測量装置100は、光源として半導体レーザを適用したものとして説明したが、本発明に係る距離測定装置においては、この光源の態様に限定されるものではなく、他の種類のレーザ光を出射する光源や、レーザ光以外の光を出射する光源、あるいは、光以外のマイクロ波等の測定波を発生する測定波出射源を適用することができ、これらを適用した場合にも、本実施形態と同様の作用を奏し、同様の効果を発揮することができる。
本実施形態の測量装置100における時間差測定装置40は、2つの基準信号S1,S2間の誤差または少なくとも一方の基準信号S1またはS2の誤差に起因した誤差を補正する補正部46として、測定用パルス信号M1,M2に模した、発生タイミング間の時間差が等時間間隔の補正用パルス信号Nを発生するサンプリングタイミング形成部46bと、測定用パルス信号M1,M2が入力される実測定モードと補正用パルス信号Nが入力される校正モードとを切り替えるモード切替部46aと、校正モードにおいて補正用パルス信号Nが入力されたことにより位相差検出部43によって算出された、補正用パルス信号Nの各発生タイミング間における位相差と、等時間間隔の時間差との対応関係に応じて、誤差を補正するための補正用データを生成する補正用データ生成部46cと、補正用データ生成部46cによって生成された補正用データを記憶する補正データ記憶部46dと、補正データ記憶部46dに記憶された補正用データを用いて、実測定モードで得られた測定用パルス信号の発生タイミング間の時間差に対応した位相差を補正演算処理する補正演算部46eとを備えた構成を採用することにより、実際に測定を行う実測定モードの他に、補正データ記憶部に記憶させる補正用データを生成するための校正モードも備えており、校正モードと実測定モードとはモード切替手段によって択一的に選択され、実際の時間差の測定を行う前段階において、校正モードに切り替えて、補正用パルス信号を発生して新たな補正用データを作成することによって、補正データ記憶部46dに記憶された補正用データを最新の補正用データに更新することができるため、時間差測定装置40の個体差に起因して測定結果に与える影響を解消することができるとともに、時間差測定装置40の経年変化等使用環境などに起因した影響についても解消することができる。
また、校正処理も自己完結で行うことができる。すなわち、校正モードにおける処理の際、他の外部装置(補正用パルス信号を発生する装置等)を別途用意する必要がないため、外部装置がない場所でも、校正を行うことができる。
なお、補正部46としては、サンプリングタイミング形成部46bを備えずに、発生時間差測定対象のパルス信号である測定用パルス信号が入力される実測定モードと、測定用パルス信号M1,M2に模して発生した、発生タイミング間の時間差が既知の補正用パルス信号Nが入力される校正モードとを切り替えるモード切替部46aと、校正モードにおいて補正用パルス信号Nが入力されたことにより位相差検出部43によって算出された、補正用パルス信号Nの各発生タイミング間における位相差と、既知の時間差との対応関係に応じて、誤差を補正するための補正用データを生成する補正用データ生成部46cと、補正用データ生成部46cによって生成された補正用データを記憶する補正データ記憶部46dと、補正データ記憶部46dに記憶された補正用データを用いて、実測定モードで得られた測定用パルス信号M1,M2の発生タイミング間の時間差に対応した位相差を補正演算処理する補正演算部46eとを備えた構成を採用することもできる。
すなわち、図2に示した構成のうち、サンプリングタイミング形成部46bについては、時間差測定装置40または測量装置100(距離測定装置)が直接備えるものではなく、このサンプリングタイミング形成部46bによる、時間差が既知の補正用パルス信号の送出を、時間差測定装置40または測量装置100に接続等されて用いられる外部の装置によって行われるものとすることもできる。
このように、校正用の時間差が既知のパルス信号を発生させるもの(サンプリングタイミング形成部)が備えられていないため、そのような校正用のパルス信号を発生する構成まで備えた時間差測定装置40、測量装置100に比べて、構成を簡略化することができる。
また、補正部46としては、上述した補正用データを生成する校正モードも備えずに、誤差を補正するための補正用データを記憶した補正データ記憶部46dと、補正データ記憶部46dに記憶された補正用データを用いて補正演算処理を行う補正演算部46eとを備えた構成を採用することもできる。
このように、校正モードを備えないことによって、そのような校正モードを有する時間差測定装置40、測量装置100に比べて、構成をさらに簡略化することができる。
なお、上述したいずれの補正部46であっても、補正データ記憶部46dに記憶された補正用データは、離散したサンプリング点におけるデータであり、発生時間差Δtを求めるに際して、対応するサンプリング点のデータが補正データ記憶部46dに記憶されていない場合もある。
例えば、図10(c)に示した楕円の周上に、振幅値の交点が存在する軌跡(x,y)を呈する誤差を有する場合、原点(0,0)回りの位相θ(0≦θ≦2π[rad](=360°))に対する位相差Δθの誤差量が、図19(a)に示すように、位相θごとに異なる周期的な変動値を示すが、補正しようとするサンプリング点が、例えばZ部の既存サンプリング点θn、θn+1の間にあって、補正用データが存在しない場合には、同図(b)に示すように、既存サンプリング点のデータ(θ,Δθ)=(θn,εn),(θn+1,εn+1)を用いて、補正部46が、補間処理あるいはフィッティング処理により、これら両サンプリング点の間の必要サンプリング点のデータ(θA,εA)を生成すればよい。
補間処理としては、例えば、一次線形補間処理を適用して、
εA=εn+(εn+1−εn)(θA−θn)/(θn+1−θn) (26)
により求めることができる。なお、補間処理としては、上述した一次補間の他に、二次以上の高次の補間処理(三次スプライン補間処理等)を適用してもよいし、また他のフィッティング処理を適用してもよい。
また、上述した実施形態は、図11に示したように、補正用パルス信号Nの周期(発生時間間隔)が基準信号S1,S2の周期Tsよりも短いものとして説明したが、本発明の時間差測定装置、距離測定装置は、この実施形態に限定されるものではなく、補正用パルス信号Nの周期(発生時間間隔)が基準信号S1,S2の周期Tsよりも長いものであってもよい。
(変形例1)
上述した各実施形態は、基準信号発生部41が例えば図5に示すように正弦波信号という第1の基準信号S1と、余弦波信号という第2の基準信号S2とを、各別に生成して、それぞれを各別に出力する構成であるが、例えば図26に示すように、基準信号発生部41は余弦波生成部(Cos)41cを備えず、正弦波生成部(Sin)41bが発生した正弦波の基準信号S1に対して、基準信号S1における位相差π/2[rad]((π/2)[rad]×(2n−1);n=1,2,…)に相当する時間だけ遅延させる処理を施す遅延回路42dを備えた構成を採用することもできる。
すなわち、基準信号発生部41は、原始的に一つの基準信号(正弦波信号)S1のみを生成するものであるが、遅延回路42dが、この原始的に生成された基準信号S1に対して基準信号S1における位相をπ/2[rad]だけ遅延させて新たな基準信号を生成する。
この新たに生成された基準信号は、基準信号すなわち正弦波信号に対して、π/2[rad]の位相差を有するため、余弦波信号S2となる。
そして、正弦波信号S1と余弦波信号S2とが出力されることにより、実質的に、図5に示した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、このように、2つの基準信号のうち一方がオリジナルであり、他方はこのオリジナルに基づいて生成されたものであれば、両基準信号間で、例えば振幅の差など信号波形の差異が生じにくく、振幅に応じた位相の演算の際の誤差を抑制することができる。
このような遅延回路42dを用いた構成を、例えば図6に示した実施形態に適用すると、例えば図27に示す構成となり、この構成の実施形態によれば、実質的に、図6に示した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(実施形態2)
上述した実施例1としてそれぞれ説明した形態は、基準信号が2つである場合であって、両基準信号間の位相差が略π/2[rad]であり、両基準信号を同時に(同一のタイミングで)サンプリングする形態であるが、本発明に係る時間差測定装置および距離測定装置は、この形態に限定されるものではなく、実質的に、この形態と同一視できる構成を適用することもできる。
すなわち、互いに位相差を有する2つの基準信号を同時にサンプリングして一組のサンプリング値(振幅値)を得るのではなく、1つの基準信号を、上記位相差に対応した時間差を有する2つのタイミングでサンプリングして一組のサンプリング値を得るようにしてもよい。
例えば、図26に示した実施形態に対応させた形態を図28に示す。図示の実施形態は、校正モードでは、モード切替部46gが、パルス検出器42aからの入力を遮断しつつ、後述する第2の分周器(Div)11cからの入力を許容し、発振回路(TXCO)41aから出力された15[MHz]のパルスに基づいて、正弦波(Sin)生成部41bが正弦波の基準信号S1を発生し、この基準信号S1は対応するバンドパスフィルタ(BPF)42bにより帯域制限される。
一方、発振回路(TXCO)41aから出力された15[MHz]のパルスは、第1の分周器(Divider)11aにより1/99に分周されて151.51[kHz]となり、シンセサイザ(SYH)11bにより100倍に逓倍されて15.151[MHz]となり、この100周期目と、15[MHz]の出力パルスの99周期目とが、位相差0で同期する。
シンセサイザ11bにより逓倍された15.151[MHz]の信号は、さらに第2の分周器(Div)11cにより1/(23×77)に分周され、この分周された出力パルスは、パルスの出射時間間隔が既知のΔTであり、この出力パルスが補正用パルス信号N1,N2,…として、モード切替部46gに入力され、この補正用パルス信号Nの発生タイミングで、A/D変換器(A/D)42cが、帯域制限された基準信号S1をサンプルホールドする。
また、モード切替部46gに入力された出力パルスN1(N2)は、遅延回路42d′により、基準信号S1における位相π/2[rad]だけ遅延されて、この遅延された出力パルスN1′(N2′)が、A/D変換器(A/D)42cに入力されて、帯域制限された基準信号S1をサンプルホールドする。
この遅延回路42d′は、入力された信号(補正用パルス信号N(N1,N2,…)や、スタート信号M1、ストップ信号M2等)を、基準信号S1における位相差π/2[rad]に相当する時間だけ遅延させるパルス遅延手段であり、A/D変換器42c(振幅検出部42)は、図30に示すように、最初のタイミング(発生タイミング;時刻t1)と、このタイミングと対応した、π/2[rad]だけ遅延して得られたタイミング(遅延タイミング;時刻t1′=t1+Δt1(Δt1=Ts/4))との2つのタイミングでそれぞれサンプルホールドされた値、すなわち振幅値の組(A11′,A12′)を、CPU44aに入力する。
同様に、発生タイミング(時刻t2)と、このタイミングと対応した遅延タイミング(時刻t2′=t2+Δt2(Δt2=Ts/4))との2つのタイミングでそれぞれサンプルホールドされた値、すなわち振幅値の組(A21′,A22′)が、CPU44aに入力される。
このように、発生タイミングにおいてサンプリングされた振幅値を正弦波信号S3上の値であるとすれば、遅延タイミングにおいてサンプリングされる振幅値は、正弦波信号S3とはπ/2[rad]だけ位相が遅れた信号、すなわち余弦波信号上の値として把握することができ、発生タイミングにおいてサンプリングして得られた振幅値A11′を縦軸に、遅延タイミングにおいてサンプリングして得られた振幅値A12′を横軸にそれぞれ表すと、これら互いに対応するタイミングにおける振幅値の組(A11′,A12′)は、図30(c)に示すように表現されるが、この2次元座標上での表現は、図3(d)、図8に示した2つの基準信号(位相差π/2[rad])を用いた表現と実質的に同一となる。
そして、他の構成部分は、図5あるは図26に示した実施形態における同一符号の構成部分と同一であり、その作用も実質的に同一であるから、これら図5あるいは図26に示した実施形態と同一の効果を発揮させることができる。
なお、図5や図26の実施形態において適用可能の変形例等は、図28に示した実施形態においても、すべて適用可能である。
図28の実施形態と同様に、図27に示した実施形態に対応させた形態を図29に示す。この実施形態も、遅延回路42d′が、入力された信号(補正用パルス信号N(N1,N2,…)や、スタート信号M1、ストップ信号M2等)を、基準信号S1における位相差π/2[rad]に相当する時間だけ遅延させるパルス遅延手段であり、A/D変換器42c(振幅検出部42)は、図30に示すように、最初のタイミング(発生タイミング;時刻t1)と、このタイミングと対応した、π/2[rad]だけ遅延して得られたタイミング(遅延タイミング;時刻t1′=t1+Δt1(Δt1=Ts/4))との2つのタイミングでそれぞれサンプルホールドされた値、すなわち振幅値の組(A11′,A12′)を、CPU44aに入力する。
同様に、発生タイミング(時刻t2)と、このタイミングと対応した遅延タイミング(時刻t2′=t2+Δt2(Δt2=Ts/4))との2つのタイミングでそれぞれサンプルホールドされた値、すなわち振幅値の組(A21′,A22′)が、CPU44aに入力される。
このように、発生タイミングにおいてサンプリングされた振幅値を正弦波信号S3上の値であるとすれば、遅延タイミングにおいてサンプリングされる振幅値は、正弦波信号S3とはπ/2[rad]だけ位相が遅れた信号、すなわち余弦波信号上の値として把握することができ、発生タイミングにおいてサンプリングして得られた振幅値A11′を縦軸に、遅延タイミングにおいてサンプリングして得られた振幅値A12′を横軸にそれぞれ表すと、これら互いに対応するタイミングにおける振幅値の組(A11′,A12′)は、図30(c)に示すように表現されるが、この2次元座標上での表現は、図3(d)、図8に示した2つの基準信号(位相差π/2[rad])を用いた表現と実質的に同一となる。
そして、他の構成部分は、図6あるは図27に示した実施形態における同一符号の構成部分と同一であり、その作用も実質的に同一であるから、これら図6あるいは図27に示した実施形態と同一の効果を発揮させることができる。
なお、図6や図27の実施形態において適用可能の変形例等は、図29に示した実施形態においても、すべて適用可能である。
本発明の一実施形態に係る時間差測定装置を含む測量装置を示すブロック図である。 図1の測量装置における時間差測定装置を示すブロック図である。 図2の時間差測定装置による時間差測定の原理を説明する図である。 図1の測量装置における具体的な光学系を示す図である。 図1の測量装置の具体的な制御系(同期あり)を示す図である。 図1の測量装置の具体的な制御系(同期なし)を示す図である。 基準信号と測定用パルス信号との関係を示す図である。 基準信号のサンプリング値(振幅値)と位相との関係を示す図である。 サンプリング値の軌跡が楕円状の曲線を呈した状態を示す図である。 サンプリング値の軌跡が楕円上の曲線を呈したときの、位相の誤差を示す図である。 基準信号と補正用パルス信号との関係を示す図である。 サンプリング値の軌跡が呈する楕円状の曲線を示す図である。 図12に示した楕円状の曲線を特定するための作用を説明する図(その1)である。 図12に示した楕円状の曲線を特定するための作用を説明する図(その2)である。 図12に示した楕円状の曲線を特定するための作用を説明する図(その3)である。 基準信号の波形に基づいて補正する原理を説明する図である。 基準信号の波形上から外れたサンプリング点のバラツキを補正する処理を説明する図である。 累積位相に基づいて補正する原理を説明する図である。 補正用データが存在しない場合の補間処理を説明する図である。 基準信号と同期しているか否かに拘わらず等時間間隔で発生するクロック信号により、基準信号をサンプリングする様子を示す模式図である。 サンプリングして得られた基準信号の振幅に基づいて算出された位相差のバラツキの一例を示す図である。 補正用の対応テーブルの生成を説明する図である。 補正用の対応テーブルに基づいて、位相差の補正を行う作用を説明する図である。 基準信号と同期し、かつ等時間間隔で発生するクロック信号により、基準信号をサンプリングする様子を示す模式図である。 補正用の対応テーブルの生成を説明するとともに、補正用の対応テーブルに基づいて、位相差の補正を行う作用を説明する図である。 基準信号発生部が正弦波信号のみを基準信号として発生し、この発生した正弦波信号に基づいて、他方の基準信号を生成する変形例を示す、図5相当の制御系の図である。 基準信号発生部が正弦波信号のみを基準信号として発生し、この発生した正弦波信号に基づいて、他方の基準信号を生成する変形例を示す、図6相当の制御系の図である。 基準信号発生部が正弦波信号のみを基準信号として発生し、この発生した正弦波信号に対して、互いに対応する2つのタイミング(発生タイミングおよび遅延タイミング)でサンプリングを行う実施形態を示す、図26相当の制御系の図である。 基準信号発生部が正弦波信号のみを基準信号として発生し、この発生した正弦波信号に対して、互いに対応する2つのタイミング(発生タイミングおよび遅延タイミング)でサンプリングを行う実施形態を示す、図27相当の制御系の図である。 単一の基準信号に対する2つのタイミング(発生タイミングおよび遅延タイミング)でサンプリングを行ったときのサンプリング値(振幅値)と位相との関係を示す図である。
符号の説明
10 測定光出射手段(測定パルス波出射手段)
11 PLD(光源)
20 反射光検出手段(反射パルス波検出手段)
21 受光素子
30 距離換算部
40 時間差測定装置
41 基準信号発生部
42 振幅検出部
43 位相差検出部
44 時間差算出部
45 概略時間差検出部
46 補正部
46a モード切替部
46b サンプリングタイミング形成部
46c 補正データ生成部
46d 補正データ記憶部
46e 補正データ演算部
50 測距結果出力部
90 距離測定対象
100 測量装置(距離測定装置)
L1 レーザ光
L2 反射レーザ光
M1 スタート信号(第1のパルス信号)
M2 ストップ信号(第2のパルス信号)
N 補正用パルス信号
S1,S2 基準信号
A11,A12,A21,A22 振幅値

Claims (34)

  1. 未知の時間差を以て発生する2つのパルス信号の該発生時間差を測定する時間差測定装置であって、
    周期が既知の基準信号を発生する基準信号発生手段と、
    前記2つのパルス信号の各々の発生タイミングに対応して、実質的に、前記基準信号の略π/2[rad]の位相差に相当する時間間隔の2つのタイミングで該基準信号の振幅をそれぞれサンプリングするのと同一となるように、前記各パルス信号の発生タイミングごとに2つずつの振幅を求める振幅検出手段と、
    前記各パルス信号の発生タイミングごとにそれぞれ求められた2つずつの振幅に基づいて、前記パルス信号の各発生タイミングごとの、前記基準信号の位相、およびこれら発生タイミング間での位相差を求める位相差検出手段と、
    前記位相差検出手段によって検出された前記位相差について、前記基準信号の誤差または前記位相差略π/2[rad]の誤差を補正する補正手段と、
    前記補正手段によって補正された後の位相差に基づいて、前記2つの測定用パルス信号の発生時間差を求める時間差算出手段と備えたことを特徴とする時間差測定装置。
  2. 未知の時間差を以て発生する2つのパルス信号の該発生時間差を測定する時間差測定装置であって、
    略π/2[rad]の位相差を有し、周期が既知の少なくとも2つの基準信号を発生する基準信号発生手段と、
    前記パルス信号の発生タイミングにおける前記2つの基準信号の各振幅を求める振幅検出手段と、
    前記振幅検出手段によって前記各基準信号ごとに各2つずつ検出された振幅に基づいて、前記パルス信号の各発生タイミングごとの、前記基準信号の位相、およびこれら発生タイミング間での位相差を求める位相差検出手段と、
    前記位相差検出手段によって検出された前記位相差について、前記2つの基準信号間の誤差または少なくとも一方の基準信号の誤差に起因した誤差を補正する補正手段と、
    前記補正手段によって補正された後の位相差に基づいて、前記2つの測定用パルス信号の発生時間差を求める時間差算出手段と備えたことを特徴とする時間差測定装置。
  3. 前記補正手段は、前記誤差を補正するための補正用データを記憶した補正データ記憶部と、該補正データ記憶部に記憶された前記補正用データを用いて補正演算処理を行う補正演算手段とを備えたことを特徴とする請求項2に記載の時間差測定装置。
  4. 前記補正手段は、
    前記発生時間差測定対象のパルス信号である測定用パルス信号が入力される実測定モードと、発生タイミング間の時間差が既知の補正用パルス信号が入力される校正モードとを切り替えるモード切替手段と、
    前記校正モードにおいて前記補正用パルス信号が入力されたことにより前記位相差検出手段によって算出された、前記補正用パルス信号の各発生タイミング間における位相差と、前記既知の時間差との対応関係に応じて、前記誤差を補正するための補正用データを生成する補正用データ生成手段と、
    前記補正用データ生成手段によって生成された前記補正用データを記憶する補正データ記憶部と、
    該補正データ記憶部に記憶された前記補正用データを用いて、前記実測定モードで得られた前記測定用パルス信号の発生タイミング間の時間差に対応した前記位相差を補正演算処理する補正演算手段とを備えたことを特徴とする請求項2に記載の時間差測定装置。
  5. 前記補正手段は、
    発生タイミング間の時間差が等間隔の補正用パルス信号を発生するサンプリングタイミング形成手段と、
    前記発生時間差測定対象のパルス信号である測定用パルス信号が入力される実測定モードと前記補正用パルス信号が入力される校正モードとを切り替えるモード切替手段と、
    前記校正モードにおいて前記補正用パルス信号が入力されたことにより前記位相差検出手段によって算出された、前記補正用パルス信号の各発生タイミング間における位相差と、前記等間隔の時間差との対応関係に応じて、前記誤差を補正するための補正用データを生成する補正用データ生成手段と、
    前記補正用データ生成手段によって生成された前記補正用データを記憶する補正データ記憶部と、
    該補正データ記憶部に記憶された前記補正用データを用いて、前記実測定モードで得られた前記測定用パルス信号の発生タイミング間の時間差に対応した前記位相差を補正演算処理する補正演算手段とを備えたことを特徴とする請求項2に記載の時間差測定装置。
  6. 前記サンプリングタイミング形成手段が発生する前記補正用パルス信号は、前記基準信号発生手段の発生する基準信号と、複数回に一度の割合で同期する等間隔のパルス信号であることを特徴とする請求項5に記載の時間差測定装置。
  7. 前記サンプリングタイミング形成手段が発生する前記補正用パルス信号は、前記基準信号発生手段の発生する基準信号と非同期で、かつ等間隔のパルス信号であることを特徴とする請求項5に記載の時間差測定装置。
  8. 前記補正用データは、前記振幅検出手段によって検出された前記補正用パルス信号による各基準信号の振幅の比に対応したものとして設定されることを特徴とする請求項2から7のうちいずれか1項に記載の時間差測定装置。
  9. 前記2つの基準信号は正弦波信号と余弦波信号とであることを特徴とする請求項2から8のうちいずれか1項に記載の時間差測定装置。
  10. 前記補正用データは、前記振幅検出手段によって検出された前記補正用パルス信号による各基準信号の振幅の比の逆正接値に対応したものとして設定されることを特徴とする請求項9に記載の時間差測定装置。
  11. 前記2つの基準信号は正弦波信号と余弦波信号とであり、複数の前記補正用パルス信号が時系列的に順次入力された各タイミングにおける前記正弦波信号の振幅値を、時系列的にプロットしたとき、前記プロットされた振幅値のうち、所定の正弦波曲線上にプロットされない振幅値については、前記所定の正弦波曲線上にプロットされるように、かつ、前記複数の補正用パルス信号が時系列的に順次入力された各タイミングにおける前記余弦波信号の振幅値を、時系列的にプロットしたとき、前記プロットされた振幅値のうち、所定の余弦波曲線上にプロットされない振幅値については、前記所定の余弦波曲線上にプロットされるように、前記補正手段が前記振幅値のばらつきを補正することを特徴とする請求項2から10のうちいずれか1項に記載の時間差測定装置。
  12. 前記補正データ記憶部に記憶された補正用データは、離散したサンプリング点におけるデータであり、前記発生時間差を求めるに際して、対応するサンプリング点のデータが前記補正手段に記憶されていないときは、該補正手段は、該補正手段に記憶されているサンプリング点のデータに基づいて補間演算処理またはフィッティング処理により、対応するサンプリング点のデータを生成することを特徴とする請求項2から11のうちいずれか1項に記載の時間差測定装置。
  13. 前記補正データ記憶部に記憶された補正用データは、楕円状の離散したサンプリング点に対応して求められた楕円状の関数として記憶されていることを特徴とする請求項2から11のうちいずれか1項に記載の時間差測定装置。
  14. 前記2つの測定用パルス信号の概略発生時間差を検出する概略時間差検出手段をさらに備え、
    前記時間差算出手段は、該時間差算出手段によって求められた精密時間差に加えて、前記概略時間差検出手段によって検出された前記概略発生時間差により、前記2つの測定用パルス信号の発生時間差を算出することを特徴とする請求項2から13のうちいずれか1項に記載の時間差測定装置。
  15. 前記振幅検出手段は、前記発生時間差測定対象のパルス信号である2つの測定用パルス信号のうち時系列的に先行する一方の測定用パルス信号の発生タイミングにおける前記一方の基準信号としての正弦波信号の振幅A11および前記他方の基準信号としての余弦波信号の振幅A12をそれぞれ検出し、前記位相差検出手段は、これら振幅A11,A12の比(A11/A12)を算出し、この振幅比(A11/A12)に基づいて位相θstartをtan-1{(A11/A12)}により算出し、前記補正手段は、前記位相θstartを位相θstart′に補正し、
    前記振幅検出手段は、前記2つのパルス信号のうち時系列的に後続する他方の測定用パルス信号の発生タイミングにおける前記正弦波信号の振幅A21および前記余弦波信号の振幅A22をそれぞれ検出し、前記位相差検出手段は、これら振幅A21,A22の比(A21/A22)を算出し、この振幅比(A21/A22)に基づいて位相θstopをtan-1{(A21/A22)}により算出し、前記補正手段は、前記位相θstopを位相θstop′に補正し、前記時間差算出手段は、前記2つの測定用パルス信号の発生タイミングの位相差Δθを(θstop′−θstart′)により算出することを特徴とする請求項2から14のうちいずれか1項に記載の時間差測定装置。
  16. 前記補正用データは、前記基準信号の1周期のうち少なくとも6点のサンプリングによって得られたものであることを特徴とする請求項12から15のうちいずれか1項に記載の時間差測定装置。
  17. 未知の時間差を以て発生する2つのパルス信号の該発生時間差を測定する時間差測定装置であって、
    周期が既知の単一の基準信号を発生する基準信号発生手段と、
    前記2つのパルス信号のそれぞれを、前記基準信号の略π/2[rad]の位相差に相当する時間だけ遅延させるパルス遅延手段と、
    前記各パルス信号の発生タイミングおよび前記パルス遅延手段によって遅延された遅延タイミングにおける前記基準信号の各振幅を求める振幅検出手段と、
    前記振幅検出手段によって前記各パルス信号ごとに各2つずつ検出された振幅に基づいて、前記各パルス信号ごとの、前記基準信号の位相、およびこれらパルス信号の発生タイミング間での位相差を求める位相差検出手段と、
    前記位相差検出手段によって検出された前記位相差について、前記基準信号の誤差または前記位相差略π/2[rad]の誤差を補正する補正手段と、
    前記補正手段によって補正された後の位相差に基づいて、前記2つの測定用パルス信号の発生時間差を求める時間差算出手段と備えたことを特徴とする時間差測定装置。
  18. 前記補正手段は、前記誤差を補正するための補正用データを記憶した補正データ記憶部と、該補正データ記憶部に記憶された前記補正用データを用いて補正演算処理を行う補正演算手段とを備えたことを特徴とする請求項17に記載の時間差測定装置。
  19. 前記補正手段は、
    前記発生時間差測定対象のパルス信号である測定用パルス信号が入力される実測定モードと、発生タイミング間の時間差が既知の補正用パルス信号が入力される校正モードとを切り替えるモード切替手段と、
    前記校正モードにおいて前記補正用パルス信号が入力されたことにより前記位相差検出手段によって算出された、前記補正用パルス信号の各発生タイミング間における位相差と、前記既知の時間差との対応関係に応じて、前記誤差を補正するための補正用データを生成する補正用データ生成手段と、
    前記補正用データ生成手段によって生成された前記補正用データを記憶する補正データ記憶部と、
    該補正データ記憶部に記憶された前記補正用データを用いて、前記実測定モードで得られた前記測定用パルス信号の発生タイミング間の時間差に対応した前記位相差を補正演算処理する補正演算手段とを備えたことを特徴とする請求項17に記載の時間差測定装置。
  20. 前記補正手段は、
    発生タイミング間の時間差が等間隔の補正用パルス信号を発生するサンプリングタイミング形成手段と、
    前記発生時間差測定対象のパルス信号である測定用パルス信号が入力される実測定モードと前記補正用パルス信号が入力される校正モードとを切り替えるモード切替手段と、
    前記校正モードにおいて前記補正用パルス信号が入力されたことにより前記位相差検出手段によって算出された、前記補正用パルス信号の各発生タイミング間における位相差と、前記等間隔の時間差との対応関係に応じて、前記誤差を補正するための補正用データを生成する補正用データ生成手段と、
    前記補正用データ生成手段によって生成された前記補正用データを記憶する補正データ記憶部と、
    該補正データ記憶部に記憶された前記補正用データを用いて、前記実測定モードで得られた前記測定用パルス信号の発生タイミング間の時間差に対応した前記位相差を補正演算処理する補正演算手段とを備えたことを特徴とする請求項17に記載の時間差測定装置。
  21. 前記サンプリングタイミング形成手段が発生する前記補正用パルス信号は、前記基準信号発生手段の発生する基準信号と、複数回に一度の割合で同期する等間隔のパルス信号であることを特徴とする請求項20に記載の時間差測定装置。
  22. 前記サンプリングタイミング形成手段が発生する前記補正用パルス信号は、前記基準信号発生手段の発生する基準信号と非同期で、かつ等間隔のパルス信号であることを特徴とする請求項20に記載の時間差測定装置。
  23. 前記補正用データは、前記振幅検出手段によって検出された前記補正用パルス信号による各基準信号の振幅の比に対応したものとして設定されることを特徴とする請求項17から22のうちいずれか1項に記載の時間差測定装置。
  24. 前記基準信号は正弦波信号または余弦波信号であることを特徴とする請求項17から23のうちいずれか1項に記載の時間差測定装置。
  25. 前記補正用データは、前記振幅検出手段によって検出された前記補正用パルス信号の前記発生タイミングと前記遅延タイミングとにおける前記基準信号の振幅の比の逆正接値に対応したものとして設定されることを特徴とする請求項24に記載の時間差測定装置。
  26. 前記基準信号は正弦波信号または余弦波信号であり、複数の前記補正用パルス信号が時系列的に順次入力された各発生タイミングにおける前記基準信号の振幅値を、時系列的にプロットしたとき、前記プロットされた振幅値のうち、所定の正弦波曲線上または余弦波曲線上にプロットされない振幅値については、前記所定の正弦波曲線上または余弦波曲線上にプロットされるように、かつ、前記複数の補正用パルス信号が時系列的に順次入力された各遅延タイミングにおける前記基準信号の振幅値を、時系列的にプロットしたとき、前記プロットされた振幅値のうち、所定の余弦波曲線上または正弦波曲線上にプロットされない振幅値については、前記所定の余弦波曲線上または正弦波曲線上にプロットされるように、前記補正手段が前記振幅値のばらつきを補正することを特徴とする請求項17から25のうちいずれか1項に記載の時間差測定装置。
  27. 前記補正データ記憶部に記憶された補正用データは、離散したサンプリング点におけるデータであり、前記発生時間差を求めるに際して、対応するサンプリング点のデータが前記補正手段に記憶されていないときは、該補正手段は、該補正手段に記憶されているサンプリング点のデータに基づいて補間演算処理またはフィッティング処理により、対応するサンプリング点のデータを生成することを特徴とする請求項17から26のうちいずれか1項に記載の時間差測定装置。
  28. 前記補正データ記憶部に記憶された補正用データは、楕円状の離散したサンプリング点に対応して求められた楕円状の関数として記憶されていることを特徴とする請求項17から26のうちいずれか1項に記載の時間差測定装置。
  29. 前記2つの測定用パルス信号の概略発生時間差を検出する概略時間差検出手段をさらに備え、
    前記時間差算出手段は、該時間差算出手段によって求められた精密時間差に加えて、前記概略時間差検出手段によって検出された前記概略発生時間差により、前記2つの測定用パルス信号の発生時間差を算出することを特徴とする請求項17から28のうちいずれか1項に記載の時間差測定装置。
  30. 前記振幅検出手段は、前記発生時間差測定対象のパルス信号である2つの測定用パルス信号のうち時系列的に先行する一方の測定用パルス信号の前記発生タイミングにおける前記基準信号としての正弦波信号の振幅A11および前記遅延タイミングにおける該基準信号の振幅A12をそれぞれ検出し、前記位相差検出手段は、これら振幅A11,A12の比(A11/A12)を算出し、この振幅比(A11/A12)に基づいて位相θstartをtan-1{(A11/A12)}により算出し、前記補正手段は、前記位相θstartを位相θstart′に補正し、
    前記振幅検出手段は、前記2つのパルス信号のうち時系列的に後続する他方の測定用パルス信号の前記発生タイミングにおける前記基準信号の振幅A21および前記遅延タイミングにおける該基準信号の振幅A22をそれぞれ検出し、前記位相差検出手段は、これら振幅A21,A22の比(A21/A22)を算出し、この振幅比(A21/A22)に基づいて位相θstopをtan-1{(A21/A22)}により算出し、前記補正手段は、前記位相θstopを位相θstop′に補正し、前記時間差算出手段は、前記2つの測定用パルス信号の発生タイミングの位相差Δθを(θstop′−θstart′)により算出することを特徴とする請求項17から29のうちいずれか1項に記載の時間差測定装置。
  31. 前記補正用データは、前記基準信号の1周期のうち少なくとも6点のサンプリングによって得られたものであることを特徴とする請求項27から30のうちいずれか1項に記載の時間差測定装置。
  32. 距離測定対象に対して測定パルス波を出射する測定パルス波出射手段と、前記測定パルス波が前記距離測定対象で反射して得られた反射パルス波を検出する反射パルス波検出手段と、前記測定パルス波が前記測定パルス波出射手段から出射されたタイミングで第1のパルス信号を取得し、前記反射パルス波が前記反射パルス波検出手段により検出されたタイミングで第2のパルス信号を取得し、前記第1のパルス信号を取得したタイミングから前記第2のパルス信号を取得したタイミングまでの時間差を測定する時間差測定装置と、前記時間差測定装置により求められた時間差に基づいて、前記距離測定対象までの距離を求める距離演算手段とを備えた距離測定装置において、
    前記時間差測定装置は、請求項1から31のうちいずれか1項に記載の時間差測定装置であることを特徴とする距離測定装置。
  33. 略π/2[rad]の位相差を有し、周期が既知の少なくとも2つの基準信号を発生し、
    距離測定対象に対して測定パルス波を出射し、
    前記測定パルス波の出射を検出したタイミングにおける前記2つの基準信号の各振幅を求め、
    前記測定パルス波が前記距離測定対象で反射して得られた反射パルス波を検出したタイミングにおける前記2つの基準信号の各振幅を求め、
    前記各基準信号ごとに各2つずつ検出された振幅に基づいて、前記パルス波の各検出タイミングごとの、前記基準信号の位相、およびこれら検出タイミング間での位相差を求め、
    前記検出された前記位相差について、前記2つの基準信号間の誤差または少なくとも一方の基準信号の誤差に起因した誤差を補正し、
    前記補正された後の位相差に基づいて、前記測定パルス波の検出タイミングから前記反射パルス波の検出タイミングまでの時間差を求め、
    前記時間差に基づいて、前記距離測定対象までの距離を求めることを特徴とする距離測定方法。
  34. 周期が既知の単一の基準信号を発生し、
    距離測定対象に対して測定パルス波を出射し、
    前記測定パルス波の出射を検出し、
    前記測定パルス波が前記距離測定対象で反射して得られた反射パルス波を検出し、
    前記測定パルスの前記出射の際の検出タイミングと、該測定パルスの検出タイミングから前記基準信号の略π/2[rad]の位相差に相当する時間だけ遅延させたタイミングである遅延タイミングとにおいて、前記基準信号の振幅をそれぞれ求め、
    前記反射パルス波の検出タイミングと、該反射パルス波の検出タイミングから前記基準信号の略π/2[rad]の位相差に相当する時間だけ遅延させたタイミングである遅延タイミングとにおいて、前記基準信号の振幅をそれぞれ求め、
    前記測定パルス波について検出された2つの振幅と、前記反射パルス波について検出された2つの振幅とに基づいて、前記パルス波の各検出タイミングごとの、前記基準信号の位相、およびこれら検出タイミング間での位相差を求め、
    前記求められた位相差について、前記基準信号の誤差または前記位相差略π/2[rad]の誤差を補正し、
    前記補正された後の位相差に基づいて、前記測定パルス波の検出タイミングから前記反射パルス波の検出タイミングまでの時間差を求め、
    前記時間差に基づいて、前記距離測定対象までの距離を求めることを特徴とする距離測定方法。



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