JP2004291495A - 液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】キャリッジ保持部とキャリッジを検出する検出部の配置を工夫して液体噴射装置を小型化する。
【解決手段】液体を噴射する液体噴射ヘッドを有し、被記録物に対して移動可能なキャリッジ42と、キャリッジ42が、当該キャリッジ42の待機位置より被記録物から離れた位置にある保持開始位置に移動したときに、キャリッジ42を保持するとともに、保持されたキャリッジ42が、待機位置より被記録物に近い位置にある開放位置に移動したときに、キャリッジ42を開放するキャリッジ保持部100と、キャリッジ42の移動方向において、キャリッジが待機位置と開放位置の間にある場合に、当該キャリッジを検知する検出部200とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】液体を噴射する液体噴射ヘッドを有し、被記録物に対して移動可能なキャリッジ42と、キャリッジ42が、当該キャリッジ42の待機位置より被記録物から離れた位置にある保持開始位置に移動したときに、キャリッジ42を保持するとともに、保持されたキャリッジ42が、待機位置より被記録物に近い位置にある開放位置に移動したときに、キャリッジ42を開放するキャリッジ保持部100と、キャリッジ42の移動方向において、キャリッジが待機位置と開放位置の間にある場合に、当該キャリッジを検知する検出部200とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体噴射装置に関する。特に本発明は、小型化した液体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式記録装置などの液体噴射装置は、記録ヘッドを有するキャリッジを液体噴射領域を跨ぐように往復運動させつつ、紙などの被記録物を搬送することで、被記録物に液体を噴射する。これにより、被記録物に記録が行われる。
液体噴射装置の動作が終了するとき、キャリッジは保持位置に保持されている。このとき、記録ヘッドは乾燥しないようにキャップによって封止されている(例えば特許文献1参照)。また、液体噴射装置は、起動時にキャリッジを待機位置に移動させる。待機位置は、通常保持位置より液体噴射領域側に設定されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−254666
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
キャリッジを待機位置に移動させるために、キャリッジを検出する検出部をキャリッジの移動経路に沿って設ける場合がある。このとき、液体噴射装置の大型化を防ぐために、保持位置、待機位置、及び検出部の配置を工夫する必要がある。
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできる液体噴射装置を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第1の形態によると、被記録物に液体を噴射して記録を行う液体噴射装置であって、液体を噴射する液体噴射ヘッドを有し、被記録物に対して移動可能なキャリッジと、キャリッジが、当該キャリッジの待機位置より被記録物から離れた位置にある保持開始位置に移動したときに、キャリッジを保持するとともに、保持されたキャリッジが、待機位置より被記録物に近い位置にある開放位置に移動したときに、キャリッジを開放するキャリッジ保持部と、キャリッジの移動方向において、キャリッジが待機位置と開放位置の間にある場合に、当該キャリッジを検知する検出部とを備える液体噴射装置を提供する。
この液体噴射装置によれば、待機位置及び検出部は、保持開始位置と開放位置の間に設けられている。このため、待機位置や検出部を設置するためのスペースを別途確保する必要はない。従って、液体噴射装置は、キャリッジの移動方向において小さくなる。
【0006】
ここで、保持されているキャリッジが開放位置に移動するときに、検出部と開放位置の間において液体噴射ヘッドのヘッド面に押圧してヘッド面に付着している液体を拭き取るクリーニング部を更に備えるようにすると、クリーニング部を設置するためのスペースを別途確保する必要はなくなる。従って、液体噴射装置は、キャリッジの移動方向において小さくなる。
この場合、液体噴射装置の動作終了時に、キャリッジを保持開始位置に移動させると共に、液体噴射装置の起動時に、キャリッジを解除位置に移動させた後に待機位置に戻す制御部を更に備えてもよい。このようにすると、開放されたキャリッジが待機位置に移動するときには、液体噴射ヘッドに押圧しない。このため、キャリッジが待機位置に戻るときに液体噴射ヘッドは押し上げられない。従って、液体噴射ヘッドが液体の噴射不良を起こす可能性は低くなる。
【0007】
また、制御部は、キャリッジを待機位置に移動させる場合において、検出部がキャリッジを検知した後に、キャリッジを低速で移動てもよい。この場合、制御部は精度よくキャリッジを待機位置に配置することができる。
さらに検出部は、キャリッジの移動中に当該キャリッジに押下することでキャリッジが待機位置に移動していることを検知し、制御部は、検出部に接触すべき位置の手前においてキャリッジを減速してもよい。このようにすると、検出部とキャリッジの接触音は小さくなる。また、接触時にはキャリッジの移動速度は微速になっているため、検出部は精度よくキャリッジを検出することができる。
【0008】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
図1は、液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置10の斜視図でる。
インクジェット式記録装置10は、記録ヘッドを有していて液体噴射領域を跨ぐように主走査方向に往復移動するキャリッジ42、インクジェット式記録装置10が動作していないときに記録ヘッドを保持するキャリッジ保持部100、及びキャリッジ42に押下されることでキャリッジ42を検出する検出部200を備える。記録ヘッドにはインクを吐出するノズルが設けられている。
【0011】
キャリッジ保持部100は、キャリッジ42が保持開始位置に来たときに、記録ヘッドを封止するとともにキャリッジ42を保持する。保持開始位置は、例えばキャリッジ42の移動経路における一方の端部である。そして、キャリッジ保持部100は、保持しているキャリッジ42が液体噴射領域に向かって移動し、開放位置に来たときにキャリッジ42を開放する。ここで、キャリッジ保持部100の一部は、キャリッジ保持部100に保持されているキャリッジ42が開放位置に移動する途中において、記録ヘッドのヘッド面に押圧し、ヘッド面に付着している液体をふき取る。
検出部200は、キャリッジ保持部100が記録ヘッドのヘッド面をふき始める位置と保持開始位置の間に設けられている。また、インクジェット式記録装置10の起動後にキャリッジ42が待機する待機位置は検出部200と保持開始位置の間にある。
【0012】
以上のように、待機位置及び検出部200は、キャリッジ42の移動方向において保持開始位置及び開放位置の間にこの順に配置されている。このため、待機位置及び検出部200を設置するためのスペースを別途確保する必要はない。従って、インクジェット式記録装置10は、キャリッジ42の移動方向において小さくなる。
また、キャリッジ保持部100は、開放されたキャリッジ42が待機位置に移動するときには、記録ヘッドを押圧しない。このため、キャリッジ42が待機位置に戻るときに記録ヘッドは押し上げられない。従って、記録ヘッドが液体の噴射不良を起こす可能性は低くなる。
【0013】
なお、インクジェット式記録装置10は、被記録物に対して液体を噴射することで記録を行う液体噴射装置の一例である。また、インクジェット式記録装置10の記録ヘッドは、液体噴射装置の液体噴射ヘッドの一例である。記録ヘッドに設けられるノズルは、液体噴射ヘッドの噴射口の一例である。
【0014】
しかしながら、本発明はこれらに限られない。液体噴射装置の他の例は、液晶ディスプレイのカラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造装置である。この場合、カラーフィルタ製造装置の色材噴射ヘッドが液体噴射ヘッドの一例である。液体噴射装置のさらに他の例は、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極形成装置である。この場合、電極形成装置の電極材(電導ペースト)噴射ヘッドが液体噴射ヘッドの一例である。液体噴射装置のさらに他の例は、バイオチップを製造するバイオチップ製造装置である。この場合、バイオチップ製造装置の生体有機物噴射ヘッドおよび精密ピペットとしての試料噴射ヘッドが液体噴射ヘッドの一例である。本発明の液体噴射装置は、産業用途を有するその他の液体噴射装置も含む。また被記録物とは、液体が噴射されることにより記録が行われる物であり、例えば記録用紙、ディスプレイの電極等の回路パターンが形成される回路基板、ラベルが記録されるCD−ROM、DNA回路が記録されるプレパラートが含まれる。
【0015】
次に、インクジェット式記録装置10の他の構成を、図1及び図2を用いて説明する。図2はインクジェット式記録装置10の側面概略図である。なお、図2において、インクジェット式記録装置10は、記録中の被記録物11と共に図示している。
インクジェット式記録装置10は、図1及び図2に示すように、複数の被記録物11を保持する被記録物トレイ12、被記録物トレイ12から押し出された被記録物11を給送する給送部20、給送部20が給送した被記録物11を液体噴射領域に搬送する搬送部30、液体噴射領域において被記録物11に記録を行う記録部40、被記録物11を液体噴射領域から排出する排出部50、ステップモーター60、キャリッジをロックするロックレバー70、インクジェット式記録装置10全体を制御する制御部80、及び検出部200を備える。被記録物トレイ12は、被記録物トレイ12に載置されている被記録物11を押し出すホッパ124を有する。
【0016】
給送部20は、給送ローラ22、及び給送ローラ22に連れ回るリターダローラ24を有する。給送ローラ22とリターダローラ24は、ホッパ124によって被記録物トレイ12から押し出された被記録物11の束のうち、最上位に位置する被記録物11を互いの間に挟み、被記録物11を一つずつ搬送部30に搬送する。
搬送部30は、ステップモーター60により回転する搬送ローラ32、搬送ローラ32に連れ回る搬送従動ローラ34、及び搬送ローラ32の駆動軸36を有する。搬送ローラ32は、給送ローラ20が給送した被記録物11を搬送従動ローラ34との間に挟んで回転し、液体噴射領域に搬送する。
【0017】
記録部40は、図1に示すキャリッジ42、記録ヘッド44、及びキャリッジ42を移動させるモーター48を有する。さらに、被記録物11の給送方向に対して略垂直な方向である主走査方向にキャリッジ42をスライド可能に支持するガイド板46を有する。
排出部50は、ステップモーター60により回転する排出ローラ52、及び排出ローラ52に連れ回る排出従動ローラ54を有する。排出ローラ52は、排出従動ローラ54との間に記録後の被記録物11を挟んで回転し、液体噴射領域から排出する。
【0018】
なお、搬送ローラ32及び排出ローラ54には、ステップモーター60から一本のベルト62を介して動力が伝達される。ベルト62には、テンショナー64により張力が与えられている。ステップモーター60、テンショナー64、搬送ローラ32、及び排出ローラ54は、ベルトの流れ方向においてこの順に配列される。
【0019】
ロックレバー70は、インクジェット式記録装置10が動作していないときにキャリッジ42の軌道上に突出することで、キャリッジ42が液体噴射領域に向けて移動しないようにする。ロックレバー70は、搬送ローラ32の駆動軸36、及び駆動軸36の端部に設けられたギア機構38を介して、ステップモータ60によって回動される。ロックレバー70は、ステップモータ60が被記録物11を逆送させる方向に回転したときに、キャリッジ42をロックする方向に回動し、ステップモータ60が被記録物11を搬送する方向に回転したときに、キャリッジ42を開放する方向に回動する。
【0020】
検出部200は、キャリッジ42に押下されて回動し又は被記録物11に接触することで同一方向に回動する接触レバー210、接触レバー210の回動を検出するセンサ220、及びセンサ220の検出結果に基づいてキャリッジ42又は被記録物11を認識する判断部230を有する。
ここで、接触レバー210は、一端がキャリッジ42の軌道上に突出しており、この一端がキャリッジ42によって押下される。また、接触レバー210は、被記録物11の給送方向において給送部220及び搬送部30の間に位置している。また、接触レバー210は、キャリッジ42の主走査方向において液体噴射領域とキャリッジ42の待機位置の間に位置している。
【0021】
上記した構成において、制御部80は、キャリッジ42をガイド板46に沿って往復させつつ記録ヘッド44のノズルから液体を吐出させる。そして、制御部80は、キャリッジ42が一走査する毎に被記録物11を搬送することで、被記録物11の全体に記録を行う。なお、インクジェット式記録装置10は、記録ヘッド44の往路及び復路の双方で記録を行う場合もあるし、一方のみで記録を行う場合もある。
【0022】
次に、図1、図3及び図4を用いてキャリッジ保持部100の構成を説明する。
図3及び図4はキャリッジ保持部100の構成を示す側面図である。キャリッジ保持部100は、基礎部材300及び保持部本体500を有する。
基礎部材300は、両側面に、キャリッジ42の主走査方向に伸びる各一対の案内溝310及び案内溝320を有する。案内溝310及び案内溝320の一部は、保持開始位置に近づくにつれて上がる方向に傾斜を有する。また、基礎部材300は、保持部本体500の一部とかみ合って保持部本体500を係止する係止部330を有する。
【0023】
保持部本体500は、案内溝310及び案内溝320に沿ってスライドするスライダ510、スライダ510の記録ヘッドと対向する対向面に設けられたキャップ部材520、及びキャップ部材520と同一面上に立設したワイピング部材530を有する。キャップ部材520は記録ヘッド44を封止する。ワイピング部材530は記録ヘッド44のヘッド面に付着している液体を拭き取る。ワイピング部材530はクリーニング部の一例であり、弾性を有する材料で形成されている。
【0024】
スライダ510は、案内溝310に挿通される支持ピン511、案内溝320に挿通される支持ピン512、及びキャリッジ42によって保持開始位置に向けて押される被押圧部513を有する。また、スライダ510は図示しない付勢手段、例えばバネ部材によって液体噴射領域側及び下方側に向けて付勢されている。
【0025】
図3に示す状態においてキャリッジ42が被押圧部513を押した場合、支持ピン511及び512が案内溝310及び案内溝320に沿ってスライドする。このため、スライダ510は、キャリッジ42とともに保持開始位置に向けてスライドする。このとき、案内溝310及び案内溝320の一部は傾斜を有するため、図4に示すように、スライダ510は上側に突出する。このため、キャリッジ42が保持開始位置に移動した場合、スライダ510上に設けられたキャップ部材520はキャリッジ42の記録ヘッド44を封止することができる。
【0026】
また、保持部本体500は、スライダ510の底部に、断面が略L字状の係止部材540を有する。係止部材540は支持ピン512によって回動可能にスライダ510に組み付けられており、スライダ510が保持開始位置に来たときに、図4に示すように下方側の端部542が基礎部材300の係止部330と係合する。スライダ510は液体噴射領域側及び下方側に向けて付勢されているため、係止部材540の下方側の端部542は、係止部330と十分に係合し、スライダ510を基礎部材300に係止する。このため、キャリッジ42はスライダ510及びキャップ部材520を介して係止部材540によって保持される。
このとき係止部材540の上方側の端部544は、図4に示すようにキャリッジ42の移動経路内に突出する。
【0027】
そして、キャリッジ42が保持開始位置から液体噴射領域に向けて移動すると、ワイピング部材530は記録ヘッド44のヘッド面をふき取る。
さらにキャリッジ42が液体噴射領域に向けて移動し、開放位置に達すると、キャリッジ42の保持開始位置側の下端部に突出した突起422が係止部材540の上方側の端部544を液体噴射領域側に押す。すると、係止部材540が支持ピン512を中心に回動するため、係止部材540の下方側の端部542は係止部330から外れる。
このようにして、キャリッジ42は開放位置において開放される。
【0028】
図5は、インクジェット式記録装置10の起動時の動作を示すフローチャートである。制御部80は、インクジェット式記録装置10が動作を終了するときに、キャリッジ42を保持開始位置に移動させ、キャップ部材520に記録ヘッド44を封止させておく。また、キャリッジ42の正常な起動位置は、例えば保持開始位置より液体噴射領域側に寄っている。この位置において、キャリッジ42は、ロックレバー70によって液体噴射領域側に移動しないようにロックされている。
インクジェット式記録装置10の制御部80は、電源が入れられると、ロックレバー70を動かしてキャリッジ42のロックを解除する(S10)。そして、キャリッジ42の待機位置を検出し、キャリッジ42を待機位置に移動させた(S20)後、記録を行う(S30)。
【0029】
図6及び図7は、図5のS10の詳細を示すフローチャートである。
制御部80は、キャリッジ42を、定められた距離ずつ、例えば1/180インチずつ微速で液体噴射領域に向けて連続的に移動させる(S100)。そして、移動中において、キャリッジ42を駆動するモーター48の電流値が規定値以下であることを確認する(S110:Yes)。モータ48の電流値が規定値以上となった場合、制御部80は、ロックレバー70が、キャリッジ42が正常な起動位置にあった場合にはキャリッジ42に接触しないタイミングにおいてキャリッジ42と接触したと判断し(S110:No)、キャリッジの移動を中止し(S130)、S140に進む。
規定回数、例えば6回ほどキャリッジ42を動かし、ロックレバー70を解除すべき位置までキャリッジ42が移動した場合(S120:Yes)、制御部80はステップモーター60を回転させてロックレバー70をロック解除方向に回動させ、キャリッジ42のロックを解除する(S140)。
【0030】
次に制御部80は、キャリッジ42を、定められた距離ずつ、例えば1/180インチずつ微速で反対側に連続的に移動させる(S150)。そして、移動中において、キャリッジ42を駆動するモーター48の電流値が規定値以下であることを確認する(S160:Yes)。モータ48の電流値が規定値以上となった場合、制御部80は、ロックレバー70が、キャリッジ42が正常な起動位置にあった場合にはキャリッジ42に接触しないタイミングにおいてキャリッジ42と接触したと判断し(S160:No)、キャリッジの移動を中止し(S180)、S190に進む。
規定回数、例えば12回ほどキャリッジ42を動かし、キャリッジが正常な起動位置より保持開始位置側に移動した場合(S170:Yes)、制御部80はステップモーター60を回転させてロックレバー70をロック解除方向に回動させる(S190)。
【0031】
図7に進む。制御部80は、キャリッジ42を定められた距離ずつ、例えば1/180インチずつ微速で液体噴射領域側に連続的に移動させる(S200)。そして、移動中において、キャリッジ42を駆動するモーター48の電流値が規定値以下であることを確認する(S210:Yes)。モータ48の電流値が規定値以上となった場合、制御部80は、ロックレバー70が、キャリッジ42が正常な起動位置にあった場合にはキャリッジ42に接触しないタイミングにおいてキャリッジ42と接触したと判断し(S210:No)、キャリッジの移動を中止する(S230)。規定回数、例えば6回ほどキャリッジ42を動かし、キャリッジを起動位置まで戻した場合(S220:Yes)、制御部80はキャリッジ42のロック解除動作が完了したと判断する(S240)。
【0032】
このように、制御部80は、キャリッジ42を動かしているときにモータ48の電流値が規定値を超えた場合、キャリッジ42を反対側に移動させるとともに、ロックレバー70をロック解除方向に回動させる。
従って、例えばキャリッジ42が正常な起動位置以外の場所から起動し、ロックレバー70が、キャリッジ42が正常な起動位置にあった場合にはキャリッジ42に接触しないタイミングにおいてキャリッジ42と接触したとしても、制御部80はインクジェット式記録装置10を起動することができる。
【0033】
図8は、図5のS20の詳細を示すフローチャートである。制御部80は、キャリッジ42を定められた距離ずつ、例えば1/180インチずつ微速で液体噴射領域に向けて連続的に移動させる(S300)。そして、移動中において、キャリッジ42を駆動するモーター48の電流値が規定値以下であることを確認する(S310:Yes)。モータ48の電流値が規定値以上となった場合、制御部80は、異物がキャリッジ42と接触したと判断し(S310:No)、キャリッジの移動を中止し(S360)、S370に進む。
【0034】
規定回数、例えば1/180インチずつ255回ほどキャリッジ42を動かし、キャリッジ42が検出部200より液体噴射領域側に移動した場合(S320:Yes)、制御部80は、キャリッジ42を高速で定められた距離ずつ、例えば1/180インチずつ液体噴射領域に向けて連続的に移動させる(S330)。そして、移動中において、キャリッジ42を駆動するモーター48の電流値が規定値以下であることを確認する(S340:Yes)。モータ48の電流値が規定値以上となった場合、制御部80は、異物がキャリッジ42と接触したと判断し(S340:No)、キャリッジの移動を中止し(S360)、S370に進む。
さらに、例えば1/180インチずつ255回移動させて、キャリッジ42が開放位置まで移動した場合(S350)、制御部80はキャリッジ42を反対側に移動させ、待機位置に静止させる(S370)。
なお、キャリッジ42が検出部200と開放位置の間を移動する際に、ワイピング部材530は記録ヘッド44のヘッド面をふき取る。またキャリッジ42が開放位置にきたとき、キャリッジ保持部100はキャリッジ42を開放する。
【0035】
このように、制御部80は、キャリッジ42が検出部200より液体噴射領域側に移動するまで、キャリッジ42の移動速度を微速にしておく。従って、検出部200とキャリッジ42の接触音は小さくなる。また、キャリッジ42が検出部200より液体噴射領域側に移動したらキャリッジ42の移動速度を高速にする。従って、インクジェット式記録装置10の起動時間は短くなる。
【0036】
図9は、図8のS370の詳細を示すフローチャートである。キャリッジ42の待機位置は検出部200より保持開始位置側にあるため、制御部80はキャリッジ42を高速で保持開始位置側に、例えば255/180インチ動かす(S400)。そして、検出部200の手前でキャリッジ42の移動速度を減速した後、微速でキャリッジ42を予め定められた距離ずつ、例えば1/180インチずつ移動させる(S410)。
【0037】
検出部200がキャリッジ42と接触してキャリッジ42を検出する(S420:Yes)と、制御部80は、検出部200と待機位置までの距離分、例えば193/180インチほどキャリッジ42を保持開始位置側に微速で動かして待機位置に移動させる(S450)。
また、検出部200がキャリッジ42を検出する前にキャリッジ42が非定常な距離、例えば2223/180インチほど移動した場合(S430:Yes)、制御部80は起動エラーと判定する(S440)。
【0038】
そして、移動速度が微速になってから検出部200に検出されるまでにキャリッジ42が移動した距離が、予め定めた範囲内、例えば51/180インチ以上73/180インチ以下であった場合(S460:Yes)、起動時にキャリッジ42が正常な起動位置にあったと判断し(S470)、キャリッジ420を待機位置に待機させる。移動距離が予め定めた範囲内になかった場合(S460:No)、制御部80は、キャリッジ42が正常な起動位置になく、キャップ部材520によって封止されていなかったと判断し(S480)、記録ヘッド44のクリーニングを行う(S490)。
【0039】
このように、制御部80は、検出部200に接触すべき位置の手前においてキャリッジ42を減速する。従って、検出部200とキャリッジ42の接触音は小さくなる。また、接触時にはキャリッジ42の移動速度は微速になっているため、検出部200は精度よくキャリッジ42を検出することができる。
また、制御部80は、検出部200がキャリッジ42を検出した後に、キャリッジ42を微速即ち低速で待機位置まで動かす。従って、制御部200は、キャリッジ42を精度よく待機位置で静止させることができる。
さらに、待機位置に移動させた後、液体噴射時にキャリッジ42を動かしても、キャリッジ42がロックレバー70に接触する可能性は低くなる。従って
、正常に液体噴射を行える可能性は高くなる。
【0040】
上記説明から明らかなように、本実施形態によれば、待機位置及び検出部200は、キャリッジ42の移動方向において保持開始位置及び開放位置の間に配置されている。このため、待機位置及び検出部200を設置するためのスペースを別途設ける必要はない。また、開放されたキャリッジ42が待機位置に移動するときには、キャリッジ保持部100は記録ヘッド44を押圧しない。従って、記録ヘッド44が液体の噴射不良を起こす可能性は低くなる。
【0041】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることができる。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置10の斜視図
【図2】インクジェット式記録装置10の側面概略図
【図3】キャリッジ保持部100の構成を示す側面図
【図4】キャリッジ保持部100の構成を示す側面図
【図5】インクジェット式記録装置10の動作を示すフローチャート
【図6】図5のS10の詳細を示すフローチャート
【図7】図6の続きを示すフローチャート
【図8】図5のS20の詳細を示すフローチャート
【図9】図8のS370の詳細を示すフローチャート
【符号の説明】
10・・インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、42・・キャリッジ、44・・記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、80・・制御部、100・・キャリッジ保持部、200・・検出部、530・・ワイピング部材(クリーニング部)
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体噴射装置に関する。特に本発明は、小型化した液体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式記録装置などの液体噴射装置は、記録ヘッドを有するキャリッジを液体噴射領域を跨ぐように往復運動させつつ、紙などの被記録物を搬送することで、被記録物に液体を噴射する。これにより、被記録物に記録が行われる。
液体噴射装置の動作が終了するとき、キャリッジは保持位置に保持されている。このとき、記録ヘッドは乾燥しないようにキャップによって封止されている(例えば特許文献1参照)。また、液体噴射装置は、起動時にキャリッジを待機位置に移動させる。待機位置は、通常保持位置より液体噴射領域側に設定されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−254666
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
キャリッジを待機位置に移動させるために、キャリッジを検出する検出部をキャリッジの移動経路に沿って設ける場合がある。このとき、液体噴射装置の大型化を防ぐために、保持位置、待機位置、及び検出部の配置を工夫する必要がある。
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできる液体噴射装置を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第1の形態によると、被記録物に液体を噴射して記録を行う液体噴射装置であって、液体を噴射する液体噴射ヘッドを有し、被記録物に対して移動可能なキャリッジと、キャリッジが、当該キャリッジの待機位置より被記録物から離れた位置にある保持開始位置に移動したときに、キャリッジを保持するとともに、保持されたキャリッジが、待機位置より被記録物に近い位置にある開放位置に移動したときに、キャリッジを開放するキャリッジ保持部と、キャリッジの移動方向において、キャリッジが待機位置と開放位置の間にある場合に、当該キャリッジを検知する検出部とを備える液体噴射装置を提供する。
この液体噴射装置によれば、待機位置及び検出部は、保持開始位置と開放位置の間に設けられている。このため、待機位置や検出部を設置するためのスペースを別途確保する必要はない。従って、液体噴射装置は、キャリッジの移動方向において小さくなる。
【0006】
ここで、保持されているキャリッジが開放位置に移動するときに、検出部と開放位置の間において液体噴射ヘッドのヘッド面に押圧してヘッド面に付着している液体を拭き取るクリーニング部を更に備えるようにすると、クリーニング部を設置するためのスペースを別途確保する必要はなくなる。従って、液体噴射装置は、キャリッジの移動方向において小さくなる。
この場合、液体噴射装置の動作終了時に、キャリッジを保持開始位置に移動させると共に、液体噴射装置の起動時に、キャリッジを解除位置に移動させた後に待機位置に戻す制御部を更に備えてもよい。このようにすると、開放されたキャリッジが待機位置に移動するときには、液体噴射ヘッドに押圧しない。このため、キャリッジが待機位置に戻るときに液体噴射ヘッドは押し上げられない。従って、液体噴射ヘッドが液体の噴射不良を起こす可能性は低くなる。
【0007】
また、制御部は、キャリッジを待機位置に移動させる場合において、検出部がキャリッジを検知した後に、キャリッジを低速で移動てもよい。この場合、制御部は精度よくキャリッジを待機位置に配置することができる。
さらに検出部は、キャリッジの移動中に当該キャリッジに押下することでキャリッジが待機位置に移動していることを検知し、制御部は、検出部に接触すべき位置の手前においてキャリッジを減速してもよい。このようにすると、検出部とキャリッジの接触音は小さくなる。また、接触時にはキャリッジの移動速度は微速になっているため、検出部は精度よくキャリッジを検出することができる。
【0008】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
図1は、液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置10の斜視図でる。
インクジェット式記録装置10は、記録ヘッドを有していて液体噴射領域を跨ぐように主走査方向に往復移動するキャリッジ42、インクジェット式記録装置10が動作していないときに記録ヘッドを保持するキャリッジ保持部100、及びキャリッジ42に押下されることでキャリッジ42を検出する検出部200を備える。記録ヘッドにはインクを吐出するノズルが設けられている。
【0011】
キャリッジ保持部100は、キャリッジ42が保持開始位置に来たときに、記録ヘッドを封止するとともにキャリッジ42を保持する。保持開始位置は、例えばキャリッジ42の移動経路における一方の端部である。そして、キャリッジ保持部100は、保持しているキャリッジ42が液体噴射領域に向かって移動し、開放位置に来たときにキャリッジ42を開放する。ここで、キャリッジ保持部100の一部は、キャリッジ保持部100に保持されているキャリッジ42が開放位置に移動する途中において、記録ヘッドのヘッド面に押圧し、ヘッド面に付着している液体をふき取る。
検出部200は、キャリッジ保持部100が記録ヘッドのヘッド面をふき始める位置と保持開始位置の間に設けられている。また、インクジェット式記録装置10の起動後にキャリッジ42が待機する待機位置は検出部200と保持開始位置の間にある。
【0012】
以上のように、待機位置及び検出部200は、キャリッジ42の移動方向において保持開始位置及び開放位置の間にこの順に配置されている。このため、待機位置及び検出部200を設置するためのスペースを別途確保する必要はない。従って、インクジェット式記録装置10は、キャリッジ42の移動方向において小さくなる。
また、キャリッジ保持部100は、開放されたキャリッジ42が待機位置に移動するときには、記録ヘッドを押圧しない。このため、キャリッジ42が待機位置に戻るときに記録ヘッドは押し上げられない。従って、記録ヘッドが液体の噴射不良を起こす可能性は低くなる。
【0013】
なお、インクジェット式記録装置10は、被記録物に対して液体を噴射することで記録を行う液体噴射装置の一例である。また、インクジェット式記録装置10の記録ヘッドは、液体噴射装置の液体噴射ヘッドの一例である。記録ヘッドに設けられるノズルは、液体噴射ヘッドの噴射口の一例である。
【0014】
しかしながら、本発明はこれらに限られない。液体噴射装置の他の例は、液晶ディスプレイのカラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造装置である。この場合、カラーフィルタ製造装置の色材噴射ヘッドが液体噴射ヘッドの一例である。液体噴射装置のさらに他の例は、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極形成装置である。この場合、電極形成装置の電極材(電導ペースト)噴射ヘッドが液体噴射ヘッドの一例である。液体噴射装置のさらに他の例は、バイオチップを製造するバイオチップ製造装置である。この場合、バイオチップ製造装置の生体有機物噴射ヘッドおよび精密ピペットとしての試料噴射ヘッドが液体噴射ヘッドの一例である。本発明の液体噴射装置は、産業用途を有するその他の液体噴射装置も含む。また被記録物とは、液体が噴射されることにより記録が行われる物であり、例えば記録用紙、ディスプレイの電極等の回路パターンが形成される回路基板、ラベルが記録されるCD−ROM、DNA回路が記録されるプレパラートが含まれる。
【0015】
次に、インクジェット式記録装置10の他の構成を、図1及び図2を用いて説明する。図2はインクジェット式記録装置10の側面概略図である。なお、図2において、インクジェット式記録装置10は、記録中の被記録物11と共に図示している。
インクジェット式記録装置10は、図1及び図2に示すように、複数の被記録物11を保持する被記録物トレイ12、被記録物トレイ12から押し出された被記録物11を給送する給送部20、給送部20が給送した被記録物11を液体噴射領域に搬送する搬送部30、液体噴射領域において被記録物11に記録を行う記録部40、被記録物11を液体噴射領域から排出する排出部50、ステップモーター60、キャリッジをロックするロックレバー70、インクジェット式記録装置10全体を制御する制御部80、及び検出部200を備える。被記録物トレイ12は、被記録物トレイ12に載置されている被記録物11を押し出すホッパ124を有する。
【0016】
給送部20は、給送ローラ22、及び給送ローラ22に連れ回るリターダローラ24を有する。給送ローラ22とリターダローラ24は、ホッパ124によって被記録物トレイ12から押し出された被記録物11の束のうち、最上位に位置する被記録物11を互いの間に挟み、被記録物11を一つずつ搬送部30に搬送する。
搬送部30は、ステップモーター60により回転する搬送ローラ32、搬送ローラ32に連れ回る搬送従動ローラ34、及び搬送ローラ32の駆動軸36を有する。搬送ローラ32は、給送ローラ20が給送した被記録物11を搬送従動ローラ34との間に挟んで回転し、液体噴射領域に搬送する。
【0017】
記録部40は、図1に示すキャリッジ42、記録ヘッド44、及びキャリッジ42を移動させるモーター48を有する。さらに、被記録物11の給送方向に対して略垂直な方向である主走査方向にキャリッジ42をスライド可能に支持するガイド板46を有する。
排出部50は、ステップモーター60により回転する排出ローラ52、及び排出ローラ52に連れ回る排出従動ローラ54を有する。排出ローラ52は、排出従動ローラ54との間に記録後の被記録物11を挟んで回転し、液体噴射領域から排出する。
【0018】
なお、搬送ローラ32及び排出ローラ54には、ステップモーター60から一本のベルト62を介して動力が伝達される。ベルト62には、テンショナー64により張力が与えられている。ステップモーター60、テンショナー64、搬送ローラ32、及び排出ローラ54は、ベルトの流れ方向においてこの順に配列される。
【0019】
ロックレバー70は、インクジェット式記録装置10が動作していないときにキャリッジ42の軌道上に突出することで、キャリッジ42が液体噴射領域に向けて移動しないようにする。ロックレバー70は、搬送ローラ32の駆動軸36、及び駆動軸36の端部に設けられたギア機構38を介して、ステップモータ60によって回動される。ロックレバー70は、ステップモータ60が被記録物11を逆送させる方向に回転したときに、キャリッジ42をロックする方向に回動し、ステップモータ60が被記録物11を搬送する方向に回転したときに、キャリッジ42を開放する方向に回動する。
【0020】
検出部200は、キャリッジ42に押下されて回動し又は被記録物11に接触することで同一方向に回動する接触レバー210、接触レバー210の回動を検出するセンサ220、及びセンサ220の検出結果に基づいてキャリッジ42又は被記録物11を認識する判断部230を有する。
ここで、接触レバー210は、一端がキャリッジ42の軌道上に突出しており、この一端がキャリッジ42によって押下される。また、接触レバー210は、被記録物11の給送方向において給送部220及び搬送部30の間に位置している。また、接触レバー210は、キャリッジ42の主走査方向において液体噴射領域とキャリッジ42の待機位置の間に位置している。
【0021】
上記した構成において、制御部80は、キャリッジ42をガイド板46に沿って往復させつつ記録ヘッド44のノズルから液体を吐出させる。そして、制御部80は、キャリッジ42が一走査する毎に被記録物11を搬送することで、被記録物11の全体に記録を行う。なお、インクジェット式記録装置10は、記録ヘッド44の往路及び復路の双方で記録を行う場合もあるし、一方のみで記録を行う場合もある。
【0022】
次に、図1、図3及び図4を用いてキャリッジ保持部100の構成を説明する。
図3及び図4はキャリッジ保持部100の構成を示す側面図である。キャリッジ保持部100は、基礎部材300及び保持部本体500を有する。
基礎部材300は、両側面に、キャリッジ42の主走査方向に伸びる各一対の案内溝310及び案内溝320を有する。案内溝310及び案内溝320の一部は、保持開始位置に近づくにつれて上がる方向に傾斜を有する。また、基礎部材300は、保持部本体500の一部とかみ合って保持部本体500を係止する係止部330を有する。
【0023】
保持部本体500は、案内溝310及び案内溝320に沿ってスライドするスライダ510、スライダ510の記録ヘッドと対向する対向面に設けられたキャップ部材520、及びキャップ部材520と同一面上に立設したワイピング部材530を有する。キャップ部材520は記録ヘッド44を封止する。ワイピング部材530は記録ヘッド44のヘッド面に付着している液体を拭き取る。ワイピング部材530はクリーニング部の一例であり、弾性を有する材料で形成されている。
【0024】
スライダ510は、案内溝310に挿通される支持ピン511、案内溝320に挿通される支持ピン512、及びキャリッジ42によって保持開始位置に向けて押される被押圧部513を有する。また、スライダ510は図示しない付勢手段、例えばバネ部材によって液体噴射領域側及び下方側に向けて付勢されている。
【0025】
図3に示す状態においてキャリッジ42が被押圧部513を押した場合、支持ピン511及び512が案内溝310及び案内溝320に沿ってスライドする。このため、スライダ510は、キャリッジ42とともに保持開始位置に向けてスライドする。このとき、案内溝310及び案内溝320の一部は傾斜を有するため、図4に示すように、スライダ510は上側に突出する。このため、キャリッジ42が保持開始位置に移動した場合、スライダ510上に設けられたキャップ部材520はキャリッジ42の記録ヘッド44を封止することができる。
【0026】
また、保持部本体500は、スライダ510の底部に、断面が略L字状の係止部材540を有する。係止部材540は支持ピン512によって回動可能にスライダ510に組み付けられており、スライダ510が保持開始位置に来たときに、図4に示すように下方側の端部542が基礎部材300の係止部330と係合する。スライダ510は液体噴射領域側及び下方側に向けて付勢されているため、係止部材540の下方側の端部542は、係止部330と十分に係合し、スライダ510を基礎部材300に係止する。このため、キャリッジ42はスライダ510及びキャップ部材520を介して係止部材540によって保持される。
このとき係止部材540の上方側の端部544は、図4に示すようにキャリッジ42の移動経路内に突出する。
【0027】
そして、キャリッジ42が保持開始位置から液体噴射領域に向けて移動すると、ワイピング部材530は記録ヘッド44のヘッド面をふき取る。
さらにキャリッジ42が液体噴射領域に向けて移動し、開放位置に達すると、キャリッジ42の保持開始位置側の下端部に突出した突起422が係止部材540の上方側の端部544を液体噴射領域側に押す。すると、係止部材540が支持ピン512を中心に回動するため、係止部材540の下方側の端部542は係止部330から外れる。
このようにして、キャリッジ42は開放位置において開放される。
【0028】
図5は、インクジェット式記録装置10の起動時の動作を示すフローチャートである。制御部80は、インクジェット式記録装置10が動作を終了するときに、キャリッジ42を保持開始位置に移動させ、キャップ部材520に記録ヘッド44を封止させておく。また、キャリッジ42の正常な起動位置は、例えば保持開始位置より液体噴射領域側に寄っている。この位置において、キャリッジ42は、ロックレバー70によって液体噴射領域側に移動しないようにロックされている。
インクジェット式記録装置10の制御部80は、電源が入れられると、ロックレバー70を動かしてキャリッジ42のロックを解除する(S10)。そして、キャリッジ42の待機位置を検出し、キャリッジ42を待機位置に移動させた(S20)後、記録を行う(S30)。
【0029】
図6及び図7は、図5のS10の詳細を示すフローチャートである。
制御部80は、キャリッジ42を、定められた距離ずつ、例えば1/180インチずつ微速で液体噴射領域に向けて連続的に移動させる(S100)。そして、移動中において、キャリッジ42を駆動するモーター48の電流値が規定値以下であることを確認する(S110:Yes)。モータ48の電流値が規定値以上となった場合、制御部80は、ロックレバー70が、キャリッジ42が正常な起動位置にあった場合にはキャリッジ42に接触しないタイミングにおいてキャリッジ42と接触したと判断し(S110:No)、キャリッジの移動を中止し(S130)、S140に進む。
規定回数、例えば6回ほどキャリッジ42を動かし、ロックレバー70を解除すべき位置までキャリッジ42が移動した場合(S120:Yes)、制御部80はステップモーター60を回転させてロックレバー70をロック解除方向に回動させ、キャリッジ42のロックを解除する(S140)。
【0030】
次に制御部80は、キャリッジ42を、定められた距離ずつ、例えば1/180インチずつ微速で反対側に連続的に移動させる(S150)。そして、移動中において、キャリッジ42を駆動するモーター48の電流値が規定値以下であることを確認する(S160:Yes)。モータ48の電流値が規定値以上となった場合、制御部80は、ロックレバー70が、キャリッジ42が正常な起動位置にあった場合にはキャリッジ42に接触しないタイミングにおいてキャリッジ42と接触したと判断し(S160:No)、キャリッジの移動を中止し(S180)、S190に進む。
規定回数、例えば12回ほどキャリッジ42を動かし、キャリッジが正常な起動位置より保持開始位置側に移動した場合(S170:Yes)、制御部80はステップモーター60を回転させてロックレバー70をロック解除方向に回動させる(S190)。
【0031】
図7に進む。制御部80は、キャリッジ42を定められた距離ずつ、例えば1/180インチずつ微速で液体噴射領域側に連続的に移動させる(S200)。そして、移動中において、キャリッジ42を駆動するモーター48の電流値が規定値以下であることを確認する(S210:Yes)。モータ48の電流値が規定値以上となった場合、制御部80は、ロックレバー70が、キャリッジ42が正常な起動位置にあった場合にはキャリッジ42に接触しないタイミングにおいてキャリッジ42と接触したと判断し(S210:No)、キャリッジの移動を中止する(S230)。規定回数、例えば6回ほどキャリッジ42を動かし、キャリッジを起動位置まで戻した場合(S220:Yes)、制御部80はキャリッジ42のロック解除動作が完了したと判断する(S240)。
【0032】
このように、制御部80は、キャリッジ42を動かしているときにモータ48の電流値が規定値を超えた場合、キャリッジ42を反対側に移動させるとともに、ロックレバー70をロック解除方向に回動させる。
従って、例えばキャリッジ42が正常な起動位置以外の場所から起動し、ロックレバー70が、キャリッジ42が正常な起動位置にあった場合にはキャリッジ42に接触しないタイミングにおいてキャリッジ42と接触したとしても、制御部80はインクジェット式記録装置10を起動することができる。
【0033】
図8は、図5のS20の詳細を示すフローチャートである。制御部80は、キャリッジ42を定められた距離ずつ、例えば1/180インチずつ微速で液体噴射領域に向けて連続的に移動させる(S300)。そして、移動中において、キャリッジ42を駆動するモーター48の電流値が規定値以下であることを確認する(S310:Yes)。モータ48の電流値が規定値以上となった場合、制御部80は、異物がキャリッジ42と接触したと判断し(S310:No)、キャリッジの移動を中止し(S360)、S370に進む。
【0034】
規定回数、例えば1/180インチずつ255回ほどキャリッジ42を動かし、キャリッジ42が検出部200より液体噴射領域側に移動した場合(S320:Yes)、制御部80は、キャリッジ42を高速で定められた距離ずつ、例えば1/180インチずつ液体噴射領域に向けて連続的に移動させる(S330)。そして、移動中において、キャリッジ42を駆動するモーター48の電流値が規定値以下であることを確認する(S340:Yes)。モータ48の電流値が規定値以上となった場合、制御部80は、異物がキャリッジ42と接触したと判断し(S340:No)、キャリッジの移動を中止し(S360)、S370に進む。
さらに、例えば1/180インチずつ255回移動させて、キャリッジ42が開放位置まで移動した場合(S350)、制御部80はキャリッジ42を反対側に移動させ、待機位置に静止させる(S370)。
なお、キャリッジ42が検出部200と開放位置の間を移動する際に、ワイピング部材530は記録ヘッド44のヘッド面をふき取る。またキャリッジ42が開放位置にきたとき、キャリッジ保持部100はキャリッジ42を開放する。
【0035】
このように、制御部80は、キャリッジ42が検出部200より液体噴射領域側に移動するまで、キャリッジ42の移動速度を微速にしておく。従って、検出部200とキャリッジ42の接触音は小さくなる。また、キャリッジ42が検出部200より液体噴射領域側に移動したらキャリッジ42の移動速度を高速にする。従って、インクジェット式記録装置10の起動時間は短くなる。
【0036】
図9は、図8のS370の詳細を示すフローチャートである。キャリッジ42の待機位置は検出部200より保持開始位置側にあるため、制御部80はキャリッジ42を高速で保持開始位置側に、例えば255/180インチ動かす(S400)。そして、検出部200の手前でキャリッジ42の移動速度を減速した後、微速でキャリッジ42を予め定められた距離ずつ、例えば1/180インチずつ移動させる(S410)。
【0037】
検出部200がキャリッジ42と接触してキャリッジ42を検出する(S420:Yes)と、制御部80は、検出部200と待機位置までの距離分、例えば193/180インチほどキャリッジ42を保持開始位置側に微速で動かして待機位置に移動させる(S450)。
また、検出部200がキャリッジ42を検出する前にキャリッジ42が非定常な距離、例えば2223/180インチほど移動した場合(S430:Yes)、制御部80は起動エラーと判定する(S440)。
【0038】
そして、移動速度が微速になってから検出部200に検出されるまでにキャリッジ42が移動した距離が、予め定めた範囲内、例えば51/180インチ以上73/180インチ以下であった場合(S460:Yes)、起動時にキャリッジ42が正常な起動位置にあったと判断し(S470)、キャリッジ420を待機位置に待機させる。移動距離が予め定めた範囲内になかった場合(S460:No)、制御部80は、キャリッジ42が正常な起動位置になく、キャップ部材520によって封止されていなかったと判断し(S480)、記録ヘッド44のクリーニングを行う(S490)。
【0039】
このように、制御部80は、検出部200に接触すべき位置の手前においてキャリッジ42を減速する。従って、検出部200とキャリッジ42の接触音は小さくなる。また、接触時にはキャリッジ42の移動速度は微速になっているため、検出部200は精度よくキャリッジ42を検出することができる。
また、制御部80は、検出部200がキャリッジ42を検出した後に、キャリッジ42を微速即ち低速で待機位置まで動かす。従って、制御部200は、キャリッジ42を精度よく待機位置で静止させることができる。
さらに、待機位置に移動させた後、液体噴射時にキャリッジ42を動かしても、キャリッジ42がロックレバー70に接触する可能性は低くなる。従って
、正常に液体噴射を行える可能性は高くなる。
【0040】
上記説明から明らかなように、本実施形態によれば、待機位置及び検出部200は、キャリッジ42の移動方向において保持開始位置及び開放位置の間に配置されている。このため、待機位置及び検出部200を設置するためのスペースを別途設ける必要はない。また、開放されたキャリッジ42が待機位置に移動するときには、キャリッジ保持部100は記録ヘッド44を押圧しない。従って、記録ヘッド44が液体の噴射不良を起こす可能性は低くなる。
【0041】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることができる。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置10の斜視図
【図2】インクジェット式記録装置10の側面概略図
【図3】キャリッジ保持部100の構成を示す側面図
【図4】キャリッジ保持部100の構成を示す側面図
【図5】インクジェット式記録装置10の動作を示すフローチャート
【図6】図5のS10の詳細を示すフローチャート
【図7】図6の続きを示すフローチャート
【図8】図5のS20の詳細を示すフローチャート
【図9】図8のS370の詳細を示すフローチャート
【符号の説明】
10・・インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、42・・キャリッジ、44・・記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、80・・制御部、100・・キャリッジ保持部、200・・検出部、530・・ワイピング部材(クリーニング部)
Claims (5)
- 被記録物に液体を噴射して記録を行う液体噴射装置であって、
前記液体を噴射する液体噴射ヘッドを有し、前記被記録物に対して移動可能なキャリッジと、
前記キャリッジが、当該キャリッジの待機位置より前記被記録物から離れた位置にある保持開始位置に移動したときに、前記キャリッジを保持するとともに、保持された前記キャリッジが、前記待機位置より前記被記録物に近い位置にある開放位置に移動したときに、前記キャリッジを開放するキャリッジ保持部と、
前記キャリッジの移動方向において、前記キャリッジが前記待機位置と前記開放位置の間にある場合に、当該キャリッジを検知する検出部と、
を備える液体噴射装置。 - 保持されている前記キャリッジが前記開放位置に移動するときに、前記検出部と前記開放位置の間において前記液体噴射ヘッドのヘッド面に押圧して前記ヘッド面に付着している前記液体を拭き取るクリーニング部を更に備える請求項1に記載の液体噴射装置。
- 前記液体噴射装置の動作終了時に、前記キャリッジを前記保持開始位置に移動させると共に、前記液体噴射装置の起動時に、前記キャリッジを前記解除位置に移動させた後に前記待機位置に戻す制御部を更に備える請求項2に記載の液体噴射装置。
- 前記制御部は、前記キャリッジを前記待機位置に移動させる場合において、前記検出部が前記キャリッジを検知した後に、前記キャリッジを低速で移動させる請求項3に記載の液体噴射装置。
- 前記検出部は、前記キャリッジの移動中に当該キャリッジに押下することで前記キャリッジが前記待機位置に移動していることを検知し、
前記制御部は、前記検出部に接触すべき位置の手前において前記キャリッジを減速する請求項4に記載の液体噴射装置。
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JP (1) | JP2004291495A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006132420A1 (ja) | 2005-06-10 | 2006-12-14 | Kabushiki Kaisha Topcon | 時間差測定装置および距離測定装置並びに距離測定方法 |
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2003
- 2003-03-27 JP JP2003089127A patent/JP2004291495A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2006132420A1 (ja) | 2005-06-10 | 2006-12-14 | Kabushiki Kaisha Topcon | 時間差測定装置および距離測定装置並びに距離測定方法 |
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