JP2006340317A - 導波路基板および高周波回路モジュール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 変換部3Bが、導波路3Aの一端を遮断する位置にそなえられ、誘電体板31の両面の導体層32a,32b間を貫通して電気的に導通させる導波路遮断用導通ポスト33cと、導波路3Aから導波路遮断用導通ポスト33cに向けて高周波信号が伝搬する方向に対する上流側および下流側に並列して2つ設けられた、導体層32aが形成されていないスリット状の領域34a,34bと、をそなえる。
【選択図】 図1
Description
すなわち、高周波信号においては、送信回路のごとき回路チップからの信号を直接アンテナに供給するよりも、空洞導波管での信号伝搬モードに一旦変換してからアンテナに供給する場合のほうか、伝送損失を低減させることが可能であることが知られている。この送信および受信回路をなす回路チップ等と空洞導波管との間の信号をインタフェースする部材としては、例えば下記の特許文献1に示すものが知られている。
そして、これらの2列の貫通導体103および誘電体板両面の導電性膜102により包囲される経路をポスト壁導波管104として構成することにより、図示しない回路チップからの信号を、このポスト壁導波管104を通じて空洞導波管105に供給している。具体的には、ポスト壁導波管104の一方の開口を貫通導体列103cで塞ぎ、貫通導体列103cから所定の距離L1離れた位置に結合窓104wを形成する。
すなわち、上述のショート壁をなす貫通導体列103cおよび結合窓104wは、通常は、別々の製造工程において形成するものであり、同一の工程において同時に形成するものではない。即ち、貫通導体列103cは、通常は、レーザ又はドリル等により孔を開けてから導電部材を充填する工程により形成される一方、結合窓104wは、エッチング等の技術を用いることにより、導電性膜102を形成する工程において、結合窓104wに相当する部分を取り除くことで形成される。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、空洞導波管に信号を導く箇所の製造誤差に起因した、ポスト壁導波管における空洞導波管への信号変換特性を改善することを目的とする。
さらに、該2つのスリット状の領域は、該導波路を伝搬する高周波信号の波長の2分の1に実質的に相当する距離を置いて形成されることとしてもよい。
なお、上述の本願発明の目的のほか、他の技術的課題,その技術的課題を解決する手段及びその作用効果についても、以下の実施の形態による開示によって明らかとなるものである。
〔A〕一実施形態の説明
・構成
図1は本発明の一実施形態にかかる高周波回路モジュール1を示す模式的斜視図である。この図1に示す高周波回路モジュール1は、例えば図2に示す無線信号の送受信ユニット10にそなえられるものである。この図2に示す送受信ユニット10は、特にマイクロ波、ミリ波等の高周波信号を送受信するものであって、バイアス基板11に搭載された高周波回路モジュール1をそなえるとともに、平面アンテナ12が設けられている。
上述の高周波回路モジュール1は、図1に示すように、空洞導波管2と、空洞導波管2が搭載されて、空洞導波管2に結合される高周波信号のための導波路(ポスト壁導波管)3Aが形成された導波路基板3と、導波路基板3上に実装された半導体回路チップ4と、をそなえている。ここで、図1に示す空洞導波管2は、図2に示すメタル枠13によって包囲される空洞導波管2の空洞部分に着目して模式的に図示されている。
また、導波路基板3は、樹脂基板等からなる誘電体板31と、誘電体板31の両面に形成された導体層32a,32bと、をそなえるとともに、誘電体板31の両面の導体層32a,32bの間を電気的に導通させる導通ポスト33が2列にそれぞれ複数形成されて、これら2列の導通ポスト33および導体層32a,32bで囲まれた誘電体部分が、上述の導波路3Aとして構成されている。
ここで、導波路遮断用導通ポスト33cは、前述の導通ポスト33と同様の構成を有するものであるが、導波路3Aの一端を遮断するように複数個配列されている。この導波路遮断用導通ポスト33cの複数個の配列は、前述の図19における貫通導体列103cに相当する。即ち、貫通導体列103cと同様、複数配列された導波路遮断用導通ポスト33cによって、導波路3Aが塞がれ、導波路3Aを伝搬する高周波信号に対するショート壁を構成する。
なお、下流側のスリット34b、即ち導波路遮断用導通ポスト33c側のスリット34bと、導波路遮断用導通ポスト33cとの間隔は、整合用の間隔が設けられている。具体的には、導波路遮断用導通ポスト33cの配列からなるショート壁とスリット34bとの距離L1は、前述の図19の場合と同様に、整合用の間隔として、導波路3Aを伝搬する高周波信号の波長の4分の1の奇数倍に実質的に相当する距離を置いて形成する。
前述したように、上述のスリット34a,34bと導波路遮断用導通ポスト33cは、通常は別工程によって形成されるものであって、上述のごとき整合用の間隔には製造バラツキが生じうるものである。これに対し、2つのスリット34a,34bについては同一工程において同時に形成することが可能である。
前述の図19に示す場合においても、導電性膜103の不形成領域である窓104wを通じてポスト壁導波管104を伝搬する高周波信号を空洞導波管105に導かれるようにしている点は、本実施形態の場合と共通する。しかし、この空洞導波管2(105)に導かれる導体層32a(導電性膜103)の不形成領域の形状は、本実施形態の場合と図19の場合とでは異なっている。
このとき、図19に示すものにおいては、上述のごとく窓104wが高周波信号の伝搬方向について比較的長尺であるため、ショート壁に反射される前段の高周波信号が窓104wの領域を伝搬する過程で、空洞導波管105へ漏れ出す成分が比較的大きくなる。従って、貫通導体列103cからなるショート壁によって定在波が生じさたとしても、上述の漏れ出し成分があるために、共振による振幅値は比較的小さくなってしまう。
この図4に示すように、スリット34bと導波路遮断用導通ポスト33cとの距離L1を3つの値(La,Lb,Lc;La<Lb<Lc)に変化させた場合、前述の図20の場合に比べて、高周波信号の周波数成分に対する特性変化が受ける影響を少なくできることがわかる。換言すれば、2つのスリット34a,34bにより所望の周波数帯において共振させ誘電体板31内の進行方向にショート壁までの距離依存が、図19の窓104wのごとく単純な1つ開口を用いた変換構造に比べて軽減できる。
本実施形態における導波路基板3においては、このような高次モードの発生を抑制するため、例えば図6に示すように、スリット34a,34bの距離の中心線Cの位置上に、等価的に導波路幅を狭めるように、高周波信号の進行方向について左右対称となる位置に導通ポスト36を2つ配置している。この導通ポスト36は、前述の導通ポスト33,33cと同様、導体層32a,32bを貫通して電気的に導通させるものである。スリット34a,34bの距離の中心線Cの位置は定在波の節部分となっているため、導通ポスト36を配置させても高周波信号の伝送への影響が少ない。2つの導通ポスト36により伝送路幅を等価的に狭くすることにより高次モードの発生を抑制している。これにより、空洞導波管2に信号を変換する変換部3Bの製造時の位置あわせバラツキに対する高周波信号の伝搬特性への影響を抑制した構造を実現することができる。また、この場合、導通ポスト36を左右対称となる位置に片側1つずつ配置しているが、導波路幅を狭め過ぎない程度に複数であってもよい。
また、図7に示すように、半導体回路チップ4の信号線41は単一のメタルバンプ41bを通じて上述の金属パッド37に接続され、半導体回路チップ4の接地層42は複数のメタルバンプ42bを通じて導体層32bに接続される。そして、図9に示すように、上述の半導体回路チップ4と導波路基板3とのメタルバンプ41b,42bを通じた接続を安定化させるためのアンダーフィル材43が充填され、これにより、半導体回路チップ4と導波路基板3とがフリップチップ実装されるようになっている。
上述の構成により、本実施形態にかかる高周波回路モジュール1においては、半導体回路チップ4からの高周波信号が、信号線41およびメタルバンプ41bを通じて、導波路基板3をなす金属パッド37に導通されて、導通ポスト33dを通じて導波路3Aを伝搬するモード(導波管モード)に変換され、導波路3Aを伝搬する。そして、導波路3Aからの高周波信号は、変換部31Bにおいて、空洞導波管2を伝搬する高周波信号に変換される。
本発明によれば、上述した実施形態にかかわらず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
たとえば、図14に示す高周波回路モジュール1Aのように、半導体回路チップ4Aとして、上述の半導体回路チップ4と異なる構成のものを採用することとしてもよい。この図14に示す半導体回路チップ4Aにおいては、前述の半導体チップ回路4とは異なる構成によってコプレーナ伝送線路を構成するものである。
2 空洞導波管
3 導波路基板
3A 導波路
3B 変換部
31 誘電体板
32a,32b,32Ba,32Bb 導体層
33,33e,36 導通ポスト
33c 導波路遮断用導通ポスト
33d 金属パッド用導通ポスト
34a,34b スリット
37 金属パッド
37a ギャップ
4,4A 半導体回路チップ
4a ミリ波IC
4b マイクロ波IC
41,41A 信号線
41A−1 第1部分(信号線)
41A−2 第2部分(信号線)
41a ギャップ
41b,42b メタルバンプ
42,42A 接地層
43 アンダーフィル材
44 誘電体層
6 樹脂スティフナ
12 平面アンテナ
13 メタル枠
14 蓋部
100 部材
102 導電性膜
103 貫通導体
103c 貫通導体列
104 ポスト壁導波管
104w 結合窓
105 空洞導波管
Claims (10)
- 空洞導波管に結合される高周波信号のための導波路が形成された導波路基板であって、
誘電体板と、該誘電体板の両面に形成された導体層と、をそなえるとともに、該誘電体板の両面の導体層間を貫通して電気的に導通させる導通ポストが2列にそれぞれ複数形成されて、該2列の導通ポストおよび該導体層で囲まれた誘電体部分が、該導波路として構成され、
かつ、該導波路は、当該導波路を伝搬する高周波信号を、該空洞導波管を伝搬する高周波信号に変換させる変換部がそなえられ、
該変換部が、
該導波路の一端を遮断する位置にそなえられ、該誘電体板の両面の導体層間を貫通して電気的に導通させる導波路遮断用導通ポストと、
該導波路から該導波路遮断用導通ポストに向けて高周波信号が伝搬する方向に対する上流側および下流側に並列して2つ設けられた、該導体層が形成されていないスリット状の領域と、をそなえたことを特徴とする、導波路基板。 - 該下流側における該スリット状の領域は、該導波路遮断用導通ポストに対して整合用の間隔が設けられたことを特徴とする、請求項1記載の導波路基板。
- 該2つのスリット状の領域は、該導波路遮断用導通ポストにより形成されるポスト壁を固定端として高周波信号が強めあう位置に形成されたことを特徴とする、請求項2記載の導波路基板。
- 該2つのスリット状の領域は、該導波路を伝搬する高周波信号の波長の2分の1に実質的に相当する距離を置いて形成されたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の導波路基板。
- 該変換部における導波路箇所を構成する該2列の導通ポストの間隔は、該変換部における導波路箇所以外の箇所よりも、該2列の導通ポストの間隔が広くなるように構成されたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載の導波路基板。
- 該上流および下流のスリット状の領域が形成される中間域に、該誘電体板の両面の導体層間を導通させる導通ポストが2つ設けられたことを特徴とする、請求項5記載の導波路基板。
- 空洞導波管と、該空洞導波管が搭載されて、該空洞導波管に結合される高周波信号のための導波路が形成された導波路基板と、該導波路基板上に実装された半導体回路チップと、をそなえ、該半導体回路チップからの信号が該高周波信号として該導波路を伝搬するように構成された高周波回路モジュールであって、
該導波路基板は、
誘電体板と、該誘電体板の両面に形成された導体層と、をそなえるとともに、該誘電体板の両面の導体層間を電気的に導通させる導通ポストが2列にそれぞれ複数形成されて、該2列の導通ポストおよび該導体層で囲まれた誘電体部分が、該導波路として構成され、
かつ、該導波路は、当該導波路を伝搬する高周波信号を、該空洞導波管を伝搬する高周波信号に変換させる変換部がそなえられ、
該変換部が、
該導波路の一端を遮断する位置にそなえられ、結合部該誘電体板の両面の導体層間を電気的に導通させる導波路遮断用導通ポストと、
該導波路から該導波路遮断用導通ポストに向けて高周波信号が伝搬する方向に対する上流側および下流側に並列して2つ設けられた、該導体層が形成されていないスリット状の領域と、をそなえたことを特徴とする、高周波回路モジュール。 - 該半導体回路チップの信号線が接続される金属パッドが、当該半導体回路チップが実装される側の導波路基板面上に設けられ、
かつ、該金属パッドは、該導波路基板の両面に形成されている該導体層のうちで、該半導体回路チップが実装される側の導体層との間にはギャップが設けられて直接接続されないように構成される一方、
該金属パッドと、該半導体回路チップが実装される側の導体層とは反対側の導波路基板面に形成されている導体層と、の間を電気的に導通させる金属パッド用導通ポストが設けられたことを特徴とする、請求項7記載の高周波回路モジュール。 - 該半導体回路チップは、該信号線を挟んで形成される接地層をそなえるとともに、該信号線は該金属パッドと、該接地層は該半導体回路チップが実装される側の導体層と、それぞれ電気的に接続されるように該半導体基板にフリップチップ実装され、
かつ、該導波路基板における該金属パッドと該半導体回路チップが実装される側の導体層との間隔に比べて、該導波路基板における金属パッドと該半導体回路チップの接地層との間隔を近接させることを特徴とする、請求項8記載の高周波回路モジュール。 - 該半導体回路チップをなす信号線は、外側を誘電体層で覆われた第1部分と、該第1部分から導通して該金属パッドとの接続箇所として該誘電体層から露出する第2部分と、をそなえるとともに、
該半導体回路チップをなす接地層は、該誘電体層を覆い且つ該第2部分を挟むように形成されたことを特徴とする、請求項9記載の高周波回路モジュール。
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