JP2004034519A - 液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明によればキャッピング手段の移動が停止することに伴う衝撃を緩衝することができる。
【解決手段】
ターゲットに液滴を噴射する液体噴射装置であって、液滴を噴射するノズルをノズル形成面に有する液体噴射ヘッドと、液体噴射ヘッドのノズルを封止するキャップ部及びノズル形成面に付着した液体を払拭するワイピング部を有するキャッピング手段と、キャッピング手段を摺動可能に保持し、液体噴射装置に固定されたブラケットと、ブラケットに対するキャッピング手段の摺動の停止に伴う衝撃を緩衝する緩衝部とを備えた液体噴射装置。
【選択図】 図3
【解決手段】
ターゲットに液滴を噴射する液体噴射装置であって、液滴を噴射するノズルをノズル形成面に有する液体噴射ヘッドと、液体噴射ヘッドのノズルを封止するキャップ部及びノズル形成面に付着した液体を払拭するワイピング部を有するキャッピング手段と、キャッピング手段を摺動可能に保持し、液体噴射装置に固定されたブラケットと、ブラケットに対するキャッピング手段の摺動の停止に伴う衝撃を緩衝する緩衝部とを備えた液体噴射装置。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体噴射装置に関する。特に本発明は、記録ヘッドのノズル形成面のインクを払拭するワイピング部及びノズルを封止するキャップ部を備える液体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体噴射装置の一例として、インクジェット式記録装置は、記録ヘッドのノズル形成面に設けられたノズルからインクを吐出することにより被記録物に印刷する。インクジェット式記録装置は、印刷を休止する場合にノズルを封止するキャッッピング手段を備え、ノズルが乾燥することを抑える。キャッピング手段は、ノズルの清掃時にノズルから吸引されたインクを保持する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ノズルを封止する動作の終了後、キャッピング手段が待機位置に移動して停止すると、キャッピング手段の移動の停止に伴って衝撃が発生し、キャッピング手段に保持されていたインクが飛散することがあった。そのため、被記録物及びインクジェット式記録装置の部品がインクに汚されることがあった。
【0004】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできる液体噴射装置を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第1の形態によると、ターゲットに液滴を噴射する液体噴射装置であって、液体噴射装置は、液滴を噴射するノズルをノズル形成面に有する液体噴射ヘッドと、液体噴射ヘッドのノズルを封止するキャップ部及びノズル形成面に付着した液体を払拭するワイピング部を有するキャッピング手段と、キャッピング手段を摺動可能に保持し、液体噴射装置に固定されたブラケットと、ブラケットに対するキャッピング手段の摺動の停止に伴う衝撃を緩衝する緩衝部とを備える。
【0006】
更に、キャッピング手段と緩衝部とが一体に成形されることが好ましい。また、キャッピング手段は、キャップ部及びワイピング部を支持するキャップホルダを更に有し、緩衝部は、キャップホルダのブラケットに対する衝撃を緩衝し、緩衝部の弾性率は、キャップホルダの弾性率よりも高いことが好ましい。更に、ワイピング部及びキャップ部は、緩衝部と同一の材料により形成され、緩衝部、ワイピング部、キャップ部、及びキャップホルダは、一体に2色成形されていることが好ましい。緩衝部は、エラストマーにより形成されてもよい。また、緩衝部は、キャップホルダの端部に、キャップホルダと一体に成形され、キャップホルダは、ブラケットの上部に配置され、ブラケットは、緩衝部と接触してキャッピング手段の摺動を停止する停止部を一体に有し、停止部は、ブラケットの端部から側方へと突出し、更に緩衝部と接触可能な位置まで上方に突出することが好ましい。
【0007】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態はクレームにかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0009】
図1は、インクジェット式記録装置10の内部構成を示す側面概略図である。ここで、インクジェット式記録装置10は、液体噴射装置の一例である。また、インクジェット式記録装置10の記録ヘッドは、液体噴射装置の液体噴射ヘッドの一例である。記録ヘッドに設けられる吐出口は、液体噴射ヘッドの噴射口の一例である。また、被記録物は、ターゲットの一例である。
【0010】
しかしながら、本実施形態はインクジェット式記録装置に限られない。液体噴射装置の他の例としては、液晶ディスプレイのカラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造装置がある。この場合、カラーフィルタ製造装置の色材噴射ヘッドは、液体噴射ヘッドの一例である。液体噴射装置のさらに他の例としては、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極形成装置がある。この場合、電極形成装置の電極材(電導ペースト)噴射ヘッドは、液体噴射ヘッドの一例である。液体噴射装置のさらに他の例としては、バイオチップを製造するバイオチップ製造装置がある。この場合、バイオチップ製造装置の生体有機物噴射ヘッドおよび精密ピペットしての試料噴射ヘッドは、液体噴射ヘッドの一例である。本発明の液体噴射装置は、産業用途を有するその他の液体噴射装置も含む。
【0011】
インクジェット式記録装置10は、図1に示すように、複数の被記録物11を保持する載置部12、一の被記録物11を載置部12から取り出して印刷するために給送する給送部20、給送部20により給送された被記録物11に給送方向の動力を伝える搬送部30、被記録物11に印刷を行う印刷部40、及び印刷された被記録物11に排出方向の動力を伝える排出部50を、給送方向においてこの順に備える。
【0012】
給送部20は、例えば図示しないモータにより駆動軸とともに回転する給送ローラ22、及び分離パッド24を有する。給紙ローラ22は略扇形であり、駆動軸26は扇を構成する円弧の中心に設けられる。給紙ローラ22が回動することにより、給紙ローラ22は分離パッド24に対し、当接状態と乖離状態とを繰り返す。当接状態において、給送ローラ22と分離パッド24は、載置部12から給送部20に給送された被記録物11の束のうち、最上位に位置する被記録物11を互いの間に挟むことで、被記録物11を一つずつ分離して搬送部30に給送する。この給送時の途中のタイミングで、給紙ローラ22及び載置部12の一部であるホッパは互いに離間し、給送されなかった被記録物11を載置部12に戻して整位することができるようにする。
【0013】
搬送部30は、モータ60により回転する搬送ローラ32、搬送ローラ32に連れ回る搬送従動ローラ34を有し、搬送ローラ32と搬送従動ローラ34との当接点に被記録物11を挟むことで、給送部20により給送された被記録物11を印刷部40の下部に給送する。
【0014】
印刷部40は、インクカートリッジを載置するキャリッジ42、キャリッジ42の被記録物11に対向する面に設けられ、インクを吐出する記録ヘッド44、キャリッジ42に設けられた軸穴46、軸穴46を挿通しキャリッジ42を給送方向に対して略垂直な方向にスライド可能に支持するガイド軸48、及び印刷の制御を行う印刷制御部49を有する。なお、記録ヘッド44は、被記録物11の給送方向に沿って配列された複数の吐出口を有する。
【0015】
排出部50は、モータ60により回転する排出ローラ52、及び排出ローラ52に連れ回る排出従動ローラ54を有し、排出ローラ52と排出従動ローラ54との当接点に被記録物11を挟むことで、印刷後の被記録物11を排出する。
【0016】
なお、搬送従動ローラ34は、搬送ローラ32の上側に、搬送ローラ32より記録ヘッド44側に設けられ、排出従動ローラ54は、排出ローラ52の上側に、排出ローラ52より記録ヘッド44側に設けられる。これにより、被記録物11は、印刷部40に対向する位置において下側にたわむ。
【0017】
上記した構成において、インクジェット式記録装置10は、記録ヘッド44をガイド軸48に沿って往復させつつインクを吐出する。インクジェット式記録装置10は、記録ヘッド44が一走査する毎に被記録物11を給送することで、被記録物11の全体に印刷を行う。なお、記録ヘッド44は、往路及び復路の双方で印刷を行う場合もあるし、一方のみで印刷を行う場合もある。
【0018】
なお、搬送部30及び排出部50には、モータ60から一本のベルト62を介して動力が伝達される。ベルト62には、テンショナ64により張力が与えられている。モータ60、テンショナ64、搬送部30、及び排出部50は、ベルト62の流れ方向に沿ってこの順に配置される。
【0019】
図2は、インクジェット式記録装置10の斜視図である。印刷部40は、更にタイミングベルト402、キャリッジモータ404、ブラックインクカートリッジ406及びカラーインクカートリッジ408を有する。
【0020】
キャリッジモータ404がタイミングベルト402を駆動することにより、キャリッジ42は、ガイド軸48に案内されて被記録物11の給送方向対し略直角に往復移動する。キャリッジ42の被印刷物に対向する側には、ブラックインク用吐出口及びカラーインク用吐出口を含む記録ヘッド44が搭載される。キャリッジ42の上部には、記録ヘッド44にインクを供給するブラックインクカートリッジ406及びカラーインクカートリッジ408が着脱可能に装着されている。
【0021】
インクジェット式記録装置10は、更に排出されたインクを搬送するインク搬送部70とワイピング部80とを備える。インク搬送部70は、記録ヘッド44の吐出口を封止するキャップ部72と、吐出口がキャップ部72に吐出したインクを搬送するチューブ75と、チューブの一部を弾性変形させ、チューブ内部のインクを搬送するポンプ76と、ポンプ76が搬送したインクを蓄積する廃液ボックス79とをインクの搬送方向においてこの順に有する。
【0022】
インク搬送部70は、印刷領域(被記録物11の給送経路)外の非印刷領域(ホームポジション)に配置されている。ワイピング部80は、弾性を有しており、キャップ部72の印刷領域側の端部近傍に配置される。ワイピング部80は、二色成形法により、キャップ部72と一体に射出成形される。また、インク搬送部70及びワイピング部80は、記録ヘッド44を清掃するヘッドクリーニング機構161を構成する。
【0023】
以上の構成において、インクジェット式記録装置10が印刷を行わない場合に、キャリッジ42は、印刷領域から非印刷領域へ移動する。キャリッジ42に設けられた記録ヘッド44が直上に移動してきた場合に、キャップ部72は、キャリッジ42側に上昇し、記録ヘッド44の吐出口を有する面を封止する。
【0024】
ここで、この封止状態において、ポンプ76が、記録ヘッド44とキャップ部72により形成される内部空間の空気を吸引することにより、記録ヘッド44の吐出口からインクが強制的に吸引排出され、吐出口のクリーニングを行うことができる。キャップ部72は、記録ヘッド44の吐出口を有する面を封止することにより、吐出口の乾燥を抑えることができる。また、キャップ部72は、記録ヘッド44にインク滴を空吐出させるフラッシング時に、空吐出されたインクを受け取る。このフラッシングは、印刷とは関係のない駆動信号を記録ヘッド44に印加して行う。
【0025】
キャリッジ42は、非印刷領域から印刷領域に戻る場合、まずキャップ部72から離脱する。さらにキャリッジ42が非印刷領域側に移動するのに伴い、ワイピング部80が記録ヘッド44の移動経路上に進出し、記録ヘッド44のノズル形成面のインクを払拭する。
【0026】
図3、図4、及び図5は、インクジェット式記録装置10にかかるキャップユニットの一例としてのヘッドクリーニング機構161の詳細な構成を示す。図3は、ヘッドクリーニング機構161の斜視図である。図4は、ヘッドクリーニング機構161の平面図であり、図5は、ヘッドクリーニング機構161の側断面を示す。なお、説明を簡単にするために、図3、4、5、及び図7から図11では、チューブ75、ポンプ76、及び廃液ボックス79の記載を省略する。
【0027】
図3に示すようにヘッドクリーニング機構161は、キャッピング手段220、緩衝部200、レバー240、及びブラケット164を備える。キャッピング手段220は、キャップ部72、ワイピング部80、及びキャップホルダ170を有する。キャップホルダ170は、キャップ部72及びワイピング部80を支持し、キャップ部72及びワイピング部80と一体に成形されている。キャッピング手段220は、ブラケット164に対して摺動可能なスライダ167を有する。キャップホルダ170は、スライダ167に接続され、スライダ167と共にブラケット164に対して摺動することができる。緩衝部200は、キャップホルダ170の端部に、キャップホルダ170と一体に成形される。緩衝部200がキャップホルダ170の端部に配されているので、緩衝部200は、ブラケット164に対するキャップホルダ170の摺動を停止することに伴う衝撃を緩衝することができる。
【0028】
ブラケット164は、キャッピング手段220を摺動可能に保持する。ブラケット164は、インクジェット式記録装置10において、記録ヘッド44の非印刷領域付近に配置され、インクジェット式記録装置10に固定される。更に、ブラケット164は、緩衝部200と接触してキャッピング手段220の摺動を停止する停止部210を一体に有する。停止部210は、ブラケット16の端部から印刷領域の方向(図中の左方)へと側方に突出し、更に緩衝部200と接触可能な位置まで上方に突出するように成形される。キャッピング手段220が待機位置に戻るときに、キャッピング手段220のキャップホルダ170に形成された緩衝部200が停止部210と接触することにより、停止部210は、キャッピング手段220の摺動を停止させる。従って、ヘッドクリーニング機構161は、緩衝部200によりキャッピング手段220の摺動が停止することに伴う衝撃を緩衝することができる。
【0029】
図5に示すように、ブラケット164は、記録ヘッド44の移動方向(図中の矢印Aの方向)と略同方向に延びる各一対の案内溝165及び166を両側壁に有する。案内溝165は、水平な下段部165a、図中右上がりに傾斜する第1傾斜部165b、水平な中段部165c、図中右上がりに傾斜する第2傾斜部165d、及び水平な上段部165eを連続的に有する。また、案内溝166は、水平な下段部166a、図中右上がりに傾斜する第1傾斜部166b、及び水平な上段部166eを連続的に有する。
【0030】
スライダ167は、両側面から突出して設けられた各一対の支持ピン168及び支持ピン169を有する。これら支持ピン168及び支持ピン169は、それぞれ案内溝165及び166に挿通される。
【0031】
図5に示すように、スライダ167は、案内溝165及び166に挿入された支持ピン168及び169によって支持されることにより、案内溝165及び166に沿って、記録ヘッド44の移動方向及び記録ヘッド44の吐出口形成面44aに対して接近及び離間する上下方向に移動することができる。ここで案内溝165及び166並びに支持ピン168及び169は、記録ヘッド44を搭載するキャリッジ42の移動を、キャップホルダ170が接近及び離間する動作に変換する。また、スライダ167は、スライダ167の上部から突出する被係合部180を有する。
【0032】
図4に示すように、ブラケット164は、バネ留め部240と、一端がこのバネ留め部240に留められるスライダ移動用バネ部材232を有する。スライダ移動用バネ部材232の他端は、スライダ167の支持ピン169に留められる。これにより、スライダ移動用バネ部材232がスライダ167の支持ピン169を、ブラケット164のバネ留め部240の方向へ引っ張る。すなわちこのスライダ移動用バネ部材232により、スライダ167は、記録ヘッド44の印刷領域側すなわち図5の左側、及び下方側に付勢される。また、キャップ用バネ部材230が、キャップホルダ170とスライダ167との間に設けられ、キャップホルダ170を上方に付勢する。
【0033】
図6は、キャップホルダ170の断面図である。キャップホルダ170の中央を囲む領域にキャップ部72が配される。キャップ部72及びワイピング部材80は、キャップホルダ170上に突出して設けられる。緩衝部200は、キャップホルダ170の摺動方向においてキャップホルダ170の端面よりも外側に突出して設けられている。また、キャップホルダ170の端部上にはワイピング部80及び緩衝部200が配される。キャップ部72、ワイピング部材80、及び緩衝部200は、キャップホルダ170よりも弾性率が高い材料を用いて形成される。キャップ部72、ワイピング部材80、及び緩衝部200は、同一の材料、例えばエラストマー等の弾性率が高い軟質性素材を用いて形成される。従って、緩衝部200は、キャップホルダ170が、ブラケット164の停止部210に衝突して停止するときに伴う衝撃を緩衝することができる。キャップ部72、ワイピング部材80、緩衝部200、及びキャップホルダ170は、異なる弾性率の材料を用いて一体に2色成形されてもよい。キャップ部72、ワイピング部材80、緩衝部200、及びキャップホルダ170を一体に2色成形することにより、キャップ部72、ワイピング部材80、緩衝部200、及びキャップホルダ170を容易に製造することができる。
【0034】
キャップ部72の上端外周縁は、ほぼ三角形の断面形状を有する。キャップ部72の上端外周縁は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aに対して弾性変形を伴って密接し、キャップ部72の内部空間が密閉状態となるように吐出形成面44aを封止する。ワイピング部材80の上端縁は、ほぼ三角形の断面形状を有する。ワイピング部材80の上端縁は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aに対して弾性変形を伴って摺接し、吐出口形成面44aを払拭して清掃する。キャップホルダ170は、キャップ部72と対応する位置に配された漏斗状のインク排出口173と、このインク排出口173の底面に配される接続管174を有する。接続管174は、インク排出口173と一体成形される。
【0035】
図6に示すように、キャップホルダ170の接続管174の下方にポンプ76が配設される。ポンプ76は、チューブ75を介して接続管174に接続される。更に、ポンプ76は、チューブ75を介して廃液タンク79に接続される。キャップ部72が記録ヘッド44の吐出口形成面44aを封止した状態で、ポンプ76がチューブ75を介してキャップ部72の内部空間に負圧を加えることにより、記録ヘッド44からインクが吸引され廃液タンク79に排出される。
【0036】
更に、キャップホルダ170は、上面に、インク受け凹部176を有する。インク受け凹部176は、キャップ部72及びワイピング部材80の間に形成され、底部に一対の排出穴177を有する。図7に示す断面図においては、排出孔177は現れないので図中点線で示す。ワイピング部材80により記録ヘッド44の吐出口形成面44aから掻き取られたインク廃液は、インク受け凹部176内に受け止められ、排出穴177から排出される。ここで、排出穴177の下方に廃液吸収材を配してもよい。この場合には、ワイピング部材80により払拭されたインクが廃液されることによる、被記録物11及び記録装置10の汚染を防止することができる。
【0037】
図7から図11は、ヘッドクリーニング機構161の動作を示す側面図である。また、図7は、記録ヘッド44が印刷領域に位置するときのヘッドクリーニング機構161の状態を示す。図8は、記録ヘッド44がフラッシング領域に位置するときのヘッドクリーニング機構161の状態を示す。フラッシング領域とは、インクジェット式記録装置10がフラッシング工程を実行するときの、記録ヘッド44の配置領域をいう。図9は、記録ヘッド44が非印刷領域に位置するときのヘッドクリーニング機構161の状態を示す。図10は、記録ヘッド44が吸引領域に位置するときのヘッドクリーニング機構161の状態を示す。吸引領域とは、記録ヘッド44の吐出口からインクを強制的に吸引排出するクリーニング動作時に、記録ヘッド44が配置される領域をいう。図11は、記録ヘッド44がワイピング領域に位置するときのヘッドクリーニング機構161の状態を示す。ワイピング領域とは、ワイピング部材80により記録ヘッド44の吐出口形成面のインクを払拭する工程時に、記録ヘッド44が配置される領域をいう。
【0038】
図7に示すように、キャリッジ42は、キャリッジ42の非印刷領域側の下端側部から突出する係合部179を有する。キャリッジ42の係合部179及びスライダ167の被係合部180は、キャリッジ42の移動と、スライダ167の移動とを連動させる連動機構178を構成する。
【0039】
更に、キャリッジ42は、キャリッジ42の非印刷領域側の下端部から突出するように形成された係合部189を有する。また、レバー240は、レバーの右端部から下方へと突出する保持爪182及びレバー240の左端部から上方へと突出する被係合部190を有する。キャリッジ42の係合部189は、レバー240の被係合部190に対して係脱可能に設けられる。キャリッジ42の係合部189及びレバー240の被係合部190は、解除機構188を構成する。レバー240は、長穴183を有し、長穴183に支持ピン168を挿通させた状態でスライダ167とブラケット164との間に載置される。
【0040】
キャップホルダ170は、ワイピング部材80の直下に配され、キャップホルダ170の下面に突出形成された係合突片186を有する。また、ブラケット164は、端部上面に突出するように形成された被係合突片187を有する。被係合突片187は、係合突片186に対して係脱することができる。キャップホルダ170の係合突片186及びブラケット164の被係合突片187は、キャップホルダ170の下方への変位を抑制する抑制機構185を構成する。なお、係合突片186及び被係合突片187が互いに係合し合う面は、それぞれ斜状に形成される。
【0041】
ヘッドクリーニング機構161は、ブラケット164に対するスライダ167の移動をロックする保持機構181を有する。保持機構181は、レバー240に設けられた保持爪182及びブラケット164に設けられた係止部184を有する。レバー240は、スライダ167の一方の支持ピン168により、長穴183を介して相対移動可能及び回転可能に支持される。係止部184は、保持爪182に対して係脱可能なようにブラケット164に形成される。また、レバー240は、保持爪用バネ部材234により、記録ヘッド44の印刷領域側、すなわち図7の左側に向けて付勢されると共に、時計回りの方向に回転するよう付勢される。
【0042】
記録ヘッド44が印刷領域に位置している場合に、キャップホルダ170、スライダ167、レバー240、ブラケット164は図7に示す位置関係にある。
【0043】
図8に示すように、記録ヘッド44を搭載したキャリッジ42が印刷領域から非印刷領域に進入移動すると、キャリッジ42の係合部179が、スライダ167の被係合部180に当接する。
【0044】
図9に示すように、キャリッジ42の係合部179がスライダ167の被係合部180に当接しつつ、キャリッジ42がさらに被印刷領域に侵入移動すると、スライダ167は、スライダ移動用バネ部材232の付勢力に抵抗してキャップホルダ170と共に非印刷領域に移動する。このとき、スライダ167の支持ピン168は、案内溝165に係合した状態で、案内溝165の下段部165aから、第1傾斜部165b、中段部165c、及び第2傾斜部165dを介して、上段部165eへと摺動する。また、スライダ167の支持ピン169は、案内溝166に係合した状態で、案内溝166の下段部166aから第1傾斜部166bを介して、上段部166eへと摺動する。そのため、キャッピング手段220は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aへと接近する上方向に移動する。これにより、キャップ部72は、吐出口形成面44aと当接して吐出口形成面44aを封止する。
【0045】
一方、キャリッジ42が図9に示す非印刷領域から図7に示す印刷領域に退出移動すると、スライダ167は、スライダ移動用バネ部材232の付勢力によってキャップホルダ170と共に印刷領域に移動する。このとき、スライダ167の支持ピン168は、案内溝165に係合した状態で、案内溝165の上段部165eから、第2傾斜部165d、中段部165c、及び第1傾斜部165bを介して、下段部165aへと摺動する。また、スライダ167の支持ピン169は、案内溝166に係合した状態で、案内溝166の上段部166eから第1傾斜部166bを介して、下段部166aへと摺動する。そのため、キャッピング手段220が記録ヘッド44の吐出口形成面44aから離れる下方向に移動する。これにより、キャップ部72は、吐出口形成面44aから離れて吐出口形成面44aの封止を解放する。
【0046】
図10に示すように、キャリッジ42が図9に示す非印刷領域からさらに吸引領域まで移動すると、レバー240の長穴183の一端183aに支持ピン168が当接し、保持爪182は、案内面184aにより係止部184へと案内され、係止部184に係合する。保持爪182が係止部184に係合した状態で、ポンプ76は、記録ヘッド44からインクを吸引及び排出する。
【0047】
図11に示すように、記録ヘッド44からインクを吸引排出する動作が終了した後に、キャリッジ42が図10に示す吸引領域から図7に示す印刷領域へと退出移動すると、保持爪182を係止部184に残した状態で、キャッピング手段220は、スライダ移動用バネ部材232の付勢力により印刷領域へ移動する。このとき、スライダ167の支持ピン168は、案内溝165の上段部165eから、第2傾斜部165dを介して、中段部165cへと摺動する。また、スライダ167の支持ピン169は、案内溝166の上段部166eから第1傾斜部166bへと摺動する。そのため、キャッピング手段220は、キャップ部72が記録ヘッド44の吐出口形成面44aから所定の距離分離間する中間位置まで下方に移動し、キャップ部72による吐出口形成面44aの封止を解放する。また、ワイピング部材80は、吐出口形成面44aと摺接可能なワイピング位置に配置される。
【0048】
この状態で、スライダ167の支持ピン168は、レバー240の長穴183の他端183bに当接する。更に、係止部184と係合状態にある保持爪182により、キャッピング手段220は、キャップ部72が記録ヘッド44の吐出口形成面44aから所定の距離分離間する中間位置に係止され、保持される。この状態で、キャリッジ42が図11に示すワイピング領域から図7に示す印刷領域に退出移動するとき、ワイピング部材80は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aに摺接して、吐出口形成面44aを払拭清掃する。
【0049】
キャリッジ42が図11に示すワイピング領域に移動すると、抑制機構185の係合突片186が被係合突片187に係合する。すなわち、係合突片186は、被係合突片187の上部に対向し、被係合突片187によって支持される。そのため、ワイピング部材80が、記録ヘッド44の吐出口形成面44aを払拭清掃するときに、記録ヘッド44がキャップホルダ170に対して下方の押圧力を作用しても、被係合突片187によりキャップホルダ170の下方への変位は抑制される。従って、ワイピング部材80は、抑制機構185により吐出口形成面44aに摺接した状態に保持される。
【0050】
キャップホルダ170が記録ヘッド44の移動方向に沿って図11の左方に移動したときは、係合突片186と被係合突片187との係合状態が容易に解除される。一方、ワイピング部材80に対して下方へ向かう力が作用した場合は、互いに係合し合う係合突片186及び被係合突片187の斜面が、下方へ向かう力に抵抗して係合状態を維持する。
【0051】
記録ヘッド44がキャリッジ42と共に図11に示すワイピング領域から図7に示す印刷領域に退出移動すると、キャリッジ42の係合部189は、レバー240の被係合部190に係合する。そのため、レバー240は、反時計回りの方向に回転移動して係止部184から離脱する。従って、キャッピング手段220は、保持爪182による係止保持状態から解除される。従って、レバー240は、保持爪用バネ部材234の付勢力により、図7に示す原位置に移動復帰する。
【0052】
また、本実施形態では、記録ヘッド44は、所定行数または所定枚数の記録を被記録物11にした後で、キャリッジ42と共に図7に示す印刷領域から図9に示す非印刷領域の直前位置である図8のフラッシング領域まで移動することができる。このとき、キャッピング手段220は、案内溝165及び166に沿って上方に移動せず、支持ピン168及び169は、それぞれ案内溝165及び166の下段部165a及び166aにとどまる。また、キャップ部72は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aから離れた位置にある。
【0053】
この状態で、記録ヘッド44に対して印刷データと関係のない駆動信号を印加することにより、記録ヘッド44からキャップ部72に対してインク滴を空吐出するフラッシング工程が実施される。このフラッシング動作の終了後に、記録ヘッド44は、キャリッジ42と共に、図8に示すフラッシング領域から図7に示す印刷領域に退出移動し、記録ヘッド44による記録動作が再開する。この場合、キャップホルダ170が吐出口形成面44aの下方に位置することにより、ワイピング部材80は記録ヘッド44の吐出口形成面44aと摺接しない位置にあるので、ワイピング部材80は、吐出口形成面44aを払拭清掃しない。
【0054】
次に、ヘッドクリーニング機構161の動作を説明する。例えば、インクジェット式記録装置10が長時間の休止後に記録動作を再開する場合、あるいは、ユーザが記録不良を認識して例えばクリーニングボタンを操作した場合等においては、記録ヘッド44のクリーニング動作が実行される。このクリーニング動作時に、記録ヘッド44は、キャリッジ42と共に図7に示す印刷領域から図9に示す非印刷領域に進入移動する。また、キャリッジ42の移動によりキャリッジ42の係合部179が、スライダ167の被係合部180に当接すると、キャッピング手段220が案内溝165及び166沿いに上方に移動する。そのため、キャップ部72は、吐出口形成面44aと当接して、吐出口形成面44aを封止する。
【0055】
次に、記録ヘッド44が図9に示す非印刷領域から図10に示す吸引領域へ移動し、保持機構181の保持爪182が係止部184に係合すると、キャッピング手段220は、レバー240及びスライダ移動用バネ部材232の作用により、吸引領域において安定して保持される。この状態において、ポンプ76によりキャップ部72の内部空間に負圧が加えられ、記録ヘッド44からインクが吸引及び排出されるので、記録ヘッド44の吐出口開口部の目詰まりが解消される。
【0056】
次に、記録ヘッド44が図10に示す吸引領域から図7に示す印刷領域に向かって、図11に示すワイピング領域まで退出移動すると、キャッピング手段220は、案内溝165及び166に沿って、案内溝165の中段部165c及び案内溝166の第1傾斜部166bの位置、すなわち中間位置まで下降する。そして、キャッピング手段220は、保持機構181により中間位置において保持される。そのため、キャップ部72による吐出口形成面44aの封止が解放され、ワイピング部材80は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aと摺接することができるワイピング位置に配置される。
【0057】
次に、記録ヘッド44が図11に示すワイピング領域から図7に示す印刷領域へと退出移動すると、ワイピング部材80は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aを払拭清掃する。記録ヘッド44が印刷領域に退出移動するとき、キャリッジ42の係合部189がレバー240の被係合部190に係合すると、レバー240は、反時計回りに回転移動し、係止部184から離脱する。そのため、キャッピング手段220が係止保持状態から解除され、スライダ移動用バネ部材232の付勢力により図7に示す原位置に移動復帰する。
【0058】
また、本実施形態のインクジェット式記録装置10は、被記録物11に所定行数又は所定枚数の記録をする毎に、記録ヘッド44を図7に示す印刷領域から図8に示すフラッシング領域まで移動する。このフラッシング領域では、キャップホルダ170は、案内溝165及び166に沿って上昇せず、キャップ部72は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aの下方に離れた位置に配置される。また、ワイピング部材80は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aと摺接しない位置に配置される。この状態でフラッシング工程が実施される。フラッシング工程終了後、記録ヘッド44は、ワイピング部材80によって払拭清掃されないまま、図8に示すフラッシング領域から図7に示す印刷領域へ退出移動し、印刷動作が再開する。
【0059】
ここで、記録ヘッド44が図10に示す吸引領域から図11に示すワイピング領域を経て図7に示す印刷領域に戻るときに、レバー240の保持爪182が係止部184から離脱するので、キャッピング手段220は、スライダ移動用バネ部材232の付勢力によって印刷領域、すなわち図7の左方へと急激に付勢される。そのため、停止部210及び緩衝部200がない場合、キャッピング手段220の支持ピン168及び169が、案内溝165の下段部165aの端部及び案内溝166の下段部166aの端部にそれぞれ衝突することにより、キャッピング手段220は停止する。このとき、キャッピング手段220のインク受け凹部176に保持されたインクが、衝突の衝撃により飛散する可能性がある。ところが、本実施形態のブラケット164は停止部210を有し、キャッピング手段220は停止部210と接触する部分に緩衝部200を有するので、キャッピング手段220は、緩衝部200を介して停止部210に接触することにより摺動を停止する。そのため、本実施形態のヘッドクリーニング機構161は、緩衝部200及び停止部210により、ブラケット164に対してキャッピング手段220が摺動を停止することに伴う衝撃を緩衝し、インク受け凹部176に保持されたインクが飛散することを防ぐことができる。
【0060】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることができる。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0061】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、本発明によればキャッピング手段の移動が停止することに伴う衝撃を緩衝することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、インクジェット式記録装置10の内部構成を示す側面概略図である。
【図2】図2は、インクジェット式記録装置10の斜視図である。
【図3】図3は、ヘッドクリーニング機構161の斜視図である。
【図4】図4は、ヘッドクリーニング機構161の平面図である。
【図5】図5は、ヘッドクリーニング161機構の側断面を示す。
【図6】図6は、キャップホルダ170の断面図である。
【図7】図7は、記録ヘッド44が印刷領域に位置するときのヘッドクリーニング機構161の状態を示す。
【図8】図8は、記録ヘッド44がフラッシング領域に位置するときのヘッドクリーニング機構161の状態を示す。
【図9】図9は、記録ヘッド44が非印刷領域に位置するときのヘッドクリーニング機構161の状態を示す。
【図10】図10は、記録ヘッド44が吸引領域に位置するときのヘッドクリーニング機構161の状態を示す。
【図11】図11は、記録ヘッド44がワイピング領域に位置するときのヘッドクリーニング機構161の状態を示す。
【符号の説明】
10・・・インクジェット式記録装置、20・・・給送部、30・・・搬送部、40・・・印刷部、42・・・キャリッジ、44・・・記録ヘッド、50・・・排出部、70・・・インク搬送部、72・・・キャップ部、75・・・チューブ、76・・・ポンプ、79・・・廃液ボックス、80・・・ワイピング部、161・・・ヘッドクリーニング機構、165、166・・・案内溝、167・・・スライダ、168、169・・・支持ピン、170・・・キャップホルダ、178・・・連動機構、179・・・係合部、180・・・被係合部、181・・・保持機構、182・・・保持爪、184・・・係止部、185・・・抑制機構、186・・・係合突片、187・・・被係合突片、188・・・解除機構、190・・・被係合部、200・・・緩衝部、210・・・停止部、220・・・キャッピング手段、240・・・レバー
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体噴射装置に関する。特に本発明は、記録ヘッドのノズル形成面のインクを払拭するワイピング部及びノズルを封止するキャップ部を備える液体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体噴射装置の一例として、インクジェット式記録装置は、記録ヘッドのノズル形成面に設けられたノズルからインクを吐出することにより被記録物に印刷する。インクジェット式記録装置は、印刷を休止する場合にノズルを封止するキャッッピング手段を備え、ノズルが乾燥することを抑える。キャッピング手段は、ノズルの清掃時にノズルから吸引されたインクを保持する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ノズルを封止する動作の終了後、キャッピング手段が待機位置に移動して停止すると、キャッピング手段の移動の停止に伴って衝撃が発生し、キャッピング手段に保持されていたインクが飛散することがあった。そのため、被記録物及びインクジェット式記録装置の部品がインクに汚されることがあった。
【0004】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできる液体噴射装置を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第1の形態によると、ターゲットに液滴を噴射する液体噴射装置であって、液体噴射装置は、液滴を噴射するノズルをノズル形成面に有する液体噴射ヘッドと、液体噴射ヘッドのノズルを封止するキャップ部及びノズル形成面に付着した液体を払拭するワイピング部を有するキャッピング手段と、キャッピング手段を摺動可能に保持し、液体噴射装置に固定されたブラケットと、ブラケットに対するキャッピング手段の摺動の停止に伴う衝撃を緩衝する緩衝部とを備える。
【0006】
更に、キャッピング手段と緩衝部とが一体に成形されることが好ましい。また、キャッピング手段は、キャップ部及びワイピング部を支持するキャップホルダを更に有し、緩衝部は、キャップホルダのブラケットに対する衝撃を緩衝し、緩衝部の弾性率は、キャップホルダの弾性率よりも高いことが好ましい。更に、ワイピング部及びキャップ部は、緩衝部と同一の材料により形成され、緩衝部、ワイピング部、キャップ部、及びキャップホルダは、一体に2色成形されていることが好ましい。緩衝部は、エラストマーにより形成されてもよい。また、緩衝部は、キャップホルダの端部に、キャップホルダと一体に成形され、キャップホルダは、ブラケットの上部に配置され、ブラケットは、緩衝部と接触してキャッピング手段の摺動を停止する停止部を一体に有し、停止部は、ブラケットの端部から側方へと突出し、更に緩衝部と接触可能な位置まで上方に突出することが好ましい。
【0007】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態はクレームにかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0009】
図1は、インクジェット式記録装置10の内部構成を示す側面概略図である。ここで、インクジェット式記録装置10は、液体噴射装置の一例である。また、インクジェット式記録装置10の記録ヘッドは、液体噴射装置の液体噴射ヘッドの一例である。記録ヘッドに設けられる吐出口は、液体噴射ヘッドの噴射口の一例である。また、被記録物は、ターゲットの一例である。
【0010】
しかしながら、本実施形態はインクジェット式記録装置に限られない。液体噴射装置の他の例としては、液晶ディスプレイのカラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造装置がある。この場合、カラーフィルタ製造装置の色材噴射ヘッドは、液体噴射ヘッドの一例である。液体噴射装置のさらに他の例としては、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極形成装置がある。この場合、電極形成装置の電極材(電導ペースト)噴射ヘッドは、液体噴射ヘッドの一例である。液体噴射装置のさらに他の例としては、バイオチップを製造するバイオチップ製造装置がある。この場合、バイオチップ製造装置の生体有機物噴射ヘッドおよび精密ピペットしての試料噴射ヘッドは、液体噴射ヘッドの一例である。本発明の液体噴射装置は、産業用途を有するその他の液体噴射装置も含む。
【0011】
インクジェット式記録装置10は、図1に示すように、複数の被記録物11を保持する載置部12、一の被記録物11を載置部12から取り出して印刷するために給送する給送部20、給送部20により給送された被記録物11に給送方向の動力を伝える搬送部30、被記録物11に印刷を行う印刷部40、及び印刷された被記録物11に排出方向の動力を伝える排出部50を、給送方向においてこの順に備える。
【0012】
給送部20は、例えば図示しないモータにより駆動軸とともに回転する給送ローラ22、及び分離パッド24を有する。給紙ローラ22は略扇形であり、駆動軸26は扇を構成する円弧の中心に設けられる。給紙ローラ22が回動することにより、給紙ローラ22は分離パッド24に対し、当接状態と乖離状態とを繰り返す。当接状態において、給送ローラ22と分離パッド24は、載置部12から給送部20に給送された被記録物11の束のうち、最上位に位置する被記録物11を互いの間に挟むことで、被記録物11を一つずつ分離して搬送部30に給送する。この給送時の途中のタイミングで、給紙ローラ22及び載置部12の一部であるホッパは互いに離間し、給送されなかった被記録物11を載置部12に戻して整位することができるようにする。
【0013】
搬送部30は、モータ60により回転する搬送ローラ32、搬送ローラ32に連れ回る搬送従動ローラ34を有し、搬送ローラ32と搬送従動ローラ34との当接点に被記録物11を挟むことで、給送部20により給送された被記録物11を印刷部40の下部に給送する。
【0014】
印刷部40は、インクカートリッジを載置するキャリッジ42、キャリッジ42の被記録物11に対向する面に設けられ、インクを吐出する記録ヘッド44、キャリッジ42に設けられた軸穴46、軸穴46を挿通しキャリッジ42を給送方向に対して略垂直な方向にスライド可能に支持するガイド軸48、及び印刷の制御を行う印刷制御部49を有する。なお、記録ヘッド44は、被記録物11の給送方向に沿って配列された複数の吐出口を有する。
【0015】
排出部50は、モータ60により回転する排出ローラ52、及び排出ローラ52に連れ回る排出従動ローラ54を有し、排出ローラ52と排出従動ローラ54との当接点に被記録物11を挟むことで、印刷後の被記録物11を排出する。
【0016】
なお、搬送従動ローラ34は、搬送ローラ32の上側に、搬送ローラ32より記録ヘッド44側に設けられ、排出従動ローラ54は、排出ローラ52の上側に、排出ローラ52より記録ヘッド44側に設けられる。これにより、被記録物11は、印刷部40に対向する位置において下側にたわむ。
【0017】
上記した構成において、インクジェット式記録装置10は、記録ヘッド44をガイド軸48に沿って往復させつつインクを吐出する。インクジェット式記録装置10は、記録ヘッド44が一走査する毎に被記録物11を給送することで、被記録物11の全体に印刷を行う。なお、記録ヘッド44は、往路及び復路の双方で印刷を行う場合もあるし、一方のみで印刷を行う場合もある。
【0018】
なお、搬送部30及び排出部50には、モータ60から一本のベルト62を介して動力が伝達される。ベルト62には、テンショナ64により張力が与えられている。モータ60、テンショナ64、搬送部30、及び排出部50は、ベルト62の流れ方向に沿ってこの順に配置される。
【0019】
図2は、インクジェット式記録装置10の斜視図である。印刷部40は、更にタイミングベルト402、キャリッジモータ404、ブラックインクカートリッジ406及びカラーインクカートリッジ408を有する。
【0020】
キャリッジモータ404がタイミングベルト402を駆動することにより、キャリッジ42は、ガイド軸48に案内されて被記録物11の給送方向対し略直角に往復移動する。キャリッジ42の被印刷物に対向する側には、ブラックインク用吐出口及びカラーインク用吐出口を含む記録ヘッド44が搭載される。キャリッジ42の上部には、記録ヘッド44にインクを供給するブラックインクカートリッジ406及びカラーインクカートリッジ408が着脱可能に装着されている。
【0021】
インクジェット式記録装置10は、更に排出されたインクを搬送するインク搬送部70とワイピング部80とを備える。インク搬送部70は、記録ヘッド44の吐出口を封止するキャップ部72と、吐出口がキャップ部72に吐出したインクを搬送するチューブ75と、チューブの一部を弾性変形させ、チューブ内部のインクを搬送するポンプ76と、ポンプ76が搬送したインクを蓄積する廃液ボックス79とをインクの搬送方向においてこの順に有する。
【0022】
インク搬送部70は、印刷領域(被記録物11の給送経路)外の非印刷領域(ホームポジション)に配置されている。ワイピング部80は、弾性を有しており、キャップ部72の印刷領域側の端部近傍に配置される。ワイピング部80は、二色成形法により、キャップ部72と一体に射出成形される。また、インク搬送部70及びワイピング部80は、記録ヘッド44を清掃するヘッドクリーニング機構161を構成する。
【0023】
以上の構成において、インクジェット式記録装置10が印刷を行わない場合に、キャリッジ42は、印刷領域から非印刷領域へ移動する。キャリッジ42に設けられた記録ヘッド44が直上に移動してきた場合に、キャップ部72は、キャリッジ42側に上昇し、記録ヘッド44の吐出口を有する面を封止する。
【0024】
ここで、この封止状態において、ポンプ76が、記録ヘッド44とキャップ部72により形成される内部空間の空気を吸引することにより、記録ヘッド44の吐出口からインクが強制的に吸引排出され、吐出口のクリーニングを行うことができる。キャップ部72は、記録ヘッド44の吐出口を有する面を封止することにより、吐出口の乾燥を抑えることができる。また、キャップ部72は、記録ヘッド44にインク滴を空吐出させるフラッシング時に、空吐出されたインクを受け取る。このフラッシングは、印刷とは関係のない駆動信号を記録ヘッド44に印加して行う。
【0025】
キャリッジ42は、非印刷領域から印刷領域に戻る場合、まずキャップ部72から離脱する。さらにキャリッジ42が非印刷領域側に移動するのに伴い、ワイピング部80が記録ヘッド44の移動経路上に進出し、記録ヘッド44のノズル形成面のインクを払拭する。
【0026】
図3、図4、及び図5は、インクジェット式記録装置10にかかるキャップユニットの一例としてのヘッドクリーニング機構161の詳細な構成を示す。図3は、ヘッドクリーニング機構161の斜視図である。図4は、ヘッドクリーニング機構161の平面図であり、図5は、ヘッドクリーニング機構161の側断面を示す。なお、説明を簡単にするために、図3、4、5、及び図7から図11では、チューブ75、ポンプ76、及び廃液ボックス79の記載を省略する。
【0027】
図3に示すようにヘッドクリーニング機構161は、キャッピング手段220、緩衝部200、レバー240、及びブラケット164を備える。キャッピング手段220は、キャップ部72、ワイピング部80、及びキャップホルダ170を有する。キャップホルダ170は、キャップ部72及びワイピング部80を支持し、キャップ部72及びワイピング部80と一体に成形されている。キャッピング手段220は、ブラケット164に対して摺動可能なスライダ167を有する。キャップホルダ170は、スライダ167に接続され、スライダ167と共にブラケット164に対して摺動することができる。緩衝部200は、キャップホルダ170の端部に、キャップホルダ170と一体に成形される。緩衝部200がキャップホルダ170の端部に配されているので、緩衝部200は、ブラケット164に対するキャップホルダ170の摺動を停止することに伴う衝撃を緩衝することができる。
【0028】
ブラケット164は、キャッピング手段220を摺動可能に保持する。ブラケット164は、インクジェット式記録装置10において、記録ヘッド44の非印刷領域付近に配置され、インクジェット式記録装置10に固定される。更に、ブラケット164は、緩衝部200と接触してキャッピング手段220の摺動を停止する停止部210を一体に有する。停止部210は、ブラケット16の端部から印刷領域の方向(図中の左方)へと側方に突出し、更に緩衝部200と接触可能な位置まで上方に突出するように成形される。キャッピング手段220が待機位置に戻るときに、キャッピング手段220のキャップホルダ170に形成された緩衝部200が停止部210と接触することにより、停止部210は、キャッピング手段220の摺動を停止させる。従って、ヘッドクリーニング機構161は、緩衝部200によりキャッピング手段220の摺動が停止することに伴う衝撃を緩衝することができる。
【0029】
図5に示すように、ブラケット164は、記録ヘッド44の移動方向(図中の矢印Aの方向)と略同方向に延びる各一対の案内溝165及び166を両側壁に有する。案内溝165は、水平な下段部165a、図中右上がりに傾斜する第1傾斜部165b、水平な中段部165c、図中右上がりに傾斜する第2傾斜部165d、及び水平な上段部165eを連続的に有する。また、案内溝166は、水平な下段部166a、図中右上がりに傾斜する第1傾斜部166b、及び水平な上段部166eを連続的に有する。
【0030】
スライダ167は、両側面から突出して設けられた各一対の支持ピン168及び支持ピン169を有する。これら支持ピン168及び支持ピン169は、それぞれ案内溝165及び166に挿通される。
【0031】
図5に示すように、スライダ167は、案内溝165及び166に挿入された支持ピン168及び169によって支持されることにより、案内溝165及び166に沿って、記録ヘッド44の移動方向及び記録ヘッド44の吐出口形成面44aに対して接近及び離間する上下方向に移動することができる。ここで案内溝165及び166並びに支持ピン168及び169は、記録ヘッド44を搭載するキャリッジ42の移動を、キャップホルダ170が接近及び離間する動作に変換する。また、スライダ167は、スライダ167の上部から突出する被係合部180を有する。
【0032】
図4に示すように、ブラケット164は、バネ留め部240と、一端がこのバネ留め部240に留められるスライダ移動用バネ部材232を有する。スライダ移動用バネ部材232の他端は、スライダ167の支持ピン169に留められる。これにより、スライダ移動用バネ部材232がスライダ167の支持ピン169を、ブラケット164のバネ留め部240の方向へ引っ張る。すなわちこのスライダ移動用バネ部材232により、スライダ167は、記録ヘッド44の印刷領域側すなわち図5の左側、及び下方側に付勢される。また、キャップ用バネ部材230が、キャップホルダ170とスライダ167との間に設けられ、キャップホルダ170を上方に付勢する。
【0033】
図6は、キャップホルダ170の断面図である。キャップホルダ170の中央を囲む領域にキャップ部72が配される。キャップ部72及びワイピング部材80は、キャップホルダ170上に突出して設けられる。緩衝部200は、キャップホルダ170の摺動方向においてキャップホルダ170の端面よりも外側に突出して設けられている。また、キャップホルダ170の端部上にはワイピング部80及び緩衝部200が配される。キャップ部72、ワイピング部材80、及び緩衝部200は、キャップホルダ170よりも弾性率が高い材料を用いて形成される。キャップ部72、ワイピング部材80、及び緩衝部200は、同一の材料、例えばエラストマー等の弾性率が高い軟質性素材を用いて形成される。従って、緩衝部200は、キャップホルダ170が、ブラケット164の停止部210に衝突して停止するときに伴う衝撃を緩衝することができる。キャップ部72、ワイピング部材80、緩衝部200、及びキャップホルダ170は、異なる弾性率の材料を用いて一体に2色成形されてもよい。キャップ部72、ワイピング部材80、緩衝部200、及びキャップホルダ170を一体に2色成形することにより、キャップ部72、ワイピング部材80、緩衝部200、及びキャップホルダ170を容易に製造することができる。
【0034】
キャップ部72の上端外周縁は、ほぼ三角形の断面形状を有する。キャップ部72の上端外周縁は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aに対して弾性変形を伴って密接し、キャップ部72の内部空間が密閉状態となるように吐出形成面44aを封止する。ワイピング部材80の上端縁は、ほぼ三角形の断面形状を有する。ワイピング部材80の上端縁は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aに対して弾性変形を伴って摺接し、吐出口形成面44aを払拭して清掃する。キャップホルダ170は、キャップ部72と対応する位置に配された漏斗状のインク排出口173と、このインク排出口173の底面に配される接続管174を有する。接続管174は、インク排出口173と一体成形される。
【0035】
図6に示すように、キャップホルダ170の接続管174の下方にポンプ76が配設される。ポンプ76は、チューブ75を介して接続管174に接続される。更に、ポンプ76は、チューブ75を介して廃液タンク79に接続される。キャップ部72が記録ヘッド44の吐出口形成面44aを封止した状態で、ポンプ76がチューブ75を介してキャップ部72の内部空間に負圧を加えることにより、記録ヘッド44からインクが吸引され廃液タンク79に排出される。
【0036】
更に、キャップホルダ170は、上面に、インク受け凹部176を有する。インク受け凹部176は、キャップ部72及びワイピング部材80の間に形成され、底部に一対の排出穴177を有する。図7に示す断面図においては、排出孔177は現れないので図中点線で示す。ワイピング部材80により記録ヘッド44の吐出口形成面44aから掻き取られたインク廃液は、インク受け凹部176内に受け止められ、排出穴177から排出される。ここで、排出穴177の下方に廃液吸収材を配してもよい。この場合には、ワイピング部材80により払拭されたインクが廃液されることによる、被記録物11及び記録装置10の汚染を防止することができる。
【0037】
図7から図11は、ヘッドクリーニング機構161の動作を示す側面図である。また、図7は、記録ヘッド44が印刷領域に位置するときのヘッドクリーニング機構161の状態を示す。図8は、記録ヘッド44がフラッシング領域に位置するときのヘッドクリーニング機構161の状態を示す。フラッシング領域とは、インクジェット式記録装置10がフラッシング工程を実行するときの、記録ヘッド44の配置領域をいう。図9は、記録ヘッド44が非印刷領域に位置するときのヘッドクリーニング機構161の状態を示す。図10は、記録ヘッド44が吸引領域に位置するときのヘッドクリーニング機構161の状態を示す。吸引領域とは、記録ヘッド44の吐出口からインクを強制的に吸引排出するクリーニング動作時に、記録ヘッド44が配置される領域をいう。図11は、記録ヘッド44がワイピング領域に位置するときのヘッドクリーニング機構161の状態を示す。ワイピング領域とは、ワイピング部材80により記録ヘッド44の吐出口形成面のインクを払拭する工程時に、記録ヘッド44が配置される領域をいう。
【0038】
図7に示すように、キャリッジ42は、キャリッジ42の非印刷領域側の下端側部から突出する係合部179を有する。キャリッジ42の係合部179及びスライダ167の被係合部180は、キャリッジ42の移動と、スライダ167の移動とを連動させる連動機構178を構成する。
【0039】
更に、キャリッジ42は、キャリッジ42の非印刷領域側の下端部から突出するように形成された係合部189を有する。また、レバー240は、レバーの右端部から下方へと突出する保持爪182及びレバー240の左端部から上方へと突出する被係合部190を有する。キャリッジ42の係合部189は、レバー240の被係合部190に対して係脱可能に設けられる。キャリッジ42の係合部189及びレバー240の被係合部190は、解除機構188を構成する。レバー240は、長穴183を有し、長穴183に支持ピン168を挿通させた状態でスライダ167とブラケット164との間に載置される。
【0040】
キャップホルダ170は、ワイピング部材80の直下に配され、キャップホルダ170の下面に突出形成された係合突片186を有する。また、ブラケット164は、端部上面に突出するように形成された被係合突片187を有する。被係合突片187は、係合突片186に対して係脱することができる。キャップホルダ170の係合突片186及びブラケット164の被係合突片187は、キャップホルダ170の下方への変位を抑制する抑制機構185を構成する。なお、係合突片186及び被係合突片187が互いに係合し合う面は、それぞれ斜状に形成される。
【0041】
ヘッドクリーニング機構161は、ブラケット164に対するスライダ167の移動をロックする保持機構181を有する。保持機構181は、レバー240に設けられた保持爪182及びブラケット164に設けられた係止部184を有する。レバー240は、スライダ167の一方の支持ピン168により、長穴183を介して相対移動可能及び回転可能に支持される。係止部184は、保持爪182に対して係脱可能なようにブラケット164に形成される。また、レバー240は、保持爪用バネ部材234により、記録ヘッド44の印刷領域側、すなわち図7の左側に向けて付勢されると共に、時計回りの方向に回転するよう付勢される。
【0042】
記録ヘッド44が印刷領域に位置している場合に、キャップホルダ170、スライダ167、レバー240、ブラケット164は図7に示す位置関係にある。
【0043】
図8に示すように、記録ヘッド44を搭載したキャリッジ42が印刷領域から非印刷領域に進入移動すると、キャリッジ42の係合部179が、スライダ167の被係合部180に当接する。
【0044】
図9に示すように、キャリッジ42の係合部179がスライダ167の被係合部180に当接しつつ、キャリッジ42がさらに被印刷領域に侵入移動すると、スライダ167は、スライダ移動用バネ部材232の付勢力に抵抗してキャップホルダ170と共に非印刷領域に移動する。このとき、スライダ167の支持ピン168は、案内溝165に係合した状態で、案内溝165の下段部165aから、第1傾斜部165b、中段部165c、及び第2傾斜部165dを介して、上段部165eへと摺動する。また、スライダ167の支持ピン169は、案内溝166に係合した状態で、案内溝166の下段部166aから第1傾斜部166bを介して、上段部166eへと摺動する。そのため、キャッピング手段220は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aへと接近する上方向に移動する。これにより、キャップ部72は、吐出口形成面44aと当接して吐出口形成面44aを封止する。
【0045】
一方、キャリッジ42が図9に示す非印刷領域から図7に示す印刷領域に退出移動すると、スライダ167は、スライダ移動用バネ部材232の付勢力によってキャップホルダ170と共に印刷領域に移動する。このとき、スライダ167の支持ピン168は、案内溝165に係合した状態で、案内溝165の上段部165eから、第2傾斜部165d、中段部165c、及び第1傾斜部165bを介して、下段部165aへと摺動する。また、スライダ167の支持ピン169は、案内溝166に係合した状態で、案内溝166の上段部166eから第1傾斜部166bを介して、下段部166aへと摺動する。そのため、キャッピング手段220が記録ヘッド44の吐出口形成面44aから離れる下方向に移動する。これにより、キャップ部72は、吐出口形成面44aから離れて吐出口形成面44aの封止を解放する。
【0046】
図10に示すように、キャリッジ42が図9に示す非印刷領域からさらに吸引領域まで移動すると、レバー240の長穴183の一端183aに支持ピン168が当接し、保持爪182は、案内面184aにより係止部184へと案内され、係止部184に係合する。保持爪182が係止部184に係合した状態で、ポンプ76は、記録ヘッド44からインクを吸引及び排出する。
【0047】
図11に示すように、記録ヘッド44からインクを吸引排出する動作が終了した後に、キャリッジ42が図10に示す吸引領域から図7に示す印刷領域へと退出移動すると、保持爪182を係止部184に残した状態で、キャッピング手段220は、スライダ移動用バネ部材232の付勢力により印刷領域へ移動する。このとき、スライダ167の支持ピン168は、案内溝165の上段部165eから、第2傾斜部165dを介して、中段部165cへと摺動する。また、スライダ167の支持ピン169は、案内溝166の上段部166eから第1傾斜部166bへと摺動する。そのため、キャッピング手段220は、キャップ部72が記録ヘッド44の吐出口形成面44aから所定の距離分離間する中間位置まで下方に移動し、キャップ部72による吐出口形成面44aの封止を解放する。また、ワイピング部材80は、吐出口形成面44aと摺接可能なワイピング位置に配置される。
【0048】
この状態で、スライダ167の支持ピン168は、レバー240の長穴183の他端183bに当接する。更に、係止部184と係合状態にある保持爪182により、キャッピング手段220は、キャップ部72が記録ヘッド44の吐出口形成面44aから所定の距離分離間する中間位置に係止され、保持される。この状態で、キャリッジ42が図11に示すワイピング領域から図7に示す印刷領域に退出移動するとき、ワイピング部材80は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aに摺接して、吐出口形成面44aを払拭清掃する。
【0049】
キャリッジ42が図11に示すワイピング領域に移動すると、抑制機構185の係合突片186が被係合突片187に係合する。すなわち、係合突片186は、被係合突片187の上部に対向し、被係合突片187によって支持される。そのため、ワイピング部材80が、記録ヘッド44の吐出口形成面44aを払拭清掃するときに、記録ヘッド44がキャップホルダ170に対して下方の押圧力を作用しても、被係合突片187によりキャップホルダ170の下方への変位は抑制される。従って、ワイピング部材80は、抑制機構185により吐出口形成面44aに摺接した状態に保持される。
【0050】
キャップホルダ170が記録ヘッド44の移動方向に沿って図11の左方に移動したときは、係合突片186と被係合突片187との係合状態が容易に解除される。一方、ワイピング部材80に対して下方へ向かう力が作用した場合は、互いに係合し合う係合突片186及び被係合突片187の斜面が、下方へ向かう力に抵抗して係合状態を維持する。
【0051】
記録ヘッド44がキャリッジ42と共に図11に示すワイピング領域から図7に示す印刷領域に退出移動すると、キャリッジ42の係合部189は、レバー240の被係合部190に係合する。そのため、レバー240は、反時計回りの方向に回転移動して係止部184から離脱する。従って、キャッピング手段220は、保持爪182による係止保持状態から解除される。従って、レバー240は、保持爪用バネ部材234の付勢力により、図7に示す原位置に移動復帰する。
【0052】
また、本実施形態では、記録ヘッド44は、所定行数または所定枚数の記録を被記録物11にした後で、キャリッジ42と共に図7に示す印刷領域から図9に示す非印刷領域の直前位置である図8のフラッシング領域まで移動することができる。このとき、キャッピング手段220は、案内溝165及び166に沿って上方に移動せず、支持ピン168及び169は、それぞれ案内溝165及び166の下段部165a及び166aにとどまる。また、キャップ部72は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aから離れた位置にある。
【0053】
この状態で、記録ヘッド44に対して印刷データと関係のない駆動信号を印加することにより、記録ヘッド44からキャップ部72に対してインク滴を空吐出するフラッシング工程が実施される。このフラッシング動作の終了後に、記録ヘッド44は、キャリッジ42と共に、図8に示すフラッシング領域から図7に示す印刷領域に退出移動し、記録ヘッド44による記録動作が再開する。この場合、キャップホルダ170が吐出口形成面44aの下方に位置することにより、ワイピング部材80は記録ヘッド44の吐出口形成面44aと摺接しない位置にあるので、ワイピング部材80は、吐出口形成面44aを払拭清掃しない。
【0054】
次に、ヘッドクリーニング機構161の動作を説明する。例えば、インクジェット式記録装置10が長時間の休止後に記録動作を再開する場合、あるいは、ユーザが記録不良を認識して例えばクリーニングボタンを操作した場合等においては、記録ヘッド44のクリーニング動作が実行される。このクリーニング動作時に、記録ヘッド44は、キャリッジ42と共に図7に示す印刷領域から図9に示す非印刷領域に進入移動する。また、キャリッジ42の移動によりキャリッジ42の係合部179が、スライダ167の被係合部180に当接すると、キャッピング手段220が案内溝165及び166沿いに上方に移動する。そのため、キャップ部72は、吐出口形成面44aと当接して、吐出口形成面44aを封止する。
【0055】
次に、記録ヘッド44が図9に示す非印刷領域から図10に示す吸引領域へ移動し、保持機構181の保持爪182が係止部184に係合すると、キャッピング手段220は、レバー240及びスライダ移動用バネ部材232の作用により、吸引領域において安定して保持される。この状態において、ポンプ76によりキャップ部72の内部空間に負圧が加えられ、記録ヘッド44からインクが吸引及び排出されるので、記録ヘッド44の吐出口開口部の目詰まりが解消される。
【0056】
次に、記録ヘッド44が図10に示す吸引領域から図7に示す印刷領域に向かって、図11に示すワイピング領域まで退出移動すると、キャッピング手段220は、案内溝165及び166に沿って、案内溝165の中段部165c及び案内溝166の第1傾斜部166bの位置、すなわち中間位置まで下降する。そして、キャッピング手段220は、保持機構181により中間位置において保持される。そのため、キャップ部72による吐出口形成面44aの封止が解放され、ワイピング部材80は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aと摺接することができるワイピング位置に配置される。
【0057】
次に、記録ヘッド44が図11に示すワイピング領域から図7に示す印刷領域へと退出移動すると、ワイピング部材80は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aを払拭清掃する。記録ヘッド44が印刷領域に退出移動するとき、キャリッジ42の係合部189がレバー240の被係合部190に係合すると、レバー240は、反時計回りに回転移動し、係止部184から離脱する。そのため、キャッピング手段220が係止保持状態から解除され、スライダ移動用バネ部材232の付勢力により図7に示す原位置に移動復帰する。
【0058】
また、本実施形態のインクジェット式記録装置10は、被記録物11に所定行数又は所定枚数の記録をする毎に、記録ヘッド44を図7に示す印刷領域から図8に示すフラッシング領域まで移動する。このフラッシング領域では、キャップホルダ170は、案内溝165及び166に沿って上昇せず、キャップ部72は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aの下方に離れた位置に配置される。また、ワイピング部材80は、記録ヘッド44の吐出口形成面44aと摺接しない位置に配置される。この状態でフラッシング工程が実施される。フラッシング工程終了後、記録ヘッド44は、ワイピング部材80によって払拭清掃されないまま、図8に示すフラッシング領域から図7に示す印刷領域へ退出移動し、印刷動作が再開する。
【0059】
ここで、記録ヘッド44が図10に示す吸引領域から図11に示すワイピング領域を経て図7に示す印刷領域に戻るときに、レバー240の保持爪182が係止部184から離脱するので、キャッピング手段220は、スライダ移動用バネ部材232の付勢力によって印刷領域、すなわち図7の左方へと急激に付勢される。そのため、停止部210及び緩衝部200がない場合、キャッピング手段220の支持ピン168及び169が、案内溝165の下段部165aの端部及び案内溝166の下段部166aの端部にそれぞれ衝突することにより、キャッピング手段220は停止する。このとき、キャッピング手段220のインク受け凹部176に保持されたインクが、衝突の衝撃により飛散する可能性がある。ところが、本実施形態のブラケット164は停止部210を有し、キャッピング手段220は停止部210と接触する部分に緩衝部200を有するので、キャッピング手段220は、緩衝部200を介して停止部210に接触することにより摺動を停止する。そのため、本実施形態のヘッドクリーニング機構161は、緩衝部200及び停止部210により、ブラケット164に対してキャッピング手段220が摺動を停止することに伴う衝撃を緩衝し、インク受け凹部176に保持されたインクが飛散することを防ぐことができる。
【0060】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることができる。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0061】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、本発明によればキャッピング手段の移動が停止することに伴う衝撃を緩衝することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、インクジェット式記録装置10の内部構成を示す側面概略図である。
【図2】図2は、インクジェット式記録装置10の斜視図である。
【図3】図3は、ヘッドクリーニング機構161の斜視図である。
【図4】図4は、ヘッドクリーニング機構161の平面図である。
【図5】図5は、ヘッドクリーニング161機構の側断面を示す。
【図6】図6は、キャップホルダ170の断面図である。
【図7】図7は、記録ヘッド44が印刷領域に位置するときのヘッドクリーニング機構161の状態を示す。
【図8】図8は、記録ヘッド44がフラッシング領域に位置するときのヘッドクリーニング機構161の状態を示す。
【図9】図9は、記録ヘッド44が非印刷領域に位置するときのヘッドクリーニング機構161の状態を示す。
【図10】図10は、記録ヘッド44が吸引領域に位置するときのヘッドクリーニング機構161の状態を示す。
【図11】図11は、記録ヘッド44がワイピング領域に位置するときのヘッドクリーニング機構161の状態を示す。
【符号の説明】
10・・・インクジェット式記録装置、20・・・給送部、30・・・搬送部、40・・・印刷部、42・・・キャリッジ、44・・・記録ヘッド、50・・・排出部、70・・・インク搬送部、72・・・キャップ部、75・・・チューブ、76・・・ポンプ、79・・・廃液ボックス、80・・・ワイピング部、161・・・ヘッドクリーニング機構、165、166・・・案内溝、167・・・スライダ、168、169・・・支持ピン、170・・・キャップホルダ、178・・・連動機構、179・・・係合部、180・・・被係合部、181・・・保持機構、182・・・保持爪、184・・・係止部、185・・・抑制機構、186・・・係合突片、187・・・被係合突片、188・・・解除機構、190・・・被係合部、200・・・緩衝部、210・・・停止部、220・・・キャッピング手段、240・・・レバー
Claims (6)
- ターゲットに液滴を噴射する液体噴射装置であって、
液滴を噴射するノズルをノズル形成面に有する液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドの前記ノズルを封止するキャップ部及び前記ノズル形成面に付着した液体を払拭するワイピング部を有するキャッピング手段と、
前記キャッピング手段を摺動可能に保持し、前記液体噴射装置に固定されたブラケットと、
前記ブラケットに対する前記キャッピング手段の摺動の停止に伴う衝撃を緩衝する緩衝部と
を備えたことを特徴とする液体噴射装置。 - 前記キャッピング手段と前記緩衝部とが一体に成形されたことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
- 前記キャッピング手段は、前記キャップ部及び前記ワイピング部を支持するキャップホルダを更に有し、
前記緩衝部は、前記キャップホルダの前記ブラケットに対する衝撃を緩衝し、前記緩衝部の弾性率は、前記キャップホルダの弾性率よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。 - 前記緩衝部は、エラストマーにより形成されていることを特徴とする請求項3に記載の液体噴射装置。
- 前記ワイピング部及び前記キャップ部は、前記緩衝部と同一の材料により形成され、前記緩衝部、前記ワイピング部、前記キャップ部、及び前記キャップホルダは、一体に2色成形されていることを特徴とする請求項3に記載の液体噴射装置。
- 前記緩衝部は、前記キャップホルダの端部に、前記キャップホルダと一体に成形され、
前記キャップホルダは、前記ブラケットの上部に配置され、
前記ブラケットは、緩衝部と接触してキャッピング手段の摺動を停止する停止部を一体に有し、
前記停止部は、前記ブラケットの端部から側方へと突出し、更に前記緩衝部と接触可能な位置まで上方に突出すること
を特徴とする請求項3に記載の液体噴射装置。
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