JP3871946B2 - インクジェットプリンター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクキャリッジに設けられたインク吐出口からインクを吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェットプリンターに関するものであり、特に、インク吐出口に付着した塵埃や画像の記録に寄与しないインク等を除去するメンテナンス手段を備えたインクジェットプリンターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンターでは、記録媒体にインクを吐出するインクキャリッジが良好なインク吐出状態を維持できるように、メンテナンス手段を備えている。このメンテナンス手段は、インクキャリッジのインク吐出口にインクが付着して目詰まりが生じる、あるいは、インクキャリッジ内部に気泡が混入した場合等、インクの不吐出や吐出不良を解消するものである。
【0003】
インクキャリッジの上記のような不具合を解消するために、メンテナンス手段には、インク吐出口を覆うための吸引キャップが設けられている。この吸引キャップは、メンテナンス手段の移動によってインク吐出口をキャッピングし、インク吐出口に付着したインクを吸引する回復処理を行うようになっている。
【0004】
例えば、特開平7−125222号公報・特開2001−26113公報には、駆動モーターの動作によってメンテナンス手段がインク吐出口のキャッピング位置に移動するインクジェットプリンターが開示されている。
【0005】
しかしながら、上記公報のインクジェットプリンターでは、メンテナンス手段を移動させるための専用の駆動モーターを設けなければならず、装置サイズ(インクジェットプリンターのサイズ)が大きくなるという問題があった。
【0006】
上記問題を解決するインクジェットプリンターとしては、特開平4−156338号公報に開示されている。この公報のインクジェットプリンターでは、インクジェットプリンター内の端部(キャッピングポジション)に、メンテナンス手段を回動(移動)させるために軸支されたL時型のレバーを設け、このレバーの一端と走査するインクキャリッジの端部とを接触させることで、上記メンテナンス手段がインク吐出口を覆うように回動し、回復処理を行う(インク吐出口をキャッピングする)ようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した特開平4−156338号公報に記載したインクジェットプリンターでは、次のような問題点は解決されていない。
【0008】
このインクジェットプリンターでは、インクキャリッジの端部と上記レバーとを接触させる必要があるため、インクキャリッジを印刷時に走査する領域の外側(キャッピングポジション)に、そのレバーを設けなくてはならない。つまり、上記の走査領域の外側にレバーを設けるスペースが必要になる。したがって、インクキャリッジの走査方向の長さが大きくなり、インクジェットプリンターの幅(マシン幅)が大きくなる。
【0009】
つまり、上記公報のインクジェットプリンターでは、メンテナンス手段専用の駆動モーターを設けるスペースは削減できるが、上記のようにマシン幅が大きくなり、装置の小型化を図ることができないという問題を有している。
【0010】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、専用の駆動手段(例えば、駆動モーター)を設けることなく、印刷時のインクキャリッジの走査領域内にメンテナンス手段を設けることを可能にした、小型化を実現し得るインクジェットプリンターを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェットプリンターは、上記の課題を解決するために、記録媒体を搬送する搬送駆動手段と、上記記録媒体にインクを吐出して画像を記録するインク吐出口を備えたインクキャリッジと、上記インク吐出口に当接して、該インク吐出口の回復処理を行うメンテナンス手段とを含むインクジェットプリンターにおいて、上記搬送駆動手段は、上記記録媒体を搬送させる第1駆動と、その記録媒体の搬送を伴わない第2駆動とが可能であり、上記メンテナンス手段は、上記第1駆動に連動して、上記インクキャリッジに対して離間する方向に移動する一方、上記第2駆動に連動して、上記インクキャリッジに対して当接する方向に移動することを特徴としている。
【0012】
本発明のインクジェットプリンターでは、インク吐出口において発生するインクの不吐出や吐出不良を解消する回復処理を、メンテナンス手段が行うようになっている。そして、この回復処理を行うために、上記メンテナンス手段は、インクキャリッジに当接する方向に移動しなくてはならない。つまり、該インクキャリッジに設けられたインク吐出口に付着した塵埃等を除去する(回復処理を行う)ためには、メンテナンス手段がインクキャリッジに当接する方向に移動して、該インク吐出口と接触しなくてはならない(該インク吐出口をキャッピングしなくてはならない)。
【0013】
また、上記のように、メンテナンス手段とインク吐出口(インクキャリッジ)とが接触していると、インクキャリッジの走査の障害となる。そのため、印刷時には、メンテナンス手段はインクキャリッジから離間しなくてはならない。
【0014】
本発明のインクジェットプリンターでは、駆動手段が、第1駆動または第2駆動の2種類の駆動を行うようになっている。そして、記録媒体を搬送する第1駆動のときには、メンテナンス手段はインクキャリッジに対して離間する方向に移動し、記録媒体を搬送させない第2駆動のときには、メンテナンス手段はインクキャリッジに対して当接する方向に移動するようになっている。
【0015】
つまり、本発明のインクジェットプリンターは、記録媒体を搬送するために設けられている搬送駆動手段の駆動力を用いて、メンテナンス手段を移動させている。そのため、例えば、メンテナンス手段を移動させるための専用の駆動モーター等を設ける必要がなく、その専用駆動モーターの設置スペースを削減できる。また、従来用いられていたインクキャリッジと接触移動させるための別個の部材等(レバー等)をインクジェットプリンター内部に設ける必要がないため、該別個の部材に必要とされたスペースを削減でき、例えば、印刷時のインクキャリッジの走査領域内(例えば、インクキャリッジの待機位置であるホームポジション)にメンテナンス手段を設けることもできる。
【0016】
つまり、本発明のインクジェットプリンターでは、メンテナンス手段の移動のために、例えば専用の駆動モーターやレバー等の部材を設けることがない上、印刷時のインクキャリッジの走査領域内にメンテナンス手段を設けることができるので、装置サイズ(インクジェットプリンターの大きさ)を小型化することができる。
【0017】
また、本発明のインクジェットプリンターでは、上記の構成に加えて、上記メンテナンス手段は、上記インク吐出口を覆う吸引キャップを有するキャップ部と、巻き方向が一方向であるカム溝を側面に有し、上記搬送駆動手段からの駆動を受けて回転する円筒カムと、上記カム溝にはめ込まれ該カム溝に沿って摺動する第1ピン、およびその第1ピンと同期移動する第2ピンを含み、この第2ピンの移動に応じて移動することで、上記キャップ部をインクキャリッジに対して移動させるガイド部とを備え、上記の第1・第2駆動のときに、上記カム溝に沿って摺動する第1ピンと同期した第2ピンの移動によって、上記ガイド部が移動し、上記キャップ部をインクキャリッジに対して離間または当接する方向に移動させる一方、上記キャップ部の離間方向への移動後、上記第1ピンが、上記カム溝の一方の最外端に設けられた第1空回転溝にて空回転することに伴い上記カム溝を摺動できないために、上記の第2ピンおよびガイド部の移動が停止することによって、上記キャップ部を上記インクキャリッジに対して離間した状態で維持することが好ましい。
【0018】
上記構成によると、メンテナンス手段における吸引キャップを備えたキャップ部は、ガイド部の移動に応じて、インクキャリッジに対して離間または当接する方向に移動するようになっている。そして、上記ガイド部は、第2ピンの移動に応じて移動するようになっており、さらに、この第2ピンは、第1ピンと同期移動するようになっている。上記第1ピンは、搬送駆動手段の駆動によって回転する円筒カムのカム溝にはめ込まれることで、そのカム溝を摺動しながら移動するようになっている。
【0019】
本発明のインクジェットプリンターでは、上記の搬送駆動手段の第1・第2駆動のときに、第1ピンは、円筒カムのカム溝に沿って移動する。すると、この第1ピンと同期して第2ピンも移動する。さらに、この第2ピンの移動に応じて上記ガイド部が移動し、このガイド部の移動によってキャップ部をインクキャリッジに対して離間または当接する方向に移動させる。つまり、第1駆動のとき、キャップ部をインクキャリッジに対して離間する方向に移動させる一方、第2駆動のとき、キャップ部をインクキャリッジに対して当接する方向に移動させる。
【0020】
そして、キャップ部が離間方向に移動した後、上記第1ピンは上記カム溝の一方の最外端に設けられた第1空回転溝にて回転する。つまり、この第1空回転溝にて回転(空回転)するため、カム溝において摺動しなくなる。そのため、第2ピンも移動しなくなり、その結果、ガイド部も移動しなくなる。したがって、上記キャップ部がインクキャリッジに対して離間した状態を維持することができる。
【0021】
つまり、本発明のインクジェットプリンターでは、記録媒体を搬送するために設けられている搬送駆動手段の駆動力は、円筒カム・第1ピン・第2ピンを介してガイド部に伝達される。そして、伝達された駆動力による上記ガイド部の移動によって、キャップ部をインクキャリッジに対して移動させる。
【0022】
そのため、例えば、メンテナンス手段を移動させるための専用の駆動モーター等を設ける必要がなく、その専用駆動モーターの設置スペースを削減できる。また、従来用いられていたインクキャリッジと接触移動させるための別個の部材(レバー等)をインクジェットプリンター内部に設ける必要がないので、該別個の部材に必要とされたスペースを削減でき、例えば、印刷時のインクキャリッジの走査領域内にメンテナンス手段を設けることもできる。
【0023】
また、本発明のインクジェットプリンターでは、上記の構成に加えて、上記キャップ部の当接方向の移動後、上記第1ピンが、上記カム溝の他方の最外端に設けられた第2空回転溝にて空回転することに伴い上記カム溝を摺動できないために、上記の第2ピンおよびガイド部の移動が停止することによって、上記キャップ部を上記インクキャリッジに対して当接した状態で維持することが好ましい。
【0024】
上記構成によると、キャップ部が当接方向に移動した後、上記第1ピンは上記カム溝の一方の最外端に設けられた第2空回転溝にて回転する。つまり、この第2空回転溝にて回転(空回転)するため、カム溝において摺動しなくなる。そのため、第2ピンも移動しなくなり、その結果、ガイド部も移動しなくなる。したがって、上記キャップ部がインクキャリッジに対して当接した状態を維持することができる。
【0025】
つまり、キャップ部がインク吐出口をキャッピングした状態を維持できるため、回復処理を好適に行うことができる。また、回復処理が終了しても、第1駆動(画像形成のための動作)が再開されるまでは、インク吐出口をキャッピングした状態を保つことができる。
【0026】
また、本発明のインクジェットプリンターでは、上記の構成に加えて、上記の第1空回転溝または第2空回転溝で回転する上記第1ピンを、上記カム溝に送り出すための送り出し部材が設けられていることが好ましい。
【0027】
また、本発明のインクジェットプリンターでは、上記の構成に加えて、上記の第1空回転溝または第2空回転溝で回転する上記第1ピンを、上記カム溝に送り出させるために、上記の第1空回転溝および第2空回転溝に突起部が設けられていることが好ましい。
【0028】
上記構成によると、例えば、バネのような送り出し部材の反発力または引張力によって、あるいは、第1空回転溝および第2空回転溝に設けた突起部に第1ピンが摺動することで(突起部に乗り上げることで)、第1または第2空回転溝にて回転する第1ピンをカム溝に沿うように移動させることができる。
【0029】
そのため、搬送駆動手段による第1・第2駆動の切り替え時、第1ピンを第1・第2空回転溝からカム溝へとスムーズに移動させることができる。したがって、メンテナンス手段の移動動作が速やかに行われる。
【0030】
また、本発明のインクジェットプリンターでは、上記の構成に加えて、上記第1ピンの断面形状が、楕円または菱形の形状であることが好ましい。
【0031】
上記構成によると、カム溝の溝壁に接触しながら、第1ピンが摺動するので、スムーズに摺動できる。
【0032】
また、本発明のインクジェットプリンターでは、上記の構成に加えて、上記キャップ部は、その一端が回動可能に保持されるとともに、その保持された箇所を中心とした回転移動によって、上記の離間または当接する方向に移動し、上記の回転移動方向は、上記インクキャリッジの走査方向に対して、平行または垂直であることが好ましい。
【0033】
上記構成によると、キャップ部を移動させるための専用の駆動手段を設けることなく、円筒カムの回転によって、キャップ部をインクキャリッジ向かって進退させることができる。それゆえ、装置サイズの小型化を図ることができる。
【0034】
また、本発明のインクジェットプリンターでは、上記の構成に加えて、上記メンテナンス手段は、上記インクキャリッジが記録媒体に画像を記録する領域外に設けられていることが好ましい。
【0035】
また、本発明のインクジェットプリンターでは、上記の構成に加えて、上記メンテナンス手段は、上記インクキャリッジの待機位置で回復処理できるように配置されていることが好ましい。
【0036】
従来、メンテナンス手段は、インクキャリッジの走査領域外、例えばインクキャリッジの待機位置よりも外側に配置されていたため、該メンテナンス手段の設置スペース分だけインクジェットプリンターの装置幅が大きくなっていた。しかしながら、上記構成によると、メンテナンス手段の設置スペースを上記のような外側に設けることはない。したがって、メンテナンス手段の設置スペース分だけ、インクジェットプリンターの装置幅を小さくすることができる。
【0037】
また、本発明のインクジェットプリンターでは、上記の構成に加えて、上記インク吐出口を払拭するワイパーとレバーとを回動(可倒)するように保持しているワイピング部が、上記インクキャリッジの走査方向上に設けられ、上記キャップ部には、接触することで上記のワイパーおよびレバーを起立させるアームが備えられ、そのアームは、上記の第2駆動のとき、上記のワイパーおよびレバーを起立させた状態とし、上記インクキャリッジが上記メンテナンス手段から離れる方向に走査する場合、上記ワイパーは、インク吐出口と接触することで該インク吐出口を払拭する一方、上記インクキャリッジが上記メンテナンス手段に近づく方向に走査する場合、上記レバーは、上記インクキャリッジと接触することで傾倒するとともに、上記ワイパーと接触して、該ワイパーを傾倒させることが好ましい。
【0038】
上記の構成によると、ワイピング部は、可倒するように(回動可能となるように)支持されたレバーおよびワイパーを備えている。また、上記のレバーおよびワイパーは、キャップ部に備えられたアームと接触することで起立状態になる。そして、上記の第2駆動のとき、上記アームがワイパーおよびレバーを起立させた状態とする。
【0039】
ワイピング部は、インクキャリッジの走査方向上に設けられているため、起立状態にあるワイパーおよびレバーは、走査するインクキャリッジと接触することになる。
【0040】
そして、上記インクキャリッジがメンテナンス手段から離れる方向に走査する場合、上記ワイパーは、インクキャリッジに備えられたインク吐出口と接触することで、そのインク吐出口に付着した、例えばゴミ等を除去(払拭)することができる一方、上記レバーは、インクキャリッジの走査の障害とならないように傾倒する。また、上記インクキャリッジが上記メンテナンス手段に近づく方向に走査する場合、上記レバーは、上記インクキャリッジと接触することで傾倒するとともに、上記ワイパーと接触して、該ワイパーを傾倒させる。つまり、レバーが倒れることにより、レバーおよびワイパーの先端部を、ワイピング部内に収容して、インクキャリッジの走査の障害とならないようにできる。
【0041】
したがって、第2駆動によってキャップ部がインク吐出口に到達し、回復処理を行った後、インクキャリッジが走査方向に移動するだけで、インク吐出口に付着したインクやゴミ等をワイパーによって払拭(清掃)することができる上、ワイパーおよびレバーをインクキャリッジの走査の障害とならないように傾倒させることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1〜図13に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
【0043】
本実施の形態のインクジェットプリンターは、図2に示すように、給紙部70と、印刷部80と、排紙部90とを有している。
【0044】
給紙部70は、給紙トレイ71、給紙装置72、分離装置73、給紙ローラー74、およびガイド板75を含む構成である。
【0045】
給紙トレイ71は記録媒体としての記録用紙を収容するもので、給紙装置72は給紙トレイ71に収容された記録用紙を給紙ローラー74に搬送するものである。分離装置73は、給紙装置72から搬送されてきた記録用紙が重なった状態で印刷部80に搬送されるのを防止するために、記録用紙を1枚ずつ分離するものである。給紙ローラー74は、記録用紙を印刷部80に搬送するものであり、ガイド板75は、給紙ローラー74から搬送された記録用紙を後述する搬送ローラー82に精度よく導くものである。
【0046】
印刷部80は、搬送駆動モーター(搬送駆動手段)4、搬送ローラー82、プラテン83、インクキャリッジ2、およびメンテナンス手段1を含む構成である。
【0047】
搬送駆動モーター4は、上記給紙ローラー74・搬送ローラー82を作動させるとともに、メンテナンス手段1を移動させるものである。搬送ローラー82は、インクキャリッジ2が記録用紙に対して適切な画像形成を行うことができるように、ガイド板75を通過した記録用紙の搬送のタイミングを調節するものである。インクキャリッジ2は、インク吐出口を有し、このインク吐出口から画像形成のためのインクを吐出するものである。プラテン83は、インクキャリッジ2が画像形成を行うときに、記録用紙がずれないようにその位置を固定するものである。
【0048】
メンテナンス手段1は、図3に示すように、インクキャリッジ2の印刷時の走査領域内に位置しており、通常は、インクキャリッジ2のホームポジション(インクキャリッジの待機位置)と同じ位置にてインクキャリッジ2の回復処理(インクの不吐出や吐出不良を解消する処理)を行うものである。なお、メンテナンス手段1についての詳細は後述する。
【0049】
排出部90は、図2に示すように、排出ローラー91、排紙保持アーム92、および排紙トレイ93を含む構成である。
【0050】
排出ローラー91は画像形成が行われた記録用紙を排出するものであり、排紙保持アーム92は、その記録用紙を排紙トレイ93に導くものであり、排紙トレイ93は、印刷された記録用紙を収容(載置)するものである。
【0051】
次に、上記インクジェットプリンターによる画像形成(印刷)について説明する。
【0052】
コンピュータ等から画像データに基づく印刷ジョブの要求がなされると、図示しない制御部は、搬送駆動モーター4を駆動し、給紙ローラー74を動作させる。すると、給紙トレイ71から記録用紙が1枚給紙される。搬送ローラー82は、画像データの先端と記録用紙の先端とが一致するように記録用紙の位置を調節し、記録用紙はその位置で一旦停止する。
【0053】
そして、インクキャリッジ2はシャフト84(図3参照)に沿って、記録用紙の搬送方向に直交する方向(走査方向)へと移動し、この移動に伴ってインク吐出口3(図3参照)からインクを吐出させる。インクキャリッジ2が1ライン(シャフト84の一端から他端までの1方向)の走査を終了すると、再び記録用紙が搬送される。この動作を繰り返して、記録用紙には画像データに応じた画像が形成される。画像形成が終了すると、排出ローラー91が記録用紙を排紙トレイ93に排出する。
【0054】
ここで、図1(a)(b)に基づいて、メンテナンス手段1を詳細に説明する。図1(a)はメンテナンス手段1の平面透視図であり、図1(b)はメンテナンス手段1の側面透視図である。
【0055】
メンテナンス手段1は、カム収容部10、キャップ部20、ガイド部30、およびワイピング部40を含む構成である。
【0056】
カム収容部10は、円筒カム11を収容するものである。円筒カム11は、円柱状の回転体であって、その側面には巻き方向が一方向であるカム溝12を備えている。また、円筒カム11における双方の底面部の円中心を通る軸を中心軸が、インクキャリッジ2の走査方向に平行となるように配置されている。また、円筒カム11の一方の底面部には、搬送駆動モーターからの駆動を受ける(伝達される)駆動受部13が設けられている。したがって、駆動受部13は上記中心軸を軸として、該駆動受部13が受けた駆動に連動して円筒カム11を回転させるようになっている。
【0057】
また、上記のカム溝12の両端、すなわち円筒カム11の両端位置に設けられているカム溝12は、上記中心軸に対して垂直になるように設けられている。そして、このカム溝12を空回転溝14・15(第1・第2空回転溝)と称する。
【0058】
キャップ部20は、吸引キャップ21、スプリング22、保持部23、アーム24、および略L字型のフレーム(L字型フレーム25)を含む構成である。
【0059】
吸引キャップ21は、インクキャリッジ2のインク吐出口をキャッピングして、該インク吐出口に付着したインクを吸引除去(回復処理)するものである。スプリング22は、吸引キャップ21を所定の押圧力で押すスプリングである。
【0060】
保持部23は、吸引キャップ21・スプリング22を保持する部材(例えば板状部材)である。具体的には、その部材の一部分(一平面)に上記スプリング22が取り付けられ、そのスプリング22に吸引キャップ21が取り付けられている。その上、保持部23は、後述する台形状リング32・33(ガイド部30)に設けられたピン34が側面にはめ込まれる略S字型のホルダ(S字型ホルダ26)を有している。また、保持部23は、その一端をL字型フレーム25の縦軸面25aの上方で、軸27によって回動可能に保持されている。
【0061】
アーム24は、後述するワイピング部40に差し込ませるために、保持部23から突出して設けられている部材(例えば板状部材)である。L字型フレーム25は、上述のように保持部23を回動可能に保持するフレームである。
【0062】
ガイド部30は、上記保持部23とL字型フレーム25の底面との間に位置する底面部31、この底面部31から垂設された略台形状のリング(台形状リング32・33)を含む構成である。台形状リング32・33は、上記保持部23の長手方向の側面を挟持するように、上記底面部31から垂設された2枚の略台形状の部材である。そして、垂設された両台形状リング32・33の一方の面(キャップ部20と対向する面)には、キャップ部20側へ突出するピン34(第2ピン)が設けられ、さらに、キャップ部20とカム収容部10との間に位置する台形状リング32には、円筒カム11側へ突出するピン35(第1ピン)が設けられている。
【0063】
円筒カム11に対向するように設けられたピン35は、カム溝12にはめ込まれるようになっている。なお、ピン35は、図1(b)に示すように、断面形状が楕円形状になっている。一方、ピン34は、キャップ部20に対向するように設けられ、保持部23に設けられたS字型ホルダ26にはめ込まれるようになっている。
【0064】
そして、ピン35は、円筒カム11の回転に伴ってカム溝12に沿って摺動し、この摺動とともに、ピン35を設けているガイド部30および該ガイド部30に設けられたピン34が移動(スライド)する。つまり、このスライドにより、ピン34はS字型ホルダ26に沿って移動する(ピン34は、ピン35に同期しながらS字型ホルダ26に沿って移動する)。
【0065】
また、図4(a)(b)に示すように、L字型フレーム25の縦軸面25a、およびL字型フレーム25において、該縦軸面25aに対向するように垂設されたバネ取り付け面28には、2つのバネ(送り出し部材)51a・51bが設けられ、該バネ51a・51bは台形状リング32・33(ガイド部30)に取り付けられている(連結されている)。そのため、台形状リング32・33がバネ51a方向または51b方向へ引っ張られるように移動することにより、ガイド部30全体を移動させることができる。なお、便宜上、図4(a)(b)では、バネ51a・51bと台形状リング32・33との連結した状態を省略している。また、上記のバネ取り付け面28およびバネ51bは、上記アーム24とは接触しないように設置されている。
【0066】
ワイピング部40については、後に詳細に説明する。
【0067】
次に、インク吐出口の回復処理を行うためのメンテナンス手段1の移動動作について図5(a)(b)・図6(a)(b)を用いて説明する。図5(a)はインクキャリッジ2が走査方向において移動を繰り返し、画像形成動作を行っているときのメンテナンス手段1の側面透視図であり、図5(b)は、図5(a)の側面透視図である。なお、便宜上、図5(b)では、インクキャリッジ2を図示している。
【0068】
インクキャリッジ2が走査方向において移動を繰り返し、画像形成動作を行っている間、搬送駆動モーターは、記録用紙を搬送する正回転の駆動(第1駆動)を駆動受部13に与える。このとき、図5(a)に示すように、駆動受部13の駆動を受けた円筒カム11は正回転(図1における矢印Pへの回転)するが、ガイド部30に設けられたピン35は円筒カム11の駆動受部13側とは反対側の一端(空回転溝14)にて空回転するようになっている。そのため、ピン34は移動できず、該ピン34を設けたガイド部30もその位置を変えることなく静止する。
【0069】
また、ガイド部30が上記のように静止しているときは、図5(b)に示すように、ピン34が、S字型ホルダ26に沿ってL字型フレーム25の縦軸面25aに近づくように移動することで、その縦軸面25a側のS字型ホルダ26を持ち上げる一方、他方(縦軸面25a側に対して反対側)のS字型ホルダ26を下げることで、保持部23(キャップ部20)を移動させる。
【0070】
つまり、インクキャリッジ2が画像形成動作を行っている間、吸引キャップ21を保持する保持部23(キャップ部20)は、インクキャリッジ2の走査方向への移動を妨げない位置に格納される(メンテナンス手段がインクキャリッジに対して離間する方向に移動させる)。
【0071】
インクジェットプリンターの画像形成動作が終了すると、インクキャリッジ2は、ホームポジション(図3参照)にて静止する。そして、搬送駆動モーターは、記録用紙を搬送する方向とは逆方向の駆動(第2駆動;以下、逆回転の駆動と称する)を駆動受部13に与える。駆動受部13は、搬送駆動モーターの駆動を受けて円筒カム11を逆回転させる。なお、逆回転とは、図1における矢印Rへの回転をいう。
【0072】
円筒カム11の逆回転に伴って、図4(a)に示すバネ51aの反発力(バネ51bが台形状リング32を引っ張る力)により、ピン35が空回転溝14からカム溝12へ送り出されることになる。そのため、ピン35を備えた台形状リング32、すなわちガイド部30も移動する。つまり、円筒カム11の駆動受部13側とは反対側の一端(空回転溝14)に位置しているピン35は、空回転溝14から押し出され、カム溝12に沿って摺動するようになり(空回転溝14からカム溝12へと移動し)、その結果、ガイド部30も移動する。
【0073】
すると、ピン35は、円筒カム11の回転とともに、カム溝12に沿って摺動し、図4(b)に示すように、円筒カム11の駆動受部13側に位置する端部(空回転溝15)に到達することになる。
【0074】
上記のように、ピン35が空回転溝15に到達するときは、メンテナンス手段1が回復処理を行うときである。そこで、回復処理を行うときのメンテナンス手段1の移動動作を図6を用いて説明する。図6(a)はメンテナンス手段1の側面透視図であり、図6(b)は、図6(a)の側面透視図である。なお、便宜上、図6(b)では、インクキャリッジ2を図示している。
【0075】
図6(a)に示すように、ピン35の移動に伴って、該ピン35が設けられた台形状リング32は、円筒カム11の中心軸に平行になるようにスライドする。したがって、台形状リング32を含むガイド部30も、ピン35の移動とともに、該ピン35の移動方向へ移動する。そして、ガイド部30がスライドすると、図6(b)に示すように、台形状リング32(ガイド部30)に設けられたピン34はS字型ホルダ26内を移動する。
【0076】
そして、ピン35が空回転溝15に到達したとき、図6(b)に示すように、ピン34は、S字型ホルダ26に沿ってL字型フレーム25の縦軸面25aに対して反対側、すなわちワイピング部40に近づくように移動するので、そのワイピング部40側のS字型ホルダ26を持ち上げる一方、他方(縦軸面25a側)のS字型ホルダ26を下げることで、キャップ部20を移動させる。
【0077】
そのため、ピン34の移動に伴って、保持部23がインクキャリッジ2に近づくように移動する(メンテナンス手段1がインクキャリッジ2に対して当接する方向に移動している)。
【0078】
つまり、ピン34・35がワイピング部40に近づいた場合、吸引キャップ21は、インクキャリッジ2のインク吐出口3をキャッピングできる位置に到達し、回復処理を行うことができる。
【0079】
なお、ピン35が円筒カム11の逆回転により、円筒カム11の駆動受部13側の端部(空回転溝15)に到達した後に、引き続き円筒カム11が逆回転しても、ピン35は空回転溝15で空回転し、その位置に留まっている。そのため、保持部23の吸引キャップ21は、図6(b)に示すように、インク吐出口3をキャッピングした状態を保つように維持(ロック)され、回復処理を好適に行うことができる。
【0080】
また、インク吐出口3の回復処理が終了しても、インクジェットプリンターの画像形成動作が再開されるまでは、上記のキャッピング状態を維持することになる、すなわち、保持部23の吸引キャップ21がインク吐出口3をキャッピングした状態を維持する。
【0081】
また、保持部23は軸27によって回動可能に保持されているので、上記のキャッピングのとき、図7に示すように、保持部23は、軸27を中心にして円軌道を描きながらインクキャリッジ2に接近するようになる。また、この場合、円筒カム11(図5(a)(b)参照)は、中心軸がインクキャリッジ2の走査方向に平行になるように配置されているので、保持部23の移動によって描かれる円軌道の面は、インクキャリッジ2の走査方向に対して平行になる。
【0082】
次に、インクジェットプリンターの画像形成動作が再開されると、搬送駆動モーター4が再び正回転し、駆動受部13は、搬送駆動モーター4の駆動を受けて円筒カム11を正回転させる。
【0083】
円筒カム11の正回転に伴って、図4(b)に示すバネ51bの反発力(バネ51aが台形状リング32を引っ張る力)により、ピン35が空回転溝15からカム溝12へ送り出されることになる。そのため、ピン35・34を備えた台形状リング32、すなわちガイド部30も移動する。つまり、円筒カム11の駆動受部13側の一端(空回転溝15)に位置しているピン35は、空回転溝15から押し出され、カム溝12に沿って摺動するようになり(空回転溝15からカム溝12へと移動し)、その結果、ガイド部30も移動する。
【0084】
そして、このガイド部30の移動に応じて、保持部23がインクキャリッジ2から遠ざかる方向へ移動し、吸引キャップ21は、インク吐出口3から離れるようになる(図5(b)参照)。
【0085】
なお、円筒カム11の駆動受部13側の反対側の端部(空回転溝14)へ移動したピン35は、前述したように、インクジェットプリンターの画像形成動作が行われている間、空回転しているため、カム溝12に沿って摺動することはない。したがって、保持部23は、インクキャリッジ2の走査方向への移動を妨げない位置に格納され、インクジェットプリンターは、画像形成動作を好適に行うことができる。
【0086】
次に、回復処理の一つである、インク吐出口3に付着したインクやゴミ等を払い落とす清掃処理を行うワイピング部40について、図8(a)〜(f)を用いて説明する。なお、図8(a)〜(f)では、便宜上、円筒カム・スプリング等を省略するとともに、図8(d)〜(f)では、キャップ部20を省略している。
【0087】
図8(a)〜(f)に示すように、ワイピング部40は、インクキャリッジ2がメンテナンス手段1(キャップ部20)から離れる走査方向側で、キャップ部20と隣り合うように設けられている。そして、ワイピング部40は、レバー41、ワイパー42を含む構成である。レバー41およびワイパー42は、軸43によって、可倒するように(回動可能となるように)支持されるとともに、キャップ部20側から順にワイパー42・レバー41となるように配置されている。
【0088】
また、軸43に対してキャップ部20側に軸45、該軸43に対してキャップ部20と反対側に軸46を設け、ワイパー42およびレバー41の一部分と、軸45・軸46とをスプリング47・48で連結するようになっている。
【0089】
また、ワイピング部40には、キャップ部20に備えられた保持部23からアーム24の先端が差し込まれるようになっている。そして、図8(a)に示すように、そのアーム24の先端部は、画像形成動作時には、上記のレバー41およびワイパー42の一部分の下方に位置するようになっている。
【0090】
上述したように、インクジェットプリンターは、画像形成動作を終えると、搬送駆動モーター4(図2参照)が逆回転し、円筒カム11(図1参照)を逆回転させる。そして、ガイド部30のスライドに伴って、図8(b)に示すように、保持部23(キャップ部20)がインクキャリッジ2方向へ移動する(保持部23がインクキャリッジ2に当接する方向に移動する)。
【0091】
このとき、保持部23に設置されたアーム24も、保持部23の動きに併せてインクキャリッジ2方向へ近づくように移動し、同時にレバー41およびワイパー42を押し上げる。そのため、レバー41およびワイパー42は、その先端部(41a・42a)がインクキャリッジ2に接触できるように、ワイピング部40から突出することになる。
【0092】
なお、この突出状態では、ワイパー42の先端部42aがインク吐出口3に直接接触するようになっており、レバー41の先端部41aは、該ワイパー42の先端部42aよりも上位に位置し、インクキャリッジ2と接触するようになっている。
【0093】
そして、再び、搬送駆動モーター4が正回転し、円筒カム11が正回転すると、図8(c)に示すように、保持部23は、インクキャリッジ2から離れるようになる(保持部23がインクキャリッジ2から離間する方向に移動する)。
【0094】
この保持部23の移動に伴って、ワイピング部40の内部に差し込まれたアーム24の先端部もレバー41・ワイパー42から離れる(下方に下がる)。このとき、レバー41・ワイパー42の先端部41a・42aは、ワイピング部40から突出した状態を保っている。
【0095】
続いて、インクキャリッジ2が走査方向に沿って、キャップ部20側から、ワイピング部40方向に移動、すなわち、上記インクキャリッジ2が、上記メンテナンス手段1から離れる方向に走査すると(キャップ部20側からワイピング部側40へ走査すると)、図8(d)に示すように、ワイパー42の先端部42aがインク吐出口3に接触し、インク吐出口3に付着したインクやゴミ等を払い落とすワイピング動作(清掃処理)を行う。一方、レバー41の先端部41aはワイパー42の先端部42aよりも上位に位置するため、インクキャリッジ2と接触することになり、その接触によってレバー41は軸43を中心に可倒(回動)する。そのため、レバー41は、キャップ部20とは反対側に倒れ、インクキャリッジ2を速やかに移動させるようになる。
【0096】
インクキャリッジ2の移動とともに、ワイパー42によるワイピング動作が終了すると、図8(e)に示すように、レバー41は、キャップ部20側へ起き上がり、ワイパー42の先端部42aおよびレバー41の先端部41aがワイピング部40から突出した状態になる。
【0097】
そして、インクキャリッジ2が、上記メンテナンス手段1に近づく方向に走査すると(ワイピング部40側からキャップ部20側に走査すると)、図8(f)に示すように、レバー41に、インクキャリッジ2が接触し、レバー41がキャップ部20側へ倒れる。さらに、このレバー41が倒れることにより、ワイパー42がキャップ部20側へ倒れ、レバー41およびワイパー42の先端部41a・42aは、ワイピング部40内に収容されるようになる。
【0098】
以上のように、本実施の形態のインクジェットプリンターでは、メンテナンス手段1のキャップ部20を移動させる駆動源として、給紙ローラー74・搬送ローラー82を作動させるために用いていた搬送駆動モーター4の駆動力を利用している。そのため、メンテナンス手段1専用の駆動手段を必要としないので、その駆動手段分のスペースを削減でき、インクジェットプリンターの小型化を図ることができる。
【0099】
その上、メンテナンス手段1は、回復処理を行わない場合、インクキャリッジの走査を妨げない位置に格納されるので、メンテナンス手段1をインクキャリッジ2のホームポジションに設けることができる。すなわち、ホームポジションの隣接位置に回復処理を行うためのスペース(キャッピングポジション)を設ける必要がない。それゆえ、メンテナンス手段1をインクキャリッジ2の印刷時の走査領域内(ホームポジション)に設置することができ、インクキャリッジ2の走査方向の長さを縮小できる。したがって、インクジェットプリンターの幅を小さくすることができる。
【0100】
また、キャップ部20において、吸引キャップ21を備えた保持部23の一端が、軸27によってL字型フレーム25に回動可能に保持されているため、円筒カム11の回転によって、キャップ部20をインクキャリッジ2向かって進退することが可能になる。
【0101】
また、L字型のフレーム25の縦軸面25aとバネ取り付け面28との間に取り付けられたバネ51a・51bの反発力(引張力)によって、ピン35をカム溝12に沿うように移動させることができる。そのため、ピン35が速やかにカム溝12に沿って摺動するようになる。具体的には、搬送駆動モーター4の回転方向の切り替え時、ピン35が空回転溝14・15からカム溝12へとスムーズに移動しやすくなる。そのため、吸引キャップ21によるインク吐出口3のキャッピングのための移動動作が速やかに行われる。
【0102】
なお、バネ51a・51bは台形状リング32・33(ガイド部30)に必ず連結されている必要はない。この場合、バネ51a・51bの反発力によって、ガイド部30が移動するので、そのガイド部30に設けられたピン35も、空回転溝14・15から速やかにカム溝12へと移動できる。
【0103】
また、本実施の形態において、ピン35をカム溝12に押し出すときに、図4に示すように、2つのバネ51a・51bを用いたが、必ずしもこれに限定されず、図9(a)(b)に示すように、1つの引張バネ52を用いてもよい。
【0104】
この場合、図9(a)に示すように、ガイド部30の底面部31には、L字型フレーム25の底面に取り付けられた引張バネ52が連結されている。また、引張バネ52は、L字型フレーム25に設けられた軸53を中心にして回動可能に設置されている。そのため、底面部31が引張バネ52の引張力(バネ力)により、ピン35が空回転溝14からカム溝12へ送り出されることになる。そのため、ピン35を備えた台形状リング32、すなわちガイド部30全体を移動させることができる。
【0105】
図9(a)に示すように、台形状リングに設けられたピン35は、円筒カム11の逆回転に伴ってカム溝12に押し出され、該カム溝12に沿って摺動する。そして、ピン35の移動に伴って、ガイド部30がピン35と同じ移動方向へ移動する。
【0106】
また、図9(b)に示すように、ピン35は、円筒カム11の正回転に伴って、円筒カム11の一端(空回転溝15)から他方の端(空回転溝14)へ移動するとき、引張バネ52の引張力によって、ピン35が空回転溝15からカム溝12へ送り出されることになる。そして、カム溝12に押し出されたピン35は、該カム溝12に沿って摺動し、このピン35の移動に伴ってガイド部30もピン35と同じ移動方向へ移動する。
【0107】
また、上記のように、バネ51a・51bや引張バネ52を用いず、図10に示すように、円筒カム11の端部(空回転溝14・15)に突起部16を設けてもよい。上記突起部16は、円筒カム11が回転するとき、バネ51a・51bや引張バネ52の力を用いることなく(図4・図9参照)、ピンを空回転溝14・15からカム溝12へ導くことができるので、該ピン35をスムーズに移動させることができる。したがって、吸引キャップによるインク吐出口のキャッピングのための移動動作が速やかに行われる。
【0108】
なお、上記の突起部16とバネ51a・51bや引張バネ52とを併用しても構わない。
【0109】
また、本実施の形態において、ピン35の断面形状は、図11に示すように、楕円形状であるが、必ずしもこれに限定されず、例えば、図12に示すように、菱形形状とすることも可能である。
【0110】
上記の形状であれば、ピン35がカム溝12の溝壁に接触して摺動するので、カム溝12に沿って、ピン35をスムーズに摺動させることができる。
【0111】
また、本実施の形態において、図13(a)(b)に示すように、円筒カム11の中心軸を、インクキャリッジ2の走査方向の垂直方向、すなわち、記録用紙の搬送方向に平行になるように配置してもよい。この場合、保持部23は、インクキャリッジ2の走査方向に対して、垂直となるような円軌道の面を描くように移動する。なお、図13(a)は、保持部23がインクキャリッジ2に当接するように移動する状態を示しており、図13(b)は、吸引キャップ21がインク吐出口3をキャッピングしている状態を示している。
【0112】
また、本実施の形態のインクジェットプリンターは、以下のように表現することもできる。
【0113】
インクジェットプリンターは、記録媒体の搬送を駆動する搬送駆動手段と、記録媒体にインクを吐出して画像を記録するインクキャリッジと、インク吐出口の回復処理を行うメンテナンス手段とを備えたインクジェットプリンターであって、上記搬送駆動手段は記録媒体の搬送を駆動する第1の駆動と該記録媒体の搬送を行わない第2の駆動を有し、上記メンテナンス手段は記録媒体に画像を記録する領域外に設定し、第1の駆動時において上記メンテナンス手段はインクキャリッジとは離間する方向に移動し、第2の駆動時において上記メンテナンス手段はインクキャリッジとは当接する方向に移動することを特徴とする。
【0114】
上記の構成によれば、メンテナンス手段は、回復処理を行わない時は、インクキャリッジの走査を妨げない位置に格納され、回復処理を行う時に、インクキャリッジに接近するので、メンテナンス手段をインクキャリッジのホームポジションに設けることができる。それゆえ、メンテナンス手段をインクキャリッジの印字時の走査領域内に設置することができ、インクキャリッジの走査方向の長さを縮小し、装置幅を小さくすることができる。また、キャップ部を移動させるための専用の駆動手段を必要としないので、装置サイズの小型化を図ることができる。
【0115】
また、インクジェットプリンターは、メンテナンス手段は、インク吐出口を覆う吸引キャップを有するキャップ部と、巻き方向が一方向であるカム溝を側面に有し、搬送駆動手段から駆動を受けて回転する円筒カムと、上記カム溝にはめ込まれ、カム溝に沿って摺動する円筒カム側ピン、及び、キャップ部に設けられたホルダにはめ込まれ、該ホルダ内を移動可能なキャップ部側ピンを有し、円筒カム側ピンがカム溝に沿って摺動することによってスライドするガイドとを備え、上記搬送駆動手段によって円筒カムが回転し、円筒カム側ピンがカム溝に沿って摺動する場合には、ガイドのスライドとともにキャップ部側ピンがキャップ部のホルダ内を移動して、キャップ部がインクキャリッジに向かって進退し、円筒カム側ピンがカム溝の一端にて空回転し、カム溝に沿って摺動しない場合には、インクキャリッジの走査を妨げない所定位置にキャップ部を格納することを特徴とする。
【0116】
上記の構成によれば、メンテナンス手段は、回復処理を行わない時は、インクキャリッジの走査を妨げない位置に格納され、回復処理を行う時に、インクキャリッジに接近するので、メンテナンス手段をインクキャリッジのホームポジションに設けることができる。それゆえ、メンテナンス手段をインクキャリッジの印字時の走査領域内に設置することができ、インクキャリッジの走査方向の長さを縮小し、装置幅を小さくすることができる。また、キャップ部を移動させるための専用の駆動手段を必要としないので、装置サイズの小型化を図ることができる。
【0117】
また、インクジェットプリンターは、キャップ部は、一端を軸によって回動可能に保持され、該軸を中心とする円軌道を描くように進退し、上記円軌道によって描かれる面は、キャリッジの走査方向に対して、平行または垂直であることを特徴とする。
【0118】
上記の構成によれば、キャップ部を移動させるための専用の駆動手段を必要とすることなく、円筒カムの回転によって、キャップ部をキャリッジ向かって進退することが可能になる。それゆえ、装置サイズの小型化を図ることができる。
また、インクジェットプリンターは、円筒カム側ピンをカム溝に沿って摺動させるための送り出し部材が設けられていることを特徴とする。
【0119】
上記の構成によれば、カム溝の一端に円筒側ピンが位置した場合、送り出し部材によって、円筒側ピンをカム溝に沿うように移動させることができるので、円筒側ピンが速やかにカム溝に沿って摺動することができる。従って、吸引キャップによるインク吐出口のキャッピング動作が好適に行われる。
【0120】
また、インクジェットプリンターは、カム溝の両端に突起が設けられていることを特徴とする。
【0121】
上記の構成によれば、カム溝の一端に円筒側ピンが位置した場合、円筒側ピンをカム溝に沿うように移動させることができるので、円筒側ピンが速やかにカム溝に沿って摺動することができる。従って、吸引キャップによるインク吐出口のキャッピング動作が好適に行われる。
【0122】
また、インクジェットプリンターは、円筒側ピンの断面形状は、楕円又は菱形形状であることを特徴とする。
【0123】
上記の構成によれば、円筒側ピンがカム溝の溝壁に接触して摺動するので、カム溝に沿って、円筒側ピンをスムーズに摺動させることができる。
【0124】
また、インクジェットプリンターは、インクキャリッジの走査方向にメンテナンス手段と隣り合うように設けられ、インク吐出口を払拭するワイパーと該ワイパーのメンテナンス手段側とは反対側に配置されたレバーとを内部に格納するワイピング部を備え、メンテナンス手段に備えられ、キャップ部の進退に連動してインクキャリッジ方向へ進退するアームの先端がワイピング部内部に挿入され、キャップ部の移動に連動してアームがインクキャリッジに近づくように移動すると、ワイパー及びレバーの先端部がインクキャリッジに接触可能となるように、アームの先端がワイパー及びレバーに当接してワイピング部から押し出し、インクキャリッジが走査方向に沿ってメンテナンス手段からワイピング部へ移動すると、ワイパーがインク吐出口に接触してインク吐出口を払拭し、インクキャリッジが走査方向に沿ってワイピング部からメンテナンス手段へ移動すると、インクキャリッジとレバーの先端部とが接触して、レバー及びワイパーがワイピング部に格納されることを特徴とする。
【0125】
上記の構成によれば、吸引キャップがインク吐出口の回復処理を行った後、インクキャリッジが走査方向に移動するだけで、インク吐出口に付着したインクやゴミ等をワイパーによって払拭することができる。
【0126】
また、インクジェットプリンターは、記録媒体を搬送する搬送駆動手段と、上記記録媒体にインクを吐出して画像を記録するインク吐出口を備えたインクキャリッジと、上記インク吐出口の回復処理を行うメンテナンス手段とを含むインクジェットプリンターにおいて、上記メンテナンス手段は、インク吐出口の回復処理を行う回復処理位置と、インク吐出口から離間した待機位置とに移動可能に設けられ、上記搬送駆動手段は、上記メンテナンス手段を回復処理位置と待機位置とに移動するように駆動力を与えることを特徴とする。
【0127】
【発明の効果】
以上のように、本発明のインクジェットプリンターは、本発明のインクジェットプリンターは、上記の課題を解決するために、記録媒体を搬送する搬送駆動手段と、上記記録媒体にインクを吐出して画像を記録するインク吐出口を備えたインクキャリッジと、上記インク吐出口に当接して、該インク吐出口の回復処理を行うメンテナンス手段とを含むインクジェットプリンターにおいて、上記搬送駆動手段は、上記記録媒体を搬送させる第1駆動と、その記録媒体の搬送を伴わない第2駆動とが可能であり、上記メンテナンス手段は、上記第1駆動に連動して、上記インクキャリッジに対して離間する方向に移動する一方、上記第2駆動に連動して、上記インクキャリッジに対して当接する方向に移動する構成である。
【0128】
これによると、本発明のインクジェットプリンターでは、駆動手段が、第1駆動または第2駆動の2種類の駆動を行うようになっており、記録媒体を搬送する第1駆動のときには、メンテナンス手段はインクキャリッジに対して離間する方向に移動し、記録媒体を搬送させない第2駆動のときには、メンテナンス手段はインクキャリッジに対して当接する方向に移動するようになっている。つまり、本発明のインクジェットプリンターは、記録媒体を搬送するために設けられている搬送駆動手段の駆動力を用いて、メンテナンス手段を移動させている。そのため、例えば、メンテナンス手段を移動させるための専用の駆動モーター等を設ける必要がなく、その専用駆動モーターの設置スペースを削減できる。
【0129】
また、従来用いられていたインクキャリッジと接触移動させるための別個の部材等(レバー等)をインクジェットプリンター内部に設ける必要がないため、該別個の部材に必要とされたスペースを削減でき、例えば、印刷時のインクキャリッジの走査領域内にメンテナンス手段を設けることもできる。
【0130】
その結果、本発明のインクジェットプリンターでは、メンテナンス手段の移動のために、例えば専用の駆動モーターやレバー等の部材を設けることない上、印刷時のインクキャリッジの走査領域内にメンテナンス手段を設けることができるので、装置サイズ(インクジェットプリンターの大きさ)を小型化することができるという効果を奏する。
【0131】
また、本発明のインクジェットプリンターでは、上記の構成に加えて、上記メンテナンス手段は、上記インク吐出口を覆う吸引キャップを有するキャップ部と、巻き方向が一方向であるカム溝を側面に有し、上記搬送駆動手段からの駆動を受けて回転する円筒カムと、上記カム溝にはめ込まれ該カム溝に沿って摺動する第1ピン、およびその第1ピンと同期移動する第2ピンを含み、この第2ピンの移動に応じて移動することで、上記キャップ部をインクキャリッジに対して移動させるガイド部とを備え、上記の第1・第2駆動のときに、上記カム溝に沿って摺動する第1ピンと同期した第2ピンの移動によって、上記ガイド部が移動し、上記キャップ部をインクキャリッジに対して離間または当接する方向に移動させる一方、上記キャップ部の離間方向への移動後、上記第1ピンが、上記カム溝の一方の最外端に設けられた第1空回転溝にて空回転することに伴い上記カム溝を摺動できないために、上記の第2ピンおよびガイド部の移動が停止することによって、上記キャップ部を上記インクキャリッジに対して離間した状態で維持することが好ましい。
【0132】
これによると、本発明のインクジェットプリンターでは、第1・第2ピンの移動に応じて上記ガイド部が移動し、このガイド部の移動によってキャップ部をインクキャリッジに対して離間または当接する方向に移動させる。そして、キャップ部が離間方向に移動した後、上記第1ピンは上記カム溝の一方の最外端に設けられた第1空回転溝にて回転する。つまり、この第1空回転溝にて回転(空回転)するため、カム溝において摺動しなくなる。そのため、第2ピンも移動しなくなり、その結果、ガイド部も移動しなくなる。したがって、上記キャップ部がインクキャリッジに対して離間した状態を維持することができるという効果を奏する。
【0133】
また、本発明のインクジェットプリンターでは、上記の構成に加えて、上記キャップ部の当接方向の移動後、上記第1ピンが、上記カム溝の他方の最外端に設けられた第2空回転溝にて空回転することに伴い上記カム溝を摺動できないために、上記の第2ピンおよびガイド部の移動が停止することによって、上記キャップ部を上記インクキャリッジに対して当接した状態で維持することが好ましい。
【0134】
これによると、キャップ部が当接方向に移動した後、上記第1ピンは上記カム溝の一方の最外端に設けられた第2空回転溝にて回転する。つまり、この第2空回転溝にて回転(空回転)するため、カム溝において摺動しなくなる。そのため、第2ピンも移動しなくなり、その結果、ガイド部も移動しなくなる。したがって、上記キャップ部がインクキャリッジに対して当接した状態を維持することができる。
【0135】
つまり、キャップ部がインク吐出口をキャッピングした状態を維持できるため、回復処理を好適に行うことができる。また、回復処理が終了しても、第1駆動(画像形成のための動作)が再開されるまでは、インク吐出口をキャッピングした状態を保つことができるという効果を奏する。
【0136】
また、本発明のインクジェットプリンターでは、上記の構成に加えて、上記の第1空回転溝または第2空回転溝で回転する上記第1ピンを、上記カム溝に送り出すための送り出し部材が設けられていることが好ましい。
【0137】
また、本発明のインクジェットプリンターでは、上記の構成に加えて、上記の第1空回転溝または第2空回転溝で回転する上記第1ピンを、上記カム溝に送り出させるために、上記の第1空回転溝および第2空回転溝に突起部が設けられていることが好ましい。
【0138】
これによると、例えば、バネのような送り出し部材の反発力または引張力によって、あるいは、第1空回転溝および第2空回転溝に設けた突起部に第1ピンが摺動することで(突起部に乗り上げることで)、第1または第2空回転溝にて回転する第1ピンをカム溝に沿うように移動させることができる。
【0139】
そのため、搬送駆動手段による第1・第2駆動の切り替え時、第1ピンを第1・第2空回転溝からカム溝へとスムーズに移動させることができる。したがって、メンテナンス手段の移動動作が速やかに行われるという効果を奏する。
【0140】
また、本発明のインクジェットプリンターでは、上記の構成に加えて、上記第1ピンの断面形状が、楕円または菱形の形状であることが好ましい。
【0141】
上記構成によると、カム溝の溝壁に接触しながら、第1ピンが摺動するので、スムーズに摺動できるという効果を奏する。
【0142】
また、本発明のインクジェットプリンターでは、上記の構成に加えて、上記キャップ部は、その一端が回動可能に保持されるとともに、その保持された箇所を中心とした回転移動によって、上記の離間または当接する方向に移動し、上記の回転移動方向は、上記インクキャリッジの走査方向に対して、平行または垂直であることが好ましい。
【0143】
上記構成によると、キャップ部を移動させるための専用の駆動手段を設けることなく、円筒カムの回転によって、キャップ部をインクキャリッジ向かって進退させることができる。それゆえ、装置サイズの小型化を図ることができるという効果を奏する。
【0144】
また、本発明のインクジェットプリンターでは、上記の構成に加えて、上記メンテナンス手段は、上記インクキャリッジが記録媒体に画像を記録する領域外に設けられていることが好ましい。
【0145】
また、本発明のインクジェットプリンターでは、上記の構成に加えて、上記メンテナンス手段は、上記インクキャリッジの待機位置で回復処理できるように配置されていることが好ましい。
【0146】
従来、例えばインクキャリッジの待機位置よりも外側に配置されていた。しかしながら、これによると、メンテナンス手段の設置スペースを上記のような外側に設けることはない。したがって、メンテナンス手段の設置スペース分だけ、インクジェットプリンターの装置幅を小さくすることができるという効果を奏する。
【0147】
また、本発明のインクジェットプリンターでは、上記の構成に加えて、上記インク吐出口を払拭するワイパーとレバーとを回動(可倒)するように保持しているワイピング部が、上記インクキャリッジの走査方向上に設けられ、上記キャップ部には、接触することで上記のワイパーおよびレバーを起立させるアームが備えられ、そのアームは、上記の第2駆動のとき、上記のワイパーおよびレバーを起立させた状態とし、上記インクキャリッジが上記メンテナンス手段から離れる方向に走査する場合、上記ワイパーは、インク吐出口と接触することで該インク吐出口を払拭する一方、上記インクキャリッジが上記メンテナンス手段に近づく方向に走査する場合、上記レバーは、上記インクキャリッジと接触することで傾倒するとともに、上記ワイパーと接触して、該ワイパーを傾倒させることが好ましい。
【0148】
これによると、上記インクキャリッジがメンテナンス手段から離れる方向に走査する場合、上記ワイパーは、インクキャリッジに備えられたインク吐出口と接触することで、そのインク吐出口に付着した、例えばゴミ等を除去(払拭)することができる一方、上記レバーは、インクキャリッジの走査の障害とならないように傾倒する。また、上記インクキャリッジが上記メンテナンス手段に近づく方向に走査する場合、上記レバーは、上記インクキャリッジと接触することで傾倒するとともに、上記ワイパーと接触して、該ワイパーを傾倒させる。つまり、レバーが倒れることにより、レバーおよびワイパーの先端部を、ワイピング部内に収容して、インクキャリッジの走査の障害とならないようにできる。
【0149】
したがって、第2駆動によってキャップ部がインク吐出口に到達し、回復処理を行った後、インクキャリッジが走査方向に移動するだけで、インク吐出口に付着したインクやゴミ等をワイパーによって払拭(清掃)することができる上、ワイパーおよびレバーをインクキャリッジの走査の障害とならないように傾倒させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施の一形態に係るインクジェットプリンターのメンテナンス手段を説明する平面透視図であり、(b)は(a)の側面透視図である。
【図2】本発明の実施の一形態に係るインクジェットプリンターを説明する側面透視図である。
【図3】メンテナンス手段の取り付け位置を示す側面透視図である。
【図4】(a)は円筒カムの逆回転のとき、バネの力によってピンが空回転溝からカム溝に送り出される状態を説明した側面透視図であり、(b)は円筒カムの正回転のとき、バネの力によってピンが空回転溝からカム溝に送り出される状態を説明した側面透視図である。
【図5】(a)はインクキャリッジが走査方向において移動を繰り返し、画像形成動作を行っているときのメンテナンス手段の平面透視図であり、(b)は(a)の側面透視図である。
【図6】(a)は回復処理を行うときのメンテナンス手段の平面透視図であり、(b)は(a)の側面透視図である。
【図7】メンテナンス手段がインク吐出口に対してキャッピングするとき、保持の移動軌道を説明した側面透視図である。
【図8】(a)〜(f)は、ワイピング部が清掃処理を行う過程を説明した側面透視図である。
【図9】(a)は、上記図4とは異なる引張バネを用いて、円筒カムの逆回転のとき、バネの力によってピンが空回転溝からカム溝に送り出される状態を説明した側面透視図であり、(b)は円筒カムの正回転のとき、バネの力によってピンが空回転溝からカム溝に送り出される状態を説明した側面透視図である。
【図10】空回転溝に突起部を設けた円筒カムを説明する側面図である。
【図11】カム溝を摺動するピンの断面形状が楕円形状であることを示す側面透視図である。
【図12】カム溝を摺動するピンの断面形状が菱形形状であることを示す側面透視図である。
【図13】(a)は、円筒カムの中心軸を記録用紙の搬送方向に平行になるように配置した場合において、保持部がインクキャリッジに当接するように移動する状態を示した側面透視図であり、(b)は吸引キャップがインク吐出口をキャッピングしている状態を示した側面透視図である。
【符号の説明】
1 メンテナンス手段
2 インクキャリッジ
3 インク吐出口
4 搬送駆動モーター(搬送駆動手段)
11 円筒カム
12 カム溝
14 空回転溝(第1空回転溝)
15 空回転溝(第2空回転溝)
16 突起部
20 キャップ部
21 吸引キャップ
23 保持部
24 アーム
25 L字型フレーム
27 軸
30 ガイド部
32 台形状リング
33 台形状リング
34 ピン(第2ピン)
35 ピン(第1ピン)
40 ワイピング部
41 レバー
42 ワイパー
51a、51b バネ(送り出し部材)
52 引張バネ(送り出し部材)
P 正回転方向
R 逆回転方向

Claims (10)

  1. 記録媒体を搬送する搬送駆動手段と、上記記録媒体にインクを吐出して画像を記録するインク吐出口を備えたインクキャリッジと、上記インク吐出口の回復処理を行うメンテナンス手段とを含むインクジェットプリンターにおいて、
    上記搬送駆動手段は、上記記録媒体を搬送させる第1駆動と、その記録媒体の搬送を伴わない第2駆動とが可能であり、
    上記メンテナンス手段は、上記インク吐出口の回復処理を行う回復処理部分を有し、該回復処理部分は、上記第1駆動に連動して上記インク吐出口より離れる方向に移動する一方、上記第2駆動に連動して上記インク吐出口に近づく方向に移動し、上記インク吐出口を覆った状態で回復処理を行うようになっており、
    上記メンテナンス手段は、さらに、
    巻き方向が一方向であるカム溝を側面に有すると共に上記搬送駆動手段からの駆動を受けて回転する円筒カムと、
    上記カム溝にはめ込まれ該カム溝に沿って摺動する第1ピンおよび該第1ピンと同期移動する第2ピンを含み、この第2ピンの移動に応じて移動することで上記回復処理部分を上記インク吐出口に対して移動させるガイド部とを備えており、
    上記の第1・第2駆動のときに、上記カム溝に沿って摺動する第1ピンと同期した第2ピンの移動によって上記ガイド部が移動することにより、上記回復処理部分を、上記第1・第2駆動に連動させて上記インク吐出口より離れる方向或いは近づく方向に移動させ、
    上記回復処理部分が上記インク吐出口より離れる方向に移動した後は、上記第1ピンが、上記カム溝の一方の最外端に設けられた第1空回転溝にて空回転することに伴い上記カム溝を摺動できないために、上記の第2ピンおよびガイド部の移動が停止し、上記回復処理部分は上記インク吐出口より離した状態で維持されることを特徴とするインクジェットプリンター。
  2. 上記回復処理部分が、上記インク吐出口を覆う吸引キャップを有するキャップ部であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンター。
  3. 上記回復処理部分が上記インク吐出口に近づく方向に移動した後は、上記第1ピンが、上記カム溝の他方の最外端に設けられた第2空回転溝にて空回転することに伴い上記カム溝を摺動できないために、上記の第2ピンおよびガイド部の移動が停止し、上記回復処理部分は上記インク吐出口を覆った状態で維持されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンター。
  4. 上記の第1空回転溝または第2空回転溝で回転する上記第1ピンを、上記カム溝に送り出すための送り出し部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットプリンター。
  5. 上記の第1空回転溝または第2空回転溝で回転する上記第1ピンを、上記カム溝に送り出させるために、上記の第1空回転溝および第2空回転溝に突起部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェットプリンター。
  6. 上記第1ピンの断面形状が、楕円または菱形の形状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェットプリンター。
  7. 上記回復処理部分は、その一端が回動可能に保持されるとともに、その保持された箇所を中心とした回転移動によって、上記インク吐出口より離れる方向或いは近づく方向に移動し、
    上記の回転移動方向は、上記インクキャリッジの走査方向に対して、平行または垂直であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェットプリンター。
  8. 上記メンテナンス手段は、上記インクキャリッジが記録媒体に画像を記録する領域外に設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェットプリンター。
  9. 上記メンテナンス手段は、上記インクキャリッジの待機位置で回復処理できるように配置されていることを特徴とする請求項8に記載のインクジェットプリンター。
  10. 上記インク吐出口を払拭するワイパーとレバーとを回動するように保持しているワイピング部が、上記インクキャリッジの走査方向上に設けられ、
    上記回復処理部分には、接触することで上記ワイパーおよびレバーを起立させるアームが備えられ、そのアームは、上記の第2駆動のとき、上記のワイパーおよびレバーを起立させた状態とし、
    上記インクキャリッジが上記メンテナンス手段から離れる方向に走査する場合、上記ワイパーは、インク吐出口と接触することで該インク吐出口を払拭する一方、
    上記インクキャリッジが上記メンテナンス手段に近づく方向に走査する場合、上記レバーは、上記インクキャリッジと接触することで傾倒するとともに、上記ワイパーと接触して、該ワイパーを傾倒させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェットプリンター。
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