JP2006332358A - 炭化珪素半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 グラファイト層の除去工程を行わなくても、密着性の高い配線用電極が形成できるSiC半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 グラファイト層5が形成される前に、予めNi膜2の上にNiシリサイド膜3を形成する。このようにすれば、Ni膜2をシリサイド化したときに、グラファイト層5がNiシリサイド膜3と科学的に結合されるようにすることができる。これにより、グラファイト層5とNiシリサイド膜3とを高い密着強度で接合することができる。そして、グラファイト層5の表面にではなく、Niシリサイド膜3の上に配線用電極6を形成することができるため、配線用電極6がNiシリサイド膜3から剥離することもない。このため、グラファイト層5の除去工程を行わなくても、配線用電極6の剥がれを防止することが可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】 グラファイト層5が形成される前に、予めNi膜2の上にNiシリサイド膜3を形成する。このようにすれば、Ni膜2をシリサイド化したときに、グラファイト層5がNiシリサイド膜3と科学的に結合されるようにすることができる。これにより、グラファイト層5とNiシリサイド膜3とを高い密着強度で接合することができる。そして、グラファイト層5の表面にではなく、Niシリサイド膜3の上に配線用電極6を形成することができるため、配線用電極6がNiシリサイド膜3から剥離することもない。このため、グラファイト層5の除去工程を行わなくても、配線用電極6の剥がれを防止することが可能となる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、炭化珪素(以下、SiCという)で構成される半導体素子等とのオーミック接触が実現できるSiC半導体装置およびその製造方法に関するものである。
SiC半導体装置において、N型SiCとP型SiCの双方に対して低抵抗(電位障壁が小さな)接続となるオーミック電極を得るためには、SiC上にNiを蒸着したのち、熱処理を行うというサリサイドプロセスを行い、SiC上にNiシリサイド膜を形成すれば良いということが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、Niを熱処理してNiシリサイド膜を形成した場合、図5に示されるように、SiCJ1上のNiシリサイド膜J2の表面にグラファイト層J3が形成される。このため、ボンディングや半田付けのための配線用電極J4をその上に形成したときに、グラファイト層J3によって配線用電極J4とNiシリサイド膜J2との密着性が低下し、配線用電極J4の剥がれを引き起こす要因となる。
このため、特許文献1において、Niシリサイド膜J2の表面に形成されたグラファイト層J3を酸素ガス(O2)雰囲気または不活性ガス(Arなど)雰囲気中でのプラズマプロセスにて除去し、配線用電極J4の剥がれを防止することが提案されている。
特開2003−243323号公報
第51回応用物理関係連合講演会講演予稿集(2004年3月)、今井 聖支 他1名、29p−ZM−14「Niサリサイドプロセスを用いたn型およびp型SiC同時コンタクト」
しかし、O2プラズマでグラファイト層を除去すると、その下のNiシリサイド膜が酸化されてしまう。このNi酸化物もまた、配線用電極の密着性低下を引き起こす要因となるものであるが、このNi酸化物をウェットエッチングで除去することは困難である。
Arプラズマでは、スパッタモードで除去するため、Arイオンのエネルギーが高くなり、カーボン層のみでエッチングを止めることは困難となる。このため、Niシリサイド膜の喪失という問題を引き起こす。また、Niオーミック電極部だけ、選択的にエッチングすることが困難であるため、Niオーミック電極部以外にダメージを与えることとなる。また、選択的にエッチングを行えたとしても、レジストでのパターニングが必要となり、SiC半導体装置の製造工数が増加する。
このため、グラファイト層の除去工程を行わないで密着性の高い配線用電極を形成する方法が必要である。
本発明は上記点に鑑みて、グラファイト層の除去工程を行わなくても、密着性の高い配線用電極が形成できるSiC半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、炭化珪素(1)の表面にNi膜(2)を形成する工程と、Ni膜(2)の上に金属シリサイド膜(3)を形成する工程と、熱処理を行うことで、Ni膜(2)をシリサイド化させ、炭化珪素(1)の表面にNiシリサイド膜(4)を形成する工程と、金属シリサイド膜(3)の上に配線用電極(6)を形成する工程とを含んでいることを特徴としている。
このように、グラファイト層(5)が形成される前に、予めNi膜(2)の上に金属シリサイド膜(3)を形成しているため、Ni膜(2)をシリサイド化したときに、グラファイト層(5)が金属シリサイド膜(3)と科学的に結合されるようにすることができる。
これにより、グラファイト層(5)と金属シリサイド膜(3)とを高い密着強度で接合することができる。そして、グラファイト層(5)の表面にではなく、金属シリサイド膜(3)の上に配線用電極(6)を形成することができるため、配線用電極(6)が金属シリサイド膜(3)から剥離することもない。このため、グラファイト層(5)の除去工程を行わなくても、配線用電極(6)の剥がれを防止することが可能となる。
例えば、金属シリサイド膜(3)としては、請求項2に示されるように、Niシリサイド膜、Wシリサイド膜、Coシリサイド膜、Crシリサイド膜、Moシリサイド膜、Tiシリサイド膜、Ptシリサイド膜、Alシリサイド膜のいずれか1つもしくは複数の組み合わせを用いることができる。
請求項3に記載の発明では、炭化珪素(1)の表面に厚さ500nm以上となるNi膜(2)を形成する工程と、熱処理を行うことで、Ni膜(2)をシリサイド化させ、炭化珪素(1)の表面にNiシリサイド膜(4)を形成することで、該Niシリサイド膜(4)の上にグラファイト層(5)が形成されると共に、該グラファイト層(5)の上にNi膜(2)の一部が残された構造を形成する工程と、Ni膜(2)の上に配線用電極(6)を形成する工程とを含んでいることを特徴としている。
このように、グラファイト層(5)が形成されてもその上にNi膜(2)が残るように、最初からNi膜(2)を厚く形成するようにしている。このため、Ni膜(2)をシリサイド化したあとにも、グラファイト層(5)が残ったNi層(2)と高い密着強度で接合された状態となるようにできる。そして、グラファイト層(5)の表面にではなく、Ni膜(2)の上に配線用電極(6)を形成することができるため、配線用電極(6)がNi膜(2)から剥離することもない。このため、グラファイト層(5)の除去工程を行わなくても、配線用電極(6)の剥がれを防止することが可能となる。
請求項4に記載の発明では、炭化珪素(1)の表面にNi膜(2)を形成する工程と、Ni膜(2)の上に被カーバイド金属膜(10)を形成する工程と、熱処理を行うことで、Ni膜(2)をシリサイド化させ、炭化珪素(1)の表面にNiシリサイド膜(4)を形成すると共に、被カーバイド金属膜(10)にて金属カーバイド膜(11)を形成する工程と、金属カーバイド膜(11)の上に配線用電極(6)を形成する工程とを含んでいることを特徴としている。
このように、Ni膜(2)の上に被カーバイド金属膜(10)を形成しておき、Ni膜(2)をシリサイド化させる際に被カーバイド金属膜(10)が形成されるようにしている。したがって、ワイヤボンディングやはんだ接合との接合性の良好な金属カーバイド膜(11)の上に配線用電極(6)を形成することができるため、配線用電極(6)が金属カーバイド膜(11)から剥離することもない。このため、グラファイト層の除去工程を行わなくても、配線用電極(6)の剥がれを防止することが可能となる。
例えば、請求項5に示されるように、被カーバイド金属膜(10)として、Ti、W、Mo、Taのいずれか1つを用いることができる。
請求項6に記載の発明では、熱処理を900℃以上で行うことを特徴としている。このように、熱処理を900℃以上とすることで、SiCとのコンタクト抵抗低減と、配線用電極(6)の高密着性との両立を実現できる。
請求項7に記載の発明では、熱処理を急速熱処理装置にて行うことを特徴としている。このように、急速熱処理装置を用いて熱処理を行うことで、熱処理時間を短くできることから、グラファイト層(5)の生成を減らすことが可能になるという効果も得られる。
請求項8に記載の発明では、配線用電極(6)の下層にTiもしくはTi化合物を設ける工程を含み、該TiもしくはTi化合物に配線用電極(6)が接合されるようにすることを特徴としている。
このように、配線用電極(6)と下地となる膜との間にTiやTi化合物が挟み込まれた構造となるようにすれば、より密着性を高めることも可能となる。
請求項9ないし14に記載の発明は、上記請求項1ないし8に記載の製造方法によって製造される炭化珪素半導体装置の具体的な特徴を示したものである。これら各請求項に記載の構造により、配線用電極(6)が剥がれることが防止できる炭化珪素半導体装置とすることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態が適用されたSiC半導体装置の製造方法について説明する。図1は、本実施形態のSiC半導体装置の製造工程を示したものである。
本発明の第1実施形態が適用されたSiC半導体装置の製造方法について説明する。図1は、本実施形態のSiC半導体装置の製造工程を示したものである。
まず、図1(a)に示されるように、SiC1、例えば4H−SiCが含まれる基板を用意する。ここでいう基板は、すべてがSiC1で構成されているものであっても良いし、他の基板にSiC1が形成されたものであっても良い。
そして、SiC1の表面にNi膜2を例えば200nm成膜したのち、Niシリサイド膜3を200nm成膜する。このとき、Ni膜2およびNiシリサイド膜3に関しては、SiC1のうちコンタクトを取りたい部分が一部のみである場合には、その一部にのみ残るようにパターニングされる場合もある。
この後、急速熱処理(RTA:Rapid Thermal Anneal)装置を用いて、900℃以上、例えば1000℃で5分間の熱処理を行うというサリサイドプロセスを実施する。これにより、図1(b)に示されるように、Ni層2がシリサイド化され、SiC1の表面にNiシリサイド膜4が形成されると共に、このNiシリサイド膜4の上にグラファイト層5が形成される。
このとき、グラファイト層5は、上層に形成されているNiシリサイド膜3と科学的に結合することになる。このため、グラファイト層5とNiシリサイド膜3とは高い密着強度で接合される。
そして、図1(c)に示されるように、Niシリサイド膜3の上に例えばAlを3μm成膜することで配線用電極6を形成する。この後の工程に関しては図示していないが、層間絶縁膜形成工程等を経て、配線用電極6にワイヤボンディングもしくははんだ接合などを行うことでSiC半導体装置が完成する。
以上説明したSiC半導体装置の製造方法によれば、グラファイト層5が形成される前に、予めNi膜2の上にNiシリサイド膜3を形成しているため、Ni膜2をシリサイド化したときに、グラファイト層5がNiシリサイド膜3と科学的に結合されるようにすることができる。
これにより、グラファイト層5とNiシリサイド膜3とを高い密着強度で接合することができる。そして、グラファイト層5の表面にではなく、Niシリサイド膜3の上に配線用電極6を形成することができるため、配線用電極6がNiシリサイド膜3から剥離することもない。このため、グラファイト層5の除去工程を行わなくても、配線用電極6の剥がれを防止することが可能となる。
なお、上記のように、熱処理をRTA装置で行ったが、このようなRTA装置を用いれば、熱処理時間を短くできることから、グラファイト層5の生成を減らすことが可能になるという効果も得られる。また、熱処理を900℃以上という高い温度で行うことができ、SiC1とのコンタクト抵抗低減と配線用電極の高密着性との両立を実現することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。図2は、本実施形態のSiC半導体装置の製造工程を示したものである。
本発明の第2実施形態について説明する。図2は、本実施形態のSiC半導体装置の製造工程を示したものである。
まず、上記第1実施形態と同様、図2(a)に示されるように、SiC1、例えば4H−SiCが含まれる基板を用意する。
そして、SiC1の表面にNi膜2を例えば500nm以上の膜厚で成膜する。このとき、Ni膜2に関しては、SiC1のうちコンタクトを取りたい部分が一部のみである場合には、その一部にのみ残るようにパターニングされる場合もある。
この後、RTA装置を用いて、900℃以上、例えば1000℃で1分間の熱処理を行うというサリサイドプロセスを実施する。これにより、図2(b)に示されるように、Ni層2がシリサイド化され、SiC1の表面にNiシリサイド膜4が形成されると共に、このNiシリサイド膜4の上にグラファイト層5が形成される。
このとき、Ni層2が500nmという厚い膜厚とされているため、Ni層2がシリサイド化されても部分的なものとなり、サリサイドプロセスを経てからも、グラファイト層5の上層にNi層2が残った状態となる。また、このグラファイト層5と上層に残ったNi層2とは、高い密着強度で接合された状態となる。
そして、図2(c)に示されるように、残ったNi膜2の上に例えばAlを3μm成膜することで配線用電極6を形成する。この後の工程に関しては図示していないが、層間絶縁膜形成工程等を経て、配線用電極6にワイヤボンディングもしくははんだ接合などを行うことでSiC半導体装置が完成する。
以上説明したSiC半導体装置の製造方法によれば、グラファイト層5が形成されてもその上にNi膜2が残るように、最初からNi膜2を厚く形成するようにしている。このため、Ni膜2をシリサイド化したあとにも、グラファイト層5が残ったNi層2と高い密着強度で接合された状態となるようにできる。そして、グラファイト層5の表面にではなく、Ni膜2の上に配線用電極6を形成することができるため、配線用電極6がNi膜2から剥離することもない。このため、グラファイト層5の除去工程を行わなくても、配線用電極6の剥がれを防止することが可能となる。
なお、本実施形態でも、第1実施形態と同様に、熱処理をRTA装置で行ったが、このようなRTA装置を用いれば、熱処理時間を短くできることから、グラファイト層5の生成を減らすことが可能になるという効果も得られる。また、熱処理を900℃以上という高い温度で行うことで、SiC1とのコンタクト抵抗低減と配線用電極の高密着性との両立を実現することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。図3は、本実施形態のSiC半導体装置の製造工程を示したものである。
本発明の第3実施形態について説明する。図3は、本実施形態のSiC半導体装置の製造工程を示したものである。
まず、上記第1実施形態と同様、図3(a)に示されるように、SiC1、例えば4H−SiCが含まれる基板を用意する。
そして、SiC1の表面にNi膜2を例えば200nm以上の膜厚で成膜したのち、さらにNi膜2の表面に被カーバイド金属膜に相当するTi膜10を成膜する。このとき、Ni膜2およびTi膜10に関しては、SiC1のうちコンタクトを取りたい部分が一部のみである場合には、その一部にのみ残るようにパターニングされる場合もある。
この後、RTA装置を用いて、900℃以上、例えば1000℃で5分間の熱処理を行うというサリサイドプロセスを実施する。これにより、図3(b)に示されるように、Ni層2がシリサイド化され、SiC1の表面にNiシリサイド膜4が形成されると共に、このNiシリサイド膜4が形成される際に生成されるグラファイトがTi膜10と反応してTiカーバイド膜11が形成される。
そして、図3(c)に示されるように、Tiカーバイド膜11の上に例えばAlを3μm成膜することで配線用電極6を形成する。この後の工程に関しては図示していないが、層間絶縁膜形成工程等を経て、配線用電極6にワイヤボンディングもしくははんだ接合などを行うことでSiC半導体装置が完成する。
以上説明したSiC半導体装置の製造方法によれば、Ni膜2の上に被カーバイド金属膜となるTi膜10を形成しておき、Ni膜2をシリサイド化させる際にTi膜10にてTiカーバイド膜11が形成されるようにしている。したがって、ワイヤボンディングやはんだ接合との接合性の良好なTiカーバイド膜11の上に配線用電極6を形成することができるため、配線用電極6がTiカーバイド膜11から剥離することもない。このため、グラファイト層の除去工程を行わなくても、配線用電極6の剥がれを防止することが可能となる。
なお、本実施形態でも、第1、第2実施形態と同様に、熱処理をRTA装置で行ったが、このようなRTA装置を用いれば、熱処理時間を短くできることから、グラファイト層5の生成を減らすことが可能になるという効果も得られる。また、熱処理を900℃以上という高い温度で行うことで、SiC1とのコンタクト抵抗低減と配線用電極の高密着性との両立を実現することができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。図4は、本実施形態のSiC半導体装置の製造工程を示したものである。
本発明の第4実施形態について説明する。図4は、本実施形態のSiC半導体装置の製造工程を示したものである。
まず、上記第1実施形態と同様、図4(a)に示されるように、SiC1、例えば4H−SiCが含まれる基板を用意する。
そして、SiC1の表面にNi膜2を例えば200nm以上の膜厚で成膜する。このとき、Ni膜2に関しては、SiC1のうちコンタクトを取りたい部分が一部のみである場合には、その一部にのみ残るようにパターニングされる場合もある。
この後、RTA装置を用いて、900℃以下、例えば900℃で5分間の熱処理を行うというサリサイドプロセスを実施する。これにより、図4(b)に示されるように、Ni層2がシリサイド化され、SiC1の表面にNiシリサイド膜4が形成される。このとき、サリサイドプロセスでの熱処理を900℃以下という低温度で行うようにしているため、Niシリサイド膜4の上層にグラファイト層が形成されず、Ni層2が残るか、もしくはすべてNiシリサイド膜4となる。
そして、図4(c)に示されるように、残ったNi層2(もしくはNiシリサイド膜4)の上に例えばAlを3μm成膜することで配線用電極6を形成する。この後の工程に関しては図示していないが、層間絶縁膜形成工程等を経て、配線用電極6にワイヤボンディングもしくははんだ接合などを行うことでSiC半導体装置が完成する。
以上説明したSiC半導体装置の製造方法によれば、Niシリサイド膜4の上層にグラファイト層が形成されず、Ni膜2もしくはNiシリサイド膜4の上に配線用電極6を形成することができるため、配線用電極6がNi層2もしくはNiシリサイド膜4から剥離することもない。このため、グラファイト層の除去工程を行わなくても、配線用電極6の剥がれを防止することが可能となる。
なお、本実施形態でも、第1〜3実施形態と同様に、熱処理をRTA装置で行ったが、このようなRTA装置を用いれば、熱処理時間を短くできることから、グラファイト層5の生成を減らすことが可能になるという効果も得られる。
(他の実施形態)
上記各実施形態において、SiC1の結晶構造が4Hである場合を例に挙げて説明したが、SiC1の結晶構造は4Hに限らず、他の構造、例えば6Hや3Cであっても構わない。
上記各実施形態において、SiC1の結晶構造が4Hである場合を例に挙げて説明したが、SiC1の結晶構造は4Hに限らず、他の構造、例えば6Hや3Cであっても構わない。
また、上記各実施形態において、配線用電極6がAlで形成される場合を例に挙げて説明したが、これも単なる一例であり、他の金属、例えばTi、W、Cu、Ni、Mo、Cr、Co、Fe、Pt、Au、AlSi、AuGe、AuSnなどであっても良いし、これらの任意の組み合わせからなる積層膜であっても構わない。
なお、配線用電極6の下層に、Ti、TiNなどのTi化合物を形成し、Niシリサイド膜3等と配線用電極6との間にTiやTi化合物が挟み込まれた構造となるようにすれば、より密着性を高めることも可能となる。
上記第1実施形態では、金属シリサイド膜としてNiシリサイド膜3を形成した場合を例に挙げて説明したが、これも単なる一例であり、Niシリサイド膜3に代えて、Wシリサイド膜、Coシリサイド膜、Crシリサイド膜、Moシリサイド膜、Tiシリサイド膜、Ptシリサイド膜、Alシリサイド膜のいずれか1つもしくは複数の組み合わせを金属シリサイド膜として用いても良い。
上記第3実施形態では、被カーバイド金属膜としてTi膜10を用い、カーバイド金属膜がTiカーバイド膜11で構成される場合を例に挙げて説明したが、これも単なる一例であり、Tiに代えて、W、Mo、Taのいずれかを用いることができる。
1…SiC、2…Ni膜、3…Niシリサイド膜(金属シリサイド膜)、4…Niシリサイド膜、5…グラファイト層、6…配線用電極、10…Ti膜(被カーバイド金属膜)、11…Tiカーバイド膜(金属カーバイド膜)。
Claims (14)
- 炭化珪素(1)の表面にNi膜(2)を形成する工程と、
前記Ni膜(2)の上に金属シリサイド膜(3)を形成する工程と、
熱処理を行うことで、前記Ni膜(2)をシリサイド化させ、前記炭化珪素(1)の表面にNiシリサイド膜(4)を形成する工程と、
前記金属シリサイド膜(3)の上に配線用電極(6)を形成する工程とを含んでいることを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。 - 前記金属シリサイド膜(3)を形成する工程では、前記金属シリサイド膜(3)として、Niシリサイド膜、Wシリサイド膜、Coシリサイド膜、Crシリサイド膜、Moシリサイド膜、Tiシリサイド膜、Ptシリサイド膜、Alシリサイド膜のいずれか1つもしくは複数の組み合わせを形成することを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
- 炭化珪素(1)の表面に厚さ500nm以上となるNi膜(2)を形成する工程と、
熱処理を行うことで、前記Ni膜(2)をシリサイド化させ、前記炭化珪素(1)の表面にNiシリサイド膜(4)を形成することで、該Niシリサイド膜(4)の上にグラファイト層(5)が形成されると共に、該グラファイト層(5)の上に前記Ni膜(2)の一部が残された構造を形成する工程と、
前記Ni膜(2)の上に配線用電極(6)を形成する工程とを含んでいることを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。 - 炭化珪素(1)の表面にNi膜(2)を形成する工程と、
前記Ni膜(2)の上に被カーバイド金属膜(10)を形成する工程と、
熱処理を行うことで、前記Ni膜(2)をシリサイド化させ、前記炭化珪素(1)の表面にNiシリサイド膜(4)を形成すると共に、前記被カーバイド金属膜(10)にて金属カーバイド膜(11)を形成する工程と、
前記金属カーバイド膜(11)の上に配線用電極(6)を形成する工程とを含んでいることを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。 - 前記被カーバイド金属膜(10)を形成する工程では、前記被カーバイド金属膜(10)として、Ti、W、Mo、Taのいずれか1つを形成するものであることを特徴とする請求項4に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
- 前記熱処理を900℃以上で行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
- 前記熱処理を急速熱処理装置にて行うことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
- 前記配線用電極(6)の下層にTiもしくはTi化合物を設ける工程を含み、該TiもしくはTi化合物に前記配線用電極(6)が接合されるようにすることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
- 炭化珪素(1)が含まれる基板と、
前記炭化珪素(1)の表面に形成されたNiシリサイド膜(4)と、
前記Niシリサイド膜(4)の上に形成されたグラファイト層(5)と、
前記グラファイト層(5)の上に形成された金属シリサイド膜(3)と、
前記金属シリサイド膜(3)の上に形成された配線用電極(6)とを有していることを特徴とする炭化珪素半導体装置。 - 前記金属シリサイド膜(3)は、Niシリサイド膜、Wシリサイド膜、Coシリサイド膜、Crシリサイド膜、Moシリサイド膜、Tiシリサイド膜、Ptシリサイド膜、Alシリサイド膜のいずれか1つもしくは複数の組み合わせであることを特徴とする請求項9に記載の炭化珪素半導体装置。
- 炭化珪素(1)が含まれる基板と、
前記炭化珪素(1)の表面に形成されたNiシリサイド膜(4)と、
前記Niシリサイド膜(4)の上に形成されたNi膜(2)と、
前記Ni膜(2)の上に形成された配線用電極(6)とを有していることを特徴とする炭化珪素半導体装置。 - 炭化珪素(1)が含まれる基板と、
前記炭化珪素(1)の表面に形成されたNiシリサイド膜(4)と、
前記Niシリサイド膜(4)の上に形成された金属カーバイド膜(11)と、
前記金属カーバイド膜(11)の上に形成された配線用電極(6)とを有していることを特徴とする炭化珪素半導体装置。 - 前記金属カーバイド膜(11)は、Tiカーバイド、Wカーバイド、Moカーバイド、Taカーバイドのいずれか1つであることを特徴とする請求項12に記載の炭化珪素半導体装置。
- 前記配線用電極(6)の下層にTiもしくはTi化合物が設けられており、該TiもしくはTi化合物に前記配線用電極(6)が接合されるようにすることを特徴とする請求項9ないし13のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置。
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