JP2020032647A - インクジェット記録装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 吐出不良を抑制しつつ記録時間を短縮する。【解決手段】 インクを吐出する吐出口が形成された吐出口面を有する記録ヘッドと、記録ヘッドへ供給されるインクを貯留するインクタンクと、供給流路と、回収流路と、インクタンクと記録ヘッドの間でインクを循環させる循環手段と、吐出口面をキャップするキャップ位置と吐出口面から退避する退避位置とに移動可能なキャップと、記録ヘッドによる記録動作を行う場合は、キャップのキャップ位置から退避位置への移動を開始した後、循環手段によりインクの循環を開始するように制御する制御手段を備え、制御手段は、記録動作を行う場合であっても、キャップの移動からインクの循環が開始されるまでの経過時間が閾値を超える場合は、循環手段によるインクの循環を開始する前にキャップを退避位置からキャップ位置へ移動させる。【選択図】 図14
Description
本発明は、記録ヘッドを用いて画像を記録するインクジェット記録装置に関する。
特許文献1には、インクタンクと記録ヘッドの間でインクを循環させるインクジェット記録装置が開示されている。モノクロ印刷の場合とカラー印刷の場合とで循環させるインクを変更する構成であり、印刷に用いられないインクは循環を行わないことでインクの濃縮が進行するのを抑制する。また、記録動作を行うときは、まず記録ヘッドのキャップを開いた後にインクの循環を行うことで記録時間を短縮する構成が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、まずキャップを開き、モノクロ印刷かカラー印刷かが確定してからインクを循環する構成である。そのため、キャップを開いてからインクを循環するまでの間に時間差が生じた場合、吐出口からインクの水分が蒸発して吐出不良が発生する虞がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、吐出不良を抑制しつつ記録時間を短縮することができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るインクジェット記録装置は、インクを吐出する吐出口が形成された吐出口面を有する記録ヘッドと、前記記録ヘッドへ供給されるインクを貯留するインクタンクと、前記インクタンクから前記記録ヘッドへインクを供給するための供給流路と、前記記録ヘッドから前記インクタンクへインクを回収するための回収流路と、前記インクタンクと前記供給流路と前記記録ヘッドと前記回収流路によって形成される循環経路でインクを循環させる循環手段と、前記吐出口面をキャップするキャップ位置と前記吐出口面から退避する退避位置とに移動可能なキャップと、を備えるインクジェット記録装置であって、前記記録ヘッドによる記録動作を行う場合は、前記キャップの前記キャップ位置から前記退避位置への移動を開始した後、前記循環手段によりインクの循環を開始するように制御する制御手段を備え、前記制御手段は、前記記録動作を行う場合であっても、前記キャップの移動から前記インクの循環が開始されるまでの経過時間が閾値を超える場合は、前記循環手段によるインクの循環を開始する前に前記キャップを前記退避位置から前記キャップ位置へ移動させることを特徴とする。
本発明によれば、吐出不良を抑制しつつ記録時間を短縮することができるインクジェット記録装置を提供することができる。
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態のインクジェット記録装置(以下、記録装置)1の内部構成図である。以降、図においてx方向は水平方向、y方向(紙面垂直方向)は後述する記録ヘッド8において吐出口が配列する方向、z方向は鉛直方向をそれぞれ示す。
図1は、本実施形態のインクジェット記録装置(以下、記録装置)1の内部構成図である。以降、図においてx方向は水平方向、y方向(紙面垂直方向)は後述する記録ヘッド8において吐出口が配列する方向、z方向は鉛直方向をそれぞれ示す。
記録装置1は、プリント部2とスキャナ部3を備える複合機であり、記録動作と読取動作に関する様々な処理を、プリント部2とスキャナ部3で個別にあるいは連動して実行することができる。スキャナ部3は、ADF(オートドキュメントフィーダ)とFBS(フラットベッドスキャナ)を備えており、ADFで自動給紙される原稿の読み取りと、ユーザによってFBSの原稿台に置かれた原稿の読み取り(スキャン)を行うことができる。なお、本実施形態はプリント部2とスキャナ部3を併せ持った複合機であるが、スキャナ部3を備えない形態であってもよい。図1は、記録装置1が記録動作も読取動作も行っていない待機状態にあるときを示す。
プリント部2において、筐体4の鉛直方向下方の底部には、記録媒体(カットシート)Sを収容するための第1カセット5Aと第2カセット5Bが着脱可能に設置されている。第1カセット5AにはA4サイズまでの比較的小さな記録媒体が、第2カセット5BにはA3サイズまでの比較的大きな記録媒体が、平積みに収容されている。第1カセット5A近傍には、収容されている記録媒体を1枚ずつ分離して給送するための第1給送ユニット6Aが設けられている。同様に、第2カセット5B近傍には、第2給送ユニット6Bが設けられている。記録動作が行われる際にはいずれか一方のカセットから選択的に記録媒体Sが給送される。
搬送ローラ7、排出ローラ12、ピンチローラ7a、拍車7b、ガイド18、インナーガイド19およびフラッパ11は、記録媒体Sを所定の方向に導くための搬送機構である。搬送ローラ7は、記録ヘッド8の上流側と下流側に配され、不図示の搬送モータによって駆動される駆動ローラである。ピンチローラ7aは、記録ヘッド8の上流側に配され、搬送ローラ7と共に記録媒体Sをニップして回転する従動ローラである。排出ローラ12は、搬送経路における最下流に配され、不図示の搬送モータによって駆動される駆動ローラである。拍車7bは、記録ヘッド8の下流側に配され、記録媒体Sを所定方向に案内する。拍車7bのうち、搬送ローラ7または排出ローラ12と対向する位置に設けられたものは、搬送ローラ7または排出ローラ12と記録媒体Sを挟持して搬送する。
ガイド18は、記録媒体Sの搬送経路に設けられ、記録媒体Sを所定の方向に案内する。インナーガイド19は、y方向に延在する部材で湾曲した側面を有し、当該側面に沿って記録媒体Sを案内する。フラッパ11は、両面記録動作の際に、記録媒体Sが搬送される方向を切り替えるための部材である。排出トレイ13は、記録動作が完了し排出ローラ12によって排出された記録媒体Sを積載保持するためのトレイである。
本実施形態の記録ヘッド8は、フルラインタイプのカラーインクジェット記録ヘッド(ラインヘッド)であり、記録データに従ってインクを吐出する吐出口が、図1におけるy方向に沿って記録媒体Sの幅に相当する分だけ複数配列されている。記録ヘッド8が図1に示す待機位置にあるとき、記録ヘッド8の吐出口面8aはキャップユニット10によってキャップされている。このキャップユニット10の位置をキャッピング位置とも称する。記録ヘッド8が記録動作を行う際は、後述するプリントコントローラ202によって、吐出口面8aがプラテン9と対向するように記録ヘッド8の向きが変更される。プラテン9は、y方向に延在する平板によって構成され、記録ヘッド8によって記録動作が行われる記録媒体Sを背面から支持する。記録ヘッド8の待機位置から記録位置への移動については、後に詳しく説明する。
インクタンクユニット14は、記録ヘッド8へ供給される4色のインクをそれぞれ貯留する。インク供給ユニット15は、インクタンクユニット14と記録ヘッド8を接続する流路の途中に設けられ、記録ヘッド8内のインクの圧力及び流量を適切な範囲に調整する。本実施形態では循環型のインク供給系を採用しており、インク供給ユニット15は記録ヘッド8へ供給されるインクの圧力と記録ヘッド8から回収されるインクの流量を適切な範囲に調整する。
メンテナンスユニット16は、キャップユニット10とワイピングユニット17を備え、所定のタイミングにこれらを作動させて、記録ヘッド8に対するメンテナンス動作を行う。メンテナンスユニット16については後に詳しく説明する。
図2は、記録装置1における制御構成を示すブロック図である。制御構成は、主にプリント部2を統括するプリントエンジンユニット200と、スキャナ部3を統括するスキャナエンジンユニット300と、記録装置1全体を統括するコントローラユニット100によって構成されている。プリントコントローラ202は、コントローラユニット100のメインコントローラ101の指示に従ってプリントエンジンユニット200の各種機構を制御する。スキャナエンジンユニット300の各種機構は、コントローラユニット100のメインコントローラ101によって制御される。以下に制御構成の詳細について説明する。
コントローラユニット100において、CPUにより構成されるメインコントローラ101は、ROM107に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM106をワークエリアとしながら記録装置1全体を制御する。例えば、ホストI/F102またはワイヤレスI/F103を介してホスト装置400から印刷ジョブが入力されると、メインコントローラ101の指示に従って、画像処理部108が受信した記録対象となる画像データに対して所定の画像処理を施す。そして、メインコントローラ101はプリントエンジンI/F105を介して、画像処理を施した画像データをプリントエンジンユニット200へ送信する。
なお、記録装置1は無線通信や有線通信を介してホスト装置400から画像データを取得しても良いし、記録装置1に接続された外部記憶装置(USBメモリ等)から画像データを取得しても良い。無線通信や有線通信に利用される通信方式は限定されない。例えば、無線通信に利用される通信方式として、Wi−Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)やBluetooth(登録商標)が適用可能である。また、有線通信に利用される通信方式としては、USB(Universal Serial Bus)等が適用可能である。また、例えばホスト装置400から読取コマンドが入力されると、メインコントローラ101は、スキャナエンジンI/F109を介してこのコマンドをスキャナ部3に送信する。
操作パネル104は、ユーザが記録装置1に対して入出力を行うための機構である。ユーザは、操作パネル104を介してコピーやスキャン等の動作を指示したり、印刷モードを設定したり、記録装置1の情報を認識したりすることができる。
プリントエンジンユニット200において、CPUにより構成されるプリントコントローラ202は、ROM203に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM204をワークエリアとしながら、プリント部2の各種機構を制御する。コントローラI/F201を介して各種コマンドや画像データが受信されると、プリントコントローラ(制御手段)202は、これを一旦RAM204に保存する。プリントコントローラ202は画像処理コントローラ205に、保存した画像データを記録データへ変換させることで、記録ヘッド8が記録動作に利用できるようにする。
記録データが生成されると、プリントコントローラ202は、ヘッドI/F206を介して記録ヘッド8に記録データに基づく記録動作を実行させる。この際、プリントコントローラ202は、搬送制御部207を介して図1に示す第1給送ユニット6A、第2給送ユニット6B、搬送ローラ7、排出ローラ12、フラッパ11を駆動して、記録媒体Sを搬送する。プリントコントローラ202の指示に従って、記録媒体Sの搬送動作に連動して記録ヘッド8による記録動作が実行され、印刷処理が行われる。
ヘッドキャリッジ制御部208は、記録装置1のメンテナンス状態や記録状態といった動作状態に応じて記録ヘッド8の向きや位置を変更する。インク供給制御部209は、記録ヘッド8へ供給されるインクの圧力が適切な範囲に収まるように、インク供給ユニット15を制御する。メンテナンス制御部210は、記録ヘッド8に対するメンテナンス動作を行う際に、メンテナンスユニット16におけるキャップユニット10やワイピングユニット17の動作を制御する。
スキャナエンジンユニット300においては、メインコントローラ101が、ROM107に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM106をワークエリアとしながら、スキャナコントローラ302のハードウェアリソースを制御する。これにより、スキャナ部3が備える各種機構は制御される。例えば、コントローラI/F301を介してメインコントローラ101がスキャナコントローラ302内のハードウェアリソースを制御することにより、ユーザがADFに搭載した原稿を、搬送制御部304を介して搬送し、センサ305によって読み取る。そして、スキャナコントローラ302は読み取った画像データをRAM303に保存する。なお、プリントコントローラ202は、上述のように取得された画像データを記録データに変換することで、記録ヘッド8に、スキャナコントローラ302で読み取った画像データに基づく記録動作を実行させることが可能である。
図3は、記録装置1が記録状態にあるときを示す。図1に示した待機状態と比較すると、キャップユニット10が記録ヘッド8の吐出口面8aから離間し、吐出口面8aがプラテン9と対向している。本実施形態において、プラテン9の平面は水平方向に対して約45度傾いており、記録位置における記録ヘッド8の吐出口面8aも、プラテン9との距離が一定に維持されるように水平方向に対して約45度傾いている。
記録ヘッド8を図1に示す待機位置から図3に示す記録位置に移動する際、プリントコントローラ202は、メンテナンス制御部210を用いて、キャップユニット10を図3に示す退避位置まで降下させる。これにより、記録ヘッド8の吐出口面8aは、キャップ部材10aと離間する。その後、プリントコントローラ202は、ヘッドキャリッジ制御部208を用いて記録ヘッド8の鉛直方向の高さを下降させながら45度回転させ、吐出口面8aをプラテン9と対向させる。記録動作が完了し、記録ヘッド8が記録位置から待機位置に移動する際は、プリントコントローラ202によって上記と逆の工程が行われる。
次に、プリント部2における記録媒体Sの搬送経路について説明する。記録コマンドが入力されると、プリントコントローラ202は、まず、メンテナンス制御部210およびヘッドキャリッジ制御部208を用いて、記録ヘッド8を図3に示す記録位置に移動する。その後、プリントコントローラ202は搬送制御部207を用い、記録コマンドに従って第1給送ユニット6Aおよび第2給送ユニット6Bのいずれかを駆動し、記録媒体Sを給送する。
図4(a)〜(c)は、第1カセット5Aに収容されているA4サイズの記録媒体Sが給送されるときの搬送経路を示す図である。図4以降で、搬送される記録媒体Sは点線によって示す。第1カセット5A内で1番上に積載された記録媒体Sは、第1給送ユニット6Aによって2枚目以降の記録媒体から分離され、搬送ローラ7とピンチローラ7aにニップされながら、プラテン9と記録ヘッド8の間の記録領域Pに向けて搬送される。図4(a)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pに到達する直前の搬送状態を示す。記録媒体Sの進行方向は、第1給送ユニット6Aに給送されて記録領域Pに到達する間に、水平方向(x方向)から、水平方向に対して約45度傾いた方向に変更される。
記録領域Pでは、記録ヘッド8に設けられた複数の吐出口から記録媒体Sに向けてインクが吐出される。インクが付与される領域の記録媒体Sは、プラテン9によってその背面が支持されており、吐出口面8aと記録媒体Sの距離が一定に保たれている。インクが付与された後の記録媒体Sは、排出ローラ12と拍車7bに案内されながら、先端が図4において右側に傾いているフラッパ11の左側を通り、ガイド18に沿って記録装置1の鉛直方向上方へ搬送される。図4(b)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pを通過して鉛直方向上方に搬送される状態を示す。記録媒体Sの進行方向は、水平方向に対し約45度傾いた記録領域Pを過ぎると、搬送ローラ7と拍車7bによって鉛直方向上方に変更されている。
記録媒体Sは鉛直方向上方に搬送された後、排出ローラ12と拍車7bによって排出トレイ13に排出される。図4(c)は、記録媒体Sの先端が排出トレイ13に排出される状態を示す。記録媒体Sは、記録ヘッド8によって画像が記録された面を下にした状態で排出され、排出トレイ13上に保持される。
図5(a)〜(c)は、第2カセット5Bに収容されているA3サイズの記録媒体Sが給送されるときの搬送経路を示す図である。第2カセット5B内で1番上に積載された記録媒体Sは、第2給送ユニット6Bによって2枚目以降の記録媒体から分離され、搬送ローラ7とピンチローラ7aにニップされながら、プラテン9と記録ヘッド8の間の記録領域Pに向けて搬送される。
図5(a)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pに到達する直前の搬送状態を示す。第2給送ユニット6Bに給送されて記録領域Pに到達するまでの搬送経路には、複数の搬送ローラ7とピンチローラ7aおよびインナーガイド19が配されることで、記録媒体SはS字状に湾曲されてプラテン9まで搬送される。
その後の搬送経路は、図4(b)および(c)で示したA4サイズの記録媒体Sの場合と同様である。図5(b)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pを通過して鉛直方向上方に搬送される状態を示す。図5(c)は、記録媒体Sの先端が排出トレイ13に排出される状態を示す。
図6(a)〜(d)は、A4サイズの記録媒体Sの裏面(第2面)に対して記録動作(両面記録)を行う場合の搬送経路を示す。記録装置1が両面記録を行う場合、第1面(表面)を記録した後に第2面(裏面)に記録動作を行う。第1面を記録する際の搬送工程は図4(a)〜(c)と同様であるので、ここでは説明を省略する。以後、図4(c)以後の搬送工程について説明する。
記録ヘッド8による第1面への記録動作が完了し、記録媒体Sの後端がフラッパ11を通過すると、プリントコントローラ202は、搬送ローラ7を逆回転させて記録媒体Sを記録装置1の内部へ搬送する。この際、フラッパ11は、不図示のアクチュエータによってその先端が図6において左側に傾くように制御されるため、記録媒体Sの先端(第1面の記録動作における後端)はフラッパ11の右側を通過して鉛直方向下方へ搬送される。図6(a)は、記録媒体Sの先端(第1面の記録動作における後端)が、フラッパ11の右側を通過する状態を示す。
その後記録媒体Sは、インナーガイド19の湾曲した外周面に沿って搬送され、再び記録ヘッド8とプラテン9の間の記録領域Pに搬送される。この際、記録ヘッド8の吐出口面8aに、記録媒体Sの第2面が対向する。図6(b)は、第2面の記録動作のために、記録媒体Sの先端が記録領域Pに到達する直前の搬送状態を示す。
その後の搬送経路は、図4(b)および(c)で示した第1面記録の場合と同様である。図6(c)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pを通過して鉛直方向上方に搬送される状態を示す。この際、フラッパ11は、不図示のアクチュエータにより先端が右側に傾いた位置に移動するように制御される。図6(d)は、記録媒体Sの先端が排出ローラ12を通過して排出トレイ13に排出される状態を示す。なお、A3サイズの記録媒体Sの両面記録においても、同様の搬送が行われる。
次に、記録ヘッド8に対するメンテナンス動作について説明する。図1でも説明したように、メンテナンスユニット16はキャップユニット10とワイピングユニット17とを備え、所定のタイミングにこれらを作動させてメンテナンス動作を行う。
図7は、記録装置1がメンテナンス状態のときの図である。記録ヘッド8を図1に示す待機位置から図7に示すメンテナンス位置に移動する際、プリントコントローラ202は、まず記録ヘッド8を鉛直方向において斜め上方に移動させるとともにキャップユニット10を鉛直方向下方に移動させる。そして、プリントコントローラ202は、ワイピングユニット17を退避位置から図7における右方向に移動させる。その後、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向下方に移動させメンテナンス動作が可能なメンテナンス位置に移動させる。
一方、記録ヘッド8を図3に示す記録位置から図7に示すメンテナンス位置に移動する際、プリントコントローラ202は、まず記録ヘッド8を約45度回転させつつ鉛直方向上方に移動させる。そして、プリントコントローラ202はワイピングユニット17を退避位置から右方向に移動させる。その後プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向下方に移動させて、メンテナンスユニット16によるメンテナンス動作が可能なメンテナンス位置に移動させる。
図8(a)はメンテナンスユニット16が待機ポジションにある状態を示す斜視図であり、図8(b)はメンテナンスユニット16がメンテナンスポジションにある状態を示す斜視図である。図8(a)は図1に示すメンテナンスユニット16の位置に対応し、図8(b)は図7に示すメンテナンスユニット16の位置に対応している。記録ヘッド8が待機位置にあるとき、メンテナンスユニット16は図8(a)に示す待機ポジションにあり、キャップユニット10はキャッピング位置にあり、ワイピングユニット17はメンテナンスユニット16の内部に収納されている。キャップユニット10はy方向に延在する箱形のキャップ部材10aを有し、これを記録ヘッド8の吐出口面8aに密着させることにより、吐出口からのインクの蒸発を抑制することができる。また、キャップユニット10は、キャップ部材10aに予備吐出等で吐出されたインクを回収し、回収したインクを不図示の吸引ポンプに吸引させる機能も備えている。
一方、図8(b)に示すメンテナンスポジションにおいて、キャップユニット10は鉛直方向下方の退避位置に移動しており、ワイピングユニット17がメンテナンスユニット16から引き出されている。ワイピングユニット17は、ブレードワイパユニット171とバキュームワイパユニット172の2つのワイパユニットを備えている。
ブレードワイパユニット171には、吐出口面8aをx方向に沿ってワイピングするためのブレードワイパ171aが吐出口の配列領域に相当する長さだけy方向に配されている。ブレードワイパユニット171を用いてワイピング動作を行う際、ワイピングユニット17は、記録ヘッド8がブレードワイパ171aに当接可能な高さに位置決めされた状態で、ブレードワイパユニット171をx方向に移動する。この移動により、吐出口面8aに付着するインクなどはブレードワイパ171aに拭き取られる。
ブレードワイパ171aが収納される際のメンテナンスユニット16の入り口には、ブレードワイパ171aに付着したインクを除去するとともにブレードワイパ171aにウェット液を付与するためのウェットワイパクリーナ16aが配されている。これにより、ブレードワイパ171aはメンテナンスユニット16に収納される度にウェットワイパクリーナ16aによって付着物が除去されウェット液が塗布される。そして、次に吐出口面8aをワイピングしたときにウェット液を吐出口面8aに転写し、吐出口面8aとブレードワイパ171a間の滑り性を向上させている。
一方、バキュームワイパユニット172は、y方向に延在する開口部を有する平板172aと、開口部内をy方向に移動可能なキャリッジ172bと、キャリッジ172bに搭載されたバキュームワイパ172cとを有する。バキュームワイパ172cは、キャリッジ172bの移動に伴って吐出口面8aをy方向にワイピング可能に配されている。バキュームワイパ172cの先端には、不図示の吸引ポンプに接続された吸引口が形成されている。このため、吸引ポンプを作動させながらキャリッジ172bをy方向に移動すると、記録ヘッド8の吐出口面8aに付着したインク等は、バキュームワイパ172cによって拭き寄せられながら吸引口に吸い込まれる。この際、平板172aと開口部の両端に設けられた位置決めピン172dは、バキュームワイパ172cに対する吐出口面8aの位置合わせに利用される。
図9は、インク供給ユニット15の構成を示す模式図である。インク供給ユニット15は、インクタンクユニット14から記録ヘッド8へインクを供給する構成である。ここでは、1色のインクについての構成を示すが、記録装置1には同様の構成がインクの色ごとに用意されている。
インクは主に、インク供給ユニット15に配されるサブタンク(インクタンク)502と記録ヘッド8の間を循環する。サブタンク502から供給流路507を介して記録ヘッド8へインクが供給されて、記録ヘッド8から吐出されなかったインクは回収流路508を介してサブタンク502へ回収される。すなわち、サブタンク502、供給流路507、記録ヘッド8、および回収流路508によってインクが循環する循環経路が構成される。減圧ポンプ503は、サブタンク502の内部を減圧するための負圧発生源である。
メインタンク501は、サブタンク502へ供給されるインクを収容するタンクであり、インクタンクユニット14に配される。メインタンク501は可撓性部材で構成され、可撓性部材の容積変化によってサブタンク502へインクが充填される。メインタンク501は記録装置1に対して着脱可能である。メインタンク501とサブタンク502はタンク接続流路506によって接続される。
以上の構成のもと、サブタンク502内のインクが所定量より少ないことを不図示の検知手段で検知すると、プリントコントローラ202は減圧ポンプ503を作動させる。すると、サブタンク502の内部が負圧になり、メインタンク501からサブタンク502へインクが供給される。検知手段によってサブタンク502内のインクが所定量を超えたことを検知すると、プリントコントローラ202は減圧ポンプ503を停止する。
また、記録動作中は、供給流路507に配された供給ポンプ504と、回収流路508に配された回収ポンプ505とを駆動することで、上述した循環経路においてインクを循環させる。本実施形態では、各供給ポンプ504の駆動と停止を共通に制御し、各回収ポンプ505はインクの色ごとに駆動と停止を制御可能な構成である。そのため、カラー画像の記録時には、供給ポンプ504と回収ポンプ505をすべて駆動して全4色のインクを循環させる。一方、モノクロ画像の記録時には、供給ポンプ504は全4色分を駆動するものの、回収ポンプ505はブラックインク分のみを駆動する。これにより、カラーインクは循環されず、ブラックインクのみが循環される。なお、供給ポンプ504と回収ポンプ505の制御構成は本形態に限定されない。カラー印刷かモノクロ印刷かに応じて、インクを選択的に循環できる構成であればよい。
図10は、コントローラユニット100における記録時の画像データ処理を示すフローチャートである。ホスト装置400から印刷ジョブが入力されると、まずステップS1001で、メインコントローラ101がプリントエンジンI/F105を介して、記録準備コマンドをプリントエンジンユニット200へ発行する。
次にステップS1002で、画像処理部108が先頭ページの画像データに対して所定の画像処理を施す。ステップS1002において、記録画像がモノクロあるいはカラーであることが確定する。
先頭ページの画像処理が完了したら、ステップS1003からステップS1005へ進み、メインコントローラ101が記録設定コマンドをプリントエンジンユニット200へ発行する。記録設定コマンドには記録画像がモノクロ、あるいはカラーであることを判別可能な情報(以下、モノクロカラー情報)を含む。その後ステップS1006で、メインコントローラ101がページ記録コマンドをプリントエンジンユニット200へ発行する。
印刷ジョブに次ページが存在する場合は、ステップS1007からステップS1002へ戻り、次ページの画像データに対して所定の画像処理を施す。その後、ステップS1004でメインコントローラ101が設定変更の有無を判別する。具体的には、記録画像がモノクロかカラーか、記録媒体Sをどのカセットから給送するかなど、記録設定コマンドでプリントエンジンユニット200へ伝える記録設定が前ページと異なるか否かを判別する。設定変更ありの場合は、ステップS1005に進み、次ページ用のモノクロカラー情報等を含む記録設定コマンドを発行する。設定変更なしの場合はステップS1006へ進む。
印刷ジョブの最終ページまでページ記録コマンドを発行したら、ステップS1008でメインコントローラ101が記録終了コマンドをプリントエンジンユニット200へ発行する。その後、本フローの処理を終了する。
図11は、プリントエンジンユニット200でコントローラユニット100からの各種コマンドを受信した際の、制御概要を示すフローチャートである。図11(a)は、記録準備コマンドを受信した際の制御概要である。プリントコントローラ202はヘッドキャリッジ制御部208に対して、記録ヘッド8を待機位置(図1)から記録位置(図3)へ移動させる指示をする(ステップS1101)。このとき、プリントコントローラ202はメンテナンス制御部210に対しても、キャップユニット10をキャップ位置(図1)から退避位置(図3)へ移動させる指示をする。
ここで、本実施形態では、記録ヘッド8とキャップユニット10のいずれもxz平面における回転移動を伴う移動が必要となる。そのため、従前の記録装置のようにキャップユニット10のみが移動する形態と比較して、記録装置1の待機状態(図1)から記録状態(図3)への移行に時間を要する。そこで、ホスト装置400から印刷ジョブが入力されると直ちに記録準備コマンドを発行して記録ヘッド8(及びキャップユニット10)の移動を開始することで、印刷ジョブの入力から先頭ページの記録動作完了までに要する時間(FPOT)を短縮する。
図11(b)は、記録設定コマンドを受信した際の制御概要である。まず、プリントコントローラ202は、ステップS1102にて記録ヘッド8が待機位置に位置するか否かを判断する。記録ヘッド8が待機位置に位置する場合は、ステップS1103へ進み、プリントコントローラ202の指示により、記録ヘッド8を記録位置へ移動させる。
ステップS1102にて、記録ヘッド8が記録位置へ移動中或いは移動済みの場合は、ステップS1104へ進む。ステップS1104では、プリントコントローラ202がインク供給制御部209に対して、記録設定コマンドに含まれるモノクロカラー情報に基づいてインク循環を開始させるよう指示する。インク供給制御部209におけるインク循環制御の詳細は、図12にて説明する。
図11(c)は、ページ記録コマンドを受信した際の制御概要である。プリントコントローラ202はステップS1105で、記録ヘッド8が記録位置への移動を完了するまで待つ。次にステップS1106で、プリントコントローラ202は、記録可能状態フラグがONか判断する。ここで記録可能状態とは、吐出口のインクがインク循環によって新たに供給されるインクに入れ替わって記録動作が開始できる状態を示し、フラグによって管理する。図12に示すインク循環制御によってインク循環が所定のフローで行われると、記録可能状態フラグがONにセットされる。記録可能状態のフラグがONであれば、ステップS1107にてプリントコントローラ202は記録ヘッド8による記録動作を開始する。
図11(d)は、記録終了コマンドを受信した際の制御概要である。プリントコントローラ202はステップS1108で、ヘッドキャリッジ制御部208に対して、記録ヘッド8を記録位置から待機位置へ移動させる指示をする。このとき、プリントコントローラ202はメンテナンス制御部210に対しても、キャップユニット10を退避位置からキャップ位置へ移動させる指示をする。そしてステップS1109にて、プリントコントローラ202は、インク供給制御部209に対してインク循環停止の指示をする。
なお、図11(d)においては、記録ヘッド8を待機位置へ移動させた後にインク循環を停止しているが、これに限らず、記録ヘッド8の移動とインク循環の停止を並行して行ってもよい。さらに、インク循環の停止をしてから記録ヘッド8の移動を行う構成であってもよい。
図12は、インク供給制御部209によるインク循環開始の制御を示すフローチャートである。この制御は、図11(b)のステップS1104におけるプリントコントローラ202の指示により開始される。ステップS1201にて記録可能状態フラグがONか否(OFF)かを判断する。記録可能状態フラグがOFFの場合は、インク循環が開始されていない、又は、記録可能状態になるまでインク循環が行われていないため、ステップS1204へ進む。
ステップS1204にて、プリントコントローラ202は、記録設定コマンドに含まれるモノクロカラー情報に基づいて、次ページがモノクロ画像か否(カラー画像)か判断する。次ページがカラー画像の場合、ステップS1205に進み、インク供給制御部209がインク循環を開始する。なお、ステップS1205におけるインク循環では全色のインクを循環させる。具体的には、供給ポンプ用モータと回収ポンプ用モータをともに正回転させることで、各色の供給ポンプ504と回収ポンプ505を全て駆動する。
また、ステップS1205における回収ポンプ505の回転速度は、記録動作時の回転速度より速い第1速度で駆動させる。これにより、記録ヘッド8の吐出口におけるインクの増粘を早期に解消することができ、記録ヘッド8からのインクの吐出を安定させることができる。
一方、次ページがモノクロ画像の場合は、ステップS1206に進み、インク供給制御部209がインク循環を開始する。なお、ステップS1206におけるインク循環では、ブラックインクのみを循環させる。具体的には、供給ポンプ用モータを正回転させ、回収ポンプ用モータを逆回転させることで、ブラックインク用の回収ポンプ505のみ駆動させる。これにより、モノクロ画像の記録動作で使用されない他の色のインクが、循環により水分が蒸発して濃縮されることが抑制される。また、このとき、ブラックインク用の回収ポンプ505の回転速度は第1速度で駆動させる。
ステップS1207では、各回収ポンプ505の駆動速度を第1速度に保ったまま、第1所定時間Pが経過するまでインク循環を継続する。第1所定時間Pは本実施形態においては固定値であり、2秒とするが、他の値であってもよい。
ステップS1208にて、回収ポンプ505の回転速度を第1速度より遅い記録動作用の第2速度に変更する。ステップS1205〜S1208が行われると、ステップS1209にて、記録可能状態フラグをONにセットする。
ステップS1201に戻り、記録可能状態フラグがONにセットされていた場合は、ステップS1202にて、プリントコントローラ202は次ページのモノクロカラー情報が前ページと同じか否か判定する。同じ場合はステップS1204に進む。
一方、次ページのモノクロカラー情報が前ページと異なる場合は、回収ポンプ用モータの回転方向を変更する必要があるため、インク供給制御部209により一度インク循環を停止させる。この時、記録可能状態フラグもOFFにする。その後、ステップS1204以降で、次ページのモノクロカラー情報に合わせてインク循環を開始させる。
図13は、記録準備経過時間Qの計測を示すフローチャートである。記録準備経過時間Qとは、プリントコントローラ202が記録準備コマンドを受信(図10のS1001)してから記録設定コマンドを受信(図10のS1105)するまでの時間に相当する。記録準備経過時間Qは、画像処理部108による画像処理時間、すなわち出力画像の解像度やページサイズに依存するものであり、1ページ毎に異なるものである。
ステップS1301にて、プリントコントローラ202が記録準備コマンドを受信すると、ステップS1302にて記録準備経過時間Qをリセットし、ステップS1303にて記録準備経過時間Qの計測を開始する。その後、ステップS1304にてプリントコントローラ202が記録設定コマンドを受信すると、ステップS1305にて記録準備経過時間Qの計測を終了する。
図14は、タイムアウトにより記録ヘッド8を待機位置へ移動させる制御を示すフローチャートである。記録準備コマンドを受信して記録ヘッド8の記録位置への移動を開始してから記録設定コマンドを受信するまでの間、キャップユニット10が退避し、且つ、インク循環が行われていない状態となっている。この状態が続くと、記録ヘッド8の吐出口から水分が蒸発し、インクの吐出不良が発生する虞がある。
このような吐出不良を防ぐため、記録準備経過時間Qがタイムアウト閾値以上となった場合、プリントコントローラ202はヘッドキャリッジ制御部208に記録ヘッド8を記録位置から待機位置へ移動させる。プリントコントローラ202は同時に、メンテナンス制御部210にキャップユニット10を退避位置からキャップ位置へ移動させる。この記録ヘッド8とキャップユニット10の移動後に記録設定コマンドを受信した場合は、図11のステップS1103において、再度記録ヘッド8の記録位置への移動が行われた後、図12に示すインク循環制御に移行する。
図14のフローチャートを用いてタイムアウトの判定方法を説明する。ステップS1401で、プリントコントローラ202は記録準備経過時間Qを計測中か否かを判定する。計測中でなければフローを終了し、計測中、すなわち、記録準備コマンドを受信した後であればステップS1402に進む。
次にステップS1402にて、プリントコントローラ202は記録ヘッド8が記録位置に移動済みか否かを判定し、移動していなければステップS1401に戻る。記録ヘッド8が記録位置に移動している場合は、ステップS1403にてプリントコントローラ202は、記録準備経過時間Qが閾値T以上か判定する。記録準備経過時間Qが閾値T未満であればステップS1401に戻る。一方、記録準備経過時間Qが閾値T以上であれば、記録ヘッド8を記録位置から待機位置へ移動させると同時に、キャップユニット10を退避位置からキャップ位置へ移動させて、記録ヘッド8の吐出口面8aをキャップする。なお、本実施形態において閾値Tは固定値であり、5秒とするが、他の値でもよい。
上述したように、印刷命令を受けるとまずキャップを開けて、次のページの印刷モードが確定してからインクの循環を行う形態において、キャップを開けてからインクの循環が行われるまでの時間が閾値以上であれば、キャップをキャップ位置に移動させる。これにより、FPOTを短縮しつつ、記録ヘッド8の吐出不良を抑制することができる。
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態について説明する。なお、記録装置1の基本的な構成は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
本発明の第2実施形態について説明する。なお、記録装置1の基本的な構成は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
第2実施形態では、図12のステップS1207における第1所定時間Pを、図13で示した記録準備経過時間Qに応じて変更する。記録準備経過時間Qが長い、すなわち記録ヘッド8の吐出口面8aが露出し、かつインク循環が実施されない状態が続く場合は、第1所定時間Pを延長する。これにより、記録ヘッド8の吐出不良をさらに解消することができる。
図15は、プリントコントローラ202が記録準備経過時間Qに応じて第1所定時間Pを決定するための表である。記録準備経過時間Qが閾値U(例えば2秒)以下の場合、第1所定時間Pは固定値R(例えば2秒)とする。また、記録準備経過時間Qが閾値Uより大きく、図14におけるタイムアウト閾値T(例えば5秒)未満の場合は、第1所定時間P=(Q−U)×α+Rとする。ここで係数αは固定値であり、例えば0.5とする。記録準備経過時間Qがタイムアウト閾値T以上の場合は、第1所定時間Pは固定値S(例えば7秒)とする。
このように記録前の循環時間に相当する第1所定時間Pを延長することにより、図14のタイムアウト閾値Tを第1実施形態より大きな値としても、吐出不良の発生をさらに抑制することができる。また、このように記録前の循環時間を延長することで、図14に示したタイムアウトによる記録ヘッド8の待機位置への移動を行わない形態としてもよい。この場合、記録準備経過時間Qが閾値Uより大きいときは、記録前循環時間PをP=(Q−U)×α+Rと設定すればよい。
〔その他の実施形態〕
上述の実施形態で示したヘッドキャリッジ制御部208、インク供給制御部209、およびメンテナンス制御部210の制御タイミングは一例に過ぎず、必ずしも印刷ジョブの入力や画像処理部108による画像処理と関連付けなくもよい。例えば、記録媒体の搬送速度に応じてインク循環の速度を変更する構成の場合は、画像処理コントローラ205により画像データを記録データへ変換してからインク供給制御部209を動作させる制御を行ってもよい。
上述の実施形態で示したヘッドキャリッジ制御部208、インク供給制御部209、およびメンテナンス制御部210の制御タイミングは一例に過ぎず、必ずしも印刷ジョブの入力や画像処理部108による画像処理と関連付けなくもよい。例えば、記録媒体の搬送速度に応じてインク循環の速度を変更する構成の場合は、画像処理コントローラ205により画像データを記録データへ変換してからインク供給制御部209を動作させる制御を行ってもよい。
上述の実施形態の記録装置1或いはホスト装置400の1以上の機能を実現するためのプログラムを、ネットワークや各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する形態であってもよい。その場合、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPUやMPU等)がプログラムを読み出して機能を実行する、或いは各種機構に実行させるようにしてもよい。また、このプログラムは、1つのコンピュータで実行されても、複数のコンピュータの連動により実行されてもよい。加えて、上述した処理の全てをソフトウェアで実現する必要はなく、処理の一部または全部をASIC等のハードウェアで実現するようにしてもよい。さらには、1つのCPUで全ての処理を行う形態に限らず、複数のCPUが適宜連携をしながら処理を行う形態としてもよいし、いずれかの処理を1つのCPUが実行し、その他の処理を複数のCPUが連携しながら処理を行う形態としても良い。
1 インクジェット記録装置
8 記録ヘッド
10 キャップユニット
151 サブタンク(インクタンク)
507 供給流路
508 回収流路
8 記録ヘッド
10 キャップユニット
151 サブタンク(インクタンク)
507 供給流路
508 回収流路
Claims (18)
- インクを吐出する吐出口が形成された吐出口面を有する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドへ供給されるインクを貯留するインクタンクと、
前記インクタンクから前記記録ヘッドへインクを供給するための供給流路と、
前記記録ヘッドから前記インクタンクへインクを回収するための回収流路と、
前記インクタンクと前記供給流路と前記記録ヘッドと前記回収流路によって形成される循環経路でインクを循環させる循環手段と、
前記吐出口面をキャップするキャップ位置と前記吐出口面から退避する退避位置とに移動可能なキャップと、を備えるインクジェット記録装置であって、
前記記録ヘッドによる記録動作を行う場合は、前記キャップの前記キャップ位置から前記退避位置への移動を開始した後、前記循環手段によりインクの循環を開始するように制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、前記記録動作を行う場合であっても、前記キャップの移動から前記インクの循環が開始されるまでの経過時間が閾値を超える場合は、前記循環手段によるインクの循環を開始する前に前記キャップを前記退避位置から前記キャップ位置へ移動させることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記制御手段は、前記経過時間の長さに応じて、前記インクの循環を開始してから前記記録動作を開始するまでの循環時間を変更することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記経過時間が所定時間より長い場合の前記循環時間は、前記経過時間が前記所定時間より短い場合の前記循環時間よりも長いことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
- インクを吐出する吐出口が形成された吐出口面を有する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドへ供給されるインクを貯留するインクタンクと、
前記インクタンクから前記記録ヘッドへインクを供給するための供給流路と、
前記記録ヘッドから前記インクタンクへインクを回収するための回収流路と、
前記インクタンクと前記供給流路と前記記録ヘッドと前記回収流路によって形成される循環経路でインクを循環させる循環手段と、
前記吐出口面をキャップするキャップ位置と前記吐出口面から退避する退避位置とに移動可能なキャップと、を備え、
前記記録ヘッドによる記録動作を行う場合は、前記キャップの前記キャップ位置から前記退避位置への移動を開始した後、前記循環手段によりインクの循環を開始するように制御するインクジェット記録装置であって、
前記キャップの移動から前記インクの循環が開始されるまでの経過時間に応じて、前記循環手段によりインクの循環を開始してから前記記録動作を開始するまでの循環時間を変更する制御手段を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記経過時間が所定時間より長い場合の前記循環時間は、前記経過時間が前記所定時間より短い場合の前記循環時間よりも長いことを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
- 記録対象となる画像データを記録データに変換する画像処理部をさらに備え、
前記画像処理部において前記画像データを受信すると、前記キャップの移動が開始され、
前記画像処理部において前記画像データがモノクロ画像かカラー画像かが決定されると、前記インクの循環が開始されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。 - 前記循環手段は、前記供給流路に配された供給ポンプと前記回収流路に配された回収ポンプを含み、
前記制御手段は、前記インクの循環が開始されてから前記記録動作が開始されるまでの間は前記回収ポンプを第1速度で回転させ、前記記録動作の間は前記第1速度より遅い第2速度で回転させることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。 - 前記記録ヘッドは、前記吐出口面に記録媒体の幅に相当する吐出口が設けられていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記キャップは、前記退避位置から前記キャップ位置に回転移動することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録ヘッドは、前記記録動作を行う記録位置と、前記キャップによりキャップされる待機位置と、に移動可能であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の記録装置。
- 前記記録ヘッドは、前記待機位置から前記待機位置に回転移動することを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録装置。
- インクを吐出する吐出口が形成された吐出口面を有する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドへ供給されるインクを貯留するインクタンクと、
前記インクタンクから前記記録ヘッドへインクを供給するための供給流路と、
前記記録ヘッドから前記インクタンクへインクを回収するための回収流路と、
前記吐出口面をキャップするキャップ位置と前記吐出口面から退避する退避位置とに移動可能なキャップと、を備えるインクジェット記録装置の制御方法であって、
前記記録ヘッドによる記録動作を行うために前記キャップを前記キャップ位置から前記退避位置へ移動する第1移動工程と、
前記第1移動工程の後に、前記インクタンクと前記供給流路と前記記録ヘッドと前記回収流路によって形成される循環経路でインクを循環させる循環工程と、
前記第1移動工程の開始から前記循環工程の開始までの経過時間が閾値を超える場合は、前記循環工程に移行する前に前記キャップを前記退避位置から前記キャップ位置へ移動する第2移動工程と、を有することを特徴とする制御方法。 - 前記経過時間の長さに応じて、前記循環工程を開始してから前記記録動作を開始するまでの循環時間を変更することを特徴とする請求項12に記載の制御方法。
- 前記経過時間が所定時間より長い場合の前記循環時間は、前記経過時間が前記所定時間より短い場合の前記循環時間よりも長いことを特徴とする請求項13に記載の制御方法。
- 記録対象となる画像データを記録データに変換する画像処理工程を有し、
前記画像処理工程において前記画像データを受信すると前記第1移動工程を開始し、
前記画像処理工程において前記画像データがモノクロ画像かカラー画像かが決定されると前記循環工程が開始されることを特徴とする請求項12から14のいずれか1項に記載の制御方法。 - インクを吐出する吐出口が形成された吐出口面を有する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドへ供給されるインクを貯留するインクタンクと、
前記インクタンクから前記記録ヘッドへインクを供給するための供給流路と、
前記記録ヘッドから前記インクタンクへインクを回収するための回収流路と、
前記吐出口面をキャップするキャップ位置と前記吐出口面から退避する退避位置とに移動可能なキャップと、を備えるインクジェット記録装置の制御方法であって、
前記記録ヘッドによる記録動作を行うために前記キャップを前記キャップ位置から前記退避位置へ移動する移動工程と、
前記移動工程の後に、前記インクタンクと前記供給流路と前記記録ヘッドと前記回収流路によって形成される循環経路でインクを循環させる循環工程と、
前記循環工程の後に前記記録ヘッドによる記録を行う記録工程と、
前記移動工程の開始から前記循環工程の開始までの経過時間に応じて、前記循環工程の開始から前記記録工程の開始までの循環時間を変更する変更工程と、を有することを特徴とする制御方法。 - 前記経過時間が所定時間より長い場合の前記循環時間は、前記経過時間が前記所定時間より短い場合の前記循環時間よりも長いことを特徴とする請求項16に記載の制御方法。
- 記録対象となる画像データを記録データに変換する画像処理工程を有し、
前記画像処理工程において前記画像データを受信すると前記移動工程を開始し、
前記画像処理工程において前記画像データがモノクロ画像かカラー画像かが決定されると前記循環工程が開始されることを特徴とする請求項16または17に記載の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018162156A JP2020032647A (ja) | 2018-08-30 | 2018-08-30 | インクジェット記録装置及びその制御方法 |
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