JP2019166822A - 液体吐出装置、回復装置、および回復方法 - Google Patents

液体吐出装置、回復装置、および回復方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体吐出手段からキャップ部材を離間させるために必要とされる力を低減することが可能な液体吐出装置を提供する。【解決手段】液体吐出装置は、液体を吐出する吐出口が形成された吐出口面8aを有する液体吐出手段8と、吐出口面を覆うキャップ部材120と、液体吐出手段に対してキャップ部材を当接、離間させるように動作するキャップ動作手段を備える。また、キャップ動作手段によってキャップ部材が液体吐出手段に当接した状態にあるとき、キャップ変形手段150が移動し、キャップ部材を部分的に弾性変形させる。【選択図】図14

Description

本発明は、吐出口から液体を吐出する液体吐出手段および吐出口を覆うためのキャップ部材を備えた液体吐出装置および回復装置に関する。
特許文献1には、キャップ部材を保持するキャップホルダを、キャップ部材と記録ヘッドとが離間するように移動させる作動機構を備えたものが開示されている。作動機構は、キャップ全体を引き下げ、貼り付いたキャップ当接面全体を引っ張ることにより、キャップ部材の中の第2当接部の近傍に応力を発生させてキャップ部材を吐出口面から離間させるように構成されている。
特開2009−34990号公報
上記のようにキャップ部材が記録ヘッドの吐出口面に強固に貼り付いた状態で、キャップ部材を吐出口面から離間させる方向(吐出口面との対向方向)に力を加えた場合、弾性部材からなるキャップ部材には弾性変形が生じる。ここでキャップ部材が弾性変形している間は、キャップ部材の復元力がキャップ部材と吐出口面との貼り付き部に作用しており、駆動機構による力が貼り付き部に作用するのは、キャップ部材の変形が限界に達した後となる。
特許文献1において、キャップ部材の第2当接部の近傍に十分な応力を発生させるためには、第2当接部の近傍を限界まで弾性変形させる必要があり、そのためには、キャップ部材全体を移動させてキャップ部材全体を弾性変形させる必要がある。従って、第2当接部の近傍に十分な応力を作用させるためには、キャップ部材の駆動機構に大きな力を発生させる必要がある。この駆動機構に要する力は、記録ヘッドの長尺化、大型化などに伴い、キャップ部材と吐出口面との当接面積が大きくなるほど増大することとなる。
本発明は、液体吐出手段からキャップ部材を離間させるために必要とされる力を低減することが可能な液体吐出装置、回復装置、および回復方法の提供を目的とする。
本発明は、液体を吐出する吐出口が形成された吐出口面を有する液体吐出手段と、前記吐出口面に当接して前記吐出口面を覆うキャップ部材と、前記液体吐出手段に対して前記キャップ部材を当接、離間するように動作するキャップ動作手段と、を備えた液体吐出装置であって、前記キャップ部材が前記液体吐出手段に当接した状態にあるとき、前記キャップ部材を部分的に弾性変形させるキャップ変形手段を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、液体吐出手段からキャップ部材を離間させるために必要とされる力を低減することが可能な液体吐出装置、回復装置、および回復方法を提供することができる。
記録装置の待機状態を示す図である。 記録装置における制御系の構成を示すブロック図である。 記録装置の記録状態を示す図である。 (a)〜(c)は、第1カセットから給送された記録媒体の搬送経路図である。 (a)〜(c)は、第2カセットから給送された記録媒体の搬送経路図である。 (a)〜(d)は、記録媒体の裏面に記録動作を行う場合の搬送経路図である。 記録装置において回復処理が行なわれている状態を示す図である。 (a)および(b)は、回復ユニットの構成を示す斜視図である。 図8のIX−IX線断面図である。 記録ヘッドに当接前のキャップユニットの構成を示す図である。 記録ヘッドに当接後のキャップユニットの構成を示す断面図である。 図11の斜視図および平面図である。 図11に示す状態からキャップ変形レバーが作動を開始する状態を示す断面図である。 図13に示す状態からキャップ変形レバーが作動した状態を示す断面図である。 図13においてキャップ部材が変形した状態を示す図である。 第2の実施形態を示す模式図である。 第3の実施形態を示す模式図である。
以下、本発明に係る液体吐出装置の実施形態を説明する。なお、以下に説明する第1、第2の実施形態では、液体吐出装置として、色材を含んだ液体(インク)を吐出する液体吐出手段(記録ヘッド)を備えたインクジェット記録装置を例に採り説明する。
図1は、本実施形態で使用するインクジェット記録装置1(以下、記録装置1)の内部構成図である。図において、x方向は水平方向、y方向(紙面垂直方向)は後述する記録ヘッド8において吐出口が配列される方向、z方向は鉛直方向をそれぞれ示す。
記録装置1は、プリント部2とスキャナ部3を備える複合機であり、記録動作と読取動作に関する様々な処理を、プリント部2とスキャナ部3で個別にあるいは連動して実行することができる。スキャナ部3は、ADF(オートドキュメントフィーダ)とFBS(フラットベッドスキャナ)を備えており、ADFによって自動給紙される原稿の読み取りと、ユーザによってFBSの原稿台に置かれた原稿の読み取り(スキャン)を行うことができる。なお、本実施形態はプリント部2とスキャナ部3を併せ持った複合機であるが、スキャナ部3を備えない形態であってもよい。図1は、記録装置1が記録動作も読取動作も行っていない待機状態にあるときを示す。
プリント部2において、筐体4の鉛直方向下方の底部には、記録媒体(カットシート)Sを収容するための第1カセット5Aと第2カセット5Bが着脱可能に設置されている。第1カセット5AにはA4サイズまでの比較的小さな記録媒体が、第2カセット5BにはA3サイズまでの比較的大きな記録媒体が、平積みに収容されている。第1カセット5A近傍には、収容されている記録媒体を1枚ずつ分離して給送するための第1給送ユニット6Aが設けられている。同様に、第2カセット5B近傍には、第2給送ユニット6Bが設けられている。記録動作が行われる際にはいずれか一方のカセットから選択的に記録媒体Sが給送される。
搬送ローラ7、排出ローラ12、ピンチローラ7a、拍車7b、ガイド18、インナーガイド19およびフラッパ11は、記録媒体Sを所定の方向に導くための搬送機構である。搬送ローラ7は、記録ヘッド8の上流側および下流側に配され、不図示の搬送モータによって駆動される駆動ローラである。ピンチローラ7aは、搬送ローラ7と共に記録媒体Sをニップして回転する従動ローラである。排出ローラ12は、搬送ローラ7の下流側に配され、不図示の搬送モータによって駆動される駆動ローラである。拍車7bは、記録ヘッド8の下流側に配される搬送ローラ7及び排出ローラ12と共に記録媒体Sを挟持して搬送する。
ガイド18は、記録媒体Sの搬送経路に設けられ、記録媒体Sを所定の方向に案内する。インナーガイド19は、y方向に延在する部材で湾曲した側面を有し、当該側面に沿って記録媒体Sを案内する。フラッパ11は、両面記録動作の際に、記録媒体Sが搬送される方向を切り替えるための部材である。排出トレイ13は、記録動作が完了し排出ローラ12によって排出された記録媒体Sを積載・保持するためのトレイである。
本実施形態の記録ヘッド8は、フルラインタイプのカラーインクジェット記録ヘッドであり、記録データに従ってインクを吐出する吐出口が、図1におけるy方向に沿って、使用する記録媒体Sの最大幅に相当する分だけ複数配列されている。記録ヘッド8が待機位置にあるとき、記録ヘッド8の吐出口面8aは、図1のように鉛直下方を向き、後述のキャップユニット10に設けられたキャップ部材120(図8(a))によって、吐出口の周囲が覆われた(キャップされた)状態となっている。記録動作を行う際は、後述するプリントコントローラ202によって、吐出口面8aがプラテン9と対向するように記録ヘッド8の向きが変更される。プラテン9は、y方向に延在する平板によって構成され、記録ヘッド8によって記録動作が行われる記録媒体Sを背面から支持する。記録ヘッド8の待機位置から記録位置への移動については、後に詳細に説明する。
インクタンクユニット14は、記録ヘッド8へ供給される4色のインクをそれぞれ貯留する。インク供給ユニット15は、インクタンクユニット14と記録ヘッド8を接続する流路の途中に設けられ、記録ヘッド8内のインクの圧力及び流量を適切な範囲に調整する。本実施形態では循環型のインク供給系を採用しており、インク供給ユニット15は記録ヘッド8へ供給されるインクの圧力と記録ヘッド8から回収されるインクの流量を適切な範囲に調整する。
メンテナンスユニット16は、記録ヘッドに設けられた吐出口の吐出性能の維持・回復(メンテナンス)を行うものであり、キャップユニット10とワイピングユニット17を備える。これらのユニットを所定のタイミングで作動させることにより、記録ヘッド8に対するメンテナンス動作を行う。メンテナンス動作については後に詳細に説明する。
図2は、記録装置1における制御系の構成を示すブロック図である。制御系は、主にプリント部2を統括するプリントエンジンユニット200と、スキャナ部3を統括するスキャナエンジンユニット300と、記録装置1全体を統括するコントローラユニット100によって構成されている。プリントコントローラ202は、コントローラユニット100のメインコントローラ101の指示に従ってプリントエンジンユニット200の各種機構を制御する制御手段としての機能を果たす。スキャナエンジンユニット300の各種機構は、コントローラユニット100のメインコントローラ101によって制御される。以下に制御系の構成を詳細に説明する。
コントローラユニット100において、CPUにより構成されるメインコントローラ101は、ROM107に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM106をワークエリアとしながら記録装置1の全体を制御する。例えば、ホストI/F102またはワイヤレスI/F103を介してホスト装置400から印刷ジョブが入力されると、メインコントローラ101の指示に従って、画像処理部108が受信した画像データに対して所定の画像処理を施す。そして、メインコントローラ101はプリントエンジンI/F105を介して、画像処理を施した画像データをプリントエンジンユニット200へ送信する。
なお、記録装置1は無線通信や有線通信を介してホスト装置400から画像データを取得しても良いし、記録装置1に接続された外部記憶装置(USBメモリ等)から画像データを取得しても良い。無線通信や有線通信に利用される通信方式は限定されない。例えば、無線通信に利用される通信方式として、Wi−Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)やBluetooth(登録商標)が適用可能である。また、有線通信に利用される通信方式としては、USB(Universal Serial Bus)等が適用可能である。また、例えばホスト装置400から読取コマンドが入力されると、メインコントローラ101は、スキャナエンジンI/F109を介してこのコマンドをスキャナ部3に送信する。
操作パネル104は、ユーザが記録装置1に対して入出力を行うための機構である。ユーザは、操作パネル104を介してコピーやスキャン等の動作を指示したり、印刷モードを設定したり、記録装置1の情報を認識したりすることができる。
プリントエンジンユニット200において、CPUにより構成されるプリントコントローラ202は、ROM203に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM204をワークエリアとして用いながら、プリント部2が備える各種機構を制御する。コントローラI/F201を介して各種コマンドや画像データが受信されると、プリントコントローラ202は、これを一旦RAM204に保存する。記録ヘッド8が記録動作に利用できるように、プリントコントローラ202は画像処理コントローラ205に、保存した画像データを記録データへ変換させる。記録データが生成されると、プリントコントローラ202は、ヘッドI/F206を介して記録ヘッド8に記録データに基づく記録動作を実行させる。この際、プリントコントローラ202は、搬送制御部207を介して図1に示す給送ユニット6A、6B、搬送ローラ7、排出ローラ12、フラッパ11を駆動して、記録媒体Sを搬送する。プリントコントローラ202の指示に従って、記録媒体Sの搬送動作に連動して記録ヘッド8による記録動作が実行され、印刷処理が行われる。
ヘッドキャリッジ制御部208は、記録装置1のメンテナンス状態や記録状態といった動作状態に応じて記録ヘッド移動機構(吐出手段移動機構)を制御することにより、記録ヘッド8の向きや位置を変更し、記録ヘッド8を待機位置と記録位置とに移動させる。なお、記録ヘッド移動機構は、ヘッドキャリッジ制御部208により制御される不図示のモータと、モータの駆動力を記録ヘッド8を保持するヘッドユニットの向き(角度)を変更する動作、および鉛直方向に沿った移動動作に変換する動力変換機構により構成される。
インク供給制御部209は、記録ヘッド8へ供給されるインクの圧力が適切な範囲に収まるように、インク供給ユニット15を制御する。メンテナンス制御部210は、記録ヘッド8に対するメンテナンス動作を行う際に、メンテナンスユニット16におけるキャップユニット10やワイピングユニット17の動作を制御する。
スキャナエンジンユニット300においては、メインコントローラ101が、ROM107に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM106をワークエリアとして用いながら、スキャナコントローラ302のハードウェアリソースを制御する。これにより、スキャナ部3が備える各種機構は制御される。例えばコントローラI/F301を介してメインコントローラ101がスキャナコントローラ302内のハードウェアリソースを制御することにより、ユーザによってADFに搭載された原稿を、搬送制御部207を介して搬送し、センサ305によって読み取る。そして、スキャナコントローラ302は読み取った画像データをRAM303に保存する。なお、プリントコントローラ202は、上述のように取得された画像データを記録データに変換することで、記録ヘッド8に、スキャナコントローラ302で読み取った画像データに基づく記録動作を実行させることが可能である。
図3は、記録装置1が記録状態にあるときを示す。図1に示した待機状態と比較すると、キャップユニット10が記録ヘッド8の吐出口面8aから離間し、吐出口面8aがプラテン9と対向している。本実施形態において、プラテン9の平面は水平方向に対して約45度傾いており、記録位置における記録ヘッド8の吐出口面8aも、プラテン9との距離が一定に維持されるように水平方向に対して約45度傾いている。
記録ヘッド8を図1に示す待機位置から図3に示す記録位置に移動させる際、プリントコントローラ202は、メンテナンス制御部210を用いて、後述の昇降機構(キャップ動作手段)を作動させ、キャップユニット10を図3に示す退避位置まで降下させる。これにより、記録ヘッド8の吐出口面8aは、キャップ部材120と離間する。その後、プリントコントローラ202は、ヘッドキャリッジ制御部208を用いて記録ヘッド8の鉛直方向の高さを調整しながら45度回転させ、吐出口面8aをプラテン9と対向させる。記録動作が完了し、記録ヘッド8が記録位置から待機位置に移動する際は、プリントコントローラ202によって上記と逆の工程が行われる。
次に、プリント部2における記録媒体Sの搬送経路について説明する。記録コマンドが入力されると、プリントコントローラ202は、まず、メンテナンス制御部210およびヘッドキャリッジ制御部208を用いて、記録ヘッド8を図3に示す記録位置に移動する。その後、プリントコントローラ202は搬送制御部207を用い、記録コマンドに従って第1給送ユニット6Aおよび第2給送ユニット6Bのいずれかを駆動し、記録媒体Sを給送する。
図4(a)〜(c)は、第1カセット5Aに収容されているA4サイズの記録媒体Sが給送されるときの搬送経路を示す図である。第1カセット5A内の1番上に積載された記録媒体Sは、第1給送ユニット6Aによって2枚目以降の記録媒体から分離され、搬送ローラ7とピンチローラ7aにニップされながら、プラテン9と記録ヘッド8の間の記録領域Pに向けて搬送される。図4(a)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pに到達する直前の搬送状態を示す。記録媒体Sの進行方向は、第1給送ユニット6Aに給送されて記録領域Pに到達する間に、水平方向(x方向)から、水平方向に対して約45度傾いた方向に変更される。
記録領域Pでは、記録ヘッド8に設けられた複数の吐出口から記録媒体Sに向けてインクが吐出される。インクが付与される領域の記録媒体Sは、プラテン9によってその背面が支持されており、吐出口面8aと記録媒体Sの距離が一定に保たれている。インクが付与された後の記録媒体Sは、搬送ローラ7と拍車7bに案内されながら、先端が右に傾いているフラッパ11の左側を通り、ガイド18に沿って記録装置1の鉛直方向上方へ搬送される。図4(b)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pを通過して鉛直方向上方に搬送される状態を示す。記録媒体Sの進行方向は、水平方向に対し約45度傾いた記録領域Pの位置から、搬送ローラ7と拍車7bによって鉛直方向上方に変更されている。
記録媒体Sは、鉛直方向上方に搬送された後、排出ローラ12と拍車7bによって排出トレイ13に排出される。図4(c)は、記録媒体Sの先端が排出ローラ12を通過して排出トレイ13に排出される状態を示す。排出された記録媒体Sは、記録ヘッド8によって画像が記録された面を下にした状態で、排出トレイ13上に保持される。
図5(a)〜(c)は、第2カセット5Bに収容されているA3サイズの記録媒体Sが給送されるときの搬送経路を示す図である。第2カセット5B内の1番上に積載された記録媒体Sは、第2給送ユニット6Bによって2枚目以降の記録媒体から分離され、搬送ローラ7とピンチローラ7aにニップされながら、プラテン9と記録ヘッド8の間の記録領域Pに向けて搬送される。
図5(a)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pに到達する直前の搬送状態を示す。第2給送ユニット6Bに給送されて記録領域Pに到達するまでの搬送経路には、複数の搬送ローラ7とピンチローラ7aおよびインナーガイド19が配されることで、記録媒体SはS字上に湾曲されてプラテン9まで搬送される。
その後の搬送経路は、図4(b)および(c)で示したA4サイズの記録媒体Sの場合
と同様である。図5(b)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pを通過して鉛直方向上方に
搬送される状態を示す。図5(c)は、記録媒体Sの先端が排出ローラ12を通過して排
出トレイ13に排出される状態を示す。
図6(a)〜(d)は、A4サイズの記録媒体Sの裏面(第2面)に対して記録動作(両面記録)を行う場合の搬送経路を示す。両面記録を行う場合、第1面(表面)を記録した後に第2面(裏面)に記録動作を行う。第1面を記録する際の搬送工程は図4(a)〜(c)と同様であるので、ここでは説明を省略する。以後、図4(c)以後の搬送工程について説明する。
記録ヘッド8による第1面への記録動作が完了し、記録媒体Sの後端がフラッパ11を通過すると、プリントコントローラ202は、搬送ローラ7を逆回転させて記録媒体Sを記録装置1の内部へ搬送する。この際、フラッパ11は、不図示のアクチュエータによってその先端が左側に傾くように制御されるため、記録媒体Sの先端(第1面の記録動作における後端)はフラッパ11の右側を通過して鉛直方向下方へ搬送される。図6(a)は、記録媒体Sの先端(第1面の記録動作における後端)が、フラッパ11の右側を通過する状態を示す。
その後記録媒体Sは、インナーガイド19の湾曲した外周面に沿って搬送され、再び記録ヘッド8とプラテン9の間の記録領域Pに搬送される。この際、記録ヘッド8の吐出口面8aに、記録媒体Sの第2面が対向する。図6(b)は、第2面の記録動作のために、記録媒体Sの先端が記録領域Pに到達する直前の搬送状態を示す。
その後の搬送経路は、図4(b)および(c)で示した第1面記録の場合と同様である。図6(c)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pを通過して鉛直方向上方に搬送される状態を示す。この際、フラッパ11は、不図示のアクチュエータにより先端が右側に傾いた位置に移動するように制御される。図6(d)は、記録媒体Sの先端が排出ローラ12を通過して排出トレイ13に排出される状態を示す。
次に、記録ヘッド8に設けられている吐出口の吐出特性の維持、回復を行う回復動作(メンテナンス動作)について説明する。図1でも説明したように、本実施形態のメンテナンスユニット16は、キャップユニット10とワイピングユニット17とを備え、所定のタイミングにこれらを作動させてメンテナンス動作を行う。
図7は、記録装置1がメンテナンス状態のときの図である。記録ヘッド8を図1に示す待機位置から図7に示すメンテナンス位置に移動する際、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向において上方に移動させるとともにキャップユニット10を鉛直方向下方に移動させる。そして、プリントコントローラ202は、ワイピングユニット17を退避位置から図7における右方向に移動させる。その後、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向下方に移動させメンテナンス動作が可能なメンテナンス位置に移動させる。
一方、記録ヘッド8を図3に示す記録位置から図7に示すメンテナンス位置に移動する際、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を45度回転させつつ鉛直方向上方に移動させる。そして、プリントコントローラ202は、ワイピングユニット17を退避位置から右方向に移動させる。その後プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向下方に移動させて、メンテナンスユニット16によるメンテナンス動作が可能なメンテナンス位置に移動させる。
図8(a)はメンテナンスユニット16が待機位置にある状態を示す斜視図であり、図8(b)はメンテナンスユニット16がメンテナンス位置にある状態を示す斜視図である。図8(a)は図1に対応し、図8(b)は図7に対応している。記録ヘッド8が待機位置にあるとき、メンテナンスユニット16は図8(a)に示す待機位置にあり、キャップユニット10は鉛直方向上方に移動しており、ワイピングユニット17はメンテナンスユニット16の内部に収納されている。キャップユニット10は、記録ヘッドの吐出口を覆う(キャップする)ことが可能なキャップ部材120を有しており、キャップ部材120の内部には、記録ヘッド8から排出されたインクを吸収するインク吸収体(液体吸収体)123が設けられている。なお、キャップユニット10については、後に詳しく説明する。
一方、図8(b)に示すメンテナンス位置において、キャップユニット10は鉛直方向下方に移動しており、ワイピングユニット17がメンテナンスユニット16から引き出されている。ワイピングユニット17は、ブレードワイパユニット171とバキュームワイパユニット172の2つのワイパユニットを備えている。
ブレードワイパユニット171は、吐出口の配列領域に相当する長さだけy方向に配されているブレードワイパ171aをx方向に沿って移動させる(ワイピングさせる)ことによって吐出口面8aに付着しているインクを拭き取るものである。
また、バキュームワイパユニット172は、y方向に延在する開口部を有する平板172aと、開口部内をy方向に移動可能なキャリッジ172bと、キャリッジ172bに搭載されたバキュームワイパ172cとを有する。バキュームワイパ172cの先端には、不図示の吸引ポンプに接続された吸引口が形成されている。吸引ポンプを作動させながらキャリッジ172bをy方向に移動することにより、記録ヘッド8の吐出口面8aに付着したインク等を、バキュームワイパ172cによって拭き寄せられながら吸引口に吸い込むことができる。
次に、本実施形態におけるキャップユニット10について詳細に説明する。図9は、キャップユニット10の構成を示す断面図であり、図8(a)のIX−IX線断面を示している。また、図10(a)は図9に示すキャップ部材120の平面図、(b)は同図(a)の矢印Xbで示す部分の拡大平面図、(c)は図9に示すキャップユニット10の一部を示す斜視図、(d)は同図(c)の平面図である。なお、図9および図10(c)、(d)は、記録ヘッド8の吐出口面8aにキャップユニット10のキャップ部材120が当接する前の状態を示している。
図9および図10において、キャップユニット10は、キャップベースユニット140、キャップホルダユニット130、キャップ部材120、キャップばね160、およびキャップ変形レバー(キャップ変形部材)150などを含み構成されている。
キャップベースユニット140は、メンテナンスユニット16に設けられた昇降機構30によって昇降可能に保持されたキャップベースプレート141と、その上面に固定されたキャップベース142とからなり、支持部材を構成している。
昇降機構30は、プリントエンジンユニット200(図2)のメンテナンス制御部210によって駆動を制御される不図示のモータと、モータの駆動力を、前記キャップベースプレート141の昇降動作に変換する動力変換機構とにより構成される。
キャップホルダユニット(キャップ保持部材)130は、キャップベース142上にキャップばね160を介して相対的に移動可能(昇降可能)に支持されたキャップホルダプレート131と、その上面に固定されたキャップホルダ132とを備える。キャップホルダ132には、キャップ部材120が固定されている。
キャップ部材120は、弾性部材(例えば、ゴムなどのエラストマー)によって、ほぼ直方体をなす箱形に形成され、その内部にはインク吸収体123が収容されている。また、キャップ部材120の上端に形成される開口部には、待機位置にある記録ヘッド8の吐出口面8aに当接可能な当接部121が一体に形成されている。
当接部121は、図10(a)に示すように、キャップ部材120の開口部に沿って略長方形の平面形状をなしており、y方向に沿った長辺部121aとx方向に沿った短辺部121bとを有している。キャップ部材120の当接部121を、待機位置にある記録ヘッドの吐出口面8aに当接させることにより、吐出口はキャップされる。このように、キャップ部材120によって記録ヘッド8をキャップすることにより、吐出口を保護することができると共に、吐出口からのインク溶剤の蒸発に起因するインクの増粘や固化を軽減することができる。
図10(a)、(b)に示すように、インク吸収体123には、切欠部123aが形成されている。切欠部123aの内方には、キャップ部材120の内側の空間と、キャップ部材120の外側の空間(大気)とを連通させる大気連通口124が形成されている。大気連通口124の周囲には、大気連通口124へのインクの侵入を防止するためにリブ124aが形成されている。大気連通口124は、キャップ部材120の長手方向の中央付近に配置されている。但し、キャップ部材120の当接部121を記録ヘッド8の吐出口面8aに当接させた状態で、吐出口の真下にならないような位置に配置されている。
キャップ部材120の当接部121を記録ヘッド120の当接部に当接させ、不図示の吸引口からキャップ部材120の内部を吸引することにより、インク吸収体123に保持されたインクを、吸引口を通じて外部へ排出させることができる。このとき、大気連通口124を通じてキャップ部材120の内側の空間へ大気が導入されるため、キャップ部材121へ大気を導入する際の空気抵抗は低減される。
キャップ部材120の長辺部121aに連なる前後2つの側壁部のうち、一方(前方(図9の−x方向))に位置する側壁部には、前方へと突出する突出部122が一体に形成されている(図10(c)、(d)参照)。突出部122には、キャップ変形レバー150の一端部151が挿通されて係合する係合部122aが形成されている。
キャップ変形レバー150は、支持部材の一部を構成するキャップホルダプレート131に支点軸153(図9)によって回転可能に支持されている。すなわち、キャップ変形レバー150は、記録ヘッド移動機構による記録ヘッド8の移動方向および前述の昇降機構30によるキャップ部材の移動方向(鉛直方向)とは異なる方向へと移動可能に支持されている。また、キャップ変形レバー150の一端部151は、キャップ部材120の係合部122aに係合している。さらに、キャップレバー150の他端部とキャップホルダプレート131との間には、レバーばね154が挿入されている。レバーばね154はキャップレバー150を図9において時計方向へと回転させるように付勢している。
図9は、記録ヘッド8がキャップから離間した状態を示しており、この状態ではキャップ変形レバー150の他端部は、レバーばね154の付勢力によってキャップ部材120の側面に当接している。以下の説明において、このときのキャップ変形レバー150の位置を、キャップ変形レバー150の初期位置と称す。
キャップ変形レバー150の側面には、側方(y方向)へと突出する当接部152が形成されている。この当接部152は、キャップ変形レバー150の他端部と支点軸153の間に設けられ、キャップベース142の上面に突設された凸部142aと対向している。従って、図13に示すように、キャップユニット10が下降した際には、当接部152が凸部142aに当接する。
次に、上記構成を有するキャップユニット10の動作を、図9ないし図15を参照しつつ説明する。
キャップユニット10が昇降機構30によって下降位置にあるとき、キャップ部材120は図9に示すように記録ヘッド8から離間した状態にある。このとき、キャップホルダユニット130は、キャップばね160によって上方へと押し上げられ、キャップベースプレート141から最も離れた位置に保持されている。また、キャップ変形レバー150は、レバーばね154によって、一端部151がキャップホルダ132の側壁に当接した初期位置にあり、当接部152がキャップベース142の凸部142aから最も離間した状態にある。
図11は、昇降機構30によってキャップユニット10が上昇し、キャップ部材120の当接部121が待機位置にある記録ヘッド8の当接面8aに当接し、記録ヘッド8の吐出口をキャップ部材120が覆った状態(キャップ状態)を示している。また、図12(a)は図11に示したものの斜視図、図12(b)は平面図である。
記録装置1は、記録動作を停止しているとき、あるいは記録ヘッド8の吸引回復処理を行うときに、キャップユニット10をキャップ状態とする。このとき、昇降機構によって上昇したキャップユニット10は、記録ヘッド8の吐出口面8aに圧接した状態にあり、キャップばね160は、図9に示す状態よりも若干圧縮されている。但し、このキャップ状態では、キャップ変形レバー150は移動せず、初期位置に保たれている。
図11に示すキャップ状態から、記録動作を開始する場合、あるいはワイピングユニット17によるワイピングを行う場合には、キャップユニット10を記録ヘッド8から離間する必要がある。しかし、記録ヘッド8の吐出口面8aとキャップ部材120との間に付着したインクの乾燥・固化によってキャップ部材120が記録ヘッド8の吐出口面8aに貼り付き、昇降機構を作動させてもキャップ部材120が吐出口面8aから離間しないことがある。
そこで、本実施形態では、記録ヘッド8とキャップ部材120とを離間する場合には、記録ヘッド8とキャップ部材120との貼り付きを解消するため、図13ないし図15に示すように、キャップ変形レバー150を作動させる。
図13は、キャップ変形レバー150の作動開始時の状態を示している。この状態は、記録ヘッド8が、図11に示す位置から下降した状態を示す。記録ヘッド8が下降することにより、記録ヘッド8の吐出口面8aに当接しているキャップ部材120およびキャップホルダユニット130もキャップばね160を押し縮めながら下降する。キャップホルダユニット130には支点軸153によってキャップ変形レバー150が支持されている。このため、キャップ変形レバー150もキャップホルダユニット130と共に下降し、キャップ変形レバー150の当接部152がキャップベース142に設けられた凸部142aの上面に当接する。図13は当接部152が凸部142の上面に当接した直後の状態を示しているため、この時点ではキャップ変形レバー150はほぼ初期位置に保持されている。
当接部152が凸部142aの上面に当接した後も、記録ヘッド8は、引き続き鉛直方向下方へと移動し、キャップホルダユニット140をさらに下方へと移動させる(図14参照)。このとき、キャップ変形レバー150は、その当接部152がキャップホルダ132の凸部142aに当接した状態を維持しつつ下方へと移動する。このため、キャップ変形レバー150は回動支点153を中心として反時計方向(図14のC方向)へと回転する。
図15は、キャップ変形レバー150が回転したときの、キャップ部材120の状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。キャップ変形レバー150が回転する際、キャップ変形レバー150の一端部151は係合部122aに係合し、係合部122aを外側方に押し出す。これにより、キャップ部材120の側壁部および当接部121のうち、係合部122aの近傍に位置する部分には、図15(a)、(b)に示すように弾性変形が生じる。具体的には、キャップ部材120の当接部121のうち長辺部121aの一部が、キッャプ変形レバー150によって弾性変形し、吐出口面8aとの相対位置にずれが生じる。このため、キャップ変形レバー150が回転する前の状態で、当接部121と吐出口面8aとがインクなどによって固着されていたとしても、キャップ変形レバー150によって弾性変形した当接部121は、吐出口面8aから剥離された状態となる。
このように、キャップ変形レバー150は、キャップ部材120の一部のみを変形させ、吐出口面8aから剥離させるように動作するため、比較的小さな力で当接部121を吐出口面8aから剥離させることができる。そして、当接部121が部分的に吐出口面8aから剥離した状態で、キャップユニット10を全体的に鉛直方向下方へと移動させれば、既に離間した部分の近傍から順次、当接部121が吐出口面8aから離間していく。このため、昇降機構30において大きな力を発生させなくとも、確実にキャップ部材120全体を記録ヘッド8の吐出口面8aから離間することができる。
なお、昇降機構30によってキャップ部材120が下降し、キャップ部材120が吐出口面8aから離間することにより、記録ヘッド8からキャップ部材120およびキャップホルダ132に加えられていた力は解除される。このため、キャップホルダ132はキャップばね160の付勢力によってキャップホルダプレート131から離間する方向へと押し上げられ、キャップ変形レバー150は、レバーばね154によって初期位置へと復帰する。このキャップ変形レバー150が初期位置へと復帰することに伴い、キャップ部材120も自身の弾性力によって初期状態、すなわち弾性変形する前の状態に復帰する。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を、図16を参照しつつ説明する。
第1の実施形態では、キャップ変形レバー150を、キャップホルダプレート131に支点軸153によって回動自在に支持する構成を説明した。
第2の実施形態は、キャップ変形レバー250をキャップベースユニット140に回転可能に支持する構成である。この場合、キャップ変形レバー250の移動(回転)は、記録ヘッド8と共に下降するキャップホルダユニット130によって行う。
すなわち、図16(a)に示すキャップ状態から、記録ヘッド8がさらに鉛直方向下方へと移動すると、キャップホルダユニット130がキャップ変形レバー250に当接してこれを下方へと押圧する。これにより、キャップ変形レバー250は支点軸253を中心に回転する(図16(b))。その結果、キャップ変形レバー250の一端部251は、キャップ部材120の一部に設けられた係合部122aを前方(図中、右方)へと押し出し、キャップ部材120の当接部121を部分的に前方(図中、右方)へと弾性変形させる。これにより、当接部121を吐出口面8aから部分的に剥離することができる。このとき、キャップ変形レバー250は、キャップ部材120の一部のみを変形させる構成を採るため、比較的小さな力で当接部121の一部を吐出口面8aから剥離することができる。
その後、キャップユニット10を全体的に鉛直方向下方へと移動させることにより、既に吐出口面8aに当接している当接部121は、既に剥離されている一部の当接部121から順次、剥離してゆき、最終的に吐出口面8aから完全に剥離し、離間する。このため、昇降機構30において大きな力を発生させなくとも、確実にキャップ部材120全体を記録ヘッド8の吐出口面8aから離間することができる。
なお、第2の実施形態においても、キャップホルダ120はキャップばね160によってキャップベースユニット140上に弾性的に支持され、キャップ変形レバー250は、レバーばね160によって初期位置(図16(a)に示す位置)へ向けて付勢されている。このため、キャップ部材120と共にキャップホルダ130を下降させ、記録ヘッド8の吐出口面8aからキャップ部材120を離間すると、キャップ変形レバー350はレバーバネ160によって初期位置へと復帰する。また、キャップ部材120も自身の弾性力によって初期位置へと復帰する。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を、図17を参照しつつ説明する。
第3の実施形態は、キャップ部材120を部分的に変形させるためのキャップ変形レバー350をキャップユニット10以外の支持部材360に回動自在に支持させたものである。支持部材360としては、記録装置の筐体部、あるいは筐体部に固定された部材などを用いる。
図17(a)のキャップ状態から、記録ヘッド8がさらに鉛直方向下方へと移動すると、記録ヘッド8に押されて、キャップ部材120、キャップホルダユニット130、およびキャップベースユニット140を含むキャップユニット10が下方へと移動する。この移動によって、キャップベースユニット140はキャップ変形レバー350に当接してこれを下方へと押圧し、キャップ変形レバー350を、支点軸353を中心に回転させる(図17(b))。その結果、作動レバー350の一端部351は、係合部122aを前方(図中、右方)へと押し出し、キャップ部材120における当接部121を部分的に前方へと弾性変形させて、当接部121を吐出口面8aから部分的に剥離させる。
このように、本実施形態においても、キャップ変形レバー350は、キャップ部材120の一部のみを変形させる構成となっているため、比較的小さな力で当接部121の一部を吐出口面8aから剥離することができる。
また、キャップユニット10を全体的に鉛直方向下方へと移動させることにより、吐出口面8aに当接している当接部121は、既に剥離されている一部の当接部121から順次、剥離する。このため、昇降機構30において大きな力を発生させなくとも、確実にキャップ部材120全体を記録ヘッド8の吐出口面8aから離間することができる。
なお、図17において、キャップホルダ120は、キャップばね160によって筐体360上に弾性的に支持され、キャップ変形レバー350は、レバーばね154によって初期位置へ向けて付勢されている。このため、記録ヘッド8の吐出口面8aからキャップ部材120を離間させると、キャップ変形レバー350はレバーばね154の弾性力で初期位置へと復帰し、キャップ部材120は自身の弾性力によって初期位置に復帰する。
(他の実施形態)
上記本実施形態では、記録ヘッド8の吐出口面8aに対してキャップ部材120を当接、離間させるように動作するキャップ動作手段としての機能を、キャップユニット10を昇降させる昇降機構30により実現する例を示した。しかし、キャップ動作手段としての機能は、記録ヘッド8を昇降させる記録ヘッド移動機構によって実現することも可能である。
また、上記実施形態では、記録ヘッド8の昇降動作に連動してキャップホルダユニット130またはキャップベースユニット140を昇降させ、その昇降動作によってキャップ変形レバー(150、250、350)を移動させる例を示した。しかし、キャップ変形レバーの移動をキャップホルダユニット130またはキャップベースユニット140の動作とは独立した駆動機構によって駆動することも可能である。例えば、キャップ変形レバーをソレノイドなどのアクチュエータに連結して移動させるようにすることも可能である。
また、キャップ変形レバーの移動は、必ずしも回転方向への移動に限らず、直線方向への移動を行なう構成を採ることも可能である。
以上、本発明をインクジェット記録装置に適用した例について説明したが、本発明は、インク以外の液体を吐出する液体吐出装置およびこれに用いられる回復装置にも適用可能である。すなわち、インク以外の液体を吐出する液体吐出手段から排出された液体を、受容するキャップ部材を記録ヘッドの吐出口面に対して当接、離間させる構成を備えるものであれば、本発明を適用可能である。
1 インクジェット記録装置(液体吐出装置)
8 記録ヘッド(液体吐出手段)
120 キャップ部材
150 キャップ変形レバー(キャップ変形部材)

Claims (16)

  1. 液体を吐出する吐出口が形成された吐出口面を有する液体吐出手段と、
    前記吐出口面に当接して前記吐出口面を覆うキャップ部材と、
    前記液体吐出手段に対して前記キャップ部材を当接、離間するように動作するキャップ動作手段と、を備えた液体吐出装置であって、
    前記キャップ部材が前記液体吐出手段に当接した状態にあるとき、前記キャップ部材を部分的に弾性変形させるキャップ変形手段を備えたことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記キャップ動作手段は、前記液体吐出手段と前記キャップ部材の少なくとも一方を移動させるように動作することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記キャップ変形手段は、前記キャップ部材を弾性変形させない第1の位置と、前記キャップ部材を部分的に弾性変形させる第2の位置とに移動するキャップ変形部材を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記キャップ変形部材は、前記キャップ動作手段による前記液体吐出手段または前記キャップ部材の移動に連動して移動することを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記キャップ変形部材は、前記キャップ動作手段による前記液体吐出手段または前記キャップ部材の移動方向と異なる方向へと移動することを特徴とする請求項3または4に記載の液体吐出装置。
  6. 前記キャップ部材は、所定の支持部材に対し相対的に移動可能に支持されるキャップ保持部材に保持され、
    前記キャップ変形部材は、前記支持部材と前記キャップ保持部材との間に支持され、前記支持部材と前記キャップ保持部材とを相対的に移動させることによって移動することを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  7. 前記キャップ変形部材は、前記キャップ保持部材に移動可能に支持され、
    前記キャップ保持部材と前記支持部材とが互いに近づく方向へと移動することにより、前記キャップ変形部材は、前記支持部材に当接して前記第2の位置へと移動することを特徴とする請求項6に記載の液体吐出装置。
  8. 前記キャップ変形部材は、前記支持部材に移動可能に支持され、
    前記支持部材と前記キャップ保持部材とが互いに近づく方向へと移動することにより、
    前記キャップ変形部材は、前記キャップ保持部材に当接して前記第2の位置へと移動する
    ことを特徴とする請求項6に記載の液体吐出装置。
  9. 前記キャップ変形部材は、前記支持部材を収容する筐体部に移動可能に支持され、
    前記支持部材が筐体部に近づく方向へと移動することにより、前記キャップ変形部材は、前記支持部材に当接して前記第2の位置へと移動することを特徴とする請求項6に記載の液体吐出装置。
  10. 前記キャップ動作手段は、前記液体吐出手段に当接しているキャップ部材を、前記液体吐出手段と共に移動させることを特徴とする請求項6ないし9のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  11. 前記キャップ動作手段は、前記キャップ部材を保持するキャップ保持部材に対して前記支持部材を移動させることを特徴とする請求項6ないし9のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  12. 前記キャップ変形部材は、前記キャップ動作手段から独立した駆動機構によって移動することを特徴とする請求項3ないし11のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  13. 前記キャップ変形部材は、当該キャップ変形部材を支持する支点軸を中心とした回転方向へと移動することを特徴とする請求項3ないし12のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  14. 前記キャップ部材が前記吐出口面に当接した状態で、前記キャップ部材の内側の空間と、前記キャップ部材の外側の空間とを連通させる大気連通口が前記キャップ部材に形成されていることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載液体吐出装置。
  15. 液体を吐出する吐出口が形成された吐出口面を有する液体吐出手段の前記吐出口面に当接して前記吐出口面を覆うキャップ部材と、
    前記液体吐出手段に対して前記キャップ部材を当接、離間するように動作するキャップ
    動作手段と、を備え、
    前記キャップ部材を前記液体吐出手段の吐出口から前記液体吐出手段へと液体を排出させることによって前記液体吐出手段の吐出性能の維持・回復を行なう回復装置であって、
    前記キャップ部材が前記液体吐出手段に当接した状態にあるとき、前記キャップ部材を部分的に弾性変形させるキャップ変形手段を備えたことを特徴とする回復装置。
  16. 液体を吐出する吐出口が形成された吐出口面を有する液体吐出手段の前記吐出口面に前記キャップ部材を当接させて前記吐出口面を覆い、前記液体吐出手段の吐出口から前記液体吐出手段へと液体を排出させることによって前記液体吐出手段の吐出性能の維持・回復を行なう回復方法であって、
    前記キャップ部材が前記液体吐出手段に当接した状態にあるとき、前記キャップ部材を部分的に弾性変形させる第1の工程と、
    前記第1の工程によって部分的に弾性変形させた前記キャップ部材と前記液体吐出手段のうち少なくとも一方を、互いに離間させる方向に動作させる第2の工程と、
    を備えたことを特徴とする回復方法。
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