JP7297420B2 - 記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体(インク)を吐出して画像を記録する記録ヘッドを備える液体吐出装置に関し、特には、チューブポンプによって吸引動作を行う記録装置に関する。
特許文献1には、チューブポンプによる吸引動作時において、チューブポンプのローラがチューブから外れる際にチューブの弾性によって弾かれても、別のチューブに当接することで、ローラがチューブから外れる際の騒音の発生を抑制することが開示されている。
特開2015-33780号公報
チューブポンプを用いた装置では、長時間停止状態にあると、チューブポンプのチューブは、長時間ローラに押圧された状態となるため、ローラによる押圧部に変形が生じることがある。その後、装置の停止状態が解除され、チューブポンプが駆動を開始すると、チューブの変形箇所をローラが通過する際に衝突音(騒音)が発生する。この騒音は、チューブの変形箇所を、複数のローラが同時に通過すると発生する騒音量が大きくなってしまう。このようなチューブの変形から生じる騒音について騒音量を抑制することは、特許文献1には言及されていない。
よって本発明は、吸引動作時のローラとチューブの衝突音を低減することができる記録装置を提供することを目的とする。
そのため本発明の記録装置は、液体を吐出する記録ヘッドの吐出口面をキャッピングするためのキャップと、前記キャップと接続された第1チューブと、前記キャップと接続され第2チューブと、前記第1チューブの所定領域を押圧しながら移動することが可能な第1ローラと、前記第2チューブの所定領域を押圧しながら移動することが可能な第2ローラと、前記第1チューブに対して前記第1ローラを付勢する第1付勢手段と、前記第2チューブに対して前記第2ローラを付勢する第2付勢手段と、前記第1チューブを押圧した前記第1ローラと、前記第2チューブを押圧した前記第2ローラと、が押圧状態を維持したまま移動するように駆動する駆動手段と、前記駆動手段による所定の駆動時には、前記第2ローラが、前記第1ローラに対して所定の第1位置にあり、停止時には、前記第2ローラが、前記第1ローラに対して前記第1位置とは異なる第2位置となるように、前記第1ローラの位置と前記第2ローラの位置とを決定する位置決め手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、吸引動作時に発生するローラとチューブの衝突音を低減する記録装置を実現することができる。
記録装置が待機状態にあるときの図である。 記録装置の制御構成図である。 記録装置が記録状態にあるときの図である。 (a)~(c)は、第1カセットから給送された記録媒体の搬送経路図である。 (a)~(c)は、第2カセットから給送された記録媒体の搬送経路図である。 (a)~(d)は、記録媒体の裏面に記録動作を行う場合の搬送経路図である。 記録装置がメンテナンス状態にあるときの図である。 (a)および(b)は、メンテナンスユニットの構成を示す斜視図である。 記録装置が備える吸引ポンプを示した図である。 吸引動作時のポンプホイールユニットの位相を示した図である。 ポンプ停止時のポンプホイールユニットの位相を示した図である。 直線状のチューブのチューブポンプを示した図である。 吸引ポンプの一部の断面を示した図である。 その他の実施形態における吸引ポンプを示した図である。 吸引ポンプの変形例を示した図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態で使用するインクジェット記録装置1(以下、記録装置1)の内部構成図である。図において、x方向は水平方向、y方向(紙面垂直方向)は後述する記録ヘッド8において吐出口が配列される方向、z方向は鉛直方向をそれぞれ示す。
記録装置1は、プリント部2とスキャナ部3を備える複合機であり、記録動作と読取動作に関する様々な処理を、プリント部2とスキャナ部3で個別にあるいは連動して実行することができる。スキャナ部3は、ADF(オートドキュメントフィーダ)とFBS(フラットベッドスキャナ)を備えており、ADFによって自動給紙される原稿の読み取りと、ユーザによってFBSの原稿台に置かれた原稿の読み取り(スキャン)を行うことができる。なお、本実施形態はプリント部2とスキャナ部3を併せ持った複合機であるが、スキャナ部3を備えない形態であってもよい。図1は、記録装置1が記録動作も読取動作も行っていない待機状態にあるときを示す。
プリント部2において、筐体4の鉛直方向下方の底部には、記録媒体(カットシート)Sを収容するための第1カセット5Aと第2カセット5Bが着脱可能に設置されている。第1カセット5AにはA4サイズまでの比較的小さな記録媒体が、第2カセット5BにはA3サイズまでの比較的大きな記録媒体が、平積みに収容されている。第1カセット5A近傍には、収容されている記録媒体を1枚ずつ分離して給送するための第1給送ユニット6Aが設けられている。同様に、第2カセット5B近傍には、第2給送ユニット6Bが設けられている。記録動作が行われる際にはいずれか一方のカセットから選択的に記録媒体Sが給送される。
搬送ローラ7、排出ローラ12、ピンチローラ7a、拍車7b、ガイド18、インナーガイド19およびフラッパ11は、記録媒体Sを所定の方向に導くための搬送機構である。搬送ローラ7は、記録ヘッド8の上流側および下流側に配され、不図示の搬送モータによって駆動される駆動ローラである。ピンチローラ7aは、搬送ローラ7と共に記録媒体Sをニップして回転する従動ローラである。排出ローラ12は、搬送ローラ7の下流側に配され、不図示の搬送モータによって駆動される駆動ローラである。拍車7bは、記録ヘッド8の下流側に配される搬送ローラ7及び排出ローラ12と共に記録媒体Sを挟持して搬送する。
ガイド18は、記録媒体Sの搬送経路に設けられ、記録媒体Sを所定の方向に案内する。インナーガイド19は、y方向に延在する部材で湾曲した側面を有し、当該側面に沿って記録媒体Sを案内する。フラッパ11は、両面記録動作の際に、記録媒体Sが搬送される方向を切り替えるための部材である。排出トレイ13は、記録動作が完了し排出ローラ12によって排出された記録媒体Sを積載保持するためのトレイである。
本実施形態の記録ヘッド8は、フルラインタイプのカラーインクジェット記録ヘッドであり、記録データに従ってインクを吐出する吐出口が、図1におけるy方向に沿って記録媒体Sの幅に相当する分だけ複数配列されている。即ち、記録ヘッド8は、複数色のインクを吐出可能に構成されている。記録ヘッド8が待機位置にあるとき、記録ヘッド8の吐出口面8aは、図1のように鉛直下方を向きキャップユニット10によってキャップされている。記録動作を行う際は、後述するプリントコントローラ202によって、吐出口面8aがプラテン9と対向するように記録ヘッド8の向きが変更される。プラテン9は、y方向に延在する平板によって構成され、記録ヘッド8によって記録動作が行われる記録媒体Sを背面から支持する。記録ヘッド8の待機位置から記録位置への移動については、後に詳しく説明する。
インクタンクユニット14は、記録ヘッド8へ供給される4色のインクをそれぞれ貯留する。インク供給ユニット15は、インクタンクユニット14と記録ヘッド8を接続する流路の途中に設けられ、記録ヘッド8内のインクの圧力及び流量を適切な範囲に調整する。本実施形態では循環型のインク供給系を採用しており、インク供給ユニット15は記録ヘッド8へ供給されるインクの圧力と記録ヘッド8から回収されるインクの流量を適切な範囲に調整する。
メンテナンスユニット16は、キャップユニット10とワイピングユニット17を備え、所定のタイミングにこれらを作動させて、記録ヘッド8に対するメンテナンス動作を行う。メンテナンス動作については後に詳しく説明する。
図2は、記録装置1における制御構成を示すブロック図である。制御構成は、主にプリント部2を統括するプリントエンジンユニット200と、スキャナ部3を統括するスキャナエンジンユニット300と、記録装置1全体を統括するコントローラユニット100によって構成されている。プリントコントローラ202は、コントローラユニット100のメインコントローラ101の指示に従ってプリントエンジンユニット200の各種機構を制御する。スキャナエンジンユニット300の各種機構は、コントローラユニット100のメインコントローラ101によって制御される。以下に制御構成の詳細について説明する。
コントローラユニット100において、CPUにより構成されるメインコントローラ101は、ROM107に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM106をワークエリアとしながら記録装置1全体を制御する。例えば、ホストI/F102またはワイヤレスI/F103を介してホスト装置400から印刷ジョブが入力されると、メインコントローラ101の指示に従って、画像処理部108が受信した画像データに対して所定の画像処理を施す。そして、メインコントローラ101はプリントエンジンI/F105を介して、画像処理を施した画像データをプリントエンジンユニット200へ送信する。
なお、記録装置1は無線通信や有線通信を介してホスト装置400から画像データを取得しても良いし、記録装置1に接続された外部記憶装置(USBメモリ等)から画像データを取得しても良い。無線通信や有線通信に利用される通信方式は限定されない。例えば、無線通信に利用される通信方式として、Wi-Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)やBluetooth(登録商標)が適用可能である。また、有線通信に利用される通信方式としては、USB(Universal Serial Bus)等が適用可能である。また、例えばホスト装置400から読取コマンドが入力されると、メインコントローラ101は、スキャナエンジンI/F109を介してこのコマンドをスキャナ部3に送信する。
操作パネル104は、ユーザが記録装置1に対して入出力を行うための機構である。ユーザは、操作パネル104を介してコピーやスキャン等の動作を指示したり、印刷モードを設定したり、記録装置1の情報を認識したりすることができる。
プリントエンジンユニット200において、CPUにより構成されるプリントコントローラ202は、ROM203に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM204をワークエリアとしながら、プリント部2が備える各種機構を制御する。コントローラI/F201を介して各種コマンドや画像データが受信されると、プリントコントローラ202は、これを一旦RAM204に保存する。記録ヘッド8が記録動作に利用できるように、プリントコントローラ202は画像処理コントローラ205に、保存した画像データを記録データへ変換させる。記録データが生成されると、プリントコントローラ202は、ヘッドI/F206を介して記録ヘッド8に記録データに基づく記録動作を実行させる。この際、プリントコントローラ202は、搬送制御部207を介して図1に示す給送ユニット6A、6B、搬送ローラ7、排出ローラ12、フラッパ11を駆動して、記録媒体Sを搬送する。プリントコントローラ202の指示に従って、記録媒体Sの搬送動作に連動して記録ヘッド8による記録動作が実行され、印刷処理が行われる。
ヘッドキャリッジ制御部208は、記録装置1のメンテナンス状態や記録状態といった動作状態に応じて記録ヘッド8の向きや位置を変更する。インク供給制御部209は、記録ヘッド8へ供給されるインクの圧力が適切な範囲に収まるように、インク供給ユニット15を制御する。メンテナンス制御部210は、記録ヘッド8に対するメンテナンス動作を行う際に、メンテナンスユニット16におけるキャップユニット10やワイピングユニット17の動作を制御する。
スキャナエンジンユニット300においては、メインコントローラ101が、ROM107に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM106をワークエリアとしながら、スキャナコントローラ302のハードウェアリソースを制御する。これにより、スキャナ部3が備える各種機構は制御される。例えばコントローラI/F301を介してメインコントローラ101がスキャナコントローラ302内のハードウェアリソースを制御することにより、ユーザによってADFに搭載された原稿を、搬送制御部304を介して搬送し、センサ305によって読み取る。そして、スキャナコントローラ302は読み取った画像データをRAM303に保存する。なお、プリントコントローラ202は、上述のように取得された画像データを記録データに変換することで、記録ヘッド8に、スキャナコントローラ302で読み取った画像データに基づく記録動作を実行させることが可能である。
図3は、記録装置1が記録状態にあるときを示す。図1に示した待機状態と比較すると、キャップユニット10が記録ヘッド8の吐出口面8aから離間し、吐出口面8aがプラテン9と対向している。本実施形態において、プラテン9の平面は水平方向に対して約45度傾いており、記録位置における記録ヘッド8の吐出口面8aも、プラテン9との距離が一定に維持されるように水平方向に対して約45度傾いている。
記録ヘッド8を図1に示す待機位置から図3に示す記録位置に移動する際、プリントコントローラ202は、メンテナンス制御部210を用いて、キャップユニット10を図3に示す退避位置まで降下させる。これにより、記録ヘッド8の吐出口面8aは、キャップ部材10aと離間する。その後、プリントコントローラ202は、ヘッドキャリッジ制御部208を用いて記録ヘッド8の鉛直方向の高さを調整しながら45度回転させ、吐出口面8aをプラテン9と対向させる。記録動作が完了し、記録ヘッド8が記録位置から待機位置に移動する際は、プリントコントローラ202によって上記と逆の工程が行われる。
次に、プリント部2における記録媒体Sの搬送経路について説明する。記録コマンドが入力されると、プリントコントローラ202は、まず、メンテナンス制御部210およびヘッドキャリッジ制御部208を用いて、記録ヘッド8を図3に示す記録位置に移動する。その後、プリントコントローラ202は搬送制御部207を用い、記録コマンドに従って第1給送ユニット6Aおよび第2給送ユニット6Bのいずれかを駆動し、記録媒体Sを給送する。
図4(a)~(c)は、第1カセット5Aに収容されているA4サイズの記録媒体Sが給送されるときの搬送経路を示す図である。第1カセット5A内の1番上に積載された記録媒体Sは、第1給送ユニット6Aによって2枚目以降の記録媒体から分離され、搬送ローラ7とピンチローラ7aにニップされながら、プラテン9と記録ヘッド8の間の記録領域Pに向けて搬送される。図4(a)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pに到達する直前の搬送状態を示す。記録媒体Sの進行方向は、第1給送ユニット6Aに給送されて記録領域Pに到達する間に、水平方向(x方向)から、水平方向に対して約45度傾いた方向に変更される。
記録領域Pでは、記録ヘッド8に設けられた複数の吐出口から記録媒体Sに向けてインクが吐出される。インクが付与される領域の記録媒体Sは、プラテン9によってその背面が支持されており、吐出口面8aと記録媒体Sの距離が一定に保たれている。インクが付与された後の記録媒体Sは、搬送ローラ7と拍車7bに案内されながら、先端が右に傾いているフラッパ11の左側を通り、ガイド18に沿って記録装置1の鉛直方向上方へ搬送される。図4(b)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pを通過して鉛直方向上方に搬送される状態を示す。記録媒体Sの進行方向は、水平方向に対し約45度傾いた記録領域Pの位置から、搬送ローラ7と拍車7bによって鉛直方向上方に変更されている。
記録媒体Sは、鉛直方向上方に搬送された後、排出ローラ12と拍車7bによって排出トレイ13に排出される。図4(c)は、記録媒体Sの先端が排出ローラ12を通過して排出トレイ13に排出される状態を示す。排出された記録媒体Sは、記録ヘッド8によって画像が記録された面を下にした状態で、排出トレイ13上に保持される。
図5(a)~(c)は、第2カセット5Bに収容されているA3サイズの記録媒体Sが給送されるときの搬送経路を示す図である。第2カセット5B内の1番上に積載された記録媒体Sは、第2給送ユニット6Bによって2枚目以降の記録媒体から分離され、搬送ローラ7とピンチローラ7aにニップされながら、プラテン9と記録ヘッド8の間の記録領域Pに向けて搬送される。
図5(a)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pに到達する直前の搬送状態を示す。第2給送ユニット6Bに給送されて記録領域Pに到達するまでの搬送経路には、複数の搬送ローラ7とピンチローラ7aおよびインナーガイド19が配されることで、記録媒体SはS字上に湾曲されてプラテン9まで搬送される。
その後の搬送経路は、図4(b)および(c)で示したA4サイズの記録媒体Sの場合と同様である。図5(b)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pを通過して鉛直方向上方に搬送される状態を示す。図5(c)は、記録媒体Sの先端が排出ローラ12を通過して排出トレイ13に排出される状態を示す。
図6(a)~(d)は、A4サイズの記録媒体Sの裏面(第2面)に対して記録動作(両面記録)を行う場合の搬送経路を示す。両面記録を行う場合、第1面(表面)を記録した後に第2面(裏面)に記録動作を行う。第1面を記録する際の搬送工程は図4(a)~(c)と同様であるので、ここでは説明を省略する。以後、図4(c)以後の搬送工程について説明する。
記録ヘッド8による第1面への記録動作が完了し、記録媒体Sの後端がフラッパ11を通過すると、プリントコントローラ202は、搬送ローラ7を逆回転させて記録媒体Sを記録装置1の内部へ搬送する。この際、フラッパ11は、不図示のアクチュエータによってその先端が左側に傾くように制御されるため、記録媒体Sの先端(第1面の記録動作における後端)はフラッパ11の右側を通過して鉛直方向下方へ搬送される。図6(a)は、記録媒体Sの先端(第1面の記録動作における後端)が、フラッパ11の右側を通過する状態を示す。
その後記録媒体Sは、インナーガイド19の湾曲した外周面に沿って搬送され、再び記録ヘッド8とプラテン9の間の記録領域Pに搬送される。この際、記録ヘッド8の吐出口面8aに、記録媒体Sの第2面が対向する。図6(b)は、第2面の記録動作のために、記録媒体Sの先端が記録領域Pに到達する直前の搬送状態を示す。
その後の搬送経路は、図4(b)および(c)で示した第1面記録の場合と同様である。図6(c)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pを通過して鉛直方向上方に搬送される状態を示す。この際、フラッパ11は、不図示のアクチュエータにより先端が右側に傾いた位置に移動するように制御される。図6(d)は、記録媒体Sの先端が排出ローラ12を通過して排出トレイ13に排出される状態を示す。
次に、記録ヘッド8に対するメンテナンス動作について説明する。図1でも説明したように、本実施形態のメンテナンスユニット16は、キャップユニット10とワイピングユニット17とを備え、所定のタイミングにこれらを作動させてメンテナンス動作を行う。
図7は、記録装置1がメンテナンス状態のときの図である。記録ヘッド8を図1に示す待機位置から図7に示すメンテナンス位置に移動する際、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向において上方に移動させるとともにキャップユニット10を鉛直方向下方に移動させる。そして、プリントコントローラ202は、ワイピングユニット17を退避位置から図7における右方向に移動させる。その後、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向下方に移動させメンテナンス動作が可能なメンテナンス位置に移動させる。
一方、記録ヘッド8を図3に示す記録位置から図7に示すメンテナンス位置に移動する際、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を45度回転させつつ鉛直方向上方に移動させる。そして、プリントコントローラ202は、ワイピングユニット17を退避位置から右方向に移動させる。その後プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向下方に移動させて、メンテナンスユニット16によるメンテナンス動作が可能なメンテナンス位置に移動させる。
図8(a)はメンテナンスユニット16が待機ポジションにある状態を示す斜視図であり、図8(b)はメンテナンスユニット16がメンテナンスポジションにある状態を示す斜視図である。図8(a)は図1に対応し、図8(b)は図7に対応している。記録ヘッド8が待機位置にあるとき、メンテナンスユニット16は図8(a)に示す待機ポジションにあり、キャップユニット10は鉛直方向上方に移動しており、ワイピングユニット17はメンテナンスユニット16の内部に収納されている。キャップユニット10はy方向に延在する箱形のキャップ部材10aを有し、これを記録ヘッド8の吐出口面8aに密着させることにより、吐出口からのインクの蒸発を抑制することができる。また、キャップユニット10は、キャップ部材10aに予備吐出等で吐出されたインクを回収し、回収したインクを不図示の吸引ポンプに吸引させる機能も備えている。
一方、図8(b)に示すメンテナンスポジションにおいて、キャップユニット10は鉛直方向下方に移動しており、ワイピングユニット17がメンテナンスユニット16から引き出されている。ワイピングユニット17は、ブレードワイパユニット171とバキュームワイパユニット172の2つのワイパユニットを備えている。
ブレードワイパユニット171には、吐出口面8aをx方向に沿ってワイピングするためのブレードワイパ171aが吐出口の配列領域に相当する長さだけy方向に配されている。ブレードワイパユニット171を用いてワイピング動作を行う際、ワイピングユニット17は、記録ヘッド8がブレードワイパ171aに当接可能な高さに位置決めされた状態で、ブレードワイパユニット171をx方向に移動する。この移動により、吐出口面8aに付着するインクなどはブレードワイパ171aに拭き取られる。
ブレードワイパ171aが収納される際のメンテナンスユニット16の入り口には、ブレードワイパ171aに付着したインクを除去するとともにブレードワイパ171aにウェット液を付与するためのウェットワイパクリーナ16aが配されている。ブレードワイパ171aは、メンテナンスユニット16に収納される度にウェットワイパクリーナ16aによって付着物が除去されウェット液が塗布される。そして、次に吐出口面8aをワイピングしたときにウェット液を吐出口面8aに転写し、吐出口面8aとブレードワイパ171a間の滑り性を向上させている。
一方、バキュームワイパユニット172は、y方向に延在する開口部を有する平板172aと、開口部内をy方向に移動可能なキャリッジ172bと、キャリッジ172bに搭載されたバキュームワイパ172cとを有する。バキュームワイパ172cは、キャリッジ172bの移動に伴って吐出口面8aをy方向にワイピング可能に配されている。バキュームワイパ172cの先端には、不図示の吸引ポンプに接続された吸引口が形成されている。このため、吸引ポンプを作動させながらキャリッジ172bをy方向に移動すると、記録ヘッド8の吐出口面8aに付着したインク等は、バキュームワイパ172cによって拭き寄せられながら吸引口に吸い込まれる。この際、平板172aと開口部の両端に設けられた位置決めピン172dは、バキュームワイパ172cに対する吐出口面8aの位置合わせに利用される。
本実施形態では、ブレードワイパユニット171によるワイピング動作を行いバキュームワイパユニット172によるワイピング動作を行わない第1のワイピング処理と、両方のワイピング処理を順番に行う第2のワイピング処理を実施することができる。第1のワイピング処理を行う際、プリントコントローラ202は、まず、記録ヘッド8を図7のメンテナンス位置よりも鉛直方向上方に退避させた状態で、ワイピングユニット17をメンテナンスユニット16から引き出す。そして、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8をブレードワイパ171aに当接可能な位置まで鉛直方向下方に移動させた後、ワイピングユニット17をメンテナンスユニット16内へ移動させる。この移動により、吐出口面8aに付着するインク等はブレードワイパ171aに拭き取られる。すなわち、ブレードワイパ171aは、メンテナンスユニット16から引き出された位置からメンテナンスユニット16内へ移動する際に吐出口面8aをワイピングする。
ブレードワイパユニット171が収納されると、プリントコントローラ202は、次にキャップユニット10を鉛直方向上方に移動させ、キャップ部材10aを記録ヘッド8の吐出口面8aに密着させる。そして、プリントコントローラ202は、その状態で記録ヘッド8を駆動して予備吐出を行わせ、キャップ部材10a内に回収されたインクを吸引ポンプによって吸引する。
一方、第2のワイピング処理を行う際、プリントコントローラ202は、まず、記録ヘッド8を図7のメンテナンス位置よりも鉛直方向上方に退避させた状態で、ワイピングユニット17をメンテナンスユニット16からスライドさせて引き出す。そして、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8をブレードワイパ171aに当接可能な位置まで鉛直方向下方に移動させた後、ワイピングユニット17をメンテナンスユニット16内へ移動させる。これにより、ブレードワイパ171aによるワイピング動作が吐出口面8aに対して行われる。次に、プリントコントローラ202は、再び記録ヘッド8を図7のメンテナンス位置よりも鉛直方向上方に退避させた状態で、ワイピングユニット17をメンテナンスユニット16からスライドさせて所定位置まで引き出す。続いて、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を図7に示すワイピング位置に下降させながら、平板172aと位置決めピン172dを用いて吐出口面8aとバキュームワイパユニット172の位置決めを行う。その後、プリントコントローラ202は、上述したバキュームワイパユニット172によるワイピング動作を実行する。プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向上方に退避させ、ワイピングユニット17を収納した後、第1のワイピング処理と同様に、キャップユニット10によるキャップ部材内への予備吐出と回収したインクの吸引動作を行う。
以下、本発明の特徴事項について説明する。
図9(a)は、記録装置1が備える吸引ポンプ90を示した上面図であり、図9(b)は、図9(a)のXI-XI線における吸引ポンプ90の断面図である。また、図9(c)は、吸引ポンプ90が備えるポンプホイールユニット(保持部材)92を示した図であり、図9(d)は、組み合わされた3個のポンプホイールユニット92を示した斜視図である。吸引ポンプ90は、3本のチューブ91と3個のポンプホイールユニット92を備えており、チューブ91とポンプホイールユニット92とが対になって、3列のチューブポンプが並列に配置され組み合わされて構成されている。3列(第1列、第2列、第3列)のチューブポンプはいずれも同様の構成である。ここでは第1列のチューブポンプを例にその構成を説明する。
吸引ポンプ90は、可撓性部材で形成されたチューブ91と、ポンプホイールユニット92と、チューブ91及びポンプホイールユニット92をカバーするポンプカバー93とを備えている。ポンプホイールユニット92は、チューブ91を押圧しながら移動することでしごく2個のローラ94と、ローラ94を保持するローラホルダ95と、ローラホルダ95を付勢するバネ96を備えている。更にポンプホイールユニット92は、ローラホルダ95とバネ96とを保持するポンプホイール97を備えている。
吸引ポンプ90は、ポンプホイールユニット92が回転することで、2個のローラ自体が円運動してチューブ91(の所定領域)を押圧(押圧状態を維持)しながら移動してしごく。ローラによってしごかれることで変形したチューブ91は、チューブ内の流体を押し出す。通常の動作中ではローラ94が移動した後、チューブ91の押し潰された箇所はチューブの復元力によって元の形状に戻る。その際にチューブ91の内部には真空が発生するので後続の流体を吸引することができる。吸引ポンプ90は、この動作を連続的に行うことで吸引、排出というポンプ機能を実現している。
ポンプホイールユニット92は、その中心部を貫通する軸98を回転させることで、軸98と直交して一体となったピン99から回転方向の力を受けて回転する。つまり、ポンプホイールユニット92に対して軸98は固定されておらず、ピン99によって供回りしている。3個のポンプホイールユニット92は、同一の軸98によって回転するように構成されており、3個のピン99が軸98の回転中心を中心として互いに60度ずつずれて配置されている。そのため、各ポンプホイールユニット92は、軸98を中心に互いに60度ずつ位相がずれた相対位置関係で所定の方向に回転する。このように、ポンプホイールユニット92の相対位置関係を60度ずつずらすことで、ポンプ駆動時の負荷を低減することができる。
また、3個のピン99の長さはそれぞれ異なった長さになっている。またポンプホイール97には、ピン99からの力を受けるための、3段の階段状の受け部120が設けられている。ポンプホイール97は、第1列から第3列まで、全て同一形状となっている。階段状の受け部120の段差は、各ピン99の長さに対応して設けられており、受け部120のそれぞれの段差は、ピン99の15度の回転角とピン99の長さとに合わせて設けられている。このように受け部120とピン99とが設けられていることによって、ピン99の長さと、受け部120の段差との組み合わせによって、ポンプホイールユニット92は、互いの位相をずらして回転することができる。
以下、回転時のそれぞれのポンプホイールユニット92の位相について図面を参照して説明する。
図10(a)から(c)は、吸引動作時の第1列、第2列、第3列のポンプホイールユニット92の位相を示した図である。吸引動作時のポンプホイールユニット92は、図中反時計回り(矢印A方向)に回転することで吸引動作を行う。第1列のポンプホイールユニット92には、長さの最も長いピンである第1ピン99aが対応しており、第2列のポンプホイールユニット92には、2番目に長いピンである第2ピン99bが対応している。また、第3列のポンプホイールユニット92には、長さの最も短いピンである第3ピン99cが対応している。
吸引動作中には、第1列、第2列、第3列のいずれのポンプホイールユニット92も、ピン99が、受け部120における最も長いピンに対応した段差の位置で、受け部120の側面(壁面)に回転方向(矢印A方向)の力を与えることで回転する。そのため、ポンプホイールユニット92は、それぞれのピン99の相対位置関係と同様に、相対位置関係を60度ずつずらして回転することで吸引動作を行う。このように60度ずつずらして吸引動作を行うことで、ローラ94がチューブ91に対して押圧を開始するタイミングと、ローラ94がチューブ91に対する押圧を解除するタイミングとが各列でバランスよく行われ、ポンプ駆動時の負荷を分散することができる。
なお、本実施形態では前述のように、1つのチューブ91に対して2個のローラ94が対応しており、ポンプ駆動時には、2個のローラ94の内の少なくとも1個はチューブ91を押圧している状態が維持されるように構成されている。これによって、吸引、排出を連続的に行うことができる。
図11(a)から(c)は、ポンプ停止時の第1列、第2列、第3列のポンプホイールユニット92の位相を示した図である。吸引動作が終了すると(矢印A方向への回転後)、吸引ポンプ90は、吸引動作時とは逆方向の図中時計回り(矢印B方向)にポンプホイールユニット92を所定量回転させる。前述の通りポンプホイール97には、3段の階段状の受け部120が設けられている。吸引動作の終了時には、第1列、第2列、第3列のいずれのポンプホイールユニット92においてもピン99は、受け部120における最も長いピンに対応した段差の位置にある。この状態から時計回り(矢印B方向)に軸98とピン99とが回転を始める。
第1列のポンプホイールユニット92には、長さの最も長いピンである第1ピン99aが対応しており、第1ピン99aは、受け部120における最も長いピンに対応した段差の位置にある。そのため、軸98およびピン99aが回転をはじめると、第1列のポンプホイールユニット92も同じタイミングで時計回りの回転を始める。
第2列のポンプホイールユニット92には、長さが2番目に長いピンである第2ピン99bが対応している。軸98と第2ピン99bとが回転を始めても、第2列のポンプホイールユニット92はすぐには回転せず、第2ピン99bが受け部120における2番目に長いピンに対応した段差の側壁に当接するまで回転しない。第2ピン99bが軸98の回転中心に対して(回転開始から)15度回転すると、受け部120における2番目に長いピンに対応した段差の側壁に当接し、第2列のポンプホイールユニット92が回転を始める。これによって、第2列のポンプホイールユニット92は、第1列のポンプホイールユニット92に対して45度ずれた状態で(所定回転角分遅れて)回転する。つまり、受け部120によって、第1列のポンプホイールユニット92に対する第2列のポンプホイールユニット92の位置が決定される。
第3列のポンプホイールユニット92には、長さが最も短いピンである第3ピン99cが対応している。軸98と第3ピン99cとが回転を始めても、第3列のポンプホイールユニット92はすぐには回転せず、第3ピン99cが受け部100における最も短いピンに対応した段差の側壁に当接するまで回転しない。第3ピン99cが軸98の回転中心に対して30度回転すると、受け部120における最も短いピンに対応した段差の側壁に当接し、第3列のポンプホイールユニット92が回転を始める。これによって、第3列のポンプホイールユニット92は、第2列のポンプホイールユニット92に対して45度ずれた状態で回転する。
このような、吸引動作終了後の停止時における軸98の回転量は、少なくとも第3列のポンプホイールユニット92が回転を開始するまで回転するものとする。つまり、軸98は、回転角として30度以上回転するものとする。これによって、吸引動作時と停止時とで、チューブ91に対するローラ94による押圧位置が変わり、吸引動作の開始時に、複数のチューブの変形箇所(クリープ)をローラが同時に通過することがなくなる。したがって、チューブとローラの衝突によって発生する衝突音(騒音)が大きくなるのを抑制することができる。
なお、チューブ91は可撓性部材で形成されていることから、チューブ91の変形は、恒久的なものではなく、時間の経過と共にもとの形状に戻ることから、所定時間経過後の吸引動作にはほとんど影響を与えない。
本実施形態では、吸引動作終了後の停止時における軸98の回転量として15度を例に説明した。以下では、この回転量(ずれ量)について説明する。本実施形態では、チューブをU字状に曲げた構成を例に説明したが、直線状のチューブにも適用することができる。先ず、この直線状のチューブを例に回転量(ずれ量)について説明する。
図12(a)、(b)は、直線状のチューブに本実施形態を適用した図であり、図12(a)は、外観斜視図であり、図12(b)は、図12(a)を側面からみた図である。図のようにチューブ121、122が直線状に延在する状態で、ローラ123、124によってしごくことで、チューブ121、122内の流体を押し出してポンプ機能を実現する。その際に、吸引動作時と停止時とで、ローラ間のピッチを変更する。これによって、吸引動作時の騒音量が大きくなるのを抑制することができる。
図12(b)のように、停止時のローラ間のピッチをXとし、吸引動作時のローラ間のピッチをYとし、そのピッチXとYとの差をKとすると、次の式が成り立つ。
|X-Y|=K・・・・(式1)
ローラ123とローラ124とが、同時に各チューブ121、122の変形部を通過しないためには、停止時と吸引動作時とで生じるローラ間のピッチの差であるKが、ローラの半径よりも大きくなる必要がある。つまり、ローラの半径を半径Rとすると、次の式が成り立つ。
|X-Y|>R・・・・(式2)
K>R・・・・・・・・(式3)
次に、本実施形態のようにチューブをU字状に曲げた構成を例に回転量(ずれ量)について説明する。
図13(a)、(b)は、吸引ポンプ90の一部の断面を示した図である。図13(a)は、停止時の第3列のローラと、仮想線で第2列のローラの位置を示しており、図13(b)は、吸引時の第3列のローラと、仮想線で第2列のローラの位置を示している。吸引動作時の第2列のローラと第3列のローラとは60度の位相差となっており、停止時の第2列のローラと第3列のローラとは45度の位相差となっている。ここで、停止時の第2列のローラと第3列のローラとの、ローラの最もカバー面に近い動作軌跡上の距離を距離X23とし、吸引動作時の第2列のローラと第3列のローラとの、ローラの最もカバー面に近い動作軌跡上の距離を距離Y23とする。また、第2列のローラの半径を半径R2とし、第3列のローラの半径を半径R3とすると、動作軌跡上の距離とローラの半径との関係では、次の式が成り立つ。
|X23-Y23|>R2・・・・(式4)
|X23-Y23|>R3・・・・(式5)
これを本実施形態に当てはめると、
カバー面半径:L
停止時のローラ位相差:P23
駆動動作時のローラ位相差:Q23
とすると、距離X23、距離Y23は、
23=2πLP23/360
23=2πLQ23/360
となり、
L=27.8、R2=R3=5.5、P23=45、Q23=60を当てはめると、
|X23-Y23|=7.28>5.5
となり、条件を満たす。
なお、本実施形態では、複数のチューブにおいて同期して回転するローラが、同時にチューブの変形箇所を通過する際に発生する騒音量を低減することを説明したが、これに限定するものではない。つまり、1本のチューブに対して複数のローラで押圧する構成のチューブポンプにおいて、吸引動作時と、停止時とで、複数のローラにおける相対的な位置を異ならせることで、吸引動作時に発生する騒音量を低減することができる。
このように、吸引動作時と、停止時とで、チューブに対するローラの相対的な位置を異ならせる。これによって、吸引動作時に発生するローラとチューブの衝突音が大きくなることを抑制することができる記録装置を実現することができた。
(その他の実施形態)
以下、図面を参照して本発明のその他の実施形態について説明する。なお、基本的な構成は前述の実施形態と同様出るため、以下では特徴的な構成についてのみ説明する。
図14は、その他の実施形態における吸引ポンプを示した図である。本実施形態の吸引ポンプは、チューブ140を3本備えており、ポンプホイールユニット141を2つ備えた構成となっている。つまり、第1列のポンプホイールユニット141aには2本のチューブ140aと対応しており、第2列のポンプホイールユニット141bは1本のチューブ140bと対応している。このような構成では、第1列のポンプホイールユニット141aに対応する2本のチューブ140aでは、ローラが変形部を同時に通過することになる。しかし、第1列のポンプホイールユニット141aに対応するチューブ140aと、第2列のポンプホイールユニット141bに対応するチューブ140bとでは、ローラが変形部を通過するタイミングが異なる。そのため、3本のチューブで、ポンプホイールユニットを3つ備えた構成で、ローラが変形部を同時に通過する場合と比較して、発生する騒音の大きさは小さくなり、本発明の効果を得ることができる。
また、図15は、吸引ポンプの変形例を示した図である。本変形例では、2本のチューブ150を備え、ポンプホイールユニット151は、3個のローラ152を備えている。ポンプホイールユニット151を回転することで、2本のチューブ150では、互いに異なる方向に流体を搬送することができる。このような構成のポンプでも、駆動動作時と停止時とでポンプホイールユニット151におけるローラ間のピッチを異ならせることで、吸引動作時に発生する騒音量が大きくなるのを抑制することができる。
90 吸引ポンプ
91 チューブ
92 ポンプホイールユニット
94 ローラ
95 ローラホルダ
98 軸
99 ピン
120 受け部
121 チューブ
122 チューブ

Claims (9)

  1. 液体を吐出する記録ヘッドの吐出口面をキャッピングするためのキャップと、
    前記キャップと接続された第1チューブと、
    前記キャップと接続された第2チューブと、
    前記第1チューブの所定領域を押圧しながら移動することが可能な第1ローラと、
    前記第2チューブの所定領域を押圧しながら移動することが可能な第2ローラと、
    前記第1チューブに対して前記第1ローラを付勢する第1付勢手段と、
    前記第2チューブに対して前記第2ローラを付勢する第2付勢手段と、
    前記第1チューブを押圧した前記第1ローラと、前記第2チューブを押圧した前記第2ローラと、が押圧状態を維持したまま移動するように駆動する駆動手段と、
    前記駆動手段による所定の駆動時には、前記第2ローラが、前記第1ローラに対して所定の第1位置にあり、停止時には、前記第2ローラが、前記第1ローラに対して前記第1位置とは異なる第2位置となるように、前記第1ローラの位置と前記第2ローラの位置とを決定する位置決め手段と、を備えることを特徴とする記録装置。
  2. 前記駆動手段は、前記第1ローラと前記第2ローラとを所定の第1方向と、前記第1方向とは逆方向である第2方向と、に移動させる事が可能であり、
    前記キャップから液体を吸引する吸引動作のときは、前記第1ローラと前記第2ローラとを前記第1方向へ移動させることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記駆動手段は、前記吸引動作において前記第1ローラと前記第2ローラとを前記第1方向へ移動し、前記吸引動作の終了後、前記第1ローラと前記第2ローラとを停止させる停止モードになる前に、前記第1ローラと前記第2ローラとを前記第2方向へ移動させることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記停止モードになる前に、前記駆動手段が前記第1ローラと前記第2ローラとを前記第2方向へ移動することで、前記位置決め手段によって、前記第2ローラは、前記第1ローラに対して前記第2位置となることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
  5. 前記駆動手段による駆動で回転する軸を備え、
    前記駆動手段は、前記第1ローラと前記第2ローラが、前記軸を回転中心として円運動するように、前記第1ローラと前記第2ローラとを駆動することを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
  6. 前記第1ローラを保持する第1保持部材と、
    前記第2ローラを保持する第2保持部材と、
    前記軸と直交するように設けられた複数のピンと、を備え、
    前記軸の回転と同期して、前記第1保持部材と当接することで前記第1保持部材を回転させる第1回転部材と、
    前記軸の回転と同期して、前記第1保持部材と当接することで前記第1保持部材を回転させる前記第1回転部材より短い第2回転部材と、を備え、
    前記第1保持部材と前記第1回転部材とは、前記軸の回転と同期して、前記第1方向および前記第2方向へ回転し、
    前記第2保持部材は、前記第1方向への回転後に前記第2方向へ回転する際に、前記軸の回転開始から所定回転角分遅れて、前記第2回転部材と前記第2保持部材とが当接することで回転することを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  7. 前記第2保持部材が、前記軸の回転開始から前記所定回転角分遅れて回転することで、前記第2ローラは、前記第1ローラに対して前記第2位置となることを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
  8. 前記所定回転角分の前記軸の回転において、前記第1ローラが押圧する前記第1チューブの軌跡の長さは、前記第1ローラの半径よりも長いことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の記録装置。
  9. 前記第1保持部材と前記第2保持部材とは、同一形状であることを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の記録装置。
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