JP2008012908A - メンテナンスシート及び液体噴射装置 - Google Patents

メンテナンスシート及び液体噴射装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008012908A
JP2008012908A JP2007111651A JP2007111651A JP2008012908A JP 2008012908 A JP2008012908 A JP 2008012908A JP 2007111651 A JP2007111651 A JP 2007111651A JP 2007111651 A JP2007111651 A JP 2007111651A JP 2008012908 A JP2008012908 A JP 2008012908A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
recording head
nozzle forming
maintenance sheet
maintenance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007111651A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4900020B2 (ja
Inventor
Kunihiko Matsuhashi
邦彦 松橋
Nobuhito Takahashi
宣仁 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2007111651A priority Critical patent/JP4900020B2/ja
Priority to US11/758,517 priority patent/US7857418B2/en
Publication of JP2008012908A publication Critical patent/JP2008012908A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4900020B2 publication Critical patent/JP4900020B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】液体噴射ヘッドにおける複数種類のメンテナンスを効率良く実行することができるメンテナンスシート及び該メンテナンスシートを使用して液体噴射ヘッドのメンテナンスを容易になし得る液体噴射装置を提供する。
【解決手段】メンテナンスシート16は、対向位置において記録ヘッドのノズル形成面を払拭可能なワイパ部54と、対向面50aとノズル形成面とを相対的に接近させた場合に、ノズル形成面に当接することによりノズル形成面との間に密封空間を形成し、その当接状態において内部容積が可変とされた第1キャップ部53と備える。また、メンテナンスシート16は、第1キャップ部53の内外間を連通するための排出用孔61と、第1キャップ部53の内部容積の減少に伴い開弁動作する一方、第1キャップ部53の内部容積の増大に伴い閉弁動作する常閉弁62とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、メンテナンスシート及び液体噴射装置に関する。
一般に、ターゲットとしての記録用紙に対する印刷を高速に行うためのインクジェット式プリンタ(液体噴射装置)として、フルラインタイプのインクジェット式プリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)が提案されている。この種のプリンタにおいては、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッドのノズルからインク溶媒が蒸発することによるインク粘度の上昇や固化、塵埃の付着、さらには気泡の混入等によりノズルに目詰まりが生じてしまうおそれがある。また、記録ヘッドのノズルから吐出されたインクが記録用紙等からの跳ね返りによりノズル形成面のノズル開口付近に付着して固化し、ノズルからのインク吐出方向のずれやノズルの目詰まりを招くというおそれもあった。そのため、こうしたプリンタでは、その記録ヘッドのノズルの目詰まりを抑制するためのメンテナンスとして、ノズル形成面をキャップ部材により封止するキャッピングやノズル形成面をワイパ部材により払拭する払拭(「ワイピング」ともいう。)を適宜に実行するようにしている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
すなわち、特許文献1に記載のプリンタでは、記録ヘッドのノズル形成面を封止可能なキャッピングシート(以下、「第1従来メンテナンスシート」という。)を用い、この第1従来メンテナンスシートをシート搬送機構により記録ヘッドのノズル形成面を封止不能な非メンテナンス位置から封止可能なメンテナンス位置まで搬送するようにしている。そして、このメンテナンス位置まで搬送された第1従来メンテナンスシートを上方に押し上げることにより、該第1従来メンテナンスシートを記録ヘッドのノズル形成面に押し付けるようにしている。したがって、この構成によれば、記録ヘッドを印刷位置から非印刷領域に向けて移動させることなくノズル形成面をキャップ部材により封止するキャッピング動作が可能となっていた。
また、特許文献2に記載のプリンタでは、記録ヘッドのノズル形成面を払拭することが可能なワイピングシート(以下、「第2従来メンテナンスシート」という。)を用いて払拭を行うようにしている。すなわち、この第2従来メンテナンスシートには、多数の細毛からなるワイパ部が形成されている。そして、この第2従来メンテナンスシート及び記録ヘッドのうち少なくとも一方を、ワイパ部の先端と記録ヘッドのノズル形成面との摺接状態を維持した状態ですれ違い方向へ相対移動させることにより、記録ヘッドのノズル形成面に付着したインクや塵埃等の付着物を払拭するようにしている。
特開2005−53119号公報 特開2002−192737号公報
ところで、特許文献1に記載のプリンタで用いられる第1従来メンテナンスシートは、記録ヘッドのノズル形成面を封止する機能は有しているものの、他のメンテナンス機能(ノズル形成面を払拭する機能など)は有していない。一方、特許文献2に記載のプリンタで用いられる第2従来メンテナンスシートは、記録ヘッドのノズル形成面を払拭する機能は有しているものの、他のメンテナンス機能(ノズル形成面をキャッピングする機能など)は有していない。したがって、特許文献1及び特許文献2に記載の各プリンタにおいて、複数種類のメンテナンス(例えば、キャッピングと払拭)を実行しようとする場合には、各プリンタにおいて第1従来メンテナンスシート及び第2従来メンテナンスシートの双方を用い、必要に応じて使い分けすればよい。
しかしながら、この場合、記録ヘッドのノズル形成面を封止する場合には第1従来メンテナンスシートを上記メンテナンス位置に搬送する一方で、ノズル形成面の払拭を行う場合には第2従来メンテナンスシートをメンテナンス位置に搬送する必要がある。すなわち、必要に応じて各種メンテナンスシートの何れか一方を選択して搬送するという煩雑な制御を行う必要があり、各種メンテナンスを連続して行う際には、その制御が煩雑となり、各種メンテナンスを効率良く実行できないという問題があった。
また、上記各従来メンテナンスシートでは、記録ヘッドのノズル内からインクを吸引する所謂クリーニングを実行可能とする構成を設けていない。そのため、たとえプリンタに上記各従来メンテナンスシートをそれぞれ搭載させても、記録ヘッドのクリーニングを行なうためには、吸引ポンプ等を備えてなるクリーニング装置を各従来メンテナンスシートとは別途設けなければならないという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体噴射ヘッドにおける複数種類のメンテナンスを効率良く実行することができるメンテナンスシート及び該メンテナンスシートを使用して液体噴射ヘッドのメンテナンスを容易になし得る液体噴射装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のメンテナンスシートは、液体噴射装置に設けられた液体噴射ヘッドのノズル形成面に対する対向面を備えたメンテナンスシートであって、前記対向面が前記ノズル形成面に対向する対向位置において、前記対向面と前記ノズル形成面とを該ノズル形成面と平行な方向に相対移動させた場合に該ノズル形成面を払拭するワイパ部と、前記対向位置において前記対向面と前記ノズル形成面とを相対的に接近させた場合に、該ノズル形成面に当接することにより該ノズル形成面との間に密封空間を形成し、その当接状態において内部容積が可変とされたキャップ部と、該キャップ部の内外間を連通するように貫通形成された連通孔と、該連通孔を開閉する弁とを備え、該弁は、前記キャップ部の内部容積の減少に伴い開弁動作する一方、前記キャップ部の内部容積の増大に伴い閉弁動作するように構成された。
この構成によれば、メンテナンスシートには、液体噴射ヘッドのノズル形成面を払拭するためのワイパ部と、液体噴射ヘッドのクリーニングを行うためのキャップ部とが設けられている。そのため、従来のメンテナンスシートとは異なり、実行しようとするメンテナンスの種類に応じて、メンテナンスシートを使い分ける必要がない。したがって、一枚のメンテナンスシートで、液体噴射ヘッドにおける複数種類のメンテナンスを効率良く実行することができる。
本発明のメンテナンスシートにおいて、前記キャップ部及びワイパ部は、前記対向面上において前記メンテナンスシートの搬送方向となる所定方向へ互いに隣り合うように配置されている。
この構成によれば、キャップ部によって液体噴射ヘッドのクリーニングが実行された後、メンテナンスシートを搬送方向に搬送する際に、ワイパ部の先端を液体噴射ヘッドのノズル形成面に摺接させることにより、該ノズル形成面の払拭が行われる。すなわち、液体噴射ヘッドのクリーニングとノズル形成面の払拭とを連続して速やかに行うことが可能になる。
本発明のメンテナンスシートにおいて、前記ワイパ部は、前記対向面からの突出高さが、前記キャップ部の内部容積が最も大きくなった場合における該キャップ部の前記対向面からの突出高さよりも高くなるように形成されている。
もし仮に、ワイパ部の対向面からの突出高さが、キャップ部の内部容積が最も大きくなった場合における該キャップ部の対向面からの突出高さよりも低かった場合には、液体噴射ヘッドのクリーニングに続いてノズル形成面の払拭を行おうとすると、液体噴射ヘッド及びメンテナンスシートのうち少なくとも一方を、ノズル形成面と対向面とを相対的に接近させる方向に移動させてからノズル形成面の払拭を行うことになる。しかし、本発明によれば、キャップ部を使用した液体噴射ヘッドのクリーニングが終了した後に、液体噴射ヘッド及びメンテナンスシートのうち少なくとも一方を、ノズル形成面と対向面とを相対的に接近させる方向に移動させることなく、メンテナンスシートを搬送方向に搬送する際に、ノズル形成面の払拭が行われる。したがって、液体噴射ヘッドのクリーニングとノズル形成面の払拭とを連続して効率良く行うことが可能になる。
本発明のメンテナンスシートにおいて、前記対向面上における縁部には、前記キャップ部及び前記ワイパ部を包囲するように凸部が形成されており、前記ワイパ部は、前記対向面からの突出高さが前記凸部の前記対向面からの突出高さよりも低くなるように形成されている。
この構成によれば、複数枚のメンテナンスシートを積層状態で収容する際には、一枚のメンテナンスシートは、その凸部が他のメンテナンスシートに当接することになる。そのため、積層状態での収容時などにおいて、ワイパ部が他のメンテナンスシートなどに不用意に当接してしまうことが抑制される結果、ワイパ部が破損してしまうことが抑制される。
本発明のメンテナンスシートは、前記対向位置において前記対向面上に前記液体噴射ヘッドの液体噴射ノズルから廃液として噴射された液体を受容する液体受容部を更に備えた。
この構成によれば、フラッシングにより液体噴射ヘッドから廃液として噴射された液体を、液体受容部にて受容することが可能になる。
本発明のメンテナンスシートにおいて、前記液体受容部は、前記対向位置において前記液体噴射ヘッドの液体噴射ノズルから廃液として噴射された液体を受容する際に、前記液体噴射ヘッドのノズル形成面との間隔が、前記液体噴射ヘッドの液体噴射ノズルから噴射された液体がミスト状になることを抑制可能な間隔となるように形成されている。
この構成によれば、フラッシング時に液体噴射ヘッドから廃液として噴射された液体は、ミスト状になって飛散する前に液体受容部内に受容される。すなわち、液体受容部は、フラッシング時に液体噴射ヘッドから廃液として噴射された液体を確実に受容することが可能になる。
本発明のメンテナンスシートにおいて、前記液体受容部は、前記対向面上において前記メンテナンスシートの搬送方向となる所定方向へ前記ワイパ部から見て前記キャップ部が設けられた側とは反対側で前記ワイパ部と隣り合うように配置されている。
この構成によれば、液体受容部は、キャップ部及びワイパ部とメンテナンスシートの搬送方向に沿うようにメンテナンスシート上に配置されている。すなわち、対向位置において、メンテナンスシートを一方向(上記搬送方向)に移動させることにより、液体噴射ヘッドの直下位置に、キャップ部を配置したり、ワイパ部を配置したり、液体受容部を配置したりすることが可能になる。また、液体受容部が、キャップ部とワイパ部との間に配置されていないため、液体噴射ヘッドのクリーニングとノズル形成面の払拭とを連続して速やかに行う際に、液体受容部が妨げになることが抑制される。
本発明のメンテナンスシートは、前記キャップ部とは異なる別キャップ部を更に備え、該別キャップ部は、前記対向位置において前記対向面と前記ノズル形成面とを相対的に接近させた場合に、該ノズル形成面に当接することにより該ノズル形成面との間に密封空間を形成するように構成されている。
この構成によれば、メンテナンスシートに別キャップ部がキャップ部とは別に設けられている。そのため、液体噴射ヘッドのクリーニングを行う必要がなく、ノズル形成面のキャッピングのみを実行したい場合には、別キャップ部によってノズル形成面をキャッピングすることができる。その一方、液体噴射ヘッドのクリーニングを行う場合には、キャップ部が使用されることになる。すなわち、必要に応じてキャップ部と別キャップ部とを使い分けることができるため、キャップ部しか設けられていない場合とは異なり、メンテナンスシート(特にキャップ部)の劣化が抑制される。
本発明の液体噴射装置は、液体噴射ノズルからターゲットに液体を噴射する液体噴射ヘッドと、上記記載のメンテナンスシートを、前記対向面が前記液体噴射ヘッドのノズル形成面と非対向状態となる非対向位置から前記対向位置に搬送するためのシート搬送機構と、該シート搬送機構によって前記対向位置に搬送された状態にある前記メンテナンスシート及び前記液体噴射ヘッドの少なくとも一方を、前記対向面と前記ノズル形成面とが接離する方向に相対移動させる相対移動機構と、該相対移動機構及び前記シート搬送機構の駆動内容を制御する制御手段とを備えた。
この構成によれば、シート搬送機構と相対移動機構とを備えた液体噴射装置においてワイパ部とキャップ部とを備えたメンテナンスシートを使用することにより、液体噴射ヘッドにおける複数種類のメンテナンス、すなわち払拭とクリーニングの双方を単一のメンテナンスシートで容易に実行することができる。また、例えば吸引ポンプを有するクリーニング機構を設ける必要がないため、液体噴射装置自体の大型化を抑制できる。
本発明の液体噴射装置において、前記制御手段は、前記対向位置において前記液体噴射ヘッドのノズル形成面に当接した状態にある前記メンテナンスシートの前記キャップ部内に前記液体噴射ノズルから液体を吸引させる場合、前記キャップ部の内部容積が減少した後に該キャップ部の内部容積が増大するように、前記相対移動機構を制御する。
この構成によれば、キャップ部を液体噴射ヘッドのノズル形成面に当接させた状態を維持しつつメンテナンスシートの対向面とノズル形成面とが接離する方向へ相対移動するように相対移動機構が駆動することにより、液体噴射ヘッドのクリーニングが実行される。したがって、メンテナンスシートを使用して液体噴射ヘッドのクリーニングを容易に実行することができる。
本発明の液体噴射装置は、前記キャップ部と前記ノズル形成面とが当接することにより前記キャップ部内に密封空間が形成された場合において該キャップ部内の密封状態を解消させるための密封状態解消機構を更に備え、前記制御手段は、前記対向位置において前記液体噴射ヘッドのノズル形成面に当接した状態にある前記メンテナンスシートの前記キャップ部を前記ノズル形成面から離間させる場合、前記キャップ部の内部容積が減少するように前記相対移動機構を制御した後に、前記密封状態解消機構を制御することにより前記キャップ部内の密封状態を解消させ、その後に、前記メンテナンスシートの前記対向面と前記液体噴射ヘッドの前記ノズル形成面とを相対的に離間させるように前記相対移動機構を制御する。
この構成によれば、キャップ部と液体噴射ヘッドのノズル形成面とが当接することによりキャップ部内に密封空間が形成されている場合には、キャップ部内の密封状態を密封状態解消機構によって解消させ、その後、相対移動機構によってメンテナンスシートの対向面と液体噴射ヘッドのノズル形成面とを相対的に離間させる。そのため、メンテナンスシートの対向面と液体噴射ヘッドのノズル形成面とを相対的に離間させる際には、キャップ部内の密封状態が解消されているため、キャップ部による吸引作用が不用意に液体噴射ヘッドに作用してしまうことが抑制される。すなわち、液体噴射ヘッドのクリーニングが不用意に実行されることが抑制される。
本発明の液体噴射装置において、前記シート搬送機構は、複数の搬送ローラと、該搬送ローラ間に掛装される複数のベルトとを備え、該各ベルトは、前記対向位置に搬送された前記メンテナンスシートの前記連通孔の非形成部位と当接するようにそれぞれ配置されている。
この構成によれば、メンテナンスシートが対向位置に配置された場合、該メンテナンスシートにおいて連通孔が形成された部位は、各ベルトに当接していない。そのため、弁が開弁動作したことに起因して、キャップ部内から連通孔を介して該キャップ部外に液体が排出された際に、該液体が各ベルトに付着してしまうことが抑制される。
本発明の液体噴射装置において、前記液体噴射ヘッドには、前記液体噴射ノズルが前記ターゲットの搬送方向と交差する方向に沿った前記ターゲットの液体噴射領域の全幅に亘って形成されている。
所謂、フルラインタイプの液体噴射ヘッドは一般に大型で、液体噴射ヘッドを移動させて払拭やクリーニングなどの各種メンテナンス動作を行うことが困難である。こうした液体噴射装置において、シート搬送機構によってメンテナンスシートを搬送することで容易に各種メンテナンス動作を行うことができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図14に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態における液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)10は、略箱状をなす本体フレーム11を備えると共に、該本体フレーム11内の略中央には、ターゲットとしての用紙Pに液体としてのインクを吐出(噴射)する液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド12が配設されている。
この記録ヘッド12の下面には、用紙Pの搬送方向(図1において矢印で示すX方向)と略直交する水平方向(図1の紙面に対して直交する方向であって、図2に矢印で示すY方向)に沿った用紙Pの液体噴射領域の全幅に亘って多数のノズル(液体噴射ノズル)13の開口が形成されている。この点で、本実施形態のプリンタ10は、用紙Pの搬送方向と交差する方向に往復移動するキャリッジに記録ヘッド12が配置されるタイプのプリンタと比較して、高速印刷が可能な所謂フルラインヘッドタイプのプリンタ10として構成されている。なお、記録ヘッド12の下面のうち多数のノズル13の開口が形成された領域の面が、ノズル形成面14とされている。
また、記録ヘッド12には、それぞれ異なる色のインクを貯留する複数のインクカートリッジ(図示略)が接続されている。そして、印刷中、各インクカートリッジに貯留されたインクは、所定圧にそれぞれ調整された状態で、随時、記録ヘッド12に各別に供給されるようになっている。また、記録ヘッド12は、記録ヘッド移動機構12aが駆動することにより、記録ヘッド12のノズル形成面14と所定間隔をおいて対向するメイン搬送路28に対して接近・離間する方向(図1では、上下方向)に移動可能となっている。なお、本実施形態では、記録ヘッド12は、搬送されてきた用紙Pが上記搬送方向と略直交する方向(図2のY方向)に位置ずれしていた場合、記録ヘッド移動機構12aの駆動に基づいて、その位置ずれ量に対応できる程度に上記搬送方向と略直交する方向へ移動するようになっている。
本体フレーム11内において、記録ヘッド12の下方には、用紙Pを搬送するための用紙搬送機構15と、後述するメンテナンスシート16を搬送するためのシート搬送機構17とが配設されている。また、記録ヘッド12の直下位置であって、後述するメイン搬送路28よりも下方位置には、クリーニング時に記録ヘッド12から吐出されたインクを回収するための回収部(「廃インクタンク」ともいう。)18が配設されている。ここで、メンテナンスシート16とは、プリンタ10が印刷休止状態のときに記録ヘッド12のノズル形成面14に当接してノズル13内でのインクの乾燥を抑制したり、記録ヘッド12のクリーニングを実行したり、ノズル形成面14を払拭したり、記録ヘッド12によるフラッシングを実行したりするためのシートであって、その詳細は後述する。
用紙搬送機構15は、複数枚の用紙Pを積層状態で収容する給紙トレイ21と、印刷後の用紙Pを収容する排紙トレイ22と、給紙された用紙Pを記録ヘッド12のノズル形成面14の真下(ノズル形成面14に対向する位置)を通過させて搬送するための複数本(図2では2本)の無端状の搬送ベルト23とを含んで構成されている。これら各搬送ベルト23は、図1において紙面と直交する方向(上記Y方向)に沿って並置されている。また、各搬送ベルト23は、印刷開始後に駆動される駆動ローラ(搬送ローラ)24と、この駆動ローラ24と同一高さ位置で該駆動ローラ24に従動して回転する従動ローラ(搬送ローラ)25と、駆動ローラ24と従動ローラ25との中間位置の下方に位置するテンションローラ26とによってテンションが加えられた状態でそれぞれ掛装されている。すなわち、駆動ローラ24、従動ローラ25及びテンションローラ26は、これらの3つのローラ24,25,26に各搬送ベルト23が掛装された際に、該各搬送ベルト23が三角形状をなすようにそれぞれ配置されている。
さらに、駆動ローラ24と従動ローラ25との間には、複数(本実施形態では4つ)の補助搬送ローラ27が配置されている。そして、各搬送ベルト23は、駆動ローラ24と従動ローラ25との間において各補助搬送ローラ27により下方から水平に支持されたベルト部分の上面がメイン搬送路28として構成されている。このメイン搬送路28の上方であって記録ヘッド12よりも給紙トレイ21側となる位置には、印字開始検出センサ29が設けられている。この印字開始検出センサ29は、該印字開始検出センサ29の配置位置から記録ヘッド12のノズル形成面14の真下となる印刷位置(又は対向位置)まで用紙P(又はメンテナンスシート16)を搬送する際の送り量をカウントする開始ポイントを得るために使用される。
また、給紙トレイ21と各搬送ベルト23との間には、給紙トレイ21からメイン搬送路28の一端側(図1における右端側である従動ローラ25側)までの間において用紙Pを案内するための第1ガイド板31が設けられている。そして、給紙トレイ21の上部には給紙トレイ21の最上部に収容された用紙Pを取り出すためのピックアップローラ32が設けられると共に、給紙トレイ21と第1ガイド板31との接続部分には、摩擦により重畳してピックアップされた用紙Pを確実に一枚だけ送るための分離ローラ対33が設けられている。
さらに、第1ガイド板31の上方位置には、分離ローラ対33を通過してきた用紙Pを検知する紙端検出センサ34と、用紙Pを第1ガイド板31上からメイン搬送路28へ送り出す際に駆動される紙ゲートローラ対35とが設けられている。そして、ピックアップローラ32、分離ローラ対33及び紙ゲートローラ対35がそれぞれ用紙Pをメイン搬送路28側へ送り出す方向に回転することで、給紙トレイ21に収容された用紙Pがメイン搬送路28上へ供給されるようになっている。
さらに、各搬送ベルト23と排紙トレイ22の間には、メイン搬送路28の他端側(図1における左端側である駆動ローラ24側)から排紙トレイ22までの間において用紙Pを案内するため、及び、メンテナンスシート16を後述するシートトレイ41側へ給送するためのセレクタ36が設けられている。このセレクタ36は、用紙搬送方向の下流側となる基端部(図1では左端部)36aを支点として回転可能に支持されている。そして、図1に実線で示す水平状態(閉状態)にあるときには、メイン搬送路28と排紙トレイ22とがセレクタ36を介して接続されるようになっている。その一方、セレクタ36が図1に破線で示すように上方に傾いた状態(開状態)にあるときには、メイン搬送路28と排紙トレイ22との接続が遮断されると共に、メイン搬送路28がシートトレイ41側への搬送路(第3ガイド板46)にセレクタ36を介して接続されるようになっている。
また、セレクタ36の基端部36aと排紙トレイ22との間には、印刷を終えた用紙Pを排紙トレイ22へ排出するための排紙ローラ対37が設けられている。したがって、セレクタ36が水平状態(閉状態)にある際に、各搬送ベルト23及び排紙ローラ対37が回転することによって、印刷後の用紙Pがメイン搬送路28から排紙トレイ22に排出されるようになっている。
さらに、従動ローラ25には帯電ローラ38が互いの周面の間に各搬送ベルト23を挟み込んで回転するように対応配置されると共に、駆動ローラ24には徐電ローラ39が互いの周面の間に各搬送ベルト23を挟み込んで回転するように対応配置されている。したがって、帯電ローラ38によって各搬送ベルト23は用紙P(及びメンテナンスシート16)の支持面となる表面全体がマイナス電荷に変化するため、用紙P及びメンテナンスシート16が各搬送ベルト23のメイン搬送路28上に吸着保持されるようになっている。
シート搬送機構17は、複数枚(例えば5枚〜10枚程度)のメンテナンスシート16を積層状態で収容するシートトレイ41と、メンテナンスシート16をシートトレイ41から記録ヘッド12のノズル形成面14の真下(ノズル形成面14に対向する位置)を通過させてシートトレイ41まで搬送するための各搬送ベルト23とを含んで構成されている。すなわち、上記用紙搬送機構15の各搬送ベルト23が、シート搬送機構17の搬送ベルトとして兼用されている。
シートトレイ41は、各搬送ベルト23の下方に配置されている。そして、シートトレイ41の一端側(図1における右端側)には、シートトレイ41とメイン搬送路28の一端側(図1における右端側である従動ローラ25側)までの間においてメンテナンスシート16を案内するために緩やかに湾曲する第2ガイド板42が設けられている。この第2ガイド板42は、メンテナンスシート16の案内方向と交差する方向にメンテナンスシート16の幅寸法よりも少し短い間隔寸法をおいて平行に配置された一対の帯状板片にて構成されている。また、シートトレイ41の一端側下部(図1において右下隅)には、シートトレイ41の最下部に収容されたメンテナンスシート16を第2ガイド板42側へ取り出すためのシート給送ローラ43が設けられている。
さらに、第2ガイド板42(具体的には、一対の帯状板片間)の搬送方向側端部には、メンテナンスシート16を第2ガイド板42上からメイン搬送路28へ送り出す際に駆動されるシートゲートローラ対45が設けられている。そして、シート給送ローラ43、及びシートゲートローラ対45がそれぞれメンテナンスシート16をメイン搬送路28側へ送り出す方向(図1において矢印で示す方向)に回転することで、シートトレイ41に収容されたメンテナンスシート16がメイン搬送路28上へ供給されるようになっている。
一方、シートトレイ41の他端側(図1における左端側)には、メイン搬送路28の他端側(図1における左端側である駆動ローラ24側)からシートトレイ41の他端側(図1における左端側)までの間においてメンテナンスシート16を案内するための一部湾曲形状をなす第3ガイド板46が設けられている。
この第3ガイド板46は、メンテナンスシート16の案内方向と交差する方向にメンテナンスシート16の幅寸法よりも少し短い間隔寸法をおいて平行に配置された一対の帯状板片にて構成されている。そして、上述したように、セレクタ36が上方に傾いた状態(図1に破線で示す状態であって、開状態)にあるときには、メイン搬送路28がセレクタ36を介して第3ガイド板46に接続されることになる。さらに、この第3ガイド板46におけるメンテナンスシート16の搬送路の途中には、メンテナンスシート16をシートトレイ41側へ搬送するためのシート搬送ローラ対48が設けられている。
また、第3ガイド板46のシートトレイ41側となる端部には、印刷開始後にメンテナンスシート16を再びシートトレイ41へ排送するためのシート排送ローラ対49が設けられている。したがって、セレクタ36が上方に傾斜した状態(開状態)にある際に、各搬送ベルト23、シート搬送ローラ対48及びシート排送ローラ対49が回転することによって、メンテナンスシート16がシートトレイ41側に排送されるようになっている。なお、本実施形態では、シートトレイ41におけるメンテナンスシート16の収容位置が非対向位置に相当し、各搬送ベルト23のメイン搬送路28上における記録ヘッド12のノズル形成面14に対向する位置が対向位置に相当する。
また、プリンタ10には、第3ガイド板46に沿って搬送されるメンテナンスシート16におけるシート本体50の対向面50a(記録ヘッド12の直下位置において該記録ヘッド12に対する面)に対して熱風を吹き付ける送風装置Aが設けられている。
次に、本実施形態のメンテナンスシート16について図2〜図7に基づき以下説明する。
図2に示すように、メンテナンスシート16は、平面視長方形形状をなすシート状部材であって、弾性材料(例えば、合成樹脂製)からなるシート本体50を備えている。このシート本体50は、メンテナンスシート16が上記対向位置に配置された場合に記録ヘッド12のノズル形成面14に対する対向面50aを有している。そして、シート本体50の対向面50a上における縁部には、四角環状をなす縁側凸部51が突出形成されている。なお、シート搬送機構17においてメンテナンスシート16の搬送時にシート本体50の対向面50a側に位置する各ローラ(シート搬送ローラ対48など)は、それらの周面がシート本体50における縁側凸部51に当接する。
また、シート本体50には、第2キャップ部52、第1キャップ部53、ワイパ部54及びインク受容部55が、縁側凸部51に包囲された対向面50a上にメンテナンスシート16の搬送方向一方側(図2では左側)から他方側(図2では右側)に沿うように形成されている。なお、第1キャップ部53は、記録ヘッド12のクリーニングを実行するために内部容積が可変とされた吸引機能付きのキャップ部であり、第2キャップ部52は、記録ヘッド12のノズル形成面14に当接した場合に各ノズル13内の乾燥を抑制可能(即ち、ノズル形成面14をキャッピングすることが可能)とされた吸引機能無しの別キャップ部である。また、ワイパ部54は、記録ヘッド12のノズル形成面14を払拭するための部位であり、インク受容部55は、フラッシングにより記録ヘッド12から廃液として吐出されたインクを受容するための液体受容部である。
本実施形態では、上述したように、第1キャップ部53とワイパ部54は、メンテナンスシート16の搬送方向(上記X方向)となる所定方向へ互いに隣り合うように配置されている。また、インク受容部55は、ワイパ部54と上記所定方向において互いに隣り合うと共に、該ワイパ部54から見て第1キャップ部53とは上記所定方向における反対側に配置されている。
第2キャップ部52は、図2及び図3に示すように、四角環状をなす放置用凸部56を備えると共に、該放置用凸部56は、シート本体50の対向面50a側に配置されている。この放置用凸部56は、その内側輪郭形状が記録ヘッド12のノズル形成面14における各ノズル13の形成部位よりも大きくなるように形成されている。そして、記録ヘッド12が、該記録ヘッド12の直下位置に配置された第2キャップ部52に向けて移動した場合には、該第2キャップ部52の図3における上端が記録ヘッド12のノズル形成面14(すなわち、各ノズル13の形成部位よりも外側の面)に当接するようになっている。すなわち、第2キャップ部52は、記録ヘッド12のノズル形成面14との間に密封空間を形成して該ノズル形成面14をキャッピングするようになっている。なお、放置用凸部56は、その対向面50aからの突出高さ(図3における上下方向の高さ)が縁側凸部51の対向面50aからの突出高さよりも低くなるように形成されている。
また、シート本体50において第2キャップ部52に対応する部位には、放置用凸部56によって囲まれた空間内と、シート本体50の非対向面側(図3では下面側)の空間とを常に連通させるための大気開放孔57が形成されている。この大気開放孔57は、図3の左右方向における略中心部位であって、各搬送ベルト23に図3における左右方向から挟まれるような位置に形成されている。
第1キャップ部53は、図2及び図4に示すように、略矩形筒状をなすと共に、その内部の容積が可変可能な容積可変部58を備えている。この容積可変部58は、シート本体50の対向面50a側に配置されている。また、容積可変部58は、弾性材料からなるため、その上端部(図4における上端部であって、ノズル形成面14側に開口を有する開口端部)58aが記録ヘッド12によって下方に向けて押し下げられていない場合、その対向面50aからの突出高さが縁側凸部51の対向面50aからの突出高さよりも高くなる方向へ付勢されている。
さらに、容積可変部58は、その上端部58aの開口形状が記録ヘッド12のノズル形成面14における各ノズル13の形成部位よりも大きくなるように形成されている。そして、記録ヘッド移動機構12aの駆動によって、記録ヘッド12が該記録ヘッド12の直下位置に配置された容積可変部58(第1キャップ部53)に向けて移動した場合には、容積可変部58の上端部58aが記録ヘッド12のノズル形成面14(すなわち、各ノズル13の形成部位よりも外側の面)に弾性的に当接するようになっている。すなわち、容積可変部58は、記録ヘッド12のノズル形成面14との間に密封空間を形成するようになっている。したがって、本実施形態では、記録ヘッド移動機構12aが、記録ヘッド12及びメンテナンスシート16の少なくとも一方を、ノズル形成面14と対向面50aとが接離する方向に相対移動させる相対移動機構として機能するようになっている。
容積可変部58は、図5に示すように、その上端部58aが記録ヘッド12によって上方から下方に向けて変位させられた場合、容積可変部58が弾性変形することにより、その内部の容積が小さくなるようになっている。その一方、容積可変部58の内部容積が小さくなった状態から記録ヘッド12が上方に移動する際には、容積可変部58の弾性復帰力に基づいて、容積可変部58の上端部58aがノズル形成面14に当接した状態で上方に変位する。このように、容積可変部58の上端部58aが記録ヘッド12のノズル形成面14に追随して上方に変位することにより、容積可変部58の内部容積が大きくなるようになっている。
容積可変部58の外壁において、上記Y方向に沿う両側部のうち一方側(図4における左側)の側部には、一方側に向けて突出した係止片59が形成されると共に、他方側(図4における右側)の側部には、他方側に向けて突出した係止片59が形成されている。また、シート本体50の縁側凸部51においてX方向に沿う両側部(図4における左側部及び右側部)のうち、容積可変部58(第1キャップ部53)とY方向において対応する部位の上端部には、内側に向けて突出する係止部60がそれぞれ形成されている。
そして、容積可変部58の各係止片59は、容積可変部58の内部容積が小さい状態(図5に示す状態)から内部容積が徐々に大きくなった場合、該各係止片59が各別に対応する係止部60の下面側に当接するようになっている。その結果、容積可変部58の内部容積が大きくなることが規制される。
すなわち、容積可変部58の上端部58aが記録ヘッド12によって下方に変位させられた状態で、記録ヘッド12が上昇した場合、容積可変部58の上端部58aは、記録ヘッド12のノズル形成面14に追随して上方に向けて変位する。しかし、容積可変部58の上端部58aの高さ位置(記録ヘッド12の離間方向における位置)が予め定められた所定位置まで達した場合には、容積可変部58の各係止片59が各係止部60によって係止される結果、容積可変部58の上端部58aがさらに上方に変位することが規制される。
なお、本実施形態では、容積可変部58の各係止片59が各係止部60によって係止された場合には、容積可変部58の上端部58aが最上点位置に位置することになると共に、容積可変部58内の内部容積が最も大きくなるように構成されている。そして、この状態においても容積可変部58の上端部58aが縁側凸部51の上端よりも低い位置に位置するように、容積可変部58における各係止片59及びシート本体50の縁側凸部51における各係止部60の相対的な位置関係が設定されている。
また、シート本体50において第1キャップ部53に対応する部位には、容積可変部58内の空間と、シート本体50の非対向面側(図4では下面側)の空間とを連通させるための連通孔としての排出用孔61が複数(本実施形態では3つ)形成されている。これら各排出用孔61は、X方向とは略直交する方向(図4における左右方向であって、Y方向)に沿うと共に、各搬送ベルト23に図4における左右方向から挟まれるような位置、つまり各搬送ベルト23間となる位置にそれぞれ形成されている。
さらに、シート本体50の非対向面側には、各排出用孔61を各別に閉塞するための複数(本実施形態では3つ)の常閉弁62が設けられている。これら各常閉弁62は、常には閉じ状態となっており、容積可変部58内とシート本体50の非対向面側の空間とを非連通状態にしている。一方、容積可変部58は、図5に示すように、その上端部58aが記録ヘッド12によって下方側へ変位させられた場合、その内部の容積が小さくなると共に、その内部の圧力が外部(容積可変部58外)の圧力よりも大きくなる。この場合、各常閉弁62は、図4にて矢印で示すように開弁動作し、図5に示すように、各排出用孔61がそれぞれ開放される。その結果、容積可変部58内とシート本体50の非対向面側の空間とが各排出用孔61を介して連通状態となる。
なお、このとき、第1キャップ部53内にインクが収容されていれば、各排出用孔61から第1キャップ部53外へインクが排出され、一方、第1キャップ部53内にインクが収容されていなければ、容積可変部58の内部容積が変化した分の空気が各排出用孔61から排出される。こうした排出用孔61を介したインク又は空気の排出により、容積可変部58の内部容積が可変した場合には、第1キャップ部53内からのインクの排出が可能であるとともに、記録ヘッド12のノズル13のメニスカスが圧力変化によって壊れることを抑制可能となる。そして、この場合において常閉弁62を閉弁方向へ付勢する付勢力は、ノズル13のメニスカスを壊してしまう圧力変化よりも小さい圧力変化で常閉弁62を開弁させる程度の付勢力に設定される。
なお、本実施形態の記録ヘッド12は、上述したように、記録ヘッド移動機構12aの駆動に基づき、上下方向だけではなく、上記Y方向にも移動可能とされている。そして、記録ヘッド12のノズル形成面14に容積可変部58の上端部58aが当接して内部容積を縮小した状態で、記録ヘッド12を反Y方向(図5における左方向)に移動させた場合に、容積可変部58の上端部58aの一部がノズル形成面14から外れるようになっている。そして、このように容積可変部58の上端部58aの一部がノズル形成面14から外れることで、容積可変部58内は、該容積可変部58の上端部58a側を介して外部(容積可変部58外)と連通するようになっている。すなわち、記録ヘッド12のノズル形成面14と第1キャップ部53の容積可変部58とが当接することにより該容積可変部58内に密封空間が形成された状態で、記録ヘッド移動機構12aの駆動によって記録ヘッド12が反Y方向に移動することにより、容積可変部58内の密封状態が解消されるようになっている。したがって、本実施形態では、記録ヘッド移動機構12aが、密封状態解消機構としても機能するようになっている。
ワイパ部54は、その形状が矩形板状をなす合成樹脂製の板材から構成されている。このワイパ部54は、その対向面50aからの突出高さ(約1.5mm)が縁側凸部51の対向面50aからの突出高さよりも低くなるように形成されている。また、ワイパ部54は、図6に示すように、その対向面50aからの突出高さが、容積可変部58の内部容積が最も大きくなった場合における第1キャップ部53の対向面50aからの突出高さよりも高くなるように形成されている。さらに詳しくは、ワイパ部54は、その先端(図6における上端)54aが、ノズル形成面14が容積可変部58に当接した状態にある記録ヘッド12が上方に移動した際に、該記録ヘッド12のノズル形成面14から容積可変部58の上端部58aが離間した直後のノズル形成面14より高い位置に位置するように形成されている。なお、図6においては、説明理解の便宜上、搬送ベルト23の記載を省略している。また、本実施形態のワイパ部54は、ノズル形成面14の払拭時における該ノズル形成面14との当たり代が「約1mm」となるように形成されている。
インク受容部55は、多孔質材料からなる略直方体状のインク吸収部材63を備えている。このインク吸収部材63は、メンテナンスシート16におけるシート本体50の対向面50a上に固定されている。そして、インク吸収部材63は、その対向面50aからの突出高さが縁側凸部51の対向面50aからの突出高さよりも低くなるように形成されている。
また、インク受容部55(インク吸収部材63)は、上述したように、メンテナンスシート16においてフラッシング時に使用される部位である。そして、インク吸収部材63の上端とノズル形成面14との間隔hは、上記対向位置において記録ヘッド12から廃液として吐出されたインクをインク吸収部材63が受容する際に、記録ヘッド12から吐出されたインクがミスト状になることを抑制可能な間隔(2mm程度)となるように設定されている。
次に、上記プリンタ10の電気的構成について図8に基づき以下説明する。
図8に示すように、プリンタ10は、制御手段としての制御部70を備えている。そして、この制御部70は、入力側インターフェース(図示略)と、出力側インターフェース(図示略)と、CPU71、ROM72、RAM73及びタイマ74などを備えたデジタルコンピュータと、各装置を駆動させるための駆動回路(図示略)とを主体として構成されている。
入力側インターフェースには、紙端検出センサ34及び印字開始検出センサ29が電気的に接続されている。また、出力側インターフェースには、記録ヘッド移動機構12a、ピックアップローラ32、分離ローラ対33、紙ゲートローラ対35、駆動ローラ24、排紙ローラ対37、シート給送ローラ43、シートゲートローラ対45、シート搬送ローラ対48、シート排送ローラ対49、セレクタ36及び送風装置Aがそれぞれ電気的に接続されている。そして、制御部70は、各種センサ34,29からの検出信号などに基づいて各機構(駆動ローラ24等)を各別に制御するようになっている。
また、デジタルコンピュータにおいて、ROM72には、各機構(駆動ローラ24等)を制御するための制御プログラムなどが記憶されている。RAM73には、プリンタ10の駆動中に適宜書き換えられる各種の情報(各種センサ34,29からの入力信号の大きさなど)が記憶されるようになっている。また、タイマ74は、時間(経過時間など)の計測を行うようになっている。
以上説明したプリンタ10では、セレクタ36の切り替えによって、印刷時には給紙トレイ21から排紙トレイ22までが第1ガイド板31及びメイン搬送路28を介して接続されてなる用紙搬送路が形成される。また、メンテナンスシート16の搬送時には、シートトレイ41の一端側から他端側までが第2ガイド板42とメイン搬送路28と第3ガイド板46とを介して接続されてなるシート搬送路が形成される。
したがって、セレクタ36が図1において実線で示す水平状態(閉状態)であるときには、給紙トレイ21から取り出された用紙Pが第1ガイド板31を介してメイン搬送路28へ搬送される。このとき、各搬送ベルト23は帯電されているため、用紙Pは各搬送ベルト23上に吸着保持される。そして、用紙Pが記録ヘッド12のノズル形成面14と対向する位置まで搬送された時点で印刷(インクの吐出)が実行される。印刷を終えた用紙Pは、そのままメイン搬送路28上を搬送され、セレクタ36を介して排紙トレイ22に排出されるようになっている。
一方、シートトレイ41から取り出されたメンテナンスシート16は、第2ガイド板42を介してメイン搬送路28へ搬送される。このとき、上記と同様に、各搬送ベルト23は帯電されているため、メンテナンスシート16は各搬送ベルト23上に吸着保持される。そして、図1において破線で示すように、メンテナンスシート16が記録ヘッド12のノズル形成面14と対向する対向位置まで搬送された時点でメンテナンス動作が実行される。
具体的には、メンテナンスシート16の第1キャップ部53が記録ヘッド12の直下位置に配置された場合には、記録ヘッド12のクリーニングが実行される。また、メンテナンスシート16の第2キャップ部52が記録ヘッド12の直下位置に配置された場合には、記録ヘッド12のノズル形成面14のキャッピングが実行される。また、ワイパ部54の先端54aを記録ヘッド12のノズル形成面14に摺接させた状態で、メンテナンスシート16を上記X方向に搬送させることにより、ノズル形成面14の払拭が実行される。そして、メンテナンスシート16のインク受容部55が記録ヘッド12の直下位置に配置された場合には、記録ヘッド12の各ノズル13からは廃液としてインクがそれぞれ吐出される。すなわち、フラッシングが実行される。
また、再び、印刷が開始された際であって、セレクタ36が図1において破線で示す傾斜状態(開状態)であるときには、メンテナンスシート16は、メイン搬送路28上を搬送され、セレクタ36を介して第3ガイド板46に搬送される。このとき、送風装置Aが駆動することにより、第3ガイド板46上を移動するメンテナンスシート16におけるシート本体50の対向面50a側には、熱風が吹き付けられるようになっている。その後、メンテナンスシート16は、再び、シートトレイ41に回収されるようになっている。
次に、本実施形態の制御部70が実行する制御処理ルーチンのうち、メンテナンス実行処理ルーチンについて図9〜図14に基づくフローチャートに基づき以下説明する。
さて、制御部70は、所定周期毎(例えば0.01秒毎)にメンテナンス実行処理ルーチンを実行する。そして、メンテナンス実行処理ルーチンにおいて、制御部70は、印刷命令が入力されているか否かを判定する(ステップS10)。例えば、印刷実行フラグがセットされているか否かを判定する。この判定結果が否定判定である場合、制御部70は、その処理を後述するステップS15に移行する。一方、ステップS10の判定結果が肯定判定である場合、制御部70は、用紙Pに対して印刷を行うための前提処理として用紙搬送処理(図10にて詳述する。)を実行する(ステップS11)。
この用紙搬送処理が終了すると、用紙Pに対する印刷処理(図示略)が実行され、続いて、制御部70は、「1」ページの印刷が終了したか否かを判定する(ステップS12)。すなわち、制御部70は、一枚の用紙Pに対する印刷が終了したか否かを判定する。この判定結果が否定判定である場合、制御部70は、一枚の用紙Pに対する印刷が実行中であると判断し、ステップS12の判定処理が肯定判定になるまで該ステップS12の判定処理を繰り返し実行する。一方、ステップS12の判定結果が肯定判定である場合、制御部70は、一枚の用紙Pに対する印刷が終了したと判断し、印刷する次ページがあるか否かを判定する(ステップS13)。
この判定結果が肯定判定である場合、制御部70は、次のページに対する印刷が実行される前に、記録ヘッド12によるフラッシングを実行させるためにフラッシング処理(図11にて詳述する。)を実行する(ステップS14)。その後、制御部70は、メンテナンス実行処理ルーチンを一旦終了する。一方、ステップS13の判定結果が否定判定である場合、制御部70は、全てのページに対する印刷が終了したものと判断し、その処理を後述するステップS15に移行する。
ステップS15において、制御部70は、印刷命令に基づいた印刷が終了したか、又は印刷命令が入力されていないものと判断し、セレクタ36を開状態にする。続いて、制御部70は、駆動ローラ24、シート給送ローラ43及びシートゲートローラ対45を回転させる(ステップS16)。
そして、制御部70は、メンテナンスシート16の第1キャップ部53(容積可変部58)が記録ヘッド12の直下位置に配置されたか否かを判定する(ステップS17)。具体的には、制御部70は、駆動ローラ24、シート給送ローラ43及びシートゲートローラ対45の回転に基づき、シートトレイ41から搬送されたメンテナンスシート16が印字開始検出センサ29によって検知されてからの経過時間をタイマ74から読み出し、該読み出した経過時間(以下、「第1経過時間」という。)が予め定めた第1所定時間以上になったか否かを判定する。この第1所定時間は、印字開始検出センサ29からの信号に基づきメンテナンスシート16の通過が検知されてから第1キャップ部53が記録ヘッド12の直下位置まで移動するのにかかる時間であって、予め実験やシミュレーションなどによって設定される。なお、印字開始検出センサ29の検知時点からの経過時間による制御ではなく、印字開始検出センサ29の検知時点からのローラ(例えば駆動ローラ24)の回転数が予め定めた回転数になったか否かを判定することにより制御してもよい。
ステップS17の判定結果が否定判定(第1経過時間<第1所定時間)である場合、制御部70は、第1キャップ部53がまだ記録ヘッド12の直下位置まで移動してきていないものと判断し、ステップS17の判定結果が肯定判定になるまで該ステップS17の判定処理を繰り返し実行する。一方、ステップS17の判定結果が肯定判定(第1経過時間≧第1所定時間)である場合、制御部70は、第1キャップ部53が記録ヘッド12の直下位置まで移動したものと判断し、駆動ローラ24、シート給送ローラ43及びシートゲートローラ対45の回転を停止させる(ステップS18)。
続いて、制御部70は、記録ヘッド12のクリーニングを実行するか否かを判定する(ステップS19)。なお、本実施形態におけるプリンタ10にて実行されるクリーニングの種類としては、所定周期(例えば7日間)毎に実行されるいわゆるタイマクリーニングや、図示しない操作スイッチが操作されたことに起因して実行されるいわゆるマニュアルクリーニングなどがある。そのため、ステップS19では、タイマクリーニングを実行すべきタイミングになったか否かが判定されると共に、上記操作スイッチが操作されたか否かが判定される。
そして、ステップS19の判定結果が否定判定である場合、制御部70は、記録ヘッド12のクリーニングを実行させずに、その処理を後述するステップS22に移行する。一方、ステップS19の判定結果が肯定判定である場合、制御部70は、記録ヘッド12のクリーニングを実行させるためにクリーニング処理(図12に詳述する。)を実行する(ステップS20)。続いて、制御部70は、ステップS20におけるクリーニング処理が終了すると、記録ヘッド12のノズル形成面14を払拭させるためにワイピング処理(図13にて詳述する。)を実行する(ステップS21)。そして、ステップS21におけるワイピング処理が終了すると、制御部70は、その処理を後述するステップS22に移行する。
ステップS22において、制御部70は、記録ヘッド12のノズル形成面14をキャッピングさせるためのキャッピング処理(図14に詳述する。)を実行する。その後、制御部70は、メンテナンス実行処理ルーチンを終了する。
次に、上述したステップS11にて実行する用紙搬送処理(用紙搬送処理ルーチン)について、図10に基づき以下説明する。
さて、用紙搬送処理ルーチンにおいて、制御部70は、セレクタ36を閉状態にする(ステップS30)。続いて、制御部70は、駆動ローラ24、ピックアップローラ32、分離ローラ対33及び紙ゲートローラ対35を回転させる(ステップS31)。そして、制御部70は、紙端検出センサ34からの信号を入力したか否かを判定する(ステップS32)。すなわち、制御部70は、給紙トレイ21側からメイン搬送路28上に向けて用紙Pが給送され始めたか否かを判定する。
ステップS32の判定結果が否定判定である場合、制御部70は、給紙トレイ21側からメイン搬送路28上に用紙Pがまだ給送された状態にないものと判断し、ステップS32の判定結果が肯定判定になるまで該ステップS32の判定処理を繰り返し実行する。一方、ステップS32の判定結果が肯定判定である場合、制御部70は、メイン搬送路28上に用紙Pが給送され始めたものと判断し、ピックアップローラ32及び分離ローラ対33の回転を停止させる(ステップS33)。
そして次に、制御部70は、紙端検出センサ34からの信号が入力されなくなったか否かを判定する(ステップS34)。この判定結果が否定判定である場合、制御部70は、ステップS34の判定結果が肯定判定になるまで該ステップS34の判定処理を繰り返し実行する。一方、ステップS34の判定結果が肯定判定である場合、制御部70は、給紙トレイ21側からメイン搬送路28上に用紙Pが完全に給送されたものと判断し、用紙搬送処理ルーチンを終了する。
なお、この用紙搬送処理ルーチンが終了すると、その後、制御部70は、印字開始検出センサ29の検出結果に基づき用紙Pが記録ヘッド12のノズル形成面14の真下となる印刷位置まで搬送されか否かを判定する。そして、その判定結果が肯定判定になると、紙ゲートローラ対35の回転を停止させると共に、記録ヘッド12のノズル13からインクを噴射させて用紙Pに対する印刷処理を実行する。なお、印刷時においては、用紙Pを上記X方向に移動させる必要があるため、駆動ローラ24は回転している。
次に、上述したステップS14にて実行するフラッシング処理(フラッシング処理ルーチン)について、図11に基づき以下説明する。
さて、フラッシング処理ルーチンにおいて、制御部70は、セレクタ36を開状態にする(ステップS40)。続いて、制御部70は、駆動ローラ24、シート給送ローラ43及びシートゲートローラ対45を回転させる(ステップS41)。
そして、制御部70は、メンテナンスシート16のインク受容部55(インク吸収部材63)が記録ヘッド12の直下位置に配置されたか否かを判定する(ステップS42)。具体的には、制御部70は、駆動ローラ24、シート給送ローラ43及びシートゲートローラ対45の回転に基づき、シートトレイ41から搬送されたメンテナンスシート16が印字開始検出センサ29によって検知されてからの経過時間をタイマ74から読み出し、該読み出した経過時間(以下、「第2経過時間」という。)が予め定めた第2所定時間以上になったか否かを判定する。この第2所定時間は、印字開始検出センサ29からの信号に基づきメンテナンスシート16の通過が検知されてからインク受容部55が記録ヘッド12の直下位置まで移動するのにかかる時間であって、予め実験やシミュレーションなどによって設定される。なお、印字開始検出センサ29の検知時点からの経過時間による制御ではなく、印字開始検出センサ29の検知時点からのローラ(例えば駆動ローラ24)の回転数が予め定めた回転数になったか否かを判定することにより制御してもよい。
ステップS42の判定結果が否定判定(第2経過時間<第2所定時間)である場合、制御部70は、インク受容部55がまだ記録ヘッド12の直下位置まで移動してきていないものと判断し、ステップS42の判定結果が肯定判定になるまで該ステップS42の判定処理を繰り返し実行する。一方、ステップS42の判定結果が肯定判定(第2経過時間≧第2所定時間)である場合、制御部70は、インク受容部55が記録ヘッド12の直下位置まで移動したものと判断し、駆動ローラ24、シート給送ローラ43及びシートゲートローラ対45の回転を停止させる(ステップS43)。
続いて、制御部70は、記録ヘッド12の各ノズル13から各別にインクを吐出させる(ステップS44)。すなわち、制御部70は、記録ヘッド12によるフラッシングを実行させる。そして、制御部70は、駆動ローラ24、シート搬送ローラ対48及びシート排送ローラ対49を回転させ(ステップS45)、送風装置Aを駆動させる(ステップS46)。
続いて、制御部70は、メンテナンスシート16がシートトレイ41内に収容されたか否かを判定する(ステップS47)。具体的には、制御部70は、ステップS45の処理が実行されてからの経過時間をタイマ74から読み出し、該読み出した経過時間(以下、「第3経過時間」という。)が予め定められた第3所定時間以上になったか否かを判定する。この第3所定時間とは、対向位置にあるメンテナンスシート16が非対向位置であるシートトレイ41まで搬送されるのにかかる時間のことであって、予め実験やシミュレーションなどによって設定される。
ステップS47の判定結果が否定判定(第3経過時間<第3所定時間)である場合、制御部70は、メンテナンスシート16がまだシートトレイ41まで搬送されていないものと判断し、ステップS47の判定結果が肯定判定になるまで該ステップS47の判定処理を繰り返し実行する。一方、ステップS47の判定結果が肯定判定(第3経過時間≧第3所定時間)である場合、制御部70は、駆動ローラ24、シート搬送ローラ対48及びシート排送ローラ対49の回転を停止させ(ステップS48)、送風装置Aの駆動を停止させる(ステップS49)。その後、制御部70は、フラッシング処理ルーチンを終了する。
次に、上述したステップS20のクリーニング処理(クリーニング処理ルーチン)について、図12に基づき以下説明する。
さて、クリーニング処理ルーチンにおいて、制御部70は、メンテナンスシート16の第1キャップ部53が既に記録ヘッド12のノズル形成面14の直下位置に配置されていることから、記録ヘッド移動機構12aを駆動させることにより、記録ヘッド12を下降させる(ステップS50)。すなわち、制御部70は、第1キャップ部53における容積可変部58の上端部58aを記録ヘッド12によって下方に変位させる。続いて、記録ヘッド12のノズル形成面14が最下点位置に到達した場合、制御部70は、記録ヘッド移動機構12aの駆動方向を反転させることにより、記録ヘッド12を上昇させる(ステップS51)。
そして、記録ヘッド12のノズル形成面14が第1キャップ部53における容積可変部58の上端部58aとの当接状態を維持したままでの最上点位置(各係止片59が各係止部60に係止する位置)に到達した場合、制御部70は、記録ヘッド移動機構12aの駆動方向を再び反転させる。そして、この時点から記録ヘッド移動機構12aの反転駆動により、記録ヘッド12を再び下降させる(ステップS52)。続いて、記録ヘッド12のノズル形成面14を第1キャップ部53における容積可変部58の上端部58aとの当接状態を維持したままでの最下点位置まで移動させた後、制御部70は、記録ヘッド移動機構12aの駆動により、記録ヘッド12を上記反Y方向に移動させる(ステップS53)。
そして、制御部70は、記録ヘッド移動機構12aの駆動により、記録ヘッド12を再び上昇させる(ステップS54)。なお、このとき、記録ヘッド12は容積可変部58内の密封状態が解消された状態で上昇し、その上昇に追随して容積可変部58の上端部58aもノズル形成面14に当接したままで上昇する。そして、その上昇途中において、容積可変部58の上端部58aは各係止片59がシート本体50側の各係止部60に係止することにより、それ以上の上昇が規制される。一方、記録ヘッド12は、容積可変部58の上端部58aからノズル形成面14が離間するまで上昇する。
続いて、容積可変部58の上端部58aからノズル形成面14が離間した場合、制御部70は、記録ヘッド移動機構12aの駆動により、ステップS23の処理にて記録ヘッド12を上記反Y方向に移動させた分だけ、該記録ヘッド12を上記Y方向(図4における右方向)に移動させる(ステップS55)。その後、制御部70は、クリーニング処理ルーチンを終了する。
次に、上述したステップS21のワイピング処理(ワイピング処理ルーチン)について、図13に基づき以下説明する。
さて、ワイピング処理ルーチンにおいて、制御部70は、駆動ローラ24を回転させる(ステップS61)。すなわち、メンテナンスシート16がワイパ部54の先端54aを記録ヘッド12のノズル形成面14に摺接させた状態で上記X方向へ移動するようにする。続いて、制御部70は、メンテナンスシート16のインク受容部55(インク吸収部材63)が記録ヘッド12の直下位置に配置されたか否かを判定する(ステップS62)。具体的には、制御部70は、ステップS61の処理に基づき駆動ローラ24が回転し始めてからの経過時間をタイマ74から読み出し、該読み出した経過時間(以下、「第4経過時間」という。)が予め定めた第4所定時間以上になったか否かを判定する。この第4所定時間は、記録ヘッド12の直下位置に第1キャップ部53が配置された状態から記録ヘッド12の直下位置をワイパ部54が通過し、さらに記録ヘッド12の直下位置にインク受容部55が配置された状態になるまでにかかる時間であって、予め実験やシミュレーションなどによって設定される。なお、駆動ローラ24の駆動が開始されてからの経過時間による制御ではなく、駆動ローラ24の駆動が開始されてからの該駆動ローラ24の回転数が予め定めた回転数になったか否かを判定することにより制御してもよい。
ステップS62の判定結果が否定判定(第4経過時間<第4所定時間)である場合、制御部70は、ステップS62の判定結果が肯定判定になるまで該ステップS62の判定処理を繰り返し実行する。一方、ステップS62の判定結果が肯定判定(第4経過時間≧第4所定時間)である場合、制御部70は、駆動ローラ24の回転を停止させると共に(ステップS63)、ノズル形成面14の払拭後において各ノズル13内のメニスカス(ノズルインクメニスカス)を安定させるためのフラッシングを実行させる。その後、制御部70は、ワイピング処理ルーチンを終了する。なお、このようにフラッシングを実行させる前に、制御部70は、記録ヘッド移動機構12aを駆動させることにより、記録ヘッド12を上方に移動させるようにしてもよい。
次に、上述したステップS22のキャッピング処理(キャッピング処理ルーチン)について、図14に基づき以下説明する。
さて、キャッピング処理ルーチンにおいて、制御部70は、記録ヘッド移動機構12aを駆動させることにより、記録ヘッド12を上方に移動させる(ステップS70)。すなわち、制御部70は、メンテナンスシート16のシート本体50における対向面50aからノズル形成面14までの距離(約「2mm」)が、対向面50aからワイパ部54の先端54aまでの距離よりも長くなるように、記録ヘッド12を上方に移動させる。そして、制御部70は、駆動ローラ24を上記ワイピング処理におけるステップS61での回転方向とは逆方向へ回転させることにより、メイン搬送路28上にてメンテナンスシート16を反X方向へ移動させる(ステップS71)。続いて、制御部70は、メンテナンスシート16の第2キャップ部52が記録ヘッド12の直下位置に配置されたか否かを判定する(ステップS72)。具体的には、制御部70は、ステップS71の処理に基づき、メンテナンスシート16の移動が開始されてからの経過時間をタイマ74から読み出し、該読み出した経過時間(以下、「第5経過時間」という。)が予め定めた第5所定時間以上になったか否かを判定する。この第5所定時間は、記録ヘッド12の直下位置にインク受容部55が位置する状態から駆動ローラ24の逆方向への回転によって記録ヘッド12の直下位置に第2キャップ部52が位置する状態になるまでにかかる時間であって、予め実験やシミュレーションなどによって設定される。なお、駆動ローラ24の駆動が開始されてからの経過時間による制御ではなく、駆動ローラ24の駆動が開始されてからの該駆動ローラ24の回転数が予め定めた回転数になったか否かを判定することにより制御してもよい。
そして、ステップS72の判定結果が否定判定(第5経過時間<第5所定時間)である場合、制御部70は、記録ヘッド12の直下位置に第2キャップ部52がまだ配置されていないものと判断し、ステップS72の判定結果が肯定判定になるまで該ステップS72の判定処理を繰り返し実行する。一方、ステップS72の判定結果が肯定判定(第5経過時間≧第5所定時間)である場合、制御部70は、駆動ローラ24の回転を停止させる(ステップS73)。
続いて、制御部70は、記録ヘッド移動機構12aを駆動させることにより、記録ヘッド12を下降させる(ステップS74)。そして、制御部70は、記録ヘッド12のノズル形成面14が第2キャップ部52に当接して該第2キャップ部52内に密封空間が形成されるまで記録ヘッド12を下降させた後、記録ヘッド移動機構12aの駆動を停止させ、キャッピング処理ルーチンを終了する。
次に、本実施形態のプリンタ10の作用のうち、メンテナンスシート16を用いてメンテナンス処理を実行する際の作用を中心に以下説明する。なお、説明の前提として、記録ヘッド12のクリーニングを実行した後に、記録ヘッド12の払拭を行い、続いて、記録ヘッド12のノズル形成面14を第2キャップ部52にてキャッピングするものとする。
さて、記録ヘッド12のクリーニングを実行する際には、まず始めに、セレクタ36を開状態(図1にて破線で示した状態)にすることにより、第2ガイド板42とメイン搬送路28と第3ガイド板46とからなるシート搬送路が形成される。そして次に、駆動ローラ24、シート給送ローラ43及びシートゲートローラ対45が駆動を開始する。すると、非対向位置であるシートトレイ41に積層状態で収容された各メンテナンスシート16のうち最も下側のメンテナンスシート16がシートトレイ41から取り出され、このメンテナンスシート16は、第2ガイド板42を介してメイン搬送路28へ搬送される。
このとき、各搬送ベルト23は、それらの支持面が帯電ローラ38によって帯電した状態になるため、メンテナンスシート16は各搬送ベルト23上に吸着保持される。そして、このメンテナンスシート16の第1キャップ部53が記録ヘッド12の直下位置に配置されるまで、メンテナンスシート16が各搬送ベルト23上(メイン搬送路28上)を上記X方向に向けて搬送されると、駆動ローラ24、シート給送ローラ43及びシートゲートローラ対45の駆動が停止する。
そして、記録ヘッド12のクリーニングが実行される。すなわち、記録ヘッド移動機構12aの駆動により、記録ヘッド12が下降する結果、該記録ヘッド12のノズル形成面14が容積可変部58の上端部58aに当接する。このとき、第1キャップ部53(容積可変部58)は、記録ヘッド12のノズル形成面14との間に密封空間を形成する。そして、記録ヘッド12がさらに下降すると、容積可変部58の上端部58aが下方に変位することにより、該容積可変部58の内部容積が減少するため、容積可変部58内の空間(上記密封空間)の圧力が外部(第1キャップ部53外)に比して高くなる。その結果、各常閉弁62が開弁動作することにより、容積可変部58内の空間と外部とが各排出用孔61を介して連通する。
そして、記録ヘッド12のノズル形成面14が最下点位置まで移動すると、記録ヘッド12の下降が停止すると共に、容積可変部58内の空間の圧力上昇が停止する。そのため、各常閉弁62がそれぞれ閉弁動作し、容積可変部58内の空間と外部とが非連通状態になる。すなわち、容積可変部58内の圧力が、外部との圧力と略同一圧力となる。すると、今度は、記録ヘッド移動機構12aの駆動により、記録ヘッド12が上昇し始める。このとき、容積可変部58の上端部58aは、記録ヘッド12のノズル形成面14との当接状態を維持した状態で、容積可変部58の弾性復帰力に基づき、該ノズル形成面14に追随して上方に向けて変位する。
すなわち、容積可変部58とノズル形成面14によって形成された密封空間が維持された状態で、容積可変部58内の内部容積が徐々に増大する。そのため、この容積可変部58内の圧力が外部(第1キャップ部53外)の圧力よりも低くなり負圧状態となる結果、記録ヘッド12から各ノズル13を介してインクが吸引され、該吸引されたインクは、容積可変部58内に吐出される。そして、容積可変部58の上端部58aの高さ位置が上記所定位置まで到達した場合、すなわち容積可変部58の各係止片59が縁側凸部51の各係止部60に係止する高さ位置まで記録ヘッド12が上昇した場合、記録ヘッド移動機構12aが反転駆動され、記録ヘッド12が再び下降させられる。
そして、この記録ヘッド移動機構12aの反転駆動により、記録ヘッド12が該記録ヘッド12のノズル形成面14と容積可変部58の上端部58aとの当接状態を維持したまま再び下降すると、この記録ヘッド12のさらなる下降によって各常閉弁62が開弁動作し、容積可変部58内に貯留されたインクが各排出用孔61を介して排出される。そして、容積可変部58内に貯留されたインクは、対向位置に配置されたメンテナンスシート16の下方に配置された回収部18内に回収される。
その後、記録ヘッド12が最下点位置まで移動した場合、記録ヘッド12の下降が停止すると共に、記録ヘッド12は、記録ヘッド移動機構12aの駆動により、反Y方向に移動する。すなわち、容積可変部58の上端部58aとノズル形成面14とを摺接させた状態で、記録ヘッド12が反Y方向に移動する結果、容積可変部58の上端側が開口することにより、容積可変部58内と外部とが連通状態になる。すなわち、容積可変部58内の密封状態が解消される。
そして、記録ヘッド12は、記録ヘッド移動機構12aの駆動により上昇する。このとき、容積可変部58内は外部と連通状態にあるため、記録ヘッド12の上昇に起因して、容積可変部58内の圧力は低下することがない。そのため、容積可変部58内の圧力低下によって、記録ヘッド12に対して吸引作用が作用することがない。すなわち、記録ヘッド12からインクが不必要に吐出されることはない。その後、記録ヘッド12のノズル形成面14と容積可変部58の上端部58aとが互いに離間した状態になると、記録ヘッド12の上昇が停止すると共に、記録ヘッド12は、Y方向に移動する。すなわち、記録ヘッド12のクリーニング処理が終了する。なお、このときのメンテナンスシート16の対向面50aから記録ヘッド12のノズル形成面14までの距離は、「約0.5mm」になる。
そして次に、記録ヘッド12のクリーニングが終了すると、駆動ローラ24が回転することにより、メンテナンスシート16がメイン搬送路28上を搬送される。この際、ワイパ部54の先端54aが記録ヘッド12のノズル形成面14に摺接することになる。そのため、記録ヘッド12のクリーニング時に、そのノズル形成面14にインクが付着してしまっていたとしても、該ノズル形成面14は、ワイパ部54によって払拭される。すなわち、ノズル形成面14の払拭が実行される。
そして、記録ヘッド12の直下位置をワイパ部54が通過してインク受容部55が記録ヘッド12の直下位置に到達すると、記録ヘッド12の各ノズル13からは、インク受容部55に向けてインクが吐出される。すなわち、フラッシングが実行される。そして、フラッシングの終了後、記録ヘッド12が上昇し、駆動ローラ24の回転が反転する。すると、メンテナンスシート16は、反X方向(図1における右方向)に向けて移動し、その第2キャップ部52が記録ヘッド12の直下位置に配置されると、駆動ローラ24の回転が停止される。このとき、メンテナンスシート16の対向面50aから記録ヘッド12のノズル形成面14までの距離は、「約2mm」となっているため、対向面50aからの突出高さが「約1.5mm」のワイパ部54が記録ヘッド12に接触することはない。そして、記録ヘッド12のノズル形成面14のキャッピングが実行される。
すなわち、記録ヘッド移動機構12aの駆動により、記録ヘッド12が下降する結果、該記録ヘッド12のノズル形成面14が放置用凸部56の上端に当接する。このとき、第2キャップ部52は、記録ヘッド12のノズル形成面14との間に密封空間を形成して該ノズル形成面14をキャッピングする。
なお、本実施形態の第2キャップ部52には、大気開放孔57が形成されているため、外気(第2キャップ部52外)の温度変化に起因した第2キャップ部52内の空間(上記密封空間)内の圧力変化が抑制される。したがって、大気開放孔57が形成されていない場合とは異なり、第2キャップ部52内の空間の圧力変化によって、記録ヘッド12の各ノズル13内のメニスカスが破損してしまうことが抑制される。
そして、その後、印刷命令が制御部70に入力されると、記録ヘッド移動機構12aの駆動により、記録ヘッド12が上昇してノズル形成面14のキャッピングが解除される。そして次に、駆動ローラ24、シート搬送ローラ対48及びシート排送ローラ対49の回転が開始される。すると、メイン搬送路28上のメンテナンスシート16は、対向位置から上記X方向に搬送され、メイン搬送路28の他端側(図1における左端側)から第3ガイド板46に移送される。そして、第3ガイド板46上のメンテナンスシート16は、シートトレイ41内において、該シートトレイ41内の積層状態にある各メンテナンスシート16上に載置された状態で収容される。
その後、セレクタ36が閉状態(図1にて実線で示した状態)になり、給紙トレイ21から排紙トレイ22までが第1ガイド板31及びメイン搬送路28を介して接続されてなる用紙搬送路が形成される。そして、給紙トレイ21から用紙Pがメイン搬送路28における記録ヘッド12の直下位置に搬送されると、記録ヘッド12からインクが吐出されることにより、印刷が開始される。
そして、一枚の用紙Pに対する印刷が終了し、まだ印刷するページがある場合には、印刷が完了した用紙Pが排紙トレイ22まで搬送された後、セレクタ36が開状態になる。すると、駆動ローラ24、シート給送ローラ43及びシートゲートローラ対45が回転することにより、一枚のメンテナンスシート16がシートトレイ41から取り出され、このメンテナンスシート16は、第2ガイド板42を介してメイン搬送路28へ搬送される。
そして、メンテナンスシート16のインク受容部55が記録ヘッド12の直下位置に配置されると、駆動ローラ24、シート給送ローラ43及びシートゲートローラ対45の回転が停止する。そして次に、記録ヘッド12の各ノズル13からは、インク受容部55に向けてインクがそれぞれ吐出される。すなわち、記録ヘッド12によるフラッシングが実行される。このとき、記録ヘッド12のノズル形成面14とインク吸収部材63の上端との間は、吐出されたインクがミスト状になることを抑制可能な間隔hに設定されているため、各ノズル13から吐出されたインクは、ミスト状になる前に、インク受容部55内に受容される。
その後、駆動ローラ24、シート搬送ローラ対48及びシート排送ローラ対49の回転が開始される。すると、メイン搬送路28上のメンテナンスシート16は、対向位置から上記X方向に搬送され、メイン搬送路28の他端側から第3ガイド板46に移送される。このとき、メンテナンスシート16におけるシート本体50の対向面50a側には、送風装置Aから熱風が吹き付けられる。そのため、インク受容部55に吸収されたインクの大部分は、送風装置Aからの熱風によって蒸発することになる。その後、メンテナンスシート16は、シートトレイ41内に収容され、次ページの印刷が実行されることになる。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)メンテナンスシート16のシート本体50には、記録ヘッド(液体噴射ヘッド)12のノズル形成面14を払拭するためのワイパ部54と、記録ヘッド12のクリーニングを行うための第1キャップ部(吸引機能付きのキャップ部)53とが設けられている。そのため、従来のメンテナンスシートとは異なり、実行しようとするメンテナンス(ノズル形成面14の払拭や記録ヘッド12のクリーニング)の種類に応じて、複数種類のメンテナンスシートを使い分ける必要がない。したがって、一枚のメンテナンスシート16で、記録ヘッド12における複数種類のメンテナンスを効率良く実行することができる。
(2)第1キャップ部(吸引機能付きのキャップ部)53とワイパ部54は、シート本体50においてメンテナンスシート16の搬送方向に沿うようにそれぞれ配置されている。そのため、第1キャップ部53によって記録ヘッド(液体噴射ヘッド)12のクリーニングが実行された後、メンテナンスシート16を搬送方向(X方向)に搬送する際に、ワイパ部54の先端54aを記録ヘッド12のノズル形成面14に摺接させることにより、該ノズル形成面14の払拭が行われる。すなわち、記録ヘッド12のクリーニングとノズル形成面14の払拭とを連続して速やかに行うことができる。
(3)もし仮に、ワイパ部54の対向面50aからの突出高さが、第1キャップ部(吸引機能付きのキャップ部)53の内部容積が最も大きくなった場合における該第1キャップ部53の対向面50aからの突出高さよりも低かったとする。すると、この場合、記録ヘッド(液体噴射ヘッド)12のクリーニングに続いてノズル形成面14の払拭を行おうとすると、記録ヘッド12を下方(ノズル形成面14と対向面40aとを相対的に接近させる方向)に移動させてからノズル形成面14の払拭を行うことになる。しかし、本実施形態によれば、第1キャップ部53を使用した記録ヘッド12のクリーニングが終了した後に、記録ヘッド12を、下方に移動させることなく、メンテナンスシート16をX方向(搬送方向)に搬送する際に、ノズル形成面14の払拭が行われる。したがって、記録ヘッド12のクリーニングとノズル形成面14の払拭とを連続して効率良く行うことができる。
(4)複数枚のメンテナンスシート16をシートトレイ41内にて積層状態で収容する際には、一枚のメンテナンスシート16は、その縁側凸部51が他のメンテナンスシート16に当接することになる。そのため、積層状態での収容時などにおいて、ワイパ部54が他のメンテナンスシート16などに不用意に当接してしまうことが抑制される結果、ワイパ部54が破損してしまうことを抑制できる。また、メンテナンスシート16を搬送する際にシート本体50の対向面50a側に位置する各ローラ(シート搬送ローラ対48など)は、それらの周面がシート本体50における縁側凸部51にしか当接せず、各キャップ部52,53、ワイパ部54及びインク受容部55とは接触しないので、各ローラの周面がインクで汚染することを抑制できる。
(5)本実施形態のメンテナンスシート16では、フラッシングにより記録ヘッド(液体噴射ヘッド)12から廃液として吐出(噴射)されたインク(液体)をインク受容部(液体受容部)55にて受容することができる。すなわち、メンテナンスシート16は、ノズル形成面14の払拭、及び記録ヘッド12のクリーニングだけではなく、記録ヘッド12によるフラッシングにも対応できる。
(6)フラッシング時に記録ヘッド(液体噴射ヘッド)12から廃液として噴射されたインク(液体)は、ミスト状になって飛散する前にインク受容部(液体受容部)55内に受容される。すなわち、インク受容部55は、フラッシング時に記録ヘッド12から廃液として噴射されたインクを確実に受容することができる。
(7)インク受容部(液体受容部)55は、第1キャップ部(吸引機能付きのキャップ部)53やワイパ部54とシート本体50の搬送方向(X方向)に沿うようにシート本体50上に配置されている。すなわち、対向位置において、メンテナンスシート16をX方向(上記搬送方向)に移動させることにより、記録ヘッド12の直下位置に、第1キャップ部53を配置したり、ワイパ部54を配置したり、インク受容部55を配置したりすることが可能になる。また、インク受容部55が、第1キャップ部53とワイパ部54との間に配置されていないため、記録ヘッド12のクリーニングとノズル形成面14の払拭とを連続して速やかに行う際に、インク受容部55が妨げになることを抑制できる。
(8)第2キャップ部(吸引機能無しのキャップ部)52が第1キャップ部(吸引機能付きのキャップ部)53とは別に設けられている。そのため、記録ヘッド(液体噴射ヘッド)12のクリーニングを行う必要がなく、ノズル形成面14のキャッピングのみを実行したい場合には、第2キャップ部52によってノズル形成面14をキャッピングすることができる。その一方、記録ヘッド12のクリーニングを行う場合には、第1キャップ部53が使用されることになる。すなわち、必要に応じて第1キャップ部53と第2キャップ部52とを使い分けることができるため、第1キャップ部53しか設けられていない場合とは異なり、メンテナンスシート(特に第1キャップ部53)16の劣化を抑制できる。
(9)シート搬送機構17と記録ヘッド移動機構(相対移動機構)12aとを備えたプリンタ(液体噴射装置)10において吸引機能付きの第1キャップ部53を備えたメンテナンスシート16を使用することにより、記録ヘッド(液体噴射ヘッド)12のクリーニングを容易に実行することができる。また、例えば吸引ポンプなどを有するクリーニング機構を設ける必要がないため、プリンタ10自体の大型化を抑制できる。
(10)第1キャップ部(吸引機能付きのキャップ部)53を記録ヘッド(液体噴射ヘッド)12のノズル形成面14に当接させた状態で、記録ヘッド移動機構(相対移動機構)12aの駆動によって記録ヘッド12を上下方向に移動させることにより、記録ヘッド12のクリーニングが実行される。したがって、メンテナンスシート16を使用して記録ヘッド12のクリーニングを容易に実行することができる。
(11)第1キャップ部(吸引機能付きのキャップ部)53の容積可変部58と記録ヘッド(液体噴射ヘッド)12のノズル形成面14とが当接することにより容積可変部58内に密封空間が形成された場合には、容積可変部58内の密封状態が記録ヘッド移動機構(密封状態解消機構)12aによって解消される。その後、記録ヘッド移動機構(相対移動機構)12aによってメンテナンスシート16におけるシート本体50の対向面50aと記録ヘッド12のノズル形成面14とが離間した状態になる。そのため、メンテナンスシート16から記録ヘッド12を離間させる際に、容積可変部58内の密封状態が既に解消されているため、第1キャップ部53による吸引作用が不用意に記録ヘッド12に作用してしまうことを抑制できる。すなわち、記録ヘッド12のクリーニングが不用意に実行されることを抑制できる。
(12)メンテナンスシート16が対向位置に配置された場合、該メンテナンスシート16において各排出用孔(連通孔)61が形成された部位は、各搬送ベルト23に当接していない。そのため、各常閉弁62が開弁動作したことに起因して、第1キャップ部(吸引機能付きのキャップ部)53の容積可変部58内から各排出用孔61を介してインク(液体)が第1キャップ部53外に排出された際に、該インクが各搬送ベルト23に付着してしまうことを抑制できる。
(13)所謂、フルラインタイプの記録ヘッド(液体噴射ヘッド)12は一般に大型であるため、かかる大型の記録ヘッド12を非印刷領域に配置されたキャップ装置のところまで移動させて各種メンテナンス動作を行うことが困難である。この点、本実施形態では、こうしたプリンタ(液体噴射装置)10において、シート搬送機構17によってメンテナンスシート16を記録ヘッド12に対する対向位置まで搬送することで容易に各種メンテナンスを行うことができる。
(14)第3ガイド板46に移送されたメンテナンスシート16におけるシート本体50の対向面50a側には、送風装置Aから熱風が吹き付けられる。そのため、メンテナンスシート16の対向面50a側に付着したインクの大部分が蒸発することになる。したがって、シートトレイ41内にてメンテナンスシート16を収容する際に、一枚のメンテナンスシート16からインクが垂れ流れる結果、該インクによって他のメンテナンスシート16が付着してしまうことを抑制できる。
(15)また、記録ヘッド12によるフラッシング時にインク受容部55内に吸収されたインクもまた、その大部分が送風装置Aからの熱風によって蒸発することになるため、一枚のメンテナンスシート16を複数回使用する際において、インク受容部55におけるインクの吸収効率が低下してしまうことを抑制できる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記実施形態において、送風装置Aは、対向位置にあるメンテナンスシート16がシートトレイ41に搬送される際に必ず駆動するようにしてもよい。
・上記実施形態において、シート搬送機構17は、2本以外の複数(例えば4本)の搬送ベルト23を備えた構成であってもよい。この場合においても、各搬送ベルト23は、対向位置に配置されたメンテナンスシート16における各排出用孔61の非形成位置に当接するように配置されることが望ましい。
・上記実施形態において、密封状態解消機構は、記録ヘッド12及びメンテナンスシート16を、対向面50aとノズル形成面14とが接離する方向と交差する方向に相対移動させることができるのであれば、対向位置に配置されたメンテナンスシート16をX方向に沿って移動させることができるシート搬送機構17であってもよい。このように構成した場合においても、第1キャップ部53の容積可変部58と記録ヘッド12のノズル形成面14とが当接することにより容積可変部58内に密封空間が形成された状態であっても、シート搬送機構17を駆動させることにより、容積可変部58内の密封状態を解消させることができる。
・また、密封状態解消機構は、シート搬送機構17全体をY方向及び反Y方向に移動させる駆動機構であってもよい。
・さらに、密封状態解消機構は、第1キャップ部53の容積可変部58と記録ヘッド12のノズル形成面14とが当接することにより容積可変部58内に密封空間が形成された状態で、各常閉弁62のうち少なくとも一つを強制的に開弁動作させるようなものであってもよい。
・上記実施形態において、相対移動機構は、対向位置に配置されたメンテナンスシート16におけるシート本体50の対向面50aと記録ヘッド12のノズル形成面14とを相対的に接離する方向へ移動させることができるのであれば、シート搬送機構17を上下方向に移動させることができる装置であってもよい。また、相対移動機構は、シート搬送機構17を上下方向に移動させることができる装置と、記録ヘッド移動機構12aとから構成されたものであってもよい。
・上記実施形態において、メンテナンスシート16は、第2キャップ部52を設けない構成であってもよい。この場合、記録ヘッド12のノズル形成面14をキャッピングするだけの場合においても、第1キャップ部53を使用することになる。
・上記実施形態において、メンテナンスシート16は、第1キャップ部53と第2キャップ部52との間にインク受容部55を配置した構成であってもよい。また、インク受容部55を、第1キャップ部53よりも搬送方向側(図2ではX方向側)に配置してもよい。
・また、インク受容部55のインク吸収部材63の上端と記録ヘッド12のノズル形成面14との間隔hは、記録ヘッド12から吐出されたインクがミスト状になることを抑制可能な間隔ならば、2mm程度に限定されるものではない。
・上記実施形態において、ワイパ部54は、その対向面50aからの突出高さが縁側凸部51の対向面50aからの突出高さよりも高くなるように構成されてもよい。
・上記実施形態において、メンテナンスシート16には、縁側凸部51を設けなくてもよい。
・上記実施形態において、メンテナンスシート16は、対向面50a側の縁側に柱状をなす縁側凸部51を複数設けたものであってもよい。
・上記実施形態において、ワイパ部54は、その対向面50aからの突出高さが第1キャップ部53の対向面50aからの突出高さよりも低くなるように構成されてもよい。
・上記実施形態において、メンテナンスシート16は、第1キャップ部53とワイパ部54との間に第2キャップ部52やインク受容部55などが配置された構成であってもよい。
・上記実施形態において、メンテナンスシート16は、3つ以外の任意数(例えば2つ)の排出用孔61が形成された構成であってもよい。
・上記実施形態では、フルラインタイプの記録ヘッド12を有するインクジェット式プリンタ10として具体化したが、用紙Pの搬送方向と交差する方向に往復移動するキャリッジに記録ヘッド12が配置されるタイプのインクジェット式プリンタに具体化してもよい。
・上記実施形態では、液体噴射装置を用紙Pへの印刷に用いられるインクジェット式プリンタに具体化したが、この限りではなく、インク以外の他の液体を噴射する液体噴射装置に具体化してもよい。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置であってもよい。
本実施形態のインクジェット式プリンタの全体概略構成図。 本実施形態におけるメンテナンスシートの概略平面図。 図2における3−3線矢視断面図。 図2における4−4線矢視断面図。 記録ヘッドにより容積可変部の上端部が下方に変位した状態の概略断面図。 ワイパ部と第1キャップ部との高さ関係を示す概略断面図。 図2における7−7線矢視断面図。 インクジェット式プリンタの電気的構成を示すブロック図。 メンテナンス実行処理ルーチンを説明するフローチャート。 用紙搬送処理ルーチンを説明するフローチャート。 フラッシング処理ルーチンを説明するフローチャート。 クリーニング処理ルーチンを説明するフローチャート。 ワイピング処理ルーチンを説明するフローチャート。 キャッピング処理ルーチンを説明するフローチャート。
符号の説明
10…インクジェット式プリンタ(液体噴射装置)、12…記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、12a…記録ヘッド搬送機構(相対移動機構、密封状態解消機構)、13…ノズル(液体噴射ノズル)、14…ノズル形成面、16…メンテナンスシート、17…シート搬送機構、23…搬送ベルト、24…駆動ローラ(搬送ローラ)、25…従動ローラ(搬送ローラ)、50a…対向面、51…縁側凸部、52…第2キャップ部(吸引機能無しの別キャップ部)、53…第1キャップ部(吸引機能付きキャップ部)、54…ワイパ部、55…インク受容部(液体受容部)、61…連通孔、62…常閉弁、70…制御部(制御手段)、h…間隔、P…用紙(ターゲット)。

Claims (13)

  1. 液体噴射装置に設けられた液体噴射ヘッドのノズル形成面に対する対向面を備えたメンテナンスシートであって、
    前記対向面が前記ノズル形成面に対向する対向位置において、前記対向面と前記ノズル形成面とを該ノズル形成面と平行な方向に相対移動させた場合に該ノズル形成面を払拭するワイパ部と、
    前記対向位置において前記対向面と前記ノズル形成面とを相対的に接近させた場合に、該ノズル形成面に当接することにより該ノズル形成面との間に密封空間を形成し、その当接状態において内部容積が可変とされたキャップ部と、
    該キャップ部の内外間を連通するように貫通形成された連通孔と、
    該連通孔を開閉する弁とを備え、
    該弁は、前記キャップ部の内部容積の減少に伴い開弁動作する一方、前記キャップ部の内部容積の増大に伴い閉弁動作するように構成されたメンテナンスシート。
  2. 前記キャップ部及びワイパ部は、前記対向面上において前記メンテナンスシートの搬送方向となる所定方向へ互いに隣り合うように配置されている請求項1に記載のメンテナンスシート。
  3. 前記ワイパ部は、前記対向面からの突出高さが、前記キャップ部の内部容積が最も大きくなった場合における該キャップ部の前記対向面からの突出高さよりも高くなるように形成されている請求項1又は請求項2に記載のメンテナンスシート。
  4. 前記対向面上における縁部には、前記キャップ部及び前記ワイパ部を包囲するように凸部が形成されており、前記ワイパ部は、前記対向面からの突出高さが前記凸部の前記対向面からの突出高さよりも低くなるように形成されている請求項3に記載のメンテナンスシート。
  5. 前記対向位置において前記対向面上に前記液体噴射ヘッドの液体噴射ノズルから廃液として噴射された液体を受容する液体受容部を更に備えた請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載のメンテナンスシート。
  6. 前記液体受容部は、前記対向位置において前記液体噴射ヘッドの液体噴射ノズルから廃液として噴射された液体を受容する際に、前記液体噴射ヘッドのノズル形成面との間隔が、前記液体噴射ヘッドの液体噴射ノズルから噴射された液体がミスト状になることを抑制可能な間隔となるように形成されている請求項5に記載のメンテナンスシート。
  7. 前記液体受容部は、前記対向面上において前記メンテナンスシートの搬送方向となる所定方向へ前記ワイパ部から見て前記キャップ部が設けられた側とは反対側で前記ワイパ部と隣り合うように配置されている請求項5又は請求項6に記載のメンテナンスシート。
  8. 前記キャップ部とは異なる別キャップ部を更に備え、該別キャップ部は、前記対向位置において前記対向面と前記ノズル形成面とを相対的に接近させた場合に、該ノズル形成面に当接することにより該ノズル形成面との間に密封空間を形成するように構成されている請求項1〜請求項7のうち何れか一項に記載のメンテナンスシート。
  9. 液体噴射ノズルからターゲットに液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
    請求項1〜請求項8のうち何れか一項に記載のメンテナンスシートを、前記対向面が前記液体噴射ヘッドのノズル形成面と非対向状態となる非対向位置から前記対向位置に搬送するためのシート搬送機構と、
    該シート搬送機構によって前記対向位置に搬送された状態にある前記メンテナンスシート及び前記液体噴射ヘッドの少なくとも一方を、前記対向面と前記ノズル形成面とが接離する方向に相対移動させる相対移動機構と、
    該相対移動機構及び前記シート搬送機構を制御する制御手段とを備えた液体噴射装置。
  10. 前記制御手段は、前記対向位置において前記液体噴射ヘッドのノズル形成面に当接した状態にある前記メンテナンスシートの前記キャップ部内に前記液体噴射ノズルから液体を吸引させる場合、前記キャップ部の内部容積が減少した後に該キャップ部の内部容積が増大するように、前記相対移動機構を制御する請求項9に記載の液体噴射装置。
  11. 前記キャップ部と前記ノズル形成面とが当接することにより前記キャップ部内に密封空間が形成された場合において該キャップ部内の密封状態を解消させるための密封状態解消機構を更に備え、
    前記制御手段は、前記対向位置において前記液体噴射ヘッドのノズル形成面に当接した状態にある前記メンテナンスシートの前記キャップ部を前記ノズル形成面から離間させる場合、前記キャップ部の内部容積が減少するように前記相対移動機構を制御した後に、前記密封状態解消機構を制御することにより前記キャップ部内の密封状態を解消させ、その後に、前記メンテナンスシートの前記対向面と前記液体噴射ヘッドの前記ノズル形成面とを相対的に離間させるように前記相対移動機構を制御する請求項9又は請求項10に記載の液体噴射装置。
  12. 前記シート搬送機構は、複数の搬送ローラと、該搬送ローラ間に掛装される複数のベルトとを備え、該各ベルトは、前記対向位置に搬送された前記メンテナンスシートの前記連通孔の非形成部位と当接するようにそれぞれ配置されている請求項9〜請求項11のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。
  13. 前記液体噴射ヘッドには、前記液体噴射ノズルが前記ターゲットの搬送方向と交差する方向に沿った前記ターゲットの液体噴射領域の全幅に亘って形成されている請求項9〜請求項12のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。
JP2007111651A 2006-06-05 2007-04-20 メンテナンスシート及び液体噴射装置 Expired - Fee Related JP4900020B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007111651A JP4900020B2 (ja) 2006-06-05 2007-04-20 メンテナンスシート及び液体噴射装置
US11/758,517 US7857418B2 (en) 2006-06-05 2007-06-05 Maintenance sheet and liquid ejecting apparatus

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006156118 2006-06-05
JP2006156118 2006-06-05
JP2007111651A JP4900020B2 (ja) 2006-06-05 2007-04-20 メンテナンスシート及び液体噴射装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008012908A true JP2008012908A (ja) 2008-01-24
JP4900020B2 JP4900020B2 (ja) 2012-03-21

Family

ID=39070397

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007111651A Expired - Fee Related JP4900020B2 (ja) 2006-06-05 2007-04-20 メンテナンスシート及び液体噴射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4900020B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013132874A (ja) * 2011-12-27 2013-07-08 Brother Industries Ltd 液体吐出装置
JP2022159296A (ja) * 2015-04-21 2022-10-17 芝浦メカトロニクス株式会社 錠剤印刷装置

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03234643A (ja) * 1990-02-13 1991-10-18 Canon Inc インクジェット記録装置
JPH06320758A (ja) * 1993-05-13 1994-11-22 Brother Ind Ltd 吸引装置
JPH11170563A (ja) * 1997-12-09 1999-06-29 Canon Aptex Inc インクジェットプリンタ
JP2000153621A (ja) * 1998-11-20 2000-06-06 Seiko Epson Corp インクジェット式記録装置
JP2000343716A (ja) * 1999-06-08 2000-12-12 Casio Comput Co Ltd インクジェットプリンタヘッド
JP2001105628A (ja) * 1999-10-13 2001-04-17 Canon Inc 画像形成装置
JP2001253080A (ja) * 2000-03-13 2001-09-18 Sony Corp プリンタ装置の性能維持シート
JP2003205636A (ja) * 2002-01-15 2003-07-22 Brother Ind Ltd インクジェット記録装置
JP2005306008A (ja) * 2004-03-23 2005-11-04 Brother Ind Ltd インクジェットヘッドのキャップ

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03234643A (ja) * 1990-02-13 1991-10-18 Canon Inc インクジェット記録装置
JPH06320758A (ja) * 1993-05-13 1994-11-22 Brother Ind Ltd 吸引装置
JPH11170563A (ja) * 1997-12-09 1999-06-29 Canon Aptex Inc インクジェットプリンタ
JP2000153621A (ja) * 1998-11-20 2000-06-06 Seiko Epson Corp インクジェット式記録装置
JP2000343716A (ja) * 1999-06-08 2000-12-12 Casio Comput Co Ltd インクジェットプリンタヘッド
JP2001105628A (ja) * 1999-10-13 2001-04-17 Canon Inc 画像形成装置
JP2001253080A (ja) * 2000-03-13 2001-09-18 Sony Corp プリンタ装置の性能維持シート
JP2003205636A (ja) * 2002-01-15 2003-07-22 Brother Ind Ltd インクジェット記録装置
JP2005306008A (ja) * 2004-03-23 2005-11-04 Brother Ind Ltd インクジェットヘッドのキャップ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013132874A (ja) * 2011-12-27 2013-07-08 Brother Industries Ltd 液体吐出装置
JP2022159296A (ja) * 2015-04-21 2022-10-17 芝浦メカトロニクス株式会社 錠剤印刷装置
JP7284857B2 (ja) 2015-04-21 2023-05-31 芝浦メカトロニクス株式会社 錠剤印刷装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4900020B2 (ja) 2012-03-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7543898B2 (en) Liquid ejection apparatus
JP5935338B2 (ja) 画像形成装置
US7857418B2 (en) Maintenance sheet and liquid ejecting apparatus
JP5732914B2 (ja) 画像形成装置
JP4900020B2 (ja) メンテナンスシート及び液体噴射装置
JP4241420B2 (ja) 媒体搬送装置及び液体噴射装置
JP4586923B2 (ja) 媒体搬送装置及び記録装置
JP2005212425A (ja) 媒体搬送装置及び記録装置
JP4586924B2 (ja) 媒体搬送装置及び記録装置
JP4586978B2 (ja) 記録ヘッドのキャッピング装置、記録装置、および、液体噴射装置。
JP2011110840A (ja) 画像形成装置
JP4835834B2 (ja) 記録ヘッドのキャッピング装置、記録装置および液体噴射装置
JP4957353B2 (ja) キャッピングシート及び液体噴射装置
JP2007055130A (ja) 液体噴射装置
JP4904845B2 (ja) 液体噴射装置及び処理液ミスト回収方法
JP4788299B2 (ja) キャッピングシート及び液体噴射装置
US9050836B2 (en) Printer with transfer belt and sheet pressing roller
JP4530124B2 (ja) 記録装置、液体噴射装置
JP5056465B2 (ja) 液体吐出装置および印刷装置
JP5397743B2 (ja) 画像形成装置
JP2005280284A (ja) 記録装置及び液体噴射装置
JP2019177557A (ja) 記録装置
JP4924110B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2015098134A (ja) 画像形成装置
JP2019136928A (ja) 印刷装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20091201

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20091204

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111206

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4900020

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150113

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees