JP2020179576A - 記録装置、制御方法、および検知方法 - Google Patents

記録装置、制御方法、および検知方法 Download PDF

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豊 狩野
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Abstract

【課題】吐出状態を正確に検知することができる記録装置、制御方法、および検知方法を提供する。【解決手段】ノズルにおけるインクの吐出口が形成される吐出口面と、記録媒体を支持する支持手段との間隔を変更可能な変更手段が、記録手段によりユーザ画像を記録するときには前記間隔を第1の間隔とし、前記記録手段によりノズルからの吐出状態を検知するための所定のテストパターンを記録するときには、前記間隔を前記第1の間隔よりも大きい第2の間隔とするようにした。【選択図】図9

Description

本発明は、インクジェット方式により記録媒体に対してインクを付与する記録装置、記録装置の制御方法、および記録装置におけるインクの吐出状態を検知する検知方法に関する。
フルマルチ方式のインクジェット記録装置では、ノズルからのインクの吐出不良による白スジなどの画像弊害が目立ち易い。インクの吐出不良としては、例えば、インクの着弾位置の理想位置からのずれ、インクの不吐出などである。このため、こうした記録装置では、吐出不良のノズルである不良ノズルを検知し、不良ノズルに割り当てられるデータを不良ノズル近傍の正常なノズルに割り当てる。
不良ノズルの検知は、例えば、テストパターンを用いて行うことができる。具体的には、まず、記録媒体にテストパターンを記録し、記録したテストパターンを読み取る。その後、読み取ったテストパターンを解析して、記録ヘッドにおける複数のノズルから不良ノズルを検知する。特許文献1には、テストパターンを読み取る読取センサとテストパターンが記録された記録媒体との距離の変動、および装置の振動などによって生じる、読み取り画像における規則的な歪みを補正して、不良ノズルを検知する技術が開示されている。
特許第5283685号公報
しかしながら、特許文献1には、読み取り画像において、画像の歪みと、不良ノズルによるインクの着弾位置のずれとを区別する技術が開示されていない。また、特許文献1の技術では、微小な着弾位置のずれを検知する場合、不良ノズルと判定するために閾値を小さく設定しなければならい。この場合、特許文献1の技術では、着弾位置のずれと画像の歪みとが区別できなくなり、ノズルの吐出状態を正確に検知することができなくなる虞がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ノズルの吐出状態を正確に検知することができる記録装置、制御方法、および検知方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、記録媒体を支持する支持手段と、インクを吐出する複数のノズルを備え、前記支持手段により支持された記録媒体に対して前記複数のノズルからインクを吐出することにより画像を記録する記録手段と、記録媒体へ記録可能な記録位置にある前記記録手段における前記複数のノズルのインクの吐出口が形成された吐出口面と、前記支持手段との間隔を複数種類の中から設定可能な設定手段と、を備える記録装置であって、前記設定手段は、テストパターンではないユーザ画像を記録するときには、前記間隔を第1の間隔に設定し、前記複数のノズルからのインクの吐出状態を検知するための所定のテストパターンを記録するときには、前記間隔を前記第1の間隔よりも大きい第2の間隔に設定することを特徴とする。
本発明によれば、ノズルの吐出状態を正確に検知することができるようになる。
記録装置が待機状態にあるときの図である。 記録装置の制御構成図である。 記録装置が記録状態にあるときの図である。 第1カセットから給送された記録媒体の搬送経路図である。 第2カセットから給送された記録媒体の搬送経路図である。 記録媒体の裏面に記録動作を行う場合の搬送経路図である。 記録装置がメンテナンス状態にあるときの図である。 メンテナンスユニットの構成を示す斜視図である。 記録位置にある記録ヘッド近傍の構成図である。 ガイド部材およびスペーサ部材の斜視図である。 記録ヘッドが待機位置から記録位置に移行する際の各部材の位置関係を示す図である。 キャップユニットとレバーとの位置関係を示す図である。 印刷処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。 検知処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。 テストパターンの一例を説明する図である。 テストパターンの変形例を説明する図である。 記録ギャップと着弾位置との関係を説明する図である。 記録ギャップを変更したときの、読み取り画像と理想位置からの誤差量とを示す図である。 記録ギャップと理想位置からの誤差量との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、実施形態に記載されている構成要素の相対配置、形状などは、あくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本実施形態で使用するインクジェット記録装置1(以下、記録装置1)の内部構成図である。図において、x方向は水平方向、y方向(紙面垂直方向)は後述する記録ヘッド8において吐出口が配列される方向、z方向は鉛直方向をそれぞれ示す。
記録装置1は、プリント部2とスキャナ部3を備える複合機であり、記録動作と読取動作に関する様々な処理を、プリント部2とスキャナ部3で個別にあるいは連動して実行することができる。スキャナ部3は、ADF(オートドキュメントフィーダ)とFBS(フラットベッドスキャナ)を備えており、ADFによって自動給紙される原稿の読み取りと、ユーザによってFBSの原稿台に置かれた原稿の読み取り(スキャン)を行うことができる。図1は、記録装置1が記録動作も読取動作も行っていない待機状態にあるときを示す。
プリント部2において、筐体4の鉛直方向下方の底部には、記録媒体(カットシート)Sを収容するための第1カセット5Aと第2カセット5Bが着脱可能に設置されている。第1カセット5AにはA4サイズまでの比較的小さな記録媒体が、第2カセット5BにはA3サイズまでの比較的大きな記録媒体が、平積みに収容されている。第1カセット5A近傍には、収容されている記録媒体を1枚ずつ分離して給送するための第1給送ユニット6Aが設けられている。同様に、第2カセット5B近傍には、第2給送ユニット6Bが設けられている。記録動作が行われる際にはいずれか一方のカセットから選択的に記録媒体Sが給送される。
搬送ローラ7、排出ローラ12、ピンチローラ7a、拍車7b、ガイド18、インナーガイド19およびフラッパ11は、記録媒体Sを所定の方向に導くための搬送機構である。搬送ローラ7は、記録ヘッド8の上流側および下流側に配され、不図示の搬送モータによって駆動される駆動ローラである。ピンチローラ7aは、搬送ローラ7と共に記録媒体Sをニップして回転する従動ローラである。排出ローラ12は、搬送ローラ7の下流側に配され、不図示の搬送モータによって駆動される駆動ローラである。拍車7bは、記録ヘッド8の下流側に配される搬送ローラ7及び排出ローラ12と共に記録媒体Sを挟持して搬送する。
ガイド18は、記録媒体Sの搬送経路に設けられ、記録媒体Sを所定の方向に案内する。インナーガイド19は、y方向に延在する部材で湾曲した側面を有し、当該側面に沿って記録媒体Sを案内する。フラッパ11は、両面記録動作の際に、記録媒体Sが搬送される方向を切り替えるための部材である。排出トレイ13は、記録動作が完了し排出ローラ12によって排出された記録媒体Sを積載保持するためのトレイである。
本実施形態の記録ヘッド8は、フルラインタイプのカラーインクジェット記録ヘッドであり、記録データに従ってインクを吐出する吐出口が、図1におけるy方向に沿って記録媒体Sの幅に相当する分だけ複数配列されている。即ち、記録ヘッド8は、複数色のインクを吐出可能に構成されている。吐出口には、インクを供給するためのインク流路が連通されており、インク流路内には、吐出口からインクを吐出するためのエネルギーを発生させる吐出エネルギー発生素子が配されている。以下の説明では、吐出口、インク流路および吐出エネルギー発生素子を含む構成を、「ノズル」と適宜に称する。
記録ヘッド8が待機位置にあるとき、記録ヘッド8の吐出口面8aは、図1のように鉛直下方を向きキャップユニット10によってキャップされている。記録動作を行う際は、後述するプリントコントローラ202によって、吐出口面8aがプラテン9と対向するように記録ヘッド8の向きが変更される。プラテン9は、y方向(記録媒体Sの幅方向)に延在する平板によって構成され、記録ヘッド8によって記録動作が行われる記録媒体Sを背面から支持する。即ち、本実施形態では、プラテン9は、搬送される記録媒体Sを支持する支持部として機能している。記録ヘッド8の待機位置から記録位置への移動については、後に詳しく説明する。
インクタンクユニット14は、記録ヘッド8へ供給される4色のインクをそれぞれ貯留する。インク供給ユニット15は、インクタンクユニット14と記録ヘッド8を接続する流路の途中に設けられ、記録ヘッド8内のインクの圧力及び流量を適切な範囲に調整する。本実施形態では循環型のインク供給系を採用しており、インク供給ユニット15は記録ヘッド8へ供給されるインクの圧力と記録ヘッド8から回収されるインクの流量を適切な範囲に調整する。
メンテナンスユニット16は、キャップユニット10とワイピングユニット17を備え、所定のタイミングにこれらを作動させて、記録ヘッド8に対するメンテナンス動作を行う。メンテナンス動作については後に詳しく説明する。
図2は、記録装置1における制御構成を示すブロック図である。制御構成は、主にプリント部2を統括するプリントエンジンユニット200と、スキャナ部3を統括するスキャナエンジンユニット300と、記録装置1全体を統括するコントローラユニット100によって構成されている。プリントコントローラ202は、コントローラユニット100のメインコントローラ101の指示に従ってプリントエンジンユニット200の各種機構を制御する。スキャナエンジンユニット300の各種機構は、コントローラユニット100のメインコントローラ101によって制御される。以下に制御構成の詳細について説明する。
コントローラユニット100において、CPUにより構成されるメインコントローラ101は、ROM107に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM106をワークエリアとしながら記録装置1全体を制御する。例えば、ホストI/F102またはワイヤレスI/F103を介してホスト装置400から印刷ジョブが入力されると、メインコントローラ101の指示に従って、画像処理部108が受信した画像データに対して所定の画像処理を施す。そして、メインコントローラ101はプリントエンジンI/F105を介して、画像処理を施した画像データをプリントエンジンユニット200へ送信する。
なお、記録装置1は無線通信や有線通信を介してホスト装置400から画像データを取得しても良いし、記録装置1に接続された外部記憶装置(USBメモリ等)から画像データを取得しても良い。無線通信や有線通信に利用される通信方式は限定されない。例えば、無線通信に利用される通信方式として、Wi−Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)やBluetooth(登録商標)が適用可能である。また、有線通信に利用される通信方式としては、USB(Universal Serial Bus)等が適用可能である。また、例えば、ホスト装置400から読取コマンドが入力されると、メインコントローラ101は、スキャナエンジンI/F109を介してこのコマンドをスキャナ部3に送信する。
操作パネル104は、ユーザが記録装置1に対して入出力を行うための機構である。ユーザは、操作パネル104を介してコピーやスキャン等の動作を指示したり、印刷モードを設定したり、記録装置1の情報を認識したりすることができる。
プリントエンジンユニット200において、CPUにより構成されるプリントコントローラ202は、ROM203に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM204をワークエリアとしながら、プリント部2が備える各種機構を制御する。コントローラI/F201を介して各種コマンドや画像データが受信されると、プリントコントローラ202は、これを一旦RAM204に保存する。記録ヘッド8が記録動作に利用できるように、プリントコントローラ202は画像処理コントローラ205に、保存した画像データを記録データへ変換させる。記録データが生成されると、プリントコントローラ202は、ヘッドI/F206を介して記録ヘッド8に記録データに基づく記録動作を実行させる。この際、プリントコントローラ202は、搬送制御部207を介して図1に示す給送ユニット6A、6B、搬送ローラ7、排出ローラ12、フラッパ11を駆動して、記録媒体Sを搬送する。プリントコントローラ202の指示に従って、記録媒体Sの搬送動作に連動して記録ヘッド8による記録動作が実行され、印刷処理が行われる。
ヘッドホルダ制御部208は、記録装置1のメンテナンス状態や記録状態といった動作状態に応じて記録ヘッド8の向きや位置を変更する。具体的には、ヘッドホルダ制御部208は、駆動モータとギアとを含む移動機構(不図示)を用いて、記録ヘッド8を搭載したヘッドホルダ20の向きや位置を変更する。以下の説明では、記録ヘッド8を搭載したヘッドホルダ20を記録ヘッドユニット50と称する。本実施形態では、記録ヘッドユニット50が、記録媒体に対して記録可能な記録部として機能している。
インク供給制御部209は、記録ヘッド8へ供給されるインクの圧力が適切な範囲に収まるように、インク供給ユニット15を制御する。メンテナンス制御部210は、記録ヘッド8に対するメンテナンス動作を行う際に、メンテナンスユニット16におけるキャップユニット10やワイピングユニット17の動作を制御する。具体的には、駆動モータとギアとを含む移動機構(不図示)を用いてキャップユニット10を移動させたり、駆動モータとベルトとを含む移動機構(不図示)を用いてワイピングユニット17を駆動させたりする。以上説明した搬送制御部207、ヘッドホルダ制御部208、インク供給制御部209、およびメンテナンス制御部210は、全て個別の駆動源(駆動モータ)を用いてそれぞれの機構を制御している。
スキャナエンジンユニット300においては、メインコントローラ101が、ROM107に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM106をワークエリアとしながら、スキャナコントローラ302のハードウェアリソースを制御する。これにより、スキャナ部3が備える各種機構は制御される。例えば、コントローラI/F301を介してメインコントローラ101がスキャナコントローラ302内のハードウェアリソースを制御することにより、ユーザによってADFに搭載された原稿を、搬送制御部304を介して搬送し、センサ305によって読み取る。そして、スキャナコントローラ302は読み取った画像データをRAM303に保存する。保存された画像データは、コントローラI/Fを介してコントローラユニット100に出力される。コントローラユニット100では、メインコントローラ101において、入力された画像データを用いて各種処理を行うこととなる。具体的には、例えば、後述する検知処理では、テストパターンを読み取ったテストパターンの画像データがコントローラユニット100に出力される。そして、コントローラユニット100では、メインコントローラ101において、テストパターンの画像データに基づいて、各ノズルからのインクの着弾位置の理想位置からのずれ量(誤差量)を取得し、不良ノズルを検知することとなる。なお、プリントコントローラ202は、上述のように取得された画像データを記録データに変換することで、記録ヘッド8に、スキャナコントローラ302で読み取った画像データに基づく記録動作を実行させることが可能である。
図3は、記録装置1が記録状態にあるときを示す。図1に示した待機状態と比較すると、キャップユニット10が記録ヘッド8の吐出口面8aから離間し、吐出口面8aがプラテン9と対向している。本実施形態において、プラテン9の平面は水平方向に対して約45度傾いており、記録位置における記録ヘッド8の吐出口面8aも、プラテン9との距離が一定に維持されるように水平方向に対して約45度傾いている。
記録ヘッド8を図1に示す待機位置から図3に示す記録位置に移動する際、プリントコントローラ202は、メンテナンス制御部210を用いて、キャップユニット10を回動させ図3に示す退避位置まで降下させる。これにより、記録ヘッド8の吐出口面8aは、キャップ部材10aと離間する。一方、プリントコントローラ202は、ヘッドホルダ制御部208を用いて記録ヘッド8の鉛直方向の高さを調整しながら45度回転させ、吐出口面8aをプラテン9と対向させる。記録動作が完了し、記録ヘッド8が記録位置から待機位置に移動する際は、プリントコントローラ202によって上記と逆の工程が行われる。待機位置から記録位置への動作、つまり、記録準備動作については、後に詳しく説明する。
次に、プリント部2における記録媒体Sの搬送経路について説明する。記録コマンドが入力されると、プリントコントローラ202は、まず、メンテナンス制御部210およびヘッドホルダ制御部208を用いて、記録ヘッド8を図3に示す記録位置に移動する。その後、プリントコントローラ202は搬送制御部207を用い、記録コマンドに従って第1給送ユニット6Aおよび第2給送ユニット6Bのいずれかを駆動し、記録媒体Sを給送する。
図4(a)〜(c)は、第1カセット5Aに収容されているA4サイズの記録媒体Sが給送されるときの搬送経路を示す図である。第1カセット5A内の1番上に積載された記録媒体Sは、第1給送ユニット6Aによって2枚目以降の記録媒体から分離され、搬送ローラ7とピンチローラ7aにニップされながら、プラテン9と記録ヘッド8の間の記録領域Pに向けて搬送される。図4(a)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pに到達する直前の搬送状態を示す。記録媒体Sの進行方向は、第1給送ユニット6Aに給送されて記録領域Pに到達する間に、水平方向(x方向)から、水平方向に対して約45度傾いた方向に変更される。
記録領域Pでは、記録ヘッド8に設けられた複数の吐出口から記録媒体Sに向けてインクが吐出される。インクが付与される領域の記録媒体Sは、プラテン9によってその背面が支持されており、吐出口面8aと記録媒体Sの距離が一定に保たれている。インクが付与された後の記録媒体Sは、搬送ローラ7と拍車7bに案内されながら、先端が右に傾いているフラッパ11の左側を通り、ガイド18に沿って記録装置1の鉛直方向上方へ搬送される。図4(b)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pを通過して鉛直方向上方に搬送される状態を示す。記録媒体Sの進行方向は、水平方向に対し約45度傾いた記録領域Pの位置から、搬送ローラ7と拍車7bによって鉛直方向上方に変更されている。
記録媒体Sは、鉛直方向上方に搬送された後、排出ローラ12と拍車7bによって排出トレイ13に排出される。図4(c)は、記録媒体Sの先端が排出ローラ12を通過して排出トレイ13に排出される状態を示す。排出された記録媒体Sは、記録ヘッド8によって画像が記録された面を下にした状態で、排出トレイ13上に保持される。
図5(a)〜(c)は、第2カセット5Bに収容されているA3サイズの記録媒体Sが給送されるときの搬送経路を示す図である。第2カセット5B内の1番上に積載された記録媒体Sは、第2給送ユニット6Bによって2枚目以降の記録媒体から分離され、搬送ローラ7とピンチローラ7aにニップされながら、プラテン9と記録ヘッド8の間の記録領域Pに向けて搬送される。
図5(a)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pに到達する直前の搬送状態を示す。第2給送ユニット6Bに給送されて記録領域Pに到達するまでの搬送経路には、複数の搬送ローラ7とピンチローラ7aおよびインナーガイド19が配されることで、記録媒体SはS字上に湾曲されてプラテン9まで搬送される。
その後の搬送経路は、図4(b)および(c)で示したA4サイズの記録媒体Sの場合と同様である。図5(b)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pを通過して鉛直方向上方に搬送される状態を示す。図5(c)は、記録媒体Sの先端が排出ローラ12を通過して排出トレイ13に排出される状態を示す。
図6(a)〜(d)は、A4サイズの記録媒体Sの裏面(第2面)に対して記録動作(両面記録)を行う場合の搬送経路を示す。両面記録を行う場合、第1面(表面)を記録した後に第2面(裏面)に記録動作を行う。第1面を記録する際の搬送工程は図4(a)〜(c)と同様であるので、ここでは説明を省略する。以後、図4(c)以後の搬送工程について説明する。
記録ヘッド8による第1面への記録動作が完了し、記録媒体Sの後端がフラッパ11を通過すると、プリントコントローラ202は、搬送ローラ7を逆回転させて記録媒体Sを記録装置1の内部へ搬送する。この際、フラッパ11は、不図示のアクチュエータによってその先端が左側に傾くように制御されるため、記録媒体Sの先端(第1面の記録動作における後端)はフラッパ11の右側を通過して鉛直方向下方へ搬送される。図6(a)は、記録媒体Sの先端(第1面の記録動作における後端)が、フラッパ11の右側を通過する状態を示す。
その後、記録媒体Sは、インナーガイド19の湾曲した外周面に沿って搬送され、再び記録ヘッド8とプラテン9の間の記録領域Pに搬送される。この際、記録ヘッド8の吐出口面8aに、記録媒体Sの第2面が対向する。図6(b)は、第2面の記録動作のために、記録媒体Sの先端が記録領域Pに到達する直前の搬送状態を示す。
その後の搬送経路は、図4(b)および(c)で示した第1面記録の場合と同様である。図6(c)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pを通過して鉛直方向上方に搬送される状態を示す。この際、フラッパ11は、不図示のアクチュエータにより先端が右側に傾いた位置に移動するように制御される。図6(d)は、記録媒体Sの先端が排出ローラ12を通過して排出トレイ13に排出される状態を示す。
次に、記録ヘッド8に対するメンテナンス動作について説明する。図1でも説明したように、本実施形態のメンテナンスユニット16は、キャップユニット10とワイピングユニット17とを備え、所定のタイミングにこれらを作動させてメンテナンス動作を行う。
図7は、記録装置1がメンテナンス状態のときの図である。記録ヘッド8を図1に示す待機位置から図7に示すメンテナンス位置に移動する際、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向において上方に移動させるとともにキャップユニット10を鉛直方向下方に移動させる。そして、プリントコントローラ202は、ワイピングユニット17を退避位置から図7における右方向に移動させる。その後、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向下方に移動させメンテナンス動作が可能なメンテナンス位置に移動させる。
一方、記録ヘッド8を図3に示す記録位置から図7に示すメンテナンス位置に移動する際、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を45度回転させつつ鉛直方向上方に移動させる。そして、プリントコントローラ202は、ワイピングユニット17を退避位置から右方向に移動させる。その後、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向下方に移動させて、メンテナンスユニット16によるメンテナンス動作が可能なメンテナンス位置に移動させる。
図8(a)はメンテナンスユニット16が待機ポジションにある状態を示す斜視図であり、図8(b)はメンテナンスユニット16がメンテナンスポジションにある状態を示す斜視図である。図8(a)は図1に対応し、図8(b)は図7に対応している。記録ヘッド8が待機位置にあるとき、メンテナンスユニット16は図8(a)に示す待機ポジションにあり、キャップユニット10は鉛直方向上方に移動しており、ワイピングユニット17はメンテナンスユニット16の内部に収納されている。キャップユニット10はy方向に延在する箱形のキャップ部材10aを有し、これを記録ヘッド8の吐出口面8aに密着させることにより、吐出口からのインクの蒸発を抑制することができる。また、キャップユニット10は、キャップ部材10aに予備吐出等で吐出されたインクを回収し、回収したインクを不図示の吸引ポンプに吸引させる機能も備えている。
一方、図8(b)に示すメンテナンスポジションにおいて、キャップユニット10は鉛直方向下方に移動しており、ワイピングユニット17がメンテナンスユニット16から引き出されている。ワイピングユニット17は、ブレードワイパユニット171とバキュームワイパユニット172の2つのワイパユニットを備えている。
ブレードワイパユニット171には、吐出口面8aをx方向に沿ってワイピングするためのブレードワイパ171aが吐出口の配列領域に相当する長さだけy方向に配されている。ブレードワイパユニット171を用いてワイピング動作を行う際、ワイピングユニット17は、記録ヘッド8がブレードワイパ171aに当接可能な高さに位置決めされた状態で、ブレードワイパユニット171をx方向に移動する。この移動により、吐出口面8aに付着するインクなどはブレードワイパ171aに拭き取られる。
ブレードワイパ171aが収納される際のメンテナンスユニット16の入り口には、ブレードワイパ171aに付着したインクを除去するとともにブレードワイパ171aにウェット液を付与するためのウェットワイパクリーナ16aが配されている。ブレードワイパ171aは、メンテナンスユニット16に収納される度にウェットワイパクリーナ16aによって付着物が除去されウェット液が塗布される。そして、次に吐出口面8aをワイピングしたときにウェット液を吐出口面8aに転写し、吐出口面8aとブレードワイパ171a間の滑り性を向上させている。
一方、バキュームワイパユニット172は、y方向に延在する開口部を有する平板172aと、開口部内をy方向に移動可能なキャリッジ172bと、キャリッジ172bに搭載されたバキュームワイパ172cとを有する。バキュームワイパ172cは、キャリッジ172bの移動に伴って吐出口面8aをy方向にワイピング可能に配されている。バキュームワイパ172cの先端には、不図示の吸引ポンプに接続された吸引口が形成されている。このため、吸引ポンプを作動させながらキャリッジ172bをy方向に移動すると、記録ヘッド8の吐出口面8aに付着したインク等は、バキュームワイパ172cによって拭き寄せられながら吸引口に吸い込まれる。この際、平板172aと開口部の両端に設けられた位置決めピン172dは、バキュームワイパ172cに対する吐出口面8aの位置合わせに利用される。
本実施形態では、ブレードワイパユニット171によるワイピング動作を行いバキュームワイパユニット172によるワイピング動作を行わない第1のワイピング処理と、両方のワイピング処理を順番に行う第2のワイピング処理を実施することができる。第1のワイピング処理を行う際、プリントコントローラ202は、まず、記録ヘッド8を図7のメンテナンス位置よりも鉛直方向上方に退避させた状態で、ワイピングユニット17をメンテナンスユニット16から引き出す。そして、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8をブレードワイパ171aに当接可能な位置まで鉛直方向下方に移動させた後、ワイピングユニット17をメンテナンスユニット16内へ移動させる。この移動により、吐出口面8aに付着するインク等はブレードワイパ171aに拭き取られる。すなわち、ブレードワイパ171aは、メンテナンスユニット16から引き出された位置からメンテナンスユニット16内へ移動する際に吐出口面8aをワイピングする。
ブレードワイパユニット171が収納されると、プリントコントローラ202は、次にキャップユニット10を鉛直方向上方に移動させ、キャップ部材10aを記録ヘッド8の吐出口面8aに密着させる。そして、プリントコントローラ202は、その状態で記録ヘッド8を駆動して予備吐出を行わせ、キャップ部材10a内に回収されたインクを吸引ポンプによって吸引する。
一方、第2のワイピング処理を行う際、プリントコントローラ202は、まず、記録ヘッド8を図7のメンテナンス位置よりも鉛直方向上方に退避させた状態で、ワイピングユニット17をメンテナンスユニット16からスライドさせて引き出す。そして、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8をブレードワイパ171aに当接可能な位置まで鉛直方向下方に移動させた後、ワイピングユニット17をメンテナンスユニット16内へ移動させる。これにより、ブレードワイパ171aによるワイピング動作が吐出口面8aに対して行われる。次に、プリントコントローラ202は、再び記録ヘッド8を図7のメンテナンス位置よりも鉛直方向上方に退避させた状態で、ワイピングユニット17をメンテナンスユニット16からスライドさせて所定位置まで引き出す。続いて、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を図7に示すワイピング位置に下降させながら、平板172aと位置決めピン172dを用いて吐出口面8aとバキュームワイパユニット172の位置決めを行う。その後、プリントコントローラ202は、上述したバキュームワイパユニット172によるワイピング動作を実行する。プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向上方に退避させ、ワイピングユニット17を収納した後、第1のワイピング処理と同様に、キャップユニット10によるキャップ部材内への予備吐出と回収したインクの吸引動作を行う。
以下、本実施形態における構成および動作について詳細に説明する。
図9は、記録装置1が図3に示した記録状態のときの記録ヘッド8近傍の拡大図である。図10は、ガイド部材21およびスペーサ部材22の拡大図である。なお、図9では、図3において省略したヘッドホルダ20、ガイド部材21およびキャップ駆動ギア10bなどの構成も示されている。
記録ヘッド8は、箱型のヘッドホルダ20に装着され記録ヘッドユニット50を構成している。記録ヘッドユニット50は、ヘッドホルダ20の平行移動と回転移動に伴って記録ヘッド8の向きや位置を変更する。ここで、プラテン9のy方向(図9の奥行き方向)の両側には、後述するスペーサ部材22をガイドするガイド部材21が配されている。また、ガイド部材21には、記録位置にある記録ヘッド8の吐出口面8aとプラテン9との間隔を調整可能なスペーサ部材22が配されている。さらに、ガイド部材21の近傍には、キャップユニット10と、キャップユニット10をキャップ位置と退避位置との間で移動させるための移動機構におけるキャップ駆動ギア10bとが配されている。なお、キャップ位置とは、キャップ部材10aにより記録ヘッド8の吐出口面8aを保護可能な位置である(図1参照)。本実施形態では、キャップユニット10が吐出口面8aを保護する保護部として機能している。退避位置とは、キャップ部材10aを吐出口面8aから離間し、キャップユニット10が他の構成部材の動作の妨げとならない位置である。
ガイド部材21は、スペーサ部材22を支持する支持面21aを有している。支持面21aは、平滑に形成されており、ガイド部材21は、支持面21aが水平面(xy平面)に対して約45度傾斜するように装置内に固定されている。
スペーサ部材22は、支持面21aにおいて、矢印I方向および矢印II方向にスライド可能に配されている。スペーサ部材22の下端部22bは、レバー10c(後述する)により押圧可能な構成となっており、レバー10cの押圧量(押し上げ量)によってスペーサ部材22の矢印I方向へのスライド量が変化する。なお、スペーサ部材22は、レバー10cにより押圧されないときには、矢印II方向にスライドして初期位置で停止する構成となっている。
また、スペーサ部材22には、記録ヘッド8が記録位置に位置するときに、ヘッドホルダ20に設けられた凸部20a(図11(c)参照)が当接する当接部22aが形成されている。本実施形態では、当接部22aは、スペーサ部材22の移動方向に沿って2つ形成されている。当接部22aは、矢印II方向に向かって段階的に深くなるように窪んだ形状となっており、凸部20aが当接する当接面Fが異なる深さで形成されている。本実施形態では、当接部22aは、3段階の深さで窪んだ形状となっており、最も浅い当接面F1と、最も深い当接面F3と、当接面F1と当接面F3との間の深さの当接面F2とを備えている。
従って、スペーサ部材22の矢印I方向のスライド量によって、凸部20aは、当接部22aの異なる深さに位置する当接面Fに当接することが可能となる。これにより、ヘッドホルダ20が保持する記録ヘッド8の吐出口面8aと、プラテン9との間隔が変更可能となる。具体的には、当接面F1は最も浅い位置に形成されているので、凸部20aが当接面F1と当接するとき、記録位置に位置する記録ヘッド8の吐出口面8aとプラテン9との間隔が最も大きくなる。当接面F3は最も深い位置に形成されているので、凸部20aが当接面F3と当接するとき、当該間隔が最も小さくなる。当接面F2は当接面F1と当接面F3との間の深さとなっているので、凸部20aが当接面F2と当接するとき、当該間隔は、凸部20aが当接面F1に当接するときと、凸部20aが当接面F3に当接するときとの中間となる。本実施形態では、ガイド部材21およびスペーサ部材22が、吐出口面8aとプラテン9との間隔を複数種類の中から設定可能な設定部として機能している。
キャップ駆動ギア10bは、メンテナンス制御部210の制御によって、不図示の駆動モータによって軸10dを中心に回動する。キャップ駆動ギア10bの回動に伴い、キャップユニット10は装置内で、キャップ位置(保護位置)と退避位置との間を移動する。キャップユニット10の移動量は、キャップ駆動ギア10bの回動量に応じて決まる。
キャップ駆動ギア10bには、キャップ駆動ギア10bと一体的に回動するレバー10cが取り付けられている。従って、レバー10cは、キャップユニット10とともに回動する構成となっている。記録ヘッド8を図9のような記録位置に移動させたときには、キャップユニット10は記録ヘッド8から離間した退避位置にある。キャップユニット10が退避位置にあるときに、レバー10cはガイド部材21上に配されたスペーサ部材22を押圧して所定量(後述する第2の距離)だけ矢印I方向にスライドさせる。本実施形態では、レバー10cが、スペーサ部材22を押圧してスライドさせる押圧部として機能している。
(記録準備動作)
図11(a)〜(c)は、記録装置1が待機状態から記録状態に移行する記録準備動作の際の、キャップユニット10、スペーサ部材22およびヘッドホルダ20の位置関係を説明するための図である。図11(a)は、キャップユニット10が記録ヘッド8から離間した状態を示す図である。図11(b)は、図11(a)の状態からさらにヘッドホルダ20を移動および回動して記録ヘッド8を記録位置まで移動した状態を示す図である。図11(c)は、図11(b)に示す状態を、背面側(y方向下流側)から見た図である。なお、理解を容易にするために、図11(a)(b)では、記録ヘッド8を省略して示しており、また、図11(c)では、キャップユニット10およびキャップ駆動ギア10bを省略して示している。
キャップ駆動ギア10b、レバー10c、ガイド部材21およびスペーサ部材22は、ヘッドホルダ20に対してy方向の両側に対称的に配されている。ヘッドホルダ20が図11(a)から図11(b)に示す状態に移行する、つまり、記録ヘッド8が待機位置から記録位置へ移動する際には、凸部20aがスペーサ部材22上を通過する。そして、記録ヘッド8が記録位置に位置したときには、凸部20aはそれぞれ対応するスペーサ部材22の当接部22aに当接する。
本実施形態において、スペーサ部材22のスライド量を決めるレバー10cの位置は、キャップユニット10の回動位置に応じて変化する。図12は、キャップ駆動ギア10bの回動に伴うキャップユニット10とレバー10cとの位置関係を説明する図である。図12(a)は、−y方向から見た側面図であり、図12(b)は斜視図である。キャップ駆動ギア10bが軸10dを中心に回動するときに、キャップユニット10もキャップ部材10aのキャップ面を鉛直上方(+z方向)に向けたまま、軸10dを中心に回動する。図12では、キャップユニット10が回動経路において位置することができる第1位置、第2位置および第3位置を示している。
記録準備動作では、記録ヘッド8を記録位置に移動する際に、キャップ位置(第1位置)にあるキャップユニット10を第2位置または第3位置に位置させて記録ヘッド8の吐出口面8aとプラテン9との間隔を決定することとなる。以下、第1位置、第2位置および第3位置について詳細に説明する。
第1位置は、待機位置にある記録ヘッド8に対して、キャップユニット10により吐出口面8aを保護(キャッピング)するキャップ位置である。キャップユニット10がこの第1位値に位置するときには、レバー10cは、スペーサ部材22と接触しない位置に位置している。なお、キャップユニット10がキャップ位置にあるときには、記録ヘッド8は待機位置に位置している。
第2位置は、キャップユニット10が記録ヘッド8から離間した位置であって、キャップ位置と退避位置との間に位置する。キャップユニット10が第2位置に位置するときには、キャップユニット10は記録ヘッド8から離間され、レバー10cは、スペーサ部材22と接触して、スペーサ部材22を第1の距離だけ初期位置から押し上げる。つまり、キャップユニット10を第2位値に位置させることで、スペーサ部材22をレバー10cにより初期位置から矢印I方向に第1の距離だけスライドさせることができる。そして、キャップユニット10を第2位置に移動するとともに、記録ヘッド8を記録位置に移動すると、凸部20aが当接部22aの当接面F2に当接する。このときの吐出口面8aとプラテン9との間隔は、キャップユニット10が後述する第3位置に位置するときよりも大きくなる。
第3位置は、キャップユニット10が他の構成部材の動作の妨げとならない退避位置である。キャップユニット10が第3位置に位置するときには、キャップユニット10は記録ヘッド8から離間され、レバー10cは、スペーサ部材22と接触して、スペーサ部材22を第1の距離よりも大きい第2の距離だけ初期位置から押し上げる。つまり、キャップユニット10を第3の位置に位置させることで、スペーサ部材22をレバー10cにより初期位置から矢印I方向に第2の距離だけスライドさせることができる。そして、キャップユニット10を第3位置に移動するとともに、記録ヘッド8を記録位置に移動すると、凸部20aが当接部22aの当接面F3に当接する。このときの吐出口面8aとプラテン9との間隔は、キャップユニット10が第2位置に位置するときよりも小さくなる。このように、本実施形態では、レバー10cは、キャップユニット10の位置、つまり、キャップユニット10の第1位置からの回動量に応じて押圧量が変化し、これによりスペーサ部材22のスライド量が変化している。
記録装置1では、例えば、標準紙に対して記録するときには、キャップユニット10を第3位置に位置させ、標準紙よりも厚い厚紙やコックリングが生じ易い標準紙に対して記録するときには、キャップユニット10を第2位置に位置させるようにしてもよい。キャップユニット10を第2位置にして記録ギャップを大きくすることで、記録媒体の吐出口面8aへの接触を抑制することができるようになる。また、キャップユニット10を第3位置にして記録ギャップを小さくすることで、搬送される記録媒体に対して記録位置ずれの少ない高品位な画像を記録することができるようになる。
(印刷処理および検知処理)
記録装置1では、記録ヘッド8に配された複数のノズルの吐出状態の検知、つまり、不良ノズルを検知する際には、ユーザ画像を記録する通常の記録時よりも、吐出口面8aとプラテン9との間隔、つまり、記録キャップを大きくしてテストパターンを記録する。以下、ユーザが入力したユーザ画像を記録する際の印刷処理と、予め記憶されたテストパターンを記録して不良ノズルを検知する検知処理とについて、図13、14を参照しながら詳細に説明する。なお、図13、14のそれぞれのフローチャートで示される一連の処理は、例えば、プリントコントローラ202によりROM203に格納されたプログラムをRAM402に展開して実行される。なお、図14では、一部の処理がスキャナコントローラ302により実行される。各フローチャートにおけるステップの一部または全部の機能をASICや電子回路などのハードウェアで実行してもよい。
図13は、ユーザ画像を記録する際の印刷処理の処理内容を示すフローチャートである。印刷処理は、ホスト装置400や操作パネル104を介して、ユーザ画像の記録の開始が指示されると、コントローラユニット100の指示に基づいて開始される。印刷処理が開始されると、まず、プリントコントローラ202が、コントローラユニット100から出力される、ユーザ画像を記録するための印刷ジョブを受信する(S1302)。印刷ジョブには、記録する画像データ、記録速度、記録媒体Sのサイズ、記録媒体Sの種類、記録枚数などの情報が含まれる。
次に、プリントコントローラ202が、設定されている不良ノズルに関する情報を取得し(S1304)、正常なノズルへデータを割り当てるとともに、不良ノズルのデータを近傍の正常なノズルに割り当てて記録データを生成する(S1306)。なお、不良ノズルに関する情報とは、記録ヘッド8においてインクの着弾位置が閾値よりも理想位置からずれているノズルやインクを吐出しないノズルを不良ノズルとして特定することが可能な情報である。不良ノズルに関する情報は、例えば、プリントエンジンユニット200に設けられる記憶部(不図示)に記憶されている。不良ノズルに関する情報は、後述する検知処理において設定される。また、S1306では、印刷ジョブの画像データに基づいて、例えば、吐出、不吐出を定めるデータを割り当てて記録データを生成する。このとき、不良ノズルに割り当てられるべきデータついては、近傍の正常なノズルに割り当てる。即ち、記録データにおいて不良ノズルからインクが吐出される場合には、当該不良ノズルの近傍の正常なノズルからインクを吐出するように記録データを補正する。これにより、不良ノズルによる白スジなどの画像弊害を低減することができる。
その後、プリントコントローラ202が、記録ヘッド8を記録位置に位置させ、吐出口面8aとプラテン9との間隔を第1の間隔とする(S1308)。即ち、S1308では、キャップユニット10をキャップ位置、つまり、第1の位置から第3の位置まで移動させ、記録ヘッド8を待機位置から記録位置に移動させる。これにより、レバー10cがスペーサ部材22を押圧し、スペーサ部材22を初期位置から第2の距離だけスライドさせる。このため、凸部20aは当接部22aの当接面F3に当接する。従って、吐出口面8aとプラテン9との間隔は最も小さくなる。
次に、プリントコントローラ202が、記録ヘッド8の温度を取得する(S1310)。記録ヘッド8には、記録ヘッド8の温度を検出する温度検出手段(不図示)が設けられており、プリントコントローラ202は、温度検出手段により記録ヘッド8の温度を取得する。そして、プリントコントローラ202は、取得した記録ヘッド8の温度に基づいて、PWM(pulse width modulation)番号を決定する(S1312)。S1312では、例えば、記録ヘッド8の温度とPWM番号とが対応付けられたテーブルを参照して、RWM番号を決定する。
その後、記録媒体Sの搬送を開始し、搬送される記録媒体Sに対して、決定したPWM番号に対応するパルス幅で、S1306で生成した記録データに基づき、吐出エネルギー発生素子を駆動して記録を行う(S1314)。PWM番号にはパルス幅が対応付けられている。具体的には、上記テーブルでは、記録ヘッド8の温度が高いほど、パルス幅が小さくなるように、記録ヘッド8の温度に対してPWM番号が対応付けられている。
ここで、本実施形態では、各ノズルにおける吐出エネルギー発生素子には、インクを吐出する際には、プレパルスとメインパルスとから構成されるダブルパルスが印加される。即ち、各ノズルでは、プレパルスにより吐出エネルギー発生素子近傍のインクを加熱して発泡現象を生じ易くし、メインパルスによりインクを発泡させて吐出口からインクを吐出する。従って、S1310、S1312の処理に基づいて決定される記録ヘッド8の温度に基づくパルス幅は、プレパルスのパルス幅となる。
そして、プリントコントローラ202が、全てのページの記録が終了したか否かを判断し(S1316)、記録が終了していないと判断されると、S1310に戻り、以降の処理を行う。また、S1316において記録が終了したと判断されると、印刷処理を終了する。なお、記録が終了したか否かの判断については、例えば、印刷ジョブで設定された記録枚数だけ記録媒体Sへの記録が行われたか否かを判断する。
図14は、テストパターンを記録して不良ノズルを検知する検知処理の処理内容を示すフローチャートである。検知処理は、ホスト装置400や操作パネル104を介して、不良ノズルの検知の開始が指示されると、コントローラユニット100の指示に基づいて開始される。検知処理が開始されると、まず、プリントコントローラ202が、コントローラユニット100から出力される、テストパターンを記録するための印刷ジョブを受信する(S1402)。テストパターンを記録する印刷ジョブには、記録するテストパターンのテストパターンデータ、記録速度などの情報が含まれる。なお、テストパターンの記録では、本実施形態においては標準紙が用いられるものとする。
次に、プリントコントローラ202が、不良ノズルに関する情報を初期化し(S1404)、全てのノズルに対してデータを割り当てて記録データを生成する(S1406)。検知処理では、全てのノズルの吐出状態を判断するため、S1406では、テストパターンデータに基づいて、これまでの吐出状態によらず全てのノズルにデータを割り当てる。
その後、プリントコントローラ202が、記録ヘッド8を記録位置に位置させ、吐出口面8aとプラテン9との間隔を、第1の間隔よりも大きい第2の間隔とする(S1408)。即ち、S1408では、キャップユニット10をキャップ位置、つまり、第1位置から第2位置まで移動させ、記録ヘッド8を待機位置から記録位置に移動させる。これにより、レバー10cがスペーサ部材22を押圧し、スペーサ部材22を初期位置から、第2の距離よりも短い第1の距離だけスライドさせる。このため、凸部20aは当接部22aの当接面F2に当接する。従って、検知処理では、吐出口面8aとプラテン9との間隔は、印刷処理のときよりも広くなっている。即ち、本実施形態では、プリントコントローラ202が、テストパターンを記録する際の吐出口面8aとプラテン9との間隔を、ユーザ画像を記録する際よりも広くするように制御する制御部として機能している。
そして、記録ヘッド8の温度を取得し(S1410)、取得した温度に基づいてPWM番号を決定する(S1412)。S1410、S1412の具体的な処理内容は、上記S1310、S1312の同じであるため、その詳細な説明は省略する。次に、記録媒体Sの搬送を開始し、搬送される記録媒体Sに対して、決定したPWM番号に対応するパルス幅で、S1406で生成した記録データに基づいて、吐出エネルギー発生素子を駆動して記録を行う(S1414)。記録するテストパターンについては、詳細は後述するが、各ノズルで連続吐出した直線の繰り返しパターンが含まれ、インクの着弾位置が取得できるパターンである。また、テストパターンは、例えば、各ノズルの位置を特定するためのアライメントマークを含むようにしてもよく、理想位置を取得できるパターンである。
次に、スキャナ部3が、記録媒体Sに記録されたテストパターンを読み取る読み取り処理を行う(S1416)。即ち、S1416では、メインコントローラ101が、排出トレイ13に排出され、テストパターンが記録された記録媒体Sを、スキャナ部3で読み取るようにユーザに促す。そして、ユーザの操作によって、スキャナコントローラ302が、スキャナ部3にセットされた記録媒体Sからテストパターンを読み取る。スキャナコントローラ302は、読み取ったテストパターンの画像データをコントローラユニット100に出力する。
その後、コントローラユニット100では、テストパターンの画像データに基づいて、テストパターンの解析を行う(S1418)。即ち、S1418では、メインコントローラ101が、テストパターンの画像データに基づいて、各ノズルに対応するパターン(後述するラインパターン)の有無および当該パターンの理想位置からの誤差量を取得する。本実施形態では、スキャナ部3とスキャナエンジンユニット300とが、記録媒体Sに記録されたテストパターンを読み取った読み取り情報を取得する取得部として機能している。
こうして、テストパターンの解析が終了すると、次に、メインコントローラ101において、不良ノズルに関する情報を生成し(S1420)、検知処理を終了する。即ち、S1420では、取得した誤差量が閾値以上のノズルおよびパターンが無いノズルについて、不良ノズルと判定し、当該ノズルを不良ノズルと特定する、不良ノズルに関する情報を生成する。閾値としては、例えば、127μm(600dpiで3画素)に設定するが、スキャナ部3のセンサ305の解像度や着弾したインクのドット径などに応じて適宜に設定される。なお、生成した不良ノズルに関する情報は、プリントエンジンユニット200に出力され、例えば、記憶部(不図示)に記憶される。本実施形態では、メインコントローラ101が、テストパターンの画像データから、各ノズルにおけるインクの吐出状態を検知する検知部として機能している。
(テストパターン)
次に、テストパターンの具体例について説明する。図15(a)は、記録ヘッド8の吐出口面8aにおけるノズルの配置を示す図であり、図15(b)は、図15(a)の各ノズルに対応する直線状のパターンで構成されるテストパターンの一例を示す図である。なお、図15では、理解を容易にするために、ノズル数は24とし、パターンの繰り返し周期は8としている。図16(a)は、記録ヘッド8の吐出口面8aにおけるノズルの配置を示す図であり、図16(b)は、図16(a)の各ノズル対応する直線状のパターンで構成されるテストパターンの変形例を示す図である。
テストパターンは、吐出口面8aに配された各ノズル8bのそれぞれについて、搬送方向に所定長さで延在するラインパターンLpが形成されている。図15(b)では、隣接するノズルにより形成されるラインパターン同士が、搬送方向に上記所定長さだけずれて形成され、8つのラインパターンより構成されるパターン群Saが、ノズルの配列方向に3つ並んで形成されている。
なお、図15(b)では、隣接するノズルにより形成されるラインパターンLp同士が、搬送方向にラインパターンLpの長さ分だけずらすようにしたが、テストパターンはこれに限定されるものではない。即ち、図16(b)のように、隣接するノズルにより形成されるラインパターン同士が、搬送方向に所定長さだけ間隔を空けて形成するようにしてもよい。図16(b)のテストパターンを用いることにより、インクの着弾位置が搬送方向にずれた場合でも、誤差量を正確に取得することができる。
(効果)
次に、本実施形態に係る構成による作用効果について説明する。図17は、吐出口面8aとプラテン9との間隔と、プラテン9に支持される記録媒体Sにおける着弾位置のずれとの関係を説明する図である。図17(a)は、吐出口面8aとプラテン9との間隔Gが第1の間隔g1としたときの、ノズル8bから記録媒体Sまでのインクの軌跡を矢印で示した図である。図17(b)は、吐出口面8aとプラテン9との間隔Gを第2の間隔g2としたときの、ノズル8bから記録媒体Sまでのインクの軌跡を矢印で示した図である。
正常なノズル8b−1に着目すると、間隔Gの大きさによらず、吐出されたインクは理想位置IPに着弾する。しかしながら、インクの着弾位置にずれが生じている不良ノズル8b−2に着目すると、間隔Gが、第1の間隔g1のときよりも、第1の間隔g1よりも大きい第2の間隔g2のときに、より理想位置から離れた位置に着弾する。具体的には、間隔Gが第1の間隔g1のとき、理想位置IPから長さL1だけ離れた位置IP´に着弾し、間隔Gが第2の間隔g2(g2>g1)のとき、理想位置IPから長さL2(L2>L1)だけ離れた位置IP´´に着弾する。
本実施形態では、ユーザ画像を記録する印刷処理の際(通常の記録の際)には、記録位置にある記録ヘッド8の吐出口面8aとプラテン9との間隔Gを第1の間隔g1に設定した。一方、テストパターンを記録する検知処理の際には、記録位置にある記録ヘッド8の吐出口面8aとプラテン9との間隔Gを第2の間隔g2に設定した。このように、本実施形態では、不良ノズルの検知を行う際には、間隔Gを大きくした。これにより、不良ノズルを検知するためのテストパターンを記録する際には、不良ノズルによるインクの理想位置からの着弾位置のずれが大きくなり、当該ずれを明確に検知することができるようになる。
図18は、所定の不良ノズルについて、吐出口面8aとプラテン9との間隔Gを変えたときの、テストパターンの読み取り画像と、当該画像を解析して算出した理想位置からの誤差量とを示す図である。
吐出口面8aとプラテン9との間隔Gを、印刷処理を行う際の第1の間隔g1と同じ1.8mmとすると、テストパターンの読み取り画像(画像データ)から取得した誤差量は、63μmとなる。また、間隔Gを、第1の間隔g1よりも大きく、かつ、第2の間隔g2よりも小さい第3の間隔g3である、2.8mmとすると、テストパターンの読み取り画像から取得した誤差量は、109μmとなる。これらの場合、閾値を127μmに設定すると、理想位置からずれたラインパターンに対応するノズルを不良ノズルと判定することができない。しかしながら、吐出口面8aとプラテン9との間隔Gが大きくなると、誤差量が大きくなっている。一方、間隔Gを、第1の間隔g1および第3の間隔g3よりも大きい第2の間隔g2である4.8mmとすると、テストパターンの読み取り画像から取得した誤差量は、195μmとなる。この場合、閾値を127μmに設定しても、理想位置からずれたラインパターンに対応するノズルを不良ノズルと判定することができる。
本実施形態では、このように、テストパターンを記録する際には、吐出口面8aとプラテン9との間隔G(g2)を、ユーザ画像を記録する際の間隔G(g1)よりも大きくするようにした。これにより、インクの着弾位置のずれが大きくなるので、微小な着弾位置のずれを検知する場合にも、閾値を変更することなく検知することができるようになる。
例えば、特許文献1では、不良ノズルを判定するための閾値は、画像の歪みを除外できる大きさに設定されている。こうした特許文献1に対して本実施形態の技術を適用し、不良ノズルを検知する際に、通常の記録時よりも、吐出口面8aとプラテン9との間隔Gを広げてテストパターンを記録する。これにより、閾値を小さく設定したときと同様に、画像の歪みと判断されるような着弾位置のずれについても不良ノズルとして検知することができるようになる。
なお、閾値に対する、吐出口面8aとプラテン9との間隔Gについては、次のようにして取得することができる。即ち、吐出口面8aとプラテン9との間隔Gの異なる3点において記録したテストパターンを読み取り、テストパターンの読み取り画像から誤差量を取得する。横軸を吐出口面8aとプラテン9との間隔G、縦軸を誤差量とし、この3点のプロットに基づいて近似式を取得する。取得した近似式を用いて、閾値に対して、不良ノズルを検知することが可能な間隔Gを取得することができる。
図19は、図18の3つの条件における間隔Gと誤差量との関係をプロットした図である。この場合、ユーザ画像を記録する際の間隔Gが1.8mmで、誤差量が63mm以上となる不良ノズルを検知するには、設定された閾値が127μmのときには、テストパターンを記録する際の間隔Gは3.2mm以上となる。また、読み取り処理の誤差範囲、つまり、画像の歪みと判断される範囲が、例えば、100μm未満であるとすると、テストパターンを記録する際の間隔Gは、おおよそ2.6mm以上となる。なお、間隔Gの上限については、例えば、正常なノズルから吐出されたインクの着弾位置がほぼ理想位置に着弾することが可能な値となる。こうした値は、例えば、実験的に求めて設定される。
(他の実施形態)
なお、上記実施形態は、以下の(1)乃至(5)に示すように変形するようにしてもよい。
(1)上記実施形態では、記録装置1を、読み取り機能を備えたマルチファンクションプリンタとし、記録媒体Sに記録されたテストパターンをスキャナ部3で読み取るようにしたが、これに限定されるものではない。即ち、記録装置1を、記録機能のみを備えたシングルファンクションプリンタに、外付けのスキャナを接続して構成するようにしてもよい。あるいは、記録媒体Sの搬送経路に、記録媒体Sに記録されたテストパターンを読み取るスキャナが配される構成としてもよい。また、上記実施形態では、記録装置1において、読み取ったテストパターンの画像データに基づいて、不良ノズルを検知するようにしたが、これに限定されるものではない。即ち、別体で記録装置1に取り付けられたコンピュータなどにおいて、読み取ったテストパターンの画像データに基づいて不良ノズルを検知するようにしてもよい。また、記録データを生成および補正する処理を、別体で設けられたコンピュータに実行させるようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、当接部22aを3段階の異なる深さを備える形状としたが、これに限定されるものではない。当接部22aは、2段階、あるいは、4段階以上の異なる深さを備える形状としてもよい。また、上記実施形態では特に説明しなかったが、テストパターンを用いた検知処理では、インクの着弾位置のずれとともに、ノズルからのインクの不吐、吐出するインク量などの吐出状態を検知する検知処理としてもよい。さらに、上記実施形態では、プリントコントローラ202において、印刷処理および検知処理を実行するようにしたが、メインコントローラ101による制御によって、印刷処理および検知処理を実行するようにしてもよい。
(3)上記実施形態では、キャップユニット10の軸10dを中心とする回動に応じて、レバー10cによりスペーサ部材22をスライドさせて、吐出口面8aとプラテン9との間隔を変更するようにしたが、これに限定されるものではない。即ち、吐出口面8aとプラテン9との間隔を変更することが可能な構成であれば、当該間隔を変更する機構については、どのような構成であってもよい。また、こうした機構については、記録ヘッドユニット50およびプラテン9の少なくともどちらに備えるようにすればよい。
(4)上記実施形態では、記録装置1を、記録媒体の全幅に対応した範囲に亘ってインクを吐出するノズルを配列した記録ヘッドを用いて、記録媒体を搬送しながら記録する、所謂、フルラインタイプの記録装置としたが、これに限定されるものではない。即ち、記録装置1を、記録ヘッドの主走査方向の移動と、主走査方向と交差する副走査方向における記録媒体の搬送と、を交互に繰り返しながら記録する、所謂、シリアルスキャンタイプの記録装置としてもよい。
(5)上記実施形態および上記した(1)乃至(4)に示す各種の形態は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
1 記録装置
8a 吐出口面
9 プラテン
22 スペーサ部材
50 記録ヘッドユニット
202 プリントコントローラ

Claims (14)

  1. 記録媒体を支持する支持手段と、
    インクを吐出する複数のノズルを備え、前記支持手段により支持された記録媒体に対して前記複数のノズルからインクを吐出することにより画像を記録する記録手段と、
    記録媒体へ記録可能な記録位置にある前記記録手段における前記複数のノズルのインクの吐出口が形成された吐出口面と、前記支持手段との間隔を複数種類の中から設定可能な設定手段と、
    を備える記録装置であって、
    前記設定手段は、
    テストパターンではないユーザ画像を記録するときには、前記間隔を第1の間隔に設定し、
    前記複数のノズルからのインクの吐出状態を検知するための所定のテストパターンを記録するときには、前記間隔を前記第1の間隔よりも大きい第2の間隔に設定する
    ことを特徴とする記録装置。
  2. 記録媒体に記録された前記所定のテストパターンを読み取った読み取り情報を取得する取得手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記取得手段により取得された読み取り情報に基づいて、前記複数のノズルからのインクの吐出状態を検知する検知手段をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記検知手段は、前記所定のテストパターンにおけるインクの着弾位置と理想位置とのずれが閾値を超えているノズルを検知することを特徴とする請求項3に記録装置。
  5. 前記設定手段による設定に応じて、前記記録手段と前記支持手段との間でスライドすることにより前記間隔を変更可能なスペーサをさらに有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の記録装置。
  6. 前記スペーサは、
    前記記録手段に設けられた凸部が当接する位置に、段階的に窪んで形成され、異なる深さの複数の当接面を備えた当接部が形成され、
    スライドすることで前記凸部が当接する前記当接面を変更して、前記間隔を変更する
    ことを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  7. 記録媒体への画像の記録を行わずに待機する待機位置にある前記記録手段の前記吐出口面を保護するとともに、前記吐出口面を保護する保護位置と前記吐出口面から離間して退避する退避位置との間を移動可能な保護手段と、
    前記スペーサを押圧して前記スペーサをスライドさせる押圧手段と、をさらに有し、
    前記押圧手段は、前記保護位置と前記退避位置との間における前記保護手段の位置に応じて、前記スペーサへの押圧量を設定する
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の記録装置。
  8. 前記保護手段は、回動して前記保護位置と前記退避位置との間を移動可能であって、
    前記押圧手段は、前記保護手段の回動量に応じて前記押圧量を設定する
    ことを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
  9. 前記間隔は、前記保護手段が退避位置にあるときに最も小さくなることを特徴とする請求項7または8に記載の記録装置。
  10. 前記所定のテストパターンは、前記複数のノズルそれぞれについて、記録媒体の搬送方向に所定長さだけ延在するラインパターンを、前記搬送方向にずらして形成されることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の記録装置。
  11. 前記ラインパターンは、隣接する前記ラインパターンに対して、所定長さだけずれて形成されることを特徴とする請求項10に記載の記録装置。
  12. 前記ラインパターンは、隣接する前記ラインパターンに対して、所定長さだけ間隔を空けて形成されることを特徴とする請求項10に記載の記録装置。
  13. 記録媒体を支持する支持手段と、
    インクを吐出する複数のノズルを備え、前記支持手段により支持された記録媒体に対して前記複数のノズルからインクを吐出することにより画像を記録する記録手段と、
    を備える記録装置の制御方法であって、
    前記複数のノズルからのインクの吐出状態を検知するための所定のテストパターンを記録するときの、前記支持手段と、記録媒体へ記録可能な記録位置にある前記記録手段における前記複数のノズルのインクの吐出口が形成された吐出口面と、の間隔が、テストパターンでないユーザ画像を記録するときの前記間隔よりも大きくなるように、前記記録装置を制御することを特徴とする制御方法。
  14. 記録手段によって複数のノズルからインクを吐出して記録された所定のテストパターンを読み取り、読み取った情報に基づいて、前記複数のノズルからのインクの吐出状態を検知する検知方法であって、
    前記所定のテストパターンを記録する際に、前記複数のノズルのインクの吐出口が形成された吐出口面と、記録媒体を支持する支持手段との間隔を、テストパターンではないユーザ画像を記録するときよりも大きくする工程を有することを特徴とする検知方法。
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